特許第6795708号(P6795708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6795708電極リード接合用バスバー組立体及びこれを含むバッテリーモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795708
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】電極リード接合用バスバー組立体及びこれを含むバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-559762(P2019-559762)
(86)(22)【出願日】2018年9月10日
(65)【公表番号】特表2020-518968(P2020-518968A)
(43)【公表日】2020年6月25日
(86)【国際出願番号】KR2018010572
(87)【国際公開番号】WO2019074211
(87)【国際公開日】20190418
【審査請求日】2019年10月31日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0130918
(32)【優先日】2017年10月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ホ−ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】キョン−モ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン−オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ジン−ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン−フン・イ
【審査官】 浅野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0171399(US,A1)
【文献】 特開2007−265945(JP,A)
【文献】 特開2011−090812(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/037505(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0037641(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0032098(KR,A)
【文献】 特開2011−249243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極リードを備えた複数のバッテリーセルを電気的に接続するバスバー組立体であって、
棒状伝導体の形態に設けられる挿入型バスバーと、
前記挿入型バスバーを中心にして前記挿入型バスバーの両側に少なくとも一つずつの電極リードを介在可能な介在空間を形成する側面密着型バスバーと、
前記挿入型バスバーを前記側面密着型バスバーよりも突出した位置で支持するが、前記挿入型バスバーが押圧されると、前記側面密着型バスバーと同一平面上に位置するように前記挿入型バスバーによって弾性的に変形可能に設けられる支持及び把持部材と、を含むことを特徴とするバスバー組立体。
【請求項2】
前記支持及び把持部材は、
前記挿入型バスバーを支える両端部を備え、左右へ弾性的に開けられるように設けられ、前記挿入型バスバーが内側へ入ると、弾性復元力で前記挿入型バスバーの両側面を押圧する板バネであることを特徴とする請求項1に記載のバスバー組立体。
【請求項3】
前記挿入型バスバーが、前記板バネの両端部の間の空間に入るように幅が漸進的に減少するテーパー部を備えることを特徴とする請求項2に記載のバスバー組立体。
【請求項4】
前記挿入型バスバーが、前記側面密着型バスバーと同一平面上で前記側面密着型バスバーの側面部と対面する第1フラット部と、前記第1フラット部よりも幅が小さく形成され、前記板バネの両端部によって押圧される第2フラット部と、を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のバスバー組立体。
【請求項5】
前記側面密着型バスバーは、二つを一対にして相互分離可能に設けられ、
一対の側面密着型バスバーの各々は、前記挿入型バスバーに並んで設けられる密着部と、前記密着部の両端から折り曲げられるように延びて形成される間隔調節部とを含み、
前記一対の側面密着型バスバーは、前記挿入型バスバーを中心にして相互対称に配置され、前記挿入型バスバーの周りを囲むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバスバー組立体。
【請求項6】
板状構造物であり、前記介在空間に対応する位置に前記電極リードが通過可能なスリットを備え、前記挿入型バスバー及び前記側面密着型バスバーを支持するバスバー支持フレームをさらに含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のバスバー組立体。
【請求項7】
前記バスバー支持フレームが、
前記挿入型バスバーを挟んで前記支持及び把持部材と対向する位置に設けられ、前記挿入型バスバーを拘束するクランピング部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のバスバー組立体。
【請求項8】
前記バスバー支持フレームが、
前記側面密着型バスバーの両側面を弾性的に押圧するように設けられる弾性押圧部をさらに備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のバスバー組立体。
【請求項9】
前記バスバー支持フレームが、
前記側面密着型バスバーの4個のコーナー部分を囲んで支持するように設けられるコーナーブラケット部をさらに備えることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のバスバー組立体。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のバスバー組立体を含む、バッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極リード接合用バスバー組立体及びこれを含むバッテリーモジュールに関し、より詳しくは、電極リードを曲げることなくバスバーに結合できるバスバー組立体及びこれを含むバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2017年10月11日出願の韓国特許出願第10−2017−0130918号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、商用化した二次電池にはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、この中でリチウム二次電池は、ニッケル系二次電池に比べてメモリー効果がほとんど起こらず充・放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質に用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板とがセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材、即ち、電池ケースを備える。
【0005】
一般的にリチウム二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池と、に分けることができる。
【0006】
最近は、携帯電子機器のような小型装置のみならず、内燃機関及び/または電気モーターを用いて駆動力を確保する電気自動車にも二次電池が拡く用いられている。前記電気自動車には、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車及び内燃機関なく電気モーター及びバッテリーのみで駆動する純粋電気自動車などが含まれる。
【0007】
このような電気自動車に用いられる場合、容量及び出力を高めるために複数の二次電池が電気的に接続する。特に、中・大型装置には、積層が容易であるという長所からパウチ型二次電池がよく用いられる。したがって、通常、中・大型装置のバッテリーモジュール/パックは、前記パウチ型二次電池の直列及び/または並列接続によって具現されている。
【0008】
一方、バッテリーモジュールの構成に際し、図1のように、パウチ型二次電池10の電極リード20を曲げてバスバーの上端面の上に接触させた後、これを溶接40して接合する。ここで、前記バスバーとは、銅、銀、すずメッキ銅のような材質の棒状伝導体を意味する。このようなバスバーは、銅線に比べて高容量の電流を安全に通電させることができ、電気自動車のバッテリーモジュールなどを含めた電源供給装置内に接続部材としてよく使われている。
【0009】
ところが、従来技術の場合、電極リード20の曲げ現象を維持するために作業者による多数の手作業が要求され、金属材質の電極リード20の弾性回復力によって電極リード20とバスバー30とがよく密着しないという問題点がある。特に、3個ないし4個以上の電極リード同士の並列接続時、複数の電極リードをバスバーの上に重ねなければならないため、溶接を行いにくく、この場合、溶接品質も低下するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電極リードを曲げることなくバスバーに結合して電極リードとバスバーとの密着が可能なバスバー組立体及びこれを含むバッテリーモジュールを提供することを目的にする。
【0011】
但し、本発明が解決しようとする課題はこれに限定されず、ここに言及されていないさらに他の技術的課題は、以下に記載された発明の説明からより明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、電極リードを備えた複数のバッテリーセルを電気的に接続するバスバー組立体であって、
【0013】
棒状伝導体の形態に設けられる挿入型バスバーと、前記挿入型バスバーを中心にして前記挿入型バスバーの両側に少なくとも一つずつの電極リードを介在可能な介在空間を形成する側面密着型バスバーと、前記挿入型バスバーを前記側面密着型バスバーよりも突出した位置で支持するが、前記挿入型バスバーが押圧されると、前記側面密着型バスバーと同一平面上に位置するように前記挿入型バスバーによって弾性的に変形可能に設けられる支持及び把持部材と、を含むバスバー組立体を提供することができる。
【0014】
前記支持及び把持部材は、前記挿入型バスバーを支える両端部を備え、左右へ弾性的に開けられるように設けられ、前記挿入型バスバーが内側へ入ると、弾性復元力で前記挿入型バスバーの両側面を押圧する板バネであり得る。
【0015】
前記挿入型バスバーは、前記板バネの両端部の間の空間に入るように幅が漸進的に減少するテーパー部を備え得る。
【0016】
前記挿入型バスバーは、前記側面密着型バスバーと同一平面上で前記側面密着型バスバーの側面部と対面する第1フラット部と、前記第1フラット部よりも幅が小さく形成され、前記板バネの両端部によって押圧される第2フラット部と、を備え得る。
【0017】
前記側面密着型バスバーは、二つを一対にして相互分離可能に設けられ、一対の側面密着型バスバーの各々は、前記挿入型バスバーに並んで設けられる密着部と、前記密着部の両端から折り曲げられるように延びて形成される間隔調節部を含み、前記一対の側面密着型バスバーは、前記挿入型バスバーを中心にして相互対称に配置され、前記挿入型バスバーの周りを囲むように構成され得る。
【0018】
板状構造物であって、前記介在空間に対応する位置に前記電極リードが通過可能なスリットを備え、前記挿入型バスバー及び前記側面密着型バスバーを支持するバスバー支持フレームをさらに含み得る。
【0019】
前記バスバー支持フレームは、前記挿入型バスバーを挟んで前記支持及び把持部材と対向する位置に設けられ、前記挿入型バスバーを拘束するクランピング部をさらに備え得る。
【0020】
前記バスバー支持フレームは、前記側面密着型バスバーの両側面を弾性的に押圧するように設けられる弾性押圧部をさらに備え得る。
【0021】
前述のバスバー支持フレームは、前記側面密着型バスバーの4個のコーナー部分を囲んで支持するように設けられるコーナーブラケット部をさらに備え得る。
【0022】
本発明の他の様態によれば、前述のバスバー組立体を含むバッテリーモジュールを提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電極リードを曲げることなくバスバーに結合して電極リードとバスバーとの密着が可能なバスバー組立体及びこれを含むバッテリーモジュールを提供することができる。
【0024】
また、一体の電極リードを機械的に押圧した状態で溶接することができるため、並列接続構造において電極リードの個数に関わらず電気的接続性及び機械的接合強度の信頼性が向上する。
【0025】
また、電極リードの曲げのための手作業工程が省略されるので、バッテリーモジュール生産ラインの自動化比率を向上させることができる。
【0026】
本発明の効果は上述の効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は、本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者にとって明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術による電極リードとバスバーとの接合構成を概略的に示した図である。
図2】本発明の一実施例によるバスバー組立体の主要構成及びバッテリーセル積層体を概略的に示した斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるバスバー組立体の主要構成及びバッテリーセル積層体を概略的に示した斜視図である。
図4】本発明の一実施例による電極リード挿入前の状態のバスバー組立体の構成を示した斜視図である。
図5図4の主要部分の切開斜視図である。
図6】本発明の一実施例による電極リード挿入後の状態のバスバー組立体の構成を示した斜視図である。
図7図6における主要部分の切開斜視図である。
図8】本発明の一実施例による電極リードとバスバー組立体との接合前の構成を概略的に示した図である。
図9】本発明の一実施例による電極リードとバスバー組立体との接合後の構成を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、図面における構成要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。したがって、各構成要素の大きさや比率は、実際の大きさや比率を完全に反映することではない。
【0031】
本発明によるバスバー組立体1は、複数のバッテリーセル10の電極リード20と電気的に接続するバッテリーモジュールの付属部品を意味し得る。但し、本発明の権利範囲は、バッテリーモジュールの部品として使われる場合のみに限定されない。例えば、本発明のバスバー組立体1は、バッテリーモジュールなどを含めた電源供給装置内おいて、接続部品として使われ得る。
【0032】
図2及び図3は、本発明の一実施例によるバスバー組立体の主要構成及びバッテリーセル積層体を概略的に示した斜視図であり、図4及び図5は、本発明の一実施例による電極リードを挿入する前の状態のバスバー組立体の構成を示した斜視図及びその主要部分の切開斜視図であり、図6及び図7は、本発明の一実施例による電極リード挿入後状態のバスバー組立体の構成を示した斜視図及びその主要部分の切開斜視図である。
【0033】
これらの図面を参照すれば、本発明によるバスバー組立体1は、挿入型バスバー100と、挿入型バスバー100を中心にして挿入型バスバー100の両側に少なくとも一つずつの電極リード20を介在可能な介在空間Sを形成する側面密着型バスバー200と、挿入型バスバー100を側面密着型バスバー200よりも突出した位置で支持するが、挿入型バスバー100によって弾性的に変形可能に設けられる支持及び把持部材300と、これらが組立及び支持される空間を提供するバスバー支持フレーム400と、を含み得る。
【0034】
バッテリーセル10の電極リード20は、正極リード21及び負極リード22を含む。詳しくは後述するが、本発明によれば、前記正極リード21及び負極リード22は、本発明によるバスバー組立体1の介在空間Sに直接挿入されてバスバー組立体1によってその端部がクランピングされた後、溶接が行われ得る。したがって、従来のような電極リード20の曲げ作業過程を省略することができ、これによって生産ラインの自動化比率を高めることができる。また、本発明によれば、機械的に押圧された状態で電極リード20が溶接され、二つ以上の電極リード20を並列に接合する場合においても、電気的接続性及び機械的接合強度に対する信頼性を維持することができる。
【0035】
以下、このような本発明によるバスバー組立体1をより詳しく説明する。
【0036】
先ず、挿入型バスバー100は、棒状であって、電気伝導性を有する銅、銀、すずメッキ銅のような材質から製作されることで、高容量の電流を安全に通電させることができる。正極リード21及び負極リード22は、このような挿入型バスバー100に密着及び溶接されて相互通電することができる。例えば、合計6個のバッテリーセル10を3個ずつ並列接続した構成にし、図2及び図3に示したように、3個のバッテリーセル10の正極リード21を重ね、他の3個のバッテリーセル10の負極リード22を重ねて介在空間Sに挿入した後、その端部を挿入型バスバー100の両側面に密着及び溶接してこれらを通電させることができる。
【0037】
前記挿入型バスバー100は、側面密着型バスバー200に対し、Z軸(±)方向へ移動可能に設けられ、支持及び把持部材300によって支持される。例えば、挿入型バスバー100は、側面密着型バスバー200よりも突出した位置に支持されており、Z軸(−)方向へ外力が加えられると、挿入型バスバー100を支持していた支持及び把持部材300が弾性的に変形されながら側面密着型バスバー200と同一平面上に位置移動可能である。
【0038】
そして、図5及び図7を参照すれば、挿入型バスバー100は、第1フラット部110a及び第2フラット部110bと、テーパー部120と、を含み得る。前記第1フラット部110a、第2フラット部110b、テーパー部120は、Z軸に沿って連続的に形成され得る。
【0039】
第1フラット部110a及び第2フラット部110bは、各々幅が一定に形成されるが、第2フラット部110bは、第1フラット部110aよりも幅が小さく形成され得る。第1フラット部110aは、電極リード20の一端と面接触する部分として特定され得、第2フラット部110bは、支持及び把持部材300によって押圧される部分として特定され得る。テーパー部120は、Z軸(−)方向へ幅が漸進的に小さく形成される部分に特定され得る。
【0040】
このような挿入型バスバー100は、Z軸を基準にして下部が上部よりも狭く形成されているため、側面密着型バスバー200よりも突出している場合、そうでない場合とを比べると、前記介在空間Sがより広く確保可能であることが分かる。したがって、この場合、電極リード20を前記介在空間Sに容易に介在することができ、電極リード20を介在した後に挿入型バスバー100を押圧してZ軸(−)方向へ下降させると、前記電極リード20が挿入型バスバー100の第1フラット部110aと側面密着型バスバー200の側面部に密着できる。
【0041】
一方、側面密着型バスバー200は、例えば、中央に空間を有する四角フレーム形状として設けられ得、挿入型バスバー100を中央に置いて挿入型バスバー100との間に介在空間Sを形成し得る。この際、前記介在空間Sは、挿入型バスバー100の両側の2ヶ所に形成され得る。
【0042】
特に、本実施例の場合、前記側面密着型バスバー200は、二つを一対にした相互分離可能に設けられ得る。前記一対の側面密着型バスバー200は、各々略「コ」字形態で密着部210及び間隔調節部220を含み得る。
【0043】
より具体的に、密着部210は、挿入型バスバー100に並んで配置される部分に定義され得、間隔調節部220は、前記密着部210の両端で挿入型バスバー100に向けて折り曲げられるように延びて形成される部分に定義され得る。このような一対の側面密着型バスバー200は、挿入型バスバー100を中心にして相互対称に配置され、挿入型バスバー100の外周を囲む形態であり得る。
【0044】
この際、二つの密着部210及び挿入型バスバー100の両側面の間に介在空間Sが形成され得、いずれか一つの側面密着型バスバー200の間隔調節部220と、他の一つの側面密着型バスバー200の間隔調節部220とは、相互当接するように構成され得る。この場合、前記一対の側面密着型バスバー200の間にも通電が可能となる。
【0045】
また、一対の側面密着型バスバー200は相互分離可能であるため、図4及び図5に示したように、Y軸(±)方向へ二つの側面密着型バスバー200を離隔させることができる。このように二つの側面密着型バスバー200を相互離隔させると、前記介在空間Sがより広く拡張される。相互離隔されて配置された状態の 二つの側面密着型バスバー200は、前記介在空間Sに電極リード20を介在した後、後述するバスバー支持フレーム400の弾性押圧部430によって、相互当接するようにさらに押圧され得る。
【0046】
一方、本実施例とは異なり、側面密着型バスバー200は、介在空間Sを形成して電極リード20を押圧する構成であるため、必ず電気伝導性を有する材質でなくてもよい。即ち、正極リード21と負極リード22との通電は、挿入型バスバー100だけでも可能であるため、側面密着型バスバー200は、挿入型バスバー100とは異なる絶縁素材であってもよい。なお、本実施例の代案として、絶縁素材で側面密着型バスバー200を製作する場合、バッテリーモジュール内の電気的短絡の防止面でさらなる効果を得ることもできると考えられる。
【0047】
支持及び把持部材300は、板バネ300または板バネ300と類似な物性を有する構造物として具現され得る。本実施例による板バネ300は、挿入型バスバー100を支える両端部を備え、左右へ弾性的に開けられるように設けられ得る。
【0048】
より具体的に、板バネ300の両端部に挿入型バスバー100のテーパー部120が支えられた状態で外力によってZ軸(−)方向へ挿入型バスバー100が下降すると、板バネ300の両端部が左右へさらに開けられながら挿入型バスバー100が板バネ300の内側へ入る。挿入型バスバー100は、挿入型バスバー100の第1フラット部110aと側面密着型バスバー200の側面部とが対面する位置までZ軸(−)方向へ下降し得る。
【0049】
このように、挿入型バスバー100が側面密着型バスバー200と同一平面上に位置すれば、板バネ300は、両端部が挿入型バスバー100の第2フラット部110bに結合し、挿入型バスバー100の両側の第2フラット部110bを押圧して挿入型バスバー100を固定する。この際、前記外力が消えた後、板バネ300の弾性復元力が挿入型バスバー100の両側面部を押圧する力として作用する。例えば、溶接ジグがZ軸(−)方向へ挿入型バスバー100を押圧して挿入型バスバー100が下降して板バネ300の内側へ入り、電極リード20の溶接後、電極リード20との接合力、そして側面密着型バスバー200の押圧力と共に前記板バネ300の押圧によって挿入型バスバー100の動きが阻止できる。
【0050】
一方、バスバー支持フレーム400は、バッテリーセル10積層体の前/後面に付着され得る。例えば、バッテリーセル10積層体は、モジュールハウジング(図示せず)に収納され得る。前記モジュールハウジングは、前/後面がオープンされた角管形態に提供され得、バスバー支持フレーム400は、このようなモジュールハウジングの前/後面に結合してバッテリーセル10積層体の前/後面に位置し得る。
【0051】
バスバー支持フレーム400は、板状構造物であって、挿入型バスバー100と一対の側面密着型バスバー200との間の介在空間Sに対応する位置に電極リード20が通るスリット410を備え、挿入型バスバー100がZ軸(±)方向へ移動可能であり、側面密着型バスバー200がY軸(±)方向へ挿入型バスバー100に向けて密着可能に構成され得る。
【0052】
このために、バスバー支持フレーム400は、クランピング部420、弾性押圧部430及びコーナーブラケット部450をさらに備え得る。
【0053】
クランピング部420は、挿入型バスバー100を挟んで板バネ300と対向する位置に設けられ、挿入型バスバー100を拘束する役割を果す構成であって、板バネ300によって突出して支持された状態にある挿入型バスバー100の上端部をZ軸(−)方向へ支持する。
【0054】
本実施例の場合、クランピング部420は、バスバー支持フレーム400の板面に対して略直角に折り曲げられた形状を有し、X軸方向を基準で挿入型バスバー100の両端部分を支持するように構成されている。したがって、挿入型バスバー100は、このようなクランピング部420によって板バネ300に部分的に入った状態で拘束されており、外力が作用する場合、板バネ300の内側へさらに深く入り得る。
【0055】
弾性押圧部430は、側面密着型バスバー200の両側面を弾性的に押圧する構成である。前述したように、側面密着型バスバー200は、二つを一対にして相互分離可能に構成され得、介在空間Sの確保のためにこれらを相互離隔させ得る。弾性押圧部430は、離隔されて分離した状態の一対の側面密着型バスバー200を、側方、即ち、Y軸(±)方向へ押圧してさらに密着させる役割を果す。
【0056】
より具体的に、本実施例の場合、弾性押圧部430は、一対の側面密着型バスバー200の外側面に一面が接触するカンチレバー(cantilever) 構造のプレート形態で具現され得る。例えば、図5及び図7に示したように、右側面密着型バスバー200をY軸(−)方向へ引っ張ると、弾性押圧部430は弾性範囲内で反り、右側面密着型バスバー200を放すと、元の状態に戻りながら右側面密着型バスバー200をY軸(+)方向へ押す。
【0057】
コーナーブラケット部450は、一対の側面密着型バスバー200の動きを許容しながら一対の側面密着型バスバー200を支持する役割を果す。
【0058】
本実施例において、コーナーブラケット部450は、合計4個であり、前記4個のコーナーブラケット部450は、側面密着型バスバー200のコーナー部分に位置して側面密着型バスバー200を動き可能に拘束する。具体的に、コーナーブラケット部450は、一対の側面密着型バスバー200が両側へ最も遠く離隔された状態で4個のコーナー部分を囲むように構成され得る。言い換えれば、4個のコーナーブラケット部450は、一対の側面密着型バスバー200を上下左右で拘束するが、例えば、図7のDで示しただけの動き許容空間を有して前記コーナーブラケット部450の動き許容空間内で側面密着型バスバー200を移動可能にする。
【0059】
図8及び図9は、本発明の一実施例による電極リードとバスバー組立体との接合前後の構成を概略的に示した図である。
【0060】
続いて、図8及び図9を参照して本発明によるバスバー組立体1の作動及び電極リード20の接合方法を簡略に説明する。本実施例は、3個ずつのバッテリーセル10を並列接続し、これらの正極リード21及び負極リード22をバスバー組立体1に接合した例である。
【0061】
先ず、図8のように、バスバー組立体1の介在空間Sを充分に確保する。この際、前述したように、挿入型バスバー100を側面密着型バスバー200よりも突出するように位置させ、側面密着型バスバー200を離隔させて介在空間Sを充分確保することができる。
【0062】
次に、正極リード21の端部及び負極リード22の端部を各々介在空間Sに挿入配置する。前記介在空間Sは、挿入型バスバー100を基準にしてその両側の2ヶ所である。正極リード21及び負極リード22を各々一束ね単位でその端部のみを前記介在空間Sに挿入配置する。
【0063】
次に、図9のように挿入型バスバー100を側面密着型バスバー200と同一平面上に下降させて側面密着型バスバー200を密着させ、正極リード21及び負極リード22が挿入型バスバー100と側面密着型バスバー200との間に押圧されるようにする。この状態で、前記正極リード21及び負極リード22に溶接を行う。
【0064】
このような本発明によるバスバー組立体1の構造と作用によれば、電極リード20の溶接過程で従来技術のような(図1参照)電極リード20の曲げ過程が全く必要でない。したがって、電極リード20の曲げのための手作業工程が省略され、バッテリーモジュール生産ラインの自動化比率が向上する。
【0065】
また、一体の電極リード20が機械的に押圧された状態で溶接されるので、並列接続構造において電極リード20の個数に関わらず電気的接続性及び機械的接合強度の信頼性が向上する。
【0066】
一方、本発明によるバッテリーモジュールは、上述のバスバー組立体を含んで構成され得る。また、バッテリーモジュールは、バッテリーセル積層体、前記バッテリーセル積層体を収納するモジュールハウジング、バッテリーセルの充放電を制御するための各種装置(図示せず)、例えば、BMS(Battery Management System)、電流センサー、ヒューズなどをさらに含み得る。このようなバッテリーモジュールは、電気自動車やハイブリッド自動車または電力貯蔵装置のエネルギー源としても使用可能である。
【0067】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0068】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0069】
1 バスバー組立体
10 バッテリーセル
20 電極リード
21 正極リード
22 負極リード
30 バスバー
40 溶接
100 挿入型バスバー
110a 第1フラット部
110b 第2フラット部
120 テーパー部
200 側面密着型バスバー
210 密着部
220 間隔調節部
300 支持及び把持部材(板バネ)
400 バスバー支持フレーム
410 スリット
420 クランピング部
430 弾性押圧部
450 コーナーブラケット部
S 介在空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9