特許第6795710号(P6795710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6795710セルエッジ直接冷却方式のバッテリーモジュール及びそれを含むバッテリーパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795710
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】セルエッジ直接冷却方式のバッテリーモジュール及びそれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20201119BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20201119BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20201119BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20201119BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20201119BHJP
   H01M 10/6552 20140101ALI20201119BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20201119BHJP
【FI】
   H01M2/10 Y
   H01M10/613
   H01M10/6556
   H01M10/647
   H01M10/6563
   H01M10/6552
   H01M10/625
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-563041(P2019-563041)
(86)(22)【出願日】2018年6月8日
(65)【公表番号】特表2020-520073(P2020-520073A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(86)【国際出願番号】KR2018006545
(87)【国際公開番号】WO2019112125
(87)【国際公開日】20190613
【審査請求日】2019年11月13日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0166433
(32)【優先日】2017年12月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジェ−キ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ボム−ヒョン・イ
【審査官】 太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−294023(JP,A)
【文献】 特表2017−526102(JP,A)
【文献】 特表2014−516457(JP,A)
【文献】 特表2014−523079(JP,A)
【文献】 特開2013−051100(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0073636(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0142770(KR,A)
【文献】 特開2009−277561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/52 − 10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角管形態で提供されるモジュールハウジング、及び広い面が立てられて一方向に積層配列され、前記モジュールハウジング内に収納される複数のパウチ型バッテリーセルから構成されたセルアセンブリを備えるバッテリーモジュールであって、
前記パウチ型バッテリーセルから延びる電極リードを電気的に連結し、前記セルアセンブリの前面部及び後面部をそれぞれ覆うセンシングアセンブリを含み、
前記モジュールハウジングの上部及び下部を形成するトッププレート及びボトムプレートと前記セルアセンブリとの間に冷却空気が流動可能な流路が形成され、
前記センシングアセンブリの上端部及び下端部には、前記流路に冷却空気の流出入を許容する通風口が設けられたことを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記センシングアセンブリは、
前記電極リードと連結されるバスバー、及び前記バスバーが前面に取り付けられて相互着脱可能であって、一方向に連続的に組み立てられる複数のセンシングハウジングパーツからなるセンシングハウジングを含み、
前記通風口は、前記複数のセンシングハウジングパーツの上端部及び下端部に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記流路上で前記パウチ型バッテリーセルのエッジ部分に密着し、一端が前記通風口の外側に露出するように設けられるヒートパイプをさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記ヒートパイプは、前記パウチ型バッテリーセルの個数に対応するように備えられることを特徴とする請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記パウチ型バッテリーセル同士は、互いに広い面が接触するように密着配置されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記複数のセンシングハウジングパーツは、相互対応する凸起及び凹溝を備え、前記凸起が前記凹溝に嵌合されて組み立てられることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
少なくとも一つの請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載のバッテリーモジュールと、
内部空間に少なくとも一つの前記バッテリーモジュールを収納可能な箱状で設けられたパックケースと、
前記パックケースの一側に結合され、少なくとも一つの前記バッテリーモジュールの一側の通風口に冷却空気を供給する冷媒供給ユニットとを含むことを特徴とするバッテリーパック。
【請求項8】
少なくとも一つの前記バッテリーモジュールは、それぞれの前記バッテリーモジュールの通風口が同一線上に位置するように並んで密着配置された二つ以上のバッテリーモジュールであり、
前記バッテリーモジュールの前面部に位置した通風口は冷却空気が流れ込むインレット通風口として定義され、後面部に位置した通風口は冷却空気が流れ出るアウトレット通風口として定義され、
前記パックケースは、前記バッテリーモジュールのインレット通風口が配列される第1方向に沿って前記パックケースの内部に設けられ、前記冷媒供給ユニットと連通して冷却空気の流れを前記第1方向に案内するクーラントチャネル部を含むことを特徴とする請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記クーラントチャネル部は、縦断面が弧状であって、開放端が前記インレット通風口を囲むように前記センシングアセンブリに当接して設けられたことを特徴とする請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記パックケースは、前記バッテリーモジュールのトッププレート及びボトムプレートとそれぞれ対面して密着する上板及び下板を備え、
前記クーラントチャネル部は、前記上板と一体的に形成される上部クーラントチャネル部及び前記下板と一体的に形成される下部クーラントチャネル部を含むことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記センシングアセンブリは、前記上部クーラントチャネル部の下面の下側に当接する上部突出板、及び前記下部クーラントチャネル部の上面の上側に当接する下部突出板をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記パックケースは、少なくとも一つの開口を備え、前記バッテリーモジュールのアウトレット通風口と対面する壁面をさらに含むことを特徴とする請求項8〜請求項11のうちいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記冷媒供給ユニットは、前記パックケースの外側に設けられるファンと、前記ファンから二つに分かれて前記上部クーラントチャネル部及び前記下部クーラントチャネル部と連通するように設けられたファンダクトとを含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール及びそれを含むバッテリーパックに関し、より詳しくは、空気の流れがバッテリーセルのエッジ部分に沿って誘導される空冷式バッテリーモジュール及びそれを含むバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2017年12月6日出願の韓国特許出願第10−2017−0166433号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV:Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、電力貯蔵装置(ESS:Energy Storage System)などにも普遍的に適用されている。
【0004】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池セル、すなわち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V〜4.6Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーセルを直列で連結してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに求められる充放電容量によって、多数のバッテリーセルを並列で連結してバッテリーパックを構成することもある。したがって、上記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は、求められる出力電圧または充放電容量によって多様に設定され得る。
【0005】
多数の二次電池セルを直列/並列で連結してバッテリーパックを構成する場合、予め決められた個数の二次電池セルを一つのバッテリーモジュールとして構成し、少なくとも一つのバッテリーモジュールとその他の構成要素を用いてバッテリーパックを構成する方法が一般的である。ここで、バッテリーモジュールやバッテリーパックを構成する二次電池セルとしては、一般に、相互積層し易いという利点を有するパウチ型二次電池が用いられる。
【0006】
一方、パウチ型二次電池は、充放電を繰り返す過程で熱が発生する。バッテリーモジュールには多数のパウチ型二次電池が狭い空間に密集しているため、バッテリーモジュールの作動中には温度が大きく上昇し得る。バッテリーモジュールの温度が適正温度より高くなる場合、性能が低下し得、酷い場合は爆発や発火の危険性もある。したがって、バッテリーモジュールの構成においては、冷却手段を確保することが非常に重要である。
【0007】
バッテリーモジュールの冷却方式としては、代表的に、空冷式と水冷式の二つが挙げられるが、漏電や防水問題などのため水冷式より空冷式が広く用いられている。
【0008】
従来技術による空冷式バッテリーモジュールは、一方向に積層配列されるバッテリーセル同士の間にギャップを設けて流路を確保し、該流路に空気を通過させる構造で設計されたものが多い。一例として、韓国特許公開第10−2013−0035192号公報には、単位セル同士の間にギャップを設け、空気が単位セル同士の間を流れながらバッテリーセルを冷却する技術が開示されている。また、韓国特許公開第10−2014−0144781号公報には、電池セル同士の間に2枚の冷却フィンを接触させ、該2枚の冷却フィンの間に流路を設けて空気を流すことで、空気によって冷却された冷却フィンで電池セルを間接冷却する技術が開示されている。
【0009】
しかし、上記のような従来技術による空冷式バッテリーモジュールは、大きく二つの問題がある。第一、中大型バッテリーモジュール又はバッテリーパックの場合、空気流路を確保するための単位セル間の間隔のため、単位体積当りエネルギー密度が低い。第二、衝撃や振動が加えられる場合、単位セル同士が密着して流路が無くなるか、または、狭い流路に異物が入って流路が詰まる恐れがあって構造的安定性が足りない。外にも、単位セル同士の間隔を一定に維持するためカートリッジのような部品をさらに設けなければならず、カートリッジ組立工程が追加されてコストも上昇する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーセル同士の間隔を無くし、空気の流れがバッテリーセルのエッジ領域に集中されるように流路を構成することで、エネルギー密度を高めることができるバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0011】
また、少なくとも一つ以上の上記バッテリーモジュールを含み、空気の流れが上記バッテリーセルのエッジ領域に集中できる気流誘導構造を有するバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、角管形態で提供されるモジュールハウジング、及び広い面が立てられて一方向に積層配列され、前記モジュールハウジング内に収納される複数のパウチ型バッテリーセルから構成されたセルアセンブリを備えるバッテリーモジュールであって、
前記パウチ型バッテリーセルから延びる電極リードを電気的に連結し、前記セルアセンブリの前面部及び後面部をそれぞれ覆うセンシングアセンブリを含み、前記モジュールハウジングの上部及び下部を形成するトッププレート及びボトムプレートと前記セルアセンブリとの間に冷却空気が流動可能な流路が形成され、前記センシングアセンブリの上端部及び下端部には、前記流路に冷却空気の流出入を許容する通風口が設けられたバッテリーモジュールが提供される。
【0014】
前記センシングアセンブリは、前記電極リードと連結されるバスバー、及び前記バスバーが前面に取り付けられて相互着脱可能であって、一方向に連続的に組み立てられる複数のセンシングハウジングパーツからなるセンシングハウジングを含み、前記通風口は前記複数のセンシングハウジングパーツの上端部及び下端部に形成され得る。
【0015】
前記パウチ型バッテリーセル同士は、互いに広い面が接触するように密着配置され得る。
【0016】
前記複数のセンシングハウジングパーツは、相互対応する凸起及び凹溝を備え、前記凸起が前記凹溝に嵌合されて組み立てられ得る。
【0017】
本発明の他の態様によるバッテリーモジュールは、前記流路上で前記パウチ型バッテリーセルのエッジ部分に密着し、一端が前記通風口の外側に露出するように設けられるヒートパイプをさらに含む。
【0018】
前記ヒートパイプは、前記パウチ型バッテリーセルの個数に対応するように備えられ得る。
【0019】
本発明のさらに他の態様によれば、上述した少なくとも一つのバッテリーモジュールと、内部空間に少なくとも一つの前記バッテリーモジュールを収納可能な箱状で設けられたパックケースと、前記パックケースの一側に結合され、少なくとも一つの前記バッテリーモジュールの一側の通風口に冷却空気を供給する冷媒供給ユニットとを含むバッテリーパックが提供される。
【0020】
少なくとも一つの前記バッテリーモジュールは、それぞれの前記バッテリーモジュールの通風口が同一線上に位置するように並んで密着配置された二つ以上のバッテリーモジュールであり、前記バッテリーモジュールの前面部に位置した通風口は冷却空気が流れ込むインレット通風口として定義され、後面部に位置した通風口は冷却空気が流れ出るアウトレット通風口として定義され、前記パックケースは、前記バッテリーモジュールの通風口が配列される第1方向に沿って前記パックケースの内部に設けられ、前記冷媒供給ユニットと連通して冷却空気の流れを前記第1方向に案内するクーラントチャネル部を含み得る。
【0021】
前記クーラントチャネル部は、縦断面が弧状であって、開放端が前記インレット通風口を囲むように前記センシングアセンブリに当接して設けられ得る。
【0022】
前記パックケースは、前記バッテリーモジュールのトッププレート及びボトムプレートとそれぞれ対面して密着する上板及び下板を備え、前記クーラントチャネル部は、前記上板と一体的に形成される上部クーラントチャネル部及び前記下板と一体的に形成される下部クーラントチャネル部を含み得る。
【0023】
前記センシングアセンブリは、前記上部クーラントチャネル部の下面の下側に当接する上部突出板、及び前記下部クーラントチャネル部の上面の上側に当接する下部突出板をさらに含み得る。
【0024】
前記パックケースは、少なくとも一つの開口を備え、前記バッテリーモジュールのアウトレット通風口と対面する壁面をさらに含み得る。
【0025】
前記冷媒供給ユニットは、前記パックケースの外側に設けられるファンと、前記ファンから二つに分かれて前記上部クーラントチャネル部及び前記下部クーラントチャネル部と連通するように設けられたファンダクトとを含み得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様によれば、空冷式バッテリーモジュールであって、バッテリーセル同士の間隔を無くし、空気の流れがバッテリーセルのエッジ領域に集中されるように流路を構成することで、エネルギー密度を高めたバッテリーモジュールを提供することができる。
【0027】
また、本発明の他の態様によれば、簡便且つ容易な拡張性を有するセンシングアセンブリを備えたバッテリーモジュールを提供することができる。
【0028】
また、本発明のさらに他の態様によれば、冷却空気の流れが上記バッテリーモジュールの流路に集中できるように構成されたパックケース及びファンダクトを備えたバッテリーパックを提供することができる。
【0029】
本発明の効果は、上述した効果に限定されることなく、その他の効果は本明細書及び添付される図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの概略的な構成を示した斜視図である。
図2図1に示されたバッテリーモジュールの部分分解斜視図である。
図3】縦方向に切断したバッテリーモジュールの斜視図である。
図4図3の部分拡大図である。
図5】本発明の一実施形態によるセンシングアセンブリの正面図である。
図6図5に示されたセンシングアセンブリの部分分解斜視図である。
図7図2に対応する図面であって、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの部分分解斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの縦断面図である。
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの概略的な構成を示した斜視図である。
図10図9に示されたバッテリーパックのI−I’断面図である。
図11図10の部分拡大図である。
図12図9に示されたバッテリーパックのII−II’断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであるため、図面の構成要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張または省略されるか、概略的に示され得る。したがって、各構成要素の大きさや比率は実際的な大きさや比率を専ら反映するものではない。
【0033】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの概略的な構成を示した斜視図であり、図2図1に示されたバッテリーモジュールの部分分解斜視図であり、図3は縦方向に切断したバッテリーモジュールの斜視図であり、図4図3の部分拡大図である。
【0034】
これら図面は参照すれば、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール100は、セルアセンブリ110、一対の緩衝パッド120、トッププレート130、ボトムプレート140、一対のサイドプレート150、及びセンシングアセンブリ160を含む。
【0035】
セルアセンブリ110は、パウチ型バッテリーセル111のみから構成されたセル積層体である。上記パウチ型バッテリーセル111は、互いに完全に密着して面同士が接触し、広い面が立てられて一方向に配列される。したがって、パウチ型バッテリーセル111の両側のエッジ部分111aは、セルアセンブリ110の上端部と下端部を形成するようになる。ここで、上記パウチ型バッテリーセル111のエッジ部分111aはウィング(wing)とも称される。
【0036】
このような本発明によるセルアセンブリ110は、別途の部品なく、パウチ型バッテリーセル111同士が互いに最大限密着しているため、バッテリーセル111同士の間に空気流路が存在する従来の空冷式バッテリーモジュール100に比べて、単位体積当りエネルギー密度が高い。
【0037】
セルアセンブリ110の両側面部には一対の緩衝パッド120が配置される。パウチ型バッテリーセルは、充放電が繰り返される過程で電極が厚くなるか、または、副反応によって内部電解質が分解されてガスが発生し得る。このとき、電極の膨張及び/または発生したガスによってパウチ型バッテリーセル111が膨れ上がる現象を「スウェリング現象」とする。参考までに、スウェリング現象は、充放電時の電極膨張により多く影響を受ける。上記緩衝パッド120は、このようなパウチ型バッテリーセル111を圧迫して、バッテリーセル111の膨張を防止または緩和する。例えば、緩衝パッド120は、発泡ポリプロピレン(EPP)またはエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から、パウチ型バッテリーセル111の広い面と対面するサイズのフォーム形状で製造され得る。
【0038】
トッププレート130及びボトムプレート140と一対のサイドプレート150は、所定の面積のプレート状に設けられ、セルアセンブリ110の上/下部、そして両側面部に位置してセルアセンブリ110の上部、下部、左側面部、右側面部をそれぞれ覆う。このようなトッププレート130及びボトムプレート140、一対のサイドプレート150を総称してエンドプレートとし、これらはクリンチング(clinching)方式で組み立てられて角管形態のモジュールハウジングを構成することができる。
【0039】
このようなトッププレート130及びボトムプレート140と一対のサイドプレート150は、セルアセンブリ110に対する機械的支持力を与え、セルアセンブリ110を外部の衝撃などから保護する役割をする。したがって、上記トッププレート130及びボトムプレート140と一対のサイドプレート150は、剛性を確保できるようにスチールなどの金属材質から製造することが望ましい。
【0040】
特に、図3及び図4に示したように、本発明によるバッテリーモジュール100の流路Fは、上記トッププレート130と上記セルアセンブリ110の上端部との間、及び上記ボトムプレート140と上記セルアセンブリ110の下端部との間に形成される。
【0041】
パウチ型バッテリーセル111のエッジ部分111aは、パウチ外装材が熱融着された部分を折り畳んだ部分であるため、表面が平坦ではない。したがって、パウチ型バッテリーセル111のエッジ部分111aと、トッププレート130またはボトムプレートとの間には空間が形成され得る。本発明によるバッテリーモジュール100では、このような空間が流路Fとして活用され、冷却空気が上記流路Fに沿って(X軸方向)流動しながらバッテリーセル111のエッジ部分111aを直接冷却する。
【0042】
一方、このような流路Fの入口及び出口は、後述するセンシングアセンブリ160に設けられる。
【0043】
センシングアセンブリ160は、セルアセンブリ110の前面部及び後面部をそれぞれ覆い、パウチ型バッテリーセル111から延びる電極リード112を電気的に連結するための構成である。このようなセンシングアセンブリ160は、センシングハウジング162、及びセンシングハウジング162の前面に取り付けられるバスバー161を含む。パウチ型バッテリーセル111の電極リード112は、センシングハウジング162を通ってバスバー161に、例えば、超音波溶接などによって取り付けられ得る。
【0044】
特に、本発明によるセンシングハウジング162は、相互着脱可能であって、一方向に連続的に組み立て可能に設けられる複数のセンシングハウジングパーツ163から構成される。
【0045】
センシングハウジングパーツ163は、パウチ型バッテリーセル111の個数に対応する個数で設けられ、相互対応する凸起163b及び凹溝163cを備えて、ブロック形態に嵌合されて組み立てられる。
【0046】
例えば、図5及び図6に示したように、センシングハウジングパーツ163は左側面に凸起163bが設けられ、その反対側である右側面に凹溝163cが設けられ得る。一つのセンシングハウジングパーツ163の凸起163bが他の一つのセンシングハウジングパーツ163の凹溝163cに嵌合されることで、これら二つのセンシングハウジングパーツ163は互いに当接するように組み立てられる。また、センシングハウジングパーツ163は相互スナップ−フィット締結されても良い。
【0047】
また、本発明によるバスバー161は、両端部が少なくとも二重に折り曲げられた形態で設けられ、二つのセンシングハウジングパーツ163が組み立てられるときに形成されるスリット162aに上記両端部が嵌め込まれることで、上記二つのセンシングハウジングパーツ163の間に取り付けられる。
【0048】
このようなパターンでセンシングハウジングパーツ163及びバスバー161を一方向に組み立てて行けば、一つのセンシングアセンブリ160を完成することができる。
【0049】
本発明のように、センシングハウジングパーツ163及びバスバー161を組み立ててセンシングアセンブリ160を構成する場合、バッテリーセル111の個数が追加されてセルアセンブリ110の幅が変更されても、センシングハウジングパーツ163及びバスバー161を追加して組み立てることで、変更されたセルアセンブリ110と互換可能なセンシングアセンブリ160を製造することができる。
【0050】
また、本発明によるセンシングアセンブリ160には、上述したように、バッテリーモジュール100の内部に形成される流路Fへの冷却空気の流出入を許容する通風口163aがさらに備えられる。
【0051】
図1図5及び図6を参照すれば、センシングアセンブリ160はセルアセンブリ110の前面部と後面部に一つずつ二つであり、通風口163aは前面部/後面部のセンシングアセンブリ160の上端部と下端部に備えられる。すなわち、前面部に位置したセンシングアセンブリ160に備えられた通風口163aは流路Fの入口になり、後面部に位置したセンシングアセンブリ160に備えられた通風口163aは流路Fの出口になる。
【0052】
より具体的には、一つのセンシングハウジングパーツ163の上端部と下端部にそれぞれ二つずつの通風口163aが備えられるが、各センシングハウジングパーツ163の裏面には一つのパウチ型バッテリーセル111が位置して、上記二つずつの通風口163aは流路F上にある一つのパウチ型バッテリーセル111の両側エッジ部分111aと同一線上に位置する。
【0053】
したがって、冷却空気が一側の通風口163aを通って流路Fに流れ込むことで、バッテリーセル111の両側エッジ部分111aに流れを集中させることができる。このような冷却空気は、それぞれのパウチ型バッテリーセル111のエッジ部分111aに沿って流れながらバッテリーセル111から熱を吸収し、反対側の通風口163aを通って流れ出ることができる。
【0054】
このようにバッテリーセル111のエッジを直接空冷する方式によれば、冷却板による間接冷却方式に比べて冷却効率が優れるだけでなく、バッテリーセル111同士を密着できるため、従来技術による空冷式バッテリーモジュール100に比べてエネルギー密度を向上させることができる。
【0055】
以下、図7及び図8を参照して本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュール100について説明する。上述した実施形態と同じ部材は同じ部材番号で示して重なる説明を省略し、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
本実施形態によるバッテリーモジュール100にはヒートパイプ170がさらに含まれる。上記ヒートパイプ170は、流路F上で各パウチ型バッテリーセル111のエッジ部分111aに取り付けられ、一端が通風口163aの内外に設けられる。
【0057】
例えば、セルアセンブリ110をC−レート(rated capacity in an hour)の高いバッテリーセル111から構成する場合、各バッテリーセル111に熱伝導度の高いヒートパイプ170をさらに取り付けることで、冷却空気及びヒートパイプ170による直/間接冷却方式を適用してバッテリーセル111を冷却することもできる。
【0058】
このような本実施形態によるバッテリーモジュールは、ヒートパイプ170をさらに設けることで、上述した実施形態に比べて、冷却性能をさらに向上させることができる。
【0059】
以下、図9を参照して本発明によるバッテリーパック10について説明する。上記バッテリーパック10は、上述した少なくとも一つのバッテリーモジュール100、内部空間に少なくとも一つの上記バッテリーモジュール100を収納可能な箱状で設けられたパックケース200、及び上記パックケース200の一側に結合され、少なくとも一つの上記バッテリーモジュール100の一側の通風口163aに冷却空気を供給する冷媒供給ユニット300を含む。
【0060】
本実施形態の場合、バッテリーパック10は二つのバッテリーモジュール100を含み、二つのバッテリーモジュール100は前面部/後面部に位置した通風口163aがそれぞれ(Y軸方向に)同一線上に位置するように並んで密着配置されて、インタバスバーによって電気的に連結される。
【0061】
以下、バッテリーモジュール100の一側の通風口163a、換言すれば、バッテリーモジュール100の前面部に位置した通風口163aが配列される方向を第1方向とし、バッテリーモジュール100内で流路Fが形成される方向を第2方向とする。図9を見れば、Y軸方向が第1方向になり、X軸方向が第2方向になる。また、バッテリーモジュール100の前面部に位置した通風口163aをインレット通風口163aとし、後面部に位置した通風口163aをアウトレット通風口とする。
【0062】
図10及び図11を参照すれば、本発明によるパックケース200は、内部に、バッテリーモジュール100のインレット通風口163aが配列される第1方向に沿って空気の流れを案内する通路役割をするクーラントチャネル部210、220を備える。そして、上記パックケース200の外側壁面に冷媒供給ユニット300が取り付けられ、上記冷媒供給ユニット300は上記クーラントチャネル部210、220のみに連通するように構成される。したがって、冷媒供給ユニット300を作動させれば、上記クーラントチャネル部210、220のみに外部空気が流れ込むようになる。
【0063】
また、本実施形態による上記クーラントチャネル部210、220は、縦断面が弧状であって、開放端210a、220aが上記バッテリーモジュール100のインレット通風口163aを囲むようにセンシングアセンブリ160に当接して設けられている。
【0064】
このようなクーラントチャネル部210、220に流れ込んだ外部空気は第1方向に沿って流動しながらインレット通風口163aを通って分岐し、第2方向に流れることができる。上記インレット通風口163aを通過した外部空気は、上述したように、バッテリーモジュール100の流路F上に露出しているバッテリーセル111のエッジ部分111aに沿って流れながらバッテリーセル111を冷却させ、アウトレット通風口を通ってバッテリーモジュール100の外に流れ出ることができる。そして、バッテリーモジュール100の外に流れ出た熱い空気は、流れ方向を変えずにパックケース200の壁面を通過して外部に排出される。上記パックケース200の壁面は、上記アウトレット通風口の対向側に位置した壁面であって、少なくとも一つの開口250を備え、上記少なくとも一つの開口250を通じて熱い空気をパックケース200の外部に排出することができる。
【0065】
以下、図11及び図12を参照してパックケース200のクーラントチャネル部210、220とバッテリーモジュール100のインレット通風口163aと冷媒供給ユニット300との接続構造をより詳しく説明する。
【0066】
本実施形態において、クーラントチャネル部210、220は、上部クーラントチャネル部210及び下部クーラントチャネル部220を含み、上記上部クーラントチャネル部210及び上記下部クーラントチャネル部220はパックケース200の上板230及び下板240に一体的に形成される。
【0067】
上記上板230及び下板240は、バッテリーモジュール100のトッププレート130及びボトムプレート140とそれぞれ対面して密着し、上板230及び下板240の一側辺部分は他の部分よりも厚いブロック形態で形成される。
【0068】
上部クーラントチャネル部210と下部クーラントチャネル部220は、このような上板230と下板240のブロック形態の一側辺部分に、縦断面が弧状又はU字状になるように設けられる。また、上記ブロック形態の一側辺部分は、上板230と下板240との間に側面板を結合するとき、ボルトを締結する部分として使用され得る。
【0069】
一方、バッテリーモジュール100のセンシングアセンブリ160は、上記上部クーラントチャネル部210の下面の下側に当接する上部突出板163d、及び上記下部クーラントチャネル部220の上面の上側に当接する下部突出板163eをさらに含むことができる。
【0070】
このような構成によれば、図11のように、バッテリーモジュール100は、上記上部突出板163d及び下部突出板163eが上部クーラントチャネル部210と下部クーラントチャネル部220との間に挟まれる形態でパックケース200の内部に配置される。
【0071】
また、センシングアセンブリ160の前面部は、上部クーラントチャネル部210と下部クーラントチャネル部220の開放端が当接するように密着配置され得る。この場合、インレット通風口163aは上記上部突出板163dの上側と上記下部突出板163eの下側の2ヶ所に位置するため、上部クーラントチャネル部210と下部クーラントチャネル部220によって完全に覆われ得る。
【0072】
図12を参照すれば、冷媒供給ユニット300は、ファン310、及び上記ファン310から上記クーラントチャネル部210、220と連結されるファンダクト320を含む。
【0073】
ファンダクト320は、上記ファン310から二つに分かれて、第1ダクト320a及び第2ダクト320bを含む。上記第1ダクト320aは、上記上部クーラントチャネル部210と連通し、上記第2ダクト320bは上記下部クーラントチャネル部220と連通するように設けられる。したがって、上記ファンダクト320は、第1方向に略Y字状の空気通路を形成すると理解できる。
【0074】
すなわち、ファン310が駆動されれば、ファンダクト320に沿ってパックケース200の内部に外部空気が流れ込まれる。このとき、ファンダクト320がY字状であって上記上部クーラントチャネル部210及び下部クーラントチャネル部220と連結されるため、外部空気の流れはパックケース200の内部で上記上部クーラントチャネル部210及び下部クーラントチャネル部220のみに集中され、流速を速く維持することができる。パックケース200において、空気は上部クーラントチャネル部210及び下部クーラントチャネル部220に沿って流れながら分岐してインレット通風口163aを通過し、バッテリーモジュール100内部の流路Fに流れ込んでバッテリーセル111を冷却させる。
【0075】
以上のような本発明の構成によれば、バッテリーセル111同士の間隔を無くすことでエネルギー密度を高め、空気の流れをバッテリーセル111のエッジ領域に集中させることでバッテリーセル111を効果的に空冷できるバッテリーモジュール100及びバッテリーパック10を提供することができる。
【0076】
一方、本発明によるバッテリーパック10は、本発明による少なくとも一つのバッテリーモジュール、パックケース、冷媒供給ユニットの外にも、詳しく図示していないが、バッテリーモジュールの充放電を制御するための各種の装置、例えば、BMS、電流センサ、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0077】
本発明によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車、または、電力貯蔵装置(ESS)に適用することができる。
【0078】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0079】
一方、本明細書において、上、下、左、右、前、後のように方向を表す用語が使われたが、このような用語は説明の便宜上使用されたものであって、観測者の位置や対象になる物の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0080】
10 バッテリーパック
100 バッテリーモジュール
110 セルアセンブリ
111 バッテリーセル
111a エッジ部分
112 電極リード
120 緩衝パッド
130 トッププレート
140 ボトムプレート
150 サイドプレート
160 センシングアセンブリ
161 バスバー
162 センシングハウジング
162a スリット
163 センシングハウジングパーツ
163a インレット通風口
163b 凸起
163c 凹溝
163d 上部突出板
163e 下部突出板
170 ヒートパイプ
200 パックケース
210 上部クーラントチャネル部
210a 開放端
220 下部クーラントチャネル部
220a 開放端
230 上板
240 下板
250 開口
300 冷媒供給ユニット
310 ファン
320 ファンダクト
320a 第1ダクト
320b 第2ダクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12