特許第6796405号(P6796405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6796405イントラ予測器、画像符号化装置、画像復号装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796405
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】イントラ予測器、画像符号化装置、画像復号装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/593 20140101AFI20201130BHJP
   H04N 19/11 20140101ALI20201130BHJP
   H04N 19/147 20140101ALI20201130BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20201130BHJP
   H04N 19/46 20140101ALI20201130BHJP
【FI】
   H04N19/593
   H04N19/11
   H04N19/147
   H04N19/176
   H04N19/46
【請求項の数】9
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-121542(P2016-121542)
(22)【出願日】2016年6月20日
(65)【公開番号】特開2017-228827(P2017-228827A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2019年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(72)【発明者】
【氏名】井口 和久
(72)【発明者】
【氏名】千田 和博
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 敦郎
【審査官】 鉢呂 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−055542(JP,A)
【文献】 特開2013−081100(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0245068(US,A1)
【文献】 SHIODERA, Taichiro et al.,TE6 subset a: Bidirectional intra prediction,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 3rd Meeting: Guangzhou, CN, 7-15 October, 2010, [JCTVC-C079],2010年10月 2日,JCTVC-C079 (version 1),pp. 1-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00−19/98
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象ブロックの周囲の参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いて得られた前記参照ブロックの予測画像と、前記参照ブロックの入力画像との誤差指標を取得する誤差指標取得部と、
前記対象ブロックのイントラ予測モード候補として、前記参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いるとき、前記イントラ予測モード候補の順位を前記誤差指標の昇順に定める順位決定部と、を備え
前記順位決定部は、前記イントラ予測モード候補として、所定の誤差指標の閾値よりも大きい前記誤差指標を与える前記参照ブロックのイントラ予測モードの順位を、所定のイントラ予測モード候補の順位よりも低くすること、を特徴とする
イントラ予測器。
【請求項2】
前記誤差指標取得部は、前記参照ブロックのそれぞれについて定めたイントラ予測モードに係る誤差指標の範囲内の値に前記誤差指標の閾値を可変に定めること
を特徴とする請求項に記載のイントラ予測器。
【請求項3】
前記誤差指標取得部は、前記誤差指標として前記予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数を可変長符号化して得られるビット列のビット数を取得すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のイントラ予測器。
【請求項4】
前記誤差指標取得部は、前記誤差指標として前記予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数のうち零以外の値を有する非零変換係数の数を取得すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のイントラ予測器。
【請求項5】
前記誤差指標取得部は、前記誤差指標として前記予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の二乗和を取得する請求項1または請求項2に記載のイントラ予測器。
【請求項6】
前記誤差指標取得部は、前記誤差指標として前記予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の絶対値和を取得する請求項1または請求項2に記載のイントラ予測器。
【請求項7】
対象ブロックの周囲の参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いて得られた前記参照ブロックの予測画像と、前記参照ブロックの入力画像との誤差指標を取得する誤差指標取得部と、前記対象ブロックのイントラ予測モード候補として、前記参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いるとき、前記イントラ予測モード候補の順位を前記誤差指標の昇順に定める順位決定部と、を備えるイントラ予測器、または
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のイントラ予測器と、
前記参照ブロックの復号画像を参照して所定の各イントラ予測モードを用いてイントラ予測を行って得られる予測画像と前記対象ブロックの入力画像との誤差量に基づいて、いずれかのイントラ予測モードを選択し、
選択したイントラ予測モードと同一の前記イントラ予測モード候補の順位を判定する候補判定部と、
判定したイントラ予測モード候補の順位の情報を符号化する符号化部と、
を備える画像符号化装置。
【請求項8】
対象ブロックの周囲の参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いて得られた前記参照ブロックの予測画像と、前記参照ブロックの入力画像との誤差指標を取得する誤差指標取得部と、前記対象ブロックのイントラ予測モード候補として、前記参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いるとき、前記イントラ予測モード候補の順位を前記誤差指標の昇順に定める順位決定部と、を備えるイントラ予測器、または
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のイントラ予測器と、
イントラ予測モード候補の順位の情報を復号する復号部と、を備え、
復号された順位の前記イントラ予測モード候補と同一のイントラ予測モードを用いて得られる前記参照ブロックの予測画像を用いて前記対象ブロックの復号画像を生成する
ことを特徴とする画像復号装置。
【請求項9】
コンピュータに
対象ブロックの周囲の参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いて得られた前記参照ブロックの予測画像と、前記参照ブロックの入力画像との誤差指標を取得する誤差指標取得部と、
前記対象ブロックのイントラ予測モード候補として、前記参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いるとき、前記イントラ予測モード候補の順位を前記誤差指標の昇順に定める順位決定部と、を備え
前記順位決定部は、前記イントラ予測モード候補として、所定の誤差指標の閾値よりも大きい前記誤差指標を与える前記参照ブロックのイントラ予測モードの順位を、所定のイントラ予測モード候補の順位よりも低くすること、を特徴とする
イントラ予測器として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イントラ予測器、画像符号化装置、画像復号装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な動画圧縮方式の一つとして、MPEG−H HEVC/ITU−T H.265方式(Moving Picture Expert Group−H ISO/IEC 23008 High Efficiency Video Coding/International Telecommunication Union−Telecommunication Standardization Sector−T Recommendation H.265;以下、HEVC方式と呼ぶ)がある。HEVC方式では、イントラ予測においてMPM(Most Probable Mode)と呼ばれるイントラ予測モード候補のグループが用いられている。
【0003】
HEVC方式のMPMは、イントラ予測の対象ブロックごとに構成され、それぞれ3つのイントラ予測モードの候補(以下、イントラ予測モード候補と呼ぶ)を含む。原則として、MPM内の3つのイントラ予測モード候補の0番目が対象ブロックの左の参照ブロック(以下、左ブロックと呼ぶ)のイントラ予測モード、1番目が対象ブロックの上の参照ブロック(以下、右ブロックと呼ぶ)のイントラ予測モード、2番目がプレーナモード、として定められている。但し、左ブロックや上ブロックが利用できない場合、左ブロックのイントラ予測モードと右ブロックのイントラ予測モードが一致している場合などの例外についても、MPM内のイントラ予測モード候補とその順位が定められている。
【0004】
また、HEVC方式では、イントラ予測モードの符号化ストリームには、(a)MPM内のイントラ予測モードの使用の有無を示すフラグ、(b)MPM内の0番目のイントラ予測モード候補の使用の有無を示すフラグおよび(c)MPM内の1番目のイントラ予測モード候補の使用の有無を示すフラグが含まれる。符号化ストリームにおいて、フラグ(a)−(c)が、その順序で配列される。フラグ(b)およびフラグ(c)は、フラグ(a)の値がtrueである場合のみ存在し、フラグ(c)は、フラグ(b)の値がfalseである場合のみ存在する。従って、MPM内のイントラ予測モード候補のうちMPM内の順位が0番目のイントラ予測モード候補が使用される場合には、フラグ(a)とフラグ(b)が符号化ストリームに含まれる。つまり、イントラ予測モードの情報量は2ビットで済む。他方、1番目または2番目のイントラ予測モード候補が使用される場合には、符号化ストリームに含まれるフラグは、フラグ(a)、フラグ(b)およびフラグ(c)がいずれも符号化ストリームに含まれる。つまり、イントラ予測モードの符号化には3ビットの情報量が必要になる。従って、MPMを用いてイントラ予測モードを符号化する際、イントラ予測モード候補のMPM内の順位(以下、MPM内順位、と呼ぶ)が符号化によって発生する符号化ストリームの発生情報量に影響する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−081100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の符号化方式、例えば、HEVC方式や特許文献1に記載の符号化処理では、MPMの順位がイントラ予測モード候補の空間的な位置関係に基づいて定められていた。そのため、従来の符号化方式ではイントラ予測モードの符号化効率が必ずしも高くならないという課題が生じていた。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、イントラ予測モードの符号化効率を向上することができるイントラ予測器、画像符号化装置、画像復号装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、[1]本発明の一態様は、対象ブロックの周囲の参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いて得られた前記参照ブロックの予測画像と、前記参照ブロックの入力画像との誤差指標を取得する誤差指標取得部と、前記対象ブロックのイントラ予測モード候補として、前記参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いるとき、前記イントラ予測モード候補の順位を前記誤差指標の昇順に定める順位決定部と、を備え、前記順位決定部は、前記イントラ予測モード候補として、所定の誤差指標の閾値よりも大きい前記誤差指標を与える前記参照ブロックのイントラ予測モードの順位を、所定のイントラ予測モード候補の順位よりも低くすること、を特徴とするイントラ予測器である。
[1]の構成によれば、入力画像との誤差量が最も小さくなる予測画像を与える代表イントラ予測モードが、順位が高いイントラ予測モード候補と一致する可能性が高くなる。そのため、イントラ予測モードの符号化に係るイントラ予測モード候補の数、即ちその符号化ビット数を少なくすることができる。また、所定の誤差指標の閾値より大きい誤差指標を与える参照画素に係るイントラ予測モードのイントラ予測モード候補の順位が、所定のイントラ予測モード候補よりも低くなる。そのため、イントラ予測モードの符号化において、より誤差指標が小さいイントラ予測モード候補が優先して利用される。そのため、参照ブロックに係るイントラ予測モードのみよりも、対象ブロックに係るイントラ予測モードの符号化において用いるイントラ予測モード候補の数、即ち符号化ビット数を少なくすることができる。
【0010】
[2]本発明の一態様は、上述のイントラ予測器であって、前記誤差指標取得部は、前記参照ブロックのそれぞれについて定めたイントラ予測モードに係る誤差指標の範囲内の値に前記誤差指標の閾値を可変に定めることを特徴とする。
[2]の構成によれば、イントラ予測モードの符号化において、定めた誤差指標の閾値に基づいて、参照画素に係るイントラ予測モードよりも誤差指標が小さい所定のイントラ予測モード候補を優先して利用するか否かが判定される。よって、常に一定の誤差指標の閾値よりも大きい誤差指標を与える参照ブロックのイントラ予測モードの順位を所定のイントラ予測モード候補の順位よりも低くするよりも、イントラ予測モードの符号化ビット数を少なくすることができる。
【0011】
[3]本発明の一態様は、上述のイントラ予測器であって、前記誤差指標取得部は、前記誤差指標として前記予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数を可変長符号化して得られるビット列のビット数を取得することを特徴とする。
[3]の構成によれば、イントラ予測モード候補の順位が、それぞれのイントラ予測モード候補を用いて生成されたイントラ予測画像に基づく予測残差のビット列のビット数の昇順に定められる。予測残差の大きさとしてそのビット数が少ないイントラ予測モード候補が、対象ブロックに係るイントラ予測モードと一致する可能性が高くなるため、イントラ予測モードの符号化に係る符号化ビット数を少なくすることができる。
【0012】
[4]本発明の一態様は、上述のイントラ予測器であって、前記誤差指標取得部は、前記誤差指標として前記予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数のうち零以外の値を有する非零変換係数の数を取得することを特徴とする。
[4]の構成によれば、イントラ予測モード候補の順位が、それぞれのイントラ予測モード候補を用いて生成されたイントラ予測画像に基づく予測残差の非零変換係数の数が少ないイントラ予測モード候補が、対象ブロックに係るイントラ予測モードと一致する可能性が高くなる。そのため、イントラ予測モードの符号化に係る符号化ビット数を少なくすることができる。
【0013】
[5]本発明の一態様は、上述のイントラ予測器であって、前記誤差指標取得部は、前記誤差指標として前記予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の二乗和を取得する。
[5]の構成によれば、イントラ予測モード候補の順位が、それぞれのイントラ予測モード候補を用いて生成されたイントラ予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の二乗和が小さいイントラ予測モード候補が、対象ブロックに係るイントラ予測モードと一致する可能性が高くなる。よって、イントラ予測モードの符号化に係る符号化ビット数を少なくすることができる。
【0014】
[6]本発明の一態様は、上述のイントラ予測器であって、前記誤差指標取得部は、前記誤差指標として前記予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の絶対値和を取得する。
[6]の構成によれば、イントラ予測モード候補の順位が、それぞれのイントラ予測モード候補を用いて生成されたイントラ予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の絶対値和が小さいイントラ予測モード候補が、対象ブロックに係るイントラ予測モードと一致する可能性が高くなる。よって、イントラ予測モードの符号化に係る符号化ビット数を少なくすることができる。
【0015】
[7]本発明の一態様は、対象ブロックの周囲の参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いて得られた前記参照ブロックの予測画像と、前記参照ブロックの入力画像との誤差指標を取得する誤差指標取得部と、前記対象ブロックのイントラ予測モード候補として、前記参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いるとき、前記イントラ予測モード候補の順位を前記誤差指標の昇順に定める順位決定部と、を備えるイントラ予測器、または[1]から[6]のいずれかのイントラ予測器を備え、前記参照ブロックの復号画像を参照して所定の各イントラ予測モードを用いてイントラ予測を行って得られる予測画像と前記対象ブロックの入力画像との誤差量に基づいて、いずれかのイントラ予測モードを選択し、選択したイントラ予測モードと同一の前記イントラ予測モード候補の順位を判定する候補判定部と、判定したイントラ予測モード候補の順位の情報を符号化する符号化部と、を備える画像符号化装置である。
[7]の構成によれば、予測画像と入力画像との誤差量に基づいて選択されたイントラ予測モードと同一のイントラ予測モード候補の順位が高くなる。符号化に係るイントラ予測モード候補の数を少なくても済むので、イントラ予測モードの符号化ビット数を少なくすることができる。
【0016】
[8]本発明の一態様は、対象ブロックの周囲の参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いて得られた前記参照ブロックの予測画像と、前記参照ブロックの入力画像との誤差指標を取得する誤差指標取得部と、前記対象ブロックのイントラ予測モード候補として、前記参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いるとき、前記イントラ予測モード候補の順位を前記誤差指標の昇順に定める順位決定部と、を備えるイントラ予測器、または[1]から[6]のいずれかのイントラ予測器と、イントラ予測モード候補の順位の情報を復号する復号部と、を備え、復号された順位の前記イントラ予測モード候補と同一のイントラ予測モードを用いて得られる前記参照ブロックの予測画像を用いて前記対象ブロックの復号画像を生成することを特徴とする画像復号装置である。
[8]の構成によれば、誤差指標の昇順に順序付けられたイントラ予測モード候補のうち、入力された順位のイントラ予測モード候補と同一のイントラ予測モードに基づく予測画像を用いて復号画像が生成される。そのため、より高い順位で符号化されたイントラ予測モードを、より少ない符号化ビット数で復号することができる。
【0017】
[9]本発明の一態様は、コンピュータに対象ブロックの周囲の参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いて得られた前記参照ブロックの予測画像と、前記参照ブロックの入力画像との誤差指標を取得する誤差指標取得部と、前記対象ブロックのイントラ予測モード候補として、前記参照ブロックについて定めたイントラ予測モードを用いるとき、前記イントラ予測モード候補の順位を前記誤差指標の昇順に定める順位決定部と、を備え、前記順位決定部は、前記イントラ予測モード候補として、所定の誤差指標の閾値よりも大きい前記誤差指標を与える前記参照ブロックのイントラ予測モードの順位を、所定のイントラ予測モード候補の順位よりも低くすること、を特徴とするイントラ予測器として機能させるためのプログラムである。
[9]の構成によれば、入力画像との誤差量が最も小さくなる予測画像を与える代表イントラ予測モードが、順位が高いイントラ予測モード候補と一致する可能性が高くなる。そのため、イントラ予測モードの符号化に係るイントラ予測モード候補の数、即ちその符号化ビット数を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、イントラ予測モードの符号化効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態に係る画像符号化装置の構成を示す概略ブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る画像復号装置の構成を示す概略ブロック図である。
図3】第1の実施形態に係るイントラ予測部の構成を示す概略ブロック図である。
図4】対象ブロックとその参照ブロックの例を示す図である。
図5】イントラ予測モードの例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るイントラ予測部の構成を示す概略ブロック図である。
図7】第1の実施形態に係るMPM決定処理を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係るMPM決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態に係る画像符号化装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像符号化装置1の構成を示す概略ブロック図である。図1に示す例では、画像符号化装置1は、HEVC方式に係る画像符号化処理を行う画像符号化装置に、本実施形態に係るイントラ予測器の一例としてイントラ予測部110(後述)を適用してなる。
【0021】
画像符号化装置1は、減算部101、直交変換部102、量子化部103、可変長符号化部104、逆量子化部105、逆直交変換部106、加算部107、ループフィルタ108、参照メモリ109、イントラ予測部110、インター予測部111および選択部112を含んで構成される。
【0022】
減算部101には、ピクチャごとの入力画像が画像符号化装置1の外部から入力される。ピクチャとは、1枚の画像を意味し、フレームとも呼ばれる。減算部101には、その時点における処理対象として着目される各対象ブロック内の予測画像が選択部112から入力される。以下、対象ブロック内の予測画像を予測画像ブロックと呼ぶ。対象ブロックは、その時点における処理対象として着目されるピクチャである対象ピクチャを分割してなる所定の大きさを有する領域である。ブロックの大きさは、ブロックサイズと呼ばれる。ブロックサイズは、例えば、32×32画素、16×16画素、8×8画素、4×4画素のいずれかである。減算部101は、ブロックごとに対象ブロック内の入力画像である入力画像ブロックから予測画像ブロックを減算して残差画像ブロックを生成し、生成した残差画像ブロックを直交変換部102に出力する。
【0023】
直交変換部102は、減算部101から入力される残差画像ブロックについて直交変換を行って直交変換係数を算出し、算出した直交変換係数を量子化部103に出力する。直交変換として、例えば、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)または離散サイン変換(DST:Discrete Sine transform)が用いられる。
【0024】
量子化部103は、直交変換部102から入力される直交変換係数について所定の量子化パラメータを用いて量子化し、量子化直交変換係数を算出する。量子化部103は、算出した量子化直交変換係数を示す符号を可変長符号化部104と逆量子化部105に出力する。
【0025】
可変長符号化部104は、量子化部103から入力される量子化直交変換係数の符号、イントラ予測部110から入力される代表イントラ予測モード情報およびインター予測部111から入力される動き情報を集約してデータ列を生成する。可変長符号化部104は、生成したデータ列について可変長符号化処理を行う。可変長符号化処理は、エントロピー符号化とも呼ばれる。可変長符号化処理により、入力される各種データの情報量が圧縮される。可変長符号化処理として、例えば、コンテキスト適応型2値算術符号化方式(CABAC:Context−based Adaptive Binary Arithmetic Coding)が用いられる。可変長符号化部104は、可変長符号化処理を行って得られたビット列からなる符号化データを画像符号化装置1の外部に出力する。イントラ予測部110からの予測モード情報については、後述する。
【0026】
逆量子化部105は、量子化部103から入力される量子化直交変換係数の符号について所定の量子化パラメータを用いて逆量子化を行って逆量子化直交変換係数を算出する。逆量子化部105は、算出した逆量子化直交変換係数を逆直交変換部106に出力する。
【0027】
逆直交変換部106は、逆量子化部105から入力される逆量子化直交変換係数について逆直交変換を行い、対象ブロック内の復号残差画像である復号残差画像ブロックを生成する。逆直交変換は、直交変換部102が行った直交変換との逆演算である。逆直交変換部106は、復号残差画像ブロックを加算部107に出力する。
【0028】
加算部107は、選択部112から入力される対象ブロックの予測画像ブロックに復号残差画像ブロックを加算して対象ブロック内の復号画像である復号画像ブロックを生成する。加算部107は、生成した復号画像ブロックをループフィルタ108とイントラ予測部110に出力する。復号画像ブロックは、符号化の処理を行って得られた復号済みの画像ブロックに相当する。
【0029】
ループフィルタ108は、加算部107から入力される復号画像ブロックについて所定のフィルタ処理を行う要素フィルタを備え、フィルタ処理によって得られた復号画像ブロックを参照メモリ109に順次記憶する。よって、参照メモリ109には、対象ピクチャを含め、対象ピクチャから所定時間内における各時点のピクチャの復号画像が記憶される。
ループフィルタ108は、要素フィルタとしてデブロッキングフィルタ(DF:Deblocking Filter)と画素適応オフセット(SAO:Sample Adaptive Offset)を含んで構成される。
【0030】
イントラ予測部110には、ブロックごとに加算部107から復号画像ブロックが入力される。イントラ予測部110は、対象ピクチャの周囲の参照ブロック内の復号画像を参照して、複数の所定のイントラ予測モードのそれぞれについてイントラ予測を行う。参照ブロックとして、対象ブロックから所定範囲内の復号済みの復号画像ブロックが用いられる。イントラ予測部110は、各イントラ予測モードについてイントラ予測を行って対象ブロック内の予測画像を生成する。以下、対象ブロック内の予測画像をイントラ予測ブロックと呼ぶ。イントラ予測部110は、生成したイントラ予測ブロックを選択部112に出力する。
【0031】
イントラ予測部110は、各イントラ予測モードについて生成されたイントラ予測画像ブロックと入力画像ブロックとの誤差量を算出する。イントラ予測部110は、複数のイントラ予測モードから取得した誤差量が最も小さいイントラ予測モードを代表イントラ予測モードとして定める。また、イントラ予測部110は、参照ブロックについて定めた代表イントラ予測モードとその誤差指標を取得する。ここで、誤差指標とは、参照ブロックにおける入力画像ブロックと予測画像ブロックとの差分である残差の大きさを示す指標値である。誤差指標は、対象ブロックにおける入力画像ブロックと予測画像ブロックとの差分である残差の大きさを示す誤差量と区別される。イントラ予測部110は、対象ブロックのイントラ予測モード候補として、参照ブロックについて定めた代表イントラ予測モードを用いるとき、イントラ予測モード候補の順位を誤差指標の昇順に定める。そして、イントラ予測部110は、対象ブロックに係る代表イントラ予測モードと一致するイントラ予測モード候補の有無を判定する。イントラ予測部110は、一致すると判定したイントラ予測モード候補の順位の情報を含む代表イントラ予測モード情報を生成し、生成した代表イントラ予測モード情報を可変長符号化部104に出力する。イントラ予測部110の構成については、後述する。
【0032】
インター予測部111には、外部から入力される入力画像の対象ブロックについて、参照メモリ109に記憶された所定の期間内のピクチャの復号画像を参照してブロックマッチングを行って動きベクトルを定める。所定の期間内におけるピクチャには、対象ピクチャよりも過去のピクチャと未来のピクチャが含まれる。ブロックマッチングにおいて、インター予測部111は、対象ブロックから所定範囲内の復号済みの復号画像に基づいて得られるインター予測画像ブロックの入力画像ブロックに対する誤差量を変位量ごとに算出する。インター予測部111は、誤差量が最も小さい変位量を動きベクトルとして定める。インター予測部111は、定めた動きベクトルを用いて参照ブロック内の復号画像について動き補償を行って対象ブロック内の予測画像を生成する。以下、対象ブロック内の予測画像をインター予測画像ブロックと呼ぶ。インター予測部111は、生成したインター予測画像ブロックを選択部112に出力する。インター予測部111は、定めた動きベクトルの情報を含む動き情報を可変長符号化部104に出力する。なお、対象ブロックについて定めた動きベクトルが、符号化済みの参照ブロックのいずれかについて定めた動きベクトルに等しい場合がある。その場合には、インター予測部111は、対象ブロックについて定めた動きベクトルと等しい動きベクトルを与える参照ブロックを特定する。そして、インター予測部111は、動きベクトルの情報に代えて、特定した参照ブロックの位置情報を動き情報に含める。
【0033】
選択部112は、イントラ予測部110から入力されるイントラ予測画像ブロックとインター予測部111から入力されるインター予測画像ブロックを切り替え、切り替えによって選択された予測画像ブロックを減算部101と加算部107に出力する。
【0034】
次に、本実施形態に係る画像復号装置2の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像復号装置2の構成を示す概略ブロック図である。図1に示す例では、画像復号装置2は、HEVC方式に係る画像復号装置に、本実施形態に係るイントラ予測器の他の例としてイントラ予測部207(後述)を適用してなる。
【0035】
画像復号装置2は、可変長復号部201、逆量子化部202、逆直交変換部203、加算部204、ループフィルタ205、参照メモリ206、イントラ予測部207およびインター予測部208を含んで構成される。逆量子化部202、逆直交変換部203および加算部204が行う処理は、画像符号化装置1の逆量子化部105、逆直交変換部106および加算部107とそれぞれ同様である。
【0036】
可変長復号部201には、画像復号装置2の外部から画像符号化装置1が生成した符号化データが入力される。可変長復号部201は、入力される符号化データに含まれるビット列を可変長復号してブロックごとの量子化直交変換係数の符号、代表イントラ予測モード情報および動き情報を取得する。可変長復号方式は、符号化データの生成に用いられた可変長符号化方式に対応する可変長復号方式である。可変長復号部201は、各対象ブロックに係る量子化直交変換係数の符号、代表イントラ予測モード情報および動き情報を、それぞれ逆量子化部202、イントラ予測部207およびインター予測部208に出力する。
【0037】
逆量子化部202には、可変長復号部201から入力される対象ブロックの量子化直交変換係数の符号を所定の量子化パラメータを用いて逆量子化を行い、逆量子化直交変換係数を算出する。逆量子化部202は、算出した逆量子化直交変換係数を逆直交変換部203に出力する。
【0038】
逆直交変換部203は、逆量子化部202から入力される対象ブロックの逆量子化直交変換係数について逆直交変換を行い、復号残差画像ブロックを生成する。逆直交変換部203は、復号残差画像ブロックを加算部204に出力する。
【0039】
加算部204には、イントラ予測部207から対象ブロックに係るイントラ予測画像ブロックまたはインター予測部208から対象ブロックに係るインター予測画像ブロックが予測画像ブロックとして入力される。加算部204は、予測画像ブロックと逆直交変換部203から入力される復号残差画像ブロックとを加算して復号画像ブロックを生成する。加算部204は、生成した復号画像ブロックをループフィルタ205と画像復号装置2の外部に出力する。
【0040】
ループフィルタ205は、加算部204から入力される対象ブロックに係る復号画像ブロックについて所定のフィルタ処理を行う要素フィルタとしてDFとSAOを備え、フィルタ処理によって得られた復号画像ブロックを参照メモリ206に順次記憶する。よって、参照メモリ206には、対象ピクチャを含め、各時点のピクチャの復号画像が記憶される。
イントラ予測部207には、可変長復号部201から対象ブロックの代表イントラ予測モード情報が入力され、加算部204から復号画像ブロックが入力される。
【0041】
イントラ予測部207は、対象ピクチャから所定範囲内の復号済みの参照ブロックについて定めた代表イントラ予測モードとその誤差指標を取得する。イントラ予測部207は、
対象ブロックのイントラ予測モード候補として、参照ブロックについて定めた代表イントラ予測モードを用いるとき、イントラ予測モード候補の順位を誤差指標の昇順に定める。
イントラ予測部207は、イントラ予測モード候補のうち、可変長復号部201から入力された代表イントラ予測モード情報が示す順位のイントラ予測モード候補を代表イントラ予測モードとして特定する。イントラ予測部207は、加算部204から入力された参照ブロックの復号画像ブロックを参照し、特定したイントラ予測モードを用いてイントラ予測を行って生成されるイントラ予測画像ブロックを加算部204に出力する。イントラ予測部207の構成については、後述する。
【0042】
インター予測部208には、可変長復号部201から対象ブロックに係る動き情報が入力される。入力される動き情報が動きベクトルを示している場合には、インター予測部208は、その動きベクトルを用いて対象ブロックから所定範囲内の復号済みの復号画像について動き補償を行う。入力される動き情報が参照ブロックの位置情報を示している場合には、インター予測部208は、その位置情報で指定される参照ブロックの動きベクトルを用いて動き補償を行う。インター予測部208は、動き補償を行って得られるインター予測画像ブロックを加算部204に出力する。
【0043】
(イントラ予測部)
次に、本実施形態に係る画像符号化装置1のイントラ予測部110の構成について説明する。図3は、本実施形態に係るイントラ予測部110の構成を示す概略ブロック図である。イントラ予測部110は、イントラ予測器1100および候補判定部1107を含んで構成される。イントラ予測器1100は、イントラ予測画像生成部1101、減算部1102、MPM決定部1103およびイントラ予測モード情報生成部1106を含んで構成される。
【0044】
イントラ予測画像生成部1101は、対象ブロックから所定の範囲内にある参照ブロック内の復号画像を参照して所定の複数のイントラ予測モードのそれぞれについてイントラ予測を行う。HEVC方式では、イントラ予測の処理単位となるブロックは、直交変換ならびに逆直交変換が行われる処理単位(TU:Transform Unit;変換単位)に相当する。イントラ予測モードの数は、35モードである。イントラ予測モードの具体例については後述する。イントラ予測画像生成部1101は、イントラ予測によって得られたイントラ予測画像ブロックを減算部1102と候補判定部1107に出力する。
【0045】
減算部1102は、イントラ予測画像生成部1101から入力されたイントラ予測画像ブロックを入力画像ブロックから減算してイントラ予測モードごとの残差画像ブロックを生成する。減算部1102は、生成した残差画像ブロックを候補判定部1107に出力する。
【0046】
MPM決定部1103は、復号済みの各参照ブロックの誤差指標と代表イントラ予測モードに基づいてMPMとMPM内順位を定める。MPMとは、複数のイントラ予測モードの一部のモードであるイントラ予測モード候補からなるグループである。MPM内順位は、MPMに属するイントラ予測モード候補の順位である。HEVC方式では、図4に示すようにMPMを決定する際に、対象ブロックTの左隣のブロックAと対象ブロックの上隣のブロックBが用いられる。MPM決定部1103は、誤差指標取得部1104とMPM順位決定部1105を含んで構成される。
【0047】
誤差指標取得部1104は、参照ブロックA、Bそれぞれの誤差指標Da、Dbをイントラ予測器1100が備える記憶部(図示せず)から取得する。参照ブロックA、Bは、対象ブロックTの左隣、上隣のブロックである。誤差指標は、対象ブロックに係る残差画像の誤差量に類似した傾向を示すと推測される指標値である。本実施形態では、誤差指標として対象ブロックに隣接する復号済みの各参照ブロックにおける残差の大きさを定量的に表す指標値が用いられる。誤差指標は、復号済みの残差画像ブロックから導出されるので画像符号化装置1のイントラ予測部110と画像復号装置2のイントラ予測部207のいずれにおいても取得可能である。残差画像ブロックは、参照ブロックA、Bのそれぞれについて、代表イントラ予測モードPa、Pbを用いてイントラ予測を行って得られる。参照ブロックにおいて最も小さい誤差指標を与える代表イントラ予測モードは、参照ブロックに隣接している対象ブロックにおいても入力画像をより忠実に再現することができる信頼性の高いイントラ予測モードであると推測されるためである。
【0048】
誤差指標として、例えば、次のいずれの種類の指標値が利用されてもよい。(1)量子化直交変換係数を示す符号を可変長符号化して得られるビット列のビット数、(2)量子化直交変換係数のうち零以外の値を有する非零変換係数の数、(3)量子化直交変換係数の直流成分、(4)量子化直交変換係数の二乗和、(5)量子化直交変換係数の絶対値和。画像符号化装置1では、(1)、(2)は、それぞれ可変長符号化部104、逆量子化部105から取得可能である。(3)−(5)は、いずれも逆直交変換部106から取得可能である。
【0049】
(1)について、直交変換係数が小さくなると量子化直交変換係数は0または0に近似した整数値となり、二値化により0の値をとるビットが主となる。そのため、(1)の値が小さいほど、対象ブロックにおける当該代表イントラ予測モードと同一のイントラ予測モードによる予測残差が小さくなることが推測される。
(2)について、符号化対象となる直交変換係数が小さくなると量子化直交変換係数は0または0に近似した整数値となる。そのため、計数される(2)の値が小さいほど対象ブロックにおける予測残差が小さいことが推測される。
(3)は、画素ごとの画素値の対象ブロック内の平均値に相当する。(3)の値が小さいほど対象ブロックにおける当該代表イントラ予測モードと同一のイントラ予測モードによる予測残差が小さいことが推測される。
(4)は、空間周波数ごとの量子化直交変換係数の二乗値の対象ブロック内の総和に相当する。(4)の値が小さいほど対象ブロックにおける当該代表イントラ予測モードと同一のイントラ予測モードによる予測残差が小さいことが推測される。
(5)は、空間周波数ごとの量子化直交変換係数の絶対値の対象ブロック内の総和に相当する。(5)の値が小さいほど対象ブロックにおける当該代表イントラ予測モードと同一のイントラ予測モードによる予測残差が小さいことを示す。
【0050】
誤差指標取得部1104は、候補判定部1107が過去の対象ブロック、つまり参照ブロックについて代表イントラ予測モードを定める過程で取得した誤差量またはその誤差量の算出過程で取得される指標値を誤差指標として採用してもよい。従って、参照ブロックの代表イントラ予測モードに係る誤差指標を算出するための処理を追加して行う必要がない。なお、無効なブロックの代表イントラ予測モードについては、誤差指標取得部1104は、算出されうる誤差指標の最大値よりも十分に大きい値Zを、当該代表イントラ予測モードに係る誤差指標として定める。例えば、誤差指標として非零変換係数の数を用いる場合には、誤差指標取得部1104は、誤差量Zとしてブロックサイズ内の画素数の2倍と設定してもよい。誤差指標取得部1104は、代表イントラ予測モードPa、Pbそれぞれの誤差指標Da、DbをMPM順位決定部1105に出力する。
【0051】
MPM順位決定部1105は、誤差指標取得部1104から入力されたブロックAの代表イントラ予測モードPaに係る誤差指標Da、ブロックBの代表イントラ予測モードPbに係る誤差指標Dbおよび所定のデフォルトMPMに基づいて、MPMに属するイントラ予測モード候補とそれらの順位を定める。デフォルトMPMとは、参照ブロックが無効である場合に設定されるイントラ予測モード候補、その他、参照ブロックのイントラ予測モード以外のイントラ予測モード候補として設定される所定のイントラ予測モード候補である。MPM順位決定部1105は、定めたイントラ予測モード候補とそれらの順位の情報をイントラ予測モード情報生成部1106に出力する。
【0052】
HEVC方式では、デフォルトMPMとして、プレーナ(Planar)予測、DC(Direct Current;直流)予測および垂直方向参照、のいずれかもしくは組み合わせが用いられる。参照ブロックが無効である場合に設定されるイントラ予測モード候補は、DC予測である。参照ブロックが無効とは、参照ブロックについて利用可能な代表イントラ予測モードが存在しないことを意味する。参照ブロックが無効とは、例えば、当該参照ブロックが対象ピクチャ内に存在しないこと、当該参照ブロックがイントラ予測で符号化されていないこと、復号済みではないこと、当該参照ブロックが対象ブロックが属するスライスとは異なるスライスに存在すること、当該参照ブロックが対象ブロックが属するタイルとは異なるタイルに存在すること、または所定の特殊符号化モードとしてI_PCMモードを用いて符号化されていること、が該当する。I_PCMモードとは、画素毎の信号値を示す符号をそのまま出力する符号化モードである。
【0053】
代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが異なり、かつ誤差指標Daが誤差指標Db以下であるとき、MPM順位決定部1105は、MPMの0番目のイントラ予測モード候補を代表イントラ予測モードPaと定め、MPMの1番目のイントラ予測候補を代表イントラ予測モードPbと定める。また、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが異なる場合であって、誤差指標Daが誤差指標Dbより大きいとき、MPM順位決定部1105は、MPMの0番目のイントラ予測モード候補を代表イントラ予測モードPbと定め、MPMの1番目のイントラ予測モード候補を代表イントラ予測モードPaと定める。
【0054】
なお、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが異なる場合、MPM順位決定部1105は、MPMの2番目のイントラ予測モード候補を、HEVC方式と同様の手順を用いて定める。即ち、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbのいずれもプレーナ予測ではないとき、MPM順位決定部1105は、MPMの2番目のイントラ予測モード候補としてプレーナ予測と定める。さらに、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbのいずれもDC予測ではないとき、MPM順位決定部1105は、MPMの2番目のイントラ予測モード候補としてプレーナ予測と定める。それ以外のとき、MPM順位決定部1105は、MPMの2番目のイントラ予測候補を垂直方向参照と定める。
【0055】
代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが等しい場合において、MPM順位決定部1105は、MPMの各イントラ予測モード候補を、HEVC方式と同様の手順を用いて定める。即ち、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbがプレーナ予測もしくはDC予測である場合には、MPM順位決定部1105は、MPMの0、1、2番目のイントラ予測モード候補を、それぞれプレーナ予測、DC予測、垂直方向参照と定める。また、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが方向性予測である場合には、MPM順位決定部1105は、MPMの0、1、2番目のイントラ予測モード候補を、それぞれ代表イントラ予測モードPa、Pbと同じ参照方向のイントラ予測モード、代表イントラ予測モードPa、Pbの参照方向とは左回りに隣接するイントラ予測モード、代表イントラ予測モードPa、Pbの参照方向とは右回りに隣接するイントラ予測モード候補と定める。
【0056】
無効な参照ブロックについては、MPM順位決定部1105は、HEVC方式と同様に、その代表イントラ予測モードをDC予測と定める。即ち、ブロックAが無効である場合には、MPM順位決定部1105は、代表イントラ予測モードPaとしてDC予測と定める。ブロックBが無効である場合には、MPM順位決定部1105は、代表イントラ予測モードPbとしてDC予測と定める。
【0057】
イントラ予測モード情報生成部1106は、MPM順位決定部1105から入力されるMPMのイントラ予測モード候補とそれらの順位を示すイントラ予測モード情報を生成する。イントラ予測モード情報生成部1106は、生成したイントラ予測モード情報を候補判定部1107に出力する。
【0058】
候補判定部1107には、イントラ予測モード情報生成部1106からイントラ予測モード情報が入力され、イントラ予測モードごとにイントラ予測画像生成部1101からイントラ予測画像ブロックと、減算部1102から残差画像ブロックとが入力される。候補判定部1107は、イントラ予測モードごとの残差の大きさを示す誤差量を算出し、算出した誤差量が最も小さいイントラ予測モードを対象ブロックの代表イントラ予測モードとして定める。候補判定部1107は、例えば、代表イントラ予測モードを定める際、レート−歪み最適化を行ってもよい。レート−歪み最適化とは、誤差量Jとして残差画像ブロックの量子化変換係数の二乗和または絶対値和と、その量子化変換係数のビット長と所定の定数λとの乗算値の和が最小となるイントラ予測モードを定める手法である。定数λは、量子化パラメータに基づいて定められる。量子化パラメータとして、直交変換係数の量子化幅が用いられる。候補判定部1107は、定めた代表イントラ予測モードに係る予測画像ブロックを、減算部101に選択部112を介して出力する。また、候補判定部1107は、その対象ブロックのインデックスと、定めた代表イントラ予測モードおよび誤差指標とを対応付けてイントラ予測器1100の記憶部(図示せず)に記憶する。記憶されたイントラ予測モードと誤差指標は、対象ブロックが変更された後で、参照ブロックのイントラ予測モードと誤差指標として用いられる。
【0059】
候補判定部1107は、イントラ予測モード情報生成部1106から入力されるイントラ予測モード情報が示すMPMのイントラ予測モード候補に、定めた代表イントラ予測モードが含まれているか否かを判定する。含まれていると判定するとき、候補判定部1107は、代表イントラ予測モードと同一のイントラ予測モード候補の順位を特定する。そして、候補判定部1107は、代表イントラ予測モードがMPMのイントラ予測モード候補に含まれていることを示すイントラ予測フラグと、特定した順位の番号とを示すビット列を代表イントラ予測モード情報として可変長符号化部104に出力する。
【0060】
代表イントラ予測モードが、MPMのイントラ予測モード候補に含まれていないと判定するとき、候補判定部1107は、MPMのイントラ予測モード候補のモード番号を昇順に並び替える。複数のイントラ予測モードには、それぞれを識別するためのモード番号として0〜34の整数値が設定されている。候補判定部1107は、代表イントラ予測モードのモード番号がMPMの0番目のイントラ予測モード候補のモード番号以上であるとき、代表イントラ予測モードのモード番号を1減少させる。候補判定部1107は、減少させた代表イントラ予測モードのモード番号がMPMの1番目のイントラ予測モード候補のモード番号以上であるとき、代表イントラ予測モードのモード番号をさらに1減少させる。候補判定部1107は、さらに減少させた代表イントラ予測モードのモード番号がMPMの2番目のイントラ予測モード候補のモード番号以上であるとき、代表イントラ予測モードのモード番号をまたさらに1減少させる。そして、候補判定部1107は、代表イントラ予測モードのモード番号を採用予測モード番号として定める。これらの手順により、採用予測モード番号は、0〜31のいずれかの値として表されるので、その情報量が5ビットに収まる。候補判定部1107は、代表イントラ予測モードがMPMのイントラ予測モード候補に含まれないことを示すイントラ予測フラグと、採用予測モード番号とを示すビット列を代表イントラ予測モード情報として可変長符号化部104に出力する。
【0061】
HEVC方式では、MPMのイントラ予測モード候補の番号を可変長符号化処理する際、二値化処理において切断ライス二値化(TR:Truncated Rice Binarization)方式が採用されている。TR方式は、0から最大値cMaxまでのいずれかの整数である入力値を二値化する一つの手法である。TR方式は、入力値と等しい数だけ冒頭に「1」の値を順次並べ、末尾に「0」を付加してなるビット列に変換する手法である。但し、入力値が最大値cMaxと等しい場合には、末尾の「0」が省略される。そのため、入力値が0からcMax−1までのいずれかの値である場合には、入力値が小さいほどTR方式によって生成されるビット列の符号量が少なくなる。MPMのイントラ予測モードの候補の数が3個である場合、最大値cMaxが2となるので、入力値となるイントラ予測モード候補の番号は0〜2のいずれかの値で表される。
【0062】
従来のHEVC方式では、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが異なる場合、誤差指標に関わらず代表イントラ予測モードPa、PbがMPMの1番目、2番目のイントラ予測モード候補として定められていた。
これに対し、本実施形態に係るMPM順位決定部1105は、誤差指標が小さい参照ブロックごとの代表イントラ予測モードほど、より順位が高い(番号の値が少ない)イントラ予測モード候補として定める。そのため、入力画像との誤差量が最も小さい予測画像ブロックを与える対象ブロックの代表イントラ予測モードが、順位が高いイントラ予測モード候補に一致する可能性が高くなる。つまり、代表イントラ予測モードと一致するイントラ予測モード候補の番号が小さくなるので二値化後の符号量が少なくなる。代表イントラ予測モードは、画像復号装置2において対象ブロック内の予測画像の生成に用いられる。
【0063】
(イントラ予測モード)
次に、イントラ予測モードの例について説明する。HEVC方式では、35種類のイントラ予測モードがある。イントラ予測モードは、それぞれ0〜34のいずれかのモード番号を有する。35種類のイントラ予測モードは、方向性予測、DC予測およびプレーナ予測に分類される。方向性予測は、参照ブロック内の所定の参照画素のうち参照方向の線分の左右両側にそれぞれ最も近い方向の画素の画素値を補間して対象ブロック内の各画素の画素値を算出するイントラ予測モードである。参照方向は、図5(a)に示すように左斜め下から右斜め上までの33方向であり、各方向について2から34のいずれかのモード番号が右回りに昇順に付されている。参照方向は水平方向に近いほど密に分布し、対象ブロックの対角方向に近いほど疎らに分布している。図5(a)に示す例では、参照方向を示す矢印の起点は、対象ブロックの中心に設定されている。
【0064】
DC予測は、参照ブロック内の所定の参照画素間の画素値の平均値を対象ブロックBk内の各画素の画素値として算出するイントラ予測モードである。図5(b)に示す例では、DC予測において参照される参照画素は黒丸で示されている2N個の参照画素である。Nは、対象ブロックの一辺の長さに相当する画素数を示す。参照画素として、参照ブロック内の対象ブロックの上辺および左辺に最も近接している画素が用いられる。但し、ブロックサイズが32×32画素以下のブロックでは、例外処理として、対象ブロックの最上行および最左列の各画素の画素値を、最近傍の参照画素の画素値との平均値をもって更新される。図5(b)において網掛けで塗りつぶされた領域Epは、対象ブロックの最上行および最左列を示す。DC予測のモード番号は、1である。
【0065】
プレーナ予測は、4個の参照画素それぞれの画素値を補間して対象ブロック内の各画素の画素値を算出するイントラ予測モードである。参照画素として、対象ブロック内の画素(x,y)の左方(−1,y)、上方(x,−1)ならびに対象画素の右斜め上(N,−1)、左斜め下(−1,N)の画素が用いられる。(x,y)等は、対象ブロックの左上端の画素の位置を原点とする各画素の座標値を示す。対象画素の画素値の算出に用いられる4個の参照画素は、図5(b)において、一点破線の円で囲まれた黒丸で示されている。
【0066】
(イントラ予測部)
次に、本実施形態に係る画像復号装置2のイントラ予測部207の構成について説明する。図6は、本実施形態に係るイントラ予測部207の構成を示す概略ブロック図である。イントラ予測部207は、イントラ予測器2070を含んで構成される。イントラ予測器2070は、MPM決定部2071、イントラ予測モード情報生成部2074、候補判定部2075およびイントラ予測画像生成部2076を含んで構成される。
【0067】
MPM決定部2071は、MPM決定部1103と同様に、復号済みの各参照ブロックの誤差指標と代表イントラ予測モードに基づいてMPMとMPM内順位を定める。MPM決定部2071は、誤差指標取得部2072とMPM順位決定部2073を含んで構成される。
【0068】
誤差指標取得部2072は、対象ブロックに隣接する参照ブロックA、Bそれぞれの代表イントラ予測モードPa、Pbと誤差指標Da、Dbとをイントラ予測器2070が備える記憶部(図示せず)から取得する。誤差指標取得部2072は、誤差指標取得部1104が取得した誤差指標と同一の種類の誤差指標を取得する。なお、無効な参照ブロックの代表イントラ予測モードについては、誤差指標取得部2072は、誤差指標取得部1104と同様に、その誤差指標として算出されうる誤差指標の最大値よりも十分に大きい値Zに定める。誤差指標取得部2072は、代表イントラ予測モードPa、Pbとそれぞれの誤差指標Da、DbをMPM順位決定部2073に出力する。
【0069】
MPM順位決定部2073は、MPM順位決定部1105と同様な手法で、誤差指標取得部2072から入力された代表イントラ予測モードPaに係る誤差指標Da、代表イントラ予測モードPbに係る誤差指標Dbおよび所定のデフォルトMPMに基づいて、MPMに属するイントラ予測モード候補とそれらの順位を定める。MPM順位決定部2073は、定めたイントラ予測モード候補とそれらの順位の情報をイントラ予測モード情報生成部2074に出力する。
【0070】
ここで、MPM順位決定部2073は、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが異なり、かつ誤差指標Daが誤差指標Db以下であるとき、MPMの0番目のイントラ予測モード候補として代表イントラ予測モードPaに定め、MPMの1番目のイントラ予測候補として代表イントラ予測モードPbに定める。また、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが異なる場合であって、誤差指標Daが誤差指標Dbより大きいとき、MPM順位決定部2073は、MPMの0番目のイントラ予測モード候補として代表イントラ予測モードPbに定め、MPMの1番目のイントラ予測モード候補として代表イントラ予測モードPaに定める。
【0071】
なお、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが異なる場合、MPM順位決定部2073は、MPMの2番目のイントラ予測モード候補を、HEVC方式と同様の手順を用いて定める。また、代表イントラ予測モードPaと代表イントラ予測モードPbが等しい場合も、MPM順位決定部2073は、MPMの各イントラ予測モード候補を、HEVC方式と同様の手順を用いて定める。無効な参照ブロックについて、MPM順位決定部2073は、代表イントラ予測モードをDC予測と定める。
【0072】
イントラ予測モード情報生成部2074は、MPM順位決定部2073から入力されるMPMのイントラ予測モード候補とそれらの順位を示すイントラ予測モード情報として生成する。イントラ予測モード情報生成部2074は、生成したイントラ予測モード情報を候補判定部2075に出力する。
【0073】
候補判定部2075には、可変長復号部201から対象ブロックの代表イントラ予測モード情報としてイントラ予測フラグとイントラ予測モードの候補の順位の番号もしくは採用予測モードの番号を示すビット列が入力される。また、候補判定部2075には、MPM順位決定部2073からイントラ予測モード情報が入力される。候補判定部2075は、イントラ予測フラグに基づき代表イントラ予測モードがMPMのイントラ予測モード候補に含まれていることを示すか否かを判定する。含まれていると判定するとき、候補判定部2075は、代表イントラ予測モード情報に含まれる番号が示す順位のイントラ予測モード候補を、イントラ予測モード情報が示すMPMから選択する。候補判定部2075は、選択したイントラ予測モード候補を対象ブロックの代表イントラ予測モードであると判定する。
【0074】
代表イントラ予測モードがMPMのイントラ予測モード候補に含まれていないと判定するとき、候補判定部2075は、MPMのイントラ予測モード候補のモード番号を昇順に並び替える。候補判定部2075は、イントラ予測モード情報に含まれる採用予測モード番号がMPMの0番目のイントラ予測モード候補のモード番号以上であるとき、採用予測モード番号を1増加させる。候補判定部2075は、増加させた採用予測モード番号がMPMの1番目のイントラ予測モード候補のモード番号以上であるとき、採用予測モード番号をさらに1増加させる。候補判定部2075は、さらに増加させた採用予測モード番号がMPMの2番目のイントラ予測モード候補のモード番号以上であるとき、採用予測モード番号をまたさらに1増加させる。そして、候補判定部2075は、採用予測モード番号対象ブロックの代表イントラ予測モードとして定める。候補判定部2075は、定めた代表イントラ予測モードの情報をイントラ予測画像生成部2076に出力する。
【0075】
イントラ予測画像生成部2076は、参照ブロック内の復号画像を参照し、候補判定部2075から入力された情報が示す代表イントラ予測モードを用いてイントラ予測を行う。イントラ予測画像生成部2076は、イントラ予測により生成されたイントラ予測画像ブロックを加算部204に出力する。
【0076】
(MPM決定処理)
次に、本実施形態に係るMPM決定処理について説明する。図7は、本実施形態に係るMPM決定処理を示すフローチャートである。以下の説明では、MPM決定部1103がMPM決定処理の動作主体である場合を例にするが、MPM決定部2071も図7に示す処理を行う。
【0077】
(ステップS101)MPM決定部1103の誤差指標取得部1104は、ブロックAが無効であるか否かを判定する。無効であると判定するとき(ステップS101 YES)、ステップS102の処理に進む。有効であると判定するとき(ステップS101 NO)、誤差指標取得部1104は、ブロックAの代表イントラ予測モードPaに係る誤差指標を取得し、ステップS103の処理に進む。
(ステップS102)MPM順位決定部1105は、ブロックAの代表イントラ予測モードPaをDC予測と定める。誤差指標取得部1104は、ブロックAの誤差指標Daを誤差指標の最大値Zと定める。その後、ステップS103の処理に進む。
【0078】
(ステップS103)誤差指標取得部1104は、ブロックBが無効であるか否かを判定する。無効であると判定するとき(ステップS103 YES)、ステップS104の処理に進む。有効であると判定するとき(ステップS103 NO)、誤差指標取得部1104は、ブロックBの代表イントラ予測モードPbに係る誤差指標を取得し、ステップS105の処理に進む。
(ステップS104)MPM順位決定部1105は、ブロックBの代表イントラ予測モードPbをDC予測と定める。誤差指標取得部1104は、ブロックBの誤差指標Dbを誤差指標の最大値Zと定める。その後、ステップS105の処理に進む。
【0079】
(ステップS105)MPM順位決定部1105は、ブロックAの代表イントラ予測モードPaとブロックBの代表イントラ予測モードPbが異なるか否かを判定する。異なると判定するとき(ステップS105 YES)、ステップS106の処理に進む。異ならないと判定するとき(ステップS105 NO)、ステップS109の処理に進む。
【0080】
(ステップS106)MPM順位決定部1105は、代表イントラ予測モードPaに係る誤差指標Daが代表イントラ予測モードPbに係る誤差指標Db以下であるか否かを判定する。誤差指標Daが誤差指標Db以下であると判定するとき(ステップS106 YES)、ステップS107の処理に進む。誤差指標Daが誤差指標Dbより大きいと判定するとき(ステップS106 NO)、ステップS108の処理に進む。
【0081】
(ステップS107)MPM順位決定部1105は、MPMの0番目のイントラ予測モード候補MPM[0]として代表イントラ予測モードPaに定め、MPMの1番目のイントラ予測モード候補MPM[1]として代表イントラ予測モードPbに定める。MPM順位決定部1105は、MPMの2番目のイントラ予測モード候補MPM[2]をHEVC方式と同様の処理を行って定める。その後、図7の処理を終了する。
【0082】
(ステップS108)MPM順位決定部1105は、MPMの0番目のイントラ予測モード候補MPM[0]として代表イントラ予測モードPbに定め、MPMの1番目のイントラ予測モード候補MPM[1]として代表イントラ予測モードPaに定める。MPM順位決定部1105は、MPMの2番目のイントラ予測モード候補MPM[2]をHEVC方式と同様の処理を行って定める。その後、図7の処理を終了する。
【0083】
(ステップS109)MPM順位決定部1105は、MPMの0番目から2番目までのイントラ予測モード候補MPM[0]〜MPM[2]をHEVC方式と同様の処理を行って定める。その後、図7の処理を終了する。
【0084】
以上に説明したように、本実施形態に係る画像符号化装置1、画像復号装置2は、イントラ予測器1100、2070を備える。イントラ予測器1100、2070は、誤差指標取得部1104、2072と、MPM順位決定部1105、2073とを備える。誤差指標取得部1104、2072は、対象ブロックの周囲の参照ブロックの代表イントラ予測モードを用いたイントラ予測によって得られた予測画像の誤差指標を取得する。MPM順位決定部1105、2073は、参照ブロックの代表イントラ予測モードをイントラ予測モード候補として採用するとき、そのイントラ予測モード候補の順位を誤差指標の昇順に定める。
この構成によれば、入力画像ブロックとの誤差量が最も小さくなるイントラ予測画像を与える代表イントラ予測モードが、順位が高いイントラ予測モード候補と一致する可能性
が高くなる。代表イントラ予測モードの符号化に係るイントラ予測モード候補の数、即ちその符号化ビット数を少なくすることができる。
【0085】
また、誤差指標取得部1104、2072は、誤差指標としてイントラ予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数のデータを可変長符号化して得られるビット列のビット数を取得する。
この構成によれば、イントラ予測モード候補の順位が、それぞれのイントラ予測モード候補を用いて生成されたイントラ予測画像に基づく予測残差のビット列のビット数の昇順に定められる。予測残差の大きさとしてそのビット数が少ないイントラ予測モード候補が、対象ブロックに係る代表イントラ予測モードと一致する可能性が高くなる。そのため、代表イントラ予測モードの符号化に係る符号化ビット数を少なくすることができる。
【0086】
また、誤差指標取得部1104、2072は、誤差指標としてイントラ予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数のうち零以外の値を有する非零変換係数の数を取得する。
この構成によれば、イントラ予測モード候補の順位が、それぞれのイントラ予測モード候補を用いて生成されたイントラ予測画像に基づく予測残差の非零変換係数の数が少ないイントラ予測モード候補が、対象ブロックに係る代表イントラ予測モードと一致する可能性が高くなる。そのため、代表イントラ予測モードの符号化に係る符号化ビット数を少なくすることができる。
【0087】
また、誤差指標取得部1104、2072は、誤差指標としてイントラ予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の二乗和を取得する。
この構成によれば、イントラ予測モード候補の順位が、それぞれのイントラ予測モード候補を用いて生成されたイントラ予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の二乗和が小さいイントラ予測モード候補が、対象ブロックに係る代表イントラ予測モードと一致する可能性が高くなる。よって、代表イントラ予測モードの符号化に係る符号化ビット数を少なくすることができる。
【0088】
また、誤差指標取得部1104、2072は、誤差指標として前記イントラ予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の絶対値和を取得する。
この構成によれば、イントラ予測モード候補の順位が、それぞれのイントラ予測モード候補を用いて生成されたイントラ予測画像に基づく予測残差の量子化変換係数の絶対値和が小さいイントラ予測モード候補が、対象ブロックに係る代表イントラ予測モードと一致する可能性が高くなる。よって、代表イントラ予測モードの符号化に係る符号化ビット数を少なくすることができる。
【0089】
(第2の実施形態)
次に、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。上述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を援用する。本実施形態に係るイントラ予測器1100、2070は、図7に示すHEVC方式に基づくMPM決定処理をよりも一般化したイントラ予測モード候補グループ決定処理を実行する。本実施形態に係る本実施形態に係る画像符号化装置1および画像復号装置2は、それぞれ当該イントラ予測器1100、2070を含んで構成される。なお、本実施形態でもイントラ予測モード候補からなるグループをMPMと呼ぶ。
【0090】
(MPM決定処理)
次に、本実施形態に係るMPM決定処理について説明する。以下に説明する例では、参照ブロックの数をMに一般化する。Mは、2以上の整数である。また、MPMの数をNと表す。MPMの順位として、0番目〜N−1番目が存在する。Nは、Mよりも大きい整数である。M個の参照ブロック1〜Mの代表イントラ予測モードをP[1]〜P[M]と表す。例えば、MPMとして用いられる代表イントラ予測モードに係る参照ブロックとして、HEVC方式のように対象ブロックの上方もしくは左方のブロックに限られず、例えば、対象ブロックの左上のブロック、右上のブロックなどもさらに用いられてもよい。参照ブロック1〜Mのそれぞれについての誤差指標をD[1]〜D[M]と表す。デフォルトMPMを、L[1]、L[2]、…と表す。但し、無効な参照ブロックについて設定される代表イントラ予測モードをXと表す。
【0091】
図8は、本実施形態に係るMPM決定処理を示すフローチャートである。以下の説明では、MPM決定部1103が動作主体である場合を例にするが、MPM決定部2071も動作主体になりうる。また、図8に示す処理では、閾値D[0]が導入される。閾値D[0]は、デフォルトMPMが選択される度合いを調整するための調整パラメータである。
【0092】
(ステップS121)MPM決定部1103の誤差指標取得部1104は、M個の参照ブロックのうち有効な参照ブロックの代表イントラ予測モードP[1]〜P[M]のそれぞれと同一のイントラ予測モードに係る誤差指標を取得する。また、誤差指標取得部1104は、M個の参照ブロックのうち無効な参照ブロックそれぞれについて誤差指標をその最大値Zと定める。その後、ステップS122の処理に進む。
【0093】
(ステップS122)MPM順位決定部1105は、M個の誤差指標D[1]〜D[M]と閾値D[0]とを昇順にソートする。ソートによって得られる閾値D[0]ならびに参照ブロック1〜Mのインデックスをi[0]〜i[M]と表す。インデックスi[0]〜i[M]は、1以上の整数値をとる。インデックスi[0]〜i[M]からなるリストは、並び替えられた参照ブロックならびに閾値の順位を示す。但し、MPM順位決定部1105は、無効な参照ブロックの代表イントラ予測モードをイントラ予測モードXと定め、それらの参照ブロックのインデックスを0と設定する。その後、ステップS123の処理に進む。
【0094】
(ステップS123)MPM順位決定部1105は、インデックスx、yの初期値をそれぞれ0、1と設定する。インデックスxは、MPMのイントラ予測モード候補として採用される参照ブロックの代表イントラ予測モードの順位を、誤差指標の昇順に計数するためのインデックスである。インデックスyは、MPMのイントラ予測モード候補として採用されるデフォルトMPMの順位を計数するためのインデックスである。その後、ステップS124に進む。
【0095】
(ステップS124)MPM順位決定部1105は、x番目のインデックスi[x]が0であるか否かを判定する。この判定により、x番目の参照ブロックが無効であるか否かが判定される。0であると判定されるとき(ステップS124 YES)、ステップS129の処理に進む。0でないと判定されるとき(ステップS124 NO)、ステップS125の処理に進む。
【0096】
(ステップS125)MPM順位決定部1105は、MPMにi[x]番目のイントラ予測モードP[i[x]]が含まれているか否かを判定する。含まれていると判定されるとき(ステップS125 YES)、ステップS128の処理に進む。含まれていないと判定されるとき(ステップS125 NO)、ステップS126の処理に進む。
【0097】
(ステップS126)MPM順位決定部1105は、MPMにi[x]番目のイントラ予測モードP[i[x]]を加える。加えられるイントラ予測モードP[i[x]]のMPM内の順位は、その時点において最下位である。従って、初めてMPMに加えられるイントラ予測モードP[i[x]]の順位は0番目となる。その後、ステップS127の処理に進む。
(ステップS127)MPM順位決定部1105は、インデックスxの値に1を加える(インクリメント)。その後、ステップS128の処理に進む。
(ステップS128)MPM順位決定部1105は、MPMに含まれるイントラ予測モードの総数がN未満であるかを判定する。N未満であると判定されるとき(ステップS128 YES)、ステップS124の処理に進む。N以上であると判定されるとき(ステップS128 NO)、図8に示す処理を終了する。
【0098】
(ステップS129)MPM順位決定部1105は、MPMにy番目のデフォルトMPM L[y]が含まれているか否かを判定する。含まれていると判定されるとき(ステップS129 YES)、ステップS128の処理に進む。含まれていないと判定されるとき(ステップS129 NO)、ステップS130の処理に進む。
【0099】
(ステップS130)MPM順位決定部1105は、MPMにy番目のデフォルトMPM L[y]を加える。加えられるデフォルトMPM L[y]のMPM内の順位は、その時点において最下位になる。その後、ステップS131の処理に進む。
(ステップS131)MPM順位決定部1105は、インデックスyの値に1を加える(インクリメント)。その後、ステップS128の処理に進む。
【0100】
なお、ステップS122において、M個のうちの一部の2個以上の参照ブロックの代表イントラ予測モードについて誤差指標が互いに等しくなる場合がある。誤差指標が等しい参照ブロック間では、誤差指標取得部1104は、例えば、参照ブロックごとの順位を参照ブロックのインデックスの昇順に定める。誤差指標取得部1104は、他の種類の誤差指標をさらに取得し、参照ブロックごとの順位をさらに取得した誤差指標の昇順に定めてもよい。
【0101】
また、ステップS122において、M個のうちの一部の2個以上(例えば、K個)の参照ブロックの代表イントラ予測モードが互いに同一になる場合がある。互いに同一の代表イントラ予測モードが非方向性予測である場合には、誤差指標取得部1104は、K−1個の参照ブロックごとの順位を設けなくてもよい。その場合には、MPM順位決定部1105は、ステップS130の処理においてK−1個のデフォルトMPMをMPMに追加する。また、互いに同一の代表イントラ予測モードが方向性予測である場合もある。その場合には、誤差指標取得部1104は、その代表イントラ予測モードの参照方向から参照方向が近い順にK−1個の方向性予測に係るイントラ予測モードをK−1個のイントラ予測モード候補として選択してもよい。また、誤差指標取得部1104は、K−1個の方向性予測に係るイントラ予測モードについても誤差指標に基づくソートの対象としてもよい。これにより、誤差指標が閾値D[0]よりも大きいイントラ予測モードが、信頼性が低いイントラ予測モードとしてMPMから除外される。
【0102】
図8に示す処理によれば、閾値D[0]が小さいほど、デフォルトMPMがMPMのイントラ予測モード候補として選択される度合いが高くなる。例えば、閾値D[0]が最大値Zよりも大きい値としてZ+1に設定されるとき、参照ブロックの代表イントラ予測モードがデフォルトMPMよりも優先される。閾値D[0]が誤差指標として出現する可能性がある範囲内の値に設定されるとき、参照ブロックの代表イントラ予測モードよりもデフォルトMPMの方が優先して選択されることがある。
【0103】
そこで、誤差指標取得部1104は、参照ブロックに係る誤差指標の範囲に基づいて閾値D[0]を可変に設定してもよい。例えば、誤差指標取得部1104は、各参照ブロックに係る誤差指標の範囲内の値に閾値D[0]を設定する。その場合、閾値D[0]よりも大きい誤差指標に係る参照ブロックの代表イントラ予測モードと同一のイントラ予測モードよりもデフォルトMPMの方が優先して選択される。このようなイントラ予測モードは、予測残差の大きさを示す誤差指標が高いのでデフォルトMPMよりも信頼性が低いと考えられるためである。
【0104】
誤差指標取得部1104は、いずれかの参照ブロックに係る誤差指標よりも小さい誤差指標を与えるデフォルトMPMがあるとき、閾値D[0]を、そのデフォルトMPMに係る誤差指標とその参照ブロックに係る誤差指標との間の値に設定してもよい。その場合、閾値D[0]よりも大きい誤差指標に係る参照ブロックの代表イントラ予測モードよりも、閾値D[0]よりも小さい誤差指標に係るデフォルトMPMの方がMPMとして優先して選択される。
【0105】
閾値D[0]の設定において、誤差指標取得部1104は、誤差指標として量子化直交変換係数を示す符号を可変長符号化して得られるビット列のビット数を用いてもよい。そのため、より少ない符号量でイントラ予測モードを符号化するためのMPMが選択される。
誤差指標取得部1104は、必ずしもピクチャごとに閾値D[0]を変更しなくてもよい。閾値D[0]の設定周期は、より長い周期、例えば、所定のピクチャ数、アクセスユニット、シーケンスのいずれであってもよい。そのため、ピクチャごとに閾値D[0]を変更する場合よりも処理量が減少する。
誤差指標取得部1104は、設定した閾値D[0]を可変長符号化部104に出力する。
【0106】
可変長符号化部104は、符号化データを形成するビットストリームのヘッダ(例えば、HEVC方式のSPS[Sequence Parameter Set]ヘッダ、PPS[Picture Parameter Set]ヘッダ等)に閾値D[0]を含める。
可変長復号部201は、入力される符号化データを形成するビットストリームのヘッダから閾値D[0]を抽出し、抽出した閾値D[0]を誤差指標取得部2072に出力する。誤差指標取得部2072は、可変長復号部201から入力される閾値D[0]を取得し、誤差指標取得部2072とMPM順位決定部2073は、可変長復号部201から入力される閾値[0]を図8の処理に用いる。
【0107】
なお、図8に示す処理は、M=2、N=3、閾値D[0]=Z+1、無効な参照ブロックに係るイントラ予測モードXがDC予測、デフォルトMPM L[1]、L[2]、L[3]がそれぞれプレーナ予測、DC予測、垂直方向参照である場合、HEVC方式に基づく図7に示す処理と同様になる。
【0108】
以上に説明したように、本実施形態に係るイントラ予測器1100、2070において、MPM順位決定部1105、2073は、イントラ予測モード候補として、所定の誤差指標の閾値よりも大きい誤差指標を与える参照ブロックの代表イントラ予測モードの順位を、所定のデフォルトMPMの順位よりも低くすることを特徴とする。
この構成により、所定の誤差指標の閾値より大きい誤差指標を与える参照画素に係る代表イントラ予測モードのイントラ予測モード候補の順位が、所定のデフォルトMPMよりも低くなる。そのため、代表イントラ予測モードの符号化において、より誤差指標が小さいデフォルトMPMが優先してイントラ予測モード候補として利用される。よって、参照ブロックに係る代表イントラ予測モードのみよりも、対象ブロックに係る代表イントラ予測モードの符号化において用いるイントラ予測モード候補の数、即ち符号化ビット数を少なくすることができる。
【0109】
また、誤差指標取得部1104、2072は、各イントラ予測モード候補に係る誤差指標の範囲に基づいて誤差指標の閾値を定める。
この構成により、代表イントラ予測モードの符号化において、定めた誤差指標の閾値に基づいて、参照画素に係る代表イントラ予測モードよりも誤差指標が小さいデフォルトMPMを優先して利用するか否かが判定される。よって、常に一定の誤差指標の閾値よりも大きい誤差指標を与える参照ブロックの代表イントラ予測モードの順位を所定のデフォルトMPMの順位よりも低くするよりも、代表イントラ予測モードの符号化ビット数を少なくすることができる。
【0110】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0111】
例えば、上述した実施形態に係る画像符号化装置1、画像復号装置2およびイントラ予測器が、それぞれ単体で実施されてもよいし、イントラ予測器を備える画像符号化装置1と画像復号装置2とを含む画像処理システムとして実施されてもよい。
【0112】
なお、上述した画像符号化装置1もしくは画像復号装置2の一部、イントラ予測器1100、2070として構成されたイントラ予測器の一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、画像符号化装置1、画像復号装置2もしくはイントラ予測器1100、2070に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における画像符号化装置1、画像復号装置2もしくはイントラ予測器1100、2070の一部、または全部をLSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。画像符号化装置1、画像復号装置2もしくはイントラ予測器1100、2070の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1…画像符号化装置、2…画像復号装置、101…減算部、102…直交変換部、103…量子化部、104…可変長符号化部、105…逆量子化部、106…逆直交変換部、107…加算部、108…ループフィルタ、109…参照メモリ、110…イントラ予測部、111…インター予測部、112…選択部、201…可変長復号部、202…逆量子化部、203…逆直交変換部、204…加算部、205…ループフィルタ、206…参照メモリ、207…イントラ予測部、208…インター予測部、1100…イントラ予測器、1101…イントラ予測画像生成部、1102…減算部、1103…MPM決定部、1104…誤差指標取得部、1105…MPM順位決定部、1106…イントラ予測モード情報生成部、1107…候補判定部、2070…イントラ予測器、2071…MPM決定部、2072…誤差指標取得部、2073…MPM順位決定部、2074…イントラ予測モード情報生成部、2075…候補判定部、2076…イントラ予測画像生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8