(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続部は前記2つの側面のうちの一方の側面に設けられた凸部と他方の側面に設けられた凹部を備え、第1の分離カラム収納ホルダの前記凹部に第2の分離カラム収納ホルダの前記凸部が入った状態で固定する固定部材を有する、請求項1に記載の分離カラム収納ホルダ。
収納した分離カラムの長手方向に平行な2つの側面に設けられた接続部で互いに着脱自在に接続された複数の分離カラム収納ホルダを前記長手方向に対して直交する方向に搬送するZ軸ステージと、
上流側配管が固定された第1フィッティング及び下流側配管が固定された第2フィッティングをそれぞれ保持し、前記Z軸ステージによって分析ライン位置に搬送された分離カラムに対して接近する方向及び離間する方向に駆動されるY軸ステージと、
を有する分離カラム交換装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
図1及び
図2は従来の一般的な分離カラムを示す断面模式図であり、
図1は開放状態を示し、
図2は接続状態を示している。
図1に示すように、分離カラム101は充填剤102を詰めた円筒体で、充填剤の両側にフィルターの役目をするフリット103、配管107を接続するためのメネジ部108などを有する。配管107の接続は、フィッティング104(フェラル105と押しネジ106)を用いて行う。
図2に示すように、押しネジ106のオネジ部109を、分離カラム101のメネジ部108に対し矢印110のように回転させてフェラル105を押し進め、フェラル105と分離カラム101のテーパ部によりシールが可能となる。このとき、フェラル105の先端内径と配管107の外径が密着し、シールされる。これにより、条件によっては100MPa程度の耐圧が得られ、高流量送液による高速LC分離が可能となる。
【0013】
実施例1では、分離カラムの軸方向に移動可能で分離カラム送り方向に固定可能な接続部を有する分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置について説明する。以下では、分離カラムの長手方向がXYZ直交座標系のY軸方向、分離カラム交換のための分離カラム送り方向がZ軸方向であるとして説明する。
【0014】
図3〜6は、分離カラム交換装置を構成する分離カラム収納ホルダ移動機構及びフィッティング着脱装置の動作シーケンスの一例を示す断面模式図である。分析ライン位置301にセットされた分離カラム202は、内部の充填剤203により上流側配管204から流れてきた試料溶液を分離する。つまり、分析ライン位置301とは、分離カラム202に試料を流し分析を行う位置のことである。上流側配管204は第1フィッティング205により分離カラム202に接続されており、同様に下流側配管206は第2フィッティング207により分離カラム202に接続されている。上流側配管204はLCポンプ(図示せず)などと接続し、下流側配管206は検出器(図示せず)などと接続している。
【0015】
まず、
図3のように分析ライン位置301で分析中に予備の分離カラム202’を予備カラムセット位置302にセットする。使用中の分離カラム202が寿命に達した場合や、次の分析で異なる種類のカラムを使用する場合、
図4のようにフィッティング205,207を矢印401,402のようにカラムから離脱する方向に移動し、分離カラム202との接続を解除する。その後、
図5の矢印403のように、分離カラム202をZ方向に移動する。その際、予備の分離カラム202’も道連れに移動できることがポイントとなる。道連れに移動した予備の分離カラム202’は分析ライン位置301にセットされ、その後、
図6に矢印404,405で示すようにフィッティング205,207をY方向に移動し分離カラム202’と接続することで、分離カラム202’の充填剤203’を利用した分析が可能となる。
【0016】
図7〜9は、分離カラム収納ホルダの一例の構成例を示す概略図である。
図7は分離カラム収納ホルダ1の全体を示す模式図、
図8は分離カラム収納ホルダ1同士を接続する接続部8の例を示す詳細模式図、
図9は分離カラム収納ホルダ1を上流方向(又は下流方向)からみた側面模式図である。
【0017】
分離カラム2を収納可能な本実施例の分離カラム収納ホルダ1はZ軸方向の2つの側面、すなわち長手方向に平行かつ互いに平行な2つの側面に分離カラム収納ホルダ同士を接続するための接続部8を有し、接続部8により予備の分離カラム2’を収納した予備の分離カラム収納ホルダ1’と着脱自在にZ軸方向に接続できる。
図8に示すように、接続部8にはY軸方向にスライド可能、かつ、Z軸方向の動きを固定可能なアリ溝形状の引掛り部9が設けられている。より詳細には、接続部8は、
図9に示すように分離カラム収納ホルダ1の上側と下側の2つの側面に、各々、凸形状と凹形状の引掛り部9a,9bを有する。引掛り部9aは予備の分離カラム収納ホルダ1’の引掛り部9bと接続できる。この構造により、分離カラム2で分析中に、上流方向(又は下流方向)から予備の分離カラム2’(分離カラム収納ホルダ1’)をY軸方向すなわち分離カラムの長手方向にスライドさせて接続することが可能となる。
【0018】
図10は、
図7〜9で説明した分離カラム収納ホルダ1を搭載した分析システム及び分離カラム交換装置の構成例を示す概略図である。
【0019】
分析システムは、移動相11a又は移動相11b又は両者をミキサー13で混合したものをポンプ12a,12bにより上流側配管4に送液する。試料はオートサンプラー14に注入される。移動相11a,11bには、有機溶媒や水などを使用するのが一般的である。試料は、上流側配管4、第1フィッティング5、分離カラム2、第2フィッティング7、下流側配管6の順番に矢印15の方向に流れ、充填剤3で分離された試料は検出器16に到達して検出され、データ処理部17で分析される。検出器16には、質量分析計、紫外可視光検出器、フォトダイオードアレイ検出器、蛍光検出器など、様々な検出器を用いることが可能である。分離カラム交換装置は、
図3〜6で説明したようなシーケンス動作を行うことができる。
【0020】
図11,12は、分離カラム交換装置を構成する分離カラム収納ホルダ移動機構及びフィッティング着脱装置の構成例を示す概略図である。
図11はYZ平面における分離カラム2の中心軸での断面模式図、
図12は
図11の矢印53の方向から見たXY平面での断面模式図である。
【0021】
ベース18にY軸ステージ19a,19bを配置し、Y軸ステージ19a,19bにフィッティングホルダ21a,21bを配置している。この構成により、ベース18に対しY軸方向に固定された分離カラム2に対し、第1フィッティング5、第2フィッティング7をY軸方向に駆動することが可能となる。また、ベース18にZ軸ステージ22を配置し、Z軸ステージ22に分離カラム収納ホルダ1を配置することで、ベース18に対して分離カラム2をZ軸方向に駆動することが可能となる。これらの動きにより、
図3〜6に示したような分離カラム交換のためのシーケンス動作が可能となる。
【0022】
Z軸ステージ22により分離カラム2を分析ライン位置301へ移動したときの位置決めは、例えば、Z軸ステージ22の駆動にモータなどの回転機構とネジ送りの組み合わせ機構を用いた場合は、モータ回転数とそれに応じたネジピッチによる移動量を制御することで可能である。また、各種センサなどを設置し、所望位置まで駆動部材が到達した際にセンサが反応するように配置しておき、センサの反応に応じて駆動部を停止する制御でも可能である。また、プランジャなどのバネ仕掛けなどで出入り可能なボールなどの駆動部を利用したストッパ構造などでも可能である。
【0023】
なお、分離カラム収納ホルダ1をベース18に対してY軸方向へスライド可能なガイドを配置することで、2つのY軸ステージ19a,19bのうちどちらか一方の駆動でも分離カラム2も道連れで駆動できるので、両側のフィッティング5,7を接続することもできる(以下の各実施例についても同様)。
【0024】
図13は、本実施例による分離カラム交換動作の例を示すタイムシーケンス図である。分離カラム2の使用寿命回数をn回とした場合、使用回数がn回未満の所定回数を経過した時点でアラートを出す。アラートが出てから使用回数がn回に達するまでの間に予備の分離カラム2’をセットしておく。予備の分離カラム2’のセッティングは、分析ライン位置301にあって使用中の分離カラムを収納している分離カラム収納ホルダ1の接続部に予備の分離カラム2’を収納した分離カラム収納ホルダ1’の接続部をスライドさせて噛合わせることで行う。その後、分離カラム2の使用回数がn回に達した時点でY軸ステージ19a,19bを分離カラムから離間する方向に駆動し、分離カラム2から第1フィッティング5及び第2フィッティング7を開放する。解放後にZ軸ステージ22を駆動し、予備の分離カラム2’を分析ライン位置301に移動させる。その後、Y軸ステージ19a,19bを分離カラムに接近する方向に駆動し、分析ライン位置301にセットされた予備の分離カラム2’に第1フィッティング5及び第2フィッティング7を接続する。この動作により、装置を停止することなく分析中に予備カラムをセットできるので、スループットの低下を防ぐことができる。分離カラム2の使用回数のカウント作業やアラートの出力などは、例えば、データ処理部17などで行うことができる。
【0025】
なお、本実施例の分離カラム収納ホルダ1は連続的に接続可能なので、セットする予備の分離カラム収納ホルダは複数重ねてセットすることも可能である(以下の各実施例についても同様)。
【0026】
この動作を繰返し行う場合は、追加した予備の分離カラム収納ホルダの数に対応可能なストロークを有するZ軸ステージが必要となる。Z軸ステージとして、例えばベルトコンベアのようなエンドレスの駆動機構を用いれば、Z軸ステージを一方向に駆動することで分離カラムの交換動作を半永久的に繰り返すことが可能になる。
【0027】
なお、接続部8の引掛り部9a,9bは上下反対でも良い(以下の各実施例についても同様)。
【0028】
[実施例2]
実施例2では、T字型の接続部を有する分離カラム収納ホルダについて説明する。
【0029】
図14は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図9とほぼ同様なので、相違点について説明する。本実施例の分離カラム収納ホルダ1は、接続部8の引掛り部9a,9bの断面形状をT字型とした。本構成でも
図8と同様にY軸方向に移動可能、かつ、Z軸方向の動きを固定可能なので同様の効果が得られる。分離カラム交換装置は、実施例1と同様の構成とすることができる。
【0030】
実施例2の分離カラム収納ホルダ1は、T字形状で引掛り部を構成したため製作コストを抑えられるメリットがある。
【0031】
[実施例3]
実施例3では、接続部にころがり部材を有する分離カラム収納ホルダについて説明する。
【0032】
図15は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図9とほぼ同様なので、相違点について説明する。本実施例の分離カラム収納ホルダ1は、接続部8の引掛り部9a,9bにころがり部材23を有する。本構成でも
図8と同様にY軸方向に移動可能、かつ、Z軸方向の動きを固定可能なので同様の効果が得られる。分離カラム交換装置は、実施例1と同様の構成とすることができる。
【0033】
実施例3の分離カラム収納ホルダ1は、ころがりによる案内構成のため、引掛り部のY軸方向の駆動が滑らかになるメリットがある。
【0034】
なお、
図15には凸部側の引掛り部9aにころがり部材23を配置する例を示したが、ころがり部材は凹部側の引掛り部9bに配置しても良い。
【0035】
[実施例4]
実施例4では、接続部に摺動層を有する分離カラム収納ホルダについて説明する。
【0036】
図16は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図9とほぼ同様なので、相違点について説明する。本実施例の分離カラム収納ホルダ1は、接続部8の引掛り部9a,9bに摺動層24を有する。摺動層24には、フッ素樹脂や二硫化モリブデンなどの摩擦係数の低い部材のコーティング層や、そのような部材のシートを貼付けたような固体層の他、潤滑油のような液体層を採用しても良い。本構成でも
図8と同様にY軸方向に移動可能、かつ、Z軸方向の動きを固定可能なので同様の効果が得られる。分離カラム交換装置は、実施例1と同様の構成とすることができる。
【0037】
実施例4の分離カラム収納ホルダ1は、低コストで引掛り部のY軸駆動が滑らかとなるメリットがある。
【0038】
なお、
図16では凸部側の引掛り部9aに摺動層24を配置する例を示したが、摺動層は凹部側の引掛り部9bに配置しても良い。
【0039】
[実施例5]
実施例5では、接続部にネジを有する分離カラム収納ホルダについて説明する。
【0040】
図17は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図9とほぼ同様なので、相違点について説明する。本実施例の分離カラム収納ホルダ1の接続部8は、分離カラム2の長手方向に平行かつ互いに平行な2つの側面に設けられ、一方の側面に設けられた接続部としての引掛り部9aは凸部を構成し、他方の側面に設けられた接続部としての引掛り部9bは凹部を構成する。一例として、凹部は分離カラム収納ホルダ1の両端を結ぶ溝であり、凸部はその溝に挿入される段部である。2つの分離カラム収納ホルダはZ軸方向に重ね合わせ、あるいはY軸方向にスライドさせて、それぞれの接続部である凹部と凸部を嵌め合わせることで接続される。
【0041】
また、接続部8の引掛り部9a,9bに、Y軸方向とZ軸方向の動きを固定するための固定部材としてのネジ25を有する。ネジ25を締めることで分離カラム収納ホルダ1のY軸方向とZ軸方向の動きを固定できる。本構成でもネジ25を緩めることで
図8と同様にY軸方向に移動可能なので、同様の効果が得られる。分離カラム交換装置は、実施例1と同様の構成とすることができる。
【0042】
実施例5の分離カラム収納ホルダ1は、ネジ締めやネジ緩めの作業工程は増えるが、接続部を噛み合わせが不要な簡単な形状とすることができるため、低コストで引掛り部を構成できる他、Y軸方向の位置決め精度が向上するメリットがある。
【0043】
[実施例6]
実施例6では、接続部にプランジャを有する分離カラム収納ホルダについて説明する。
【0044】
図18は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図9とほぼ同様なので、相違点について説明する。本実施例の分離カラム収納ホルダ1は、接続部8の引掛り部9a,9bに、Y軸方向とZ軸方向の動きを固定するためのプランジャ26を有する。手前から予備の分離カラム収納ホルダをスライドしてセットしても、プランジャ26に内蔵したバネ27により先端に内蔵したボール28を引掛り部9aの穴部29に押付けることで、Y軸方向とZ軸方向の動きを固定できる。本構成でも
図8と同様にY軸方向に移動可能、かつ、Z軸方向の動きを固定可能なので同様の効果が得られる。
【0045】
実施例6の分離カラム収納ホルダ1は、作業工程を増やすことなくY軸方向の位置決め精度を向上できるメリットがある。分離カラム交換装置は、実施例1と同様の構成とすることができる。
【0046】
なお、
図18では凹部側の引掛り部9bにプランジャ26を配置した例を示したが、プランジャは凸部側の引掛り部9aに配置しても良い。このとき、穴部29は凹部側の引掛り部9bの壁に設けることになる。
【0047】
以上の各実施例に示した構成の他にも、Y軸方向に移動可能でZ軸方向に固定可能な構成であれば、同様の効果が得られるので、接続部8の引掛り部9a,9bにはこれらの実施例に示した以外の構成を用いても良い。
【0048】
[実施例7]
実施例7では、使用済みの分離カラム収納ホルダを廃棄する機構を有する分離カラム交換装置について説明する。分離カラム収納ホルダとしては、これまでの実施例で説明したものを用いることができる。
【0049】
図19,20は、本実施例の分離カラム交換装置の構成例を示す断面模式図であり、いずれもYZ平面における分離カラム2の中心軸での断面を示している。
図19は予備の分離カラム収納ホルダ1’が分析ライン位置301にセットされ、それに伴い使用済み分離カラム収納ホルダ1が分析ライン位置301を外れて下側へ移動した状態を示し、
図20は使用済み分離カラム収納ホルダ1を廃棄する動作を説明している。分離カラム収納ホルダ1は、上記実施例に示したように、長手方向に分離カラム同士をスライドさせて接続する構造の接続部を有する。分離カラム交換装置の基本的な構成は
図11,12とほぼ同様なので、相違点について説明する。
【0050】
本実施例の分離カラム交換装置は、使用済みの分離カラム収納ホルダ1をZ軸ステージに保持された他の分離カラム収納ホルダとの接続を外して廃棄するための分離カラム脱着部30と、脱離された使用済みの分離カラム収納ホルダ1を格納する廃棄容器34を有する。分離カラム脱着部30は、分離カラム送り方向(Z軸方向)の分析ラインより下流側で、使用済み分離カラム収納ホルダ1が移動してくる位置に配置され、Y軸方向に出入り可能な軸部31を有する。
図20の矢印32のように、分離カラム脱着部30はY軸方向に軸部31を伸ばすことで、使用済みの分離カラム収納ホルダ1の端部を押し、引掛り部9に沿ってY軸方向へスライドさせて分離カラム収納ホルダ1’の接続部との接続を外して切り離し、矢印33のように廃棄容器34へ落下させる。
【0051】
実施例7の分離カラム交換装置によると、使用済み分離カラム収納ホルダを廃棄容器にある程度蓄えておくことができるため、その都度回収する必要がなくなるメリットがある。
【0052】
[実施例8]
実施例8では、複数の分離カラムを収納する分離カラム収納ホルダについて説明する。
【0053】
図21は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図9とほぼ同様なので、相違点について説明する。本構成では、一つの分離カラム収納ホルダ1に、接続部の引掛り部9a,9bが設けられた2つの側面の間に複数の分離カラム2a,2b,2cを収納する。分離カラム交換装置は、実施例1と同様の構成とすることができる。
【0054】
実施例8の分離カラム収納ホルダ1は、予備の分離カラム収納ホルダをセットする頻度を減らすメリットがある。なお、
図21では3本の分離カラム2a,2b,2cを収納した例を示したが、収納する本数に関しては3本に限られない(以下の各実施例についても同様)。
【0055】
[実施例9]
実施例9では、密栓の開栓機構を有する分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置について説明する。
【0056】
図22は、本実施例の分離カラム交換装置の構成例を示す断面模式図である。
図22はYZ平面における分離カラム2の中心軸での断面を示している。分離カラム収納ホルダとしては、これまでの実施例で説明したものを用いることができる。分離カラム交換装置の基本的な構成は
図11,12とほぼ同様なので、相違点について説明する。
【0057】
本実施例では、分析ライン位置301の前段に予め分離カラム2に付加された密栓35a,35bを外す機構を有する。一般的に分離カラムは充填剤の性能を維持するために、内部を有機溶剤系の液体で満たし、両端を密栓で封鎖して保存される。したがって、使用の直前にこの密栓を外す必要がある。通常、密栓35a,35bは分離カラム2にネジ締め構造で固定されているため、本実施例では、矢印37a,37bで示したY軸方向の直線運動と、矢印38a,38bで示したY軸の回りの回転運動を行うことが可能な開栓機構36a,36bを有している。Z軸ステージ上に保持された分離カラムに対して開栓機構36a,36bを作用させて密栓35a,35bを外す。密栓35a,35bを外された分離カラムはZ軸ステージ22によって分析ライン位置301に搬送され、Y軸ステージ19a,19bによって第1フィッティング5及び第2フィッティング7が接続され使用に供される。
【0058】
図23は、本実施例の分離カラム交換装置の動作例を示すタイムシーケンス図である。開栓以外の動作は基本的に
図13とほぼ同様なので、相違点について説明する。
図23に示すように、使用中の分離カラムの使用回数がn回となり交換時期を迎えると開栓機構36a,36bが作動し、次に使用される分離カラムの両端を封鎖している密栓35a,35bが外される。Y軸ステージは、分析ライン位置301にある分離カラムからフィッティングを開放するように駆動される。次に、Z軸ステージ22が駆動されて開栓機構によって密栓を外された分離カラムを分析ライン位置に搬送する。するとY軸ステージが駆動され、分析ライン位置に搬送された新しい分離カラムに対してフィッティングを接続する。このように、交換すべき予備の分離カラムを分析ライン位置に搬送する直前のタイミングで、開栓機構36a,36bを動作させて密栓35a,35bを外す。
【0059】
なお、
図23は、分離カラムを1個だけ収納した分離カラム収納ホルダを用いるときのタイムシーケンスである。
図22に示すように複数の分離カラム2a〜2dを収納した分離カラム収納ホルダ1を用いる場合には、分離カラム2aの次に分析ライン位置にセットされる分離カラムは同じ分離カラム収納ホルダ中の分離カラム2bである。また、複数の分離カラムを収納した分離カラム収納ホルダを用いる場合には、アラートは分離カラム収納ホルダに収納された複数の分離カラムのうち最後の分離カラム2dの使用回数がn回未満の所定回数となったタイミングで出される。
【0060】
実施例9の分離カラム交換装置によると、予め分離カラムの密栓を外してセットする必要がなくなるメリットがある。
【0061】
[実施例10]
実施例10では、繰返し動作が可能な分離カラム交換装置について説明する。
【0062】
図24〜27は、本実施例の分離カラム交換装置の構成及び動作例を示す模式図である。
図24はXY平面における分離カラム2の中心軸での断面を示し、
図25〜27は
図24の矢印46方向から見たXZ平面における断面を示している。分離カラム収納ホルダとしては、これまでの実施例で説明したものを用いることができる。基本的な構成は
図11,12とほぼ同様なので、相違点について説明する。
【0063】
本実施例の分離カラム交換装置は、分離カラム収納ホルダ1を分離カラムの長手方向と直交するZ軸方向に移動可能に保持する枠体42、Z軸ステージ22の動きを枠体42に保持された分離カラム収納ホルダ1に伝達するための伝達部材40、伝達部材40を分離カラム収納ホルダ1に接触する位置と分離カラム収納ホルダ1から離間した位置に駆動する駆動部39を有する。
【0064】
図24,25に示すように、分離カラム収納ホルダ1は、一例として、その周囲を囲む枠体42の内部に保持されて分離カラム送り方向であるZ軸方向に移動可能になっている。Z軸方向の移動をスムーズにするために、ベース18に部材44を介して固定されている枠体42にZ軸ガイド43が配置され、分離カラム収納ホルダ1にはZ軸ガイド43が入る案内溝が設けられている。また、駆動部39の伝達部材40がZ軸方向に移動する際の妨げにならないように、枠体42には切欠き部45が設けられている。
【0065】
図25は、分離カラム収納ホルダ1中の分離カラム2aを用いた分析中に予備の分離カラム収納ホルダ1’をセットした状態を示している。分離カラム収納ホルダ1と分離カラム収納ホルダ1’は接続部8によって接続されている。Z軸方向に可動なZ軸ステージ22には駆動部39が配置されており、駆動部39はX軸方向に出入り可能な伝達部材40を有している。また、分離カラム収納ホルダ1の側面には伝達部材40の先端が挿入可能な穴部41が設けられている。
【0066】
図25,26に示すように、伝達部材40の先端を分離カラム収納ホルダ1の穴部41に挿入した状態でZ軸ステージ22を駆動することで、分離カラム収納ホルダ1は矢印47に沿ってZ軸方向に送られる。最終的に分離カラム収納ホルダ1の中の分離カラム2a〜2cは全て使用済みとなり、
図26に示すように、次の分離カラム収納ホルダ1’内部の分離カラム2’aが分析ライン位置301にセットされる。その後、駆動部39により伝達部材40を駆動して、その先端を分離カラム収納ホルダ1の穴部41から引き抜き、
図27に示すように、伝達部材40をZ軸ステージ22により矢印49方向に駆動し、分析ライン位置301にセットされた分離カラム収納ホルダ1’の穴部41’の位置まで戻る。その後、
図19,20のような機構で使用済みの分離カラム収納ホルダ1を廃棄し、新たに予備の分離カラム収納ホルダ1”をセットすることで
図25と同様の状態に戻る。
【0067】
本実施例の分離カラム交換装置の構成によれば、分離カラム交換の一連の動作を半永久的に繰り返すことが可能になるメリットがある。
【0068】
[実施例11]
実施例11では、マルチカラム分析に対応可能な分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置について説明する。本実施例では、複数の分離カラムを切替えながら使用するマルチカラム分析を行う。
【0069】
図28は、本実施例の分析システムの構成例を示す概略図である。基本的な構成は
図10とほぼ同様なので、相違点について説明する。一般に分離カラムを装置に取付けて分析を行う際、分析前に洗浄や平衡化という工程を行う。この工程は、実際には水系の液体や有機溶媒系の液体を一定時間流すことで行う。洗浄や平衡化という工程は、場合によっては分析と分析の間にも行うことがある。洗浄や平衡化の間は分析ができないのでスループットが低下する。スループット向上のために、
図28に示すように複数の分離カラム502a,502bを用意し、バルブ50,51で分析用の流路を切り替え、一方の分離カラムで分析している間に他方を洗浄、平衡化するという手法を使うことがある。
【0070】
図29は、バルブ50の一例を示す説明図であり、六方バルブの構成例を示している。
図29も用いて分析システムの動作について説明する。バルブ50は流路63a,63b,63cを持つ回転子64を有する。流路63a,63b,63cには、各々、ポート65aと65b、65cと65d、65eと65fが接続されている。バルブ50には試料を導入するための配管67aの他に、洗浄や平衡化を行う溶液68を導入するための配管67bが接続されている。試料は、配管67a、ポート65a、流路63a、ポート65b、上流側配管4aを経由し、分離カラム502aへ導入される。一方、溶液68は、配管67b、ポート65d、流路63b、ポート65c、配管70、ポート65e、流路63c、ポート65f、上流側配管4bを経由し分離カラム502bへ導入される。矢印66のような回転運動で回転子64を回すことで、各流路は点線で示した63a’,63b’,63c’の位置に移動し、各々、接続先のポートが切り替わり、試料と溶液68が流れる分離カラムが反対に変わる。
【0071】
バルブ51に関しては、
図29の配管67a,67b、上流側配管4a,4bを、各々、下流側配管6a,6b、配管69a,69bに置き換えた構成を用いることで対応可能である。その場合は、検出器16の側ではない配管69bは廃液容器71などへ至る。なお、バルブ50,51の機能は十方バルブなどにすることで、一つのバルブに集約することもできる。
【0072】
図30,31を用いて、分離カラム収納ホルダ1を交換する方式の一例について説明する。
図30は、分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す斜視図である。X軸方向はマルチアレイ方向であり、分離カラム収納ホルダ1はX軸方向に並んだ2個の分離カラム502a,502bを収納している。
【0073】
図31は、
図30に示した分離カラム収納ホルダ1を用いるマルチカラム分析のタイムシーケンス図である。分離カラムA(502a)又は分離カラムB(502b)で分析後、マルチカラム分析を行う分離カラムA,B単位で収納した分離カラム収納ホルダ1を使用すると、分離カラムA,Bを同時にパラレルで交換することになるため、分離カラム収納ホルダを交換した後、新しい分離カラムA’,B’をともに洗浄、平衡化する必要があるためにスループットが低下する。
【0074】
図32,33を用いて、分離カラム収納ホルダ1を交換する方式の別の例について説明する。
図32は、分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す斜視図である。X軸方向はマルチアレイ方向である。この例の分離カラム収納ホルダは、Z軸方向に複数の分離カラムを並べて収納している。
図33は、マルチカラム分析のタイムシーケンス図である。
図32に示すように、分離カラムA(502a)、分離カラムB(502b)それぞれの分析ラインのレーン毎に分離カラムを複数収納した分離カラム収納ホルダ1A,1Bを採用することで、例えば
図33に示すように、分離カラムAで分析中に分離カラムBは洗浄、平衡化済みなので、分離カラムAを分離カラムA’に交換しても直ちに分離カラムBで分析可能となる。これと同時に分離カラムA’も洗浄、平衡化できるので、さらに次の分析ですぐに使用できる。従って、交換によるスループット低下が生じない。
【0075】
このように、
図32に示す分離カラム収納ホルダ1では、分離カラムのマルチアレイの方向(X軸方向)と直交方向(Z軸方向)に分離カラムを複数収納する分離カラム収納ホルダを採用することで、レーン毎の移動、交換が可能となり、シームレスな分析を実現できる。
【0076】
[実施例12]
実施例12では、温度調節部を有する分離カラム収納ホルダについて説明する。分離カラム交換装置は、これまでの実施例と同様の構成とすることができる。
【0077】
図34は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図7〜9とほぼ同様なので、相違点について説明する。本構成では、分離カラム収納ホルダ1に温度調節部52を内蔵している。
【0078】
一般的に分離カラムでの分析ではスループット向上や性能安定性のため分離カラムの温度を数十℃程度に調節して使用する場合がある。円筒形状が一般的な分離カラムは、カラムオーブンと呼ばれる恒温槽に入れて温度調節することが多い。カラムオーブンは空気を介しての温度調節なので、分離カラム内部を一定温度にするのが難しい。分離カラム内部に温度分布が生じると分析性能を低下させる。
【0079】
図34に示すように分離カラム収納ホルダ1に温度調節部52を搭載することで、分離カラム2の内部の充填剤3をより直接的に温度調節することが可能となる。なお、温度調節部52には加熱手段や温度モニタ手段(共に図示せず)を有する。加熱手段には各種ヒータ類の他、分離カラム収納ホルダ1の内部に電熱線を直接内蔵させる構造でも良い。温度モニタ手段には熱電対や測温抵抗体などを用いることができる。
【0080】
実施例12の分離カラム収納ホルダの構成は、分析性能を向上するメリットがある。
【0081】
[実施例13]
実施例13では、分離カラムが分離カラム収納ホルダの機能を有し、温度調節部を有する構成の分離カラム収納ホルダについて説明する。分離カラム交換装置は、これまでの実施例と同様の構成とすることができる。
【0082】
図35は、本実施例の分離カラム2の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図34とほぼ同様なので、相違点について説明する。本構成では、分離カラム2に温度調節部52を内蔵している。さらに分離カラム2は分離カラム収納ホルダ1の機能を有するため、接続部としての引掛り部9a,9bを有する。つまり、分離カラム収納ホルダ1と分離カラム2が一体構造となった構成である。
【0083】
実施例13の分離カラム収納ホルダ(分離カラム)の構成は、充填剤3をより直に温度調節できるため分析性能を向上するメリットがある。
【0084】
[実施例14]
実施例14では、分離カラム収納ホルダに異なる種類の分離カラムを収納した分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置について説明する。
【0085】
図36は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1及び分離カラム交換装置の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は
図22などとほぼ同様なので、相違点について説明する。本構成では、分離カラム収納ホルダ1に異なる種類の分離カラム602,702,802,902を収納している。さらに、Z軸ステージ22は矢印54のような往復動作が可能である。分離カラム収納ホルダ1を往復駆動することにより、分離カラム602,702,802,902を並び順ではなく自由に切替えて使用することが可能となる
実施例14の分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置の構成は、異なる種類の分離カラムを切替えながら分析できるので、ランダム分析に対応できるメリットがある。
【0086】
[実施例15]
実施例15では、異なる種類の分離カラムを収納した分離カラム収納ホルダを並べて配置した分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置について説明する。
【0087】
図37は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1及び分離カラム交換装置の構成例を示す断面模式図である。基本的な構成は実施例1などとほぼ同様なので、相違点について説明する。本構成では、異なる種類の分離カラム602,702を収納した分離カラム収納ホルダ1をX軸方向に並べて配置し、X軸ステージ55は矢印56のような往復動作が可能である。よって、分離カラム収納ホルダ1をX軸方向に往復駆動することにより、異なる種類の分離カラム602,702を切替えて分析ライン位置301へ移動させることが可能となる。なお、分離カラム602,702を独立で駆動させるために、独立したZ軸ステージ22a,22bを有しても良い。
【0088】
実施例15の分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置の構成においても、異なる種類の分離カラムを切替えながら分析できるので、ランダム分析に対応できるメリットがある。
【0089】
[実施例16]
実施例16では、予備の分離カラム収納ホルダを移動させて、分析中の分離カラムと接続できる分離カラム交換装置について説明する。
【0090】
図38は、本実施例の分離カラム交換装置の構成例を示す断面模式図である。分離カラム収納ホルダとしては、これまでの実施例で説明したものを用いることができる。基本的な構成は
図11,12とほぼ同様なので、相違点について説明する。
【0091】
本実施例では、予備の分離カラム収納ホルダ1’を直接分析中の分離カラム収納ホルダ1にセットして接続するのではなく、分析ライン位置301の手前に設置された分離カラム装填ステージ57の軸部72に設けられた保持部にセットする。分離カラム装填ステージ57は、保持部にセットされた予備の分離カラム収納ホルダ1’を矢印58に沿ってY軸方向に移動させて使用中の分離カラム収納ホルダ1と接続させる。具体的には、分離カラム装填ステージ57の軸部72を伸ばすことなどで、軸部72の保持部にセットされた予備の分離カラム収納ホルダ1’を使用中の分離カラム収納ホルダ1と接続する位置までスライドさせ、互いの接続部をかみ合わせて接続する。
【0092】
実施例16の分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置の構成は、分析ライン位置付近が混み入った装置構成であっても予備の分離カラムを離れた位置に容易にセットできるだけでなく、実施例12や実施例13のような温度調節部52を併用することにより、分析前に予備の分離カラムを予め温度調節できるので、分析中の分離カラムとの接続時の温度変化を小さく抑えることができるメリットがある。なお、温度調節部は、予備の分離カラム収納ホルダ1’をセットする位置周辺に設置しても同様の効果が得られる。
【0093】
[実施例17]
実施例17では、分析後の分離カラムに密栓で閉栓する機構を有する分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置について説明する。
【0094】
図39は、本実施例の分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置の構成例を示す断面模式図である。
図39はYZ平面における分離カラム2の中心軸での断面を示している。分離カラム収納ホルダとしては、これまでの実施例で説明したものを用いることができる。基本的な構成は
図22などとほぼ同様なので、相違点について説明する。
【0095】
本構成では、分析ライン位置301の後段に分離カラム2に密栓35a,35bを取り付ける閉栓機構を有する。閉栓機構と開栓機構は兼用の機構であり、開栓位置にあるときは開栓機構として機能し、閉栓位置にあるときは閉栓機構として機能する。
図39に示した構成例では閉栓時、まず、開栓機構36a,36bがZ軸ステージ59a,59bにより矢印73a,73bに沿って、分析ライン位置301の後段の閉栓位置に移動する。そして、矢印60a,60bで示した直線運動と、矢印61a,61bで示した回転運動を行うことで、分析ライン位置から送り出されてきた使用済みの分離カラムに閉栓することが可能となる。
【0096】
図40は、本実施例の分離カラム交換装置の動作例を説明するタイムシーケンス図である。動作は基本的に
図23とほぼ同様なので、相違点である閉栓時の動作について説明する。予備の分離カラム2bが分析ライン位置301に移動すると、分析が終了した分離カラム2aが閉栓位置に移動してくる。その動作とは別に、Z軸ステージ59a,59bを駆動して開栓機構36a,36bを閉栓位置まで移動させ、その後、閉栓動作を行う。なお、開栓機構36a,36bと同様の機構を閉栓位置に有する構成であれば、Z軸ステージ59a,59bは必ずしも必要ない。開栓機構36a,36bは、開栓位置で分離カラムから取り外した密栓を閉栓位置で使用済みの分離カラムに取り付けて閉栓してもよいし、新しい密栓を使用済みの分離カラムに取り付けてもよい。
【0097】
実施例17の分離カラム交換装置の構成は、分析後の分離カラムからの溶液による装置汚染を防ぐことができ、さらに、実施例14や実施例15のような異種カラムの切替え用途などで、分離カラムの保存性能が向上するので、分析性能が向上するメリットがある。
【0098】
[実施例18]
実施例18では、分離カラム収納ホルダにバーコードラベルを設置した分離カラム収納ホルダについて説明する。
【0099】
図41は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す模式図である。基本的な構成は実施例1などとほぼ同様なので、相違点について説明する。本構成では、分離カラム収納ホルダ1にバーコードラベル62を有する。分離カラム交換装置は、これまでの実施例と同様の構成とすることができる。
【0100】
本実施例の分離カラム収納ホルダ1は、バーコードラベル62のような認識手段により、分離カラムの種類や特性の他、使用履歴の管理などができるメリットがある。バーコードのようなラベルのパターンを認識するものに代えて、RFIDタグのような電波などを利用した非接触認識手段などを用いることもできる。これらの認識手段は分離カラム2に付加してもよい。これらの情報はデータ処理部17などに格納し、分離カラム2の交換時期や圧力異常などを知らせるアラートなどに利用することもできる。
【0101】
[実施例19]
実施例19では、X軸方向に移動可能でZ軸方向に固定可能な接続部を有する分離カラム収納ホルダ及び分離カラム交換装置について説明する。
【0102】
図42は、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の構成例を示す模式図である。基本的な構成は実施例1などとほぼ同様なので、相違点について説明する。本実施例の分離カラム収納ホルダ1は、X軸方向に移動可能でZ軸方向に固定可能な接続部(引掛り部9a,9b)を有する。すなわち、本実施例の分離カラム収納ホルダ1の接続部は、分離カラム2の長手方向と直交する方向であるX軸方向に分離カラム収納ホルダ同士をスライドさせて接続する構造を有する。
【0103】
実施例19の分離カラム収納ホルダは、X軸方向からのセットや廃棄が可能となる。基本的に実施例1と同様の効果であるが、装置構成によっては本実施例の構成の方が実装が容易になる。
【0104】
なお、実施例19の構成は、既に述べた分離カラム交換装置の実施例と組み合わせることも可能である。その場合、各実施例における分離カラム収納ホルダ同士のスライド方向(Y軸方向)を、実施例19のそれに相当するX軸方向に置き換えることで対応できる。
【0105】
以上説明してきた各実施例の装置構成については、各々の装置構成の特徴要素を組み合わせた装置形態においても効果が得られる。また、各ステージや駆動部については、エアシリンダなどの直進機構や、カムやラックギヤのように回転を直進に変換する機構など、様々な方式を用いることができる。
【0106】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。