(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796741
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】レチクルを保持及び輸送するための、透明窓アセンブリを有する容器
(51)【国際特許分類】
G03F 1/66 20120101AFI20201130BHJP
H01L 21/673 20060101ALI20201130BHJP
B65D 85/30 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
G03F1/66
H01L21/68 T
B65D85/30
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-502632(P2020-502632)
(86)(22)【出願日】2018年7月16日
(65)【公表番号】特表2020-528160(P2020-528160A)
(43)【公表日】2020年9月17日
(86)【国際出願番号】US2018042275
(87)【国際公開番号】WO2019018281
(87)【国際公開日】20190124
【審査請求日】2020年1月28日
(31)【優先権主張番号】62/535,660
(32)【優先日】2017年7月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エッグム、ショーン ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ラシュケ、ラス
【審査官】
右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−086092(JP,A)
【文献】
特開2006−153899(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0092385(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0051785(US,A1)
【文献】
特開2014−191351(JP,A)
【文献】
特開2000−340642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/66
B65D 85/30
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルを輸送するためのポッドであって、
カバーと、
レチクルを取り付けるための空間を確立するように前記カバーと協働するように構成された内側ベース板とを含み、前記内側ベース板は、
境界面を有する穴、
前記境界面から内方に延び、取り付け面を有する第1のフランジ、
前記境界面から内方に延びる第2のフランジ、及び
前記穴内に取り付けられるように構成された窓アセンブリを含み、前記窓アセンブリは、
内側平坦面、外側平坦面及び側面平坦面を有する透明板であって、前記内側平坦面が前記取り付け面に接触するように構成された、透明板と、
前記透明板の外側平坦面又は側面平坦面に接触するシールであって、前記穴の境界面に接触し、前記窓アセンブリと前記穴との間の界面を密閉するように構成されたシールと、
前記第2のフランジに接触し、前記シール及び透明板を前記穴内に保持するように構成された保持器と、を有する、ポッド。
【請求項2】
前記保持器はポリマーで作られる、請求項1に記載のポッド。
【請求項3】
前記保持器は止め輪である、請求項1に記載のポッド。
【請求項4】
前記窓アセンブリはワッシャを有する、請求項3に記載のポッド。
【請求項5】
前記止め輪はステンレス鋼で作られ、前記ワッシャはステンレス鋼で作られる、請求項4に記載のポッド。
【請求項6】
前記透明板は角丸矩形であるか、又は円形である、請求項1に記載のポッド。
【請求項7】
前記保持器は、前記第2のフランジに接触するように、且つ前記シール及び透明板を前記穴内に着脱可能に保持するように構成される、請求項1に記載のポッド。
【請求項8】
前記内側ベース板には、ツールによる前記窓アセンブリの除去を容易にするための切欠き凹部と、前記保持器を収容するための前記境界面におけるアンダーカット領域とが形成される、請求項1に記載のポッド。
【請求項9】
前記透明板はポッドの外側から前記内側ベース板に支持されるレチクルの視認を容易にするように構成される、請求項1に記載のポッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的には、フォトマスク、レチクル、半導体基板及びウェハなど脆弱な装置を格納、輸送、出荷及び処理する当該技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
極紫外線(EUV:extreme ultraviolet)リソグラフィは集積回路及び他の半導体装置を製作するために採用される現像技術である。レチクルとも呼ばれる反射性フォトマスクが、ウェハとも呼ばれる膨大な数の基板上に複写される所望パターンにより形成される。レチクルは平らなガラス板であり、各ウェハは好適には1枚の薄い半導体材料である。一般的に、リソグラフィはウェハを放射線(この場合は極紫外線放射)源に晒すことに関わる。放射線は、パターンをレチクルからウェハへ転写するためにレチクルからウェハ上へ反射される。
【0003】
極紫外線(EUV)リソグラフィにより、このレチクルは従来のフォトリトグラフィにおいて使用されるレチクルと比較すると特に汚染及び損傷に敏感である。この感度の差は部分的には、放射線がレチクルを透過されるものとは対照的にレチクルから反射されるという理由で引き起こされる。放射線は、レチクルに使用され得る極紫外線(EUV)放射に対して透明な材料が現在存在しないのでレチクルから反射される。
【0004】
レチクルの汚染のリスクは通常、容器内のレチクルを輸送する間に発生する。容器は通常、汚染物質が容器に入るのを防止するために密閉される。しかし、輸送中のレチクルと容器との相対運動が粒子を形成させレチクルを損傷させ得る。別の問題は、レチクルが容器に対し初期位置から移動し得、したがって適切な配列(alignment)状態にないということである。レチクルが容器から除去され処理装置内に置かれる場合、自動装置が通常は使用される。したがって、輸送中に引き起こされるなんらかの位置ずれ(misalignment)が処理中にも存在し、ウェハ上に形成されるパターンを欠陥のあるものにし得る。
【0005】
上記論述からわかるように、レチクルを保持するための容器アセンブリであって、レチクルが容器アセンブリとの適切な配列状態にあるということを感知装置が確認するのを容易にするための窓を含む容器アセンブリの必要性が当該技術分野において存在する。好適には、この窓は、容器アセンブリ内への汚染物質の進入を防止するように、そして窓の設置中に汚染の発生を最小化するように設計される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記した懸案を鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は一般的には、レチクルを輸送するためのポッドに関する。ポッドは、内側カバー、カバー内に取り付けられる内側ベース板、及びベースを含む。内側ベース板は、レチクルを取り付けるための空間を確立するようにカバーと協働するように構成される。内側ベース板は、境界面を有する穴、境界面から内方に延び取り付け面を有する第1のフランジ、及び境界面から内方に延びる第2のフランジを含む。窓アセンブリは穴内に取り付けられるように構成される。窓アセンブリは、内側平坦面、外側平坦面、及び側面平坦面を有する透明板を有し、内側平坦面は取り付け面に接触するように構成される。窓アセンブリはまた、透明板の外側平坦面又は側面平坦面に接触するシールであって、穴の境界面に接触し窓アセンブリと穴との間の界面を密閉するように構成されたシールを有する。保持器は、第2のフランジに接触するように、そしてシール及び透明板を穴内に保持するように構成される。透明板は、ポッドの外側から内側ベース板に支持されるレチクルの視認を容易にするように構成される。いくつかの実施形態では、保持器はシール及び透明板を穴内に着脱可能に保持するように構成される。
【0008】
一例示的実施形態では、保持器はポリマーで作られる。別の例示的実施形態では、保持器は止め輪(snap ring)であり、窓アセンブリはワッシャを有する。場合によっては、止め輪はステンレス鋼で作られ、ワッシャはステンレス鋼で作られる。
【0009】
いくつかの実施形態では、透明板は丸角を有する矩形(本明細書では角丸矩形とも呼ぶ)である。他の実施形態では、透明板は円形である。
いくつかの実施形態では、内側ベース板には、ツール(tool)による窓アセンブリの除去を容易にするために切欠き凹部が形成される。内側ベース板はまた、保持器を収容するために境界面にアンダーカット領域を含む。
【0010】
先の概要は、本開示に特有な革新的特徴のいくつかの理解を容易にするために提供されるが、完全な説明であるようには意図されていない。本開示の完全な認識は、明細書全体、特許請求の範囲、図面及び要約書を全体として採用することにより得ることができる。
【0011】
本開示は、以下の添付図面に関する様々な例示的実施形態の説明を考慮するとより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態による極紫外線(EUV)レチクルポッドの断面を示す。
【
図2】
図1に示すポッドの内側ベース板の斜視図を示す。
【
図3A】ベース板内に取り付けられ別個の矩形シール及び窓保持器により適所に保持された窓を有する線3−3に沿った
図2のベース板の断面を示す。
【
図4A】本開示の実施形態によるベース板内に取り付けられ別個の円状シール及び窓保持器により適所に保持された窓の断面を示す。
【
図5A】本開示の別の実施形態によるベース板内に取り付けられ別個の円状シール、ワッシャ及び窓保持器により適所に保持された窓の断面を示す。
【
図5B】
図5Aのシール、ワッシャ及び窓保持器の分解図を示す。
【
図6A】本開示のさらに別の実施形態によるベース板内に取り付けられ別個の矩形シール及び窓保持器により適所に保持された窓の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は様々な修正及び代替形式に服すが、その各論は、図面に一例として示されており、詳細に説明されることになる。しかし、本意図は本開示の態様を説明される特定の例示的実施形態に制限することではないということを理解すべきである。逆に、本意図は本開示の精神及び範囲に入るすべての修正、等価及び代替実施形態をカバーすることである。
【0014】
本明細書と添付特許請求の範囲とにおいて使用されるように、単数形式の「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、その内容が別途明確に規定しない限り、複数の参照物を含む。本明細書と添付特許請求の範囲とにおいて使用されるように、用語「又は」は通常、その内容が別途明確に規定しない限り「及び/又は」を含む意味で採用される。
【0015】
以下の詳細説明は、様々な図面内の同様な要素が同じ番号を付けられた図面を参照して読まれるべきである。詳細説明及び必ずしも原寸に比例していない図面は、例示的実施形態を描写しており、したがって本開示の範囲を制限するようには意図されていない。描写される例示的実施形態は単なる例示であるように意図されている。任意の例示的実施形態の選択された特徴は別途言明しない限り追加実施形態に取り込まれ得る。
【0016】
図1を最初に参照すると、例示的極紫外線(EUV)ポッド100が示される。ポッド100は、輸送及び格納のためにレチクル105(特に極紫外線(EUV)レチクル)を保持するように構成される。ポッド100はベース110及びカバー115を含む。ベース110及びカバー115は、内側ポッド125を収容するための好適な密閉筐体120を形成する。内側ポッド125は内側ベース板130及び内側カバー135を含む。内側ベース板130及び内側カバー135は、レチクル105を含むために好適な密閉筐体140を形成する。ベース110はベース110の内面から上方に延びる位置決め突起145を含む。内側ベース板130はベース110に支持され、位置決め突起145は、ポッド100に対して内側ポッド125を定位するために内側ベース板130の下側(又は外側)面150に形成された凹溝(見えない)内に延びる。レチクル105は内側ベース板130の上側(又は内側)面151に支持される。カバー115はカバー115の内面から下方に延びる位置決め突起155を含む。位置決め突起155は、内側ポッド125をポッド100に対して定位するために内側カバー135内に形成された穴(見えない)内に延びる。
【0017】
図2は内側ベース板130の下面150を示す。内側ベース板130は、それぞれが対応窓アセンブリ210〜215を含む複数の穴200〜205を有する。これは、レチクル105が
図1に示す内側ベース板130の上面151に支持される場合に内側ベース板130の下に位置する感知装置(図示せず)がレチクル105の位置を判断することを容易にする。内側ベース板130はまた、内側ベース板130をベース110に対して揃うように位置決め突起145(
図1)と嵌合するように構成された複数の凹溝220〜222を含む。
【0018】
次に
図3Aを参照すると、内側ベース板130の断面が示される。具体的には、
図3Aは穴200及び窓アセンブリ210を示す。穴200は境界面(すなわち周囲側壁)300を有する。フランジ305が境界面300から内方に延び、アンダーカット(すなわち凹部)310が境界面300中に外方に延びる。フランジ305は取り付け面315を有する。窓アセンブリ210は透明板320、シール325及び保持器330を含む。透明板320は外側(又は下側)平坦面335及び内側(又は上側)平坦面336を有し、内側平坦面336は取り付け面315に接触している。透明板320は内側ベース板130の上面151に支持されたレチクルの視認を容易にするように構成される。シール325は透明板320の外側平坦面335とアンダーカット310とに接触する。シール325は窓アセンブリ210と穴200との間の界面を密閉するように構成される。保持器330は、シール325及び透明板320を穴200内に保持するためにシール325及びアンダーカット310に接触する。場合によっては、保持器330がシール325及び透明板320を穴200内に着脱可能に保持するように構成される。このような保持は、上及び下から窓アセンブリ210全体にわたって延びる内側ベース板130によるものであり、これにより窓アセンブリ210の上下移動を防止する。特に、アンダーカット310を包含することにより境界面300から内方に延びる第2のフランジ340を生じる。フランジ340が窓アセンブリ210が穴200を通って外方へ(又は下へ)移動するのを防止する一方で、フランジ305は窓アセンブリ210が穴200を通って内方へ(又は上へ)移動するのを防止する。すなわち、シール325及び透明板320が当該方向にフランジ305により適所に保持されるので、フランジ340と保持器330との接触は保持器330の外方運動を防止し、シール325と保持器330との接触は保持器330の内方運動を防止する。同様に、シール325及び保持器330が当該方向にフランジ340により適所に保持されるので、フランジ305と透明板320との接触は透明板320の内方運動を防止し、シール325と透明板320との接触は透明板320の外方運動を防止する。
【0019】
図3Bは窓アセンブリ210の分解図を示す。この図は穴200、透明板320、シール325及び保持器330の矩形形状を明確に示す。但し、この形状はこの矩形が丸角を有するのでより正確には角丸矩形と称される。加えて、保持器330は複数の突起345を含む。窓アセンブリ210が穴200内に設置されるとフランジ340に接触するのは突起345である。いかなるねじ式締め具(例えばねじ)も窓アセンブリ210を固定するために必要ではない。換言すれば、窓アセンブリ210はねじ式締め具を必要としない。これは粒子生成を低減し、その結果レチクル105を汚染する可能性が低減する。好適には、内側ベース板130はアルミニウムで作られ、透明板320はガラスで作られる一方で、シール325及び保持器330のそれぞれはポリマーで作られる。ポリマーシールとして好適なポリマーの非限定的例は、フッ素化ポリマー、弾性ポリマー及び熱可塑性エラストマポリマーを含む。好ましいポリマーは低レベルのガス抜けを呈示するものである。保持器はまた、ポリマーである実施形態を含み得る。保持器に好適なポリマーの非限定的例はポリエーテル・エーテル・ケトン及びポリエーテルイミドを含む。
【0020】
窓アセンブリ210を穴200内に取り付けるために、透明板320が、取り付け面315に接触した状態で置かれる。次に、シール325は、アンダーカット310内に置かれ、透明板320の外側平坦面335に接触する。保持器330は、シール325及びフランジ340に接触するようにアンダーカット310内に置かれ、これによりシール325及び透明板320を穴200内に着脱可能に保持する。保持器330の挿入中に、シール325は保持器330により圧縮される。シール325による復元力が保持器330とフランジ340との接触を維持するのを助ける。
【0021】
次に
図4Aへ移ると、本開示の実施形態に従って構築された別の内側ベース板400の断面が示される。内側ベース板400は穴405と穴405内に位置する窓アセンブリ410とを含む。切欠き凹部415が内側ベース板400の下側(又は外側)面420内に形成される。切欠き凹部415は、窓アセンブリ410を損傷することなく窓アセンブリ410がツールにより穴405から除去され得るようにツール(図示せず)に対するアクセスを提供する。穴405は境界面(すなわち周囲側壁)425を有する。フランジ430は境界面425から内方に延び、アンダーカット(すなわち凹部)435は境界面425に向かって外方に延びる。フランジ430は取り付け面440を有する。窓アセンブリ410は透明板445、シール450及び保持器455を含む。透明板445は外側(又は下側)平坦面460及び内側(又は上側)平坦面461を有し、内側平坦面461は取り付け面440に接触する。透明板445は内側ベース板400に支持されたレチクルの視認を容易にするように構成される。シール450は透明板445の外側平坦面460とアンダーカット435とに接触する。シール450は窓アセンブリ410と穴405との間の界面を密閉するように構成される。保持器455は、シール450及び透明板445を穴405内に保持するためにシール450とアンダーカット435とに接触する。場合によっては、保持器455はシール450及び透明板445を穴405内に着脱可能に保持するように構成される。このような保持は、上及び下から窓アセンブリ410全体にわたって延びる内側ベース板400によるものであり、これにより窓アセンブリ410の上下移動を防止する。特に、アンダーカット435を包含することにより境界面425から内方に延びる第2のフランジ465を生じる。フランジ465は窓アセンブリ410が穴405を通って外方へ(又は下へ)移動するのを防止する一方で、フランジ430は窓アセンブリ410が穴405を通って内方へ(又は上へ)移動するのを防止する。すなわち、フランジ465と保持器455との接触は保持器455の外方運動を防止し、シール450と保持器455との接触は保持器455の内方運動を防止する。これは、シール450及び透明板445が当該方向にフランジ430により適所に保持されるためである。同様に、フランジ430と透明板445との接触は透明板445の内方運動を防止し、シール450と透明板445との接触は透明板445の外方運動を防止する。これは、シール450及び保持器455が当該方向にフランジ465により適所に保持されるためである。
【0022】
図4Bは窓アセンブリ410の分解図を提供する。この図は、穴405、透明板445、シール450及び保持器455の円形形状を明確に示す。いかなるねじ式締め具(例えばねじ)も窓アセンブリ410を穴405内に固定するために必要ではない。換言すれば、窓アセンブリ410はねじ式締め具を含まない。これは粒子生成を低減し、これにより、内側ベース板400に支持されたレチクルを汚染する可能性が低減する。好適には、内側ベース板400はアルミニウムで作られ、透明板445はガラスで作られる一方で、シール450及び保持器455のそれぞれはポリマーで作られる。ポリマーシールとして好適なポリマーの非限定的例は、フッ素化ポリマー、弾性ポリマー及び熱可塑性エラストマポリマーを含む。好ましいポリマーは低レベルのガス抜けを呈示するものである。保持器はまた、ポリマーである実施形態を含み得る。保持器に好適なポリマーの非限定的例はポリエーテル・エーテル・ケトン及びポリエーテルイミドを含む。
【0023】
次に
図5Aを参照すると、本開示の別の実施形態に従って構築された別の内側ベース板500の断面が示される。内側ベース板500は穴505と穴505内に位置する窓アセンブリ510とを含む。切欠き凹部515が内側ベース板500の下側(又は外側)面520内に形成される。切欠き凹部515は、窓アセンブリ510を損傷することなく窓アセンブリ510がツールにより穴505から除去され得るようにツール(図示せず)に対するアクセスを提供する。穴505は境界面(すなわち周囲側壁)525を有する。フランジ530は境界面525から内方に延び、アンダーカット(すなわち凹部)535は境界面525に向かって外方に延びる。フランジ530は取り付け面540を有する。窓アセンブリ510は透明板545、シール550、ワッシャ555及び保持器560を含む。透明板545は外側(又は下側)平坦面565及び内側(又は上側)平坦面566を有し、内側平坦面566は取り付け面540に接触している。透明板545は内側ベース板500に支持されたレチクルの視認を容易にするように構成される。シール550は透明板545の外側平坦面565とアンダーカット535とに接触する。シール550は窓アセンブリ510と穴505との間の界面を密閉するように構成される。ワッシャ555はシール550と保持器560の間に位置し、シール550、保持器560及びアンダーカット535に接触する。保持器560はアンダーカット535に接触し、シール550及び透明板545を穴505内に保持する。場合によっては、保持器560はシール550及び透明板545を穴505内に着脱可能に保持するように構成される。このような保持は、上及び下から窓アセンブリ510全体にわたって延びる内側ベース板500によるものであり、これにより窓アセンブリ510の上下移動を防止する。特に、アンダーカット535を包含することにより境界面525から内方に延びる第2のフランジ570を生じる。フランジ570は窓アセンブリ510が穴505を通って外方へ(又は下へ)移動するのを防止する一方で、フランジ530は窓アセンブリ510が穴505を通って内方へ(又は上へ)移動するのを防止する。すなわち、フランジ570と保持器560との接触が保持器560の外方運動を防止し、ワッシャ555と保持器560との接触が保持器560の内方運動を防止する。これは、ワッシャ555、シール550及び透明板545が当該方向にフランジ530により適所に保持されるためである。同様に、フランジ530と透明板545との接触が透明板545の内方運動を防止し、シール550と透明板545との接触が透明板545の外方運動を防止する。これは、シール550、ワッシャ555及び保持器560が当該方向にフランジ570により適所に保持されるためである。
【0024】
図5Bは窓アセンブリ510の分解図を提供する。この図は、穴505、透明板545、シール550、ワッシャ555及び保持器560の円形形状を明確に示す。加えて、間隙(gap)が保持器560の第1の端575と第2の端576との間に設けられる。この空間は、保持器560が止め輪として機能するように、窓アセンブリ510の設置中に保持器560が収縮するのを容易にする。いかなるねじ式締め具(例えばねじ)も窓アセンブリ510を穴505内に固定するために必要ではない。換言すれば、窓アセンブリ510はねじ式締め具を含まない。これは粒子生成を低減し、その結果、内側ベース板500に支持されたレチクルを汚染する可能性が低減する。好適には、内側ベース板500はアルミニウムで作られ、透明板545はガラスで作られ、シール550はポリマーで作られる一方で、ワッシャ555及び保持器560のそれぞれはステンレス鋼で作られる。ポリマーシールとして好適なポリマーの非限定的例は、フッ素化ポリマー、弾性ポリマー及び熱可塑性エラストマポリマーを含む。好ましいポリマーは低レベルのガス抜けを呈示するものである。保持器はまたポリマーである実施形態を含み得る。保持器に好適なポリマーの非限定的例はポリエーテル・エーテル・ケトン及びポリエーテルイミドを含む。ポリマーシールとして好適なポリマーの非限定的例は、フッ素化ポリマー、弾性ポリマー及び熱可塑性エラストマポリマーを含む。好ましいポリマーは低レベルのガス抜けを呈示するものである。保持器はまたポリマーである実施形態を含み得る。保持器に好適なポリマーの非限定的例はポリエーテル・エーテル・ケトン及びポリエーテルイミドを含む。
【0025】
次に
図6Aを参照すると、本開示のさらに別の実施形態に従って構築されたさらに別の内側ベース板600の断面が示される。内側ベース板600は穴605と穴605内に位置する窓アセンブリ610とを含む。穴605は境界面(すなわち周囲側壁)615を有する。フランジ620は境界面615から内方に延び、アンダーカット(すなわち凹部)625は境界面615に向かって外方に延びる。フランジ620は取り付け面630を有する。窓アセンブリ610は透明板635、シール640及び保持器645を含む。透明板635は外側(又は下側)平坦面650及び内側(又は上側)平坦面651を有し、内側平坦面651は取り付け面630に接触している。透明板635は内側ベース板600に支持されたレチクルの視認を容易にするように構成される。シール640は境界面615、取り付け面630及び透明板635の側面平坦面655に接触する。シール640は窓アセンブリ610と穴605との間の界面を密閉するように構成される。保持器645は、シール640、アンダーカット625、及び透明板635の外側平坦面650に接触する。保持器645はシール640及び透明板635を穴605内に保持するように構成される。場合によっては、保持器645はシール640及び透明板635を穴605内に着脱可能に保持するように構成される。このような保持は、上及び下から窓アセンブリ610全体にわたって延びる内側ベース板600によるものであり、その結果窓アセンブリ610の上下移動を防止する。特に、アンダーカット625を包含することにより境界面615から内方に延びる第2のフランジ660を生じる。フランジ660は窓アセンブリ610が穴605を通って外方へ(又は下へ)移動するのを防止する一方で、フランジ620は窓アセンブリ610が穴605を通って内方へ(又は上へ)移動するのを防止する。すなわち、フランジ660と保持器645との接触が保持器645の外方運動を防止し、シール640と透明板635と保持器645との接触は保持器645の内方運動を防止する。これは、シール640及び透明板635が当該方向にフランジ620により適所に保持されるためである。同様に、フランジ620と透明板635との接触が透明板635の内方運動を防止し、保持器645と透明板635との接触は透明板635の外方運動を防止する。これは、保持器645が当該方向にフランジ660により適所に保持されるためである。
【0026】
図6Bは窓アセンブリ610の分解図を示す。この図は穴605、透明板635、シール640及び保持器645の矩形形状を明確に示すが、この形状はより正確には角丸矩形と称される。加えて、保持器645は複数の突起665を含む。窓アセンブリ610が設置されるとフランジ660に接触するのは突起665である。いかなるねじ式締め具(例えばねじ)も窓アセンブリ610を穴605内に固定するために必要ではない。これは粒子生成を低減し、その結果、内側ベース板600に支持されたレチクルを汚染する可能性が低減する。好適には、内側ベース板600はアルミニウムで作られ、透明板635はガラスで作られる一方で、シール640及び保持器645のそれぞれはポリマーで作られる。保持器に好適なポリマーの非限定的例はポリエーテル・エーテル・ケトン及びポリエーテルイミドを含む。ポリマーシールとして好適なポリマーの非限定的例は、フッ素化ポリマー、弾性ポリマー及び熱可塑性エラストマポリマーを含む。好ましいポリマーは低レベルのガス抜けを呈示するものである。保持器はまたポリマーである実施形態を含み得る。保持器に好適なポリマーの非限定的例はポリエーテル・エーテル・ケトン及びポリエーテルイミドを含む。
【0027】
本開示のいくつかの例示的実施形態をこのように説明したが、当業者は、添付された本明細書の特許請求の範囲内でさらに他の実施形態がなされ使用され得るということを容易に認識することになる。本文書によりカバーされる本開示の多数の利点がこれまでの明細書内に記載された。しかし、本開示は多くの点で単に例示的であるということが理解される。変更は本開示の範囲を越えることなく詳細に(特に部品の形状、サイズ及び配置に関して)行われ得る。本開示の範囲は当然、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。