(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
撮像レンズである主レンズの像側に装着されることにより装着後のレンズ全系の焦点距離を該主レンズの焦点距離よりも長焦点距離側へ変化させるリアアタッチメントレンズであって、
全体として正の屈折力を有し、
負の屈折力を有し最も物体側に配置されたレンズである最物体側レンズと、正の屈折力を有し最も像側に配置されたレンズである最像側レンズと、物体側から順に、負レンズと、正レンズと、負レンズとからなる3枚のレンズを接合してなる3枚接合レンズとを含み、
前記最物体側レンズのg線とF線間の部分分散比をθgL11、前記最物体側レンズのd線基準のアッベ数をνL11、前記3枚接合レンズ内の前記正レンズのg線とF線間の部分分散比をθgTL2、前記3枚接合レンズ内の最も像側の前記負レンズのg線とF線間の部分分散比をθgTL3、前記3枚接合レンズ内の前記正レンズのd線に対する屈折率をNTL2、前記3枚接合レンズ内の最も像側の前記負レンズのd線に対する屈折率をNTL3、前記3枚接合レンズ内の前記正レンズのd線基準のアッベ数をνTL2としたとき、
0.62<θgL11+0.001625×νL11<0.65 (1)
−0.03<θgTL2−θgTL3<0.03 (8)
−0.35<NTL2−NTL3<−0.15 (9)
20<νTL2<40 (10)
で表される条件式(1)、(8)、(9)、及び(10)を満足するリアアタッチメントレンズ。
前記リアアタッチメントレンズの最も物体側のレンズ面から前記リアアタッチメントレンズの物体側主点までの光軸上の距離をef、前記リアアタッチメントレンズの最も物体側のレンズ面から前記リアアタッチメントレンズの最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をRATとしたとき、
1<ef/RAT<5 (11)
で表される条件式(11)を満足する請求項1から3のいずれか1項記載のリアアタッチメントレンズ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るリアアタッチメントレンズRALを主レンズ(マスターレンズともいう)MLの像側に装着した状態の構成を示す断面図である。
図2は、
図1の主レンズMLの像側にリアアタッチメントレンズRALが装着されていない状態の構成を示す断面図である。
図3は、
図1のリアアタッチメントレンズRALの構成を示す断面図である。
図3に示す例のリアアタッチメントレンズRALは、後述の実施例1に対応する。
図1〜
図3では、図の左側が物体側、右側が像側である。
図1では、無限遠物体からの軸上光束12、最大画角の軸外光束13も合わせて図示している。
図2では、無限遠物体からの軸上光束22、最大画角の軸外光束23も合わせて図示している。
【0024】
リアアタッチメントレンズRALは、主レンズMLの像側に装着されることにより装着後のレンズ全系(主レンズMLとリアアタッチメントレンズRALの合成光学系)の焦点距離を主レンズMLの焦点距離よりも長焦点距離側へ変化させる。主レンズMLは、例えば放送用カメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮像装置に搭載可能な撮像レンズである。
【0025】
リアアタッチメントレンズRALは、主レンズMLの像側に装着されることにより装着後のレンズ全系のイメージサイズを主レンズMLのイメージサイズよりも拡大させる機能を有してもよい。
図1に示す像面15のサイズが
図2に示す像面25のサイズより大きいことからわかるように、本実施形態のリアアタッチメントレンズRALはイメージサイズを拡大する機能も有する。
【0026】
なお、撮像レンズ系が撮像装置に搭載される際には、撮像素子を保護するためのカバーガラス、撮像装置の仕様に応じた色分解プリズム、及び各種フィルタ等の光学部材を備えることが考えられる。
図1の光学部材14a、14b、及び
図2の光学部材24は上記の光学部材を想定したものであり、入射面と出射面は平行な平面で形成されている。ただし、本発明においては光学部材14a、14b、24は必須の構成要素ではなく、光学部材14a、14b、24の少なくとも1つを省略した構成も可能である。
【0027】
本実施形態のリアアタッチメントレンズRALは、全体として正の屈折力を有する構成とすることができる。一般にはリアアタッチメントレンズは全体として負の屈折力を有する構成とすることが多い。しかし、全体として負の屈折力を有する構成とした場合は、主レンズに装着することによる収差変動が大きくなりやすく、例えば主レンズで発生する像面湾曲をさらに悪化させやすくなる。これに対して、リアアタッチメントレンズRAL自体が全体として正の屈折力を有する構成とした場合は、像面湾曲を効果的に小さく抑えることができる。
【0028】
本実施形態のリアアタッチメントレンズRALは、負の屈折力を有し最も物体側に配置されたレンズである最物体側レンズL11を含む。リアアタッチメントレンズRALの最も物体側に負レンズを配置することによって、最も主レンズMLに近い位置に負の屈折力を配置することができ、効果的に長焦点距離化、及び所望のバックフォーカスの確保を行うことができる。
【0029】
また、本実施形態のリアアタッチメントレンズRALは、正の屈折力を有し最も像側に配置されたレンズである最像側レンズL34を含む。リアアタッチメントレンズRALの最も像側に正レンズを配置することによって、軸外主光線の像面15への入射角を小さく抑えることができる。
【0030】
リアアタッチメントレンズRALが全体として正の屈折力を有する場合はバックフォーカスの確保が難しくなる傾向にある。しかし、本実施形態のように最物体側レンズL11及び最像側レンズL34を含む構成とすることによって、物体側主点を像側に可能な限り位置させることが容易となり、リアアタッチメントレンズRALが全体として正の屈折力を有する場合でも、装着後のレンズ全系の焦点距離を主レンズの焦点距離よりも長焦点距離側に変化させることが容易となり、バックフォーカスの確保を行うことができる。
【0031】
最物体側レンズL11は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状にすることが好ましく、このようにした場合は、球面収差、及び非点収差の発生を抑制することができる。
【0032】
また、最物体側レンズL11のg線とF線間の部分分散比をθgL11、最物体側レンズL11のd線基準のアッベ数をνL11としたとき、下記条件式(1)を満足することが好ましい。条件式(1)の下限以下とならないように材料を選択することによって、2次スペクトルが補正不足になるのを回避することができる。条件式(1)の上限以上とならないように材料を選択することによって、2次スペクトルが補正過剰になるのを回避することができる。条件式(1)を満足するように材料を選択することによって、2次スペクトルの補正を良好に行うことができる。なお、下記条件式(1−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.62<θgL11+0.001625×νL11<0.65 (1)
0.63<θgL11+0.001625×νL11<0.64 (1−1)
【0033】
また、最物体側レンズL11のd線に対する屈折率をNL11としたとき、下記条件式(5)を満足することが好ましい。条件式(5)の下限以下とならないようにすることによって、球面収差の発生を抑制すると共に最物体側レンズL11に強い負の屈折力を与えることができ効果的に長焦点距離化、及び所望のバックフォーカスの確保が可能となる。条件式(5)の上限以上とならないようにすることによって、適切なアッベ数の材料を選択でき、色収差の補正が容易となる。なお、条件式(5)に代わり下記条件式(5−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができ、下記条件式(5−2)を満足する構成とすれば、さらにより良好な特性とすることができる。
1.53<NL11<1.8 (5)
1.55<NL11<1.76 (5−1)
1.6<NL11<1.76 (5−2)
【0034】
また、最物体側レンズL11のd線基準のアッベ数をνL11としたとき、下記条件式(6)を満足することが好ましい。最物体側レンズL11は入射する軸上光束を収束光から発散光にして射出させる。条件式(6)の下限以下とならないようにすることによって、最物体側レンズL11に低分散の材料を用いることができ、軸上色収差の発生を抑制できる。条件式(6)の上限以上とならないようにすることによって、適切な屈折率の材料を選択できる。なお、条件式(6)に代わり下記条件式(6−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができ、下記条件式(6−2)を満足する構成とすれば、さらにより良好な特性とすることができる。
45<νL11<75 (6)
50<νL11<70 (6−1)
52<νL11<67 (6−2)
【0035】
なお、条件式(5)及び(6)を満足する場合には、適切な材料の選択が容易となり、より良好な特性とすることに有利となる。
【0036】
最物体側レンズL11の焦点距離をfL11、リアアタッチメントレンズRALの焦点距離をfRAとしたとき、下記条件式(7)を満足することが好ましい。条件式(7)の下限以下とならないようにすることによって、所望のバックフォーカスを確保することができる。条件式(7)の上限以上とならないようにすることによって、諸収差の補正が容易になる。なお、下記条件式(7−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.5<fL11/fRA<−0.05 (7)
−0.4<fL11/fRA<−0.1 (7−1)
【0037】
また、最物体側レンズL11のg線とF線間の部分分散比をθgL11としたとき、下記条件式(12)を満足することが好ましい。条件式(12)の下限以下とならないように材料を選択することによって、2次スペクトルが補正不足になるのを回避することができる。条件式(12)の上限以上とならないように材料を選択することによって、2次スペクトルが補正過剰になるのを回避することができる。条件式(12)を満足するように材料を選択することによって、2次スペクトルの補正を良好に行うことができる。なお、下記条件式(12−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.53<θgL11<0.56 (12)
0.54<θgL11<0.55 (12−1)
【0038】
最像側レンズL34は、像側に凸面を向けた形状であることが好ましく、このようにした場合は、負レンズで発生した球面収差を容易に補正することができる。
【0039】
最像側レンズL34のd線に対する屈折率をNL34としたとき、下記条件式(18)を満足することが好ましい。条件式(18)の下限以下とならないようにすることによって、最像側レンズL34の曲率半径を適切にすることができるため、球面収差の発生を抑制できる。条件式(18)の上限以上とならないようにすることによって、長焦点距離化の作用を得ながら、長焦点距離化の作用に必要なリアアタッチメントレンズRAL内の負の屈折力が強くなることにより発生する諸収差を抑制することが容易となる。また、球面収差の発生を抑えることができる。なお、条件式(18)に代わり下記条件式(18−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
1.45<NL34<1.75 (18)
1.45<NL34<1.65 (18−1)
【0040】
最像側レンズL34のd線基準のアッベ数をνL34としたとき、下記条件式(19)を満足することが好ましい。条件式(19)の下限以下とならないようにすることによって、軸上色収差、及び倍率色収差を抑制することができる。条件式(19)の上限以上とならないようにすることによって、屈折率が低い材料の選択を回避でき、最像側レンズL34の曲率半径を適切にすることができるため、球面収差の発生を抑制できる。なお、条件式(19)に代わり下記条件式(19−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
50<νL34<100 (19)
60<νL34<85 (19−1)
【0041】
最像側レンズL34の焦点距離をfL34、リアアタッチメントレンズRALの焦点距離をfRAとしたとき、下記条件式(20)を満足することが好ましい。条件式(20)の下限以下とならないようにすることによって、諸収差の補正が容易になる。条件式(20)の上限以上とならないようにすることによって、所望のバックフォーカスの確保が容易になる。なお、条件式(20)に代わり下記条件式(20−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.1<fL34/fRA<0.4 (20)
0.15<fL34/fRA<0.35 (20−1)
【0042】
なお、条件式(18)、(19)、(20)のうちの任意の組み合わせを満足する場合は、より良好な特性とすることに有利となる。さらに、最像側レンズL34が像側に凸面を向けた形状を有し、条件式(18)、(19)、(20)のうちの任意の組み合わせを満足する場合は、より良好な特性とすることにさらに有利となる。
【0043】
リアアタッチメントレンズRALの群構成としては、例えば、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とからなる3群構成を採ることができる。物体側に負の屈折力を配置し、像側に正の屈折力を配置することによって、物体側主点を像側に可能な限り位置させてバックフォーカスを確保することが容易となる。また、最も像側に配置される第3レンズ群G3を正の屈折力を有する構成とすることによって、リアアタッチメントレンズRALを装着することにより発生する球面収差と像面湾曲の補正を容易にすることができる。
【0044】
図3に示す例のリアアタッチメントレンズRALは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3とからなる3群構成である。
図3の例では、第1レンズ群G1は、物体側から順に、最物体側レンズL11と、レンズL12〜L14との4枚のレンズからなり、第2レンズ群G2は、物体側から順に、レンズL21〜L22の2枚のレンズからなり、第3レンズ群G3は、物体側から順に、レンズL31〜L33と、最像側レンズL34の4枚のレンズからなる。
【0045】
リアアタッチメントレンズRALが3群構成を採った場合の好ましい構成について以下に述べる。第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有し最も物体側に配置されたレンズである最物体側レンズL11と、接合レンズとからなり、第1レンズ群G1に含まれる接合レンズは少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズが接合されてなることが好ましい。
【0046】
第1レンズ群G1を上述の構成とした場合は、最も主レンズに近い位置に負の屈折力を配置することによって、効果的に長焦点距離化と所望のバックフォーカスの確保を行うことができる。また、最物体側レンズL11と接合レンズ内の負レンズとで負の屈折力を分担することによって、諸収差の発生を抑制しやすくなる。また、少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズを接合することによって、色収差の補正に有利となり、さらに偏芯等の製造誤差による光学性能の劣化を抑制することができ、接合レンズ内の負レンズで発生する高次の球面収差を抑制することができる。
【0047】
また、第1レンズ群G1の焦点距離をfG1、最物体側レンズL11の焦点距離をfL11としたとき、下記条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)の下限以下とならないようにすることによって、諸収差の補正が容易になる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることによって、所望のバックフォーカスを確保することができる。なお、下記条件式(2−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.5<fG1/fL11<1.5 (2)
0.6<fG1/fL11<1.2 (2−1)
【0048】
また、第1レンズ群G1の焦点距離をfG1、リアアタッチメントレンズRALの焦点距離をfRAとしたとき、下記条件式(22)を満足することが好ましい。条件式(22)の下限以下とならないようにすることによって、所望のバックフォーカスの確保と効果的な長焦点距離化が可能になる。条件式(22)の上限以上とならないようにすることによって、諸収差の補正が容易になる。なお、下記条件式(22−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.5<fG1/fRA<−0.01 (22)
−0.3<fG1/fRA<−0.05 (22−1)
【0049】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正レンズと、負レンズとからなることが好ましい。このようにした場合は、負の屈折力を有する第1レンズ群G1で発生した諸収差を良好に補正することができ、軸上色収差の補正を容易にすることができる。
【0050】
第2レンズ群G2が物体側から順に、正レンズと、負レンズとからなる場合、第2レンズ群G2の正レンズのg線とF線間の部分分散比をθgL21、第2レンズ群G2の負レンズのg線とF線間の部分分散比をθgL22としたとき、下記条件式(13)を満足することが好ましい。条件式(13)を満足することによって、2次色収差の発生を抑制することができる。
−0.05<θgL21−θgL22<0 (13)
【0051】
第2レンズ群G2が物体側から順に、正レンズと、負レンズとからなる場合、第2レンズ群G2の正レンズのd線に対する屈折率をNL21、第2レンズ群G2の負レンズのd線に対する屈折率をNL22としたとき、下記条件式(14)を満足することが好ましい。条件式(14)の下限以下とならないようにすることによって、リアアタッチメントレンズRALのペッツバール和を0に近づけることが可能となり、像面湾曲の発生を抑えることができる。条件式(14)の上限以上とならないようにすることによって、球面収差の補正に有利となる。
−0.45<NL21−NL22<−0.25 (14)
【0052】
第2レンズ群G2が物体側から順に、正レンズと、負レンズとからなり、条件式(13)及び(14)を満足する場合には、より良好な特性とすることに有利となる。
【0053】
より詳しくは、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正レンズと、負レンズとが接合された接合レンズからなることが好ましい。このようにした場合は、高次の球面収差を抑制することができる。第2レンズ群G2が上述の接合レンズからなり、第2レンズ群G2に含まれる正レンズを両凸形状にした場合は、球面収差をより良好に補正できる。また、第2レンズ群G2が上述の接合レンズからなり、条件式(13)及び(14)の少なくとも一方を満足する場合には、より良好な特性とすることに有利となる。
【0054】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、負レンズと、正レンズと、負レンズと、正レンズとからなることが好ましい。このように物体側から順に、負・正・負・正のレンズを配置することによって歪曲収差を良好に補正できる。また、最も像側に正レンズを配置することによって、軸外主光線の像面15への入射角を小さく抑えることができる。
【0055】
第3レンズ群G3が上述の4枚のレンズからなる場合、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズと第3レンズ群G3の物体側から2番目のレンズとは互いに接合されていることが好ましい。このようにした場合は、高次の球面収差の発生を抑制することができる。また、第3レンズ群G3が上述した4枚のレンズからなる場合、第3レンズ群G3の物体側から3番目のレンズは像側に凸面を向けたメニスカス形状にすることが好ましく、このようにした場合は、球面収差、及び非点収差の発生を抑制することができる。
【0056】
第3レンズ群G3が上述の4枚のレンズからなる場合、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズのg線とF線間の部分分散比をθgL31、第3レンズ群G3の物体側から2番目のレンズのg線とF線間の部分分散比をθgL32としたとき、下記条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)を満足することによって、2次色収差の発生を抑制することができる。なお、条件式(3)に代わり下記条件式(3−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.02<θgL31−θgL32<0.02 (3)
−0.01<θgL31−θgL32<0.01 (3−1)
【0057】
また、第3レンズ群G3が上述の4枚のレンズからなる場合、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズのd線に対する屈折率をNL31、第3レンズ群G3の物体側から2番目のレンズのd線に対する屈折率をNL32としたとき、下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)の下限以下とならないようにすることによって、リアアタッチメントレンズRALのペッツバール和を0に近づけることが可能となり、像面湾曲の発生を抑えることができる。条件式(4)の上限以上とならないようにすることによって、球面収差の補正に有利となる。なお、条件式(4)に代わり下記条件式(4−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.3<NL31−NL32<0.5 (4)
0.35<NL31−NL32<0.45 (4−1)
【0058】
なお、条件式(3)及び(4)を満足する場合には、より良好な特性とすることに有利となる。また、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズと第3レンズ群G3の物体側から2番目のレンズとが互いに接合されており、条件式(3)及び(4)を満足する場合には、より良好な特性とすることにさらに有利となる。
【0059】
また、第3レンズ群G3が上述の4枚のレンズからなる場合、第3レンズ群G3の物体側から3番目のレンズのg線とF線間の部分分散比をθgL33、第3レンズ群G3の最も像側のレンズ(最像側レンズL34)のg線とF線間の部分分散比をθgL34としたとき、下記条件式(15)を満足することが好ましい。条件式(15)を満足することによって、2次色収差の発生を抑制することができる。なお、条件式(15)に代わり下記条件式(15−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.04<θgL33−θgL34<0.04 (15)
−0.02<θgL33−θgL34<0.035 (15−1)
【0060】
また、第3レンズ群G3が上述の4枚のレンズからなる場合、第3レンズ群G3の物体側から3番目のレンズのd線基準のアッベ数をνL33としたとき、下記条件式(16)を満足することが好ましい。条件式(16)を満足することによって、倍率色収差の発生を抑制することができる。なお、条件式(16)に代わり下記条件式(16−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
36<νL33<85 (16)
40<νL33<75 (16−1)
【0061】
また、第3レンズ群G3が上述の4枚のレンズからなる場合、第3レンズ群G3の物体側から3番目のレンズのd線に対する屈折率をNL33としたとき、下記条件式(17)を満足することが好ましい。条件式(17)の下限以下とならないようにすることによって、球面収差の発生を抑えつつ、所望のバックフォーカスを確保すると共に、長焦点距離化、及び歪曲収差の補正に有利となる。条件式(17)の上限以上とならないようにすることによって、短波長側の透過率が高い材料を選択でき、リアアタッチメントレンズRALを装着した時の透過光の色味の変化を十分に小さくできる。さらに、適切なアッベ数の材料が選択でき、色収差の補正が容易となる。なお、条件式(17)に代わり下記条件式(17−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
1.45<NL33<1.95 (17)
1.45<NL33<1.9 (17−1)
【0062】
なお、第3レンズ群G3が上述の4枚のレンズからなり、条件式(15)、(16)、(17)のうちの任意の組み合わせを満足する場合は、より良好な特性とすることに有利となる。
【0063】
また、第3レンズ群G3が上述の4枚のレンズからなる場合、第3レンズ群G3の最も像側のレンズ(最像側レンズL34)の焦点距離をfL34、第3レンズ群G3の物体側から3番目のレンズの焦点距離をfL33としたとき、下記条件式(21)を満足することが好ましい。条件式(21)の下限以下とならないようにすることによって、歪曲収差を良好に補正すると共に、所望のバックフォーカスの確保と効果的な長焦点距離化が可能になる。条件式(21)の上限以上とならないようにすることによって、軸上色収差を抑制できる。なお、条件式(21)に代わり下記条件式(21−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
−1<fL34/fL33<−0.2 (21)
−0.8<fL34/fL33<−0.4 (21−1)
【0064】
なお、第3レンズ群G3の物体側から3番目のレンズが像側に凸面を向けたメニスカス形状であり、条件式(21)を満足する場合は、より良好な特性とすることに有利となる。
【0065】
また、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の合成焦点距離をfG23、第1レンズ群G1の焦点距離をfG1としたとき、下記条件式(23)を満足することが好ましい。条件式(23)の下限以下とならないようにすることによって、諸収差の補正が容易になる。条件式(23)の上限以上とならないようにすることによって、所望のバックフォーカスの確保と効果的な長焦点距離化が可能になる。なお、下記条件式(23−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
−2<fG23/fG1<−1 (23)
−1.9<fG23/fG1<−1.6 (23−1)
以上が、リアアタッチメントレンズRALが3群構成を採った場合の好ましい構成である。
【0066】
また、リアアタッチメントレンズRALは、群構成に関わらず、以下に述べる構成を採ることが好ましい。リアアタッチメントレンズRALは、物体側から順に、負レンズと、正レンズと、負レンズとからなる3枚のレンズを接合してなる3枚接合レンズTGを含むことが好ましい。このような3枚接合レンズTGを含む場合は、像面湾曲及び色収差を良好に補正することができる。
【0067】
リアアタッチメントレンズRALに含まれる3枚接合レンズTG内の正レンズのg線とF線間の部分分散比をθgTL2、3枚接合レンズTG内の最も像側の負レンズのg線とF線間の部分分散比をθgTL3としたとき、下記条件式(8)を満足することが好ましい。条件式(8)を満足することによって、2次色収差の発生を抑制することができる。
−0.03<θgTL2−θgTL3<0.03 (8)
【0068】
また、3枚接合レンズTG内の正レンズのd線に対する屈折率をNTL2、3枚接合レンズTG内の最も像側の負レンズのd線に対する屈折率をNTL3としたとき、下記条件式(9)を満足することが好ましい。条件式(9)の下限以下とならないようにすることによって、像面湾曲の発生を抑えることができる。条件式(9)の上限以上とならないようにすることによって、球面収差の補正が容易になる。なお、条件式(9)に代わり下記条件式(9−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.35<NTL2−NTL3<−0.15 (9)
−0.3<NTL2−NTL3<−0.2 (9−1)
【0069】
また、3枚接合レンズTG内の正レンズのd線基準のアッベ数をνTL2としたとき、下記条件式(10)を満足することが好ましい。条件式(10)の下限以下とならないようにすることによって、適切なg線とF線間の部分分散比を有する材料の選択が可能となる。条件式(10)の上限以上とならないようにすることによって、3枚接合レンズTG内の正レンズに高分散の材料を用いることができ、軸上色収差を補正しさらなる高い光学性能を実現することが可能となる。なお、条件式(10)に代わり下記条件式(10−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
20<νTL2<40 (10)
28<νTL2<37 (10−1)
【0070】
リアアタッチメントレンズRALが上述した3枚接合レンズTGを含む場合、上述した条件式(8)、(9)、(10)のうちの任意の組み合わせを満足することが好ましく、このようにした場合は、より良好な特性とすることができる。
【0071】
また、リアアタッチメントレンズRALの最も物体側のレンズ面からリアアタッチメントレンズRALの物体側主点までの光軸上の距離をef、リアアタッチメントレンズRALの最も物体側のレンズ面からリアアタッチメントレンズRALの最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をRATとしたとき、下記条件式(11)を満足することが好ましい。条件式(11)の下限以下とならないようにすることによって、主レンズMLにリアアタッチメントレンズRALを取り付けた際の像面湾曲の補正が容易になる。条件式(11)の上限以上とならないようにすることによって、リアアタッチメントレンズRALが適切な正の屈折力を持つことができ、球面収差の補正が容易になる。なお、下記条件式(11−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
1<ef/RAT<5 (11)
1.5<ef/RAT<4 (11−1)
【0072】
また、最物体側レンズL11と、リアアタッチメントレンズRALの物体側から2番目のレンズの光軸上の空気間隔をt、リアアタッチメントレンズRALの最も物体側のレンズ面からリアアタッチメントレンズRALの最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をRATとしたとき、下記条件式(24)を満足することが好ましい。条件式(24)の下限以下とならないようにすることによって、リアアタッチメントレンズRALの物体側から2番目のレンズに入射する軸上光線の光線高を高くすることができ、効果的に長焦点距離化と所望のバックフォーカスの確保が容易になる。条件式(24)の上限以上とならないようにすることによって、小型化が容易となり、また、球面収差の補正が容易となる。なお、下記条件式(24−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.06<t/RAT<0.14 (24)
0.08<t/RAT<0.12 (24−1)
【0073】
リアアタッチメントレンズRALは少なくとも9枚のレンズを有することが好ましく、このようにした場合は諸収差を良好に補正することができる。
【0074】
主レンズMLとリアアタッチメントレンズRALの合成光学系が無限遠物体に合焦した状態でリアアタッチメントレンズRALの横倍率は1.4倍以上であることが好ましく、さらには1.5倍以上であることがより好ましい。このようにした場合は、イメージサイズの拡大作用を有するリアアタッチメントレンズRALを実現することが可能である。より具体的には、例えば、2/3インチ型撮像素子を備えたカメラ用の主レンズに本実施形態のリアアタッチメントレンズRALを装着することによって、1.25インチ型相当の撮像素子を備えたカメラ用のレンズ系として使用することが可能である。
【0075】
条件式に関する構成も含め上述した好ましい構成及び/または可能な構成は、任意の組合せが可能であり、要求される仕様に応じて適宜選択的に採用されることが好ましい。上述した構成を組み合わせたリアアタッチメントレンズRALの好ましい2つの態様について以下に述べる。
【0076】
第1の態様のリアアタッチメントレンズRALは、全体として正の屈折力を有し、上記の最物体側レンズL11及び最像側レンズL34を含み、条件式(1)を満足する構成を有する。第1の態様のリアアタッチメントレンズRALによれば、像面湾曲を小さく抑えることができ、効果的に長焦点距離化でき、所望のバックフォーカスを確保でき、軸外主光線の像面15への入射角を小さく抑えることができ、2次スペクトルの補正を良好に行うことができる。
【0077】
第2の態様のリアアタッチメントレンズRALは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とからなり、第1レンズ群G1は、物体側から順に、上記の最物体側レンズL11と、接合レンズとからなり、この接合レンズは少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズが接合されてなり、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正レンズと、負レンズとからなり、第3レンズ群G3は、物体側から順に、負レンズと、正レンズと、負レンズと、正レンズとからなる構成を有する。第2の態様のリアアタッチメントレンズRALによれば、球面収差、像面湾曲、色収差、及び歪曲収差の補正に有利となり、効果的に長焦点距離化でき、所望のバックフォーカスを確保でき、偏芯等の製造誤差による光学性能の劣化を抑制することができ、軸外主光線の像面15への入射角を小さく抑えることができる。
【0078】
次に、主レンズの数値例及び本発明のリアアタッチメントレンズの数値実施例について説明する。
【0079】
[主レンズ]
主レンズのレンズ構成図は
図2に示している。主レンズについて、基本レンズデータを表1に、諸元を表2に、非球面係数を表3に示す。表1において、面番号の欄には最も物体側の面を第1面とし像側に向かうに従い1つずつ番号を増加させたときの面番号を示し、Rの欄には各面の曲率半径を示し、Dの欄には各面とその像側に隣接する面との光軸上の面間隔を示している。また、Ndの欄には各構成要素のd線(波長587.6nm(ナノメートル))に対する屈折率を示し、νdの欄には各構成要素のd線基準のアッベ数を示し、θgFの欄には各構成要素のg線とF線間の部分分散比を示す。
【0080】
ここで、曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた面形状のものを正、像側に凸面を向けた面形状のものを負としている。Dの最下欄の値は表中の最も像側の面と像面25との間隔である。表1には、開口絞りSt及び光学部材24も含めて示している。表1では、開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号と(St)という語句を記載している。表1の第55面〜第59面が光学部材24に相当し、そのうち第55面〜第56面が光学部材14aに相当する。
【0081】
なお、表1に示す値は、第1面から15m(メートル)離れた物体に合焦した状態での値である。表1に示す主レンズは、第4面と第5面の間隔、第8面と第9面の間隔、第10面と第11面の間隔を変化させて合焦を行う。
【0082】
表2に、焦点距離f、空気換算距離でのバックフォーカスBf、FナンバーFNo.、最大全画角2ωの値をd線基準で示す。2ωの欄の[°]は単位が度であることを意味する。
【0083】
表1では、非球面の面番号には*印を付しており、非球面の曲率半径の欄には近軸の曲率半径の数値を記載している。表3に、非球面の面番号と各非球面に関する非球面係数を示す。表3の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10
±n」を意味する。非球面係数は、下式で表される非球面式における各係数KA、Am(m=4、6、8、10)の値である。
Zd=C×h
2/{1+(1−KA×C
2×h
2)
1/2}+ΣAm×h
m
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率
KA、Am:非球面係数
であり、非球面式のΣはmに関する総和を意味する。
【0084】
各表のデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmm(ミリメートル)を用いているが、光学系は比例拡大または比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。また、以下に示す各表では所定の桁でまるめた数値を記載している。
【0088】
図6に、15m(メートル)離れた物体に合焦した状態での主レンズの各収差図を示す。
図6では左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、及び倍率色収差を示す。球面収差図では、d線(波長587.6nm(ナノメートル))、C線(波長656.3nm(ナノメートル))、F線(波長486.1nm(ナノメートル))、及びg線(波長435.8nm(ナノメートル))に関する収差をそれぞれ黒の実線、長破線、短破線、及び灰色の実線で示す。非点収差図では、サジタル方向のd線に関する収差を実線で示し、タンジェンシャル方向のd線に関する収差を短破線で示す。歪曲収差図ではd線に関する収差を実線で示す。倍率色収差図では、C線、F線、及びg線に関する収差をそれぞれ長破線、短破線、及び灰色の実線で示す。球面収差図のFNo.はFナンバーを意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。
【0089】
上述した各データの記号、意味、及び記載方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても同様であるため、以下では重複説明を省略する。
【0090】
[実施例1]
実施例1のリアアタッチメントレンズのレンズ構成図は
図3に示している。実施例1のリアアタッチメントレンズは、上述した3群構成である。第1レンズ群G1は、物体側から順に、最物体側レンズL11と、レンズL12〜L14とからなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、レンズL21〜L22からなる。第3レンズ群G3は、物体側から順に、レンズL31〜L33と、最像側レンズL34からなる。レンズL12〜L14は接合されて3枚接合レンズTGを構成している。レンズL21とレンズL22は接合されている。レンズL31とレンズL32は接合されている。
【0091】
実施例1のリアアタッチメントレンズと光学部材14bの基本レンズデータを表4に示す。表4では、第57面〜第72面が実施例1のリアアタッチメントレンズに相当し、第73面〜第75面が光学部材14bに相当する。主レンズにリアアタッチメントレンズを装着して
図1に示すレンズ系を構成する際は、表1の第56面〜第59面の代わりに表4に示す構成を装着するため、表4では面番号を第56面から付している。すなわち、表4の第57面が最物体側レンズL11の物体側のレンズ面に相当し、第56面と第57面の間隔が光学部材14aと最物体側レンズL11との光軸上の面間隔に相当する。この点は後述の実施例2、3も同様である。表4のDの最下欄の値は表中の最も像側の面と像面15との間隔である。表1の第1面〜第55面に表4の第56面〜第75面を装着した合成光学系の諸元を表5に示し、この合成光学系の15m(メートル)離れた物体に合焦した状態での各収差図を
図7に示す。
【0094】
[実施例2]
実施例2のリアアタッチメントレンズのレンズ構成図を
図4に示す。実施例2のリアアタッチメントレンズは、上述した3群構成である。第1レンズ群G1は、物体側から順に、最物体側レンズL11と、レンズL12〜L14とからなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、レンズL21〜L22からなる。第3レンズ群G3は、物体側から順に、レンズL31〜L33と、最像側レンズL34からなる。レンズL12〜L14は接合されて3枚接合レンズTGを構成している。レンズL21とレンズL22は接合されている。レンズL31とレンズL32は接合されている。
【0095】
実施例2のリアアタッチメントレンズと光学部材14bの基本レンズデータを表6に示す。実施例1同様に表6では面番号を第56面から付している。表6では、第57面〜第72面が実施例2のリアアタッチメントレンズに相当し、第73面〜第75面が光学部材14bに相当する。表1の第1面〜第55面に表6の第56面〜第75面を装着した合成光学系の諸元を表7に示し、この合成光学系の15m(メートル)離れた物体に合焦した状態での各収差図を
図8に示す。
【0098】
[実施例3]
実施例3のリアアタッチメントレンズのレンズ構成図を
図5に示す。実施例3のリアアタッチメントレンズは、上述した3群構成である。第1レンズ群G1は、物体側から順に、最物体側レンズL11と、レンズL12〜L13とからなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、レンズL21〜L22からなる。第3レンズ群G3は、物体側から順に、レンズL31〜L33と、最像側レンズL34からなる。レンズL12とレンズL13は接合されている。レンズL21とレンズL22は接合されている。レンズL31〜L33は接合されて3枚接合レンズTGを構成している。
【0099】
実施例3のリアアタッチメントレンズと光学部材14bの基本レンズデータを表8に示す。実施例1同様に表8では面番号を第56面から付している。表8では、第57面〜第70面が実施例3のリアアタッチメントレンズに相当し、第71面〜第73面が光学部材14bに相当する。表1の第1面〜第55面に表8の第56面〜第73面を装着した合成光学系の諸元を表9に示し、この合成光学系の15m(メートル)離れた物体に合焦した状態での各収差図を
図9に示す。
【0102】
表10に、実施例1〜3のリアアタッチメントレンズの条件式(1)〜(24)の対応値を示す。実施例1〜3はd線を基準波長としており、表10に示す値はこの基準波長に関するものである。
【0104】
以上のデータからわかるように、実施例1〜3のリアアタッチメントレンズは、主レンズに装着することによって装着後のレンズ全系の焦点距離を主レンズの焦点距離の1.7倍以上にする長焦点距離化の作用を有しながら、バックフォーカスが十分に確保され、色収差を始めとする諸収差が良好に補正されて高い光学性能を有している。
【0105】
次に、本発明の一実施形態に係る撮像装置10について説明する。
図10に、本発明の一実施形態のリアアタッチメントレンズRALを用いた撮像装置10の概略構成図を示す。撮像装置10としては、例えば、放送用カメラ、映画撮影用カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、または監視用カメラ等を挙げることができる。
【0106】
撮像装置10は、主レンズMLと、主レンズMLの像側に着脱自在に装着されるリアアタッチメントレンズRALとを備えている。なお、
図10では主レンズMLとリアアタッチメントレンズRALを概略的に示している。
図10に示す撮像装置10は、主レンズMLとリアアタッチメントレンズRALとからなる撮像レンズ系と、この撮像レンズ系の像側に配置されたローパスフィルタ等の機能を有するフィルタ6と、フィルタ6の像側に配置された撮像素子7と、信号処理回路8と、表示装置9とを備えている。なお、撮像装置10は、主レンズMLの構成に応じて変倍を行うための変倍制御部と、及び/または合焦を行うためのフォーカス制御部とを備えてもよい。
【0107】
撮像素子7は撮像レンズ系により形成される光学像を電気信号に変換するものであり、例えば、撮像素子7としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。撮像素子7は、その撮像面が撮像レンズ系の像面に一致するように配置される。撮像レンズ系により撮像された像は撮像素子7の撮像面上に結像し、その像に関する撮像素子7からの出力信号が信号処理回路8にて演算処理され、表示装置9に像が表示される。
【0108】
以上、実施形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、及びアッベ数は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。