(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記冷却流路は、冷媒が流れ込む流入口が前記モジュールハウジングの側壁の一端面に形成され、冷媒が排出される排出口が前記モジュールハウジングの側壁の他端面に形成されたことを特徴とする請求項3に記載のバッテリーモジュール。
前記バッテリーモジュールは、複数のバッテリーモジュールの間に介在され、前記冷却チューブが挿入されるように中空構造で形成された間隔調節部材をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【背景技術】
【0003】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が常用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを介在して配置された電極組立体、及び電極組立体を電解液とともに密封収納する外装材、すなわち電池パウチ外装材を備える。
【0005】
最近は、携帯型電子機器のような小型装置だけでなく、自動車や電力貯蔵装置のような中大型装置にも二次電池が広く適用されている。このように中大型装置に適用される場合、容量及び出力を高めるために多数の二次電池が電気的に連結される。特に、中大型装置には、積層が容易であるという長所から、パウチ型二次電池が多く用いられる。
【0006】
一方、近年、エネルギー貯蔵源としての活用を含めて大容量構造の必要性が高くなるにつれ、多数の二次電池が直列及び/または並列で連結された多数のバッテリーモジュールを集合させた構造のバッテリーパックに対する需要が伸びている。
【0007】
このような多数のバッテリーモジュールを備えたバッテリーパックは、多数の二次電池が狭い空間に密集する形態で製造されるため、それぞれの二次電池から発生する熱を容易に放出することが重要である。さらに、二次電池の充電または放電の過程は電気化学的反応によって行われるため、二次電池は周辺温度の影響を受けるようになる。
【0008】
例えば、最適温度が維持されていない高温条件に晒された状態で充放電過程が行われれば、二次電池の充放電効率性が低下し、それによって正常駆動による性能を保障し難い恐れがある。
【0009】
したがって、従来技術のバッテリーモジュールは、二次電池で電力を生産する過程で発生した熱を冷却して二次電池の温度を適正に維持するための冷却部材を別に備えている。
【0010】
図1は、従来のバッテリーモジュールを概略的に示した断面図である。
【0011】
図1のように、従来技術の冷却部材を適用したバッテリーモジュール10は、モジュールハウジング11の下面に熱伝導性が高い材質で構成されたパックトレイ13を備えている。すなわち、従来技術では、このようなパックトレイ13がセルアセンブリのそれぞれの二次電池12から発生した熱を吸収し、吸収した熱をパックトレイ13の下部に接しているヒートシンク14に伝達し、さらにヒートシンク14を冷却水によって冷却する方式を用いた。
【0012】
しかし、従来技術のバッテリーモジュールは、別途のヒートシンクを下部又は上部に備えることから、自動車のようにバッテリーモジュールの上下方向の高さが制限される場合はバッテリーモジュールの上下方向の空間に制約があるため、バッテリーモジュールの大きさを増大させ、それによってエネルギー密度を上昇させるのに限界があった。
【0013】
さらに、従来技術のバッテリーモジュールは、二次電池で発生した熱がまずモジュールハウジングに伝達され、さらにモジュールハウジングの熱がパックトレイに伝達され、最後にヒートシンクに熱が伝達されるなど、多くの部材の伝導区間を経て熱が伝達されるため、放熱効率が著しく低下するという短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、放熱効率を高めるとともに、エネルギー密度を効果的に向上できるモジュールハウジングを備えたバッテリーモジュール及び自動車を提供することを目的とする。
【0015】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を達成するため、本発明によるバッテリーモジュールは、複数の二次電池を備えるセルアセンブリ;及び1つ以上の側壁を備えて、前記側壁によって限定された内部空間に前記セルアセンブリを収納し、前記側壁に冷却流路が内設されたモジュールハウジング;を含むことができる。
【0017】
ここで、前記側壁は、上壁、下壁、左側壁及び右側壁を備え、前記冷却流路は、前記左側壁及び前記右側壁に内設され得る。
【0018】
さらに、前記冷却流路は、前記モジュールハウジングの側壁の前後方の両端部を貫通する構造で形成され得る。
【0019】
そして、前記冷却流路は、冷媒が流れ込む流入口が前記モジュールハウジングの側壁の一端面に形成され、冷媒が排出される排出口が前記モジュールハウジングの側壁の他端面に形成され得る。
【0020】
さらに、前記冷却流路は、前記流入口から前記排出口まで直線状に延びた構造であり得る。
【0021】
一方、前記モジュールハウジングは、前記内部空間が両方向に開放された中空構造であり得る。
【0022】
また、前記バッテリーモジュールは、前記冷却流路と他のバッテリーモジュールの冷却流路とを互いに連結するための流路連結部材をさらに含むことができる。
【0023】
さらに、前記流路連結部材は、前記モジュールハウジングの側壁の前後方向の一端部及び/又は他端部にそれぞれ位置し得る。
【0024】
そして、前記流路連結部材は、前記バッテリーモジュールの冷却流路に一部が挿入連結される連結チューブ、及び前記連結チューブの外面を囲む中空構造のストッパを含むことができる。
【0025】
さらに、前記連結チューブは、両端部が前記ストッパから前後方に突出した形態で構成され得る。
【0026】
一方、前記流路連結部材は、少なくとも1つのバッテリーモジュールの冷却流路の一端から他端まで貫通挿入される冷却チューブを備えることができる。
【0027】
また、前記バッテリーモジュールは、複数のバッテリーモジュールの間に介在され、前記冷却チューブが挿入されるように中空構造で形成された間隔調節部材をさらに含むことができる。
【0028】
さらに、前記間隔調節部材は、前記冷却チューブの上部面を覆う上部カバー;及び前記上部カバーと締結され、前記冷却チューブの下部面を覆う下部カバーを含むことができる。
【0029】
そして、前記冷却チューブは、長さ方向の端部が互いに連結された複数のチューブを備えることができる。
【0030】
また、上記の課題を達成するため、本発明によるバッテリーパックは、本発明によるバッテリーモジュールを含む。
【0031】
また、上記の課題を達成するため、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、バッテリーモジュールは、バッテリーモジュールで発生した熱を排出させるためのヒートシンクの構成がなくても、従来技術と異って、セルアセンブリの熱を効果的に排出できるため、製造コストを節減し、バッテリーモジュールの体積を減少させることができる。
【0033】
さらに、本発明は、ヒートシンクが配置される空間を活用できるため、より大きい体積のセルアセンブリを収納でき、エネルギー密度を向上させることができる。
【0034】
また、本発明によれば、モジュールハウジングの側壁に直線状に延びた冷却流路が内設される場合、冷媒が冷却流路に沿って移動する間に干渉が起きることを最小化できるため、冷媒移送の停滞なく迅速に循環させて冷却効率を高めることができる。
【0035】
また、本発明によれば、流路連結部材を使用して、複数のバッテリーモジュールの冷却流路同士を連結し易いだけでなく、複数のバッテリーモジュールを一定間隔で配列することができる。
【0036】
さらに、本発明によれば、一本の長い冷却チューブを使用して複数のバッテリーモジュールの冷却流路を連結する場合に冷却流路間の連結構造で生じ得る冷媒の漏れを予め防止でき、複数のバッテリーモジュールを一定方向に一様に配列することができる。
【0037】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0040】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0041】
図2は本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した分離斜視図であり、
図3は
図2のバッテリーモジュールの冷却流路を概略的に示した透視側面図である。
【0042】
図2及び
図3を参照すれば、本発明によるバッテリーモジュール400は、セルアセンブリ100及びモジュールハウジング300を含むことができる。
【0043】
前記セルアセンブリ100は、複数の二次電池110を備えることができる。
【0044】
このとき、前記二次電池110は、パウチ型二次電池110であり得る。特に、このようなパウチ型二次電池110は、電極組立体、電解質及びパウチ外装材を備えることができる。
【0045】
ここで、電極組立体は、1つ以上の正極板及び1つ以上の負極板がセパレータを介在して配置された形態で構成され得る。より具体的に、電極組立体は、1つの正極板と1つの負極板とがセパレータと一緒に巻き取られた巻取型、及び複数の正極板と複数の負極板とがセパレータを介在して積層された積層型などに分けられる。
【0046】
また、パウチ外装材は、外部絶縁層、金属層及び内部接着層を備える形態で構成され得る。このようなパウチ外装材は、電極組立体と電解液などの内部構成要素を保護し、電極組立体と電解液による電気化学的性質に対する補完及び放熱性などを向上させるために金属薄膜、例えばアルミニウム薄膜が含まれた形態で構成され得る。そして、このようなアルミニウム薄膜は、電極組立体及び電解液のような二次電池110内部の構成要素と二次電池110外部の他の構成要素との電気的絶縁性を確保するため、絶縁物質で形成された絶縁層の間に介在され得る。
【0047】
特に、パウチ外装材は、2つのパウチで構成され得、そのうち少なくとも1つに凹んだ形態の内部空間が形成され得る。そして、このようなパウチの内部空間には電極組立体が収納され得る。そして、2つのパウチの外周面にはシーリング部が備えられ、そのようなシーリング部が相互融着されることで、電極組立体が収容された内部空間が密閉される。
【0048】
それぞれのパウチ型二次電池110は、電極リード111を備え、このような電極リード111には正極リード及び負極リードが含まれ得る。
【0049】
より具体的に、電極リード111は、パウチ外装材の前方または後方の外周面に位置したシーリング部から前方または後方に突出するように構成され得る。そして、このような電極リード111は、二次電池110の電極端子として機能することができる。例えば、
図2に示されたように、1つの電極リード111は二次電池110から前方に突出する形態で構成され、他の1つの電極リード111は二次電池110から後方に突出する形態で構成され得る。
【0050】
したがって、本発明のこのような構成によれば、1つの二次電池110において、正極リードと負極リードとの干渉がなくなり、電極リード111の面積を拡大でき、電極リード111とバスバーとの間の溶接工程などをより容易に行うことができる。
【0051】
また、前記パウチ型二次電池110は、バッテリーモジュール400に複数個含まれて、少なくとも一方向に積層されて配列され得る。例えば、
図2に示されたように、複数のパウチ型二次電池110が左右方向に並んで積層された形態で構成され得る。このとき、それぞれのパウチ型二次電池110は、F方向から眺めたとき、2つの広い面が左右側にそれぞれ位置し、上部と下部、前方と後方にはシーリング部が位置するように地面に略垂直に立てられる形態で配置され得る。換言すれば、それぞれの二次電池110は、上下方向に立てられた形態で構成され得る。
【0052】
一方、本明細書における前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語は、観測者の位置や対象が置かれた形態によって変わり得る。ただし、本明細書では、説明の便宜上、F方向から眺めるときを基準にして、前、後、左、右、上、下などの方向を区分して示すことにする。
【0053】
上述したパウチ型二次電池110の構成については、本願発明が属する技術分野の当業者にとって自明な事項であるため、より詳細な説明は省略する。そして、本発明によるセルアセンブリ100には、本願発明の出願時点で公知された多様な二次電池を採用できる。
【0054】
一方、前記モジュールハウジング300は、バッテリーモジュール400において、外装材の役割を果たすことができる。これによって、前記モジュールハウジング300は、バッテリーモジュール400に構造的安定性を与え、衝撃や異物など外部の他の物理的な要素からセルアセンブリ100のような内部に収納された構成要素を保護する役割を果たす。そのため、前記モジュールハウジング300は、鋼またはアルミニウムのような金属材質で構成され得る。
【0055】
特に、アルミニウムを含む金属材質でモジュールハウジング300を構成する場合、アルミニウムの高い熱伝導性によってセルアセンブリ100で発生した熱をモジュールハウジング300の外部に効果的に放出することができる。
【0056】
また、前記モジュールハウジング300は、1つ以上の側壁301、302、303、304を備えることができる。
【0057】
具体的に、前記側壁301、302、303、304は、複数個で構成される場合、互いに連結されている構造であり得る。例えば、前記側壁301、302、303、304は、F方向から眺めたとき、セルアセンブリ100を基準に、上壁301、下壁302、左側壁303及び右側壁304を備え、これら側壁301、302、303、304は互いに連結された構造であり得る。
【0058】
そして、前記モジュールハウジング300には、前記セルアセンブリ100を収納できるように、前記側壁301、302、303、304によって限定される内部空間が形成され得る。具体的に、前記内部空間は、セルアセンブリ100の外部形状と対応する内部構造を有し得る。
【0059】
例えば、
図2及び
図3に示されたように、前記モジュールハウジング300は、全体形状が略直方体であるセルアセンブリ100を内部に収容できるように、前記モジュールハウジング300の上壁301及び下壁302が左側壁303及び右側壁304と互いに直角を成すように連結された構造であり得る。
【0060】
さらに、前記モジュールハウジング300には、上壁301、下壁302、左側壁303及び右側壁304のうち1つ以上がセルアセンブリ100の少なくとも1つの側面と接するように内部空間が備えられ得る。すなわち、前記モジュールハウジング300の側壁301、302、303、304とセルアセンブリ100の外面とが直接接触する面積が大きくなるほど、セルアセンブリ100で発生した熱が効果的にモジュールハウジング300に伝導できる。
【0061】
図3に示されたように、前記モジュールハウジング300は、セルアセンブリ100の上面、下面、左側面及び右側面と接するように、上壁301、下壁302、左側壁303及び右側壁304が形成され得る。
【0062】
そして、前記モジュールハウジング300は、前記内部空間が両方向に開放された中空構造であり得る。具体的に、前記中空構造は、複数のバッテリーモジュール400が前後方向に配列されるとき、バッテリーモジュールの配列方向に沿って内部空間が開放された構造で構成され得る。
【0063】
より具体的に、前記モジュールハウジング300は、上壁301、下壁302、左側壁303及び右側壁304が一体化した形態で形成されたモノフレームを備えることができる。
【0064】
ここで、一体化した形態とは、例えば、鋳造法などを用いて、1つの本体として構成された形態を意味する。具体的に、前記モジュールハウジング300は、上壁301、下壁302、左側壁303及び右側壁304の両端部が互いに連結された構造であり得る。
【0065】
例えば、
図2に示されたように、モジュールハウジング300は、前後方向が開放され、上壁301、下壁302、左側壁303及び右側壁304の両端部が互いに連結された四角管状に構成され得る。
【0066】
一方、前記モジュールハウジング300の側壁301、302、303、304には冷却流路310が内設され得る。
【0067】
具体的に、前記冷却流路310は、冷却水や空気のような冷却用流体(冷媒)が流動するように構成され得る。ここで、前記冷却用流体は、前記モジュールハウジング300の冷却流路310に連結された別途の循環供給装置(図示せず)から循環供給され得る。
【0068】
さらに、前記冷却流路310は、モジュールハウジング300の側壁301、302、303、304のうち、少なくとも1つの側壁に少なくとも1つが形成され得る。例えば、
図2に示されたように、2つの側壁303、304に、それぞれ3つの冷却流路310が形成され得る。ただし、それぞれの側壁に形成された冷却流路310の個数が増加するほどセルアセンブリ100の冷却効果も増大するが、冷却流路310が過剰に形成される場合、モジュールハウジング300の耐久性が低下し得るため、冷却流路の個数はモジュールハウジングの材質、構成、形態などによって適切に設定され得る。
【0069】
したがって、本発明のこのような構成によれば、バッテリーモジュール400で発生した熱を排出させるためのヒートシンクの構成がなくても、セルアセンブリ100の熱を効果的に排出できるため、製造コストを節減し、バッテリーモジュール400の体積を減少させることができる。
【0070】
そして、前記モジュールハウジング300は、鋳造方式で製造できる。
【0071】
ここで、鋳造は、例えば、ダイキャスト(die casting)であり得る。ダイキャストとは、金属材料を加熱して溶融した後、所望の模様の金型に注入して鋳物を製造する方式である。このように鋳造によってモジュールハウジング300を製造する場合、追加的な仕上げ作業なく、冷却流路310の複雑な構造を精密に形成できる。
【0072】
したがって、本発明のこのような構成によれば、2つ以上に分けられた部材を互いに結合して形成するモジュールハウジングと比べて、鋳造によって一体的に構成されたモジュールハウジング300は別途の締結工程を省くことができ、製造時間を短縮させることができる。また、前記モジュールハウジング300は、分離結合された形態より熱伝導率を高めることができ、セルアセンブリ100から発生した熱を効果的に放出させることができる。
【0073】
さらに、前記冷却流路310は、前記モジュールハウジング300の左側壁303及び右側壁304に内設され得る。具体的に、前記冷却流路310は、前記モジュールハウジング300の左側壁303及び右側壁304の上部、中部及び下部のそれぞれに形成され得る。例えば、
図2に示されたように、モジュールハウジング300の左側壁303及び右側壁304それぞれの上部、中部、下部に冷却流路310が形成され、各側壁毎に3つの冷却流路310が形成され得る。
【0074】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記冷却流路310が内設されたモジュールハウジング300の左側壁303及び右側壁304に比べて上壁301と下壁302の厚さを最小化できるため、バッテリーモジュール400の上下方向の空間をさらに活用でき、上下方向に長く形成されたセルアセンブリ100が収納可能であり、エネルギー密度がさらに高いバッテリーモジュール400を具現することができる。
【0075】
さらに、前記冷却流路310は、前記モジュールハウジング300の側壁301、302、303、304の前後方の両端部を貫通する構造で形成され得る。具体的に、前記冷却流路310は、冷媒が流れ込む流入口311が前記モジュールハウジング300の側壁301、302、303、304の一端面に形成され、冷媒が排出される排出口312が前記モジュールハウジング300の側壁301、302、303、304の他端面に形成され得る。
【0076】
例えば、
図3に示されたように、冷媒が流れ込む流入口311が前記モジュールハウジング300の左側壁303及び右側壁304の一端面に形成され、冷媒が排出される排出口312が前記モジュールハウジング300の右側壁304及び左側壁303の他端面に形成され得る。
【0077】
しかし、前記冷却流路310の構造がこのような形態のみに限定されることはなく、モジュールハウジング300の冷却流路310に供給される冷媒の供給ラインの位置、または複数のバッテリーモジュール400の配列方向を考慮して適切に変更され得る。
【0078】
さらに、
図3に示されたように、前記冷却流路310は、前記流入口311から前記排出口312まで直線状に延びる構成であり得る。具体的に、前記冷却流路310の排出口312は、流入口311の上下方向の高さと同じ高さに該当する側壁301、302、303、304の他端面に形成され得る。
【0079】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記冷却流路310が直線状に延びた方向が複数のバッテリーモジュール400の配列方向と一致する場合、冷媒が複数のバッテリーモジュール400の冷却流路310に沿って移動するときに生じ得る干渉を最小化できるため、複数のバッテリーモジュール400に冷媒を停滞なく迅速に循環させて冷却効率を高めることができる。
【0080】
しかし、前記冷却流路の構造が直線状に延びた構成のみに限定されることはなく、収納されたセルアセンブリ100の配列分布などに合わせて冷却流路が延びる構造を多様化し得る。例えば、前記冷却流路は折曲構造、曲線構造などを含み得る。
【0081】
図4は本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールの一部構成であるモジュールハウジング及び流路連結部材を概略的に示した斜視図であり、
図5は本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールの流路連結部材のみを概略的に示した斜視図であり、
図6は本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールと流路連結部材とを分離した状態を概略的に示した分離斜視図である。ただし、
図4及び
図6には、説明の便宜上、セルアセンブリは示されていない。
【0082】
図2とともに、
図4〜
図6を参照すれば、前記バッテリーモジュール400は流路連結部材220をさらに含むことができる。
【0083】
具体的に、前記流路連結部材220は、1つのモジュールハウジング300の冷却流路310と他の1つのモジュールハウジング300の冷却流路310とを互いに連結するように構成され得る。
【0084】
例えば、前記流路連結部材220は、前記モジュールハウジング300の側壁301、302、303、304の一端部及び他端部の少なくとも1つの端部に位置し得る。例えば、
図6に示されたように、モジュールハウジング300の左側壁303及び右側壁304の他端部(後方の端部)には6つの流路連結部材220が結合され得る。
【0085】
また、前記流路連結部材220は、複数のバッテリーモジュール400のうち、内側に位置したバッテリーモジュール400の場合、前記モジュールハウジング300の側壁301、302、303、304の前後方の両端部それぞれに位置し得る。例えば、
図6に示されたように、3つのバッテリーモジュール400のうち、中間に位置したバッテリーモジュール400のモジュールハウジング300の左側壁303及び右側壁304の前後方の両端部には12つの流路連結部材220が結合され得る。
【0086】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記流路連結部材220の一部を冷却流路に挿入するだけで、複数のバッテリーモジュール400の冷却流路310同士を簡単に連結できるという利点がある。
【0087】
さらに、前記流路連結部材220は、連結チューブ222及びストッパ224を含むことができる。
【0088】
ここで、前記連結チューブ222は、前記モジュールハウジング300の冷却流路310に一部が挿入連結される構造で形成され得る。
具体的に、1つのモジュールハウジング300の冷却流路310に連結チューブ222の一端部が挿入連結され、他の1つのモジュールハウジング300の冷却流路310に連結チューブ222の他端部が挿入連結され得る。例えば、
図5に示されたように、前記連結チューブ222は直線状に延びた管状であり得、前記連結チューブ222の両端部が相異なるバッテリーモジュール400の冷却流路310にそれぞれ挿入され得る。
【0089】
ここで、前記ストッパ224は、前記連結チューブ222の適正範囲の部位のみが冷却流路310に挿入されるように構成され得る。
【0090】
具体的に、前記ストッパ224は、前記連結チューブ222が冷却流路310に挿入される過程で、連結チューブ222が適正範囲以上冷却流路310に挿入されないように阻止可能な構造で形成され得る。例えば、前記ストッパ224は、前記連結チューブ222の外面に位置し、前記連結チューブ222より上側、下側、左側、右側に突出するように構成され、前記モジュールハウジング300の端部面を阻止できるように構成され得る。
【0091】
また、前記ストッパ224は、前記連結チューブ222の外面を囲むように中空構造で形成され得る。すなわち、前記ストッパ224は、連結チューブ222を内部に収容するように管状で構成され得る。このとき、前記管状のストッパ224は、前後方向に延びた長さによって複数のバッテリーモジュール400同士の離隔距離を設定できる。
【0092】
さらに、前記連結チューブ222は、両端部が前記ストッパ224から前後方に突出した形態で構成され得る。すなわち、前記連結チューブ222のストッパ224から突出した両端部の長さは、冷却流路310に挿入される長さになり得る。例えば、前記連結チューブ222は、前記ストッパ224から前後方に突出した両端部の長さは同一であり得る。
【0093】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記ストッパ224によって設定された長さ分のみ連結チューブ222が挿入されることで、容易に流路連結部材220を取り付けることができる。そして、この場合、複数のバッテリーモジュール400が一定距離を維持して配置されるため、複数のバッテリーモジュール400の間に配置される部品の損傷なく、迅速にバッテリーモジュール400を配置できてバッテリーパックの製造効率を高めることができる。
【0094】
図7は本発明のさらに他の実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図であり、
図8は本発明のさらに他の実施例による複数のバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。ただし、
図7及び
図8には、説明の便宜上、セルアセンブリ100は示されていない。
【0095】
図2とともに、
図7及び
図8を参照すれば、前記流路連結部材220は、冷却チューブ225を備えることができる。
【0096】
ここで、前記冷却チューブ225は、流体形態の冷媒を移送可能な管を備えることができる。このような冷却チューブ225は、空気が漏れない稠密な構造の素材で構成され得る。例えば、前記冷却チューブ225は、金属素材で構成され得る。また、前記冷却チューブ225は、熱伝導性に優れた材質を使用し、例えば、銅またはアルミニウム素材が用いられ得る。
【0097】
さらに、前記冷却チューブ225は、バッテリーモジュール400の冷却流路310の一端から他端まで貫通挿入されるように形成され得る。
【0098】
そして、前記冷却チューブ225は、複数のバッテリーモジュール400の冷却流路310を互いに連結するように前後方向に長く延びた構造を有し得る。具体的に、前記冷却チューブ225は、1つのバッテリーモジュール400の前後方向の長さは勿論であり、複数のバッテリーモジュール400の前後方向の長さよりも長く延びた形態であり得る。
【0099】
さらに、前記冷却チューブ225は、
図3のように、前記冷却流路310が前記流入口311から前記排出口312まで直線状に延びた形態である場合、前記冷却チューブ225を直線状に延びた構造で構成することで、1つのバッテリーモジュール400の冷却流路310は勿論、複数のバッテリーモジュール400の冷却流路310に容易に挿入できる。
【0100】
したがって、本発明のこのような構成によれば、1つの長い冷却チューブ225を用いて複数のバッテリーモジュール400のモジュールハウジング300の冷却流路310を連結することで、複数のバッテリーモジュール400の冷却流路310同士の連結構造で生じ易い冷媒の漏れを予め防止することができる。また、このような冷却チューブ225は、複数のバッテリーモジュール400の一定方向に配列できるという利点がある。
【0101】
図9は、
図8のバッテリーモジュールの一部構成であるC領域に位置した間隔調節部材を拡大して示した拡大斜視図である。
【0102】
図8及び
図9を参照すれば、前記バッテリーモジュール400は、間隔調節部材230をさらに含むことができる。
【0103】
具体的に、前記間隔調節部材230は、複数のバッテリーモジュール400間の間隔を一定に調節するため、複数のバッテリーモジュール400の間に介在され得る。これによって、前記間隔調節部材230は、前後方向に延びた長さによって複数のバッテリーモジュール400同士の離隔距離を設定できる。
【0104】
また、前記間隔調節部材230は、前記冷却チューブ225が挿入されるように中空構造で形成され得る。具体的に、前記間隔調節部材230は、中空構造の管状で構成され得る。例えば、
図9に矢印Bで示されたように、前記間隔調節部材230は、中空構造に前記冷却チューブ225が挿入された状態で、前後方向、すなわち、冷却チューブ225の長さ方向に移動可能な構造で形成され得る。そのため、前記間隔調節部材230の内径は前記冷却チューブの外径より大きく構成され得る。
【0105】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記間隔調節部材230を通じて、複数のバッテリーモジュール400を一定距離離隔して配置することが容易になる。したがって、複数のバッテリーモジュール400の間に備えられる電気的連結又は電圧センシングのためのバスバー構成を安全に取付可能な空間などをより容易に確保できる。特に、複数のバッテリーモジュール400を含むバッテリーパックの取付中に、複数のバッテリーモジュール400の間に配置された構成、特に冷却チューブ225の露出部位が破損されることを防止でき、バッテリーパックを容易に取り付けることができる。
【0106】
図10は、本発明のさらに他の実施例による、バッテリーモジュールの冷却チューブに取り付けられた構造の間隔調節部材を概略的に示した斜視図である。
【0107】
図10を参照すれば、前記間隔調節部材232は、前記冷却チューブ225の上部面を覆う上部カバー233、及び前記冷却チューブ225の下部面を覆う下部カバー234を含むことができる。
【0108】
したがって、本発明のこのような構成によれば、冷却チューブ225がモジュールハウジング300の冷却流路310に挿入された状態でも、上部カバー233及び下部カバー234のように分離された構造を用いることで、間隔調節部材232を冷却チューブ225に容易に取り付けることができる。
【0109】
ここで、前記間隔調節部材232には、上部カバー233と下部カバー234とを互いに結合可能な締結構造が備えられ得る。具体的に、前記締結構造は、前記上部カバー233を下方に冷却チューブ225の上部に載置した後、前記下部カバー234を上方に前記上部カバー233に締結させる構造であり得る。
【0110】
例えば、前記締結構造は、締結作業が容易であって、上部カバー233と下部カバー234とを相互対面するように接触させた状態で加圧したとき、弾力的な結合によって噛み合うことができる雄雌締結構造などを適用できる。しかし、本発明がこのような締結構造のみに限定されることはなく、公知された締結方式であれば制限なく適用可能である。
【0111】
一方、
図10には、前記間隔調節部材230が上部カバー233と下部カバー234を全て含む形態で示されているが、本発明がこのような実施例に限定されることはない。例えば、前記間隔調節部材230は、上部カバー233及び下部カバー234のいずれか1つのみを備えて複数のバッテリーモジュール400の間に介在されても良い。
【0112】
したがって、本発明のこのような構成によれば、上部カバー233及び下部カバー234のいずれか1つのカバーによっても複数のバッテリーモジュール400の間の離隔距離を確保でき、製造コストも節減できるなどの利点がある。
【0113】
図11は、
図8に示されたC領域の冷却チューブの一部が分離された状態を示した分離斜視図である。
【0114】
図8及び
図11を参照すれば、前記冷却チューブ225は、長さ方向の端部が互いに連結された複数のチューブ226、227を備えることができる。すなわち、前記冷却チューブ225は、1つのチューブ226の端部と他の1つのチューブ227の端部とを相互連結して、冷却チューブ225の全体長さを拡張させる構造で形成され得る。
【0115】
また、前記チューブ226(227)は、長さ方向の端部に他の1つのチューブ227(226)の端部と締結される締結構造228(229)を有し得る。具体的に、前記締結構造228、229は管用ねじ形態で構成され得る。例えば、前記締結構造228、229は、前記チューブ226の一端部に管用雄ねじ228が形成されて、前記チューブ227の他端部には管用雌ねじ229が形成された構造を有し得る。
【0116】
したがって、本発明のこのような構成によれば、複数のバッテリーモジュール400に冷却チューブ225を設ける場合、冷却チューブ225の必要な長さに合わせて複数のチューブ226、227を長さ方向に相互連結できるため、必要に応じて前後方向の長さを拡張することが容易である。
【0117】
さらに、複数のバッテリーモジュール400に一本の長い冷却チューブ225を挿入する方式より、複数のバッテリーモジュール400にそれぞれ分離されたチューブ226を挿入し、挿入されたチューブ226の端部を互いに連結する方式で、冷却チューブ225の内設作業を容易に行うことができる。
【0118】
また、本発明によるバッテリーパックは、上述した本発明によるバッテリーモジュール400を少なくとも2つ以上を含むことができる。そして、このようなバッテリーパックは、バッテリーモジュール400の外に、セルアセンブリ100の充放電を制御するための各種の装置、例えばBMS(Battery Management System)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含むことができる。
【0119】
また、本発明によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用できる。すなわち、本発明による自動車は、前記バッテリーパックを含むことができる。
【0120】
一方、本明細書において、上、下、左、右、前、後のように方向を表す用語が使われたが、このような用語は説明の便宜上使用されたものであって、対象になる物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者にとって自明である。
【0121】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。