(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797438
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】バッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/04 20060101AFI20201130BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20201130BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20201130BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
H02J7/04 F
H02J7/10 C
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-525949(P2019-525949)
(86)(22)【出願日】2018年9月20日
(65)【公表番号】特表2020-515207(P2020-515207A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(86)【国際出願番号】KR2018011167
(87)【国際公開番号】WO2019093654
(87)【国際公開日】20190516
【審査請求日】2019年5月15日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0150907
(32)【優先日】2017年11月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ピル・キュ・パク
(72)【発明者】
【氏名】キ・スブ・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ラ・イ
【審査官】
宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2017/030309(WO,A1)
【文献】
特開2013−089363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42−10/48
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーの充電方法であって、
前記バッテリーは、複数のセルを含み、
前記バッテリーの充電方法は、
前記複数のセルを複数のC‐レートでそれぞれ充電する段階、
各C‐レートにおける各セルの電圧変化(dV/dQ)を計算する段階、および
各セルをあるC‐レートで充電したときの電圧変化の値と、該セルを他のC‐レートで充電したときの電圧変化の値との間の偏差が所定の基準値以上の区間に放電を複数回行う段階を含むバッテリーの充電方法。
【請求項2】
前記放電を複数回行う段階は、
前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行う段階である、請求項1に記載のバッテリーの充電方法。
【請求項3】
前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行う段階は、
あらかじめ設定された所定の回数より多い回数で前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行う段階である、請求項2に記載のバッテリーの充電方法。
【請求項4】
前記区間以後に前記パルス形式で放電を複数回行う段階をさらに含む、請求項3に記載のバッテリーの充電方法。
【請求項5】
複数のセルを含むバッテリーの充電装置であって、
前記複数のセルを複数のC‐レートでそれぞれ充電し、
各C‐レートにおける各セルの電圧変化(dV/dQ)を計算し、
各セルをあるC‐レートで充電したときの電圧変化の値と、該セルを他のC‐レートで充電したときの電圧変化の値との間の偏差が所定の基準値以上の区間に放電を複数回行うように構成された、バッテリーの充電装置。
【請求項6】
前記バッテリーの充電装置が、前記放電を複数回行うように構成されたものは、
前記バッテリーの充電装置が前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行うように構成されたものである、請求項5に記載のバッテリーの充電装置。
【請求項7】
前記バッテリーの充電装置が、前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行うように構成されたものは、
前記バッテリーの充電装置が、あらかじめ設定された所定の回数より多い回数で前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行うように構成されたものである、請求項6に記載のバッテリーの充電装置。
【請求項8】
前記バッテリーの充電装置は、さらに、
前記区間以後に前記パルス形式で放電を複数回行うように構成された、請求項7に記載のバッテリーの充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー分野に関し、より詳細にはバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、エネルギー貯藏技術に対する関心がますます高まっている。その中でも容易に充電/放電できる2次電池の開発は関心の焦点となっている。このような2次電池は、化石燃料の使用を減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しない点で、環境にやさしくかつエネルギー効率性向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0003】
現在、広く使われている2次電池のうちリチウムイオン電池は、水溶液電解質を使用するNi‐MH、Ni‐Cd、硫酸‐鉛電池などの従来の2次電池に比べて動作電圧が高く、エネルギー密度がはるかに大きい長所があり、多様な分野で脚光を浴びている。
【0004】
携帯電話やノートブックコンピュータなどの携帯用電子機器の発達につれ、そのエネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。最近では、ハイブリッド電気自動車(HEV)、電気自動車(EV)の動力源として二次電池の使用が現実化されている。そのため、多様な要求に添う二次電池に対して多くの研究が行われており、特に、高いエネルギー密度、高い放電電圧および出力を有するリチウム二次電池に対する需要が高まる傾向である。
【0005】
電気自動車などに使われるリチウム二次電池は、高エネルギー密度と短時間に高出力を発揮できる特性を有すると共に大電流による充放電が短時間に繰り返される苛酷な条件下で10年以上使用できなければならないため、従来の小型リチウム二次電池よりはるかに優れた出力特性および長期寿命特性が必須に求められる。
【0006】
特に急速充電は、特に陰極の特性に依存する傾向がある。したがって、陰極が過充電防止、陰極の抵抗を減少させ、充電深度を高めて陰極表面で発生するリチウム金属の析出を防止する必要がある。このように急速充電環境で陰極特性の低下を防止し、活物質内リチウムイオンの拡散が促進されるようにするための電解液の開発が求められる。
【0007】
特に、リチウム二次電池の場合、その名称からわかるようにLiを用いる電池であって、エネルギー密度が高くかつ軽いが、デンドライトを簡単に形成できるため危険であるという短所がある。具体的には、充電時陽極から出たLiイオンが陰極に入る過程により電気の貯藏が起きる。この過程で充電初期の陽極から出たLiイオンが電解液を介して陰極に入って各物質間の界面で分極現象が発生するようになり、過電圧につながる。この時、流れる電流量に対して移動できるイオンが不足すれば、過電圧によってリチウムイオンが析出される。前記リチウムの析出は、リチウムイオンの移動だけでなく、電気抵抗によっても発生し、イオンの移動は、電極の透過性(porosity)等とも密接に関連する。透過性が高まるほどLiイオンの移動度は大きくなるが、電気的接触面が低くなるので、適切に調節することが必要であるが、非常に難しい実情である。特に高い透過性は、当然低いエネルギー密度につながる問題も内包している。そこで、初めて商業化に試みられた陰極としてLi‐metalを用いた二次電池は安全性の問題により失敗してしまった。
【0008】
また、一度析出されたリチウム金属周辺の副反応によってより多くの副産物が集積され、サイクル(cycle)性能の低下はもちろん酷い場合、分離膜を突き抜けて微細ショート(short)を起こして爆発などに進み得る。
【0009】
そのため、多くの研究者がこのようなLi‐プレーティング(Li‐plating)を抑制するための方法を考案しているが、ますます高いエネルギー密度を求めていることが現在の実情であり、まだ満足するほどの成果を収めていない。
【0010】
特に、急速充電が求められる二次電池でイオン伝導度が低下する場合には流れる電流量に対してイオンが不足して陰極で過電圧が発生するようになり、これによって陰極表面でのLi‐プレーティングが悪化し得る。したがって、Li‐プレーティングを発生させずに急速充電を達成する技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、充電時間を短縮させるバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、電池のLi‐プレーティングを抑制しながら充電時間を短縮させるバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、電池の過電圧を防止し、かつ充電時間を短縮させるバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、容量保有が改善されたバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、バッテリーの充電方法を提供し、このような充電方法において、前記バッテリーは、複数のセルを含み、前記バッテリーの充電方法は、前記複数のセルを複数のC‐レート(C‐rate)でそれぞれ充電する段階;前記複数のセルそれぞれの前記セルの電圧変化(dV/dQ)および前記複数のセルの電圧変化の勾配を計算する段階;および複数のセルの電圧変化の勾配間の偏差が所定の基準値以上の区間に放電を複数回行う段階を含む。
【0016】
また、本発明によるバッテリーの充電方法において、前記複数のセルの電圧変化の勾配間の偏差が所定の基準値以上の区間に放電を複数回行う段階は、前記区間にパルス(pulse)形式で前記放電を複数回行う段階である。
【0017】
また、本発明によるバッテリーの充電方法において、前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行う段階は、あらかじめ設定された所定の回数より多い回数で前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行う段階である。
【0018】
また、本発明によるバッテリーの充電方法において、前記区間以後に前記パルス形式で放電を複数回行う段階をさらに含む。
【0019】
また、本発明は複数のセルを含むバッテリーの充電装置を提供し、このようなバッテリーの充電装置は、前記複数のセルを複数のC‐レート(C‐rate)でそれぞれ充電し、前記複数のセルそれぞれの前記セルの電圧変化(dV/dQ)および前記複数のセルの電圧変化の勾配を計算し、複数のセルの電圧変化の勾配間の偏差が所定の基準値以上の区間に放電を複数回行うように構成される。
【0020】
また、本発明によるバッテリーの充電装置において、前記バッテリーの充電装置が、前記複数のセルの電圧変化の勾配間の偏差が所定の基準値以上の区間に放電を複数回行うように構成されたものは、前記バッテリーの充電装置が前記区間にパルス(pulse)形式で前記放電を複数回行うように構成されたものである。
【0021】
また、本発明によるバッテリーの充電装置において、前記バッテリーの充電装置が、前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行うように構成されたものは、前記バッテリーの充電装置が、あらかじめ設定された所定の回数より多い回数で前記区間にパルス形式で前記放電を複数回行うように構成されたものである。
【0022】
また、本発明によるバッテリーの充電装置において、前記バッテリーの充電装置は、さらに、前記区間以後に前記パルス形式で放電を複数回行うように構成されたものである。
【0023】
本発明によれば、充電時間を短縮させるバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置が提供される。
【0024】
また、本発明によれば、電池のLi‐プレーティングを抑制し、かつ充電時間を短縮させるバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置が提供される。
【0025】
また、本発明によれば、本発明は、電池の過電圧を防止し、かつ充電時間を短縮させるバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置が提供される。
【0026】
また、本発明によれば、容量保有が改善されたバッテリーの充電方法およびバッテリーの充電装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来のCCCV充電方法による充電電流と充電電圧との関係を示す図である。
【
図2】本発明の実施例による充電方法の充電容量に対する充電電圧プロファイルおよび電圧変化を示すグラフである。
【
図3】本発明の実施例による充電方法の敏感区間で充電容量に対する充電電圧プロファイルを示すグラフである。
【
図4】本発明の他の実施例による充電方法の敏感区間以後に充電容量に対する充電電圧プロファイルを示すグラフである。
【
図5】本発明の実施例による充電方法のサイクル回数に対する放電容量を示すグラフである。
【
図6】本発明の実施例による充電方法に従った充電方法のサイクル回数に対するエネルギー維持率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
従来の電池充電方法は、充電初期から完了まで一定の電流で充電を行う定電流(CC)方式、充電初期から完了まで一定の電圧で充電を行う定電圧(CV)方式および充電初期には一定の電流で充電し、充電末期には一定の電圧で充電する定電流(constant current mode)‐定電圧(constant voltage mode)充電方法(以下、CCCV充電方法という)が用いられる。
【0029】
定電流(CC)方式とは、あらかじめ設定された設定電圧まで定電流の電力をバッテリーに供給して充電するものであり得る。定電流充電が行われる間にはバッテリーの充電量(あるいは充電値)と共にバッテリーの電圧が上昇し得る。すなわち、充電が行われることによってバッテリーの電圧が上昇し、前記あらかじめ設定された設定電圧に達し得るが、設定電圧は、充電対象であるバッテリーの充電値に基づいて設定され得る。例えば、定格電圧が4.2Vのリチウムイオン電池で、3.9Vは前記リチウムイオン電池の充電値が20%である時の設定電圧に設定され得る。すなわち、定電流充電の完了可否および次のステップの充電方法に切り替えることは、バッテリーの充電値に基づいて行われ得る。複数の定電流充電を行う場合、各定電流充電は、それぞれに相応する設定電圧を有し得る。
【0030】
また、定電圧(CV)方式とは、直前の定電流充電が行われてバッテリーの電圧が設定電圧に達した場合、当該設定電圧を維持するように充電電流を減少させながら充電するものであり得る。例えば、定格電圧が4.2Vのリチウムイオン電池において、直前の定電流充電により前記リチウムイオン電池の電圧が設定電圧である4.35Vに達すれば、定電圧充電は4.35Vが維持されるように充電電流を減少させながら充電するものであり得る。
【0031】
図1は、従来のCCCV充電方法による充電電流と充電電圧との関係を示す図である。
【0032】
定電流(constant current mode)‐定電圧(constant voltage mode)充電方法(以下、CCCV充電方法という)は、
図1に示すように、一定電池電圧に到達する時まで最大電流で充電を実行し、一定電池電圧に到達すれば、徐々に充電電流を減少させながら充電する方法である。
【0033】
本明細書において、「C」はC‐レート(C‐rate)とも呼ばれ、電池の充・放電時に多様な使用条件下での電流値設定および電池の可能使用時間を予測するか、表記するための単位として、充・放電率による電流値の算出は、充電または放電電流を電池定格容量に分けて充・放電電流値を算出する。
【0034】
また、SOCはバッテリーの充電容量(State Of Charge:SOC)を示す。
【0035】
また、本発明はバッテリーの充電方法に関し、バッテリーはリチウムイオン電池を意味する。
【0036】
しかし、本発明による実施例は様々な他の形態に変形され得、本発明の範囲は以下で述べる実施例に限定されると解釈してはならない。本発明の実施例は、当業界で通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供するものである。
【0037】
本発明の実施例で、バッテリーはリチウムイオン電池を意味し、駆動電圧(例えば、4.1V)でCC/CCCV方法で充電時にSOCが50%に達するまでかかる時間は30分以内である。
【0038】
本発明の実施例は、上述したCC充電後CCCV充電方式を用いるが、これに限定されるものではなく、重複を防止するためにCC充電方式およびCC充電方式の詳細な説明はここでは省略する。
【0039】
本発明の実施例は、充電方式を所定の数のステップ(step)に区分してバッテリーの充電量に応じてそれぞれ適合した充電方式(例えば、C‐レートを低くする)を適用することによって、さらに短縮された充電時間を達成するステップ充電方式を用いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップ充電方式は、従来技術を用いることができるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
また、本発明の実施例はCCCV充電方式で、SOC区間のうちC‐レート敏感度が大きい領域(以下、敏感区間という)を区分し、放電(reverse pulse)を短くパルス(pulse)形式で複数回行ってLi‐プレーティングを減らすことができる。
【0041】
以下、敏感区間で放電を複数回行ってLi‐プレーティングを減らすことができる本発明によるバッテリーの充電方法について詳細に説明する。
【0042】
図2は本発明の実施例による充電方法の充電容量(SOC)に対する充電電圧プロファイル(Voltage)および電圧変化(dV/dQ)を示すグラフである。
【0043】
以下、
図2を参照して本発明によるバッテリーの充電方法についてより詳細に説明する。
【0044】
図2を参照すれば、電池を複数のC‐レート(例えば、2.5C、2.0C、1.0C、0.5C、0.2C)でそれぞれCCCV充電し、複数のC‐レートに対応する電圧変化(dV/dQ)および前記セルの電圧変化の勾配を計算し、SOCに応じて所定の区間(p1ないしp5)を任意に複数設定する。
【0045】
本発明によるバッテリーの充電方法は、複数のC‐レートそれぞれの電圧変化(dV/dQ)間の勾配偏差がある部分は、あらかじめ設定された所定の回数より多い回数(例えば、10回)で複数回短く放電する区間を設定する。
【0046】
また、本発明によるバッテリーの充電方法は、複数のC‐レートの電圧変化(dV/dQ)間の勾配偏差が所定の基準値以上の区間(p2、SOC5〜25区間)を敏感区間に設定する。敏感区間はC‐レートによる充電影響が最も多いところであるため、敏感区間の放電はあらかじめ設定された所定の回数より多い回数でパルス(pulse)形式で複数回短く放電する。ステップ充電方式は、従来技術を用い得るので、ここでステップ充電の詳細な説明は省略する。
【0047】
以下、
図3ないし
図6を参照して本発明の実施例による充電方法の敏感区間における充電方法を具体的に説明する。
【0048】
図3は本発明の実施例による充電方法の敏感区間における充電容量(Capacity,mAh)に対する充電電圧プロファイル(Voltage)を示すグラフである。
【0049】
図4は本発明の他の実施例による充電方法の敏感区間以後の充電容量(Capacity,mAh)に対する充電電圧プロファイル(Voltage)を示すグラフである。
【0050】
図3を参照すれば、本発明の実施例による充電方法は、1C(例えば、4850mA)でカットオフ電圧(例えば4.1V)まで充電し、敏感区間に短い放電をパルス(pulse)形式で複数回、例えば10回行い、1Cで2.5Vまで放電する。
【0051】
また、
図4を参照すれば、本発明の他の実施例による充電方法は、1C(例えば、4850mA)でカットオフ電圧(例えば4.1V)まで充電し、敏感区間以後の区間(例えば、p4、p5:SOC40〜90区間)にパルス(pulse)形式で短い放電を複数回、例えば10回行い、1Cで2.5Vまで放電する。
【0052】
図5は本発明の実施例による充電方法のサイクル回数に対する放電容量を示すグラフである。
【0053】
図6は本発明の実施例による充電方法に従った充電方法のサイクル回数に対するエネルギー維持率(Energy Retention)を示すグラフである。
【0054】
図5および
図6を参照すれば、本発明の実施例による充電方法は、敏感区間で短い放電を複数回行い、エネルギー維持率が比較例より増加したことが分かる。また、本発明の他の実施例による充電方法は、敏感区間以後の区間で短い放電を複数回行い、エネルギー維持率が比較例より増加したことが分かる。
【0055】
また、本発明の実施例による充電方法および本発明の他の実施例による充電方法は、高C‐レート(例えば1C)で充電時に複数回放電を行い、充電時の過電圧が緩和される。また、本発明の実施例による充電方法および本発明の他の実施例による充電方法は、複数回放電を行い、Li‐プレーティング抑制効果を期待できる。
【0056】
そこで、本発明の実施例による充電方法および本発明の他の実施例による充電方法は、比較例よりエネルギー維持率が増えたことが分かる。
【0057】
また、本発明の実施例によるバッテリーの充電装置は、電池を複数のC‐レート(例えば、2.5C、2.0C、1.0C、0.5C、0.2C)でそれぞれCCCV充電し、複数のC‐レートに対応する電圧変化(dV/dQ)および前記セルの電圧変化の勾配を計算し、充電容量(SOC)により所定の区間(p1ないしp5)を任意に複数設定する。
【0058】
また、本発明の実施例によるバッテリーの充電装置は、複数のC‐レートそれぞれの電圧変化(dV/dQ)間の勾配偏差がある部分は、所定の回数より多い回数で複数回短く放電する区間を設定する。
【0059】
また、本発明の実施例によるバッテリーの充電装置は、複数のC‐レートの電圧変化(dV/dQ)間の勾配偏差が所定の基準値以上の区間(p2、SOC5〜25区間)を敏感区間に設定する。敏感区間はC‐レートによる充電影響が最も多いところであるため、敏感区間の放電は、所定の回数より多い回数で複数回短く放電する。
【0060】
また、本発明の実施例によるバッテリーの充電装置は、1C(例えば、4850mA)でカットオフ電圧(例えば4.1V)まで充電し、敏感区間に短い放電を複数回、例えば10回行い、1Cで2.5Vまで放電する。
【0061】
また、本発明の実施例によるバッテリーの充電装置は、1C(例えば、4850mA)でカットオフ電圧(例えば4.1V)まで充電して敏感区間以後の区間(例えば、p4、p5:SOC40〜90区間)に短い放電を複数回、例えば10回行い、1Cで2.5Vまで放電する。