特許第6797994号(P6797994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797994
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20201130BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20201130BHJP
   C23C 16/54 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   H05H1/46 A
   H05H1/46 C
   H01L21/302 101M
   C23C16/54
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-194884(P2019-194884)
(22)【出願日】2019年10月28日
(62)【分割の表示】特願2015-121634(P2015-121634)の分割
【原出願日】2015年6月17日
(65)【公開番号】特開2020-35753(P2020-35753A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2019年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】植村 崇
(72)【発明者】
【氏名】田内 勤
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩平
【審査官】 中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−176816(JP,A)
【文献】 特開2001−085493(JP,A)
【文献】 特開2004−265917(JP,A)
【文献】 特開2005−252201(JP,A)
【文献】 特開2007−242777(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0149210(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
C23C 16/54
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧された内側に配置されたウエハがプラズマを用いて処理される処理室を有した真空容器と、この真空容器が載せられて当該真空容器内部の処理室からのガスが排出される開口を有したベースプレートとを有し、前記真空容器を構成して上下方向に重ねられて配置された複数の部材が前記ベースプレートに対して取り外し可能に構成されたプラズマ処理装置であって、
前記真空容器を挟んで当該真空容器の側方に配置され前記ウエハが内部を搬送されるものであって前記複数の取外し可能な部材のうち上下方向の中間の位置に配置された部材の外側壁に接続されるバルブボックスと、
前記ベースプレートの外周部であって前記真空容器を挟んで前記バルブボックスの反対の側の端部に取り付けられ、前記複数の取外し可能な部材のうち上方及び下方の部材の各々と連結されたリフターであって、上下方向の軸を有して当該軸の上下方向の異なる位置に連結された前記上方及び下方の可能な部材が前記軸に沿って上下方向に移動するリフターと、
前記リフターに備えられ前記上下方向の軸に沿って移動する少なくとも1つの移動部材であって、前記複数の部材が重ねられて前記真空容器を構成している状態で前記軸上の所定の位置から上方に移動して前記上方の部材を上方向に移動して前記下方の部材から第1の所定の距離だけ離間させた後、前記下方の部材を上方向に移動して前記ベースプレートから第2の所定の距離だけ離間させ、これら上方及び下方の部材を前記ベースプレートから各々の所定の高さで保持する移動部材とを備えたプラズマ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
前記複数の取り外し可能な部材がシール部材を挟んで前記真空容器を構成するものであって、当該真空容器に取り付けられた状態で前記シール部材に上下方向に荷重が加えられて前記真空容器の内外を気密に封止するプラズマ処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
前記移動部材の移動により、前記上方および下方の部材の各々が順次上方に移動し前記各々の所定の高さで保持された状態で、前記ベースプレートの上方の箇所から前記バルブボックスに対して遠ざかった位置まで水平方向に移動して取り外し可能に構成されたプラズマ処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
前記リフターの前記軸の上下方向に異なる箇所と前記上方及び下方の部材の各々とを連結する2つの連結部を有し、
前記移動部材の上方向の移動により、当該移動部材と前記2つの連結部の各々とが順次当接した後に前記上方および下方の部材の各々とこれらに連結された前記連結部各々が順次上方に移動して前記各々の所定の高さで保持された状態で、前記ベースプレートの上方の箇所から前記バルブボックスに対して遠ざかった位置まで、前記連結部の各々に配置された関節部の上下方向の軸回りに水平方向に旋回して移動して取り外し可能に構成されたプラズマ処理装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
前記リフターの前記軸の上下方向に異なる箇所と前記上方及び下方の部材の各々とを連結する2つの連結部を有し、
前記移動部材の下方向の移動により、前記ベースプレートの上方で当該ベースプレートから所定の高さで保持された前記連結部の各々およびこれに連結された前記上方及び下方の部材の各々を前記軸に沿った下方向に移動させるとともに前記2つの連結部の各々と順次離間して前記上方及び下方の部材を前記ベースプレート上方で順次積み重ねて載置可能に構成されたプラズマ処理装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
前記下方の部材が前記ウエハをその上面に載せて支持する試料台を含むユニットであるプラズマ処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
前記上方の部材が、前記真空容器の上部を構成し内側で前記プラズマが形成される空間を囲む放電ブロックを含むプラズマ処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
取り外し可能な前記下方の部材が前記ウエハをその上面に載せて支持する試料台を含むユニットであるプラズマ処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
前記中間の位置に配置された部材が、前記処理室の内部で前記プラズマに対するアース用のリング状の部材を構成するプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空容器内部の減圧された処理室内に搬送されて配置された半導体ウエハ等の基板状の試料を当該処理室内に形成されたプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置に係り、上下方向の位置に着脱可能に配置されて真空容器を構成する複数の部材を備えたプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ等の基板状の試料から半導体デバイスを製造するための半導体ウエハの製造装置として、試料を真空容器内部の減圧された処理室内に配置して試料の上面に予め形成されたマスクを含む複数の膜層を有する膜構造の処理対象の膜層に対して当該処理室内に形成されたプラズマを用いてエッチング等の処理を施すものが一般に知られている。このようなプラズマ処理装置では、例えば、真空容器内部の減圧された処理室内に処理用ガスを導入するとともに処理室内に電界または磁界を供給して当該処理用ガスを励起してプラズマを生成して、試料台上に静電気力を用いて吸着されて保持された半導体ウエハ上の処理対象の膜層を、プラズマに含まれるラジカル等活性を有する粒子と処理対象の膜層の材料との化学反応やイオンのような荷電粒子のスパッタリング等の物理的反応を含む相互作用により処理することが行われる。
【0003】
ウエハ等試料の処理中に処理室内に形成される反応生成物の粒子は処理室内に浮遊して内壁面に付着する。試料の処理の枚数や処理を実施した時間の累計が増大するにつれて、付着した粒子が処理室内表面に堆積して膜を形成してしまう。その結果、このような付着物の堆積物が処理室内に形成されるプラズマとの間の相互作用によって、その欠片や粒子が再度処理室内に浮遊して試料の表面に付着して試料や表面に形成された半導体デバイスの回路用の膜構造を汚染してしまい、処理の結果得られる半導体デバイスの性能が損されて不良を発生させて歩留まりを低下させてしまう、という問題が発生する。また、処理室内表面の付着物とプラズマとの相互作用の量は試料の上面上方のプラズマの電位、密度や強度の値とその分布にも影響を与えており、処理した試料の枚数や時間の累計の増大により付着物の増大が試料の処理の結果に影響を及ぼして複数の試料の処理を開始した時点から処理の結果を変動させてしまい、処理の結果である加工された形状の所期のものからのズレが時間の経過に伴って大きくなってしまう、という問題が生じてしまう。
【0004】
これを解決するために、試料を処理した累計の枚数や処理を実施した累計の時間が所定の値に達したと判定されると、プラズマ処理装置の運転を一時的に停止して、処理室内表面に付着した物質を取り除く清掃(クリーニング)を実施して、処理室内表面を所期の処理結果が得られる程度まで回復させることが、従来より行われてきた。このような清掃としては、真空容器内部の処理室を雰囲気(大気)圧にして大気に開放して、処理室内部の部材の表面を薬液を用いて布等で拭き掃除(ウエツトクリーニング)することが行われている。
【0005】
このようなクリーニングを行うためには、処理室内部を大気圧にして開放することが必要であり、試料の処理を当該期間毎に中断する必要がある。このため、このようなクリーニングの作業を行なう時間を出来るだけ短くすることが、真空処理装置の稼働率を高めて全体としての処理の効率を向上するために重要となっている。また、反応生成物等の処理室内の粒子は、処理室を囲む部材の表面だけでなく処理室内に配置され半導体ウエハをその上面に載せて保持する試料台の表面にも付着するため、この試料台の少なくとも試料が載せられる上面以外の箇所の表面もウエットクリーニング等の付着物を取り除く作業を施すことが必要となる。
【0006】
処理室を構成する部材表面のクリーニングに要する時間を短縮するうえでは、真空処理雰囲気に晒され反応生成物が付着する真空容器、あるいは、部品は、取り外して、新品あるいは洗浄品に取り換えることで可能となる。このような従来の技術として、例えば、特開2005−252201号公報(特許文献1)に開示のものが知られている。この従来技術には、外側チャンバの内部に被処理物の処理を行う処理室を構成する上部内筒チャンバと試料台、及び排気部側に配置された下部内筒チャンバを備えた真空処理装置が開示されている。
【0007】
本従来技術では、装置のメンテナンスを実施する際に、上部内筒チャンバの上部に配置され、プラズマを生成する放電室を構成する放電室ベースプレートを搬送室側に配置されたヒンジ部を支点として回転させるように上方に持ち上げ、上部内側チャンバの作業空間を確保することにより上部内側チャンバを上方に持ち上げて外側チャンバから取り出す構成が開示されている。また、試料台の鉛直方向の中心を軸として軸周りに配置され固定された支持梁を備えたリング状の支持ベース部材(試料台ブロック)が固定された試料台ベースプレートを搬送室側に配置されたヒンジ部を支点として回転させるように上方に持ち上げ、下部内側チャンバの作業空間を確保することにより下部内側チャンバを上方に持ち上げて外側チャンバから取り出した後、表面が未使用或いは洗浄されて清浄と見做せるチャンバの部材を交換して取り付ける技術が記載されている。
【0008】
なお、支持梁を試料台の鉛直方向の中心を軸として軸対称に配置(即ち、試料台の中心軸に対するガス流路形状が略同軸軸対称)することにより、上部内筒チャンバ内の試料台上の空間のガス等(処理ガス、プラズマ中の粒子や反応生成物)が、この支持梁同士の間の空間を通り下部内筒チャンバを介して排気される。これにより、被処理物周方向におけるガスの流れが均一になり、被処理物に対する均一な処理が可能となる。
【0009】
一方、特開2005−516379号公報(特許文献2)には、真空処理チャンバの側壁に設けられた開口部を(水平方向に)通過させることにより、チャンバに取り付け・取り外しが可能で、静電チャックアセンブリが搭載された片持ちの基板支持部が開示されている。試料台を含む基板支持部を真空容器外部に取り出すことができるため、試料台の表面の清掃をするために処理室の内部を開放する必要が無く、また処理室の内側側壁の清掃と試料台を含む基板支持部の表面の清掃とを並行して実施できるため、作業に要する時間を短縮して装置の非稼動時間を低減し全体としての処理の効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−252201号公報
【特許文献2】特開2005−516379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の従来技術では、次の点について考慮が不十分であったため問題が生じていた。
【0012】
すなわち、上記従来技術では、真空容器の内部に別の容器が多重に配置され最も内側の容器内にプラズマが形成される処理室を備えた構成である。内側の容器の内表面はプラズマに面してウエハの処理に伴なって形成される反応生成物等の粒子が付着するため交換して処理室内表面の状態を処理の性能に悪影響が及ぶことを抑制できる程度に清浄にするための作業の短縮を図っている。しかし、内外の容器を多重に配置した構成では内部の容器の取り外しの際に作業者に大きな負荷を要していた。
【0013】
このように内側に配置された容器の内外を気密に仕切るためには内側の容器には、内側の容器に接するOリング等のシール部材を変形させるために上下方向に荷重を印加する必要があるため、これを実現するために内側の容器は、装置が可動される状態で外部から荷重が伝達されるように真空容器の内側に容器が内包されるように収納される構成でなければならない。このため、内側の容器を取り出すには、外側の真空容器の内部から当該真空容器の側壁の上端と距離を開けて作業者が少くない重量の内側の容器を上下方向に移動させなければならず、メンテナンスの作業に長い時間を要していた。このため、作業者に大きな負担となっていた。また、装置のダウンタイムが長くなり装置による処理の効率が損なわれていた。
【0014】
さらに、処理対象のウエハの径が大きくなると、ウエハを内部に収納する内側の容器よりも外側の真空容器の径はさらに大きいものとならざるを得ない。このため、ウエハを処理する装置が設置される建屋の床で占有する面積はさらに増大してしまう。
【0015】
特許文献2の技術によれば、内側の容器を上方に移動させて外側の真空容器から取り出す作業は要さないものの、基板支持部はチャンバ側壁の開口部で真空シールされている。このため、径が大きくなったウエハを支持するために寸法を大きくした結果重量が増加する基板支持部を用いると、真空シール部への荷重負荷が大きくなり真空を保持することが困難になる虞が有った。また、本従来技術では、片持ちのため試料支持部の中心軸に対するガス流路形状が同軸の軸対称とはならず、被処理物の周方向におけるガスの流れが不均一になり、被処理物に対して均一な処理を行うことが困難になってしまうとう問題が生じる虞が有った。
【0016】
上記従来技術ではこのような点について十分に考慮されていなかった。本発明の目的は、メンテナンス作業の効率を向上して処理の効率を向上させた真空処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的は、減圧された内側に配置されたウエハがプラズマを用いて処理される処理室を有した真空容器と、この真空容器が載せられて当該真空容器内部の処理室からのガスが排出される開口を有したベースプレートとを有し、前記真空容器を構成して上下方向に重ねられて配置された複数の部材が前記ベースプレートに対して取り外し可能に構成されたプラズマ処理装置であって、前記真空容器を挟んで当該真空容器の側方に配置され前記ウエハが内部を搬送されるものであって前記複数の取外し可能な部材のうち上下方向の中間の位置に配置された部材の外側壁に接続されるバルブボックスと、前記ベースプレートの外周部であって前記真空容器を挟んで前記バルブボックスの反対の側の端部に取り付けられ、前記複数の取外し可能な部材のうち上方及び下方の部材の各々と連結されたリフターであって、上下方向の軸を有して当該軸の上下方向の異なる位置に連結された前記上方及び下方の可能な部材が前記軸に沿って上下方向に移動するリフターと、 前記リフターに備えられ前記上下方向の軸に沿って移動する少なくとも1つの移動部材であって、前記複数の部材が重ねられて前記真空容器を構成している状態で前記軸上の所定の位置から上方に移動して前記上方の部材を上方向に移動して前記下方の部材から第1の所定の距離だけ離間させた後、前記下方の部材を上方向に移動して前記ベースプレートから第2の所定の距離だけ離間させ、これら上方及び下方の部材を前記ベースプレートから各々の所定の高さで保持する移動部材とを備えたことにより達成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、メンテナンス作業の効率を向上して処理の効率を向上させた真空処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例に係る真空処理装置の概略上面図(一部透視)である。
図2】本発明の実施例に係る真空処理装置における真空処理ユニットの断面図である。
図3】本発明の実施例に係る真空処理装置における被処理物の搬送を説明するための要部概略上面図(ゲートバルブが開の状態であり、搬送ロボットが被処理物を真空処理ユニットに搬入している状態、或いは搬出しようとしている状態)である。
図4】本発明の実施例に係る真空処理装置における被処理物の搬送を説明するための要部概略上面図(ゲートバルブが閉の状態であり、被処理物が真空搬送室へ搬入された状態)である。
図5】本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理ユニットにおけるメンテナンスの手順を説明するための上面図(コイルと電源が取り外された状態)である。図4Aに示す真空処理ユニットの概略断面図である。
図6】本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理ユニットにおけるメンテナンスの手順を説明するための上面図(石英板、シャワープレート、石英内筒が取り外された状態)である。図5Aに示す真空処理ユニットの概略断面図である。
図7】本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理ユニットにおけるメンテナンスの手順を説明するための上面図(ガス導入リングが取り外された状態)である。図6Aに示す真空処理ユニットの概略断面図である。
図8】本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理ユニットにおけるメンテナンスの手順を説明するための上面図(旋回リフターにより放電ブロックユニットが持ち上げられ旋回された状態)である。
図9図7Aに示す真空処理ユニットの概略断面図である。
図10】本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理ユニットにおけるメンテナンスの手順を説明するための上面図(アースリング、上部容器が取り外された状態)である。図8Aに示す真空処理ユニットの概略断面図である。
図11】本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理ユニットにおけるメンテナンスの手順を説明するための上面図(旋回リフターにより試料台ユニットが持ち上げられ旋回された状態)である。
図12図9Aに示す真空処理ユニットの概略断面図である。
図13】本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理ユニットにおけるメンテナンスの手順を説明するための上面図(下部容器が取り外された状態)である。
図14図10Aに示す真空処理ユニットの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態を、以下図面を用いて説明する。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例を図1乃至14を用いて説明する。なお、図中において同一符号は同一構成要素を示す。
【0022】
図1は、本発明の実施例に係る真空処理装置の構成の概略を模式的に示す図である。図1(a)は、本実施例に係る真空処理装置100を上方から見た横断面図であり、図1(b)は、真空処理装置100の構成を示す斜視図である。
【0023】
本実施例の真空処理装置100は、その前方側(図上右側)に配置された大気ブロック101と後方側(図上左側)に配置された真空ブロック102とを備えている。大気ブロック101は、大気圧下で半導体ウエハ等の基板状の試料が搬送され、収納の位置決め等がされる部分であり、真空ブロック102は大気圧から減圧された圧力下で試料が搬送され、或いは処理等が実施され、試料を載置した状態で圧力を上下させる部分を含んでいる。
【0024】
大気ブロック101は、外形が直方体或いはそれと見做せる程度に近似した同等の形状を有しその内部に大気圧またはこれと見做せる程度に近似した同等の圧力にされた空間である大気搬送室106を有した筐体と、この筐体の前面側の側面に沿って並べられて取付けられ、処理用又はクリーニング用の試料が内部に収納されているカセットがその上面に載せられる複数のカセット台107とを備えている。大気ブロック101は、カセット台107上の各カセットの内部に収納された処理用またはクリーニング用の試料であるウエハがカセットと大気搬送室106の背面に連結された真空ブロック102との間でやりとりされる箇所であり、大気搬送室106内部にはこのようなウエハの搬送のためにウエハ保持用のアームを備えた大気搬送ロボット109が配置されている。
【0025】
真空ブロック102は、内部に減圧され試料が処理される処理室を有する真空容器を備えた複数の真空処理ユニット200−1,200−2,200−3,200−4と、これらの真空処理ユニットと連結されその内部に試料を減圧下で搬送する真空搬送ロボット110−1、110−2を備えられた搬送用の空間である真空搬送室104−1,104−2を有する真空容器、及び当該真空搬送用の真空容器(真空搬送容器)と大気搬送室106の筐体との間でこれらと接続されて配置されたウエハを収納する空間であって真空搬送室104−1及び大気搬送室106と連通可能に配置されたロック室105を有する真空容器、2つの真空搬送容器の間でこれらと接続されて配置され真空搬送室104−1及び真空搬送室104−2の間でこれらと連通可能にされたウエハ収納用の空間である搬送中間室108を内部に有する真空容器とを備えている。この真空ブロック102は、その内部は減圧されて所定の値の真空度の圧力に維持可能な真空容器を備えて構成されている。
【0026】
また、上記大気搬送ロボット109や真空搬送ロボット110の搬送の動作や真空処理ユニットにおけるウエハを処理する動作、ロック室105における内部の密封、開放や減圧、昇圧の動作等真空処理装置100の動作は、これらを実行する各部分と有線あるいは無線によるものを含む通信経路を介して信号の送受信可能に接続された図示しない制御装置により調節される。制御装置は、外部の通信の経路と信号の送受信を行うインターフェースと、半導体デバイス製のマイクロプロセッサ等の演算器、当該演算器の演算のアルゴリズムが記載されたソフトウエアや通信される信号の値等のデータを記憶するRAM,ROMやハードディスク、リムーバブルディスク等の記憶装置とこららを通信可能に接続する通信線路とを含んで構成されている。
【0027】
図2を用いて本実施例に係るプラズマ処理装置の構成について説明する。図2は、図1に示す実施例の真空処理ユニットの構成の概略を模式的に示す縦断面図である。本実施例の真空処理ユニット200−1,200−2,200−3,200−4は、装置の構造や動作が同一またはこれと見做せる程度に近似した同等のものであり、何れか1つを他の3つに代えて配置された場合でもウエハの処理の結果は同じまたは同等のものが得られるように構成されている。本図では、真空搬送室104−1に連結された真空処理ユニット200−1,200−2の何れかを例として、真空処理ユニット200として説明する。
【0028】
本図に示す真空処理ユニット200は、内部にウエハ300が配置されプラズマが形成されて処理される空間である処理室を有した上部容器230や下部容器250を含む真空容器と、これに連結されて真空容器下方に配置されたターボ分子ポンプ等の真空ポンプを含む排気ポンプ270と、真空容器上方に配置されたプラズマ形成用の電界を形成する装置である第1の高周波電源201および磁界を形成する装置であるソレノイドコイル206とを備えている。上部容器230や下部容器250の外周は真空処理ユニット200周囲の雰囲気(大気)に曝されており、これら容器はその内部の処理室と外部の雰囲気との間を気密に区画する真空隔壁を構成している。
【0029】
上部容器230や下部容器250は、水平方向についての断面の形状が円形状の内壁を有し、その円形の内部の中央部に円筒形状の試料台241が配置されている。試料台241は、その外周側でこれを囲んで配置されたリング状の形状を有する部材である試料台ベース242と水平方向(図上左右方向)に延在する梁状の部材である支持梁246により保持されている。
【0030】
支持梁246は試料台241の円筒形の中心を通る鉛直方向の軸(中心軸290)についてその周囲で軸対称、つまり中心軸290周りに同一またはこれと見做せる程度に近似した同等の角度で放射状に配置されており、試料台242の側壁の周囲を通って下方に流れる処理室のガスの流量や速度が中心軸290の周りで不均一となることが抑制される。上部容器230内の試料台241上方の処理室内に導入されたガス或いはプラズマや反応生成物の粒子は支持梁246同士の間の空間であって試料台241と支持梁246と試料台ベース242で囲まれた空間を通り、試料台241下方の下部容器250で囲まれた処理室の空間へ流入することから、試料台241上面を構成する誘電体製の膜の円形の載置面上に載せられたウエハ300の周方向のガスの流れの不均一が抑制され、当該ウエハ300の周方向の処理結果である加工形状の所期のものからのズレや不均一が低減される。なお、試料台ベース242は支持梁を備えたリング形状を有しており、このリング部分が真空容器である下部容器と上部上記の周囲で保持され、真空シールされるため、試料台等の重量が増加しても対応可能である。
【0031】
本実施例の真空処理ユニット200の真空容器は、真空処理装置100が設置されるクリーンルーム等の建屋の床面上に配置された複数本の支柱280の上端上に載せられてこれらと接続されたベースプレート260上に、上下方向に載せられて配置された円筒形状を有する下部容器250、支持梁246を備えたリング状の試料台ベース242、円筒形状の上部容器230、アースリング225、円筒形状を有する放電ブロック224、ガス導入リング204を含む複数の部材により構成されており、それぞれの部材同士の間には真空シール用の部材としてOリング207が挟まれてこれらに荷重が印加されることで上記容器の内外が気密に封止される。
【0032】
また、内周側壁面が円筒形を有した放電ブロック224の当該内側壁面の内側には、これを覆って円筒形状を有した石英内筒205が配置されている。放電ブロック224の円筒形の外周側壁の周囲にはヒータ222が巻き付けられて取り付けられている。放電ブロック224はその下方に配置されたリング形状を有した放電ブロックベース221に接続されて取り付けられヒータ222とともに後述の放電ブロックユニット220を構成している。
【0033】
また、円筒形を有した試料台241の下面には試料台底部蓋245が配置され、内部の大気圧にされる空間と処理室との間を気密に封止するように試料台241に取り付けられこれの一部として構成される。内部の空間は支持梁246内部に配置された通路を介して真空処理ユニット200外部の雰囲気(大気)と連通される。試料台241及びその外周側にリング状に配置された試料台ベース242並びに複数本の支持梁246は後述の試料台ユニット240を構成する。
【0034】
なお、上部容器230、下部容器250、ベースプレート260の各々はフランジ部を有し、上部容器230と下部容器250の各々は、フランジ部を介してベースプレート260にそれぞれボルト等によりネジ止めされ、その位置がベースプレート260上に固定される。本実施例では、真空処理ユニット200の真空容器を構成する部材は円筒形状を有しているが外壁の形状に関しては水平方向の断面形状が円形ではなく矩形であっても他の形状であってもよい。
【0035】
真空処理ユニット200の真空容器上部には、真空容器を構成する円板形状を有する蓋部材202及びその下方で試料台241上面のウエハ300の載置面にに対向してこれに面して配置され処理室の天井面を構成する円板形状を有したシャワープレート203が配置されている。これら蓋部材202及びシャワープレート203は石英等の誘電体製の部材でありマイクロ波やUHF、VHF波等の高周波の電界が透過可能に構成されている。
【0036】
このような構成において、蓋部材202上方に配置された第1の高周波電源201で発振されて形成された電界は、蓋部材202まで伝播され、当該蓋部材202及びその下方に配置されたシャワープレート203を透過して処理室内に試料台241上方から下方に向けて供給される。また、真空容器、特に本例では放電ブロック224の外側壁の外周側及び蓋部材の上方の箇所にはこれらを囲んで磁界を形成するための手段としてのソレノイドコイル206が配置され、当該ソレノイドコイル206で発生された磁界は処理室内に供給される。
【0037】
シャワープレート203には、複数の貫通孔である処理用ガスの導入孔が配置されており、ガス導入リング204から導入された処理用ガスがこの導入孔を通して真空処理ユニット内に供給される。シャワープレート203の導入孔は、試料台241の上面である試料の載置面の上方であって試料台241の中心軸290の回りの軸対称の領域に複数個配置されており、均等に配置された導入孔を通り所定の組成を有して異なるガス成分から構成された処理用ガスが真空処理ユニット内に導入される。
【0038】
図示しないガス源としてのガスタンク等のガス源から管路及びこれと接続されたガス導入リング204の内部の通路を通して蓋部材202とシャワープレート203との間の隙間空間に導入された処理用ガスは、当該空間の内部で拡散して充満した後、シャワープレート203の中央部に配置された複数の貫通孔であるガス導入孔を通して処理室内に流入する。処理室内に導入された処理用ガスの原子または分子は、第1の高周波電源201とソレノイドコイル206から供給される電界及び磁界との相互作用により励起され、試料台241上方の放電ブロック224内の処理室の空間においてプラズマ化される。
【0039】
この際、プラズマ中の処理用ガスの原子や分子は解離してイオン等の荷電粒子あるいはエネルギー準位が高くされて活性化されたラジカル等活性種に変化する。本実施例では、放電ブロック224の外周側壁には第1の温度コントローラ223に接続されたヒータ222が巻かれて取り付けられ、ヒータ222に供給される直流の電力による加熱によってプラズマと接触するプ石英内筒205の表面が処理に適した範囲内の温度の値に調節される。
【0040】
このことにより、石英内筒205や放電ブロック224への反応生成物の付着が低減される。本実施例では、これらの部材は定常のメンテナンスの対象から外すことができる。
【0041】
ウエハ300を載置する試料台241は、真空処理ユニットの内部にこのシャワープレート203の中心軸290と合致するように配置される。プラズマによる処理を行う際はウエハ300は試料台241の上面である円形の載置面に載せられてこの面を構成する誘電体の膜静電気により吸着されて保持(静電チャック)された状態で処理が行われる。
【0042】
また、試料台241内部に配置された円板または円筒形状を有した金属製の基材には、試料台241の載置面に載せられたウエハ300上方にバイアス電位を形成する高周波電力を供給する第2の高周波電源243が接続されており、電極としての基材に供給される第1の高周波電力の周波数より低い所定の周波数の高周波電力により、試料台241及びこの上に載せられたウエハ300の上方に形成される高周波バイアス電位とプラズマの電位との間の電位差に応じてプラズマ中の荷電粒子をウエハ300の表面に予め形成されたマスクを含む複数の膜層を有する膜構造の処理対象の膜層の表面に誘引して衝突させることによる物理反応と前記ラジカルとウエハ表面との化学反応との相互反応により当該処理対象の膜層にエッチング処理が施される。
【0043】
また、試料台241の基材の内部には、試料台241の上下方向の中心軸290の周りに同心または螺旋状に配置された冷媒流路が配置され、第2の温度コントローラ244により所望の範囲内の温度にされた熱交換媒体が供給されて通流する。この構成によりウエハ300が熱交換媒体と熱交換することで試料台241及びウエハ300の温度が処理に適した範囲内の値に調節される。
【0044】
試料台241への高周波バイアス電力の供給ための電源用配線コードや試料台241の温度を調節するために供給される熱交換媒体(冷媒)の配管あるいは温度制御用の配線コードは、支持梁246を含む試料台ベース242内部に形成され真空処理ユニット200外部の雰囲気と連通された管路内に配置されている。なお、図示してはいないが、このような配線コードの以外にも温度センサや静電チャック用配線コードも管路内に配置することができる。また、試料台241の周辺に配置される上部容器230には反応生成物が付着し易いため、定常メンテナンスの対象部材である。
【0045】
真空処理ユニット200の真空容器の下方には、その底部と処理室内のガス、プラズマの粒子を排出するための排気開口263を有するベースプレート260とに連結された排気ポンプ270が配置されている。ベースプレート260に設けられた円形を有する排気開口263は、試料台241の真下でその中心を中心軸290に合致またはこれと見做せる程度に近接した同等の位置に配置されている。
【0046】
排気開口263は、その上方に配置された略円板形状を有する排気部蓋261がこれの外周側で水平方向(図上左右方向)に延在した腕部と連結されたアクチュエータ262の上下方向の駆動により上下に移動して、排気開口263と排気部蓋261との間の距離が増減されて処理室からの排気のコンダクタンスが調整される。ウエハ300の処理中に、当該コンダクタンスの値と排気ポンプ270の単位時間当たりの排気量とにより真空処理ユニット外に排出される内部のガスやプラズマや生成物の流量または速度が調節され、当該排気と処理用ガスの供給とのバランスにより、処理室の圧力が所望の真空度に調節される。
【0047】
処理室内に導入された処理用ガス及びプラズマや処理の際の反応生成物は排気ポンプ270等の排気手段の動作により真空処理室上部から試料台241の外周壁と試料台ベース242との内周壁面との間の空間を通り、下部容器250を介して下方の排気開口263を通り排出される。このため、下部容器250は試料台241上方からの排気のガス流れに曝されることからその表面には反応生成物が付着し易いため、定常メンテナンスの際に、後述のように、試料台リング242を水平方向に回転させて移動させることで下部容器250上方から取り外した上で、その内部表面を清浄化或いは洗浄済みで清浄なものと交換が可能に構成されている。
【0048】
上記の実施例において、ウエハ300をエッチング処理中の処理室内部の圧力は、図示しない真空計からの出力を用いて当該真空計と通信可能に接続された図示しない制御部において検出され、この検出された圧力の値に基づいて当該制御部において算出されて制御部から発信された指令信号を受信したアクチュエータ262の動作による排気部蓋261の上下方向の移動により排気の流量、速度が調節されて処理室内部の圧力が調節される。本実施例では、処理中の圧力は、0.1〜4Paの範囲で予め定められた値に調節される。
【0049】
なお、排気部蓋261は、真空処理ユニット200の内部を大気開放して実施されるメンテナンス作業中にはOリングを挟んで排気開口263を気密に閉塞して排気ポンプ270入口を外気からシール可能に構成されている。下部容器250の内側壁面は上方の処理室内に形成された反応生成物が付着し易いため定常メンテナンスの対象部材となる。
【0050】
プラズマ処理に使用する処理用ガスには、ウエハ300の処理対象の膜層を処理する工程の条件毎に単一種類のガス、あるいは複数種類のガスを最適な流量比で混合されたガスが用いられる。この混合ガスは、その流量がガス流量制御器(図示せず)により調節されこれと連結されたガス導入リング204を介してシャワープレート203と蓋部材202との間のガス滞留用の空間に導入される。本実施例ではステンレス製のガス導入リング204が用いられる。
【0051】
図3及び4を用いて、本実施例におけるウエハ300の真空処理ユニット200と真空搬送室104との間での搬送の態様を説明する。図3は、図1に示す実施例に係る真空処理装置において真空搬送ロボット110が試料Wを真空処理ユニット内部に搬入出する動作を模式的に示す横断面図である。
【0052】
本例において、真空処理ユニット200及び真空搬送室104は、図上左右方向に連結され、真空処理ユニット200を構成する上部容器230、バルブボックス115と搬送室104との各々が、Oリング等のシール材を挟んで接続されて所定の真空度に減圧された内部が外部の大気に対して気密に封止されている。真空搬送室104の内部には、試料を搬送する真空搬送ロボット110が配置されている。上部容器230、バルブボックス115及び搬送室104の各々は、側面にウエハ300が内部を通り搬送される通路であるゲートの開口を有しており、このゲートと開口とを通過して、真空搬送ロボット110のアームの先端部に配置された保持部上に載せられたウエハ300が上部容器230内部の処理室と搬送室104との間で搬送される。
【0053】
また、本実施例では、駆動されて上下方向(図上紙面に垂直な方向)に移動して真空搬送室104及び上部容器230各々のゲートの開口を開放あるいは気密に閉塞する2つのゲートバルブが配置されている。本実施例には、真空搬送室104内に配置され内部に面したゲートの開口を閉塞する第1のゲートバルブ111、及び上部容器230のゲートの外側に配置され当該ゲートの開口の閉塞する第2のゲートバルブ112を備えている。第1ゲートバルブ111は搬送室104の内部に、第2ゲートバルブは上部容器230の外側壁面に接続され真空搬送室104との間でこれらに連結されたバルブボックス115の内部に配置されている。
【0054】
第1のゲートバルブ111および、第2のゲートバルブ112が開いた状態で、真空搬送ロボット110が複数の梁状部材の両端部が関節により連結されて各関節部のアクチュエータやモータの回転により全体を特定の方向に伸長及び収縮させるアーム先端に配置された保持部上にウエハ300を載せた状態で当該アームが伸長することによって、ウエハ300が複数のゲートと通り真空搬送室104内部から上部容器230内の試料台241の載置面上方に搬入される。或いは、アームの収縮の動作によって処理が終了したウエハ300が上部容器230内の試料台241の上方から真空搬送室104内に搬出される。
【0055】
図4は、図1に示す実施例の真空処理ユニット内において試料Wが処理されている最中の真空処理装置の状態を模式的に示す横断面図である。本図において、試料Wが処理されている間は、第2のゲートバルブ1112により上部容器230のゲートの開口は気密に閉塞され処理室内部がバルブボックス115の内部及び真空搬送室104とに対して密封され、この状態で処理室内に形成されたプラズマを用いて試料Wに処理が施される。この際、第1のゲートバルブ111は開いていても良く、また閉じていても良い。
【0056】
第2のゲートバルブ112が閉じている間、第2のゲートバルブ111の弁体は上部容器230の開口周囲の上部容器230の外周側壁と弁体の当接面上の外周縁に沿って配置されたOリング等のシール手段とが当接してゲートを通したガスの通流が防止される。この状態で弁体のOリングの中央側でこれに囲まれて配置された凸部の上面は、上部容器230の円筒形を有した内壁面と一体の壁面を構成するような形状を備えている。
【0057】
つまり、第2のゲートバルブ112の弁体のシール面側中央に配置された凸部は、第2のゲートバルブ112がゲートを閉塞した状態で、上部容器230の内壁または処理室の円筒形状と同軸であってその曲率が同等にされた円弧形状を有している。このことにより、上部容器230の内壁面と第2のゲートバルブ112の弁体の凸部端面で処理室に面する面とによって形成される処理室の形状は、試料台241の中心軸と同軸の円筒の側面を構成する。このことにより、処理室の内側壁面の第2のゲートバルブ112の弁体による凹凸が低減され、処理室内のガスやプラズマの周方向の分布が当該弁体による凹凸の存在のために偏ってしまい、この結果試料Wの処理に不均一が生起してしまうことが抑制される。
【0058】
図5乃至14を用いて、本実施例のプラズマ処理装置のメンテナンスの際の真空容器の着脱の構成について説明する。図5は、図2に示す実施例に係るプラズマ処理装置においてメンテナンスの際に第1の高周波電源201及びソレノイドコイル206のユニットが真空容器から上方に取り外された状態を模式的に示す図である。図5(a)は上方から見た上面図であり、図5(b)は縦断面図である。
【0059】
また、図6及び図7は、図5に示したプラズマ処理装置からさらに真空容器の上部の部材を取り外した状態の当該プラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示した縦断面図である。これらの図において、真空処理ユニット103と真空搬送室104との連結の方向は図3,4に示したものと同等である。
【0060】
図5は、図2に示した真空処理ユニットの構成からソレノイドコイル206と第1高周波電源201とが取り除かれると共に、排気ポンプ270に接続されるベースプレート260の排気開口263が排気部蓋261によって気密に閉塞された真空処理ユニット200の状態を示している。本例では、メンテナンス作業が引き続いて行われた後大気開放される処理室内部と排気ポンプ270の入り口とを排気部蓋261により気密に区画することで、真空ポンプ270をメンテナンス作業中も稼働させておくことにより、メンテナンス後の真空処理ユニット200を立ち上げて処理を実施可能にするまでに要する時間を短縮することができる。
【0061】
次に、処理室内に窒素等の希ガスを導入して内側の圧力を大気圧または僅かに大気圧より大きい圧力まで上昇させる。この状態で、図6に示すように、真空処理ユニット200の真空容器の上部を構成する蓋部材202及びその下方の処理室の天井面を構成するシャワープレート203、石英内筒205を放電ブロック224及びガス導入リング204の上方に移動させて真空容器から取り外す。
【0062】
石英内筒205が取り外された状態で真空処理ユニットの上端には、ガス導入リング204の内周側壁面が内側の大気に露出する。さらに、試料台241と試料台ベース242の支持梁246が露出する。この後、図7に示すように、ガス導入リング204を放電ブロック224上端から上方へ移動させて真空容器本体から取り外す。
【0063】
ここで、本実施例の真空処理ユニットが備える旋回リフター210の構成について、以下に説明する。旋回リフター210は、ベースプレート260の外周側端部でベースプレートに連結され上下方向に延在した少なくとも1つの軸を有する部材であって、当該軸は、真空容器が連結されてこれに沿って上下方向に移動できる軸とその周りに旋回することができるように真空容器が連結されたものとを含んでいる。
【0064】
本実施例の旋回リフター210は、真空容器を構成する2つの容器がこれと連結され上下方向に移動するための上下軸211と、同様に真空容器を構成する2つの容器がこれと連結され水平方向に旋回するための旋回軸212とを備えている。上下軸211はベースプレート260上面から真空容器の上端部を構成するガス導入リング204の上端を超えて延在する円筒または円柱形の部材であって放電ブロックユニット220と試料台ユニット240との各々が上下方向の異なる高さ位置で連結されている。
【0065】
放電ブロックユニット220及び試料台ユニット240の各々の端部は、上下軸211が内側を貫通する貫通孔を備えて当該貫通孔を通して上下軸211に沿って異なる高さに移動可能な部材である旋回ベース214,215と連結され、これら旋回ベース214,215の上下軸211の中心軸方向の移動とともに上下に高さを変更可能に構成されている。旋回ベース214,215の各々は、上下軸211が貫通する貫通孔の軸と並行に中心軸を有する貫通孔内に円筒または円柱形状を有した関節部である旋回軸212−1,212−2を備えている。
【0066】
当該旋回軸212−1,212−2を介して旋回ベース214は放電ブロックユニット220と連結され、旋回ベース215は試料台ユニットと連結されている。そして、放電ブロックユニット220は旋回軸212−1の中心軸周りに回転し、試料台ユニット240は旋回軸212−2の中心軸周りに回転する。
【0067】
図5に示されるように、本実施例では、旋回ベース214,215各々の旋回軸212−1,212−2は、各々が旋回リフター210の上下軸211の図上左側である放電ブロックユニット220及び試料台ユニット240を含む真空容器あるいはバルブボックス115または図示しない真空搬送室104の反対の側に配置されている。これらのユニットが水平方向に回転する軸が旋回リフター210の上下軸211よりも真空処理装置100の前後方向の軸について左右外側に位置していることで、旋回の角度を大きく確保して、放電ブロックユニット220及び試料台ユニット240を真空処理ユニット200の真空容器の中心軸290からより遠い位置に移動でき、各ユニットのメンテナンスの作業のためのスペースをより大きく確保して作業を容易にしてその効率を向上させることが可能となる。
【0068】
本実施例では、上下軸211の旋回ベース214の下方に配置され且つ下方の旋回ベース215を上下方向に貫通して配置されるとともに上下軸211が内部を貫通する筒上の部材であるトラベリングナット213を備えている。トラベリングナット213は、上下軸211の中心軸の方向に円筒形の上下軸211の外周側壁に沿って上下に移動可能に構成されている。
【0069】
また、トラベリングナット213は上下の端部に外周側に延在するリング状のフランジ部を有し、トラベリングナット213が所定の値以上に上方向に移動することによって、フランジ部を含む上端部が旋回ベース214の下面と当接する。トラベリングナット213がさらに上方に移動することにより、旋回ベース214及びこれに連結された放電ブロックユニット220を上方に移動させることができる。
【0070】
そして、さらにトラベリングナット213が上方に移動することにより、下端側のフランジ部上面が旋回ベース215の下面と当接する。この状態からトラベリングナット213がさらに上方に移動することにより、旋回ベース214及び放電ブロックユニット220の対および旋回ベース215と試料台ユニット240との対の両者を共に上方向に移動させることができる。
【0071】
なお、図5,7において、トラベリングナット213は上下軸211の軸方向の移動範囲の下限に位置している状態が示されている。本実施例では、この状態で旋回ベース214下面とこの下面に当接するトラベリングナット213の上端上面の隙間は1〜5mmにされている。また、旋回ベース215の下面とこれに当接するトラベリングナット213の下端側のフランジ上面との隙間は、両者が当接した状態でトラベリングナット213の上端部に載せられている旋回ベース214に連結された放電ブロックユニット220を構成し放電ブロック224の下端部またはリング状の放電ブロックベース221の下端が下方のアースリング225の突起部上端より高くなるように構成され、本実施例では5cmにされているが、これに限定されない。
【0072】
次に、図8及び図9に示すように、放電ブロックユニット220を旋回軸212−1周りに回転させて水平方向(図上左方向)に移動させて下方の真空容器を構成する上部容器230上方から取り除く。図8は、図7に示したプラズマ処理装置からさらに放電ブロックユニット220を取り外した状態の当該プラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示した図である。図8は、放電ブロックユニット220を旋回させた状態を模式的に示すプラズマ処理装置の上面図であり、図9は、放電ブロックユニット220を旋回させた状態を模式的に示すプラズマ処理装置の縦断面図である。
【0073】
これらの図に示されるように、本実施例では、真空容器の保守や点検の作業において大気開放された真空容器を構成する容器の取り外しや作業者の接近のため、旋回ベース214に連結され接続された放電ブロックベース221とこの上に接続されて取り付けられた放電ブロック224及びヒータ222を含む放電ブロックユニット220を、図9矢印310に示すように、まず上下軸211の中心軸に沿って上方へ移動した後、旋回軸212を中心として水平に反時計周りに旋回させることにより試料台241あるいは真空容器の中心軸290の鉛直方向の上方から、旋回リフター210または旋回軸212−1を挟んで試料台241或いは真空処理ユニット200本体と反対の側の箇所に移動させる。
【0074】
当該放電ブロックユニット220の上下軸211の中心軸方向の上方の移動は、トラベリングナット213を上下軸213の円筒形の側壁に沿って上方に移動させ、その上端側のフランジ部上面を旋回ベース214の下面と当接させて更に所定の距離だけ旋回ベース214を上方に移動させ持ち上げることで実施される。この際、トラベリングナット213と旋回ベース215には上記のように1〜5mmの隙間があるため、試料台ユニット240は下部容器250の上に配置された状態のままである。
【0075】
本実施例では、旋回リフター210をベースプレート260の真空容器を挟んでバルブボックス115または真空搬送室104の反対の側の端部で放電ブロックユニット220を反時計方向に旋回可能な位置(図8上では試料台241あるいはアースリング225の左下方)に配置して、放電ブロックユニット220をこの旋回により移動され真空容器上部から取り外される構成としたが、旋回リフター210が配置される位置はこれに限られない。図8上の試料台241あるいはアースリング225の左上方の位置でベースプレート260の端部に配置して、放電ブロックユニット220を時計方向に旋回させて取り外すことのできる構成としても良い。
【0076】
本実施例では、放電ブロックユニット220の取り外しの第一段階としてこれを中心軸290方向の上方に移動させる距離は、放電ブロックユニット220の下端がアースリング225の突起部上端を越える高さ以上とする。本実施例では5cmとしたが、これに限定されない。
【0077】
また、本実施例で放電ブロックユニット220を旋回させる角度は180度であるが、90度以上270度以下の範囲で作業者、使用者の求められる仕様に応じて選択される。発明者らはメンテナンスの作業の効率を考慮して180度±20度を好適と判断した。
【0078】
上記の実施例では、放電ブロック224や放電ブロックベース221、ヒータ222等を放電ブロックユニット220として接続された状態の1つのユニットとして旋回させる。これは、この放電ブロックユニット220には反応生成物の付着の量が相対的に小さく他の真空容器の部品の交換を含む保守、点検の際にもその対象ではないことによる。上記の旋回リフター210及び放電ブロックユニット220との連結の構成により、真空処理ユニット200の上部からこれらを迅速かつ容易に移動させ、保守点検の作業の量が低減され時間が短縮される。
【0079】
図8,9に示した作業により放電ブロックユニット220が真空容器上部から取り外され、真空処理ユニット200の真空容器の上端にはアースリング225が露出する。
【0080】
次に、図10に示すように、アースリング225及び上部容器230を真空容器の下方の部材またはベースプレート260に対して上方へ移動させて真空処理ユニット200から取り外す。図10は、図9に示したプラズマ処理装置からさらにアースリング225及び上部容器230を取り外した状態の当該プラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
【0081】
本実施例では、ウエハ300の処理枚数あるいはプラズマを用いた処理の時間の累計が所定の値を超えたと制御装置が判断すると次のウエハ300の処理の開始は一端延期され、真空処理ユニット200は保守、点検の動作、運転を開始する。この保守、点検では、処理室の内側壁面を構成して処理中に形成される反応生成物がその内側表面に付着する量が相対的に大きい上部容器230は、真空処理ユニット200に取り付けられた状態で当該付着物を布等で拭き取りする清掃作業ではなく、上部容器230を新品あるいは清掃済で内壁表面が清浄な状態の同一構成の別の上部容器230とスワップ(交換)される。
【0082】
上部容器230の取り外しは、ベースプレート260にボルト等のネジでその外周側壁に配置されたフランジ部を通して締結して固定していた上部容器230の当該ネジを取り外して、作業者が上部容器230を上方に持ち上げて行われる。上部容器230が取り付けられた状態で上部容器230の下端部の下面とこれに対向する試料台ベース242の外周側リング状部分の上端部上面との間には上下方向に印加される荷重によりOリング207が挟まれているため、作業者は上部容器230の取り外しの際に変形して上下面の何れかに付着しているOリング207を引き剥す必要があるが、上方の放電ブロックユニット220は旋回ベース214の旋回軸212周りに旋回して旋回リフター210を挟んだベースプレート260またはその上方の真空容器の反対の側の隣接する真空処理装置との間の作業用のスペースに位置し作業者が作業を実施する空間が十分に確保されている。このため、クリーニングを要する上部容器230を取り外し或いは別の上部容器230を取り付けて交換する作業の量や時間が増大することを抑制し作業の効率が向上する。
【0083】
なお、本実施例では、放電ブロックユニット220の移動は、制御装置からの指令により旋回リフター210の動作を調節することにより行われる。このような制御装置は旋回リフター210の動作の調節に専用のものを配置しても良いが、真空処理ユニット200あるいは真空処理装置100の全体の動作を調節する制御装置の一部に当該機能を備えたものとしても良い。上記のように、図10に示した上部容器230を取り外すことにより、試料台241と支持梁246とその外周側に配置されたリング状部分を含む試料台ベース242が露出する。
【0084】
次に、図11,12に示すように、旋回リフター210の旋回ベース215に連結され接続された試料台ベース242及びこれに連結された試料台241及び試料台底部蓋245を含む試料台ユニット240を、矢印320に示すように、旋回軸212−2周りに水平に反時計周りに旋回させ、真空容器または真空処理ユニット200本体から取り外す。図11,12は、図10に示したプラズマ処理装置からさらに試料台ユニット240を取り外した状態の当該プラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示した図である。図11は試料台ユニット240を旋回させた状態を模式的に示すプラズマ処理装置の上面図であり、図12は試料台ユニット240を旋回させた状態を模式的に示すプラズマ処理装置の縦断面図である。
【0085】
本実施例の真空処理ユニット200では、試料台ユニット240は、図12の符号320の矢印に示されるように、まず中心軸290に沿って上方へ所定距離だけ移動された後に、図11に示すように旋回軸212−2周りで反時計周り方向に回転して下方に残される下部容器250の上方から取り外されてベースプレート260の外側の領域に移動される。この際、試料台ユニット240と連結され接続された旋回ベース215が、旋回リフター210の上下軸211の外周側壁に沿って上方に移動するトラベリングナット213の下端部のフランジ部上面と当接し、当該トラベリングナット213と共に上方に所定距離だけ移動して停止する。
【0086】
また、本実施例では試料台ユニット240を反時計方向に旋回させる構成を備えているが、これに限られず旋回リフターをベースプレート260の外周縁部に配置する位置を変えて時計方向に旋回させる構成とすることもできる。また、試料台ユニット240を上方に移動させる距離は、試料台ユニット240と下方に配置されてこれが載せられる下部容器250との間に挟まれたOリング207が試料台ユニット240或いは下部容器250から剥がれる高さ以上とする。このような高さとしては本実施例で1cmにされるがこれに限定されない。
【0087】
また、試料台ユニット240を旋回させる角度は放電ブロックユニット220と同じとなるように設定することが望ましい。このことにより、メンテナンスの作業中に、上方から見た場合に放電ブロックユニット220と試料台ユニット240の両者が占有する面積の合計を小さくすることができる。この結果、隣接する真空処理装置との間の作業用のスペースが増大することが抑制され、その床面上に複数の真空処理装置が配置される建屋における設置可能な真空容器の数をより大きくして製造の効率を高くすることができる。
【0088】
また、試料台241を含む構造を試料台ユニット240として1つのユニットに纏めて旋回させ移動させることにより、真空処理ユニット200からの試料台241等真空容器を構成する部分の取り外しの作業を容易にして短時間で実行可能にすることができる。試料台241上面の載置面には処理中はウエハ300が載置されるため反応生成物は相対的に付着し難い構成となっているため、上部容器230や下部容器250の交換を含む保守、点検を実施する際に常時保守、点検の作業が施されるものとならない。そこで、試料台241を含むこのような部品を纏めて試料台ユニット240として下部容器250上方から取り外して移動させることで、上記下部容器250の保守、点検の作業の量や時間が増大することが抑制される。
【0089】
また、試料台ユニット240の移動も旋回リフター210を制御する制御装置により行われる。試料台ユニット240を旋回軸212−2周りに回転させベースプレート260の外側の領域に移動させることにより、真空処理ユニット200に残された真空容器の上端には下部容器250が露出する。また、排気部蓋261の円形の上面全体が露出する。
【0090】
次に、下部容器250とベースプレート260とをフランジ部で締結していたネジが取り外された後、図13に示すように、下部容器250を上方へ移動させて取り外す。下部容器250が真空処理ユニット200に取り付けられている状態で下部容器250の下面とこれに対向して当接するベースプレート260上面との間には上方からの荷重が印加されて変形したOリング207が挟まれて配置されている。
【0091】
下部容器250の取り外しの際には、変形して付着したOリング207を引き剥すだけの力を加え持ち上げる必要がある。図14に示すように、本実施例では、下部容器250の上方に配置された真空容器を構成する部材である試料台ユニット240や放電ブロックユニット220は、旋回リフター210周りに旋回して平面形が矩形状を有したベースプレート260の外側の領域に移動され、ベースプレート260の周囲に旋回リフター210が配置されておらず作業者が立って作業可能なスペースが形成される。このため、上記下部容器250を持ち上げるに必要な外力を容易に発揮して下部容器250を取り外し、また新品の又は清浄済の別の下部容器230とスワップ(交換)する作業を行うことができる。このような構成により、下部容器250のメンテナンス作業の量やこれに要する時間が低減され、真空処理ユニット200がウエハ300を処理していない、所謂非稼動時間の増大が抑制される。
【0092】
下部容器250を取り外した状態では、ベースプレート260の上面あるいは排気部蓋261の上面が雰囲気に露出するので、図14に示すように、これらについて保守、点検の作業を行うことができる。ベースプレート260の露出部は下部容器250で覆われていたため反応生成物の付着が相対的に少ない。また、円形を有する排気部蓋261の上表面は、試料台241とその中心軸を合致させた位置またはこれと同等の位置に配置され、その径は円筒形を有する試料台241の径を超えないものにされているため、ウエハ300の処理中に形成される反応生成物の付着は相対的に少ないが、これらは必要に応じて清掃することができる。上記の通り、真空処理ユニット200から取り外され保守、点検の作業の対象である真空容器を構成する部材の清掃や交換が実施された後には、取り外しの際と逆の手順で真空処理ユニット200のベースプレート260上に取り付けられ真空容器が組み立てられる。
【0093】
本実施例においては、上記真空容器を構成する蓋部材202、シャワープレート203、ガス導入リング204、石英内筒205、放電ブロックユニット220、アースリング225、上部容器230、試料台ユニット240及び下部容器250の真空処理ユニット200本体からの取り外しの作業において、トラベリングナット213はこれがその外周側壁に沿って移動する円筒形の上下軸211に反次の3ヶ所の高さ位置で停止する。すなわ、(1)下限位置(蓋部材202、シャワープレート203、ガス導入リング204及び石英内筒205の取り外しの期間、図5図7)、(2)中間位置(放電ブロックユニット220、アースリング225及び上部容器230の取り外しの期間、図8図10)、(3)上端位置(試料台ユニット240及び下部容器250の取り外しの期間、図11図14)。本実施例では、トラベリングナット213の上記3つの位置については、図示していない表示灯と連動した位置センサや目盛等で作業者が把握可能に構成されている。
【0094】
また、本実施例では、上部容器230だけでなく下部容器250も交換したが、下部容器250内面を覆うようにライナー(カバー)を取り付け、当該ライナーを交換する構成としてもよい。また、実施例ではメンテナンス作業において旋回リフター210を用いて移動を行う放電ブロックユニット220や試料台ユニット240以外の部品の移動は作業者が自らの手作業で実施する構成であるがクレーン等の起重機を用いても良い。
【0095】
また、本実施例では、真空処理装置としてECRタイプの真空処理装置を用いたが、これに限らず、ICPタイプの装置等々にも適用することができる。また、リンク方式で配列された真空処理ユニットを備えた真空処理装置を用いたが、これに限らず、クラスター方式の装置にも適用することができる。
【0096】
以上説明したように、本実施例によれば、被処理物が大口径化した場合であっても、処理の均一性が良好で(同軸の軸対称排気)で、かつ定常的なメンテナンスだけでなく、非定常的なメンテナンスも効率よく行うことが可能な真空処理装置を提供することができる。
【0097】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある構成の一部を他の構成に置き換えることも可能であり、また、ある構成に他の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0098】
100…真空処理装置、
101…大気ブロック、
102…真空ブロック、
104、104−1、104−2…真空搬送室、
105…ロック室、
106…大気搬送室、
107…カセット台、
108…搬送中間室、
109…大気搬送ロボット、
110、110−1、110−2…真空搬送ロボット、
111…第1のゲートバルブ、
112…第2のゲートバルブ、
115…バルブボックス、
200,200−1,200−2,200−3,200−4…真空処理ユニット、
201…第1の高周波電源、
202…蓋部材、
203…シャワープレート、
204…ガス導入リング、
205…石英内筒、
206…ソレノイドコイル、
207…Oリング、
210…旋回リフター、
211…上下軸、
212,212−1,212−2…旋回軸、
213…トラベリングナット
214…旋回ベース(放電ブロックユニット用)
215…旋回ベース(試料台ユニット用)
220…放電ブロックユニット、
221…放電ブロックベース、
222…ヒータ、
223…第1の温度コントローラ、
224…放電ブロック、
225…アースリング、
230…上部容器、
240…試料台ユニット、
241…試料台、
242…試料台ベース、
243…第2の高周波電源、
244…第2の温度コントローラ、
245…試料台底部蓋、
246…支持梁、
250…下部容器、
260…ベースプレート、
261…排気部蓋、
262…アクチュエータ、
270…排気ポンプ、
280…支柱、
290…中心軸、
300…ウエハ、
310…放電ブロックユニットの動く方向、
320…試料台ユニットの動く方向、
400…作業者。
図1
図2
図3
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