(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面中の対象物は、簡潔にかつ明確にするために例示されたものであり、必ずしも縮図として描かれたものではないことは、当業者には明らかである。例えば、図中の対象物のいくつかの寸法は、実施形態の理解を深める一助となるように、他の対象物に対して誇張されている場合もある。
【0012】
多くの態様および実施形態が、上述されており、例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。本明細書を読んだ後、当業者は、他の態様および実施形態が、本発明の範囲から逸脱せずに可能であることを理解する。
【0013】
いずれかの1つ以上の実施形態の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明から、およびクレームから明らかである。詳細な説明は最初に、用語の定義および説明を記載し、その後、式Iを有する化合物、式IIまたは式IIIを有する化合物、デバイス、そして最後に実施例を記載する。
【0014】
1.用語の定義および説明
後述の実施形態の詳細を扱う前に、いくつかの用語が定義または明らかにされる。他の方法で具体的に定義されない限り、R、R’、R’’および任意の他の記号は総称である。ここに与えられた式の具体的な定義がその式を支配している。
【0015】
用語「隣接した」はそれが置換基を指すとき、単結合または多重結合によって一緒に接合している炭素に結合している基を指す。典型な隣接したR基を以下に示す:
【化4】
【0016】
用語「アルコキシ」は、基RO−(式中、Rがアルキル基である)を意味することを意図する。
【0017】
用語「アルキル」は、脂肪族炭化水素に由来する基を意味することを意図し、直鎖、分岐状、または環状基を包含する。化合物「に由来する」基は、1つ以上のHまたはDの除去によって形成されるラジカルを示す。
【0018】
いくつかの実施形態において、アルキルは1〜20個の炭素原子を有する。
【0019】
用語「芳香族化合物」は、4n+2の非局在化pi電子を有する少なくとも1つの不飽和環状基を含む有機化合物を意味することを意図する。
【0020】
用語「アリール」は、1つ以上の結合点を有する芳香族炭化水素に由来する基を意味することを意図する。この用語は、単環を有する基および単結合によって接合されるかまたは一緒に縮合され得る複数環を有する基を包含する。炭化水素アリール基は、環構造中に炭素だけを有する。ヘテロアリール基は、環構造中に少なくとも1個のヘテロ原子を有する。
【0021】
用語「アルキルアリール」は、1つ以上のアルキル置換基を有するアリール基を意味することを意図する。
【0022】
用語「アリールオキシ」は、基RO−(式中、Rがアリール基である)を意味することを意図する。
【0023】
用語「電荷輸送」は、層、材料、部材または構造に言及している場合、このような層、材料、部材または構造が、比較的効率良くかつ小さい電荷損失で、このような層、材料、部材または構造の厚みを通したこのような電荷の移動を容易にすることを意味することを意図する。正孔輸送材料は正電荷を容易にし、電子輸送材料は負電荷を容易にする。発光材料はいくつかの電荷輸送特性も有していてよいが、用語「電荷輸送層、材料、部材または構造」は、その一次機能が発光である層、材料、部材または構造を含むようには意図されていない。
【0024】
用語「重水素化(されている)」は、少なくとも1つの水素(「H」)がジュウテリウム(「D」)で置換されていることを意味することを意図する。用語「重水素化類似体」は、1つ以上の利用可能な水素がジュウテリウムで置換されている化合物または基の構造類似体を指す。重水素化化合物または重水素化類似体において、ジュウテリウムは、天然存在度レベルの少なくとも100倍存在している。用語「%重水素化されている」または「%重水素化」は、パーセント値で表される重陽子の、プロトン+重陽子の合計に対する比を意味することを意図する。
【0025】
用語「ドーパント」は、ホスト材料を含有する層中で、その層の電子的特性、または放射線の放出、受容、もしくはフィルタリングの目標波長を、そのような材料のない層の電子的特性、または放射線の放出、受容、もしくはフィルタリングの波長に比べて変化させる材料を意味することを意図する。
【0026】
用語「ゲルミル」は、基R
3Ge−(式中、Rが出現ごとに同一であるかまたは異なり、H、D、C1〜20アルキル、重水素化アルキル、フルオロアルキル、アリール、または重水素化アリールである)を指す。
【0027】
接頭辞「ヘテロ」は、1個以上の炭素原子が異なる原子で置換されていることを示す。いくつかの実施形態において、異なった原子はN、O、またはSである。
【0028】
用語「ホスト材料」は、ドーパントが添加されてもよい、通常は層の形態の材料を意味することを意図する。ホスト材料は、電子的特性、或いは放射を放出、受容、またはフィルターする能力を有する場合も有さない場合もある。
【0029】
用語「ルミネセント材料」、「発光材料」および「発光体」は、(例えば発光ダイオードまたは発光電気化学セルにおいて)印加電圧によって活性化される時に発光する材料を意味することを意図する。用語「青色ルミネセント材料」は、約445〜490nmの範囲の波長において発光最大を有する放射線を放射することができる材料を意味することを意図する。
【0030】
「層」という用語は、「フィルム」という用語と交換可能に使用され、所望の領域を覆うコーティングを指す。この用語はサイズによって限定されない。この領域は、全体デバイスと同じくらい大きい、または実際の表示装置などの特定の機能領域と同じくらい小さい、または単一のサブピクセルと同じくらい小さいものであり得る。層および薄膜は、蒸着、液体堆積(連続技術および不連続技術)、ならびに熱転写などの、任意の従来の堆積技術によって形成することができる。連続堆積技術には、限定されないが、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、吹付けコーティング、および連続ノズルコーティングまたは印刷が含まれる。不連続堆積技術には、限定されないが、インクジェット印刷、グラビア印刷、およびスクリーン印刷が含まれる。
【0031】
用語「N−へテロ環」または「N−ヘテロアリール」は芳香環に少なくとも1つの窒素を有するヘテロ芳香族化合物または基を意味する。
【0032】
用語「N、O、S−へテロ環」または「N、O、S−ヘテロアリール」は、ヘテロ原子がN、O、またはSである少なくとも1つのヘテロ原子を芳香環に有するヘテロ芳香族化合物または基を意味する。N、O、S−へテロ環は、2種類以上のヘテロ原子を有してもよい。
【0033】
用語「有機電子デバイス」または時々単に「電子デバイス」は、1つ以上の有機半導体層または材料を含有するデバイスを意味することを意図する。
【0034】
用語「光活性」は、(発光ダイオードまたは化学セルでのような)印加電圧によって活性化される時に発光するか、または(光検出器または光起電力セルでのような)輻射エネルギーに応答し、印加バイアス電圧を使用してまたは使用せずに信号を生成する材料または層を意味する。光活性材料または層は時々、発光層と称される。光活性層はここでは「EML」と略される。
【0035】
用語「シラシクロアルキル」は、1個以上の炭素がケイ素で置き換えられている環状アルキル基を意味する。
【0036】
用語「シラスピロフルオレニル」は、スピロ炭素がケイ素で置き換えられているスピロフルオレニル基を意味する。
【0037】
用語「シロキサン」は、基R
3SiO(R
2Si)−(式中、Rが出現ごとに同一であるかまたは異なり、H、D、C1〜20アルキル、重水素化アルキル、フルオロアルキル、アリール、または重水素化アリールである)を指す。いくつかの実施形態においては、Rアルキル基における1つ以上の炭素は、Siで置き換えられる。
【0038】
用語「シロキシ」は、基R
3SiO−(式中、Rが出現ごとに同一であるかまたは異なり、H、D、C1〜20アルキル、重水素化アルキル、フルオロアルキル、アリール、または重水素化アリールである)を指す。
【0039】
用語「シリル」は、基R
3Si−(式中、Rが出現ごとに同一であるかまたは異なり、H、D、C1〜20アルキル、重水素化アルキル、フルオロアルキル、アリール、または重水素化アリールである)を指す。いくつかの実施形態においては、Rアルキル基における1つ以上の炭素は、Siで置き換えられる。
【0040】
用語「スピロフルオレニル」は以下の化合物に由来する基を意味し、そこで中心炭素はスピロ炭素と称される。
【化5】
【0041】
全ての基が非置換であっても置換されていてもよい。置換基は以下に考察される。以下に示されるように置換基の結合が1つ以上の環を貫通する構造において、
【化6】
置換基Rが1つ以上の環上の任意の利用可能な位置で結合していてもよいことが意味される。
【0042】
以下の式または式の組合せのいずれかにおいて、2回以上存在しているa−h、k、p、q、r、s、a1、b1、およびk1などの任意の記号は、出現ごとに同一であるかまたは異なっていてもよい。
【0043】
本明細書において、特に明示的に述べられないか、または使用に関連して反対に示されない限り、本明細書の主題の実施形態が、ある特定の特徴または要素を含む、包含する、含有する、有する、それらからなる、またはそれらによって若しくはそれらから構成されると述べられまたは記載される場合、明示的に述べられたまたは記載されたものに加えて1つ以上の特徴または要素が実施形態で存在してもよい。本明細書の開示された主題の代わりの実施形態が、ある特定の特徴または要素から本質的になると記載され、この実施形態では、操作の原理または実施形態の際立った特性を実質的に変更する特徴および要素はそこに存在しない。本明細書の記載された主題の更なる代わりの実施形態が、ある特定の特徴または要素からなると記載され、この実施形態において、またはその実態のない変形形態では、具体的に述べられまたは記載された特徴または要素のみが存在する。
【0044】
また、「a」または「an」の使用は、ここに記載された要素および成分を記載するために使用される。これは便宜上、および本発明の範囲の一般的な意味を与えるためになされているに過ぎない。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むように解釈されなければならず、且つそれが別の意味を有することが明らかでない限り、単数は複数も含む。
【0045】
元素の周期表の縦列に相当する族番号が、CRC Handbook of Chemistry and Physics,81
st Edition(2000〜2001年)に見られるように「新表記法」規約を使用する。
【0046】
他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記載されるものと同様のまたは同等な方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料は、以下に記載される。更に、材料、方法、および実施例は例示に過ぎず、限定的であることを意図しない。
【0047】
ここに記載されていない範囲まで、特定の材料、処理動作、および回路に関する多くの詳細は従来のものであり、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光起電力セル、および半導体部材技術のテキストおよびその他の情報源に見出すことができる。
【0048】
2.式Iを有する化合物
いくつかの実施形態において、ここに記載される化合物は、式I
【化7】
[式中、
Ar
1〜Ar
6が同一であるかまたは異なり、炭化水素アリール基、ヘテロアリール基、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、
aおよびbが同一であるかまたは異なり、0または1であり、
mおよびnが同一であるかまたは異なり、0または1であり、但し、a+b+m+n≧1であり、
核が式IA、式IB、および式IC
【化8】
(式中、
Yが出現ごとに同一であるかまたは異なり、O、S、Se、Te、NR
2、CR
3R
4、およびSiR
5R
6からなる群から選択され、
R
2が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、
R
3〜R
6が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、R
3およびR
4および/またはR
5およびR
6が接合して、シクロアルキル、シラシクロアルキル、スピロフルオレニル、シラスピロフルオレニル、またはそれらの置換誘導体からなる群から選択される環状基を形成することができ、
a1およびb1が同一であるかまたは異なり、0または1であり、
2つの環の間の二重破線は、環が任意の配向で一緒に接合していることを示し、
*が同定式における結合点を示し、
#および##が同定式において結合なしまたは結合点を表し、a1=0である場合#が結合点であり、a1=1である場合#が結合なしであり、b1=0である場合##が結合点であり、およびb1=1である場合##が結合なしである)からなる群から選択され、
さらに、核が、D、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい]を有する。
【0049】
式Iにおいて、核基は、1つまたは2つの任意選択のジアリールアミノ置換基と1つまたは2つの任意選択のアリールスペーサー基(Ar
1およびAr
2)とを有する。
【0050】
式Iのいくつかの実施形態において、式Iに明示的に示される基以外のアミノ基はない。
【0051】
式Iのいくつかの実施形態において、2つ以下のアミノ基が存在している。
【0052】
式Iのいくつかの実施形態において、m=n=0であり、化合物はホスト材料として有用である。
【0053】
式Iのいくつかの実施形態において、m+n=1である。
【0054】
式Iのいくつかの実施形態において、m=n=1である。
【0055】
いくつかの実施形態において、mおよびnの少なくとも1つが1である式Iを有する化合物が発光材料として有用である。いくつかの実施形態において、化合物は青色発光材料である。それらは単独でまたはホスト材料中のドーパントとして使用することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、式Iを有する化合物(m=n=1である)は発光材料として有用である。いくつかの実施形態において、化合物は青色発光材料である。それらは単独でまたはホスト材料中のドーパントとして使用することができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、mおよびnの一方または両方が1である式Iを有する化合物は深い青色を有する。本明細書中で用いられるとき、用語「深い青色」は、C.I.E.色度スケール(国際照明委員会、1931)による、0.10未満のC.I.E.y座標を意味する。いくつかの実施形態において、式Iを有する化合物は、0.10未満、いくつかの実施形態において、0.090未満のフォトルミネセンスy座標を有する。
【0058】
いくつかの実施形態において、mおよびnの一方または両方が1である式Iを有する化合物は非常に狭い放射プロファイルを有する。いくつかの実施形態において、放射プロファイルは、75nm未満、いくつかの実施形態において、60nm未満、いくつかの実施形態において、50nm未満、いくつかの実施形態において、40nm未満、いくつかの実施形態において、30nm未満である最大強度の半分における幅(半値全幅、「FWHM」)を有する。これは、より飽和した色を生じさせるためのディスプレイデバイスのために有利である。
【0059】
いくつかの実施形態において、式Iを有する化合物は、少なくとも10mg/mL、いくつかの実施形態において、少なくとも15mg/mL、いくつかの実施形態において、少なくとも20mg/mLトルエン中の溶解度を有する。これは、精製および最適なデバイス性能のための溶液加工のために有利である。
【0060】
いくつかの実施形態において、式Iを有する化合物は、10トールにおいて750℃未満、いくつかの実施形態において、10トールにおいて600℃未満、いくつかの実施形態において、10トールにおいて500℃未満の昇華温度を有する。これは精製のために有利である。
【0061】
いくつかの実施形態において、mおよびnの一方または両方が1である式Iを有する化合物は、高いフォトルミネセンス量子収率(「PLQY」)を有する。フォトルミネセンス量子収率は、フォトルミネセンスによって放出される光子の、吸収される光子に対する比であり、標準化合物のパーセンテージとして表される。増加したPLQYは、デバイスの増加した効率に寄与することができる。いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、1N硫酸中の二硫酸キニーネの標準液の少なくとも90%である溶液PLQYを有する。
【0062】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物を含有するデバイスは改良された効率を有する。いくつかの実施形態において、式Iを含有するデバイスの電流効率は、1000ニトにおいて4.5cd/A超、いくつかの実施形態において、1000ニトにおいて5.0cd/A超である。
【0063】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物を含有するデバイスは、1000ニトの初期輝きにおいて増加した寿命を有する。いくつかの実施形態において、式Iの化合物を含有するデバイスは、電流密度>15mA/cm
2において50℃で1000時間超のT70を有する。本明細書中で用いられるとき、T70は初期輝きの70%に達する時間を意味する。いくつかの実施形態において、式Iの化合物を含有するデバイスは、50℃で1500時間超のT70を有する。
【0064】
いくつかの実施形態において、mおよびnの一方または両方が1である式Iの化合物を発光材料として含有するエレクトロルミネセンスデバイスは深い青色を有する。いくつかの実施形態において、C.I.E.x座標は0.15未満であり、C.I.E.y座標は0.10未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.090未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.080未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.070未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.060未満である。
【0065】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、フィルム中にドープされる時に高度の水平整列を有する。「水平整列」および「水平配向」は、放射双極子が基材に平行になっていることを意味することを意図する。増加した水平整列は、デバイスのより高い効率に寄与することができる。いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、90%より高い水平配向を有する。
【0066】
式Iのいくつかの実施形態において、化合物は重水素化される。いくつかの実施形態において、化合物は少なくとも10%重水素化されており、いくつかの実施形態において、少なくとも20%重水素化されており、いくつかの実施形態において、少なくとも30%重水素化されており、いくつかの実施形態において、少なくとも40%重水素化されており、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化されており、いくつかの実施形態において、少なくとも60%重水素化されており、いくつかの実施形態において、少なくとも70%重水素化されており、いくつかの実施形態において、少なくとも80%重水素化されており、いくつかの実施形態において、少なくとも90%重水素化されており、いくつかの実施形態において、100%重水素化されている。
【0067】
式Iのいくつかの実施形態において、重水素置換が核基上に存在している。
【0068】
式Iのいくつかの実施形態において、重水素置換が一方または両方のジアリールアミノ基上に存在している。
【0069】
式Iのいくつかの実施形態において、重水素置換がアリールスペーサー基の一方または両方の上に存在している。
【0070】
式Iのいくつかの実施形態において、重水素置換が核基、ジアリールアミノ基、およびスペーサー基の2つ以上の上に存在している。
【0071】
式Iのいくつかの実施形態において、a=0である。
【0072】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1である。
【0073】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、炭化水素アリール基、ヘテロアリール基、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、そこで置換誘導体はD、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される置換基だけを有し、他の置換基を有さない。
【0074】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は非置換炭化水素アリールである。
【0075】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、6〜30個の環炭素、いくつかの実施形態において6〜18個の環炭素を有する炭化水素アリールまたはその重水素化類似体である。
【0076】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は置換炭化水素アリールであり、そこで置換基は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される。
【0077】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、フェナントリル、それらの重水素化類似体、ならびにD、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0078】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、フェナントリル、それらの重水素化類似体、ならびにD、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0079】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、フェニル、ビフェニル、ナフチルおよびそれらの置換誘導体からなる群から選択される。
【0080】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、フェニル、ビフェニル、ナフチルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
【0081】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は式c
【化9】
[式中、
R
7が出現ごとに同一であるかまたは異なり、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミルからなる群から選択され、
pが出現ごとに同一であるかまたは異なり、0〜4の整数であり、
sが0〜4の整数であり、
rが0〜5の整数であり、
*が同定式における結合点を示す]を有する。
【0082】
式cのいくつかの実施形態において、p=s=0である。
【0083】
式cのいくつかの実施形態において、p>0である。
【0084】
式cのいくつかの実施形態において、s>0である。
【0085】
式cのいくつかの実施形態において、p>0であり、R
7=Dである。
【0086】
式cのいくつかの実施形態において、s>0であり、R
7=Dである。
【0087】
式cのいくつかの実施形態において、p>0であり、R
7=アルキルまたは重水素化アルキルである。
【0088】
式cのいくつかの実施形態において、s>0であり、R
7=アルキルまたは重水素化アルキルである。
【0089】
式cのいくつかの実施形態において、r=1〜3である。
【0090】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、式d
【化10】
[式中、R
7、p、r、s、および*は式cの場合と同様である。式cのR
7、p、r、およびsの上述の実施形態の全てが、式dのR
7、p、r、およびsに同様に当てはまる]を有する。
【0091】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は非置換ヘテロアリールである。
【0092】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、3〜30個の環炭素、いくつかの実施形態において、3〜18個の環炭素を有するヘテロアリールまたはその重水素化類似体である。
【0093】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は置換ヘテロアリールであり、そこで置換基は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される。
【0094】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、ヘテロアリールおよび重水素化ヘテロアリールからなる群から選択され、そこでヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される少なくとも1つの環原子を有する。
【0095】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、Nである少なくとも1つの環原子を有するN−ヘテロアリールまたは重水素化N−ヘテロアリールである。
【0096】
いくつかの実施形態において、N−ヘテロアリールは、ピロール、ピリジン、ピリミジン、カルバゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、イミダゾロベンゾイミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾロピリジン、インドロカルバゾール、フェナントロリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、インドール、インドロインドール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される化合物に由来する。
【0097】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、Oである少なくとも1つの環原子を有するO−ヘテロアリールである。
【0098】
いくつかの実施形態において、O−ヘテロアリールは、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される化合物に由来する。
【0099】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1が存在しており、Sである少なくとも1つの環原子を有するS−ヘテロアリールである。
【0100】
いくつかの実施形態において、S−ヘテロアリールは、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される化合物に由来する。
【0101】
式Iのいくつかの実施形態において、a=1であり、Ar
1は、Nである少なくとも1つの環原子とOである少なくとも1つの環原子とを有するN,O−ヘテロアリールである。
【0102】
いくつかの実施形態において、N,O−ヘテロアリールは、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、オキサジン、フェノキサジン、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される化合物に由来する。
【0103】
式Iのいくつかの実施形態において、b=0である。
【0104】
式Iのいくつかの実施形態において、b=1である。
【0105】
式IのAr
1の上述の実施形態の全てが式IのAr
2に同様に当てはまる。
【0106】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
1=Ar
2である。
【0107】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
1≠Ar
2である。
【0108】
式Iのいくつかの実施形態において、m=0である。
【0109】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1である。
【0110】
式Iのいくつかの実施形態において、n=0である。
【0111】
式Iのいくつかの実施形態において、n=1である。
【0112】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は、炭化水素アリール基、ヘテロアリール基、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、そこで置換誘導体はD、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される置換基だけを有し、他の置換基を有さない。
【0113】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は2つ以下の縮合環を有する。
【0114】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3はフルオレンでも置換フルオレンでもない。
【0115】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3はカルバゾールでも置換カルバゾールでもない。
【0116】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は、6〜30個の環炭素、いくつかの実施形態において6〜18個の環炭素を有する炭化水素アリールまたはその重水素化類似体である。
【0117】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は、式a:
【化11】
[式中、
R
8が出現ごとに同一であるかまたは異なり、D、F、CN、アルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、アルコキシ、シロキシ、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化アリールオキシ、重水素化ヘテロアリール、重水素化アルコキシ、重水素化シロキサン、重水素化シリル、重水素化ゲルミルからなる群から選択され、隣接したR
8基が一緒に接合して縮合環を形成することができ、
pが出現ごとに同一であるかまたは異なり、0〜4の整数であり、
qが、0〜5の整数であり、
rが0〜5の整数であり、
*が同定式における結合点を示す]を有する。
【0118】
式aのいくつかの実施形態において、p=qs=0である。
【0119】
式aのいくつかの実施形態において、p>0である。
【0120】
式aのいくつかの実施形態において、q>0である。
【0121】
式aのいくつかの実施形態において、p>0であり、R
7=Dである。
【0122】
式aのいくつかの実施形態において、q>0であり、R
7=Dである。
【0123】
式aのいくつかの実施形態において、p>0であり、R
7=アルキルまたは重水素化アルキルである。
【0124】
式aのいくつかの実施形態において、q>0であり、R
7=アルキルまたは重水素化アルキルである。
【0125】
式aのいくつかの実施形態において、r=1〜3である。
【0126】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3が式b
【化12】
(式中、R
8、p、q、rおよび*は式aの場合と同様である)を有する。式aのR
7、p、q、およびrの上述の実施形態の全てが、式bのR
7、p、q、およびrに同様に当てはまる。
【0127】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は式c
【化13】
(式中、R
8、p、q、rおよび*が式aの場合と同様である)を有する。
【0128】
式aのいくつかの実施形態において、p=0である。
【0129】
式aのいくつかの実施形態において、p=1である。
【0130】
式aのいくつかの実施形態において、p=2である。
【0131】
式aのいくつかの実施形態において、p=3である。
【0132】
式aのいくつかの実施形態において、p=4である。
【0133】
式aのいくつかの実施形態において、p>0である。
【0134】
式aのいくつかの実施形態において、q=0である。
【0135】
式aのいくつかの実施形態において、q=1である。
【0136】
式aのいくつかの実施形態において、q=2である。
【0137】
式aのいくつかの実施形態において、q=3である。
【0138】
式aのいくつかの実施形態において、q=4である。
【0139】
式aのいくつかの実施形態において、q=5である。
【0140】
式aのいくつかの実施形態において、q>0である。
【0141】
式aのいくつかの実施形態において、pおよびqの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
8=Dである。
【0142】
式aのいくつかの実施形態において、pおよびqの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
8が、1〜12個の炭素、いくつかの実施形態において1〜8個の炭素を有するアルキルまたは重水素化アルキルである。
【0143】
式aのいくつかの実施形態において、pおよびqの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
8が、トリアルキルシリルまたは重水素化トリアルキルシリルである。いくつかの実施形態において、トリアルキルシリル基のアルキル部分が1〜8個の炭素、いくつかの実施形態において、1〜3個の炭素を有する。
【0144】
式aのいくつかの実施形態において、pおよびqの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
8が、6〜24個の環炭素を有する非置換炭化水素アリールである。
【0145】
式aのいくつかの実施形態において、pおよびqの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
8が、6〜24個の環炭素を有し且つD、アルキル、シリル、重水素化アルキル、重水素化シリル、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する炭化水素アリールである。
【0146】
式aのいくつかの実施形態において、pおよびqの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
8が、D、1〜8個の炭素を有するアルキル、トリアルキルシリル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル、ビフェニル、置換ビフェニル、テルフェニル、および置換テルフェニルからなる群から選択され、そこで置換基は、D、アルキル、シリル、重水素化アルキル、重水素化シリル、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0147】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、フェナントリル、ならびにD、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0148】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、フェナントリル、ならびにD、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0149】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は、D、F、CN、アルキル、アルコキシ、シリル、シロキシ、シロキサン、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、カルバゾリル、重水素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化シリル、重水素化シロキシ、重水素化シロキサン、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、重水素化ヘテロアリール、重水素化ジアリールアミノ、および重水素化カルバゾリルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0150】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は、D、F、CN、アルキル、アルコキシ、シリル、シロキシ、シロキサン、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化シリル、重水素化シロキシ、重水素化シロキサン、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0151】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3は、D、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0152】
式IにおけるAr
3について上述の実施形態の全てが式IにおけるAr
4、Ar
5、およびAr
6に同様に当てはまる。
【0153】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
3=Ar
4である。
【0154】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
3≠Ar
4である。
【0155】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
5=Ar
6である。
【0156】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
5≠Ar
6である。
【0157】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
3=Ar
6である。
【0158】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
4=Ar
5である。
【0159】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
3=Ar
6およびAr
4=Ar
5である。
【0160】
式Iのいくつかの実施形態において、Ar
3、Ar
4、Ar
5、およびAr
6は全て異なっている。
【0161】
式Iのいくつかの実施形態において、m=1であり、Ar
3およびAr
4が一緒に接合してカルバゾリル基を形成する。いくつかの実施形態においてカルバゾリル基は非置換である。いくつかの実施形態において、カルバゾリル基は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、および重水素化炭化水素アリールからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0162】
式Iのいくつかの実施形態において、n=1であり、Ar
5およびAr
6が一緒に接合してカルバゾリル基を形成する。いくつかの実施形態においてカルバゾリル基は非置換である。いくつかの実施形態において、カルバゾリル基は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、および重水素化炭化水素アリールからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0163】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は式IA
【化14】
[式中、
Yが出現ごとに同一であるかまたは異なり、O、S、Se、Te、NR
2、CR
3R
4、およびSiR
5R
6からなる群から選択され、
R
2が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、
R
3〜R
6が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、R
3およびR
4および/またはR
5およびR
6が接合して、シクロアルキル、シラシクロアルキル、スピロフルオレニル、シラスピロフルオレニル、またはそれらの置換誘導体からなる群から選択される環状基を形成することができ、
2つの環の間の二重破線は、環が任意の配向で一緒に接合していることを示し、
*が同定式における結合点を示し、
さらに、D、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基が存在してもよい]を有する。
【0164】
式IAのいくつかの実施形態において、Y=Oである。
【0165】
式IAのいくつかの実施形態において、Y=Sである。
【0166】
式IAのいくつかの実施形態においては、Y=Seである。
【0167】
式IAのいくつかの実施形態においては、Y=Teである。
【0168】
式IAのいくつかの実施形態においては、Y=NR
2である。
【0169】
式IAのいくつかの実施形態において、Y=CR
3R
4である。
【0170】
式IAのいくつかの実施形態において、Y=SiR
5R
6である。
【0171】
式IAのいくつかの実施形態において、Yは、O、S、およびSeからなる群から選択される。
【0172】
式IAのいくつかの実施形態において、Yは、CR
3R
4およびSiR
5R
6からなる群から選択される。
【0173】
式IAのいくつかの実施形態において、Yは、O、NR
2、およびCR
3R
4からなる群から選択される。
【0174】
式IAのいくつかの実施形態において、両方のYが同じである。
【0175】
式IAのいくつかの実施形態において、R
2は、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、そこで置換誘導体はD、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される置換基だけを有し、他の置換基を有さない。
【0176】
式IAのいくつかの実施形態において、R
2は、6〜30個の環炭素を有する非置換炭化水素アリールである。
【0177】
式IAのいくつかの実施形態において、R
2は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有する炭化水素アリールである。
【0178】
式IAのいくつかの実施形態において、R
2は、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、フェナントリル、ならびにD、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0179】
式IAのいくつかの実施形態において、R
2は非置換ヘテロアリールである。
【0180】
式IAのいくつかの実施形態において、R
2は非置換アルキルである。
【0181】
式IAのいくつかの実施形態において、R
2は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するヘテロアリールである。
【0182】
式IAのいくつかの実施形態において、R
2は、N−ヘテロアリールまたはその置換誘導体である。
【0183】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3は、置換アルキル、置換シリル、置換ゲルミル、置換炭化水素アリール、および置換ヘテロアリールからなる群から選択され、そこで置換基は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される。
【0184】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3は、置換アルキル、置換シリル、置換ゲルミル、置換炭化水素アリール、および置換ヘテロアリールからなる群から選択され、そこで置換基は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択されるだけであり、他の置換基は存在していない。
【0185】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3は、1〜20個の炭素原子を有するアルキルまたはその重水素化類似体;いくつかの実施形態において、1〜12個の炭素である。
【0186】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3は、6〜30個の環炭素を有する非置換炭化水素アリールである。
【0187】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有する炭化水素アリールである。
【0188】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3は、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、ならびにD、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0189】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3は非置換ヘテロアリールである。
【0190】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するヘテロアリールである。
【0191】
式IAのR
3の上述の実施形態の全てが、式IAのR
4、R
5、およびR
6に同様に当てはまる。
【0192】
式IAのいくつかの実施形態において、R
3およびR
4が接合してシクロアルキル、シラシクロアルキル、スピロフルオレニル、シラスピロフルオレニル、またはそれらの置換誘導体からなる群から選択される環状基を形成し、そこで置換基は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される。
【0193】
式IAのいくつかの実施形態において、R
5およびR
6が接合してシクロアルキル、シラシクロアルキル、スピロフルオレニル、シラスピロフルオレニル、またはそれらの置換誘導体からなる群から選択される環状基を形成し、そこで置換基は、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される。
【0194】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は、式IA−a〜式IA−tからなる群から選択される式
【化15】
【化16】
【化17】
[式中、
Yが出現ごとに同一であるかまたは異なり、O、S、Se、Te、NR
2、CR
3R
4、およびSiR
5R
6からなる群から選択され、
R
1が出現ごとに同一であるかまたは異なり、D、F、CN、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、炭化水素アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリル、シロキサン、シロキシ、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化部分フッ素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化炭化水素アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化ヘテロアリール、重水素化ヘテロアリール重水素化シリル、重水素化シロキサン、重水素化シロキシ、および重水素化ゲルミルからなる群から選択され、
R
2が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、
R
3〜R
6が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、R
3およびR
4および/またはR
5およびR
6が接合してシクロアルキル、シラシクロアルキル、スピロフルオレニル、シラスピロフルオレニル,またはaそれらの置換誘導体からなる群から選択される環状基を形成することができ、
cおよびdが同一であるかまたは異なり、0〜3の整数であり、
gおよびhが同一であるかまたは異なり、0〜2の整数であり、
kが0〜4の整数であり、
*が同定式における結合点を示す]を有する。
【0195】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c=0である。
【0196】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c=1である。
【0197】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c=2である。
【0198】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c=3である。
【0199】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c>0である。
【0200】
式IA−aのいくつかの実施形態において、d=0である。
【0201】
式IA−aのいくつかの実施形態において、d=1である。
【0202】
式IA−aのいくつかの実施形態において、d=2である。
【0203】
式IA−aのいくつかの実施形態において、d=3である。
【0204】
式IA−aのいくつかの実施形態において、d>0である。
【0205】
式IA−aのいくつかの実施形態において、g=0である。
【0206】
式IA−aのいくつかの実施形態において、g=1である。
【0207】
式IA−aのいくつかの実施形態において、g=2である。
【0208】
式IA−aのいくつかの実施形態において、g>0である。
【0209】
式IA−aのいくつかの実施形態において、h=0である。
【0210】
式IA−aのいくつかの実施形態において、h=1である。
【0211】
式IA−aのいくつかの実施形態において、h=2である。
【0212】
式IA−aのいくつかの実施形態において、h>0である。
【0213】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c、d、g、およびhの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1がDである。
【0214】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c、d、g、およびhの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1が、6〜18個の環炭素を有する炭化水素アリールまたは置換誘導体である。
【0215】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c、d、g、およびhの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1が、上で定義した式aを有する。
【0216】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c、d、g、およびhの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1が、上で定義した式bを有する。
【0217】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c、d、g、およびhの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1が、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、それらのアルキル置換誘導体、それらのシリル置換誘導体、それらのジアリールアミノ置換誘導体、およびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
【0218】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c、d、g、およびhの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1が、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、それらのアルキル置換誘導体、それらのシリル置換誘導体、およびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
【0219】
式IA−aのいくつかの実施形態において、c=d=g=h=0である。
【0220】
式IA−aのc、d、g、h、およびR
1の上述の実施形態の全てが、式IA−b〜IA−pのc、d、g、h、およびR
1に同様に当てはまる。
【0221】
式IAのYの上述の実施形態の全てが、式IA−a〜式IA−tのYに同様に当てはまる。
【0222】
式IAのR
2の上述の実施形態の全てが、式IA−a〜式IA−tのR
2に同様に当てはまる。
【0223】
式IAのR
3、R
4、R
5、およびR
6の上述の実施形態の全てが、式IA−a〜式IA−tのR
3、R
4、R
5、およびR
6に同様に当てはまる。
【0224】
式IA−qのいくつかの実施形態において、k=0である。
【0225】
式IA−qのいくつかの実施形態において、k=1である。
【0226】
式IA−qのいくつかの実施形態において、k=2である。
【0227】
式IA−qのいくつかの実施形態において、k=3である。
【0228】
式IA−qのいくつかの実施形態において、k=4である。
【0229】
式IA−qのいくつかの実施形態において、k>0である。
【0230】
式IA−qのいくつかの実施形態において、c、d、およびkの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1がDである。
【0231】
式IA−qのいくつかの実施形態において、c、d、およびkの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1が、6〜18個の環炭素を有する炭化水素アリールまたは置換誘導体である。
【0232】
式IA−qのいくつかの実施形態において、c、d、およびkの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1は、上で定義した式aを有する。
【0233】
式IA−qのいくつかの実施形態において、c、d、およびkの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1は、上で定義した式bを有する。
【0234】
式IA−qのいくつかの実施形態において、c、d、およびkの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1が、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、それらのアルキル置換誘導体、それらのシリル置換誘導体、それらのジアリールアミノ置換誘導体、およびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
【0235】
式IA−qのいくつかの実施形態において、c、d、およびkの少なくとも1つが0より大きく、少なくとも1つのR
1が、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、それらのアルキル置換誘導体、それらのシリル置換誘導体、およびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
【0236】
式IA−qのいくつかの実施形態において、c=d=k=0である。
【0237】
式IA−qのc、d、k、およびR
1の上述の実施形態の全てが、式IA−r〜IA−tのc、d、k、およびR
1に同様に当てはまる。
【0238】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は式IA−a1、式IA−a2、式IA−b1、式IA−b2、式IA−c1、または式IA−c2
【化18】
(式中、c、d、g、h、R
1、および*は上で定義した通りである)を有する。
【0239】
A−aのc、d、g、h、およびR
1の上述の実施形態の全てが、式IA−a1、式IA−a2、式IA−b1、式IA−b2、式IA−c1、および式IA−c2のc、d、g、h、およびR
1に同様に当てはまる。
【0240】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は、式IB
【化19】
[式中、
Yが出現ごとに同一であるかまたは異なり、O、S、Se、Te、NR
2、CR
3R
4、およびSiR
5R
6からなる群から選択され、
R
2が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、
R
3〜R
6が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、R
3およびR
4および/またはR
5およびR
6が接合して、シクロアルキル、シラシクロアルキル、スピロフルオレニル、シラスピロフルオレニル、またはそれらの置換誘導体からなる群から選択される環状基を形成することができ、
a1およびb1が同一であるかまたは異なり、0または1であり、
2つの環の間の二重破線は、環が任意の配向で一緒に接合していることを示し、
*が同定式における結合点を示し、
#および##が同定式において結合なしまたは結合点を表し、a1=0である場合#が結合点であり、a1=1である場合#が結合なしであり、b1=0である場合##が結合点であり、およびb1=1である場合##が結合なしであり、
さらに、D、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基が存在してもよい]を有する。
【0241】
式IBにおいて、2つの末端ベンゾ基が存在する。式IBを有する核基は、末端ベンゾ基から式Iに結合している。
【0242】
式IBのいくつかの実施形態において、a1=b1=0であり、核基は構造
【化20】
を有する。
【0243】
式IBのいくつかの実施形態において、a1=b1=1であり、核基は構造
【化21】
を有する。
【0244】
式IBのいくつかの実施形態において、a1=1およびb1=0であり、核基は構造
【化22】
を有する。
【0245】
式IBのいくつかの実施形態において、a1=0およびb1=1であり、核基は構造
【化23】
を有する。
【0246】
上述の4つの構造において、*が同定式における結合点を示す。
【0247】
式IBのいくつかの実施形態において、全てのY基は同じである。
【0248】
式IBのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのY基は他のY
1〜Y
5基と異なる。
【0249】
式IAのY、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6の上述の実施形態の全てが、式IBのY、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6に同様に当てはまる。
【0250】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は以下の式IB−a〜IB−mの1つを有するが、それはこれらの異性体に限られない。
【化24】
(式中、wは、0から利用可能な結合位置の最大数の整数であり、Y、R
1、および*は上で定義した通りである)。
【0251】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=0である。
【0252】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=1である。
【0253】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=2である。
【0254】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=3である。
【0255】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=4である。
【0256】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=5である。
【0257】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=6である。
【0258】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=7である。
【0259】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=8である。
【0260】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=9である。
【0261】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=10である。
【0262】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=11である。
【0263】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=12である。
【0264】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w=利用可能な結合位置の最大数である。
【0265】
式IB−a〜式IB−mのいくつかの実施形態において、w>0である。
【0266】
式IA−aのYおよびR
1の上述の実施形態の全てが、式IB−a〜式IB−mのYおよびR
1に同様に当てはまる。
【0267】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は以下の式IB−aa〜IB−mmの1つを有するが、それはこれらの異性体に限られない。
【化25】
(式中、wは、0から利用可能な結合位置の最大数の整数であり、Y
1〜Y
5が同一であるかまたは異なり、O、S、Se、Te、NR
2、CR
3R
4、およびSiR
5R
6からなる群から選択され、R
1、および*は上で定義した通りである)。Y
1〜Y
5の少なくとも1つは他のY
1〜Y
5基と異なる。
【0268】
式IB−aa〜IB−iiおよびIB−mmのいくつかの実施形態において、Y
1≠Y
2=Y
3である。
【0269】
式IB−aa〜IB−iiおよびIB−mmのいくつかの実施形態において、Y
1≠Y
2≠Y
3である。
【0270】
式IB−aa〜IB−iiおよびIB−mmのいくつかの実施形態において、Y
1がCR
3R
4およびSiR
5R
6から選択され、Y
2およびY
3がO、S、Se、およびNR
2から選択される。
【0271】
式IB−aa〜IB−iiおよびIB−mmのいくつかの実施形態において、Y
1がCR
3R
4であり、Y
2およびY
3がOである。
【0272】
式IB−aa〜IB−iiおよびIB−mmのいくつかの実施形態において、Y
1がCR
3R
4であり、Y
2およびY
3がNR
2である。
【0273】
式IB−jjおよびIB−kkのいくつかの実施形態において、Y
1がCR
3R
4およびSiR
5R
6から選択され、Y
2〜Y
5がO、S、Se、およびNR
2から選択される。
【0274】
式IB−jjおよびIB−kkのいくつかの実施形態において、Y
1がCR
3R
4であり、Y
2〜Y
5がOである。
【0275】
式IB−jjおよびIB−kkのいくつかの実施形態において、Y
1がCR
3R
4であり、Y
2〜Y
5がNR
2である。
【0276】
式IA−aのR
1およびwの上述の実施形態の全てが、式IB−aa〜式IB−mmのR
1およびwに同様に当てはまる。
【0277】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は式IB−a1、IB−b1、IB−c1、IB−aa1、IB−bb1,またはIB−cc1
【化26】
(式中、c、d、g、h、R
1、R
3、R
4および*は上で定義した通りである)を有する。式IA−aのc、d、g、h、R
1、R
3、およびR
4の上述の実施形態の全てが、式IB−a1、IB−b1、IB−c1、IB−aa1、IB−bb1、およびIB−cc1のc、d、g、h、R
1、R
3、およびR
4に同様に当てはまる。
【0278】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は式IC
【化27】
[式中、
Yが出現ごとに同一であるかまたは異なり、O、S、Se、Te、NR
2、CR
3R
4、およびSiR
5R
6からなる群から選択され、
R
2が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、
R
3〜R
6が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、R
3およびR
4および/またはR
5およびR
6が接合して、シクロアルキル、シラシクロアルキル、スピロフルオレニル、シラスピロフルオレニル、またはそれらの置換誘導体からなる群から選択される環状基を形成することができ、
2つの環の間の二重破線は、環が任意の配向で一緒に接合していることを示し、
*が同定式における結合点を示し;
さらに、D、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、重水素化アルキル、重水素化シリル、重水素化ゲルミル、重水素化炭化水素アリール、および重水素化ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基が存在してもよい]を有する。
【0279】
式ICのいくつかの実施形態において、両方のY基が同じである。
【0280】
式IAのY、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6の上述の実施形態の全てが、式ICのY、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6に同様に当てはまる。
【0281】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は、以下の式IC−a〜IC−pの1つを有する。
【化28】
【化29】
【化30】
(式中、eおよびfが同一であるかまたは異なり、0〜5の整数であり、Y、R
1、g、h、および*は上で定義した通りである)。
【0282】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e=0である。
【0283】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e=1である。
【0284】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e=2である。
【0285】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e=3である。
【0286】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e=4である。
【0287】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e=5である。
【0288】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e>0である。
【0289】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、f=0である。
【0290】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、f=1である。
【0291】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、f=2である。
【0292】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、f=3である。
【0293】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、f=4である。
【0294】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、f=5である。
【0295】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、f>0である。
【0296】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e=fである。
【0297】
式IC−a〜式IC−pのいくつかの実施形態において、e≠fである。
【0298】
式IA−aのY、R
1、g、およびhの上述の実施形態の全てが、式IC−a〜式IC−pのY、R
1、g、およびhに同様に当てはまる。
【0299】
式Iのいくつかの実施形態において、核基は式IC−a1またはIC−a2
【化31】
(式中、R
1、R
3、R
4、e、f、g、および*は上で定義した通りである)を有する。式IA、式IA−a、および式IC−a〜IC−pのR
1、R
3、R
4、およびgの上述の実施形態の全てが、式IC−a1およびIC−a2のR
1、R
3、R
4、e、f、およびgに同様に当てはまる。
【0300】
式Iのいくつかの実施形態において、核を除いて、2つより多い縮合環を有する基は存在しない。いくつかの実施形態において、2つより多い縮合環を有する核上の置換基もまた存在しない。
【0301】
式Iのいくつかの実施形態においては、ピレン基は存在しない。
【0302】
式Iのいくつかの実施形態において、核を除いて、フルオレン基は存在しない。いくつかの実施形態において、核上にフルオレン置換基もまた存在しない。
【0303】
式Iのいくつかの実施形態において、核を除いて、カルバゾール基は存在しない。いくつかの実施形態において、核上にカルバゾール置換基は存在しない。
【0304】
式Iのいくつかの実施形態においては、スピロ基は存在しない。いくつかの実施形態において、核上にスピロ置換基もまた存在しない。
【0305】
式Iのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのYはヘテロ原子を含有する。
【0306】
上述の式の上述の実施形態のいずれも、互いに矛盾しない限り、1つ以上の別の実施形態と組み合わせることができる。例えば、式Iにおいて、a=1であり且つAr
1が、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラニル、フルオレニル、フェナントリルの他、D、アルキル、シリル、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化シリル、および重水素化ゲルミルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有するそれらの誘導体からなる群から選択される実施形態をAr
3が式bを有する実施形態およびAr
3=Ar
6である実施形態と組み合わせることができる。同じことが、前に記載された他の互いに矛盾しない実施形態についても言える。当業者は、どの実施形態が相互排他的であるかを理解するであろうし、その結果、本出願によって考えられる実施形態の組合せを容易に決定できるであろう。
【0307】
C−C、C−N、C−O、C−S、またはC−Si結合をもたらす任意の技術を使用して式Iの化合物を製造することができる。鈴木、山本、スティル、根岸、および金属触媒C−Nカップリングならびに金属触媒および酸化直接アリール化などの様々なこのような技術が公知である。
【0308】
重水素化前駆材料を使用して同様な方法でまたは、より一般的には、トリフルオロメタンスルホン酸、三塩化アルミニウムまたは二塩化エチルアルミニウムなど、ブレンステッド酸またはルイス酸H/D交換触媒の存在下でベンゼン−d6などの重水素化溶媒で非重水素化化合物を処理することによって、重水素化化合物を調製することができる。また、重水素置換反応は、PCT国際公開第2011/053334号パンフレットに記載されている。
【0309】
典型的な調製物が実施例において示される。
【0310】
式Iを有する化合物の例には、限定されないが、以下に示される化合物が含まれる。
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
[化合物IA−36および化合物IA−37は削除された。]
【化41】
[化合物IA−40および化合物IA−41は削除された。]
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【0311】
3.式IIまたは式IIIを有する化合物
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIを有する化合物は発光材料として有用である。いくつかの実施形態において、化合物は青色発光材料である。それらは単独でまたはホスト材料中のドーパントとして使用することができる。
【0312】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIを有する化合物は深い青色を有する。本明細書中で用いられるとき、用語「深い青色」は、C.I.E.色度スケール(国際照明委員会、1931)による、0.10未満のC.I.E.y座標を意味する。いくつかの実施形態において、y座標は0.090未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.080未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.070未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.060未満である。
【0313】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIを有する化合物は、0.10未満、いくつかの実施形態において、0.090未満のフォトルミネセンスy座標を有する。
【0314】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIを有する化合物は少なくとも10mg/mL、いくつかの実施形態において、少なくとも15mg/mL、いくつかの実施形態において、少なくとも20mg/mLのトルエン中の溶解度を有する。これは、精製および最適なデバイス性能のための溶液加工に有利である。
【0315】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIを有する化合物は10トールにおいて750℃未満、いくつかの実施形態において、10トールにおいて600℃未満、いくつかの実施形態において、10トールにおいて500℃未満の昇華温度を有する。これは精製のために有利である。
【0316】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIを有する化合物は高いPLQYを有する。増加したPLQYデバイスの増加した効率に寄与することができる。いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIの化合物は、1N硫酸中の二硫酸キニーネの標準液に対して少なくとも90%である溶液PLQYを有する。
【0317】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIの化合物を含有するデバイスは改良された効率を有する。いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIを含有するデバイスの電流効率は1000ニトにおいて4.5cd/A超;いくつかの実施形態において、1000ニトにおいて5.0cd/A超である。
【0318】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIの化合物を含有するデバイスは、1000ニトの初期輝きにおいて増加した寿命を有する。いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIの化合物を含有するデバイスは、50℃で1000時間超のT70を有する。本明細書中で用いられるとき、T70は、初期輝きの70%に達する時間を意味する。いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIの化合物を含有するデバイスは、50℃で1500時間超のT70を有する。
【0319】
いくつかの実施形態において、発光材料として式IIまたは式IIIの化合物を含有するエレクトロルミネセンスデバイスは深い青色を有する。いくつかの実施形態において、x座標は0.15未満であり、y座標は0.10未満である。いくつかの実施形態において、y座標は0.090未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.080未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.070未満であり、いくつかの実施形態において、y座標は0.060未満である。
【0320】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIを有する化合物は非常に狭い放射プロファイルを有する。いくつかの実施形態において、FWHMは75nm未満、いくつかの実施形態において、60nm未満、いくつかの実施形態において、50nm未満、いくつかの実施形態において、40nm未満、いくつかの実施形態において、30nm未満である。これは、より飽和した色を生じさせるためのディスプレイデバイスのために有利である。
【0321】
いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIの化合物は、フィルム中にドープされる時に高度の水平整列を有する。「水平整列」および「水平配向」は、放射双極子が基材に平行になっていることを意味することを意図する。増加した水平整列は、デバイスのより高い効率に寄与することができる。いくつかの実施形態において、式IIまたは式IIIの化合物は、90%より高い水平配向を有する。
【0322】
式IIまたは式IIIのいくつかの実施形態において、化合物は重水素化されている。いくつかの実施形態においては、化合物は少なくとも10%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、少なくとも20%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、少なくとも30%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、少なくとも40%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、少なくとも50%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、少なくとも60%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、少なくとも70%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、少なくとも80%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、少なくとも90%重水素化されており、いくつかの実施形態においては、100%重水素化されている。
【0323】
式IIまたは式IIIのいくつかの実施形態において、Q基に重水素置換が存在している。
【0324】
式IIまたは式IIIのいくつかの実施形態において、Qに結合した1つ以上のアリール基に重水素置換が存在している。
【0325】
式IIまたは式IIIのいくつかの実施形態において、1つ以上のアミノ基に重水素置換が存在している。
【0326】
式IIまたは式IIIのいくつかの実施形態において、Q基、Qに結合したアリール基、およびアミノ基の2つ以上に重水素置換が存在している。
【0327】
いくつかの実施形態において、ここに記載される化合物は、式II
【化49】
[式中、
Ar
3−Ar
6が同一であるかまたは異なり、炭化水素アリール基、ヘテロアリール基、およびそれらの置換誘導体から選択され、
R
1が出現ごとに同一であるかまたは異なり、D、F、CN、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、炭化水素アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリル、シロキサン、シロキシ、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化部分フッ素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化炭化水素アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化ヘテロアリール、重水素化ヘテロアリール重水素化シリル、重水素化シロキサン、重水素化シロキシ、および重水素化ゲルミルからなる群から選択され、
R
2aおよびR
2bが同一であるかまたは異なり、H、D、F、CN、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、炭化水素アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリル、シロキサン、シロキシ、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化部分フッ素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化炭化水素アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化ヘテロアリール、重水素化ヘテロアリール重水素化シリル、重水素化シロキサン、重水素化シロキシ、および重水素化ゲルミルからなる群から選択され、
Qが、2つ以上の縮合環を有する炭化水素アリール、2つ以上の縮合環を有するヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、および
cおよびdが同一であるかまたは異なり、0〜3の整数である]を有する。
【0328】
式IIにおいて、2つの基
【化50】
が、任意の利用可能な結合位置でおよび任意の配向においてQに結合することができ、そこで破線はQへの結合点を表わす。
【0329】
式IIのいくつかの実施形態において、式IIに明示的に示されるアミノ基以外のアミノ基は存在しない。
【0330】
式IIのいくつかの実施形態において、2つ以下のアミノ基が存在している。
【0331】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2a=R
2bである。
【0332】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2a≠R
2bである。
【0333】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2a=Hである。
【0334】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2a=Dである。
【0335】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2aは、1〜12個の炭素、いくつかの実施形態において1〜8個の炭素を有するアルキルまたは重水素化アルキルである。
【0336】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2aは、トリアルキルシリルまたは重水素化トリアルキルシリルである。いくつかの実施形態において、トリアルキルシリル基のアルキル部分は1〜8個の炭素、いくつかの実施形態において、1〜3個の炭素を有する。
【0337】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2aは、6〜24個の環炭素を有する非置換炭化水素アリールである。
【0338】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2aは、6〜24個の環炭素を有し且つD、アルキル、シリル、重水素化アルキル、重水素化シリル、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する炭化水素アリールである。
【0339】
式IIのいくつかの実施形態において、R
2aは、D、1〜8個の炭素を有するアルキル、トリアルキルシリル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル、ビフェニル、置換ビフェニル、テルフェニル、および置換テルフェニルからなる群から選択され、そこで置換基は、D、アルキル、シリル、重水素化アルキル、重水素化シリル、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0340】
式IIのR
2の上述の実施形態の全てが、式IIのR
2bに同様に当てはまる。
【0341】
式IのAr
3、Ar
4、Ar
5、およびAr
6の上述の実施形態の全てが、式IIのAr
3、Ar
4、Ar
5、およびAr
6に同様に当てはまる。
【0342】
式IA−aのR
1、c、およびdの上述の実施形態の全てが、式IIのR
1、c、およびdに同様に当てはまる。
【0343】
式IAのYの上述の実施形態の全てが、式IIのYに同様に当てはまる。
【0344】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、2つ以上の縮合環を有する炭化水素アリール、2つ以上の縮合環を有するヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、置換誘導体は、D、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、重水素化アルキル、重水素化炭化水素アリール、重水素化ヘテロアリール、および重水素化アルキルアリールからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0345】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも3つの縮合環を有する。
【0346】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも4つの縮合環を有する。
【0347】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも5つの縮合環を有する.
【0348】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも6つの縮合環を有する。
【0349】
式IIのいくつかの実施形態において、Qを除いて、2つより多い縮合環を有する基は存在しない。いくつかの実施形態において、2つより多い縮合環を有するQ上の置換基もまた存在しない。
【0350】
式IIのいくつかの実施形態においては、ピレン基は存在しない。
【0351】
式IIのいくつかの実施形態において、Qを除いて、フルオレン基は存在しない。いくつかの実施形態において、Q上のフルオレン置換基もまた存在しない。
【0352】
式IIのいくつかの実施形態においては、Qを除いて、カルバゾール基は存在しない。いくつかの実施形態において、Q上のカルバゾール置換基もまた存在しない。
【0353】
式IIのいくつかの実施形態においては、スピロ基は存在しない。いくつかの実施形態において、Q上のスピロ置換基もまた存在しない。
【0354】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも1つのヘテロ原子を含む。
【0355】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは非置換炭化水素アリールである。
【0356】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは置換炭化水素アリールであり、そこで置換基は、D、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、重水素化アルキル、重水素化炭化水素アリール、重水素化ヘテロアリール、および重水素化アルキルアリールからなる群から選択される。
【0357】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、ナフタレン、アントラセン、クリセン、ピレン、トリフェニレン、フルオランテン、フェナントレン、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される化合物に由来するアリール基である。
【0358】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは非置換ヘテロアリールである。
【0359】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは非置換N、O、S−ヘテロアリールである。
【0360】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは置換ヘテロアリールであり、そこで置換基は、D、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、重水素化アルキル、重水素化炭化水素アリール、重水素化ヘテロアリール、および重水素化アルキルアリールからなる群から選択される。
【0361】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは非置換または置換N−ヘテロアリールである。
【0362】
いくつかの実施形態において、N−ヘテロアリールは、カルバゾール、カルバゾロカルバゾール、インドロカルバゾール、インドロインドール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される化合物に由来する。
【0363】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは非置換または置換O−ヘテロアリールである。
【0364】
いくつかの実施形態において、O−ヘテロアリールは、複数の縮合したフラン、イソベンゾフランまたはベンゾフラン基を有する化合物に由来する。
【0365】
いくつかの実施形態において、O−ヘテロアリールは、ナフトジフラン、ナフトビスベンゾフラン、ジベンゾフランビス(ベンゾフラン)、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される化合物に由来する。
【0366】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは非置換または置換S−ヘテロアリールである。
【0367】
いくつかの実施形態において、S−ヘテロアリールは、複数の縮合したチオフェンまたはベンゾチオフェン基を有する化合物に由来する。
【0368】
いくつかの実施形態において、S−ヘテロアリールは、ナフトジチオフェン、ナフトビスベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェンビス(ベンゾチオフェン)、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される化合物に由来する。
【0369】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、2つの異なったヘテロ原子を有する非置換または置換N、O、S−ヘテロアリールである。
【0370】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、上述のような式IA、式IB、および式ICの群から選択される。式IBにおいて、2つの末端ベンゾ基が存在する。式IBを有するQ基は、末端ベンゾ基から式IIに結合している。
【0371】
式Iの式IAの上述の実施形態の全てが、式IIの式IAに同様に当てはまる。
【0372】
式Iの式IBの上述の実施形態の全てが、式IIの式IBに同様に当てはまる。
【0373】
式Iの式IAの上述の実施形態の全てが、式IIの式IAに同様に当てはまる。
【0374】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、上述の式IA−a〜IA−tからなる群から選択される。式Iの式IA−a〜IA−tの上述の実施形態の全てが、式IIの式IA−a〜IA−tに同様に当てはまる。
【0375】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、上述のような式IA−a1、IA−a2、IA−b1、IA−b2、IA−c1、およびIA−c2からなる群から選択される。式Iの式IA−a1、IA−a2、IA−b1、IA−b2、IA−c1、およびIA−c2の上述の実施形態の全てが、式IIの式IA−a1、IA−a2、IA−b1、IA−b2、IA−c1、およびIA−c2に同様に当てはまる。
【0376】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、上述のような式IB−a〜IB−mからなる群から選択される。式Iの式IB−a〜IB−mの上述の実施形態の全てが、式IIの式IB−a〜IB−mに同様に当てはまる。
【0377】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、上述のような式IB−aa〜IB−mmからなる群から選択される。式Iの式IB−aa〜IB−mmの上述の実施形態の全てが、式IIの式IB−aa〜IB−mmに同様に当てはまる。
【0378】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、上述のような式IC−a〜IC−pからなる群から選択される。式Iの式IC−a〜IC−pの全ての上述の実施形態が、式IIの式IC−a〜IC−pに同様に当てはまる。
【0379】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、上述の式IC−a1およびIC−a2からなる群から選択される。式Iの式IC−a1およびIC−a2の全ての上述の実施形態が、式IIの式IC−a1およびIC−a2に同様に当てはまる。
【0380】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、式II−a〜II−d
【化51】
[式中、
Yが出現ごとに同一であるかまたは異なり、O、S、Se、Te、NR
2、CR
3R
4、およびSiR
5R
6からなる群から選択され、
R
1が出現ごとに同一であるかまたは異なり、D、F、CN、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、炭化水素アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリル、シロキサン、シロキシ、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化部分フッ素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化炭化水素アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化ヘテロアリール、重水素化ヘテロアリール、重水素化シリル、重水素化シロキサン、重水素化シロキシ、および重水素化ゲルミルからなる群から選択され、
R
2が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、
R
3〜R
6が出現ごとに同一であるかまたは異なり、アルキル、シリル、ゲルミル、炭化水素アリール、ヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、R
3およびR
4および/またはR
5およびR
6が接合して、シクロアルキル、シラシクロアルキル、スピロフルオレニル、シラスピロフルオレニル、またはそれらの置換誘導体からなる群から選択される環状基を形成することができ、
cおよびdが同一であるかまたは異なり、0〜3の整数であり、
gが0〜2の整数であり;および
*が同定式における結合点を示す]からなる群から選択される。
【0381】
式IA−aのc、d、g、およびR
1の上述の実施形態の全てが、式II−a〜II−dのc、d、g、およびR
1に同様に当てはまる。
【0382】
式IAのYの上述の実施形態の全てが、式II−a〜II−dのYに同様に当てはまる。
【0383】
式IAのR
2〜R
6の上述の実施形態の全てが、式II−a〜II−dのR
2〜R
6に同様に当てはまる。
【0384】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、式II−a1、II−a2、II−b1、II−b2、II−c1、II−c2、II−d1、およびII−d2
【化52】
(式中、R
1、R
2、c、d、g、および*は上で定義した通りである)からなる群から選択される。
【0385】
式IA−aのc、d、g、およびR
1の上述の実施形態の全てが、式II−a1、II−a2、II−b1、II−b2、II−c1、II−c2、II−d1、およびII−d2のc、d、g、およびR
1に同様に当てはまる。
【0386】
式IAのR
2の上述の実施形態の全てが、式II−a1、II−a2、II−b1、II−b2、II−c1、II−c2、II−d1、およびII−d2のR
2に同様に当てはまる。
【0387】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、式II−aおよび式II−bからなる群から選択される。
【0388】
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、式II−a1、式II−a2、式II−b1、および式II−b2からなる群から選択される。
【0389】
いくつかの実施形態において、ここに記載される化合物は、式III
【化53】
[式中、
Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、Ar
7、およびAr
8が同一であるかまたは異なり、炭化水素アリール基、ヘテロアリール基、およびそれらの置換誘導体から選択され、
R
1が出現ごとに同一であるかまたは異なり、D、F、CN、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、炭化水素アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリル、シロキサン、シロキシ、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化部分フッ素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化炭化水素アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化ヘテロアリール、重水素化ヘテロアリール重水素化シリル、重水素化シロキサン、重水素化シロキシ、および重水素化ゲルミルからなる群から選択され、
R
2aおよびR
2bが同一であるかまたは異なり、H、D、F、CN、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、炭化水素アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリル、シロキサン、シロキシ、ゲルミル、重水素化アルキル、重水素化部分フッ素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化炭化水素アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化ヘテロアリール、重水素化ヘテロアリール重水素化シリル、重水素化シロキサン、重水素化シロキシ、および重水素化ゲルミルからなる群から選択され、
Qは、2つ以上の縮合環を有する炭化水素アリール、2つ以上の縮合環を有するヘテロアリール、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択され、
a、a2、b、およびb2が同一であるかまたは異なり、0または1であり、
eおよびfが同一であるかまたは異なり、0〜5の整数である]を有する。
【0390】
式IIIのいくつかの実施形態において、式IIIに明示的に示されるアミノ基以外のアミノ基は存在しない。
【0391】
式IIIのいくつかの実施形態において、2つ以下のアミノ基が存在している。
【0392】
式IIIのいくつかの実施形態において、a2=0である。
【0393】
式IIIのいくつかの実施形態において、a2=1である。
【0394】
式IIIのいくつかの実施形態において、b2=0である。
【0395】
式IIIのいくつかの実施形態において、b2=1である。
【0396】
式IIIのいくつかの実施形態において、e=0である。
【0397】
式IIIのいくつかの実施形態において、e=1である。
【0398】
式IIIのいくつかの実施形態において、e=2である。
【0399】
式IIIのいくつかの実施形態において、e=3である。
【0400】
式IIIのいくつかの実施形態において、e=4である。
【0401】
式IIIのいくつかの実施形態において、e=5である。
【0402】
式IIIのいくつかの実施形態において、e>0である。
【0403】
式IIIのいくつかの実施形態において、f=0である。
【0404】
式IIIのいくつかの実施形態において、f=1である。
【0405】
式IIIのいくつかの実施形態において、f=2である。
【0406】
式IIIのいくつかの実施形態において、f=3である。
【0407】
式IIIのいくつかの実施形態において、f=4である。
【0408】
式IIIのいくつかの実施形態において、f=5である。
【0409】
式IIIのいくつかの実施形態において、f>0である。
【0410】
式IIIのいくつかの実施形態において、e=fである。
【0411】
式IIIのいくつかの実施形態において、e≠fである。
【0412】
式IIのQの上述の実施形態の全てが、式IIIのQに同様に当てはまる。
【0413】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも3つの縮合環を有する。
【0414】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも4つの縮合環を有する。
【0415】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qが少なくとも5つの縮合環を有する。
【0416】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも6つの縮合環を有する。
【0417】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qを除いて、2つより多い縮合環を有する基は存在しない。いくつかの実施形態において、2つより多い縮合環を有するQ上の置換基もまた存在しない。
【0418】
式IIIのいくつかの実施形態においては、ピレン基は存在しない。
【0419】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qを除いて、フルオレン基は存在しない。いくつかの実施形態において、Q上のフルオレン置換基もまた存在しない。
【0420】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qを除いて、カルバゾール基は存在しない。いくつかの実施形態において、Q上のカルバゾール置換基もまた存在しない。
【0421】
式IIIのいくつかの実施形態においては、スピロ基は存在しない。いくつかの実施形態において、Q上のスピロ置換基もまた存在しない。
【0422】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qは少なくとも1つのヘテロ原子を含む。
【0423】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qは、上述のような式II−aおよび式II−bからなる群から選択される。
【0424】
式IIIのいくつかの実施形態において、Qは、上述のような式II−a1、式II−a2、式II−b1、および式II−b2からなる群から選択される。
【0425】
式IのAr
1について上述の実施形態の全てが式IIIのAr
7およびAr
8に同様に当てはまる。
【0426】
式IIIのいくつかの実施形態において、Ar
7およびAr
8は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、およびそれらの置換誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、置換基は、D、アルキル、シリル、重水素化アルキル、および重水素化シリルからなる群から選択される。
【0427】
式IIIのいくつかの実施形態において、Ar
7およびAr
8は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、およびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
【0428】
式IのAr
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、a、およびbの上述の実施形態の全てが、式IIIのAr
1、Ar
2、Ar
3、およびAr
5に同様に当てはまる。
【0429】
式IA−aのR
1の上述の実施形態の全てが、式IIIのR
1に同様に当てはまる。
【0430】
式IIIのいくつかの実施形態において、化合物は式III−a
【化54】
(式中、Q、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfは上で定義した通りである)を有する。式IIIのQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfの上述の実施形態の全てが、式III−aのQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfに同様に当てはまる。
【0431】
式IIIのいくつかの実施形態において、化合物は式III−b
【化55】
(式中、Q、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfは上で定義した通りである)を有する。式IIIのQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfの上述の実施形態の全てが、式III−bのQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfに同様に当てはまる。
【0432】
式IIIのいくつかの実施形態において、化合物は、式III−a1、式III−a2、および式III−a3
【化56】
(式中、Q、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfは上で定義した通りである)からなる群から選択される。式IIIのQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfの上述の実施形態の全てが、式III−a1、式III−a2、および式III−a3のQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、e、およびfに同様に当てはまる。
【0433】
式IIIのいくつかの実施形態において、化合物は、式III−b1、式III−b2、および式III−b3
【化57】
(式中、Q、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、c、およびdは上で定義した通りである)からなる群から選択される。式IIIのQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、およびbの上述の実施形態の全て、および式IIのcおよびdの実施形態が、式III−b1、式III−b2、および式III−b3のQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、c、およびdに同様に当てはまる。
【0434】
式IIIのいくつかの実施形態において、化合物は、式III−c1、式III−c2、および式III−c3
【化58】
(式中、k1は0〜4の整数であり、およびQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、およびkは上で定義した通りである)からなる群から選択される。式IA−qのkの上述の実施形態の全てが、式III−c1、式III−c2、および式III−c3のk1に同様に当てはまる。式IIIのQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、およびbの上述の実施形態の全て、および式IA−qのkの実施形態が、式III−c1、式III−c2、および式III−c3のQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、R
1、a、b、およびkに同様に当てはまる。
【0435】
式IIIのいくつかの実施形態において、化合物は、式III−d1、式III−d2、および式III−d3
【化59】
(式中、Q、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、Ar
7、Ar
8、R
1、a、b、c、およびdは上で定義した通りである)からなる群から選択される。式IIIのQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、Ar
7、Ar
8、R
1、a、およびbの上述の実施形態の全て、および式IIのcおよびdの実施形態が、式III−d1、式III−d2、および式III−d3のQ、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
5、Ar
7、Ar
8、R
1、a、b、c、およびdに同様に当てはまる。
【0436】
上述の式の上述の実施形態のいずれも、互いに矛盾しない限り、1つ以上の別の実施形態と組み合わせることができる。
【0437】
式IIおよび式IIIの化合物は、C−C、C−N、C−O、C−S,またはC−Si結合を生じる任意の技術を使用して製造することができる。鈴木、山本、スティル、根岸、および金属触媒C−Nカップリングならびに金属触媒および酸化直接アリール化などの様々なこのような技術が公知である。
【0438】
重水素化前駆材料を使用して同様な方法でまたは、より一般的には、トリフルオロメタンスルホン酸、三塩化アルミニウムまたは二塩化エチルアルミニウムなど、ブレンステッド酸またはルイス酸H/D交換触媒の存在下でベンゼン−d6などの重水素化溶媒で非重水素化化合物を処理することによって、重水素化化合物を調製することができる。また、重水素置換反応は、PCT出願公開国際公開第2011/053334号パンフレットに記載されている。
【0439】
典型的な調製物が実施例において示される。
【0440】
式IIおよび式IIIを有する化合物の例には、限定されないが、以下に示される化合物が含まれる。
【化60】
[化合物II−2は削除された。]
【化61】
[化合物II−4〜II−10は削除された。]
【化62】
[化合物II−12は削除された。]
【化63】
[化合物II−14は削除された。]
【化64】
【化65】
【化66】
【化67】
【化68】
【化69】
【化70】
【0441】
4.デバイス:
ここに記載された式I、式II、または式IIIを有する化合物を含む1つ以上の層を有することから利益を得る場合がある有機電子デバイスには、限定されないが、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、ダイオードレーザー、またはライティングパネル)、(2)電子的プロセスを使用して信号を検出するデバイス(例えば、光検出器、光導電セル、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタ、光電管、赤外線(「IR」)検出器、またはバイオセンサー)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電力デバイスまたは太陽電池)、(4)1つの波長の光をより長い波長の光に変換するデバイス(例えば、ダウンコンバート蛍光体デバイス)、(5)1つ以上の有機半導体層を備える1つ以上の電子部品を備えるデバイス(例えば、トランジスタまたはダイオード)または(1)〜(5)の項目のデバイスの任意の組合せが含まれる。
【0442】
いくつかの実施形態において、デバイスは、式Iの化合物を有する光活性層を備える。
【0443】
いくつかの実施形態において、デバイスは、式IIの化合物を有する光活性層を備える。
【0444】
いくつかの実施形態において、デバイスは、式IIIの化合物を有する光活性層を備える。
【0445】
いくつかの実施形態において、デバイスはアノードおよびカソードならびにそれらの間の光活性層を備え、そこで光活性層は式Iを有する化合物を含有する。
【0446】
いくつかの実施形態において、デバイスは、アノードおよびカソードならびにそれらの間の光活性層を備え、そこで光活性層は式IIを有する化合物を含有する。
【0447】
いくつかの実施形態において、デバイスは、アノードおよびカソードならびにそれらの間の光活性層を備え、そこで光活性層は式IIIを有する化合物を含有する。
【0448】
有機電子デバイス構造の1つの図解が
図1に示される。デバイス100は、第1電気的接触層、アノード層110および第2電気的接触層、カソード層160、ならびにそれらの間の光活性層(「EML」)140を有する。正孔注入層(「HIL」)120がアノードに隣接している。正孔輸送材料を含む正孔輸送層(「HTL」)130が正孔注入層に隣接している。電子輸送材料を含む電子輸送層(「ETL」)150がカソードに隣接していてもよい。選択肢として、デバイスは、アノード110の隣に1つ以上の付加的な正孔注入層もしくは正孔輸送層(図示せず)および/またはカソード160の隣に1つ以上の付加的な電子注入層(「EIL」)もしくは電子輸送層(図示せず)を使用してもよい。さらなる選択肢として、デバイスは、光活性層140と電子輸送層150との間に消光防止層(図示せず)を有してもよい。
【0449】
層120〜150、およびそれらの間の任意の付加的な層は、別々におよび一括して活性層と称される。
【0450】
いくつかの実施形態において、光活性層は、
図2に示されるようにピクセル化される。デバイス200において、層140はピクセルまたはサブピクセル単位141、142、および143に分けられ、それらは層にわたって繰り返される。ピクセルまたはサブピクセル単位の各々は異なった色を表わす。いくつかの実施形態において、サブピクセル単位は赤色、緑色、および青色のための単位である。3つのサブピクセル単位が図に示されるが、2つまたは3つ超を用いてもよい。
【0451】
いくつかの実施形態において、異なった層は、以下の範囲の厚さを有する:アノード110、500〜5000Å、いくつかの実施形態において、1000〜2000Å;正孔注入層120、50〜2000Å、いくつかの実施形態において、200〜1000Å;正孔輸送層130、50〜2000Å、いくつかの実施形態において、200〜1000Å;光活性層140、10〜2000Å、いくつかの実施形態において、100〜1000Å;電子輸送層150、50〜2000Å、いくつかの実施形態において、100〜1000Å;カソード160、200〜10000Å、いくつかの実施形態において、300〜5000Å。デバイス内の電子・正孔再結合領域の位置、したがってデバイスの発光スペクトルは、各々の層の相対的な厚さによって影響され得る。層厚さの所望の比率は、使用される材料の正確な性質に左右される。
【0452】
いくつかの実施形態において、式I、式II、または式IIIを有する化合物は、青色発光色を有する、光活性層140内の発光材料として有用である。それらは単独でまたはホスト材料中のドーパントとして使用することができる。
【0453】
いくつかの実施形態において、式I、式IIまたは式IIIを有する化合物は、光活性層140中のホスト材料として有用である。
【0454】
a.光活性層
いくつかの実施形態において、光活性層は、ホスト材料とドーパントとして式I、式IIまたは式IIIを有する化合物とを含有する。いくつかの実施形態において、第2のホスト材料が存在している。
【0455】
いくつかの実施形態において、光活性層は、ホスト材料とドーパントとして式I、式IIまたは式IIIを有する化合物とだけを含有する。いくつかの実施形態において、層の機能を著しく変化させない限り、少量の他の材料が存在している。
【0456】
いくつかの実施形態において、光活性層は、第1のホスト材料と、第2のホスト材料と、ドーパントとして式I、式IIまたは式IIIを有する化合物とだけを含有する。いくつかの実施形態において、層の機能を著しく変化させない限り、少量の他の材料が存在している。
【0457】
ドーパント対全ホスト材料の重量比は、2:98〜70:30、いくつかの実施形態において、5:95〜70:30、いくつかの実施形態において、10:90〜20:80の範囲である。
【0458】
いくつかの実施形態において、ホスト材料はアントラセン、クリセン、ピレン、フェナントレン、トリフェニレン、フェナントロリン、ナフタレン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フェニルピリジン、ベンゾジフラン、金属キノリネート錯体、インドロカルバゾール、それらの置換誘導体、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0459】
いくつかの実施形態において、ホスト材料は9,10−ジアリールアントラセン化合物またはその重水素化類似体である。
【0460】
いくつかの実施形態において、ホスト材料は、1つまたは2つのジアリールアミノ置換基を有するクリセン誘導体、またはそれらの重水素化類似体である。
【0461】
上に考察された実施形態、特定の実施形態、特定の実施例、および実施形態の組合せによって示される式I、式IIまたは式IIIの任意の化合物を光活性層において使用することができる。
【0462】
b.他のデバイス層
デバイス内の他の層は、このような層において有用であることが知られている任意の材料から製造することができる。
【0463】
アノード110は、正電荷キャリアを注入するために特に効率的である電極である。それは、例えば金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合金属酸化物を含有する材料から製造することができるか、またはそれは導電性ポリマー、およびそれらの混合物であり得る。適した金属には11族金属、4族、5族、および6族の金属、ならびに8族〜10族遷移金属が含まれる。アノードが光透過性である場合、酸化インジウムスズなどの12族、13族および14族金属の混合金属酸化物が一般的に使用される。また、アノードは、“Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer,”Nature vol.357,pp477 479(11 June 1992)に記載されるようにポリアニリンなどの有機材料から製造されてもよい。アノードおよびカソードの少なくとも1つは、発生された光を観察することができるように少なくとも部分的に透明であるのがよい。
【0464】
正孔注入層120は正孔注入材料を含有し、限定されないが、下位層の平坦化、電荷輸送および/または電荷注入特性、酸素または金属イオンなどの不純物の捕捉および有機電子デバイスの性能を促進するかまたは改善するための他の態様を含めた1つ以上の機能を有機電子デバイスにおいて有してもよい。正孔注入層は、しばしばプロトン酸がドープされる、ポリアニリン(PANI)またはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などのポリマー材料で形成され得る。プロトン酸は、例えば、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)等であり得る。
【0465】
正孔注入層は、銅フタロアシアニンおよびテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン系(TTF−TCNQ)などの電荷移動化合物等を含有することができる。
【0466】
いくつかの実施形態において、正孔注入層は、少なくとも1つの電気導電性ポリマーと少なくとも1つのフッ素化酸ポリマーとを含有する。
【0467】
いくつかの実施形態において、正孔注入層は、コロイド形成ポリマー酸でドープされた電気導電性ポリマーの水性分散体から製造される。このような材料は、例えば、米国特許出願公開第2004/0102577号明細書、米国特許出願公開第2004/0127637号明細書、米国特許出願公開第2005/0205860号明細書、およびPCT出願公開国際公開第2009/018009号パンフレットに記載されている。
【0468】
層130のための正孔輸送材料の例は、例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Vol.18,p.837−860,1996,Y.Wang著に要約されている。正孔輸送分子およびポリマーの両方を使用することができる。一般的に使用される正孔輸送分子は: N,N’ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、a−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾル−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス−(フェニル)ベンジジン(α−NPB)、およびポルフィリン化合物、例えば銅フタロアシアニンである。いくつかの実施形態において、正孔輸送層は正孔輸送ポリマーを含有する。いくつかの実施形態において、正孔輸送ポリマーはジスチリルアリール化合物である。いくつかの実施形態において、アリール基は2つ以上の縮合芳香環を有する。いくつかの実施形態において、アリール基はアセンである。本明細書中で用いられるとき用語「アセン」は、直鎖構成に2つ以上のオルト縮合ベンゼン環を含有する炭化水素親成分を意味する。他の一般的に使用される正孔輸送ポリマーは、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)−ポリシラン、およびポリアニリンである。また、上述したもののような正孔輸送分子をポリスチレンおよびポリカーボネートなどのポリマー中にドープすることによって正孔輸送ポリマーを得ることができる。いくつかの場合、トリアリールアミンポリマー、特にトリアリールアミン−フルオレンコポリマーが使用される。いくつかの場合、ポリマーおよびコポリマーは架橋性である。
【0469】
いくつかの実施形態において、正孔輸送層はp型ドーパントをさらに含有する。いくつかの実施形態において、正孔輸送層はp型ドーパントでドープされる。p型ドーパントの例には、限定されないが、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)およびペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−3,4,9,10−二無水物(PTCDA)が含まれる。
【0470】
いくつかの実施形態において、2つ以上の正孔輸送層が存在している(図示せず)。
【0471】
層150のために使用され得る電子輸送材料の例には、限定されないが、金属キレート化オキシノイド化合物、例えばトリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、テトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ハフニウム(HfQ)およびテトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ジルコニウム(ZrQ)などの金属キノレート誘導体など;およびアゾール化合物、例えば2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、および1,3,5−トリ(フェニル−2−ベンゾイミダゾール)ベンゼン(TPBI)など;キノキサリン誘導体、例えば2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリンなど;フルオランテン誘導体、例えば3−(4−(4−メチルスチリル)フェニル−p−トリルアミノ)フルオランテンなど;フェナントロリン、例えば4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)および2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA)など;およびそれらの混合物が含まれる。いくつかの実施形態において、電子輸送層はn−ドーパントをさらに含有する。N−ドーパント材料は公知である。n−ドーパントには、限定されないが、1族および2族金属;1族および2族金属塩、例えばLiF、CsF、およびCs
2CO
3;1族および2族金属有機化合物、例えばLiキノレート;および分子n−ドーパント、例えばロイコ染料、金属錯体、例えばW
2(hpp)
4(式中、hpp=1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド−[1,2−a]−ピリミジンである)およびコバルトセン、テトラチアナフタセン、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン、複素環ラジカルまたはジラジカル、および複素環式ラジカルまたはジラジカルのダイマー、オリゴマー、ポリマー、ジスピロ化合物および多環が含まれる。
【0472】
いくつかの実施形態において、光活性層と電子輸送層との間に消光防止層が存在して、電子輸送層による青色輝度の消滅を防止してもよい。エネルギー移動消光を防止するためには、消光防止材料の一重項エネルギーが、青色発光体の一重項エネルギーよりも高くなければならない。電子移動消光を防止するためには、発光体励起子と消光防止材料との間の電子移動が吸熱的になるように、消光防止材料のLUMO準位が(真空準位に対して)十分浅くなければならない。さらに、発光体励起子と消光防止材料との間の電子移動が吸熱的になるように、消光防止材料のHOMO準位が(真空準位に対して)十分深くなければならない。一般的には、消光防止材料は、高い一重項エネルギーおよび三重項エネルギーを有するバンドギャップの大きな材料である。
【0473】
カソード160は、電子または負電荷キャリアを注入するために特に効率的である電極である。カソードは、アノードよりも低い仕事関数を有する任意の金属または非金属であり得る。カソード用の材料は、1族のアルカリ金属(例えば、Li、Cs)、2族(アルカリ土類)金属、稀土類元素およびランタニド、ならびにアクチニドを含めた12族金属から選択され得る。アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウムおよびマグネシウムなどの材料、ならびに組合せを使用することができる。
【0474】
また、LiF、CsF、Cs
2OおよびLi
2O、またはLi含有有機金属化合物などのアルカリ金属含有無機化合物を有機層150とカソード層160との間に堆積させて、動作電圧を低下させることができる。図示されないが、この層は、電子注入層と称されてもよい。
【0475】
有機電子デバイスにおいて他の層を有することが知られている。例えば、注入される正電荷の量を制御するためのおよび/もしくは層のバンドギャップ整合を提供するための、または保護層として機能するための層(図示せず)が、アノード110と正孔注入層120との間に存在することができる。銅フタロアシアニン、オキシ窒化ケイ素、フルオロカーボン、シランなどの当技術分野に公知の層、または例えばPtなどの金属の極薄層を使用することができる。あるいは、アノード層110、活性層120、130、140、および150、またはカソード層160のうちのいくつかまたは全てを表面処理して、電荷キャリア輸送効率を増加させることができる。構成層それぞれの材料の選択は好ましくは、高いエレクトロルミネセンス効率を有するデバイスを提供するために発光体層中の正電荷および負電荷のバランスをとることによって決定される。
【0476】
それぞれの機能性層は2つ以上の層から構成され得るということは理解されたい。
【0477】
c.デバイスの製造
デバイス層は蒸着、液体堆積、および熱転写などの任意の堆積技術、または技術の組合せによって形成され得る。
【0478】
いくつかの実施形態において、デバイスは、正孔注入層、正孔輸送層、および光活性層の液体堆積によって、ならびにアノード、電子輸送層、電子注入層およびカソードの蒸着によって製造される。
【0479】
正孔注入層は、それが溶解されるかまたは分散されてそれからフィルムを形成する任意の液体媒体から堆積され得る。いくつかの実施形態において、液体媒体は、1つだけまたは複数の有機溶媒を含有する。いくつかの実施形態において、液体媒体に実質的に影響を与えない限り、少量の他の材料が存在している。
【0480】
いくつかの実施形態において、液体媒体は水だけを含有するかまたは水と有機溶媒とだけを含有する。いくつかの実施形態において、液体媒体に実質的に影響を与えない限り、少量の他の材料が存在している。
【0481】
正孔注入材料は、液体媒体中に0.5〜10重量パーセントの量で存在している。
【0482】
いくつかの実施形態において、正孔注入層は、任意の連続または不連続な液体堆積技術によって形成される。いくつかの実施形態において、正孔注入層はスピンコーティングによって適用される。いくつかの実施形態において、正孔注入層はインクジェット印刷によって適用される。いくつかの実施形態において、正孔注入層は連続ノズル印刷によって適用される。いくつかの実施形態において、正孔注入層はスロットダイコーティングによって適用される。液体堆積後に、液体媒体は空気中で、不活性雰囲気中で、または真空によって、室温でまたは加熱しながら除去され得る。
【0483】
いくつかの実施形態において、正孔輸送層は、液体媒体中の正孔輸送材料の液体堆積によって形成される。液体媒体は、正孔輸送材料が溶解または分散されてそれからフィルムを形成する媒体である。いくつかの実施形態において、液体媒体は1つ以上の有機溶媒を含有する。いくつかの実施形態において、液体媒体は水または水と有機溶媒とを含有する。いくつかの実施形態において、有機溶媒は芳香族溶媒である。いくつかの実施形態において、有機液体は、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アニソール、およびそれらの混合物から選択される。正孔輸送材料は、液体媒体中に0.2〜2重量パーセントの濃度で存在し得る。正孔輸送層は、任意の連続または不連続な液体堆積技術によって適用され得る。いくつかの実施形態において、正孔輸送層はスピンコーティングによって適用される。いくつかの実施形態において、正孔輸送層はインクジェット印刷によって適用される。いくつかの実施形態において、正孔輸送層は連続ノズル印刷によって適用される。いくつかの実施形態において、正孔輸送層はスロットダイコーティングによって適用される。液体堆積後に、液体媒体は空気中で、不活性雰囲気中で、または真空によって、室温でまたは加熱しながら除去され得る。
【0484】
いくつかの実施形態において、光活性層は蒸着によって形成される。これらの方法は、当該技術分野でよく知られている。
【0485】
いくつかの実施形態において、光活性層は、液体媒体中の光活性材料および1つ以上のホスト材料の液体堆積によって形成される。液体媒体は、光活性層の材料が溶解されるかまたは分散されてそれからフィルムを形成する媒体である。いくつかの実施形態において、液体媒体は1つ以上の有機溶媒を含有する。いくつかの実施形態において、光活性層の機能に実質的に影響を与えない限り、少量の付加的な材料が存在している。
【0486】
適したクラスの溶媒には、限定されないが、脂肪族炭化水素(例えばデカンおよびヘキサデカン)、ハロゲン化炭化水素(例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、およびペルフルオロヘプタン)、芳香族炭化水素(例えば非置換およびアルキル置換およびアルコキシ−置換トルエンおよびキシレン)、芳香族エーテル(例えばアニソールおよびジベンジルエーテル)、ヘテロ芳香族化合物(例えばピリジン)極性溶媒(例えばテトラヒドロピラン(「THP」))、ジメチルアセトアミド(「DMAC」)およびN−メチルピロリドン(「NMP」)、エステル(例えば酢酸エチル、プロピレンカーボネート、メチルベンゾエート)、アルコールおよびグリコール(例えばイソプロパノールおよびエチレングリコール)、グリコールエーテルおよび誘導体(例えばプロピレングリコールメチルエーテルおよびプロピレングリコールメチルエーテルアセテート)、およびケトン(例えばシクロペンタノンおよびジイソブチルケトン)が含まれる。
【0487】
光活性材料は、液体媒体中に0.2〜2重量パーセントの濃度で存在し得る。液体媒体に応じて他の重量パーセントの光活性材料を使用してもよい。光活性層は、任意の連続または不連続な液体堆積技術によって適用され得る。いくつかの実施形態において、光活性層はスピンコーティングによって適用される。いくつかの実施形態において、光活性層はインクジェット印刷によって適用される。いくつかの実施形態において、光活性層は連続ノズル印刷によって適用される。いくつかの実施形態において、光活性層はスロットダイコーティングによって適用される。液体堆積後に、液体媒体は空気中で、不活性雰囲気中で、または真空によって、室温でまたは加熱しながら除去され得る。
【0488】
電子輸送層は任意の蒸着方法によって堆積され得る。いくつかの実施形態においては、真空下で熱蒸発によって堆積される。
【0489】
電子注入層は任意の蒸着方法によって堆積され得る。いくつかの実施形態においては、真空下で熱蒸発によって堆積される。
【0490】
カソードは任意の蒸着方法によって堆積され得る。いくつかの実施形態においては、真空下で熱蒸発によって堆積される。
【実施例】
【0491】
本明細書に記載される概念は、以下の実施例においてさらに説明され、実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0492】
合成例
これらの実施例は、上述のような式I、式II、または式IIIを有する化合物の調製を説明する。
【0493】
合成例1
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IA−7の調製を説明する。
(a)3,7−ジブロモナフタレン−2,6−ジオール。
【0494】
2014年のTakimiya,K.の米国特許第8,816,100B2号明細書、Compound, method of producing the compound, organic semiconductor material and organic semiconductor deviceに報告された手順に従って化合物を合成した。
(b)3,7−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ナフタレン−2,6−ジオール。
【化71】
ヒュームフード内で、撹拌バーを備えた、炉で乾燥された500mLの2首丸底フラスコに3,7−ジブロモナフタレン−2,6−ジオール(5.06g、15.9mmol)、(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ボロン酸(6.06g、34.8mmol)、炭酸ナトリウム(6.68g、63.0mmol)、トルエン(268mL)、エタノール(48mL)および水(32mL)を入れた。バブラーを備えた窒素マニホールドに接続された還流冷却器をフラスコに取り付けた。フラスコのサイドアームはセプタムでシールされた。混合物を15分間窒素でスパージした。グローブボックス内で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.91g、0.79mmol)を20mLのナシ型フラスコに添加し、トルエン(10mL)を添加した。フラスコをゴムセプタムでシールし、グローブボックスから取り出し、触媒溶液をカニューレによって反応フラスコに移し、淡黄色の曇った溶液を得た。反応混合物を37時間110℃で加熱および撹拌した。約14時間後に、(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ボロン酸(3.0g、17mmol)を添加し、混合物を10分間窒素でスパージした。次に、トルエン(10mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.91g、0.79mmol)の別のバッチをカニューレによって添加した。37時間後に、反応混合物を室温に冷却させておき、酢酸エチル(200mL)で希釈し、Sigma Aldrichから入手可能なセライト(登録商標)珪藻土のプラグを通して濾過した。ケークを酢酸エチル(100mL)で洗浄した。集められた濾液を水(200mL)で洗浄した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチル(150mL)で洗浄した。有機層を組み合わせ、ブライン(100mL)で洗浄し、分離し、無水MgSO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粗製褐色固体(12.08g)を生じた。褐色固体を自動カラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイトの固体(3.3g、50%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 7.63(s,1H),δ 7.44(m,2H),δ 7.31−7.26(m,6H),δ 5.13(br,2H,OH).
19F NMR(CD
2Cl
2,470.3MHz)δ 111.8.この以下の実施例において「δ」は一度示されるだけであり、
1Hおよび
19F NMRデータとして後に続く化学シフト値の全てを指す。UPLC−MS APCI
+(m/z)C
22H
12Cl
2F
2O
2に対する計算値([M+H]
+)417.02.実測値417.10.
(c)3,10−ジクロロジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン。
【化72】
ヒュームフード内で、撹拌バーを備えた、炉で乾燥された100mLの2首丸底フラスコに3,7−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ナフタレン−2,6−ジオール(3.0g、7.2mmol)、炭酸カリウム(2.2g、16mmol)およびN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)(40mL)を入れた。バブラーを備えた窒素マニホールドに接続された還流冷却器をフラスコに取り付けた。フラスコのサイドアームはセプタムでシールされた。得られた混合物を10分間窒素でスパージし、次に120℃に加熱し、この温度で約7時間撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却させておいた。反応混合物を中型フリット漏斗を通して濾過した。フィルターケークをアセトニトリル(300mL)で、その後に、脱イオン水(300mL)、次にアセトニトリル(100mL)で洗浄した。このケークを減圧下で恒量に乾燥させ、オフホワイトの固体(2.24g、83%)を生じた。
(d)N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)ジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IA−7。
【化73】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた2首100mLの丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.125g、0.137mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.056g、0.28mmol)およびトルエン(10mL)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.300g、3.12mmol)を入れ、その後に、N−(4−(tert−ブチル)フェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(0.920g、3005mmol)およびトルエン(40mL)を入れた。混合物を約1分間撹拌した。3,10−ジクロロジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン(0.500g、1.33mmol)を添加した。100℃に設定された加熱用ブロックを使用して反応混合物を16時間撹拌した。生成物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、その後に、再結晶させて、黄色の粉末(643mg、53%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.37(s,2H),7.98(s,2H),7.91(d,J=8.4Hz,2H),7.61(m,4H),7.55(m,4H),7.44(m,4H),7.38(m,4H),7.33(m,2H),7.24−7.22(m,6H),7.16(m,4H),7.11(dd,J=8.4,1.9Hz,2H),1.35(s,18H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 159.4,155.1,149.5,147.6,147.4,145.0,140.9,136.1,129.9,129.2,128.2,127.3,127.0,126.9,125.9,125.5,124.9,121.8,118.7,118.2,117.7,106.8,105.8,34.7,31.6.UPLC−MS 99.99%の純度.APCI
+(m/z)C
66H
54N
2O
2に対する計算値([M+H]
+)907.43.実測値907.78.
【0495】
合成例2
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IA−6の調製を説明する。
【0496】
合成例1と同様の手順を使用して、N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルフェニル)ジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IA−6を製造した。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.38(s,2H),7.99(s,2H),7.92(d,J=8.4Hz,2H),7.62(m,4H),7.56(m,4H),7.44(t,J=7.6Hz,4H),7.34−7.23(m,12H),7.19(m,2H),7.12(dd,J=8.4,1.6Hz,2H),7.01(m,2H),1.29(s,18H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 159.4,155.1,153.3,149.5,147.5,140.9,136.1,129.9,129.5,129.2,128.2,127.3,127.0,125.9,124.9,123.3,123.1,121.8,121.5,118.9,118.3,117.8,106.9,106.0,35.1,31.4.UPLC−MS APCI
+(m/z)C
66H
54N
2O
2に対する計算値([M+H]
+)907.43.実測値907.66.
【0497】
合成例3
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルフェニル)ベンゾ[2,3][1]ベンゾフロ[5,6−b][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−1の調製を説明する。
【化74】
2,8−ジメトキシジベンゾ[b,d]フランは、Yempala,T.;Cassels,B.K.,Simple and efficient synthesis of various dibenzofuran carbaldehydes.Synthetic Communications2016,46(23),1909〜1915において公開された手順に従って合成された。
【化75】
3,7−ジブロモ−2,8−ジメトキシジベンゾ[b,d]フラン。1Lフラスコに2,8−ジメトキシジベンゾ[b,d]フラン(27g)およびクロロホルム(675mL)を入れた。混合物を0℃に冷却した。次にN−ブロモスクシンイミド(「NBS」)(2当量)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温に昇温させ、約8時間撹拌した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイトの固体(16g、35%)を生じた。
1H NMR(CDCl
3,400MHz)δ 7.76(s,2H),7.37(s,2H),4.02(s,6H).LC−MS APCI
+(m/z)C
14H
10Br
2O
3に対する計算値([M]
+)385.90.実測値386.05.
【化76】
3,7−ジブロモ−2,8−ジヒドロキシジベンゾ[b,d]フラン。3,7−ジブロモ−2,8−ジメトキシジベンゾ[b,d]フラン(16g)を0℃のBBr3溶液(3当量)ジクロロメタン(160mL)で処理した。次いで混合物を室温に昇温させ、16時間撹拌した。生成物をヘキサンで洗浄することによって精製して、11.7gのオフホワイト粉末を生じた。
1H NMR(DMSO−d
6,499.8MHz)δ 10.29(b,2H),7.85(s,2H),7.47(s,2H).
【化77】
3,7−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジオール。ヒュームフード内で、撹拌バーを備えた、炉で乾燥された300mLの2首丸底フラスコに3,7−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジオール(0.760g、2.12mmol)、(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ボロン酸(0.820g、4.7mmol)、炭酸ナトリウム(0.900g、8.49mmol)、トルエン(37mL)、エタノール(18mL)および水(10mL)を入れた。バブラーを備えた窒素マニホールドに接続された還流冷却器をフラスコに取り付けた。フラスコのサイドアームはセプタムでシールされた。混合物を25分間窒素でスパージした。グローブボックス内で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.130g、0.113mmol)を20mLのナシ型フラスコに添加し、トルエン(10mL)を添加した。フラスコをゴムセプタムでシールし、グローブボックスから取り出し、触媒溶液をカニューレによって反応フラスコに移した。反応混合物を15時間110℃で加熱および撹拌した。反応混合物を室温に冷却させておき、セライト(登録商標)のプラグを通して濾過した。プラグを酢酸エチル(200mL)で洗浄した。集められた濾液を水(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチル(150mL)で洗浄した。有機層を組み合わせ、ブラインで洗浄し(150mL)、分離し、無水MgSO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粗製褐色固体(1.2g)を生じた。褐色固体を自動カラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイトの固体(0.48g、50%)を生じた。
1H NMR(DMSO−d
6,499.8MHz)δ 9.79(br,2H),7.50−7.44(m,8H),7.34(m,2H).
13C NMR(DMSO−d
6,125.69MHz)δ 159.6(d,J=249.7Hz),150.9,150.1,133.5(d,J=4.3Hz),133.0(d,J=10.5Hz),125.4(d,J=16.0Hz),124.5(d,J=3.6Hz),124.4,122.1,116.1(d,J=26.4Hz),113.4,106.1.UPLC−MS APCI
+(m/z)C
24H
12Cl
2F
2O
3に対する計算値([M+H]
+)457.02.実測値457.01.
【化78】
3,10−ジクロロベンゾ[2,3][1]ベンゾフロ[5,6−b][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン。炉で乾燥された100mLの2首丸底フラスコに3,7−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジオール(0.480g、1.05mmol)、およびK
2CO
3(0.322g、2.32mmol)および1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)(18mL)を入れた。窒素ラインに接続された還流ヘッドをフラスコに取り付けた。得られた混合物を窒素で20分間脱気した。それを120℃で3時間撹拌した。それを室温に冷却した後、灰色の懸濁液を中型フリット漏斗を通して濾過した。ケークをアセトニトリル(100mL)で、その後に、脱イオン水(100mL)および最後にアセトニトリル(150mL)で洗浄した。試料を減圧下で0.302gの恒量に乾燥させ、83%の収率を得た。
(f)N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルフェニル)ベンゾ[2,3][1]ベンゾフロ[5,6−b][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン−3,10−ジアミン、化合物1B−1。
【化79】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた25mLチューブにPd
2(dba)
3(0.028g、0.031mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.014g、0.069mmol)およびトルエン(5mL)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.108g、1.12mmol)を入れ、その後に、N−(3−(t−ブチル)フェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン塩酸塩(0.164g、0.485mmol)を入れた。混合物を約1分間撹拌した。3,10−ジクロロベンゾ[b][1]ベンゾフロ[2’,3’:5,6][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン(0.09g、0.21mmol)を添加し、その後に、トルエン(5mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して15時間反応混合物を撹拌した。反応混合物を加熱用ブロックから上げ、室温に冷却させておいた。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(150mg、74%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.04(s,2H),7.99(s,2H),7.87(d,J=8.4Hz,2H),7.62(m,4H),7.55(m,4H),7.44(m,4H),7.34−7.25(m,8H),7.23−7.21(m,4H),7.19−7.13(m,4H),7.00(m,2H),1.28(s,18H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 158.9,154.3,153.5,153.3,148.7,147.5(6),147.5(5),140.9,135.9,129.5,129.2,128.2,127.3,127.0,124.9,124.7,123.7,123.1,122.9,121.4,121.3,119.4,119.3,106.5,102.5,102.1,35.1,31.4.UPLC−MS 99.42%の純度.APCI
+(m/z)C
68H
54N
2O
3に対する計算値([M+H]
+)947.42.実測値947.54.
【0498】
合成例4
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IA−11の調製を説明する。
(a)6−メチル−N−(ナフタレン−2−イル)ビフェニル−3−アミン。
【化80】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた250mLの丸底フラスコに2−ブロモナフタレン(2.34g、11.3mmol)、Pd
2(dba)
3(0.330g、0.36mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.138g、0.68mmol)およびトルエン(45mL)を入れ、その後に、6−メチル−ビフェニル−3−アミン塩酸塩塩(2.48g、11.3mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(2.17g、22.6mmol)およびトルエン(45mL)を入れた。反応混合物を一晩室温で攪拌した。反応物をグローブボックスから取り出した。水およびブラインを添加し、内容物をジクロロメタンで抽出した。組み合わせられた抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。シリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン)による精製によって、バーントオレンジ油(2.32g、66%)として生成物をもたらした。NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 7.75(dd,J=4.9,8.64Hz,2H),7.65(d,J=8.2Hz,1H)7.46−7.34(m,7H),7.31−7.27(m,1H),7.26−7.23(m,2H),7.15(dd,J=8.1,2.4,1H),7.08(d,J=2.4,1H),5.97(s,1H),2.25(s,3H).UPLC−MS 99.69%の純度.APCI+(m/z)C
23H
19Nに対する計算値([M+H]+)309.40.実測値310.53.
(b)3,10−ビス[6−メチル−N−(ナフタレン−2−イル)ビフェニル−3−アミノ]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ビスベンゾフラン、化合物IA−11。
【化81】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた250mLの丸底フラスコに3,10−ジクロロジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン(0.50g、1.33mmol)、Pd
2(dba)
3(0.122g、0.13mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.053g、0.26mmol)およびトルエン(15mL)を入れ、その後に、6−メチル−N−(ナフタレン−2−イル)ビフェニル−3−アミン、(0.902g、2.92mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.281g、2.92mmol)およびトルエン(10mL)を入れた。100℃に設定された加熱用ブロックを使用して反応混合物を撹拌した。18.5時間後に、反応混合物を室温に冷却させておいた。反応物をグローブボックスから取り出し、セライト(登録商標)のプラグを通して濾過し、ジクロロメタンでセライト(登録商標)を洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、生成物を連続シリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)によって、次にヘキサン/ジクロロメタンによって精製し、その後に、ジクロロメタン/アセトニトリルから再結晶させて黄色の粉末(280mg、23%)を生じた。1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.39(s,2H),8.00(s,2H),7.94(d,J=8.4Hz,2H),7.83−7.79(m,4H),7.65(d,J=7.8Hz,2H),7.60(d,J=1.8Hz,2H),7.46−7.26(m,20H),7.18(d,J=1.9Hz,1H),7.16(d,J=2.1Hz,2H),7.15(br s,3H),2.31(s,6H).UPLC−MS 99.92%の純度.APCI+(m/z)C
68H
46N
2O
4に対する計算値([M+H]+)923.11.実測値924.07.
【0499】
合成例5
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)ベンゾ[b][1]ベンゾフロ[2’,3’:5,6][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−4の調製を説明する。
【化82】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた50mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.034g、0.037mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.015g、0.074mmol)およびトルエン(8mL)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.160g、1.64mmol)を入れ、その後に、N−(4−(tert−ブチル)フェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(0.485g、1.61mmol)および合成例3におけるように製造された3,10−ジクロロベンゾ[b][1]ベンゾフロ[2’,3’:5,6][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン(0.302g、0.724mmol)を添加し、その後に、トルエン(22mL)を添加した。100℃に設定された加熱用ブロックを使用して反応混合物を18時間撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.446g、65%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 7.99(s,2H),7.94(s,2H),7.83(d,J=8.4Hz,2H),7.60(d,J=7.5Hz,4H),7.54(d,J=8.3Hz,4H),7.43(t,J=7.5Hz,4H),7.37(d,J=8.4Hz,4H),7.32(t,J=7.3Hz,2H),7.26(s,2H),7.21(d,J=8.3Hz,4H),7.15−7.10(m,6H),1.35(s,18H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 158.9,154.2,153.4,148.7,147.5,147.4,145.1,140.9,135.9,129.2,128.2,127.3,127.0,126.8,125.4,124.8,124.7,123.7,121.3,119.2,119.1,106.2,102.5,102.1,34.7,31.6.APCI
+(m/z)C
68H
54N
2O
3に対する計算値([M+H]
+)947.42.実測値947.57.
【0500】
合成例6
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)ベンゾ[2,3][1]ベンゾフロ[5,6−b][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−5の調製を説明する。
【化83】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた100mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.052g、0.057mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.023g、0.11mmol)およびトルエン(10mL)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.232g、2.41mmol)を入れ、その後に、N−(4−(tert−ブチル)フェニル)ナフタレン−2−アミン(0.630g、2.28mmol)および合成例3におけるように製造された3,10−ジクロロベンゾ[b][1]ベンゾフロ[2’,3’:5,6][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン(0.430g、1.03mmol)を添加し、その後に、トルエン(24mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して24時間反応混合物を撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.550g、60%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.00(m,2H),7.96(m,2H),7.84(d,J=8.4Hz,2H),7.80−7.75(m,4H),7.62(d,J=8.0Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.42−7.33(m,10H),7.27(d,J=1.7Hz,2H),7.15−7.11(m,6H),1.35(s,18H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 158.5,153.8,153.0,148.4,147.0,145.4,144.8,134.5,130.2,128.9,127.5,126.9,126.4,126.3,124.8,124.6,124.4,124.3(8),123.2,120.8,120.5,118.9,118.8,106.0,102.0,101.6,34.3,31.2.APCI
+(m/z)C
64H
50N
2O
3に対する計算値([M+H]
+)895.34.実測値895.97.
【0501】
合成例7
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IB−7の調製を説明する。
【化84】
(a)メチル3’,5−ジメトキシビフェニル−2−カルボキシレート。
乾燥された100mL2首丸底フラスコにメチル−2−ブロモ−4−メトキシベンゾエート(2.0g、8.2mmol)、3−メトキシフェニルボロン酸(1.86g、12.3mmol)、炭酸ナトリウム(2.60g、24.6mmol)、トルエン(20mL)および水(20mL)を室温のアルゴン雰囲気下で入れた。得られた混合物を10分間撹拌し、アルゴンでパージした。次にPd(PPh
3)
4(0.47g、0.40mmol)を添加し、反応混合物を100℃で4時間撹拌した。4時間後に、反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮して、1.8gの粗化合物をもたらした。石油エーテル中の5%EtOAcを使用して粗化合物をカラムクロマトグラフィー(100−200シリカゲル)によって精製して、無色のゴム状化合物(1.56g、70%)をもたらした。APCI
+(m/z)C
16H
16O
4に対する計算値([M+H]
+)273.11.実測値273.09.
【化85】
(b)2−(3’,5−ジメトキシビフェニル−2−イル)プロパン−2−オール。
無水THF(60mL)中のメチル3’,5−ジメトキシビフェニル−2−カルボキシレート(3.0g、12.3mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下0℃でMeMgI(ジエチルエーテル中1.4M 19.0mL、56.6mmol)を滴下した。その後に反応混合物を23℃で撹拌した。24時間後に、反応混合物を0℃に冷却し、飽和NH
4Cl溶液で急冷し、酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ真空下で濃縮して、黄色の液体として粗化合物(3.5g)をもたらした。
【化86】
(c)3,6−ジメトキシ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン。
0℃のアルゴン雰囲気下のCH
2Cl
2(48mL)中の2−(3’,5−ジメトキシビフェニル−2−イル)プロパン−2−オール(1.6g、5.9mmol)の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(6.4mL)を滴下した。その後に反応混合物を23℃で撹拌した。1時間後に、反応混合物を0℃に冷却し、飽和炭酸ナトリウム溶液で急冷し、ジクロロメタン(100mL)で抽出し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて真空下で濃縮した。粗化合物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、無色の油(1.56g)をもたらした。
【化87】
(d)2,7−ジブロモ−3,6−ジメトキシ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン。
0℃のアルゴン雰囲気下のCH
2Cl
2(10mL)中の3,6−ジメトキシ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン(0.3g、1.2mmol)の撹拌溶液に、CH
2Cl
2中の臭素(0.12g、2.45mmol)を滴下した。その後に反応混合物を0℃で撹拌した。2時間後に、反応混合物をチオ硫酸ナトリウム溶液で急冷し、ジクロロメタン(50mL)で抽出し、有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ真空下で濃縮して、0.4gのオフホワイトの固体化合物(粗製)をもたらした。粗化合物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、2,7−ジブロモ−3,6−ジメトキシ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン(0.33g、70%)をもたらした。
【化88】
(e)2,7−ジブロモ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−3,6−ジオール。
0℃のアルゴン雰囲気下のCH
2Cl
2(10mL)中の2,7−ジブロモ−3,6−ジメトキシ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン(0.3g、0.73mmol)の撹拌溶液に、CH
2Cl
2中のBBr
3(2.19mL、2.19mmol)を滴下した。その後に反応混合物を23℃で撹拌した。16時間後に、反応混合物をMeOHで急冷し、ジクロロメタン(20mL)で希釈し、有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ真空下で濃縮して、粗固体をもたらした。粗化合物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイトの固体(190mg、70%)をもたらした。
1H NMR(DMSO−d
6,400MHz)δ 10.70(s,2H),7.62(s,2H),7.20(s,2H),1.37(s,6H).GC/MS C
15H
12Br
2O
2に対する計算値([M]
+)383.92(100.0%),381.92(51.4%),385.92(48.6%).実測値383.8(100.0%),381.8(約50%),385.8(約50%).
【化89】
(f)2,7−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−3,6−ジオール。ヒュームフード内で、撹拌バーを備えた、炉で乾燥された500mLの2首丸底フラスコに2,7−ジブロモ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−3,6−ジオール(5.0g、13.02mmol)、(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ボロン酸(4.55g、26.1mmol)、炭酸ナトリウム(5.59g、52.7mmol)、トルエン(187mL)、エタノール(38mL)および水(25mL)を入れた。バブラーを備えた窒素マニホールドに接続された還流冷却器をフラスコに取り付けた。フラスコのサイドアームはセプタムでシールされた。混合物を25分間窒素でスパージした。グローブボックス内で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.760g、0.651mmol)を100mLのナシ型フラスコに添加し、トルエン(62mL)を添加した。フラスコをゴムセプタムでシールし、グローブボックスから取り出し、触媒溶液をカニューレによって反応フラスコに移した。反応混合物を15時間110℃で加熱および撹拌した。反応混合物を室温に冷却させておき、自動カラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイトの固体(4.43g、70%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 7.44−7.41(m,2H),7.30−7.25(m,8H),5.45(s,2H),1.48(s,6H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 160.3(d,J=250.1),153.0,147.4,140.7,134.80(d,J=10.1Hz),133.3(d,J=4.3Hz),125.4(d,J=1.3Hz),125.3(d,J=3.6Hz),124.7(d,J=16.1Hz),121.4,117.1(d,J=26.2Hz),108.0,46.5,21.2.APCI
+(m/z)C
27H
18Cl
2F
2O
2に対する計算値([M+H]
+)483.07.実測値483.41.
【化90】
(g)3,10−ジクロロ−14,14−ジメチル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン。
炉で乾燥された200mLの2首丸底フラスコに2,7−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−3,6−ジオール(4.4g、9.10mmol)、およびK
2CO
3(2.80g、20.3mmol)および1−メチル−2−ピロリジノン(155mL)を入れた。窒素ラインに接続された還流ヘッドをフラスコに取り付けた。得られた混合物を窒素で20分間脱気した。それを15時間120℃で撹拌した。それを室温に冷却した後、灰色の懸濁液を中型フリット漏斗を通して濾過した。ケークをアセトニトリル(300mL)で、その後に、脱イオン水(250mL)および最後にアセトニトリル(100mL)で洗浄した。試料を減圧下で2.52gの恒量に乾燥させ、62%の収率を得た。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.14(s,2H),8.09(s,2H),8.02(d,J=8.2Hz,2H),7.67(d,J=1.6Hz,2H),7.38(dd,J=1.7,8.2Hz),1.67(s,6H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 157.9,157.6,150.8,140.1,133.0,124.2,124.1(5),124.0(5),121.9,115.4,112.8,104.1,46.7,28.3.APCI
+(m/z)C
27H
16Cl
2O
2に対する計算値([M+H]
+)443.06.実測値444.30.
【化91】
(h)N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−14,14−ジメチル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−7。グローブボックス内で、撹拌バーを備えた100mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.032g、0.035mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.014g、0.069mmol)およびトルエン(5mL)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.139g、1.45mmol)、N−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−[1,1’−ビフェニル]−3−アミン(0.425g、1.41mmol)および3,10−ジクロロ−14,14−ジメチル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン(0.270g、0.609mmol)を添加し、その後に、トルエン(20mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して16時間反応混合物を撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.330g、59%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 7.93(s,2H),7.84(s,3H),7.82(s,1H),7.61(m,4H),7.54(m,4H),7.43(m,4H),7.36(m,4H),7.32(m,2H),7.26(d,J=1.7Hz,2H),7.20(m,4H),7.15−7.11(m,6H),1.66(s,6H),1.35(s,18H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 158.4,157.0,150.1,148.0,147.7,147.3,145.2,141.0,138.4,135.7,129.2,128.2,127.3,127.0,126.8,125.2,124.5,124.4,120.9,119.6,119.5,114.2,106.7,103.0,46.4,34.7,31.6,28.5.APCI
+(m/z)C
71H
60N
2O
2に対する計算値([M+H]
+)973.4728.実測値973.4703.
【0502】
合成例8
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−14,14−ジメチル−N,N’−ビス(3,4,5−トリメチルフェニル)−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−8の調製を説明する。
【化92】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた100mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.017g、0.019mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.010g、0.034mmol)およびトルエン(5mL)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.145g、1.51mmol)、N−(3,4,5−トリメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン(0.390g、1.36mmol)および3,10−ジクロロ−14,14−ジメチル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン(0.280g、0.632mmol)を添加し、その後に、トルエン(17mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して反応混合物を17.5時間撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.238g、40%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 7.91(s,2H),7.84(s,2H),7.81(d,J=8.4Hz,2H),7.61(d,J=7.4Hz,4H),7.52(d,J=8.4Hz,4H),7.43(t,J=7.6Hz,4H),7.32(m,2H),7.24(br,2H),7.19−7.16(m,4H),7.11−7.07(m,2H),6.88(s,4H),2.24(s,12H),2.19(s,6H),1.65(s,6H).APCI
+(m/z)C
69H
56N
2O
2に対する計算値([M+H]
+)945.44.実測値946.24.
【0503】
合成例9
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−14,14−ジメチル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−9の調製を説明する。
【化93】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた100mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.052g、0.057mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.034g、0.12mmol)、トルエン(10mL)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.060g、0.62mmol)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.180g、1.87mmol)、N−(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(0.680g、2.48mmol)および3,10−ジクロロ−14,14−ジメチル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン(0.508g、1.15mmol)を添加し、その後に、トルエン(41mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して16時間反応混合物を撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.690g、67%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 7.92(s,2H),7.84(s,2H),7.82(d,J=8.4Hz,2H),7.60(m,4H),7.53(d,J=8.4Hz,4H),7.43(t,J=7.7Hz,4H),7.32(m,2H),7.25(d,J=1.7Hz,2H),7.18(d,J=8.4Hz,4H),7.12−7.09(m,4H),7.02(m,2H),6.95(m,2H),2.28(s,6H),2.22(s,6H),1.66(s,6H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 158.4,157.0,150.1,148.1,147.8,145.6,141.0,138.4,138.3(9),135.4,133.0,131.0,129.2,128.1,127.3,127.2,126.9,124.4,124.2,123.6,120.8,119.4,119.3,114.2,106.5,102.9,46.4,28.5,20.0,19.3.APCI
+(m/z)C
67H
52N
2O
2に対する計算値([M+H]
+)917.41.実測値917.17.
【0504】
合成例10
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−14,14−ジメチル−N,N’−ジ(1,1’:4’,1’’−テルフェニル−4−イル)−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−6の調製を説明する。
【化94】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた100mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.052g、0.057mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.033g、0.113mmol)、トルエン(10mL)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.060g、0.62mmol)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.180g、1.87mmol)、N−(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’:4’,1’’−テルフェニル]−4−アミン(0.868g、2.48mmol)および3,10−ジクロロ−14,14−ジメチル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン(0.500g、1.13mmol)を添加し、その後に、トルエン(42mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して反応混合物を15.5時間撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.689g、57%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 7.92(s,2H),7.84(s,2H),7.82(d,J=8.4Hz,2H),7.68−7.65(m,12H),7.56(d,J=8.6Hz,4H),7.46(t,J=7.7Hz,4H),7.36(m,2H),7.27(d,J=1.7Hz,2H),7.19(d,J=8.6Hz,4H),7.13−7.10(m,4H),7.04(m,2H),6.96(m,2H),2.29(s,6H),2.23(s,6H),1.66(s,6H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 158.4,157.0,150.1,148.1,147.9,145.6,141.0,139.9,139.8,138.4(3),138.4(2),134.7,133.1,131.0,129.2,128.0,127.8,127.7,127.3,127.2(5),127.2(4),124.5,124.2,123.6,120.8,119.4,119.4(0),114.2,106.6,103.0,46.4,28.5,20.0,19.4.APCI
+(m/z)C
79H
60N
2O
2に対する計算値([M+H]
+)1069.47.実測値1069.38.
【0505】
合成例11
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ビス(2’,5’−ジヘキシル−2,2’’−ジメチル−1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クアテルフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(4’−プロピルビフェニル−4−イル)ジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IA−44の調製を説明する。
【化95】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた100mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.010g、0.011mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.0063g、0.0217mmol)、トルエン(2mL)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.042g、0.44mmol)を入れた。混合物を10分間撹拌した。2’,5’−ジヘキシル−2,2’’−ジメチル−N−(4’−プロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−[1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クアテルフェニル]−4−アミン(0.310g、0.435mmol)および3,10−ジクロロジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン(0.076g、0.20mmol)を添加し、その後に、トルエン(8mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して16時間反応混合物を撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.190g、56%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.40(s,2H),8.01(s,2H),7.95(d,J=8.4Hz,2H),7.70(d,J=7.9Hz,4H),7.60−7.54(m,10H),7.51−7.46(m,6H),7.37(m,2H),7.34−7.27(m,12H),7.21−7.19(m,6H),7.12(m,4H),7.06(d,J=2.2Hz,2H),2.65(t,J=7.6Hz,4H),2.52(m,4H),2.41(m,4H),2.21(s,3H),2.20(s,3H),2.11(s,3H),2.10(s,3H),1.70(sextet,J=7.5Hz,4H),1.52−1.44(m,8H),1.33−1.18(m,24H),0.99(t,J=7.4Hz,6H),0.90(t,J=7.1Hz,6H),0.82(t,J=6.9Hz,6H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 159.5,155.2,149.6,147.2,146.6,142.2,141.5,141.3,141.2,140.1,140.0,138.3,138.2(9),138.2,138.1,138.0,137.9,137.1,137.0,136.4,131.4,131.3,130.8(4),130.8(1),130.7(5),130.7(0),130.6,129.9,129.4,129.2,128.8,128.1,127.6,127.4,126.9,125.9,125.3,124.3,122.7,121.9,118.9,118.4,117.8,106.9,106.1,38.1,33.1(8),33.1(7),33.0(5),33.0(4),32.0,31.3,31.2(6),31.1(9),29.5(5),29.5(1),29.4(5),29.4(2),25.1,23.0,22.9,20.5,20.4,14.3,14.2,14.1.APCI
+(m/z)C
128H
130N
2O
2に対する計算値([M+H]
+)1728.0205.実測値1729.0955.
【0506】
合成例12
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,8−ジフェニル−N,N’−ビス[4’’−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,1’:4’,1’’−テルフェニル−4−イル]−1,8−ジヒドロカルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−3,10−ジアミン、化合物IA−45の調製を説明する。
【化96】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた100mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.019g、0.020mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.013g、0.045mmol)、トルエン(5mL)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.026g、0.27mmol)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.118g、1.23mmol)、N−(4−(tert−ブチル)フェニル)−4’’−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−[1,1’:4’,1’’−テルフェニル]−4−アミン(0.9g、1.8mmol)および3,10−ジクロロ−1,8−ジフェニル−1,8−ジヒドロカルバゾロ[4,3−c]カルバゾール(0.363g、0.688mmol)を添加し、その後に、トルエン(25mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して15時間反応混合物を撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.410g、42%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.83(s,1H),8.58(d,J=8.7Hz,2H),7.80(d,J=8.9Hz,2H),7.70−7.65(d,J=7.6Hz,8H),7.61−7.54(m,17H),7.49−7.47(m,6H),7.35−7.31(m,6H),7.24−7.18(m,6H),7.14(m,4H),1.83(s,4H),1.43(s,12H),1.36(s,18H),0.79(s,18H).APCI
+(m/z)C
106H
104N
4に対する計算値([M+H]
+)1433.83.実測値1433.92.
【0507】
合成例13
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ビス[6−(1−ベンゾフラン−2−イル)ナフタレン−2−イル]−14,14−ジメチル−N,N’−ジフェニル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−10の調製を説明する。
【化97】
グローブボックス内で、撹拌バーを備えた100mLの2首丸底フラスコにPd
2(dba)
3(0.030g、0.033mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.0175g、0.0603mmol)、トルエン(10mL)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.010g、0.10mmol)を入れた。混合物を10分間撹拌した。ナトリウムtert−ブトキシド(0.243g、2.53mmol)、6−(1−ベンゾフラン−2−イル)−N−フェニルナフタレン−2−アミン(0.740g、2.21mmol)および3,10−ジクロロ−14,14−ジメチル−14H−ジベンゾ[d,d’]フルオレノ[3,2−b:6,7−b’]ジフラン(0.440g、0.993mmol)を添加し、その後に、トルエン(50mL)を添加した。110℃に設定された加熱用ブロックを使用して15時間反応混合物を撹拌した。反応混合物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、カナリアイエローの粉末(0.740g、63%)を生じた。
1H NMR(CD
2Cl
2,499.8MHz)δ 8.31(s,2H),7.95(s,2H),7.87−7.82(m,8H),7.65−7.61(m,4H),7.56(d,J=8.0Hz,2H),7.48(m,2H),7.38−7.22(m,16 H),7.18−7.12(m,6H),1.67(s,6H).
13C NMR(CD
2Cl
2,125.69MHz)δ 158.4,157.1,126.5,155.3,150.2,147.9,147.6,146.6,138.6,134.8,130.3,129.9,129.8,129.7(8),127.8,126.7,125.5,125.1,124.7,124.3,124.2,123.8,123.6,123.4,121.2,121.1,120.3,120.1,114.3,111.4,107.7,103.1,101.8,46.4,28.5.APCI
+(m/z)C
75H
48N
2O
4に対する計算値([M+H]
+)1041.3686.実測値1041.3706.
【0508】
合成例14
この実施例は式IIを有する化合物、化合物II−16の調製を説明する。
(a)ブロモ−2−(2,2−ジクロロビニル)フェノール
Ref.Newman,Stephen G.et al.,Synthesis,(2),342−346;2011
【化98】
4−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、4.98mmol)、MeCN(41mL)、およびトリフェニルホスファン(3.91g、14.92)を磁気撹拌バーを備えたフラスコに添加した。混合物を5分間撹拌し、その後ブロモトリクロロメタン(1.78g、8.96mmol)を一回で添加した。反応混合物を周囲温度で4時間撹拌し、その時までにアルデヒドおよびトリフェニルホスファンはTLC分析によって示されるように消費されていた。固体Ph
3POが沈殿し始めるまで混合物はEt
2O−ペンタン混合物(3:1)で希釈された。次に、不均質混合物をシリカゲルのパッドを通して濾過し、それをEt
2O−ペンタン混合物(3:1)で洗浄した。溶媒を蒸発させ、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ペンタン、5:95)によって精製して、無色の油、収量105mg、79%を生じた。1H NMR(CDCl3):δ=7.49(d,1 H),7.11(d,1 H),7.02(s,1 H),6.95(s,1 H),5.32(s,b,1 H).13C NMR(100MHz,CDCl3):δ=118.89,119.91,122.54,122.82,123.07,123.99,130.40,153.47.
(b)6−ブロモ−2−クロロベンゾフラン
Ref.Ji,Yong;Li,Pinhua;Zhang,Xiuli;Wang,Lei.Organic & Biomolecular Chemistry,11(24),4095−4101,2013
【化99】
エタノール(2mL)中の5−ブロモ−2−(2,2−ジクロロビニル)フェノール(0.22g、0.82mmol)の溶液に、炭酸セシウム(1.34g、0.41mmol)を添加した。反応物を2時間撹拌および80℃で加熱し、UPLC分析は、反応が終了していることを示した。冷却後に、酢酸エチル(50mL)を添加し、溶液を水、飽和ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。溶媒を蒸発させ、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体、収量154mg、81%を生じた。LC/MS分析、M+H232、およびNMRスペクトルは生成物の構造と一致している。
(c)2−クロロ−N,N−ジフェニルベンゾフラン−6−アミン
【化100】
グローブボックス内で、6−ブロモ−2−クロロベンゾフラン(694mg、3.00mmol)、ジフェニルアミン(592mg、3.50mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(692g、7.20mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(61mg、0.30mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(137mg、0.15mmol)を乾燥トルエン(50mL)と混合した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、セライト(登録商標)プラグを通して濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物は、ジクロロメタン/ヘキサン勾配で溶離されるシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Teledyne Iscoから入手可能なCombiFlash(登録商標)精製システム)によって精製された。生成物は、透明な液体(748mg、78%)として得られた。MS分析、M+H320、1H−NMRは生成物の構造と一致している。
(d)N,N−ジフェニル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾフラン−6−アミン
【化101】
ドライボックス内で、250mLの3首丸底フラスコに2−クロロ−N,N−ジフェニルベンゾフラン−6−アミン(748g、2.40mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(731mg、2.88mmol)、酢酸カリウム(942mg、9.60mmol)、Pd
2(dba)
3(44mg、0.04mmol)、X−Phos(商標)(38mg、0.08mmol)および1,4−ジオキサン(50mL)を入れた。この反応を80℃で16時間撹拌した。冷却後に、混合物は、DCMで溶離されるセライト(登録商標)プラグを通して濾過された。溶媒を蒸発させ、クロロホルム/ヘキサン勾配を使用するカラム分離(CombiFlush(登録商標))に粗生成物を供した。生成物を含有する画分をUPLC分析によって同定し、組み合わせて白色粉末を生じた(681g、69%)。NMRスペクトルは生成物の構造と一致している。
(e)2,2’−(ナフト[1,2−b:5,6−b’]ジフラン−2,7−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルベンゾフラン−6−アミン)、化合物II−16。
【化102】
100mLの3首丸底フラスコに2,7−ジブロモナフト[1,2−b:5,6−b’]ジフラン(0.55g、1.50mmol)、N,N−ジフェニル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾフラン−6−アミン(1.30g,3.15mmol)、炭酸ナトリウム水溶液(2M,29mL)、Aliquat(商標)336(13mg、0.03mmol)およびトルエン(116mL)を入れた。系を窒素で15分間パージした。その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(70mg、0.06mmol)を添加し、系をさらに5分間パージした。反応物を16時間還流しながら撹拌した。UPLC分析は、全ての,7−ジブロモナフト[1,2−b:5,6−b’]ジフランが消費されたことおよび生成物が主成分として形成されたことを示した。有機相を分離し、希釈したHCl(10%、50ml)および飽和ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶液は、トルエンで溶離される短いアルミナ(塩基性)カラムを通過させられた。溶媒を蒸発させ、ヘキサン/DCM勾配を使用して分取クロマトグラフィー(CombiFlush(登録商標))によって粗生成物を精製して、淡黄色の粉末を生じた(335mg、99.4%の純度の収率29%)。
【0509】
合成例15
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ビス(3’−tert−ブチルフェニル−4−イル)−N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−ジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン−3,10−ジアミン、化合物IA−17の調製を説明する。
【化103】
ドライボックス内で、3,10−ジクロロジベンゾ[d,d’]ナフト[2,3−b:6,7−b’]ジフラン(2.64g、7.00mmol)、3N−(4−(tert−ブチル)フェニル)ナフタレン−2−アミン(4.05g、14.70mmol)、Pd
2(DBA)
3(321mg、0.35mmol)および無水トルエン(300ml)を窒素下で1000mLフラスコ内に取り、5分間撹拌した。NaOtBu(1.61g、16.80mmol)を10分で少しづつ添加した。反応物を80℃で16時間撹拌した。冷却後に、反応物をドライボックスから取り出し、セライト(登録商標)プラグを通過させて不溶性材料を除去した。溶媒を回転蒸発によって除去し、DCM/ヘキサン勾配で溶離される分取クロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標))によって残留物を分離した。生成物を含有する画分をUPLC分析によって同定し、集めた。溶媒を蒸発させ、生成物をトルエン/アセトニトリルから結晶化させてUPLC分析によって>99.9%の純度の4.2gの淡黄色物質を生じた。LC/MS分析、M+H855、およびNMRスペクトルは生成物の構造と一致している。
【0510】
合成例16
この実施例は、式Iを有する化合物、N,N’−ジ(2,4−ジメチルフェニル)−N,N’−ジ(4’−tert−オクチルテルフェニル−4−イル)−ナフト[2,3−b:6,7−b’]ビスベンゾフラン−3,10−ジアミン、化合物IA−43の調製を説明する。
【化104】
ナフト[2,3−b:6,7−b’]ビスベンゾフラン−3,10−ジクロリド(1.03g、2.7mmol)、[1,1’:4’,1’’−テルフェニル]−4−アミンN−(2,4−ジメチルフェニル)−4’’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−(2.6g、5.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(52mg、0.06mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(23mg、0.011mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.57g、5.9mmol)および55mlのスパージされた無水トルエンをグローブボックス内の100mlの丸底フラスコに取り、反応が終了したとみなされるまで得られたスラリーを80℃に加熱した。反応混合物を冷却し、水で急冷した。褐色の有機層を分離し、アルミナを通過させ、濃縮して粗生成物をもたらした。生成物をトルエン−メタノール結晶化ならびにアルミナとフロリジル(登録商標)ケイ酸マグネシウム(Sigma−Aldrichから入手可能)とを通す短いプラグによってさらに精製し、3.36gの所望の生成物をもたらした。
【0511】
合成例17
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−12の調製を説明する。
(a)ジフラン核2,7−ビス(4−ブロモフェニル)ナフト[1,2−b:5,6−b’]ジフラン(生成物1)の調製
【化105】
210mLキシレン中にスラリーにされた1,5−ナフタレンジオール(7.2g、0.0450モル)、4−ブロモフェナシルブロミド(35.01g、0.1260モル)、塩基性アルミナ(60g、0.5885モル)を一晩還流し、次に冷却および濾過して、最初の濾液およびフィルターケークをもたらした。フィルターケークをTHFおよびm−キシレンおよび還流m−キシレンで抽出した。この濾液を濃縮し、濾過し、固形分をTHF中で研和して50mgの生成物1をもたらした。最初の濾液を濃縮し、濾過してケークを得て、それをキシレンで研和して70mgの生成物1をもたらし、および濾液を濃縮し、THFから再結晶して20mgの生成物1を得た。また、THFを使用するソックスレー抽出によってさらなる量の生成物を最初のフィルターケークから抽出した。全収量0.25g。
(b)N,N’−[ナフト[1,2−b:5,6−b’]ジフラン−2,7−ジイルジ(4,1−フェニレン)]ビス{N−[4−(1−ベンゾフラン−2−イル)フェニル]−4−(プロパン−2−イル)アニリン}の調製
【化106】
窒素充填ドライボックス内で、Pd
2DBA
3(0.0090g、0.0098mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.0045g、0.0222mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.18g、1.873mmol)、生成物1(0.23g、0.444mmol)、第二アミン(0.31g、0.954mmol)および10mLのo−キシレンを組み合わせて、90℃に加熱した。トルエン/ヘキサンを使用するシリカクロマトグラフィーの後に、トルエン/アセトニトリル再結晶により、UPLC/MSおよび1H−nmr分光分析法によって同定された165mgの化合物III−12をもたらした。
【0512】
合成例18
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−13の調製を説明する。
(a)ジフラン核2,7−ジブロモナフト[2,3−b:7,6−b’]ジフラン(生成物2a)の調製
【化107】
室温のピリジン(3当量)中の無水酢酸(6当量)を使用して16時間市販の3,6−ジブロモナフタレン−2,7−ジオール(A)をそのジアセテートエステルに変換した。水を添加し、得られた固体を濾過することによって59%の収率の3,6−ジブロモナフタレン−2,7−ジイルジアセテート(B)を生じた。12gのこの生成物をTMSアセチレン(10.0当量)、Cs
2CO
3(4当量)、Pd(CH
3CN)
2Cl
2(0.05当量)、X−phos(0.12当量)、1,4−ジオキサン(6vol)、THF(6vol)と60℃で45分間反応させた。溶離剤として石油エーテル中の10%EtOAcを使用してカラムクロマトグラフィーを実施し、その後に、n−ペンタンで浸出させることによって粗化合物を精製して、21%の収率の3,6−ビス[(トリメチルシリル)エチニル]ナフタレン−2,7−ジイルジアセテート(C)を生じた。この材料をTHF(20vol)中のテトラ−n−ブチルフッ化アンモニウム(3.2当量)で60℃で16時間処理し、74%の収率の難溶性固体、ナフト[2,3−b:7,6−b’]ジフラン(D)の単離をもたらし、それをペンタンで浸出させることによって精製した。THF(15vol)中の1.0Mのn−BuLi(3当量)、ジブロモテトラクロロエタン(3当量)を使用してこの固体を臭素化し、−78℃から始めてゆっくりと室温まで16時間昇温した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、次にEtOHから再結晶させ、その後に、THF/ヘキサンを使用して共沈させて、UPLC/MSおよび1H−nmr分光分析法によって同定された34%の収率のジブロモジフラン生成物2aを生じた。
(b)ジフラン核2,7−ビス(4−クロロフェニル)ナフト[2,3−b:7,6−b’]ジフラン(生成物2b)の調製
【化108】
生成物2a(0.468g、1.3mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(0.497g、3.2mmol)、7.2mlの水、21.6mLのモノグライムおよび炭酸カリウム(2.02g、1.4mmol)を40分間窒素でスパージした。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.065g、0.0561mmol)をすみやかに添加し、混合物を一晩還流した。反応物を冷却し、水で稀釈し、濾過し、ケークをアセトンおよびジクロロメタンで洗浄し、320mgの生成物2bを生じた。58%の収率。
(c)発光体材料N,N’−[ナフト[2,3−b:7,6−b’]ジフラン−2,7−ジイルジ(4,1−フェニレン)]ビス{N−[4−(1−ベンゾフラン−2−イル)フェニル]アニリン}、化合物III−13の調製
【化109】
窒素充填ドライボックス内でPd
2DBA
3(0.0600g、0.0655mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.0300g、0.1483mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.162g、1.686mmol)、上記からの生成物2b(0.207g、0.482mmol)、第二アミン(0.306g、1.072mmol)および9mLのo−キシレンを組み合わせて、4時間100℃に加熱した。ジクロロメタン/ヘキサンを使用するシリカクロマトグラフィーと、その後に、トルエン/アセトニトリル再結晶、o−キシレン再結晶およびジクロロメタン/アセトニトリル再結晶とによって、UPLC/MSおよび1H−nmr分光分析法によって同定された70mgの生成物化合物III−13を生じた。
【0513】
合成例19
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−8の調製を説明する。
(a)ジフラン核2,5−ビス(4−ブロモフェニル)ナフト[1,2−b:4,3−b’]ジフラン(生成物3)の調製
【化110】
1,4−ナフタレンジオール(14.4g、0.0899モル)、4−ブロモフェナシルブロミド(70.02g、0.2519モル)、塩基性アルミナ(150g、1.4712モル)および420mLのキシレンを一晩還流した。スラリーを中質ガラスフリットを通して高温濾過し、冷却させておいた。生成した固体を冷却濾液から濾過し、トルエンおよびメタノールで洗浄して灰色の固体をもたらし、それをTHFで研和して1.7gの生成物3を得た。3%の収率
(b)発光体材料N,N’−[ナフト[1,2−b:4,3−b’]ジフラン−2,5−ジイルジ(4,1−フェニレン)]ビス{N−[4−(1−ベンゾフラン−2−イル)フェニル]−4−(プロパン−2−イル)アニリン}、化合物III−8の調製
【化111】
窒素充填ドライボックス内でPd
2DBA
3(0.0900g、0.0098mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.0045g、0.0222mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.1800g、1.873mmol)、上記からの生成物3(0.230g、0.4440mmol)、第二アミン(0.3080g、0.9410mmol)および10mLのo−キシレンを組み合わせて、100℃に加熱した。冷却された反応溶液をフロリジル(登録商標)を通して濾過した。トルエン/ヘキサン溶離剤を使用するシリカクロマトグラフィーの後に、トルエン/アセトニトリル/メタノール再結晶、o−キシレン再結晶およびジクロロメタン/アセトニトリル再結晶によって、UPLC/MSおよび1H−nmr分光分析法によって同定された210mgの生成物化合物III−8をもたらした。
【0514】
合成例20
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IB−3の調製を説明する。
(a)核前駆体物質1,7−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジオール(生成物4a)の調製
【化112】
4,4’−ジブロモ[1,1’−ビフェニル]−2,2’,5,5’−テトロール(50.29グラム、0.1337モル)を窒素充填ドライボックス内の1340mLのo−ジクロロベンゼンおよびゼオライトHY(52.73グラム)中でスラリーにして、約8時間140℃に昇温し、次に撹拌しながら一晩冷却した。ODCBの大部分をストリップし、500mLのEtAcを添加した。得られた溶液を窒素でスパージし、セライト(登録商標)床を通して濾過した。約710mlのヘキサンを添加し、溶液を一晩放置しておき、2.9グラムの初期固形分を濾過し、廃棄した。濾液を濃縮して37グラムの橙色の固体をもたらした。橙色の固体をEtAc/へプタンから再結晶して真直な(S)および曲がった(B)生成物の比が様々な3つの連続した固体をもたらした。61%の混合収率。
【化113】
上の再結晶からのBおよびSの混合材料(約75%B、約25%S)(6.498g、18.2mmol)、4−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸(6.960g、39.9mmol)、77mLの水、1060mLのトルエン、145mLのエタノールおよび炭酸カリウム(14.535g、105.2mmol)を窒素で40分間スパージする。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.00g、0.895mmol)をすみやかに添加し、混合物を一晩66℃に加熱する。反応の温度を2時間96℃に上昇させ、次に冷却し、水洗浄で分離し、次にシリカ上のEtAc/ヘキサンクロマトグラフィーのために有機層を86gのセライト(登録商標)に予備吸収させる。生成物4bは、クロマトグラフィーにおいて主要帯として分離され、UPLC/MSおよび1H−nmr分光分析法によって同定される。収率 1.8グラム、21%。
(b)核トリフラン3,12−ジクロロベンゾ[2,3][1]ベンゾフロ[5,6−b][1]ベンゾフロ[3,2−e][1]ベンゾフラン(生成物4b)の調製
【化114】
上記からの生成物4a(1.78g、0.0039モル)、炭酸カリウム(1.18g、0.0086モル)および45mLの1−メチル−2−ピロリジノンを窒素充填ドライボックス内で組み合わせ、2時間120℃に加熱し、冷却し、水で稀釈し、得られた固体を濾過した。回収されたフィルターケークをアセトニトリルおよび水で洗浄し、乾燥させて1.39gの難溶性生成物4bを生じた。85%の収率。
(c)発光体材料N
3,N
3,N
12,N
12−テトラ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)ベンゾ[2,3][1]ベンゾフロ[5,6−b][1]ベンゾフロ[3,2−e][1]ベンゾフラン−3,12−ジアミン、化合物IB−3の調製。
【化115】
窒素充填ドライボックス内でPd
2DBA
3(0.0630g、0.0688mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.0322g、0.1592mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.3150g、3.277mmol)、上記からの生成物4b(0.405g、0.965mmol)、第二アミン(0.6790g、2.113mmol)および17.5mLのトルエンを組み合わせて、4時間90℃に加熱した。反応混合物は、塩基性アルミナおよびフロリジル(登録商標)を通してトルエンで溶離された。トルエン/ヘキサンで溶離するシリカカラムクロマトグラフィー、およびトルエン/n−プロパノールからの再結晶によって280mgの生成物化合物IB−3を生じた。29%の収率がUPLC/MSおよび1H−nmr分光分析法によって同定された。
【0515】
合成例21
この実施例は、式Iを有する化合物、N
3,N
10−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N
3,N
10−ジ([1
1,2
1:2
4,3
1−テルフェニル]−1
4−イル)ベンゾ[2,3][1]ベンゾフロ[5,6−b][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン−3,10−ジアミン、化合物IB−2の調製を説明する。
【化116】
0.42gのトリフラン核ジクロリド3,10−ジクロロベンゾ[2,3][1]ベンゾフロ[5,6−b][1]ベンゾフロ[2,3−f][1]ベンゾフラン、0.76gのsec.アミンを窒素充填グローブボックス内で固形分として混合した。0.2gのPd
2DBA
30.09gのP(t−Bu)3および0.25gのt−BuONaもまた添加し、全て100mLのトルエン中にスラリーにした。混合物を一晩窒素下で90℃で加熱する。溶液は冷却し、次に蒸発し、積層された塩基性アルミナ/酸性アルミナ/フロリジル(登録商標)プラグ上に充填し、DCMで溶離して明るい青色のPL溶液にする。小さい体積に蒸発させ、次にトルエンを添加し、昇温させ、放置して難溶性の淡黄色の固体を生じた。黄色の固体を濾過して乾燥させる。高温トルエンからの最終の再結晶および減圧乾燥によって、UPLC/MSおよび1H−nmr分光分析法によって同定された0.75gの淡黄色の結晶材料化合物IB−2を生じる。
【0516】
合成例22
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IA−46の調製を説明する。
パート1:ジクロロカルバゾロカルバゾール前駆体5の合成
【化117】
(a)1,5−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタレン(1)。
ピリジン(28g、28.5ml、354.5mmol)を窒素雰囲気下で3首1L内の500mlのジクロロメタン中の1,5−ジヒドロキシナフタレン(11.35g、70.89mmol)の撹拌懸濁液に添加した。その後にトリフリン酸無水物(50g、177mmol)を水/氷浴で冷却された混合物に滴下し、得られた懸濁液を窒素雰囲気下で周囲温度に徐々に昇温させておいた。混合物を200mlの水中に注ぎ、周囲温度で10分間撹拌した。有機相を分離し、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせられた有機層を稀塩酸水溶液で洗浄し、その後に、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層は、ジクロロメタンで溶離するシリカゲルが充填されたフィルターを通過された。回転蒸発器を使用して溶媒を約30mlの体積に蒸発させ、形成された沈殿物を濾過し、真空中で乾燥させて、20.5g(41.17mmol、68%)の1,5−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタレン1を生じた。
1H−NMR(CDCl
3,500MHz):7.63(d,2H,J=8Hz),7.71(t,2H,J=8Hz),8.15(d,2H,J=8Hz).MS:MH+=425.
(b)1,5−ナフタレンジボロン酸ピナコールエステル(2)。
乾燥した1,4−ジオキサン(200ml)中の1,5−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタレン1(7g、16.5mmol)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(12.57g、49.5mmol)、Cl
2Pd(dppf)(603mg、0.825mmol、5モル%)、無水酢酸カリウム(9.7g、99mmol)の混合物を100℃で3.5時間撹拌した。その後に反応混合物を冷却し、トルエンで溶離するセライト(登録商標)の短いプラグを通過させた。回転蒸発器を使用して溶媒を約15mlの体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて真空中で乾燥させて、1,5−ナフタレンジボロン酸ピナコールエステル2を生じた(5.92g、15.6mmol、94%)。
1H−NMR(CDCl
3,500MHz):1.44(s,24H),7.52(dd,2H,J1=7Hz,J2=8Hz),8.08(dd,2H,J1=7Hz,J2=1Hz),8.90(d,2H,J=8Hz).MS:MH+=391.
(c)1,5−ビス(4−クロロ−2−ニトロ)−ナフタレン(3)。
トルエン(全体として130ml)中の1,5−ナフタレンジボロン酸ピナコールエステル2(全体として2.55g、6.71mmol)、1−ブロモ−4−クロロ−2−ニトロベンゼン(全体として6.25g、26.4mmol)、炭酸セシウム(全体として8.75g、26.86mmol)、Pd(PPh
3)
4(全体として0.819g、0.709mmol)の混合物をTLC/HPLCによって出発原料の消費まで110℃の窒素雰囲気下で撹拌した。その後に反応混合物は冷却され、ジクロロメタンで溶離するシリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過された。粗生成物は、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーによって精製された。所望の生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を約10mlの体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、アトロポ異性体(atropoisomers)の混合物として1,5−ビス(4−クロロ−2−ニトロ)−ナフタレン3をもたらした(1.928g、4.39mmol、65%)。
1H−NMR(CDCl
3,500MHz):7.35(m,2H),7.43−7.54(m,6H),7.71および7.74(アトロポ異性体,dd,2H,J1=8Hz,J2=2Hz),8.11および8.14(d,2H,J=2Hz).MS:MH+=439.
(d)3,10−ジクロロ−5,12−H−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール(4)。
1,2−ジクロロベンゼン(100ml)中の1,5−ビス(4−クロロ−2−ニトロ)−ナフタレン3(3.322g、7.57mmol)、トリフェニルホスフィン(9.9g、37.8mmol)の混合物を180℃の窒素雰囲気下で出発原料の消費まで8時間加熱した。その後に反応混合物を冷却し、ヘキサン(約200ml)で稀釈し、ヘキサンで溶離するシリカゲルカラム上に充填して過剰なトリフェニルホスフィンを除去し、その後に、テトラヒドロフランで溶離した。回転蒸発器を使用してテトラヒドロフランを約20mlの残留体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集め、少量のテトラヒドロフランで洗浄し、真空中で乾燥させて、3,10−ジクロロ−5,12−H−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール4とトリフェニルホスフィンオキシドとの混合物(3.15g、NMRによって比1:1.46)を生じ、それをさらに精製せずに次の工程のために使用した。
1H−NMR(DMSO−d
6,500MHz):7.32(dd,2H,J1=8Hz,J2=2Hz),7.70(d,2H,J=2Hz),7.96(d,2H,J=8Hz),8.67(d,2H,J=8Hz),8.86(d,2H,J=8Hz),11.85(s,2H).MS:MH+=375.
(e)3,10−ジクロロ−5,12−ジフェニル−5,12−H−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール(5)。
乾燥トルエン(200ml)中の粗製3,10−ジクロロ−5,12−H−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール4(3.15g、トリフェニルホスフィンオキシドとの1:1.46混合物)、ヨードベンゼン(7.72g、37.85mmol)、Pd
2(dba)
3(0.693g、0.757mmol)、トリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.306g、1.1514mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(3.63g、38mmol)の混合物を2時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物は冷却され、追加量のヨードベンゼン(3g)、Pd
2(dba)
3(0.2g)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.1g)を添加し、HPLCによって出発原料のほぼ完全な消費まで110℃で加熱しながら撹拌を窒素雰囲気下でさらに40分間続けた。その後に反応混合物を冷却し、濾過し、沈殿物をトルエン、メタノール、水、メタノールで連続的に洗浄し、真空中で乾燥させて、3,10−ジクロロ−5,12−ジフェニル−5,12−H−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾールを生じた(HPLCによって1.3g、純度99.93%)。回転蒸発器を使用してトルエン濾液を部分的に蒸発させ、追加量の生成物(0.176g)を濾過によって集めた。収量1.394g(2ステップで2.64mmol、35%)。
1H−NMR(CD
2Cl
2,500MHz):7.43(dd,2H,J1=9Hz,J2=2Hz),7.55(s,2H,J=2Hz),7.63(t,2H,J=7Hz),7.68(d,4H,J=7.5Hz),7.75(t,4H,J=6Hz),7.85(d,2H,J=9Hz),8.63(d,2H,J=8Hz),8.92(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=527.
パート2:7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル−)−N2,N9−7,14−テトラフェニルカルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物IA−46の合成。
【化118】
トルエン(40ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(0.4g、0.758mmol)N−フェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(0.557g、2.274mmol)の混合物に、乾燥トルエン(20ml)中のPd
2(dba)
3(0.069g、0.0758mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.031g、0.1516mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.33g、3.44mmol)を添加した。得られた混合物を2時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、水(100ml)を添加し、混合物を20分間空気中で撹拌した。有機相が分離され、トルエンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過された。溶媒の蒸発後の残留物をジクロロメタン中に再溶解し、セライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて乾燥させた。ジクロロメタンを溶離剤として使用する塩基性アルミナカラム上のクロマトグラフィーを実施し、その後に、メタノール(200ml)でジクロロメタン溶液(30ml)を沈殿させ、沈殿物を集め、真空中で乾燥させることによって生成物をさらに精製した。収量246 mg.
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):6.89(t,2H,J=8Hz),7.10−7.14(m,12H),7.23(t,4H,J=8Hz),7.27−7.29(m,10H),7.38−7.41(m,5H),7.46(d,4H,J=8Hz),7.55(d,2H,J=2Hz),7.71(d,2H,J=9Hz),8.62(d,2H,J=9Hz),8.91(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=945.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):425(51800),403(42600),386(56300).発光(トルエン):436nm.
【0517】
合成例23
この実施例は、式Iを有する化合物、7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N2,N9−7,14−テトラフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物IA−47の調製を説明する。
【化119】
トルエン(50ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.5g、0.948mmol)9,9−ジメチル−N−フェニル−9H−フルオレン−2−アミン(0.811g、2.84mmol)の混合物に、乾燥トルエン(20ml)中のPd
2(dba)
3(0.087g、0.095mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.038g、0.19mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.43g、4.27mmol)を添加した。得られた混合物を18時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、水(30ml)およびジクロロメタン(100ml)を添加し、混合物を10〜15分間空気中で撹拌した。有機相が分離され、水相がジクロロメタン(2回−50ml)で抽出され、組み合わせられた有機相が、ジクロロメタンで溶離する塩基性アルミナ、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過された。溶媒の蒸発後の残留物をジクロロメタン中に再溶解し、セライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物からジクロロメタンによる勾配溶離を使用するシリカゲルカラム(連続的に2回)上のクロマトグラフィーに供した。所望の生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて乾燥させた。第1のカラム後の収量532mg、第2のカラム後の回収された生成物の収量220mg。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.28(s,12H),6.90(t,2H,J=8Hz),6.95(t,2H,J=8Hz),7.08(t,4H,J=8Hz),7.12−7.22(m,12H),7.27(d,4H,J=8Hz),7.33(d,4H,J=8Hz),7.44(d,4H,J=8Hz),7.49(d,2H,J=8Hz),7.51(d,2H,J=2Hz),7.58(d,2H,J=2Hz),7.69(d,2H,J=9Hz),8.61(d,2H,J=9Hz),8.88(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=1026.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):430(52100),407(37600),389(48500),351(46900).発光(トルエン):441nm.
【0518】
合成例24
この実施例は、式Iを有する化合物、7,14−ジヒドロ−N2,N2,N9,N9−テトラ(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物IA−48の調製を説明する。
【化120】
トルエン(50ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.2g、0.379mmol)N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(0.457g、1.138mmol)の混合物に、乾燥トルエン(20ml)中のPd
2(dba)
3(0.035g、0.038mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.015g、0.074mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.164g、1.706mmol)を添加した。得られた混合物を17時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、濾過し、沈殿物を水、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させて309mgの粗生成物を生じた。生成物は180℃の窒素雰囲気下の140mlの1,2−ジクロロベンゼン中に溶解され、高温溶液は、高温1,2−ジクロロベンゼンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)およびシリカゲルが充填されるフィルターを通過された。回転蒸発器を使用して真空中で1,2−ジクロロベンゼンを約2mlの体積に除去し、30mlのトルエンを添加し、生成物を濾過して60℃の真空中で乾燥させた後に208mgの所望の化合物を生じた。MS:MH+=1258.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):436(33400),412(22300),376(39800).発光(トルエン):447nm.
【0519】
合成例25
この実施例は、式Iを有する化合物、7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N2,N9−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物IA−49の調製を説明する。
【化121】
トルエン(20ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.2g、0.379mmol)N−(3−tert−ブチルフェニル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(0.39g、1.14mmol)の混合物に、乾燥トルエン(20ml)中のPd
2(dba)
3(0.035g、0.038mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.015g、0.074mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.16g、1.7mmol)を添加した。得られた混合物を一晩窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、水を添加し、混合物を30分間空気中で撹拌した。粗混合物は、ジクロロメタンで溶離するシリカゲル、フロリジル(登録商標)、塩基性アルミナおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通して濾過された。生成物を含有する画分を集めて、溶離剤を蒸発させた。生成物をメタノール中に沈殿させ、真空中で乾燥させて、143mgの生成物を生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.21(s,18H),1.29(s,12H),6.96(t,2H,J=8Hz),7.01−7.03(m,2H),7.14−7.22(m,10H),7.24−7.29(m,6H),7.45−7.50(m,6H),7.56(d,2H,J=2Hz),7.63−7.67(m,6H),8.62(d,2H,J=9Hz),8.86(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=1138.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):432(67400),409(48000),389(58300),354(53300).発光(トルエン):442nm.
【0520】
合成例26
この実施例は、式IIIを有する化合物、7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス(4−(2−ベンゾフラニル)ベンゼン)−N2,N9−ビス(4−イソプロピルフェニル)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物III−11の調製を説明する。
【化122】
乾燥トルエン(25ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.119g、0.225mmol)N−(4−イソプロピルフェニル)−4−(2−ベンゾフラニル)ベンゼンアミン(0.162g、0.495mmol)、tert−ブトキシド(0.065g、0.675mmol)、Pd
2(dba)
3(0.021g、0.023mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.009g、0.045mmol)の混合物を16時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、ジクロロメタンで溶離するシリカゲルが充填されたフィルターを通して濾過した。溶媒の蒸発後の残留物をセライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクルロメタン(dichlromethane)との混合物からジクロロメタンによる勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、120〜140mgの生成物を生じた。ジクロロメタンで溶離する塩基性アルミナが充填されたカラム上のクロマトグラフィーによって生成物をさらに精製した。HPLCによって高純度を有する生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて真空中で乾燥させて、42mgの生成物を生じた。MS:MH+=1110.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):429(69300),407(48000),390(59300),371(74600).発光(トルエン):442nm.
【0521】
合成例27
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−9の調製を説明する。
【化123】
(a)N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル−)−4−(ベンゾフラニル)ベンゼンアミン。
乾燥トルエン(100ml)中の4−(2−ベンゾフラニル)−ベンゼンアミン(0.67g、3.202mmol)、4−ブロモビフェニル(0.746g、3.202mmol)の混合物に、トルエン中のPd
2(dba)
3(0.153g、0.167mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.070g、0.347mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.369g、3.84mmol)を添加した。混合物を一晩33℃で撹拌し、その後に、水(20ml)を添加した。沈殿物を濾過し、水、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させて、HPLCによって純度99.81%を有するN−([1,1’−ビフェニル]−4−イル−)−4−(ベンゾフラニル)ベンゼンアミン0.875gを生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):5.18(s,1H),6.61(s,1H),6.86(d,2H,J=9Hz),6.93(d,2H,J=9Hz),7.08−7.11(m,1H),7.14−7.17(m,2H),7.27(t,2H,J=8Hz),7.40−7.45(m,4H),7.50(d,2H,J=8Hz),7.71(d,2H,J=9 H).MS:MH+=362.
(b)7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス(4−(2−ベンゾフラニル)ベンゼン)−N2,N9−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル−)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物III−9。
トルエン(50ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.3g、0.569mmol)N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル−)−4−(ベンゾフラニル)ベンゼンアミン(0.452g、1.25mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.17g、1.77mmol)の混合物に、乾燥トルエン(10ml)中のPd
2(dba)
3(0.032g、0.028mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.015g、0.074mmol)の混合物を添加した。得られた混合物を17時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、濾過し、沈殿物をトルエン、メタノール、水、メタノールで連続的に洗浄し、真空中で乾燥させて、0.582gの粗生成物を生じた。粗生成物を窒素雰囲気下で180℃の1,2−ジクロロベンゼン30ml中に溶解し、高温溶液を、溶液を冷却した後に、トルエンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させて0.334gの生成物を生じ、濾過によって沈殿物を集め、次にジクロロメタンで溶離する。ジクロロメタンをメタノールでさらに希釈し、形成された沈殿物を濾過によって集めて、87mgの生成物を生じた。全収量0.421g。MS:MH+=1178.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):430(70900),389(109000),309(55500).発光(トルエン):441nm.
【0522】
合成例28
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−21の調製を説明する。
【化124】
(a)N−([1,1’−ビフェニル]−3−イル−)−4−(ベンゾフラニル)ベンゼンアミン。
乾燥トルエン(50ml)中の4−(2−ベンゾフラニル)−ベンゼンアミン(0.67g、3.202mmol)、3−ブロモビフェニル(0.746g、3.202mmol)の混合物に、トルエン中のPd
2(dba)
3(0.153g、0.167mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.070g、0.347mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.369g、3.84mmol)を添加した。混合物を33℃で16時間撹拌し、沈殿物を濾過し、トルエン、メタノール、水、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させて、HPLCによって純度99.7%を有するN−([1,1’−ビフェニル]−4−イル−)−4−(ベンゾフラニル)ベンゼンアミン0.668gを生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):5.20(s,1H),6.59(s,1H),6.87−6.91(m,3H),7.08−7.20(m,6H),7.25(t,2H,J=8Hz),7.42(t,2H,J=8Hz),7.50(d,2H,J=7Hz),7.68(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=362.
(b)7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス(4−(2−ベンゾフラニル)ベンゼン)−N2,N9−ビス([1,1’−ビフェニル]−3−イル−)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物III−21。
トルエン(50ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.3g、0.569mmol)N−([1,1’−ビフェニル]−3−イル−)−4−(ベンゾフラニル)ベンゼンアミン(0.452g、1.25mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.164g、1.708mmol)の混合物に、乾燥トルエン(10ml)中のPd
2(dba)
3(0.026g、0.028mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.011g、0.054mmol)の混合物を添加した。得られた混合物を16時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、一晩周囲温度で撹拌して生成物の沈殿を終了した。沈殿物を濾過によって集め、トルエン、メタノール、水、メタノールで連続的に洗浄し、真空中で乾燥させて、0.62gの粗生成物を生じた。粗生成物を窒素雰囲気下で180℃の1,2−ジクロロベンゼン10ml中に溶解し、高温溶液をトルエン(20ml)で希釈し、トルエンで、次にジクロロメタンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させた。トルエンおよびジクロロメタン濾液をメタノールで希釈し、得られた沈殿物を濾過によって集めて、相応して0.392gおよび0.079gの生成物を生じた。全収量0.471g。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):6.56(s,2H),6.96−7.23(m,33H),7.27−7.32(m,4H),7.37−7.45(m,6H),7.63(d,2H,J=2Hz),7.67−7.74(m,5H),8.64(d,2H,J=10Hz),8.91(d,2H,J=10).MS:MH+=1178.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):428(40900),406(35300),389(51900),371(49000).発光(トルエン):439nm.
【0523】
合成例29
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−10の調製を説明する。
【化125】
(a)N,N−ビス(4−(ベンゾフラニル)ベンゼン)アミン。
乾燥トルエン(50ml)中の4−(2−ベンゾフラニル)−ベンゼンアミン(0.69g、3.3mmol)、2−(4−ブロモフェニル)ベンゾフラン(0.746g、3.87mmol)の混合物に、トルエン中のPd
2(dba)
3(0.151g、0.165mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.14g、0.693mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.59g、6.15mmol)を添加した。混合物を周囲温度で2日間撹拌し、沈殿物を濾過し、トルエン、メタノール、水、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させて、0.911gの粗製N,N−ビス(4−(ベンゾフラニル)ベンゼン)アミンを生じた。粗製材料を窒素雰囲気下で高温のトルエンと1,2−ジクロロベンゼンとの混合物中に溶解した。高温溶液を濾過し、生成物を30分で結晶化させ、濾過によって集め、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させて0.624gの生成物を生じた。MS:MH+=402.
(b)7,14−ジヒドロ−N2,N2,N9,N9−テトラ(4−(2−ベンゾフラニル)ベンゼン)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物III−10。
トルエン(50ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.3g、0.569mmol)ビス(4−(2−ベンゾフラニル)ベンゼン)アミン(0.562g、1.4mmol)の混合物に、乾燥トルエン(10ml)中のPd
2(dba)
3(0.032g、0.035mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.015g、0.074mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.17g、1.77mmol)を添加した。得られた混合物を16時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、濾過し、沈殿物をトルエン、メタノール、水、メタノールで連続的に洗浄し、乾燥させて537mgの粗生成物を生じた。生成物を180℃の窒素雰囲気下で20mlの1,2−ジクロロベンゼン中に溶解し、トルエン(30〜40ml)で希釈し、高温溶液を、トルエンで、次にジクロロメタンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させた。部分的に溶離された生成物をメタノールの添加によって沈殿させて、真空中で乾燥させた後に154mgの固体を生じた。MS:MH+=1258.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):433(66400),394(141000).発光(トルエン):451nm.
【0524】
合成例30
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−5の調製を説明する。
【化126】
(a)6−(2−ベンゾフラニル)ナフチルアミン。
1,4−ジオキサン(60ml)中のベンゾフラン−2−ボロン酸(2.19g、13.51mmol)、6−ブロモ−2−ナフタレンアミン(3g、13.51mmol)、フッ化セシウム(6.45g、42.46mmol)、Pd(OAc)
2(0.1517g、0.678mmol)、XPhos(0.676g、1.42mmol)の混合物を100℃で2時間完全に撹拌した。その後に混合物は冷却され、ジクロロメタンで溶離するシリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過された。溶媒の蒸発後の残留物をセライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物からジクロロメタンによる勾配溶離を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィー精製に供した。生成物を含有する画分を集め、回転蒸発器を使用して溶離剤を最小体積に蒸発させ、ヘキサンで希釈した。ヘキサンで稀釈した時に沈殿物が形成され、濾液の部分蒸発によって集められ、真空中で乾燥されて1.67gの生成物を生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):3.01(s,2H),6.47−76.50(m,2H),6.71(s,1H),7.09−7.15(m,3H),7.44−7.46(d,2H,J=9Hz),7.48(d,1H,J=9Hz),7.76(dd,1H,J1=2Hz,J2=9Hz),8.24(s,1H).MS:MH+=260.
(b)N−フェニル−6−(2−ベンゾフラニル)ナフチルアミン。
トルエン(50ml)中の6−(2−ベンゾフラニル)ナフチルアミン(0.829g、3.202mmol)、ヨードベンゼン(0.653g、3.202mmol)の混合物に、乾燥トルエン中のPd
2(dba)
3(0.153g、0.167mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.070g、0.347mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.369g、3.84mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下の周囲温度で20時間加熱しながら撹拌した。その後に沈殿物を濾過によって集め、トルエン、メタノール、水、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させて、HPLCによって純度99.4%を有する生成物0.615gを生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):5.21(s,1H),6.72(s,1H),6.88−6.91(m,2H),6.96(d,2H,J=8Hz),7.13−7.19(m,5H),7.45−7.47(m,3H),7.54(d,1H,J=9Hz),7.75(dd,1H,J1=2Hz,J2=9Hz),8.27(s,1H).MS:MH+=336.
(c)7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス((6−(2−ベンゾフラニル)−2−ナフタレニル))−N2,N9,7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物III−5。
トルエン(100ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.346g、0.656mmol)N−フェニル−6−(2−ベンゾフラニル)−2−ナフタレニルアミン(0.55g、1.64mmol)の混合物に、乾燥トルエン(10ml)中のPd
2(dba)
3(0.060g、0.0656mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.0265g、0.1312mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.189g、1.967mmol)を添加した。得られた混合物を23時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、一晩周囲温度で放置して、緩慢に生成物を沈殿させた。形成された沈殿物を濾過し、トルエン、メタノール、水、メタノールで連続的に洗浄して、粗生成物を生じた。生成物を180℃の窒素雰囲気下で20mlの1,2−ジクロロベンゼン中に溶解し、高温溶液を、トルエン(100ml)で溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させた。メタノール(100ml)の添加によって生成物をトルエン濾液から沈殿させ、沈殿物を集め、真空中で乾燥させて0.282gの生成物をもたらした。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):6.56−6.58(m,2H),6.69(s,2H),6.84−7.17(m,22H),7.27−7.30(m,5H),7.34(d,2H,J=9Hz),7.41−7.46(m,5H),7.56(d,2H,J=9Hz),7.58(d,2H,J=1Hz),7.68(dd,2H,J1=2Hz,J2=9Hz),7.73(d,2H,J=9Hz),8.25(s,2H),8.65(d,2H,J=9Hz),8.93(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=1126.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):429(73000),407s(72000),390(83100),369(66600),310(50100).発光(トルエン):444nm.
【0525】
合成例31
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IA−50の調製を説明する。
【化127】
(a)9,9−ジメチル−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−フルオレン−2−アミン。
トルエン(200ml)中の2,4,6−トリメチルアニリン(8.11g、60mmol)、2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレン(15g、55mmol)の混合物に、乾燥トルエン中のPd
2(dba)
3(0.81g、0.88mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.36g、1.76mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(6.34g、66mmol)の混合物を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下で周囲温度で一晩撹拌した。その後に混合物は、トルエンで溶離するシリカゲル、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されるフィルターを通過された。回転蒸発器を使用してトルエンを蒸発させ、残留物をヘキサンに溶解し、1日後に沈殿物を集めて、真空中で乾燥させた後に11.7gの生成物を生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.31(s,6H),2.13(s,6H),2.20(s,3H),4.66(s,1H),6.36(dd,1H,J1=2Hz,J2=9Hz),6.48(d,1H,J=2Hz),6.84(s,2H),7.10−7.11(m,1H),7.18−7.22(m,2H),7.41(d,1H,J=8Hz),7.49(d,1H,J=8Hz).MS:MH+=328.
(b)7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N2,N9−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物IA−50。
トルエン(80ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(0.55g、1.04mmol)、9,9−ジメチル−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−フルオレン−2−アミン(0.75g、2.3mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.3g、3.12mmol)の混合物に、乾燥トルエン中のPd
2(dba)
3(0.092g、0.1mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.04g、0.2mmol)の混合物を添加した。得られた混合物を一晩窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、水を添加し、混合物を30分間空気中で撹拌した。混合物は、トルエンで溶離するシリカゲル、フロリジル(登録商標)、塩基性アルミナおよびセライト(登録商標)が充填されるフィルターを通して濾過された。回転蒸発器を使用してトルエンを蒸発させた後の残留物は、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物からジクロロメタンによる勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上の連続クロマトグラフィーによって精製され、0.218gの所望の生成物を生じた。tert−ブトキシドとの競争的カップリングの小さな不純物を除去するために、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーと、その後の結晶化とによって生成物をさらに精製した。MS:MH+=1110.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):438(66700),415(43000),390(54000),372(36700),350(39300),322(41300).発光(トルエン):454nm.
【0526】
合成例32
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−20の調製を説明する。
【化128】
(a)7,14−ジヒドロ−2,9−ジクロロ−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−(15)。
3,10−ジクロロ−5,12−H−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール4(0.5g、1.33mmol)を窒素雰囲気下でジメチルホルムアミド(25ml)中に溶解し、その後に、鉱油中の水素化ナトリウムの60%懸濁液(194mg、4.85mmol)を周囲温度で速やかに添加し、2〜5分間撹拌した後にヨードメタン(1.89g、13.3mmol)を速やかに添加した。混合物を周囲温度で4時間撹拌し、最少量のメタノールで急冷し、生成物を濾過し、メタノール、水、メタノールで注意深く洗浄し、真空中で乾燥させて0.375gの粗生成物を生じ、それを完全なメチル化に供するため、70℃のジメチルホルムアミド(25ml)中の部分的にアルキル化された生成物の懸濁液に水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散体90mg)およびヨードメタン(1ml)を添加し、反応混合物を100℃で16時間撹拌し、その後に、水素化ナトリウム(100mg)およびヨードメタン(1ml)の第2の添加が行われ、混合物をさらに100℃で2日間完全に加熱した。混合物を冷却し、最少量のメタノールで急冷し、濾過し、メタノールで洗浄し乾燥させて0.203gの15を生じ、それをさらに精製せずに次の工程のために使用した。MS:MH+=403.
(b)7,14−ジヒドロ−N2,N9−ビス(4−(2−ベンゾフラニル)ベンゼン)−N2,N9−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル−)−7,14−ジメチル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール−2,9−ジアミン、化合物III−20。
トルエン(50ml)中のジクロロジメチルカルバゾロカルバゾール15(0.203g、0.503mmol)N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル−)−4−(ベンゾフラニル)ベンゼンアミン(0.4g、1.11mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.145g、1.509mmol)の混合物に、乾燥トルエン(10ml)中のPd
2(dba)
3(0.023g、0.025mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.010g、0.05mmol)の混合物を添加した。得られた混合物を一晩窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、周囲温度で放置しておき生成物の結晶化をもたらした。沈殿物を濾過し、トルエン、メタノール、水、メタノールで連続的に洗浄し、真空中で乾燥させて0.195gの粗生成物を生じた。粗生成物を窒素雰囲気下で高温の10mlの1,2−ジクロロベンゼン中に溶解し、高温溶液を、トルエンおよびジクロロメタンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させた。濾液をメタノールで稀釈し、生成物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、60mgの生成物を生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):3.14(s,6H),6.55−6.57(m,2H),6.66(s,2H),6.98−7.17(m,15H),7.27(t,4H,J=9Hz),7.40−7.44(m,13H),7.48(d,2H,J=9Hz),7.54(d,2H,J=9Hz),7.55(dd,2H,J1=1Hz,J2=8Hz),7.82(d,2H,J=9Hz),8.67(d,2H,J=8Hz).MS:MH+=1054.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):433(54300),392(94600).発光(トルエン):444nm.
【0527】
合成例33
この実施例は、式IIを有する化合物、7,14−ジヒドロ−2,9−ビス(5−ジフェニルアミノ−2−ベンゾフラニル)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール、化合物II−17の調製を説明する。
【化129】
5−ジフェニルアミノベンゾフラン−2−ボロン酸(0.1g、0.3038mmol)をジエチルエーテル(10ml)中のピナコール(0.38g、0.319mmol)と共に一晩周囲温度で撹拌した。o−キシレン(13ml)中のジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(10mg、0.019mmol)、フッ化セシウム(66mg、0.434mmol)、酢酸パラジウム(2mg、0.009mmol)およびXPhos(9.5mg、0.02mmol)の混合物を保有するフラスコに、ジエチルエーテルの蒸発後の残留物を移した。得られた混合物を4時間窒素雰囲気下で130℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、沈殿物を濾過し、トルエン、メタノール、水で連続的に洗浄し、真空中で乾燥させて粗生成物を生じた。粗生成物を窒素雰囲気下で180℃の1,2−ジクロロベンゼン中に溶解し、混合物を冷却した後にジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタンで溶離するシリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させた。回転蒸発器を使用してジクロロメタンを約3〜4mlの体積に蒸発させ、メタノールで稀釈し、沈殿物を濾過によって集めて真空中で乾燥させて1.5mgの17を生じた。MS:MH+=1026.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):433(151000),409(122000),395(167000),321(160000),309(150000).発光(トルエン):438 nm.
【0528】
合成例34
この実施例は、式IIを有する化合物、7,14−ジヒドロ−2,9−ビス(6−ジフェニルアミノ−2−ベンゾフラニル)−7,14−ジフェニル−カルバゾロ[4,3−c]カルバゾール、化合物II−11の調製を説明する。
【化130】
6−ジフェニルアミノベンゾフラン−2−ボロン酸(50mg、0.137mmol)、ジクロロジフェニルカルバゾロカルバゾール5(合成例22におけるように製造された)(27mg、0.019mmol)およびピナコール(1.1当量)を一晩周囲温度のジエチルエーテル中で撹拌した。ジエチルエーテルの蒸発後の残留物をフッ化セシウム(40mg、0.26mmol)およびo−キシレン(40ml)の混合物を保有するフラスコに移し、その後に、o−キシレン(5ml)中の酢酸パラジウム(1.5mg、0.007mmol)およびXPhos(13mg、0.064mmol)を添加した。得られた混合物を一晩窒素雰囲気下で130℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、沈殿物を濾過し、トルエン、ヘキサン、水、メタノールで洗浄し、乾燥させて粗生成物を生じた。粗生成物を窒素雰囲気下で高温の1,2−ジクロロベンゼン中に溶解し、トルエンで溶離するシリカゲル、フロリジル(登録商標)およびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させた。周囲温度で放置した時に形成された沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、14mgの生成物を生じた。MS:MH+=1026.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):440(64800),415(44300),401(49700),320(26800).発光(トルエン):448nm.
【0529】
合成例35
この実施例は、式Iを有する化合物、N5,N11−ジ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−N5,N11−ジフェニル−7,9−ジヒドロベンゾ[g]ベンゾ[6,7]インデノ[2,1−b]フルオレン−5,11−ジアミン、化合物IC−1の調製を説明する。
【化131】
トルエン(50ml)中の5,11−ジブロモ−7,7,9,9−テトラメチル−7,9−ジヒドロベンゾ[g]ベンゾ[6,7]インデノ[2,1−b]フルオレン19(0.10g、1.76mmol)、N−フェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(1.079g、4.4mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(0.081g、0.088mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.036g、0.176mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.506g、5.28mmol)を添加した。得られた混合物を10時間窒素雰囲気下で80℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、水(50ml)を添加し、混合物を10分間空気中で撹拌した。有機相からの溶媒の蒸発後の残留物をジクロロメタン中に再溶解し、セライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて乾燥させ、1.05gの生成物を生じた。窒素雰囲気下のそのトルエン溶液を、トルエンで溶離する塩基性アルミナが充填されたフィルターを通過させ、その後に、メタノールで沈殿させ、溶媒を最少量まで蒸発させ、沈殿物を集め、それを真空中で乾燥させることによって生成物(0.57g)をさらに精製して、0.548gの精密精製生成物をもたらすことができる。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.44(s,12H),6.86(t,2H,J=7Hz),7.07−7.27(m,20 H),7.34(d,4H,J=9Hz),7.44(d,4H,J=8Hz),7.53(t,2H,J=8Hz),7.55(s,1H),7.69(s,2H),8.39(d,2H,J=9Hz),9.24(d,2H,J=9Hz),9.62(s,1H).MS:MH+=898.トルエン中のUV−vis(λ
max,nm,ε):411(33800),323(42700).発光(トルエン):446nm.
【0530】
合成例36
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IC−2の調製を説明する。
パート1。ジナフトベンゾジフラン、前駆体24の合成。
【化132】
(a)1,1’−(4,5−ジフルオロ−1,3−フェニレン)ビス[2−メトキシ−ナフタレン](21)。
1,2−ジメトキシエタン(120ml)および水(30ml)中の2−(2−メトキシ−1−ナフタレニル)−ボロン酸(3.24g、16mmol)、1,5−ジブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(1.78g、6.55mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.33g、0.29mmol)および炭酸カリウム(4.53g、32.8mmol)の混合物を4時間窒素雰囲気下で還流温度で加熱しながら撹拌した。その後に反応混合物を冷却し、沈殿物を濾過によって集めて、1.12gの生成物を生じた。濾液の有機相をさらに蒸発させ、第2の沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、1.8gの生成物を生じた。ジアステレオマーの混合物として粗生成物をさらに精製せずに次の工程のために使用した。ヘキサンとジクルロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーによって粗生成物を精製して、高純度で単離されるジアステレオマーを単離することができる。MS:MH+=427.ジアステレオマー1の
1H−NMR(CDCl
3,500MHz):3.95(s,6H),7.14(t,1H,J=9Hz),7.34−7.37(m,3H),7.38(d,2H,J=9Hz),7.43(td,2H,J1=1Hz,J2=8Hz),7.68(d,2H,J=9Hz),7.83(d,2H,J=8Hz),7.92(d,2H,J=9Hz).ジアステレオマー2の
1H−NMR(CDCl
3,500MHz):3.91(s,6H),7.14(t,1H,J=9Hz),7.31−7.38(m,3H),7.38(d,2H,J=9Hz),7.44(td,2H,J1=1Hz,J2=8Hz),7.64(d,2H,J=9Hz),7.83(d,2H,J=9Hz),7.92(d,2H,J=9Hz).
(b)1,1’−(4,5−ジフルオロ−1,3−フェニレン)ビス[2−ナフトール](22)。
ジクロロメタン(10ml)中の1,1’−(4,5−ジフルオロ−1,3−フェニレン)ビス[2−メトキシ−ナフタレン]21(ジアステレオマーの混合物、0.57g、1.336mmol)の溶液に、ジクロロメタン(6ml)中の三臭化ホウ素の1M溶液を窒素雰囲気下で注意深く添加し、混合物を一晩の間周囲温度で撹拌した。その後に混合物を水に注ぎ込み、1日間撹拌し、有機相を分離した。ジクロロメタンの蒸発後の残留物(0.51g)をさらに精製せずに次の工程のために使用した。MS:MH+=399.
1H−NMR,ジアステレオマーの混合物,(CDCl
3,500MHz):7.21−7.26(m,4H),7.28−7.33(m,1H),7.36−7.39(m,2H),7.44−7.53(m,5H),7.82−7.86(m,4H).
(c)ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン(23)。1,1’−(4,5−ジフルオロ−1,3−フェニレン)ビス[2−ナフトール]22(2.35g、5.90mmol)を窒素雰囲気下でジメチルホルムアミド(30ml)中に溶解し、その後に、水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液、0.95g、23.7mmol)を速やかに添加した。得られた混合物を一晩の間100℃でおよび35時間142℃で撹拌し、水素化ナトリウムの第2の部分(鉱油中の60%懸濁液、0.48g、11.9mmol)を添加した。その後に混合物を冷却し、水で稀釈し、沈殿物を濾過によって集め、水、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させて、1.44gのジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン23を生じた。
1H−NMR(CDCl
3,500MHz):7.64(t,2H,J=8Hz),7.84(d,2H,J=9Hz),7.90(t,2H,J=8Hz),7.98(d,2H,J=9Hz),7.99(s,1H),8.10(d,2H,J=9Hz),8.89(d,2H,J=9Hz),9.31(s,1H).MS:MH+=359.アセトニトリル−水中のUV−vis,λ
max,nm:359,261,237.トルエン中のEmission:368nm.
(d)5,11−ジブロモ−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン(24).周囲温度のクロロホルム中のジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン23(127mg、0.354mmol)の撹拌懸濁液にクロロホルム(3ml)中の臭素(0.2g、1.25mmol)を速やかに添加した。その後に反応混合物を45分間加熱還流した。反応混合物を冷却し、沈殿物を濾過し、クロロホルム、アセトンで洗浄し、乾燥させてモノおよび5,11−ジブロモ−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン24の混合物(NMRによってモノ:ビス比=0.3:1)として生成物156mgを生じ、それをさらに精製せずにカップリング反応のために使用した。
1H−NMR(CDCl
3,500MHz):7.76(t,2H,J=8Hz),7.91(t,2H,J=8Hz),7.99(s,1H),8.19(s,2H),8.53(d,2H,J=9Hz),9.46(d,2H,J=9Hz),10.13(s,1H).MS:MH+=516.アセトニトリル−水中のUV−vis,λ
max,nm:365,262,239.
パート2。N5,N11−ジフェニル−N5,N11−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5,11−ジアミン、化合物IC−2の合成。
【化133】
トルエン(25ml)中の5,11−ジブロモ−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン24(75mg、0.145mmol)、N−フェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(89mg、0.363mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(0.014g、0.015mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.08g、0.04mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.05g、0.521mmol)を添加した。得られた混合物を2時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、水(20ml)を添加し、混合物を空気中で撹拌した。混合物をトルエンで稀釈し、有機相を、トルエンおよびジクロロメタンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させた。溶媒の蒸発後の残留物をジクロロメタン中に再溶解し、セライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに供した。最初の生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて乾燥させ、12mgのモノカップルされた生成物(N5−フェニル−N5−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5−アミン)を生じた。第2の生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて真空中で乾燥させて、32mgのビスカップルされた化合物IC−2を生じた。
モノアミンN5−フェニル−N5−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5−アミン:
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):6.84−6.89(m,2H),7.04−7.15(m,5H),7.19−7.27(m,4H),7.33−7.38(m,3H),7.44−7.45(m,2H),7.49−7.62(m,4H),7.71(s,1H),7.79−7.80(m,2H),8.42(d,1H,J=8Hz),8.83(d,1H,J=9Hz),8.91(d,1H,J=9Hz),9.33(s,1H).MS:MH+=602.アセトニトリル−水中のUV−vis,λ
max,nm:389,353,325,259,237.トルエン中のEmission:449nm.
ジアミンN5,N11−ジフェニル−N5,N11−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5,11−ジアミン、化合物IC−2:
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):6.86−6.89(m,2H),7.07−7.15(m,14H),7.19−7.27(m,6H),7.34(d,2H,J=9Hz),7.44−7.46(m,4H),7.51(t,2H,J=8Hz),7.72(s,2H),7.81(s,1H),8.42(d,2H,J=9Hz),8.94(d,2H,J=9Hz),9.41(s,1H).MS:MH+=845.5.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):417(49200),322(49400).トルエン中のEmission:449nm.
【0531】
合成例37
この実施例は、式Iを有する化合物、N5,N11−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−N5,N11−ビス(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5,11−ジアミン、化合物IC−3の調製を説明する。
【化134】
トルエン(25ml)中の5,11−ジブロモ−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン24(合成例36におけるように製造された)(75mg、0.145mmol)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミン(102mg、0.363mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(0.014g、0.015mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.08g、0.04mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.05g、0.521mmol)を添加した。得られた混合物を1時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、水(20ml)を添加し、混合物を空気中で撹拌した。混合物はトルエンで稀釈され、有機相は、トルエンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過された。溶媒の蒸発後の残留物をジクロロメタン中に再溶解し、セライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上の2つの連続クロマトグラフィー精製に供された。モノカップルされた生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて乾燥させ、1mgのN5,N5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5−アミンを生じた。ビスカップルされた生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、52mgのビスカップルされた化合物IC−3を生じた。
モノアミンN5,N5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5−アミン:
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.25(s,18H),7.10(d,4H,J=9.5Hz),7.15(d,4H,J=9.5Hz),7.19(t,1H,J=9Hz),7.36(t,1H,J=8Hz),7.48(t,1H,J=8Hz),7.56−7.61(m,2H),7.72(s,1H),7.78(s,1H),7.79(d,1H,J=8Hz),8.48(d,1H,J=9Hz),8.83(d,1H,J=8Hz),8.91(d,1H,J=8Hz),9.33(s,1H).MS:MH+=638.
ジアミンN5,N5,N11,N11−テトラ(4−tert−ブチルフェニル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5,11−ジアミン、化合物IC−3:
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.25(s,36H),7.10(d,8H,J=9Hz),7.15(d,8H,J=9Hz),7.19(t,2H,J=8Hz),7.48(t,2H,J=8Hz),7.73(s,2H),7.77(s,1H),8.48(d,2H,J=8Hz),8.92(d,2H,J=8Hz),9.39(s,1H).MS:MH+=918.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):421(49500).トルエン中のEmission:455nm.
【0532】
合成例38
この実施例は、式Iを有する化合物、N5,N11−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−N5,N11−ビス(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5,11−ジアミン、化合物IC−4の調製を説明する。
【化135】
トルエン(80ml)中の5,11−ジブロモ−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン24(合成例36におけるように製造された)(0.4g、0.775mmol)、9,9−ジメチル−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−フルオレン−2−アミン(0.56g、1.7mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(0.071g、0.078mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.032g、0.158mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.224g、2.33mmol)を添加した。得られた混合物を18時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、水を添加し、混合物を30分間空気中で撹拌した。混合物は、トルエンで溶離するシリカゲル、フロリジル(登録商標)、塩基性アルミナおよびセライト(登録商標)が充填されるフィルターを通過された。溶媒の蒸発後の残留物をジクロロメタン中に再溶解し、セライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上の2つの連続クロマトグラフィー精製に供した。モノカップルされた生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を蒸発させ、残留物をメタノールでトルエン溶液から沈殿させ、沈殿物を集め、乾燥させて35mgのN5−(2,4,6−トリメチルフェニル)−N5−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5−アミンを生じた(MS:MH+=684.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):417(31500),332(31500).トルエン中の発光:455nm).モノアミノ−モノtert−ブトキシ置換生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を蒸発させて0.151gのN9−tert−ブトキシ−N5−(2,4,6−トリメチルフェニル)−N5−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5−アミンを生じた(MS:MH+=756.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):416(68900),333(51700).トルエン中の発光:453nm).
ビスカップルされた生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、0.159gのビスカップルされた化合物を生じ、それをさらに精製するため、メタノールでトルエン溶液を沈殿させ、沈殿物を集め、真空中で乾燥させて0.105gのN5,N11−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−N5,N11−ビス(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−ジナフト[1,2−d:1’,2’−d’]ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラン−5,11−ジアミン、化合物IC−4を生じた:
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.16(s,6H),1.20(s,6H),2.16(s,6H),2.21(s,6H),2.22(s,6H),6.77(dd,2H,J1=2Hz,J2=9Hz),6.85(s,4H),6.96(s,2H),7.1−=7.21(m,8H),7.38(d,2H,J=8Hz),7.46−7.49(m,4H),7.59(d,2H),7.72(s,1H),8.44(d,2H,J=9Hz),8.94(d,2H,J=8Hz),9.30(s,1H).MS:MH+=1009.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):433(84600),321(48600).トルエン中のEmission:454nm.
【0533】
合成例39
この実施例は、式IIIを有する化合物、N3,N10−ジフェニル−N3,N10−ビス(6−(2−ベンゾフラニル)ナフチル)−ナフト[2,3−b;7,6−b’]ビスベンゾフラン−3,10−ジアミン、化合物III−15の調製を説明する。
【化136】
トルエン(50ml)中の3−クロロおよび3,10−ジクロロナフト[2,3−b;7,6−b’]ビスベンゾフラン、N−フェニル−6−(2−ベンゾフラニル)−2−ナフタレニルアミン(0.144g、0.43mmol)の粗混合物65mgに、Pd
2(dba)
3(0.016g、0.0172mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.0307g、0.0344mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.083g、0.86mmol)を添加した。得られた混合物を一晩窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、セライト(登録商標)上で吸収させ、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー精製に供して、HPLCによって純度98%を有するビスカップルされた生成物13mgを生じた。溶離剤としてトルエンを使用する塩基性アルミナ上のクロマトグラフィーによって生成物をさらに精製することができる。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):6.72(s,2H),6.97(d,2H,J=8Hz),7.10−7.22(m,14H),7.34(dd,2H,J1=2Hz,J2=9Hz),7.36(d,2H,J=9Hz),7.42(d,2H,J=2Hz),7.45−7.47(m,4H),7.55(d,2H,J=2Hz),7.58(d,2H,J=9Hz),7.71−7.73(m,4H),7.76(d,2H,J=9Hz),8.19(s,2H),8.31(s,2H).MS:MH+=976.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):416(186000),359(115000).トルエン中のEmission:433nm.
【0534】
合成例40
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IA−31の調製を説明する。
パート1。ナフトビスベンゾフラン前駆体29の合成。
【化137】
(a)1,5−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジメトキシナフタレン。
1,4−ジオキサン(150ml)中の1,5−ジブロモ−2,6−ジメトキシナフタレン(5g、14.45mmol)、4−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸(7.56g、43.35mmol)、フッ化セシウム(11.05g、72.75mmol)フッ化セシウム(11.05g、72.75mmol)、酢酸パラジウム(324mg、1.445mmol)およびXPhos(1.378g、2.89mmol)の混合物を窒素雰囲気下で7時間110℃で撹拌した。その後に反応混合物は冷却され、ジクロロメタンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過された。回転蒸発器を使用して溶媒を蒸発させた後の残留物をセライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに供した。高純度を有する生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を蒸発させて、アトロポ異性体の混合物として1,5−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジメトキシナフタレン1.28gを生じた。
1H−NMR(CDCl
3,500MHz):3.82(s,6H),7.28−7.30(m,8H),7.49(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=445.
(b)1,5−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジヒドロキシナフタレン。
ジクロロメタン(10ml)中の1,5−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジメトキシナフタレン(ジアステレオマーの混合物、1.28g、2.88mmol)の溶液に、ジクロロメタン(9ml)中の三臭化ホウ素の1M溶液を窒素雰囲気下で注意深く添加し、完全な変換まで混合物を周囲温度で撹拌した。その後に混合物を水(100ml)に注ぎ込み、ジクロロメタン(50ml)を添加し、混合物を周囲温度で2日間撹拌した。その後に100mlのジクロロメタンを添加し、沈殿物を濾過し、乾燥させて0.66gの生成物を生じた。また、ジクロロメタンを最小体積まで蒸発させて沈殿物を集めることによってより少ない高純度生成物(0.41g)を単離することができるであろう。MS:MH+=417.
(c)2,9−ジクロロナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン(29)。
1,5−ビス(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,6−ジヒドロキシナフタレン(0.66g、1.58mmol)を100℃の窒素雰囲気下で無水ジメチルホルムアミド(25ml)中に溶解し、その後に、30分にわたって水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散体、6.93mmol)を添加し、得られた混合物を10〜15分間100℃で撹拌した。その後に反応混合物を冷却し、メタノールで急冷し、沈殿物を濾過し、水、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させて、0.48gの2,9−ジクロロナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン29を生じた。
1H−NMR(CD
2Cl
2,500MHz):7.56(d,2H,J=9Hz),7.80(s,2H),8.07(d,2H,J=9Hz),8.44(d,2H,J=8Hz),8.76(d,2H,J=8Hz).MS:MH+=377.
パート2。N2,N9−ジフェニル−N2,N9−ビス(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)ナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン−2,9−ジアミン、化合物IA−31の合成。
【化138】
トルエン(50ml)中の2,9−ジクロロナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン29(0.2g、0.531mmol)、9,9−ジメチル−N−フェニル−9H−フルオレン−2−アミン(0.333g、1.167mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(0.049g、0.053mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.021g、0.1062mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.153g、1.593mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下で1.7時間110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、10分間水(50ml)と一緒に撹拌した。有機相は、トルエンで溶離する塩基性アルミナ(basic aluimna)、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過された。トルエンを10mlの体積に濃縮し、ヘキサン(20〜30ml)で稀釈し、沈殿物を濾過し、高温の1,2−ジクロロベンゼンに再溶解し、その後に、ヘキサンを添加し、引き続いてヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーを実施した。生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めて真空中で乾燥させて、185mgの生成物を生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.30(s,12H),6.95(t,2H,J=8Hz),7.15−7.25(m,12H),7.30(d,4H,J=8Hz),7.35(dd,2H,J1=2Hz,J2=9Hz),7.46(d,2H,J=2Hz),7.51(d,2H,J=8Hz),7.55(d,2H,J=9Hz),7.61(d,2H,J=2Hz),7.73(d,2H,J=9Hz),8.00(d,2H,J=9Hz),8.40(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=875.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):422(77900),402(57500),346(38200).トルエン中のEmission:440nm.
【0535】
合成例41
この実施例は、式IIIを有する化合物、N2,N9−ジフェニル−N2,N9−ビス−(2−(6−(ベンゾフラン−2−イル)ナフチル)−ナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン−2,9−ジアミン、化合物III−14の調製を説明する。
【化139】
トルエン(100ml)中の2,9−ジクロロナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン29(合成例40におけるように製造された)(0.3g、0.795mmol)、N−フェニル−6−(2−ベンゾフラニル)−2−ナフタレニルアミン(0.587g、1.75mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(0.073g、0.0795mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.032g、0.159mmol)を混合し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.229g、2.385mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下で1日間110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、3時間周囲温度で撹拌し、沈殿物した生成物を濾過によって集め、トルエンで洗浄し、乾燥させて0.669gの粗生成物を生じた。粗生成物は、窒素雰囲気下で180℃の1,2−ジクロロベンゼン(20ml)に溶解され、高温溶液は、トルエンおよびジクロロメタンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)およびシリカゲルが充填されたフィルターを通過された。濾液をメタノールで稀釈し、沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、全体として0.372gの生成物を生じた。
1H−NMR(CD
2Cl
2,500MHz):7.17(s,2H),7.19(d,2H,J=8Hz),7.25−7.33(m,8H),7.36−7.41(m,4H),7.44(d,2H,J=9Hz),7.48−7.50(m,2H),7.51(d,2H,J=2Hz),7.55(d,2H,J=2Hz),7.59(d,2H,J=9Hz),7.65(d,2H,J=8Hz),7.71(d,2H,J=9Hz),7.90(d,4H,J=8Hz),7.99(d,2H,J=9Hz),8.35(s,2H),8.38(d,2H,J=8Hz),8.69(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=975.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):424(95200),402(79400),358(57700).トルエン中のEmission:440nm.
【0536】
合成例42
この実施例は式IIIを有する化合物、化合物III−22の調製を説明する。
【化140】
(a)N−(2,4,6−トリメチルフェニル)−6−(2−ベンゾフラニル)ナフチルアミン。
o−キシレン(40ml)中の6−(2−ベンゾフラニル)ナフチルアミン(2g、7.72mmol)、2−ブロモメシチレン(bromomesytilene)(1.657g、8.33mmol)の混合物に、乾燥o−キシレン(10ml)中のPd
2(dba)
3(0.354g、0.386mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.162g、0.801mmol)の混合物を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.89g、9.26mmol)を添加した。得られた混合物を45分間窒素雰囲気下で130℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物は冷却され、トルエンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲル、セライト(登録商標)が充填されたフィルターを通して濾過された。トルエンを蒸発させた後の固形分をヘキサンで洗浄し、乾燥させて、HPLCによって純度99.82%を有する生成物1.795gを生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):2.11(s,6H),2.23(s,3H),4.62(s,1H),6.52(s,1H),6.64(dd,1H,J1=2Hz,J2=9Hz),6.66(s,1H),7.08−7.14(m,4H),7.29(d,1H,J=8Hz),7.43(d,2H,J=8Hz),7.53(d,1H,J=9Hz),7.67(dd,1H,J1=2Hz,J2=9Hz),8.25(s,1H).MS:MH+=378.
(b)N2,N9−ビス−(2,4,6−トリメチルベンゼン)−N2,N9−ビス−(2−(6−(ベンゾフラン−2−イル)ナフチル)−ナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン−2,9−ジアミン、化合物III−22。
トルエン(20ml)中の2,9−ジクロロナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン29(合成例40におけるように製造された)(85mg、0.226mmol)、N−フェニル−6−(2−ベンゾフラニル)−2−ナフタレニルアミン(0.188g、0.497mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(0.021g、0.023mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.0093g、0.046mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.065g、0.68mmol)を添加した。得られた混合物を一晩窒素雰囲気下で100℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、周囲温度で撹拌し、沈殿物した生成物を濾過によって集め、ヘキサンおよび水で洗浄し、真空中で乾燥させて、約0.06gの粗生成物を生じた。粗生成物をセライト(登録商標)上で吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶離を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー精製に供した。所望の生成物を含有する画分を組み合わせて、溶離剤を最小体積に蒸発させ、沈殿物を集め、乾燥させて61mgの生成物を生じた。生成物はさらに、窒素雰囲気下でトルエン溶液を塩基性アルミナが充填されるフィルターを通過させ、その後に、メタノールで沈殿させることによって精製することができる。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):2.16(s,12H),2.26(s,6H),6.71(s,2H),6.91(s,4H),7.10−7.16(m,8H),7.27(dd,2H,J1=2Hz,J2=8Hz),7.36(d,2H,J=9Hz),7.45−7.47(m,7H),7.49(d,1H,J=2Hz),7.53(d,2H,J=2Hz),7.62(d,2H,J=9Hz),7.71(dd,2H,J1=2Hz,J2=9Hz),7.79(d,2H,J=9Hz),7.98(d,2H,J=9Hz),8.32(s,2H),8.46(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=1059.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):427(164000),405(109000),354(63200).トルエン中のEmission:439nm.
【0537】
合成例43
この実施例は式Iを有する化合物、化合物IA−42の調製を説明する。
【化141】
(a)N−(3−Tert−ブチルフェニル)−1−ピレンアミン。
トルエン(280ml)中の21−ブロモピレン(21.2g、75.3mmol)、3−tert−ブチルアニリン(12.3g、82.4mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(1.1g、1.2mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.49g、2.4mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(8.7g、90.5mmol)を添加した。得られた混合物を一晩窒素雰囲気下で周囲温度で撹拌した。その後に混合物は水(20ml)と一緒に撹拌され、有機相は、トルエンで溶離する塩基性アルミナ、フロリジル(登録商標)、シリカゲルおよびセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過された。トルエンを蒸発させ、残留物をヘキサン中に溶解し、1日後に沈殿物を集めて、24gの生成物を生じ、それをさらに精製せずに次の工程のために使用した。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.29(s,9H),5.69(s,1H),6.77(dd,1H,J1=2Hz,J2=8Hz),6.96(d,1H,J=8Hz),7.07(t,1H,J=1.5Hz),7.15(t,1H,J=8Hz),7.73−7.83(m,6H),7.90(d,2H,J=8Hz),7.92(d,1H,J=9Hz),.MS:MH+=350.
(b)N2,N9−ジ(3−tertブチルフェニル)−N2,N9−ビス−1−ピレニル−ナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン−2,9−ジアミン、化合物IA−42。
トルエン(25ml)中の2,9−ジクロロナフト[2,1−b:6,5−b’]ビスベンゾフラン29(合成例40におけるように製造された)(0.1g、0.265mmol)、N−(3−tert−ブチルフェニル)−1−ピレンアミン(0.204g、0.583mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(0.025g、0.027mmol)およびトリ−tert−ブチル−ホスフィン(0.0011g、0.054mmol)を添加し、その後に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.076g、0.795mmol)を添加した。得られた混合物を3時間窒素雰囲気下で110℃で加熱しながら撹拌した。その後に混合物を冷却し、トルエンで溶離するシリカゲル、フロリジル(登録商標)、塩基性アルミナおよびセライト(登録商標)が充填されるフィルターを通過させた。トルエンを10mlの体積に蒸発させ、沈殿物を1日後に濾過し、トルエン、ヘキサンで洗浄し、真空中で乾燥させて、0.16gの生成物を生じた。
1H−NMR(トルエン−d
8,500MHz):1.18(s,18H),7.05−7.1(溶媒ピークと重なるシグナル,9H),7.24(dd,2H,J1=2Hz,J2=9Hz),7.53(d,2H,J=2Hz),7.62−7.64(m,3H),7.68(d,2H,J=9Hz),7.71(t,2H,J=8Hz),7.79(d,2H,J=8Hz),7.82(s,3H),7.34−7.94(m,7H),8.32(d,2H,J=10Hz),8.42(d,2H,J=9Hz).MS:MH+=1003.5.トルエン中のUV−vis,λ
max,nm(ε):425(80500),333(39200),320(40700).トルエン中の発光:454nm
【0538】
合成例44
この実施例は、式IIIを有する化合物、N
3,N
9−ビス[4−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−2−イル)フェニル]−N
3,N
9−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ジベンゾ[d,d’]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン−3,9−ジアミン、化合物III−23の調製を説明する。
(a)核前駆体物質の調製:1
4,3
4−ジクロロ−1
2,3
2−ジフルオロ[1
1,2
1:2
4,3
1−テルフェニル]−2
2,2
5−ジオール.B
【化142】
1,4−ジブロモ−2,5−ジメトキシベンゼン(24.97g、84mmol)、4−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸(29.60g、170mmol)、240mlの水、700mlのトルエンおよび炭酸カリウム(60g、435mmol)を窒素で40分間スパージした。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(2.77g、2.4mmol)を混合物に速やかに添加し、一晩還流した。反応物を冷却し、水層を分離し、次に、固形分をトルエン層から濾過して21.9グラムの生成物材料Aを得た。65%の収率。
【化143】
次に、塩化メチレン中のBBr
3を使用して材料Aを脱メチル化した。不活性雰囲気下でBBr3(33.48ml、1モル/L)の塩化メチレン溶液を氷浴中の0℃の100ml塩化メチレン中の化合物A(7.34g、18.6mmol)に滴下した。反応物を一晩周囲温度に昇温させておき、過剰水で急冷した。有機層を集め、濃縮し、生成物Bを再結晶させることによって精製して、>95%の収率を生じた。
(b)核ジフランの調製:3,9−ジクロロジベンゾ[d,d’]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン.C.
【化144】
上記からの生成物B(1.84g、0.005モル)、炭酸カリウム(1.18g、0.0086モル)および45mLの1−メチル−2−ピロリジノンを窒素充填ドライボックス内で組み合わせ、2時間120℃に加熱し、冷却し、水で稀釈し、得られた固体を濾過した。回収されたフィルターケークをアセトニトリルおよび水で洗浄し、乾燥させて1.39gの難溶性生成物Cを生じた。85%の収率。
(c)N
3,N
9−ビス[4−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−2−イル)フェニル]−N
3,N
9−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ジベンゾ[d,d’]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン−3,9−ジアミン、化合物III−23の調製
【化145】
窒素充填ドライボックス内でPd
2DBA
3(0.0630g、0.0688mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.0322g、0.1592mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.3150g、3.277mmol)、上記からの生成物C(0.32g、0.965mmol)、第二アミン(0.65g、2.1mmol)および25mLのトルエンを組み合わせて、4時間90℃に加熱した。反応混合物は、塩基性アルミナおよびフロリジル(登録商標)を通してトルエンで溶離された。トルエン/ヘキサンで溶離するシリカカラムクロマトグラフィー、およびトルエン/n−プロパノールからの再結晶によって280mgの生成物を生じた。UPLC/MSおよび1H−nmr分光分析法によって30%の収率が同定された。
【0539】
実施例1
この実施例は、式I、式II、または式IIIを有する化合物の光ルミネセンス特性を説明する。
【0540】
化合物を別々に溶媒中に溶解した。化合物II−16のための溶媒はo−ジクロロベンゼンであった。他の全ての化合物については溶媒はトルエンであった。濃度は、1cmの石英セル中の溶液の光学濃度が、300〜360nmの間の励起波長において好ましくは0.2〜0.4の範囲であるように調節された。Spex Fluorologスペクトロメーターでフォトルミネセンススペクトルを測定した。結果を以下の表1に示す。
「PL」はフォトルミネセンスを示す。
「FWHM」は「半値全幅」を表わし、最大強度の半分における放射プロファイルの幅を意味することを意図する。
「PLQY」は、フォトルミネセンス量子収率を示す。溶液PLQYは、R.W.Ricci and J.M.Nesta,J.Phys.Chem.,80,9(1976)に記載される方法と同様な方法で測定された。PLQYは、基準発光体、1N硫酸中の二硫酸キニーネに対するパーセントとして示される。(W.H.Melhuish,J.Phys.Chem.,1961,65,229を参照。)
【0541】
【表1】
【0542】
実施例2
この実施例は、ホスト材料と同時堆積されるフィルム中のここに記載される化合物の水平配向度を説明する。
ホスト材料は重水素化ジアリール−アントラセン(以下のホスト−1またはホスト−2)であり、ホスト:化合物比は30:1であった。
フィルム中の光活性材料の配向は、Frischeisen et al.,Appl.Phyl.Lett.,96,073301(2010)に記載されるように決定された。結果はパーセンテージとして記載され、そこで100%は、遷移双極子モーメントの全水平配向を意味し、すなわち、基材に平行であることを意味する。結果を表2に示す。
【0543】
【表2】
【0544】
デバイス実施例:
(1)材料
ET−1はベンゾイミダゾール置換アントラセンである。
ET−2はアリールホスフィンオキシドである。
LiQはリチウムキノレートである。
HAT−CNは、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリルである。
HIJ−1は、電気導電性ポリマーとポリマーフッ素化スルホン酸との水性分散体から製造される正孔注入材料である。
ホスト−1は重水素化ジアリールアントラセンである。このような材料は、PCT出願公開国際公開第2011028216号パンフレットに記載されている。
ホスト−2は重水素化ジアリールアントラセンである。このような材料は、PCT出願公開国際公開第2011028216号パンフレットに記載されている。
ホスト−3は重水素化ジアリールアントラセンである。このような材料は、PCT出願公開国際公開第2011028216号パンフレットに記載されている。
HTM−1はモノ−アリールアミノフェナントレンである。
HTM−2はポリマージアリールアミノカルバゾールである。
HTM−3はポリマートリアリールアミンである。
HTM−3はアリールアミンである。
NPDはN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンである。
【0545】
(2)デバイス
下部発光デバイスおよび上部発光デバイスの両方を製造した。以下に詳述されるように、発光層を蒸着または溶液加工によって堆積した。全ての場合において、使用前に基材を洗剤中で超音波清浄化し、水で洗浄し、その後窒素中で乾燥させた。
【0546】
(3)デバイスの特性決定
OLED試料を特性決定するため、それらの(1)電流−電圧(IV)曲線、(2)エレクトロルミネセンス輝度対電圧、および(3)エレクトロルミネセンススペクトル対電圧を測定した。すべての3つの測定を同時に行い、コンピュータによって制御した。特定電圧でのデバイスの電流効率は、LEDのエレクトロルミネセンス放射輝度をデバイスを運転するために必要とされる電流密度で割ることによって求められる。単位はcd/Aである。電力効率は、電流効率を動作電圧で割った値である。単位はlm/Wである。色座標は、Minolta CS−100メーターかPhotoresearch PR−705メーターかのいずれかを用いて決定した。
【0547】
デバイスの実施例1〜3
これらの実施例は、デバイスの光活性層における発光材料としての、式Iまたは式IIを有する化合物の使用を説明する。デバイスは、熱蒸発によって製造される上部発光デバイスであった。
【0548】
上部発光デバイスは、下部の7nmITO層、中心の100nm銀−パラジウム−銅合金層および上部の7nmITO層からなる、パターン化された反射アノードでコートされたガラス基材上に製造された。清浄化された基材を真空チャンバ内に装填した。圧力が5×10
−7トール以下に達すると、それらは、正孔注入材料、第1の正孔輸送材料、第2の正孔輸送材料、光活性およびホスト材料、電子輸送材料および電子注入材料の熱蒸発を順次に行った。上部発光デバイスは、透明なカソード−9:1の体積比のマグネシウム−銀同時堆積の厚さ13nmの層と、その後の、厚さ60nmの光取出し層と共に熱蒸発された。次に、チャンバをベントし、ガラス蓋、乾燥剤、および紫外線硬化性エポキシを使用してデバイスを封入した。
【0549】
デバイスは、順構造を有する(特に断りがない限り、全ての比は重量比であり、全てのパーセンテージは、層の全重量に基づいて、重量パーセンテージである):
ガラス基材
アノード:ITO(7nm)/銀−パラジウム−銅合金(100nm)/ITO(7nm)
HIL:HAT−CN(10nm)
HTL1:NPD(137.5nm)
HTL2:HTM−1(5nm)
EML:表3に示されるようなホストおよびドーパント、30:1比(20nm)
ETL:ET−1:LiQ(2:3重量比)(42nm)
カソード:マグネシウム−銀9:1(体積比)(13nm)
取出し層:NPD(60nm)
【0550】
【表3】
【0551】
全てのデータは1000ニトにおけるものである。Vは電圧であり;CIExおよびCIEyはC.I.E.色度スケール(国際照明委員会、1931)による、xおよびy色座標であり;CEはcd/A単位の電流効率である。
【0552】
デバイスの実施例4〜6
これらの実施例は、デバイスの光活性層における発光材料としての、式Iまたは式IIIを有する化合物の使用を説明する。デバイスは、熱蒸発によって製造される下部発光デバイスであった。
【0553】
下部発光デバイスは、パターン化された酸化インジウムスズ(ITO)被覆ガラス基材上に製造された。清浄化された基材を真空チャンバ内に装填した。圧力が5×10
−7トール以下に達すると、それらは、正孔注入材料、第1の正孔輸送材料、第2の正孔輸送材料、光活性およびホスト材料、電子輸送材料および電子注入材料の熱蒸発を順次に行った。下部発光デバイスはAlカソード材料と共に熱蒸発された。次に、チャンバをベントし、ガラス蓋、乾燥剤、および紫外線硬化性エポキシを使用してデバイスを封入した。
【0554】
デバイスは、順構造を有する(特に断りがない限り、全ての比は重量比であり、全てのパーセンテージは、層の全重量に基づいて、重量パーセンテージである):
ガラス基材
アノード:ITO(50nm)
HIL:HAT−CN(10nm)
HTL1:NPD(185nm)
HTL2:HTM−1(20nm)
EML:表4に示されるようなホストおよびドーパント、30:1重量比(25nm)
ETL:ET−2:LiQ1:1(26.2nm)
EIL:LiQ(3.5nm)
カソード:Al(100nm)
【0555】
【表4】
【0556】
デバイスの実施例7〜13
これらの実施例は、デバイスの光活性層における発光材料としての、式I、式II、または式IIIを有する化合物の使用を説明する。デバイスは、熱蒸発によって製造される下部発光デバイスであった。
【0557】
デバイスは、ETLが2:3重量比のET−1:LiQであり且つEILがないこと以外は、デバイスの実施例4〜6に記載されるように製造された。ホストおよびドーパントは以下の表5に示される。
【0558】
【表5】
【0559】
デバイスの実施例14〜16
これらの実施例は、デバイスの光活性層における発光材料としての、式IIIを有する化合物の使用を説明する。デバイスは、光活性層の溶液堆積によって製造される上部発光デバイスであった。
【0560】
上部発光デバイスは、パターン化された反射アノードでコートされたガラス基材上に製造された。反射アノードは、下部の70ÅのITO層、中心の1000Åの銀−パラジウム−銅合金層および上部の70ÅのITO層からなった。全ての基材を洗剤中で超音波清浄化し、水で洗浄し、その後窒素中で乾燥させた。
【0561】
溶液加工される上部発光デバイスを製造するために、最初に、反射アノードを有する予め清浄化された基材上に厚さ700Åの正孔注入層をグリコールとグリコール−エーテルとの混合物中の分散体としてスピンコートした。次に、正孔注入層を不活性窒素環境中で10分間140℃で焼成した。冷却後に、厚さ900〜1000Åの正孔輸送層を芳香族溶媒から正孔注入層の上部にスピンコートし、その後に、30分間230℃で加熱してフィルムを固化した。基材を室温に冷却した後に、厚さ約400Åの発光層を芳香族溶媒から正孔輸送層上にスピンコートし、15分間140℃で焼成して残留溶媒を除去した。
【0562】
後に、基材を蒸着のために真空チャンバに移動させた。最初に、厚さ200Åの電子輸送層を圧力<10
−6トールで堆積させ、その後に、10:1の体積比でマグネシウム−銀を同時堆積して厚さ130Åの透明なカソードを形成した。その後、厚さ600Åの有機層を透明なカソードの上部に堆積させて、光取出しを促進した。
【0563】
最後に、ガラス蓋、乾燥剤および紫外線硬化性エポキシを使用してデバイスを気密封入した。
デバイスは、順構造を有する(特に断りがない限り、全ての比は重量比であり、全てのパーセンテージは、層の全重量に基づいて、重量パーセンテージである):
ガラス基材
アノード:ITO(7nm)/銀−パラジウム−銅合金(100nm)/ITO(7nm)
HIL:HIJ−1(70nm)
HTL:HTM−2(90〜100nm)
EML:表6に示されるようなホストおよびドーパント、30:1重量比(40nm)
ETL:ET−2:LiQ2:3(20nm)
カソード:マグネシウム−銀10:1体積比(13nm)
取出し層:HTM−4(60nm)
【0564】
【表6】
【0565】
デバイスの実施例17〜23
これらの実施例は、デバイスの光活性層における発光材料としての、式Iを有する化合物の使用を説明する。デバイスは、光活性層の溶液堆積によって製造される下部発光デバイスであった。
【0566】
下部発光デバイスは、パターン化された酸化インジウムスズ(ITO)でコートされた基材上に製造された。パターン化されたITOを有する予め清浄化された基材を使用直前に10分間紫外線オゾンに暴露した。最初に、厚さ1000Åの正孔注入層をグリコールとグリコール−エーテルとの分散体からスピンコートし、空気中で5分間70℃で焼成した。冷却後に、厚さ約1000Åの正孔輸送層を芳香族溶媒から正孔注入層の上部にスピンコートし、その後に、30分間230℃で加熱してフィルムを固化した。基材を室温に冷却した後に、厚さ約400Åの発光層を芳香族溶媒から正孔輸送層上にスピンコートし、15分間140℃で焼成して残留溶媒を除去した。
【0567】
後に、基材を蒸着のために真空チャンバに移動させた。最初に、厚さ200Åの電子輸送層を圧力<10
−6トールで堆積させた。その後、厚さ1000Åのアルミニウムが堆積されて電気的接触を形成し、カソードとして機能する。
【0568】
最後に、ガラス蓋、乾燥剤および紫外線硬化性エポキシを使用してデバイスを気密封入した。
【0569】
デバイスは、順構造を有する(特に断りがない限り、全ての比は重量比であり、全てのパーセンテージは、層の全重量に基づいて、重量パーセンテージである):
ガラス基材
アノード:ITO(50nm)
HIL:HIJ−1(100nm)
HTL:HTM−3(100nm)
EML:表7に示されるようなホストおよびドーパント、30:1重量比(40nm)
ETL:ET−2:LiQ3:4(23nm)
カソード:Al(100nm)
【0570】
【表7】
【0571】
一般的な説明または実施例において上述される作業の全てが必要であるわけではなく、特定の作業の一部が必要でなくてもよく、1つ以上のさらなる作業が、記載されている作業に加えて行われてもよいことに留意されたい。さらにまた、作業が列挙される順序は、必ずしも作業が行われる順序ではない。
【0572】
上述の本明細書において、本発明は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、様々な改変および変更が、以下の特許請求の範囲に説明する本発明の範囲から逸脱することなく行い得ることを当業者なら理解されるであろう。したがって、本明細書は、限定的な意味ではなく例示に関連し、全てのそのような修正形態が本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【0573】
利益、他の利点、および問題の解決策が特定の実施形態に関して前述された。しかしながら、利益、利点、および問題の解決策、並びに、任意の利益、利点、または問題の解決策を生じ得る、或いはより強調させ得る任意の特徴は、任意のまたは全ての請求項の重要である、必要とされる、または不可欠な特徴として解釈されるべきでない。
【0574】
明確にするために、特定の特徴が、別の実施形態の文脈で本明細書において記載され、また、単一の実施形態においては組み合わせて提供されてもよいことが理解されるべきである。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載される様々な特徴はまた、別にまたは任意の部分的な組合せで提供されてもよい。更に、範囲にあると記載された値への言及は、その範囲内のそれぞれおよび全ての値を含む。