(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6798815
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】シュート
(51)【国際特許分類】
B65G 11/20 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
B65G11/20 Z
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-152450(P2016-152450)
(22)【出願日】2016年8月3日
(65)【公開番号】特開2018-20879(P2018-20879A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000187079
【氏名又は名称】昭和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(72)【発明者】
【氏名】竹村 理秀
(72)【発明者】
【氏名】片山 浩一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩幸
【審査官】
小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−293417(JP,A)
【文献】
実開昭60−009742(JP,U)
【文献】
特開2013−147310(JP,A)
【文献】
特開2000−313518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉空間の搬送路を構成し、角度をもって配置される中空の胴部材と、前記胴部材の内底面との間に隙間ができるように配置された邪魔板と、を備え、投入された粒状の被搬送物を重力により前記胴部材内を落下移動させるシュートであって、
前記邪魔板と前記胴部材の内底面が構成する角度を変更可能とする回動機構を備え、
前記胴部材の内底面は、被搬送物が前記胴部材の内底面上を滑り落ちる傾斜角度αで設けられており、
前記胴部材の内底面上を滑り落ちる被搬送物の一部が前記胴部材の内底面と前記邪魔板との隙間を落下移動するとともに、前記胴部材の内底面上を滑り落ちる被搬送物の一部の落下移動が前記邪魔板によりせき止められるように、前記邪魔板と前記胴部材の天板との間の流路よりも前記邪魔板と前記胴部材の内底面との間の隙間が狭く、かつ、前記胴部材の供給口側における前記邪魔板と前記胴部材の内底面とのなす角度が45°〜90°となるように、前記胴部材の内底面に対して、前記邪魔板が設置されていることを特徴とするシュート。
【請求項2】
前記胴部材の内底面の傾斜角度αは35°〜60°であることを特徴とする請求項1に記載のシュート。
【請求項3】
前記回動機構が、前記胴部材の外部からの操作により前記邪魔板の角度を変更可能であること、または、前記回動機構が、邪魔板の両側部が連結される取付部材と、取付部材に設けられた位置調整用孔とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のシュート。
【請求項4】
前記隙間の大きさを調節可能とする隙間調整機構を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシュート。
【請求項5】
前記隙間調整機構が、前記胴部材の外部からの操作により前記隙間の大きさを変更可能とすることを特徴とする請求項4に記載のシュート。
【請求項6】
前記邪魔板が、前記回動機構に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のシュート。
【請求項7】
前記胴部材が、天井部に配置された点検口を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のシュート。
【請求項8】
前記胴部材が、複数の胴部材からなり、
前記邪魔板が、複数の邪魔板からなり、
前記点検口が、複数の点検口からなることを特徴とする請求項7に記載のシュート。
【請求項9】
食品材料または飼料材料用である請求項1ないし8のいずれかに記載のシュート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重力をもって粒状の搬送物を搬送するシュートの構造に関する。特に、食品材料や飼料材料等を搬送するシュートの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、重力をもって粒状または塊状の搬送物を搬送するシュートが知られており、搬送物としては、鉱石、石炭等の材料から、都市ゴミ処理過程での廃棄物等まで各種のものが存在する。この種のシュートでは、高い搬送効率が求められるものの、搬送物が搬送路底面に衝突して摩耗することにより装置寿命が短くなることが、また、搬送中に搬送物が破砕・破損してしまうことが問題となっている。かかる問題は、搬送速度が速い場合により深刻となるため、従来から搬送速度を調節するための工夫が行われている。
【0003】
特許文献1は、都市ゴミなどの廃棄物を処理する際に用いるもので、傾斜した搬送通路内で粒状物を斜めに滑らせて移送するシュートにおいて、搬送物の流れをせき止める部材を設けることで、シュートの搬送面の摩耗を防いで、装置のランニングコストを抑えることを目的とするものである。
【0004】
特許文献2は、前記同様に、傾斜した搬送通路内で耐火物、セメント等の原料を斜めに滑らせて移送するシュートにおいて、階段状の邪魔板を多数配設して、階段部に堆積した搬送物の緩衝効果を目的とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−243833号公報
【特許文献2】実開昭61−203610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
粒状または塊状の搬送物を搬送するシュートは、同一の搬送物を繰り返し搬送するものとして使用されることが多い。
しかし、食品材料や飼料材料等を搬送する用途においては、同一のシュートで異なる搬送物が搬送される場合がある。ここで、搬送物がシュート内に残留すると、予期せぬアレルゲンや遺伝子組み換え作物の混入が生じるおそれもあるため、異なる搬送物を同一のシュートで搬送する場合には、先の搬送物が混入しないように細心の注意が必要である。
【0007】
また、食品材料や飼料材料等においては、鉱物等とは異なり、残留物が腐敗して品質に影響を与えるおそれもある。シュート内残留物に虫等が混入した場合、品質に影響を与えることも避けなくてはならない。
【0008】
そこで、本発明は、異なる搬送物を搬送するのに適した構造を有するシュートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]閉空間の搬送路を構成し、角度をもって配置される中空の胴部材と、前記胴部材の内底面との間に隙間ができるように配置された邪魔板と、を備え、投入された粒状の被搬送物を重力により前記胴部材内を落下移動させるシュートであって、前記邪魔板と前記胴部材の内底面が構成する角度を変更可能とする回動機構を備え、前記胴部材の内底面は、被搬送物が前記胴部材の内底面上を滑り落ちる傾斜角度αで設けられており、前記胴部材の内底面上を滑り落ちる被搬送物の一部が前記胴部材の内底面と前記邪魔板との隙間を落下移動するとともに、前記胴部材の内底面上を滑り落ちる被搬送物の一部の落下移動が前記邪魔板によりせき止められるように、
前記邪魔板と前記胴部材の天板との間の流路よりも前記邪魔板と前記胴部材の内底面の間の隙間が狭く、かつ、前記胴部材の供給口側における前記邪魔板と前記胴部材の内底面とのなす角度が45°〜90°となるように、前記胴部材の内底面に対して、前記邪魔板が設置されていることを特徴とするシュート。
[2]前記胴部材の内底面の傾斜角度αは35°〜60°であることを特徴とする[1]に記載のシュート。
[3]前記回動機構が、前記胴部材の外部からの操作により前記邪魔板の角度を変更可能であること、または、前記回動機構が、邪魔板の両側部が連結される取付部材と、取付部材に設けられた位置調整用孔とを備えること特徴とする[1]または[2]に記載のシュート。
[4]前記隙間の大きさを調節可能とする隙間調整機構を備えることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載のシュート。
[5]前記隙間調整機構が、前記胴部材の外部からの操作により前記隙間の大きさを変更可能とすることを特徴とする[4]に記載のシュート。
[6]前記邪魔板が、前記回動機構に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載のシュート。
[7]前記胴部材が、天井部に配置された点検口を備えることを特徴とする[1]ないし[6]のいずれかに記載のシュート。
[8]前記胴部材が、複数の胴部材からなり、前記邪魔板が、複数の邪魔板からなり、前記点検口が、複数の点検口からなることを特徴とする[7]に記載のシュート。
[9]食品材料または飼料材料用である[1]ないし[8]のいずれかに記載のシュート。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、邪魔板によりせき止められた搬送物自体がクッションの役割を果たすので、シュート内底面の高い摩耗防止と搬送物の形状維持の効果を得られる。また、邪魔板とシュート内底面との間に隙間が設けられているので、搬送停止時に搬送物の残留が生じない。
また、邪魔板の取付角度は調整可能であるので、搬送される搬送物の種類に応じて搬送条件を容易に調節することが可能である。
【0011】
また、邪魔板とシュート内底面との隙間の大きさを調整可能とする構成を備えるシュートにおいては、搬送条件をより細かく調節することが可能となる。
さらに、外部から取付角度または隙間を調節できる構成を備えるシュートにおいては、異物混入のリスクを最小限とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】邪魔板の回動機構の構成を示す斜視図である。
【
図5】実施形態例に係るシュートの作動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のシュートは、食品材料や飼料材料等の粒状の搬送物を受入工程から下流工程に搬送するために使用される。ここで、下流工程としては、例えば、選別工程、貯蔵工程、圧扁や粉砕等の加工工程が挙げられる。下流工程が選別や加工工程の場合、流速や流量を一定に保つことで、精度や効率を高めることができる。本発明のシュートは、粒状の搬送物を搬送する際の整流効果が高いため、選別や加工工程における流速や流量を一定に保つことが可能である。以下、図面を参照しながら実施形態例に係るシュート1の構成を説明し、続いて作動を説明する。
<構成>
実施形態例に係るシュート1は、食品材料や飼料材料等の粒状の搬送物を受入工程から選別工程に搬送するために使用される。
図1に示すように、実施形態例に係るシュート1は、胴部材2a、2bと、邪魔板6a〜6cと、点検口10a、10bと、上部接続部11と、下部接続部12とを備えて構成される。
【0014】
胴部材2a、2bは、底板3a、3b、側板4a、4bおよび天板5a、5bからなり、断面は直方体状である(
図3参照)。胴部材2aと胴部材2bはフランジ接続されて搬送通路を構成している。実施形態例では、底板3a、3bおよび側板4a、4bを、搬送物との摩擦に耐え得るように表面に特殊コーティングを施した耐摩耗鋼により構成している。底板3a、3bおよび側板4a、4bは、平らな板により構成されているため、万が一穴があいた場合も発見は容易である。
【0015】
胴部材2aの上部には供給口を有する上部接続部11が連結され、胴部材2bの下部には排出口を有する下部接続部12が連結されている。上部接続部11の供給口には受入工程からの搬送物が供給され、胴部材2a、2bを通過した搬送物は、下部接続部12の排出口から選別工程に送出される。ここで、下部接続部12は、次工程である選別工程の器具との位置関係を調整できるように、胴部材2bに対して回転可能に構成されている(
図2参照)。
なお、上部接続部11および下部接続部12は、図で例示された形状に限定されず、接続される各工程の器具との関係で適宜形状のものが選択される。接続する胴部材2の数も例示の2つに限定されるものではなく、1つまたは3つ以上の胴部材を連結してシュートを構成することも当然可能である。
【0016】
図2に示すように、天板5a、5bには、点検口10a、10bが設けられている。点検口10a、10bは、ワンタッチで開閉可能に構成されており、メンテナンス時における胴部材2の内部への容易なアクセスを可能としている。点検口10a、10bを閉じた際には、胴部材2a、2bは閉空間となるため、外部から異物が混入することはない。
【0017】
シュート1の底板3a、3bが形成する傾斜角度αは、搬送物の安息角に応じて設定される。ここで安息角とは、搬送物を山積みしたときに滑り出さない限界の角度を意味する。実施形態例においては、搬送物が穀類或いは豆類等であり、安息角度35°であるとの仮定のもと、傾斜角度αを40°に設定している。傾斜角度αは、搬送物に応じ、搬送効率等を考慮して、例えば35°〜60°、40°〜60°の範囲において設定される。
【0018】
胴部材2a、2bの内部には、同一形状の邪魔板6a、6b、6cが、底板3a、3bとの間に隙間7a、7b、7cが形成されるように配置されている。邪魔板6a、6b、6cは、耐摩耗鋼または耐摩耗性のある樹脂(例えば、超高分子ポリエチレン樹脂)により構成されており、後述する回動機構8に着脱自在に取り付けられている。
【0019】
図3は、
図1のA−A’線方向におけるシュート1の断面を示す矢視図である(なお、回動機構8は図示省略)。
邪魔板6a、6b、6cの幅は、胴部材2a、2bの内寸幅と実質同幅であるか、回動機構8の分だけ幅狭に構成されており(すなわち、胴部材2a、2bの側方から搬送物が流出することはなく)、回動機構8により側板4a、4bに対して回動可能に固定されている。
【0020】
図4は、邪魔板6の回動機構8の構成図である。この回動機構8は、邪魔板6の両側部が連結される取付部材81a、81bと、取付部材81a、81bに各々設けられた位置調整用孔82a、82bと、邪魔板6の側端の下部付近を締着固定する固定具83a、83bと、邪魔板6の側端の上部付近を締着固定する固定具84a、84bとを備えて構成され、固定具83a、83bを中心として邪魔板6を一定角度の範囲で回転させて位置決めすることを可能としている。
【0021】
邪魔板6と底板3の内底面が構成する角度の範囲は、邪魔板6上に搬送物が堆積しない範囲で自由に設定することができるが、例えば、30°〜105°、30°〜95°、45°〜90°の範囲で設定される。
なお、実施形態例では、取付部材81a、81bを略三角形状の板材により構成したが、取付部材の形状は例示のものに限定されない。また、実施形態例では位置調整用孔82a、82bを円弧状の溝により構成したがこれに限定されるものではなく、例えば、位置調整用孔を数点の挿通孔により構成し、挿通孔に固定具を挿通して段階的に角度を調節する構成を採用してもよい。
【0022】
回動機構8は、側板4に対してボルト等の締着手段により取り付けられるが、
図4では、邪魔板6と取付部材81a、81bの関連状態を示すために、側板4等を図示省略するのと共に、回動機構8を側板4に取り付ける際に用いられる取付孔、ボルト等も図示省略している。回動機構8は、側板4の外側から邪魔板6の角度を視認しながら調節することを可能とする目盛を備える構成としてもよい。
【0023】
邪魔板6と底板3との隙間7の大きさの変更は、側板4に対する回動機構8の取付位置を上下可変とする隙間調整機構(図示せず)により行う。邪魔板6とシュート底板3との隙間7は、例えば、0.5〜10cm、0.5〜5cm、0.5〜3cmの間で段階的にまたは無段階で調整可能とする。
隙間7a、7b、7cの大きさは同一とする必要は無く、上流側から下流側に向けて隙間が段々に小さくなる設定としてもよいし、逆に上流側から下流側に向けて隙間が段々に大きくなる設定としてもよい。
隙間調整機構は、側板4の外側から隙間7の大きさを視認しながら調節することを可能とする目盛を備える構成としてもよい。
【0024】
邪魔板6の丈高さは、胴部材2の丈高さ(すなわち、側板4の丈高さ)の1/3〜1/2の範囲で設定することが例示される。邪魔板6の丈高さをそれ以上とすると、搬送物が流れる断面積が狭くなり搬送容量が低下すると共に、邪魔板6でせき止められた搬送物の堆積量が多くなり、搬送停止後の搬送物排出に時間を要する不都合が生じ得ると考えられる。邪魔板6の丈高さをそれ以下とすると、搬送速度が速くなり、破砕・破損の不都合が生じ得ると考えられる。例えば、側板4の丈高さが30〜60cmである場合、邪魔板6の丈高さを10〜30cmの範囲で設定することが開示される。
【0025】
実施形態例では、邪魔板6は、上流側の胴体2aに一枚、下流側の胴体2bに二枚が設けられているが、邪魔板6の枚数は例示の枚数と間隔に限定されず、搬送物の安息角、傾斜角度αおよび搬送通路長さなどの関係から適切な枚数と間隔が設定される。最上流の邪魔板6aは、供給口から供給された搬送物の落下点よりも下流側に設置する。後述するように、搬送を行っている間、搬送物は邪魔板6にせき止められて上流側(搬送方向と反対側)に向かってその表面が傾斜した状態で堆積される。搬送される搬送物が、底板3に接触する態様で落下することなく、堆積された搬送物上に落下するようにするためには、せき止められた搬送物の堆積した表面が上流側から下流側まで連続するものとなるような間隔をもって複数枚の邪魔板6を配置することが好ましい(
図5参照)。
【0026】
また、シュート搬送方向における各邪魔板6の最適な間隔は、邪魔板6の丈高さ、隙間7および搬送通路の断面積にも影響される。以上のような諸条件を考慮し、邪魔板6の適切な枚数と間隔を設定する。例えば、搬送通路長さが1.5〜3mであり、3枚の邪魔板6を設置する場合、邪魔板6の間隔を0.5〜1mの範囲で設定することが開示される。
【0027】
以上に説明した実施形態例のシュート1によれば、邪魔板6の取付角度および隙間7を可変とできるので、搬送物の粒径が変わった際に、当該搬送物に最適な搬送条件に設定することが可能である。
【0028】
<作動>
実施形態例のシュート1の作動について説明する。
搬送物は、上部接続部11から供給される。搬送開始当初は搬送物が邪魔板6aの上流に位置する底板3aに接触する態様で落下するが、しばらくすると、邪魔板6aによりせき止められた搬送物が堆積するので、上部接続部11から供給された搬送物は、堆積した搬送物の上に落下することとなる。
【0029】
しばらくすると、邪魔板6aの上端に至るまで搬送物が堆積され、邪魔板6aの上端を越えて搬送物が下流側に溢れだす。邪魔板6aの上端を越えて溢れた搬送物は、しばらくの間、邪魔板6aの下流に位置する底板3aに接触する態様で落下する。その後、邪魔板6bによりせき止められた搬送物が堆積すると、邪魔板6aの上端を越えて溢れた搬送物は、堆積した搬送物の上に落下することとなる。邪魔板6bの上流側に堆積層ができると、隙間7aからの流出量は減り、邪魔板6aの上端を越えて流れる搬送物の量が増加する。
【0030】
しばらくすると、邪魔板6bの上端に至るまで搬送物が堆積され、邪魔板6bの上端を越えて搬送物が下流側に溢れだす。邪魔板6bの上端を越えて溢れた搬送物は、しばらくの間、邪魔板6bの下流に位置する底板3bに接触する態様で落下する。その後、邪魔板6cによりせき止められた搬送物が堆積すると、邪魔板6bの上端を越えて溢れた搬送物は、堆積した搬送物の上に落下することとなる。
【0031】
しばらくすると、邪魔板6cの上端に至るまで搬送物が堆積され、邪魔板6cの上端を越えて搬送物が下流側に溢れだす。邪魔板6cの上端を越えて溢れた搬送物の大部分は、下部接続部12の開口に落下し、下部接続部12から次工程へ向けて排出される。
【0032】
邪魔板6cの上流側に堆積層ができると、隙間7bからの流出量は減り、邪魔板6bの上端を越えて流れる搬送物の量が増加する。このように、一定時間が経過すると、後から供給される搬送物が、先にせき止められて堆積した搬送物の表面を流れるので、底板3の摩耗が防止され、耐久性が向上する。
【0033】
上部接続部11からの供給を停止すると、各邪魔板6a、6b、6cによってせき止められていた搬送物は隙間7a、7b、7cを介して順次下流側へ流れ落ちるので、搬送物はシュート1内に残留しない。
このように、供給停止後にシュート1内に搬送物が残留することがないので、搬送物を切り替えた際に異種搬送物の混入が生じない。また、長期間シュート内に搬送物が残留することがないため、長期間残留して劣化した搬送物が混入するような不都合も生じない。
【符号の説明】
【0034】
1 シュート(シュート全体を示す)
2a、2b 胴部材
3a、3b 底板
4a、4b 側板
5a、5b 天板
6a、6b、6c 邪魔板
7a、7b、7c 隙間
8 回動機構
10a、10b 点検口
11 上部接続部
12 下部接続部