(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。本実施形態に係る解析装置(データ解析装置)1は、プロセス制御に用いられる時系列データであって、入力された時系列データを時系列方向に沿って複数のクラスタに分割するものである。本実施形態1に係る解析装置1は、時系列データを出力する様々な装置に適用できる。例えば、ごみ焼却施設に備え付けられたセンサから取り出した時系列データの解析に用いることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、時系列データを最初に分割したクラスタを初期クラスタ、最終的に分割結果として特徴が出力されるクラスタを最終クラスタ、初期クラスタを統合したクラスタであって最終クラスタになるまでのクラスタを中間クラスタと呼ぶ。
【0037】
〔解析装置の構成〕
図1を参照して解析装置1について説明する。
図1は、解析装置1の要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る解析装置1は、制御部10、記憶部20、言語化パラメータ設定部30、データ入力部(データ取得部)40、および出力部50を含む。
【0038】
制御部10は、解析装置1における各種処理を実行するとともに、時系列データのクラスタ化、クラスタ化した時系列データの言語化を行うものであり、クラスタ処理部(クラスタ分割部)11、特徴抽出部12、および特徴表現部13を含む。
【0039】
クラスタ処理部11は、時系列データのクラスタ化を実行するものであり、初期クラスタ作成部113、クラスタ値算出部114、重み付け部115、類似度判定部116、クラスタ統合部117、およびクラスタ数判定部118を含む。
【0040】
初期クラスタ作成部113は、データ入力部40を介して入力された時系列データを分割して初期クラスタを作成する。初期クラスタとは、時系列データをデータ毎に分割したクラスタである。
【0041】
クラスタ値算出部114は、初期クラスタ作成部113が作成した初期クラスタのクラスタ値(判定値)を算出する。また、クラスタ値算出部114は、後述するクラスタ統合部117がクラスタを統合することにより作成した中間クラスタのクラスタ値を算出する。中間クラスタとは、初期クラスタが統合されて作成されたクラスタ、中間クラスタが統合された作成されたクラスタであって最終クラスタとなっていないものである。また、クラスタ値とは、クラスタの特徴を示す値であり、当該クラスタのデータ値の平均値(代表値)、当該クラスタにおける時系列方向の最初と最後のデータを結んだ線分の時系列方向に対する傾き(変化状態指標)、および当該クラスタにおけるデータ値の散らばり具合(振動状態指標)であるクラスタの特徴を示す指標から算出される。具体的な算出方法については後述する。
【0042】
重み付け部115は、クラスタ値算出部114がクラスタ値を算出するときに用いる3つの値を重み付けするものである。具体的な重み付け方法は後述する。3つの値とは、当該クラスタのデータ値の平均値、当該クラスタにおける時系列方向の最初と最後のデータを結んだ線分の時系列方向に対する傾き、および当該クラスタにおけるデータ値の散らばり具合である。
【0043】
類似度判定部116は、クラスタ値算出部114が算出したクラスタ値を用いてクラスタ同士の類似度を判定する。
【0044】
クラスタ統合部117は、類似度判定部116が判定した類似度を用いて、クラスタ同士の統合を行う。
【0045】
クラスタ数判定部118は、クラスタ統合部117がクラスタ統合した結果のクラスタ数が指定されたクラスタ数以下であるか否かを判定する。指定されたクラスタ数は、ユーザによって指定された数であってもよいし、解析時間÷60で求められる数であってもよい。
【0046】
特徴抽出部12は、クラスタ処理部11でクラスタ化された時系列データ(最終クラスタ)の特徴の抽出を行う。特徴とは、最終クラスタの全体的傾向、局所時刻、局所値、位置、振動前期、振動中期、振動後期等である。特徴の詳細については後述する。
【0047】
特徴表現部13は、クラスタ化された時系列データ(最終クラスタ)を、特徴抽出部12で抽出された特徴、および後述する言語化データ21を用いて言語化する言語化部である。言語化する処理は公知の技術で可能であるので、その説明は省略する。
【0048】
記憶部20は、解析装置1の処理に用いる各種データを格納する記憶部であり、言語化データ21を含む。言語化データ21は、特徴表現部13において言語化する処理を実行するために用いられるものである。
【0049】
言語化パラメータ設定部30は、言語化に用いる各種パラメータを設定する。
【0050】
データ入力部40は、解析装置1で解析する時系列データの入力を受け付け、クラスタ処理部11に送信する。
【0051】
出力部50は、クラスタ処理部11によるクラスタ化の結果、特徴抽出部12によって抽出された特徴、および特徴表現部13による言語化の結果を出力する。
【0052】
〔PID制御装置の構成〕
本実施形態に係る解析装置1の出力結果は、フィードバック制御に用いることができる。そこで、解析装置1の出力結果をPID(Proportional-Integral-Differential)制御に用いた場合の例を
図2に示す。
図2は、PID制御装置(制御装置)100の要部構成を示すブロック図である。PID制御装置100は、解析装置1の出力結果を用いて、PIDパラメータを変更することによってPID制御を行い、制御結果を制御対象に出力する装置である。
【0053】
図2に示すように、PID制御装置100は、解析装置1、データ取得部(送信部)110、記憶部120、およびPIDパラメータ変更部(フィードバック制御部)130を含む。なお、解析装置1は、必ずしもPID制御装置100の内部に含まれている必要は無く、PID制御装置100の外部に設けられていてもよい。
【0054】
データ取得部110は、外部装置から時系列データを取得して解析装置1に送信する。
【0055】
記憶部120は、PID制御装置100における処理に用いる各種データを格納する記憶部であり、調整データ121を含む。調整データ121は、解析装置1による時系列データ解析結果からPIDパラメータを変更するために用いられる。
【0056】
PIDパラメータ変更部130は、解析装置1による時系列データの解析結果から、調整データ121を用いて、PIDパラメータを変更する。
【0057】
本実施形態では、時系列データの傾向(トレンド)を言語化することにより、例えば、時系列データが傾斜している場合、その程度を複数の段階に分けて制御することができる。言語化した場合、例えば「大きく増加」、「少し増加」などとなる。そして、複数の段階分けに応じてPID制御値を予め定めておくことにより、各段階に該当する割合に応じて、PID制御値を求めることができる。
【0058】
〔解析装置における処理の流れ〕
次に、
図3を参照して、解析装置1における処理の流れを説明する。
図3は、解析装置1における処理の流れを示すフローチャート図である。
【0059】
図3に示すように、解析装置1では、まず、時系列データをクラスタ化するために用いる各種パラメータが格納されたパラメータファイルを読み込む(S101)。パラメータファイルの読み込みに成功すると、時系列データを読み込む(S102、データ取得ステップ)。時系列データの読み込みに成功すると、初期クラスタ作成部113は、時系列データを分割して初期クラスタを作成する(S103)。
【0060】
次に、クラスタ数判定部118は、現在のクラスタ数が指定されたクラスタ数より多いか否か(現在のクラスタ数≧指定クラスタ数)を判定する(S104)。また、クラスタの時系列方向の長さ(以降、クラスタ幅とも呼ぶ)が基準値より短いものがあるか判定する(S104)。そして、現在のクラスタ数が指定されたクラスタ数より多い場合、またはクラスタ幅が基準値より短いものがある場合(S104でYES)、類似度判定部116は、時系列方向に隣接するクラスタ間の類似度を算出する(S105)。次に、類似度判定部116は、クラスタと時系列方向に隣接するクラスタにさらに隣接するクラスタとの類似度を算出する(S106)。換言すれば、時系列方向に1つ飛ばしたクラスタ間の類似度を算出する。
【0061】
次に、クラスタ統合部117は、ステップS105、ステップS106で算出した類似度中で最も類似度が高かったクラスタ同士を統合する(S107)。また、ステップS106で算出した類似度が最も高かった場合は、類似度を判定したクラスタ同士に加え、当該クラスタ間に挟まれたクラスタも統合する。なお、ステップS103〜S107がクラスタ分割ステップとなる。
【0062】
その後、ステップS104に戻り、統合後のクラスタ数が指定されたクラスタ数より多いか否かを判定する(S104)。また、クラスタ幅が基準値より短いものがあるか判定する(S104)。
【0063】
ステップS104にて、統合後のクラスタ数が指定されたクラスタ数以下であり、かつクラスタ幅が基準値より短いものがない場合(S104でNO)、特徴抽出部12は、統合後のクラスタである最終クラスタの時系列データの特徴の抽出し、特徴表現部13は、抽出された特徴の言語化を行う(S108)。
【0064】
その後、解析装置1は、解析結果である最終クラスタの特徴、言語化結果を出力部50から出力する(S109、出力ステップ)。出力は、グラフ等の表示であってもよいし、文字による出力であってもよい。グラフ等の表示は例えば、GIF(Graphic Interchange Format)形式のデータで行うことができる。また、文字による出力は例えば、CSV(Comma Separated Value)形式のデータにより行うことができる。
【0065】
なお、上述したPID制御装置100による制御を行う場合は、ステップS108における最終クラスタの特徴の抽出、言語化の結果をPID制御装置100に出力すればよい(
図3の(A)参照)。
【0066】
〔PID制御装置における処理の流れ〕
図4を参照して、PID制御装置100による制御の流れを説明する。
図4は、PID制御装置100による制御の流れを示すフローチャート図である。
【0067】
図4に示すように、PID制御装置100は、
図3のステップS108において処理された最終クラスタの時系列データ特徴、言語化の結果、および時系列データを取得する。PIDパラメータ変更部130は、取得した時系列データから傾向の変更があったか否かを判定する(S201)。そして、傾向の変更があったと判定した場合(S201でYES)、PIDパラメータ変更部130は、傾向変更後の時系列データの特徴、言語化の結果から調整データ121を用いてPIDパラメータを調整する(S202)。PIDパラメータの調整例としてはPID比率を変更することが挙げられる。
【0068】
〔クラスタ処理部の詳細〕
次に、
図5〜10を参照して、クラスタ処理部11における処理の詳細について説明する。まず、
図5を参照して、クラスタ間の類似度を判定するための判定値を算出する方法について説明する。判定値は、クラスタの値、クラスタの変化量、およびクラスタの振動具合の3つの要素を用いて算出する。
図5は、判定値を算出する方法を説明するための図であり、(a)はクラスタの値を説明するための図であり、(b)はクラスタの変化量を説明するための図であり、(c)はクラスタの振動具合を説明するための図である。
【0069】
〔クラスタの値〕
図5の(a)に示すように、時系列データが、中間クラスタC501、C502、およびC503に分割されている場合を考える。中間クラスタC501における時系列データの値が(60,61,53,70)となっている場合、平均値は(60+61+53+70)/4=61となる。本実施形態では、この場合の中間クラスタC501の値を平均値である「61」とする。同様に算出することにより、中間クラスタC502の値が「80」、中間クラスタC503の値が「72」となる。
【0070】
ここで、中間クラスタの値のみを用いてクラスタ間の類似性を判定する場合、中間クラスタC501、C502、C503それぞれの値の差に注目する。中間クラスタC501とC502との値の差は、|80−61|=19となる。また、中間クラスタC502とC503との値の差は、|71−80|=9となる。よって、中間クラスタC501とC502よりも、中間クラスタC502とC503の方が類似しているということになる。
【0071】
〔クラスタの変化量〕
クラスタの変化量は、クラスタ内の時系列データの傾きθ(c)から算出する。具体的には、クラスタ内の時系列方向で最初の値を(t
i,x(t
i))、最後の値を(t
k,x(t
k))としたとき、以下の計算式(1)で求める。
θ(c)=arctan((x(t
k)−x(t
i))/(t
k−t
i))…(1)
具体的に、中間クラスタC501、C502、およびC503に当てはめると、変化量はそれぞれ、「52」、「−20」、「−14」となる(
図5の(b))。
【0072】
ここで、中間クラスタの変化量みを用いて類似性を判定する場合、中間クラスタC501、C502、C503それぞれの変化量の差に注目する。中間クラスタC501とC502との変化量の差は、|52−(−20)|=72となる。また、中間クラスタC502とC503との変化量の差は、|(−20)−(−14)|=6となる。よって、中間クラスタC501とC502よりも、中間クラスタC502とC503の方が類似しているということになる。
【0073】
〔クラスタの振動具合〕
クラスタの振動具合とは、クラスタ内における時系列データの値の散らばり具合である。具体的には、以下のように算出する。以下の計算式は、値の標準偏差を用いて計算している。
【0074】
まず、クラスタ内に存在する時系列データが2つであり、それぞれの値がx
i、x
i+1の場合、当該クラスタの振動具合σ(c)は、以下の計算式(2)で求める。
【0076】
ここで、m=(x
i+x
i+1)/2である。
【0077】
また、クラスタ内に存在する時系列データが3個以上であり、時系列方向の最初の値がx
i、最後の値がx
i+kの場合、当該クラスタの振動具合σ(c)は、以下の計算式(3)で求める。
【0082】
そして、中間クラスタcとc’とのクラスタ間の類似度d
σ(c,c’)は以下の計算式で求める。
d
σ(c,c’)=|σ(c)−σ(c’)|
これは、上述したクラスタの値、およびクラスタの変化量からクラスタ間の類似度を算出した方法と同様に、クラスタそれぞれの振動具合の差の絶対値を用いて類似度を算出していることになる。
【0083】
なお、上述した算出方法は、標準偏差を用いていたが、標準偏差を用いず、振動の中心との差分の和を用いてクラスタの振動具合を算出してもよい。
【0084】
具体的に
図5の(c)を参照して説明する。
図5の(c)において、振動具合を算出する対象を中間クラスタCtとする。中間クラスタCtには、時系列データとして7個の値が含まれている。
【0085】
振動の中心との差分を求める対象の時系列データをP511とすると、まず、P511における振動の中心の値を求める(
図5の(c)のAV511)。そして、この振動の中心の値AV511と時系列データP511の値との差分d511を求める。同様の計算を中間クラスタCtに含まれる時系列データ全てについて行い、差分dの和を当該中間クラスタCtの振動具合とする。なお、
図5の(c)では、振動の中心の値を結んだ線分を破線で示している。
【0086】
なお、振動具合の算出を、増減回数を用いて行ってもよい。具体的には、「増加から増加」、および「減少から減少」は0回、「増加から減少」、および「減少から増加」は1回、「増加または減少から一定」、および「一定から増加または減少」は0.5回とし、あてはまる回数の和を求め、この値を振動具合としてもよい。さらに、単に和を求めるのではなく、隣接する時系列データがなす角度によって回数を補正して和を求めてもよい。
【0087】
〔重み付け方法〕
次に、クラスタ間の値の差、変化量の差、および振動具合の差に重み付けを行い、判定値を求める方法について説明する。本実施形態では、重みW
1、W
2、W
3を用いて、以下の計算式を用いて判定値を求める。なお、W
1+W
2+W
3=1である。
判定値=W
1×値の差+W
2×変化量の差+W
3×振動具合の差
そして、判定値の値が小さいほど、類似度判定部116は、当該クラスタ間の類似度は高いと判定する。
【0088】
また、重み付け部15は、クラスタの時系列方向の長さ(クラスタ幅)に応じて、重みW
1、W
2、W
3の割合を変更する。クラスタ幅が小さい場合と大きい場合とで、「値の差」、および「変化量の差」の重要度が変わるためである。
【0089】
図6を参照して、重み付けの割合を変更する方法について説明する。
図6は、重み付けの割合を変更する方法を説明するための図であり、(a)はクラスタ幅が大きい場合を説明するための図であり、(b)、(c)はクラスタ幅が小さい場合を説明するための図である。
【0090】
図6の(a)に示すように、クラスタ幅が大きい場合、クラスタの値よりも変化量を重視するように重み付けを行う。
【0091】
また、隣り合うクラスタ間で変化量差が互いに近い値である場合、減少傾向か増加傾向にある場合が多いので、隣り合うクラスタ間で値が異なることが多い。よって、この場合は、値の差の重みを小さくする。
【0092】
一方、
図6の(b)に示すように、クラスタ幅が小さい場合、変化量よりも値を重視した重みづけを行う。ただし、
図6の(c)に示すような例の場合、次のような問題が発生する。
【0093】
図6の(c)のt=5からt=10の振動している部分は、上述の通り、クラスタの値を重視した重み付けにより類似性を高めて統合することができる。しかし、上述の方法では、t=0からt=5のようにクラスタの変化量の差が大きく、値の差が小さい場合にクラスタを統合することができない。
【0094】
そこで、
図6の(c)に示すような時系列データの例で、t=0からt=5と、t=5からt=10との両方を、それぞれ統合できるように, クラスタの値の差と変化量の差のうち、小さい方を重視した重み付けにする。なお、同じ場合は値の差を重視する重み付けにする。すなわち、順序つき加重平均(OWA: orderd weighted average)により重み付けを行う。
【0095】
〔クラスタ幅が小さいクラスタの処理〕
上述した方法で、クラスタの統合を進めていくと、
図7に示すようなクラスタ幅の小さいクラスタが作成されてしまう可能性がある。本実施形態では、クラスタ幅の小さいクラスタを統合しやすくするため、以下の計算式(4)により判定値を修正する。
d
ALL(c
i,c
i+1)=d
all(c
i,c
i+1)×(1+k×l/(t
n―t
1))…(4)
ここで、kはパラメータであり、正の値である。 また、t
n−t
1は時系列データの全期間の長さである。また、lは、クラスタc
iの幅l(c
i)とクラスタc
i+1の幅l(c
i+1)のうち小さい方の幅である。なお、lの代わりに、大きい方の幅Lを用いてもよい。
【0096】
上記の計算式(4)によれば、クラスタ幅が0のとき(l=0)、
d
All(c
i,c
i+1)=d
all(c
i,c
i+1)
となる。
【0097】
また、 クラスタ幅が最も大きいとき(l=t
n−t
1)、
d
All(c
i,c
i+1)=d
all(c
i,c
i+1)×(1+k)
となる。これにより、クラスタ幅が大きいクラスタは、小さいクラスタより修正判定値d
Allの値が大きくなるので、クラスタ幅の小さいクラスタがまとまりやすくなる。なお、kの値を大きくすると、クラスタは幅の小さいクラスタがよりまとまりやすくなる。kの例としては、k=5が挙げられる。
【0098】
〔隣接しないクラスタの処理〕
また、クラスタの統合と進めていくと、
図8に示すようなクラスタが作成されることがある。
図8は、クラスタ例を示す図である。
図8に示すクラスタでは、隣接するクラスタC801とクラスタC802とは類似していないが、クラスタC802を挟んだクラスタC801とクラスタC803とは類似している。このような場合、クラスタC801からクラスタC803までを1つのクラスタとして統合したい。
【0099】
そこで、本実施形態では、隣接するクラスタを1つ越えたクラスタ間の類似度も判定する。具体的には、以下の計算式(5)により判定値を算出する。
d
ALL(c
i, c
i+2)=d
ALL(c
i,c
i+2)×(1+l(c
i+1)/min(l(c
i),l(c
i+2)))…(5)
なお、挟まれたクラスタc
i+1がクラスタc
iおよびクラスタc
iと比較して小さい場合に、3つのクラスタを統合すべきであるので、上記の計算式(5)では、クラスタc
i+1の幅l(c
i+1)を用いて補正を行っている。
【0100】
また、上記の計算式(5)におけるmin(最小値)は、max(最大値)でもave(平均値)でもよい。クラスタc
i+1の幅がクラスタc
iの幅とクラスタc
iの幅の間であればよい。
【0101】
〔言語化・正規化〕
上述した方法でクラスタ化された時系列データは、特徴表現部13で言語化される。本実施形態において言語化される、クラスタ化された時系列データは、縦横比がクラスタ化された状態のままである。この点について、
図9、10を参照して説明する。
図9は、クラスタ化の問題点を説明するための図である。
図10は、本実施形態に係るクラスタ化を説明するための図である。
【0102】
時系列データをクラスタ化すると、クラスタ幅が様々なクラスタが生成される。これらのクラスタの時系列データをグラフの縦横比に対応させると、所望の形状とは異なる形状の時系列データが作成されてしまう可能性がある。
【0103】
図9に示す時系列データにおいて、クラスタC901部分の時系列データを抽出し、縦横比をグラフの縦横比と対応させた場合、すなわち、縦:横=a:Aにした場合、横に引き伸ばされた時系列データが作成されてしまう。このような時系列データでは、形状が所望のものと異なっているため、適切な言語化を行うことができない。特に、クラスタ化した時系列データを人間が判断するような傾向で言語化するためには、時系列データの見え方を十分に考える必要がある。
【0104】
本実施形態では、
図10に示すように、クラスタ化した時系列データをクラスタ化したままの縦横比で言語化する。すなわち、クラスタC1001の時系列データの縦横比はb:a、クラスタC10021の時系列データの縦横比はc:a、クラスタC1003の時系列データの縦横比はd:a、…以下同様、となるように時系列データをクラスタ化する。これにより、クラスタ化された時系列データを適切に言語化することができる。
【0105】
具体的には、本実施形態では、横軸の幅の絶対値をX、横軸の目盛幅(例えば、s:秒)をX’、縦軸の幅の絶対値をY、目盛幅(例えば、cm)をY’とする。また、時系列データと縦軸とが為す角度をA’時系列データの傾きをAとし、以下の計算式(6)を使用して傾きAを計算する。
A=((Y/Y’)/(X/X’))×A’…(6)
例えば、
図10に示す時系列データの例で言えば、時系列データのクラスタC1001における傾きAb、クラスタC1002の傾きAc、以下同様に、Ad〜Ahを計算する。そして、傾きAb〜Ahから横軸と縦軸との比を計算することにより、時系列データの縦横比を維持して言語化を行う。
【0106】
〔PID制御への適用〕
次に、
図11〜14を参照して、解析装置1の解析結果をPID制御装置100に用いる例について説明する。PID制御では、クラスタ化された時系列データの特徴を用いて制御すべき時点(傾向変更点)を発見する。そして、pv(Process Variable)値(測定値)の傾向が変わったと判断したときに、あらかじめ設定していたPID制御の調整を行う。なお、クラスタ化された時系列データを言語化した結果を用いて傾向を判断し、PID制御の調整を行ってもよい。
【0107】
図11は、PID制御装置に用いた例を説明するための図である。
図11に示す例では、pv値、sv(Set Variable)値(目標値)、mv(Manipulative Variable)値(操作量)が示されている。
【0108】
従来のPID制御では、pv値のグラフとx軸対称の形になるようにPIDの出力が調整される。具体的には、sv値とpv値との差分が小さくなるような方向でPID制御が行われる。この場合、例えば、
図11の(a)に示すようにpv値がsv値よりも一定の傾きで下がっていくとき、上述のような従来の調整を行うと、pv値の行き過ぎ(
図11の(a)の1101部分の直後におけるpv値のオーバーシュート)が起きてしまう。
【0109】
そこで、例えば、PID制御をごみ焼却施設におけるごみ焼却炉の燃焼制御に用いる場合、例えば、ごみを燃やして出た廃熱蒸気(蒸気タービンにより発電を行う)の蒸発量pv値が蒸発量sv値に対して減少してきたところで燃焼制御を行う。具体的には、制御装置において、炉内カメラにより、ごみの燃え切り点が炉内前方に来ていることを確認できた場合は、給じん装置のスピードを下げる。また、ごみがないことを確認できた場合は給じん装置のスピードを速める。このような制御を行うことにより、蒸発量(ごみの燃焼)を安定させることができる。
【0110】
すなわち、上記の構成によれば、蒸気量のクラスタ化された時系列データの特徴によりリアルタイムに的確に時系列データの傾向(トレンド)を把握し、上記のような適切な制御を実行することができる。これにより、人手を介することなく、きめ細やかな制御を行うことが可能となる。
【0111】
また、
図11の(b)に示す例のように時系列データとしてのmv値が発散している場合、従来のPID制御では、振動を打ち消すような調整を行っていた。しかし、このような従来の方法で調整を行った場合、位相のずれが発生し、適切に調整できなくなる可能性がある。さらに、ずれがさらなるずれを呼んでしまい、より激しい振動となってしまう可能性もある。PID制御は、制御の遅れが生ずるというデメリットがあるためである。
【0112】
本実施形態のように、クラスタ化された時系列データを用いて、調整を行うことにより、上述した不具合を防止することができる。例えば、時系列データの過去の波形の形状を記憶させておき、計測データで類似の形状の波形を検索して、調整を開始することにより、遅れが生じない制御が可能となる。よって、操作量が必要以上に発散するような不適切な制御が行われることを抑制することができる。
【0113】
また、PID制御を行った場合、
図12に示すようなオフセットが生じてしまうことがある。この場合、従来では「標準偏差大」等の警報を出力し、作業員に知らせ、手動で調整していた。
【0114】
本実施形態のように、クラスタ化された時系列データを用いて、調整を行うことにより、上述した不具合を防止することができる。例えば、オフセットの形状を記憶させておき、計測データで類似した形状を検索し、調整する(積分ゲイン(I)を増幅させる)ことによりオフセットを解消することができる。
【0115】
また、本実施形態によれば、「オフセットではない」と判断することも可能となる。予め、基準を設定しておくとこにより、自動調整も可能である。
【0116】
一般的に、オフセットが生じた場合、積分ゲイン(I)を大きくすることにより対応する。しかし、大きくし過ぎた場合、振動が発生する恐れがある。従来の技術は、オフセットを発見しても、積分ゲイン(I)の調整は手動で行っている。また、調整した結果の確認も人間が行っている。
【0117】
本実施形態によれば、予め設定していた積分ゲイン(I)の調整値に不具合があったとしても、自動調整を行うことにより、最適な出力とすることができる。
【0118】
〔PID制御の自動調整〕
図13は、上述したクラスタ化した時系列データの言語化の結果とPIDの比率とが対応付けられた例を示す図である。このように、予め言語化の結果と調整内容としてのPIDの比率とを対応付けたテーブルを用意することにより、PID制御の自動調整が可能となる。なお、以下においてP比、I比、D比とはPID制御における比例動作(P)、積分動作(I)、および微分動作(D)の割合である。
【0119】
図13の(a)では、言語化された傾きとPIDの比率との関係の例を示している。例えば、言語化の結果、「少し減少」60%、「中ぐらい減少」が40%であれば、PIDのP比をA×60%+D×40%とし、I比をB×60%+E×40%とし、D比をC×60%+F×40%として、出力する。
【0120】
図13の(b)では、言語化された傾きとPIDの比率との関係に加えて、操作量との関係も含めた例を示している。例えば、言語化の結果、「少し減少」が60%、「中ぐらい減少」が40%であれば操作量I’を60%、II’を40%にした操作量とする。
【0121】
すなわち、本実施形態では、ある時系列データに関して、言語化の各分類に対する類似度合いを算出して、換言すれば、複数の分類(言語)に対してそれぞれメンバシップ値(寄与度合い)を算出して、言語化の出力値としている。
【0122】
なお、蒸発量pv値がsv値から離れてきたということをpv値とsv値とを比較して判断してもよいし、pv値単体で時系列データをクラスタ化して判断してもよい。また、pv値の形状だけではなく、炉内カメラを見る等、複数の判断基準を用いることにより調整の精度を上げることができる。
図13の(c)に、pv値の形状(傾き)と炉内画像と操作内容(分類内容)とを対応付けた例を示す。
図13の(c)に示す例では、pv値の形状が「中ぐらい減少80%、ほぼ一定20%」で、炉内画像が「燃え切り点が手前」の場合、「給じん装置の速度PVをa下げる」調整を行う。
【0123】
また、以下のような調節方法も考えらえる。
図14の(a)に示すように制御調整前において、時系列データの振幅が所定値を超えた場合、自動調整を行い、PIDパラメータまたは操作量を変更する。これを繰り返すことにより、常に、適切なPIDパラメータまたは操作量とすることができる。
【0124】
さらに、
図14の(b)に示すように、波長が長くなっている場合、自動調整を行い、PIDパラメータまたは操作量を変更して波長を短くすることもできる。
【0125】
自動で調整を行い、自動で評価を行ってもよい。評価の方法は、制御後に計測した時系列データが設定値よりもどれだけ離れているか(もしくは操作量がどれだけ収束するか)で行う。計測値が設定値よりも離れていた場合(これもファジィ的に判断してよい)、PID比率が適切でなかったと判断し、以降、同様の場合に当該PID制御が実行されないようにしてもよい。
【0126】
また、学習処理を行う構成であってもよい。すなわち、制御の結果が適切と判断された場合は、そのデータを蓄積し、制御結果が不適切と判断された場合は、その制御内容を消去するものであってもよい。
【0127】
〔パラメータの設定例〕
パラメータは、ユーザが指定、設定することができる。例えば、ユーザは、パラメータとして次のような値を設定することができる。
グラフの縦軸の最大値= 50.0
グラフの縦軸の最小値= 0.0
graoph_r:時系列データを表示する際の縦横比
グラフの縦横比率(固定)= 4.89361702
クラスタの大きさを表すファジィ集合のパラメータa= 0.1
クラスタの大きさを表すファジィ集合のパラメータb= 0.2
クラスタの大きさで補正をかけるパラメータk= 100.0
w1(平均が似ていてクラスタが小さいとき)= 1.00 w1(平均が似ていてクラスタが大きいとき)= 0.2
w2(平均が似ていてクラスタが小さいとき)= 0.00 w2(平均が似ていてクラスタが大きいとき)= 0.5
w3(平均が似ていてクラスタが小さいとき)= 0.00 w3(平均が似ていてクラスタが大きいとき)= 0.3
w1(角度が似ていてクラスタが小さいとき)= 0.00 w1(角度が似ていてクラスタが大きいとき)= 0.2
w2(角度が似ていてクラスタが小さいとき)= 1.00 w2(角度が似ていてクラスタが大きいとき)= 0.5
w3(角度が似ていてクラスタが小さいとき)= 0.00 w3(角度が似ていてクラスタが大きいとき)= 0.3
最終的なクラスタの幅の最小値=60
〔適用例〕
図15は、本実施形態を適用したクラスタ化された時系列データの例、および言語化の結果の例を示す図である。
【0128】
図15の(a)に示すように、本実施形態では、時系列データを、傾向が似ている部分で自動的にクラスタ化する。
図15の(a)に示す例では、クラスタC001、クラスタC002、クラスタC003、クラスタC004の4個にクラスタ化されている。
【0129】
図15の(b)には、クラスタ化された時系列データの言語化の結果、および抽出された特徴の結果が示されている。なお、
図15の(b)に示す各用語の意味は以下の通りである。
全体的傾向:クラスタ化した区間の時系列データ(グラフ)の全体的な傾向。
局所時刻:各クラスタ間をファジィ的に三分割して、全体的な傾向のグラフから最も離れている点が区間のどの位置にあるかを示す。
局所値:局所時刻にある値に関して、全体的に見てどのような傾向であるかを示す。
位置:表示されているグラフがどの位置にあるかを示す。
振動前期:区間を単純に三分割し、前期部分でどれだけ振動しているかを示す。
振動中期:区間を単純に三分割し、中期部分でどれだけ振動しているかを示す。
振動後期:区間を単純に三分割し、後期部分でどれだけ振動しているかを示す。
【0130】
ここでは、例えば、クラスタC001について、全体的傾向が「ほぼ一定」(0.873)、「少減少(少し減少)」(0.127)、局所時刻が、「前期」(0.884)、「中期」(0.116)、局所値が、「少減少(少し減少)」(0.698)、「中減少(中くらい減少)」(0.302)、位置が、「少高(少し高い)」(0.993)、「少低(少し低い)」(0.007)、振動前期が、「小で少(標準偏差が小さく、振動回数が少ない)」(0.654)、「小でなし(標準偏差が小さく、振動していない)」(0.188)、「なしで少(標準偏差がなく、振動回数が少ない)」(0.123)、「なしでなし(標準偏差がなく、振動していない)」(0.035)、振動中期が、「なしで少(標準偏差がなく、振動回数が少ない)」(0.692)、「小で少(標準偏差が小さく、振動回数が少ない)」(0.303)、「なしでなし(標準偏差がなく、振動していない)」(0.003)、「小でなし(標準偏差が小さく、振動していない)」(0.002)、振動後期が、「なしで少(標準偏差がなく、振動回数が少ない)」(0.447)、「なしでなし(標準偏差がなく、振動していない)」(0.138)、「小でなし(標準偏差が小さく、振動していない)」(0.098)となっている。なお、括弧内の数字は割合を示す。以下、他のクラスタについても同様である。
【0131】
以上のように、本実施形態によれば、時系列データを傾向の類似性から複数のクラスタに分け、クラスタごとの全体的な傾向、局所的な特徴、振動、グラフの位置等が言語化されて出力される。
【0132】
〔本実施形態による具体的な効果〕
ごみ焼却施設等のセンサから得られた時系列データはとても複雑であるため、現状、時系列データの分析は目視で行っていることが多い。しかし、目視では時系列データの表現や、傾向が変わったところを判断する基準が、確認するたびに変わってしまう可能性がある。人間は基準を維持することが難しく、また、正しい判断基準も誤った判断基準も忘却してしまう可能性があるためである。
【0133】
本実施形態によれば、時系列データを定められた基準によりクラスタ化するため、同じ時系列データは、必ず同じようにクラスタ化され、同じように言語化される。また、現在、人が目視で行っている作業を自動化することが可能なので、処理時間の短縮、人件費の抑制に繋げることができる。
【0134】
また、従来、PID制御の設定値は、測定値が沿うような値を使用していた。したがって、測定値が設定値から大きく離れた場合、適切に調整することができず、人が手動で介入し調整していた。
【0135】
本実施形態によれば、時系列データの傾向(トレンド)を把握することが可能なので、
時系列データの傾向が変わった部分を判定し、PID制御に用いることができる。これにより、傾向が変わった部分以降について、適切にPID制御により調整することができる。
【0136】
また、詳細な制御が必要な場合、測定値および設定値の時系列データを数式で表現し、条件を付してDCS(Distributed Control System :分散制御システム)に組み込むことになる。しかし、この方法は多種多様な時系列データに対して、計算式を正確に導出する必要があり容易ではない。さらに、この方法は閾値による判断を行うため柔軟に対応することが難しい。
【0137】
本実施形態によれば、時系列データの傾向を言語化するため人間の感覚と同様に制御することができる。よって、計算式を正確に導出する必要がない。また、時系列データの形状そのものを識別するため、過去の類似パターンを検索して、現在の時系列データの状態を把握することが可能となる。
【0138】
また、従来の技術では、特徴が似ている部分で区切ったクラスタの時系列データを、グラフの縦横比のまま言語化していた。よって、クラスタ化された時系列データの形状が人間の感覚と一致するとは限らず、人間の感覚に適した言語化をすることが出来ないことがあった。また、データを正規化するという方法は存在する(例えば、カーネル法など)が、クラスタ化された時系列データを正規化する方法は存在していない。
【0139】
本実施形態では、クラスタ化された時系列データを正規化することで、クラスタ化した時系列データの縦横比を維持することができ、人間の感覚に合った言語化をすることができる。
【0140】
また、画像処理でよく使用されている技術の1つにパターンマッチングがある。この技術は、各点の座標の差の絶対値の和もしくは二乗を計算し、これらの差が大きいほど似ていないと判断する。パターンマッチングの短所として、振動や振幅のずれ(形状が同じで波長であっても位相がずれているような場合)は判断できないことが挙げられる。時系列データは対象データによっては時間幅がずれることがあり、パターンマッチングでは時系列データを適切に解析することが難しい。
【0141】
本実施形態によれば、時系列データの傾向を判断するので、振動や振幅の周期がずれたとしても、適切に判断することができる。
【0142】
また、一般的な自動制御調節(オートチューニング)に、「ステップ応答法」や「限界感度法」がある。これらの方法は、実際にデータを入力しその出力を見て、PIDパラメータを調節する。したがって、実際に動作させなければ、調節することができないという短所がある。また、エアコンの温度調整のような単純な調整であれば、オートチューニングは適切であるが、複雑なデータの場合、常にPIDパラメータが調整されてしまい、制御が不安定になる可能性がある。特に、ごみ焼却施設では、常に燃料の質が変化するため、時系列データが複雑なものになりやすい。
【0143】
本実施形態では、予め、時系列データの傾向と制御ルール(PIDパラメータ、操作量)とを対応付けて記憶させているので、時系列データの傾向から、PIDパラメータおよび操作量を調整することができる。
また、測定値が設定値から一定以上離れた場合にのみ制御調整を行うことにより、制御が不安定になる恐れがなくなる。さらに、複雑な時系列データでも、時系列データの形状の傾向と制御ルールとを対応付けて記憶させているため、人間が考える制御に近づけて制御することが期待できる。
【0144】
また、従来の自動制御調節(オートチューニング)では、人間が時系列データのパターンが変わったと判断して、オートチューニングを行わなければならなかった。
【0145】
本実施形態では、装置により、時系列データの傾向が変わったと判断することできるので、自動的に適切な調整を行うことができる。
【0146】
本発明の一態様は以下のように表現することもできる。
【0147】
本発明の一態様に係るデータ解析装置では、前記クラスタ分割部は、時系列方向に隣接した前記中間クラスタ同士の類似度を用いて前記統合を行うものであってもよい。
【0148】
前記の構成によれば、隣接する中間クラスタ同士を統合することができる。
【0149】
本発明の一態様に係るデータ解析装置では、前記クラスタ分割部は、対象となる前記中間クラスタと時系列方向に隣接する前記中間クラスタにさらに隣接する前記中間クラスタとの類似度を用いて、当該3つの前記中間クラスタの統合を行うものであってもよい。
【0150】
前記の構成によれば、中間クラスタを間に挟んだ中間クラスタ同士を、間に挟まれた中間クラスタも含めて統合することができる。これにより、隣接していないが類似している中間クラスタ同士を適切に統合することができる。
【0151】
本発明の一態様に係るデータ解析装置では、前記クラスタ分割部は、前記中間クラスタの時系列方向の長さに応じた前記類似度を用いて前記中間クラスタを統合するものであってもよい。
【0152】
前記の構成によれば、時系列方向の長さに応じた類似度となる。これにより、時系列方向の長さが短い中間クラスタを統合させやすくすることができる。
【0153】
本発明の一態様に係るデータ解析装置では、分割時の縦横比を維持したままの、前記最終クラスタにおける前記時系列データの形状に、当該形状の特徴を示す分類内容を当てはめる特徴表現部を備えていてもよい。
【0154】
前記の構成によれば、分割時の縦横比を維持したままの最終クラスタにおける時系列データの形状の特徴を示す分類内容が当てはめられるので、従来のように、時系列データを示すグラフの縦横比における形状の特徴を示す分類内容を当てはめる場合と比較して、形状の特徴をより適切に示す内容にあてはめることができる。
【0155】
本発明の一態様に係るデータ解析装置では、前記特徴表現部は、前記時系列データの形状を、複数の前記分類内容に当てはめるとともに、各分類内容に対する寄与度合いを算出するものであってもよい。
【0156】
前記の構成によれば、時系列データの形状から寄与度合い(メンバシップ値)を算出することができる。
【0157】
本発明の一態様に係るデータ解析装置では、前記特徴表現部は、前記時系列データの形状に、当該形状の特徴を示す言語を当てはめて言語化するものであってもよい。
【0158】
前記の構成によれば、時系列データの形状を言語化することができる。
【0159】
本発明の一態様に係る制御装置では、前記制御装置は、PID(Proportional-Integral-Differential)制御を実行するものであり、前記フィードバック制御部は、PID制御における比例動作(P)、積分動作(I)、および微分動作(D)の比率、および操作量を制御するものであってもよい。
【0160】
前記の構成によれば、前述したデータ解析装置によって分割された最終クラスタにおける時系列データの形状の特徴を用いてPID制御における比例動作(P)、積分動作(I)、および微分動作(D)の比率、および操作量を制御することができる。
【0161】
〔ソフトウェアによる実現例〕
解析装置1およびPID制御装置100の制御ブロック(特にクラスタ処理部11(初期クラスタ作成部113、クラスタ値算出部114、重み付け部115、類似度判定部116、クラスタ統合部117、クラスタ数判定部118)、特徴抽出部12、特徴表現部13、およびPIDパラメータ変更部130)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0162】
後者の場合、解析装置1およびPID制御装置100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0163】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。