特許第6799291号(P6799291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799291
(24)【登録日】2020年11月25日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】葉菜の搬送装置および葉菜の根切り装置
(51)【国際特許分類】
   A23N 15/08 20060101AFI20201207BHJP
   B65G 47/24 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   A23N15/08 Z
   B65G47/24 E
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-72088(P2017-72088)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-171016(P2018-171016A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2019年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(73)【特許権者】
【識別番号】599118768
【氏名又は名称】株式会社斎藤農機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(72)【発明者】
【氏名】小林 有一
(72)【発明者】
【氏名】大森 弘美
(72)【発明者】
【氏名】山本 聡史
(72)【発明者】
【氏名】中山 夏希
(72)【発明者】
【氏名】坪田 将吾
(72)【発明者】
【氏名】グエン ティタン ロアン
(72)【発明者】
【氏名】山口 正人
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 章一
(72)【発明者】
【氏名】谷口 優太
(72)【発明者】
【氏名】大門 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】本間 功
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 透
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−057876(JP,A)
【文献】 特開平02−020276(JP,A)
【文献】 特開2001−057877(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2005−0029452(KR,A)
【文献】 国際公開第02/028207(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 15/08
B65G 47/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に対して直角方向に載置された葉菜を搬送する搬送装置であって、
葉菜の葉身部を載置する第1のコンベアと、前記葉菜の葉柄部を載置する第2のコンベアとが並列配置され、
前記第1のコンベアの無端帯と前記第2のコンベアの無端帯とは搬送方向に同速度で移動し、前記第1のコンベアと前記第2のコンベアとの間隔が、前記搬送方向下流側に向かって徐々に狭くなり、
前記第2のコンベアの、前記第1のコンベア側とは反対側の側方に沿って、前記第2のコンベアの無端帯と平行且つ同速度で移動し、前記葉菜の移動を制限する位置決め部材が配置されていることを特徴とする、葉菜の搬送装置。
【請求項2】
前記第1のコンベアの無端帯の表面の摩擦係数が、前記第2のコンベアの無端帯の表面の摩擦係数よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の葉菜の搬送装置。
【請求項3】
前記葉菜を搬送する区間において、前記第1のコンベアの無端帯の表面が、前記第2のコンベアの無端帯の表面よりも鉛直方向に高い位置であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の葉菜の搬送装置。
【請求項4】
前記位置決め部材は、前記第2のコンベアの側方から見て三角形状に前記第2のコンベアの無端帯の表面よりも上方に突出する突出部と、突出部同士の間の逆三角形状の谷部との連続であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の葉菜の搬送装置。
【請求項5】
前記位置決め部材は、前記第2のコンベアの無端帯と一体に成形され、前記第2のコンベアの無端帯を構成する材料よりも剛性の高い素材で補強されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の葉菜の搬送装置。
【請求項6】
前記位置決め部材は金属製であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の葉菜の搬送装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の搬送装置の搬送方向最下流の、前記位置決め部材の外側方に、前記葉菜の根部を切断する根切り部が設けられていることを特徴とする、葉菜の根切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホウレンソウやコマツナ、シュンギク等の葉菜の調製において、株元の位置を揃えるための葉菜の搬送装置およびその搬送装置を用いた葉菜の根切り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホウレンソウやコマツナ、シュンギク等、非結球性の葉菜の多くは軟弱野菜とも呼ばれ、収穫から急速に鮮度が低下する。そのため、収穫後すぐに出荷して店頭に並べなければならず、調製に対する時間的制約が大きい。
【0003】
一方、例えばホウレンソウの調製作業では、根の長さを10mm以下且つなるべくばらつきがないように根切りすることが求められている。そのため、調製機に野菜を供給する作業者は、株元の位置決めを正確に行って根切りを行う必要があり、手間のかかる作業となっている。また、機械で処理した根切りを手作業で直すこともあり、収穫以降の調製作業に多大な労力および時間を要している。
【0004】
例えば特許文献1および特許文献2には、根切り長さを自動で揃える機構を有する調製機が開示されている。また、特許文献3には、搬送ベルトに段差を設けて作業者が株元の位置決めをしやすくする機構が開示されている。また、特許文献4および特許文献5には、切断時に株元を抑える回転輪が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3523538号公報
【特許文献2】特開2002−65232号公報
【特許文献3】特許第3195267号公報
【特許文献4】特開平11−276143号公報
【特許文献5】特開2004−298120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1、2は、いずれも根を引っ張る機構により株元位置を自動調整しているため、根が十分長くかつ真っ直ぐである場合にのみ有効である。ところが、大多数の農家では、通常、収穫時に、まず鎌を使用して根の長さを2〜3cm程度に切断し、その後、調製時に5mm程度に再度切断しており、このような場合には、特許文献1、2の装置は適用できない。
【0007】
また、上記特許文献3〜5の場合は、葉菜を無造作に置くと根切りの精度が低下するため、作業者は決められた位置に葉菜を正確に載置する必要があり、作業が面倒である。
【0008】
本発明の目的は、根部の形状や長さにかかわらず、簡易な作業で株元の位置を揃えることができる葉菜の搬送装置、および、その搬送装置を用いて葉菜の根切りが精度よく行える根切り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するため、本発明は、搬送方向に対して直角方向に載置された葉菜を搬送する搬送装置であって、葉菜の葉身部を載置する第1のコンベアと、前記葉菜の葉柄部を載置する第2のコンベアとが並列配置され、前記第1のコンベアの無端帯と前記第2のコンベアの無端帯とは搬送方向に同速度で移動し、前記第1のコンベアと前記第2のコンベアとの間隔が、前記搬送方向下流側に向かって徐々に狭くなり、前記第2のコンベアの、前記第1のコンベア側とは反対側の側方に沿って、前記第2のコンベアの無端帯と平行且つ同速度で移動し、前記葉菜の移動を制限する位置決め部材が配置されていることを特徴とする、葉菜の搬送装置を提供する。
【0010】
前記搬送装置において、前記第1のコンベアの無端帯の表面の摩擦係数が、前記第2のコンベアの無端帯の表面の摩擦係数よりも大きいことが好ましい。また、前記葉菜を搬送する区間において、前記第1のコンベアの無端帯の表面が、前記第2のコンベアの無端帯の表面よりも鉛直方向に高い位置であってもよい。
【0011】
前記位置決め部材は、前記第2のコンベアの側方から見て三角形状に前記第2のコンベアの無端帯の表面よりも上方に突出する突出部と、突出部同士の間の逆三角形状の谷部との連続であってもよい。そして、前記位置決め部材は、前記第2のコンベアの無端帯と一体に成形され、前記第2のコンベアの無端帯を構成する材料よりも剛性の高い素材で補強されてもよい。あるいは、前記位置決め部材は金属製であってもよい。
【0012】
また、本発明によれば、前記搬送装置の搬送方向最下流の、前記位置決め部材の外側方に、前記葉菜の根部を切断する根切り部が設けられていることを特徴とする、葉菜の根切り装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、向きのみを一定にして大まかに葉菜をコンベア上に置くだけで、根部の形状や長さにかかわらず、葉菜が根部の方向に移動しながら搬送され、株元の位置を揃えることができる。また、この搬送装置を用いて、葉菜の根切りが精度よく行える根切り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態にかかる根切り装置を備えた調製装置を示す正面図である。
図2】本発明の実施形態にかかる葉菜の根切り装置の例を示す平面図である。
図3】本発明の異なる実施形態にかかる葉菜の根切り装置の例を示す平面図である。
図4図2の根切り装置の正面図である。
図5】根切り部の異なる実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態にかかる根切り装置を備えた調製装置の概略を示す。調製装置1は、ホウレンソウやコマツナ、シュンギク等、軟弱野菜とも呼ばれる非結球性の葉菜に対して、根切りおよび子葉や下葉の除去等の調製作業を行う際に使用される。調製装置1は、葉菜を搬送する搬入側の搬送装置2と、葉菜の根切りを行う根切り部3と、葉菜の調製を行う調製部4と、調製後の葉菜を搬出する搬出側の搬送装置5を備えている。
【0017】
図2は、本発明の実施形態にかかる根切り装置を示す。根切り装置10は、調製装置1の搬入側に設けられ、略水平に載置した葉菜9を根部の方向に片寄せ搬送する搬送装置2と、搬送装置2により搬送方向下流側へ搬送された葉菜9の根切りを行う根切り部3とを備えている。
【0018】
搬送装置2は、葉菜9の葉身部9aを載置して搬送する第1のコンベア11と、葉菜9の葉柄部9bを載置して搬送する第2のコンベア12とを有している。第1のコンベア11の無端帯13と第2のコンベア12の無端帯14とは搬送方向Cに同速度で移動し、第1のコンベア11と第2のコンベア12とは、互いの間隔が搬送方向Cの下流側に向かって徐々に狭くなるように、並列配置されている。本実施形態では、第2のコンベア12は葉菜9の搬送方向Cに平行であり、第1のコンベア11は、搬送方向Cの下流側に向かって徐々に第2のコンベア12に近づく方向に、搬送方向Cに対して傾いて設置されている。第1のコンベア11と第2のコンベア12とは、上流側はそれぞれ異なる回転軸を有し、下流側では第1のコンベア11の駆動軸と第2のコンベア12の駆動軸とがユニバーサルジョイント15を介して連結され、下流側に設置されたモータ16により駆動される。なお、搬送装置2は、図3に示すように、第1のコンベア11と第2のコンベア12とが、フレーム24に設けられた2軸間を回転してもよい。この場合、第1のコンベア11の従動側プーリ25と第2のコンベア12の従動側プーリ26との間隔よりも、第1のコンベア11の駆動側プーリ27と第2のコンベア12の駆動側プーリ28との間隔の方が狭くなるように配置する。そして、第1のコンベア11の駆動側プーリ27及び従動側プーリ25にそれぞれフランジ27a、25aを設けて、無端帯13の左右側面をガイドすればよい。あるいは、第1のコンベア11の駆動側プーリ27及び従動側プーリ25に溝を設け、無端帯13の裏面に、その溝に係合する凸状の蛇行防止桟を設けて、無端帯13をガイドするようにしてもよい。また、第1のコンベア11と第2のコンベア12とが異なる軸およびモータにより駆動されても構わない。
【0019】
また、本実施形態では、第1のコンベア11の無端帯13を、例えばスポンジやフェルト等の摩擦係数の大きい素材とし、第1のコンベア11の無端帯13の表面の摩擦係数を、例えば樹脂やゴム等を用いた第2のコンベア12の無端帯14の表面の摩擦係数よりも大きくする。
【0020】
第1のコンベア11および第2のコンベア12を以上の構成とすることにより、葉菜9の葉身部9aが第1のコンベア11上、葉柄部9bが第2のコンベア12上になるように、搬送方向Cに対して略直角方向に葉菜9を載置すると、葉菜9が搬送されるにつれて、葉菜9を葉身部9a側から根の方向へ押し付ける力が徐々に働き、葉菜9が根の方向に片寄せされる。なお、第1のコンベア11および第2のコンベア12の各無端帯13、14の表面の摩擦係数が等しい場合でも、互いの間隔が搬送方向Cの下流側に向かって徐々に狭くなるように設置されていれば、通常、葉柄部9bよりも葉身部9aの方が摩擦抵抗が大きいため、葉身部9a側から根の方向へ徐々に押し付けられて片寄せ搬送することができる。ただし、本実施形態のように摩擦抵抗に差を付けることで、より確実に短い距離で片寄せ搬送ができる。あるいは、第1のコンベア11の無端帯13と第2のコンベア12の無端帯14とを同じ素材とし、無端帯13の表面に無端帯14よりも大きい凹凸を付けて、無端帯14の表面を無端帯13の表面よりも平滑になるようにしても良い。
【0021】
また、葉柄部9bを搬送する第2のコンベア12には、第1のコンベア11に対向する側とは反対側の側方に沿って、葉菜9の移動を制限する位置決め部材21が設けられている。位置決め部材21は、葉菜9の株元9cを正確に位置決めするものであり、本実施形態では、図4に示すように、第2のコンベア12の無端帯14の表面よりも上方に略三角形状に突出する突出部22と、突出部22同士の間の逆三角形状の谷部23との連続からなる。この位置決め部材21は金属製であり、第2のコンベア12と平行に且つ同速で移動する。突出部22の形状は三角形に限らないが、株元9cの太さや形状に関わらず保持して位置決めするための形状として、三角形が好適である。また、位置決め部材21は、第2のコンベア12の無端帯14と一体成形されたものでもよく、この場合、位置決め部材21の表面または内部の少なくともいずれかに、無端帯14を構成する材料よりも剛性の高い例えば金属等の素材を用いて補強することが好ましい。
【0022】
そして、搬送方向Cの最下流の位置に、葉菜9の根部9dを切断する根切り部3が設けられている。根切り部3には、第2のコンベア12とともに回転する回転刃31が設けられ、根部9dを切断する。また、根切り部3は、例えば図5に示すように、搬送装置2の下流側の回転軸からスプロケット32、33を介して設けてもよい。スプロケット32、33を介することで、葉菜9の根部9dが逃げないように上方から押さえつけて根部9dを切断する方向に回転刃31を回転させることができる。また、回転刃31をより高い位置に設置できるので、根部9dを上方から押さえつける効果が高くなる。更に、スプロケット32、33により回転刃31を増速させてもよい。根切り部3は位置決め部材21の近傍に設けられ、位置決め部材21の外側方から僅かな隙間をあけて、位置決め部材21と平行に回転刃31が回転するようにする。このとき、位置決め部材21が金属製であれば、回転刃31が接触しても位置決め部材21が損傷するのを防ぐことができる。なお、根部9dの切断面を良好なものとし、また、切断時に葉菜9に不要な力が作用しないように、根切り部3は第2のコンベア12と平行に配置されるのが好ましい。なお、根切り部3は、固定刃であっても良い。
【0023】
なお、本実施形態では、第2のコンベア12を葉菜9の搬送方向Cに平行とし、第1のコンベア11を、搬送方向Cに対して角度を有するものとしたが、葉菜9を片寄せ搬送する搬送装置としては、逆でも構わない。あるいは、第1のコンベア11と第2のコンベア12とが、下流側に向かって互いに近づくように配置されても良い。また、第1のコンベア11と第2のコンベア12とが同じ長さである必要はなく、例えば第1のコンベア11を搬送方向下流側に延長し、第1のコンベア11に葉菜9を載置したまま調製部4で下葉処理を行えるようにしても良い。
【0024】
以上の根切り装置10を用いて葉菜9の根切りを行う際には、まず、葉菜9の葉身部9aが第1のコンベア11上、葉柄部9bが第2のコンベア12上になるように、搬送方向Cに対して略直角方向に葉菜9を載置する。このとき、葉菜9の根部9dが位置決め部材21の谷部23に納まっていればよく、葉菜9の位置を正確に定めて置く必要はない。
【0025】
その後、葉菜9の搬送とともに、第1のコンベア11に載置された葉身部9aから根部9dに向けて徐々に押し寄せる方向に、葉菜9に力が作用する。そして、葉菜9が根部9dの方向へ移動し、株元9cが位置決め部材21の突出部22に接触するまで、葉菜9が片寄せ移動される。したがって、本実施形態によれば、作業者が葉菜9を搬送装置2上に無造作に置いても、根の長さや形状等に関係なく、株元9cの位置決めを自動で調整できる。搬送装置2の搬送方向Cの長さは、葉菜9を搬送装置2上に載置してから株元9cが位置決め部材21の突出部22に接触するまでの長さを実験等により求めて決めればよい。
【0026】
そして、搬送方向Cの最下流で、位置決め部材21よりも外側にはみ出ている根部9dを、回転刃31により切断することで、例えば5mm程度でばらつきのない根切りを行うことができる。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、第1のコンベア11と第2のコンベア12との間隔が搬送方向Cの下流側に向かって徐々に狭くなり、且つ、第1のコンベア11および第2のコンベア12の無端帯13、14の表面の摩擦力の相違あるいは葉菜9の葉身部9aと葉柄部9bとの摩擦力の相違によって、葉菜9が搬送されるに従って根部9dの方向に徐々に寄せられていくため、葉菜9を傷めることなく、一方向へ片寄せ搬送することができる。また、位置決め部材21を配置することにより、葉菜9の移動を規制し、株元9cを所定の位置に揃えることができる。そして、このように搬送された葉菜9の根切りを行うことで、葉菜9を傷めることなく、長さを揃えて根切りすることができる。
【0028】
根切りされた葉菜9は、その後、調製部4内で、子葉や下葉の除去、洗浄等の調製作業が行われる。
【0029】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0030】
例えば、葉菜9を搬送する区間において、第1のコンベア11と第2のコンベア12の鉛直方向の高さが異なるようにしてもよい。このとき、第1のコンベア11と第2のコンベア12とを同軸で駆動させる場合には、無端帯13の厚みを無端帯14よりも厚くすることによって、第1のコンベア11の無端帯13の表面を、第2のコンベア12の無端帯14の表面よりも鉛直方向上方になるようにしてもよい。これにより、葉菜9の搬送時に、より短い距離で、葉菜9が根部方向に片寄せされる。あるいは、例えば第2のコンベア12を、搬送装置2の幅方向外側すなわち葉菜9の根部9d側が低くなるように傾斜させることにより、短い搬送距離で葉菜9を片寄せ搬送することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の搬送装置は、根切り装置の他、葉菜を揃えて束ねる場合にも有用である。
【符号の説明】
【0032】
1 調製装置
2 搬送装置
3 根切り部
9 葉菜
9a 葉身部
9b 葉柄部
9c 株元
9d 根部
10 根切り装置
11 第1のコンベア
12 第2のコンベア
13、14 無端帯
21 位置決め部材
22 突出部
23 谷部
31 回転刃
C 搬送方向
図1
図2
図3
図4
図5