特許第6799319号(P6799319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799319
(24)【登録日】2020年11月25日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】接触検出器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20201207BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   A61B8/08
   A61B8/12
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-239540(P2016-239540)
(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公開番号】特開2018-93973(P2018-93973A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
(72)【発明者】
【氏名】田中 由浩
(72)【発明者】
【氏名】リ ホアン ヒエップ
(72)【発明者】
【氏名】福田 智弘
(72)【発明者】
【氏名】佐野 明人
【審査官】 宮川 哲伸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/031503(WO,A1)
【文献】 特開2016−156720(JP,A)
【文献】 特開2006−020828(JP,A)
【文献】 特開2014−064798(JP,A)
【文献】 特開2001−224595(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0077974(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
A61B 1/00 − 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音通路管と可動音通路管が摺動面を介して接続され、前記音通路管の他方にスピーカとマイクロフォンと、前記可動音通路管の他方に音通路端面と、前記可動音通路管に空洞及び弾性体を有するセンサと、を備え、前記音通路管の中心線と前記摺動面との交点を通り、
前記摺動面に垂直な軸に対して、前記摺動面内の摺動面音通路が回転対称であることを特徴とする接触検出器具。
【請求項2】
音通路管と可動音通路管が摺動面を有するオフセット音通路管を介して接続され、前記オフセット音通路管の中心線と前記摺動面との交点を通り、前記摺動面に垂直な軸に対して、前記摺動面内の摺動面音通路が回転対称であることを特徴とする請求項1に記載する接触検出器具。
【請求項3】
音通路管と可動音通路管が摺動面を介して接続され、前記音通路管の他方にスピーカとマイクロフォンと、前記可動音通路管の他方に音通路端面と、前記可動音通路管に空洞及び弾性体を有するセンサと、を備え、前記摺動面内の摺動面音通路が円形状であることを特徴とする接触検出器具。
【請求項4】
音通路管と可動音通路管が摺動面を有するオフセット音通路管を介して接続され、前記オフセット音通路管の中心線と前記摺動面との交点を通り、前記摺動面に垂直な軸に対して、前記摺動面内の摺動面音通路が円形状であることことを特徴とする請求項3に記載する接触検出器具。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体等の表面に開けられた穴から生体等内に挿入されて生体内の臓器と接触し、接触対象の臓器の状態に応じた信号を出力する接触検出器具に関するものであり、例えば、腹腔鏡下手術に用いられて好適である。
【背景技術】
【0002】
従来、生体の表面に開けられた穴から生体内に接触検出器具が挿入され、当該接触検出器具が生体内の臓器に接触したとき、当該接触検出器具から接触対象の臓器の状態に応じた信号が出力される技術が知られている。
【0003】
例えば、非特許文献1では、鉗子の先端に高分子圧電体の一種であるPVDFフィルムが取り付けられた接触検出器具が開示されている。この接触検出器具では、PVDFフィルムが臓器に接触した際に受ける押圧力に応じたセンサ信号が、接触検出器具から出力される。
【0004】
上記のような接触検出器具は、生体内で電気信号が発生するので、生体安全性の点で問題がある。よって、発明者らは特許文献1において、電気的要素を用いない棒状の鉗子を生体の表面に開けられた穴から生体内に挿入されて生体内の臓器と接触し、反射音を用いたセンサ信号による接触対象の臓器の状態に応じた信号を出力する接触検出器具を提案した。
【0005】
しかし、この接触検出器具は可動部を有しない1本の棒状のため診断の際、人間の指のように関節で折り曲げて触診すること、または従来の鉗子のように把持する機能を有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2016/031503
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】田中由浩、長井孝憲、藤原道隆、佐野明人、“双方向性を組み込んだ腹腔鏡下手術用触覚センサシステム”、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’13 講演論文集、2013年、2A2−B02
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、反射音を用いたる接触検出器具において、可動部を有することにより折り曲げて対象物に接触し、その状態に応じた信号を出力する機能を有する接触検出器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明1は、音通路管と可動音通路管が摺動面を介して接続され、音通路管の他方にスピーカとマイクロフォンと、可動音通路管の他方に音通路端面と、可動音通路管に空洞及び弾性体を有するセンサと、を備え、音通路管の中心線と摺動面との交点を通り、摺動面に垂直な軸に対して、摺動面内の摺動面音通路が回転対称であることを特徴とする接触検出器具である。
発明2は、音通路管と可動音通路管が摺動面を有するオフセット音通路管を介して接続され、オフセット音通路管の中心線と摺動面との交点を通り、摺動面に垂直な軸に対して、摺動面内の摺動面音通路が回転対称であることを特徴とする発明1に記載する接触検出器具である。
発明3は、音通路管と可動音通路管が摺動面を介して接続され、音通路管の他方にスピーカとマイクロフォンと、可動音通路管の他方に音通路端面と、可動音通路管に空洞及び弾性体を有するセンサと、を備え、摺動面内の摺動面音通路が円形状であることを特徴とする接触検出器具である。
発明4は、音通路管と可動音通路管が摺動面を有するオフセット音通路管を介して接続され、オフセット音通路管の中心線と摺動面との交点を通り、摺動面に垂直な軸に対して、摺動面内の摺動面音通路が円形状であることことを特徴とする発明3に記載する接触検出器具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、可動音通路管を可動させても反射音を用いたる接触検出が可能である。よって、可動音通路管に空洞及び弾性体を有するセンサをつけて折り曲げることで、センサを対象物に容易に接触させることができる。例えば生体の臓器に挿入して対象部位に折り曲げて的確に接触させることができる。よって、反射音を用いたセンサの信号による接触対象の状態(臓器のしこり有無等)に応じた信号を出力する接触検出器具を提供できる。更に、把持機能を有する鉗子の可動する把持部にセンサをつけることにより、対象物を把持した状態で、接触対象の状態に応じた信号を出力する接触検出器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】反射音を用いた接触検出の原理を示す模式図。
図2】接触検出による硬さ検出の原理を示す模式図。
図3】鉗子型の接触検出器を示す。
図4】第1実施形態の1次元可動の接触検出器具を示す模式図。
図5】第2実施形態の2次元可動の接触検出器具を示す模式図。
図6】第3実施形態の3次元可動の接触検出器具を示す模式図。
図7】第4実施形態のオフセット可動の接触検出器具を示す模式図。
図8】第5実施形態の把持部を有する接触検出器具を示す全体図。
図9】把持部を示す矢視図。
図10】把持部を示す。(a)平面図、(b)正面図。
図11】把持部のセンサ部の出力測定を示す全体図。
図12】センサ部の出力を測定結果。
図13】従来例の把持部を有する鉗子。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
【0013】
(原理)
本実施形態におけるセンシングシステムの構成は以上の通りである。次に、本実施形態のセンシングシステムにおける検出原理について、図1を参照して説明する。
【0014】
図1では、本実施形態の音通路13(23)を有する音通路管11(21)を模式的に円筒形状のパイプで表している。開口している音通路端面17よりパイプ内にスピーカ3から音61を入力すると、音は閉塞面である音通路端面27で反射する振幅の小さい音63となる。このとき、パイプ側面のセンサ51(空洞53、これを覆う膜状の弾性体55からなる)が測定物71の突起73によって変形して空洞側へ押し込まれると、パイプ内への突出部が発生して音の通路が狭まり、一部の音67が突出部(検出部となる)で反射する。したがって、パイプ内の重音65(入力音61、反射音63、反射音67の和)をマイクロフォン5で計測すれば、パイプの変形に関する情報(変形量と変形位置)を得ることができる。この際、固有の値である音通路の全長Lと音通路端面17からセンサ部51までの音通路長さLsを解析に用いる。
【0015】
ここで、図1で音通路管をパイプ形状で示したが、断面形状は円形に限らず、三角形等の多角形でもよく、これらの組み合わせでも良い。音の伝播は粗密波だからである。図1では音の伝播を便宜上サイン波で示した。
【0016】
図2は、接触検出による硬さ検出の原理を示す模式図である。音通路23を円筒状に曲げながらセンサ51内部に配置することで、検出部で得られる変形位置を円周方向へ変換することができる。このとき、センサ51を均一かつ柔軟な対象物71へ押し付けると、円周方向の変形位置は、センサ51と対象物71との接触面積75の端部を示すこととなる。したがって、検出部の変形量と円周方向の変形位置の時間変化が、対象物71の硬さに対応して異なることから、硬さ検出が可能となる。
【0017】
発明者らは、特許文献1にて、図3に示すように上述の原理を適用した生体に挿入して使用する棒状の鉗子(接触検出器具)を提案した。これは内視鏡による手術において、新たに医師の手の触覚情報が入手できるので、初期癌の診断等に活用が期待されている。
図3(a)に棒状の鉗子本体111の形状を示す。一方の端部にスピーカ等の収納部103、他方の端部にセンサ151を配置している。図3(b)にセンサ151の構造を示す。音通路113に空隙153を設け、空隙153が膜状の弾性体155でカバーされている。この鉗子は、生体の挿入部位に電気的要素を有していないので感電防止等の処理が不要であり、シンプルな構造で安全である。よって、鉗子の減菌等も容易であり、使い捨ての対応も可能である。
【0018】
しかし、この接触検出器具は可動部を有しない1本の棒状のため診断の際、人間の指のように関節で折り曲げて触診することができない。また、図13に示す鉗子181のように把持する機能を有していない問題がある。本発明は、音通路管を2以上に分け、音通路管13に対して可動する可動音通路管23を設けることを特徴とする。これにより、人間の指のように関節で折り曲げて触診する接触検出機器や把持機能を有する鉗子の把持部に触診機能を有する接触検出機器を提案する。
【0019】
(第1実施形態:1次元可動)
第1実施形態の1次元可動の接触検出器具の模式図を図4に示す。音通路管11は、内部に音通路13及び音通路管11の中心線15を有する。可動音通路管21は、内部に可動音通路23及び可動音通路管21の中心線25を有する。音通路管11と可動音通路管21は摺動面31を介して面接触して摺動自在に可動接続されている。即ち、音通路13の中心線15と摺動面31との交点35を通り、摺動面31に垂直な軸37に対して、可動音通路管21は回転運動する。よって、1次元の可動である。また、交点35において、音通路13の中心線15と可動音通路23の中心線25は交わる。よって、軸37と可動音通路23の中心線25は一致する。摺動面31の断面A−Aにおいて、軸37に対して、摺動面音通路33は回転対称である。よって、摺動面音通路33は円形状でも良い。
【0020】
軸37に対して摺動面音通路33が回転対称であることで、可動音通路管21が回転運動しても、音通路管11の中心線15の長さ(音通路端面17)から交点35までの長さ)と可動音通路管21の中心線25の長さ(音通路端面27から交点35までの長さ)の和である音通路の全長Lの長さは変化しない。同様に、通路端面17からセンサ部51までの音通路長さLs(図示せず)も変化しない。よって、可動音通路管21を1次元可動させても、反射音を用いた接触検出が可能である。
【0021】
第1実施形態は、細い管路に可動音通路管21を差し込み回転可動させて、内壁の状況を検査する場合等に使用される。
【0022】
(第2実施形態:2次元可動)
第2実施形態の2次元可動の接触検出器具の模式図を図5に示す。音通路管11は、内部に音通路13及び音通路管11の中心線15を有する。可動音通路管21は、内部に可動音通路23及び可動音通路管21の中心線25を有する。音通路管11と可動音通路管21は摺動面31を介して面接触して摺動自在に可動接続されている。即ち、音通路13の中心線15と摺動面31との交点35を通り、摺動面31に垂直な軸37に対して、可動音通路管21は回転運動するここで、軸37に対して、可動音通路管21の中心線25は直交する。よって、可動音通路管21可動音通路管21の軌跡は、交点35を中心点とする円形状となる2次元の可動である。センサ51も円運動を行う。破線の可動音通路管21は回転時を示す。また、交点35において、音通路13の中心線15と可動音通路23の中心線25は交わらず交点35aとなる。摺動面31の断面B−Bにおいて、軸37に対して、摺動面音通路33は回転対称である。よって、摺動面音通路33は円形状でも良い。
【0023】
回転軸35に対して摺動面音通路33が回転対称であることで、可動音通路管21が2次元の回転円運動をしても、音通路管11の中心線15の長さ(音通路端面17から中心線25との交点35aまでの長さ)と可動音通路管21の中心線25の長さ(音通路端面27から中心線15との交点35aまでの長さ)の和である音通路の全長Lの長さは変化しない。同様に、通路端面17からセンサ部51までの音通路長さLs(図示せず)も変化しない。よって、可動音通路管21を2次元可動させても、反射音を用いた接触検出が可能である。
【0024】
第2実施形態は、可動音通路管21が回転円可動するので、センサ51の検出面を大きく移動させることができる。また、センサ51を押しつけさせて硬さの計測もできる。
【0025】
(第3実施形態:3次元可動)
第3実施形態の3次元可動の接触検出器具の模式図を図6に示す。音通路管11は、内部に音通路13及び音通路管11の中心線15を有する。可動音通路管21は、内部に可動音通路23及び可動音通路管21の中心線25を有する。音通路管11と可動音通路管21は摺動面31を介して面接触して摺動自在に可動接続されている。即ち、音通路13の中心線15と摺動面31との交点35を通り、摺動面31に垂直な軸37に対して、可動音通路管21は交点35を頂点とする円錐形状のすり鉢状の回転運動をする。ここで、軸37に対して、可動音通路管21の中心線25は角度αを有して交差するので、可動音通路管21の軌跡は、頂角2αの円錐形状となる。よって、可動音通路管21は3次元の可動であり、センサ51もすり鉢状の回転運動を行う。破線の可動音通路管21は回転時を示す。また、交点35において、音通路13の中心線15と可動音通路23の中心線25は交わる。摺動面31の断面C−Cにおいて、軸37に対して、摺動面音通路33は回転対称である。よって、摺動面音通路33は円形状でも良い。
【0026】
軸37に対して摺動面音通路33が回転対称であることで、可動音通路管21が3次元の回転運動をしても、音通路管11の中心線15の長さ(音通路端面17から交点35(中心線25との交点までの長さ))と可動音通路管21の中心線25の長さ(音通路端面27から交点35(中心線15との交点までの長さ))の和である音通路の全長Lの長さは変化しない。同様に、通路端面17からセンサ部51までの音通路長さLs(図示せず)も変化しない。よって、可動音通路管21を3次元可動させても、反射音を用いた接触検出が可能である。
【0027】
第3実施形態は、可動音通路管21が回転円可動するので、センサ51の検出面を大きく移動させることができる。また、センサ51を押しつけさせて硬さの計測もできる。
【0028】
(第4実施形態:オフセット可動)
第4実施形態のオフセット可動の接触検出器具の模式図を図7に示す。音通路管11は、内部に音通路13及び音通路管11の中心線15を有する。可動音通路管21は、内部に可動音通路23及び可動音通路管21の中心線25を有する。音通路管11(中心線15)と可動音通路管21(中心線25)はオフセット音通路管41(中心線45)を介して接続されている。オフセット音通路管41は、摺動面31を介して2分割されている。2分割されたオフセット音通路管41は、面接触して摺動自在に可動接続されている。即ち、音通路13の中心線15とオフセット音通路管41の交差面47との交点47aと、可動音通路23の中心線25とオフセット音通路管41の交差面49との交点49aとを結ぶ線が、オフセット音通路管41の中心線45となる。また、交点47aと交点49aの距離がオフセット長hとなる。摺動面31と中心線45の交点35を通り、摺動面31に垂直な線が軸37になる。この場合、中心線45と軸37は一致する。可動音通路管21は軸37に対して2次元の回転運動を行う。ここで、可動音通路管21の中心線25は、音通路管11の中心線15に対して、オフセット長hだけオフセットされている。破線の可動音通路管21は回転時を示す。摺動面31の断面D−Dにおいて、軸37に対して、摺動面音通路33は回転対称である。よって、摺動面音通路33は円形状でも良い。
【0029】
軸37に対して摺動面音通路33が回転対称であることで、可動音通路管21が2次元の回転運動をしても、オフセット長hの距離は一定である。音通路管11の中心線15の長さ(音通路端面17から交点47a)と可動音通路管21の中心線25の長さ(音通路端面27から交点49a)とオフセット長hの和である音通路の全長Lの長さは変化しない。同様に、通路端面17からセンサ部51までの音通路長さLs(図示せず)も変化しない。よって、可動音通路管21をオフセットして可動させても、反射音を用いた接触検出が可能である。
【0030】
第4実施形態は、可動音通路管21が回転円可動するので、センサ51の検出面を大きく移動させることができる。また、センサ51を押しつけさせて硬さの計測もできる。これを適用したのが第5実施形態の把持機能を有する接触検出器具である。
【0031】
(第5実施形態:把持機能)
第5実施形態の把持機能を有する接触検出器具の模式図を図8、9、10に示す。図8は,第5実施形態の把持部を有する接触検出器具81を示す全体図である。
【0032】
図9は、把持部85,86を示す矢視図である。
【0033】
図10は、把持部85,86を示す(a)平面図、(b)正面図である。図10(b)において、把持鉗子81の外部ケース82の断面E−Eは、3重の管構造となっている。外部ケース82の内部に、棒83が摺動可能に挿入されている。また、棒83の内部に音通路管11が挿入され固定されている。棒83を外部ケース82に対して回転(回転2)させることにより把持部85、86は回転する。また、棒83を外部ケース82に対して左右方向(図10(b)において)に動かすことで、把持部85、86の開閉(回転1)をすることができる。
【0034】
(実験確認)
図11は、第5実施形態の接触検出器具の把持部のセンサ部の出力測定を示す全体図を示す。把持部を固定し、センサ部へ圧子を押し付けた際のセンサ出力(振幅)を記録した。
押し込み変位は 0 mmから1.75 mmまで、0.25 mm刻みで与えた。
【0035】
図12は、センサ部の出力の測定結果を示す。押し込み変位に伴って、振幅が増加することが確認できた。
【0036】
以上、本実施形態によれば、可動音通路管21を可動させても反射音を用いたる接触検出が可能である。よって、可動音通路管21に空洞53及び弾性体55を有するセンサ51をつけて折り曲げることで、センサ51を対象物に容易に接触させることができる。例えば生体の臓器に挿入して対象部位に折り曲げて的確に接触させることができる。よって、反射音を用いたセンサ51の信号による接触対象の状態(臓器のしこり有無等)に応じた信号を出力する接触検出器具1を提供できる。更に、把持機能を有する鉗子の可動する把持部にセンサ51をつけることにより、対象物を把持した状態で、接触対象の状態に応じた信号を出力する接触検出器具(把持鉗子81)を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の接触検出器具1によれば、生体等の表面に開けられた穴から生体等内に挿入された可動音通路管が人間の指のように可動するので、生体内の臓器と的確に接触し、接触対象の臓器の状態に応じた信号を出力するので、臓器の状況(しこりの有無等)を正確に把握できる。また、把持部を有する接触検出器具(把持鉗子81)にも適用できる。これらの接触検出器具1、81は、腹腔鏡下手術に用いられて好適である。また、これらの接触検出器具1,81は、生体の挿入部位に電気的要素を有していないので感電防止等の処理が不要でありシンプルな構造で安全である。よって、接触検出器具1,81の減菌等も容易であり、使い捨ての対応も可能である。また、接触検出器具1,81は、生体のみならず気体や液体を収納する容器の内壁の検査にも適用できる。即ち、容器に小さな穴を設け接触検出器具1,81を挿入するだけで容器内部の触覚情報を検出できる。たとえば、容器の劣化状況等を判断することに利用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 接触検出機器
3 スピーカ
5 マイクロフォン
11 音通路管
13 音通路
15 中心線(音通路管)
17 音通路端面(開口面、スピーカ等接続)
21 可動音通路管
23 可動音通路
25 中心線(可動音通路管)
27 音通路端面(可動音通路の閉塞面)
31 摺動面
33 摺動面音通路
35 交点(音通路管又はオフセット音通路管の中心線と摺動面の交点)
37 軸(交点を通り摺動面に垂直な回転軸)
41 オフセット音通通路管
43 オフセット音通路
45 中心線(オフセット音通路管)
51 センサ
53 空洞
55 弾性体
61、63 音波波形(27に反射)
65、67 音波波形(73に反射)
71 測定物
73 突起(測定物)
75 接触面
81 把持鉗子
82 外部ケース
83 棒
85 把持部(センサ有)
86 把持部(センサ無)
88 レバー(把持部開閉)
89 レバー(把持部回転)
L 音通路の全長
Ls センサ部までの音通路長さ
h オフセット長

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13