特許第6799419号(P6799419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6799419画像表示装置、駆動方法及び駆動プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799419
(24)【登録日】2020年11月25日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】画像表示装置、駆動方法及び駆動プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20201207BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20201207BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   G09G3/3233
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 642A
   G09G3/20 641K
   G09G3/20 641F
   G09G3/20 611H
   H04N5/66 A
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-164495(P2016-164495)
(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公開番号】特開2018-31904(P2018-31904A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】薄井 武順
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 宜樹
(72)【発明者】
【氏名】高野 善道
(72)【発明者】
【氏名】山本 敏裕
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−148306(JP,A)
【文献】 特開2005−141148(JP,A)
【文献】 特開2012−128030(JP,A)
【文献】 特開2011−059596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の低階調領域を抽出する抽出部と、
前記低階調領域を、複数の画素を含む小領域に分割する分割部と、
前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち一部の画素に対応する発光素子のみを、当該小領域の画素数に応じて調整した発光強度で発光させる調整部と、を備え
前記調整部は、映像フレーム毎に、前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち、発光させる対象である前記一部の画素を順番に入れ替える画像表示装置。
【請求項2】
前記調整部は、前記一部の画素の割合に基づく倍率で発光強度を高める請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記調整部は、前記一部の画素の発光強度を、前記複数の画素の発光強度の合計となるように調整する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記分割部は、前記低階調領域の階調が低いほど、前記小領域の画素数を増加させる請求項1から請求項のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
画像表示装置において、
画像の低階調領域を抽出する抽出ステップと、
前記低階調領域を、複数の画素を含む小領域に分割する分割ステップと、
前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち一部の画素に対応する発光素子のみを、当該小領域の画素数に応じて調整した発光強度で発光させる調整ステップと、をコンピュータが実行し、
前記調整ステップにおいて、映像フレーム毎に、前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち、発光させる対象である前記一部の画素を順番に入れ替える表示パネルの駆動方法。
【請求項6】
画像表示装置において、
画像の低階調領域を抽出する抽出ステップと、
前記低階調領域を、複数の画素を含む小領域に分割する分割ステップと、
前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち一部の画素に対応する発光素子のみを、当該小領域の画素数に応じて調整した発光強度で発光させる調整ステップと、をコンピュータに実行させ
前記調整ステップにおいて、映像フレーム毎に、前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち、発光させる対象である前記一部の画素を順番に入れ替えさせるための表示パネルの駆動プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流駆動型の発光素子を用いた画像表示装置、駆動方法及び駆動プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機ELなどのアクティブマトリックス型の画像表示装置は、薄膜トランジスタ(TFT)を用いて発光素子へ供給する電流を制御することで、輝度変調を行っている。しかし、駆動に用いるTFTには特性のばらつきがあるため、同じ電圧を与えても各画素の発光素子に流れる電流量が異なることにより、輝度ムラが発生し、表示品位が低下してしまう問題がある。このような特性のばらつきを低減させるために、画像表示装置は、表示パネル内部において、ばらつき補償を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−133282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表示パネルの高精細化及びハイダイナミックレンジ化などにより、各発光素子に供給する電流が小さくなることで、特性のばらつきの補償が不十分となってしまう。例えば、特許文献1の技術では、駆動信号に補正期間を設けて、TFTの閾値補正及び移動度の補正を行っているが、低階調部分では、画素に流れる電流が小さいため、十分な輝度補正ができなかった。
【0005】
本発明は、低階調部分の輝度ムラを低減できる画像表示装置、駆動方法及び駆動プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像表示装置は、画像の低階調領域を抽出する抽出部と、前記低階調領域を、複数の画素を含む小領域に分割する分割部と、前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち一部の画素に対応する発光素子のみを、当該小領域の画素数に応じて調整した発光強度で発光させる調整部と、を備える。
【0007】
前記調整部は、映像フレーム毎に、前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち、発光させる対象である前記一部の画素を順番に入れ替えてもよい。
【0008】
前記調整部は、前記一部の画素の割合に基づく倍率で発光強度を高めてもよい。
【0009】
前記調整部は、前記一部の画素の発光強度を、前記複数の画素の発光強度の合計となるように調整してもよい。
【0010】
前記分割部は、前記低階調領域の階調が低いほど、前記小領域の画素数を増加させてもよい。
【0011】
本発明に係る表示パネルの駆動方法は、画像表示装置において、画像の低階調領域を抽出する抽出ステップと、前記低階調領域を、複数の画素を含む小領域に分割する分割ステップと、前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち一部の画素に対応する発光素子のみを、当該小領域の画素数に応じて調整した発光強度で発光させる調整ステップと、をコンピュータが実行する。
【0012】
本発明に係る表示パネルの駆動プログラムは、画像表示装置において、画像の低階調領域を抽出する抽出ステップと、前記低階調領域を、複数の画素を含む小領域に分割する分割ステップと、前記小領域に含まれる前記複数の画素のうち一部の画素に対応する発光素子のみを、当該小領域の画素数に応じて調整した発光強度で発光させる調整ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像表示装置において、低階調部分の輝度ムラを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る小領域を例示する図である。
図3】実施形態に係る信号レベルの第1の調整方法を示す図である。
図4】実施形態に係る信号レベルの第2の調整方法を示す図である。
図5】実施形態に係る各画素を構成する回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
本実施形態に係る画像表示装置1は、有機EL発光素子を用いた表示装置であり、映像フレーム毎の信号処理において、画素単位で発光強度を調整する空間変調を用いることにより、低階調領域における電流の減少を抑制し、輝度ムラを低減する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る画像表示装置1の構成を示すブロック図である。
画像表示装置1は、信号処理部10と、行駆動ドライバ部20と、列駆動ドライバ部30と、表示パネル40とを備える。
【0017】
信号処理部10は、映像信号に含まれる画像データを入力として、各画素の階調値を決定し、行駆動ドライバ部20及び列駆動ドライバ部30を制御することにより、表示パネル40の発光素子を階調値に応じた駆動電流で発光させる。
【0018】
行駆動ドライバ部20は、信号処理部10から各水平ラインを走査するための制御信号を受信する。
また、行駆動ドライバ部20から表示パネル40の各画素へは、垂直方向に複数の選択信号線と、各発光素子への電源ラインとが接続されている。行駆動ドライバ部20は、複数の選択信号線のそれぞれに選択信号を供給すると共に、電源ラインから駆動電圧を印加する。
【0019】
列駆動ドライバ部30は、信号処理部10で決定された階調値のデータを受信する。
また、列駆動ドライバ部30から表示パネル40の各画素へは、水平方向に複数のデータ信号線が接続されている。列駆動ドライバ部30は、複数のデータ信号線のそれぞれに、各画素の階調値に基づくデータ信号を供給する。
【0020】
表示パネル40は、有機EL発光素子が各画素に対応して設けられた表示デバイスであり、行駆動ドライバ部20からの制御信号、及び列駆動ドライバ部30からのデータ信号に応じて、各発光素子を発光させることにより、画像を表示する。
【0021】
次に、信号処理部10の機能を詳述する。
図1に示すように、信号処理部10は、抽出部11と、分割部12と、調整部13とを備える。
【0022】
抽出部11は、入力された映像フレーム毎の画像データについて、信号レベル(階調値)の低い領域(低階調領域)を抽出して分割発光領域とし、映像レベルの高い領域を通常発光領域とする。
【0023】
分割部12は、分割発光領域を、複数の画素を含む小領域に分割する。
調整部13は、小領域に含まれる複数の画素のうち一部の画素に対応する発光素子のみを、この小領域の画素数に応じて調整した発光強度で発光させる。すなわち、調整部13は、複数の画素を代表する特定の画素の信号レベルを高く調整し、この特定の画素のみを発光させることにより、駆動電流の低下を抑制する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る小領域を例示する図である。
例えば、分割発光領域50において、4画素毎の小領域51が設けられる。
分割発光領域では、映像フレーム毎に発光する画素が決まっており、小領域51に含まれる複数の画素のうち、発光させる対象である画素を順番に入れ替える。例えば、小領域内の各画素をA、B、C、Dとすると、奇数フレームでは、A及びD、偶数フレームでは、B及びCの画素が発光する。
【0025】
図3は、本実施形態に係る信号レベルの第1の調整方法を示す図である。
発光させる画素によって発光しない画素の輝度を補償するために、調整部13は、奇数フレームでは、図2の画素A、B、C、Dの信号レベルS、S、S、Sを、それぞれS’、0、0、S’に変換し、偶数フレームでは、それぞれ0、S’、S’、0に変換する。
【0026】
ここで、調整部13は、発光対象の一部の画素の割合に基づく倍率で発光強度を高める。具体的には、例えば図2のように2画素で4画素分の輝度を補償するためには、信号レベルに基づく輝度が2倍となるように、変換後の信号レベルS’は、変換前の信号レベルSの√2倍に変換される。
輝度の高い通常発光領域では、調整部13は、信号レベルを変換しない。
【0027】
図4は、本実施形態に係る信号レベルの第2の調整方法を示す図である。
第1の調整方法(図3)では、調整部13は、信号レベルSを所定の倍率で変換したが、第2の調整方法では、小領域内の他の画素の信号レベルを用いて、一部の画素の発光強度を、複数の画素の発光強度の合計となるように調整する。
【0028】
具体的には、調整部13は、信号レベルをSからS’に変換する際に、発光させない画素(例えば、画素B)の輝度を補償するために、S及びSの平均を√2倍してS’を求める。
【0029】
図5は、本実施形態に係る表示パネル40の各画素を構成する回路の一例を示す図である。
選択信号線から電圧Vgaが印加されたタイミングにおいて、データ信号線から画素の信号レベルに応じた電圧Vdaが印加されると、トランジスタTr1を介してコンデンサC1にデータ電圧が書き込まれる。
【0030】
このとき、同時に駆動電圧Vddが印加されることで、Tr1の移動度のばらつきによる輝度ムラが補正される。ところが、Vdaの電圧が低い場合、十分な電流が流れずに、ばらつきの補正が不十分となってしまう。信号処理部10で低階調領域の信号レベルを高く変換することで、ばらつきの補正効果が高められる。
【0031】
その後、駆動電圧VddによりトランジスタTr2を介して有機EL素子Delに電流が流れ、発光する。補正効果を高めるために、信号レベルを高くしているため、輝度が高くなってしまう画素が存在するが、フレーム毎に発光しない画素が指定されているため、全体的な輝度レベルの変化が抑えられて画像が表示される。
また、高フレームレート(例えば、120Hz以上)の場合には、発光する画素の切り替わりに伴って生じるフリッカーの影響も回避できる。
【0032】
本実施形態によれば、画像表示装置1は、信号処理部10において、映像の低階調領域を抽出し、この低階調領域を複数画素単位の小領域に分割し、小領域内の各画素のうち一部の画素のみを、分割数に応じた発光強度に調整して発光するように制御する。したがって、画像表示装置1は、1画素あたりの電流が小さくなっても、低階調部分における輝度ムラを低減できる。
【0033】
また、画像表示装置1は、映像フレーム毎に、小領域に含まれる複数の画素のうち、発光させる対象である一部の画素を順番に入れ替える。したがって、画像表示装置1は、動画再生時に、フレーム毎に発光させる画素を均等に選択し、画質の劣化を抑制できる。
【0034】
このとき、画像表示装置1は、発光させる画素の割合に基づく倍率で発光強度を高めることにより、処理負荷の低い簡便な手法により、低階調部分における輝度ムラを低減できる。
あるいは、画像表示装置1は、発光させる画素の発光強度を、小領域内の複数の画素の発光強度の合計となるように調整することにより、元の画像データの輝度をより忠実に再現できる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0036】
本実施形態では、画像表示装置1は、フレーム毎に小領域内の画素を(A,C)及び(B,D)の2グループに分けて各グループを交互に発光させていたが、さらに多段に分割されてもよい。例えば、画像表示装置1は、画素をA、B、C、Dにわけて、それぞれが4フレームに1回発光するように制御してもよい。
【0037】
また、画像表示装置1は、抽出された低階調領域における階調が低いほど、小領域の画素数を増加させてもよい。これにより、画像表示装置1は、変換後の階調値を適切に高められ、低階調部分における輝度ムラを低減できる。
なお、1フレーム内では小領域の大きさは一定でもよいし、1フレーム内で複数の大きさの小領域が混在するように分割されてもよい。
【0038】
画像表示装置1が処理対象とする画像は、複数のフレームが連続する動画像に限られず、静止画像であってもよい。
【0039】
本実施形態では、主に画像表示装置1の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限られず、各構成要素を備え、画像を表示するための方法、又はプログラムとして構成されてもよい。
【0040】
さらに、画像表示装置1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0041】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【0042】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 画像表示装置
10 信号処理部
11 抽出部
12 分割部
13 調整部
20 行駆動ドライバ部
30 列駆動ドライバ部
40 表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5