特許第6799422号(P6799422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6799422
(24)【登録日】2020年11月25日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】送信装置及び受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20201207BHJP
   H03M 13/27 20060101ALI20201207BHJP
   H04L 27/00 20060101ALI20201207BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   H04L27/26 110
   H03M13/27
   H04L27/00 B
   H04L1/00 F
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-167406(P2016-167406)
(22)【出願日】2016年8月29日
(65)【公開番号】特開2018-37751(P2018-37751A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年7月1日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、総務省、「次世代映像素材伝送の実現に向けた高効率周波数利用技術に関する研究開発」に係わる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】鵜澤 史貴
【審査官】 川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−336594(JP,A)
【文献】 特開2003−199085(JP,A)
【文献】 特開2008−244807(JP,A)
【文献】 特開2002−084253(JP,A)
【文献】 特開2001−136497(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0169425(US,A1)
【文献】 藤沢 寛ほか,地上ISDBの階層パラメータ切り替え手法の検討,映像情報メディア学会技術報告,2000年11月21日,第24巻,第73号,pp.47−54
【文献】 ARIB STD-B11 2.2版,社団法人電波産業会,2005年11月30日
【文献】 ARIB STD-B33 1.3版,社団法人電波産業会,2018年 1月22日
【文献】 ARIB STD-B57 2.2版,社団法人電波産業会,2018年 1月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/00
H04L 27/26
H03M 13/27
H04L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送素材用のデジタルデータの無線伝送装置として構成されるOFDM方式の送信装置であって、
伝送するデータに対し最大の時間インターリーブ長を指定インターリーブ長として制限し、セル長の値に相当するシンボル数で、OFDM変調のキャリアを時間軸上で分散させるよう畳込みインターリーブ処理を行うリミット付き畳込み時間インターリーバを備え
前記リミット付き畳込み時間インターリーバは、
前記OFDM変調のキャリアの本数をN、前記セル長をI、及び前記指定インターリーブ長をLとしたとき、キャリア番号k(k=0,1,2,…,N−1)のキャリア毎に、
(I×(k−1))mod L
の長さのシンボルバッファを含むインターリーブバッファにより構成され、
前記指定インターリーブ長Lは、OFDM変調のシンボル数で設定するものとし、
前記セル長Iは、1以上の整数とし、前記指定インターリーブ長Lの長さに応じて、
I× (k−1) > Lとなるように設定するものとし、
前記リミット付き畳込み時間インターリーバは、前記指定インターリーブ長Lの長さに関わらず、周波数軸で隣接するキャリアを必ずセル長Iシンボルずつずらすように設定し、前記指定インターリーブ長L及び前記セル長Iの設定により制限した遅延で当該隣接するキャリアにおける時間軸を分散するようにしたことを特徴とする送信装置。
【請求項2】
送信側として請求項1に記載の送信装置から伝送される信号を受信して復号する、放送素材用のデジタルデータの無線伝送装置として構成されるOFDM方式の受信装置であって、
送信側で伝送するデータに対し最大の時間インターリーブ長を指定インターリーブ長として制限し、セル長の値に相当するシンボル数で、OFDM変調のキャリアを時間軸上で分散させるよう畳込みインターリーブ処理を施されたデータに対し、該畳込みインターリーブ処理の逆処理を行うリミット付き畳込み時間デインターリーバを備え
前記リミット付き畳込み時間デインターリーバは、
前記OFDM変調のキャリアの本数をN、前記セル長をI、及び前記指定インターリーブ長をLとしたとき、キャリア番号k(k=0,1,2,…,N−1)のキャリア毎に、
(I×(k−1))mod L
の長さのシンボルバッファを含むインターリーブバッファにより構成され、
前記指定インターリーブ長Lは、送信側と対応するOFDM変調のシンボル数で設定するものとし、
前記セル長Iは、送信側と対応する1以上の整数とし、送信側と対応する前記指定インターリーブ長Lの長さに応じて、I× (k−1) > Lとなるように設定するものとし、
前記リミット付き畳込み時間デインターリーバは、送信側における前記リミット付き畳込み時間インターリーバの逆処理を行い、送信側と対応する前記指定インターリーブ長L及び前記セル長Iの設定により制限した遅延で送信側における当該隣接するキャリアにおける時間軸の分散を戻すようにしたことを特徴とする受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式のデータ伝送の技術に関し、特に、放送用素材の無線伝送装置(FPU:Field Pickup Unit)をそれぞれ構成する送信装置及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)は、OFDM変調のサブキャリア(以下、単に「キャリア」と称する。)単位で時間軸をずらす畳込み型の時間インターリーブ処理を使用している(例えば、非特許文献1,2参照)。
【0003】
時間インターリーブ処理を使用することで、時間軸のバースト誤り発生時に誤り訂正できなくなる状況を避けることができ、環境変化等により伝送品質が一時的に劣化した場合でも、その時間帯の伝送データのストリームを分散させることで伝搬品質の劣化を軽減させ、誤り訂正復号を可能にしている。つまり、時間インターリーブ処理は、伝送路上のフェージング特性を向上させるために使用される。
【0004】
例えば、図3に、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)にそれぞれ対応する送信装置100及び受信装置200の概略構成を示している。
【0005】
送信装置100は、誤り訂正符号化器101、ビット・周波数インターリーバ102、畳込み時間インターリーバ103、変調部104、及び周波数変換部105を備える。
【0006】
誤り訂正符号化器101は、188バイトのTSパケットのデータストリームを入力し、内符号に畳込み符号を使用し外符号にリードソロモン(RS)符号を使用して、誤り訂正処理を施し、ビット・周波数インターリーバ102に出力する。尚、この内符号と外符号の連接符号間に外インターリーバ(バイト単位で畳込みを行うバイトインターリーバ)が設けられているが、その図示を省略している。
【0007】
ビット・周波数インターリーバ102は、ビットインターリーブ処理、及び周波数インターリーブ処理からなる内インターリーバとして構成され、それぞれのインターリーブ処理を施したビット列(シンボル)を畳込み時間インターリーバ103に出力する。
【0008】
ところで、ビットインターリーブ処理は、多値変調を用いる場合に伝送路上におけるキャリア単位の誤りがバースト誤りとなるため、その影響を軽減する目的でビット単位のインターリーブを行う処理である。尚、周波数インターリーブ処理は、OFDM変調の各キャリア変調方式(BPSK, DBPSK, QPSK, DQPSK,16QAM, 32QAM, 64QAM等)のキャリア位置を所定の生成多項式に基づいて疑似ランダム系列のキャリア位置となるようキャリア変調前に予め変換しておく処理である。
【0009】
畳込み時間インターリーバ103は、ビット・周波数インターリーバ102と共に内インターリーバの1つとして構成され、セル長Iの値に応じて、OFDM変調のキャリアを時間軸上で分散させるよう畳込みインターリーブ処理を行い、変調部104に出力する。
【0010】
変調部104は、伝送するシンボルについて所定のキャリア変調方式のキャリアに応じて直交平面へのマッピングを行い、各キャリアが互いに直交するようOFDMフレームを構成し、各キャリアを多重したOFDM信号を生成し、周波数変換部105に出力する。
【0011】
周波数変換部105は、変調部104から得られる中間周波数帯のOFDM信号を伝送用の高周波数帯へとシフト変換して変調信号を生成し外部に出力する。
【0012】
一方、受信装置200は、周波数変換部201、復調部202、畳込み時間デインターリーバ203、ビット・周波数デインターリーバ204、及び誤り訂正復号器205を備える。
【0013】
周波数変換部201は、送信装置100から伝送される変調信号を受信して中間周波数帯のOFDM信号に変換し復調部202に出力する。
【0014】
復調部202は、中間周波数帯のOFDM信号に対しOFDM復調処理を施し畳込み時間デインターリーバ203に出力する。
【0015】
畳込み時間デインターリーバ203は、送信側の畳込み時間インターリーブ処理に対する逆処理を施しビット・周波数デインターリーバ204に出力する。
【0016】
ビット・周波数デインターリーバ204は、畳込み時間デインターリーバ203の処理後に、送信側の時間インターリーブ処理、及び時間インターリーブ処理の逆処理を施し、誤り訂正復号器205に出力する。
【0017】
誤り訂正復号器205は、送信側の誤り訂正符号化器101による連接符号の復号処理を施し、188バイトのTSパケットのデータストリームを復元する。
【0018】
このように、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に基づく送信装置100は、フェージング特性を向上させるため、畳込み時間インターリーバ103により、OFDM信号のキャリア変調前に、キャリアを時間軸上で分散させている。
【0019】
特に、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)では、畳込み型の時間インターリーブ処理を使用しており、実装上では、キャリアごとに異なる長さのシンボルバッファを用いることで、各OFDM変調のキャリアとして異なる時間となるように配置する。
【0020】
より具体的に、図4に、畳込み時間インターリーバ103の実装上の概略構成を示している。畳込み時間インターリーバ103は、キャリア本数Nに対し、1キャリアごとに指定するセル長Iずつ時間軸をずらす方式であり、キャリアごとに異なる長さのシンボルバッファを含むインターリーブバッファ1031により構成される。尚、インターリーブバッファ1031内の各シンボルバッファのセル長Iは小数点以下切り上げとして設定される。
【0021】
この畳込み時間インターリーバ103の構成では、長い時間のインターリーブ長(遅延量)を容易に実現できる利点があり、受信装置200側ではキャリアの逆順にキャリア毎のバッファ処理を行うだけで復元できることから、処理時間とインターリーブバッファのバッファサイズの見積りも容易である。
【0022】
ただし、この畳込み時間インターリーバ103の構成は、長い時間のインターリーブ長(遅延量)を実現することを主目的としており、短い時間のインターリーブ長ではほとんどキャリアが分散されないという問題や、きめ細かい時間のインターリーブ長の差異ではキャリアの分散にほとんど差異が生じないという問題がある。
【0023】
一方、近年では、短い時間でも問題なく、時間フレームに同期する形で、時間軸と周波数軸に対して優れたインターリーブ処理を行う方式として、時間軸と周波数軸を2次元で逆転して出力するインターリーブ処理(本願明細書中、「2次元時間インターリーブ処理」と称する。)が知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】“テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタル無線伝送システム ARIB STD-B33 1.2版”、[online]、平成23年3月28日改定、一般社団法人 電波産業会(ARIB)、[平成28年7月12日検索]、インターネット〈URL:http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B33v1_2.pdf〉
【非特許文献2】“1.2GHz/2.3GHz帯テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタル無線伝送システム ARIB STD-B57 2.0版”、[online]、平成26年3月18日改定、一般社団法人 電波産業会(ARIB)、[平成28年7月12日検索]、インターネット〈URL:http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B57v2_0.pdf〉
【非特許文献3】Digital Video Broadcasting (DVB-T2), “Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system (DVB-T2)” ,[online],European Standard ETSI EN 302 755 V1.4.1(2015-07)、[平成28年7月12日検索]、インターネット<URL: http://www.etsi.org/deliver/etsi_en/302700_302799/302755/01.04.01_60/en_302755v010401p.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
上述したように、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)では、畳込み型の時間インターリーブ処理を使用しており、長い時間のインターリーブ長(遅延量)を容易に実現できる利点や、受信側ではキャリアの逆順にキャリア毎のバッファ処理を行うだけで復元できることから、処理時間とインターリーブバッファのバッファサイズの見積りも容易になるという利点がある。
【0026】
一方で、当該現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)における畳込み型の時間インターリーブ処理は、長い時間のインターリーブ長(遅延量)を実現することに主眼を置いており、短い時間のインターリーブ長ではほとんどキャリアが分散されないという問題がある。
【0027】
特に、低遅延の伝送が必要な場合や、TDD(時分割複信)による短時間で送受信を切り替えるような信号伝送の場合、短くきめ細かい時間インターリーブ長を設定し効果的に機能させる必要がある。このような場合、当該現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)における畳込み型の時間インターリーブ処理では、短い時間のインターリーブ処理を設定しようとしても(セル長I≦1)、隣り合う複数キャリアごとに1シンボルずつ時間軸をずらすことになるため、この時間インターリーブ処理のみでは十分に分散することができない。
【0028】
そして、上述したように、図4に示す畳込み時間インターリーバ103におけるインターリーブバッファ1031内の各シンボルバッファのセル長Iは小数点以下切り上げとして設定されるため、短い時間のインターリーブ長の場合、いずれのシンボルもほとんどずれず分散されにくいという問題もある。このため、当該現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に基づく送信装置100では、周波数インターリーブ処理を併用させて分散させるように構成されているが、時間インターリーブ処理により短い時間のインターリーブ長にも対応できるような処理とすることが、より望ましい。
【0029】
そこで、非特許文献3に開示されるように、短い時間でも問題なく、時間フレームに同期する形で、時間軸と周波数軸に対して優れたインターリーブ処理を行う方式として、時間軸と周波数軸を2次元で逆転して出力する2次元時間インターリーブ処理を、当該現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に対し適用することが考えられる。
【0030】
しかしながら、この2次元時間インターリーブ処理は、送信側・受信側で2次元のインターリーブ・デインターリーブ処理をする必要が生じ、既存の畳込み時間インターリーバ103の上述した利点が失われ、処理時間とインターリーブバッファのバッファサイズが大きくなるという問題がある。
【0031】
従って、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に対し、適用する時間インターリーブ処理に関して更なる工夫が必要となる。
【0032】
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、処理時間とインターリーブバッファのバッファサイズを増大させることなく、短い時間から長い時間までインターリーブ長を設定可能とする時間インターリーブ処理を可能とするOFDM伝送方式の送信装置及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の送信装置は、放送素材用のデジタルデータの無線伝送装置として構成されるOFDM方式の送信装置であって、伝送するデータに対し最大の時間インターリーブ長を指定インターリーブ長として制限し、セル長の値に相当するシンボル数で、OFDM変調のキャリアを時間軸上で分散させるよう畳込みインターリーブ処理を行うリミット付き畳込み時間インターリーバを備え、前記リミット付き畳込み時間インターリーバは、前記OFDM変調のキャリアの本数をN、前記セル長をI、及び前記指定インターリーブ長をLとしたとき、キャリア番号k(k=0,1,2,…,N−1)のキャリア毎に、(I×(k−1))mod Lの長さのシンボルバッファを含むインターリーブバッファにより構成され、前記指定インターリーブ長Lは、OFDM変調のシンボル数で設定するものとし、前記セル長Iは、1以上の整数とし、前記指定インターリーブ長Lの長さに応じて、I× (k−1) > Lとなるように設定するものとし、前記リミット付き畳込み時間インターリーバは、前記指定インターリーブ長Lの長さに関わらず、周波数軸で隣接するキャリアを必ずセル長Iシンボルずつずらすように設定し、前記指定インターリーブ長L及び前記セル長Iの設定により制限した遅延で当該隣接するキャリアにおける時間軸を分散するようにしたことを特徴とする。
【0036】
更に、本発明の受信装置は、送信側として本発明の送信装置から伝送される信号を受信して復号する、放送素材用のデジタルデータの無線伝送装置として構成されるOFDM方式の受信装置であって、送信側で伝送するデータに対し最大の時間インターリーブ長を指定インターリーブ長として制限し、セル長の値に相当するシンボル数で、OFDM変調のキャリアを時間軸上で分散させるよう畳込みインターリーブ処理を施されたデータに対し、該畳込みインターリーブ処理の逆処理を行うリミット付き畳込み時間デインターリーバを備え、前記リミット付き畳込み時間デインターリーバは、前記OFDM変調のキャリアの本数をN、前記セル長をI、及び前記指定インターリーブ長をLとしたとき、キャリア番号k(k=0,1,2,…,N−1)のキャリア毎に、(I×(k−1))mod Lの長さのシンボルバッファを含むインターリーブバッファにより構成され、前記指定インターリーブ長Lは、送信側と対応するOFDM変調のシンボル数で設定するものとし、前記セル長Iは、送信側と対応する1以上の整数とし、送信側と対応する前記指定インターリーブ長Lの長さに応じて、I× (k−1) > Lとなるように設定するものとし、前記リミット付き畳込み時間デインターリーバは、送信側における前記リミット付き畳込み時間インターリーバの逆処理を行い、送信側と対応する前記指定インターリーブ長L及び前記セル長Iの設定により制限した遅延で送信側における当該隣接するキャリアにおける時間軸の分散を戻すようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、処理時間とインターリーブバッファのバッファサイズを増大させることなく、短い時間から長い時間までインターリーブ長を設定可能とする時間インターリーブ処理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明による一実施形態の送信装置及び受信装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明に係るリミット付き畳込み時間インターリーバの概略構成を示す図である。
図3】従来方式の現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に基づく送信装置及び受信装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】従来方式の畳込み時間インターリーバの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の送信装置及び受信装置について、詳細に説明する。
【0042】
図1は、本発明による一実施形態の送信装置10及び受信装置20の概略構成を示すブロック図である。
【0043】
(送信装置)
図1に示す送信装置10は、誤り訂正符号化器11、ビット・周波数インターリーバ12、リミット付き畳込み時間インターリーバ13、変調部14、及び周波数変換部15を備える。
【0044】
誤り訂正符号化器11は、188バイトのTSパケットのデータストリームを入力し、内符号に畳込み符号を使用し外符号にリードソロモン(RS)符号を使用して、誤り訂正処理を施し、ビット・周波数インターリーバ12に出力する。尚、この内符号と外符号の連接符号間に外インターリーバ(バイト単位で畳込みを行うバイトインターリーバ)が設けられているが、その図示を省略している。
【0045】
尚、内符号として畳込み符号とする代わりに、LDPC符号やターボ符号とすることができる。また、外符号としてリードソロモン(RS)符号とする代わりに、BCH符号とすることができる。更に、外インターリーバの構成は、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に基づくものとすることができるが、これに限定する必要はない。
【0046】
ビット・周波数インターリーバ12は、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)と同様に、ビットインターリーブ処理、及び周波数インターリーブ処理からなる内インターリーバとして構成され、それぞれのインターリーブ処理を施したビット列(シンボル)をリミット付き畳込み時間インターリーバ13に出力する。
【0047】
リミット付き畳込み時間インターリーバ13は、ビット・周波数インターリーバ12と共に内インターリーバの1つとして構成され、最大の時間インターリーブ長を制限しセル長Iの値に相当するシンボル数で、OFDM変調のキャリアを時間軸上で分散させるよう畳込みインターリーブ処理を行い、変調部14に出力する。リミット付き畳込み時間インターリーバ13の処理の詳細は後述する。
【0048】
変調部14は、伝送するシンボルについて所定のキャリア変調方式のキャリアに応じて直交平面へのマッピングを行い、各キャリアが互いに直交するようOFDMフレームを構成し、各キャリアを多重したOFDM信号を生成し、周波数変換部15に出力する。
【0049】
周波数変換部15は、変調部14から得られる中間周波数帯のOFDM信号を伝送用の高周波数帯へとシフト変換して変調信号を生成し外部に出力する。
【0050】
即ち、本発明に係る送信装置10は、図3に示す現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に対応する送信装置100と比較して、畳込み時間インターリーバ103を設ける代わりに、リミット付き畳込み時間インターリーバ13を設ける構成としている点で相違しており、その他の構成要素は同様とすることができる。
【0051】
(受信装置)
一方、図1に示す受信装置20は、周波数変換部21、復調部22、リミット付き畳込み時間デインターリーバ23、ビット・周波数デインターリーバ24、及び誤り訂正復号器25を備える。
【0052】
周波数変換部21は、送信装置10から伝送される変調信号を受信して中間周波数帯のOFDM信号に変換し復調部22に出力する。
【0053】
復調部22は、中間周波数帯のOFDM信号に対しOFDM復調処理を施しリミット付き畳込み時間デインターリーバ23に出力する。
【0054】
リミット付き畳込み時間デインターリーバ23は、送信側のリミット付き畳込み時間インターリーブ処理に対する逆処理を施しビット・周波数デインターリーバ24に出力する。
【0055】
ビット・周波数デインターリーバ24は、リミット付き畳込み時間デインターリーバ23の処理後に、送信側の時間インターリーブ処理、及び時間インターリーブ処理の逆処理を施し、誤り訂正復号器25に出力する。
【0056】
誤り訂正復号器25は、送信側の誤り訂正符号化器11による連接符号の復号処理を施し、188バイトのTSパケットのデータストリームを復元する。
【0057】
即ち、本発明に係る受信装置20は、図3に示す現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に対応する受信装置200と比較して、畳込み時間デインターリーバ23を設ける代わりに、リミット付き畳込み時間デインターリーバ23を設ける構成としている点で相違しており、その他の構成要素は同様とすることができる。
【0058】
(リミット付き畳込み時間インターリーバ)
次に、図2を参照して、本発明に係るリミット付き畳込み時間インターリーバ13について詳細に説明する。図2は、本発明に係るリミット付き畳込み時間インターリーバ13の概略構成を示す図である。
【0059】
リミット付き畳込み時間インターリーバ13は、ビット・周波数インターリーバ12と共に内インターリーバの1つとして構成され、最大の時間インターリーブ長を制限しセル長Iの値に相当するシンボル数で、OFDM変調のキャリアを時間軸上で分散させるよう畳込みインターリーブ処理を行う。
【0060】
リミット付き畳込み時間インターリーバ13の実装上の概略構成としては、キャリア番号k(k=0,1,2,…,N−1)のキャリア毎に、(I×(−1))mod Lの長さのシンボルバッファを含むインターリーブバッファ131により構成される。ここで、Nは、キャリア本数、Iはセル長、Lは指定インターリーブ長である。
【0061】
即ち、リミット付き畳込み時間インターリーバ13は、インターリーブバッファ131に、キャリア番号順に、(I×(−1))mod Lの長さのシンボルバッファへと入力信号が入力され、先頭のキャリア番号のシンボルの出力時刻tから指定インターリーブ長Lの遅延となるキャリア番号のシンボルの出力時刻tまで、セル長Iの値に相当するシンボル数で遅延して出力する処理を繰り返すようになっている。
【0062】
そして、リミット付き畳込み時間インターリーバ13のハードウェア構成としては、図4に示す畳込み時間インターリーバ103におけるインターリーブバッファ1031と同様にシンボルバッファ列で構成されるため、長い時間のインターリーブ長(遅延量)を容易に実現できる利点や、受信側ではキャリアの逆順にキャリア毎のバッファ処理を行うだけで復元できることから、処理時間とインターリーブバッファ131のバッファサイズの見積りも容易になるという利点を損なっていない。
【0063】
一方で、リミット付き畳込み時間インターリーバ13は、指定インターリーブ長Lをリミットとして、OFDM変調のN本のキャリアの信号をセル長Iの値に相当するシンボル数で、時間軸上で分散させるようにしている。
【0064】
ここで、セル長Iは1以上の整数で設定する。指定インターリーブ長Lは、OFDM変調のシンボル数で設定する。
【0065】
また、指定インターリーブ長Lの長さに応じて、I× (−1) > Lとなるようにセル長Iを設定する。
【0066】
このような構成のリミット付き畳込み時間インターリーバ13とすることで、従来方式とは異なり、周波数軸で隣接するキャリアは必ずセル長Iシンボルずつずらすことになる。この場合、低遅延が要求される短い時間のインターリーブであっても隣接するキャリアで時間軸が分散されるため、周波数軸のインターリーブを適用しなくても一定の分散を見込むことができる。これは、受信ダイバーシティやマルチアンテナ(MIMO:Multiple-Input and Multiple-Output)伝送など、時間インターリーブ長を短くしても大きな伝送改善効果が得られる伝送において、有効になる。
【0067】
また、リミット付き畳込み時間インターリーバ13では、時間インターリーブ長が長い場合も、指定する時間インターリーブ長のOFDMシンボル数であるLで除算した余りをシンボルバッファ長とすることから、確実にLを超えない態様で時間軸上の分散が可能となる。
【0068】
また、リミット付き畳込み時間インターリーバ13では、Lを時間フレーム長とすればTDDによる伝送のように、送受信時のOFDMシンボル数を明確に規定できるため、時間インターリーブ長と時間フレーム長を合わせ込むことも容易になる。
【0069】
尚、リミット付き畳込み時間デインターリーバ23の構成は、リミット付き畳込み時間インターリーバ13と同様に構成することができる。
【0070】
従って、リミット付き畳込み時間インターリーバ13及びリミット付き畳込み時間デインターリーバ23では、キャリアごとに送受信するキャリア本数の合計で同一となるバッファ処理、及びインターリーブバッファ131のバッファサイズとすればよいため、非特許文献3に開示されるような2次元時間インターリーブよりも処理時間(或いは処理負担)とインターリーブバッファのバッファサイズを削減することができる。
【0071】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。従って、本発明に係る送信装置及び受信装置は、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、処理時間とインターリーブバッファのバッファサイズを増大させることなく、短い時間から長い時間までインターリーブ長を設定可能とする時間インターリーブ処理が実現されるので、OFDM伝送方式の送信装置及び受信装置の用途に有用である。
【符号の説明】
【0073】
10 送信装置
11 誤り訂正符号化器
12 ビット・周波数インターリーバ
13 リミット付き畳込み時間インターリーバ
14 変調部
15 周波数変換部
20 受信装置
21 周波数変換部
22 復調部
23 リミット付き畳込み時間デインターリーバ
24 ビット・周波数デインターリーバ
25 誤り訂正復号器
100 送信装置
101 誤り訂正符号化器
102 ビット・周波数インターリーバ
103 畳込み時間インターリーバ
104 変調部
105 周波数変換部
131 インターリーブバッファ
200 受信装置
201 周波数変換部
202 復調部
203 畳込み時間デインターリーバ
204 ビット・周波数デインターリーバ
205 誤り訂正復号器
1031 インターリーブバッファ
図1
図2
図3
図4