特許第6800175号(P6800175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6800175電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800175
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/064 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
   H02G15/064
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-66549(P2018-66549)
(22)【出願日】2018年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-180107(P2019-180107A)
(43)【公開日】2019年10月17日
【審査請求日】2019年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】横田 裕貴
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−105409(JP,A)
【文献】 実開昭52−136191(JP,U)
【文献】 特開平07−255113(JP,A)
【文献】 特開2009−100646(JP,A)
【文献】 特開2007−159271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/00−15/196
H02G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブルにエポキシ座及びストレスコーンを含むプレハブ構造体を設置するための電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具であって、
起立した前記電力ケーブルの上端部に取り付け可能な上部固定板と、
前記上部固定板に取り付け可能で、前記上部固定板から垂下する垂下体と、
前記垂下体の下側に吊り下げ可能で、前記エポキシ座を保持する保持部と、
を備え、
前記保持部には、前記電力ケーブルを挿通するための貫通孔が設けられていることを特徴とする電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具。
【請求項2】
前記垂下体は、全ねじボルトで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具。
【請求項3】
前記保持部は、胴管の上側と下側にそれぞれ上側フランジと下側フランジを有しており、前記胴管と前記上側フランジと前記下側フランジとで前記エポキシ座を収納して保持するように構成されており、
前記上側フランジに、前記垂下体を取り付けるためのねじ穴が設けられており、
前記下側フランジに、前記エポキシ座が取り付けられており、
前記上側フランジ及び前記下側フランジに、それぞれ前記貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具。
【請求項4】
終端接続箱を構成する部材を前記エポキシ座に取り付ける際に用いられる前記エポキシ座のボルト穴がボルト締めされて、前記エポキシ座が前記下側フランジに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具。
【請求項5】
前記下側フランジは、複数の部分に分解できるように構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具。
【請求項6】
電力ケーブルにエポキシ座及びストレスコーンを含むプレハブ構造体を設置して前記電力ケーブルの終端接続箱を設置する終端接続箱の設置方法であって、
上部固定板が、起立させた前記電力ケーブルの上端部に取り付けられ、垂下体が前記上部固定板から垂下され、前記垂下体の下側に前記エポキシ座を保持する保持部が吊り下げられ、前記エポキシ座が前記電力ケーブルの露出された絶縁体層の周囲に配置された状態で、
前記電力ケーブルの前記絶縁体層と前記エポキシ座との間にストレスコーンを下側から上向きに押し込んで、前記電力ケーブルに前記プレハブ構造体を設置するプレハブ構造体設置工程と、
前記電力ケーブルへの前記プレハブ構造体の設置後、前記電力ケーブルから前記上部固定板、前記垂下体及び前記保持部を取り外す治具取り外し工程と、
を含むことを特徴とする終端接続箱の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力ケーブルの終端接続箱を設置する場合、従来は、例えば以下のようにして設置されていた(例えば特許文献1参照)。
図8は、従来の電力ケーブルの終端接続箱の構成を表す、電力ケーブルの中心軸に沿った面についての断面図である。なお、電力ケーブル50や終端接続箱100の構造は、基本的に電力ケーブル50の中心線回りに同一構造であるため、図8では、当該中心線より右側の図示が省略されている。また、作業の手順に多少の前後はあり得る。
【0003】
図8に示すように、まず、地上に設置された架台101に支持碍子102や取付金具103等を取り付けて足場を組み立て、取付金具103上に、円筒状のシールパイプ104を取り付ける。シールパイプ104の上端部には、略円筒状のエポキシ座105が設けられており、シールパイプ104と一体的に形成されている。
一方、導体(図8では図示省略)や絶縁体層52を露出させた電力ケーブル50にストレスコーン(以下、ストコンと略す。)106や押し金具107、アダプタ109を挿通させて下側にかわしておき、電力ケーブル50を取付金具103に挿通させて起立させる。その際、エポキシ座105が電力ケーブル50の絶縁体層52の周囲に配置される。
【0004】
そして、アダプタ109を持ち上げてストコン106と押し金具107を持ち上げ、ストコン106をエポキシ座105の内側に配置する。そして、アダプタ109の下端部にあらかじめ取り付けられているスプリング110の下端の座金111にナット112が下側から当接するようにボルト113を取付金具103に取り付ける。
そして、ナット112を締め付けてスプリング110の弾発力でアダプタ109を押し上げることで押し金具107が押し上げられ、ストコン106が押し金具107に押されて上方に移動して、ストコン106が電力ケーブル50の絶縁体層52とエポキシ座105との間に食い込む。
【0005】
そのため、ストコン106と電力ケーブル50の絶縁体層52との間、及びストコン106とエポキシ座105との間の面圧がそれぞれ上昇していき、面圧が規定の面圧になったところでナット112の締め付けを止める。
このようにして、エポキシ座105とストコン106と電力ケーブル50の絶縁体層52とが互いに規定の面圧で押圧し合う状態になって、プレハブ構造体108が電力ケーブル50に設置される。
【0006】
その後、電力ケーブル50やスプリング110等を覆うようにケーブル保護金具114が取り付けられたり、ケーブル保護金具114の下端部を防食用のテープ115で巻いたり、ケーブル保護金具114に接地線116を付けたりする。
そして、図示を省略するが、電力ケーブル50の導体に導体引出棒を取り付けたり、電力ケーブル50や、エポキシ座105やストコン106等のプレハブ構造体108を覆うように碍管117を被せたり、碍管117と電力ケーブル50やシールパイプ104との間に絶縁オイルを注入する等して、終端接続箱100が設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−159271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電力ケーブル50に印加される電圧が高電圧になると、エポキシ座105やストコン106等のプレハブ構造体108を電力ケーブル50に設置する位置が高くなる。
そして、そのような場合に図8に示した従来の構造を採用すると、上端部でエポキシ座105を固定するシールパイプ104を長くしなければならないが、長い分だけシールパイプ104が重くなり施工がしづらくなる。
【0009】
また、ストコン106等の位置が高くなる分、スプリング110を高い位置に移動させなければならなくなる。その場合、スプリング110が円筒状のシールパイプ104の内部に入り込む状態になるが、作業者がシールパイプ104内に手や腕を入れて作業を行うことは、実際上、困難である。
そのため、従来と同様にスプリング110を取付金具103付近等の低い位置に配置することが必要になり、アダプタ109を長くせざるを得なくなる。
【0010】
しかし、そのように構成すると、シールパイプ104の場合と同様に、長くなる分だけアダプタ109が重くなり、スプリング110でアダプタ109を押し上げることが難しくなるなど、施工がしづらくなる。また、シールパイプ104の場合も同様であるが、アダプタ109が長くなる分だけコストも余計にかかる。
また、アダプタ109が長くなると、アダプタ109を事前に電力ケーブル50の下側にかわしておくことができるようにするために、電力ケーブル50の下側に直線状の長いケーブル区間が必要になるが、実際上、そのようなケーブル区間をとれない場合も少なくない。
【0011】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、プレハブ構造体を電力ケーブルの高い位置に設置する場合でもプレハブ構造体を容易かつ確実に設置することを可能とする電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
電力ケーブルにエポキシ座及びストレスコーンを含むプレハブ構造体を設置するための電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具であって、
起立した前記電力ケーブルの上端部に取り付け可能な上部固定板と、
前記上部固定板に取り付け可能で、前記上部固定板から垂下する垂下体と、
前記垂下体の下側に吊り下げ可能で、前記エポキシ座を保持する保持部と、
を備え、
前記保持部には、前記電力ケーブルを挿通するための貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具において、前記垂下体は、全ねじボルトで構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具において、
前記保持部は、胴管の上側と下側にそれぞれ上側フランジと下側フランジを有しており、前記胴管と前記上側フランジと前記下側フランジとで前記エポキシ座を収納して保持するように構成されており、
前記上側フランジに、前記垂下体を取り付けるためのねじ穴が設けられており、
前記下側フランジに、前記エポキシ座が取り付けられており、
前記上側フランジ及び前記下側フランジに、それぞれ前記貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具において、終端接続箱を構成する部材を前記エポキシ座に取り付ける際に用いられる前記エポキシ座のボルト穴がボルト締めされて、前記エポキシ座が前記下側フランジに取り付けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具において、前記下側フランジは、複数の部分に分解できるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、
電力ケーブルにエポキシ座及びストレスコーンを含むプレハブ構造体を設置して前記電力ケーブルの終端接続箱を設置する終端接続箱の設置方法であって、
上部固定板が、起立させた前記電力ケーブルの上端部に取り付けられ、垂下体が前記上部固定板から垂下され、前記垂下体の下側に前記エポキシ座を保持する保持部が吊り下げられ、前記エポキシ座が前記電力ケーブルの露出された絶縁体層の周囲に配置された状態で、
前記電力ケーブルの前記絶縁体層と前記エポキシ座との間にストレスコーンを下側から上向きに押し込んで、前記電力ケーブルに前記プレハブ構造体を設置するプレハブ構造体設置工程と、
前記電力ケーブルへの前記プレハブ構造体の設置後、前記電力ケーブルから前記上部固定板、前記垂下体及び前記保持部を取り外す治具取り外し工程と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プレハブ構造体を電力ケーブルの低い位置に設置する場合は勿論、高い位置に設置する場合でもプレハブ構造体を容易かつ確実に設置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具の全体構成を表す図である。
図2図1の設置用治具を電力ケーブルに取り付けた状態を表す図である。
図3】保持部の構成を表す断面図である。
図4】支持碍子や取付金具、起立させた電力ケーブルを表す断面図である。
図5】電力ケーブルの絶縁体層とエポキシ座との間にストコンを下側から押し込む状態等を表す断面図である。
図6】エポキシ座に取り付けたケーブル保護金具21に接地線を付ける等した状態を表す断面図である。
図7】本実施形態に係る電力ケーブルの終端接続箱の構成を表す断面図である。
図8】従来の電力ケーブルの終端接続箱の構成を表す、電力ケーブルの中心軸に沿った面についての断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本実施形態に係る電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態や図示例に限定するものではない。
【0021】
[電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具]
電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具は、後述するように電力ケーブルにエポキシ座及びストレスコーンを含むプレハブ構造体を設置するために用いられる治具である。図1は本実施形態に係る電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具の全体構成を表す図である。なお、以下では、電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具を、単に治具と略す。
治具1は、上部固定板2と、垂下体3と、保持部4とを備えて構成されている。
【0022】
本実施形態では、上部固定板2は、金属製の円盤状に形成されており、電力ケーブル50へのプレハブ構造体の設置施工時には、図2に示すように、起立させられた電力ケーブル50の上端部に取り付けることができるようになっている。
具体的には、上部固定板2には、円盤の中心部にねじ穴2Aが設けられている。また、電力ケーブル50の上端部で導体51に取り付けられた導体引出棒53にもねじが切られており、導体引出棒53とねじ穴2Aとが螺合されることで、上部固定板2が導体引出棒53に螺着されるようになっている。
【0023】
上部固定板2の周縁部には、所定個数のねじ穴2Bが設けられており、ねじ穴2Bに垂下体3を取り付けて、上部固定板2から垂下体3を垂下させることができるようになっている。
本実施形態では、垂下体3は、長尺の全ねじボルトで構成されている。このように構成することで、垂下体3と上部固定板2を垂下体3の任意の位置で螺合させて上部固定板2と後述する保持部4との距離を任意の距離に調整することが可能となり、後述するように垂下体3の下側に吊り下げられている保持部4の位置(高さ。以下同じ。)すなわち保持部4に保持されているエポキシ座11の位置を任意の位置に調整することが可能となる。
【0024】
また、垂下体3は、図示しない継ぎナットで継いでいくことで、必要に応じてその長さを延長することができるようになっている。
なお、図1図2では、垂下体3が4本取り付けられている場合が示されているが、垂下体3の本数は4本に限定されず、上部固定板2に取り付ける垂下体3の本数は適宜決められる。
【0025】
垂下体3の下側に、エポキシ座11を保持する保持部4が吊り下げられるようになっている。
本実施形態では、保持部4は、図3に示すように、胴管41の上側と下側にそれぞれ上側フランジ42と下側フランジ43を有しており、胴管41と上側フランジ42と下側フランジ43とでエポキシ座11を収納して保持するように構成されている。
【0026】
保持部4の胴管41の上端部には、平板状の上側フランジ42が取り付けられている。本実施形態では、上側フランジ42は胴管41と一体成形されている。
上側フランジ42には、中心部に貫通孔4Aが設けられており、電力ケーブル50へのプレハブ構造体の設置施工時には、貫通孔4Aに電力ケーブル50(絶縁体層52)が挿通されるようになっている。
また、上側フランジ42の周縁部には、所定個数のねじ穴4Bが設けられており、これらのねじ穴4Bを垂下体3に螺合させることで、上側フランジ42に垂下体3を取り付けることができるようになっている。
【0027】
なお、上側フランジ42のねじ穴4Bやそれと螺合する垂下体3の部分のねじの向きが、前述した上部固定板2のねじ穴2Bやそれと螺合する垂下体3の部分のねじの向きと逆になるように構成することが可能である。すなわち、例えば、上部固定板2のねじ穴2Bと螺合する垂下体3の部分のねじの向きが右ねじであれば、上側フランジ42のねじ穴4Bと螺合する垂下体3の部分のねじの向きが左ねじになるように構成することが可能である。
このように構成すれば、垂下体3を軸周りに回すことで、上側フランジ42すなわち保持部4を上部固定板2に近づけたり遠ざけたりすることが可能となる。そのため、垂下体3を軸周りに回すだけで、電力ケーブル50に対する保持部4の位置すなわちエポキシ座11の位置を容易かつ的確に調整することが可能となる。
【0028】
一方、本実施形態では、保持部4の胴管41の下端部には、内向きに補助フランジ44が設けられており、補助フランジ44に下側から下側フランジ43が取り付けられている。
下側フランジ43にも、中心部に貫通孔4Cが設けられており、電力ケーブル50へのプレハブ構造体の設置施工時には、貫通孔4Cに電力ケーブル50(絶縁体層52)が挿通されるようになっている。
また、下側フランジ43には孔4Dが設けられており、ボルト4Eを孔4Dに通してボルト締めすることで、下側フランジ43に、エポキシ座11が取り付けられるようになっている。
【0029】
なお、ボルト締めされるエポキシ座11のボルト穴11Aは、後述するように終端接続箱10を構成する部材(すなわちケーブル保護金具21(後述する図6等参照))をエポキシ座11にボルト締めする際に用いられるものである。
そして、本実施形態ではこのボルト穴11Aを利用して、下側フランジ43の孔4Dを介してエポキシ座11のボルト穴11Aがボルト締めされることで、エポキシ座11が保持部4の下側フランジ43に取り付けられるようになっている。
【0030】
また、保持部4の下側フランジ43は、複数の部分に分解することができるように構成されている。
本実施形態では、図3に示すように、下側フランジ43は、2つのフランジ43a、43bに分解できるようになっている。このように構成することの有益な作用効果については、後で説明する。
【0031】
[終端接続箱の設置方法]
次に、電力ケーブル50にエポキシ座11及びストコン(ストレスコーン)14を含むプレハブ構造体16を設置して電力ケーブルの終端接続箱10を設置する終端接続箱の設置方法について説明する。なお、図4以下の各図では、電力ケーブル50の中心線より右側の図示が省略されている。
図4に示すように、地上に設置された架台(図示省略)に支持碍子12や取付金具13等を取り付けて足場を組み立てる。
一方、導体51(図4では図示省略)や絶縁体層52を露出させた電力ケーブル50にストコン14や押し金具15、ケーブル保護金具21(図4では図示省略)を挿通させて下側にかわしておき、電力ケーブル50を取付金具13に挿通させて起立させる。
【0032】
続いて、図2に示したように、エポキシ座11を保持した治具1の保持部4を電力ケーブル50に挿通させ、電力ケーブル50の上端部で導体51に取り付けられた導体引出棒53に上部固定板2を取り付ける。そして、上部固定板2と保持部4に所定本数の垂下体3を取り付ける。
このようにして、図2に示したように、垂下体3が上部固定板2から垂下され、垂下体3の下側にエポキシ座11を保持する保持部4が吊り下げられた状態が形成され、エポキシ座11が電力ケーブル50の露出された絶縁体層52の周囲に配置された状態が形成される。
【0033】
そして、図5に示すように、ストコン14と押し金具15を持ち上げて、ストコン14と押し金具15を、電力ケーブル50の絶縁体層52やエポキシ座11に当接するようにそれらの間に配置する。
そして、エポキシ座11の下側にボルト19を取り付ける。そして、ボルト19のナット20を、押し金具15の下側にあらかじめ取り付けられているスプリング17の座金18に下側から当接させる。
【0034】
そして、この状態で、ナット20を締め付けると、スプリング17の弾発力で押し金具15が押し上げられ、ストコン14が上方に押される。このようにして電力ケーブル50の絶縁体層52とエポキシ座11との間にストコン14を下側から上向きに押し込む。
そのため、ストコン14と電力ケーブル50の絶縁体層52との間、及びストコン14とエポキシ座11との間の面圧がそれぞれ上昇していき、面圧が規定の面圧になったところでナット20の締め付けを止める。
【0035】
そのため、エポキシ座11とストコン14と電力ケーブル50の絶縁体層52とが互いに規定の面圧で押圧し合う状態になる。
本実施形態では、このようにして、電力ケーブル50の絶縁体層52に、エポキシ座11やストコン14、押し金具15等からなるプレハブ構造体16が設置される(以上、プレハブ構造体設置工程)。
【0036】
そして、このようにして電力ケーブル50にプレハブ構造体16が設置されると、その後、治具1は不要となるため、電力ケーブル50から治具1の上部固定板2や垂下体3、保持部4が取り外される(治具取り外し工程)。
具体的には、保持部4の下側フランジ43のボルト4Eを外して、下側フランジ43をエポキシ座11から取り外す。そして、下側フランジ43を胴管41(補助フランジ44)から取り外す。
【0037】
そして、下側フランジ43を電力ケーブル50から取り外すが、その際、本実施形態では、上記のように下側フランジ43が2つのフランジ43a、43b(図3参照)に分解できるようになっている。そのため、下側フランジ43を電力ケーブル50から取り外す際に、下側フランジ43を複数(本実施形態では2つ)の部分に分解して電力ケーブル50から容易に取り外すことが可能となる。
そして、上部固定板2(図2参照)と垂下体3と保持部4とをそれぞれ取り外し、上部固定板2を導体引出棒53から取り外す。そして、保持部4(胴管41と上側フランジ42)を電力ケーブル50から抜き取る。このようにして治具1を電力ケーブル50から取り外す。
【0038】
続いて、図6に示すように、電力ケーブル50の下側にかわしておいたケーブル保護金具21を引き上げて、その上端部をエポキシ座11の下端部に取り付ける。
その際、本実施形態では、前述したようにエポキシ座11を保持部4に取り付けるために用いたエポキシ座11のボルト穴11Aに、ケーブル保護金具21の上端部をボルト22でボルト締めすることで、ケーブル保護金具21をエポキシ座11に取り付けるようになっている。なお、ボルト22としてボルト4Eを使うように構成してもよい。
そして、ケーブル保護金具21の下端部を防食用のテープ23で巻いたり、ケーブル保護金具21に接地線24を付けたりする。
【0039】
そして、電力ケーブル50の上端側(導体引出棒53側)からシールパイプ25を挿通し、図7に示すように、シールパイプ25の上端部をケーブル保護金具21に固定し、シールパイプ25の下端部を取付金具13に固定する。そして、電力ケーブル50やプレハブ構造体16等を覆うように碍管26を被せ、碍管26と電力ケーブル50やシールパイプ25との間に絶縁オイルを注入する。
このようにして、電力ケーブル50の終端接続箱10が設置される。
【0040】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法によれば、起立した電力ケーブル50の上端部に治具1の上部固定板2を取り付け、そこから垂下体3を垂下させて、エポキシ座11を保持する保持部4を電力ケーブル50の所定の位置(高さ。以下同じ。)に配置する。
その際、治具1の上部固定板2と保持部4との距離を任意の距離に調整することでエポキシ座11の位置の調整を任意の位置に調整することが可能となる。
【0041】
そのため、前述した従来の電力ケーブルの終端接続箱100(図8参照)のように、エポキシ座105を所定の位置に配置するために、上端部にエポキシ座105を取り付けたシールパイプ104を持ち上げてエポキシ座105を適切な位置に配置する必要がなくなる。
特に電力ケーブル50に印加される電圧が高電圧になると、エポキシ座やストコン等のプレハブ構造体を電力ケーブル50に設置する位置が高くなり、従来の終端接続箱100では、シールパイプ104が長くなる分だけ重くなり施工しづらくなる。
【0042】
しかし、本実施形態に係る電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法では、上記のように治具1の上部固定板2と保持部4との距離を調整することでエポキシ座11の位置調整を容易かつ的確に行うことが可能となる。
そのため、エポキシ座11等のプレハブ構造体16を電力ケーブル50の低い位置に設置する場合は勿論、高い位置に設置する場合でも、プレハブ構造体16を容易かつ確実に設置することが可能となる。
また、作業者が、現場で、エポキシ座11を保持した状態の保持部4に垂下体3を取り付けて設置施工を行うことが可能となるため、施工作業を容易にかつ楽に行うことが可能となる。
【0043】
また、従来の場合、前述したように、シールパイプ104の内部に手や腕をいれてスプリング110を操作することが困難であるため、押し金具107とスプリング110との間にアダプタ109が必要であった。
しかし、本実施形態に係る電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法では、図5に示したように、スプリング17を操作して押し金具15を押し上げて電力ケーブル50にプレハブ構造体16を設置する際、エポキシ座11や押し金具15の下方には何も設けられていないため、押し金具15にスプリング17等を直接取り付けることができる。
そのため、従来の場合のようなアダプタ109が不要になる分だけ施工が容易になり、コストの低減を図ることも可能となる。
【0044】
さらに、本実施形態では、エポキシ座11は、治具1の保持部4に保持された状態で工場から出荷されるようになっているが、このように構成すれば、エポキシ座11がストコン14等を介して電力ケーブル50の絶縁層52に取り付けられるまでの間は、エポキシ座11が保持部4で保持されて保護された状態で設置施工が行われる。
そのため、設置施工中にエポキシ座11が損傷する等のリスクを的確に低減することが可能となる。
【0045】
一方、従来の終端接続箱100(図8参照)では、スプリング110やケーブル保護金具114等の取り付け位置が低かったため、その位置より下方の部分の電力ケーブル50を曲げて布設するための地下洞道を地下深く掘って設けなければならなかった。
しかし、本実施形態に係る電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具及び終端接続箱の設置方法では、図7等に示したようにスプリング17やケーブル保護金具21等を電力ケーブル50の高い位置に配置することができるため、電力ケーブル50を曲げる位置をより高くすることができる。そのため、電力ケーブル50を布設するための地下洞道を地下深く掘って設ける必要がなく、浅く掘って設けることが可能となるといった有益な作用効果も得られる。
【0046】
なお、本発明が上記の実施形態等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
1 治具(電力ケーブルへのプレハブ構造体の設置用治具)
2 上部固定板
2B ねじ穴
3 垂下体
4 保持部
4A 貫通孔
4C 貫通孔
10 終端接続箱
11 エポキシ座
11A ボルト穴
14 ストコン(ストレスコーン)
16 プレハブ構造体
21 ケーブル保護金具(終端接続箱を構成する部材)
41 胴管
42 上側フランジ
43 下側フランジ
43a、43b フランジ(複数の部分)
50 電力ケーブル
52 絶縁層
53 導体引出棒(電力ケーブルの上端部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8