特許第6800178号(P6800178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6800178設備情報処理装置、設備情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800178
(24)【登録日】2020年11月26日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】設備情報処理装置、設備情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/29 20190101AFI20201207BHJP
   G06F 16/909 20190101ALI20201207BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20201207BHJP
【FI】
   G06F16/29
   G06F16/909
   G01S17/89
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-84361(P2018-84361)
(22)【出願日】2018年4月25日
(65)【公開番号】特開2019-191960(P2019-191960A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2019年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】593154436
【氏名又は名称】アイサンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(72)【発明者】
【氏名】松本 千春
(72)【発明者】
【氏名】本多 竜二
(72)【発明者】
【氏名】後藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】松田 重裕
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 修功
(72)【発明者】
【氏名】西久保 雄介
【審査官】 早川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−078849(JP,A)
【文献】 特開2013−064688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G01S 17/89
G06Q 10/00−99/00
G01C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備データベースに登録してある電柱の識別子情報と、計測により取得した柱状構造物の立体データを突合する設備情報処理装置であって、
前記設備データベースは、電柱の識別子情報と共に位置情報及び予め設定された複数の高さ位置における径情報を含む情報を複数登録し、
前記電柱の位置情報から所定の範囲内に該当する位置情報を有する前記柱状構造物の立体データの径情報を位置情報より優先して比較し、前記設備データベースに登録された電柱の位置情報及び径情報と比較した結果に基づいて、前記柱状構造物の立体データを電柱の識別子と突合する突合処理部を備える、設備情報処理装置。
【請求項2】
前記突合処理部は、柱状構造物の立体データの中心軸の傾き、外周面の中心軸に沿った傾斜角度、及び中心軸方向の長さの少なくとも1つに基づいて、柱状構造物の立体データを電柱の識別子と突合する対象から除外する、請求項1記載の設備情報処理装置。
【請求項3】
前記突合処理部は、複数の柱状構造物の立体データと電柱の識別子との突合結果に基づき、突合した立体データの位置情報と、電柱の識別子と共に設備データベースに登録されている位置情報間の距離の標準偏差を求め、求めた標準偏差が設定した閾値を外れる場合において再突合を行なう、請求項1または2記載の設備情報処理装置。
【請求項4】
前記突合処理部は、予め設定された複数の高さ位置における、前記設備データベースに登録された電柱の径情報と、前記柱状構造物の立体データの径情報とのRMS(二乗平均平方根)値を求め、求めたRMS値が指定した範囲であるか否かに応じて突合対象を絞り込む、請求項1乃至3いずれか記載の設備情報処理装置。
【請求項5】
設備データベースに登録してある電柱の識別子情報と、計測により取得した柱状構造物の立体データを突合する装置での設備情報処理方法であって、
前記設備データベースは、電柱の識別子情報と共に位置情報及び予め設定された複数の高さ位置における径情報を含む情報を複数登録し、
前記電柱の位置情報から所定の範囲内に該当する位置情報を有する前記柱状構造物の立体データの径情報を位置情報より優先して比較し、前記設備データベースに登録された電柱の位置情報及び径情報と比較した結果に基づいて、前記柱状構造物の立体データを電柱の識別子と突合する突合処理工程を有する、設備情報処理方法。
【請求項6】
電柱の識別子情報と共に位置情報及び予め設定された複数の高さ位置における径情報を含む情報を複数登録した設備データベースに登録してある電柱の識別子情報と、計測により取得した柱状構造物の立体データを突合する装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、前記コンピュータを、
前記電柱の位置情報から所定の範囲内に該当する位置情報を有する前記柱状構造物の立体データの径情報を位置情報より優先して比較し、前記設備データベースに登録された電柱の位置情報及び径情報と比較した結果に基づいて、前記柱状構造物の立体データを電柱の識別子と突合する突合処理部、として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測した設備の情報を設備情報データベースに登録された内容と関連付けるのに好適な設備情報処理装置、設備情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電柱、ケーブル、クロージャ等の設備の実際の状態を正確に検出し、さらに検出した設備の実際の状態を判定するための技術が提案されている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−078849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2次元設備データベースには、管理対象設備の一種である電柱について、一意に識別可能な識別子の他、その物理的(地理的)な位置座標を示すXY座標、仕様(高さ、外形)が登録されている。
【0005】
一方3Dモービルマッピングシステムでは、取得した路上の3次元点群データ中から柱状構造物となっている部分を抽出する。抽出した柱状構造物の立体データと、前記2次元設備データベースの内容とで、主として双方の位置情報の相関近似をとることにより、電柱の識別子を柱状構造物の立体データと関連付ける突合処理が実行される。
【0006】
3次元点群データから抽出した柱状構造物の立体データは位置情報を有しているが、設備データベースに登録されている電柱の位置情報は精度が高くないため、突合処理において正しく突合できる率が低かった。
【0007】
本発明は前記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、3次元計測で得た柱状構造物の立体データに対して、高い確率で正しい電柱の識別子との突合を実行することが可能な設備情報処理装置、設備情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、設備データベースに登録してある電柱の識別子情報と、計測により取得した柱状構造物の立体データを突合する設備情報処理装置であって、前記設備データベースは、電柱の識別子情報と共に位置情報及び予め設定された複数の高さ位置における径情報を含む情報を複数登録し、前記電柱の位置情報から所定の範囲内に該当する位置情報を有する前記柱状構造物の立体データの径情報を位置情報より優先して比較し、前記設備データベースに登録された電柱の位置情報及び径情報と比較した結果に基づいて、前記柱状構造物の立体データを電柱の識別子と突合する突合処理部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3次元計測で得た柱状構造物の立体データに対して、高い確率で正しい電柱の識別子との突合を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る管理サーバシステム内の機能回路構成を示すブロック図。
図2】同実施形態に係る主として自動突合部で実行する処理内容を示すフローチャート。
図3】同実施形態に係る[電柱X]の一定半径内の立体データを電柱モデル候補として選出した場合を例示する図。
図4】同実施形態に係る突合済の電柱と電柱モデルとなる立体データ、及びそれぞれの位置間の距離を例示する図。
図5】同実施形態に係る再突合時に電柱Pxと付近の未突合の立体データとの距離に基づいた標準偏差を取得する過程を例示する図。
図6】同実施形態に係る再突合順序の決定時の過程を例示する図。
図7】同実施形態に係る電柱と再突合の対象となる電柱モデルの立体データの関係を例示する図。
図8】同実施形態に係る電柱と再突合の対象となる電柱モデルの立体データの関係を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、柱状構造物である電柱設備の管理サーバシステムに適用した場合の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、前記管理サーバシステム1における機能回路構成を示すブロック図である。同図において、MMS(Mobile Mapping System:モービルマッピングシステム)等の計測機器を用いて、柱状構造物である電柱を含む3次元点群データ(以下「立体データ」と称する)と未加工の画像データ等を含む計測データを、何らかの記録媒体により直接、あるいはインターネットを含む図示しないネットワークを介してデータ解析部10に入力する。
【0013】
データ解析部10においては、計測データ中の画像データが画像変換部11に送られる一方で、同計測データ中の点群データが設備情報取得部12に送られる。
【0014】
前記画像変換部11は、送られてきた未加工の画像データであるRAWデータを、不可逆な圧縮画像データであるJPEG(Joint Photographic Experts Group)データに変換して、データ解析部10外部の後述する操作端末装置21へ送出する。
【0015】
前記設備情報取得部12は、計測データから3次元点群データと、2次元設備データベース20から当該位置領域周辺の情報を読み出し、モデル抽出部13へ出力する。
【0016】
モデル抽出部13は、前記設備情報取得部12を介して読み出した設備情報に基づき、立体データを構成する3次元点群データから電柱と思われる柱状構造物や支線を含むケーブル等を抽出し、さらに各柱状構造物に関しては水平断面の中心点を連結した上で補間、修正することで中心軸のデータを作成し、それらの処理結果を設備状態判定部14へ出力する。
【0017】
設備状態判定部14は、モデル抽出部13で抽出した各柱状構造物について、たわみ・傾き等を定量的に算出し、その処理結果を自動突合部15へ出力する。
【0018】
自動突合部15は、前記モデル抽出部13で抽出した各柱状構造物のデータに関して、前記設備データベース20から読み出した設備情報を参照して、位置情報と構造物としての特徴とから電柱の識別情報として識別子、すなわち電柱名称を順次突合し、それら突合結果を手動修正部16へ出力する。
【0019】
オペレータが操作する操作端末装置21においては、前記自動突合部15で自動的な突合を行なうことができなかった柱状構造物も含んだ全ての柱状構造物と、自動突合した電柱の識別情報、及び前記画像変換部11から送られてきたJPEGデータ化された画像データが表示される。手動修正部16では、オペレータが各種データを参照しながら、端末装置を操作し適宜自動突合した電柱の識別情報を修正する。
【0020】
計測結果診断部17では、各柱状構造物の電柱名称、設備状態計測結果の参照、前記画像変換部11から送られてきた画像データ、各柱状構造物の位置情報等が参照できる。
【0021】
次に前記実施形態の動作について説明する。
【0022】
図2は、主として前記自動突合部15で実行する処理内容を示すフローチャートである。同図において、その当初に自動突合部15では、前記設備情報取得部12、モデル抽出部13を介して入力される柱状構造物の立体データに基づき、前記設備データベース20から読み出した設備情報中から、突合を行なう対象となる電柱を1つ選出する(ステップS101)。
【0023】
自動突合部15は、未突合の電柱を選出することができたか否かにより、一通りの突合処理を終えたか否かを判断する(ステップS102)。
【0024】
未突合の電柱を選出することができ、突合処理をまだ終えていないと判断すると(ステップS102のYes)、次に自動突合部15は、この選出した電柱の座標位置に対し、第1の指定距離、例えば10[m]以内の位置情報を有する柱状構造物の立体データを収集して、電柱の突合対象となる電柱モデル候補に選出する(ステップS103)。
【0025】
図3は、設備データベース20から選出した[電柱X]の位置座標から一定半径、例えば10[m]以内の位置情報を有する柱状構造体の立体データ[Pole1]〜[Pole4]を電柱モデル候補として選出した場合を例示する図である。
【0026】
こうして選出したモデル候補の立体データに対し、主として前段のモデル抽出部13で作成した中心軸のデータに基づき、
(1)中心軸の傾きが鉛直方向から有効範囲以上傾いているもの
(2)柱長(中心軸の長さ)が有効範囲から外れるもの
(3)中心軸に沿った外周面の傾斜角度(テーパ角)が、電柱規格のテーパ角範囲をマージンとなる角度を超えて逸脱しているもの
の少なくとも1つに該当する立体データを、電柱である可能性が著しく低いものとして、モデル候補から除外する(ステップS104)。
なお、前記各条件に用いる各種パラメータの具体的な数値は、プログラムにより容易に変更可能である。
【0027】
次に自動突合部15は、前記選出した電柱の、地面から所定の複数高さ位置、例えば2[m]、3[m]、4[m]での半径を設備データに基づいて算出する(ステップS105)。
【0028】
ここで、電柱の所定の複数高さ位置、例えば2[m]、3[m]、4[m]での半径については、まず電柱Xに関連づけされているデータ[電柱長、末口径、元口径]に基づいて、次式
「(元口径−末口径)/高さ」
により当該電柱のテーパ角を求めた上で、前記高さ2[m]、3[m]、4[m]での半径を、前記算出したテーパ角を用いて、次式
「元口径−H(高さ)×テーパ角」
により求める。
【0029】
さらに自動突合部15は、前記電柱と対応して、前記除外処理後に残ったモデル候補となる各柱状構造物の立体データに対しても、それぞれ地面から所定の複数高さ位置、例えば2[m]、3[m]、4[m]での半径を算出する(ステップS106)。この半径の算出に際しては、各高さ位置において、前記モデル抽出部13で作成した中心軸位置から3次元点群データによる外径位置までの値を求める。
【0030】
前記ステップS105で算出した電柱の所定の複数高さ位置での半径と、前記ステップS106で算出したモデル候補となる各立体データの所定の複数高さ位置での半径とのRMS(Root Mean Square:二乗平均平方根)値を求める(ステップS107)。
【0031】
自動突合部15は、求めたRMS値が最も小さい電柱モデルの立体データと、そのRMS値から指定範囲内、例えば10[mm]以内の電柱モデルであれば正しい突合対象モデルの可能性があるものとして突合対象候補とする。その候補の中から最も位置情報の誤差が少ない電柱モデルに電柱Xの識別子、すなわち当該電柱の名称を設定する突合処理を行なう(ステップS108)。
【0032】
その後に自動突合部15は、次の電柱に対して同様の処理を実行するべく、前記ステップS101からの処理に戻る。
【0033】
こうして前記ステップS101〜S108の処理を、設備データベース20から読み出した電柱の数分だけ繰返し実行し、一通りの突合処理を終える。
【0034】
さらに前記ステップS101で突合対象の電柱を選出する処理を実行した場合、続くステップS102において、未突合の電柱を選出することができず、突合処理を一通り終えたものと判断すると(ステップS102のNo)、次に自動突合部15は、あらためてその時点でもそれまで突合したすべての電柱と、突合した立体モデルとの位置間の距離の平均、及び分散を計算し、再突合処理のためのしきい値、例えば[平均値+1σ]を算出する(ステップS109)。
【0035】
図4は、すでに突合済みの[電柱X]と電柱モデルの立体データ[Pole01]、[電柱Y]と電柱モデルの立体データ[Pole02]を、それぞれの位置間の距離である矢印と共に例示する図である。
【0036】
前述した如く、突合済みの各組合わせの距離から平均値と分散値σを算出することで、再突合を行なうか否かの判断基準となるしきい値として[平均値+1σ]を設定することで、このしきい値より距離が大きい突合結果を解除して、再突合を行なう対象とする。
【0037】
ここで前記突合結果中から、電柱と立体モデルの位置間の距離が、前記しきい値を超えた電柱の名称に関しては、再突合処理を行なう対象として選択する(ステップS110)。これは、換言すると、再突合の処理対象となった電柱の名称に関しては、突合済みの柱状構造物の立体データとの関係を解除するものである。
【0038】
加えて、前記突合を解除した立体データの近くの電柱名称で、他の立体データと既に突合済みのものがあった場合には、再突合の対象とする。これは、解除された立体モデルが、その近い電柱名称の正しい突合先である場合もあり得るからである。
【0039】
また未突合の電柱名称のうち、例えば半径10[m]以内の近傍に柱状構造物の立体データが存在する場合には、これも再突合の対象とする。
【0040】
次に自動突合部15は、再突合の対象とした電柱名称のそれぞれに対して、再突合の順序を決定する(ステップS111)。
【0041】
ここで自動突合部15は、再突合対象の電柱名称のそれぞれの付近の電柱名称、例えば半径30[m]以内であるか、もしくはケーブルで接続されている他の電柱名称のうち、すでに立体データと突合されているものを取得して、記憶しておく。
【0042】
次に自動突合部15は、付近の電柱名称について、設備データベース20に記憶される位置座標と、突合済みの立体データの位置座標との差に基づいて標準偏差を求める。
【0043】
そして、再突合処理の対象となる電柱名称の集合を、前記標準偏差が小さいものから優先して処理するために、標準偏差が小さい順に従ってソートする。
【0044】
図5は、電柱P0(P1,P2,…)のそれぞれについて、付近の立体データと突合済みのものを取得して記憶しておき、突合済みの立体データと、設備データベース20に記憶されている位置座標との差に基づいた標準偏差を取得する過程を例示している。
【0045】
すなわち、図中左側の電柱P1に対し、付近の突合済みの立体データとの距離1、距離2、距離3‥‥からそれらの標準偏差σ1を算出すると共に、図中左側の電池P2に対し、付近の突合済みの立体データとの距離1′、距離2′、距離3′‥‥からそれらの標準偏差σ2を算出する、というように、所定範囲内にある立体データとの距離の標準偏差を順次算出する。
【0046】
自動突合部15は、再突合処理の対象となる電柱名称の集合を作成し、対応する標準偏差が小さい順にソートすることで決定する。
【0047】
次に自動突合部15は、再突合の前処理として、再突合対象とされた電柱名称について、前記作成済みの名称P0の付近の電柱名称と立体データの組を集合{PA}として、当該電柱名称Pxの設備データベース20上での位置座標と各立体データの位置座標とに基づき、電柱名称の位置座標を立体データの位置座標に座標変換するための変換パラメータとして、平行移動、回転、スケールの各値を最小二乗法で算出する(ステップS112)。さらに自動突合部15は、電柱名称P0の座標をこの変換パラメータを用いて変換し、立体データの座標をP0′とする。
【0048】
図6(A)は、集合[PA]=
{(電柱1,pole1),(電柱2,pole2),(電柱3,pole3),(電柱4,pole4),(電柱5,pole5)}
を示す。
【0049】
自動突合部15は、前記電柱1〜電柱5と立体データpole1〜pole5の関係から、電柱P1の座標を算出した変換パラメータに基づいて変換することで、図6(B)に示すような、電柱P1の電柱モデルとなる立体データの推定位置poleP1′を算出する。ここでは電柱P1付近、例えば半径30[m]以内もしくはケーブルで接続されている電柱名称を対象とし、相似変換はヘルマート変換を用いるものとする。
【0050】
自動突合部15は、対象となる電柱名称P0の付近、例えば半径10[m]以内で、且つ突合されていない電柱モデルとなる立体データの集合{PB}を取得する。
【0051】
ただし、以下の条件、すなわち、
(1)電柱仕様が設定されており、立体データの地上部分の高さが設定された仕様の柱長の5/6の半分未満である場合
(2)電柱仕様が設定されており、所定の複数の高さ位置、例えば2[m]、3[m]、4[m]での半径の差から求めたRMSが指定範囲以内、例えば50[mm]以上である場合
(3)電柱仕様が設定されておらず、立体データが明らかに電柱ではない場合
のいずれか少なくとも1つが成立する場合には、当該立体データは突合対象となる電柱ではない可能性がきわめて高いものとして、対象から除外する。
【0052】
図7は、[電柱P1]と突合対象としての電柱モデルとなる立体データpole1,pole2,pole3の集合
{PB}={pole1,pole2,pole3}
の関係を例示する図である。
【0053】
自動突合部15は、電柱モデルとなる立体データそれぞれについて、電柱名称の位置関係から、最も近いものを求めるべく、PBとP0′の間の距離を求める。
【0054】
そして、求めた距離の中で最も値が小さいPBの要素を、設備データベース20に登録されている電柱名称と当該立体データとを対応付ける(ステップS113)。
【0055】
前記再突合により突合済みのものが増えたことにより、他の再突合処理の順序が変わる可能性があるので、電柱名称P0に関連付けられた「付近の電柱名称」に、前述した如く、再度設備データベース20に記憶される位置座標と、突合済みの立体データの位置座標との差に基づいて標準偏差を求めた上で、再突合処理の対象となる電柱名称の集合を、前記標準偏差が小さい順に従ってソートすることで、処理順序を更新設定する。
【0056】
図8は、[電柱P1]と突合対象としての電柱モデルとなる立体データpole1,pole2,pole3の関係を例示する図である。[電柱P1]に対して前記変換パラメータにより変換した位置座標をP′とした場合に、立体データpole1との距離が最小となることにより、再突合を実施する。
【0057】
こうして順次再突合を繰返し実施することにより、すべての電柱名称に対する立体データの再突合を終えると、自動突合部15は以上で前記図2の処理を終了する。
【0058】
なお本実施形態においては、柱状構造物としての電柱に対し、誤って看板や街灯、信号柱、樹木等に突合してしまう処理への対処、及び、突合処理において所定の距離、例えば10[m]以上離れると突合できなかった場合に、付近の電柱モデルとなる立体データを収集する距離を大きく、例えば2倍となる20[m]と設定して再突合処理を行なう場合にも、可能な限り誤突合を回避するための対処として、
(1)地上の所定の複数高さ位置、例えば2[m]、3[m]、4[m]で径サイズを比較して、その差のRMS値のしきい値を設けて判定するようにしたこと
(2)電柱規格としての外周面の中心軸に沿ったテーパ角の範囲を外れるような柱状物体は除外する処理を加えること
としたため、突合処理、及びその後の再突合処理における精度をさらに向上させることができる。
【0059】
以上詳述した如く本実施形態によれば、3次元計測で得た電柱の立体データに対して、高い確率で正しい電柱の識別子との突合を実行することが可能となる。
【0060】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合は組み合わせた効果が得られる。さらに、前記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0061】
1…管理サーバシステム、10…データ解析部、11…画像変換部、12…設備情報取得部、13…モデル抽出部、14…設備状態判定部、15…自動突合部、16…手動修正部、17…計測結果診断部、20…設備データベース(DB)、21…操作端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8