(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記水酸化第四級アンモニウムが、水酸化エチルトリメチルアンモニウム(ETMAH)、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム(DEDMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAM)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化トリブチルメチルアンモニウム、水酸化トリプロピルメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
前記1種以上の有機アミンが、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、アミノエチルエタノールアミン(アミノエチルアミノエタノール、AEAE)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパノール、2メチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2(2−ジメチルアミノ)エチル)メチルアミノ)エタノール、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン)、2(tert−ブチルアミノ)エタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−アミノフェノール、1−アミノ−2−プロパノール、システアミン、グリシン、ジエチレントリアミン、ペンタエチレンヘキサミン、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、エチレンジアミン(En)、1,2−ジアミノプロパン(Pn)、N−エチルエチレンジアミン、モノエタノールアミン(MEA)、ジグリコールアミン(DGA)、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
前記金属抑制剤が、グアニン、キサンチン、ヒポキサンチン、テオフィリン、パラキサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、アデノシン、グアノシン、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるプリンである、請求項1に記載の組成物。
前記金属抑制剤が、シトシン、イソシトシン、葉酸、トリアムテレン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン、6−アミノウラシル、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるピリミジンである、請求項1に記載の組成物。
前記金属抑制剤が、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、2−アミノチアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、6−アセチル−2(3H)−ベンゾチアゾロン、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるチアゾールまたはチアゾリノンである、請求項1に記載の組成物。
(a)半導体ウエハーの化学機械研磨で生じた汚染物質を有する半導体ウエハーを準備することと、(b)前記半導体ウエハーの表面を請求項1の前記組成物と接触させて前記半導体ウエハーの表面から少なくとも一部の前記汚染物質を除去することと、を含む洗浄方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は、化学機械研磨(「CMP])後に半導体ウエハーなどの基板から汚染物質を洗浄するための組成物及び方法を提供する。特に、本発明の洗浄用組成物は、当該技術分野で公知のCMPシステムから生じる汚染物質の一部または全ての除去に適している。例えば、研磨用組成物及び方法由来の残留物は、ベンゾトリアゾール(BTA)、シリカ、または他の研磨粒子、界面活性剤、金属イオン、研磨パッド屑、CMP副生成物(例えば金属イオンの有機配位子付加体)等などの有機化合物の形態で存在し得る残渣を生じさせる場合がある。これらの残留物及び他の汚染物質は、本明細書に開示の洗浄用組成物を使用することによって大幅に低減されるか、除去される。
【0011】
驚くべきことに、そして予想外なことには、有機アミンの形態の強いキレート剤と組み合わせて金属抑制剤を含有する、本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物が、入手可能な洗浄用組成物よりも大幅に向上した洗浄能力、低減されたCMP後の粗さ、及び半導体ウエハーからの低い金属(例えば銅)損失をもたらすことが見出された。いくつかの実施形態においては、少なくとも約10(例えば約10〜14)のpHに調節するために水酸化第四級アンモニウムが含められ、その結果、置換された配位子及び他の有機残留物を最適な洗浄のために溶解させることができる。
【0012】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、有機アミンは通常、基板(例えばウエハー)表面の金属−BTA付加体(例えば銅−BTA付加体)由来のBTAなどの汚染物質を置換または可溶化する能力によって特徴づけられる小さい官能基を有する強いキレート配位子であり、その結果、これらの汚染物質を洗浄時に溶解させることができる。好適な官能基の例としては、NH
2−、アルキル−NH−、SH−、アルキル−SH、R−S−R、OH−、PH
2−、アルキル−PH−、及び/またはC=O、C=NH、C=N−R、C=N−OH、C=S等が挙げられる。例えば、金属(銅)表面上に濃縮されたBTAなどの汚染物質は、「島」、すなわち大部分のBTAと少量の金属(例えば銅)イオンとからなる金属表面上の小さい局在領域、を形成する場合がある。これらの島は比較的大きいため、取り除くのが困難な場合がある。本発明の複数の実施形態は従来の洗浄用組成物と比較してこれらの島の除去により効果的である。
【0013】
本発明は、後述する様々な実施形態において、適切な速度定数を有する反応性の高い及び/または反応性の低い有機アミンを任意の適切な量で包含する。いくつかの実施形態においては、1種以上の反応性の高い有機アミン(類)が、単独でまたは1種以上の反応性の低い有機アミン(類)との組み合わせで含まれる。いくつかの実施形態によれば、本発明者らは、驚くべきことには、そして予想外なことには、当該技術分野で考えられているのとは反対に、少量(例えば、希釈された形態の場合で約0.03重量%未満、または約0.01重量%未満などの約0.04重量%未満)の反応性の高い有機アミンが、有益なことには、金属抑制剤存在下で少ない欠陥及び/または粗さを有しつつもより優れた洗浄能力をもたらすことを発見した。
【0014】
金属抑制剤は、更に、洗浄時にウエハーの表面上での金属の(例えば銅)の溶解を防止して、CMP由来の残留物及び保護されていない汚染物質のみを残すその能力によって特徴づけられると考えられている。金属抑制剤は反応性の高い薬品(例えばアンモニウム塩基、有機アミン、酸素等)による金属表面への望ましくない攻撃を抑える役割を果たす一方で、反応性の高いアミンは、金属−有機化合物付加体から、BTAなどの有機化合物及びCu−BTA付加体などの金属−有機化合物付加体を置換する役割を果たすため、金属抑制剤と有機アミンは協働して効果的に金属半導体表面を洗浄及び保護すると考えられる。議論し易くするために、BTAまたは銅−BTAが有機化合物または金属−有機化合物付加体としてそれぞれ下で言及されることがあるが、特段の指示がない限り、この議論は任意の他の有機化合物または金属−有機化合物付加体にも当てはまることが理解されるであろう。
【0015】
更に、水酸化第四級アンモニウム塩基は半導体ウエハーの金属酸化物(例えば酸化銅)表面上の研磨粒子をより溶解し易くし、その結果研磨粒子を洗浄時に溶解及び/または除去できると考えられている。水酸化第四級アンモニウムは、金属酸化物(例えば酸化銅)表面とその上の研磨粒子の両方を負に帯電させ、その結果研磨粒子が表面及びお互いと反発し合う。洗浄組成物のpHが高いほど、負に帯電した研磨粒子と負に帯電した金属導体表面との間の反発力が高まるため、より粒子の除去ができると考えられる。
【0016】
したがって、本発明は、洗浄用組成物及び関連する使用方法を提供する。いくつかの実施形態においては、組成物は、(a)組成物のpHを約10〜約14のpHに調節するのに有効な量の1種以上の水酸化第四級アンモニウム、(b)1種以上の有機アミン、(c)プリン、アゾール、ピリミジン、チアゾール、チアゾリノン、ポリフェノール、バルビツール酸誘導体、シッフ塩基(すなわちアリール基またはアルキル基に結合している窒素原子を有する炭素−窒素二重結合を含む官能基を有する化合物)、及びこれらの組み合わせから選択される1種以上の金属抑制剤、並びに(d)水、を含有する、またはこれらからなる、またはこれらから本質的になる。本発明は、本発明の洗浄用組成物を使用する半導体ウエハー表面の洗浄方法、並びに研磨及び洗浄方法も提供する。
【0017】
驚くべきことに、そして予想外なことには、本発明の洗浄用組成物が効果的に半導体ウエハーなどの基板を洗浄することが見出された。当業者に理解されるであろうように、洗浄効率は、CMP後洗浄を行った後にウエハー表面に残っている欠陥の目視観察に基づいて評価することができる。典型的には、洗浄に関連する欠陥は、次の種類:粒子、粒子の凝集体、小さい有機残留物、大きい有機残留物、降下粒子、腐食、及びピット、に分類することができる。粒子は、事前の研磨由来の残留物として定義される。粒子の凝集体は、粒子のグループ(すなわち接触している2個以上の粒子)の数である。小さい有機残留物は1ミクロン未満の大きさの残留物からなり、一方で大きい有機残留物は1ミクロンより大きい残留物からなる。降下粒子は任意の形状の大きい粒子として定義される。降下粒子は空気からウエハー表面に落ちてきたものであってもよい。これらはウエハーの反対側の面の上にあったものでもよく、研磨されたウエハーの面で行われた接続または動きによるものであってもよい。いずれの場合においても、降下粒子の数は典型的には非常に少なく、空気で除去され得る。
図1A及び
図1BのSEMによって示されている腐食欠陥は、ウエハー表面上の大きい局所的な粗さである。
図2A及び
図2BのSEMによって示されているピット欠陥は狭い面積であり、より深く、より顕著な腐食欠陥であるとみなされる。腐食欠陥及びピット欠陥は、これらが基板(例えばウエハー)表面上の最も高い地点と最も低い地点との間の平均距離を増加させるという点において、粗さに悪影響を及ぼす。
【0018】
驚くべきことに、そして予想外なことには、本発明の実施形態に基づく組成物を使用した半導体ウエハーのCMP後洗浄が、CMPの粗さの防止、低減、または解消、及び半導体ウエハー上に金属導体を形成する金属の溶解の防止の両方を行いながらも、欠陥の総数を減らすことが見出された。CMP後洗浄工程を行った後、ウエハー表面上に残存する欠陥の総数は、約500欠陥未満、例えば約450欠陥未満、約400欠陥未満、約350欠陥未満、約300欠陥未満、約250欠陥未満、約200欠陥未満、約150欠陥未満、約100欠陥未満、または約50欠陥未満など少ないことが望ましい。金属導体表面の導電率はあらゆる種類の腐食欠陥の数の増加に伴って指数関数的に急激に落ち込み得ることから、ピット欠陥及び腐食欠陥は、一層進歩する技術ノードのためには特に望ましくない。本発明の実施形態は、有利にはこのようなピット欠陥及び腐食欠陥の数を減らし、その結果CMP後の粗さを低くし易くする。そのため、本発明の複数の実施形態によれば、腐食欠陥及び/またはピット欠陥の数は、約10欠陥未満、例えば約5欠陥未満、約2欠陥未満、または約1欠陥未満などであることが望ましい。
【0019】
洗浄に好適な基板
本発明の洗浄用組成物は、集積回路及び他のマイクロデバイスの製造で使用される様々な半導体ウエハーに対して適用性を有する。典型的には、半導体ウエハーは、絶縁体及び導電剤を含む。本発明の洗浄用組成物は、様々なそのような絶縁体及び導電剤を含む基板を洗浄するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、銅が好適な導電剤であってもよく、ケイ素酸化物(例えば炭素でドープされている)を絶縁体として使用することができる。銅と、例えば二酸化ケイ素に対して相対的に低い誘電率を有する材料または他の材料との界面を強化することを目的として、窒化チタン、窒化タンタル、または反応性金属(コバルト金属等)を含めるために他の層が含まれていてもよい。層は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、電気めっき等などの任意の適切な方法によって塗布できることが理解されるであろう。CMPの後、本発明の洗浄用組成物を使用すると、除去しない場合に導電率を妨害及び阻止し得る汚染物質を除去することによって、望ましいことには導電率が向上する。
【0020】
いくつかの実施形態においては、ウエハーは金属導体を含む半導体ウエハーである。金属導体は、任意の好適な金属から形成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、金属導体は少なくとも銅、タングステン、タンタル、コバルト、ルテニウム、またはこれらの任意の組み合わせから形成される。半導体ウエハーは、low−k誘電体材料を含んでいてもよい。
【0021】
本発明の洗浄用組成物は、洗浄用組成物中の様々な元素に対するウエハー上の材料の親和性に基づいて、ウエハー上の具体的な成分に適合させることができる。本明細書に記載の洗浄用組成物中の望ましい金属抑制剤は、保護すべき金属に応じて選択することができる。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、硬い及び軟らかい(ルイス)酸及び塩基(HSAB)理論に従って、タングステンは酸素を好む一方で、銅は通常酸素よりも窒素を好むことが見出された。追加的な例として、コバルトは酸素及び窒素に対して親和性があり;銅(I)は硫黄及び窒素に対して最も高い親和性を有し、酸素に対しては遥かに少ない親和性を有しており;銅(II)は酸素及び窒素に親和性を有するが硫黄に対しては遥かに少ない親和性を有する。したがって、そのような様々な元素を含む金属抑制剤は、望ましい金属に対処するために本発明の実施形態に基づいて選択することができる。
【0022】
半導体ウエハーは、いくつかの実施形態においては従来のノード構成のものであってもよく、例えば135nm以下、110nm以下、95nm以下、65nm以下、45nm以下、32nm以下、等の技術ノードであってもよい。しかし、いくつかの実施形態においては、本発明の洗浄用組成物は、特には最先端のノードの利用(例えば28nm以下、22nm以下、18nm以下、16nm以下、14nm以下、10nm以下等の技術ノード)に適している。ウエハー上の機構の相対的なサイズが小さくなるにつれて粗さ及び腐食の現象の導電率に対する悪影響が増加することから、ノード技術が進歩するに伴ってCMPの後に粗さ及び/腐食がないことがより重要になることが理解されるであろう。
【0023】
従来の洗浄用組成物と比較した本発明の洗浄用組成物の著しい進歩のため、粗さ及び/または腐食の水準は低減され、より優れた性能特性と共に、より進歩したノード研磨を達成することができる。例えば、本発明の洗浄用組成物を使用すると、本発明の実施形態に基づく半導体ウエハーの導電率を向上させることができる。粗さは、表面上の最も高い地点と最も低い地点との間の平均距離であり、通常オングストローム(Å)単位で測定されることが理解されるであろう。いくつかの実施形態においては、本発明の洗浄用組成物を使用すると、約3Å以下、例えば約2.5Å以下、約2Å以下等の粗さにすることができ、これは特に先進ノードの用途に有用である。しかし、上記のように、本発明の洗浄用組成物は先進ノードのウエハーでの使用に限定されず、必要に応じて他のワークピースを研磨するために使用することもできる。
【0024】
本発明の洗浄用組成物は、二酸化ケイ素に対する任意の適切な誘電率によって特徴付けられる様々な材料を含む半導体ウエハーなどのワークピースを洗浄するために使用することができる。いくつかの実施形態においては、ワークピースの少なくとも一部は、約3.5以下(例えば約3以下、約2.5以下、約2以下、約1.5以下、または約1以下)の低誘電率などの二酸化ケイ素に対して相対的に低い誘電率を示し得る材料を含んでいてもよい。そのような材料としては、例えば当該技術分野で公知の有機高分子膜またはナノポーラスlow−k誘電体膜(例えばカリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から販売されている様々なBLACK DIAMOND(商標)製品)が挙げられる。
【0025】
あるいは、またはそれに加えて、ワークピースの少なくとも一部は、ナノポーラス膜または有機高分子膜などの、約1以上(例えば約1.5以上、約2以上、約2.5以上、約3以上、または約3.5以上)の誘電率を有し得る材料を含んでいてもよい。したがって、ワークピースは、上述の端点のうちの任意の2つによって区切られる誘電率を有する材料を含んでいてもよい。例えば、ワークピースは約1〜約3.5(例えば約2〜約3、約2〜約3.5、約2.5〜約3、約2.5〜約3.5)の誘電率を有する材料を含んでいてもよい。
【0026】
水酸化第四級アンモニウム
好ましい実施形態においては、洗浄用組成物のpHを例えば約10〜14などの少なくとも約10に調節することができる限り、任意の好適な水酸化第四級アンモニウムを必要に応じて使用することができる。好適な例または水酸化第四級アンモニウムには、水酸化エチルトリメチルアンモニウム(ETMAH)、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム(DEDMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAM)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化トリブチルメチルアンモニウム、水酸化トリプロピルメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)、またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0027】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムはTHEMAHである。THEMAHは、容易に入手可能な原材料であると共にキレート特性を有することが見出されていることから、いくつかの実施形態においては望ましい。
【0028】
THEMAHなどの水酸化第四級アンモニウムは、本発明の洗浄用組成物のpHを約10〜14に調節するための任意の適切な量で存在していてもよい。いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは、約0.1重量%〜約40重量%、約0.1重量%〜約0.2重量%、約0.2重量%〜約5重量%、約5重量%〜約10重量%、約10重量%〜約20重量%、約20重量%〜約25重量%、または約25重量%〜約40重量%などの、約0.05重量%〜約40重量%の量で存在する。例えば、いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは、希釈された形態の場合には約0.05重量%〜約0.2重量%の量である。また、いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは、濃縮された形態(例えば50倍濃縮物)の場合には、約2.5重量%〜約10重量%の量である。水酸化第四級アンモニウムが濃縮された形態である別の実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは約10重量%〜約40重量%の量である(例えば200倍濃縮物)。
【0029】
通常、本発明の実施形態に基づく組成物中の1種以上の成分(例えば、1種以上の水酸化第四級アンモニウム(類)、1種以上の有機アミン(類)、1種以上の金属抑制剤(類)、及び/または1種以上のジアルキルヒドロキシルアミン、またはその無機酸もしくは有機酸の塩)の実際の量は、望ましい濃縮または希釈の程度に応じて変動し得ることは理解されるであろう。この点に関し、いくつかの実施形態は、使用時点(例えばエンドユーザーにより)などに溶液を希釈するために後で水を添加することができるパッケージに入った濃縮物(例えば50倍濃縮物、100倍濃縮物、200倍濃縮物等)の形態であってもよいし、あるいは溶液は、水が既に含まれている希釈された形態でパッケージに入れられていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、各成分及び/または溶液全体の濃縮された形態は、輸送、流通、及び販売をし易くすることができる。しかし、別の実施形態においては、各成分及び/または溶液全体は、例えば最終的な使用を簡素化するために、希釈された形態であってもよい。したがって、上述した成分についての本明細書で及び全体にわたって記載されている重量範囲は、希釈されている範囲または濃縮されている範囲のいずれかを指す場合がある。
【0030】
したがって、各成分は、最終的な使用に適した希釈された形態で存在していてもよいし、あるいは濃縮された形態で存在し、その後希釈(例えば希釈された形態へ2倍、5倍、10倍、25倍、40倍、50倍、60倍、70倍、100倍、125倍、150倍、175倍、200倍に)されてもよい。濃縮物がある当量容積の水(例えばそれぞれ1当量容積の水、4当量容積の水、9当量容積の水、24当量容積の水、39当量容積の水、49当量容積の水、59当量容積の水、69当量容積の水、99当量容積の水、124当量容積の水、149当量容積の水、174当量容積の水、または199当量容積の水)で希釈される場合、各成分は、本発明の実施形態において、各成分について下で示されている希釈された範囲の中の量で存在するであろう。更に、当業者に理解されるであろうように、濃縮物は最終的な溶液中に存在する水を適切な割合で含んでいてもよい。例として、例えば洗浄用組成物などのいくつかの用途においては、少ない最終金属表面の粗さ、腐食の生成、並びに/または本明細書で論じた研磨粒子、金属イオン、及び他の残留物などの汚染物質の効果的な除去、を増加させる化合物または化合物類を少なくとも部分的にまたは完全に濃縮物中で溶解させるために、濃縮物は最終的な洗浄用組成物中に存在する水を適切な割合で含んでいてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは、約0.05重量%〜約0.2重量%、例えば約0.05重量%〜約0.18重量%、約0.05重量%〜約0.16重量%、約0.05重量%〜約0.14重量%、約0.05重量%〜約0.12重量%、約0.05重量%〜約0.1重量%、約0.05重量%〜約0.08重量%、約0.08重量%〜約0.2重量%、約0.08重量%〜約0.18重量%、約0.08重量%〜約0.16重量%、約0.08重量%〜約0.14重量%、約0.08重量%〜約0.12重量%、約0.08重量%〜約0.1重量%、約0.1重量%〜約0.2重量%、約0.1重量%〜約0.18重量%、約0.1重量%〜約0.16重量%、約0.1重量%〜約0.14重量%、約0.1重量%〜約0.12重量%、約0.12重量%〜約0.2重量%、約0.12重量%〜約0.18重量%、約0.12重量%〜約0.16重量%、約0.12重量%〜約0.14重量%、約0.14重量%〜約0.2重量%、約0.14重量%〜約0.18重量%、または約0.14重量%〜約0.16重量%の量で希釈形態で存在する。
【0032】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは、約2.5重量%〜約10重量%、例えば約2.5重量%〜約9重量%、約2.5重量%〜約8重量%、約2.5重量%〜約7重量%、約2.5重量%〜約6重量%、約2.5重量%〜約5重量%、約5重量%〜約10重量%、約5重量%〜約9重量%、約5重量%〜約8重量%、約5重量%〜約7重量%、約5重量%〜約6重量%、約6重量%〜約10重量%、約6重量%〜約9重量%、約6重量%〜約8重量%、約6重量%〜約7重量%、約7重量%〜約10重量%、約7重量%〜約9重量%、約7重量%〜約8重量%、約8重量%〜約10重量%、約8重量%〜約9重量%、または約9重量%〜約10重量%の量で濃縮形態(例えば50倍濃縮物)で存在する。
【0033】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは、約10重量%〜約40重量%、例えば約10重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%、約10重量%〜約20重量%、約10重量%〜約15重量%、約20重量%〜約40重量%、約20重量%〜約35重量%、約20重量%〜約30重量%、約20重量%〜約25重量%、約25重量%〜約40重量%、約25重量%〜約35重量%、約25重量%〜約30重量%、約30重量%〜約40重量%、約30重量%〜約35重量%、または約35重量%〜約40重量%の量で濃縮形態(例えば200倍濃縮物)で存在する。
【0034】
本発明の洗浄用組成物は、通常少なくとも約10(例えば約10〜約14)のpHを有する。好ましい実施形態においては、洗浄用組成物のpHは約10〜約13、例えば約10〜約12、約10〜約11、約11〜約13、約11〜約12、または約12〜約13である。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、水酸化第四級アンモニウム(類)の濃度が高いと、いくつかの実施形態において洗浄能力が向上すると考えられる。高いpHは、例えば金属−BTA付加体(例えば銅−BTA付加体)から外れたBTAなどの有機化合物を溶解し易くするために望ましいと考えられる。高いpHはウエハー表面(導電剤及び絶縁体を含む)及び研磨粒子上に負の電荷を付与し、これらを互いに反発させるとも考えられている。負の表面電荷がウエハー表面の親水性を高め、それにより絶縁体表面上の有機物含有(例えばBTA)副生成物の再析出が防止され、表面の濡れ性(親水性)が向上する。
【0035】
有機アミン
本発明の実施形態においては任意の適切な有機アミンを使用することができる。好ましい実施形態においては、有機アミンは、金属イオンと安定な錯体を形成し、他の配位子と置き換わる能力によって特徴づけられる強いキレート配位子である。有機アミンの形態の強いキレート配位子は、通常強いキレート効果、非常に高い電子密度供与能を有する原子(例えば窒素、リン、硫黄、及び酸素)、及び小さいサイズまたは幾何学的因子を有する。
【0036】
有機アミンは、良好な洗浄能力(例えば、BTAと置き換わる、または金属−BTA付加体を可溶化させる、アミンの能力)及び少ない腐食の発生を可能にする、任意の適切な速度定数を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、概して大きい速度定数を有する有機アミンが望ましい場合がある。概して大きい速度定数は、温度、圧力、pH等の関連する条件の下で速く反応する配位子及び金属イオンに対して強い配位子であることを示す一方で、概して小さい速度定数はより遅く反応する配位子及びその結果弱い配位子であることを示す。本発明の実施形態に即して説明すると、Cuは窒素に対して親和性があるためエチレンジアミン(En)は大きい速度定数を有する強い配位子である一方で、Cu(I)は酸素に対して親和性を有さないため、モノエタノールアミン(MEA)はEnより弱く、MEAの速度定数は数桁小さいであろう。したがって、大きい速度定数は反応性の高い有機アミン(例えばEn及びプロピレンジアミン(Pn))であることを特徴付ける。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、概して大きい速度定数は、特定の金属、金属塩、水酸化物、酸化物、及び他の有機もしくは無機の配位子を有する金属付加体を溶解させる反応性の高い有機アミンの能力を促進すると考えられる。
【0037】
いくつかの実施形態においては、比較的小さい速度定数を有する有機アミンが望ましい場合がある。比較的小さい速度定数は、反応性の低い有機アミン(例えばMEA)であることを特徴付ける。更に、比較的小さい速度定数を有する有機アミン、すなわち反応性の低い有機アミンは、いくつかの場合においては低減されたCMP後の粗さを得るために望ましい場合があると考えられる。いくつかの実施形態においては、洗浄と低腐食のバランスをとるために、反応性の高い有機アミンと反応性の低い有機アミンの組み合わせを、本明細書に記載されている量で使用することができる。本明細書中の有機アミン関しての単数形の使用には、本明細書に規定されている他の成分(例えば水酸化第四級アンモニウム等)と同様に、1より大きい数も包含されることが理解されるであろう。
【0038】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、所定の有機アミンの速度定数、反応速度、及び濃度は、その基材の洗浄能力、及びCMPが行われた後の低い粗さの生成に関連があると考えられる。反応速度は、有機アミンがどのくらい速く有機化合物(BTA等)と置き換わるか金属−有機付加体(例えば銅−BTA付加体)と結合して、高分子金属−有機化合物付加体から溶液に金属−有機物を運ぶかを表す。反応速度は速度定数及びアミン濃度に比例する。したがって、アミン濃度が高いほど反応速度が速い。2つの有機アミンを比較する場合、それらの速度定数を考慮することが特に有用な場合があり、またいくつかの実施形態においては、その反応速度及び濃度以上に有用な場合があると更に考えられている。例えば、反応性の高い有機アミンの速度定数は、相対的に低い反応性の有機アミンの速度定数よりも数桁大きいであろう(例えば5〜10桁)。
【0039】
反応性の高い有機アミンが望ましいいくつかの実施形態においては、少量の反応性の高い有機アミンが、その反応速度及び速度定数のために、配位子(例えばBTA)を置換できると考えられる。そのため、洗浄能力は、反応性の高い有機アミンを含有する本発明の実施形態において向上すると考えられる。様々な実施形態においては、反応性の高い有機アミンは、低濃度であっても(例えば10倍低い)、反応性の低い有機アミンよりも速く反応し、同じ時間(例えば30〜60秒)内により多くの汚染物質を除去することができるであろう。本発明の実施形態に基づいて使用することができる反応性の高い有機アミン(例えば概して大きい速度定数を有するもの)の例は、アミノエチルエタノールアミン(アミノエチルアミノエタノール、AEAE)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン)、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、En、Pn、及びN−エチルエチレンジアミンである。
【0040】
更に、反応性の低い有機アミンが望ましいいくつかの実施形態においては、より反応性の高い有機アミンを含む本発明の実施形態と同様の洗浄能力を達成するための能力は、反応性の低い有機アミンの化学的特性によって限定され得る。洗浄能力は反応性の低い有機アミンの量を増やすことで向上させることができる一方で、同等の洗浄能力を促すために必要とされる反応性の低い有機アミンの量は、他の成分(例えば水酸化第四級アンモニウム)の望ましい量を空間的に制限するであろう。
【0041】
しかし、反応性の低い有機アミンを含む本発明の実施形態は、洗浄能力に関しては効果が低いと考えられるものの、これらの実施形態は反応性の高い有機アミンを含む実施形態と比較して、CMP後の望ましい低い粗さを生じさせることができるとも考えられている。したがって、いくつかの実施形態によれば、CMP後の粗さを抑制する目的で、反応性の低い有機アミンを単独で、または反応性の高い有機アミンと組み合わせて、含めることができる。更なる実施形態においては、良好な洗浄能力とより低いCMP後の粗さのバランスのためには、少量の反応性の高い有機アミンが好ましい。
【0042】
強いキレート配位子の好適な例としては、これらに限定されるものではないが、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、アミノエチルエタノールアミン(アミノエチルアミノエタノール、AEAE)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパノール、2−メチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−(2−ジメチルアミノ)エチル)メチルアミノ)エタノール、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン)、2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−アミノフェノール、1−アミノ−2−プロパノール、システアミン、グリシン、ジエチレントリアミン、ペンタエチレンヘキサミン、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、エチレンジアミン(En)、1,2−ジアミノプロパン(Pn)、N−エチルエチレンジアミン、モノエタノールアミン(MEA)、ジグリコールアミン(DGA)、またはこれらの組み合わせが挙げられる。高いキレート効果、非常に高い電子密度供与能を有する原子、及び小さいサイズまたは幾何学的因子を有する他の有機アミンは、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0043】
いくつかの実施形態においては、有機アミンはエチレンジアミン(En)、1,2−ジアミノプロパン(Pn)、アミノエチルアミノエタノール(AEAE)、N−エチルエチレンジアミン、モノエタノールアミン(MEA)、ジグリコールアミン(DGA)、またはこれらの組み合わせである。例えば、いくつかの実施形態においては、有機アミンはエチレンジアミン(En)である。別の実施形態においては、有機アミンは1,2−ジアミノプロパン(Pn)、またはEnとPnの組み合わせである。更なる実施形態においては、有機アミンはモノエタノールアミン(MEA)である。
【0044】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、いくつかの実施形態においては、有機アミンの形態の強いキレート配位子が金属(例えば銅)表面から有機残留物を取り除くために有効な量であると考えられる。いくつかの実施形態においては、有機アミンの形態の強いキレート配位子は、金属−BTA付加体(例えば銅−BTA付加体)からBTAを置換するのに有効な量である。有機アミンの形態の強いキレート配位子は、金属−BTA付加体を可溶化し、水溶性の混合配位子錯体(例えば(アミン)
x−Cu−(BTA)
y)を形成するのに有効な量であると更には考えられる。金属−BTA(例えば銅−BTA)と有効に相互作用させるためには、強いキレート配位子が、BTAを置換するのに十分な空間、及び/または中心の金属イオンに到達することによって水溶性の混合配位子錯体が形成されるのに十分な空間、が存在しないほどに大きくてはならないと考えられる。強いキレート配位子は、BTAを置換するためにBTAの前にこれ自体が位置できる必要がある。
【0045】
反応性の高い有機アミンと反応性の低い有機アミンは、単独でまたは組み合わせて、任意の適切な量で存在することができる。いくつかの実施形態においては、有機アミンは、0.002重量%〜約20重量%の量で存在していてもよい。いくつかの実施形態においては希釈された形態はこの範囲の下限になるであろうし、濃縮された形態はこの範囲の上限になるであろう。また、いくつかの実施形態においては、より反応性の高い有機アミンは範囲の下限の量である一方で、反応性の低い有機アミンが範囲の上限であってもよい。例えば、有機アミンは約0.002重量%〜約10重量%、約0.002重量%〜約5重量%、または約0.002重量%〜約1重量%などの約0.002重量%〜約15重量%の量で存在していてもよい。
【0046】
例えば、いくつかの実施形態においては、反応性の高い有機アミンは、希釈された形態の場合には約0.002重量%〜約0.1重量%の量であってもよい。濃縮された形態においては、量は濃縮の程度に応じて様々であってもよい。例えば、50倍濃縮物においては、反応性の高い有機アミンは約0.1重量%〜約5重量%の量で存在していてもよく、あるいは200倍濃縮物においては約0.4重量%〜約20重量%の量で存在していてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態においては、反応性の高い有機アミンは、約0.002重量%〜約0.1重量%、例えば約0.002重量%〜約0.08重量%、約0.002重量%〜約0.05重量%、約0.002重量%〜約0.4重量%、約0.002重量%〜約0.03重量%、約0.002重量%〜約0.3重量%、約0.002重量%〜約0.01重量%、約0.002重量%〜約0.008重量%、約0.002重量%〜約0.005重量%、約0.005重量%〜約0.1重量%、約0.005重量%〜約0.08重量%、約0.003重量%〜約0.4重量%、約0.005重量%〜約0.05重量%、約0.005重量%〜約0.03重量%、約0.002重量%〜約0.2重量%、約0.005重量%〜約0.01重量%、約0.005重量%〜約0.008重量%、約0.01重量%〜約0.1重量%、約0.01重量%〜約0.08重量%、約0.01重量%〜約0.05重量%、約0.01重量%〜約0.4重量%、約0.01重量%〜約0.03重量%、または約0.002重量%〜約0.2重量%の量で希釈された形態で存在していてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態においては、反応性の高い有機アミンは、約0.1重量%〜約5重量%、例えば約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%、約.1重量%〜約0.5重量%、約0.5重量%〜約5重量%、約0.5重量%〜約3重量%、約0.5重量%〜約2重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1重量%〜約5重量%、約1重量%〜約4重量%、約1重量%〜約3重量%、または約1重量%〜約2重量%の量で濃縮された形態(例えば50倍濃縮物)で存在していてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態においては、反応性の高い有機アミンは、約0.4重量%〜約20重量%、例えば約0.4重量%〜約15重量%、約0.4重量%〜約12重量%、約0.4重量%〜約10重量%、約0.4重量%〜約9重量%、約0.4重量%〜約8重量%、約0.4重量%〜約7重量%、約0.4重量%〜約6重量%、約0.4重量%〜約5重量%、約0.5重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約15重量%、約0.5重量%〜約12重量%、約0.5重量%〜約10重量%、約0.5重量%〜約9重量%、約0.5重量%〜約8重量%、約0.5重量%〜約7重量%、約0.5重量%〜約6重量%、約0.5重量%〜約5重量%、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、約1重量%〜約12重量%、約1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約9重量%、約1重量%〜約8重量%、約1重量%〜約7重量%、約1重量%〜約6重量%、約1重量%〜約5重量%、約2重量%〜約20重量%、約2重量%〜約15重量%、約2重量%〜約12重量%、約2重量%〜約10重量%、約2重量%〜約9重量%、約2重量%〜約8重量%、約2重量%〜約7重量%、約2重量%〜約6重量%、または約2重量%〜約5重量%であってもよい量で濃縮された形態(例えば200倍濃縮物)で存在する。
【0050】
反応性の低い有機アミンを含む本発明の実施形態においては、反応性の低い有機アミンは、希釈された形態の場合には約0.12重量%〜約0.4重量%の量で存在していてもよい。濃縮された形態においては、量は濃縮の程度に応じて様々であってもよい。例えば、濃縮物においては(例えば50倍濃縮物、100倍濃縮物、または200倍濃縮物)、反応性の低い有機アミンは約6重量%〜約20重量%の量で存在していてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態においては、反応性の低い有機アミンは、約0.12重量%〜約0.4重量%、例えば約0.12重量%〜約0.35重量%、約0.12重量%〜約0.3重量%、約0.12重量%〜約0.25重量%、約0.12重量%〜約0.2重量%、約0.12重量%〜約0.18重量%、約0.12重量%〜約0.16重量%、約0.12重量%〜約0.14重量%、0.14重量%〜約0.4重量%、約0.14重量%〜約0.35重量%、約0.14重量%〜約0.3重量%、約0.14重量%〜約0.25重量%、約0.14重量%〜約0.2重量%、約0.14重量%〜約0.18重量%、約0.14重量%〜約0.16重量%、0.16重量%〜約0.4重量%、約0.16重量%〜約0.35重量%、約0.16重量%〜約0.3重量%、約0.16重量%〜約0.25重量%、約0.16重量%〜約0.2重量%、約0.16重量%〜約0.18重量%、0.18重量%〜約0.4重量%、約0.18重量%〜約0.35重量%、約0.18重量%〜約0.3重量%、約0.18重量%〜約0.25重量%、または約0.18重量%〜約0.2重量%の量で希釈された形態で存在する。
【0052】
いくつかの実施形態においては、反応性の低い有機アミンは、約6重量%〜約20重量%、例えば約6重量%〜約18重量%、約6重量%〜約15重量%、約6重量%〜約12重量%、約6重量%〜約10重量%、約6重量%〜約9重量%、約6重量%〜約8重量%、約6重量%〜約7重量%、約7重量%〜約20重量%、約7重量%〜約18重量%、約7重量%〜約15重量%、約7重量%〜約12重量%、約7重量%〜約10重量%、約7重量%〜約9重量%、約7重量%〜約8重量%、約8重量%〜約20重量%、約8重量%〜約18重量%、約8重量%〜約15重量%、約8重量%〜約12重量%、約8重量%〜約10重量%、約8重量%〜約9重量%、約9重量%〜約20重量%、約9重量%〜約18重量%、約9重量%〜約15重量%、約9重量%〜約12重量%、約9重量%〜約10重量%、約10重量%〜約20重量%、約10重量%〜約18重量%、約10重量%〜約15重量%、約10重量%〜約12重量%、約11重量%〜約20重量%、約11重量%〜約18重量%、約11重量%〜約15重量%、または約11重量%〜約12重量%の量で濃縮された形態(例えば50倍濃縮物、100倍濃縮物、または200倍濃縮物)で存在する。
【0053】
いくつかの実施形態においては、強いキレート配位子は、BTAの置換及び/または混合配位子錯体の形成、並びに効果的な洗浄ができるようにするために、小さくて反応性の高い有機アミンであることが望ましい。いくつかの実施形態においては、強いキレート配位子は、CMP後の低い粗さを得る目的で反応性の低い有機アミン(単独でまたは反応性の高い有機アミンと組み合わせて)を含む。
【0054】
金属抑制剤
任意の適切な金属抑制剤を本発明の実施形態で使用することができる。金属抑制剤は、金属表面と相互作用することによって半導体ウエハー上に典型的に見られる金属を保護する役割を果たす。この相互作用は、金属(例えば銅)に対する化学結合または金属表面(例えば銅)に対する物理的な吸収のいずれかとしてもたらされ得る。発明者らは、有効な金属抑制剤が、金属(例えば銅)表面を腐食から保護するだけでなく、有機残留物(例えば金属−BTA付加体からBTAが外れることによる)の除去にも寄与することを見出した。これは本発明の実施形態に基づく洗浄用配合物の洗浄能力を更に向上させる。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、金属抑制剤は、プリン、アゾール、ピリミジン、チアゾール、チアゾリノン、ポリフェノール、バルビツール酸誘導体、シッフ塩基、またはこれらの任意の組み合わせから選択することができる。
【0056】
いくつかの実施形態の金属抑制剤は、グアニン、キサンチン、ヒポキサンチン、テオフィリン、パラキサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、アデノシン、グアノシン、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるプリンである。
【0057】
いくつかの実施形態においては、金属抑制剤は、3−アミノ−5−メチルピラゾール(3−AMP)、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(3−ATA)、5−アミノテトラゾール(5−ATA)、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール(3,5−ATAまたはグアナゾール)、1,2,4−トリアゾール(TAZ)、1−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド、リバビリン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン(メラミン)、5−メルカプト−1−フェニルテトラゾール、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるアゾールである。
【0058】
いくつかの実施形態に基づく金属抑制剤は、シトシン、イソシトシン、葉酸、トリアムテレン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン、6−アミノウラシル、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるピリミジンである。
【0059】
いくつかの実施形態においては、金属抑制剤は、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、2−アミノチアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、6−アセチル−2(3H)−ベンゾチアゾロン、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるチアゾールまたはチアゾリノンである。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、金属抑制剤は、カテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ヒドロキノン、没食子酸、ドーパミン、アドレナリン、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるポリフェノールである。いくつかの実施形態においては、金属抑制剤はバルビツール酸または1,3−ジメチルバルビツール酸である。
【0061】
いくつかの実施形態の金属抑制剤は、1当量または2当量のアセチルアセトン(ACAC)、サリチルアルデヒド(SAL)、4−メチル−5−イミダゾールカルボキシアルデヒド、ピロール−2−カルボキシアルデヒド、2−チオフェンカルボキシアルデヒド、またはこれらの任意の組み合わせと、有機溶媒中の1当量のヒドロキシルアミン、En、アンモニア、アルキルアミン、またはこれらの任意の組み合わせとの反応によって合成される化合物から選択されるシッフ塩基である。
【0062】
いくつかの実施形態においては、金属抑制剤は、前述の例のいずれかの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態においては、金属抑制剤は実質的にアデニンを含まない(例えば約0.0005重量%未満、0.0001重量%未満、またはゼロのアデニンなどの約0.001重量%未満)。
【0063】
金属抑制剤は、本発明のいくつかの実施形態においてはグアニンである。別の実施形態においては、金属抑制剤はヒポキサンチンである。更なる実施形態においては、金属抑制剤は3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(3−ATA)である。金属抑制剤は、いくつかの実施形態においては3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール(3,5−ATAまたはグアナゾール)である。
【0064】
金属抑制剤は任意の適切な量であってもよい。いくつかの実施形態においては、金属抑制剤は、約0.001重量%〜約0.05重量%、約0.05重量%〜約0.1重量%、約0.1重量%〜約0.5重量%、または約0.5重量%〜約10重量%などの、約0.001重量%〜約10重量%の量である。例えばいくつかの実施形態においては、金属抑制剤は希釈された形態の場合には、約0.001重量%〜約0.05重量%の量である。いくつかの実施形態においては、金属抑制剤は濃縮された形態の場合には、約0.05重量%〜約2.5重量%の量である。金属抑制剤が濃縮された形態の場合の更なる実施形態においては、金属抑制剤は約0.2重量%〜約10重量%の量である。
【0065】
いくつかの実施形態においては、金属抑制剤は、約0.01重量%〜約0.05重量%、例えば約0.01重量%〜約0.04重量%、約0.01重量%〜約0.03重量%、約0.01重量%〜約0.02重量%、約0.02重量%〜約0.05重量%、約0.02重量%〜約0.04重量%、約0.02重量%〜約0.03重量%、約0.03重量%〜約0.05重量%、約0.03重量%〜約0.04重量%、または約0.04重量%〜約0.05重量%の量の希釈された形態で存在する。
【0066】
いくつかの実施形態においては、金属抑制剤は、約0.5重量%〜約2.5重量%、例えば約0.5重量%〜約2重量%、約0.5重量%〜約1.5重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1重量%〜約2.5重量%、約1重量%〜約2重量%、約1重量%〜約1.5重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1.5重量%〜約2.5重量%、約1.5重量%〜約2重量%、または約2重量%〜約2.5重量%の量の濃縮された形態(例えば50倍濃縮物)で存在する。
【0067】
更なる実施形態においては、金属抑制剤は、約0.2重量%〜約10重量%、例えば約0.2重量%〜約9重量%、約0.2重量%〜約8重量%、約0.2重量%〜約7重量%、約0.2重量%〜約6重量%、約0.2重量%〜約5重量%、約0.2重量%〜約4重量%、約0.2重量%〜約3重量%、約0.2重量%〜約2重量%、約0.2重量%〜約1.5重量%、約0.2重量%〜約1重量%、約0.2重量%〜約0.5重量%、約0.5重量%〜約10重量%、約0.5重量%〜約9重量%、約0.5重量%〜約8重量%、約0.5重量%〜約7重量%、約0.5重量%〜約6重量%、約0.5重量%〜約5重量%、約0.5重量%〜約4重量%、約0.5重量%〜約3重量%、約0.5重量%〜約2重量%、約0.5重量%〜約1.5重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約9重量%、約1重量%〜約8重量%、約1重量%〜約7重量%、約1重量%〜約6重量%、約1重量%〜約5重量%、約1重量%〜約4重量%、約1重量%〜約3重量%、約1重量%〜約2重量%、約1重量%〜約1.5重量%、約1.5重量%〜約10重量%、約1.5重量%〜約9重量%、約1.5重量%〜約8重量%、約1.5重量%〜約7重量%、約1.5重量%〜約6重量%、約1.5重量%〜約5重量%、約1.5重量%〜約4重量%、約1.5重量%〜約3重量%、約1.5重量%〜約2重量%、約2重量%〜約10重量%、約2重量%〜約9重量%、約2重量%〜約8重量%、約2重量%〜約7重量%、約2重量%〜約6重量%、約2重量%〜約5重量%、約2重量%〜約4重量%、約2重量%〜約3重量%、約3重量%〜約10重量%、約3重量%〜約9重量%、約3重量%〜約8重量%、約3重量%〜約7重量%、約3重量%〜約6重量%、約3重量%〜約5重量%、約3重量%〜約4重量%、約4重量%〜約10重量%、約4重量%〜約9重量%、約4重量%〜約8重量%、約4重量%〜約7重量%、約4重量%〜約6重量%、約4重量%〜約5重量%、約5重量%〜約10重量%、約5重量%〜約9重量%、約5重量%〜約8重量%、約5重量%〜約7重量%、約5重量%〜約6重量%、約6重量%〜約10重量%、約6重量%〜約9重量%、約6重量%〜約8重量%、約6重量%〜約7重量%、約7重量%〜約10重量%、約7重量%〜約9重量%、約7重量%〜約8重量%、約8重量%〜約10重量%、約8重量%〜約9重量%、または約9重量%〜約10重量%の濃縮された形態(例えば200倍濃縮物)で存在する。
【0068】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、金属抑制剤は、半導体ウエハーの金属表面(例えば銅表面)を、有機アミンの形態の強いキレート配位子から、金属(例えば銅)の損失の防止するためなどの保護をするのに有効な量で存在していると考えられる。上述したような強いキレート配位子は金属(例えば銅)表面に腐食を生じさせると考えられており、これによって金属ワイヤ及び/またはライナーの完全な溶解が生じる場合がある。金属抑制剤は腐食を大幅に低減すると考えられる。金属抑制剤を用いることで、強いキレート配位子によって引き起こされる半導体ウエハーの金属表面の溶解が最小限に抑えられるか、なくなるであろう。
【0069】
ジアルキルヒドロキシルアミン
いくつかの実施形態においては、組成物は、酸化防止剤として1種以上のジアルキルヒドロキシルアミンまたはその無機酸もしくは有機酸の塩を任意選択的に含有していてもよい。必須ではないものの、ジアルキルアミンはいくつかの実施形態においては、特にTHEMAHがpH調整剤として使用される場合に、本発明の洗浄用組成物の保存可能期間を延ばすために含まれていてもよい。ジアルキルヒドロキシルアミンの無機酸または有機酸の塩は、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩酸塩、乳酸塩、及びグリコール酸塩のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態においては、ジアルキルヒドロキシルアミンはジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)である。
【0070】
ジアルキルヒドロキシルアミンはいくつかの実施形態においては任意の適切な量で存在していてもよい。いくつかの実施形態においては、ジアルキルヒドロキシルアミンは、約0.01重量%〜約0.5重量%、約0.05重量%〜約3重量%、または約3重量%〜約12重量%などの、約0.01重量%〜約12重量%の量である。例えばいくつかの実施形態においては、ジアルキルヒドロキシルアミンは、希釈された形態の場合には、約0.001重量%〜約0.06重量%の量である。いくつかの実施形態においては、ジアルキルヒドロキシルアミンは、濃縮された形態の場合には、約0.5重量%〜約3重量%の量である。ジアルキルヒドロキシルアミンが濃縮された形態の場合の更なる実施形態においては、ジアルキルヒドロキシルアミンは約2重量%〜約12重量%の量である。
【0071】
いくつかの実施形態においては、ジアルキルヒドロキシルアミンは、約0.01重量%〜約0.06重量%、例えば約0.01重量%〜約0.05重量%、約0.01重量%〜約0.04重量%、約0.01重量%〜約0.03重量%、約0.01重量%〜約0.02重量%、約0.02重量%〜約0.06重量%、約0.02重量%〜約0.05重量%、約0.02重量%〜約0.04重量%、約0.02重量%〜約0.03重量%、約0.03重量%〜約0.06重量%、約0.03重量%〜約0.05重量%、約0.03重量%〜約0.04重量%、約0.04重量%〜約0.06重量%、約0.04重量%〜約0.05重量%、または約0.05重量%〜約0.06重量%の量の希釈された形態で存在する。
【0072】
いくつかの実施形態においては、ジアルキルヒドロキシルアミンは、約0.5重量%〜約3重量%、例えば約0.5重量%〜約2.5重量%、約0.5重量%〜約2重量%、約0.5重量%〜約1.5重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約0.5重量%〜約0.75重量%、約0.75重量%〜約3重量%、約0.75重量%〜約2.5重量%、約0.75重量%〜約2重量%、約0.75重量%〜約1.5重量%、約0.75重量%〜約2重量%、約1重量%〜約3重量%、約1重量%〜約2.5重量%、約1重量%〜約2重量%、約1重量%〜約1.5重量%、約1.5重量%〜約3重量%、約1.5重量%〜約2.5重量%、約1.5重量%〜約2重量%、約2重量%〜約3重量%、約2重量%〜約2.5重量%、または約2.5重量%〜約3重量%の濃縮された形態(例えば50倍濃縮物)で存在する。
【0073】
更なる実施形態においては、ジアルキルヒドロキシルアミンは、約2重量%〜約12重量%、例えば約2重量%〜約11重量%、約2重量%〜約10重量%、約2重量%〜約9重量%、約2重量%〜約8重量%、約2重量%〜約7重量%、約2重量%〜約6重量%、約2重量%〜約5重量%、約2重量%〜約4重量%、約2重量%〜約3重量%、約3重量%〜約12重量%、約3重量%〜約11重量%、約3重量%〜約10重量%、約3重量%〜約9重量%、約3重量%〜約8重量%、約3重量%〜約7重量%、約3重量%〜約6重量%、約3重量%〜約5重量%、約3重量%〜約4重量%、約4重量%〜約12重量%、約4重量%〜約11重量%、約4重量%〜約10重量%、約4重量%〜約9重量%、約4重量%〜約8重量%、約4重量%〜約7重量%、約4重量%〜約6重量%、約4重量%〜約5重量%、約5重量%〜約12重量%、約5重量%〜約11重量%、約5重量%〜約10重量%、約5重量%〜約9重量%、約5重量%〜約8重量%、約5重量%〜約7重量%、約5重量%〜約6重量%、約6重量%〜約12重量%、約6重量%〜約11重量%、約6重量%〜約10重量%、約6重量%〜約9重量%、約6重量%〜約8重量%、約6重量%〜約7重量%、約7重量%〜約12重量%、約7重量%〜約11重量%、約7重量%〜約10重量%、約7重量%〜約9重量%、約7重量%〜約8重量%、約8重量%〜約12重量%、約8重量%〜約11重量%、約8重量%〜約10重量%、約8重量%〜約9重量%、約9重量%〜約12重量%、約9重量%〜約11重量%、約9重量%〜約10重量%、約10重量%〜約12重量%、約10重量%〜約11重量%、または約11重量%〜約12重量%の濃縮された形態(例えば200倍濃縮物)で存在する。
【0074】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ジアルキルヒドロキシルアミンまたはその無機酸もしくは有機酸の塩は、任意選択的に必要に応じて水酸化第四級アンモニウム塩基(例えばTHEMAH)を効果的に安定化し、それによって保存可能期間を大幅に延長すると考えられる。例えば、いくつかの実施形態においては、組成物は少なくとも約2か月以上、少なくとも約3か月以上、少なくとも約4か月以上、少なくとも約5か月以上、少なくとも約6か月以上、少なくとも約7か月以上、少なくとも約8か月以上、少なくとも約9か月以上、少なくとも約10か月以上、少なくとも約11か月以上、少なくとも約12か月以上、少なくとも約13か月以上、少なくとも約14か月以上、少なくとも約15か月以上、少なくとも約16か月以上、少なくとも約17か月以上、少なくとも約18か月以上、少なくとも約19か月以上、少なくとも約20か月以上、少なくとも約21か月以上、少なくとも約22か月以上、少なくとも約23か月以上、または少なくとも約24か月以上などの少なくとも約1か月以上の間安定である。
【0075】
水
本発明の洗浄用組成物は水を含み、これは任意の望ましい希釈レベルに調整するなどのために任意の適切な量で存在していてもよい。例えば、希釈または濃縮の望ましい程度に応じて、水は、基材を洗浄するために使用される本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物中に、約30重量%〜約99.9重量%、例えば約30重量%〜約94重量%、約30重量%〜約89重量%、約30重量%〜約75重量%、約30重量%〜約50重量%、約30重量%〜約45重量%、約45重量%〜約99.9重量%、約45重量%〜約94重量%、約45重量%〜約89重量%、約45重量%〜約75重量%、約45重量%〜約50重量%、約50重量%〜約99.9重量%、約50重量%〜約94重量%、約50重量%〜約89重量%、約50重量%〜約75重量%、約75重量%〜約99.9重量%、約75重量%〜約94重量%、約75重量%〜約89重量%、約89重量%〜約99.9重量%、約89重量%〜約94重量%、または約94重量%〜約99.9重量%の量で存在していてもよい。
【0076】
成分の例示的な組み合わせ
本発明の構成要素が様々な組み合わせで上述した様々な成分を含んでいてもよいことは明白であろう。例えば、本発明のいくつかの実施形態においては、洗浄用組成物は、(a)約0.05重量%〜約40重量%の量で存在する1種以上の水酸化第四級アンモニウム;(b)約0.002重量%〜約20重量%の量で存在する1種以上の有機アミン;(c)約0.001重量%〜約10重量%の量で存在する1種以上の金属抑制剤;及び(d)約30重量%〜約99.9重量%の量で存在する水;を含有する、これらからなる、またはこれらから本質的になる。組成物のpHは約10〜約14である。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態における様々な組み合わせを示すと、洗浄用組成物は、(a)水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH);(b)エチレンジアミン(En)及び/もしくは1,2−ジアミノプロパン(Pn);並びに(c)グアニン、ヒポキサンチン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(3−ATA)、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール(3,5−ATAまたはグアナゾール)、もしくはこれらの任意の組み合わせ;を含有する、これらからなる、またはこれらから本質的になる。
【0078】
以下に本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物の構成要素の様々な組み合わせを更に示す。いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)であり、有機アミンはエチレンジアミン(En)であり、金属抑制剤はグアニンである。いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)であり、有機アミンは1,2−ジアミノプロパン(Pn)であり、金属抑制剤はグアニンである。
【0079】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)であり、有機アミンはエチレンジアミン(En)であり、金属抑制剤はヒポキサンチンである。
【0080】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)であり、有機アミンは1,2−ジアミノプロパン(Pn)であり、金属抑制剤はヒポキサンチンである。
【0081】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)であり、有機アミンはエチレンジアミン(En)と1,2−ジアミノプロパン(Pn)との組み合わせであり、金属抑制剤はグアニンである。
【0082】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)であり、有機アミンはエチレンジアミン(En)と1,2−ジアミノプロパン(Pn)との組み合わせであり、金属抑制剤はヒポキサンチンである。
【0083】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)であり、有機アミンはエタノールアミン(MEA)であり、金属抑制剤は3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(3−ATA)である。
【0084】
いくつかの実施形態においては、水酸化第四級アンモニウムは水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)であり、有機アミンはエタノールアミン(MEA)であり、金属抑制剤は3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール(3,5−ATAまたはグアナゾール)である。
【0085】
いくつかの実施形態においては、組成物は追加的に、約0.01重量%〜約12重量%の量でジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)を含有する、またはこれからなる、または本質的にこれからなる。
【0086】
前述したものはそのような組み合わせの単なる例示に過ぎないことに留意すべきである。他の例示的な組み合わせは、本明細書の記述全体から明白である。これらの実施形態のそれぞれは本明細書で示されている他の実施形態との様々な組み合わせで使用できることも当業者に理解されるであろう。
【0087】
機構
ここで
図3を参照する。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、描写1〜4は本発明の実施形態に基づく機構を示していると考えられる。
【0088】
描写1で描かれている出発点は、半導体ウエハー上のベース金属としての銅を示している。金属の粒界(x)、(y)、及び(z)が
図3に概略的に示されている。半導体ウエハーの銅金属表面上の研磨粒子(i)及び銅−BTA付加体(ii)は、CMPが行われた後に表面上に残る典型的な汚染物質となる。
【0089】
本発明の実施形態に基づいて調製される洗浄用組成物は、以下に述べる本発明の実施形態に基づく方法によって半導体ウエハーを洗浄するために利用でき、その結果金属(例えば銅)抑制剤(「F.G.」として描かれている)が銅酸化物層を不動態化し、結果としてCMP後の洗浄時にその下にある銅酸化物(Cu
xO)及び銅(0)(Cu)が効果的に溶解から保護されると考えられる。描写2は、銅酸化物層を不動態化し、表面上で保護されていない汚染物質のみを残す金属(例えば銅)抑制剤を示していると考えられる。
【0090】
描写3は、銅−BTA付加体からのBTAなどの有機残留物を溶解させてこれらのサイズを小さくする、有機アミンの形態の強いキレート配位子(「L」として描かれている)を示していると考えられる。強いキレート配位子は銅−BTA付加体からBTAを外す。その後BTAは、より溶解し易い形態の銅−BTA付加体の中の銅と共に溶解する。更に、水酸化第四級アンモニウムは半導体ウエハーの表面及びその上の粒子を負に帯電させることから、粒子(例えばCMP由来の残留物)は反発によって取り除かれると考えられる。
【0091】
描写4は動的平衡を示すと考えられる。これが生じるためには、金属(例えば銅)抑制剤は表面に形成される金属(例えば銅)に対する高い親和性を有していなければならない。描写4は、pHが約10より大きい(例えば約10〜14)場合に、本発明の実施形態に基づいて調製された組成物を用いて洗浄行った後にどのように金属(例えば銅)表面が出現し得るかを示している。
【0092】
有機アミンの形態の強いキレート配位子によって全ての銅酸化物が除去されるまで腐食欠陥は生じない。洗浄時に少量の銅酸化物の損失が生じる可能性が高いものの、銅酸化物の溶解は金属抑制剤の存在下では非常に遅く生じるであろうと考えられる。洗浄が行われた後、銅の上面のあらゆる汚染物質は、有機アミンの形態の強いキレート配位子及び高いOH濃度のために、ほとんど溶解するであろう。概して、描写4に至る機構はより低い表面の粗さを生じさせると考えられる。
【0093】
ここで
図4を参照すると、特定の理論に拘束されることを望むものではないが、描写1〜3は、本発明の実施形態に基づく機構を更に示していると考えられる。描写1によって描かれている出発点は、CMPが行われた後に表面上に残る典型的な汚染物質となる研磨粒子(i)及び銅−BTA付加体(ii)の凝集体を有する半導体ウエハー上のベース金属としての銅を示している。
【0094】
描写2は、本発明の実施形態に基づいて調製された洗浄用組成物を利用することによって生じる可能性のある反応を示している。水酸化第四級アンモニウム塩基は、粒子の凝集体及び銅表面を負に帯電させる。その結果、粒子の凝集体と表面は互いに反発する一方で、BTA配位子は有機アミンの形態の強いキレート配位子(「L」として描かれている)によって置換され、その後高いpHで脱プロトン化された形態で溶解する。[Cu(L)
x]
+の生成は、BTA及び強いキレート配位子を含む混合配位子錯体を表すと考えられる。
【0095】
強いキレート配位子による銅の腐食を回避するために、銅酸化物層(Cu
2O)は金属(例えば銅)抑制剤(不動態化剤−Cu+)によって不動態化される。これは描写3中に示されていると考えられる。描写3に示されているように、少量の銅酸化物が洗浄時に溶解したものの、銅抑制剤はそのほとんどを保護することができた。更に、銅酸化物層の下の銅は損なわれないままである。本明細書に記載の金属抑制剤は、これも本明細書に記載の非常に反応性の高い強いキレート配位子を、汚染物質を溶解させて低い粗さを生じさせる効果的なCMP後洗浄のために高濃度で使用することを可能にする。
【0096】
洗浄方法
本発明は、洗浄方法も提供する。洗浄方法は、(a)半導体ウエハーの化学機械研磨で生じた汚染物質を有する半導体ウエハーを準備することと、(b)半導体ウエハーの表面を本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物と接触させて半導体ウエハーの表面から少なくとも一部の汚染物質を除去することと、を含む、またはこれらからなる、またはこれらから本質的になる。本明細書で述べたように、汚染物質には、例えば、研磨粒子、有機残留物、金属イオン、パッド屑、CMP副生成物、またはこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。様々な実施形態においては、ウエハーは金属導体及び/またはlow−k誘電体材料を含んでいてもよい。
【0097】
方法は、本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物を利用して選択的に汚染物質を除去することを含む一方で、金属導体及び/またはlow−k誘電体材料は実質的に損なわれないままである。いくつかの実施形態においては、少なくとも銅、タングステン、コバルト、及び/またはルテニウムから形成される。
【0098】
本発明は、更に、半導体ウエハーの表面の研磨及び洗浄方法を提供する。方法は、(a)研磨パッド、化学機械研磨用組成物、及び半導体ウエハーを準備すること;(b)半導体ウエハーを研磨パッド及び研磨用組成物と接触させること;(c)研磨用組成物を介在させながら研磨パッドを半導体ウエハーの表面に対して動かして半導体ウエハーの表面を摩耗させることでウエハーの表面を研磨し、その結果ウエハーの研磨された表面が化学機械研磨用組成物由来の汚染物質を含むこと;並びに(d)汚染物質を含む半導体ウエハーの研磨された表面を本明細書に記載の洗浄用組成物と接触させて半導体ウエハーの研磨された表面から少なくとも一部の汚染物質を除去すること;を含む、またはこれらからなる、またはこれらから本質的になる。
【0099】
典型的には、化学機械研磨用組成物は、研磨パッドを用いた半導体ウエハーの研磨において利用され、そのため本発明の半導体ウエハーの研磨及び洗浄方法は、研磨パッドと半導体ウエハーとの間に化学機械研磨用組成物を準備すること、研磨用組成物を介在させながら半導体ウエハーを研磨パッドと接触させること、及び研磨用組成物を介在させながら研磨パッドを半導体ウエハーに対して動かして半導体ウエハーを摩耗させることで半導体ウエハーを研磨することを更に含む。本発明は、研磨用組成物によっては限定されず、これは当該技術分野で公知の任意の好適な研磨用組成物であってもよい。更に、本発明は研磨時に使用されるCMP装置及び研磨パッドによっては限定されない。これらは任意の好適なCMP装置及び研磨パッドであってもよく、これらの多くは当該技術分野で公知である。
【0100】
通常、化学機械研磨装置は、(a)回転するプラテン;(b)プラテンの上に配された研磨パッド;及び(c)回転している研磨パッドと接触することによって研磨するために半導体ウエハーを保持するキャリア、を含む。いくつかの実施形態においては、装置は(d)研磨パッドと半導体ウエハーとの間に化学機械研磨用組成物を供給するための手段、を更に含む。例えば、いくつかの実施形態においては、化学機械研磨用組成物を供給するための手段は、例えばポンプ及び流量計測システムを含んでいてもよい。
【0101】
以降の実施例は本発明を更に詳しく説明するものであるが、当然、その範囲をいかなる形であっても限定するものとして解釈すべきではない。以降の実施例中の全ての洗浄用組成物は脱イオン水を用いて、50倍の濃縮物として調製された。
【実施例】
【0102】
実施例1(比較例)
この比較例は、銅を含むウエハー基板上に化学機械研磨(「CMP」)が行われた後の、非常に大きいエッチング力で作製された洗浄用組成物の使用を示している。
【0103】
具体的には、重量基準で約25ppmのベンゾトリアゾール(BTA)を含む銅研磨用組成物と、CMCから入手可能なD100(商標)として商業的に識別される研磨パッドとを使用して、銅を含むブランケットウエハー(すなわちパターンなし)に対して、当該技術分野で理解されるようなプラテン−2(「P2」)銅研磨を行った。次いで、約400ppmのBTAを含む研磨用組成物と、Fujibo(東京、日本)から入手可能なFujibo−H7000として商業的に識別される研磨パッドとを使用して、各ブランケット銅ウエハーに対して、当該技術分野で理解されるようなプラテン−3(「P3」)バリア研磨を行った。研磨は、標準的な研磨パラメーターを用いて、Mirra(商標) CMP装置(カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.)上で行った。
【0104】
組成物1A〜1Dとして示されている5つの洗浄用組成物を、ウエハー上の洗浄に関連する欠陥の数によって測定される洗浄能力、及びオングストロームで測定される粗さに関して試験した。組成物1BはCMCからClean8158T(商標)として販売されている。下の表1に、組成物1A〜1Dの成分及び量が詳述されている。様々な組み合わせにおける組成物1A〜1Dの成分は、モノエタノールアミン(MEA)、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン(AEAE)、カルボヒドラジド(CHZ)、アスコルビン酸(Asc)、Dequest 2000(D2000)、トリエタノールアミン(TEA)、及び/またはアミノプロピルモルホリン(APM)である。
【表1】
【0105】
研磨されたウエハー基板は、30秒の試験で組成物1A〜1Eのうちの1つを用いて洗浄した。洗浄は、ONTRAK(商標) DSS200 Integraツールを用いて行った。各試験の後、各ウエハー上に見られた洗浄に関連する欠陥を数え、当業者が認識するであろう通りに分類した。
【0106】
更にCMP後の粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。粗さは、ウエハー表面の最も高い地点と最も低い地点との間の平均差である。
【0107】
組成物は、欠陥の総数によって測定される洗浄能力、及びオングストローム単位で測定される粗さに基づいて評価した。結果は下の表2に記録されており、また
図5に示されている。
図5は、右のy軸に「粗さ(Å)」として標識されている尺度で表されている粗さと共に、左のy軸に「欠陥の数」として標識されている尺度で表されている洗浄能力を比較するグラフである。
【0108】
図5及び表2中の様々な欠陥が、それぞれ示されている数と共に目視観察によって分類された。本明細書で述べたように、欠陥は、次のタイプ:粒子(事前の研磨由来の残留物);粒子凝集体(粒子のグループ、すなわち接触している2個以上の粒子);小さい有機残留物(1ミクロンの大きさ未満の残留物);大きい有機残留物(1ミクロンより大きい残留物);降下粒子(ウエハー表面上に落ちてきたものであってもよい任意の形状の大きい粒子);腐食(大きな面積のより大きい局所的な粗さ);及びピット欠陥(よりはっきりとした腐食欠陥とみなされるウエハー表面上の小さい深い穴)に分類された。粗さは、算術平均値(Ra)として示される。組成物1Dは粗さについては評価されなかった。
【表2】
【0109】
表2及び
図5から分かるように、組成物1A〜1Dは十分に満足できるものではなかった。例えば、組成物1Aは腐食欠陥を生じさせなかったものの、低い洗浄能力しか有しておらず、かなりのピット欠陥及び大きな粗さを生じた。組成物1Bは良好な洗浄能力を有していたが、大きな粗さを生じた。反応性の高いエッチング液であるアミノエチルエタノールアミン(「AEAE」)を組成物1Dよりも4倍大きな濃度で用いて調製した組成物1Cは、組成物1Dと同等の洗浄能力を有しており、これはエッチング液濃度を高くしても洗浄能力の向上にはつながらないことを示唆している。かくして、これらの結果は、良好な洗浄能力を有し、かつCMP後に低い粗さを生じさせるCMP後洗浄用組成物が当該技術分野で必要とされていることを示している。
【0110】
実施例2
この実施例は、銅を含むウエハー基板上に化学機械研磨(「CMP」)が行われた後の、様々な洗浄用組成物を用いた本発明の実施形態に基づいて対比した洗浄用組成物の効果を比較する。
【0111】
具体的には、実施例1で記載したように、銅を含むブランケットウエハー(すなわちパターンなし)に対して、P2銅研磨及びP3バリア研磨を行った。
【0112】
下の表3に列挙されているように、2A〜2Cとして示されている3つの洗浄用組成物を、塩基としての水酸化テトラエチルアンモニウム(TMAH)または水酸化トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(THEMAH)のいずれかと、有機アミンとしてのモノエタノールアミン(MEA)またはエチレンジアミン(En)のいずれかと、酸化防止剤としてのジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)とを用いて調製した。組成物2B及び2Cは本発明の実施形態に基づいて調製した一方で、Clean8158T(商標)として市販されている組成物2Aは、比較の目的でDequest Italmatch ChemicalsからDequest 2000(商標)(D2000)として市販されているトリスホスホン酸を含むエッチング液及び有機抑制剤としてのカルボヒドラジド(CHZ)を用いて調製した。
【表3】
【0113】
研磨されたウエハー基板は、30秒の試験で組成物2A〜2Cのうちの1つを用いて洗浄した。洗浄は、ONTRAK(商標) DSS200 Integraツールを用いて行った。各試験の後、各ウエハー上に見られた洗浄に関連する欠陥を数え、当業者が認識するであろう通りに分類した。
【0114】
更にCMP後の粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。粗さは、ウエハー表面の最も高い地点と最も低い地点との間の平均差である。
【0115】
組成物は、欠陥の総数によって測定される洗浄能力、及びオングストローム単位で測定される粗さに基づいて評価した。結果は下の表4に記録されており、また
図6に示されている。
図6は、y軸に「欠陥の数」として標識されている尺度で表されている洗浄能力を示すグラフである。下の表4に記録されている洗浄に関連する欠陥の様々な分類は上で定義した。粗さは算術平均値(Ra)として示されている。
【表4】
【0116】
表4及び
図6が示しているように、組成物2Aは両方の試験においてかなり多い有機残留物が残る結果となった。典型的な腐食性有機アミンEn及び金属抑制剤としてのグアニンを用いて調製した組成物2B及び2Cは、金属抑制剤なしで調製された組成物2Aよりも、有意に優れた洗浄能力を示し、またCMP後の粗さが大幅に低かった。反応性が高い有機アミンEnと、金属抑制剤としてのグアニンと、組成物2Bの2倍の濃度の塩基としてのTHEMAHとを用いて調製された組成物2Cは、組成物2A及び2Bよりも少ない粒子欠陥数、少ない腐食、及び低いCMP後の粗さを示した。したがって、これらの結果は、本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物が良好な洗浄能力を有しており、かつCMP後に低い粗さを生じさせることを示している。
【0117】
実施例3
この実施例は、銅を含むウエハー基板上に化学機械研磨(「CMP」)が行われた後の、様々な洗浄用組成物を用いた本発明の実施形態に基づいて対比した洗浄用組成物の効果を比較する。
【0118】
具体的には、実施例1で記載したように、銅を含むブランケットウエハー(すなわちパターンなし)に対して、P2銅研磨及びP3バリア研磨を行った。
【0119】
下の表5に列挙されているように、3A〜3Bとして示されている2つの洗浄用組成物を、塩基としての水酸化テトラエチルアンモニウム(TMAH)または水酸化トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(THEMAH)のいずれかと、有機アミンとしてのモノエタノールアミン(MEA)、または1,2−ジアミノプロパン(Pn)のいずれかと、酸化防止剤としてのジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)とを用いて調製した。組成物3Bは本発明の実施形態に従って調製した一方で、Clean8158T(商標)として市販されている組成物3Aは、比較の目的でDequest Italmatch ChemicalsからDequest 2000(商標)(D2000)として市販されているトリスホスホン酸を含むエッチング液及び有機抑制剤としてのカルボヒドラジド(CHZ)を用いて調製した。
【表5】
【0120】
研磨されたウエハー基板は、30秒の試験で組成物3A〜3Bのうちの1つを用いて洗浄した。洗浄は、ONTRAK(商標) DSS200 Integraツールを用いて行った。各試験の後、各ウエハー上に見られた洗浄に関連する欠陥を数え、当業者が認識するであろう通りに分類した。
【0121】
更にCMP後の粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。粗さは、ウエハー表面の最も高い地点と最も低い地点との間の平均差である。
【0122】
組成物は、欠陥の総数によって測定される洗浄能力、及びオングストローム単位で測定される粗さに基づいて評価した。結果は下の表6に記録されており、また
図7に示されている。
図7は、y軸に「欠陥の数」として標識されている尺度で表されている洗浄能力を示すグラフである。下の表6に記録されている洗浄に関連する欠陥の様々な分類は上で定義した。粗さは算術平均値(Ra)として示されている。
【表6】
【0123】
表6及び
図7が示しているように、組成物3Aは組成物3Bよりも多い有機残留物が残る結果となった。典型的な腐食性有機アミンPn及び金属抑制剤としての低濃度のグアニンを用いて調製した組成物3Bは、金属抑制剤なしで調製された組成物3Aよりも有意に優れた洗浄能力を示し、またCMP後の粗さが大幅に低かった。したがって、これらの結果は、本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物が良好な洗浄能力を有しており、かつCMP後に低い粗さを生じさせることを示している。
【0124】
実施例4
この実施例は、銅を含むウエハー基板上に化学機械研磨(「CMP」)が行われた後の、様々な洗浄用組成物を用いた本発明の実施形態に基づいて対比した洗浄用組成物の効果を比較する。
【0125】
具体的には、実施例1で記載したように、銅を含むブランケットウエハー(すなわちパターンなし)に対して、P2銅研磨及びP3バリア研磨を行った。
【0126】
下の表7に列挙されているように、4A〜4Bとして示されている3つの洗浄用組成物を、塩基としての水酸化テトラエチルアンモニウム(TMAH)または水酸化トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(THEMAH)のいずれかと、有機アミンとしてのモノエタノールアミン(MEA)または1,2−ジアミノプロパン(Pn)のいずれかと、酸化防止剤としてのジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)とを用いて調製した。組成物4Bは本発明の実施形態に従って金属抑制剤としてヒポキサンチン(表中で「H」として示されている)を用いて調製した一方で、Clean8158T(商標)として市販されている組成物4Aは、比較の目的でDequest Italmatch ChemicalsからDequest 2000(商標)(D2000)として市販されているトリスホスホン酸を含むエッチング液及び有機抑制剤としてのカルボヒドラジド(CHZ)を用いて調製した。
【表7】
【0127】
研磨されたウエハー基板は、30秒の試験で組成物4A〜4Bのうちの1つを用いて洗浄した。洗浄は、ONTRAK(商標) DSS200 Integraツールを用いて行った。各試験の後、各ウエハー上に見られた洗浄に関連する欠陥を数え、当業者が認識するであろう通りに分類した。
【0128】
更にCMP後の粗さを原子間力顕微鏡を用いて測定した。粗さは、ウエハー表面の最も高い地点と最も低い地点との間の平均差である。
【0129】
組成物は、欠陥の総数によって測定される洗浄能力、及びオングストローム単位で測定される粗さに基づいて評価した。結果は下の表8に記録されており、また
図8に示されている。
図8は、y軸に「欠陥の数」として標識されている尺度で表されている洗浄能力を示している。下の表8に記録されている洗浄に関連する欠陥の様々な分類は上で定義した。粗さは算術平均値(Ra)として示されている。
【表8】
【0130】
表8及び
図8が示しているように、組成物4Aは組成物4Bよりも多い有機残留物が残る結果となった。典型的な腐食性有機アミンPn及び金属抑制剤としての低濃度のヒポキサンチンを用いて調製した組成物4Bは、金属抑制剤なしで調製された組成物4Aよりも有意に優れた洗浄能力を示し、またCMP後の粗さが大幅に低かった。組成物4Bは非常に少ないピット/腐食欠陥の数も示した。したがって、これらの結果は、本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物が良好な洗浄能力を有しており、かつCMP後に低い粗さを生じさせることを示している。
【0131】
実施例5
この実施例は、銅を含むウエハー基板上に化学機械研磨(「CMP」)が行われた後の、様々な洗浄用組成物を用いた本発明の実施形態に基づいて対比した洗浄用組成物の効果を比較する。
【0132】
具体的には、実施例1で記載したように銅を含むブランケットウエハー(すなわちパターンなし)に対してP2銅研磨を行った。その後、各ブランケット銅ウエハーに対して、400ppmのBTAを含む研磨用組成物と、Fujibo−H7000として商業的に識別される研磨パッドとを使用して当業者に理解されるようにP3バリア研磨を行った。研磨は、標準的な研磨パラメーターを用いてMirra(商標) CMP装置上で行った。
【0133】
下の表9に列挙されているように、5A〜5Bとして示されている2つの洗浄用組成物を、塩基としての水酸化テトラエチルアンモニウム(TMAH)または水酸化トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(THEMAH)のいずれかと、有機アミンとしてのモノエタノールアミン(MEA)とを用いて調製した。組成物5Aには、酸化防止有機抑制剤としてカルボヒドラジド(CHZ)も含まれた。組成物5Bは、酸化防止剤としてジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)を用いて調製した。組成物5Aは、Dequest Italmatch ChemicalsからDequest 2000(商標)(D2000)として市販されているトリスホスホン酸を含むエッチング液を用いて調製した。組成物5Bは本発明の実施形態に従って金属抑制剤を用いて調製した一方で、Clean8158T(商標)として市販されている組成物5Aは、金属抑制剤なしで比較の目的で調製した。
【表9】
【0134】
研磨されたウエハー基板は、60秒の試験で組成物5A〜5Bのうちの1つを用いて洗浄した。洗浄は、ONTRAK(商標) DSS200 Integraツールを用いて行った。各試験の後、各ウエハー上に見られた洗浄に関連する欠陥を数え、当業者が認識するであろう通りに分類した。更にCMP後の粗さを測定した。組成物は、欠陥の総数によって測定される洗浄能力、及びオングストローム単位で測定される粗さに基づいて評価した。
【0135】
結果は下の表10及び
図9に示されている。
図9は、右のy軸の目盛りによって表されている粗さと共に、左のy軸に「欠陥の数」として標識されている目盛りで表されている洗浄能力を比較するグラフである。粗さは算術平均値(Ra)として示される。
【表10】
【0136】
表10及び
図7が示しているように、本発明の実施形態に基づく組成物5Bは、組成物5Aと同等の良好な洗浄能力を示しただけでなく、組成物5AよりもCMP後の粗さが大幅に低かった。したがって、本発明の実施形態に基づく洗浄用組成物は、CMPが行われた後に銅ウエハーを洗浄するために使用される場合、良好な洗浄能力とCMP後の低い粗さをもたらす。
【0137】
本明細書に引用されている刊行物、特許出願、及び特許などの全ての参照文献は、それぞれの参照文献が参照により組み込まれることが個別にかつ具体的に指示されているのと同じ程度に、そしてその全体が本明細書に記載されているのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0138】
本明細書を記述する文脈における(特には以降の請求項の文脈における)用語「a」、「an」、「the」、及び「少なくとも1つ」、及び同様の指示語の使用は、本明細書において特段の指示がない限り、あるいは文脈から明確に否定されない限り、単数形と複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。用語「少なくとも1つ」の使用に続く1つ以上の項目の列挙(例えば「AとBのうちの少なくとも1つ」は、本明細書において特段の指示がない限り、あるいは文脈から明確に否定されない限り、列挙されている項目から選択される1つの項目(AまたはB)、または列挙されている項目の2つ以上の任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈すべきである。用語「含有する」、「有する」、及び「含む」(「comprising」、「having」、「including」、及び「containing」)は、特に断りのない限り、非限定的な用語(すなわち、「〜を含むが、それに限定されない」という意味)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において特段の指示がない限り、範囲に含まれる各独立した値を個別に言及するための簡略化した方法としての役割が意図されているに過ぎず、各独立した値は本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に包含される。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書において特段の指示がない限り、あるいは文脈から明確に否定されない限り、任意の適切な順序で行うことができる。本明細書で示されている、いずれか及び全ての実施例、または例示的な言葉(例えば「など」)の使用は、本明細書をより分かり易く説明することを意図しているに過ぎず、これは請求項に記載されていない限り、本明細書の範囲を限定するものではない。明細書におけるいずれの言葉も、いずれの請求項にも記載されていない要素が本発明の実施に必須の要素であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0139】
本明細書には、本発明を行うために本発明者に知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が記載されている。前述の記載を読むことで、当業者はこれらの好ましい実施形態の変形形態を理解できるであろう。発明者らは必要に応じてこのような変形形態が当業者に用いられることを予期しており、本発明者らは本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明が実施されることを想定している。したがって、本発明には、適用される法律によって許されているように、本明細書に添付の請求項で列挙されている主題の全ての変更及び均等物が含まれる。更に、その全ての可能な変形形態中の上述した要素の任意の組み合わせも、本明細書において別段の指示がない限り、あるいは文脈から明確に否定されない限り、包含される。
本発明は、以下の態様を含んでいる。
(1)(a)組成物のpHを約10〜約14のpHに調節するのに有効な量の1種以上の水酸化第四級アンモニウム、
(b)1種以上の有機アミン、
(c)プリン、アゾール、ピリミジン、チアゾール、チアゾリノン、ポリフェノール、バルビツール酸誘導体、シッフ塩基、及びこれらの組み合わせから選択される1種以上の金属抑制剤、並びに
(d)水、
を含有する組成物であって、化学機械研磨後の半導体ウエハーからの汚染物質の除去に適する前記組成物。
(2)前記水酸化第四級アンモニウムが、水酸化エチルトリメチルアンモニウム(ETMAH)、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム(DEDMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAM)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化トリブチルメチルアンモニウム、水酸化トリプロピルメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)、またはこれらの任意の組み合わせである、(1)に記載の組成物。
(3)前記水酸化第四級アンモニウムが水酸化トリヒドロキシエチルメチルアンモニウム(THEMAH)である、(2)に記載の組成物。
(4)前記水酸化第四級アンモニウムが前記組成物の総重量基準で約0.05重量%〜約40重量%の量で存在する、(1)に記載の組成物。
(5)前記1種以上の有機アミンが、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、アミノエチルエタノールアミン(アミノエチルアミノエタノール、AEAE)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパノール、2メチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2(2−ジメチルアミノ)エチル)メチルアミノ)エタノール、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン)、2(tert−ブチルアミノ)エタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−アミノフェノール、1−アミノ−2−プロパノール、システアミン、グリシン、ジエチレントリアミン、ペンタエチレンヘキサミン、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、エチレンジアミン(En)、1,2−ジアミノプロパン(Pn)、N−エチルエチレンジアミン、モノエタノールアミン(MEA)、ジグリコールアミン(DGA)、またはこれらの組み合わせである、(1)に記載の組成物。
(6)前記有機アミンがエチレンジアミン(En)である、(5)に記載の組成物。
(7)前記有機アミンが1,2−ジアミノプロパン(Pn)である、(5)に記載の組成物。
(8)前記有機アミンがモノエタノールアミン(MEA)である、(5)に記載の組成物。
(9)前記有機アミンが前記組成物の総重量基準で約0.002重量%〜約20重量%の量である、(5)に記載の組成物。
(10)前記金属抑制剤が、グアニン、キサンチン、ヒポキサンチン、テオフィリン、パラキサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、アデノシン、グアノシン、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるプリンである、(1)に記載の組成物。
(11)前記金属抑制剤が、3−アミノ−5−メチルピラゾール(3−AMP)、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(3−ATA)、5−アミノテトラゾール(5−ATA)、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール(3,5−ATAまたはグアナゾール)、1,2,4−トリアゾール(TAZ)、1−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1,2,3−トリアゾール、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン(メラミン)、1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド、リバビリン、5−メルカプト−1−フェニルテトラゾール、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるアゾールである、(1)に記載の組成物。
(12)前記金属抑制剤が、シトシン、イソシトシン、葉酸、トリアムテレン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン、6−アミノウラシル、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるピリミジンである、(1)に記載の組成物。
(13)前記金属抑制剤が、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、2−アミノチアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、6−アセチル−2(3H)−ベンゾチアゾロン、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるチアゾールまたはチアゾリノンである、(1)に記載の組成物。
(14)前記金属抑制剤が、カテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ヒドロキノン、没食子酸、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるポリフェノールである、(1)に記載の組成物。
(15)前記金属抑制剤がバルビツール酸または1,3−ジメチルバルビツール酸である、(1)に記載の組成物。
(16)前記金属抑制剤が、1当量または2当量のアセチルアセトン(ACAC)、サリチルアルデヒド(SAL)、4−メチル−5−イミダゾールカルボキシアルデヒド、ピロール−2−カルボキシアルデヒド、2−チオフェンカルボキシアルデヒド、またはこれらの任意の組み合わせと、1当量のヒドロキシルアミン、En、アンモニア、アルキルアミン、またはこれらの任意の組み合わせとの反応によって合成される化合物から選択されるシッフ塩基である、(1)に記載の組成物。
(17)前記金属抑制剤が前記組成物の総重量基準で約0.001重量%〜約10重量%の量である、(1)に記載の組成物。
(18)前記組成物が1種以上のジアルキルヒドロキシルアミンまたはその無機酸もしくは有機酸の塩を更に含有する、(1)に記載の組成物。
(19)前記ジアルキルヒドロキシルアミンがジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)である、(18)に記載の組成物。
(20)(a)前記水酸化第四級アンモニウムが前記組成物の総重量基準で約0.05重量%〜約40重量%の量で存在し、
(b)前記有機アミンが前記組成物の総重量基準で約0.002重量%〜約20重量%の量で存在し、
(c)前記金属抑制剤が前記組成物の総重量基準で約0.001重量%〜約10重量%の量で存在し、
(d)水が前記組成物の総重量基準で約30重量%〜約99.9重量%の量で存在し、
(e)前記組成物のpHが約10〜約14である、
(1)に記載の組成物。
(21)(a)半導体ウエハーの化学機械研磨で生じた汚染物質を有する半導体ウエハーを準備することと、(b)前記半導体ウエハーの表面を(1の前記組成物と接触させて前記半導体ウエハーの表面から少なくとも一部の前記汚染物質を除去することと、を含む洗浄方法。
(22)前記汚染物質が、研磨粒子、有機残留物、金属イオン、パッド屑、及びCMP副生成物、または任意のこれらの組み合わせを含む、(21)に記載の方法。
(23)前記ウエハーが金属導体を含む半導体ウエハーである、(21)に記載の方法。