【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様であるエンコーダは、
光源と、
前記光源からの光を受けるスケールと、
前記スケールからの光を受光し、受光した光に応じた信号を出力する受光部と、
前記受光部からの前記信号に応じて、前記受光部と前記スケールとの間の位置関係を算出する信号処理部と、を有し、
前記光源は、
電池と、
電池が出力する電源電圧を昇圧し、昇圧された電圧を出力する昇圧回路と、
一端に前記昇圧された電圧が印加される発光素子と、
前記発光素子の他端とグランドとの間に挿入され、前記発光素子を流れる電流を制御するドライバ回路と、
前記発光素子と前記ドライバ回路との間の電圧を検出する電圧検出回路と、
前記電圧検出回路が検出した前記電圧が前記電源電圧よりも小さいときに前記昇圧回路に前記電源電圧を昇圧させ、前記電圧検出回路が検出した前記電圧が前記電源電圧と等しくなったときに前記昇圧回路での昇圧を停止させ、かつ、前記発光素子に印加される前記昇圧された電圧が所定の値に達した後に前記発光素子に電流が流れるように前記ドライバ回路を制御する制御回路と、を有するものである。
これにより、発光素子で電圧降下した後の電圧が電源電圧に到達したときに、発光素子に印加される電圧の昇圧を停止する。これにより、発光素子で電圧降下した後の電圧は電源電圧を超えることはないので、ドライバ回路を過電圧から保護し、かつ、電池への電流の逆流を防止することができる。
【0012】
本発明の第2の態様であるエンコーダは、上記のエンコーダであって、
前記電圧検出回路は、前記発光素子と前記ドライバ回路との間の前記電圧が入力され、前記入力された電圧をデジタル信号に変換し、変換した前記デジタル信号を前記制御回路へ出力するアナログ−デジタル変換器として構成され、
前記制御回路は、前記デジタル信号の値に応じて、前記昇圧回路での昇圧を制御する、ことが望ましい。
これにより、制御回路は、アナログ−デジタル変換器の出力信号を参照することで、発光素子で電圧降下した後の電圧が電源電圧に到達したかを検出することができる。
【0013】
本発明の第3の態様であるエンコーダは、上記のエンコーダであって、
前記電圧検出回路は、一方の入力端子に印加される前記電源電圧と、他方の入力端子に印加される前記発光素子と前記ドライバ回路との間の前記電圧と、を比較して、比較結果を前記制御回路に出力する比較器として構成され、
前記制御回路は、前記比較結果に応じて、前記昇圧回路での昇圧を制御する、ことが望ましい。
これにより、制御回路は、比較器の出力信号が遷移することにより、発光素子で電圧降下した後の電圧が電源電圧に到達したことを検出することができる。
【0014】
本発明の第4の態様であるエンコーダは、上記のエンコーダであって、
前記昇圧回路は、
アノードに前記電源電圧が印加される第1のダイオードと、
一端が前記グランドと接続される第1のコンデンサと、
アノードが前記第1のダイオードのカソードと接続され、カソードが前記発光素子の高電位側端と前記第1のコンデンサの他端とに接続される第2のダイオードと、
一端が前記制御回路と接続され、他端が前記第1のダイオードのカソードと前記第2のダイオードのアノードとに接続される第2のコンデンサと、を備え、
前記昇圧回路に前記電源電圧を昇圧させるときには、前記制御回路が前記第2のコンデンサにパルス信号を入力する、ことが望ましい。
これにより、制御信号がパルス信号を入力して、発光素子に印加される電圧を段階的に昇圧することができる。
【0015】
本発明の第5の態様であるエンコーダは、上記のエンコーダであって、
前記第1のコンデンサの容量値は、前記第2のコンデンサの容量値よりも大きい、ことが望ましい。
これにより、発光素子に印加される電圧を、電源電圧に対して小さな増加量にて、段階的に昇圧することができる。
【0016】
本発明の第6の態様であるエンコーダは、上記のエンコーダであって、
前記電池の両端間に挿入された第3のコンデンサを備え、
前記第3のコンデンサの容量値は、前記第1のコンデンサの容量値及び前記第2のコンデンサの容量値よりも大きい、ことが望ましい。
これにより、発光素子に印加される電圧を昇圧しているときの電源電圧の変動を抑制することができる。
【0017】
本発明の第7の態様であるエンコーダは、上記のエンコーダであって、
前記ドライバ回路は、
前記電池と前記グランドとの間に縦続接続される、スイッチ、電流源及び第1のトランジスタと、
一端に前記発光素子と前記ドライバ回路との間の前記電圧が印加され、他端が前記グランドと接続され、前記第1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジスタと、を備え、
前記スイッチの開閉は、前記制御回路によって制御される、ことが望ましい。
これにより、制御信号からスイッチに与えられる信号に応じて、発光素子に電流を流すタイミングを制御することができる。
【0018】
本発明の第8の態様であるエンコーダは、上記のエンコーダであって、
アノードに前記発光素子と前記ドライバ回路との間の前記電圧が印加され、カソードが前記電池と、前記スイッチ、電流源及び第1のトランジスタとの間に接続される第3のダイオードを備える、ことが望ましい。
これにより、発光素子で電圧降下した後の電圧が過度に大きくなった場合に、ドライバ回路に過電圧が印加されることを防止できる。
【0019】
本発明の第9の態様であるエンコーダの光源は、
光を受けるスケールと、前記スケールからの光を受光し、受光した光に応じた信号を出力する受光部と、前記受光部からの前記信号に応じて、前記受光部と前記スケールとの間の位置関係を算出する信号処理部と、を有するエンコーダの前記スケールに前記光を照射する、エンコーダの光源であって、
電池と、
電池が出力する電源電圧を昇圧し、昇圧された電圧を出力する昇圧回路と、
一端に前記昇圧された電圧が印加される発光素子と、
前記発光素子の他端とグランドとの間に挿入され、前記発光素子を流れる電流を制御するドライバ回路と、
前記発光素子と前記ドライバ回路との間の電圧を検出する電圧検出回路と、
前記電圧検出回路が検出した前記電圧が前記電源電圧よりも小さいときに前記昇圧回路に前記電源電圧を昇圧させ、前記電圧検出回路が検出した前記電圧が前記電源電圧と等しくなったときに前記昇圧回路での昇圧を停止させ、かつ、前記発光素子に印加される前記昇圧された電圧が所定の値に達した後に前記発光素子に電流が流れるように前記ドライバ回路を制御する制御回路と、を備える、ものである。
これにより、発光素子で電圧降下した後の電圧が電源電圧に到達したときに、発光素子に印加される電圧の昇圧を停止する。これにより、発光素子で電圧降下した後の電圧は電源電圧を超えることはないので、ドライバ回路を過電圧から保護し、かつ、電池への電流の逆流を防止することができる。
【0020】
本発明の第10の態様であるエンコーダの光源は、上記のエンコーダの光源であって、
前記電圧検出回路は、前記発光素子と前記ドライバ回路との間の前記電圧が入力され、前記入力された電圧をデジタル信号に変換し、変換した前記デジタル信号を前記制御回路へ出力するアナログ−デジタル変換器として構成され、
前記制御回路は、前記デジタル信号の値に応じて、前記昇圧回路での昇圧を制御する、ものである。
これにより、制御回路は、アナログ−デジタル変換器の出力信号を参照することで、発光素子で電圧降下した後の電圧が電源電圧に到達したかを検出することができる。
【0021】
本発明の第11の態様であるエンコーダの光源は、上記のエンコーダの光源であって、
前記電圧検出回路は、一方の入力端子に印加される前記電源電圧と、他方の入力端子に印加される前記発光素子と前記ドライバ回路との間の前記電圧と、を比較して、比較結果を前記制御回路に出力する比較器として構成され、
前記制御回路は、前記比較結果に応じて、前記昇圧回路での昇圧を制御する、ものである。
これにより、制御回路は、比較器の出力信号が遷移することにより、発光素子で電圧降下した後の電圧が電源電圧に到達したことを検出することができる。
【0022】
本発明の第12の態様であるエンコーダの光源は、上記のエンコーダの光源であって、
前記昇圧回路は、
アノードに前記電源電圧が印加される第1のダイオードと、
一端が前記グランドと接続される第1のコンデンサと、
アノードが前記第1のダイオードのカソードと接続され、カソードが前記発光素子の高電位側端と前記第1のコンデンサの他端とに接続される第2のダイオードと、
一端が前記制御回路と接続され、他端が前記第1のダイオードのカソードと前記第2のダイオードのアノードとに接続される第2のコンデンサと、を備え、
前記昇圧回路に前記電源電圧を昇圧させるときには、前記制御回路が前記第2のコンデンサにパルス信号を入力する、ものである。
これにより、制御信号がパルス信号を入力して、発光素子に印加される電圧を段階的に昇圧することができる。
【0023】
本発明の第13の態様であるエンコーダの光源は、上記のエンコーダの光源であって、
前記第1のコンデンサの容量値は、前記第2のコンデンサの容量値よりも大きい、ものである。
これにより、発光素子に印加される電圧を、電源電圧に対して小さな増加量にて、段階的に昇圧することができる。
【0024】
本発明の第14の態様であるエンコーダの光源は、上記のエンコーダの光源であって、
前記電池の両端間に挿入された第3のコンデンサを備え、
前記第3のコンデンサの容量値は、前記第1のコンデンサの容量値及び前記第2のコンデンサの容量値よりも大きい、ものである。
これにより、発光素子に印加される電圧を昇圧しているときの電源電圧の変動を抑制することができる。
【0025】
本発明の第15の態様であるエンコーダの光源は、上記のエンコーダの光源であって、
前記ドライバ回路は、
前記電池と前記グランドとの間に縦続接続される、スイッチ、電流源及び第1のトランジスタと、
一端に前記発光素子と前記ドライバ回路との間の前記電圧が印加され、他端が前記グランドと接続され、前記第1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジスタと、を備え、
前記スイッチの開閉は、前記制御回路によって制御される、ものである。
これにより、制御信号からスイッチに与えられる信号に応じて、発光素子に電流を流すタイミングを制御することができる。
【0026】
本発明の第16の態様であるエンコーダの光源は、上記のエンコーダの光源であって、
アノードに前記発光素子と前記ドライバ回路との間の前記電圧が印加され、カソードが前記電池と、前記スイッチ、電流源及び第1のトランジスタとの間に接続される第3のダイオードを備える、ものである。
これにより、発光素子で電圧降下した後の電圧が過度に大きくなった場合に、ドライバ回路に過電圧が印加されることを防止できる。