特許第6800953号(P6800953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800953
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20201207BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20201207BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   G01N35/00 F
   G01N35/02 E
   G01N35/10 F
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-507091(P2018-507091)
(86)(22)【出願日】2017年1月31日
(86)【国際出願番号】JP2017003256
(87)【国際公開番号】WO2017163613
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2019年11月13日
(31)【優先権主張番号】特願2016-61085(P2016-61085)
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】千田 早織
(72)【発明者】
【氏名】有賀 洋一
(72)【発明者】
【氏名】安居 晃啓
(72)【発明者】
【氏名】村松 由規
(72)【発明者】
【氏名】井上 陽子
(72)【発明者】
【氏名】為實 秀人
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−019746(JP,A)
【文献】 特開2015−200527(JP,A)
【文献】 特開2009−222453(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0099057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応セルに試薬を分注する試薬プローブ、反応セルに試料を分注する試料プローブ、反応セル内の液体に接触させて撹拌する撹拌機構のいずれかの洗浄対象部材と、
前記洗浄対象部材を洗浄液で洗浄する洗浄槽と、
反応セルに収容した評価用試薬の光学特性を測定する測定部と、
前記洗浄対象部材、前記洗浄槽および前記測定部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記洗浄槽で洗浄した前記洗浄対象部材を該評価用試薬に接触させ、
前記制御部は、前記測定部に該評価用試薬への接触後の前記光学特性を測定させ、測定された前記光学特性に基づき、前記洗浄対象部材の洗浄液の反応セルへの持込み量を算出することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記測定部に該評価用試薬への接触前の前記光学特性を測定させ、前記洗浄対象部材の接触前後の前記光学特性に基づき、前記洗浄対象部材の洗浄液の反応セルへの持込み量を算出することを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動分析装置において、
さらに、前記洗浄対象部材を洗浄液で洗浄した後に前記洗浄対象部材に付着した洗浄液を除去する動作を行う水滴除去機構を有することを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項3記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記水滴除去機構で前記洗浄対象部材に付着した洗浄液を除去する動作を行った後の前記洗浄対象部材を該評価用試薬に接触させることを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項4記載の自動分析装置において、
前記洗浄対象部材は、前記試薬プローブ又は前記試料プローブのいずれかの分注プローブであって、
前記制御部は、前記分注プローブを同一の前記反応セルと前記洗浄槽との間を複数回往復させる制御を行い、前記分注プローブの洗浄液での洗浄動作、前記水滴除去機構による前記分注プローブに付着した洗浄液の除去動作、及び、該評価用試薬への前記分注プローブの接触動作を含む一連の動作を繰り返す制御を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項5記載の自動分析装置において、
さらに、前記反応セル及び他の複数の反応セルを備え、回転駆動する反応ディスクを備え、
前記制御部は、試料を分析する際に前記反応ディスクの回転駆動を制御し、
前記制御部は、前記一連の動作を繰り返す間、前記反応ディスクを静止させ続ける制御を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項6記載の自動分析装置において、
前記制御部は、試料を分析する際に所定のサイクル時間内で、前記分注プローブでの分注対象液の吸引、吐出、および、前記分注プローブの洗浄を行い、
前記制御部は、同一の前記所定のサイクル時間内で、前記一連の動作を実行することを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項6記載の自動分析装置において、
さらに、該評価用試薬を収容する試薬容器を保持する試薬ディスクを備え、
前記分注プローブは前記試薬プローブであり、前記試薬プローブは前記試薬容器から該評価用試薬を前記反応セルに分注し、
前記制御部は、試料を分析する際には、前記試薬プローブを洗浄位置から試薬吸引位置まで水平方向に移動させた後、該試薬吸引位置から下降させ試薬を吸引する制御を行い、
前記制御部は、前記試薬容器から該評価用試薬を吸引する際に、該試薬吸引位置から下降させ該評価用試薬を吸引する制御を行い、
前記制御部は、前記一連の動作を繰り返す場合には、該洗浄位置から該試薬吸引位置に移動させ、該試薬容器に収容された該評価用試薬に接触動作させることなく、反応セルに収容された該評価用試薬に接触動作させる制御を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
請求項6記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記一連の動作が繰り返された後、静止させ続けていた前記反応ディスクを回転する制御を行い、反応セルに収容された該評価用試薬と分注プローブを介して該評価用試薬に混入した洗浄液とを撹拌可能な位置まで反応セルを移動させ、
前記制御部は、該位置で該評価用試薬と該洗浄液とを撹拌する制御を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記光学特性は、吸光度、透過率、発光度、濁度のいずれかであることを特徴とする自動分析装置。
【請求項11】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記光学特性は、吸光度であって、
前記測定部は、試料を分析する際に、試料と試薬との混合液の吸光度を測定する光度計であり、
前記制御部は、該評価用試薬への接触前後の吸光度の差に基づき、前記洗浄対象部材の洗浄液の反応セルへの持込み量を算出することを特徴とする自動分析装置。
【請求項12】
請求項4記載の自動分析装置において、
さらに、前記水滴除去機構が正常に機能しているか否かを判別する前記持込み量の閾値を記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、算出した持込み量と前記閾値に基づき、前記水滴除去機構が正常に機能しているか否かを判別することを特定とする自動分析装置。
【請求項13】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記洗浄対象部材は、前記試薬プローブであって、
前記光学特は、吸光度であって、
前記測定部は、試料を分析する際に、試料と試薬との混合液の吸光度を測定する光度計であり、
さらに、前記試薬プローブを洗浄液で洗浄した後に前記試薬プローブに付着した洗浄液を除去する動作を行う水滴除去機構と、
該評価用試薬を収容する試薬容器を保持する試薬ディスクと、
前記試料プローブと、を有し、
前記制御部は、前記試薬容器から該評価用試薬を前記反応セルに分注し、
前記制御部は、前記水滴除去機構で除去しきれない洗浄液の反応セルへの持込み量を算出することを特徴とする自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液持込量評価方法を有する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や血漿・尿等の生体試料の成分分析を行う体外診断用自動分析装置は、その再現性・正確さから現在の診断には欠かせないものとなっている。
【0003】
例えば、自動分析装置において、洗浄後のプローブや撹拌子に付着した洗浄水などの洗浄液が試料や試薬に持ち込まれると、試料や試薬の劣化や測定結果の悪化につながる。これに対し、真空吸引を用いた乾燥口や、風で洗浄液を吹きとばすブロワーや、洗浄液をふき取るワイパーのような水滴除去機構が搭載された自動分析装置がある。
【0004】
しかしながら、プローブや撹拌子に付着した洗浄液量の確認方法は、目視確認や、用手法による評価であったため、ユーザやサービスマンによって洗浄液の持込み量の測定は簡易ではなく、水滴除去機構が正常に機能しているかの判定は容易ではなかった。
【0005】
特許文献1には、自動分析装置の洗浄性能を容易に確認可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−220436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1は、色素液を用いて容易にプローブや撹拌子の洗浄能力を評価する技術を開示している。しかしながら、プローブや撹拌子に付着した洗浄液がどのくらい試料や試薬に持ち込まれるかを測定し、水滴除去機構が正常に機能しているかどうかを判定する技術ではない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、プローブや撹拌子を洗浄する機構を有する自動分析装置において、洗浄液の持込み量を自動で測定し、また、水滴除去機構が備わっている場合には正常に機能しているか容易に確認できる自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の代表的な構成は以下である。
【0010】
本発明は、反応セルに試薬を分注する試薬プローブ、反応セルに試料を分注する試料プローブ、反応セル内の液体に接触させて撹拌する撹拌機構のいずれかの洗浄対象部材と、前記洗浄対象部材を洗浄液で洗浄する洗浄槽と、反応セルに収容した評価用試薬の光学特性を測定する測定部と、前記洗浄対象部材、前記洗浄槽および前記測定部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記洗浄槽で洗浄した前記洗浄対象部材を該評価用試薬に接触させ、前記制御部は、前記測定部に該評価用試薬への接触後の前記光学特性を測定させ、測定された前記光学特性に基づき、前記洗浄対象部材の洗浄液の反応セルへの持込み量を算出する自動分析装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自動でプローブや撹拌子による洗浄液の持込み量を測定することができる。ひいては、水滴除去機構の異常を把握できる。
【0012】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明を適用した自動分析装置の概略図である。
図2】本発明を適用した自動分析装置の上面概略図である。
図3】本発明に係るプローブにおける水持込み量チェックの流れである。
図4】本発明を適用した自動分析装置の測定結果出力表である。
図5】本発明に係る撹拌機構における水持込み量チェックの流れである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明を適用した自動分析装置の概略図である。
【0016】
図1を用いて各機構について説明する。自動分析装置にはコンピュータ1が備えられており、それに入力装置2(キーボードやタッチパネル)が付随する。コンピュータ1には、記憶部と表示部が含まれており、分析に必要な情報や測定結果を記憶部に記憶したり、表示部に表示したりすることができる。なお、記憶部は、例えば、ハードディスク、DRAMやフラッシュメモリー等のメモリーであり、表示部は、例えば、ブラウン管や液晶ディスプレイ等のディスプレイである。
【0017】
自動分析装置は、自動分析装置の各機構を制御する制御部3を備えている。以降説明する各機構は制御部3での機構制御を利用している。なお、制御部3は、例えば、CPUや演算回路等のコントローラーである。
【0018】
自動分析装置は、反応セル4を円周状に配置した反応ディスク5を備えている。反応ディスク5は、モータ等の駆動機構により回転し、分析工程に応じて反応セル4を移動、退避させる。以降、反応セル4の移動、退避は、自動分析装置による制御によって反応ディスク5が回転したものとして記述する。また、反応セル4は試料や試薬が分注される容器であるが、分注された溶液をそのまま測光できる測光容器としても用いることができる。
【0019】
反応ディスク5上には反応容器洗浄機構6を備えており、分析工程に応じて反応セル4内の液体を吸引し、洗剤や水を吐出し、反応セル4内の洗浄を行う。
【0020】
自動分析装置は、試料搬送機構7を備えている。複数個の試料容器8が試料ラック9に設置され、試料搬送機構7は試料ラック9を自動分析装置内部へと搬送する。
【0021】
自動分析装置は、試薬容器10を格納する試薬ディスク11を備えており、試薬ディスク11は、試薬容器10を複数個格納することが可能である。試薬ディスク11は、回転することにより分析項目に応じた試薬容器10を移動、退避させる。
【0022】
自動分析装置は、試料分注機構12によって試料を試料容器8から反応セル4へと分注する。試料分注機構12は、反応セル4に試料を分注する試料プローブ13を備えている。
【0023】
自動分析装置は、試薬分注機構14によって試薬を試薬容器10から反応セル4へと分注する。試薬分注機構14は反応セル4に試薬を分注する試薬プローブ15を備えている。
【0024】
自動分析装置は、反応セル4内の試料や試薬の混合液を撹拌する撹拌機構16を備えている。撹拌機構16とは、例えば、混合液へ浸漬する接触型の撹拌棒や撹拌子や、混合液へ浸漬しない非接触型の超音波撹拌などを指す。
【0025】
自動分析装置は、反応セル4内に収容された混合液の吸光度や発光度や濁度を測定し、読み取る測定部17を備えている。自動分析装置は、測定部17で読み取った測定情報を用いて生体試料の成分分析を行うことができる。測定部17は光源と検出器を有し、光源は混合液に対して光を照射し、検出器は混合液を介して到達する光源からの光を検出する。
【0026】
また、試料プローブ13の動作範囲に試料プローブ洗浄槽18と試料プローブ水滴除去機構19を、試薬プローブ15の動作範囲に試薬プローブ洗浄槽20と試薬プローブ水滴除去機構21を、撹拌機構16の動作範囲に撹拌機構洗浄槽22と撹拌機構水滴除去機構23を備えている。
【0027】
試料プローブ洗浄槽18では試料プローブ13を、試薬プローブ洗浄槽20では試薬プローブ15を、撹拌機構洗浄槽22では撹拌機構16を洗浄液で洗浄する。すなわち各洗浄槽では洗浄対象部材を洗浄液で洗浄することができる。洗浄液としては、洗剤や純水が用いることができるが、以下の実施例中では洗浄液は純水として説明する。
【0028】
洗浄槽で洗浄された後、プローブや撹拌機構16には洗浄液が付着する。試料プローブ水滴除去機構19では試料プローブ13の、試薬プローブ水滴除去機構21では試薬プローブ15の、撹拌機構水滴除去機構23では撹拌機構16の水滴を除去する。水滴除去機構とは、例えば、真空吸引を用いた乾燥口や、風で洗浄液を吹きとばすブロワーや、洗浄液をふき取るワイパーなどである。すなわち、各水滴除去機構は、洗浄対象部材を洗浄液で洗浄した後に洗浄対象部材に付着した洗浄液を除去する動作を行う。
【0029】
前述したように制御部3は各機構を制御する。例えば、試薬プローブや試料プローブの駆動、反応ディスクの駆動、各種水滴除去機構の水滴除去制御、洗浄槽での洗浄液の吐出制御、測定部での測定に関する制御、分析結果の算出など、様々な制御を制御部3が行う。
【0030】
図2は、本発明を適用した自動分析装置の上面概略図である。尚、図において、同一符号は同一部品を示すので、再度の説明は省略する。図2を用いて分析工程について説明する。
【0031】
血液や血漿・尿等の生体試料(以下、試料又は検体と称する)が入った試料容器8に対して、オペレータが各々分析する項目をコンピュータ1で登録する。
【0032】
検体前処理システムやオペレータによって、検体を設置した試料ラック9を自動分析装置に設置する。自動分析装置は、試料搬送機構7で試料ラック9に設置した検体を試料吸引位置51へと搬送する。
【0033】
自動分析装置は、試料(検体)を反応セル4に分注する前に、反応容器洗浄機構6によって反応セル4を洗浄する。反応ディスク5が回転し、洗浄した反応セル4が試料吐出位置52へ移動する。
【0034】
自動分析装置は、試料プローブ13を試料プローブ洗浄槽18が備えられている試料プローブ洗浄位置53へと移動させ、試料プローブ13を洗浄する。試料プローブ13洗浄後、試料プローブ水滴除去機構19により試料プローブ13に付着した洗浄水を除去する。自動分析装置は、試料プローブ13を試料吸引位置51へと移動させ、試料プローブ13は試料容器8の検体から登録分析項目に応じた量の試料を吸引する。自動分析装置は、試料を吸引した試料プローブ13を、試料吐出位置52へと移動し、吸引した試料を反応セル4へと吐出する。試料を吐出後、自動分析装置は、試料プローブ13を試料プローブ洗浄位置53へと移動し、試料プローブ洗浄槽18にて試料プローブ13を洗浄する。
【0035】
反応ディスク5が回転し、試料を吐出した反応セル4を試料吐出位置52から試薬吐出位置54へと移動する。
【0036】
自動分析装置は、試薬ディスク11を回転することにより、分析項目に応じた試薬容器10を試薬吸引位置55へと移動する。
【0037】
自動分析装置は、試薬プローブ15を試薬プローブ洗浄槽20が備えられている試薬プローブ洗浄位置56へと移動させ、試薬プローブ15を洗浄する。試薬プローブ15洗浄後、試薬プローブ水滴除去機構21により試薬プローブ15に付着した洗浄水を除去する。自動分析装置は、試薬プローブ15を試薬吸引位置55へと移動させ、試薬プローブ15は試薬容器10の試薬から登録分析項目に応じた量の試薬を吸引する。自動分析装置は、試薬を吸引した試薬プローブ15を、試薬吐出位置54へ移動し、吸引した試薬を生体試料が吐出された反応セル4へと吐出する。試薬を吐出後、自動分析装置は、試薬プローブ15を試薬プローブ洗浄位置56へと移動し、試薬プローブ洗浄槽20にて試薬プローブ15を洗浄する。
【0038】
撹拌機構16が接触型の撹拌棒や撹拌子の場合、自動分析装置は、撹拌機構16を撹拌機構洗浄槽22が備えられている撹拌機構洗浄位置58へと移動させ、撹拌機構16を洗浄する。撹拌機構16洗浄後、撹拌機構水滴除去機構23により撹拌機構16に付着した洗浄水を除去する。自動分析装置は撹拌機構16を撹拌位置57へと移動させ混合液を撹拌する。
【0039】
撹拌機構16が非接触型の超音波撹拌などの場合、洗浄槽は必要ないので、反応セル4を撹拌位置57へと移動し混合液を撹拌する。
【0040】
自動分析装置は、測定部17で反応セル4内の混合液の吸光度や発光度・濁度を測定し、試料の成分分析を行い、結果をコンピュータ1の表示部に表示する。
【0041】
成分分析の終わった反応セル4内の混合液は廃棄され、反応セル4を反応容器洗浄機構6によって洗浄する。
【0042】
以上が自動分析装置における分析工程である。この工程で、対象液を薄める可能性がある工程は3つある。1つ目は試料プローブ13が試料容器8から試料を吸引するとき、2つ目は試薬プローブ15が試薬容器10から試薬を吸引するとき、3つ目は接触型の撹拌棒や撹拌子などの撹拌機構16が反応セル4内の混合液を撹拌するときである。
【0043】
図3は、水持込み量チェックの流れである。水持込み量の評価用試薬の光学特性の測定として吸光度を測定する例で説明する。以下の流れは、制御部3の制御によって成される。このチェックは、メンテナンスや機構の動作確認として行う。
【0044】
図3を用いて試薬プローブ15に対する水持込み量チェックを説明する。
【0045】
ステップ1(S1)では、ユーザやサービスマンによってコンピュータ1に水持込み量チェックの依頼を行う。例えば、メンテナンスの項目に水持込み量チェックの項目があり、その項目のSTARTボタンを押すなど、容易な依頼方法である。
【0046】
ステップ2(S2)では、評価用試薬を試薬ディスク11に設置する。水持込み量チェックの依頼をすると、自動分析装置はユーザやサービスマンに対し、評価用試薬の設置を要求する。ユーザやサービスマンは、評価用試薬が入っている試薬容器10を試薬ディスク11に設置する。評価用試薬とは、例えば、吸光度1AbsのオレンジG水溶液などで、測定部17で測定可能な吸光度を有している液体である。なお、吸光度の他、透過率、発光度、濁度を測定しても良い。
【0047】
ステップ3(S3)では、自動分析装置の準備動作を行う。準備動作とは、試薬の残量を確認し、反応ディスク5を回転させ試薬吐出位置54に反応セル4を移動し、試薬ディスク11に設置した評価用試薬を試薬吸引位置55に移動することである。
【0048】
ステップ4(S4)では、評価用試薬の分注動作を行う。評価用試薬の分注工程は、自動分析装置の分析工程での試薬分注と同じ制御方法である。自動分析装置は、試薬プローブ15を試薬プローブ洗浄槽20が備えられている試薬プローブ洗浄位置56へと移動させ、試薬プローブ15を洗浄水で洗浄する。試薬プローブ15洗浄後、試薬プローブ水滴除去機構21により試薬プローブ15に付着した洗浄水を除去する。自動分析装置は、試薬プローブ15を試薬吸引位置55へと移動させ、試薬プローブ15は試薬容器10の評価用試薬を一定量吸引する。自動分析装置は、試薬を吸引した試薬プローブ15を、試薬吐出位置54へ移動し、反応セル4へと吐出する。試薬を吐出後、自動分析装置は、試薬プローブ15を試薬プローブ洗浄位置56へと移動し、試薬プローブ洗浄槽20にて試薬プローブ15を洗浄水で洗浄する。
【0049】
ステップ5(S5)では、反応セル4内の評価用試薬を撹拌する。評価用試薬の分注された反応セル4を撹拌位置57に移動し、撹拌機構16で撹拌する。この時、撹拌機構16は非接触の超音波撹拌などを用いると、撹拌機構16による水持込み量を考慮する必要がない。
【0050】
ステップ6(S6)では、一定時間反応ディスク5の回転を静止する。反応セル4は撹拌位置に一定時間停止し、反応セル4内評価用試薬の撹拌によって生じた泡が落ち着き、評価用試薬の温度も安定になる。
【0051】
ステップ7(S7)では、水持込み動作前の評価用試薬の吸光度を測定する。評価用試薬が分注された反応セル4を測定部17まで移動し、吸光度を測定する。このときの吸光度が動作前吸光度となり、評価用試薬のリファレンスとなる。
【0052】
ステップ8(S8)では、反応セル4が移動する。吸光度の測定が終わった評価用試薬が分注された反応セル4を、試薬吐出位置54まで移動する。
【0053】
ステップ9(S9)からステップ14(S14)までで水持込み動作を行う。
【0054】
ステップ9(S9)では、試薬プローブ15が試薬プローブ洗浄槽20に移動する。
【0055】
ステップ10(S10)では、試薬プローブ洗浄槽20が動作し、試薬プローブ15を洗浄水で洗浄する。
【0056】
ステップ11(S11)では、試薬プローブ水滴除去機構21が動作し、試薬プローブ15の水滴を除去する。なお、水滴除去の手段は、前述のように吸引する方法、吹き飛ばす方法、拭き取る方法などが挙げられ、いずれかの方法又はこれらとは異なる方法であっても構わないが少なくとも制御部3の制御に基づいて実行される。
【0057】
ステップ12(S12)では、試薬プローブ15が試薬吸引位置55に移動し、試薬プローブ動作をする。ここでの試薬プローブ動作とは、試薬プローブ15が試薬吸引位置55に移動するが、試薬プローブ15を試薬に接触させないため試薬プローブ15の吸引下降上昇動作と、試薬の吸引、吐出動作を伴わない動作である。なお、ステップ12(S12)は省略可能であり省略しても良い。
【0058】
ステップ13(S13)では、試薬プローブ15が試薬吐出位置54に移動する。試薬吐出位置54には評価用試薬が分注された反応セル4がある。
【0059】
ステップ14(S14)では、反応セル4内の評価用試薬へ試薬プローブ15が接触動作する。試薬プローブ15が下降し評価用試薬と接する。この時、試薬プローブ15外側に付着した水滴だけを水持込み量測定の対象とするため、試薬の吸引、吐出動作をしないよう制御することが望ましい。また、試薬プローブ15が評価用試薬に対し下降し、評価用試薬から上昇する動作は、実際の試薬分注動作時に試薬プローブ15が試薬を吸引する動作と同様の制御にすることが望ましい。試薬プローブ15が試薬に接する部分に試薬プローブ水滴除去機構21で除去しきれない水滴が付着していると、評価用試薬が薄まる。
【0060】
ステップ15(S15)では、水持込み動作を繰り返すかどうか判定する。水持込み動作を繰り返す場合は、ステップ9(S9)に戻り水持込み動作を行う。この繰り返しは行わなくとも1回以上行っても良いが、繰り返し回数が多ければ多い程、評価用試薬が薄まり易くなることから、水持込み動作前後の吸光度の差を見えやすくするためには1回以上繰り返したほうが良い。すなわち、複数回水持込み動作を行うことが望ましい。なお、ここでの判定は、予め装置側で設定された繰り返し回数分、装置が水持込み動作を実行したかを確認することを意味し、設定された繰り返し回数に満たない場合には、水持込み動作終了判定はNOとなり、制御部3はステップ9〜14(S9〜14)の動作を設定された回数を満たすまで繰り返す。この回数を満たした場合には、水持込み動作終了判定はYESとなる。
【0061】
ステップ16(S16)では、自動分析装置は、反応セル4内の評価用試薬を撹拌する。評価用試薬の分注された反応セル4を撹拌位置57に移動し、撹拌機構16で撹拌する。この時、ステップ5(S5)と同様に、撹拌機構16は非接触の超音波撹拌機構を用いると、撹拌機構16による水持込み量を考慮する必要がない。
【0062】
ステップ17(S17)では、一定時間反応ディスク5の回転を静止する。反応セル4は撹拌位置57に一定時間停止し、反応セル4内評価用試薬は持ち込まれた水と均一になり安定化する。
【0063】
ステップ18(S18)では、水持込み動作後の評価用試薬の吸光度を測定する。評価用試薬が分注された反応セル4を測定部17まで移動し、吸光度を測定する。このときの吸光度が動作後吸光度となり、水持込み量算出に使用される。
【0064】
ステップ19(S19)では、水持込み量を算出し、測定結果を出力する。水持込み動作前後の吸光度を比較し、水持込み量を算出し、測定結果をコンピュータ1の表示部に出力する。詳細は図4にて説明する。S4からS18までを繰り返し、複数の水持込み量のデータを算出し、これらの平均値をとるとなお良い。
【0065】
ステップ20(S20)では、水滴除去機構が正常に機能しているかどうか判定する。算出した水持込み量、または水持込み量の平均値が自動分析装置で設定した閾値を超えているかどうか判定する。閾値を超えていた場合、ステップ21(S21)に進む。
【0066】
ステップ21(S21)では、自動分析装置は水滴除去機構異常などのアラームを発生させユーザに知らせる。例えば、閾値を水持込み量0.15μLと設定し、これを超えていた場合、水滴除去機構の機能が弱まっていると判定し、自動分析装置は、水滴除去機構に関する流路の漏れ確認や、水滴除去機構の詰まり、汚れ確認などをコンピュータ1の画面に表示する。さらに、閾値を水持込み量0.30μLと設定し、これを超えていた場合、水滴除去機構の機能が働いていないと判定し、水滴除去機構に関する接続確認を促す情報をコンピュータ1の画面に表示する。例えば、エア吐出や吸引用のチューブとポンプとが接続されていない、ポンプが電源に接続されていないなどの接続エラーが考えられる。
【0067】
ステップ22(S22)では、アラームの表示によって、ユーザやサービスマンは水滴除去機構の異常を解消し、再度水持込み量チェックを依頼する。
【0068】
ステップ23(S23)では、プローブの汚れなどにより水持込み量の増加が想定される場合に、プローブの洗浄動作を行い、再度水持込み量チェックを実施してもよい。
【0069】
水持込み量が閾値を超えない場合、許容される水持込み量と判定し、ステップ24(S24)に進む。
【0070】
ステップ24(S24)では、水滴除去機構は正常に機能していると判定し、混合液の廃棄や反応セル4の洗浄などの測定終了動作を行う。
【0071】
ステップ25(S25)では、評価用試薬を試薬ディスク11から取り出す。自動分析装置はユーザやサービスマンに対し評価用試薬の取り出しを要求し、評価用試薬が入っている試薬容器10が試薬ディスク11取り出される。
【0072】
以上が水持込み量チェックの流れである。
【0073】
このチェックフローにおける動作は、通常の分析工程の分注動作と同じサイクル時間で制御している。プローブ洗浄に関しても、通常の分析工程の試薬分注動作と同じように、内洗と外洗両方行う。これは、プローブに付着する水滴量が、なるべく通常の動作と同じ条件になるようにするためである。
【0074】
通常の分析工程と異なる点は大きく3点である。
【0075】
1点目はステップ12(S12)で、通常、プローブが吸引位置に移動し、プローブが下降し、プローブが液面に到達し、液体を吸引し、プローブが上昇する。それに対し、本発明のプローブ動作は、プローブが液面に到達しないように制御し、液体を吸引しないように制御している。
【0076】
2点目はステップ14(S14)で、通常、プローブが反応セル4上で下降し、液体を吐出し、プローブが上昇し、洗浄槽へと移動する。それに対し、本発明のプローブ接触動作では、プローブが反応セル4内の評価用試薬に接触するまで下降し、また、液体を吐出しないように制御している。
【0077】
3点目はステップ12(S12)で、通常、反応ディスク5は一定時間ごとに回転して反応セル4を移動させているのに対し、本発明で複数回水持込み動作を行う場合、同じ反応セル4にプローブを接触させるため、反応ディスク5が回転しないように制御している。
【0078】
複数回水持込み動作を行う場合、水持込み動作を1回行うごとに反応セル4を撹拌位置57に移動させ、反応セル4内の評価用試薬の撹拌をしてもよい。ただし、水持込み動作を1回行うごとに撹拌をした場合、反応セル4内の評価用試薬は持ち込まれた水と混ざり均一になるという利点はあるが、撹拌によって反応セル4内の評価用試薬液面に気泡層が生じ、容器内の気泡は取り除かれている通常の液面環境と変わってしまうという欠点がある。このため、水持込み動作毎に評価用試薬の撹拌を行わずに反応ディスクを静止させた状態で複数回水持込み動作を行うことが望ましい。
【0079】
図4は、本発明を適用した自動分析装置の測定結果出力表の例である。図4を用いて水持込み量算出方法についての例を説明する。
【0080】
図4は、ステップ19(S19)で、水持込み動作前後の吸光度を比較し、コンピュータ1で水持込み量を算出し、測定結果をコンピュータ1の表示部に出力したときの測定結果出力表である。
【0081】
図3の流れで、評価用試薬の分注量を150μL、水持込み動作(S9からS14)を10回、水持込み量チェック(S4からS18)を3回繰り返したとする。
【0082】
水持込みチェックを3回繰り返したので、反応セル4は3つある(60:行1)。図3のステップ7(S7)の水持込み動作前の測光動作で測定する波長は、例えば、評価用試薬にオレンジGを用いた場合は、主波長480nm、副波長570nm、主波長と副波長の差を用いて(61:行2)、各波長の吸光度を測定し、計算する(62:行3)。図3のステップ18(S18)の水持込み動作後の測光動作で測定する波長と吸光度も同様である(63:行4)。
【0083】
1分注あたりの水持込み量DμLは次の式から計算し、水持込み量として表示する(64:行5)。
【0084】
DμL=150μL×((動作前吸光度(主−副))−(動作後吸光度(主−副)))/(動作後吸光度(主−副))/水持込み動作回数10回
水持込み量チェックを繰り返したので、各反応セル4で算出された水持込み量から平均を計算し表示する(65:平均値)。この例によれば、平均が0.33μL/回であるため前述の閾値例では接続エラーに該当する。このため、水滴除去機構の機能が働いていないと判定し、水滴除去機構に関する接続確認を促す情報をコンピュータ1の画面に表示する。
【0085】
以上の流れより、評価用試薬を設置するだけで水持込み量が自動で算出でき、水滴除去機構が正常か容易に確認することができる。この発明により、装置の機構動作の信頼性が向上する。
【0086】
本実施例は、新たな部品を追加することなく、試薬プローブ15の水持込み量を自動で算出することができる。ユーザの作業としては、コンピュータ1を用いて自動分析装置に依頼し、評価用試薬が入っている試薬容器10を試薬ディスク11に設置、取り出すだけである。残りの作業である吸収セルへの一定量の色素液の分注、吸収セルによる吸光度測定、これらの繰り返し作業は、全て装置に自動でさせることで、容易に水持込み量を測定することができる。また、水滴除去機構が正常に機能していることが確認でき、試薬の水持込みによる測定範囲の低下や測定誤差といった測定結果の悪化の可能性を防ぐことができる。
【実施例2】
【0087】
次に、本発明による第2の実施例を説明する。
【0088】
第1の実施例では、試薬プローブ15による水持込み量を測定する例を述べたが、第2の実施例では試料プローブ13による水持込み量を測定するところが第1の実施例と比較した場合の変更点である。
【0089】
試料プローブ13における水持込み量測定は、図3とほぼ同様の流れである。動作の変更点を次に記す。
【0090】
ステップ8(S8)では、試料プローブ13の水持込み量を測定するため、反応セル4を試料吐出位置52まで移動する。
【0091】
ステップ9(S9)では、試料プローブ13が試料プローブ洗浄槽18に移動する。
【0092】
ステップ10(S10)では、試薬プローブ洗浄槽18が動作し、試料プローブ13を洗浄する。
【0093】
ステップ11(S11)では、試料プローブ水滴除去機構19を動作し、試料プローブ13の水滴を除去する。
【0094】
ステップ12(S12)では、試料プローブ13が試料吸引位置51に移動し、試料プローブ動作をする。ここでの試料プローブ動作とは、試料プローブ13が試料吸引位置51に移動するが、試料プローブ13を試料に接触させないため試料プローブ13の吸引下降上昇動作と、試料の吸引、吐出動作を伴わない動作である。
【0095】
ステップ13(S13)では、試料プローブ13が試料吐出位置52に移動する。試料吐出位置52には評価用試薬が分注された反応セル4がある。
【0096】
ステップ14(S14)では、反応セル4内の評価用試薬へ試料プローブ13が接触動作する。試料プローブ13が下降し評価用試薬と接する。この時、試料プローブ13外側に付着した水滴だけを水持込み量測定の対象とするため、試薬の吸引、吐出動作をしないよう制御する。また、試料プローブ13が評価用試薬に対し下降し、評価用試薬から上昇する動作は、実際の試料分注動作時に試料プローブ13が試料を吸引する動作と同様の制御にする。試料プローブ13が試料に接する部分に試料プローブ水滴除去機構19で除去しきれない水滴が付着していると、評価用試薬が薄まる。
【0097】
以上が第2の実施例における第1の実施例との変更点である。
【0098】
評価用試薬は試料プローブ13を用いて反応セル4に分注しても良いが、撹拌や測光に十分な量を精度よく分注できることが必要である。
【0099】
以上、本実施例の自動分析装置は、試料プローブ13に対する水持込み量チェックができる。
【実施例3】
【0100】
次に、本発明による第3の実施例を説明する。
【0101】
第1、2の実施例では洗浄対象部材が試薬又は試料プローブであってプローブによる水持込み量を測定し、水滴除去機構を評価する例を述べたが、第3の実施例では洗浄対象部材が反応セル内の液体に接触させて撹拌する撹拌機構16であって、撹拌時に水持込みの可能性がある撹拌棒や撹拌子などの接触型での水持込み量を測定するところが第1、2の実施例と比較した場合の変更点である。
【0102】
図5は、撹拌機構16における水持込み量チェックの流れである。図5では、図3のS9からS14を、S31からS35に変更している。撹拌機構16の水持込み量測定は、図3とほぼ同様の流れである。動作の変更点を次に記す。
【0103】
ステップ8(S8)では、反応セル4が移動する。吸光度の測定が終わった評価用試薬が分注された反応セル4を、撹拌位置57まで移動する。
【0104】
ステップ31(S31)では、撹拌機構16が撹拌機構洗浄槽22に移動する。
【0105】
ステップ32(S32)では、撹拌機構洗浄槽22が動作し、撹拌機構16を洗浄する。
【0106】
ステップ33(S33)では、撹拌機構水滴除去機構23を動作し、撹拌機構16の水滴を除去する。
【0107】
ステップ34(S34)では、撹拌機構16が撹拌位置57に移動する。撹拌位置57には評価用試薬が分注された反応セル4がある。
【0108】
ステップ35(S35)では、反応セル4内の評価用試薬へ撹拌機構16が接触動作する。撹拌機構16が下降し評価用試薬と接する。この時、撹拌動作はしてもしなくてもよい。なお、プローブの場合と異なり撹拌機構16の場合にはより深い位置まで下降し評価用試薬に浸かるため撹拌機構16は評価用試薬に浸漬される。また、撹拌機構16が評価用試薬に対し下降し、評価用試薬から上昇する動作は、実際の撹拌動作時に撹拌機構16が撹拌する動作と同様の制御にする。撹拌機構16が試薬に接する部分に撹拌機構水滴除去機構23で除去しきれない水滴が付着していると、評価用試薬が薄まる。
【0109】
ステップ16(S16)では、ステップ35(S35)で撹拌動作をしなかった場合、反応セル4内の評価用試薬を撹拌する。実施例1、2と異なり、水持込み動作後、測光動作前に試薬を撹拌する際、撹拌棒や撹拌子による水の持込みがステップ16(S16)の分多いので、ステップ19(S19)で水持込み量を算出する際は水持込み動作が多いことを考慮して計算する。
【0110】
本発明における動作は、通常の分析工程の撹拌動作と同じサイクル時間で制御している。
【0111】
撹拌機構16洗浄に関しても、通常の分析工程の撹拌動作と同じようにする。これは、撹拌機構16に付着する水滴量が、なるべく通常の動作と同じ条件になるようにするためである。
【0112】
通常の分析工程と異なる点は大きく2点である。
【0113】
1点目はステップ35(S35)で、通常、撹拌機構16が動作するのに対し、本発明では動作しないよう制御してもよい。
【0114】
2点目はステップ35(S35)で、通常、反応ディスク5は一定時間ごとに回転して反応セル4を移動させているのに対し、本発明で複数回水持込み動作を行う場合、同じ反応セル4に撹拌機構16を接触させるため、反応ディスク5が回転しないように制御している。
【0115】
複数回水持込み動作を行う場合、ステップ35(S35)で撹拌動作はしてもしなくてもよい。反応セル4内の評価用試薬は持ち込まれた水と混ざり均一になるという利点はあるが、撹拌によって反応セル4内の評価用試薬液面に気泡層が生じるため、試薬吐出後の混合液の液面環境と変わってしまうという欠点がある。このため、水持込み動作毎に評価用試薬の撹拌を行わずに反応ディスクを静止させた状態で複数回水持込み動作を行うことが望ましい。
【0116】
以上、本実施例の自動分析装置は、撹拌棒や撹拌子などの接触型撹拌機構16に対する水持込み量チェックができる。
【0117】
以上、第1〜第3の実施例について説明した。
【0118】
本実施例によれば、水持込みの要因となる各機構における水持込み量を算出でき、水滴除去機構が正常に機能しているか判定することができる。具体的には、制御部は、洗浄槽で洗浄した洗浄対象部材を評価用試薬に接触させ、制御部は、測定部に評価用試薬への接触後の光学特性を測定させ、測定された光学特性に基づき、洗浄対象部材の洗浄液の反応セルへの持込み量を算出する。
【0119】
実施例1、2において、撹拌機構16が非接触の超音波撹拌ではなく、実施例3にて説明した接触型の撹拌棒や撹拌子の場合、実施例3の撹拌機構16の水持込み量を先に測定し、プローブの水持込み量算出時に撹拌機構16の水持込み量を差し引きして計算してもよい。撹拌機構16の水持込み量の影響を排除するためである。
【0120】
また、制御部は、測定部に評価用試薬への接触前の光学特性を測定させ、洗浄対象部材の接触前後の光学特性に基づき、洗浄対象部材の洗浄液の反応セルへの持込み量を算出することが望ましい。予め定めた光学特性の値をリファレンスに用いることも可能だが、接触前の光学特性をリファレンスに用いることで反応セル自身の劣化の影響を相殺することができ精度の高い持込み量を算出することができる。
【0121】
また、制御部は、水滴除去機構で洗浄対象部材に付着した洗浄液を除去する動作を行った後の洗浄対象部材を評価用試薬に接触させることが望ましい。これにより、持込み量が基準値となる閾値よりも大きい場合には水滴除去機構の異常を把握することができる。
【0122】
また、洗浄対象部材が試薬プローブ又は試料プローブのいずれかの分注プローブであって、制御部は、分注プローブを同一の反応セルと洗浄槽との間を複数回往復させる制御を行い、分注プローブの洗浄液での洗浄動作、水滴除去機構による分注プローブに付着した洗浄液の除去動作、及び、評価用試薬への分注プローブの接触動作を含む一連の動作を繰り返す制御を行うことが望ましい。反応セルに収容された評価用試薬に複数回の洗浄液の持込み動作を行うことで水持込み動作前後の光学特性の差を見えやすくすることができ1回当たりの水持込み動作による水持込み量を高精度に算出することができるためである。
【0123】
また、評価用試薬を収容する反応セルの他、複数の反応セルを備え、回転駆動する反応ディスクを備え、制御部は、試料を分析する際に反応ディスクの回転駆動を制御し、制御部は、上記一連の動作を繰り返す間、反応ディスクを静止させ続ける制御を行うことが望ましい。試料を分析する際には反応ディスクは回転駆動と静止を周期的に繰り返すが、複数回の洗浄液の持込み動作を行う場合に、反応ディスクを静止させ続けた状態で行うことにより短時間で複数の接触動作を行うことができるためである。試料を分析する際と同じ反応ディスクの制御を行う場合には、1回接触動作をさせた後、同じ反応セルが分注プローブの同じアクセス位置に辿り着くまでに相当程度の時間が必要となるため、反応ディスクを静止させ続けることで2回目の接触動作が遅れることを抑制することができる。
【0124】
また、制御部は、試料を分析する際に所定のサイクル時間(例えば3.6秒)内で、分注プローブでの分注対象液の吸引、吐出、および、分注プローブの洗浄を行い、制御部は、同一の所定のサイクル時間内で、上記一連の動作を実行することが望ましい。水持込み量のチェックは動作確認の一環であるため試料を分析する際のサイクル時間に揃える必要は必ずしもないが、サイクル時間を揃えることで、分注の際の動作で生じる水滴量で水持込み量が推定できる。また、多くの動作シーケンスを共有できるため特別な動作シーケンスを少なくすることができる。
【0125】
また、評価用試薬を収容する試薬容器を保持する試薬ディスクを備え、分注プローブは試薬プローブであり、試薬プローブは試薬容器から評価用試薬を反応セルに分注し、制御部は、試料を分析する際には、試薬プローブを洗浄位置から試薬吸引位置まで水平方向に移動させた後、試薬吸引位置から下降させ試薬を吸引する制御を行い、制御部は、試薬容器から評価用試薬を吸引する際に、試薬吸引位置から下降させ評価用試薬を吸引する制御を行い、制御部は、上記一連の動作を繰り返す場合には、洗浄位置から試薬吸引位置に移動させ、試薬容器に収容された評価用試薬に接触動作させることなく、反応セルに収容された評価用試薬に接触動作させる制御を行うことが望ましい。2回目の接触動作の前に試薬プローブに付着した洗浄液を試薬容器内に混入させることなく反応セル側の評価用試薬に混入させることができるようにするためである。また、試薬吸引位置に移動させることで分析の際の動作シーケンスとの共有化が図れる。なお、評価用試薬に接触動作させないやり方として、試薬プローブを試薬吸引位置から全く下降させないやり方と一部下降させ評価用試薬の表面に接触させないやり方の2通りあるがいずれであっても良い。
【0126】
また、制御部は、上記一連の動作が繰り返された後、静止させ続けていた反応ディスクを回転する制御を行い、反応セルに収容された評価用試薬と分注プローブを介して評価用試薬に混入した洗浄液とを撹拌可能な位置まで反応セルを移動させ、制御部は、この位置で評価用試薬と洗浄液とを撹拌する制御を行うことが望ましい。撹拌することによって、評価用試薬の洗浄液での薄まり具合が均一化され精度の高い持込み量の測定が可能となるためである。なお、この撹拌は評価用試薬に対し非接触で行う撹拌が望ましいが接触型の撹拌機構であっても良い。
【0127】
また、評価用試薬は、具体例として吸光度1AbsのオレンジG/生食液としたが、評価用試薬に測光を阻害する泡が発生しないようにするため界面活性剤を加えたものを使用しても良い。また、吸光度が測定できれば、評価用試薬として別の色素溶液を用いても良い。
【0128】
実施例では、評価用試薬の測定に対し、光学特性として吸光度と測定部17として吸光度を測定する光度計の例を示したが、本発明は、吸光度や吸光度を測定する光度計に限定されるものではなく、光学特性として、透過率、発光度、濁度のいずれかであっても良いし、測定する光学特性に応じた測定部を採用しても良い。つまり、洗浄液の反応セルへの持込み量に依存して変化する光学特性であればその種類は問わない。例えば、発光度に関して言えば、測定部を単位面積当たりの発光量を検出する光検出器として、洗浄液の持込み量に応じて減少する単位面積当たりの発光量を検出して洗浄液の反応セルへの持込み量を算出しても良い。また、濁度に関して言えば、測定部を洗浄液の持込み量に応じて変化する散乱光量を検出する散乱光検出器として、散乱光量の変化に応じて洗浄液の反応セルへの持込み量を算出しても良い。発光度や濁度を用いる場合には、試料分析のために別途反応セル4内に収容された混合液の吸光度を測定する測定部が設けられる。一方、実施例の如く、試料を分析する際に、試料と試薬との混合液の吸光度を測定する光度計として、光度計を分析用と洗浄液の持込み量の測定用とで測定部17を共用することで、新たな測定部を追加することなく洗浄液の持込み量を測定することができる。
【0129】
また、光学特性として吸光度を用い、制御部は、評価用試薬への接触前後の吸光度の差に基づき、洗浄対象部材の洗浄液の反応セルの持込み量を算出することが望ましい。実施例1で説明した計算式を用いて水持込み量の算出ができる。但し、実施例1で説明した式以外の式で水持込み量を計算しても良いし、評価用試薬の吸光度と水持込み量との関係を予め求めたテーブルを装置の記憶部に記憶し、接触前と後の吸光度を入力することで水持込み量を出力するような算出手法であっても良い。
【0130】
また、水滴除去機構が正常に機能しているか否かを判別する持込み量の閾値を記憶する記憶部と、を備え、制御部は、算出した持込み量と閾値に基づき、水滴除去機構が正常に機能しているか否かを判別することが望ましい。この場合、持込み量の数値を数値として装置の画面に表示しユーザやサービスマンが正常か否かを判別する場合よりも装置が自動で水滴除去機構が正常に機能しているか否かを判別することができる点で優れている。
【0131】
また、洗浄対象部材は試薬プローブであって、光学特定は吸光度であって、測定部は試料を分析する際に試料と試薬との混合液の吸光度を測定する光度計であり、さらに、試薬プローブを洗浄液で洗浄した後に試薬プローブに付着した洗浄液を除去する動作を行う水滴除去機構と、評価用試薬を収容する試薬容器を保持する試薬ディスクと、試料プローブと、を有し、制御部は、試薬容器から評価用試薬を前記反応セルに分注し、制御部は、水滴除去機構で除去しきれない洗浄液の反応セルへの持込み量を算出することが望ましい。特に、試薬プローブ、吸光度、水滴除去機構を用いることを前提に限った発明ではないが、当該構成により、新たな測定部を追加することなく試薬プローブの水滴除去機構の異常を把握することができる。
【0132】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0133】
1…コンピュータ、2…入力装置、3…制御部、4…反応セル、5…反応ディスク、6…反応容器洗浄機構、7…試料搬送機構、8…試料容器、9…試料ラック、10…試薬容器、11…試薬ディスク、12…試料分注機構、13…試料プローブ、14…試薬分注機構、15…試薬プローブ、16…撹拌機構、17…測定部、18…試料プローブ洗浄槽、19…試料プローブ水滴除去機構、20…試薬プローブ洗浄槽、21…試薬プローブ水滴除去機構、22…撹拌機構洗浄槽、23…撹拌機構水滴除去機構、51…試料吸引位置、52…試料吐出位置、53…試料プローブ洗浄位置、54…試薬吐出位置、55…試薬吸引位置、56…試薬プローブ洗浄位置、57…撹拌位置、58…撹拌機構洗浄位置、60…行1、61…行2、62…行3、63…行4、64…行5、65…平均値
図1
図2
図3
図4
図5