【実施例1】
【0010】
<本実施形態の画像処理装置の概略>
図1を用いて本実施形態の画像処理装置の概略的な動作について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置100の人体検知センサ205の検知範囲、及び、優先使用機と非優先使用機の判断について説明する図である。
【0011】
画像処理装置100(複数の画像処理装置100を区別する場合は画像処理装置A、画像処理装置Bという)は、複数の人体検知センサ205−1〜205−n(人体検知センサを区別しない場合は単に人体検知センサ205という。nは任意の整数。)を有する。人体検知センサ205はそれぞれ人体を検知することが可能な検知範囲(画像処理装置AのA1、A2、又は、画像処理装置BのB1,B2)を個別に形成する。検知範囲は画像処理装置100の周囲の少なくとも一部に形成される。画像処理装置100が同時に起動する人体検知センサ205の数は複数であればよく特に制限がない。
【0012】
各人体検知センサ205により形成される検知範囲は重なってもよい。また、検知範囲の大きさ及び方向等は、画像処理装置100の管理者が画像処理装置100に設定することが可能である。また、画像処理装置100が人体の検知履歴、ユーザの操作履歴等から自動的に検知範囲の大きさ、方向等を設定することも可能である。
【0013】
まず、画像処理装置100は自機が優先的に使用されるのか、優先的に使用されないのかを(優先使用機か非優先使用機か)を判断する。
(1)画像処理装置Aは、画像処理装置Aが操作されていない状態で、2個以上の人体検知センサ205−1、205−2が異なる時刻に人体を検知する。しかし、その後一定時間内に画像処理装置Aへの操作が検知されなかったので、画像処理装置Aは検知した人体が通過者11であると判断する。
(2)画像処理装置Aは2つの人体検知センサ205−1、205−2の検知順により、通過者11がどちらの方向に向かっているかを推定する。
(3)画像処理装置Aは、通過者11が向かっている方向に設置されている画像処理装置Bに通過者11が接近している旨の通知(通過者通知)を送信する。
(4)画像処理装置Bが通過者通知を受信して所定時間内に、画像処理装置Bが使用された場合、下記のようにして優先使用機と非優先使用機を判断する。
・画像処理装置Bが優先的に使用されたと判断し、画像処理装置Bは優先的に使用された回数を1つ大きくする。優先的に使われた回数が閾値以上となった場合に画像処理装置Bが優先使用機であると判断する。
・また、画像処理装置Bは、画像処理装置Aに対して使用された旨の通知(使用通知)を送信する。これにより、画像処理装置Aは優先的に使われなかったと判断し、優先的に使用されなかった回数を1つ大きくする。優先的に使われなかった回数が閾値以上となった場合に画像処理装置Aを非優先使用機と判断する。
【0014】
それぞれの画像処理装置A,Bが、優先使用機又は非優先使用機のいずれであるかといった判断結果に基づいて、画像処理装置A,Bは人体検知センサ205の電源を適切に制御するができる。したがって、複数の画像処理装置100がある場合に消費電力の低減と待ち時間の短縮をバランスよく図ることができる。
【0015】
<用語について>
通過者とは、画像処理装置100により検知された人である。通過者は画像処理装置100を使用する場合と使用しない場合(使用しないと推定された人を含む)がある。正確には、通過者が単なる被検知者である場合もあるし、使用した場合にはユーザと称した方が適切な場合もある。本実施形態では、通過者、被検知者、及びユーザを区別せず、通過者で統一した。これらのいずれであるかは文脈から本実施形態の要旨にしたがって判断される。
【0016】
特許請求の範囲の「接近している」とは通過者が接近している可能性があれば足り、実際に接近しているか否かまでは問われない。また、「使用された」とは、画像処理装置100の機能が利用されること、より具体的には何らかの操作が行われることをいう。
【0017】
「優先して」とは、複数の画像処理装置100のうち一方が使用されずに他方が使用されることをいう。通過者の認識や、具体的な優先・非優先の設定は必要ないが、このような設定が行われていてもよい。
【0018】
<システム構成例>
図2は、画像処理システム300の構成例を説明する図の一例である。画像処理システム300が有する画像処理装置100は2台以上であればよい。
図2では3台の画像処理装置100が図示されているが4台上でもよい。
【0019】
画像処理装置100は、プリンタ、スキャナ、コピー装置、又は、FAX装置の1つ以上の機能を有する機器であるが、これらの機能に加え情報処理装置(コンピュータ)の機能を有している。画像処理装置100は用紙に画像を形成したり印刷したりするプリンタとしての機能を最低限有することが好ましい。また、画像処理装置100はMFP(Multi-Functional Peripheral)や画像形成装置と呼ばれる場合がある。
【0020】
画像処理装置A、B、Cは直線上に並んで設置されている必要はない。また、画像処理装置AとB、画像処理装置AとCは正面の向きが同じ方向である必要もない。この場合、検知範囲A1、A2、B1、B2、C1、C2は通過者11の通過方向を検出できるように適宜設定される。したがって、画像処理装置AとBの配置は、画像処理装置Aの検知範囲を通過した通過者11が画像処理装置Bの検知範囲を通過する可能性が高いことを推測できる程度に近ければよい。すなわち、画像処理装置AとBは所定距離内にあればよい。
【0021】
また、画像処理装置100が隣接した画像処理装置100に通過者11の接近を通知するだけでなく、3つ以上の画像処理装置100が隣接されている場合に、通過方向にある2つ以上の画像処理装置100に通過者11の接近を通知できる。例えば、
図2の画像処理装置Cが画像処理装置AとBに通過者11の接近を通知してよい。
【0022】
本実施例では説明の便宜上、画像処理装置Aが通過者11の通過方向を判断し、画像処理装置B又はCに通過者通知を送信する状況を例にして説明する。
【0023】
<ハードウェア構成例>
図3を用いて、本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0024】
画像処理装置100は、コントローラ210と、操作部220と、画像読取部209と、印刷部208と、人体検知センサ205とを有する。
【0025】
コントローラ210は、CPU(Central Processing Unit)201と、RAM(Random Access Memory)202と、ROM(Read−Only Memory)203と、画像処理部207と、LANコントローラ206を有する。
【0026】
CPU201は、画像処理装置100が行う各処理のための演算、制御を行う。例えばCPU201は、各種のプログラムを実行する。なお、CPU201は、並列処理によって高速化を行うために、複数のCPU、デバイス、又は複数のコア(core)から構成されていてもよい。
【0027】
CPU201は、人体検知センサ205−1,205−2から通過者を検知した旨の報告を受けると、画像読取部209と、印刷部208と連携して省エネモードから通常の動作モードへの復帰処理を開始する。
【0028】
ここで省エネモードとは、画像処理装置100をユーザが使用していない際に、一部機能を制限することにより消費電力を抑える動作モード(第二の動作モード)のことである。消費電力を抑制する程度の違いに応じて複数の省エネモードを有していてもよい。これに対し、消費電力を抑えない動作モードを通常モード(第一の動作モード)という場合がある。通常モードでは画像処理装置100が印刷などの画像形成を行うことができる。
【0029】
RAM202とROM203は、記憶装置の例である。ROM203は、例えばCPU201が実行するプログラム、データ、又はパラメータを記憶する。RAM202は、例えばCPU201がプログラムを実行する際、プログラム、プログラムが使用するデータ、プログラムが生成するデータ、又はパラメータなどを記憶する。なお、画像処理装置100は、ハードディスクなど補助記憶装置を有してもよい。
【0030】
LANコントローラ206は、例えばイーサネット(登録商標)などのネットワークI/Fであり、LANなどのネットワークに接続し、画像処理装置100が他の画像処理装置100と通信可能にする。USB I/Fのように画像処理装置100を1対1に接続してもよい。また、無線LANやBluetooth(登録商標)などの無線で通信する装置であってもよい。
【0031】
画像処理部207は、各種の画像処理を行うASICなどで構成されたICチップである。画像処理部207は、印刷データの画像データへの変換、像域分離、色変換、γ変換などを行う。更に、ディザ処理や誤差拡散処理等の疑似中間調処理をすることにより、多階調の画像データを画素の有無(1,0)で表されたスクリーンデータに変換する。
【0032】
人体検知センサ205は、人体を検知する範囲である検知範囲を形成する。人体は人の身体、人間、又は人など画像処理装置100を使用しうる者である。CPU201からの指示にしたがって、人体検知センサ205は、検知範囲の大きさ、検知範囲の場所を変更することができる。複数の人体検知センサ205を備えることで、ユーザが通過した場合に、どちらに方向に通過したかどうかをCPU201が判断することができる。
【0033】
人体検知センサ205は、例えば赤外線センサ(焦電センサ)、ソニックセンサ、温度センサ、レーダー、カメラ、静電容量の変化など又はこれらを組み合わせて構成される。また、通過者がICカードや携帯端末を携帯している場合、ICカードや携帯端末が有する通信モジュール(ICカード、WiFi、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)など)と通信する画像処理装置100の通信モジュールを人体検知センサ205として用いることができる。このうち、赤外線センサを用いれば比較的、安価にユーザを検知できる。また、人体検知センサ205は、人体を検知した場合にCPU201に通知する。
【0034】
画像読取部209は、画像処理装置100でスキャナの機能を提供する際に用いられる。コントローラ210からの指示にしたがってスキャン処理を実行する。
【0035】
印刷部208は、画像処理装置100で印刷機能を提供する際に用いられる。印刷部208は、コントローラ210からの指示にしたがって印刷処理を実行する。印刷物は電子写真方式又はインクジェット方式のどちらで印刷してもよい。
【0036】
操作部220は、画像処理装置100に対するユーザからの指示を受け付け、CPU201に操作内容を通知する。操作部220は、例えばハードキー及びタッチパネルに形成されたソフトキーを有する。KEY検知部211は主にハードキーに対する押下を検知する。タッチパネル検知部212はソフトキーを含むタッチパネル全般への押下を検知する。また、音声により操作が可能でもよい。LCD213は表示装置であり、画像処理装置100が印刷条件及び読取条件等をユーザが設定できるようにメニュー画面を表示するために使用される。CPU201は、操作部220を介して受け取った画像処理装置100への指示に対応する制御を実行する。また、操作部220が使用されたか否かによって、通過者11が画像処理装置100を使用したのか、又は、通過したか判断する。あるいは、画像読取部209への原稿セットによって判断してもよい。
【0037】
<機能について>
図4は画像処理装置100の機能ブロック図の一例を示す図である。画像処理装置AとBは同じ機能又は手段を有しているが、
図4では説明の便宜上、画像処理装置AとBを分けて図示する。
【0038】
画像処理装置Aは操作検出部21、復帰要因検知部22、復帰移行制御部23、非優先使用機判断部24、通過方向判断部25、非優先使用回数カウント部26、通過者送信部27、及び、使用通知受信部28を有している。画像処理装置Aが有するこれら各部は、
図3に示したCPU201がROM203からRAM202に展開されたプログラムを実行し、
図3に示す各部を制御することで実現される機能又は手段である。
【0039】
また、画像処理装置Aは
図3に示したRAM202又はROM203に構築される復帰条件・移行条件記憶部31、及び、通知先記憶部32を有している。復帰条件・移行条件記憶部31には復帰条件及び移行条件が記憶されている。復帰条件として、復帰要因検知部22が検知する復帰要因が検知されることが復帰条件であることが登録されている。また、移行条件は、例えば通常モードの画像処理装置100が動作を完了してからタイマ設定時間が経過したこと又は使用されないままタイマ設定時間が経過したことである。タイマ設定時間とは、通常モードから省エネモードに移行するまでの移行時間(操作が検出されない時間)である。
【0040】
【表1】
表1は通知先記憶部32に記憶されている通知先情報をテーブル状に模式的に示す通知先情報テーブルの一例である。通知先情報は、上記した通過者11の右方向と左方向の通過方向に対応付けて、通知先、IPアドレス、及び、MACアドレスが登録されている。画像処理装置100は通過方向に基づいて通知先記憶部32を参照することで通過者通知を送信する画像処理装置100を決定できる。
【0041】
なお、画像処理装置100の管理者は表1の通知先情報テーブルを操作部220などから設定できる。
【0042】
(各機能)
操作検出部21は、画像処理装置Aに対するユーザの操作を検知する。ハードキーの押下、ソフトキーの押下、原稿カバーの開閉、又は、手差しトレイへの用紙セットなどを検知する。これらは復帰要因となる。操作検出部21は、例えば
図3のCPU201がプログラムを実行し、操作部220を制御すること等により実現される。
【0043】
復帰要因検知部22は、操作検出部21から操作に基づく復帰要因を検知し、また、画像処理装置Aで生じる各種の復帰要因を検知する。操作以外の復帰要因には、以下のようなものがある。
・LANコントローラ206が例えば印刷ジョブを受信すること
・例えばUSB I/FにUSBメモリが接続されること
・人体検知センサ205が通過者11を検知すること
復帰要因検知部22は、
図3のCPU201がプログラムを実行し、人体検知センサ205及びLANコントローラ206を制御すること等により実現される。
【0044】
また、復帰要因検知部22は人感信号処理部29を有している。人感信号処理部29は、検知範囲A1とA2のそれぞれで検知対象が検知されたかどうかを判断する。検知範囲A1に検知対象がいる間は継続して通過者11がいると判断し、検知範囲A2に通過者11がいる間は継続して通過者11がいると判断する。画像処理装置100の使用中は検知範囲A1とA2の両方で同時に通過者11が検知される。検知範囲A1、A2を通過者11が通過する場合、人感信号処理部29は時間差をもって検知範囲A1、A2のそれぞれで通過者11を検知する。
【0045】
通過方向判断部25は、検知範囲A1とA2において人感信号処理部29が個別に通過者を検知することを利用して、通過者11の通過方向を判断する。具体的には、以下のa,bの条件を満たす場合、検知された人体が通過者11であると判断する。
a.時間差をもって検知範囲A1とA2で通過者を検知した。時間差とは、通過者11が歩く速度で検知範囲A1の端から端まで移動する程度の時間をいう。
b.検知範囲A1又はA2で通過者が検知された後、一定時間内に操作部220に対する操作が検知されない。
【0046】
なお、操作部220が操作されている間、通過方向判断部25は通過方向を検知しない。操作部220を操作するがユーザを人体検知センサ205が検知しているため、通過方向を検知しにくいためである。
【0047】
通過方向判断部25は、検知範囲A1とA2のどちらで先に通過者11が検知されたか(人体検知センサ205−1と205−2のどちらが先に通過者を検知したか)によって通過者11が通過する方向を判断する。検知範囲A1が画像処理装置Aから見て左側、検知範囲A2が画像処理装置Aから見て右側であるとする。検知範囲A1の次に検知範囲A2で通過者11が検知されたら、左から右に通過すると判断する。検知範囲A2の次に検知範囲A1で通過者11が検知されたら、右から左に通過すると判断する。
【0048】
通過者送信部27は、通過者11が通過すると通過方向判断部25が判断した場合、通知先記憶部32を参照して通過者11の通過方向の画像処理装置100に通過者11が接近した旨を通知(通過者通知)する。通過者送信部27は
図3のCPU201がプログラムを実行しLANコントローラ206等を制御すること等により実現される。
【0049】
使用通知受信部28は、画像処理装置Bから使用通知を受信する。使用通知受信部28は
図3のCPU201がプログラムを実行しLANコントローラ206等を制御すること等により実現される。
【0050】
非優先使用回数カウント部26は、使用通知を受信した場合に非優先使用回数を1つ大きくする。使用通知は、通過者通知を受信した画像処理装置Bが送信するので、画像処理装置Aよりも画像処理装置Bの方が優先されたことが分かる。
【0051】
非優先使用機判断部24は、非優先使用回数が閾値以上になると自機(画像処理装置A)が非優先使用機であると判断する。非優先使用機判断部24は
図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現される。
【0052】
復帰移行制御部23は、復帰要因検知部22が通知する復帰要因に基づき復帰条件・移行条件記憶部31に記憶されている復帰条件が成立するか否かを監視し、省エネモードから通常モードへの復帰を制御する。また、復帰条件・移行条件記憶部31に記憶されている移行条件が成立するか否かを監視し、通常モードから省エネモードへの移行を制御する。復帰移行制御部23は
図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現される。
【0053】
<<画像処理装置B>>
続いて、画像処理装置Bが主に使用する機能について説明する。重複を省くため、画像処理装置Aが有する機能の説明は行わない。画像処理装置Bは、使用判断部33、優先使用回数カウント部34、優先使用機判断部35、通過者受信部36、及び、使用通知送信部37を有している。画像処理装置Aが有するこれら各部は、
図3に示したCPU201がRAM202からROM203に展開されたプログラムを実行し、
図3に示す各部を制御することで実現される機能又は手段である。
【0054】
通過者受信部36は、画像処理装置Aから通過者通知を受信する。通過者受信部36は
図3のCPU201がプログラムを実行してLANコントローラ206を制御すること等により実現される。
【0055】
使用判断部33は、通過者受信部36が通過者通知を取得してから所定時間内に操作検出部21が画像処理装置Bへの操作を検知した場合、画像処理装置Aが通過者11であると判断した通過者11が画像処理装置Bを使用したと判断する。使用判断部33は使用通知送信部37に使用通知を送信させ、優先使用回数カウント部34に優先して使用された旨を出力する。使用判断部33は人感信号処理部29の検知結果を利用して通過者11の接近方向と、画像処理装置Aの方向が一致するかどうかを考慮するとなおよい。
【0056】
なお、「所定時間内」とは、通過者通知を取得してから所定時間が経過し、経過した時点から余裕時間(マージン)が経過するまでという意味である。単に所定時間内であるかどうかを判断すると、通過者11と関係ないユーザが使用する場合も優先して使用されたと判断してしまうためである。余裕時間は通過者11が画像処理装置Bに到達するまでの時間のばらつきや誤差を考慮したものである。所定時間は、画像処理装置AとBの距離を考慮して予め設定されているものとする。また、余裕時間は例えば数秒程度である。
【0057】
使用通知送信部37は、使用判断部33からの指示により(通過者通知を受信してから、所定時間内に操作検出部21が画像処理装置Bへの操作を検出した場合)、使用通知を画像処理装置A(通過者通知を送信した画像処理装置)に送信する。使用通知送信部37は
図3のCPU201がプログラムを実行してLANコントローラ206を制御すること等により実現される。
【0058】
優先使用回数カウント部34は、使用判断部33から優先的に使用された旨の出力を受けて、優先使用回数を1つ大きくする。画像処理装置Aを通過して画像処理装置Bが使用されたので、画像処理装置Bは優先して使用されたと判断できる。
【0059】
優先使用機判断部35は、優先使用回数が閾値以上になると自機(画像処理装置B)が優先使用機であると判断する。優先使用機判断部35は
図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現される。
【0060】
<動作手順>
<<非優先使用機の判断>>
図5は、画像処理装置Aが通過者11を検出して非優先使用機であるか否かを判断するフロー図の一例である。
【0061】
まず、人感信号処理部29は人体検知センサ205−1又は205−2が通過者11を検出したか否かを判断する(S10)。ここでは少なくとも一方が検出すればよい。
【0062】
ステップS10の判断がYesの場合、復帰移行制御部23は省エネモードに入っているか否かを判断する(S20)。
【0063】
ステップS20の判断がYesの場合、人体が検知されたので通常モードに復帰するため、復帰移行制御部23が省エネモードから通常モードへの復帰を開始する(S30)。
【0064】
次に、操作検出部21は、人体検知センサ205−1又は205−2が通過者11を検知してから一定時間内に画像処理装置Aに対する操作を検出したか否かを判断する(S40)。この一定時間は、検知範囲の端から画像処理装置Aまでの距離と通過者11の歩行速度が勘案されて決定されている。
【0065】
ステップS40の判断がYesの場合、通過者11は画像処理装置Aの検知範囲A1、A2を通過することなく画像処理装置Aを使用したので優先使用機か非優先使用機の判断は行われない。したがって、
図5の処理は終了する。
【0066】
ステップS40の判断がNoの場合、通過者11の移動方向を判断するため、通過方向判断部25は人体検知センサ205−1が通過者を検知してから人体検知センサ205−2が通過者を検知したか否かを判断する(S50)。
【0067】
ステップS50の判断がYesの場合、通過方向判断部25は、通知先記憶部32を参照して通過者11が人体検知センサ205−2の方向にある画像処理装置Bに向かったと判断し、通過者送信部27は画像処理装置Bに通過者通知を送信する(S60)。
【0068】
一方、ステップS50の判断がNoの場合、通過者の移動方向を判断するため、通過方向判断部25は人体検知センサ205−2が通過者を検知してから人体検知センサ205−1が通過者11を検知したか否かを判断する(S70)。通過者11がどちらか接近するかは任意だからである。
【0069】
ステップS70の判断がYesの場合、通過方向判断部25は、通知先記憶部32を参照して通過者が人体検知センサ205−1の方向にある画像処理装置Cに向かったと判断し、通過者送信部27はこの画像処理装置Cに通過者通知を送信する(S80)。
【0070】
ステップS60に続いて、使用通知受信部28は、通過者通知を送信した画像処理装置Bから使用通知を受信したか否かを判断する(S90)。
【0071】
同様に、ステップS80に続いて、使用通知受信部28は、通過者通知を送信した画像処理装置Cから使用通知を受信したか否かを判断する(S100)。
【0072】
ステップS90又はS100の判断がNoの場合、通過者は通過先の画像処理装置B又はCを使用していないので、画像処理装置Aは、優先使用機か非優先使用機の判断を行わない。したがって、
図5の処理は終了する。
【0073】
ステップS90又はS100の判断がYesの場合、非優先使用回数カウント部26は非優先使用回数を1つ大きくする(S110)。画像処理装置Aよりも画像処理装置B又はCの方が優先して使用されたと判断できるためである。
【0074】
そして、非優先使用機判断部24は非優先使用回数が閾値以上か否かを判断する(S120)。この閾値は1回でもよいが、偶発的なケースにより誤って判断してしまう可能性を低減するため、複数回とすることが好ましい。また、閾値は固定値でもよいし、ユーザ又は管理者が任意に設定できてもよい。
【0075】
このように、通過者通知の送信先の画像処理装置B、Cから使用通知を受信した場合、画像処理装置B、Cよりも優先度が劣ると判断して、画像処理装置Aは非優先使用機であると判断できる。
【0076】
<<優先使用機の特定>>
図6は、画像処理装置Bが通過者11を検出して優先使用機であるか否かを判断するフロー図の一例である。ステップS10〜S30の処理は
図5と同様である。
【0077】
ステップS40では、通過者受信部36が通過者通知を受信したか否かを判断する(S40)。
【0078】
ステップS40の判断がYesの場合、使用判断部33は通過者通知を送信した画像処理装置Aの方向と、最初に通過者を検知した人体検知センサ205−1又は205−2の方向が一致するか否かを判断する(S50)。表1の通知先情報テーブルには通過方向と通知先が登録されているので、IPアドレスなどで通知先が分かれば通過方向が分かり、人体検知センサ205−1と205−2の検知順と一致するかどうかも判断できる。
【0079】
ステップS50の判断がNoの場合、通過者通知と関係のない通過者11が検知されているので
図6の処理は終了する。
【0080】
ステップS50の判断がYesの場合、使用判断部33は、通過者通知を受信してから所定時間内に画像処理装置Bに対する操作を検出したか否かを判断する(S60)。
【0081】
ステップS60の判断がNoの場合、通過者11は画像処理装置Bを使用しないので優先使用機か非優先使用機の判断は行われない。したがって、
図6の処理は終了する。
【0082】
ステップS60の判断がYesの場合、被験者は画像処理装置Aの検知範囲A1、A2を通過して画像処理装置Bを操作したと推定できるので、優先使用回数カウント部34は優先使用回数を1つ大きくする(S70)。
【0083】
また、使用通知送信部37は使用通知を画像処理装置Aに送信する(S75)。
【0084】
そして、優先使用機判断部35は、優先使用回数が閾値以上か否かを判断する(S80)。この閾値は1回でもよいが、偶発的なケースにより誤って判断してしまう可能性を低減するため、複数回とすることが好ましい。また、閾値は固定値でもよいし、ユーザ又は管理者が任意に設定できてもよい。
【0085】
ステップS80の判断がYesの場合、優先使用機判断部35は、画像処理装置Bが優先使用機であると判断する(S90)。
【0086】
このように、通過者が通過者通知を送信した画像処理装置Aの方向から接近して画像処理装置Bを操作する場合、優先的に使用されたと判断して、優先使用機器であると判断できる。
【0087】
<優先使用機、非優先使用機の判断後の省エネ制御 1>
以上のようにして優先使用機及び非優先使用機が定まると、画像処理装置100は優先使用機に適切な省エネ制御、及び、非優先使用機に適切な省エネ制御が可能になる。
【0088】
図7は、優先使用機及び非優先使用機の省エネ制御について説明する図の一例である。
図7(a)では左側の画像処理装置Aが非優先使用機と判断され、右側の画像処理装置Bが優先使用機と判断されている。この場合、非優先使用機の画像処理装置Aは省エネモードにおいて人体検知センサ205の電源をオフにする。これにより、消費電力を低減できる。
【0089】
人体検知センサ205の電源をオフしたとしても、通過者11が操作すれば復帰できるため、通過者11は画像処理装置100を使用できる。この場合、人体検知センサ205により通過者11の接近を検出して復帰処理を始めることで待ち時間を短縮することはできない。しかし、非優先使用機は優先使用機よりも使用頻度が少ないと考えられ、人体検知センサ205の電源をオフすることによる消費電力低減の効果の方が人体検知センサ205を使った待ち時間の短縮よりもメリットが大きい。
【0090】
しかしながら、非優先使用機が人体検知センサ205の電源をオフにするのは、優先使用機が使用されていない場合であることを条件にすることが更に好ましい。これは、優先使用機が使われていない場合、非優先使用機も使われない可能性が高く、人体検知センサ205の電源をオフしても通過者の待ち時間に影響しないか又は影響したとしてもその影響を低減できると考えられるからである。また、優先使用機が使用されている場合、優先使用機が空いていないので、非優先使用機も使われる可能性が高く、人体検知センサ205の電源をオフしてしまうと、待ち時間の短縮効果が得られないからである。
【0091】
そこで、非優先使用機が人体検知センサ205の電源をオフしている間に、優先使用機が使用された場合、
図7(b)に示すように、優先使用機は非優先使用機に使用中となった旨を通知する使用中通知を送信する。使用中通知は、通過者11か否かに関係なく実際に画像処理装置Bが使用されたことを示す通知である。使用通知とは、通過者11が使用した場合にだけ通知される点で異なる。
【0092】
使用中通知を受信した非優先使用機は、続いて使用される可能性があると判断して、人体検知センサ205の電源をオンにする。ただし、通過者11が使用するとは限らないので、非優先使用機は省エネモードのままである。
【0093】
非優先使用機は検知範囲の通過者11を検知して復帰を開始するので通過者11の待ち時間を短縮できる。したがって、
図7のような制御を行うことで、消費電力と待ち時間のバランスのとれた制御ができるようになる。
【0094】
図8は、画像処理システム300が人体検知センサ205の電源を制御する手順を示すフローチャート図の一例である。
図8の処理は例えば、非優先使用機又は優先使用機と判断されるとスタートする。
【0095】
まず、画像処理装置Aの非優先使用機判断部24は自機が非優先使用機であると判断する(S10)。
【0096】
次に、画像処理装置Aが最後に使用されてからタイマ設定時間が経過したため復帰移行制御部23が省エネモードに移行させる(S20)。
【0097】
これにより、画像処理装置Aの復帰移行制御部23は人体検知センサ205の電源をオフにする(S30)。
【0098】
省エネモードで人体検知センサ205の電源がオフの間、使用通知受信部28は使用中通知を受信したか否かを判断する(S40)。使用中通知を送信する画像処理装置100は通過者11の通過方向を考慮しなくてよい。例えば、画像処理装置Aから所定距離内の画像処理装置100から使用中通知を受信できる。使用中通知を送信するのは優先使用機である。
【0099】
使用中通知を受信した場合(S40のYes)、復帰移行制御部23は人体検知センサ205の電源をオンにする(S50)。
【0100】
一方、画像処理装置Bの優先使用機判断部35は自機が優先使用機であると判断する(S60)。
【0101】
次に、画像処理装置Bが最後に使用されてからタイマ設定時間が経過したため復帰移行制御部23が省エネモードに移行させる(S70)。
【0102】
省エネモードに移行すると、復帰要因検知部22は復帰要因を検知したか否かを判断する。画像処理装置Bは人体検知センサ205により復帰する場合もあるので、復帰して更に画像処理装置Bの使用が開始されたか否かを判断する(S80)。例えば、印刷部208又は画像読取部209が稼動したか否かを判断する。ユーザが直接、画像処理装置100を使用する場合には限られない。
【0103】
ステップS80でYesと判断されると、使用通知送信部37は使用中通知を画像処理装置Aに送信する(S90)。
【0104】
以上のように、非優先使用機と優先使用機を判断して人体検知センサ205の電源をオフすることで、消費電力と待ち時間のバランスのとれた制御ができるようになる。
【0105】
<優先使用機と非優先使用機の省エネ制御 2>
図9は、画像処理装置100が優先使用機又は非優先使用機のいずれであるかによって省エネモードへの移行制御を切り替えるフローチャート図の一例である。
図9の処理は、例えば画像処理装置100が優先使用機又は非優先使用機と判断された状態で、通過者11が検知されなくなるとスタートする。
【0106】
画像処理装置100の復帰移行制御部23は、自機が優先使用機か否かを判断する(S10)。
【0107】
ステップS10の判断がYesの場合、復帰移行制御部23は省エネモードに移行するまでのタイマ設定時間を初期値より長い値に設定する(S20)。これにより、優先使用機は使われる可能性が高いため、省エネモードに移行することで待ち時間が増えてしまうリスクを低減することができる。また、優先使用機は、使用が終了してもすぐに使われる可能性があるため、すぐに電源オフしないことで、待ち時間を低減することができる。また、省エネ移行復帰回数を減らすことができ、HDDなどの電源オフ/オンの回数に制約のある部品を保護することができる。
【0108】
ステップS10の判断がNoの場合、復帰移行制御部23は非優先使用機であるか否かを判断する(S30)。
【0109】
ステップS30の判断がYesの場合、復帰移行制御部23は省エネモードに移行するまでのタイマ設定時間を初期値よりも短い値に設定する(S40)。非優先使用機は使われる可能性が低いため、早期に省エネモードに移行することで消費電力を低減するためである。
【0110】
省エネモードに移行するまでのタイマ設定時間を短い値に設定する場合、優先使用機が使用中でない場合のみに限定してもよい。優先使用機が使用中であった場合には、非優先使用機も使われる可能性が高いため、省エネモードに移行して待ち時間が増えてしまう可能性を低減することができる。
【0111】
ステップS30の判断がNoの場合、優先使用機でも非優先使用機でもないので、復帰移行制御部23は省エネモードに移行するまでのタイマ設定時間を変更しない(S50)。
【0112】
次に、復帰移行制御部23は省エネモードへの移行条件を満たしたか否かを判断する(S60)。省エネモードへの移行条件は、例えば動作を完了してからタイマ設定時間が経過したこと又は使用されないままタイマ設定時間が経過したことである。
【0113】
ステップS60の判断がYesになると、復帰移行制御部23は通常モードから省エネモードに移行する(S70)。すなわち、一部の機能に電力を供給するが他の機能への電力供給を遮断する。
【0114】
また、
図9では優先使用機である場合にタイマ設定時間を長くし、非優先使用機である場合にタイマ設定時間を短くしているが、どちらか一方だけ行ってもよい。
【0115】
このように、画像処理装置100が優先使用機か非優先使用機かを判断することで、優先使用機と非優先使用機のそれぞれに適切な省電力制御が可能になる。
【0116】
<通過者通知を送らない場合>
画像処理装置Aは画像処理装置Bに通過者通知を送信すると説明したが、画像処理装置Aが画像処理装置Bに通過者通知を送信しない方がよい場合がある。
図10を用いて説明する。
【0117】
図10は、通過者通知が送信されない状況を説明する図の一例である。
図10では画像処理装置Aの検知範囲A1、A2を通過者11が通過し、通過者11が画像処理装置Bを操作している。したがって、これまでの説明では画像処理装置Aが画像処理装置Bに通過者通知を送信する。
【0118】
しかし、画像処理装置Aを通過者11が使用することが困難な状況の場合、通過者11が画像処理装置Bを使用するのは当然なので、画像処理装置Aが非優先使用機であり画像処理装置Bが優先使用機であるという判断をすべきではない。そこで、画像処理装置Aは、通過者11を検知したが操作を検出していない場合でも、画像処理装置Aを通過者11が使用することが困難な状況の場合は通過者通知を画像処理装置Bに送信しない。
【0119】
使用することが困難な状況とは、印刷中など他の処理を実行中である場合(ネットワーク経由で印刷ジョブなどを受信した場合)、エラー発生中である場合などが挙げられる。
【0120】
こうすることで、通過者11が進んだ方向に設置された画像処理装置Bが優先的に使用されたかどうかを誤って判断することを抑制できる。また、画像処理装置Aが優先的に使用されなかったかどうかを誤って判断することを抑制できる。
【0121】
図11は、通過者送信部27が通過者通知を送信するか否かを判断する手順を示すフローチャート図の一例である。
図11の処理は、画像処理装置100が通過者通知を送信すると判断すると実行される。
【0122】
まず、通過者送信部27は自機の状況を確認する(S10)。すなわち、通過者11が使用できる状況か否かを確認する。自機の状況のうちエラー状態は、紙詰まりやドアの開閉を表すステイタスコードから判断できる。印刷中など他の処理を実行中かどうかは印刷ジョブなどの有無、印刷部208の稼動状態又は画像読取部209の稼動状態などから判断できる。
【0123】
そして、画像処理装置100が使用することが困難な状況か否かを判断する(S20)。ステップS20の判断がYesの場合、通過者送信部27は通過者通知を送信しない(S30)。ステップS20の判断がNoの場合、通過者送信部27は通過者通知を送信する(S40)。
【0124】
以上のように、本実施例の画像処理システム300は、画像処理装置A,Bが優先使用機又は非優先使用機のいずれであるかといった判断結果に基づいて、人体検知センサ205の電力制御や省エネモードに移行するまでタイマ設定時間を制御するので、消費電力と待ち時間の短縮をバランスよく制御することができる。
【実施例2】
【0125】
本実施例では、歩行速度を利用して通過者通知から所定時間内に操作を検出したか否かを判断するための所定時間を精度よく決定する画像処理装置100について説明する。
【0126】
図12を用いて歩行速度の算出方法と所定時間について説明する。
図12は、通過者11の歩行速度を考慮することが可能な画像処理システム300について説明する図の一例である。
【0127】
画像処理装置Aは距離センサ250を有しており、通過者11との距離D1を検知する。距離センサ250は例えばソニックセンサ、ステレオカメラなどでよい。また、画像処理装置Aは、人体検知センサ205−1が通過者11の検知を開始した時刻T1と、人体検知センサ205−2が通過者11の検知を開始した時刻T2とを記録する。
【0128】
距離D1と検知範囲A1の形状から、画像処理装置Aは通過者11が検知範囲A1において移動した距離D2を決定する。これは、距離D1から距離D2を決定するためのテーブルを持っていてもよいし、検知範囲A1の形状から算出してもよい。
【0129】
したがって、時刻T1,T2及び距離D2より、画像処理装置Aは通過者11の歩行速度を算出することができる。画像処理装置Aは歩行速度を通過者通知と一緒に画像処理装置Bに送信する(別々に送信してもよい)。画像処理装置Bは、歩行速度と予め把握している画像処理装置AとBの間の距離D3から、通過者11が到達する時刻又は到達するまでに必要な時間を知ることができる。
【0130】
画像処理装置Bは、通過者通知を取得してから所定時間内に画像処理装置Bが操作を検出したか否かを判断する。この所定時間を歩行速度と距離D3から算出できる。すなわち、「所定時間=距離D3/歩行速度」である。
【0131】
こうすることで、画像処理装置Bが操作を検出した場合、それが画像処理装置Aの検知範囲A1、A2を通過した通過者なのか、そうではない別の人なのかをより高精度に切り分けることができる。別の人の操作を検知して、優先的に使用されたと判断してしまうと、本当は優先使用機となるべきではないのに、画像処理装置Bが誤って優先使用機と判断してしまう。しかし、
図12のように判断することで、画像処理装置Bが誤って優先使用機と判断してしまうことを抑制できる。
【0132】
図13は、画像処理装置100の機能ブロック図の一例を示す図である。
図13の説明では主に
図4との相違を説明する。
図13では画像処理装置Aが歩行速度算出部19を有している。歩行速度算出部19は、人感信号処理部29から取得した時刻T1,T2及び距離D2より通過者の歩行速度を算出する。歩行速度算出部19は、例えば
図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現される。
【0133】
また、画像処理装置Bは所定時間算出部38を有している。所定時間算出部38は、通過者受信部36が受診した歩行速度と予め保持する距離D3を用いて所定時間を算出する。所定時間算出部38は、例えば
図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現される。
【0134】
図14は、画像処理装置A及びBが歩行速度及び所定時間を算出する手順を示すフローチャート図の一例である。
図14の処理は通過者が人体検知センサ205によって検知されることでスタートされる。
【0135】
まず、画像処理装置Aの通過方向判断部25は、2つの人体検知センサ205−1、205−2が時間差を持って通過者11を検知したことが検出される(S10)。
【0136】
次に、画像処理装置Aの歩行速度算出部19は、人体検知センサ205−1と205−2が検出した時刻T1,T2及び距離D2から歩行速度を算出する(S20)。
【0137】
画像処理装置Aの通過者送信部27は通過者通知と歩行速度を画像処理装置Bに送信する(S30)。この画像処理装置Bは通過者の移動方向にある画像処理装置100である。
【0138】
一方、画像処理装置Bの通過者受信部36は通過者通知と歩行速度を画像処理装置Aから受信する(S40)。
【0139】
そして、所定時間算出部38は歩行速度と予め保持する距離D3から所定時間を算出する(S50)。
【0140】
優先使用回数カウント部34は、通過者通知を受信してから所定時間内に操作検出部21が操作を検出したか否かを判断する(S60)。こうすることで、画像処理装置Aの検知範囲A1、A2を通過した通過者11が画像処理装置Bに到達し、画像処理装置Bを使用したか否かを判断できる。
【0141】
ステップS60の判断がYesの場合、使用判断部33は画像処理装置Bが優先して使用されたと判断し、優先使用回数カウント部34が優先使用回数を1つ大きくする(S70)。
【0142】
このように、本実施例の画像処理システム300は、所定時間を適切に算出することで、画像処理装置Bが誤って優先使用機と判断してしまうことを抑制できる。
【0143】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0144】
例えば、本実施形態では画像処理装置100が、被検知者が通過者か否かを判断したが、券売機、ATM(Automated/Automatic Teller Machine)、プロジェクターなど省エネモードで待機する情報処理装置に対し適用できる。
【0145】
また、
図4、
図13等の構成例は、画像処理装置100による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。画像処理装置100の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0146】
また、例えば、復帰条件・移行条件記憶部31,及び通知先記憶部32は、画像処理装置100が有する他、ネットワークに接続された装置に存在してもよい。
【0147】
また、人感信号処理部29は検知手段の一例であり、通過者送信部27は送信手段の一例であり、使用通知受信部28は使用通知受信手段の一例であり、非優先使用回数カウント部26は非優先使用検出手段の一例であり、復帰移行制御部23は消費電力制御手段の一例である。
【0148】
通過者受信部36は受信手段の一例であり、操作検出部21は操作検出手段の一例であり、優先使用回数カウント部34は優先使用検出手段の一例であり、所定時間算出部38は所定時間算出手段の一例である。画像処理装置B、Cは請求項1から5及び9の第一の情報処理装置の一例であり、画像処理装置Aは請求項1から5及び9の情報処理装置の一例である。画像処理装置Aは請求項6から8及び10の第一の情報処理装置の一例であり、画像処理装置B,Cは請求項6から8及び10の情報処理装置の一例である。画像処理装置Aは請求項11の第一の情報処理装置の一例であり、画像処理装置B,Cは請求項11の第二の情報処理装置の一例である。画像処理システム300は情報処理システムの一例である。
【0149】
(付記)
前記検知範囲は複数のセンサにより形成されており、
前記優先使用検出手段は、前記複数のセンサのうち人を検知したセンサにより前記通過者の接近方向を判断し、前記通過者通知を送信した前記第一の情報処理装置を前記情報処理装置から見た方向と同じかどうかにより、前記検知範囲で検知された人が前記通過者か否かを判断する請求項6〜8のいずれか1項に記載の情報処理装置。画像処理装置Aはこの付記の第一の情報処理装置の一例であり、画像処理装置B,Cはこの付記の情報処理装置の一例である。