特許第6801977号(P6801977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6801977
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】ゲーブルトップ型容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/74 20060101AFI20201207BHJP
   B65D 5/06 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B65D5/74 010A
   B65D5/06 300
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-77479(P2016-77479)
(22)【出願日】2016年4月7日
(65)【公開番号】特開2017-186057(P2017-186057A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2019年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】711002926
【氏名又は名称】雪印メグミルク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】須田 崇
(72)【発明者】
【氏名】若井 宗人
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−119959(JP,A)
【文献】 特開2005−162296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/74
B65D 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーブルトップ型容器であって、
筒状胴部と、
前記筒状胴部の下端に連設された底部と、
前記筒状胴部の上端に連設された切妻屋根とを備え、
前記切妻屋根は、
互いに対向する一対の屋根パネルと、
前記一対の屋根パネルの対向方向に交差する方向で互いに対向するとともに、上部縦折線を介して前記一対の屋根パネルに連なり、前記一対の屋根パネルの間に折り込まれる一対の妻壁パネルと、
前記一対の屋根パネルの上端部および前記一対の妻壁パネルの上端部が接合されて形成されたトップシールとを備え、
前記妻壁パネルの上端部は、
前記屋根パネルの上端部に接着される接着部と、
前記接着部の上方に設けられ、前記屋根パネルの上端部に接着されない補強部とを備え、
前記補強部は、その上端縁が前記接着部から前記上部縦折線に向って上方に傾斜した傾斜縁とされ、前記トップシールの長さ方向の先端部で前記屋根パネルの上端部に連なり、
前記補強部の水平方向の長さと、前記接着部の水平方向の長さとが異なっていることを特徴とするゲーブルトップ型容器。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーブルトップ型容器において、
前記接着部が前記屋根パネルの上端部に接着された状態で、前記屋根パネルの上端部は、前記接着部の上方の高さ寸法が前記補強部の高さ寸法よりも大きく設定されていることを特徴とするゲーブルトップ型容器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のゲーブルトップ型容器において、
前記妻壁パネルの上端部は、その折返線で折り返された状態で前記トップシールを形成し、
前記補強部は、前記折返線から離間して設けられていることを特徴とするゲーブルトップ型容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳やジュース等の飲料液体を収容するゲーブルトップ型容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、牛乳カートンに代表される飲料用の紙容器として、表裏面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材で構成されたゲーブルトップ型容器がある。ゲーブルトップ型容器は、飲料液体が収容される筒状胴部と、筒状胴部の上端に連設された切妻屋根とを備えている。切妻屋根は、一対の屋根パネルと、一対の切妻屋根間に内向きに折り込まれた一対の妻壁パネルと、一対の屋根パネルの上端部および一対の妻壁パネルの上端部を接合して形成されるトップシールとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなゲーブルトップ型容器を開封する際は、開封部側で一対の屋根パネルの間に指を差し入れつつ、これらの屋根パネルを互いに離反させて後方に折り返す(1次開封)。この状態で、左右方向からトップシールに力をかけながら妻壁パネルを前方に突出させることにより、屋根パネルから妻壁パネルを剥離させて開封する(2次開封)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−86865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来のゲーブルトップ型容器は、トップシールにおいて、妻壁パネルが上端縁まで屋根パネルにシールされているため、妻壁パネルが屋根パネルから剥離し難くなっている。このため、2次開封時にトップシールに力をかけた場合、妻壁パネルが屋根パネルから剥離する前に折れ曲がってしまうことがあり、開封性が十分でないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、開封性を向上できるゲーブルトップ型容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲーブルトップ型容器は、筒状胴部と、前記筒状胴部の下端に連設された底部と、前記筒状胴部の上端に連設された切妻屋根とを備え、前記切妻屋根は、互いに対向する一対の屋根パネルと、前記一対の屋根パネルの対向方向に交差する方向で互いに対向し、前記一対の屋根パネルの間に折り込まれる一対の妻壁パネルと、前記一対の屋根パネルの上端部および前記一対の妻壁パネルの上端部が接合されて形成されたトップシールとを備え、前記妻壁パネルの上端部は、前記屋根パネルの上端部に接着される接着部と、前記接着部の上方に設けられ、前記屋根パネルの上端部に接着されない補強部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、妻壁パネルの上端部に補強部を設けたため、トップシールにおける妻壁パネルの剛性を高くすることができ、2次開封時に、妻壁パネルが屋根パネルから剥離する前に折れ曲がってしまうことを防止できる。また、補強部が屋根パネルに接着されていないため、補強部をきっかけとして妻壁パネルを屋根パネルから容易に剥離させることができる。従って、ゲーブルトップ型容器の開封性を向上できる。
【0009】
本発明のゲーブルトップ型容器において、前記接着部が前記屋根パネルの上端部に接着された状態で、前記屋根パネルの上端部は、前記接着部の上方の高さ寸法が前記接着部の高さ寸法よりも大きく設定されていることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、屋根パネルにおける接着部の上方の高さ寸法が接着部の高さ寸法よりも大きく設定されているため、屋根パネルの剛性を高くすることができる。従って、2次開封時に屋根パネルが折れ曲がってしまうことを防止できるので、ゲーブルトップ型容器の開封性をより向上できる。
【0011】
本発明のゲーブルトップ型容器において、前記補強部は、前記トップシールの長さ方向の先端部で前記屋根パネルの上端部に連なっていることが好ましい。
【0012】
本発明によれば、補強部がトップシールの長さ方向の先端部で屋根パネルの上端部に連なっているため、トップシールにかかる力の作用点近傍に補強部が設けられる。このため、妻壁パネルの剛性を高くすることができ、2次開封時に妻壁パネルが折れ曲がってしまうことを効果的に防止できるとともに、トップシールにかかる力をその接着面に効率良く伝えることができる。従って、ゲーブルトップ型容器の開封性をより一層向上できる。
【0013】
本発明のゲーブルトップ型容器において、前記妻壁パネルの上端部は、その折返線で折り返された状態で前記トップシールを形成し、前記補強部は、前記折返線から離間して設けられていることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、補強部がトップシールにおける妻壁パネルの折返線から離間して設けられているため、補強部をトップシールの長さ方向の先端側に寄せて配置することができる。このため、トップシールの高さが広範囲にわたって高くなってしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るゲーブルトップ型容器を示す斜視図。
図2図1のゲーブルトップ型容器の開封側トップシールを開いた状態の斜視図。
図3図1のゲーブルトップ型容器の展開図。
図4】本発明の変形例に係るゲーブルトップ型容器を示す斜視図。
図5】本発明の変形例に係るゲーブルトップ型容器を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の記載において方向を表す場合、図1に示すように、ゲーブルトップ型容器1を起立させた状態を基準とする。
【0017】
図1および図2は、本実施形態に係るゲーブルトップ型容器1を示す斜視図である。図3は、ゲーブルトップ型容器1の展開図(ゲーブルトップ型容器用パネル(カートンブランクとも称する)10の平面図)である。
図1から図3において、ゲーブルトップ型容器1は、筒状胴部2と、筒状胴部2の下端に連設された底部3と、筒状胴部2の上端に連設された切妻屋根4とを備えている。なお、ゲーブルトップ型容器1は、表裏面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材で構成される。
【0018】
筒状胴部2は、上下方向に延びる胴部縦折線20A、20B、20Cを介して水平方向に連なる4つの胴部パネル21〜24と、胴部パネル24に胴部縦折線20Dを介して連なるシールパネル25とを備えている。胴部パネル21〜24は、シールパネル25が胴部パネル21に加熱シールされることで、角筒状の筒状胴部2を形成する。
【0019】
底部3は、底部縦折線30A、30B、30Cを介して互いに連なるとともに、底部横折線30Eを介して胴部パネル21〜24の下端に連なる4つの底部パネル31〜34と、底部パネル34に底部縦折線30Dを介して連なるとともに、シールパネル25の下端に連なるシールパネル35とを備えている。
底部パネル31、32には、一対の谷折線311、321が形成されている。
【0020】
切妻屋根4は、互いに対向する一対の屋根パネル41、42と、一対の屋根パネル41、42の対向方向に交差する方向で互いに対向し、一対の屋根パネル41、42の間に折り込まれる一対の妻壁パネル43、44と、妻壁パネル44に上部縦折線40Dを介して連なるとともに、シールパネル25の上端に連なるシールパネル45と、一対の屋根パネル41、42の上端部413、423および一対の妻壁パネル43、44の上端部435、445が接合されて形成されたトップシール46とを備えている。一対の屋根パネル41、42および一対の妻壁パネル43、44は、屋根パネル41、妻壁パネル43、屋根パネル42、妻壁パネル44の順で水平方向に連なっている。
【0021】
屋根パネル41は、上下方向に延びる上部縦折線40Aを介して妻壁パネル43に連なるとともに、水平方向に延びる上部横折線41Aを介して胴部パネル21の上端に連なっている。この屋根パネル41は、水平方向に沿って形成された谷折線411と、谷折線411の下方に設けられ、上部縦折線40Aに向かって下方(上部縦折線40Aと上部横折線41Aとの交点P1に向かう方向)に傾斜した谷折線412と、谷折線411の上方に位置する上端部413とを備えている。
上端部413は、妻壁パネル43の後述する接着部437が接着された状態で、当該接着部437の上方の高さ寸法H1が接着部437の高さ寸法H2よりも大きく設定されている。具体的に、上端部413の上部縦折線40A側は、上端縁が上部縦折線40Aに向かって上方に傾斜した傾斜縁部415とされ、上端部413の傾斜縁部415の反対側は、上端縁が水平方向に延びる平坦縁部414とされている。傾斜縁部415は、妻壁パネル43の後述する補強部438と同様の形状とされ、上端部413の水平方向中央よりも上部縦折線40A側の位置から、上部縦折線40Aにかけて形成されている。
【0022】
屋根パネル42は、上下方向に延びる上部縦折線40B、40Cを介して妻壁パネル43、44に連なるとともに、水平方向に延びる上部横折線42Aを介して胴部パネル22の上端に連なっている。この屋根パネル42は、屋根パネル41と線対称の形状に形成された点を除いて、屋根パネル41と同様に構成されている。すなわち、屋根パネル42は、水平方向に沿って形成された谷折線421と、谷折線421の下方に設けられ、上部縦折線40Bに向かって下方(上部縦折線40Bと上部横折線42Aとの交点P2に向かう方向)に傾斜した谷折線422と、谷折線421の上方に位置する上端部423とを備えている。
上端部423は、接着部437の上方の高さ寸法H1が接着部437の高さ寸法H2よりも大きく設定されている。上端部423の上部縦折線40B側は、上端縁が上部縦折線40Bに向かって上方に傾斜した傾斜縁部425とされ、上端部423の上部縦折線40C側は、上端縁が水平方向に延びる平坦縁部424とされている。
【0023】
妻壁パネル43は、水平方向に延びる上部横折線43Aを介して胴部パネル23の上端に連なり、開封部を構成する。この妻壁パネル43は、水平方向に沿って形成された山折線431と、2つの交点P1、P2から山折線431の中央に位置する互いの交点P3まで延びる一対の谷折線432と、一対の谷折線432および上部横折線43Aに囲まれた第1折込部433と、第1折込部433を挟んだ両側(第1折込部433の水平方向両側)に設けられ、一対の屋根パネル41、42に連なる第2折込部434と、山折線431の上方に位置する上端部435とを備えている。
上端部435は、その水平方向の中央に交点P3から上方に延びる折返線436が設けられ、当該折返線436で折り返された状態でトップシール46を形成する。この上端部435は、屋根パネル41の上端部413に接着される接着部437と、接着部437の上方に設けられ、屋根パネル41の上端部413に接着されない補強部438とを備えている。
接着部437は、折返線436を挟んだ両側に設けられ、水平方向に上部縦折線40A、40Bまで延びる長方形領域に設けられている。
補強部438は、折返線436を挟んだ両側に当該折返線436から離間して設けられ、トップシール46の長さ方向の先端部で屋根パネル41、42の上端部413、423に連なっている。補強部438は、その上端縁が上部縦折線40A、40Bに向って上方に傾斜した傾斜縁439とされ、側面視で三角形状に形成されている。補強部438の水平方向の長さL1は、折返線436から当該補強部438までの水平方向の長さL2よりも短く設定されている。
【0024】
妻壁パネル44は、水平方向の延びる上部横折線44Aを介して胴部パネル24の上端に連なり、非開封部を構成する。この妻壁パネル44は、その上端縁全体が水平に形成された点、および上端部445に補強部438が設けられていない点を除いて、妻壁パネル43と同様に構成されている。このため、妻壁パネル44については、妻壁パネル43の符号の先頭から2番目の3の記号を4に置き換えて図示し、その説明を省略する。
【0025】
以上のゲーブルトップ型容器1は、図3に示すゲーブルトップ型容器用パネル10から、次のような手順で形成される。
先ず、ゲーブルトップ型容器用パネル10のシールパネル25、35、45を胴部パネル21、底部パネル31、屋根パネル41に加熱シールし、カートンブランクを形成する。このカートンブランクが角筒状とされた状態において、底部パネル31、32を谷折線311、321に沿って谷折りしながら、底部横折線30Eにより底部パネル33、34間に内向きに折り込み、底部パネル33、34と重ね合わせる。そして、底部パネル31〜34の重ね合わせ部分全体を加熱シールし、底部3を形成する。
【0026】
次いで、谷折線432、442で第2折込部434、444を折り返しながら、上部横折線43A、44Aで第1折込部433、443を内向きに折り込んで、屋根パネル41、42の間に妻壁パネル43、44を折り込む。この際、屋根パネル41、42は、妻壁パネル43、44の折り込みに連動して、上部横折線41A、42Aにより内向きに折り曲げられる。そして、屋根パネル41、42を谷折線411、421に沿って谷折りするとともに、妻壁パネル43、44を山折線431、441に沿って山折りし、折返線436、446で折り返された妻壁パネル43、44の上端部435、445を屋根パネル41、42の上端部413、423間に介在させる。そして、上端部413、423、435、445を互いに加熱シールし、トップシール46を形成する。
【0027】
一方、ゲーブルトップ型容器1を開封する際は、妻壁パネル43側で一対の屋根パネル41、42の間に指を差し入れつつ、図2に示すように、屋根パネル41、42を互いに離反させ、屋根パネル41、42および妻壁パネル43を後方に折り返す(1次開封)。この状態で、左右方向からトップシール46に力をかけながら妻壁パネル43を前方に突出させることにより、屋根パネル41、42から妻壁パネル43を剥離させて開封する(2次開封)。これにより、妻壁パネル43で注ぎ口が形成され、当該注ぎ口で内部の飲料液体を注ぐことが可能となる。
【0028】
以上のような実施形態によれば、妻壁パネル43の上端部435に補強部438を設けたため、トップシール46における妻壁パネル43の剛性を高くすることができ、2次開封時に、妻壁パネル43が屋根パネル41、42から剥離する前に折れ曲がってしまうことを防止できる。また、補強部438が屋根パネル41、42に接着されていないため、補強部438をきっかけとして妻壁パネル43を屋根パネル41、42から容易に剥離させることができる。従って、ゲーブルトップ型容器1の開封性を向上できる。
また、ゲーブルトップ型容器1の形状が、開封部側と非開封部側とで非対称になっているため、目視による開封部の判別を容易に行うことができる。
【0029】
また、屋根パネル41、42における接着部437の上方の高さ寸法H1が接着部437の高さ寸法H2よりも大きく設定されているため、屋根パネル41、42の剛性を高くすることができる。従って、2次開封時に屋根パネル41、42が上部縦折線40A、40B近傍で折れ曲がってしまうことを防止できるので、妻壁パネル43を屋根パネル41、42から容易に剥離させることができる。従って、ゲーブルトップ型容器1の開封性をより向上できる。
【0030】
また、補強部438がトップシール46の長さ方向の先端部で屋根パネル41、42の上端部413、423に連なっているため、2次開封時にトップシール46にかかる力の作用点近傍に補強部438が設けられる。このため、妻壁パネル43の剛性を高くすることができ、2次開封時にトップシール46における上部縦折線40A、40Bに、図2に示す矢印のように力をかけても、妻壁パネル43が折れ曲がってしまうことを効果的に防止できるとともに、トップシール46にかかる力をその接着面に効率良く伝えることができる。従って、ゲーブルトップ型容器1の開封性をより一層向上できる。
【0031】
また、補強部438がトップシール46における妻壁パネル43の折返線436から離間して設けられているため、補強部438をトップシール46の長さ方向の先端側に寄せて配置することができる。このため、トップシール46の高さが広範囲にわたって高くなってしまうことを防止できる。
さらに、妻壁パネル43の上端縁は、折返線436近傍が水平形状となり、妻壁パネル43で形成される注ぎ口から飲料液体を注ぐ際に、飲料液体の視認性を損なうことがない。
【0032】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、筒状胴部2は、断面3角形の角筒状や断面5角以上の角筒状であってもよい。また、筒状胴部2は、角筒状のものに限られず、例えば、円筒状のであってもよい。
前記実施形態では、上部横折線41A〜44Aは、直線状に形成されていたが、これに限られず、曲線状に形成されてもよい。例えば、上部横折線41A〜44Aは、下に向かって凸状の曲線であってもよい。
【0033】
前記実施形態では、胴部縦折線20A〜20Dは、直線状に形成されていたが、これに限られず、曲線状に形成されてもよい。例えば、胴部縦折線20A〜20Dは、ゲーブルトップ型容器1の内側に向かって凸状の曲線であってもよい。また、胴部縦折線20A、20Bが互いに向かって凸状の曲線で、かつ胴部縦折線20C、20Dが互いに向かって凸状の曲線であってもよい。
【0034】
前記実施形態では、上端部413、423は、接着部437の上方の高さ寸法H1が接着部437の高さ寸法H2よりも大きく設定されていたが、これに限られない。例えば、高さ寸法H1が高さ寸法H2と同じ大きさに設定されてもよいし、高さ寸法H1が高さ寸法H2よりも小さく設定されてもよい。また、高さ寸法H1が補強部438の高さ寸法と同じ大きさに設定されてもよい。
前記実施形態では、屋根パネル41、42の傾斜縁部415、425は、上端部413、423の水平方向中央よりも上部縦折線40A、40B側の位置から上部縦折線40A、40Bにかけて形成されていたが、これに限られない。例えば、図4に示すように、傾斜縁部415、425は、上端部413、423の水平方向中央から上部縦折線40A、40Bにかけて形成されてもよい。
前記実施形態では、傾斜縁部415、425は、上端部413、423の上部縦折線40A、40B側にのみ設けられていたが、上部縦折線40A、40Bの反対側にも設けられてもよい。
【0035】
前記実施形態では、妻壁パネル43の補強部438は、折返線436を挟んだ両側に当該折返線436から離間して設けられていたが、図5に示すように、上部縦折線40A、40B間に連なって形成されてもよい。
前記実施形態では、補強部438が妻壁パネル43にのみ設けられていたが、妻壁パネル43に加えて妻壁パネル44にも補強部を設けてもよい。
【0036】
前記実施形態では、ゲーブルトップ型容器1の上部が開封部側と非開封部側とで異なる形状とされていたが、非開封部側を開封部側と同じ形状にしてもよい。
【0037】
前記実施形態では、シールパネル25、35、45は、同幅をもって形成されているが、これに限られず、シールパネル25、35、45をそれぞれ異なる幅に形成してもよいし、シールパネル25、35、45のうちの何れか2つのみを同じ幅に形成してもよい。また、シールパネル25、35、45は、上下方向で幅寸法が一定である必要はなく、幅寸法を部分的に変えてもよい。
【0038】
本発明は、牛乳やジュース等の飲料液体や、ヨーグルトやゼリー等のゲル状食品を収容可能な様々なゲーブルトップ型容器に利用できる。
【符号の説明】
【0039】
1…ゲーブルトップ型容器、2…筒状胴部、3…底部、4…切妻屋根、41、42…屋根パネル、43、44…妻壁パネル、46…トップシール、413、423、435、445…上端部、436…折返線、437…接着部、438…補強部。
図1
図2
図3
図4
図5