特許第6802160号(P6802160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802160
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】マイクロカプセル
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20201207BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20201207BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20201207BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20201207BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20201207BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20201207BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20201207BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20201207BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20201207BHJP
   A61K 8/11 20060101ALI20201207BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20201207BHJP
   B01J 13/08 20060101ALI20201207BHJP
   C08J 3/07 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61K8/44
   A61K8/368
   A61K8/35
   A61K8/37
   A61K8/49
   A61K8/36
   A61K8/41
   A61K8/31
   A61K8/11
   A61Q17/04
   B01J13/08
   C08J3/07CEX
【請求項の数】14
【全頁数】73
(21)【出願番号】特願2017-529793(P2017-529793)
(86)(22)【出願日】2015年12月3日
(65)【公表番号】特表2018-505136(P2018-505136A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】EP2015078554
(87)【国際公開番号】WO2016087598
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2018年11月30日
(31)【優先権主張番号】14196271.2
(32)【優先日】2014年12月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラコフスカ−マイゼ,エヴェリナ
(72)【発明者】
【氏名】ベム,ヴァレリア
(72)【発明者】
【氏名】シュタッフ,ローラント ヒンリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】リンデマン,ブリギッテ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッテラー,ヘルムート
【審査官】 塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/064255(WO,A2)
【文献】 特開昭56−010489(JP,A)
【文献】 特表2010−510337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
B01J 13/08
C08J 3/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア材料を含むカプセルコア及びカプセルシェルを含むマイクロカプセルであって、カプセルシェルがポリビニルアルコールのコア周囲層及びポリオキサゾリンの隣接層を含み、
コア材料が、
(o1)p-アミノ安息香酸誘導体、
(o2)サリチル酸誘導体、
(o3)ベンゾフェノン誘導体、
(o4)ジベンゾイルメタン誘導体、
(o5)ジフェニルアクリレート、
(o6)3-イミダゾール-4-イル-アクリル酸及びそれらのエステル、
(o7)ベンゾフラン誘導体、
(o8)ポリマー性UVフィルター、
(o9)ケイ皮酸誘導体、
(o10)カンファー誘導体、
(o11)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、
(o12)ベンゾトリアゾール誘導体、
(o13)トリアニリノ-s-トリアジン誘導体、
(o14)メンチルo-アミノベンゾエート、
(o15)ホモサレート、
(o16)ベンジリデンマロネート、
(o17)メロシアニン誘導体、
(o18)フェニレンビスジフェニルトリアジン、
(o19)イミダゾリン誘導体、並びに
(o20)ジアリールブタジエン誘導体
から選択される油溶性UVフィルター(o)から選択される、マイクロカプセル。
【請求項2】
カプセルコアがコア材料を95重量%より多く含む、請求項1に記載のマイクロカプセル。
【請求項3】
カプセルコアが室温で液体である、請求項1又は2に記載のマイクロカプセル。
【請求項4】
カプセルの平均粒径が0.5μmから80μmである、請求項1から3のいずれかに記載のマイクロカプセル。
【請求項5】
カプセルコア対カプセルシェルの重量比が50:50から95:5の範囲である、請求項1から4のいずれかに記載のマイクロカプセル。
【請求項6】
ポリビニルアルコールがアニオン性ポリビニルアルコールである、請求項1から5のいずれかに記載のマイクロカプセル。
【請求項7】
油溶性UVフィルター(o)が、
(oSOL-1)ベンゾフェノン-3(BP3)、
(oSOL-2)ベンゾフェノン-4(BP4)、
(oSOL-3)3-ベンジリデンカンファー(3BC)、
(oSOL-4)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(BEMT)、
(oSOL-5)ブチルメトキシジベンゾイルメタン(BMBM)、
(oSOL-6)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(DBT)、
(oSOL-7)ドロメトリゾールトリシロキサン(DTS)、
(oSOL-8)エチルヘキシルトリアゾン(EHT)、
(oSOL-9)エチルヘキシルメトキシシンナメート、
(oSOL-10)ベンジリデンマロネート(BM)、
(oSOL-11)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(DHHB)、
(oSOL-12)オクトクリレン、
(oSOL-13)ポリシリコン-15、
(oSOL-14)ホモサレート、及び
(oSOL-15)エチルヘキシルサリチレート
から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項8】
油溶性UVフィルター(o)が、
(o9a)エチルヘキシルメトキシシンナメート、
(o11a)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
(o13a)エチルヘキシルトリアゾン、及び
(o3a)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項9】
ポリビニルアルコールが、酸基がスルホン酸基、ホスホン酸基及び分子中に3個から8個の炭素原子を有するカルボン酸基、並びに/又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアンモニウム塩からなる群から選択されるアニオン性ポリビニルアルコールである、請求項1から8のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項10】
ポリビニルアルコールが、60%から100%の加水分解度を有するアニオン性ポリビニルアルコールである、請求項1から9のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項11】
ポリオキサゾリンが、式(I)
【化1】
(式中、Rは、水素、直鎖状又は分岐状アルキルからなる群から選択される)
に従ったオキサゾリンモノマー(A)、及び場合により式(I)の1つ以上のさらなるオキサゾリンモノマー(B)の重合形態に存し、
ここでモノマー(B)のRは、水素、直鎖状又は分岐状アルキルからなる群から選択されるが、モノマー(A)のRと異なる、請求項1から10のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項12】
コア材料を含むカプセルコア、及びカプセルシェルを含むマイクロカプセルを製造するための方法であって、カプセルシェルがポリビニルアルコールのコア周囲層及びポリオキサゾリンの隣接層を含み、
コア材料が、
(o1)p-アミノ安息香酸誘導体、
(o2)サリチル酸誘導体、
(o3)ベンゾフェノン誘導体、
(o4)ジベンゾイルメタン誘導体、
(o5)ジフェニルアクリレート、
(o6)3-イミダゾール-4-イル-アクリル酸及びそれらのエステル、
(o7)ベンゾフラン誘導体、
(o8)ポリマー性UVフィルター、
(o9)ケイ皮酸誘導体、
(o10)カンファー誘導体、
(o11)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、
(o12)ベンゾトリアゾール誘導体、
(o13)トリアニリノ-s-トリアジン誘導体、
(o14)メンチルo-アミノベンゾエート、
(o15)ホモサレート、
(o16)ベンジリデンマロネート、
(o17)メロシアニン誘導体、
(o18)フェニレンビスジフェニルトリアジン、
(o19)イミダゾリン誘導体、並びに
(o20)ジアリールブタジエン誘導体
から選択される油溶性UVフィルター(o)から選択され、
方法ステップ:
a)コア材料を含む分散相及び水性連続相及びポリビニルアルコールを有する水中油エマルジョンの調製、並びに
b)1つ以上のポリオキサゾリンの後続添加
を含む、前記方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載のマイクロカプセルを、分散液の総重量に対して5重量%から50重量%含む水性分散液。
【請求項14】
UV放射線の有害な影響からヒトの毛髪及び皮膚を保護するための、請求項1から11のいずれかに記載のマイクロカプセルの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルコア及びカプセルシェルを含むマイクロカプセルであって、カプセルシェルがポリビニルアルコールのコア周囲層及びポリオキサゾリンの隣接層を含むマイクロカプセルに関する。本発明は、それらの製造の方法及びそれらの使用にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロカプセルは、多種多様な実施形態で知られており、カプセルシェル堅固さに従って、非常に異なる目的で使用される。それらは、カプセルシェルを破壊する機械的衝撃があるまで放出されることがないコア材料、例えばノーカーボンコピー紙のための染料又はカプセル化された香料を保護する働きをする。こうした適用分野におけるカプセルシェル材料は、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂又はポリアクリレートに基づいていることが知られている。さらに、活性成分を放出する衝撃は、熱的又は磁気的なものであり得る。
【0003】
コアセルベーションは、周知のマイクロカプセル化方法である。こうした方法に従って、水溶性ポリマーは、その可溶性を低減する第2の溶媒の添加によって、それの溶液からの相分離により沈殿される。よく知られている系は、ポリビニルアルコール/-1プロパノールである。
【0004】
複合コアセルベーション方法を介してマイクロカプセルを製造することが、さらに知られている。シェル構築方法は、水溶液における逆荷電コロイドの中和の原理に基づいている。複合コアセルベーションのための例は、正荷電ゼラチン及び負荷電アラビアガム(gum arabicum)である。
【0005】
EP-A 1 064 087は、有機微小球体がカチオン性及びアニオン性高分子電解質の交互層で包まれ、且つ該微小球体が引き続いて溶解されて空洞又は空隙の空間を脱離する浸透性シェルを有するマイクロカプセルの製造を教示している。
【0006】
JP2006-205129は、ゼラチンのような、カルボキシル基を含む塩基性膜物質として親水性コロイドを使用し、シェルの形成のためにオキサゾリン基を有する化合物で塩基性膜物質を硬化する、マイクロカプセルを製造する方法を教示している。オキサゾリン基を含むこの化合物は、好ましくは、高分子化合物である。
【0007】
WO 2014/064255は、コアを囲む、ポリアクリル酸のようなポリカルボン酸又はエチレン-マレイン酸無水物のようなコポリマーのシェル、及び場合によりポリカルボン酸と相互作用する介在層を含むマイクロカプセルを教示している。ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)及びポリビニルアルコールがとりわけ前記介在層を形成するポリマー性材料として記述されている。例証されるのは、ポリ(メタクリル酸)の内部層及びポリ(ビニルピロリドン)の第2の層を含むマイクロカプセルである。この教示によると、良好なマイクロカプセルを得るためにいくつかの層を構築することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP-A 1 064 087
【特許文献2】JP2006-205129
【特許文献3】WO 2014/064255
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、取り扱いが簡便である代替のシェル材料、及びその上、これらのマイクロカプセルを製造するための有利な方法を見出すことが、本発明の目的である。こうしたシェル材料を用いるマイクロカプセルは、必要とされるならば、良好な堅固さを有し、コア材料の放出のための様々な選択肢を提供するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
良好な貯蔵安定性を呈するマイクロカプセルを提供するのが本発明の一態様である。
【0011】
したがって、カプセルコア及びカプセルシェルを含むマイクロカプセルであって、カプセルシェルがポリビニルアルコールのコア周囲層及びポリオキサゾリンの隣接層を含むマイクロカプセルが見出された。
【0012】
好ましくは、該カプセルシェルは、アニオン性ポリビニルアルコールのコア周囲層からなる。
【0013】
さらに、方法ステップ:
a)コア材料を含む分散相及び水性連続相及びポリビニルアルコールを用いる水中油(oil-in-water)エマルジョンの調製、並びに
b)1つ以上のポリオキサゾリンの後続添加
を含む、カプセルシェル及びカプセルコアを含むマイクロカプセルを製造するための方法が見出された。
【0014】
本発明は、化粧品組成物における、例えば、活性物、即ちマイクロカプセルのカプセルコアとしてのUVフィルターを含むサンスクリーン組成物の調製のための、或いはカプセルコア材料が拡散によって放出される又は機械的に若しくは熱的破壊によって標的化されることになる用途における、これらのマイクロカプセルの使用にさらに関する。
【0015】
本発明のマイクロカプセルは、カプセルコア並びにポリビニルアルコールの周囲層及びポリオキサゾリンの隣接層を含むカプセルシェルを含む。該カプセルコアは、単一化合物又は2種以上の化合物の混合物であり得るコア材料を95重量%より圧倒的に多く含む。該カプセルコアは、温度及びコア材料の融点に依存して固体又は液体であり得る。好ましいのは、20℃の温度及び正常圧で液体であるカプセルコアである。液体は、コア材料が≦5Pa.sのブルックフィールド粘度を有することがを意味する。
【0016】
カプセルの平均粒径(光散乱によるZ平均)は、0.5μmから80μmの範囲、好ましくは1μmから50μmの範囲、及び特に1μmから30μmの範囲である。カプセルコア対カプセルシェルの重量比は、一般に、50:50から95:5の範囲である。70:30から93:7の範囲におけるコア/シェル比が好ましい。
【0017】
マイクロカプセルのための適当なコア材料は、水に不溶性から本質的に不溶性である物質である。本発明の文脈において、「水に本質的に不溶性」は、25℃で<25g/l、好ましくは≦5g/lの水中コア材料可溶度を意味すると理解されるべきである。コア材料が混合物であるならば、これは溶液又は懸濁液の形態であってよい。
【0018】
コア材料は、好ましくは、脂肪族及び芳香族炭化水素化合物、飽和又は不飽和のC6〜C30-脂肪酸、脂肪アルコール、C6〜C30-脂肪アミン、C4〜C30-モノ-、C4〜C30-ジ-及びC4〜C30-ポリエステル、第一級、第二級又は第三級のC4〜C30-カルボキサミド、脂肪酸エステル、天然及び合成ワックス、ハロゲン化炭化水素、天然油、C3〜C20-ケトン、C3〜C20-アルデヒド、香料及び芳香物質、ビタミン、並びにUVフィルターを含む群、好ましくはこれらからなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
例として、以下が記述され得る:
a)脂肪族炭化水素化合物、例えば、分岐状又は直鎖状である飽和又は不飽和のC6〜C40-炭化水素、例えばn-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-テトラデカン、n-ペンタデカン、n-ヘキサデカン、n-ヘプタデカン、n-オクタデカン、n-ノナデカン、n-エイコサン、n-ヘンエイコサン、n-ドコサン、n-トリコサン、n-テトラコサン、n-ペンタコサン、n-ヘキサコサン、n-ヘプタコサン、n-オクタコサン、白油など、及び環式炭化水素、例えばシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、
b)芳香族炭化水素化合物、例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、o-又はm-テルフェニル、C1〜C40-アルキル置換芳香族炭化水素、例えばドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘキシルナフタレン、デシルナフタレン及びジイソプロピルナフタレン、
c)飽和又は不飽和のC6〜C30-脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸又はベヘン酸、好ましくは、デカン酸と例えばミリスチン酸、パルミチン酸若しくはラウリン酸との共融混合物、
d)脂肪アルコール、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、混合物、例えばココナツ脂肪アルコール、並びにその上、α-オレフィンのヒドロホルミル化及びさらなる反応によって得られる、いわゆるオキソアルコール、
e)C6〜C30-脂肪アミン、例えば、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン又はヘキサデシルアミン、
f)C4〜C30-モノ-、C4〜C30-ジ-及びC4〜C30-ポリエステル、例えば、C1〜C20-カルボン酸のC1〜C10-アルキルエステル、例えばパルミチン酸プロピル、ステアリン酸メチル又はパルミチン酸メチル、及びその上、好ましくはそれらの共融混合物又はケイ皮酸メチル並びに第一級、第二級又は第三級のC4〜C30-カルボキサミド、例えばN-ジメチルオクタンアミド及びN-ジメチルデカンアミド、
g)天然及び合成ワックス、例えば、モンタン酸ワックス、モンタン酸エステルワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、酸化ワックス、ポリビニルエーテルワックス、エチレンビニルアセテートワックス、又はフィッシャー・トロプシュ方法による硬質ワックス、
h)ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロパラフィン、ブロモオクタデカン、ブロモペンタデカン、ブロモノナデカン、ブロモエイコサン、ブロモドコサン、
i)天然油、例えば、落花生油及び大豆油、
j)C3〜C20-ケトン及びC3〜C20-アルデヒド、
m)適切な場合、群a)からi)及びj)の前述のコア材料における混合物として、それらに対する参照が明らかに言及されている、WO 01/49817に、又は「Flavorsand Fragrances」、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、Wiley-VCH、2002に記載されている通りの香料及び芳香物質、
n)適切な場合、群a)からi)及びj)の前述のコア材料における混合物として、ビタミン、例えば、水不溶性ビタミン及びプロビタミン、例えばビタミンA、ビタミンAアセテート、ビタミンD、ビタミンE、トコフェロール誘導体、例えば酢酸トコフェロール及びビタミンK、
o)UV-フィルター。
【0020】
好ましくは、本発明によるUVフィルター(o)は、油溶性UVフィルターである。
【0021】
本発明による典型的な油溶性UVフィルターは、以下の物質(INCI名)である:
(o1)p-アミノ安息香酸誘導体、
(o2)サリチル酸誘導体、
(o3)ベンゾフェノン誘導体、
(o4)ジベンゾイルメタン誘導体、
(o5)ジフェニルアクリレート、
(o6)3-イミダゾール-4-イル-アクリル酸及びそれらのエステル、
(o7)ベンゾフラン誘導体、
(o8)ポリマー性UVフィルター、
(o9)ケイ皮酸誘導体、
(o10)カンファー誘導体、
(o11)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、
(o12)ベンゾトリアゾール誘導体、
(o13)トリアニリノ-s-トリアジン誘導体、
(o14)メンチルo-アミノベンゾエート、
(o15)ホモサレート、
(o16)ベンジリデンマロネート、
(o17)メロシアニン誘導体、
(o18)フェニレンビスジフェニルトリアジン、
(o19)イミダゾリン誘導体、並びに
(o20)ジアリールブタジエン誘導体。
【0022】
p-アミノ安息香酸誘導体(o1)のための例証化合物は、
4-アミノ安息香酸(PABA)、式
【化1】
のエチルジヒドロキシプロピル-PABA、式
【化2】
(式中、m、n及びxは同じ意味を有し、多くとも25である)
のPEG-25-PABA、式
【化3】
のオクチルジメチルPABA、又は式
【化4】
のグリシルアミノベンゾエート
である。
【0023】
サリチル酸誘導体(o2)のための例証化合物は、

【化5】
のサリチル酸ホモメンチル、式
【化6】
のトリエタノールアミンサリチレート、式
【化7】
のアミル-p-ジメチルアミノベンゾエート、式
【化8】
のサリチル酸オクチル、又は式
【化9】
の4-イソプロピルベンジルサリチレート
である。
【0024】
ベンゾフェノン誘導体(o3)のための例証化合物は以下である:
ベンゾフェノン-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)、ベンゾフェノン-8-(2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)、又は式
【化10】
(式中、
R1及びR2は、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニルであり、ここで基R1及びR2は、R1-N-R2窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成することができ、
R3及びR4は、互いに独立して、C1〜C20アルキル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、C1〜C22アルコキシル、C1〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C12アルキルアミノ、C1〜C12ジアルキルアミノ、場合により置換されているアリール、ヘテロアリールであり、
Xは、水素、COOR5、又はCONR6R7であり、
R5、R6、R7は、互いに独立して、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、 (Y-O)o-Z、又はアリールであり、
Yは、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-CH(CH3)-CH2-であり、
Zは、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH2-CH3、又は-CH(CH3)-CH3であり、
mは、0から3であり、
nは、0から4であり、並びに
oは、1から20である)のアミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン。
【0025】
最も好ましいジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエートは、式
【化11】
に対応する。
【0026】
例証されるジベンゾイルメタン誘導体(o4)は、ブチルメトキシジベンゾイルメタン-[1-(4-tert.-ブチル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン]である。
【0027】
例証されるジフェニルアクリレート誘導体(o5)は、オクトクリレン-(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート)又はエトクリレン-(エチル-2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート)である。
【0028】
例証されるベンゾフラン誘導体(o7)は、3-(ベンゾフラニル)-2-シアノアクリレート、2-(2-ベンゾフラニル)-5-tert.-ブチルベンゾオキサゾール又は2-(p-アミノフェニル)ベンゾフラン、及び最も好ましくは式
【化12】
の化合物である。
【0029】
1つ以上のケイ質-有機基を含む、例証されるポリマー性UVフィルター(o8)は、ベンジリデンマロネート誘導体、好ましくは式
【化13】
(式中、R24は水素、又はメトキシであり、rは約7である)
の化合物、式
【化14】
の化合物、又は式
【化15】
に従ったポリシリコーン-15である。
【0030】
例証されるケイ皮酸誘導体(o9)は、オクチルメトキシシンナメート(4-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルエステル)、ジエタノールアミノメトキシシンナメート(4-メトキシケイ皮酸のジエタノールアミン塩)、イソアミルp-メトキシシンナメート(4-エトキシケイ皮酸2-イソアミルエステル)、2,5-ジイソプロピルメチルシンナメート又はケイ皮酸アミド誘導体である。
【0031】
例証されるカンファー誘導体(o10)は、4-メチル-ベンジリデンカンファー[3-(4'-メチル)ベンジリデン-ボルナン-2-オン]、3-ベンジリデンカンファー(3-ベンジリデン-ボルナン-2-オン)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー{N-[2(及び4)-2-オキシボルン-3-イリデン-メチル)-ベンジル]アクリルアミドポリマー}である。
【0032】
例証されるヒドロキシフェニルトリアジン誘導体(o11)は、好ましくは、式
【化16】
(式中、
R1及びR2は、互いに独立して、水素、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、式-CH2-CH(-OH)-CH2-O-T1の基、式
【化17】
の基、又は式
【化18】
の基であり、
R3、R4及びR5は、互いに独立して、ヒドロキシ、C1〜C5アルコキシ、又は1つ以上のOH基によって置換されているC1〜C5アルコキシ、アミノ、モノ-又はジ-C1〜C5-アルキルアミノ、式
【化19】
の基であり、
R10、R11及びR12は、互いに独立して、C1〜C14アルキル、又は1つ以上のOH基によって置換されているC1〜C14アルキルであり、
R13は、水素、M; C1〜C5アルキル、又は式-(CH2)m3-O-T1の基であり、
R6は、直接結合、直鎖状若しくは分岐状C1〜C4アルキル、又は式-Cm4H2m4、又は-Cm4H2m4-O-の基であり、
R7、R8及びR9は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C1-C18アルコキシ、又は式
【化20】
の基であり、
R14は、C1〜C5アルキルであり、
Mは、金属カチオンであり、
T1は、水素、又はC1〜C8アルキルであり、
m1、m2及びm3は、互いに独立して、1から3の数であり、
m4は、2から14の数であり、並びに
p1は、0、又は1から5の数である)のビス-レソルシニル-トリアジンである。
【0033】
(o11)の例証化合物は以下である:
- 2-(4'-メトキシフェニル)-4,6-ビス(2'-ヒドロキシ-4'-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
- 2,4-ビス-{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
- 2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-[4-(2-メトキシエチル-カルボキシル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、
- 2,4-ビス-{[4-(トリス(トリメチルシロキシ-シリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
- 2,4-ビス-{[4-(2"メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
- 2,4-ビス-{[4-(1',1',1',3',5',5',5'-ヘプタメチルトリシリル-2"-メチル-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
- 2,4-ビス-{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-[4-エチルカルボキシル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、
- 2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン、又は
- 式
【化21】
に従った2,2'-[6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ビス[5-[(2-エチルヘキシル)オキシ]-(ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)。
【0034】
例証されるベンゾトリアゾール誘導体(o12)は、式
【化22】
(式中、
R1は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルコキシカルボニル、C5〜C10シクロアルキルであり、
R3は、水素、C1〜C18アルキル、C1〜C12アルコキシ、又はハロゲンであり、及び
nは、1又は2であり、
n=1である場合、
R2は、C1〜C20アルキル、C5〜C10シクロ-C1〜C5アルキル、C1〜C12アルコキシ-C1〜C5アルキル、C5〜C10シクロアルコキシ-C1〜C5アルキル、C6〜C10アリール、C6〜C10アリール-C1〜C5アルキルであり、
n=2である場合、
R2は、直接結合、又は-(CH2)p-であり、及び
pは、1から3の数である)に対応する。
【0035】
好ましくは、
R1が、C1〜C12アルキルであり、
R3が、水素、ハロゲン、好ましくはCIであり、
nが、1であり、
R2が、C1〜C12アルキルであり、
pが、1から3である
式(BT-01)の化合物が考えられる。
【0036】
最も好ましいのは、式
【化23】
の化合物である。
【0037】
さらに、
R1が、水素であり、
R3が、C1〜C18アルキルであり、
n=2であり、
R2が、-CH2-である
式BT-01のUVフィルターが好ましい。
【0038】
例証されるトリアニリノ-s-トリアジン誘導体(o13)は、式
【化24】
(式中、
R1、R2及びR3は、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C20アルキル、アリール又はヘテロアリールであり、
Xは、O、又はNR4であり、並びに
R4は、水素、又は場合により置換されているC1〜C20アルキル、アリール若しくはヘテロアリールである)に対応する。
【0039】
このクラスの化合物の最も好ましい代表は、式
【化25】
に対応するエチルヘキシルトリアゾン、又は式
【化26】
に従ったジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、又は式
【化27】
に従ったエチルヘキシルビス-イソペンチルベンゾオキサゾリルフェニルメラミンである。
【0040】
好ましくは、ベンジリデンマロネート(d16)は、式
【化28】
(式中、
R1は、メチル、エチル、プロピル、又はn-ブチルであり、
R1がメチルである場合、
Rは、tert.ブチル、
【化29】

【化30】
の基、又は式
【化31】
の基であり、
(式中、
R2及びR3は、互いに独立して、水素、又はメチルであり、
R4は、メチル、エチル、又はn-プロピルであり、
R5及びR6は、互いに独立して、水素、又はC1〜C3アルキルであり、
R1がエチル、プロピル、又はn-ブチルである場合、
Rは、イソプロピルである))に対応する。
【0041】
最も好ましいベンジリデンマロネート(o16)は、下の表に列挙されている:
【0042】
【表1】
【0043】
フェニレン-ビス-ジフェニルトリアジン(o18)のための例証化合物は、式
【化32】
に従った5,6,5,6-テトラフェニル-3,3'-(1,4-フェニレン)-ビス[1,2,4]-トリアジンである。
【0044】
イミダゾリン誘導体(o19)のための例証化合物は、エチルヘキシル-ジメトキシベンジリデン-ジオキソイミダゾリンプロピオネートである。
【0045】
ジアリールブタジエン誘導体(o20)のための例証化合物は、1,1-ジカルボキシ-(2、2'-ジメチルプロピル)-4、4-ジフェニルブタジエンである。
【0046】
UVフィルター(o1)〜(o20)の各々は、混合物として使用することができる。例えば、UVフィルター群(o1)〜(o20)の2つ、3つ、4つ、5つ又は6つの混合物を本発明に従って使用することができる。
【0047】
最も好ましいのは、以下の油溶性UVフィルター(INCI名)である:
(oSOL-1)ベンゾフェノン-3(BP3)、
(oSOL-2)ベンゾフェノン-4(BP4)、
(oSOL-3)3-ベンジリデンカンファー(3BC)、
(oSOL-4)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(BEMT)、
(oSOL-5)ブチルメトキシジベンゾイルメタン(BMBM)、
(oSOL-6)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(DBT)、
(oSOL-7)ドロメトリゾールトリシロキサン(DTS)、
(oSOL-8)エチルヘキシルトリアゾン(EHT)、
(oSOL-9)エチルヘキシルメトキシシンナメート、
(oSOL-10)ベンジリデンマロネート(BM)、
(oSOL-11)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(DHHB)、
(oSOL-12)オクトクリレン、
(oSOL-13)ポリシリコン-15、
(oSOL-14)ホモサレート、及び
(oSOL-15)エチルヘキシルサリチレート。
【0048】
最も好ましいのは、
(oSOL-9)エチルヘキシルメトキシシンナメート、
(oSOL-4)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
(oSOL-8)エチルヘキシルトリアゾン、及び
(oSOL-11)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
からなる油溶性UVフィルター混合物である。
【0049】
下の表において、油溶性UVフィルター(UV SOL 1〜UV SOL 551)からの可能なUVフィルター混合物が列挙されている:
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
活性成分の他に、本発明によるカプセルのコアは、それぞれの適用分野において通常使用される油又は溶媒などの疎水性助剤も含むことができる。好ましいUVフィルターのような化粧品活性成分の場合において、有機活性成分は、化粧品において使用される典型的な油構成成分中に溶解又は懸濁することができる。
【0053】
化粧品における通例の油構成成分は、例えば、パラフィン油、ステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セチルステアリル2-エチルヘキサノエート、水素化ポリイソブテン、ワセリン、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、微結晶性ワックス、ラノリン及びステアリン酸である。しかしながら、このリストは例証的であり、網羅的ではない。
【0054】
特別に優先されるのは、本発明によるカプセルのシェルを構築するために使用される水不溶性又は難水溶性ゾル-ゲル前駆体中に可溶性又は懸濁可能であるような難水溶性又は水不溶性の有機活性成分である。
【0055】
本発明は、上に記載されている又は上に記載の方法によって製造されたコア/シェル構造を有する本発明によるカプセルを含む化粧品若しくは医薬品組成物、作物保護調製物、動物飼料、食品又は栄養サプリメントをさらに提供する。特別に優先されるのは、太陽UV放射線に対して皮膚保護の分野のための化粧品又は医薬品組成物(サンスクリーン)である。
【0056】
本発明による化粧品組成物は、UV放射線の作用に対して、紫外光に感受性である有機材料、殊にヒト及び動物の皮膚及び毛髪の保護に殊に有用である。こうしたUVフィルター組合せは、そのため、化粧品、医薬品及び獣医学の調製物における光保護剤として適当である。
【0057】
本発明による化粧品又は医薬品組成物は、コア中におけるUVフィルター(o)及び化粧品として耐容可能なアジュバントを含む本発明によるマイクロカプセルを、組成物の総重量に対して0.1重量%から40重量%、好ましくは0.1重量%から15重量%、殊に好ましくは0.5重量%から10重量%含有する。
【0058】
他の特性に加えて、本発明による化粧品又は医薬品組成物は、適当な化粧品担体中に適用される場合、皮膚におけるUV誘発フリーラジカルの数を有意に低減することによってラジカルスカベンジャーとして使用することができる。
【0059】
化粧品組成物は、本発明によるUVフィルター(o)に加えて、1つ以上のさらなる非カプセル化UVフィルターを含むことができる。全てのUVフィルター(o1)〜(o20)は、非カプセル化活性物として使用することができる。さらに、水溶性UVフィルター、二酸化チタン若しくは酸化亜鉛のような無機UVフィルター、又は水性分散液としての化粧品配合物に存在され得る微粒子化形態におけるUVフィルターが使用され得る。
【0060】
特に優先されるのは、以下の表3において示されている光保護剤である:
【0061】
【表4】
【0062】
本発明による化粧品組成物が、水含有エマルジョン及び油含有エマルジョン(例えばW/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルジョン又はマイクロエマルジョン)を表すならば、それらは、例えば、本発明によるマイクロカプセルを、組成物の総重量に対して0.1重量%から30重量%、好ましくは0.1重量%から15重量%及び殊に0.5重量%から10重量%、少なくとも1種の油構成成分を、組成物の総重量に対して1重量%から60重量%、殊に5重量%から50重量%及び好ましくは10重量%から35重量%、少なくとも1種の乳化剤を、組成物の総重量に対して0重量%から30重量%、殊に1重量%から30重量%及び好ましくは4重量%から20重量%、水を、組成物の総重量に対して10重量%から90重量%、殊に30重量%から90重量%、並びにさらに化粧品として耐容可能なアジュバントを0重量%から88.9重量%、殊に1重量%から50重量%含有する。
【0063】
油含有組成物(例えば油、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルジョン又はマイクロエマルジョン)の適当な油構成成分は、例えば、6個から18個、好ましくは8個から10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖状C6〜C24脂肪酸と直鎖状C3〜C24アルコールとのエステル、分岐状C6〜C13カルボン酸と直鎖状C6〜C24脂肪アルコールとのエステル、直鎖状C6〜C24脂肪酸と分岐状アルコール、殊に2-エチルヘキサノールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分岐状C6〜C22脂肪アルコール、殊にリンゴ酸ジオクチルとのエステル、直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、二量体ジオール又は三量体トリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、C6〜C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6〜C18脂肪酸に基づく液体モノ-/ジ-/トリ-グリセリド混合物、C6〜C24脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、殊に安息香酸とのエステル、C2〜C12ジカルボン酸と1個から22個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐状アルコール又は2個から10個の炭素原子及び2個から6個のヒドロキシ基を有するポリオールとのエステル、植物油(ヒマワリ油、オリーブ油、ダイズ豆油、ナタネ油、アーモンド油、ホホバ油、オレンジ油、小麦胚芽油、桃仁油、及びヤシ油の液体構成成分など)、分岐状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分岐状C6〜C22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベ炭酸塩、安息香酸と直鎖状及び/又は分岐状C6〜C22アルコール(例えばFinsolv(登録商標) TN)とのエステル、合計12個から36個の炭素原子、殊に12個から24個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状対称又は非対称ジアルキルエーテル、例えばジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-ウンデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-オクチルエーテル、n-オクチルn-デシルエーテル、n-デシルn-ウンデシルエーテル、n-ウンデシルn-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-ウンデシルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-3-エチルデシルエーテル、tert-ブチルn-オクチルエーテル、イソペンチルn-オクチルエーテル及び2-メチルペンチル-n-オクチルエーテル;エポキシ化脂肪酸エステルとポリオール、シリコーン油及び/又は脂肪族若しくはナフテン系炭化水素との開環生成物である。その上重要なのは、脂肪酸と3個から24個の炭素原子を有するアルコールとのモノエステルである。その群の物質は、8個から24個の炭素原子を有する脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにそれらの技術グレード混合物(例えば、天然脂肪及び油の圧力除去で、Roelenオキソ合成からのアルデヒドの還元で、又は不飽和脂肪酸の二量化で得られる)と、アルコール、例えばイソプロピルアルコール、カプロンアルコール(caproic alcohol)、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール並びにそれらの技術グレード混合物(例えば、脂肪及び油に基づく技術グレードメチルエステル又はRoelenオキソ合成からのアルデヒドの高圧水素化で、及び不飽和脂肪アルコールの二量化におけるモノマー画分として得られる)とのエステル化生成物を含む。特に重要なのは、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸C16〜C18アルキルエステル、ステアリン酸2-エチルヘキシルエステル、オレイン酸セチル、トリカプリル酸グリセロール、ココナツ脂肪アルコールカプリネート/カプリレート及びn-ステアリン酸ブチルである。使用することができるさらなる油構成成分は、ジカルボン酸エステル、例えばジ-n-ブチルアジペート、ジ(2-エチルヘキシル)アジペート、ジ(2-エチル-ヘキシル)スクシネート及びジイソトリデシルアセテート、並びにその上ジオールエステル、例えばジオレイン酸エチレングリコール、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート及びネオペンチルグリコールジカプリレートである。好ましいモノ-又はポリ-オールは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール及びソルビトールである。1種以上のアルキルカルボン酸の二価及び/又は三価の金属塩(アルカリ土類金属、とりわけAl3+)を使用することも可能である。
【0064】
油構成成分は、組成物の総重量に対して、例えば1重量%から60重量%、殊に5重量%から50重量%及び好ましくは10重量%から35重量%の量で使用することができる。
【0065】
任意の従来使用可能な乳化剤は、本発明による化粧品組成物のために使用することができる。
【0066】
適当な乳化剤は、例えば、以下の群からの非イオン性界面活性剤である:
- エチレンオキシド2molから30mol及び/又はプロピレンオキシド0molから5molと、8個から22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコールとの、12個から22個の炭素原子を有する脂肪酸との、及びアルキル基中に8個から15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、例えばセテアレス-20又はセテアレス-12、
- エチレンオキシド1molから30molと、3個から6個の炭素原子を有するポリオールとの、殊にグリセロールとの付加生成物のC12〜C22脂肪酸モノ-及びジ-エステル、
- 6個から22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のグリセロールモノ-及びジ-エステル並びにソルビタンモノ-及びジ-エステル、並びにそのエチレンオキシド付加生成物、例えばステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン又はセスキオレイン酸ソルビタン、
- C8〜C22アルキル-モノ-及び-オリゴ-グリコシド並びにそのエトキシ化類似体、1.1から5、殊に1.2から1.4のオリゴマー化度が好ましく、グルコースが糖構成成分として好ましい、
- エチレンオキシド2molから60mol、殊に15molから60molと、ヒマシ油及び/又は水添ヒマシ油との付加生成物、
- ポリオールエステル及び殊にポリグリセロールエステル、例えばジイソステアロイルポリグリセリル-3-ジイソステアレート、ポリグリセリル-3-ジイソステアレート、トリグリセリルジイソステアレート、ポリグリセリル-2-セスキイソステアレート又はポリグリセリルジメレート。それらの物質クラスの複数からの化合物の混合物も適当である、
- 直鎖状、分岐状不飽和又は飽和のC6〜C22脂肪酸、リシノール酸及びその上12-ヒドロキシステアリン酸に基づく、並びにグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)及びその上ポリグルコシド(例えばセルロース)、例えばポリグリセリル-2-ジヒドロキシステアレート又はポリグリセリル-2-ジリシノレエートに基づく部分エステル、
- モノ-、ジ-及びトリ-アルキルホスフェート並びにその上モノ-、ジ-及び/又はトリ-PEG-アルキルホスフェート及びその塩、
- 羊毛ワックスアルコール、
- 天然誘導体の1つ以上のエトキシ化エステル、例えば水添ヒマシ油のポリエトキシ化エステル、
- シリコーン油乳化剤、例えばシリコーンポリオール、
- ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び対応する誘導体、例えばセチルジメチコンコポリオール、
- ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪アルコール(DE-A-1 165 574を参照されたい)の混合エステル、並びに/又は6個から22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース及びポリオール、好ましくはグリセロール若しくはポリグリセロールの混合エステル、例えばポリグリセリル-3-グルコースジステアレート、ポリグリセリル-3-グルコースジオレート、メチルグルコースジオレエート又はジココイルペンタエリスリルジステアリルシトレート、並びにその上
- ポリアルキレングリコール。
【0067】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノ-及びジ-エステル並びにその上ソルビタンモノ-及びジ-エステルとの、又はヒマシ油との付加生成物は、公知の市販されている生成物である。それらは通常同族体混合物であり、それらの平均アルコキシ化度は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド並びに付加反応が実施される基質の量の比に対応している。エチレンオキシドとグリセロールとの付加生成物のC12〜C18脂肪酸モノ-及びジ-エステルは、例えば、化粧品調製物のための脂肪復元物質(fat-restoring substances)としてDE-A-2 024 051から知られている。
【0068】
C8〜C18アルキル-モノ-及び-オリゴ-グリコシド、それらの調製及びそれらの使用は、従来技術から知られている。それらは、殊に、グルコース又はオリゴ糖類と8個から18個の炭素原子を有する第一級アルコールとを反応させることによって調製される。適当なグリコシド基としては、環状糖基が脂肪アルコールにグリコシド結合されているモノグリコシド、及びその上最大好ましくは約8までのオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドが挙げられる。オリゴマー化度は、こうした技術グレード生成物について通例の同族体分布に基づく統計的平均値である。
【0069】
乳化剤として両性イオン性界面活性剤を使用することも可能である。「両性イオン性界面活性剤」という用語は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基及び少なくとも1個のカルボキシレート基並びに/又はスルホネート基を有する表面活性化合物を殊に示す。殊に適当である両性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、各々がアルキル基又はアシル基中に8個から18個の炭素原子を有するココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにその上ココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。特に優先されるのは、CTFA名コカミドプロピルベタインによって知られている脂肪酸アミド誘導体である。乳化剤として同様に適当なのは、両性電解質界面活性剤である。両性界面活性剤は、C8〜C18-アルキル基又は-アシル基を含有することに加えて、分子中に少なくとも1個の遊離アミノ基及び少なくとも1個の-COOH基又は-SO3H基を含有するとともに内塩を形成できるものを殊に意味すると理解されるべきである。適当な両性界面活性剤の例としては、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロパン酸及びアルキルアミノ酢酸が挙げられ、各々は、アルキル基中におよそ8個から18個の炭素原子を有する。
【0070】
特に優先される両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノ-プロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びC12〜C18アシルサルコシンである。両性乳化剤に加えて、第四級乳化剤も考慮に入れられ、特に優先されるのは、エステルクワット型のもの、好ましくはメチル四級化ジ-脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩である。
【0071】
非イオン性乳化剤は好ましく、好ましくは、8個から22個の炭素原子及び4個から30個のEO単位を有するエトキシ化脂肪アルコールである。
【0072】
乳化剤は、組成物の総重量に対して、例えば1重量%から30重量%、殊に4重量%から20重量%及び好ましくは5重量%から10重量%の量で使用することができる。しかしながら、乳化剤の使用を省くことも原則として可能である。
【0073】
本発明による組成物、例えばクリーム、ジェル、ローション、アルコール性及び水性/アルコール溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪組成物、スティック調製物、粉末又は軟膏は、加えて、さらなるアジュバント及び添加剤として、マイルド界面活性剤、過脂肪剤、真珠光沢ワックス、稠度調節剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定剤、生体活性成分、脱臭活性成分、抗フケ剤、皮膜形成剤、膨潤剤、抗酸化剤、屈水剤、保存料、昆虫忌避剤、セルフタンニング剤、可溶化剤、香油、着色料及び細菌阻害剤などを含有することができる。
【0074】
過脂肪剤としての使用に適当な物質は、例えば、ラノリン及びレシチン及びその上ポリエトキシ化又はアクリレート化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド並びに脂肪酸アルカノールアミドであり、後者は同時に泡安定剤として作用する。
【0075】
適当なマイルド界面活性剤、すなわち、皮膚によって殊によく忍容性を示される界面活性剤の例としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、モノ-及び/若しくはジ-アルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホン酸塩、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン並びに/又はタンパク質脂肪酸縮合生成物が挙げられ、後者は、好ましくは小麦タンパク質に基づく。
【0076】
適当な真珠光沢物は、例えば以下である:アルキレングリコールエステル、殊にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、殊にココ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、殊にステアリン酸モノグリセリド;多価の非置換又はヒドロキシ置換カルボン酸と6個から22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、殊に酒石酸の長鎖化エステル;脂肪性物質、例えば、合計で少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル及び脂肪性カーボネート、殊にラウロン及びジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸又はベヘン酸、12個から22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと12個から22個の炭素原子を有する脂肪アルコール並びに/又は2個から15個の炭素原子及び2個から10個のヒドロキシ基を有するポリオールとの開環生成物、並びにそれらの混合物。
【0077】
適当な稠度調節剤は、殊に、12個から22個の炭素原子及び好ましくは16個から18個の炭素原子を有する脂肪アルコール又はヒドロキシ脂肪アルコール、並びに加えて部分グリセリド、脂肪酸及びヒドロキシ脂肪酸である。優先されるのは、こうした物質と同一鎖長のアルキル-オリゴグルコシド及び/若しくは脂肪酸N-メチルグルカミド並びに/又はポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組合せである。適当な増粘剤としては、例えば、Aerosil型(親水性ケイ酸)、多糖類、殊にキサンタンガム、グアー-グアー、寒天-寒天、アルギネート及びチロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース、その上、比較的高い分子量の、脂肪酸のポリエチレングリコールモノ-及びジ-エステル、ポリアクリレート(例えば、Goodrich製のCarbopol(登録商標)又はSigma製のSynthalen(登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えばエトキシ化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオールとのエステル、例えばペンタエリスリトール又はトリメチロールプロパン、制限された同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレート、及びアルキル-オリゴグルコシド、並びに塩化ナトリウム又は塩化アンモニウムなどの電解質が挙げられる。
【0078】
適当なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えば、Amerchol製Polymer JR 400(登録商標)という名の下で得られる四級化ヒドロキシメチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩及びアクリルアミドのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標) (BASF)、ポリグリコール及びアミンの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標) L/Grunau)、四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコン、アジピン酸及びジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretin(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、例えばFR-A-2 252 840に記載されている通りのポリアミノポリアミド及びその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、場合により微結晶として分布される四級化キトサン;ジハロアルキル、例えばジブロモブタンと、ビスジアルキルアミン、例えばビスジメチルアミノ-1,3-プロパンとの縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えばCelanese製のJaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMiranol製のMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1である。
【0079】
適当なアニオン性、両性イオン性、両性及び非イオン性のポリマーは、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー及びそのエステル、未架橋ポリアクリル酸及びポリオールで架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びにその上場合により誘導体化されたセルロースエーテル及びシリコーンである。
【0080】
適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、及びその上アミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-及び/又はアルキル-修飾シリコーン化合物であり、これらは、室温で液体形態又は樹脂形態のいずれかであってよい。その上適当なのは、200から300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンである。加えて、適当な揮発性シリコーンの、Toddらによる詳述調査がCosm. Toil. 91、27(1976)に見出すことができる。
【0081】
脂肪の典型例はグリセリドであり、ワックスとして、考慮に入れられるのは、とりわけ、蜜ワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、水素化ヒマシ油及び脂肪酸エステル、又は場合により親水性ワックス、例えばセチルステアリルアルコール又は部分グリセリドとの組合せにおける室温で固体のマイクロワックスである。脂肪酸金属塩、例えばマグネシウム、アルミニウム及び/又は亜鉛ステアレート若しくはリシノリエートは、安定剤として使用され得る。
【0082】
生体活性成分は、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、精油、植物抽出物及びビタミン複合体を意味すると理解されるべきである。
【0083】
適当な脱臭活性成分は、例えば、アルミニウムクロロハイドレート(J. Soc.Cosm. Chem. 24、281(1973)を参照されたい)のような制汗剤である。Hoechst AG、Frankfurt(FRG)の商標Locron(登録商標)下で知られているとともに市販されている、式Al2(OH)5Cl×2.5H2Oに対応するアルミニウムクロロハイドレートが殊に好ましい(J. Pharm. Pharmacol. 26、531(1975)を参照されたい)。クロロハイドレートの他に、ヒドロキシ酢酸アルミニウム及び酸性アルミニウム/ジルコニウム塩を使用することも可能である。エステラーゼ阻害剤は、さらなる脱臭活性成分として添加することができる。こうした阻害剤は、好ましくはクエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル及び殊にクエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標) CAT、Henkel KGaA、Dusseldorf/FRG)であり、これらは酵素活性を阻害し、それゆえに臭気形成を低減する。さらなる適当なエステラーゼ阻害剤は、硫酸又はリン酸ステロール、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及び硫酸又はリン酸シトステロール、ジカルボン酸及びそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、並びにヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステルである。微生物叢に影響を及ぼすとともに汗分解細菌を死滅する又はその成長を阻害する抗細菌活性成分が、調製物中(殊に、スティック調製物中)に存在することができる。例としては、キトサン、フェノキシエタノール及びグルコン酸クロルヘキシジンが挙げられる。5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール(Irgasan(登録商標)、BASF)も殊に有効だと分かっている。
【0084】
適当な抗フケ剤は、例えば、クリムバゾール、オクトピロックス及びジンクピリチオンである。
【0085】
通例の皮膜形成剤としては、例えば、キトサン、微結晶キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、高い割合のアクリル酸を含有する第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩、並びに同様の化合物が挙げられる。水性相のための適当な膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土鉱物物質、ペミュレン、及びその上カーボポールのアルキル修飾型(Goodrich)である。さらなる適当なポリマー及び膨潤剤は、Cosm. Toil. 108、95(1993)におけるR. Lochheadによる概説において見出すことができる。
【0086】
一次の光保護物質に加えて、UV放射線が皮膚又は毛髪を透過する時に引き金を引かれる光化学反応鎖を中断する抗酸化剤型の二次の光保護物質を使用することも可能である。こうした抗酸化剤の典型例は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン及びその誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロチン(例えば、α-カロチン、β-カロチン、リコピン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグリコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びそのグリセリルエステル)及びその上その塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びにその上、非常に小さい耐容可能量(例えば、pmolからmmol/kg)におけるスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシミン)、その上(金属)キレート化剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール並びにその誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンA及び誘導体(例えばビタミンAパルミテート)及びその上ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、樹脂性ノルジヒドログアイアレチン酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、N-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えばナトリウム塩)、亜鉛及びその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレニウム及びその誘導体(例えばセレニウムメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えばスチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)、並びにそれらの記述活性成分の本発明による適当な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖類、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)である。HALS(=「ヒンダードアミン系光安定剤」)化合物も記述することができる。存在する抗酸化剤の量は、本発明による化粧品組成物の重量に対して通常0.001重量%から30重量%、好ましくは0.01重量%から3重量%である。
【0087】
流動挙動の改善のため、屈水剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコール又はポリオールを用いることも可能である。その目的のための適当なポリオールは、好ましくは2個から15個の炭素原子及び少なくとも2個のヒドロキシ基を含む。
【0088】
ポリオールは、さらなる官能基、殊にアミノ基も含有することができ、及び/又は窒素で修飾することができる。典型例は以下の通りである:
- グリセロール、
- アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びその上、100から1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール、
- 1.5から10の固有縮合度を有する技術的オリゴグリセロール混合物、例えば、40重量%から50重量%のジグリセロール含有量を有する技術的ジグリセロール混合物、
- メチロール化合物、例えば、殊にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール、
- 低級アルキル-グルコシド、殊に、アルキル基中に1個から8個の炭素原子を有するもの、例えばメチル及びブチルグルコシド、
- 5個から12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えばソルビトール又はマンニトール、
- 5個から12個の炭素原子を有する糖類、例えばグルコース又はショ糖、
- アミノ糖類、例えばグルカミン、
- ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミン又は2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
【0089】
適当な保存料としては、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール又はソルビン酸、及び化粧品規制のA部及びB部、付則6に列挙されているさらなる物質クラスが挙げられる。
【0090】
適当な香油は、天然及び/又は合成芳香族物質の混合物である。天然芳香族物質の代表は、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)由来、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)由来、果実(アニシード、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン)由来、果実皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)由来、根(メース、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスツス、アイリス、カルムス)由来、木材(松材、白檀材、ユソウボク木材、スギ材、シタン材)由来、薬草及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)由来、針葉及び小枝(トウヒ、マツ、スコットランドのマツ、モンタナマツ)由来、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナクス)由来の抽出物である。動物原料、例えばシベット及びカストリウムも考慮に入れられる。典型的な合成芳香族物質は、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール又は炭化水素型の生成物である。
【0091】
エステル型の芳香族物質化合物は、例えば、酢酸ベンジル、フェノキシ-エチルイソブチレート、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、酢酸リナリル、ジメチル-ベンジルカルビニルアセテート、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、プロピオン酸スチラリル及びサルチル酸ベンジルである。エーテルとしては、例えば、ベンジルエチルエーテルが挙げられ、アルデヒドとしては、例えば、8個から18個の炭化水素原子を有する直鎖状アルカナール、シトラル、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルゲオナールが挙げられ、ケトンとしては、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンが挙げられ、アルコールとしては、例えば、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロオール、フェニルエチルアルコール及びテルピノールが挙げられ、炭化水素としては、主にテルペン及びバルサムが挙げられる。しかしながら、誘引性の香りを一緒に生成する様々な芳香物質の混合物を使用することが好ましい。芳香構成成分として主に使用される比較的低い揮発性のエーテル性油も香油として適当であり、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、シナモン葉油、ライム花油、杜松子油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバヌム油、ラボラナム油及びラバンジン油である。優先されるのは、単独で又は互いとの添加混合物での、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロオール、ボイサムブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモン油、タンジェリン油、オレンジ油、グリコール酸アリルアミル、シクロベルタル(Cyclovertal)、ラバンジン油、マスカット・セージ油、β-ダマスコン、バーボンゼラニウム油、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックス・ケウアー(vertofix coeur)、イソ-E-スーパー(iso-E-Super)、フィクソリド(Fixolide) NP、エベルニル、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニル酢酸、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラト(romillat)、イロチル(irotyl)及びフロラマット(floramat)の使用である。
【0092】
着色料として、例えばFarbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft、Verlag Chemie、Weinheim、1984、81から106ページの刊行物「Kosmetische Farbemittel」に編集されている通りの、化粧品目的に適当であるとともに認可されている物質が使用され得る。着色料は、総混合物に対して0.001重量%から0.1重量%の濃度で通常使用される。
【0093】
細菌阻害剤の典型例は、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4'-トリクロロカルバニリド)など、グラム陽性細菌に対して特定の作用を有する保存料である。
【0094】
多数の芳香族物質及びエーテル性油は、抗微生物特性も有している。典型例は、クローブ油、ミント油及びタイム油中の活性成分オイゲノール、メンソール及びチモールである。興味対象の天然脱臭剤は、ライム花油中に存在するテルペンアルコールファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール)である。グリセロールモノラウレートも静細菌剤であることが分かっている。存在する追加の細菌阻害剤の量は、本発明による化粧品組成物固形分に基づいて通常0.1から2重量%である。
【0095】
本発明による化粧品組成物は、アジュバントとして、消泡剤、例えばシリコーン、構造剤(structurant)、例えばマレイン酸、可溶化剤、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール又はジエチレングリコール、乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVP又はスチレン/アクリルアミドコポリマー、錯化剤、例えばEDTA、NTA、β-アラニン二酢酸又はホスホン酸、噴霧剤、例えばプロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2、N2又は空気、いわゆるカプラー及び酸化染料前駆体としての顕色剤構成成分、チオグリコール酸及びその誘導体、チオ乳酸、システアミン、還元剤としてのチオリンゴ酸若しくはα-メルカプトエタンスルホン酸、又は酸化剤としての過酸化水素、臭素酸カリウム若しくは臭素酸ナトリウムをさらに含有することができる。
【0096】
昆虫忌避剤は、例えば、N,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオール又は昆虫忌避剤3535である。
【0097】
適当なセルフタンニング剤は、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、又はジヒドロキシアセトン及びエリトルロースの混合物である。
【0098】
本発明による化粧品配合物は、多種多様な化粧品調製物、殊に以下の調製物に含有される:
- スキンケア調製物、例えば、錠剤形態若しくは液体石鹸、合成洗剤又は洗浄ペーストの形態における皮膚洗浄及び清浄調製物、
- 浴用(bath)調製物、例えば液体(フォームバス、ミルク、シャワー調製物)又は固体バス調製物、例えばバスキューブ及びバスソルト、
- スキンケア調製物、例えばスキンエマルジョン、マルチエマルジョン又はスキンオイル、
- 化粧品パーソナルケア調製物、例えば、デイクリーム又はパウダークリームの形態におけるフェイシャルメイクアップ、フェイスパウダー(ルース又はプレスト)、ルージュ又はクリームメイクアップ、アイケア調製物、例えばアイシャドー調製物、マスカラ、アイライナー、アイクリーム又はアイフィックスクリーム;リップケア調製物、例えばリップスティック、リップグロス、リップ輪郭ペンシル、ネイルケア調製物、例えばマニキュア液、マニキュア液除去剤、ネイルハードナー又はキューティクル除去剤、
- フットケア調製物、例えばフットバス、フットパウダー、フットクリーム又はフットバルサム、特殊な脱臭剤及び制汗剤又はカルス除去調製物、
- 光保護調製物、例えばサンミルク、ローション、クリーム又はオイル、サンブロック又はトロピカル、プレタンニング調製物又はアフターサン調製物、
- スキンタンニング調製物、例えばセルフタンニングクリーム、
- 脱色素調製物、例えば、皮膚を漂白するための調製物又は皮膚美白調製物、
- 昆虫忌避薬、例えば昆虫忌避オイル、ローション、スプレー又はスティック、
- 脱臭剤、例えば脱臭スプレー、ポンプ作用スプレー、脱臭ジェル、スティック又はロールオン、
- 制汗剤、例えば制汗スティック、クリーム又はロールオン、
- 汚れた皮膚を清浄及びケアする調製物、例えば合成洗剤(固体又は液体)、ピーリング又はスクラブ調製物又はピーリングマスク、
- 化学的形態の除毛調製物(脱毛)、例えば除毛パウダー、液体除毛調製物、クリーム形態又はペースト形態の除毛調製物、ゲル形態における除毛調製物態、又はエアロゾルフォーム、
- シェービング調製物、例えばシェービング石鹸、起泡性シェービングクリーム、非起泡性シェービングクリーム、フォーム及びジェル、ドライシェービング、アフターシェーブ又はアフターシェーブローションのためのプレシェーブ調製物、
- 香料調製物、例えば香料(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムドトワレ、香水)、香水オイル又は香水クリーム、
- 化粧品ヘアトリートメント調製物、例えば、シャンプー及びコンディショナーの形態における洗髪調製物、ヘアケア調製物、例えばプレトリートメント調製物、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、毛髪構造化調製物、例えば、パーマネントウエーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)のためのヘアウェーブ調製物、ヘアストレート調製物、液体ヘアセット調製物、ヘアフォーム、ヘアスプレー、漂白調製物、例えば過酸化水素溶液、ライトニングシャンプー、漂白用クリーム、漂白パウダー、漂白ペースト又はオイル、一時的、半恒久的又は恒久的毛髪着色料、自己酸化染料を含有する調製物、又は天然毛髪着色料、例えばヘナ又はカモミール。
【0099】
列挙されている最終配合物は、多種多様な提示形態、例えば:
- W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョンとしての液体調製物、及びマイクロエマルジョンの全ての種類の形態、
- ゲルの形態、
- オイル、クリーム、ミルク又はローションの形態、
- パウダー、ラッカー、錠剤又はメイクアップの形態、
- スティックの形態、
- スプレー(噴霧剤ガスを用いるスプレー又はポンプ作用スプレー)又はエアロゾルの形態、
- フォームの形態、或いは
- ペーストの形態
で存在することができる。
【0100】
皮膚のための重要な化粧品組成物は、光保護調製物、例えばサンミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロック又はトロピカル、プレタンニング調製物又はアフターサン調製物、その上スキンタンニング調製物、例えばセルフタンニングクリームである。特別に興味対象なのは、サンプロテクションクリーム、サンプロテクションローション、サンプロテクションオイル、サンプロテクションミルク、及びスプレーの形態におけるサンプロテクション調製物である。
【0101】
毛髪のための重要な化粧品組成物は、ヘアトリートメントのための上述の調製物、殊に、シャンプー、ヘアコンディショナーの形態における洗髪調製物、ヘアケア調製物、例えばプレトリートメント調製物、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、ヘアストレート調製物、液体ヘアセット調製物、ヘアフォーム及びヘアスプレーである。特に興味対象なのは、シャンプーの形態における洗髪調製物。
【0102】
シャンプーは、例えば、以下の組成を有する:
本発明によるUV吸収体組成物0.01重量%から5重量%、
ラウレス-2-硫酸ナトリウム12.0重量%、
コカミドプロピルベタイン4.0重量%、
塩化ナトリウム3.0重量%、及び
水100%まで。
【0103】
殊に、以下の毛髪化粧品配合物が使用され得る:
a1)本発明によるUV吸収体、PEG-6-C10オキソアルコール及びセスキオレイン酸ソルビタンからなる自発乳化性ストック配合物、ここに水及び任意の所望の第四級アンモニウム化合物、例えば4%のミンクアミドプロピル-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクアテルニウム80が添加される
a2)本発明によるUV吸収体、クエン酸トリブチル及びPEG-20-モノオレイン酸ソルビタンからなる自発乳化性ストック配合物、ここに水及び任意の所望の第四級アンモニウム化合物、例えば4%のミンクアミドプロピル-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクアテルニウム80が添加される、
b)ブチルトリグリコール及びクエン酸トリブチル中の本発明によるUV吸収体の第四級ドープ溶液、
c)本発明によるUV吸収体とn-アルキルピロリドンとの混合物又は溶液。
【0104】
適当な化粧品として許容される助剤は、Fiedler、H. P. Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie、Kosmetik und angrenzende Gebiete [Lexicon of the auxiliaries for pharmacy、cosmetics and related fields]、第4版、Aulendorf: ECV-Editio-Kantor-Verlag、1996にも記載されている。
【0105】
本発明によるカプセルシェルのコア周囲層として使用されるポリビニルアルコールは、場合によりコモノマーの存在下での酢酸ビニルの重合、及びアセチル基の脱離を伴うポリ酢酸ビニルの加水分解によりヒドロキシ基を形成することによって取得可能である。酢酸ビニルのコポリマーの調製、及びビニルアルコール単位を含むポリマーの形成のためのこれらのポリマーの加水分解は、一般に知られている。
【0106】
好ましいのは、アニオン性ポリビニルアルコールである。「アニオン性ポリビニルアルコール」という用語は、酸基を有するポリビニルアルコールを指す(Broenstedt定義に従う)。水相のpHに依存して、該ポリマー中の酸基は、プロトン化又は脱プロトン化される。アニオン性ポリビニルアルコールは、ビニルアルコール/酢酸ビニルのコポリマー及びアニオン性コモノマー(酸基とのコモノマー)である。
【0107】
ポリビニルアルコールの酸基は、好ましくは、分子中に3個から8個の炭素原子を含むスルホン酸基、ホスホン酸基及びカルボン酸基、並びに/又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩からなる群から選択される。
【0108】
アニオン性ポリビニルアルコールは、重合された単位の形態で組み込まれる前記コモノマーの少なくとも1つを例えば0.1mol%から30mol%、一般には0.5mol%から20mol%、好ましくは1mol%から10mol%含む。
【0109】
本発明による好ましいアニオン性ポリビニルアルコールは、場合により酸基を保有するコモノマーの存在下での酢酸ビニルの重合、及びアセチル基の脱離を伴うポリ酢酸ビニルの加水分解によりヒドロキシ基を形成することによって取得可能である。酢酸ビニルのコポリマーの調製、及びビニルアルコール単位を含むポリマーを形成するためのこれらのポリマーの加水分解は、一般に知られている。
【0110】
酸基を導入する方式はいくつかある。1つの好ましい方法に従って、酸官能基は、ビニルアセテートと、モノエチレン性不飽和スルホン酸、モノエチレン性不飽和ホスホン酸及び分子中に3個から8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和カルボン酸から好ましくは選択される酸基、並びに/又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩を保有するコモノマーとの共重合によって導入される。
【0111】
好ましい酸基は、スルホン酸及び分子中に3個から8個の炭素原子を有するカルボン酸、並びに/又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアンモニウム塩からなる群から選択される。
【0112】
酸基をもたらす酸官能基を保有するモノマーの例は、エチレン性不飽和C3-からC8-カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ジメタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、アリル酢酸、ビニル酢酸及びクロトン酸などである。この群の他の適当なモノマーは、スルホ基を含むモノマー、例えばビニルスルホン酸、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びスチレンスルホン酸、並びにホスホン基を含むモノマー、例えばビニルホスホン酸である。好ましいモノマーは、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸及びメタクリル酸である。この群のモノマーは、単独で又は互いとの混合物として、共重合において部分又は完全中和形態で使用することができる。例えば、アルカリ金属塩基又はアルカリ土類金属塩基、アンモニアは、中和のために使用される。これらの例は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウムである。
【0113】
代替として、酸基は、修飾後反応によってポリビニルアルコールに導入することができる。
【0114】
優先されるのは、ポリビニルアルコール、殊に、DIN 53015に従った20℃での4%重量強度の水溶液のための粘度が1.5mPa*sから70mPa*sの範囲における値、好ましくは15mPa*sから35mPa*sの値を有するアニオン性ポリビニルアルコールである。
【0115】
優先されるのは、ポリビニルアルコール、好ましくは、DIN 53401に従った60%から100%、好ましくは79%から95%、特に80%から90%の加水分解度を有するアニオン性ポリビニルアルコールである。
【0116】
ポリビニルアルコール、殊に、85から99.9、殊に85%から95%の加水分解度を有し、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基のような酸官能基を有する0.1mol%から30mol%のコモノマーを含有するアニオン性ポリビニルアルコールが好ましく、ここでmol%は、重合混合物酢酸ビニル/コモノマーに基づく。
【0117】
アニオン性ポリビニルアルコールは、例えば、Kuraray Specialities Europe(KSE)製のMowiol(登録商標)グレードとして販売されている。
【0118】
好ましいのは、85.0%〜99.5%の加水分解度及び2mPas〜70mPasの粘度を有するアニオン性ポリビニルアルコールである。コロイドのこうした型の例は、Kuraray製のK-Polymer KL-318(粘度20〜30mPas、加水分解85.0〜90.0%)、Nippon Gohsei製のGohsenal T-350(粘度27〜33mPas、加水分解93.0〜95.0%)、Nippon Gohsei製のGohseran L-3266(粘度2.3〜2.7mPas、加水分解86.5〜89.0%)である。
【0119】
特別な保護コロイドとしては、ポリビニルアルコールホモポリマーが挙げられる。
【0120】
ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルのエステル基がヒドロキシル基に加水分解され、それによってポリビニルアルコールを形成するポリビニルアセテートの加水分解(脱アセチル化)によって生成されることが知られている。
【0121】
加水分解度は、加水分解によって変換される基の百分率を反映する。加水分解度によって与えられる「ポリビニルアルコール」という用語は、したがって、エステル基及びヒドロキシル基の両方を含有するビニルポリマーを意味する。
【0122】
加水分解度は、例えばDIN 53401に従って、当技術分野において周知の技法によって決定することができる。
【0123】
好ましいのは、85.0%〜99.5%の加水分解度及び2mPas〜70mPasの粘度を有するポリビニルアルコールホモポリマーである。コロイドのこうした型の例は、Poval 8-88、Poval 18-88、Poval 26-88、Poval 6-98などのKuraray Povalである。
【0124】
ポリオキサゾリンは、1960年代以来、かなりの量の研究調査の対象であり、ポリオキサゾリンの調製のための方法は、当技術分野において公知である。本発明によるポリオキサゾリンは、オキサゾリンモノマー(A)及び場合により1つ以上のさらなるオキサゾリンモノマー(B)の重合形態からなるポリマーである。ポリオキサゾリンは、好ましくは、多分散性Mw/Mnを有し、Mwは重量平均分子量を指し、Mnは1から3の間の数平均分子量を指す。こうしたポリオキサゾリンのMnは、通常500から500,000、好ましくは1,000から10,000、及びより好ましくは1,000から5,000の間である。ポリオキサゾリンは、制御されたブロック長を有するブロックポリマー、ランダムポリマー、グラフトポリマー、コームポリマー、スターポリマー、限定されないがマクロモノマーを含めて官能性末端基を有するポリマー、及びテレケリックポリマーなどの形態であってよい。
【0125】
好ましいのは、式(I)
【化33】
(式中、Rは、水素及び直鎖状又は分岐状アルキルから選択される)
に対応するオキサゾリンモノマー(A)である。
【0126】
追加のオキサゾリンモノマー(B)は、好ましくは、式(I)に従ったオキサゾリンモノマー(B)であり、ここでモノマー(B)のRは、水素及び直鎖状又は分岐状アルキルから選択されるが、モノマー(A)のRと異なる。
【0127】
上記式(I)における好ましい実施形態において、Rは、水素及び直鎖状又は分岐状C1〜C4アルキルから選択される。
【0128】
より好ましい実施形態において、オキサゾリンモノマーは、メチルオキサゾリン、エチルオキサゾリン、プロピルオキサゾリン、イソプロペニルオキサゾリン及びブチルオキサゾリンから選択される。いっそう好ましい実施形態において、オキサゾリンモノマーは、2-エチル-2-オキサゾリンである。さらに好ましいのは、統計的エチル-メチルポリオキサゾリン、例えばポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(4:1)である。
【0129】
ポリオキサゾリンは知られている。それらの調製のための方法は、PCT/EP 2014/05925に記載されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。重合方法は、「リビング重合」であると考えられる。リビング重合において、モノマーの重合は、モノマーが実質的に消耗されるまで進行し、さらなるモノマー又は異なるモノマーの添加で、重合は再開する。リビング重合において、重合度及びそれゆえに分子量は、モノマー及び開始剤濃度によって制御することができる。
【0130】
本発明は、方法ステップ:
a)コア材料を含む分散相及び水性連続相並びにポリビニルアルコール、好ましくはアニオン性ポリビニルアルコールを有する水中油エマルジョンの調製、並びに
b)1つ以上のポリオキサゾリンの後続添加
を含む、カプセルシェル及びカプセルコアを含むマイクロカプセルを製造するための方法にさらに関する。
【0131】
分布によって得られるコア物質の液滴のサイズは、得られるマイクロカプセルのサイズに関連する。マイクロカプセルのサイズは、目的に従って選択され、エマルジョンの液滴のサイズは、マイクロカプセルの粒子径として実質的に反映される。
【0132】
マイクロカプセルは、水性分散液の形態で存在することができ、ここでカプセルの画分は、1重量%から90重量%、好ましくは5重量%から50重量%であってよい。
【0133】
本発明の方法によると、安定なエマルジョンを得るために、ポリマー性保護コロイドなどの追加の表面活性物質を添加することは必要でない。
【0134】
イオン性又は中性であってよい保護コロイドは、所望であれば添加され得る。
【0135】
優先されるのは、好ましくは水溶性ポリマーである有機中性保護コロイドの使用である。有機中性保護コロイドは、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンのコポリマー、ゼラチン、アラビアガム、キサンタン、カゼイン、ポリエチレングリコール、並びにメチルヒドロキシプロピルセルロースである。
【0136】
加えて、共安定化目的のため、界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を添加することが可能である。適当な界面活性剤は、「Handbook of Industrial Surfactants」おいて見出すことができ、この文献の内容は明らかに参照される。界面活性剤は、エマルジョンの水相に対して0.01重量%から10重量%の量で使用することができる。
【0137】
水中におけるコア材料及びポリビニルアルコールの安定なエマルジョンは、撹拌しながら調製される。この場合において、安定は、それが1時間内に平均液滴サイズの倍加をもたらさないことを意味する。
【0138】
概して、エマルジョンは水相の中性pHで形成されるが、コア材料に依存して酸性又はアルカリ性であり得る。
【0139】
好ましくは、安定な水中油エマルジョンを製造するための分散条件は、油液滴が所望のマイクロカプセルのサイズを有するように、それ自体知られている方式で選択される。サイズが5μm未満であるべき小さいカプセルでさえ、アンカー撹拌機又はIntermig又はプロペラ撹拌機などの標準的な撹拌装置を使用することによって得られ得る。均質化機又は分散機を使用することがさらに可能であり、この場合、これらの単位は、強制流動装置の有無にかかわらず提供され得る。
【0140】
カプセルサイズは、分散装置/均質化装置の回転速度を介して、及び/又は保護コロイドの濃度の支援を受けて、若しくはそれの分子量を介して、即ち、水性連続相の粘度を介して、ある特定の限度内で制御することができる。本発明の文脈において、分散液滴のサイズは減少するが、これは、回転速度が制限回転速度まで増加するからである。
【0141】
これに関して、分散装置は、好ましくは、カプセル形成の開始時に使用される。強制流動を用いる連続操作装置の場合において、剪断フィールドを介して数回エマルジョンを送ることが有利である。
【0142】
高度に粘稠な熱的に安定な媒体を分散するために、エマルジョンの調製は、30℃から130℃、好ましくは40℃から100℃の温度範囲内で行われる。
【0143】
概して、コアセルベーションは、15℃から100℃で、好ましくは20℃から40℃で実施される。好ましいコア材料に依存して、水中油エマルジョンは、コア材料が液体/油性である温度で形成されるべきである。
【0144】
概して、エマルジョンの調製は、1から7、好ましくは2から5のpHで行われる。1から7、好ましくは2から5のpHで1つ以上のポリオキサゾリンを添加することがさらに好ましい。
【0145】
好ましくは、コア材料の量は、全ての成分の量に等しい、結果として得られたマイクロカプセル分散液に基づいて1重量%から50重量%、好ましくは5重量%から40重量%である。
【0146】
好ましい方法において、水中油エマルジョンは、ポリビニルアルコール、好ましくはアニオン性ポリビニルアルコールを0.1重量%から10重量%、好ましくは1重量%から5重量%、より好ましくは2重量%から5重量%含む。
【0147】
ポリオキサゾリンを、水中油エマルジョンに基づいて0.1重量%から10重量%、好ましくは1重量%から5重量%、より好ましくは2重量%から5重量%添加することがさらに好ましい。
【0148】
マイクロカプセルを製造するための好ましい方法は、方法ステップ:
a)コア材料を含む分散相及び水性連続相、及び水中油エマルジョンに基づいて0.1重量%から10重量%のアニオン性ポリビニルアルコールを有する水中油エマルジョンの調製、並びに
b)水中油エマルジョンに基づいて0.1重量%から10重量%の、1つ以上のポリオキサゾリンの後続添加
を含む。
【0149】
本発明は、上記方法によって製造することができるマイクロカプセルを、分散液の総重量に対して5重量%から50重量%、好ましくは15重量%から40重量%含む水性分散液にさらに関する。さらに好ましい範囲は、20重量%から35重量%の間である。これらの水性分散液は、好ましくは、上に記載されている方法から直接得られる。
【0150】
本発明による方法によって得られるマイクロカプセル分散液は、コア材料の型に依存して、多数の異なる用途において使用することができる。
【0151】
例えば、マイクロカプセルは、ワイプ(例えば、化粧品又は清浄の目的のためのウェットワイプ又はドライワイプ)のような不織物の全ての種類を仕上げるためだけでなく、紙(壁紙、トイレットペーパー、又は本及びニュースレターのための紙を含める)を仕上げるため、おむつ又は生理用ナプキン及び同様の衛生学的製品又は織物を仕上げるため、例えば、染料又は殺虫剤で紙又は織物を仕上げるために使用することができる。
【0152】
別の使用は、おむつ又は生理用ナプキン及び同様の衛生学的製品の仕上げに関する。
【実施例】
【0153】
マイクロカプセル分散液の粒径は、Malvern Particle Sizerモデル3600E又はMalvern Mastersizer 2000を使用して、文献において文書化されている標準的な測定方法に従って決定される。D[v,0.1]値は、粒子の10%が、最大この値までの粒径(体積平均に従う)を有することを意味する。したがって、D[v,0.5]は粒子の50%及び、D[v,0.9]は粒子の90%が、この値未満/等しい粒径(体積平均に従う)を有することを意味する。スパン値は、差異D[v,0.9]-D[v,0.1]及びD[v,0.5]からの商から生じる。D[4.3]値は、重量-平均である。
【0154】
固形分の測定
結果として得られた分散液の不揮発性構成成分(固形分)の画分は、Ohaus Halogen Moisture Analyzerを用いて測定される。機器は熱重量原理で作動し、試料は定重量(乾燥温度:140℃)に加熱される。
【0155】
漏出評価
漏出評価のため、公知量のカプセル分散液は、3日間、5重量%のドデシル硫酸ナトリウム溶液(SDS)中にて50℃温度で貯蔵される。この時間の後、スラリーはシクロヘキサンで3回抽出される。次に、溶媒は蒸発され、残渣は重量測定で分析される。
【0156】
カプセル分散液安定性保存期間評価
カプセル分散液は、室温(20℃)で3カ月間、目盛り付き測定グラス中に貯蔵される。この時間の後、分散液の分離が定量的に測定される。
【0157】
粘度
PVAの粘度値は、Brookfield粘度計によって20℃で決定される4重量%の水溶液の値である。
【0158】
香油のカプセル化
[実施例1]
イタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標)KL-318、Kuraray)12.5g及び水274.2gを含有するプレミックス(I)を調製する。次に、それをイソ酪酸シトロネリル150gに注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて室温で30分間800rpmの速度にて乳化する。(ポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(4:1)) 19.2g及び水17.8gを含有するプレミックス(II)を調製する。次にプレミックス(II)を、プレミックス(I)及びイソ酪酸シトロネリルのエマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で30分間撹拌して、37.9%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=7μm及びd 90=9μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0159】
[実施例2]
プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標)KL-318、Kuraray)12.5g及び水274.2gから調製する。次に、それをラウリン酸エチル150gに注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて室温で30分間700rpmの速度にて乳化する。プレミックス(II)を(ポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(4:1))19.2g及び水17.8gから調製する。次にそれを、プレミックス(I)及びラウリン酸エチルの形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で30分間撹拌して、38.1%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=9μm及びd 90=15μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0160】
[実施例3]
DL-メンソール150gを40℃に予備加熱する。プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標)KL-318、Kuraray)12.5g及び水274.2gから調製する。プレミックス(I)を40℃に加熱し、次に、DL-メンソール150gに注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて50分間40℃で800rpmの速度にて乳化する。プレミックス(II)をポリメチルオキサゾリン19.2g(3.8kg/mol)及び水17.8gから調製する。次にそれを、プレミックス(I)及びDL-メンソールの形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を40℃で30分間撹拌して、38.5%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=4μm及びd 90=9μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0161】
UVフィルターのカプセル化
[実施例4]
プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標)KL-318、Kuraray)12.5g及び水274.2gから調製する。プレミックス(II)をヘキシル2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]ベンゾエート(Uvinul A Plus、BASF)58g及びフェノキシエチルエステル(Tegosoft XC、Evonik)92gから調製する。プレミックス(III)をポリ(エチル-メチルオキサゾリン)(ポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(4:1))9.6g(4.2kg/mol)及び水17.8gで調製する。プレミックス(II)をプレミックス(I)に注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて30分間室温で800rpmの速度にて乳化する。次いでプレミックス(III)をプレミックス(I)及び(II)の形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で30分間撹拌して、36.9%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=5μm及びd 90=8μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0162】
[実施例5]
プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標)KL-318、Kuraray)12.5g及び水274.2gから調製する。プレミックス(II)をヘキシル2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]ベンゾエート(Uvinul A Plus、BASF)65g及び2-エチルヘキシルベンゾエート(Finsolv EB、Innospec)85gから調製する。プレミックス(III)をポリ(エチル-メチルオキサゾリン)(ポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(4:1)19.2g(4.2kg/mol))及び水17.8gで調製する。プレミックス(II)をプレミックス(I)に注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて30分間室温で800rpmの速度にて乳化する。次いでプレミックス(III)をプレミックス(I)及び(II)の形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で10分間撹拌して、37.4%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=9μm及びd 90=17μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0163】
[実施例6]
プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標)KL-318、Kuraray)12.5g及び水202.89gから調製する。プレミックス(II)をヘキシル2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]ベンゾエート(Uvinul A Plus、BASF)65g及び2-エチルヘキシルベンゾエート(Finsolv EB、Innospec) 85gから調製する。プレミックス(III)をポリ(エチル-メチルオキサゾリン)(ポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(4:1))38.4g(4.2kg/mol)及び水71.31gで調製する。プレミックス(II)をプレミックス(I)に注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて30分間室温で850rpmの速度にて乳化する。次いでプレミックス(III)をプレミックス(I)及び(II)の形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を10分間室温で撹拌して、42.31%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=8μm及びd 90=13μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0164】
[実施例7]
プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標) KL-318、Kuraray)12.5g及び水202.89gから調製する。プレミックス(II)を2,2'-[6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ビス{5-[(2-エチルヘキシル)オキシ]フェノール}(Tinosorb S、BASF)24g及び2-エチルヘキシルベンゾエート(Finsolv EB、Innospec)126gから調製する。プレミックス(III)をポリ(エチル-メチルオキサゾリン)(ポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(4:1)9.6g(4.2kg/mol))及び水17.8gで調製する。プレミックス(II)をプレミックス(I)に注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて室温で30分間800rpmの速度にて乳化する。次いでプレミックス(III)をプレミックス(I)及び(II)の形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で10分間撹拌して、43.2%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=10μm及びd 90=17μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0165】
[実施例8]
プレミックス(I)をポリビニルアルコールPVA(加水分解度86.7%〜88.7%及び粘度16〜20mPasを有するMowiol(登録商標)18-88、Kuraray)14.1g及び水193.4gから調製する。プレミックス(II)を2,2'-[6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ビス{5-[(2-エチルヘキシル)オキシ]フェノール}(Tinosorb S、BASF)42.6g及び2-エチルヘキシルサリチレート170.4gから調製する。プレミックス(III)をポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)(Mw=50kDa)14.6g及び水38gから調製する。プレミックス(II)をプレミックス(I)に注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて30分間室温で800rpmの速度にて乳化する。次いでプレミックス(III)をプレミックス(I)及び(II)の形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で10分間撹拌して、49.26%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=13μm及びd 90=21μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0166】
[実施例9]
プレミックス(I)をポリビニルアルコールPVA(加水分解度86.7%〜88.7%及び粘度16〜20mPasを有するMowiol(登録商標)18-88、Kuraray)19.5g及び水の267.3gから調製する。プレミックス(II)を4-[[4,6-ビス[[4-(2-エチルヘキソキシ-オキソメチル)フェニル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]安息香酸2-エチルヘキシルエステル(Uvinul T 150、BASF)35.6g及び乳酸ラウリル(Exceparl LM-LC、Kao Corporation S.A.)114.4gから調製する。プレミックス(III)をポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)(Mw=50kDa)10.3g及び水26.8gから調製する。プレミックス(II)をプレミックス(I)に注ぎ入れ、Ultra Turrax高剪断分散器の支援を受けて5分間室温で20000rpmの速度にて乳化する。次いでプレミックス(III)をプレミックス(I)及び(II)の形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で10分間Mig撹拌機の支援を受けて800rpmの速度にて撹拌して、34.16%の画分の不揮発性構成成分及び以下の値:d 50=1.0μm及びd 90=1.8μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0167】
[実施例10]
プレミックス(I)をポリビニルアルコールPVA(加水分解度86.7%〜88.7%及び粘度16〜20mPasを有するMowiol(登録商標)18-88、Kuraray)12.5g及び水274.2gから調製する。プレミックス(II)をヘキシル2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]ベンゾエート(Uvinul A Plus、BASF)59g及びフェノキシエチルエステル(Tegosoft XC、Evonik)92gから調製する。プレミックス(III)をポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)(Mw=50kDa)38.4g及び水36gから調製する。プレミックス(II)をプレミックス(I)に注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて30分間室温で800rpmの速度にて乳化する。次いでプレミックス(III)をプレミックス(I)及び(II)の形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で10分間撹拌して、37.6%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=13μm及びd 90=22μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0168】
化粧品オイルのカプセル化
[実施例11]
プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標) KL-318、Kuraray)12.5g及び水274.2gから調製する。次にそれを、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド化粧品オイル(Myritol 318、BASF)150gに注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて室温で30分間700rpmの速度にて乳化する。プレミックス(II)をポリエチル-メチルオキサゾリン(ポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(2:3)、4.4kg/mol))9.6g及び水17.8gから調製する。次にそれを、プレミックス(I)及びカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド化粧品オイルの形成エマルジョンに1分かけて添加する。次いで反応混合物を室温で30分間撹拌して、37.1%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=7μm及びd 90=15μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0169】
[実施例12]
プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPaを有するMowiol(登録商標)KL-318、Kuraray)12.5g及び水274.2gから調製する。次に、それをカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド化粧品オイル(Myritol 318、BASF)150gに注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて45分間室温で900rpmの速度にて乳化する。プレミックス(II)をポリメチルオキサゾリン(3.8kg/mol) 9.6g及び水17.8gから調製する。次にそれを、プレミックス(I)及びカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド化粧品オイルの形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を30分間室温で撹拌して、36.9%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=3μm及びd 90=6μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0170】
[実施例13]
プレミックス(I)をイタコン酸修飾アニオン性PVA(加水分解度85%〜90%及び粘度20.0〜30.0mPasを有するMowiol(登録商標) KL-318、Kuraray)12.5g及び水274.2gから調製する。次にそれを、修飾ヤシ油(Myritol 331、BASF)150gに注ぎ入れ、Mig撹拌機の支援を受けて室温で30分間700rpmの速度にて乳化する。プレミックス(II)を(ポリ-(エチル-stat.-メチル)-オキサゾリン(4:1))9.6g及び水17.8gから調製する。次にそれを、プレミックス(I)及び修飾ココナツ化粧品オイルの形成エマルジョンに5分かけて添加する。次いで反応混合物を10分間室温で撹拌して、36.9%の不揮発性構成成分の画分及び以下の値:d 50=8μm及びd 90=16μmに従った粒径分布を有する所望のマイクロカプセル分散液を得る。
【0171】
処方実施例
化粧品サンスクリーン配合物を、実施例4〜10において調製された通りのカプセル分散液で調製する。
【0172】
UV-フィルターUvinul A Plusを含有するカプセル分散液を含む配合物1、2及び3:
【0173】
【表5】
【0174】
一般的手順:
部分A:UvinulMC 80を75℃〜80℃に加熱し、Cetiol C5及びEumulgin Prismaを撹拌下にて添加する。
部分Bを撹拌下にて75℃で添加する。
部分Cを添加し、Turraxを使用して均質化する。
最終的に、部分Dを撹拌下にて添加する。
【0175】
【表6】
【0176】
一般的手順:
部分Aを80℃に撹拌下にて、あらゆるものが溶解されるまで加熱し、室温に冷却する。部分Bを別々に撹拌下にて混合する。冷却部分Aを部分Bに撹拌下にて添加し、Turraxを使用して均質化する。最終的に、部分Cを撹拌下にて添加する。
【0177】
UV-フィルターTinosorb Sを含有するカプセル分散液を含む配合物7:
【0178】
【表7】
【0179】
製造指示:
部分A:Uvinul MC 80及びUvinul A Plusを撹拌下にて75℃〜80℃に、溶解されるまで加熱し、Cetiol C5及びEumulgin Prismaを撹拌下にて添加する。部分Bを撹拌下にて75℃で添加する。部分Cを添加し、Turraxを使用して均質化する。最終的に、部分Dを撹拌下にて添加する。
【0180】
化粧品オイルMyritol 318を含有するカプセル分散液を含む配合物8:
【0181】
【表8】
【0182】
製造指示:
部分Aを80℃に撹拌下にて、あらゆるものが溶解されるまで加熱し、室温に冷却する。部分Bを別々に撹拌下にて混合する。冷却部分Aを部分Bに撹拌下にて添加し、Turraxを使用して均質化する。Turraxを使用して部分Cを添加する。最終的に、部分Dを撹拌下にて添加する。
【0183】
UV-フィルターUvinul A Plusを含有するカプセル分散液を含む配合物9(実施例10に従って調製された):
【0184】
【表9】
【0185】
製造指示:
部分A:Cetiol C5を75℃〜80℃に加熱し、Eumulgin Prismaを撹拌下にて添加する。
部分Bを撹拌下にて75℃で添加する。
部分Cを添加し、Turraxを使用して均質化する。
最終的に、部分Dを撹拌下にて添加する。
【0186】
UV-フィルターUvinul A Plusを含有するカプセル分散液を含む配合物10(実施例10に従って調製された):
【0187】
【表10】
【0188】
製造指示:
部分A:水をTinovis GTCと室温で混合し、pHを7にNaOH(10〜30%ig)で設定する。
部分Bを撹拌下にて室温で添加し、必要ならばTurraxを使用する。pHを制御する。
部分Cを撹拌下にて添加する。
【0189】
UV-フィルターUvinul A Plusを含有するカプセル分散液を含む配合物11(実施例10に従って調製された):
【0190】
【表11】
【0191】
製造指示:
相A及びBを80℃に撹拌下にて加熱する。Cosmedia Gel CCなし。
Cosmedia Gel CCを相A中にturrax下にて添加する。次いで、相BをA中に撹拌下にて添加し、均質化する。
相Cを撹拌下にて添加する。
室温に撹拌下にて冷却する。
相Dの成分を撹拌下にて添加する。
しばらくの間、撹拌し続ける。
【0192】
UV-フィルターTinosorb Sを含有するカプセル分散液を含む配合物12(実施例8に従って調製された):
【0193】
【表12】
【0194】
製造指示:
部分Aを80℃に撹拌下にて、あらゆるものが溶解されるまで加熱し、室温に冷却する。
部分Bを別々に撹拌下にて混合する。
冷却部分Aを部分Bに撹拌下にて添加し、Turraxを使用して均質化する。
Turraxを使用して部分Cを添加する。
最終的に、部分Dを撹拌下にて添加する。
【0195】
UV-フィルターTinosorb Sを含有するカプセル分散液を含む配合物13(実施例8に従って調製された):
【0196】
【表13】
【0197】
製造指示:
相A及びBを80℃に撹拌下にて加熱する。相AをB中に撹拌下にて添加し、均質化する。ホモジナイザー下で前に混合された相Cを添加する。室温に撹拌下にて冷却する。次いで、部分Dを添加し、しばらくの間、撹拌し続ける。
仕様:
【0198】
UV-フィルターUvinul T 150(実施例9)を含有するカプセル分散液を含む配合物14:
【0199】
【表14】
【0200】
製造指示:
部分A及び部分Bを別々に80℃に、溶解まで加温する。部分Aを撹拌下にて部分Bに添加する。Turrayを使用して部分Cを添加する。部分Dを撹拌下にて添加する。pHをおよそ6.5に設定する。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(実施形態1)
カプセルコア及びカプセルシェルを含むマイクロカプセルであって、カプセルシェルがポリビニルアルコールのコア周囲層及びポリオキサゾリンの隣接層を含む、マイクロカプセル。
(実施形態2)
カプセルコアがコア材料を95重量%より多く含む、実施形態1に記載のマイクロカプセル。
(実施形態3)
カプセルコアが室温で液体である、実施形態1又は2に記載のマイクロカプセル。
(実施形態4)
カプセルの平均粒径が0.5mmから80mmである、実施形態1から3のいずれかに記載のマイクロカプセル。
(実施形態5)
カプセルコア対カプセルシェルの重量比が50:50から95:5の範囲である、実施形態1から4のいずれかに記載のマイクロカプセル。
(実施形態6)
ポリビニルアルコールがアニオン性ポリビニルアルコールである、実施形態1から5のいずれかに記載のマイクロカプセル。
(実施形態7)
コア材料が、脂肪族及び芳香族炭化水素化合物、飽和又は不飽和のC6〜C30-脂肪酸、脂肪アルコール、C6〜C30-脂肪アミン、C4〜C30-モノ-、C4〜C30-ジ-及びC4〜C30-ポリエステル、第一級、第二級又は第三級のC4〜C30-カルボキサミド、脂肪酸エステル、天然及び合成ワックス、ハロゲン化炭化水素、天然油、C3〜C20-ケトン、C3〜C20-アルデヒド、香料及び芳香物質、ビタミン並びにUV-フィルターからなる群から選択される、実施形態1から6のいずれかに記載のマイクロカプセル。
(実施形態8)
コア材料が、油溶性UVフィルター(o)から選択される、実施形態1から7のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態9)
油溶性UVフィルター(o)が、
(o1)p-アミノ安息香酸誘導体、
(o2)サリチル酸誘導体、
(o3)ベンゾフェノン誘導体、
(o4)ジベンゾイルメタン誘導体、
(o5)ジフェニルアクリレート、
(o6)3-イミダゾール-4-イル-アクリル酸及びそれらのエステル、
(o7)ベンゾフラン誘導体、
(o8)ポリマー性UVフィルター、
(o9)ケイ皮酸誘導体、
(o10)カンファー誘導体、
(o11)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、
(o12)ベンゾトリアゾール誘導体、
(o13)トリアニリノ-s-トリアジン誘導体、
(o14)メンチルo-アミノベンゾエート、
(o15)ホモサレート、
(o16)ベンジリデンマロネート、
(o17)メロシアニン誘導体、
(o18)フェニレンビスジフェニルトリアジン、
(o19)イミダゾリン誘導体、並びに
(o20)ジアリールブタジエン誘導体
から選択される、実施形態1から8のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態10)
油溶性UVフィルター(o)が、
(oSOL-1)ベンゾフェノン-3(BP3)、
(oSOL-2)ベンゾフェノン-4(BP4)、
(oSOL-3)3-ベンジリデンカンファー(3BC)、
(oSOL-4)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(BEMT)、
(oSOL-5)ブチルメトキシジベンゾイルメタン(BMBM)、
(oSOL-6)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(DBT)、
(oSOL-7)ドロメトリゾールトリシロキサン(DTS)、
(oSOL-8)エチルヘキシルトリアゾン(EHT)、
(oSOL-9)エチルヘキシルメトキシシンナメート、
(oSOL-10)ベンジリデンマロネート(BM)、
(oSOL-11)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(DHHB)、
(oSOL-12)オクトクリレン、
(oSOL-13)ポリシリコン-15、
(oSOL-14)ホモサレート、及び
(oSOL-15)エチルヘキシルサリチレート
から選択される、実施形態1から9のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態11)
油溶性UVフィルター(o)が、
(o9a)エチルヘキシルメトキシシンナメート、
(o11a)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
(o13a)エチルヘキシルトリアゾン、及び
(o3a)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
から選択される、実施形態1から10のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態12)
ポリビニルアルコールが、酸基がスルホン酸基、ホスホン酸基及び分子中に3個から8個の炭素原子を有するカルボン酸基、並びに/又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアンモニウム塩からなる群から選択されるアニオン性ポリビニルアルコールである、実施形態1から11のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態13)
ポリビニルアルコールが、60%から100%の加水分解度を有するアニオン性ポリビニルアルコールである、実施形態1から12のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態14)
ポリオキサゾリンが、式(I)
【化34】
(式中、Rは、水素、直鎖状又は分岐状アルキルからなる群から選択される)
に従ったオキサゾリンモノマー(A)、及び場合により式(I)の1つ以上のさらなるオキサゾリンモノマー(B)の重合形態に存し、
ここでモノマー(B)のRは、水素、直鎖状又は分岐状アルキルからなる群から選択されるが、モノマー(A)のRと異なる、実施形態1から13のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
(実施形態15)
方法ステップ:
a)コア材料を含む分散相及び水性連続相及びポリビニルアルコールを有する水中油エマルジョンの調製、並びに
b)1つ以上のポリオキサゾリンの後続添加
を含む、カプセル壁及びカプセルコアを有するマイクロカプセルを製造するための方法。
(実施形態16)
実施形態1から10のいずれか一項に記載のマイクロカプセルを、分散液の総重量に対して5重量%から50重量%含む水性分散液。
(実施形態17)
UV放射線の有害な影響からヒトの毛髪及び皮膚を保護するための、実施形態1から14のいずれかに記載のマイクロカプセルの使用。