(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802820
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】パス表示装置およびパス表示方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/70 20130101AFI20201214BHJP
【FI】
H04L12/70 100Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-41429(P2018-41429)
(22)【出願日】2018年3月8日
(65)【公開番号】特開2019-161284(P2019-161284A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】沖野 修
(72)【発明者】
【氏名】大柳 浩之
【審査官】
宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−177402(JP,A)
【文献】
特開2017−11651(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/054173(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/26,12/50−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスアグリゲーションで細分化された複数の光ネットワーク装置に設定されたパスを表示するパス表示装置であって、
前記光ネットワーク装置の各々の接続関係を示す構成情報を記憶する記憶部と、
前記光ネットワーク装置としての方路装置の高速側ポートを特定し、前記構成情報に基づいて、前記特定した高速側ポートで区切られた光ネットワーク装置群が属する第1のグループを決定するグルーピング部と、
前記光ネットワーク装置の各々の象徴、前記接続関係の象徴、および、前記第1のグループの象徴を画面表示する表示制御部と、を備える、
ことを特徴とするパス表示装置。
【請求項2】
前記グルーピング部は、
グルーピング用アルゴリズムに従って、または、オペレータからの操作に従って、前記第1のグループを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のパス表示装置。
【請求項3】
ディスアグリゲーションで細分化された複数の光ネットワーク装置に設定されたパスを表示するパス表示装置であって、
前記光ネットワーク装置の各々の接続関係を示す構成情報を記憶する記憶部と、
前記光ネットワーク装置としての方路装置を特定し、前記構成情報に基づいて、互いに直接接続している前記方路装置間で区切られた光ネットワーク装置群が属する第2のグループを決定するグルーピング部と、
前記光ネットワーク装置の各々の象徴、前記接続関係の象徴、および、前記第2のグループの象徴を画面表示する表示制御部と、を備える、
ことを特徴とするパス表示装置。
【請求項4】
前記グルーピング部は、
グルーピング用アルゴリズムに従って、または、オペレータからの操作に従って、前記第2のグループを決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載のパス表示装置。
【請求項5】
ディスアグリゲーションで細分化された複数の光ネットワーク装置に設定されたパスを表示するパス表示装置におけるパス表示方法であって、
前記パス表示装置の記憶部は、前記光ネットワーク装置の各々の接続関係を示す構成情報を記憶しており、
前記パス表示装置が、
前記光ネットワーク装置としての方路装置の高速側ポートを特定し、前記構成情報に基づいて、前記特定した高速側ポートで区切られた光ネットワーク装置群が属する第1のグループを決定するステップと、
前記光ネットワーク装置の各々の象徴、前記接続関係の象徴、および、前記第1のグループの象徴を画面表示するステップと、を実行する、
ことを特徴とするパス表示方法。
【請求項6】
ディスアグリゲーションで細分化された複数の光ネットワーク装置に設定されたパスを表示するパス表示装置におけるパス表示方法であって、
前記パス表示装置の記憶部は、前記光ネットワーク装置の各々の接続関係を示す構成情報を記憶しており、
前記パス表示装置が、
前記光ネットワーク装置としての方路装置を特定し、前記構成情報に基づいて、互いに直接接続している前記方路装置間で区切られた光ネットワーク装置群が属する第2のグループを決定するステップと、
前記光ネットワーク装置の各々の象徴、前記接続関係の象徴、および、前記第2のグループの象徴を画面表示するステップと、を実行する、
ことを特徴とするパス表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パス表示装置およびパス表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、ROADM(reconfigurable optical add/drop multiplexer)システムについて開示されている。非特許文献1には、「運用局から各ROADMノードに対して,挿入(ADD),通過(THRU),分岐(DROP)の制御命令を発行する」と記載されており、オールインワン型光伝送装置(ROADMノード)のパス設定を実現する。非特許文献1によれば、運用局(OSS(Operation Support System):監視制御システム)は、パス管理を装置単位で行い、運用局のパス表示機能によって、パスを装置単位で表示する。
図6には、従来のパス画面表示として、大阪、名古屋、新横浜、東京にそれぞれ配置された装置(大阪1、名古屋1、新横浜1、東京1)に亘って設定されたパスを、OSSの表示部が画面表示した例を示す。
【0003】
一方、非特許文献2には、ディスアグリゲーション光伝送システムについて開示されている。光伝送システムにおけるディスアグリゲーションとは、光伝送システムを構成する装置を部品化し、部品同士を相互に接続可能にすることで柔軟なネットワーク構成を可能とすることをいう。非特許文献2には、「光伝送ネットワークの構築に必要となるトランスポート,WDM,スイッチ,アクセスの各機能をそれぞれブレードとして提供する」と記載されている。つまり、非特許文献2によれば、従来のオールインワン型の光伝送装置を機能ごとに分割し、トランスポート機能を備える部品、WDMを備える部品、スイッチ機能を備える部品,アクセス機能を備える部品を光伝送システムに適宜導入する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“1週間で学ぶネットワークの要点 早わかり講座 身近になる光ネットワーク(15) 光コア網を自在に運用できる「ROADM」”、[online]、[平成30年2月27日検索]、インターネット〈URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060607/240199/?rt=nocnt〉
【非特許文献2】“富士通,ディスアグリゲーション光伝送システムを発売”、[online]、[平成30年2月27日検索]、インターネット〈URL:http://www.optronics-media.com/news/20160323/40472/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1,2を踏まえると、装置のディスアグリゲーションによって、OSSは、細分化された装置単位でパス管理を行う。このようなパス管理は、従来のオールインワン型光伝送装置、つまり、非ディスアグリゲーション構成の光伝送装置の機能単位でパス管理を行うことに等しい。このため、パス上の装置数が増大し、パス管理が複雑化する。また、OSSの表示部は、細分化された装置単位でパスを表示する。このようなパス表示は、非常に細かい表示であって煩雑であり、パス表示の視認性の低下をもたらし、パス管理をするオペレータの運用性低下の要因となり得る。
【0006】
特に、細分化された装置単位のパス表示は、非ディスアグリゲーション構成の装置の内部配線による元々表示不要であった接続をセクションによる接続とする表示となる。このため、非ディスアグリゲーション構成の装置間のセクションによる接続と、非ディスアグリゲーション構成の装置内部品相当間のセクションによる接続とを区別することがオペレータにとって困難であり、運用性低下を招く可能性がある。
【0007】
このような背景に鑑みて、本発明は、ディスアグリゲーションで細分化された装置単位でのパス管理の運用性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ディスアグリゲーションで細分化された複数の光ネットワーク装置に設定されたパスを表示するパス表示装置であって、前記光ネットワーク装置の各々の接続関係を示す構成情報を記憶する記憶部と、前記光ネットワーク装置としての方路装置の高速側ポートを特定し、前記構成情報に基づいて、前記特定した高速側ポートで区切られた光ネットワーク装置群が属する第1のグループを決定するグルーピング部と、前記光ネットワーク装置の各々の象徴、前記接続関係の象徴、および、前記第1のグループの象徴を画面表示する表示制御部と、を備える、ことを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、ディスアグリゲーションで細分化された複数の光ネットワーク装置に設定されたパスを表示するパス表示装置におけるパス表示方法であって、前記パス表示装置の記憶部は、前記光ネットワーク装置の各々の接続関係を示す構成情報を記憶しており、前記パス表示装置が、前記光ネットワーク装置としての方路装置の高速側ポートを特定し、前記構成情報に基づいて、前記特定した高速側ポートで区切られた光ネットワーク装置群が属する第1のグループを決定するステップと、前記光ネットワーク装置の各々の象徴、前記接続関係の象徴、および、前記第1のグループの象徴を画面表示するステップと、を実行する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項1,5に記載の発明によれば、第1のグループの表示により、ディスアグリゲーションによって煩雑化したパス画面表示の視認性を向上させることができる。
したがって、ディスアグリゲーションで細分化された装置単位でのパス管理の運用性を向上させることができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパス表示装置であって、前記グルーピング部は、グルーピング用アルゴリズムに従って、または、オペレータからの操作に従って、前記第1のグループを決定する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、第1のグループを自動で、または、手動で表示することができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、ディスアグリゲーションで細分化された複数の光ネットワーク装置に設定されたパスを表示するパス表示装置であって、前記光ネットワーク装置の各々の接続関係を示す構成情報を記憶する記憶部と、前記光ネットワーク装置としての方路装置を特定し、前記構成情報に基づいて、互いに直接接続している前記方路装置間で区切られた光ネットワーク装置群が属する第2のグループを決定するグルーピング部と、前記光ネットワーク装置の各々の象徴、前記接続関係の象徴、および、前記第2のグループの象徴を画面表示する表示制御部と、を備える、ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、ディスアグリゲーションで細分化された複数の光ネットワーク装置に設定されたパスを表示するパス表示装置におけるパス表示方法であって、前記パス表示装置の記憶部は、前記光ネットワーク装置の各々の接続関係を示す構成情報を記憶しており、前記パス表示装置が、前記光ネットワーク装置としての方路装置を特定し、前記構成情報に基づいて、互いに直接接続している前記方路装置間で区切られた光ネットワーク装置群が属する第2のグループを決定するステップと、前記光ネットワーク装置の各々の象徴、前記接続関係の象徴、および、前記第2のグループの象徴を画面表示するステップと、を実行する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項3,6に記載の発明によれば、第2のグループの表示により、ディスアグリゲーションによって煩雑化したパス画面表示の視認性を向上させることができる。
したがって、ディスアグリゲーションで細分化された装置単位でのパス管理の運用性を向上させることができる。
また、グループ化のために方路装置のみ特定すればよいので、グループ化のために必要な情報を少なくすることができ、グループ付きパス画面の表示の利便性を向上させることができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のパス表示装置であって、前記グルーピング部は、グルーピング用アルゴリズムに従って、または、オペレータからの操作に従って、前記第2のグループを決定する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、第2のグループを自動で、または、手動で表示することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ディスアグリゲーションで細分化された装置単位でのパス管理の運用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態のパス表示装置の機能構成図である。
【
図2】1つのパスが設定される細分化光ネットワーク装置群、および、細分化光ネットワーク装置群を区切るグループのパス画面表示例(1)である。
【
図3】複数のパスが設定される細分化光ネットワーク装置群、および、細分化光ネットワーク装置群を区切るグループのパス画面表示例である。
【
図5】第2の実施形態における、1つのパスが設定される細分化光ネットワーク装置群、および、細分化光ネットワーク装置群を区切るグループのパス画面表示例(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。
【0021】
≪第1の実施形態≫
[構成]
本実施形態のパス表示装置は、例えば、ROADMシステムなどの光伝送システムに設定されるパスを管理するOSSの表示部に相当する装置である。
図1に示すように、本実施形態のパス表示装置1は、記憶部10と、制御部20と、入出力部30といったハードウェアを備えている。制御部20の具体例となるCPU(Central Processing Unit)が、記憶部10の具体例となるメモリ上に読み込んだプログラム(図示せず)を実行することにより、本実施形態の方法を実現する。
【0022】
記憶部10は、各種情報を記憶する機能部である。記憶部10は、構成情報11と、グルーピング用アルゴリズム12とを記憶している。
構成情報11は、光ネットワークに配置されている光ネットワーク装置(ディスアグリゲーションで細分化された装置)の各々の接続関係を示す情報である。
グルーピング用アルゴリズム12は、後記するグルーピング部21によるグルーピングを自動で実行可能にするアルゴリズムである。
【0023】
制御部20は、パス表示装置1の処理を実行する機能部である。制御部20は、グルーピング部21と、表示制御部22とを備える。
グルーピング部21は、所定の条件を満たす光ネットワーク装置群をグループ化する。グルーピング部21によるグループの決定方法の詳細は後記する。
表示制御部22は、光ネットワークに配置されている光ネットワーク装置に設定されたパスの画面表示を制御する。表示制御部22による画面表示は、光ネットワーク装置の各々の象徴、構成情報11に基づく光ネットワーク装置の接続関係の象徴、グルーピング部21が決定したグループの象徴の画面表示を含む。
【0024】
入出力部30は、所定の情報を入力したり、所定の情報を出力したりする入出力インタフェースである。入出力部30は、パス表示装置1を用いるオペレータの操作に従って所定の情報を入力することができる。また、入出力部30は、表示制御部22の制御に従う画面表示をすることができる。
【0025】
(グループの決定方法)
図2を参照して、グルーピング部21によるグループの決定方法について説明する。
図2のパス表示画面に示すように、光ネットワークに配置されている光ネットワーク装置は、DIR(Direction),SRG(colorless/directionless (C/D) add/drop group : Shared risk resource group),TPN(Transponder)に分類することができる。しかし、光ネットワーク装置の分類は、上記に限られるものではなく、他の種類を用意してもよい。
【0026】
また、本実施形態のパス画面表示では、DIR,SRG,TPN間の接続関係(セクション:OTS(Optical Transmission Section))を実線で象徴する。実線で示す接続関係は、構成情報11に従う。
【0027】
表示制御部22は、パスを、実線の全体および一部に沿って画面表示することができる。ただし、図示内容を明瞭にするため、本実施形態のパス表示画面では、パス自体の画面表示は省略する。
【0028】
TPNは、パスを終端し、クライアント信号(例:Ethernet(登録商標)規格の信号)に変換する終端装置である。本実施形態のパス画面表示では、TPNを長方形で象徴する。
SRGは、パスを多重して光信号に変換したり、多重された光信号をパスに分解したりする合分波装置である。本実施形態のパス画面表示では、SRGを台形で象徴する。台形の短底辺側が分流側を示し、長底辺側が合流側を示す。
DIRは、多重された光信号を送受信する方路装置である。本実施形態のパス画面表示では、DIRを正三角形で象徴する。正三角形の3頂点のうち、実線が通過する頂点は、DIRの高速側ポート(例:AMP(Amplifier):増幅器)を示す。
【0029】
グルーピング部21は、
図2の実線で示す接続関係にある光ネットワーク装置群に対して、DIRを特定し、さらに、DIRの高速側ポートを特定する。また、グルーピング部21は、特定した高速側ポートで、接続関係にある光ネットワーク装置群を区切る。その結果、グルーピング部21は、区切りのない光ネットワーク装置間を同一グループとする。つまり、グルーピング部21は、構成情報11に基づいて、特定した高速側ポートで区切られた光ネットワーク装置群が属する複数のグループ(第1のグループ)を決定する。
【0030】
表示制御部22は、グルーピング部21が決定したグループを画面表示することができる。
図2に示すように、本実施形態のパス画面表示は、DIRの高速側ポートを用いた区切りを縦破線で象徴する。また、DIRの高速側ポートによって決定されたグループを、当該グループに属する光ネットワーク装置を象徴する図形を囲むアール状の四角で象徴する。
【0031】
光ネットワーク装置のグループは、上記のグルーピング部21がグルーピング用アルゴリズム12に従って、自動で決定することができる。また、光ネットワーク装置のグループは、パス表示装置1を用いるオペレータが入出力部30を操作して手動で決定することもできる。
【0032】
本実施形態のパス画面表示は、
図3に示すように、光ネットワーク全体に配置されている光ネットワーク装置に複数のパスが設定されている画面表示の場合にも適用することができる。
【0033】
図3に示す一点鎖線の囲み線は、互いに接続され得る光ネットワーク装置を包含する区間を示す。よって、異なる囲み線にそれぞれ含まれる光ネットワーク装置同士が接続されることは無い。表示制御部22は、
図3に示す一点鎖線の囲み線を画面表示することもできる。しかし、一点鎖線の囲み線は、本発明に必須ではないので、表示制御部22は、この囲み線を画面表示しないようにすることもできる。
【0034】
図2の場合と同様、グルーピング部21は、
図3の実線で示す接続関係にある光ネットワーク装置群に対して、DIRを特定し、さらに、DIRの高速側ポートを特定する。また、グルーピング部21は、特定した高速側ポートで、接続関係にある光ネットワーク装置群を区切る。その結果、グルーピング部21は、区切りのない光ネットワーク装置間を同一グループとする。つまり、グルーピング部21は、構成情報11に基づいて、特定した高速側ポートで区切られた光ネットワーク装置群が属する複数のグループ(第1のグループ)を決定する。
【0035】
図2および
図3に示すように、グルーピング部21による区切りは、DIR高速側ポート−DIR高速側ポート間で行われる。このため、決定された各グループに属する光ネットワーク装置群は、非ディスアグリゲーション構成の光伝送装置に相当する。よって、パス表示装置1は、非ディスアグリゲーション構成の光伝送装置単位をグループとして表示することができる。
【0036】
グループの表示により、ディスアグリゲーションによって煩雑化したパス画面表示の視認性を向上させることができる。したがって、ディスアグリゲーションで細分化された装置単位でのパス管理の運用性を向上させることができる。
【0037】
図2または
図3のパス画面表示を視たオペレータは、グループの象徴によって、ディスアグリゲーションで細分化された光ネットワーク装置間の接続(セクション)を、グループ内の接続と、グループ間の接続とに区別して認識することができる。一般的に、長距離伝送は、DIR−DIR間で行われることが多く、光伝送装置が配備された建物(ビル)間で行われることが多い。よって、オペレータは、グループ化によって、建物単位での光ネットワーク装置の構成を直感的に認識することができる。
【0038】
また、オペレータは、ディスアグリゲーションで細分化された光ネットワーク装置間のセクションを画面表示したパス画面表示であっても、セクションごとの伝送距離の違いを直感的に認識することができる。具体的には、建物内配線と建物間配線との違いを直感的に認識することができる。
【0039】
[処理]
本実施形態のパス表示装置1が実行するパス表示処理について、
図4を参照して説明する。パス表示処理は、入出力部30を介してオペレータからパス画面表示の要求があったときに開始する。
【0040】
まず、パス表示装置1は、制御部20によって、記憶部10から構成情報11を読み出す(ステップS1)。次に、パス表示装置1は、グルーピング部21によって、読み出した構成情報11を参照して、DIRの高速側ポートを特定する(ステップS2)。
【0041】
次に、パス表示装置1は、グルーピング部21によって、構成情報11で示される光ネットワーク装置群を、ステップS2で特定した高速側ポートで区切ることで、区切りのない光ネットワーク装置群が属するグループを決定する(ステップS3)。最後に、パス表示装置1は、表示制御部22によって、入出力部30を介して、構成情報11およびグルーピング部21の処理結果に基づいて、グループ付きパス画面を表示する(ステップS4)。
以上で、パス表示処理が終了する。
【0042】
≪第2の実施形態≫
第2の実施形態の説明の際、第1の実施形態と重複する説明は省略する。
【0043】
グルーピング部21は、
図5の実線で示す接続関係にある光ネットワーク装置群に対して、DIRを特定する。また、グルーピング部21は、特定したDIR同士が直接接続している箇所で光ネットワーク装置群を区切る(区切りは縦破線で象徴)。その結果、グルーピング部21は、区切りのない光ネットワーク装置間を同一グループとする。つまり、グルーピング部21は、構成情報11に基づいて、互いに直接接続しているDIR間で区切られた光ネットワーク装置群が属する複数のグループ(第2のグループ)を決定する。
【0044】
第2の実施形態のパス表示処理は、第1の実施形態のパス表示処理と比較して、DIRの高速側ポートを特定する(
図4のステップS2)代わりに、DIRを特定する点が相違し、その他は同じである。
【0045】
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
また、第1の実施形態では、グループ化のために、DIRと、DIRの高速側ポートを特定する必要があったが、第2の実施形態によれば、DIRのみ特定すればよい。つまり、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と比較して、グループ化のために必要な情報を少なくすることができ、グループ付きパス画面の表示の利便性を向上させることができる。
【0046】
第2の実施形態においても、光ネットワーク装置のグループは、上記のグルーピング部21がグルーピング用アルゴリズム12に従って、自動で決定することができる。また、光ネットワーク装置のグループは、パス表示装置1を用いるオペレータが入出力部30を操作して手動で決定することもできる。
【0047】
≪その他≫
複数機種の装置が混在する光ネットワークであっても、DIRに相当する装置を特定することで、グルーピング部21によるグループ化を実現することができる。
【0048】
グループの象徴は、
図2、
図3、
図5のように、アール状の四角に限らず、グループ内の光ネットワーク装置のグループ別の色分け表示や、異なる線種での表示など、さまざまな表示態様をとることができる。
【0049】
各実施形態で説明した種々の技術を適宜組み合わせた技術を実現することもできる。
各実施形態で説明したソフトウェアをハードウェアとして実現することもでき、ハードウェアをソフトウェアとして実現することもできる。
その他、ハードウェア、ソフトウェア、フローチャートなどについて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 パス表示装置
10 記憶部
11 構成情報
12 グルーピング用アルゴリズム
20 制御部
21 グルーピング部
22 表示制御部
30 入出力部