特許第6803044号(P6803044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803044
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】計測装置および計測方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/15 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   A61B8/15ZDM
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-27826(P2017-27826)
(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公開番号】特開2018-130442(P2018-130442A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川畑 健一
(72)【発明者】
【氏名】坪田 悠史
(72)【発明者】
【氏名】山下 啓子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 扶美
【審査官】 宮川 哲伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−050823(JP,A)
【文献】 特開2001−145628(JP,A)
【文献】 特表平08−508925(JP,A)
【文献】 特開2016−077640(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0005635(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検対象へ超音波を照射して、前記被検対象を計測する計測装置であって、
超音波を照射する照射部と、
第1被検対象へ超音波を照射させると共に、前記照射部から予め定められた距離に位置する参照物体へ超音波を照射させるように前記照射部を制御する第1照射制御部と、
前記第1被検対象へ前記照射部により超音波が照射された際に、前記参照物体へ前記照射部により超音波が照射された結果である第1参照物体結果を取得する第1結果取得部と、
前記第1被検対象に超音波が照射された後に、前記第1被検対象に対応する第2被検対象へ超音波を照射させると共に、前記照射部から前記参照物体へ超音波を照射させるように前記照射部を制御する第2照射制御部と、
前記第2被検対象へ前記照射部により超音波が照射された際に、前記参照物体へ前記照射部により超音波が照射された結果である第2参照物体結果を取得する第2結果取得部と、
前記第1結果取得部により取得された第1参照物体結果と、前記第2結果取得部により取得された第2参照物体結果とを比較する比較部と、
前記比較部による比較に基づいた情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された情報を出力する出力部と、
を備える計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の計測装置において、
前記参照物体の形状が棒状である、計測装置。
【請求項3】
請求項2に記載の計測装置において、
前記参照物体の材質が金属またはプラスチックである、計測装置。
【請求項4】
請求項1に記載の計測装置において、
前記第1結果取得部は、前記第1参照物体結果として、前記参照物体からの反射波による結果を取得し、
前記第2結果取得部は、前記第2参照物体結果として、前記参照物体からの反射波による結果を取得する、計測装置。
【請求項5】
請求項1に記載の計測装置において、
前記生成部は、前記第1結果取得部により取得された第1参照物体結果と、前記第2結果取得部により取得された第2参照物体結果との差異を示す情報を生成する、計測装置。
【請求項6】
照射部が被検対象へ超音波を照射して、前記被検対象を計測する計測装置における計測方法であって、
前記計測装置の第1照射制御部が、第1被検対象へ超音波を照射させると共に、前記照射部から予め定められた距離に位置する参照物体へ超音波を照射させるように前記照射部を制御する第1制御ステップと、
前記計測装置の第1結果取得部が、前記第1被検対象へ前記照射部により超音波が照射された際に、前記参照物体へ前記照射部により超音波が照射された結果である第1参照物体結果を取得する第1結果取得ステップと、
前記計測装置の第2照射制御部が、前記第1被検対象に超音波が照射された後に、前記第1被検対象に対応する第2被検対象へ超音波を照射させると共に、前記照射部から前記参照物体へ超音波を照射させるように前記照射部を制御する第2制御ステップと、
前記計測装置の第2結果取得部が、前記第2被検対象へ前記照射部により超音波が照射された際に、前記参照物体へ前記照射部により超音波が照射された結果である第2参照物体結果を取得する第2結果取得ステップと、
前記計測装置の比較部が、前記第1結果取得ステップで取得した第1参照物体結果と、前記第2結果取得ステップで取得した第2参照物体結果とを比較する比較ステップと、
前記計測装置の生成部が、前記比較ステップによる比較に基づいた情報を生成する生成ステップと、
前記計測装置の出力部が、前記生成ステップで生成した情報を出力する出力ステップと、
を有する計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測装置および計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乳がんは世界的に罹患率が高く、その早期発見のためのスクリーニング手法は、死亡率低下・QOL(Quality of life)向上の観点から極めて重要である。標準的スクリーニング手法であるマンモグラフィの乳がんの死亡率低下への貢献は否定できないものの、万能なスクリーニング手法にはなり得ていない。特にデンスブレストと呼ばれる乳腺が多い女性が対象の際には、がんの発見感度が著しく低下することが指摘されている。このため、マンモグラフィ代替あるいは補助手段が求められている。
【0003】
このような代替・補助手段の一つとして、超音波CT(Ultrasound Computed Tomography)が注目されている。超音波CTは、計測対象を360°取り囲む形で多数の超音波送受波器を配置し、各送受波器からの送信波を同一あるいは異なる送受波器で受信することにより対象から透過した音響信号(透過波)および対象から反射した音響信号(反射波)を計測する。
【0004】
このような計測により、通常の超音波診断装置と同一の生体情報(形態情報)に加えて音速あるいは減衰といった病態に深く関連する機能的情報を所得することができる。超音波CTにおいては、X線を用いないため侵襲性が低い、デンスブレストによる感度低下がない、術者依存性が低いといった他の手段にない特長を有している。この特性を活用した、乳がん検査用の超音波CT装置として特許文献1に示すような計測装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0005635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示されている技術においては、水中に配置された超音波送受信器から被検対象(例えば、乳房)への超音波送受が行われているが、二つある乳房をそれぞれ別個に計測する構成になっている。これは二つを同時に計測する構成にすると、必要になる構成要素がほぼ倍になり、装置のサイズが大きくなってしまったり、費用が上昇してしまったりするためである。
【0007】
乳がんのスクリーニングにおいては主に乳房内の腫瘤を発見し、その腫瘤の性状を計測することが主たる手段となるため、乳房を片方ずつ計測しても同時に計測しても検出感度に変化がないと考えられる。
【0008】
しかしながら、乳房の検査を行う際に乳がんのみの検出では被験者は別途良性疾患に関する検査を受信する必要があることになるため非効率であり、乳がんの検査において同時に良性の疾患の検出も行える方が好ましい。
【0009】
ところが、乳がん以外の良性の乳房疾患のスクリーニングへの超音波CTの適用においては、片方ずつの計測が問題となる。
【0010】
例えば、乳腺症の検査を行う上では、双方の乳房の特性の違いが重要な指標となるため、双方を同時に計測できない場合には、乳房間の結果の違いが疾病により生じたものか、あるいは計測間での計測条件の変化により見かけ上異なって見えるのかわからない。
【0011】
本発明の目的は、互いに対応する被検対象(例えば、乳房)を別々に計測した場合に、計測条件の変化の有無に応じた情報を出力する計測装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
本発明の代表的な実施の形態による計測装置は、被検対象へ超音波を照射して、被検対象を計測する計測装置であって、超音波を照射する照射部と、第1被検対象へ超音波を照射させると共に、照射部から予め定められた距離に位置する参照物体へ超音波を照射させるように照射部を制御する第1照射制御部と、第1被検対象へ照射部により超音波が照射された際に、参照物体へ前記照射部により超音波が照射された結果である第1参照物体結果を取得する第1結果取得部と、第1被検対象に超音波が照射された後に、第1被検対象に対応する第2被検対象へ超音波を照射させると共に、照射部から参照物体へ超音波を照射させるように照射部を制御する第2照射制御部と、第2被検対象へ照射部により超音波が照射された際に、参照物体へ照射部により超音波が照射された結果である第2参照物体結果を取得する第2結果取得部と、第1結果取得部により取得された第1参照物体結果と、第2結果取得部により取得された第2参照物体結果とを比較する比較部と、比較部による比較に基づいた情報を生成する生成部と、生成部により生成された情報を出力する出力部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0016】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、互いに対応する被検対象を別々に計測した場合に、計測条件の変化の有無に応じた情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態である計測装置の構成例について概要を示した図である。
図2】本発明の一実施の形態における参照物体の一例を示した図である。
図3】本発明の一実施の形態における信号処理部の機能構成例について示した図である。
図4】本発明の一実施の形態における反射波の信号強度の変化を示すグラフである。
図5】本発明の一実施の形態における比較結果生成部が生成する情報の例を示す図である。
図6】本発明の一実施の形態における温度値を取得する処理の流れの例について概要を示した図である。
図7】本発明の一実施の形態における領域情報を生成する処理の流れの例について概要を示した図である。
図8】本発明の一実施の形態における校正画像を生成する処理の流れの例について概要を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
【0019】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態である計測装置の構成例について概要を示した図である。本実施の形態の計測装置1(超音波CT装置)は、超音波を被検体15の乳房16(被検対象)に照射して、左右の乳房16を別々に計測する装置である。計測装置1は、被検体15の左右の乳房16を計測する。この計測装置1は、例えば、検査室に設けられる。
【0020】
計測装置1のユーザは、計測結果を用いることにより、被検体15の乳房16の検査を行う。なお、乳房16以外を被検対象とするようにしてもよい(例えば、両足、両腕等)。
【0021】
計測装置1は、制御部2と、水槽3と、当該水槽3の軸方向に平行移動可能なリングアレイ4と、参照物体5(参照物体5a、参照物体5b等)と、予備タンク6と、被検対象の画像を生成する信号処理部7と、記憶部8と、入出力部9と、ベッド10とを有する。
【0022】
制御部2は、計測装置1の各部を制御する部分である。制御部2は、入出力部9が受け付けた指示等に応じた制御信号を各部へ送出することにより、各部を制御する。例えば、制御部2は、リングアレイ4を軸方向(図1の上下方向)に移動させ、リングアレイ4の圧電素子を動作させる。また、制御部2は、当該リングアレイ4の圧電素子の動作状況を信号処理部7へ通知する。また、制御部2は、水槽3に含まれている温水の温度制御をしたり、予備タンク6の水圧制御をしたりする。制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を含むコンピュータにより実現される。
【0023】
水槽3は、ベッド10と接続している水槽である。この水槽3には、温水が満たされる。水槽3の形状は、円柱状である。ベッド10には、挿入口があり、この挿入口に乳房16を挿入することにより、被検体15の乳房16を水槽3に挿入することができる。
【0024】
リングアレイ4は、水槽3の内部に設けられている。リングアレイ4は、超音波送受信器である圧電素子をアレイ上に複数有する。リングアレイ4の圧電素子は、制御部2から送出される制御信号に基づいて超音波を照射する。すなわち、リングアレイ4は、照射部として機能する。また、リングアレイ4の圧電素子は、各圧電素子から照射した超音波による透過波または反射波を受信する。リングアレイ4の圧電素子は、受信した透過波または反射波を信号処理部7へ送出する。
【0025】
照射超音波の中心周波数を1.5MHzとすると、水中での超音波の波長は約1mmである。圧電素子のピッチを0.5mmとすると、圧電素子は、2048チャネルで、直径326mmのリングアレイ4が構成される。圧電素子は、512チャネルの位相を揃えて超音波(平面波)を照射する。これに応じて、上記圧電素子は、反射波を、対向する位置の圧電素子は、透過波を512チャネルで受信する。これによって、計測装置1は、撮影視野(Field of View、 FOV)を直径230mm確保することができる。リングアレイ4上で駆動させる512チャネルの圧電素子を4チャネルずつずらして照射することを繰り返すことで、信号処理部7は、被検体15の乳房16の周囲360度からの透過波及び反射波の信号を0.7度ずつ512ビュー得ることができる。圧電素子の軸方向の厚みを1mmとし、水槽3の軸方向に0.5mmピッチでリングアレイ4を変位させて上記撮影を繰り返す。これにより、信号処理部7は、20mmの変位で40スライスのデータを得る。上記手順で、計測装置1は、被検体15の乳房16の三次元情報を得る。
【0026】
また、上記の圧電素子の内、後述する参照物体5へ超音波を照射する圧電素子があり、当該圧電素子が参照物体5へ照射した超音波からの反射波を受信する。参照物体5へ超音波を照射する圧電素子が予め定められており、制御部2が当該圧電素子を識別する情報を記憶している。
【0027】
参照物体5は、リングアレイ4の内部に設けられた棒状の部材である。参照物体5は、図示されない支持材により、リングアレイ4の参照物体5に照射する圧電素子から距離が固定された状態で水槽3の中に設置されている。参照物体5は、水槽3の中に4つ設置されている。ここで、図2を用いて、参照物体5を説明する。図2は、参照物体5の一例であり、水槽3の底面から見た図である。図2に示すように、水槽3の底面から見ると、参照物体5は、リングアレイ4と乳房16との間に位置することになる。参照物体5は、直径0.5mmの金属製の棒である。参照物体5に照射する圧電素子から10mm離れた位置にある。なお、参照物体5の材質は、プラスチックでもよい。リングアレイ4の圧電素子が、参照物体5に超音波を照射すると、当該圧電素子は、参照物体5から反射波を受信する。当該圧電素子は、信号処理部7へ当該反射波を送信する。
【0028】
図1に戻り、予備タンク6は、温水を浄化等する装置である。具体的に、予備タンク6は、制御部2からの制御信号に応じて、予備タンク6で保持する温水を浄化・温度調整・脱気して、その温水をポンプを介して水槽3に送出する。なお、水槽3の下部および予備タンク6の内部には温度計が取り付けられており、それぞれの水温をモニタすることができる。ただし、被検体15は、血流によって体温が一定に保たれることから、被検体15の乳房16が水槽3内に存在する際には温度勾配が生じる可能性がある。
【0029】
信号処理部7は、リングアレイ4の圧電素子が受信した反射波・透過波の信号を取得し、これらの信号を画像処理演算して、左右の乳房16の画像を生成する部分である。また、信号処理部7は、各々の乳房16の撮影時の条件(計測条件)の差異に基づいた情報を生成する。信号処理部7は、CPU、GPU等を含むコンピュータにより実現される。画像生成等の詳細は、後述する。
【0030】
記憶部8は、各種情報を記憶する部分である。例えば、記憶部8は、リングアレイ4の圧電素子が受信した反射波・透過波の信号を記憶したり、後述する入出力部9から取得した情報を記憶したりする。記憶部8は、具体的には、メモリやハードディスクドライブである。
【0031】
入出力部9は、計測装置1のユーザによる入力(計測指示等の入力)を受け付けたり、計測装置1が処理した内容を表示出力したりする部分である。例えば、入出力部9は、ユーザによる入力により、リングアレイ4を用いてどのように撮影するかを示す撮影条件情報を受け付ける。この撮影条件情報は、記憶部8に記憶される。また、入出力部9は、信号処理部7により生成された画像等の情報を出力する。入出力部9は、具体的には、タッチパネル、キーボード、モニタ(ディスプレイ)である。
【0032】
なお、制御部2、信号処理部7、および記憶部8は、ベッド10の下部に設けられてもよい。
【0033】
<検査手順>
ここで、検査手順を説明する。問診を済ませて、検査着に着替えた被検体15が、検査室に入室し、ベッド10へうつ伏せになり、水槽3に一方の乳房16を挿入する。この状態において、入出力部9が計測装置1のユーザから、水槽3へ温水を満たす旨の指示を受け付ける。そして、入出力部9は、制御部2に対して、上記の指示を示す情報を送出する。これに応じて、制御部2は、予備タンク6に対して水槽3へ温水を満たす旨の制御信号を送出する。予備タンク6は、制御部2による制御信号に応じて、ポンプを介して水槽3に温水を満たす。
【0034】
この状態において、入出力部9が、計測装置1のユーザから、一方の乳房16の計測指示を受け付け、当該計測指示を示す情報を制御部2へ送出する。これに応じて、制御部2は、リングアレイ4における乳房16へ超音波を照射可能な圧電素子と、参照物体5へ超音波を照射可能な圧電素子とに超音波の照射指示を示す制御信号を送出し、リングアレイ4の圧電素子に超音波を照射させる。このように、制御部2は、一方の乳房16へ超音波を照射させると共に、参照物体5へ超音波を照射させるように制御する。すなわち、制御部2は、第1照射制御部として機能する。
【0035】
また、制御部2は、リングアレイ4の何れの圧電素子を動作させているかを示す情報を信号処理部7にも送出する。また、制御部2は、一方の乳房16を撮影しているかを示す情報を信号処理部7に対して送出する。
【0036】
上記のように、信号処理部7は、リングアレイ4の圧電素子により照射された超音波による透過波および反射波の信号を受信する。信号処理部7は、受信した透過波および反射波を用いて一方の乳房16の計測画像(画像1)を生成し、当該計測画像を入出力部9へ出力する。この計測画像は、乳房16の断層画像である。また、信号処理部7は、参照物体5へ照射した超音波による反射波の信号に基づいて温度を計測する。計測装置1のユーザが、入出力部9により出力された計測画像が適切であることを確認した後に、被検体15が他方の乳房16を水槽3に挿入する。
【0037】
この状態において、入出力部9が、計測装置1のユーザから、他方の乳房16の計測指示を受け付け、当該計測指示を示す情報を制御部2へ送出する。これに応じて、制御部2は、リングアレイ4における乳房16へ超音波を照射可能な圧電素子と、参照物体5へ超音波を照射可能な圧電素子とに超音波の照射指示を示す制御信号を送出し、リングアレイ4の圧電素子に超音波を照射させる。このように、制御部2は、他方の乳房16へ超音波を照射させると共に、参照物体5へ超音波を照射させるように制御する。すなわち、制御部2は、第2照射制御部として機能する。
【0038】
また、制御部2は、リングアレイ4の何れの圧電素子を動作させているかを示す情報を信号処理部7にも送出する。また、制御部2は、他方の乳房16を撮影していることを示す情報を信号処理部7に対して送出する。
【0039】
信号処理部7は、受信した透過波および反射波を用いて他方の乳房16の計測画像(画像2)を生成し、当該計測画像を入出力部9へ出力する。また、信号処理部7は、参照物体5へ照射した超音波による反射波の信号に基づいて温度を計測する。
【0040】
<信号処理部>
図3等を用いて、信号処理部7の詳細を説明する。図3は、信号処理部7の機能構成例について示した図である。本実施の形態の信号処理部7は、画像信号処理部71と、参照物体信号処理部72と、比較部73と、比較結果生成部74とを有する。
【0041】
画像信号処理部71は、リングアレイ4の圧電素子から受信した透過波および反射波を用いて乳房16の計測画像を生成する部分である。制御部2は、リングアレイ4に対して、乳房16へ超音波を照射可能な圧電素子に超音波の照射指示を示す制御信号を送出している際に、その旨を画像信号処理部71にも送出している。画像信号処理部71は、制御部2から受信した情報からリングアレイ4の何れの圧電素子から受信した透過波または反射波であるか特定する。また、画像信号処理部71は、一方の乳房16の計測であるか他方の乳房16の計測であるかを示す情報を制御部2から受信し、何れの乳房16を計測しているかを特定する。
【0042】
画像信号処理部71は、計測画像を生成すると、入出力部9へ出力すると共に、記憶部8へ出力したり、比較結果生成部74へ送出したりする。
【0043】
参照物体信号処理部72は、それぞれの乳房16へリングアレイ4の圧電素子により超音波が照射された際に、参照物体5へリングアレイ4の圧電素子により超音波が照射された結果を取得する部分である。参照物体信号処理部72は、一方の乳房16の計測であるか他方の乳房16の計測であるかを示す情報を制御部2から受信し、何れの乳房16を計測しているかを特定する。
【0044】
また、参照物体信号処理部72は、制御部2から受信した情報からリングアレイ4の何れの圧電素子から受信した反射波であるか特定する。ここで、4つの参照物体5のそれぞれに添え字n (1≦n≦N:Nは参照物体5の数)を付す。この場合、参照物体信号処理部72は、参照物体5に対応する圧電素子E(n)から照射(送波)し、E(n)で受信(受波)した反射波の信号強度が最大となる時刻Time(n)を受信した反射波から特定する。すなわち、参照物体信号処理部72は、参照物体5のそれぞれに対応するリングアレイ4の圧電素子から受信した所定期間における反射波の信号強度を特定し、信号強度が最大となる時刻を特定する。なお、参照物体信号処理部72は、反射波が予め定められている閾値を最初に超える時刻を特定するようにしてもよい。
【0045】
図4は、反射波の信号強度の変化を示すグラフである。縦軸は信号強度(単位は、例えば、ミリボルト)であり、横軸は、時刻(単位は、例えば、マイクロ秒)である。圧電素子E(1)の信号強度のグラフをG1、圧電素子E(2)の信号強度のグラフをG2とする。この場合、参照物体信号処理部72は、圧電素子E(1)について、時刻t1を特定する。また、参照物体信号処理部72は、圧電素子E(2)について、時刻t2を特定する。これにより、参照物体信号処理部72は、最大信号強度になるまでの時間を特定することができる。
【0046】
次に、参照物体信号処理部72は、圧電素子E(n)と当該圧電素子に対応する参照物体5との距離と、最大信号強度になるまでの時間とに基づいて、それぞれの水の音速を算出する。また、この音速は、温度の依存性があるため、参照物体信号処理部72は、当該依存性に基づき、算出した音速から各参照物体5周囲の温度である温度Temp(n)を算出する。参照物体信号処理部72は、予め音速と温度とを対応付けた情報を予め記憶しておき、当該情報を用いて音速から温度を算出する。続いて、参照物体信号処理部72は、各参照物体5周囲の温度の分散値σを算出する。
【0047】
参照物体信号処理部72は、算出した分散値σと、予め設定している閾値max_σとを比較して、分散値σの方が小さい場合、各Temp(n)を記憶する。このように、参照物体信号処理部72は、一方の乳房16へ超音波を照射した際における、参照物体5へ超音波が照射されたことによる結果(参照物体5からの反射波による結果である第1参照物体結果)として各Temp(n)を取得する。
【0048】
また、参照物体信号処理部72は、一方の乳房16の各Temp(n)を算出する方法と同様に、他方の乳房16へ超音波を照射した際における、参照物体5へ超音波が照射されたことによる結果(参照物体5からの反射波による結果である第2参照物体結果)として各Temp(n)を取得する。すなわち、参照物体信号処理部72は、それぞれの乳房16を計測時における、参照物体5周囲の温度情報をそれぞれ取得する。上述のように、参照物体信号処理部72は、第1結果取得部、第2結果取得部として機能する。
【0049】
なお、参照物体信号処理部72で各Temp(n)を記憶してもよいし、記憶部8で各Temp(n)を記憶してもよい。また、参照物体信号処理部72は、算出した分散値σと、予め設定している閾値max_σとを比較して、分散値σの方が大きい場合、温度ムラがある旨を入出力部9に出力させて、ユーザに温度ムラがあることを通知する。計測装置1自体に異常が無い場合、再度計測を行う。
【0050】
参照物体信号処理部72は、それぞれの乳房16を計測している際における参照物体5周囲の温度情報をそれぞれ取得した後、比較部73へその旨を通知すると共に、それぞれの乳房16を計測した際における、それぞれのTemp(n)を比較部73へ送出する。また、参照物体信号処理部72は、一方の乳房16を計測した時における、各Temp(n)の分散値σと、他方の乳房16を計測した時における、各Temp(n)の分散値σとを比較結果生成部74へ送出する。なお、参照物体信号処理部72は、これらの分散値σを記憶部8に登録してもよい。
【0051】
比較部73は、参照物体信号処理部72により取得された、一方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)と、他方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)とを比較する部分である。比較部73は、一方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)と、他方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)とを参照物体信号処理部72から取得する。
【0052】
ここで、一方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)を、Temp(1、n)とし、他方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)を、Temp(2、n)とする。この場合、比較部73は、Δ(n)=Temp(1、n)−Temp(2、n)を求める。すなわち、比較部73は、一方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)と、他方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)とを比較した結果として、それぞれのTemp(n)の差分値を算出する。この差分値は、参照物体5の周囲の領域における温度の差異を示す情報である。比較部73は、算出したΔ(n)を比較結果生成部74へ送出する。
【0053】
比較結果生成部74は、比較部73により比較された結果に基づいた情報を生成する部分である。比較結果生成部74は、比較部73からΔ(n)を取得する。比較結果生成部74は、Δ(n)の値に基づいた情報として、各参照物体5の周囲の領域におけるΔ(n)を示す情報を生成する。図5に、比較結果生成部74が生成する情報の例を示す。図5に示すように、4つの領域20(領域20a〜領域20d)があり、この領域20は、各参照物体5の周囲の温度で計測されたと推定する領域である。撮影範囲は、各参照物体5の近傍のいずれかの領域に属することになる。参照物体5が等間隔に4つ配置されていたため、それぞれの領域20は、円を4つに分割した形になる。
【0054】
比較結果生成部74は、取得したΔ(n)の値に応じた表示色で領域20を色分けする。このように、比較結果生成部74は、一方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)と、他方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)との差異を示す情報(比較部73により比較された結果に基づいた情報)を生成する。
【0055】
また、比較結果生成部74は、一方の乳房16の計測画像および他方の乳房16の計測画像を画像信号処理部71から取得し、比較部73から取得したΔ(n)に基づいて一方の乳房16および他方の乳房16の何れかの計測画像を校正するようにしてもよい。比較結果生成部74は、一方の乳房16を計測した時における各Temp(n)の分散値σと、他方の乳房16を計測した時における各Temp(n)の分散値σとを記憶部8または参照物体信号処理部72から取得し、それぞれの分散値σを比較する。比較結果生成部74は、分散値σが高い方の計測画像をΔ(n)の値に応じて計測画像を校正する。
【0056】
比較結果生成部74は、生成した情報を入出力部9へ送出する。入出力部9は、画像信号処理部71から取得した一方の乳房16の計測画像および他方の乳房16の計測画像を表示出力する。入出力部9は、一方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)と、他方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)との差異に基づく情報をさらに表示する。これにより、比較を行う画像同士で違いがあった場合それが組織性状の違いを示しているのか、それとも計測条件の違いを示しているかの情報提示が可能となる。
【0057】
また、入出力部9は、校正された計測画像を取得した場合、当該計測画像と、校正対象でない計測画像とを表示してもよい。このように、入出力部9は、比較結果生成部74により生成された情報を出力する。
【0058】
<処理の流れ(温度値の取得)>
図6は、本実施の形態における温度値を取得する処理の流れの例について概要を示した図である。まず、参照物体信号処理部72は、各参照物体5に対応する圧電素子が受信した信号(反射波の信号)が最大信号強度になる時刻を特定する(S1)。続いて、参照物体信号処理部72は、圧電素子から参照物体5までの距離と、特定した時刻とに基づいて音速を算出し、当該音速により各参照物体5に対応する温度を算出する(S2)。続いて、参照物体信号処理部72は、算出した温度の分散値を算出する(S3)。また、参照物体信号処理部72は、分散値が閾値未満である場合(S4:Yes)、算出した温度を比較部73へ送出する(S5)。また、参照物体信号処理部72は、算出した分散値が閾値以上である場合(S4:No)、温度ムラがある旨を入出力部9へ送出し、その旨を出力させる(S6)。
【0059】
<処理の流れ(領域情報の生成)>
図7は、本実施の形態における領域情報を生成する処理の流れの例について概要を示した図である。まず、比較部73は、一方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)と、他方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)との差分値(差異を示す情報)を算出する。すなわち、比較部73は、画像1および画像2における参照物体5周囲の領域の温度差を算出する(S11)。続いて、比較結果生成部74は、取得した温度差に応じた表示色で色分けされた領域の情報を生成し、入出力部9が当該情報を出力する(S12)。
【0060】
<処理の流れ(校正画像の生成)>
図8は、本実施の形態における校正画像を生成する処理の流れの例について概要を示した図である。まず、比較部73は、一方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)と、他方の乳房16へ超音波を照射した際における各Temp(n)との差分値(差異を示す情報)を算出する。すなわち、比較部73は、画像1および画像2における参照物体5周囲の領域の温度差を算出する(S21)。続いて、比較結果生成部74は、一方の乳房16を計測した時における各Temp(n)の分散値σと、他方の乳房16を計測した時における各Temp(n)の分散値σとを記憶部8または参照物体信号処理部72から取得する(S22)。他方の乳房16の計測画像(画像2)の分散値の方が大きい場合(S23:Yes)、比較結果生成部74は、画像2を温度差に基づいて校正する(S24)。一方の乳房16の計測画像(画像1)の分散値が、他方の乳房16の計測画像(画像2)の分散値以上である場合(S23:No)、画像1を温度差に基づいて校正する(S25)。
【0061】
<作用効果>
以上説明したように、本発明の一実施の形態である計測装置1では、制御部2が一方の乳房16へ超音波を照射させるようにリングアレイ4の圧電素子を制御すると共に、リングアレイ4の圧電素子から予め定められた距離に位置する参照物体5へ超音波を照射させるように、リングアレイ4の圧電素子を制御する。参照物体信号処理部72は、一方の乳房16へ超音波を照射させた際に、参照物体5へ超音波を照射させた結果(参照物体5周囲の温度情報)を取得する。また、制御部2が他方の乳房16(一方の乳房16に対応する乳房16)へ超音波を照射させるようにリングアレイ4を制御すると共に、リングアレイ4の圧電素子から参照物体5へ超音波を照射させるように、リングアレイ4の圧電素子を制御する。参照物体信号処理部72は、他方の乳房16へ超音波を照射させた際に、参照物体5へ超音波を照射させた結果を取得する。
【0062】
比較部73は、一方の乳房16へ超音波を照射させた際に、参照物体5へ超音波を照射させた結果と、他方の乳房16へ超音波を照射させた際に、参照物体5へ超音波を照射させた結果とを比較する。比較結果生成部74は、比較部73による比較に基づいた情報(例えば、画像1と画像2との温度を比較した情報)を生成し、入出力部9で当該情報を出力する。
【0063】
このように、計測装置1は、比較部73による比較に基づいた情報を出力するので、互いに対応する被検対象(例えば、乳房)を別々に計測した場合に、計測条件(温度)の変化の有無に応じた情報を出力することができる。
【0064】
また、参照物体5の形状が、棒状であるので位置を固定させることができ、置き方による依存性がない。
【0065】
また、参照物体5の材質は、金属、プラスチックの何れかである。この場合、変形しづらいので安定した結果が得られる。
【0066】
また、参照物体信号処理部72は、一方の乳房16へ超音波を照射させた際に、参照物体5へ超音波を照射させたことによる反射波に基づいた結果を取得し、他方の乳房16へ超音波を照射させた際に、参照物体5へ超音波を照射させたことによる反射波に基づいた結果を取得する。この場合、透過波と比較して、被検対象を通過しない分、より正確に計測条件の変化の有無を判断することができる。
【0067】
また、比較結果生成部74は、画像1と画像2との温度の差異を示す情報を出力する。この場合、計測装置1は、乳房16間の結果の違いが疾病により生じたものなのか、あるいは計測間での計測条件の変化により見かけ上異なって見えるのかの違いを判断し得る情報を提供することができる。
【0068】
なお、上述の実施形態では、参照物体5の形態が棒状である場合について述べたが、これに代えて、ゲル状の既知の音響特性を有する固体を用いてもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、参照物体信号処理部72が、参照物体5からの反射波による結果を取得する場合について述べたが、これに代えて参照物体5を通過する透過波による結果を取得するようにしてもよい。
【0070】
また、上述の実施形態では、参照物体5が4つである場合について述べたが、より多くの参照物体5を設けるようにしてもよいし、1つのみ参照物体5を設けるようにしてもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、制御部2および信号処理部7がCPU等を有するコンピュータにより実現する旨記載した。これに代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-programmable Gate Array)等の回路により実現してもよいし、制御部2及び信号処理部7の機能を有するソフトウェアにより実現されてもよい。
【0072】
また、上述の実施形態では、参照物体信号処理部72が、参照物体5へ超音波が照射されたことによる結果(参照物体5からの反射波による結果)として各Temp(n)を算出する場合について述べた。これの代わりに、参照物体信号処理部72は、各参照物体5に照射した際における音速を算出するようにしてもよい。音速と温度との間に依存性があるので、音速を比較しても温度の差異の有無を判断することができる。
【0073】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0074】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実現することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、超音波を照射する計測装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…計測装置、2…制御部、3…水槽、4…リングアレイ、5…参照物体、6…予備タンク、7…信号処理部、8…記憶部、9…入出力部、10…ベッド、15…被検体、16…乳房、20…領域、71…画像信号処理部、72…参照物体信号処理部、73…比較部、74…比較結果生成部。
図1
図2
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図8