(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板と、前記基板上に配置されたアンダーコート層と、前記アンダーコート層上に配置されたパターン状被めっき層と、を有するパターン状被めっき層付きフィルムであって、
前記パターン状被めっき層がめっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を含み、
前記アンダーコート層が、ウレタン樹脂を含み、
前記アンダーコート層は、下記手順で求まる、その表面における硬度が2.7N/mm2以上5N/mm2以下であり、且つ、下記手順で求まる、離形紙との摩擦係数が0.53以上1以下である、パターン状被めっき層付きフィルム。
(表面硬度)
フィッシャーインスツルメンツ社製HM500型皮膜硬度計を用いて先端曲率半径0.2mmの球状圧子をアンダーコート層(膜厚2μm)の表面に接触させ、最大荷重2mN、負荷時間10secの条件でユニバーサル硬度(N/mm2)を測定する。
(摩擦係数)
離形紙を、その離形面がアンダーコート層の表面に接するようにして、力をかけずに乗せる。次いで、その上に100gの分銅を乗せて水平方向に100mm/minの速度で離形紙を動かしたときにかかる荷重を、フォースゲージFGX−2(日本電産シンポ社製)を用いて測定する。摩擦係数は、得られた測定値(荷重)を分銅重さで除すことにより求める。摩擦係数の評価試験では、「離形紙」としてセラピール38BKE(東レ社製)を用いた。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、及び、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及び、EUV光等による露光のみならず、電子線、及び、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
【0014】
〔被めっき層前駆体層付きフィルム〕
本発明の被めっき層前駆体層付きフィルム基板は、基板と、上記基板上に配置されたアンダーコート層と、上記アンダーコート層上に配置された被めっき層前駆体層と、を有し、
上記アンダーコート層は、その表面における硬度(以下「表面硬度」ともいう。)が10N/mm
2以下であり、且つ、離形紙との摩擦係数が5以下である。
【0015】
アンダーコート層の表面硬度は、下記の測定方法によりユニバーサル硬度(N/mm
2)として求める。
(表面硬度)
フィッシャーインスツルメンツ社製HM500型皮膜硬度計を用いて先端曲率半径0.2mmの球状圧子をアンダーコート層(膜厚 2μm)の表面に接触させ、最大荷重2mN、負荷時間10secの条件でユニバーサル硬度(N/mm
2)を測定する。
【0016】
また、アンダーコート層の「摩擦係数」は、下記の測定方法により求める。
(摩擦係数)
離形紙を、その離形面がアンダーコート層の表面に接するようにして、力をかけずに乗せる。次いで、その上に100gの分銅を乗せて水平方向に100mm/minの速度で離形紙を動かしたときにかかる荷重を、フォースゲージFGX−2(日本電産シンポ社製)を用いて測定する。
摩擦係数は、得られた測定値(荷重)を分銅重さで除すことにより求める。
摩擦係数の評価試験では、「離形紙」としてセラピール38BKE(東レ社製)を用いた。
【0017】
本発明の被めっき層前駆体層付きフィルムは、上記構成とすることで、ロールtoロールでの製造性に優れ、且つ、基板との密着性に優れた金属層を形成することができる。
これは、詳細には明らかではないが、以下のように推測される。
本発明の被めっき層前駆体層付きフィルムの特徴は、アンダーコート層の物性値を、表面硬度が10N/mm
2以下、且つ、離形紙との摩擦係数を5以下としている点にある。
本発明者らは、アンダーコート層として特許文献1に記載されるようなエラストマー樹脂を用いたフィルムをロールで搬送し難いことの理由は、上記アンダーコート層がロールと接触した際に変形し、ロールの回転を止めてしまうことにあると推測している。この現象は、特に、エラストマーから形成されたアンダーコート層を基板上に配置したフィルムを、アンダーコート層がロールに接するようにロール搬送した際に生じ易い。また、上記フィルムのアンダーコート層上に更に被めっき層前駆体層を形成したフィルムを被めっき層前駆体層がロールに接するようにロール搬送する際であっても、上記被めっき層前駆体層の膜厚が薄い場合には上記のような搬送不良が生じ易い。これは、被めっき層前駆体層の膜厚が薄い場合は、下層であるアンダーコート層の物性による影響を受けやすいためであると考えられる。
一方で、アンダーコート層は、その上層にパターン状被めっき層を介して金属層が形成される。このため、アンダーコート層をロールとの接触で変形しにくい剛直な材料で形成すると、パターン状被めっき層及び金属層が形成時に生じる応力の緩和がされにくく、パターン状被めっき層とアンダーコート層の界面、及び、パターン状被めっき層と金属層の界面が剥離しやすい傾向にある。つまり、基板上に金属層を良好に密着させることが困難となると考えられる。
本発明者らは、上記知見に基づいて種々の検討を行うことで、アンダーコート層の物性値を、表面硬度が10N/mm
2以下、且つ、離形紙との摩擦係数を5以下とした場合に、アンダーコート層がロールと接触しても変形せず、また金属層の密着性にも優れることを明らかとした。
【0018】
以下、まず、本発明の被めっき層前駆体層付きフィルムの構成について詳述する。
本発明の被めっき層前駆体層付きフィルムは、基板と、上記基板上に配置されたアンダーコート層と、上記アンダーコート層上に配置された被めっき層前駆体層とを有する。
図1は、本発明の被めっき層前駆体層付きフィルムの実施形態の一例を示す断面模式図である。
図1の被めっき層前駆体層付きフィルム10は、基板12と、上記基板12上に配置されたアンダーコート層15と、上記アンダーコート層15上に配置された被めっき層前駆体層30と、を有する。
図1では、基板12の片面にのみアンダーコート層15及び被めっき層前駆体層30を有する構成を示したが、本発明の被めっき層前駆体層付きフィルムは、勿論、基板12の両面にアンダーコート層15及び被めっき層前駆体層30を有する構成であってもよい。
以下、本発明の被めっき層前駆体層付きフィルムを構成する基板、アンダーコート層、及び被めっき層前駆体層について詳述する。
【0019】
<基板>
基板は、2つの主面を有し、後述するパターン状被めっき層を支持するものであれば、その種類は特に制限されない。基板としては、絶縁基板が好ましく、より具体的には、樹脂基板、セラミック基板、及び、ガラス基板等が挙げられる。
樹脂基板の材料としては、例えば、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、又は、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、又は、ポリエチレンナフタレート等)、又は、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。なお、ポリ(メタ)アクリル系樹脂とは、ポリアクリル系樹脂又はポリメタクリル樹脂を意味する。
基板の厚み(mm)は特に制限されないが、取り扱い性及び薄型化のバランスの点から、0.01〜2mmが好ましく、0.02〜0.1mmがより好ましい。
また、基板は、光を適切に透過することが好ましい。具体的には、基板の全光線透過率は、85〜100%であることが好ましい。
また、基板は複層構造であってもよく、例えば、その一つの層として機能性フィルムを含んでいてもよい。なお、基板自体が機能性フィルムであってもよい。機能性フィルムの例としては特に限定はされないが、偏光板、位相差フィルム、カバープラスチック、ハードコートフィルム、バリアフィルム、粘着フィルム、電磁波遮蔽フィルム、発熱フィルム、アンテナフィルム、及び、タッチパネル以外のデバイス用配線フィルム等が挙げられる。
特にタッチパネルと関係する液晶セルに用いられる機能性フィルムの具体例として、偏光板としてはNPFシリーズ(日東電工社製)又はHLC2シリーズ(サンリッツ社製)等、位相差フィルムとしてはWVフィルム(富士フイルム社製)等、カバープラスチックとしてはFAINDE(大日本印刷製)、テクノロイ(住友化学製)、ユーピロン(三菱瓦斯化学製)、シルプラス(新日鐵住金製)、ORGA(日本合成化学製)又はSHORAYAL(昭和電工製)等、ハードコートフィルムとしてはHシリーズ(リンテック社製)、FHCシリーズ(東山フィルム社製)又はKBフィルム(KIMOTO社製)等が挙げられる。これらは、各機能性フィルムの表面上にパターン状被めっき層を形成してもよい。
また、偏光板及び位相差フィルムにおいては、特開2007−26426号公報に記載のようにセルローストリアセテートが用いられることがある。なかでも、めっきプロセスに対する耐性の観点から、セルローストリアセテートをシクロオレフィン(コ)ポリマーに変えて使用することもでき、例えばゼオノア(日本ゼオン製)等が挙げられる。
【0020】
<アンダーコート層>
アンダーコート層の厚みは特に制限されないが、一般的には、0.01〜100μmが好ましく、0.05〜20μmがより好ましく、0.05〜10μmが更に好ましい。
【0021】
アンダーコート層の表面硬度は、10N/mm
2以下であり、8N/mm
2以下であることが好ましく、5N/mm
2以下であることがより好ましい。なお、アンダーコート層の表面硬度は上述の方法により求めることができる。
また、アンダーコート層は、離形紙との摩擦係数が5以下であり、3以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。なお、アンダーコート層の離形紙との摩擦係数は上述の方法により求めることができる。
アンダーコート層の表面硬度、及び離形紙との摩擦係数を上記の数値範囲とすることで、ロールtoロールでの製造性に優れ、且つ、基板との密着性に優れた金属層を形成することができる被めっき層前駆体層付きフィルムが得られる。
【0022】
アンダーコート層は、表面硬度及び離形紙との摩擦係数が所定範囲であれば、その材料は特に制限されないが、ウレタン樹脂を含むことが好ましい。ウレタン樹脂としては、例えば、ジオール化合物とジイソシアネート化合物との反応生成物が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、キシリレングリコール、水添ビスフェノールA、又は、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール等のジオール類が挙げられる。また、これらの化合物のアルキレンオキシド付加物(例えば、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物等)が挙げられる。
これらのなかでも、表面硬度及び離形紙との摩擦係数を所定範囲に調整しやすい観点から、ポリアルキレングリコールが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又は、ポリテトラメチレングリコールがより好ましい。ポリアルキレングリコールにおけるオキシアルキレンの平均付加モル数は、3〜20であることが好ましい。また、ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は、100〜2000であることが好ましい。
ジオール化合物は、1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】
ジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、又は、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、又は、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアネート、又は、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;等が挙げられる。これらの中で、硬化物の透明性が高いという点で、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメタンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物が好ましい。
ジイソシアネート化合物は、1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】
ウレタン樹脂は、例えば、上記ジイソシアネート化合物及びジオール化合物を、非プロトン性溶媒中、公知の触媒を添加し、加熱することにより合成される。合成に使用されるジイソシアネート及びジオール化合物のモル比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1:1.2〜1.2:1が好ましい。
【0025】
また、ウレタン樹脂として光硬化型の材料を用いてもよい。光硬化型ウレタン樹脂としては、ジイソシアネート化合物、ジオール化合物、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから合成されるウレタン(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。なかでも、表面硬度及び離形紙との摩擦係数を所定範囲に調整しやすい観点から、ウレタンジ(メタ)アクリレートであることが好ましく、特に後述の重量平均分子量の範囲のウレタンジ(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましい。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、ジイソシアネート化合物及びジオール化合物としては、上述したものが挙げられ、また好ましい態様も同じである。
【0026】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート(例えば、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート)、又は、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;それらのカプロラクトン変性品又はアルキルオキサイド変性品等に代表されるヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート変性品;ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、又は、グリシジル(メタ)アクリレート等のモノエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物等が挙げられる。これらの中で、表面硬度及び離形紙との摩擦係数を所定範囲に調整しやすい観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
また、ウレタン(メタ)アクリレートを合成する際に、原料成分として上記以外の成分(例えば、反応性希釈モノマー)を更に含んでいてもよい。
反応性希釈モノマーとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;又は、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族系(メタ)アクリレート;が挙げられる。
反応性希釈モノマーとしては、1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
【0028】
ウレタン(メタ)アクリレートは、公知の方法により製造することができる。例えば、ジイソシアネート化合物にジオール化合物を添加して50〜80℃で3〜10時間程度反応させた後、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及び任意の反応希釈モノマーと、ジブチル錫ジラウレート等の触媒と、メチルハイドロキノン等の重合禁止剤とを添加し、更に60〜70℃で3〜12時間程度反応させて合成することができる。
【0029】
ジイソシアネート化合物、ジオール化合物及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの使用割合は、所望の表面硬度及び離形紙との摩擦係数となれば特に限定されないが、0.9≦(ジイソシアネート化合物のイソシアネート基総数)/(ジオール化合物及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのヒドロキシル基総数)≦1.1となるようにするのが好ましい。
【0030】
(重量平均分子量)
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、表面硬度及び離形紙との摩擦係数を所定範囲にしやすい観点から、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法によるポリスチレン換算値として、5,000以上120,000以下であることが好ましく、15,000以上80,000以下であることがより好ましく、30,000以上70,000以下であることが更に好ましい。
GPC法は、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる方法に基づく。
【0031】
アンダーコート層には、他の添加剤(例えば、増感剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、フィラー、粒子、難燃剤、界面活性剤、滑剤、及び、可塑剤等)が含まれていてもよい。
【0032】
<アンダーコート層の形成方法>
基板上にアンダーコート層を形成する方法は特に制限されない。例えば、基板上に上述したウレタン樹脂及び任意で添加される各種成分を含んだ組成物を塗布してアンダーコート層を形成する方法(塗布法)、又は、仮基板上にアンダーコート層を形成して、基板表面に転写する方法(転写法)等が挙げられる。なかでも、厚みの制御がしやすい観点からは、塗布法が好ましい。
以下、塗布法の態様について詳述する。
【0033】
塗布法で使用される組成物は、上述したウレタン樹脂のほか、各種添加剤を少なくとも含むことが好ましい。また、ウレタン樹脂がその構造中に重合性基(例えば、エチレン性不飽和基等)を含有する場合には、組成物は重合開始剤を含有することが好ましい。組成物中、重合開始剤の含有量は特に制限されないが、アンダーコート層の硬化性の点で、組成物全質量に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。重合開始剤としては、後述する被めっき層前駆体層の説明において例示するものを用いることができる。
また、組成物には、取扱い性の点から、溶剤が含まれることが好ましい。使用できる溶剤は特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、グリセリン、又はプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;酢酸等の酸;アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、又はN−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;アセトニトリル、又はプロピオニトリル等のニトリル系溶剤;酢酸メチル、又は酢酸エチル等のエステル系溶剤;ジメチルカーボネート、又はジエチルカーボネート等のカーボネート系溶剤;この他にも、エーテル系溶剤、グリコール系溶剤、アミン系溶剤、チオール系溶剤、又はハロゲン系溶剤等が挙げられる。
このなかでも、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、ニトリル系溶剤、又はカーボネート系溶剤が好ましい。
組成物中の溶剤の含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、50〜98質量%が好ましく、60〜95質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れるほか、層厚の制御等がしやすい。
【0034】
塗布法の場合に、組成物を基板上に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、スピンコート法、ダイコート法、又はディップコート法等)を使用できる。
なお、基板の両面にアンダーコート層を配置する場合には、基板の片面ずつに組成物を塗布してもよいし、組成物中に基板を浸漬して基板の両面に一度に塗布してもよい。
取り扱い性及び製造効率の観点からは、組成物を基板上に塗布し、必要に応じて乾燥処理を行って残存する溶剤を除去して、塗膜を形成する態様が好ましい。
なお、乾燥処理の条件は特に制限されないが、生産性がより優れる点で、室温〜220℃(好ましくは50〜120℃)で、1〜30分間(好ましく1〜10分間)実施することが好ましい。
【0035】
また、アンダーコート層の塗膜が重合性基を含有するウレタン樹脂により形成されている場合には、露光を行うことが好ましい。露光する方法は特に制限されないが、例えば、活性光線又は放射線を照射する方法が挙げられる。活性光線による照射としては、UV(紫外線)ランプ、及び、可視光線等による光照射等が用いられる。光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、及び、カーボンアーク灯等が挙げられる。また、放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、及び、遠赤外線等が挙げられる。塗膜を露光することにより、塗膜中の化合物に含まれる重合性基が活性化され、化合物間の架橋が生じ、層の硬化が進行する。露光エネルギーとしては、10〜8000mJ/cm
2程度であればよく、好ましくは50〜3000mJ/cm
2の範囲である。
【0036】
<被めっき層前駆体層>
被めっき層前駆体層は、後述する露光によってパターン状に硬化されてパターン状被めっき層となる層であり、重合開始剤と、以下の化合物X又は組成物Yと、を少なくとも含むことが好ましい。より具体的には、被めっき層前駆体層は、重合開始剤と化合物Xとを含む層であっても、重合開始剤と組成物Yとを含む層であってもよい。
化合物X:めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基(以後、単に「相互作用性基」とも称する)、及び、重合性基を有する化合物
組成物Y:めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有する化合物、及び、重合性基を有する化合物を含む組成物
以下では、まず、被めっき層前駆体層に含まれる材料について詳述する。
【0037】
(重合開始剤)
重合開始剤としては特に制限はなく、公知の重合開始剤(いわゆる光重合開始剤)等を用いることができる。重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−アミノアルキルフェノン類、ベンゾイン類、ケトン類、チオキサントン類、ベンジル類、ベンジルケタール類、オキスムエステル類、アンソロン類、テトラメチルチウラムモノサルファイド類、ビスアシルフォスフィノキサイド類、アシルフォスフィンオキサイド類、アントラキノン類、若しくは、アゾ化合物等、又は、それらの誘導体を挙げることができる。
【0038】
被めっき層前駆体層中における重合開始剤の含有量は特に制限されないが、被めっき層の硬化性の点で、被めっき層前駆体層全質量に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。
【0039】
(化合物X)
化合物Xは、相互作用性基と重合性基とを有する化合物である。
相互作用性基とは、パターン状被めっき層に付与されるめっき触媒又はその前駆体と相互作用できる官能基を意図し、例えば、めっき触媒又はその前駆体と静電相互作用を形成可能な官能基、又は、めっき触媒又はその前駆体と配位形成可能な含窒素官能基、含硫黄官能基、若しくは、含酸素官能基等を使用することができる。
相互作用性基としてより具体的には、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、及びシアネート基等の含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボン酸基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、及びN−ヒドロキシ構造を含む基等の含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸基、、及びスルホン酸エステル構造を含む基等の含硫黄官能基;ホスフォート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、及び、リン酸エステル構造を含む基等の含リン官能基;塩素原子又は臭素原子等のハロゲン原子を含む基等が挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用することができる。
なかでも、極性が高く、めっき触媒又はその前駆体等への吸着能が高いことから、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びボロン酸基等のイオン性極性基、エーテル基、又はシアノ基が好ましく、カルボン酸基(カルボキシル基)又はシアノ基がより好ましい。
化合物Xには、相互作用性基が2種以上含まれていてもよい。
【0040】
重合性基は、エネルギー付与により、化学結合を形成しうる官能基であり、例えば、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基等が挙げられる。なかでも、反応性がより優れる点から、ラジカル重合性基が好ましい。ラジカル重合性基としては、例えば、アクリル酸エステル基(アクリロイルオキシ基)、メタクリル酸エステル基(メタクリロイルオキシ基)、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、及び、マレイン酸エステル基等の不飽和カルボン酸エステル基のほか、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、及び、メタクリルアミド基等が挙げられる。なかでも、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、及び、メタクリルアミド基が好ましく、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、及び、スチリル基がより好ましい。
化合物X中には、重合性基が2種以上含まれていてもよい。また、化合物X中に含まれる重合性基の数は特に制限されず、1つでも、2つ以上でもよい。
【0041】
上記化合物Xは、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。低分子化合物は分子量が1000未満の化合物を意図し、高分子化合物とは分子量が1000以上の化合物を意図する。
なお、上記重合性基を有する低分子化合物とは、いわゆるモノマー(単量体)に該当する。また、高分子化合物とは、所定の繰り返し単位を有するポリマーであってもよい。
また、化合物としては1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
上記化合物Xがポリマーである場合、ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、溶解性等取扱い性がより優れる点で、1000以上70万以下が好ましく、2000以上20万以下がより好ましい。特に、重合感度の観点から、20000以上であることが更に好ましい。
このような重合性基及び相互作用性基を有するポリマーの合成方法は特に制限されず、公知の合成方法(特許公開2009−280905号の段落[0097]〜[0125]参照)が使用される。
【0043】
≪ポリマーの好適態様1≫
ポリマーの第1の好ましい態様として、下記式(a)で表される重合性基を有する繰り返し単位(以下、適宜重合性基ユニットとも称する)、及び、下記式(b)で表される相互作用性基を有する繰り返し単位(以下、適宜相互作用性基ユニットとも称する)を含む共重合体が挙げられる。
【0045】
上記式(a)及び式(b)中、R
1〜R
5は、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基等)を表す。なお、置換基の種類は特に制限されないが、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、又はフッ素原子等が挙げられる。
なお、R
1としては、水素原子、メチル基、又は、臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R
2としては、水素原子、メチル基、又は、臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R
3としては、水素原子が好ましい。R
4としては、水素原子が好ましい。R
5としては、水素原子、メチル基、又は、臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
【0046】
上記式(a)及び式(b)中、X、Y、及びZは、それぞれ独立して、単結合、又は、置換若しく無置換の2価の有機基を表す。2価の有機基としては、置換若しくは無置換の2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8。例えば、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基等のアルキレン基)、置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12。例えば、フェニレン基)、−O−、−S−、−SO
2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、又はこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、又はアルキレンカルボニルオキシ基等)等が挙げられる。
【0047】
X、Y、及びZとしては、ポリマーの合成が容易で、金属層の密着性がより優れる点で、単結合、エステル基(−COO−)、アミド基(−CONH−)、エーテル基(−O−)、又は置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基が好ましく、単結合、エステル基(−COO−)、又はアミド基(−CONH−)がより好ましい。
【0048】
上記式(a)及び式(b)中、L
1及びL
2は、それぞれ独立して、単結合、又は、置換若しくは無置換の2価の有機基を表す。2価の有機基の定義としては、上述したX、Y、及びZで述べた2価の有機基と同義である。
L
1としては、ポリマーの合成が容易で、金属層の密着性がより優れる点で、脂肪族炭化水素基、又は、ウレタン結合若しくはウレア結合を有する2価の有機基(例えば、脂肪族炭化水素基)が好ましく、なかでも、総炭素数1〜9であるものがより好ましい。なお、ここで、L
1の総炭素数とは、L
1で表される置換又は無置換の2価の有機基に含まれる総炭素数を意味する。
【0049】
また、L
2は、金属層の密着性がより優れる点で、単結合、又は、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、もしくはこれらを組み合わせた基であることが好ましい。なかでも、L
2は、単結合、又は、総炭素数が1〜15であることがより好ましい。なお、2価の有機基は、無置換であることが好ましい。なお、ここで、L
2の総炭素数とは、L
2で表される置換又は無置換の2価の有機基に含まれる総炭素数を意味する。
【0050】
上記式(b)中、Wは、相互作用性基を表す。相互作用性基の定義は、上述の通りである。
【0051】
上記重合性基ユニットの含有量は、反応性(硬化性又は重合性)及び合成の際のゲル化の抑制の点から、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、5〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましい。
また、上記相互作用性基ユニットの含有量は、めっき触媒又はその前駆体に対する吸着性の観点から、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、5〜95モル%が好ましく、10〜95モル%がより好ましい。
【0052】
≪ポリマーの好適態様2≫
ポリマーの第2の好ましい態様としては、下記式(A)、式(B)、及び式(C)で表される繰り返し単位を含む共重合体が挙げられる。
【0054】
式(A)で表される繰り返し単位は上記式(a)で表される繰り返し単位と同じであり、各基の説明も同じである。
式(B)で表される繰り返し単位中のR
5、X及びL
2は、上記式(b)で表される繰り返し単位中のR
5、X及びL
2と同じであり、各基の説明も同じである。
式(B)中のWaは、後述するVで表される親水性基又はその前駆体基を除く、めっき触媒又はその前駆体と相互作用する基を表す。なかでも、シアノ基又はエーテル基が好ましい。
【0055】
式(C)中、R
6は、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
式(C)中、Uは、単結合、又は、置換若しく無置換の2価の有機基を表す。2価の有機基の定義は、上述したX、Y及びZで表される2価の有機基と同義である。Uとしては、ポリマーの合成が容易で、金属層の密着性がより優れる点で、単結合、エステル基(−COO−)、アミド基(−CONH−)、エーテル基(−O−)、又は置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基が好ましい。
式(C)中、L
3は、単結合、又は、置換若しく無置換の2価の有機基を表す。2価の有機基の定義は、上述したL
1及びL
2で表される2価の有機基と同義である。L
3としては、ポリマーの合成が容易で、金属層の密着性がより優れる点で、単結合、又は、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。
【0056】
式(C)中、Vは親水性基又はその前駆体基を表す。親水性基とは親水性を示す基であれば特に限定されず、例えば、水酸基又はカルボン酸基等が挙げられる。また、親水性基の前駆体基とは、所定の処理(例えば、酸又はアルカリにより処理)により親水性基を生じる基を意味し、例えば、THP(2−テトラヒドロピラニル基)で保護したカルボキシル基等が挙げられる。
親水性基としては、めっき触媒又はその前駆体との相互作用の点で、イオン性極性基であることが好ましい。イオン性極性基としては、具体的には、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、又はボロン酸基が挙げられる。なかでも、適度な酸性(他の官能基を分解しない)という点から、カルボン酸基が好ましい。
【0057】
上記ポリマーの第2の好ましい態様における各ユニットの好ましい含有量は、以下の通りである。
式(A)で表される繰り返し単位の含有量は、反応性(硬化性又は重合性)及び合成の際のゲル化の抑制の点から、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、5〜50モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましい。
式(B)で表される繰り返し単位の含有量は、めっき触媒又はその前駆体に対する吸着性の観点から、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、5〜75モル%が好ましく、10〜70モル%がより好ましい。
式(C)で表される繰り返し単位の含有量は、水溶液による現像性と耐湿密着性の点から、ポリマー中の全繰り返し単位に対して、10〜70モル%が好ましく、20〜60モル%がより好ましく、30〜50モル%が更に好ましい。
【0058】
上記ポリマーの具体例としては、例えば、特開2009−007540号公報の段落[0106]〜[0112]に記載のポリマー、特開2006−135271号公報の段落[0065]〜[0070]に記載のポリマー、及び、US2010−080964号の段落[0030]〜[0108]に記載のポリマー等が挙げられる。
このポリマーは、公知の方法(例えば、上記で列挙された文献中の方法)により製造することができる。
【0059】
≪モノマーの好適態様≫
上記化合物がいわゆるモノマーである場合、好適態様の一つとして式(X)で表される化合物が挙げられる。
【0061】
式(X)中、R
11〜R
13は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基が挙げられる。また、置換アルキル基としては、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、又はフッ素原子等で置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基が挙げられる。なお、R
11としては、水素原子、又はメチル基が好ましい。R
12としては、水素原子が好ましい。R
13としては、水素原子が好ましい。
【0062】
L
10は、単結合、又は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8)、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO
2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、又はこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、又はアルキレンカルボニルオキシ基等)等が挙げられる。
置換又は無置換の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、若しくはブチレン基、又は、これらの基が、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、若しくはフッ素原子等で置換されたものが好ましい。
置換又は無置換の芳香族炭化水素基としては、無置換のフェニレン基、又は、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、若しくはフッ素原子等で置換されたフェニレン基が好ましい。
式(X)中、L
10の好適態様の一つとしては、−NH−脂肪族炭化水素基−、又は、−CO−脂肪族炭化水素基−が挙げられる。
【0063】
Wの定義は、式(b)中のWの定義の同義であり、相互作用性基を表す。相互作用性基の定義は、上述の通りである。
式(X)中、Wの好適態様としては、イオン性極性基が挙げられ、カルボン酸基がより好ましい。
【0064】
上記化合物がいわゆるモノマーである場合、好適態様の一つとして式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0066】
式(1)中、Qは、n価の連結基を表し、R
aは、水素原子又はメチル基を表す。nは、2以上の整数を表す。
【0067】
R
aは、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
Qの価数nは、基板と金属層との密着性をより向上させる観点から、2以上であり、2以上6以下であることが好ましく、2以上5以下であることがより好ましく、2以上4以下であることが更に好ましい。
Qで表されるn価の連結基としては、例えば、式(1A)で表される基、式(1B)で表される基、
【0069】
−NH−、−NR(R:アルキル基を表す)−、−O−、−S−、カルボニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、芳香族基、若しくは、ヘテロ環基、又は、これらを2種以上組み合わせた基が挙げられる。
【0070】
式(X)で表される化合物については、特開2013−43946号公報の段落[0019]〜[0034]、及び、特開2013−43945号公報の段落[0070]〜[0080]等の記載を適宜参照することができる。
【0071】
(組成物Y)
組成物Yは、相互作用性基を有する化合物、及び、重合性基を有する化合物を含む組成物である。つまり、被めっき層前駆体層が、相互作用性基を有する化合物、及び、重合性基を有する化合物の2種を含む。相互作用性基及び重合性基の定義は、上述の通りである。
相互作用性基を有する化合物に含まれる相互作用性基の定義は、上述の通りである。このような化合物としては、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。相互作用性基を有する化合物の好適態様としては、上述した式(b)で表される繰り返し単位を有する高分子(例えば、ポリアクリル酸)が挙げられる。なお、相互作用性基を有する化合物には、重合性基は含まれないことが好ましい。
重合性基を有する化合物とは、いわゆるモノマーであり、形成されるパターン状被めっき層の硬度がより優れる点で、2個以上の重合性基を有する多官能モノマーであることが好ましい。多官能モノマーとは、具体的には、2〜6個の重合性基を有するモノマーを使用することが好ましい。反応性に影響を与える架橋反応中の分子の運動性の観点から、用いる多官能モノマーの分子量としては150〜1000が好ましく、200〜700がより好ましい。また、複数存在する重合性基同士の間隔(距離)としては原子数で1〜15であることが好ましく、6以上10以下であることがより好ましい。多官能モノマーとしては、具体的には、上述した式(1)で表される化合物が挙げられる。
重合性基を有する化合物には、相互作用性基が含まれていてもよい。
なお、相互作用性基を有する化合物と重合性基を有する化合物との質量比(相互作用性基を有する化合物の質量/重合性基を有する化合物の質量)は特に制限されないが、形成されるパターン状被めっき層の強度及びめっき適性のバランスの点で、0.1〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましい。
【0072】
被めっき層前駆体層中の化合物X(又は、組成物Y)の含有量は特に制限されないが、被めっき層前駆体層全質量に対して、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、99.5質量%以下が好ましい。
【0073】
被めっき層前駆体層には、上記重合開始剤、及び、化合物X又は組成物Y以外の成分が含まれていてもよい。
例えば、被めっき層前駆体層には、モノマー(但し、上記式(1)で表される化合物を除く)が含まれていてもよい。モノマーが含まれることにより、パターン状被めっき層中の架橋密度等を適宜制御することができる。
使用されるモノマーは特に制限されず、例えば、付加重合性を有する化合物としてはエチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられるほか、開環重合性を有する化合物としてはエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、パターン状被めっき層中の架橋密度を向上する点から、多官能モノマーを使用することが好ましい。多官能モノマーとは、重合性基を2個以上有するモノマーを意味する。具体的には、2〜6個の重合性基を有するモノマーを使用することが好ましい。
【0074】
被めっき層前駆体層には、他の添加剤(例えば、増感剤、硬化剤、重合禁止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、フィラー、粒子、難燃剤、界面活性剤、滑剤、又は可塑剤等)を必要に応じて添加してもよい。
【0075】
<被めっき層前駆体層の形成方法>
上記基板上のアンダーコート層の表面に被めっき層前駆体層を形成する方法は特に制限されず、基板上のアンダーコート層の表面に上述した各種成分を含む組成物を塗布して被めっき層前駆体層を形成する方法(塗布法)、又は、仮基板上に被めっき層前駆体層を形成して、基板上のアンダーコート層の表面に転写する方法(転写法)等が挙げられる。なかでも、厚みの制御がしやすい観点からは、塗布法が好ましい。
以下、塗布法の態様について詳述する。
【0076】
塗布法で使用される組成物には、上述した重合開始剤、及び、化合物X又は組成物Yが少なくとも含まれることが好ましい。必要に応じて、上述した他の成分が含まれていてもよい。
なお、組成物には、取扱い性の点から、溶剤が含まれることが好ましい。使用できる溶剤は特に限定されず、例えば、上述したアンダーコート層の形成に際して用いられる溶剤を使用することができる。組成物中の溶剤の含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、50〜98質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れるほか、層厚の制御等がしやすい。
【0077】
塗布法の場合に、組成物を基板上に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、スピンコート法、ダイコート法、又はディップコート法等)を使用できる。
なお、基板の両面に被めっき層前駆体層を配置する場合には、基板の片面ずつに組成物を塗布してもよいし、組成物中に基板を浸漬して基板の両面に一度に塗布してもよい。
取り扱い性及び製造効率の観点からは、組成物を基板上に塗布し、必要に応じて乾燥処理を行って残存する溶剤を除去して、被めっき層前駆体層を形成する態様が好ましい。
なお、乾燥処理の条件は特に制限されないが、生産性がより優れる点で、室温〜220℃(好ましくは50〜120℃)で、1〜30分間(好ましく1〜10分間)実施することが好ましい。
【0078】
被めっき層前駆体層の厚みは特に制限されないが、0.01〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.1〜5μmが更に好ましい。
【0079】
〔導電性フィルム〕
次に、本発明の導電性フィルムの構成について詳述し、これに併せて本発明の導電性フィルムの製造方法、並びに、本発明のパターン状被めっき層付きフィルム及びその製造方法についても詳述する。
本発明の導電性フィルムは、基板と、上記基板上に配置されたアンダーコート層と、上記アンダーコート層上に配置されたパターン状被めっき層と、めっき処理によりパターン状被めっき層表面に積層された金属層とを有する。
図2は、本発明の導電性フィルムの実施形態の一例を示す断面模式図である。
図2の導電性フィルム100は、基板12と、基板12上に配置されたアンダーコート層15と、アンダーコート層15上に配置されたパターン状被めっき層20と、めっき処理によりパターン状被めっき層20の表面に配置された金属層22とを有する。
以下、本発明の導電性フィルムについて、導電性フィルム100の製造方法を一例として図面を参照しながら説明する。また、併せて、本発明の被めっき層前駆体層付きフィルムの製造方法、及び、本発明のパターン状被めっき層付きフィルムの製造方法についても説明する。なお、本発明の実施形態は、以下に示した態様に限られるものではない。
【0080】
本発明の導電性フィルムは、下記の工程1、工程2及び工程3を有する製造方法により作製することができる。
工程1:基板上に、基板側からアンダーコート層を形成し、このアンダーコート層上に被めっき層前駆体層を形成する、被めっき層前駆体層付きフィルム形成工程、
工程2:被めっき層前駆体層にパターン露光を施しパターン状に硬化することでパターン状被めっき層を形成する、パターン状被めっき層付きフィルム形成工程、
工程3:めっき処理によりパターン状被めっき層上に金属層を形成する、金属層形成工程(導電フィルム形成工程)
【0081】
[工程1:被めっき層前駆体層付きフィルム形成工程]
工程1は、基板上に、アンダーコート層と被めっき層前駆体層とを基板側からこの順に積層形成して被めっき層前駆体層付きフィルムを形成する工程である。つまり、
図1に示すような被めっき層前駆体層付きフィルム10を形成する工程である。
工程1では、まず、基板12上にアンダーコート層15を形成し、このアンダーコート層15の上に被めっき層前駆体層(未露光の塗膜)30を配置する。アンダーコート層15は、例えば、基板12上に上述した塗布法等により塗膜を形成した後、必要に応じて露光等で硬化することにより形成される。
【0082】
[工程2:パターン状被めっき層付きフィルム形成工程]
工程2は、被めっき層前駆体層の塗膜に対してパターン状に露光を行い、パターン状被めっき層を基板上に形成する工程である。より具体的には、
図3Aに示すように、被めっき層前駆体層付きフィルム10を構成する被めっき層前駆体層30に対してフォトマスク25を介して黒矢印で示すようにパターン状に露光することにより重合性基の反応を促進させて硬化し、その後、未露光領域を除去してパターン状被めっき層20を得る工程(
図3B)である。
上記工程によって形成されるパターン状被めっき層付きフィルム50のパターン状被めっき層20は、相互作用性基の機能に応じて、後述する工程3でめっき触媒又はその前駆体を吸着(付着)する。つまり、パターン状被めっき層20は、めっき触媒又はその前駆体の良好な受容層として機能する。また、重合性基は、露光による硬化処理によって化合物同士の結合に利用され、硬さに優れたパターン状被めっき層を得ることができる。
【0083】
基板上の被めっき層前駆体層30にパターン状に露光する方法は特に制限されないが、例えば、活性光線又は放射線を照射する方法が挙げられる。活性光線による照射としては、UV(紫外線)ランプ、及び、可視光線等による光照射等が用いられる。光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、及び、カーボンアーク灯等が挙げられる。また、放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、及び、遠赤外線等が挙げられる。
基板上の塗膜にパターン状に露光する具体的な態様としては、赤外線レーザによる走査露光、マスクを用いたキセノン放電灯等の高照度フラッシュ露光、又は、マスクを用いた赤外線ランプ露光等が好適に挙げられる。塗膜を露光することにより、塗膜中の化合物に含まれる重合性基が活性化され、化合物間の架橋が生じ、層の硬化が進行する。露光エネルギーとしては、10〜8000mJ/cm
2程度であればよく、好ましくは50〜3000mJ/cm
2の範囲である。
【0084】
次に、被めっき層前駆体層30中の未露光領域を除去して、パターン状被めっき層20を形成する。
上記除去方法は特に制限されず、使用される化合物によって適宜最適な方法が選択される。例えば、アルカリ性溶液(好ましくはpH:13.0〜13.8)を現像液として用いる方法が挙げられる。アルカリ性溶液を用いて、未露光領域を除去する場合は、露光された塗膜を有する基板を溶液中に浸漬させる方法(浸漬方法)、又は、露光された塗膜を有する基板上に現像液を塗布する方法(塗布方法)等が挙げられるが、浸漬方法が好ましい。浸漬方法の場合、浸漬時間としては生産性及び作業性等の観点から、1〜30分程度が好ましい。
また、他の方法としては、使用される化合物が溶解する溶剤を現像液とし、それに浸漬する方法が挙げられる。
【0085】
<パターン状被めっき層>
パターン状被めっき層とは、上述した相互作用性基を含む層である。後述するように、パターン状被めっき層にはめっき処理が施される。
上記処理により形成されるパターン状被めっき層の厚みは特に制限されないが、生産性の点から、0.01〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.3〜1.0μmが更に好ましい。
パターン状被めっき層のパターン形状は特に制限されず、後述する金属層を形成したい場所にあわせて調整され、例えば、メッシュパターン等が挙げられる。メッシュパターンの場合、メッシュパターン内の格子(開口部)の一辺の長さWは、800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、50μm以上が好ましく、400μm以上がより好ましい。なお、格子の形状は特に制限されず、略ひし形の形状、又は、多角形状(例えば、三角形、四角形、又は、六角形)としてもよい。また、一辺の形状を直線状の他、湾曲形状でもよいし、円弧状にしてもよい。
また、パターン状被めっき層の線幅は特に制限されないが、パターン状被めっき層上に配置される金属層の低抵抗性の点から、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、9μm以下が特に好ましく、7μm以下が最も好ましい。一方、その下限は、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。
【0086】
[工程3:金属層形成工程]
工程3は、上記工程2で形成されたパターン状被めっき層にめっき触媒又はその前駆体を付与して、めっき触媒又はその前駆体が付与されたパターン状被めっき層に対してめっき処理を行い、パターン状被めっき層上に金属層を形成する工程である。
図3Cに示すように、本工程を実施することによりパターン状被めっき層20上に金属層22が配置され、導電性フィルム100が得られる。
以下では、パターン状被めっき層にめっき触媒又はその前駆体を付与する工程(工程3−1)と、めっき触媒又はその前駆体が付与されたパターン状被めっき層に対してめっき処理を行う工程(工程3−2)とに分けて説明する。
【0087】
(工程3−1:触媒付与工程)
本工程では、まず、パターン状被めっき層にめっき触媒又はその前駆体を付与する。上述した、パターン状被めっき層中に含まれる相互作用性基が、その機能に応じて、付与されためっき触媒又はその前駆体を付着(吸着)する。より具体的には、パターン状被めっき層中及びパターン状被めっき層表面上に、めっき触媒又はその前駆体が付与される。
めっき触媒又はその前駆体は、めっき処理の触媒又は電極として機能するものである。そのため、使用されるめっき触媒又はその前駆体の種類は、めっき処理の種類により適宜決定される。
なお、用いられるめっき触媒又はその前駆体は、無電解めっき触媒又はその前駆体であることが好ましい。
【0088】
本工程において用いられるめっき触媒は、めっき時の活性核となるものであれば、如何なるものも用いることができる。具体的には、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)等が挙げられる。具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Pt、Au、又は、Co等が挙げられる。なかでも、触媒能の高さから、Ag、Pd、Pt、又は、Cuが特に好ましい。
このめっき触媒としては、金属コロイドを用いてもよい。
本工程において用いられるめっき触媒前駆体とは、化学反応によりめっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には、上記めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応によりめっき触媒である0価金属になる。めっき触媒前駆体である金属イオンはパターン状被めっき層へ付与された後、めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させてめっき触媒としてもよい。また、めっき触媒前駆体のままめっき浴に浸漬し、めっき浴中の還元剤により金属(めっき触媒)に変化させてもよい。
金属イオンは、金属塩を用いてパターン状被めっき層に付与することが好ましい。使用される金属塩としては、適切な溶剤に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO
3)
n、MCl
n、M
2/n(SO
4)、及び、M
3/n(PO
4)(Mは、n価の金属原子を表す)等が挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、及び、Pdイオンが挙げられ、なかでも、多座配位可能なものが好ましく、配位可能な官能基の種類数及び触媒能の点で、Agイオン又はPdイオンがより好ましい。
【0089】
金属イオンをパターン状被めっき層に付与する方法としては、例えば、金属塩を適切な溶剤で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液を調製し、その溶液をパターン状被めっき層上に塗布するか、又は、その溶液中にパターン状被めっき層が形成された基板を浸漬すればよい。
上記溶剤としては、水又は有機溶剤が適宜使用される。有機溶剤としては、パターン状被めっき層に浸透しうる溶剤が好ましく、例えば、アセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、アセトフェノン、2−(1−シクロヘキセニル)シクロヘキサノン、プロピレングリコールジアセテート、トリアセチン、ジエチレングリコールジアセテート、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネート、及び、ジメチルセロソルブ等を用いることができる。
【0090】
溶液中のめっき触媒又はその前駆体の濃度は特に制限されないが、0.001〜50質量%であることが好ましく、0.005〜30質量%であることがより好ましい。
また、接触時間としては、30秒〜24時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
【0091】
パターン状被めっき層のめっき触媒又はその前駆体の吸着量に関しては、使用するめっき浴種、触媒金属種、パターン状被めっき層の相互作用性基種、及び、使用方法等により異なるが、めっきの析出性の観点から、5〜1000mg/m
2が好ましく、10〜800mg/m
2がより好ましく、20〜600mg/m
2が更に好ましい。
【0092】
(工程3−2:めっき処理工程)
次に、めっき触媒又はその前駆体が付与されたパターン状被めっき層に対してめっき処理を行う。
めっき処理の方法は特に制限されず、例えば、無電解めっき処理、又は、電解めっき処理(電気めっき処理)が挙げられる。本工程では、無電解めっき処理を単独で実施してもよいし、無電解めっき処理を実施した後に更に電解めっき処理を実施してもよい。
なお、本明細書においては、いわゆる銀鏡反応は、上記無電解めっき処理の一種として含まれる。よって、例えば、銀鏡反応等によって、付着させた金属イオンを還元させて、所望のパターン状の金属層を形成してもよく、更にその後電解めっき処理を実施してもよい。
以下、無電解めっき処理、及び、電解めっき処理の手順について詳述する。
【0093】
無電解めっき処理とは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解めっき処理は、例えば、金属イオンが付与されたパターン状被めっき層を備える基板を、水洗して余分な金属イオンを除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。なお、無電解めっき浴中において、金属イオンの還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。
パターン状被めっき層中の金属イオンの還元は、上記のような無電解めっき液を用いる態様とは別に、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき処理前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、金属イオンを0価金属に還元できる還元剤を溶解した液で、液全体に対する還元剤の濃度が0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム又はジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、及び、次亜リン酸等を使用することが可能である。
浸漬の際には、攪拌又は揺動を加えながら浸漬することが好ましい。
【0094】
一般的な無電解めっき浴の組成としては、溶剤(例えば、水)の他に、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤等の公知の添加剤が含まれていてもよい。
無電解めっき浴に用いられる有機溶剤としては、水に可能な溶剤である必要があり、その点から、アセトン等のケトン類、又は、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類が好ましい。無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、銀、パラジウム、及び、ロジウムが知られており、なかでも、導電性の観点からは、銅、銀、又は、金が好ましく、銅がより好ましい。また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加剤が選択される。
無電解めっき浴への浸漬時間としては、1分〜6時間程度であることが好ましく、1分〜3時間程度であることがより好ましい。
【0095】
電解めっき処理とは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、電流によって金属を析出させる操作のことをいう。
なお、上述したように、本工程においては、上記無電解めっき処理の後に、必要に応じて、電解めっき処理を行うことができる。このような態様では、形成されるパターン状の金属層の厚みを適宜調整可能である。
電解めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、電解めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、及び、亜鉛等が挙げられ、導電性の観点から、銅、金、又は、銀が好ましく、銅がより好ましい。
また、電解めっきにより得られる金属層の膜厚は、めっき浴中に含まれる金属濃度、又は、電流密度等を調整することで制御することができる。
【0096】
上記手順によって形成される金属層の厚みは特に制限されず、使用目的に応じ適宜最適な厚みが選択されるが、導電特性の点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1〜30μmであることが更に好ましい。
また、金属層を構成する金属の種類は特に制限されず、例えば、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、及び、亜鉛等が挙げられ、導電性の観点から、銅、金、又は、銀が好ましく、銅又は銀がより好ましい。
金属層のパターン形状は特に制限されないが、金属層はパターン状被めっき層上に配置されるため、パターン状被めっき層のパターン形状によって調整され、例えば、メッシュパターン等が挙げられる。メッシュパターンの金属層は、タッチパネル中のセンサー電極として好適に適用することができる。金属層はパターン形状がメッシュパターンの場合、メッシュパターン内の格子(開口部)の一辺の長さWの範囲、格子の形状の好適態様、及び、金属層の線幅は、上述したパターン状被めっき層の態様と同じである。
【0097】
〔用途〕
上記処理により得られた金属層を有する導電性フィルムは、種々の用途に適用でき、タッチパネル(又は、タッチパネルセンサー)、半導体チップ、各種電気配線板、FPC(Flexible printed circuits)、COF(Chip on Film)、TAB(Tape Automated Bonding)、アンテナ、多層配線基板、及び、マザーボード等の種々の用途に適用することができる。なかでも、タッチパネルセンサー(静電容量式タッチパネルセンサー)に用いることが好ましい。上記導電性積層体をタッチパネルセンサーに適用する場合、導電性フィルム中の金属層がタッチパネルセンサー中の検出電極又は引き出し配線として機能する。
なお、本明細書においては、タッチパネルセンサーと、各種表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置)を組み合わせたものを、タッチパネルと呼ぶ。タッチパネルとしては、いわゆる静電容量式タッチパネルが好ましく挙げられる。
【実施例】
【0098】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0099】
<比較例1>
(被めっき層形成用組成物の調液)
以下の成分を混合して、被めっき層形成用組成物を得た。
・イソプロパノール 94.9質量部
・ポリアクリル酸(和光純薬社製) 3質量部
・メチレンビスアクリルアミド(和光純薬社製) 2質量部
・IRGACURE127(BASF社製) 0.1質量部
【0100】
(被めっき層前駆体層付きフィルムの作製)
まず、ロール状の厚み50μmのPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム(商品名「A4300」、東洋紡社製)の片面に、MT1007(日本ペイント社製)を乾燥後の膜厚が2μmになるように塗布した後、更にこれを80℃にて1分間乾燥することにより塗膜を形成した。次いで、メタルハライドのUV(ultraviolet)ランプを用いて上記塗膜を0.5J/cm
2の露光量で光照射して硬化させることにより、アンダーコート層1を形成した。なお、後述する硬度評価及び摩擦係数評価は、このアンダーコート層1を基板上に有するフィルムを対象として実施した。そして、上記アンダーコート層1にラミネートフィルム(商品名「PAC2−50−THK」、サンエー化研社製)を貼り合わせた後、ロールに巻き取った。
【0101】
上記で作製したPETフィルムの片面にアンダーコート層1とラミネートフィルムを有するフィルムをロールから巻き出し、PETフィルムの反対面(つまりアンダーコート層1とラミネートフィルムとが配置されていない側の面)にも、MT1007(日本ペイント社製)を乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布し、更にこれを80℃にて1分間乾燥することにより塗膜を形成した。次いで、メタルハライドのUVランプを用いて上記塗膜を0.5J/cm
2の露光量で光照射して硬化させることによりアンダーコート層2を形成した。上記の工程を経て作製した、アンダーコート層1、アンダーコート層2、及びラミネートフィルムを積層したフィルムをロールに巻き取った。
【0102】
次に、ラミネートフィルムを貼っていない方の面(つまり、アンダーコート層2の表面)に、被めっき層形成用組成物を乾燥後の膜厚が0.6μmになるように塗布した後、更にこれを80℃にて1分間乾燥することにより被めっき層前駆体層2の塗膜を形成した。次いで、上述の被めっき層前駆体層2が形成されたフィルムをロールに巻き取った。
【0103】
最後に、被めっき層前駆体層2が形成されたフィルムを、ラミネートフィルムを剥がしながらロールから送り出し、ラミネートフィルムを剥がした面(つまり、アンダーコート層1の表面)に被めっき層形成用組成物を乾燥後の膜厚が0.6μmになるように塗布し、更にこれを80℃にて1分間乾燥することにより被めっき層前駆体層1の塗膜を形成した。次いで、上記被めっき層前駆体層1の塗膜にラミネートフィルムを貼り合わせながら、これをロールに巻き取り、被めっき層前駆体層付きフィルムR―1を得た。
なお、上記ロールtoロールにより被めっき層前駆体層付きフィルムR−1を製造する際には、PETフィルムの搬送途中で、PETフィルム上のアンダーコート層1及び2と接触するローラーも存在する。
【0104】
(導電性フィルムの作製)
作製した被めっき層前駆体層付きフィルムR―1を150mm角に切断した。次いで、切断した被めっき層前駆体層付きフィルムR―1の被めっき層前駆体層2に対して、導電パターンを付与した150mm角のマスク越しに高圧水銀ランプを用いて1J/cm
2照射した。その後、40℃の水をシャワー状に2分間噴霧してパターン状に現像することにより、パターン状被めっき層付きフィルムR2−1を得た。
次に、得られたパターン状被めっき層付きフィルムR2−1を、上村工業社製のPd触媒付与液「MAT」の「MAT−A液」のみを4倍に薄めたPdイオン付与液に5分間浸漬させ、浸漬後、パターン状被めっき層付きフィルムR2−1を洗浄した。その後、得られたパターン状被めっき層付きフィルムR2−1を上村工業のPd還元剤「MAB」に5分間浸漬した。次いで、浸漬後のパターン状被めっき層付きフィルムR2−1を、上村工業社製のめっき液「PEA」に5分間浸漬することにより被めっき層上にパターン状に銅を析出させて、導電性フィルムR3−1を得た。
【0105】
<比較例2>
まず、ロール状の厚み50μmのPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム(商品名「A4300」、東洋紡社製)の片面に、HNBR(水素添加ニトリルゴム、Zetpole0020:日本ゼオン製)をシクロヘキサノンに10質量%溶解させた組成物を乾燥後の膜厚が2μmになるように塗布した後、更にこれを80℃にて1分間乾燥することにより塗膜を形成した。次いで、メタルハライドのUV(ultraviolet)ランプを用いて上記塗膜を0.5J/cm
2の露光量で光照射して硬化させることにより、アンダーコート層1を形成した。
得られた基板上にアンダーコート層1が形成されたフィルムを、アンダーコート層1がローラー面側となるようにしてロール搬送したところ、ローラーに接触すると滑らないためにヨレが生じ、ロールが回転しなかった。つまり、ロールハンドリングすることができなかった。
【0106】
<実施例1〜7、比較例3〜6>
(実施例1)
表1に示す組成比に基づいて、ジオール化合物(表中、「ジオール成分」)としてポリエチレングリコール(PEG Mw(重量平均分子量):400 東京化成工業社製)及びエトキシ化イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA−EO付加 Aldrich社製)と、ジイソシアネート化合物(表中、「ジイソシアネート成分」)としてイソホロンジイソシアネート(IPDI 和光純薬社製)をメチルエチルケトンに溶解させて60℃で5時間攪拌した。
【0107】
次いで、得られた組成物に、更に表1に示す組成比に基づいて架橋成分としてヒドロキシブチルアクリレート(HBA 東京化成工業製)と、触媒としてジラウリン酸ジブチル錫(固形成分に対する質量比0.1% 和光純薬社製)を加え、更に5時間攪拌した。
得られた重合物に開始剤としてIrgacure2959(固形成分に対する質量比1% BASF社製)を加え、添加剤としてポリジメチルシロキサン(重量平均分子量770、固形成分に対する質量比0.1%、Alfa Aesar社製)を加えてアンダーコート材料1とした。
表1に、上記アンダーコート材料1の組成をまとめて示す。なお、溶剤は、アンダーコート材料1の組成物全質量が100質量部となるように添加し、更にメチルエチルケトンとPGMEA(propyleneglycol monomethyl ether acetate)の配合比(質量比)が7:3となるように調製した。
【0108】
上記比較例1の被めっき層前駆体層付きフィルムR―1の作製において、MT1007(日本ペイント社製)の代わりに、上記アンダーコート材料1を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムT―1を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムT2−1、導電性フィルムT3−1を得た。
【0109】
(実施例2)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料2を調製した。また、上記アンダーコート材料2を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムT―2を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムT2−2、導電性フィルムT3−2を得た。
【0110】
(実施例3)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料3を調製した。また、上記アンダーコート材料3を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムT―3を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムT2−3、導電性フィルムT3−3を得た。
【0111】
(実施例4)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料4を調製した。また、上記アンダーコート材料4を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムT―4を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムT2−4、導電性フィルムT3−4を得た。
【0112】
(実施例5)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料5を調製した。また、上記アンダーコート材料5を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムT―5を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムT2−5、導電性フィルムT3−5を得た。
【0113】
(実施例6)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料6を調製した。また、上記アンダーコート材料6を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムT―6を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムT2−6、導電性フィルムT3−6を得た。
【0114】
(実施例7)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料7を調製した。また、上記アンダーコート材料7を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムT―7を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムT2−7、導電性フィルムT3−7を得た。
【0115】
(比較例3)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料8を調製した。また、上記アンダーコート材料8を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムR−3を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムR2−3、導電性フィルムR3−3を得た。
【0116】
(比較例4)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料9を調製した。また、上記アンダーコート材料9を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムR−4を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムR2−4、導電性フィルムR3−4を得た。
【0117】
(比較例5)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料10を調製した。また、上記アンダーコート材料10を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムR−5を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムR2−5、導電性フィルムR3−5を得た。
【0118】
(比較例6)
表1に記載の成分とした以外は上記アンダーコート材料1と同様の方法により、アンダーコート材料11を調製した。また、上記アンダーコート材料11を用いてアンダーコート層1及びアンダーコート層2(それぞれ乾燥後の膜厚が2μm)を作製した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムR−6を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムR2−6、導電性フィルムR3−6を得た。
【0119】
以下、表1を示す。
表1中、各成分の配合量は「質量部」を基準とする。また、溶剤は、アンダーコート材料1の組成物全質量が100質量部となるように添加し、更にメチルエチルケトンとPGMEAの配合比(質量比)が7:3となるように調製した。
また、アンダーコート材料1〜7の各ウレタン(メタ)アクリレートは、重量平均分子量は30,000〜70,000の範囲内であった。
【0120】
【表1】
【0121】
以下に、表1中の各成分を示す。
・ジオール成分
ポリエチレングリコール(PEG Mw:400 東京化成工業社製)
ポリエチレングリコール(PEG Mw:1000 東京化成工業社製)
ポリテトラメチレンオキシド(PTMO Mw:650和光純薬社製)
エトキシ化イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA−EO付加 Aldrich社製)
・ジイソシアネート成分
イソホロンジイソシアネート(IPDI 和光純薬社製)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI 東京化成工業社製)
・架橋成分
ヒドロキシエチルアクリレート(HEA 東京化成工業社製)
ヒドロキシブチルアクリレート(HBA 東京化成工業社製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA Aldrich社製)
・触媒
ジラウリン酸ジブチル錫(和光純薬社製)
・重合開始剤
Irgacure2959(BASF社製)
・添加剤
ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量770、Alfa Aesar社製)
【0122】
<比較例7>
上記アンダーコート層1及びアンダーコート層2を設けず、PETフィルム(商品名「A4300」、東洋紡社製)の両面に、被めっき層形成用組成物からなる被めっき層前駆体層1及び被めっき層前駆体層2を直接形成した以外は、比較例1と同様の方法により被めっき層前駆体層付きフィルムR−7を作製した。また、比較例1と同様の方法によりパターン状被めっき層付きフィルムR2−7、導電性フィルムR3−7を得た。
【0123】
[評価]
上記で得られた実施例及び比較例の各被めっき層前駆体層付きフィルム、パターン状被めっき層付きフィルム、又は導電性フィルムを用いて、下記に示す評価を行った。
【0124】
(硬度評価)
アンダーコート層1が形成された基板に対して硬度評価を実施した。
具体的には、フィッシャーインスツルメンツ社製HM500型皮膜硬度計を用いて先端曲率半径0.2mmの球状圧子を上記アンダーコート層1の表面に接触させ、最大荷重2mN、負荷時間10secの条件でユニバーサル硬度(N/mm
2)を測定した。結果を表2に示す。
【0125】
(摩擦係数評価)
アンダーコート層1が形成された基板に対して摩擦係数評価を実施した。
具体的には、まず、離形紙であるセラピール38BKE(東レ社製)を、その離形面が上記アンダーコート層1の表面に接するようにして、力をかけずに乗せた。次いで、その上に100gの分銅を乗せて水平方向に100mm/minの速度でセラピールを動かしたときにかかる荷重を、フォースゲージFGX−2(日本電産シンポ社製)を用いて測定した。摩擦係数は、上記の測定値(荷重)を分銅重さで除すことにより求めた。結果を表2に示す。
【0126】
(ロールハンドリング性)
上述した比較例1のロールtoロール方法により被めっき層前駆体層付きフィルムを製造できる場合を「A」、製造できない場合を「B」とした。結果を表2に示す。
【0127】
(アルカリ耐性評価)
作製したパターン状被めっき層付きフィルムを30℃、pH13.5の水酸化ナトリウム水溶液に15分浸漬させ、パターン状被めっき層の状態を光学顕微鏡で観察することにより、アルカリ耐性の評価を実施した。アルカリ耐性の評価は、以下の基準により行った。結果を表2に示す。
「A」:パターン状被めっき層の状態が変化しなかった。
「B」:パターン状被めっき層の剥がれは観察されないが、色味が変化した。
「C」:パターン状被めっき層の剥がれが観察された。
【0128】
(密着性評価)
作製した導電性フィルムのパターン状の金属層にニチバン製密着試験用テープCT―24を貼りつけて十分に密着させた後、上記試験用テープを一気に剥離させることにより、密着性試験を実施した。密着性の評価は、以下の基準により行った。結果を表2に示す。
「A」:金属層の剥離が観察されなかった。
「B」:パターンの面積中、10%未満の範囲で剥離が観察された。
「C」:パターンの面積中、10%以上の範囲で剥離が観察された。
【0129】
【表2】
【0130】
実施例1〜7の被めっき層前駆体層付きフィルムは、いずれもロールtoロールでの製造性に優れていることが確認された。また、実施例1〜7のパターン状被めっき層フィルムは、アルカリ耐性にも優れていることが確認された。銅めっき液等のめっき液は高アルカリ性であるため、アルカリ耐性に優れるということはめっき液に対する耐性に優れることを意味する。また、実施例1〜7の導電性フィルムのパターン状の金属層は、めっき後の密着性に優れている、言い換えると金属層と基板との密着性にも優れていることが確認された。
【0131】
一方、比較例の被めっき層前駆体層付きフィルムは、所望の性能を満たさなかった。
【0132】
(タッチパネルとしての駆動)
上記で作製したT3−1〜T3−7の導電性フィルムの金属層のパターン形状をタッチパネル用の配線パターンとした導電性フィルムを作製し、タッチパネルとして反応するかどうか確認したところ、いずれも問題なく反応した。