(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804990
(24)【登録日】2020年12月7日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】より均一なエッジパージを有する基板支持体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20201214BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20201214BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20201214BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20201214BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
H01L21/68 P
C23C16/458
C23C16/44 J
H01L21/302 101R
H01L21/31 B
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-575739(P2016-575739)
(86)(22)【出願日】2015年6月5日
(65)【公表番号】特表2017-527984(P2017-527984A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】US2015034335
(87)【国際公開番号】WO2016003599
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2018年5月30日
(31)【優先権主張番号】62/020,893
(32)【優先日】2014年7月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/476,238
(32)【優先日】2014年9月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ ジャレパリ
(72)【発明者】
【氏名】マツシタ トモハル
(72)【発明者】
【氏名】カマス アラヴィンド ミヤー
(72)【発明者】
【氏名】ユエン シャオション
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ チェン−ション マシュー
(72)【発明者】
【氏名】コッパ マンジュナタ
【審査官】
杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−093894(JP,A)
【文献】
特開2001−203163(JP,A)
【文献】
特開2011−228745(JP,A)
【文献】
特表2002−513091(JP,A)
【文献】
特開2001−351967(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0136520(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第01081744(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0021673(US,A1)
【文献】
米国特許第06464795(US,B1)
【文献】
米国特許第06494955(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0162260(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/67−21/683
H01L 21/86
C23C 16/00−16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するための第1のプレートであり、前記第1のプレートの裏側に配置された1つまたは複数の真空溝及び複数のパージガスチャネルを有する、第1のプレートと、
前記第1のプレートの真下に配置された、前記第1のプレートを支持する第2のプレートと、
前記第1のプレートを取り囲む、前記第2のプレートの上方に配置されたエッジリングと、
を備える基板支持体であって、
前記複数のパージガスチャネルが前記第1のプレートの中央部分の単一の入り口から周辺部の複数の出口へ延在し、
前記複数のパージガスチャネルが前記複数の出口に広がり、
前記複数のパージガスチャネルが実質的に等しい流動コンダクタンスを有し、
前記複数のパージガスチャネルの各々が、前記単一の入り口と前記複数の出口の間で複数回分岐する、
基板支持体。
【請求項2】
前記複数のパージガスチャネルが前記中央部分において第1の断面積、および前記周辺部で第2の断面積を有する、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記第2の断面積が前記周辺部でチョークドフロー条件を生成するように前記第1の断面積よりも小さい、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記エッジリングが前記エッジリングと前記第1のプレートとの間に流路を生成するように前記第1のプレートから離隔されている、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記第1のプレートの前記周辺部が前記エッジリングの内側部分に対応するように成形されている、請求項4に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記エッジリングおよび前記第1のプレートの前記周辺部が前記エッジリングと前記第1のプレートの前記周辺部との間にチョークドフロー経路を画成する、請求項5に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記第2のプレートが複数の加熱ゾーンを提供するように前記第2のプレートに埋め込まれた複数の加熱素子を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の基板支持体。
【請求項8】
前記第1のプレートが、
前記第1のプレートの上部に形成された複数のチャネルと、
前記1つまたは複数の真空溝を前記複数のチャネルに流体結合するように前記第1のプレートを貫いて配置された1つまたは複数の開口部と、
をさらに備える、請求項1から5までのいずれか1項に記載の基板支持体。
【請求項9】
内部容積を画成するチャンバ本体と、
前記内部容積にプロセスガスを提供する1つまたは複数のガス入り口と、
前記1つまたは複数のガス入り口の反対側の前記内部容積内に配置された基板支持体であって、請求項1から8までのいずれか1項に規定されるような基板支持体と、
を備える、プロセスチャンバ。
【請求項10】
前記1つまたは複数のガス入り口に前記プロセスガスを提供する第1のガス源と、
前記複数のパージガスチャネルにパージガスを提供する第2のガス源と、
をさらに備える、請求項9に記載のプロセスチャンバ。
【請求項11】
前記第1のプレートが、
前記裏側に配置された1つまたは複数の真空溝と、
前記第1のプレートの上部に形成された複数のチャネルと、
前記1つまたは複数の真空溝を前記複数のチャネルに流体結合するように前記第1のプレートを貫通して配置された1つまたは複数の開口部と、
をさらに備え、
前記基板支持体の上に配置された基板をチャックするように前記1つまたは複数の真空溝に結合された真空チャック供給源
をさらに備える、請求項10に記載のプロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に半導体処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
エッジパージは、ヒータ表面のエッジを保護し、基板の裏側上の堆積を防ぐために、金属化学気相堆積(MCVD:metal chemical vapor deposition)および金属原子層堆積(MALD:metal atomic layer deposition)チャンバ内で行われるプロセスにおいて有用である。本発明者は、エッジパージガスの注入における不均一性が堆積の不均一性につながることに気づいた。したがって、本発明者は、現在のMCVDおよびMALD基板支持体がエッジパージ不均一性の観点から準最適であると考える。例えば、本発明者は、従来の基板支持体が約17%の範囲のエッジパージ不均一性を有する可能性があることに気づいた。
したがって、本発明者は、より均一なエッジパージを有する基板支持体の実施形態を提供した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
基板支持体の実施形態が本明細書で提供される。一部の実施形態では、基板支持体は、基板を支持するための第1のプレートであって、第1のプレートの裏側に複数のパージガスチャネルを有する第1のプレートと、第1のプレートの真下に配置された、第1のプレートを支持する第2のプレートと、第1のプレートを取り囲む、第2のプレートの上方に配置されたエッジリングと、を備え、複数のパージガスチャネルが第1のプレートの中央部分の単一の入り口から周辺部の複数の出口へ延在し、複数のパージガスチャネルが実質的に等しい流動コンダクタンスを有する。
一部の実施形態では、プロセスチャンバは、内部容積を画成するチャンバ本体と、内部容積にプロセスガスを提供する1つまたは複数のガス入り口と、1つまたは複数のガス入り口の反対側の内部容積内に配置された基板支持体と、を含み、基板支持体が、基板を支持するための第1のプレートであって、第1のプレートの裏側に複数のパージガスチャネルを有する第1のプレートと、第1のプレートの真下に配置された、第1のプレートを支持する第2のプレートと、第1のプレートを取り囲む、第2のプレートの上方に配置されたエッジリングと、を備え、複数のパージガスチャネルが第1のプレートの中央部分の単一の入り口から周辺部の複数の出口へ延在し、複数のパージガスチャネルが実質的に等しい流動コンダクタンスを有する。
一部の実施形態では、基板支持体は、基板を支持するための第1のプレートであって、第1のプレートの裏側に配置された複数のパージガスチャネルを有する第1のプレートと、第1のプレートの真下に配置された、第1のプレートを支持する第2のプレートと、第1のプレートを取り囲む、第2のプレートの上方に配置されたエッジリングと、を含み、複数のパージガスチャネルが第1のプレートの中央部分の単一の入り口から周辺部の複数の出口へ延在し、複数のパージガスチャネルが実質的に等しい流動コンダクタンスを有し、中央部分の複数のパージガスチャネルの第1の断面積が周辺部の複数のパージガスチャネルの第2の断面積よりも大きく、エッジリングおよび第1のプレートの周辺部がエッジリングと第1のプレートの周辺部との間にチョークドフロー経路を画成する。
本開示の他のおよびさらなる実施形態について以下に記載する。
【0004】
簡単に上で要約され、以下でより詳細に論じられる本開示の実施形態は、添付図面に示される本発明の例示的な実施形態を参照することによって理解され得る。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって、範囲を限定していると考えられるべきではなく、その理由は本開示が他の等しく効果的な実施形態を受け入れることができるためである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の一部の実施形態による基板支持体と共に使用するのに適切なプロセスチャンバの概略図である。
【
図2】本開示の一部の実施形態による基板支持体の一部の裏側図である。
【
図3】本開示の一部の実施形態による基板支持体の等角断面図である。
【
図4】本開示の一部の実施形態による基板支持体の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
理解を容易にするために、各図に共通の同一の要素を指定するために、可能な場合は、同一の参照数字が使用された。図は、縮尺通りには描かれておらず、明瞭にするために簡略化されることがある。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳説することなく他の実施形態において有益に組み込まれてもよい。
改善されたパージガス流を提供する基板支持体が本明細書で提供される。本発明の基板の実施形態は、処理される基板の周囲のパージガス流の均一性を改善し、したがって、堆積の均一性を改善する。本開示の範囲を限定することは意図されていないが、本明細書で開示される本発明の基板支持体は、任意選択で高周波(RF)能力を有する、化学気相堆積(CVD)用に構成されたプロセスチャンバ、例えば、直径が200、300、または450mmの基板などを処理するのに適したCVDプロセスチャンバなどにおいて特に有利な場合がある。
図1は、本開示の一部の実施形態によるヒータを有する基板支持体と共に使用するのに適したプロセスチャンバ100を表す。プロセスチャンバ100は、1つまたは複数の基板プロセス、例えば、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)などの堆積プロセスを行うのに適した任意のプロセスチャンバであってもよい。一部の実施形態では、プロセスチャンバは、CVDプロセスチャンバである。プロセスチャンバは、スタンドアロンのプロセスチャンバ、またはクラスタツール、例えば、カリフォルニア、サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能なCENTURA(登録商標)、PRODUCER(登録商標)、もしくはENDURA(登録商標)クラスタツールのうちの1つの一部であってもよい。
一部の実施形態では、プロセスチャンバ100は、一般に、チャンバ本体102、基板108を支持するための基板支持体103、およびチャンバ本体102の内部容積119に1つまたは複数のプロセスガスを提供するための1つまたは複数のガス入り口(例えば、シャワーヘッド101)を含むことができる。
【0007】
一部の実施形態では、チャンバ本体102は、基板108をプロセスチャンバ100に提供することができ、プロセスチャンバ100から除去することができる1つまたは複数の開口部(1つの開口部109が示されている)を備えることができる。開口部109は、開口部109を介してチャンバ本体102の内部容積119へのアクセスを選択的に行うためのスリットバルブ110または他の機構によって密閉されてもよい。一部の実施形態では、基板支持体103は、開口部109を介して基板をチャンバ内へおよびチャンバから外に移送するのに適した(図示するような)下側位置と、処理するのに適した選択可能な上側位置との間で基板支持体103の位置を制御することができるリフト機構117に結合されてもよい。プロセス位置は、特定のプロセスのためのプロセス均一性を最大にするように選択されてもよい。持ち上げられた処理位置の少なくとも1つの位置にある場合、基板支持体103は、対称的な処理領域を提供するように開口部109よりも上に配置されてもよい。
1つまたは複数のガス入り口(例えば、シャワーヘッド101)は、プロセスチャンバ100内でプロセスを実行するために1つまたは複数のプロセスガスを提供するための第1のガス源128に結合されてもよい。シャワーヘッド101が示されているが、プロセスチャンバ100の天井または側壁に、あるいは、チャンバ本体102の基部、基板支持体103の周辺部などの、プロセスチャンバ100に所望されるようなガスを提供するのに適した他の位置に配置されたノズルもしくは入り口などの、追加のまたは代替のガス入り口が設けられてもよい。
一部の実施形態では、プロセスチャンバ100は、プロセスガス、パージガス、処理副産物などを、例えば、チャンバ本体102の内部容積119を排気130と流体結合する1つまたは複数の開口部138を介して、プロセスチャンバ100から除去するためのポンプ126に結合された排気130をさらに含む。一部の実施形態では、排気130は、チャンバ本体102の壁のまわりに配置されてもよく、(例えば、非対称のポンプ構成により、基板上方のプロセスチャンバの処理領域から排気130へ方位的により均一な流れを提供するために)上側排気132と下側排気134にさらに分割されてもよく、1つまたは複数の開口部136が上側排気132と下側排気134との間に配置され、排気130を通り抜ける、ポンプ126へのプロセスガスなどの流れを制御することができる。
【0008】
基板支持体103は、基板108をその上に支持するための第1のプレート105、および第1のプレート105を支持するように構成された第2のプレート(ヒータプレート)106を一般に備える。基板支持体シャフト107は、第2のプレート106を支持する。一部の実施形態では、1つまたは複数の加熱素子118は、第2のプレート106内部に埋め込まれ、または引っ込めて取り付けられてもよく、したがって、第2のプレート106をヒータとして機能させることができる。電源111は、基板支持体シャフト107内部に配置された導管113を介して加熱素子118に電力を提供することができる。一部の実施形態では、加熱素子118は、第2のプレート106内部に埋め込まれ、または引っ込めて取り付けられてもよく、複数の加熱ゾーンが第2のプレート106を横切って存在するように構成されてもよい。
パージガス(例えば、アルゴンなどの不活性ガス)は、第2のガス源114によって導管116を介して基板108の裏側122に提供される。一部の実施形態では、導管116は、基板支持体シャフト107の中央開口部の側壁に、またはその中央開口部の内部に配置される。(以下に記載される)1つまたは複数の導管は、パージガスを基板108のエッジのすぐ近くに送出するように設けられる。
【0009】
図2は、本開示の一部の実施形態による第1のプレート105の裏側を表す。一部の実施形態では、第1のプレート105は、従来の基板支持体と比較して、第1のプレート105の周辺部から出るパージガスのより均一な分布を有利には提供することができる。
図2に示すように、複数のパージガスチャネル204A、204Bは、第1のプレート105の中央部分の単一の入り口203から第1のプレート105の周辺部の複数の出口205へ広がることができる。一部の実施形態では、パージガスチャネル204A、204Bは、複数の通路を介して複数の出口205へ再帰的に広がることができる。
【0010】
一部の実施形態では、複数のパージガスチャネルは、実質的に等しい流動コンダクタンスを有することができる。本明細書で使用されるように、用語、実質的に同等の、または実質的に等しいは、お互いの約10パーセント以内であることを意味する。上で規定されたように、用語、実質的に同等の、または、実質的に等しいは、導管(またはチャネル)の長さ、流動長、断面積、流量などの本開示の他の態様を記載するために使用されることがある。
一部の実施形態では、複数のパージガスチャネルは、実質的に等しい流動長を有することができる。一部の実施形態では、複数のパージガスチャネルは、実質的に等しい断面積を、パージガスチャネルに沿った同等の位置に沿って有することができる(例えば、断面積は、各通路の長さに沿って変わることがあるが、複数のパージガスチャネルの各チャネルは、実質的に同等の仕方で変わる)。一部の実施形態では、複数のパージガスチャネルは、第1のプレート105のまわりに対称に配置されてもよい。一部の実施形態では、複数のパージガスチャネル204Aのそれぞれの第1の断面積が、複数のパージガスチャネル204Bのそれぞれの第2の断面積よりも大きい。第1のプレート105の周辺部のすぐ近くの断面積が低減した結果として、チョークドフロー条件が生成される。したがって、パージガスは、出口205のすべてから実質的に同等の流量で出る。
【0011】
例えば、一部の実施形態では、単一の入り口203は、基板支持体シャフト107の導管116と位置合わせされるように、トッププレートの中心のすぐ近くに設けられる。単一の入り口203から、複数のパージガスチャネルは、放射状に外に向かって、トッププレート(また一般には基板支持体)と共通の中心を有する半径の円弧に沿って交互に延在する。パージガスチャネルが放射状に外に向かって延在するたびに、パージガスチャネルは、最後の外に向かって延在するチャネルが第1のプレート105を出るまで、円弧の中点と交差する。
【0012】
例えば、一部の実施形態では、第1の円弧状のパージガスチャネルの中心と交差する単一の外に向かって延在するパージガスチャネルが設けられる。第1の円弧状のパージガスチャネルは、約180度の円弧長を有することができる。第1の円弧状のパージガスチャネルの端部は、1対の外に向かって延在するパージガスチャネルのそれぞれの端部と交差し、それらの端部がそれぞれ、1対の第2の円弧状のパージガスチャネルと交差する。1対の第2の円弧状のパージガスチャネルのそれぞれは、約90度の円弧長を有することができる。1対の第2の円弧状のパージガスチャネルのそれぞれ端部は、4つの外に向かって延在するパージガスチャネルのそれぞれの端部と交差し、それらの端部がそれぞれ、4つの第3の円弧状のパージガスチャネルと交差する。4つの第3の円弧状のパージガスチャネルのそれぞれは、約45度の円弧長を有することができる。4つの第3の円弧状のパージガスチャネルのそれぞれの端部は、8つの外に向かって延在するパージガスチャネルのそれぞれの端部と交差し、それらの端部がそれぞれ、8つの第4の円弧状のパージガスチャネルと交差する。8つの第4の円弧状のパージガスチャネルのそれぞれは、約22.5度の円弧長を有することができる。8つの第4の円弧状のパージガスチャネルのそれぞれの端部は、16の外に向かって延在するパージガスチャネルのそれぞれの端部と交差し、それらの端部が、出口205を形成する第1のプレート105の外側エッジとそれぞれ交差する。
【0013】
図2に示すように、真空溝202も第1のプレート105内に機械加工されている。開口部201は、真空溝202を第1のプレート105の上部の複数のチャネル(
図3の306)と流体結合するように、第1のプレート105を貫いて延在する。真空チャック供給源(図示せず)は、第1のプレート105の上に配置されたとき基板108をチャックするために真空溝202と通じる。また、第1のプレート105は、リフトピン(図示せず)が複数のリフトピン穴206を通り抜け、基板108を第1のプレート105から上昇させる/第1のプレート105上に下降させることができるようにする複数のリフトピン穴206を含むことができる。一部の実施形態では、および
図2に表されるように、真空溝202はすべて、複数のパージガスチャネル204A、204Bの第1の円弧状のパージガスチャネルの内側に向かって放射状に配置され、有利には様々なチャネルの機械加工および配置を簡略化し、複数のパージガスチャネル204A、204Bの対称的な配置を容易にし、それによってより均一のパージガス流を提供する。
【0014】
図3は、本開示の一部の実施形態による基板支持体103の断面等角図を表す。
図3でわかるように、導管302は一方の端部で真空チャック供給源303に結合され、反対側の端部で真空溝202内へ開口する。真空溝202は、第1のプレート105上に配置された基板108をチャックするために、開口部201を介して第1のプレート105の上部の複数のチャネル306と通じる。一部の実施形態では、第1のプレート105は、第1のプレート105上に配置されたときに基板108の裏側上での粒子の生成を防ぐために複数のコンタクトパッド304(例えば、サファイアボール)を含んでもよい。
【0015】
図4は、第1および第2のプレート105、106の周辺部の側面断面図を表す。一部の実施形態では、基板支持体103は、第2のプレート106の上方に配置された、第1のプレート105を取り囲むエッジリング402を含むことができる。エッジリング402は、
図4の矢印によって示されるように、出口205から流れ出るパージガスが第1のプレート105とエッジリング402との間を流れることができるように、第1のプレート105から離隔されている。一部の実施形態では、第1のプレート105の周辺部は、エッジリング402の内側部分に一致するように、かつ第2のプレート106の上面と共に、第1のプレート105の周辺部とエッジリング402との間に環状チャネルを画成するように成形される。環状チャネルは、第1のプレート105の周辺部と、第1のプレート105の上部面へ延在するエッジリング402の内側部分との間に画成された間隙と流体結合され、プロセスチャンバに据え付けられたときに、プロセスチャンバの内部容積(例えば、
図1に表されたプロセスチャンバ100の内部容積119)内へ開口する。一部の実施形態では、エッジリング402および第1のプレート105の周辺部は、少なくとも間隙内部にチョークドフロー経路を画成する。その結果、基板108を取り囲むパージガスのより均一な流れが実現される。
【0016】
このように、改善されたパージガス均一性を提供することができる基板支持体の実施形態が本明細書で提供された。本発明の基板支持体は、処理される基板の周囲のパージガス流の均一性を改善し、したがって、堆積の均一性を改善することができる。
【0017】
前述の事項は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が本開示の基本的な範囲から逸脱せずに考案されてもよい。