(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ビーズは、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、およびこれらの共重合体のうちの少なくとも1つを含む有機ビーズである、請求項1に記載の導光板ユニット。
前記マトリックス樹脂は、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリシロキサン樹脂、およびラジカル重合性化合物のうちの少なくとも1つを含むものである、請求項1に記載の導光板ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
本明細書の一実施態様に係る導光板ユニットは、反射板と、前記反射板の上部に備えられ、ビーズを含む接着層と、前記接着層の上部に備えられる導光板とを含み、前記ビーズの大きさは、5μm〜30μmであることを特徴とする。
【0016】
図1には、本出願の一実施態様に係る導光板ユニットの構造を示した。
【0017】
本明細書の一実施態様において、前記ビーズは、大きさが5μm〜30μmである。前記ビーズの大きさは、ビーズの最大直径値を意味し、前記ビーズの大きさは、電子顕微鏡(scanning electron microscope、SEM)を用いて測定した値である。
【0018】
ビーズの大きさが前記範囲を満足する場合、接着層の厚さおよび幅を一定にすることで、導光板と反射板との間が一定の厚さに維持され、接着力が確保される効果がある。また、接着層の厚さだけ導光板の下面に空気層を確保することにより、導光板の全反射を可能にする効果がある。
【0019】
本明細書の一実施態様において、前記接着層は、パターン形態で備えられる。
【0020】
本明細書の一実施態様において、前記パターンは、突出形状に存在することを意味し、前記パターンの突出した形状がドット状であってもよい。
【0021】
本明細書の一実施態様において、前記接着層のパターンは、2つ以上のパターンが離隔配置されている。
【0022】
本明細書の一実施態様において、前記パターンは、入光部側の少なくとも1つのパターンが反入光部側のパターンより大きさが小さくてよい。例えば、前記パターンは、入光部から反入光部側にいくほどパターンの大きさが大きくなる。
図2には、本出願の一実施態様に係る接着層のパターン形態を例示した。
【0023】
前記接着層において入光部側の少なくとも1つのパターンが反入光部側のパターンより大きさが小さい場合、輝度を均一にする効果がある。例えば、前記パターンが入光部から反入光部側にいくほど大きさが大きくなる場合、入光部側より反入光部側の接着剤の幅が大きくなるので、反入光部側の光源の量が少なくても、輝度が均一になる効果がある。
【0024】
本明細書の一実施態様において、前記パターンは、入光部側と反入光部側のパターンの大きさが同じであるが、その密度が異なっていてもよい。例えば、前記パターンは、入光部側から反入光部側にいくほどパターンの密度が高くなる。本出願において、前記パターンの密度が高くなるというのは、パターン間の間隔が減少することを意味する。
【0025】
前記接着層において入光部側から反入光部側にいくほどパターンの密度が高くなる場合、輝度を均一にする効果がある。例えば、前記接着層のパターン間の間隔が入光部から反入光部側にいくほど小さくなる場合、反入光部側の光源の量が少なくても、輝度が均一になる効果がある。
【0026】
本明細書の一実施態様において、前記入光部は、導光板における光源の照射される側を意味し、前記反入光部は、導光板における光源の照射される側の反対側を意味する。例えば、
図2で、aは、導光板における光源の照射される側、すなわち、入光部を示し、bは、導光板における光源の照射される側の反対側、すなわち、反入光部を意味する。
【0027】
本明細書の一実施態様において、前記ビーズの大きさが5μm〜30μmの場合、接着層のパターン間に重なることなく、パターン形状が維持される効果がある。これによって、前述の入光部と反入光部との間のパターンの大きさの差および/またはパターンの密度の差による効果を確保できる効果がある。
【0028】
本明細書の一実施態様において、前記接着層のパターンは、スクリーンプリンティング、グラビアプリンティング、またはインクジェットプリンティング方法により形成される。具体的には、前記接着層のパターンは、スクリーンプリンティング方法により形成される。
【0029】
本明細書の一実施態様によれば、前記接着層は、マトリックス樹脂を含む。前記マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂からなることが好ましい。具体的には、前記熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂としては、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリシロキサン樹脂、ラジカル重合性化合物などが使用できる。すなわち、前記マトリックス樹脂は、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリシロキサン樹脂、およびラジカル重合性化合物のうちの少なくとも1つを含むことができる。前記ラジカル重合性化合物は、当技術分野で知られているものが使用できる。必要に応じて、接着層は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂のほか、架橋剤および硬化剤をさらに含んでなってもよい。具体的には、前記架橋剤および硬化剤としては、イソシアネートおよびラジカル開始剤が使用可能であり、これにのみ限定されるものではない。
【0030】
本明細書の一実施態様によれば、前記接着層は、光散乱粒子を追加的に含んでもよい。具体的には、前記光散乱粒子は、TiO
2またはSiO
2であってもよい。
【0031】
本明細書の一実施態様において、前記接着層を形成する組成物は、ビーズとマトリックス樹脂とを含み、無溶剤タイプであってもよい。具体的には、前記接着層に含まれるマトリックス樹脂が無溶剤タイプであってもよい。
【0032】
本明細書の一実施態様において、無溶剤タイプとは、溶媒を含まないことを意味する。
【0033】
本明細書の一実施態様によれば、前記マトリックス樹脂は、無溶剤タイプで溶媒を乾燥する工程が含まれないので、溶媒を含む工程に比べて工程費用が減少する効果がある。また、無溶剤タイプのマトリックス樹脂を用いることで、溶媒の蒸発によるドットの大きさの変化を防止し、スクリーンメッシュが詰まるのを防止し、印刷性を改善する効果がある。
【0034】
本明細書の一実施態様において、前記接着層の厚さは、5μm〜30μmである。前記接着層の厚さは、反射層の表面から接着層が最も高く形成された部分の間の厚さを測定した値を意味し、前記ビーズの大きさは、電子顕微鏡(scanning electron microscope、SEM)を用いて測定することができる。
【0035】
接着層の厚さが前記範囲を満足する場合、導光板と反射板との間の厚さを一定にする効果がある。すなわち、導光板と反射板との間の厚さを5μm〜30μmの範囲内に維持する効果がある。
【0036】
本明細書の一実施態様において、前記ビーズは、有機ビーズである。具体的には、前記ビーズは、ポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate、PMMA)、ポリスチレン(polystyrene、PS)、およびこれらの共重合体のうちの少なくとも1つを含む有機ビーズを含む。前記ビーズの含有量は、前記マトリックス樹脂対比0.5phr〜5phrである。ビーズの含有量が0.5phr未満の場合、導光板と反射板との間の厚さを一定に維持するのに困難があり、ビーズの含有量が5phr超過の場合、接着層の接着力が低下する問題点がある。
【0037】
本明細書の一実施態様において、前記パターンは、大きさが50μm〜1000μmである。具体的には、前記パターンの大きさは、50μm〜800μmである。より具体的には、前記パターンの大きさは、50μm〜700μmである。前記パターンの大きさは、パターンの直径が最も長い部分を測定した値であり、パターンの大きさは、高配率レンズにより測定される。
【0038】
パターンの大きさが前記範囲を満足する場合、面方向の輝度が均一である効果がある。前記パターンの大きさは、パターンの直径が最も長い部分を測定した値である。
【0039】
本明細書の一実施態様において、前記パターン間の間隔は、100μm〜3000μmである。具体的には、前記パターン間の間隔は、100μm〜2500μmである。より具体的には、前記パターン間の間隔は、100μm〜2000μmである。前記パターン間の間隔は、各パターンの中心部と中心部との間の距離を測定した値であり、パターンの間隔は、高配率レンズにより測定される。
【0040】
パターン間の間隔が前記範囲を満足する場合、各パターン形態が光拡散フィルムおよびプリズムシートなどを通過した後に隠蔽されて柔らかく観察される効果がある。前記パターン間の間隔は、各パターンの中心部と中心部との間の距離を測定した値である。
【0041】
本明細書の一実施態様において、前記反射板は、当技術分野で使用される物質が使用可能であり、例えば、二酸化チタン(TiO
2)や、酸化カルシウム(CaO)などの無機フィラーが含まれることもでき、基材の内部に形成された気孔によって反射特性が向上したポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate、PET)が使用できる。前記反射板の厚さは、50μm〜500μmである。
【0042】
本明細書の一実施態様において、前記導光板は、当技術分野で使用される物質が使用可能であり、例えば、ガラス導光板が使用できる。
【0043】
本明細書の一実施態様によれば、前記のような導光板ユニットは、バックライトユニットに有用に適用可能である。
【0044】
前記バックライトユニットは、前記導光板ユニットにおいて導光板の一面に光源が位置し得る。具体的には、前記光源は、側鎖型光源であってもよい。
図3には、本出願の一実施態様に係るバックライトユニットの構造を例示した。
【0045】
本明細書の一実施態様によれば、前述のバックライトユニットは、液晶表示装置に適用される。この液晶表示装置としては、前述のバックライトユニットを構成要素として含むものであれば特に限定されない。例えば、前記液晶表示装置は、液晶パネルと、バックライトユニットとを含むことができる。具体的には、前記液晶表示装置は、前述のバックライトユニットにおいて接着層が備えられていない導光板の一面に液晶パネルが備えられる。
図4には、液晶表示装置の構造を例示した。しかし、これにのみ限定されたものではなく、液晶パネルとバックライトユニットとの間に、必要な場合、偏光板または追加のフィルム、例えば、位相差フィルム、集光シート、拡散フィルムなどがさらに追加的に備えられてもよい。
【実施例】
【0046】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0047】
実施例1
マトリックス樹脂としてUV接着剤を、ビーズとしてポリメチルメタクリレート(PMMA)を、光散乱粒子としてTiO
2を用いて接着層を形成するための組成物を用意し、前記組成物を導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0048】
具体的には、UV接着剤対比10μmの大きさのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子1phr、200nm水準のTiO
2 1phrを配合して、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0049】
実施例2
UV接着剤対比5μmの大きさのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子1phr、200nm水準の光散乱粒子TiO
2 1phrを配合して、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0050】
実施例3
UV接着剤対比5μmの大きさのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子1phrを、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0051】
実施例4
UV接着剤対比5μmの大きさのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子5phr、200nm水準のTiO
2 1phrを配合して、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0052】
実施例5
UV接着剤対比7μmの大きさのポリスチレン(PS)粒子3phr、200nm水準のTiO
2 1phrを配合して、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0053】
実施例6
UV接着剤対比15μmの大きさのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子0.5phr、200nm水準のTiO
2 1phrを配合して、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0054】
実施例7
UV接着剤対比28μmの大きさのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子0.5phr、200nm水準のTiO
2 1phrを配合して、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0055】
比較例1
UV接着剤がビーズを含まないことを除けば、実施例1と同様の方法で製造された。
【0056】
比較例2
UV接着剤対比3μmの大きさのポリスチレン(PS)粒子2phr、200nm水準のTiO
2 1phrを配合して、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0057】
比較例3
UV接着剤対比40μmの大きさのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子0.5phr、200nm水準のTiO
2 1phrを配合して、導光板上にスクリーンプリンティングした。
【0058】
前記実施例1〜7および比較例1〜3のパターン形状および接着力の実験結果を、下記表1に示した。
【0059】
接着層の接着力は、ASTM D3330で修正された方式で測定した。180゜剥離試験(peel test)により測定し、剥離速度は500mm/minに設定して測定した。下記表1では、接着力の実験結果、測定後に接着された部分の破裂した場合をO、そうでない場合をXと表示した。
【表1】
【0060】
前記表1に示しているように、5μm〜30μmの大きさのビーズを含む実施例1〜7は、パターン形状も均一であり、接着力も示すのに対し、ビーズを含まなかったり、ビーズの大きさが5μm〜30μmを外れたりする比較例1〜3の場合、一部分でパターン同士が重なるなどパターンが均一でないことを確認することができる。
【0061】
前記実施例1、実施例2および比較例1の接着層の形態を高配率レンズ(Micro−UV社、EXCEL4220)で測定して、それぞれ
図5、
図6および
図7に示した。
【0062】
図5および
図6の接着層は、ビーズが添加され、パターンがビーズの厚さ以上に押さえられず、一定の厚さを維持することを確認することができる。反面、
図7の接着層は、接着剤が広く広がってパターンの大きさが大きくなり、一部分でパターン同士が重なることを確認することができる。実施例3〜7は、高配率レンズによる測定結果、実施例1および2と類似の形態を示した。
【0063】
前記比較例3の接着層の形態を高配率レンズ(KEYENCE社、VK−X Series)で測定して、
図8に示した。
図8で、点線は、接着剤印刷時のパターンを示したものであり、内部の円(実線)は、反射板と導光板との接着後に接着剤の残る領域を示したものである。
図8から、パターンの大きさが反射板と導光板とを接着した後に縮小したことを確認することができる。これは、実施例とは異なり、比較例3の場合、大きさの大きいビーズを用いることで、接着層が押さえられずマトリックス樹脂が広がることができないために現れる現象である。その結果、パターンの大きさが縮小するに伴って接着面積が減少し、接着力が減少する。
【0064】
図9は、本明細書の実施例1〜7および比較例3による接着層の形態変化を例示した。
図9における(a)は、実施例1〜7による接着層の形態変化を例示したもので、導光板上に5μm〜30μmの大きさの有機ビーズが含まれた接着層をパターン形態で塗布し、反射板を積層した場合、パターンの大きさの変化なく接着層が維持されることを確認することができる。反面、
図9における(b)は、比較例3による接着層の形態変化を例示したもので、導光板上に大きさの大きい有機ビーズが含まれた接着層をパターン形態で塗布し、反射板を積層した場合、ビーズの大きさによって接着層が押さえられずマトリックス樹脂が広がることができないことにより、パターンの大きさおよび接着面積が減少することを確認することができる。
【0065】
以上、本発明の実施態様に係る導光板ユニットおよびこれを含むバックライトユニットは、導光板ユニット内に5μm〜30μmの大きさの有機ビーズを含む接着層を含むことで、導光板と反射板との間の接着力が維持され、接着層の厚さが均一である効果がある。したがって、面方向の輝度が均一になる効果がある。