特許第6805460号(P6805460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805460
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】コーティング組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 4/02 20060101AFI20201214BHJP
   C09D 183/00 20060101ALI20201214BHJP
   C09D 5/24 20060101ALI20201214BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20201214BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20201214BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   C09D4/02
   C09D183/00
   C09D5/24
   C09D7/63
   B32B27/18 D
   C08J5/18
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-514008(P2019-514008)
(86)(22)【出願日】2017年10月30日
(65)【公表番号】特表2019-531379(P2019-531379A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(86)【国際出願番号】KR2017012034
(87)【国際公開番号】WO2018084505
(87)【国際公開日】20180511
【審査請求日】2019年3月22日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0146685
(32)【優先日】2016年11月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】リー、チョル ヒー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジン キュ
【審査官】 藤田 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−275544(JP,A)
【文献】 特開2013−139556(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0326657(US,A1)
【文献】 特開2013−173871(JP,A)
【文献】 特開2002−180011(JP,A)
【文献】 特開平10−279833(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/105394(WO,A1)
【文献】 特開2003−80832(JP,A)
【文献】 特開2011−74190(JP,A)
【文献】 特開2010−275541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00− 10/00
101/00−201/10
B32B 1/00− 43/00
C08J 5/00− 5/02
5/12− 5/22
C09K 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジカル重合性バインダーと、
下記化学式1で表される単位を2個以上含むポリシルセスキオキサンアニオンとラジカル重合性カチオンを有する塩と、を含むコーティング組成物:
[化学式1]
[RSiO3/2
化学式1で、Rは、ヒドロキシ基、チオール基、または酸素アニオン(−O)であり、2個以上含まれる化学式1の単位のうち少なくとも一つの単位のRは、酸素アニオン(−O)である。
【請求項2】
アニオンは、下記化学式2で表される単位をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物:
[化学式2]
[RSiO2/2
化学式2で、Rは、ヒドロキシ基、チオール基、または酸素アニオン(−O)である。
【請求項3】
ポリシルセスキオキサンアニオンの分子量が500〜2,500の範囲内である、請求項1または2に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
ラジカル重合性カチオンは、下記化学式3で表される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング組成物:
[化学式3]
【化1】
化学式3で、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシアルキル基またはメタクリロイルオキシアルキル基であり、R〜Rのうち少なくとも一つは、アルケニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシアルキル基またはメタクリロイルオキシアルキル基である。
【請求項5】
塩は、バインダー100重量部に対して7〜45重量部の比率で含まれる、請求項1から4のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
ラジカル重合性バインダーは、アクリレート化合物である、請求項1から5のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
ラジカル重合性バインダーは、多官能性アクリレート化合物である、請求項1から6のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
多官能性アクリレート化合物は、三官能性以上である、請求項7に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
ラジカル重合性バインダーと、ラジカル重合性カチオンと、下記化学式1の単位を2個以上含むポリシルセスキオキサンアニオンとを含むコーティング層を備えるフィルム:
[化学式1]
[RSiO3/2
化学式1で、Rは、ヒドロキシ基、チオール基、または酸素アニオン(−O)であり、2個以上含まれる化学式1の単位のうち少なくとも一つの単位のRは、酸素アニオン(−O)である。
【請求項10】
ラジカル重合性バインダーとラジカル重合性カチオンは、互いに重合された状態でコーティング層に含まれている、請求項9に記載のフィルム。
【請求項11】
コーティング層は、表面抵抗が1×10〜9×1010Ω/スクエアの範囲内にある、請求項9または10に記載のフィルム。
【請求項12】
ヘイズが1%以下である、請求項9から11のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項13】
透過率が90%以上である、請求項9から12のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか一項に記載のフィルムを含む光学積層体。
【請求項15】
請求項9から13のいずれか一項に記載のフィルムまたは請求項14に記載の光学積層体を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コーティング組成物、フィルム、光学積層体および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願との相互引用
本出願は、2016年11月4日付けの韓国特許出願第10−2016−0146685号に基づく優先権の利益を主張して、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0003】
背景技術
ディスプレイパネルまたは液晶表示装置などに使用される前面パネルは、表面に帯電現象が起こる。帯電した表面に周辺の塵埃のような異物が付着すると、誤動作や機器内の回路損傷を誘発する。したがって、帯電現象による問題を解決するために、導電性を帯びる塩を含む帯電防止組成物で帯電防止層を形成する方法があるが、コートした後に大気中の水分による塩のブリードアウト(bleed out)による白化現象が起こる短所がある。
【0004】
また、前述したディスプレイパネルまたは液晶表示装置などは、使用過程で発生するスクラッチに起因して画質の低下が起こりやすい。
【0005】
したがって、帯電防止性能に優れるにもかかわらず、帯電防止成分の白化現象が起らず、耐擦傷性に優れた帯電防止層を形成できる組成物が要求されているのが現況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、コーティング組成物、フィルム、光学積層体および表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願で用語「アルキル基またはアルコキシ基」は、特に別途規定しない限り、炭素数1〜20、炭素数1〜16、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基であり得る。前記アルキル基またはアルコキシ基は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよく、任意に一つ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0008】
本出願で用語「アルケニル基またはアルキニル基」は、特に別途規定しない限り、炭素数2〜20、炭素数2〜16、炭素数2〜12、炭素数2〜8または炭素数2〜4のアルケニル基またはアルキニル基であり得る。前記アルケニル基またはアルキニル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよく、任意に一つ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0009】
本出願で用語「単一結合」は、当該部位に原子が存在しない場合を意味する。例えば、X−Y−Zの構造においてYが単一結合である場合に、XおよびZは直接連結されてX−Zの構造を形成する。
【0010】
本出願で前記アルキル基などに任意に置換されていてもよい置換基としては、塩素またはフッ素などのハロゲン、ハロアルキル基、グリシジル基、グリシジルアルキル基、グリシドキシアルキル基または脂環式エポキシ基などのエポキシ基、イソシアネート基、チオール基、アルキル基、またはアルコキシ基などが例示できるが、これに限らない。
【0011】
例えば、前述したアルキル基は、一つ以上のハロゲン原子で置換されているハロアルキル基であり得る。
【0012】
本出願は、コーティング組成物に関する。本出願のコーティング組成物は、ポリシルセスキオキサン(silsesquioxane)アニオンを含む塩を含む。
【0013】
ポリシルセスキオキサンは、シロキサン結合(Si−O−Si)を一つ以上含む化合物であり、いわゆるT単位のみよりなるか、あるいは、T単位を主成分として有する高分子化合物である。
【0014】
本明細書で用語「M単位」は、当業界で式(RSiO1/2)で表されることがある、いわゆる一官能性シロキサン単位(下記化学式Aの構造)を意味し、用語「D単位」は、当業界で式(RSiO2/2)で表されることがある、いわゆる二官能性シロキサン単位(下記化学式Bの構造)を意味し、用語「T単位」は、当業界で式(RSiO3/2)で表されることがある、いわゆる三官能性シロキサン単位(下記化学式Cの構造)を意味し、用語「Q単位」は、式(SiO4/2)で表されることがある、いわゆる四官能性シロキサン単位(下記化学式Dの構造)を意味する。前記Rは、ケイ素(Si)に結合されている官能基であり、例えば、水素原子、アルコキシ基、アルキル基、ヒドロキシまたはチオール基であるか、あるいは、前記ヒドロキシ基から水素原子が分離した酸素アニオンまたは前記チオール基から水素原子が分離した硫黄アニオンであり得る。
【0015】
[化学式A]
【化1】
[化学式B]
【化2】
[化学式C]
【化3】
[化学式D]
【化4】
【0016】
ポリシルセスキオキサンは、前記のようなM、D、TおよびQ単位のうち主にT単位で形成される物質であり、主にアルコキシシランまたはハローシランなどの縮合反応により製造される。
【0017】
前記ポリシルセスキオキサンは、多様な形態を有し得、例えば、ランダム構造、ラダー構造、部分ケージ構造またはケージ構造を有し得る。前記でランダム構造は、下記化学式Eのように表示され、ラダー構造は、下記化学式Fのように表示され、部分ケージ構造は、下記化学式Gのように表示され、ケージ構造は、下記化学式Hのように表示される。
【0018】
[化学式E]
【化5】
[化学式F]
【化6】
[化学式G]
【化7】
[化学式H]
【化8】
【0019】
本出願で適用されるポリシルセスキオキサンは、前記に言及された構造のうちいずれの構造も有し得、例えば、部分ケージ構造またはケージ構造を有し得る。
【0020】
本出願で用語「ポリシルセスキオキサンアニオン」は、前記のようなポリシルセスキオキサンに含まれるT単位のケイ素原子に結合された有機基(R)のうち少なくとも一つがアニオン残基、例えば、前記酸素アニオン(−O)または硫黄アニオン(−S)である物質を意味する。
【0021】
したがって、前記アニオンは、下記化学式1の単位を少なくとも2個以上含むものの、前記2個以上含まれる化学式1の単位のうち少なくとも一つの単位のRが前記酸素アニオン(−O)または硫黄アニオン(−S)であり得る。
【0022】
[化学式1]
[RSiO3/2
【0023】
化学式1で、Rは、ヒドロキシ基(−OH)、チオール基(−SH)、酸素アニオン(−O)または硫黄アニオン(−S)であり得る。
【0024】
本出願のアニオンに含まれる前記化学式1の単位の数は、特に限定されず、例えば、後述する分子量を満たす範囲で含まれ得る。また、前記化学式1でイオン性部位を形成する単位、すなわちRが酸素アニオン(−O)または硫黄アニオン(−S)である数も特に限定されない。すなわち、前記アニオンで含まれるRのうち一つが前記アニオンであってもよく、あるいは、2個以上の一部または全部が前記アニオンであってもよい。したがって、前記ポリシルセスキオキサンアニオンは、1価〜12価アニオンであり得る。
【0025】
前記ポリシルセスキオキサンアニオンは、前述したように、T単位を主に含むものの、場合によっては、M、Dおよび/またはQ単位をさらに含むこともできる。このような場合に、前記M、D、および/またはQ単位に含まれるRのうち少なくとも一つが前記アニオンであってもよい。
【0026】
したがって、一例として、前記アニオンは、下記化学式2で表される単位をさらに含むことができる。
【0027】
[化学式2]
[RSiO2/2
化学式2で、Rは、ヒドロキシ基(−OH)、チオール基(−SH)、酸素アニオン(−O)または硫黄アニオン(−S)であり得る。
【0028】
前記アニオンは、分子量が500〜2,500の範囲内、500〜1,500の範囲内または500〜1,000の範囲内であり得る。
【0029】
前記のような構造を有し、且つ、前記分子量を有するアニオンを使用する場合、耐擦傷性または硬度に優れていると共に、帯電防止機能を有するコーティング層を形成できる。
【0030】
本出願の塩は、前記アニオンと共にラジカル重合性カチオンを含むことができる。本出願で用語「ラジカル重合性カチオン」は、架橋反応、例えばラジカル重合反応に参加できる官能基を一つ以上含むカチオンを意味する。前記重合性官能基としては、アリル基やビニル基などの前述したアルケニル基、アリルオキシ基またはビニルオキシ基などのアルケニルオキシ基、アクリロイル基またはメタクリロイル基などが例示できるが、これに限らない。例えば、後述するように、前記コーティング組成物にバインダーとしてラジカル重合性バインダーを含む場合に、前記ラジカル重合性カチオンは、コーティング層の形成過程で前記バインダーの重合反応に参加して重合されたバインダーに固定され得る。このような場合に塩の解離がよりスムーズに行われるので、少量の塩を使用しても、優れた導電性を確保することができ、形成されたコーティング層においてカチオンがブリードする問題や白化現象などにより透明性が低下する問題を解決することができる。
【0031】
このような前記ラジカル重合性カチオンは、下記化学式3で表される。
【0032】
[化学式3]
【化9】
化学式3で、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、アルコキシ基またはラジカル重合性基であり得る。前記でラジカル重合性基としては、アルケニル基、アルキニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシアルキル基またはメタクリロイルオキシアルキル基などが例示できるが、これに限らない。前記でR〜Rのうち少なくとも一つは、前記ラジカル重合性基、例えば、アルケニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシアルキル基またはメタクリロイルオキシアルキル基であり得る。
【0033】
本出願で使用できる前記のような化学式3のカチオンの例としては、前記R〜Rのうち1個または2個が前記ラジカル重合性基であり、残りは、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基であるカチオンが挙げられ、具体的には、N−メタクリロイルオキシメチル−N、N、N−トリメチルアンモニウム、N−メタクリロイルオキシエチル−N、N、N−トリメチルアンモニウム、N−メタクリロイルオキシプロピル−N、N、N−トリメチルアンモニウム、N−メタクリロイルオキシブチル−N、N、N−トリメチルアンモニウム、N−メタクリロイルオキシメチル−N−エチル−N、N−ジメチルアンモニウム、N−メタクリロイルオキシエチル−N−エチル−N、N−ジメチルアンモニウム、N−メタクリロイルオキシプロピル−N−エチル−N、N−ジメチルアンモニウムなどの一種または二種以上であってもよいが、これに限らない。
【0034】
本出願のコーティング組成物に含まれる前記塩の比率は、特に限定されるものではない。前記比率は、例えば、目的とする表面抵抗やコーティング層の硬度などを考慮して選択し得る。一例として、コーティング組成物は、後述するバインダー100重量部に対して7〜45重量部の比率で前記塩を含むことができる。本明細書で単位重量部は、成分間の重量の比率を意味する。一例として、前記塩は、前記バインダー100重量部に対して7重量部以上、8.5重量部以上または10重量部以上含まれ得る。また、前記塩は、前記バインダー100重量部に対して45重量部以下、30重量部以下または15重量部以下で含まれ得る。前記のような範囲は、コーティング組成物で形成したフィルムの表面抵抗が帯電防止フィルムに要求される値を有するようにすることができ、ヘイズが低く、透明性に優れ、白化現象が抑制されたフィルムを形成できるコーティング組成物を得ることができる。
【0035】
本出願のコーティング組成物は、ラジカル重合性バインダーを含む。
【0036】
本出願で用語「ラジカル重合性バインダー」は、架橋反応、例えば、ラジカル重合反応に参加できる重合性官能基を一つ以上含むバインダーを意味する。前記重合性官能基の例は、前記ラジカル重合性カチオンで記述したものと同じである。
【0037】
バインダーとしては、前記のような官能基を少なくとも一つ含む限り、多様な物質が使用でき、例えば、アクリレート化合物が使用できる。アクリレート化合物は、前述したアクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシアルキル基またはメタクリロイルオキシアルキル基を少なくとも一つ含む化合物である。
【0038】
一例として、適切な硬化速度と低い収縮性および耐擦傷性の確保の観点から、前記バインダーとして、多官能性アクリレート化合物が使用できる。多官能性アクリレートは、前記アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシアルキル基またはメタクリロイルオキシアルキル基を2個以上含むアクリレート化合物である。例えば、前記アクリレート化合物は、三官能性以上であり得る。前記アクリレート化合物に含まれる前記アクリロイル基などの数の上限は、特に限定されないが、一般的に8個以下である。したがって、前記アクリレート化合物は、三官能性〜八官能性のアクリレート化合物であり得る。
【0039】
前記のような多官能性アクリレート化合物の具体的な種類は、特に限定されない。
【0040】
前記多官能性アクリレートは、例えば、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートまたは9、9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどのような二官能性アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、三官能性ウレタン(メタ)アクリレートまたはトリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートなどの三官能性アクリレート;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレートまたはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの四官能性アクリレート;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの五官能性アクリレート;およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレート(例えば、イソシアネート単量体およびトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの反応物)などの六官能性アクリレートなどが使用できる。また、多官能性アクリレートとしては、当業界でいわゆる光硬化性オリゴマーと呼ばれる化合物であって、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートまたはポリエーテルアクリレートなども使用できる。前記のような化合物のうちから適切な種類を一種または二種以上選択して使用し得る。
【0041】
また、本出願のコーティング組成物は、前記バインダーの重合反応などを誘導するためのラジカル開始剤をさらに含むことができる。ラジカル開始剤としては、熱の印加によりラジカル反応を開始させる熱ラジカル開始剤または光によりラジカル反応を開始させる光ラジカル開始剤などが適用され得、一般的に光ラジカル開始剤が使用されるが、本出願で適用される開始剤の種類がこれに限定されるものではない。
【0042】
このような開始剤としては、一般的にベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテルまたはベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン系開始剤、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2、2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4、4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2、4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタル、アセトフェノンジメチルケタルまたはオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]などのケトン系開始剤などが使用されるが、本出願では、使用できる開始剤がこれに限らない。
【0043】
前記開始剤は、バインダー100重量部に対して0.1〜10重量部の比率でコーティング組成物に含まれ得る。前記のような範囲内で熱の印加または光の照射により十分な重合反応を効率的に誘導することができ、重合後に未反応の開始剤が不純物として残って架橋密度が劣るか、コーティング層の機械的物性が低下する現象または反射率が高くなる現象を防止することができる。
【0044】
本出願のコーティング組成物は、有機溶媒をさらに含むことができる。有機溶媒が添加される場合、その構成の限定はないが、コーティング組成物の適切な粘度確保および最終的に形成されるフィルム膜の強度などを考慮して、前記バインダー100重量部に対して、50〜500重量部、100〜400重量部、または150〜350重量部が使用できる。
【0045】
この際、使用可能な有機溶媒の種類は、その構成の限定はないが、炭素数1〜6の低級アルコール類、アセテート類、ケトン類、セロソルブ類、ジメチルホルムアミド、テトラ ヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエンおよびキシレンよりなる群から選択される1種または1種以上の混合物が使用できる。
【0046】
この際、前記低級アルコール類は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、またはジアセトンアルコールなどが例示できるが、本出願が前述した例に限定されるものではない。また、前記アセテート類は、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、またはセロソルブアセテートが使用でき、前記ケトン類は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、またはアセトンが使用できるが、前述した例に限定されるものではない。
【0047】
なお、さらに、前述した具現例による帯電防止コーティング組成物は、レベリング剤、ウェッティング剤、消泡剤および体積平均粒径が1〜50nmのシリカよりなる添加剤の群から選択される1種以上の添加剤をさらに含むことができる。この際、前記添加剤は、それぞれ前記バインダー100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲内で添加され得る。
【0048】
前記レベリング剤は、帯電防止コーティング組成物を使用して、コートしたコーティング膜の表面を均一にする役割をする。また、前記ウェッティング剤は、帯電防止コーティング組成物の表面エネルギーを低減する役割をすることにより、帯電防止コーティング組成物を透明基材層にコートするとき、均一な塗布が行われるように助ける。
【0049】
この際、前記消泡剤は、帯電防止コーティング組成物内の気泡を除去するために添加され得る。また、前記シリカは、無機物粒子として添加されて、コーティング膜内の耐スクラッチ性および塗膜強度を増進させる役割をする。体積平均粒径が1〜50nmのシリカを使用する場合、透明なコーティング膜を確保することができ、コーティング膜の光学物性に影響を与えないため好ましい。
【0050】
なお、本出願のコーティング組成物には、フッ素系シランをさらに含むことができるが、具体的にトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシランが使用でき、このようなフッ素系シランを1種、またはそれぞれ異なるものを2種以上混合したものが使用できるが、前述した例に限定されない。
【0051】
また、本出願は、前記コーティング組成物を使用して形成したコーティング層を含むフィルムに関する。したがって、本出願のフィルムの前記コーティング層は、前記ラジカル重合性バインダー;前記ラジカル重合性カチオンおよび前記アニオンを含むことができる。このようなコーティング層において前記塩のカチオンとアニオンは、互いにイオン結合を形成した状態であるか、あるいは、解離している状態であってもよい。また、前記バインダーは、ラジカル重合により高分子物質を形成していてもよい。また、前記ラジカル重合性カチオンも互いに重合されて高分子物質を形成しているか、あるいは、前記バインダーと共に重合されていてもよい。
【0052】
本出願のフィルムにおいて、前記ラジカル重合性バインダー、ラジカル重合性カチオンおよびアニオンに対する事項は、前述したコーティング組成物で説明したものと同一であるので、省略することとする。
【0053】
したがって、前記コーティング層は、前記ラジカル重合性バインダーの重合物;前記ラジカル重合性カチオンの重合物および/または前記バインダーと前記カチオンの重合物を含むことができる。これにより、前述したように少量の塩を使用しても、目的とする表面抵抗を確保することができ、塩成分のブリードアウトや白化現象などを防止することができる。
【0054】
本出願のフィルムは、適切な透明基材層の上に前記コーティング層を形成して製造することができる。この際、前記透明基材層の上に前記コーティング組成物を利用してフィルムを形成する方法は、その構成の限定はないが、ロールコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、またはスピンコーティング法のような湿式コーティング法を使用して進めることができる。例えば、前記のような方式でコーティング組成物をコートし、適切な熱の印加や光の照射を通じて前記コートされた層を重合させてコーティング層を形成できる。
【0055】
前記透明基材層の材料は、その構成が特に限定されるものではなく、帯電防止性ハードコーティングフィルムの製造に関する技術分野において通常使用されるものが使用できる。具体的に、トリアセチルセルロース(TAC)ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)およびノルボルネン系ポリマーよりなる群から選択される1種以上であってもよいが、前述した例に限定されない。このような透明基材層は、透過率が少なくとも85%であることが好ましい。また、ヘイズ値が1%以下であり、厚さが30〜120μmであってもよいが、前述した基材層のヘイズ値および厚さに本出願が限定されるものではない。
【0056】
このように形成されたフィルムは、優れた表面抵抗特性を有して、表面に塵埃やダストなどが付着しない性質を有する。前記フィルムの表面抵抗は、1×10〜9×1010Ω/スクエアであり得る。一例として、前記フィルムの表面抵抗の下限は、1×10Ω/スクエア以上、5×10Ω/スクエア以上または1×10Ω/スクエア以上であり得る。一例として、前記フィルムの表面抵抗の上限は、9×1010Ω/スクエア以下、5×1010Ω/スクエア以下または1×1010Ω/スクエア以下であり得る。帯電防止性を帯びるようにする塩の白化現象が起こる場合、白化現象が起こったフィルムの表面で測定された表面抵抗値は、測定された位置によって大きい偏差を有しながら不均一に現れるようになり、表面抵抗が測定された位置によって1×10Ω/スクエア以下、1×10Ω/スクエア以下または1×10Ω/スクエア以下で測定され得る。本出願のフィルムが上記のように塩の白化現象が起らず、全体領域で前記のような表面抵抗を有することにより、優れた帯電防止性を有して、フィルムの表面に塵埃およびダストが付着するのを防止することができ、表示装置に適用される場合、静電気の発生による画質劣化や機器の誤作動を防止することができる。
【0057】
本出願のフィルムは、透過率が90%以上、91%以上または92%以上であり、同じ基準に基づいて測定したヘイズが1%以下、0.5%以下または0.3%以下である。本出願のフィルムは、前述したコーティング組成物から形成されて、優れた光学的性能を有し得る。
【0058】
また、本出願は、前記フィルムを含む光学積層体に関する。例示的な光学積層体は、光学フィルムおよび前記光学フィルムの一面または両面に形成されている本出願のフィルム層を含むことができる。前記で光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルムまたは輝度向上フィルムなどや前記のうち2種以上が積層された積層体が例示できる。
【0059】
また、本出願は、前記光学積層体を含む表示装置に関する。例示的な表示装置は、高解像度の平板ディスプレイまたはモバイルディスプレイであってもよく、具体的には、液晶ディスプレイ(Liquid crystal display、LCD)、プラズマディスプレイ(Plasma display panel、PDP)などであってもよいが、これに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0060】
本出願のコーティング組成物は、優れた帯電防止性を有し、耐擦傷性および耐湿熱性に優れたコーティング層を形成できる。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、実施例および比較例により本出願のコーティング組成物などを具体的に説明するが、前記コーティング組成物などの範囲が下記実施例に限定されるものではない。
【0062】
1.透過率およびヘイズの分析
透過率およびヘイズの分析は、村上色彩技術研究所社のHR−100を利用して行った。
【0063】
2.耐スクラッチ性テスト
スチールウール(#0000)に0.5kgの荷重を加えてコーティングフィルムに10回こすった後、スクラッチの様相を観察した。
◎:スクラッチの個数が0個
○:1cm以下の細いスクラッチが5個以下
△:1cm以下の細いスクラッチが5個超過または1cm以上の長いスクラッチが1個以上3個以下
X:1cm以上の長いスクラッチが3個超過
【0064】
3.耐湿熱テスト
60℃の温度および90%の相対湿度で72時間放置した後、表面に白化現象が発生せず、複数の位置で測定された表面抵抗値が全部1×10〜9×1010Ω/スクエアの範囲内の値でなければならない。
○:白化現象および表面抵抗の変化が観察されない
X:白化現象または表面抵抗の変化が観察される
【0065】
4.表面抵抗の測定
三菱ケミカル社のHiresta IP MCP−HT260機器を利用して実施例および比較例で製造したフィルムの表面抵抗を耐湿熱テスト前後に測定した。
【0066】
製造例1.ケージ形態のポリシルセスキオキサンアニオンを含む塩(CS)の合成
常温でテトラメチルアンモニウムヒドロキシドペンタハイドレート3g〜5gをメタノールに溶解させた。次に、前記溶液にテトラエトキシシラン3〜5gを添加した後、水を追加し、メタノールを添加した後に、1日〜2日間縮合反応を誘導して塩を合成した。
【0067】
製造例2.塩(S1)の合成
製造例1で製造したケージ形態のシリケートを含む塩(CS)100gをアルコール溶媒に溶解させた。以後、N−メタクリロイルオキシエチル−N、N、N−トリメチルアンモニウムクロリドを製造例1で製造したアニオン対比8当量以下で前記アルコールと同じアルコールに溶解させた後、前記溶液に添加してイオン交換反応を進めた。
【0068】
製造例3.塩(S2)の合成
製造例1で製造したケージ形態のシリケートを含む塩(CS)100gをアルコール溶媒に溶解させた。以後、N−オクチル−N、N、N−トリメチルアンモニウムブロマイドを化学式Aのアニオン対比8当量以下で前記アルコールと同じアルコールに溶解させた後、前記溶液に添加してイオン交換反応を進めた。
【0069】
製造例4.塩(S3)の合成
製造例1で製造したケージ形態のシリケートを含む塩(CS)100gをアルコール溶媒に溶解させた。以後、アセチルコリンクロリドを化学式Aのアニオン対比8当量以下で前記アルコールと同じアルコールに溶解させた後、前記溶液に添加してイオン交換反応を進めた。
【0070】
実施例1
多官能アクリレートモノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、ジペンタエリスリトールヘプタアクリレート40重量部、光重合開始剤としてIrgacure 184を5重量部、塩(S1)10重量部を混合したものをブタノール(n−Butanol)で希釈して、固形分が40%であるコーティング組成物を製造した。前記コーティング組成物を電極の上にメイヤーバー#10(meyer bar #10)でコートした後、0.5J/cmのUVエネルギー(水銀ランプ)で4m/minの速度で硬化を進めて、 厚さが5μmのフィルムを製造した。
【0071】
比較例1
多官能アクリレートモノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、ジペンタエリスリトールヘプタアクリレート40重量部、光重合開始剤としてIrgacure 184を5重量部および4級アンモニウム塩基を有するアミン系モノマーである1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド10重量部を混合したものを同量のメチルエチルケトンおよびプロピレングリコールメチルエーテルで希釈して、固形分が40%であるコーティング組成物を製造した。前記コーティング組成物を電極の上にメイヤーバー#10でコートした後、0.5J/cmのUVエネルギー(水銀ランプ)で4m/minの速度で硬化を進めて、厚さが5μmのフィルムを製造した。
【0072】
比較例2
多官能アクリレートモノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、ジペンタエリスリトールヘプタアクリレート40重量部、光重合開始剤としてIrgacure 184を5重量部および4級アンモニウム塩基を有するアミン系モノマーである共栄社のDQ−100を10重量部を混合したものを、同量のメチルエチルケトンとプロピレングリコールメチルエーテルで希釈して、固形分が40%であるコーティング組成物を製造した。前記コーティング組成物を電極の上にメイヤーバー#10でコートした後、0.5J/cmのUVエネルギー(水銀ランプ)で4m/minの速度で硬化を進めて、厚さが5μmのフィルムを製造した。
【0073】
比較例3
多官能アクリレートモノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、ジペンタエリスリトールヘプタアクリレート40重量部、光重合開始剤としてIrgacure 184を5重量部、塩(S2)10重量部を混合したものをブタノール(n−Butanol)で希釈して、固形分が40%であるコーティング組成物を製造した。前記コーティング組成物を電極の上にメイヤーバー#10でコートした後、0.5J/cmのUVエネルギー(水銀ランプ)で4m/minの速度で硬化を進めて、厚さが5μmのフィルムを製造した。
【0074】
比較例4
多官能アクリレートモノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、ジペンタエリスリトールヘプタアクリレート40重量部、光重合開始剤としてIrgacure 184を5重量部および塩(S3)10重量部を混合したものをブタノール(n−Butanol)で希釈して、固形分が40%であるコーティング組成物を製造した。前記コーティング組成物を電極の上にメイヤーバー#10でコートした後、0.5J/cmのUVエネルギー(水銀ランプ)で4m/minの速度で硬化を進めて、厚さが5μmのフィルムを製造した。
【0075】
実施例および比較例のフィルムについて分析を行った結果は、下記表1に記載されている。
【0076】
【表1】
【0077】
前記表1から明らかなように、実施例1の場合、優れた透過率、ヘイズおよび耐スクラッチ性を示す一方で、耐湿熱テストの結果、白化現象が観察されず、従来の帯電防止性塩を含む比較例1より優れた帯電防止性を示すことが分かる。
【0078】
従来の帯電防止性塩を含む比較例1の場合、実施例より帯電防止性が劣る一方で、耐湿熱特性および耐擦傷性も、実施例より劣ることが分かる。
【0079】
比較例2〜4の場合、耐湿熱テスト前に測定した表面抵抗値を見ると、帯電防止性は良好であるが、ヘイズ特性や耐スクラッチ性が実施例より劣ることが分かる。また、比較例2〜4の場合、耐湿熱テスト後に白化現象が観察され、特に、耐湿熱テスト後に測定された表面抵抗の場合、その値が測定された位置によって大きく変化した。