(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
<システム構成>
まず、本実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ装置10と、1台以上のキオスク端末20と、1台以上のクライアント装置30とを含む。サーバ装置10とキオスク端末20の間、及びサーバ装置10とクライアント装置30との間は、インターネットや携帯電話網等のネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
サーバ装置10は、例えばサーバ用のコンピュータである。
【0014】
サーバ装置10は、例えば、クライアント装置30からアップロードされたファイルを、キオスク端末20にて出力可能な形式のファイルに変換して記憶しておき、キオスク端末20からの要求に応じて、当該記憶したファイルを要求元のキオスク端末20に送信する。
【0015】
ここで、サーバ装置10にアップロードできるファイルは、例えば、文書、表、スライド、写真等のファイルである。また、キオスク端末20にて出力可能なファイルの形式は、例えばPDF(Portable Document Format)やJPEG等である。
【0016】
キオスク端末20は、企業内、店舗内、パブリックスペース等に設置される端末である。
【0017】
キオスク端末20は、ユーザから予約番号を入力されると、サーバ装置10から当該予約番号に対応付けられた1以上のファイルの情報を取得して画面に表示し、ユーザから選択されたファイルを出力する。
【0018】
キオスク端末20は、コンピュータ20Aと、印刷装置20Bを有する。コンピュータ20Aと、印刷装置20Bは、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等で接続される。印刷装置20Bは、例えばプリンタ、印刷機能を備えたMFP(Multifunction Peripheral)、3Dプリンタ等である。
【0019】
コンピュータ20Aは、サーバ装置10から取得したファイルを、印刷装置20Bに出力させる制御を行う。コンピュータ20Aは、サーバ装置10から取得したファイルを変換せずに印刷装置20Bに出力してもよいし、ファイルを例えばPDL(Page Description Language)形式に変換して、印刷装置20Bに出力してもよい。
【0020】
なお、コンピュータ20Aが、サーバ装置10から取得したファイルを変換せずに印刷装置20Bに出力した場合、印刷装置20Bは、当該ファイルを例えばPDL(Page Description Language)形式に変換して、出力を行う。
【0021】
クライアント装置30は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末等である。クライアント装置30は、例えば、ユーザからの操作に応じて、ファイルをサーバ装置10にアップロードする。
【0022】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る情報処理システム1に含まれるサーバ装置10、キオスク端末20のコンピュータ20A、及びクライアント装置30のハードウェア構成について、
図2及び
図3を用いて説明する。
【0023】
≪サーバ装置10、キオスク端末20のコンピュータ20A、及びクライアント装置30≫
図2は、実施形態に係るサーバ装置10、キオスク端末20のコンピュータ20A、及びクライアント装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、サーバ装置10、キオスク端末20のコンピュータ20A、及びクライアント装置30は、同様のハードウェア構成を有しているため、以降では、サーバ装置10のハードウェア構成について説明する。
【0024】
図2に示すように、本実施形態に係るサーバ装置10は、入力装置101と、表示装置102と、外部I/F103と、RAM(Random Access Memory)104とを有する。また、サーバ装置10は、ROM(Read Only Memory)105と、CPU(Central Processing Unit)106と、通信I/F107と、HDD(Hard Disk Drive)108とを有する。これらのハードウェアは、バスBで互いに接続されている。
【0025】
入力装置101は、キーボードやマウス、タッチパネル等を含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイ等を含み、サーバ装置10による処理結果を表示する。なお、入力装置101及び表示装置102の少なくとも一方は、必要なときにサーバ装置10に接続して利用する形態であっても良い。
【0026】
通信I/F107は、サーバ装置10をネットワークNに接続するインタフェースである。サーバ装置10は、通信I/F107を介して通信を行うことができる。
【0027】
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。HDD108に格納されるプログラムやデータには、サーバ装置10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア等がある。
【0028】
なお、サーバ装置10は、HDD108に代え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を有して良い。また、HDD108は、格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステムやDBにより管理している。
【0029】
外部I/F103は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体103a等がある。サーバ装置10は、外部I/F103を介して記録媒体103aの読み取りや書き込みを行うことができる。記録媒体103aには、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0030】
ROM105は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM105には、OS設定、ネットワーク設定等のプログラムやデータ、及びサーバ装置10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)が格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0031】
CPU106は、ROM105やHDD108等の記憶装置からプログラムやデータをRAM104上に読み出し、当該プログラムやデータに基づく処理を実行することで、サーバ装置10全体の制御やその他の機能を実現する演算装置である。
【0032】
本実施形態に係るサーバ装置10、キオスク端末20のコンピュータ20A、及びクライアント装置30は、
図2に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0033】
≪キオスク端末20の印刷装置20B≫
図3は、実施形態に係るキオスク端末20の印刷装置20Bのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0034】
図3に示すように、本実施形態に係るキオスク端末20の印刷装置20Bは、コントローラ201と、外部I/F203と、通信I/F204と、プロッタ205を有する。また、コントローラ201は、CPU211と、RAM221と、ROM231と、NVRAM241と、HDD251とを有する。
【0035】
ROM231は、各種プログラムやデータを格納している不揮発性の半導体メモリである。RAM221は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。NVRAM241は、例えば設定情報等を格納している。また、HDD251は、各種プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。
【0036】
CPU211は、ROM231やNVRAM241、HDD251等からプログラムやデータ、設定情報等をRAM221上に読み出し、当該プログラムやデータに基づく処理を実行することで、キオスク端末20の印刷装置20B全体の制御やその他の機能を実現する演算装置である。
【0037】
外部I/F203は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体203a等がある。キオスク端末20の印刷装置20Bは、外部I/F23を介して記録媒体203aの読み取りや書き込みを行うことができる。なお、記録媒体203aには、例えば、ICカード、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0038】
通信I/F204は、キオスク端末20の印刷装置20BをネットワークNに接続するインタフェースである。キオスク端末20の印刷装置20Bは、通信I/F204を介して通信を行うことができる。プロッタ205は、印刷データを印刷する印刷装置である。
【0039】
本実施形態に係るキオスク端末20の印刷装置20Bは、
図3に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0040】
[第1の実施形態]
<機能構成>
次に、
図4を参照し、第1の実施形態に係るサーバ装置10の機能構成について説明する。
図4は、第1の実施形態に係るサーバ装置10の機能ブロックの一例を示す図である。
【0041】
サーバ装置10は、印刷サービス管理部11、変換処理管理部12、変換処理部13、及び認証管理部16を有する。これら各部は、サーバ装置10にインストールされた1以上のプログラムが、サーバ装置10のCPUに実行させる処理により実現される。
【0042】
また、サーバ装置10は、DBサーバ部14、及びファイル管理部15を有する。DBサーバ部14、及びファイル管理部15は、例えば、補助記憶装置等を用いて実現される。
【0043】
印刷サービス管理部11は、クライアント装置30からファイルをアップロードされると、当該アップロードに応じた印刷予約番号(「出力予約情報」の一例)をクライアント装置30に通知する。
【0044】
印刷サービス管理部11は、アップロードされたファイルが、キオスク端末20にて出力可能な印刷データ(「出力データ」の一例)に変換可能である場合、印刷予約番号をクライアント装置30に通知する。
【0045】
印刷サービス管理部11は、キオスク端末20から印刷予約番号を受信すると、当該印刷予約番号に応じたファイルの印刷データを、キオスク端末20に送信する。
【0046】
認証管理部16は、印刷予約番号の発行、及び印刷予約番号の妥当性確認(認証)を行う。
【0047】
変換処理管理部12は、アップロードされたファイルを印刷データに変換するための制御を行う。
【0048】
変換処理部13は、変換処理管理部12からの要求に応じて、指定されたファイルを印刷データに変換する。
【0049】
DBサーバ部14は、印刷ジョブ情報141を管理する。
【0050】
ファイル管理部15は、アップロードされたファイルおよび印刷データに変換されたファイルをファイルシステム上で管理する。
【0051】
<処理>
≪ファイルのアップロード≫
次に、
図5を参照し、第1の実施形態に係る情報処理システム1のファイルアップロードの際の処理について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る情報処理システム1のファイルアップロードの際の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0052】
ステップS101において、クライアント装置30は、ユーザに指定された1以上のファイルを、サーバ装置10にアップロード(送信)する。
【0053】
続いて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、認証管理部16へ印刷予約番号の生成を要求する(ステップS102)。
【0054】
続いて、サーバ装置10の認証管理部16は、印刷予約番号を生成し、印刷サービス管理部11へ返す(ステップS103)。
【0055】
続いて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、DBサーバ部14に、「仮」状態で印刷ジョブ情報141を登録する(ステップS104)。
【0056】
図6は、印刷ジョブ情報141の一例を示す図である。印刷ジョブ情報141には、ファイル情報、印刷予約番号、状態、日時の項目が含まれる。
【0057】
ファイル情報は、ファイルに関する情報であり、ファイルのIDやファイル名等の情報が含まれる。
【0058】
印刷予約番号は、クライアント装置30からのアップロードを一意に識別する情報である。状態は、印刷ジョブの状態を示す情報である。キオスク端末20にて印刷可能と判定されるまでの間は、状態が「仮」と設定される。日時は、アップロードされた日時である。なお、アップロードされた日時から所定期間以上経過した印刷ジョブ情報141は削除してもよい。
【0059】
続いて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、ファイル管理部15に、当該ファイルの登録を要求する(ステップS105)。
【0060】
続いて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、変換処理管理部12に、当該ファイルのデータを、キオスク端末20にて印刷可能なファイルの形式への変換を要求する(ステップS106)。
【0061】
続いて、サーバ装置10の変換処理管理部12は、変換処理部13に、当該ファイルの変換を指示する(ステップS107)。
【0062】
続いて、サーバ装置10の変換処理部13は、当該ファイルの取得を、ファイル管理部へ要求する(ステップS108)。
【0063】
続いて、サーバ装置10のファイル管理部15は、該当ファイルを変換処理部13へ返す(ステップS109)。
【0064】
続いて、サーバ装置10の変換処理部13は、取得したファイルを、キオスク端末20にて印刷可能な形式のファイル(印刷データ)へ変換する(ステップS110)。
【0065】
続いて、サーバ装置10の変換処理部13は、ファイル管理部15に、変換したファイルを登録する(ステップS111)。
【0066】
続いて、サーバ装置10の変換処理部13は、ファイルの変換結果の情報を、印刷ジョブ情報に紐付けてDBサーバ部14へ書き込む(ステップS112)。
【0067】
続いて、サーバ装置10の変換処理部13は、ファイル変換が完了したことを、変換処理管理部12に通知する(ステップS113)。
【0068】
続いて、サーバ装置10の変換処理管理部12は、印刷サービス管理部11へファイルの変換が完了したことを通知する(ステップS114)。
【0069】
続いて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、DBサーバ部14の印刷ジョブ情報141において、当該印刷予約番号情報に対応付けられた「仮」の状態を解除する(ステップS115)。
【0070】
続いて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、クライアント装置30へ印刷予約番号を通知し、ファイル登録の完了を通知する(ステップS116)。
【0071】
≪アップロードされた際のサーバ装置の処理≫
次に、
図7を参照し、第1の実施形態に係るサーバ装置10のファイルアップロードの際の処理について説明する。
図7は、第1の実施形態に係るサーバ装置10のファイルアップロードの際の処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS11において、印刷サービス管理部11は、クライアント装置30から、ユーザに指定された1以上のファイルを受信する。
【0073】
続いて、認証管理部16は、印刷予約番号を生成する(ステップS12)。
【0074】
続いて、DBサーバ部14は、印刷予約番号を「仮」状態で登録する(ステップS13)。
【0075】
続いて、変換処理管理部12は、当該ファイルのデータを、キオスク端末20にて印刷可能なファイルの形式へ変換する(ステップS14)。
【0076】
続いて、DBサーバ部14は、印刷予約番号情報の「仮」状態を解除する(ステップS15)。
【0077】
続いて、印刷サービス管理部11は、クライアント装置30へ印刷予約番号を通知し、ファイル登録の完了を通知する(ステップS16)。
【0078】
≪印刷≫
続いて、
図8及び
図9を参照し、情報処理システム1の印刷の際の処理について説明する。
図8は、情報処理システム1の印刷の際の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0079】
ステップS201において、キオスク端末20のコンピュータ20Aは、ユーザから入力された印刷予約番号を、サーバ装置10へ通知する。
【0080】
図9は、キオスク端末20における表示画面例を示す図である。
【0081】
図9(A)は、キオスク端末20のコンピュータ20Aが表示する、印刷予約番号の入力を受け付ける表示画面例を示す図である。
【0082】
図9(A)の例では、印刷予約番号入力画面500において、印刷予約番号の欄501に、テンキー等の操作により、ユーザから印刷予約番号が入力される。そして、「次へ」ボタン502を押下されると、ユーザから入力された印刷予約番号が、サーバ装置10へ通知される。
【0083】
続いて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、認証管理部16へ印刷予約番号を受け渡し、妥当性確認を依頼する(ステップS202)。
【0084】
続いて、認証管理部16は、印刷予約番号が発行済みのものであるかを確認し、確認結果を印刷サービス管理部11へ返す(ステップS203)。
【0085】
続いて、印刷サービス管理部11は、DBサーバ部14から当該印刷予約番号に紐付く印刷ジョブ情報を検索する(ステップS204)。
【0086】
続いて、DBサーバ部14は、検索結果を印刷サービス管理部11へ返す(ステップS205)。
【0087】
続いて、印刷サービス管理部11は、印刷データ取得用のワンタイムパスワードを発行する(ステップS206)。
【0088】
続いて、印刷サービス管理部11は、当該ワンタイムパスワード、ファイルのIDを含むファイル情報をキオスク端末20のコンピュータ20Aへ返す(ステップS207)。
【0089】
続いて、キオスク端末20のコンピュータ20Aは、ユーザが印刷を指定したファイルの印刷データを、印刷サービス管理部11に要求する(ステップS208)。この際、印刷予約番号、指定されたファイルのID、及びワンタイムパスワードが送付される。
【0090】
図9(B)は、キオスク端末20のコンピュータ20Aが表示する、印刷対象のファイルの選択を受け付ける表示画面例を示す図である。
【0091】
図9(B)の例では、印刷対象選択画面510において、印刷対象のファイルの例えばフロントページ等のサムネイルに対応付けられたチェックボックス503A、503B、503Cを押下操作することにより、1以上のファイルが選択される。そして、「印刷」ボタン504を押下されると、選択されたファイルの印刷が要求される。
【0092】
続いて、印刷サービス管理部11は、ワンタイムパスワードの妥当性を確認する(ステップS209)。
【0093】
続いて、印刷サービス管理部11は、認証管理部16に印刷予約番号を渡し、妥当性確認を依頼する(ステップS210)。
【0094】
続いて、認証管理部16は、印刷予約番号が発行済みのものであるかを確認し、確認結果を印刷サービス管理部11へ返す(ステップS211)。
【0095】
続いて、印刷サービス管理部11は、DBサーバ部14から、ファイルのIDに対応付けられた印刷データの格納場所を検索する(ステップS212)。
【0096】
続いて、DBサーバ部14は、検索の結果を印刷サービス管理部11へ返す(ステップS213)。
【0097】
続いて、印刷サービス管理部11は、ファイル管理部15に、当該格納場所に格納されている印刷データのファイルを要求する(ステップS214)。
【0098】
続いて、ファイル管理部15は、印刷サービス管理部11に、当該印刷データのファイルを返す(ステップS215)。
【0099】
続いて、印刷サービス管理部11は、キオスク端末20のコンピュータ20Aに、印刷データのファイルを送信する(ステップS216)。
【0100】
続いて、キオスク端末20のコンピュータ20Aは、キオスク端末20の印刷装置20Bに、印刷データのファイルを送信する(ステップS217)。これにより、キオスク端末20にて、ユーザに選択されたファイルが印刷される。
【0101】
<効果>
第1の実施形態によれば、ファイルを印刷可能なデータに変換できたことを確認した後、ユーザのクライアント装置30に、印刷予約番号を通知する。これにより、出力ができない予約番号を通知することを防ぐことが可能となる。
【0102】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、サーバ装置10が、クライアント装置30からアップロードされたファイルを、キオスク端末20にて印刷可能な形式のファイルに変換した後、印刷予約番号をクライアント装置30に通知する例について説明した。
【0103】
第2の実施形態では、サーバ装置10が、設定されたモードに応じたタイミングで、印刷予約番号をクライアント装置30に通知する例について説明する。なお、第2の実施形態は一部を除いて第1の実施形態と同様であるため、適宜説明を省略する。
【0104】
<機能構成>
図10を参照し、第2の実施形態に係るサーバ装置10の機能構成について説明する。
図10は、第2の実施形態に係るサーバ装置10の機能ブロックの一例を示す図である。
【0105】
第2の実施形態に係るサーバ装置10は、第1の実施形態に係るサーバ装置10に加えて、モード設定部17、及び判定部18を有する。これら各部は、サーバ装置10にインストールされた1以上のプログラムが、サーバ装置10のCPUに実行させる処理により実現される。
【0106】
モード設定部17は、例えば管理者からの設定操作に応じて、ファイルをアップロードされるテナントまたはURL毎に、通知モードの設定を受け付ける。
【0107】
判定部18は、クライアント装置30からアップロードされたファイルがパスワード等により暗号化されていないか判定する。
【0108】
第2の実施形態に係る印刷サービス管理部11は、モード設定部17に設定された通知モードに応じて、印刷予約番号をクライアント装置30に通知するタイミングを切り替える。
【0109】
第2の実施形態に係る印刷サービス管理部11は、変換処理部13によりファイルを印刷データに変換する処理に要する時間が所定時間未満である場合、変換処理部13によりファイルが印刷データに変換された後、前記出力予約情報を前記クライアント装置に通知する。
【0110】
また、第2の実施形態に係る印刷サービス管理部11は、変換処理部13により前記ファイルを印刷データに変換する処理に要する時間が所定時間以上である場合に、判定部18によりファイルが暗号化されていないと判定された後、前記出力予約情報を前記クライアント装置に通知する。
【0111】
<処理>
≪ファイルのアップロード≫
次に、
図11、
図12を参照し、第2の実施形態に係る情報処理システム1のファイルアップロードの際の処理について説明する。
【0112】
(受信後通知モード)
図11は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の、「受信後通知モード」におけるファイルアップロードの際の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0113】
図5の第1の実施形態の処理と比較し、ステップS103の印刷予約番号を生成する処理の次に、
図11のステップS103−2において、
図5のステップS116のクライアント装置30へ印刷予約番号を通知する処理を行う点が異なる。
【0114】
これにより、例えば、情報処理システム1が企業のオフィス内で使用されており、複数のユーザが複数のファイルをアップロードしているため、変換完了までに時間がかかる場合に、ユーザに即座に印刷予約番号を通知することができる。
【0115】
(判定後通知モード)
図12は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の、「判定後通知モード」におけるファイルアップロードの際の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0116】
図5の第1の実施形態の処理と比較し、ステップS103の印刷予約番号を生成する処理の次に、後述する
図11のステップS103−2A、S103−2Bの処理を行った後、S103−2Cにおいて、
図5のステップS116のクライアント装置30へ印刷予約番号を通知する処理を行う点が異なる。
【0117】
ステップS103−2Aにおいて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、判定部18へ印刷可能かの判定を要求する。
【0118】
続いて、サーバ装置10の判定部18は、アップロードされたファイルがキオスク端末20に印刷させることが可能であるか否か判定し、判定結果をサーバ装置10の印刷サービス管理部11に返す(ステップS103−2B)。
【0119】
続いて、サーバ装置10の印刷サービス管理部11は、クライアント装置30へ印刷予約番号を通知し、ファイル登録の完了を通知する(ステップS103−2C)。
【0120】
これにより、例えば、変換完了までに時間がかかる場合であり、変換処理に失敗する主な理由が、文書等のファイルにパスワードが設定されているためである場合に、出力ができない予約番号を通知することを比較的防ぐとともに、ユーザに比較的即座に印刷予約番号を通知することができる。
【0121】
(変換後通知モード)
第2の実施形態に係る情報処理システム1の、「変換後通知モード」におけるファイルアップロードの際の処理は、
図5の第1の実施形態に係る情報処理システム1のファイルアップロードの際の処理と同様である。
【0122】
≪アップロードされた際のサーバ装置の処理≫
次に、
図13を参照し、第2の実施形態に係るサーバ装置10のファイルアップロードの際の処理について説明する。
図13は、第2の実施形態に係るサーバ装置10のファイルアップロードの際の処理の一例を示すフローチャートである。
【0123】
ステップS21において、印刷サービス管理部11は、クライアント装置30から、ユーザに指定された1以上のファイルを受信する。
【0124】
続いて、認証管理部16は、印刷予約番号を生成する(ステップS22)。
【0125】
続いて、モード設定部17は、予め設定されている通知モードを判定する(ステップS23)。
【0126】
通知モードが「受信後通知モード」の場合(ステップS23で「受信後通知モード」)、印刷サービス管理部11は、クライアント装置30へ印刷予約番号を通知し、ファイル登録の完了を通知する(ステップS24)。
【0127】
続いて、変換処理管理部12は、当該ファイルのデータを、キオスク端末20にて印刷可能なファイルの形式へ変換し(ステップS25)、処理を終了する。
【0128】
通知モードが「判定後通知モード」の場合(ステップS23で「判定後通知モード」)、判定部18は、アップロードされたファイルをキオスク端末20に印刷させることが可能であるか否か判定する(ステップS26)。ここで、判定部18は、例えばアップロードされたファイルが暗号化されていない場合に、印刷させることが可能であると判定する。より具体的には、判定部18は、ファイルを開けた(ファイルオープンに成功した)場合や、ファイルのページ数等のプロパティを参照できた場合に、印刷させることが可能であると判定する。これは、変換処理部13が変換処理に失敗する主な理由が、文書等のファイルにパスワードが設定され、暗号化されているためである。
【0129】
印刷させることが可能でない場合(ステップS26でNO)、印刷サービス管理部11は、クライアント装置30へエラーを通知し(ステップS27)、処理を終了する。
【0130】
印刷させることが可能である場合(ステップS26でYES)、ステップS24の処理に進む。
【0131】
通知モードが「変換後通知モード」の場合(ステップS23で「変換後通知モード」)、変換処理管理部12は、変換処理部13に、当該ファイルのデータを、キオスク端末20にて印刷可能なファイルの形式への変換を要求する(ステップS28)。
【0132】
続いて、印刷サービス管理部11は、当該変換の処理が完了したか判定する(ステップS29)。
【0133】
変換の処理が完了した場合(ステップS29でYES)、印刷サービス管理部11は、クライアント装置30へ印刷予約番号を通知し、ファイル登録の完了を通知し(ステップS30)、処理を終了する。
【0134】
変換の処理が完了していない場合(ステップS29でNO)、印刷サービス管理部11は、変換処理部13に変換を要求してから、所定時間(例えば30秒)以上経過したか判定する(ステップS31)。
【0135】
変換を要求してから所定時間以上経過していない場合(ステップS31でNO)、所定時間(例えば1秒間)待機し(ステップS32)、ステップS29の処理に進む。
【0136】
変換を要求してから所定時間以上経過した場合(ステップS31でYES)、ステップS26の処理に進む。これにより、ブラウザ等からアップロード操作をした後、所定時間(例えば30秒)程度以上経過しても完了を通知しないと、ユーザから当該ブラウザ等を強制終了されるような場合に、所定時間程度を超過するまでに完了を通知することができる。
【0137】
<効果>
第2の実施形態によれば、例えば、キオスク端末20を運用するテナントに応じて、クライアント装置30がファイルをアップロードする場所や、キオスク端末20が設置される場所、変換処理部13の混雑度等を考慮した通知モードの設定が可能となる。
【0138】
例えば、ユーザが主に自宅等からアップロードすると想定されるテナントの場合、第1の実施形態と同様に、ファイルを印刷可能なデータに変換できたことを確認した後、ユーザのクライアント装置30に、印刷予約番号が通知される「変換後通知モード」で運用できる。
【0139】
また、ユーザが主にオフィスのPCからアップロードし、当該オフィスに設置されたクライアント装置30にて印刷するテナントの場合、変換処理の完了を待たずに印刷予約番号が通知される「判定後通知モード」や「受信後通知モード」で運用できる。
【0140】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0141】
例えば、サーバ装置10及びクライアント装置30は一体の装置として構成してもよい。
【0142】
また、サーバ装置10の例えば、変換処理部13、DBサーバ部14、ファイル管理部15、認証管理部16等の各機能部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。