(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
音声データをテキストデータに変換する機能をそれぞれ提供する複数のサーバ装置とネットワークを介して接続され、該機能を利用する機器を有する情報処理システムであって、
前記機能毎に、該機能を提供する複数のサーバ装置の優先度が記憶された記憶手段と、
前記機器が利用する機能を提供する複数のサーバ装置のうち、前記優先度に基づいて、前記機器に機能を提供するサーバ装置を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記サーバ装置が利用可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記サーバ装置が利用可能であると判定された場合、該サーバ装置により提供される機能を前記機器で利用すると決定する決定手段と、
前記機器から受信した音声データを、前記決定手段により決定された前記サーバ装置に送信する第1の送信手段と、
前記第1の送信手段による前記音声データの送信に応じて前記サーバ装置において該音声データが変換されたテキストデータを、該サーバ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記テキストデータを前記機器に送信する第2の送信手段と、
前記テキストデータの妥当性の確認が必要であることがユーザにより指定された場合又は前記音声データから前記テキストデータへの高精度な変換が必要であることがユーザにより指定された場合、前記受信手段により受信した前記テキストデータと、前記音声データとを、端末装置に送信する第3の送信手段と、
を有し、
前記受信手段は、
前記端末装置において前記妥当性の確認が完了した場合、前記妥当性の確認後のテキストデータを、前記端末装置から受信し、
前記第2の送信手段は、
前記テキストデータの妥当性の確認が必要であることがユーザにより指定された場合又は前記音声データから前記テキストデータへの高精度な変換が必要であることがユーザにより指定された場合、前記妥当性の確認前であることを示す情報と前記確認前のテキストデータとを前記機器に送信し、前記受信手段によって前記確認後のテキストデータが受信されたときは前記確認後のテキストデータを前記機器に送信する、情報処理システム。
音声データをテキストデータに変換する機能をそれぞれ提供する複数のサーバ装置とネットワークを介して接続され、前記機能毎に、該機能を提供する複数のサーバ装置の優先度が記憶された記憶手段を有する情報処理装置に用いられる情報処理方法であって、
前記情報処理装置とネットワークを介して接続される機器が利用する機能を提供する複数のサーバ装置のうち、前記優先度に基づいて、前記機器に機能を提供するサーバ装置を選択する選択手順と、
前記選択手順により選択された前記サーバ装置が利用可能であるか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記サーバ装置が利用可能であると判定された場合、該サーバ装置により提供される機能を前記機器で利用すると決定する決定手順と、
前記機器から受信した音声データを、前記決定手順により決定された前記サーバ装置に送信する第1の送信手順と、
前記第1の送信手順による前記音声データの送信に応じて前記サーバ装置において該音声データが変換されたテキストデータを、該サーバ装置から受信する受信手順と、
前記受信手順により受信した前記テキストデータを前記機器に送信する第2の送信手順と、
前記テキストデータの妥当性の確認が必要であることがユーザにより指定された場合又は前記音声データから前記テキストデータへの高精度な変換が必要であることがユーザにより指定された場合、前記受信手順により受信した前記テキストデータと、前記音声データとを、端末装置に送信する第3の送信手順と、
を有し、
前記受信手順は、
前記端末装置において前記妥当性の確認が完了した場合、前記妥当性の確認後のテキストデータを、前記端末装置から受信し、
前記第2の送信手順は、
前記テキストデータの妥当性の確認が必要であることがユーザにより指定された場合又は前記音声データから前記テキストデータへの高精度な変換が必要であることがユーザにより指定された場合、前記妥当性の確認前であることを示す情報と前記確認前のテキストデータとを前記機器に送信し、前記受信手順によって前記確認後のテキストデータが受信されたときは前記確認後のテキストデータを前記機器に送信する、情報処理方法。
音声データをテキストデータに変換する機能をそれぞれ提供する複数のサーバ装置とネットワークを介して接続され、前記機能毎に、該機能を提供する複数のサーバ装置の優先度が記憶された記憶手段を有する情報処理装置に、
前記情報処理装置とネットワークを介して接続される機器が利用する機能を提供する複数のサーバ装置のうち、前記優先度に基づいて、前記機器に機能を提供するサーバ装置を選択する選択手順、
前記選択手順により選択された前記サーバ装置が利用可能であるか否かを判定する判定手順、
前記判定手順により前記サーバ装置が利用可能であると判定された場合、該サーバ装置により提供される機能を前記機器で利用すると決定する決定手順、
前記機器から受信した音声データを、前記決定手順により決定された前記サーバ装置に送信する第1の送信手順、
前記第1の送信手順による前記音声データの送信に応じて前記サーバ装置において該音声データが変換されたテキストデータを、該サーバ装置から受信する受信手順、
前記受信手順により受信した前記テキストデータを前記機器に送信する第2の送信手順、
前記テキストデータの妥当性の確認が必要であることがユーザにより指定された場合又は前記音声データから前記テキストデータへの高精度な変換が必要であることがユーザにより指定された場合、前記受信手順により受信した前記テキストデータと、前記音声データとを、端末装置に送信する第3の送信手順、
を実行させ、
前記受信手順は、
前記端末装置において前記妥当性の確認が完了した場合、前記妥当性の確認後のテキストデータを、前記端末装置から受信し、
前記第2の送信手順は、
前記テキストデータの妥当性の確認が必要であることがユーザにより指定された場合又は前記音声データから前記テキストデータへの高精度な変換が必要であることがユーザにより指定された場合、前記妥当性の確認前であることを示す情報と前記確認前のテキストデータとを前記機器に送信し、前記受信手順によって前記確認後のテキストデータが受信されたときは前記確認後のテキストデータを前記機器に送信する、プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
[第一の実施形態]
<全体構成>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の全体構成を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、1台以上の電子黒板装置10と、管理装置20とを有し、LAN(Local Area Network)等のネットワークN1を介して、互いに通信可能に接続されている。また、本実施形態に係る電子黒板システム1は、インターネット等の広域的なネットワークN2を介して、複数のクラウドサーバ30と通信可能に接続されている。
【0013】
電子黒板装置10は、例えば会議や授業等に用いられ、ディスプレイ上に電子ファイル等を表示すると共に、電子ペン等を用いた手書き文字入力、マイクによる音声の集音(入力)等を行うことができる機器である。電子黒板装置10は、インタラクティブ・ホワイトボード又は電子ホワイトボードとも称される。
【0014】
また、電子黒板装置10は、クラウドサーバ30から提供される様々な機能のうち、ユーザにより選択された機能を利用して、この機能による処理結果等を示す情報をディプレイやスピーカ等から出力する。例えば、電子黒板装置10は、クラウドサーバ30から提供される「音声テキスト変換(日本語)」を利用して、マイクにより集音された音声を示す音声データをテキストデータに変換して、このテキストデータが示すテキスト(文章)をディスプレイ上に表示する。また、例えば、電子黒板装置10は、クラウドサーバ30から提供される「言語翻訳(英語→日本語)」を利用して、英語のテキストを示すテキストデータを日本語のテキストを示すテキストデータに変換(翻訳)して、翻訳後のテキストをディプレイ上に表示する。
【0015】
管理装置20は、電子黒板装置10でユーザにより選択された機能を提供するクラウドサーバ30のうち、選択された機能をユーザに提供するクラウドサーバ30(すなわち、ユーザが利用するクラウドサーバ30)を決定するコンピュータ(情報処理装置)である。すなわち、管理装置20は、例えば、ユーザにより選択された「音声テキスト変換(日本語)」を提供するクラウドサーバ30のうち、ユーザが利用するクラウドサーバ30を決定する。
【0016】
クラウドサーバ30は、様々な機能をクラウド型のサービスとして提供する外部のコンピュータ又はコンピュータシステムである。クラウドサーバ30は、ネットワークN2を介して、例えば人工知能(AI:Artificial Intelligence)や知的エージェント(IA:Intelligent Agent)等の技術を用いた様々な機能(サービス)を提供する。
【0017】
クラウドサーバ30が提供する機能には、例えば、日本語の音声を示す音声データを、日本語のテキストを示すテキストデータに変換する「音声テキスト変換(日本語)」等がある。また、クラウドサーバ30が提供する機能には、例えば、英語の音声を示す音声データを、英語のテキストを示すテキストデータに変換する「音声テキスト変換(英語)」等がある。クラウドサーバ30が提供する機能には、これ以外にも、例えば、英語のテキストを示すテキストデータを、日本語のテキストを示すテキストデータに翻訳(変換)する「言語翻訳(英語→日本語)」等がある。
【0018】
なお、本実施形態に係るクラウドサーバ30は、クラウド型のサービスとして様々な機能を提供するものとして説明するが、これに限られない。クラウドサーバ30は、例えば、ASP(Application Service Provider)によって提供されるサービスやWebサービス等であっても良い。また、クラウドサーバ30は、電子黒板システム1に含まれていても良い(すなわち、クラウドサーバ30は、オンプレミス型のサービスとして機能を提供しても良い。)。
【0019】
なお、以降では、複数のクラウドサーバ30について、それぞれを区別するときは、「クラウドサーバ30A」、「クラウドサーバ30B」、「クラウドサーバ30C」等と表す。また、以降では、「クラウドサーバ30A」の名称(又は「クラウドサーバ30A」により機能を提供するサービス提供者の名称)を「サーバA」と表す。同様に、以降では、「クラウドサーバ30B」の名称(又は「クラウドサーバ30B」により機能を提供するサービス提供者の名称)を「サーバB」と表す。「クラウドサーバ30C」等についても同様である。
【0020】
図1に示す電子黒板システム1は、一例であって、他の構成であっても良い。例えば、管理装置20は、電子黒板装置10に含まれる構成であっても良い。すなわち、電子黒板装置10と管理装置20とが1つの装置であっても良い。
【0021】
また、電子黒板システム1は、電子黒板装置10に代えて、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器、テレビ会議に用いられるテレビ会議端末、MFP(Multifunction Peripheral)等の複合機等であっても良い。すなわち、本実施形態は、電子黒板装置10に限られず、例えば、音声データ等の各種データの入力及び出力の少なくとも一方が可能な電子機器が用いられても良い。
【0022】
<処理の概略>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の概略について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の概略の一例を説明する図である。
【0023】
S1−1)まず、会議等の参加者であるユーザは、電子黒板装置10を用いて、会議等において利用する機能(例えば、「音声テキスト変換(日本語)」等)を選択する。ユーザは、例えば、電子黒板装置10のディスプレイ上に表示された所定の画面(利用可能な機能の一覧が含まれる画面)において、利用する機能を選択することができる。
【0024】
S1−2)電子黒板装置10は、ユーザにより選択された機能の機能名(例えば、「音声テキスト変換(日本語)」等)を管理装置20に送信する。
【0025】
S1−3)管理装置20は、電子黒板装置10から機能名を受信すると、この機能名の機能を提供するクラウドサーバ30の中から、利用するクラウドサーバ30を決定する。このとき、管理装置20は、機能毎に、クラウドサーバ30の優先度が関連付けられたテーブル(後述する優先度テーブル)を参照して、利用するクラウドサーバ30を決定する。
【0026】
すなわち、例えば、上記のステップS1−1)で機能名「音声テキスト変換(日本語)」が選択された場合、後述する優先度テーブルを参照して、「音声テキスト変換(日本語)」を提供するクラウドサーバ30の中から、利用するクラウドサーバ30を決定する。
【0027】
S1−4)電子黒板装置10は、管理装置20を介して、決定されたクラウドサーバ30により提供される機能を利用する。
【0028】
すなわち、例えば、上記のステップS1−1)で機能名「音声テキスト変換(日本語)」が選択された場合、電子黒板装置10は、管理装置20を介して、会議等で集音された音声を示す音声データを、決定されたクラウドサーバ30に送信する。そして、電子黒板装置10は、管理装置20を介して、このクラウドサーバ30で音声データが変換されたテキストデータを受信する。これにより、電子黒板装置10は、受信したテキストデータが示すテキストをディスプレイ等に表示することができる。
【0029】
このように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、ユーザにより選択された機能を提供するクラウドサーバ30のうち、利用するクラウドサーバ30を管理装置20が決定する。このため、例えば、会議等で利用したい機能を提供するクラウドサーバ30が複数存在する場合であっても、電子黒板装置10のユーザは、当該機能の機能名を選択するだけで良くなる。
【0030】
すなわち、例えば、クラウドサーバ30A、クラウドサーバ30B、及びクラウドサーバ30Cのいずれもが「音声テキスト変換(日本語)」を提供可能である場合に、ユーザは、機能名「音声テキスト変換(日本語)」を選択するだけで良い。したがって、この場合、ユーザは、例えば、クラウドサーバ30A、クラウドサーバ30B、及びクラウドサーバ30Cのそれぞれが提供する「音声テキスト変換(日本語)」の特徴や違い等を知らなくても、適切なクラウドサーバ30を利用することができる。
【0031】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る電子黒板装置10のハードウェア構成について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係る電子黒板装置10の一例のハードウェア構成を示す図である。
【0032】
図3に示すように、本実施形態に係る電子黒板装置10は、入力装置11と、表示装置12と、外部I/F13と、通信I/F14と、ROM15(Read Only Memory)とを有する。また、本実施形態に係る電子黒板装置10は、RAM(Random Access Memory)16と、CPU(Central Processing Unit)17と、HDD(Hard Disk Drive)18と、集音装置19とを有する。これらの各ハードウェアは、それぞれがバスB1で接続されている。
【0033】
入力装置11は、タッチパネル等であり、ユーザによる各種操作(例えば、音声テキスト変換(日本語)や音声テキスト変換(英語)等の機能の選択操作)を入力するのに用いられる。表示装置12は、ディスプレイ等であり、各種情報(例えば、音声テキスト変換(日本語)による変換結果を示すテキスト等)を表示する。
【0034】
外部I/F13は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体13a等がある。これにより、電子黒板装置10は、外部I/F13を介して、記録媒体13a等の読み取りや書き込みを行うことができる。なお、記録媒体13aには、例えば、USBメモリやCD、DVD、SDメモリカード等がある。
【0035】
通信I/F14は、電子黒板装置10をネットワークN1等に接続するためのインタフェースである。これにより、電子黒板装置10は、通信I/F14を介して、他の装置(例えば、管理装置20や他の電子黒板装置10等)と通信を行うことができる。
【0036】
HDD18は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。HDD18に格納されるプログラムやデータには、電子黒板装置10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、OS上において各種機能を提供するアプリケーションプログラム等がある。
【0037】
また、HDD18は、格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステム及び/又はDB(データベース)により管理している。なお、電子黒板装置10は、HDD18に代えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を有していても良い。
【0038】
ROM15は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM15には、電子黒板装置10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定等のプログラムやデータが格納されている。RAM16は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0039】
CPU17は、ROM15やHDD18等の記憶装置からプログラムやデータをRAM16上に読み出し、処理を実行することで、電子黒板装置10全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0040】
集音装置19は、例えばマイクロフォン(マイク)等であり、電子黒板装置10の周囲の音を集音する。
【0041】
本実施形態に係る電子黒板装置10は、
図3に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0042】
次に、本実施形態に係る管理装置20のハードウェア構成について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る管理装置20の一例のハードウェア構成を示す図である。
【0043】
図4に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、入力装置21と、表示装置22と、外部I/F23と、通信I/F24とを有する。また、本実施形態に係る管理装置20は、ROM25と、RAM26と、CPU27と、HDD28とを有する。これらの各ハードウェアは、それぞれがバスB2で接続されている。
【0044】
入力装置21は、キーボードやマウス、タッチパネル等であり、ユーザによる各種操作を入力するのに用いられる。表示装置22は、ディスプレイ等であり、各種情報を表示する。なお、管理装置20は、入力装置21及び表示装置22の少なくとも一方を必要なときにバスB2に接続して利用する形態であっても良い。
【0045】
外部I/F23は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体23a等がある。これにより、管理装置20は、外部I/F23を介して、記録媒体23a等の読み取りや書き込みを行うことができる。なお、記録媒体23aには、例えば、USBメモリやCD、DVD、SDメモリカード等がある。
【0046】
通信I/F24は、管理装置20をネットワークN1やネットワークN2等に接続するためのインタフェースである。これにより、管理装置20は、通信I/F24を介して、他の装置(例えば、電子黒板装置10やクラウドサーバ30等)と通信を行うことができる。
【0047】
HDD28は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。HDD28に格納されるプログラムやデータには、管理装置20全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、OS上において各種機能を提供するアプリケーションプログラム等がある。
【0048】
また、HDD28は、格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステム及び/又はDB(データベース)により管理している。なお、管理装置20は、HDD28に代えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を有していても良い。
【0049】
ROM25は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM25には、管理装置20の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定等のプログラムやデータが格納されている。RAM26は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0050】
CPU27は、ROM25やHDD28等の記憶装置からプログラムやデータをRAM26上に読み出し、処理を実行することで、管理装置20全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0051】
本実施形態に係る管理装置20は、
図4に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0052】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。
【0053】
図5に示すように、本実施形態に係る電子黒板装置10は、操作受付部101と、表示制御部102と、音声受付部103と、通信部104とを有する。これら各機能部は、電子黒板装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU17に実行させる処理により実現される。
【0054】
操作受付部101は、ユーザによる各種操作の入力を受け付ける。すなわち、操作受付部101は、例えば、ユーザによる機能の選択操作等の入力を受け付ける。また、操作受付部101は、例えば、クラウドサーバ30で音声データがテキストデータに変換された場合に、このテキストデータが示すテキストが妥当であるか否か(すなわち、変換結果が正しいか否か)を評価するための操作(評価操作)の入力を受け付ける。
【0055】
表示制御部102は、各種の情報を表示する。すなわち、表示制御部102は、例えば、利用可能な機能の一覧が含まれる画面(機能選択画面)を表示装置12上に表示する。また、表示制御部102は、例えば、管理装置20を介して、クラウドサーバ30からテキストデータを受信すると、このテキストデータが示すテキストを画面上に表示する。
【0056】
音声受付部103は、音声の入力を受け付ける。すなわち、音声受付部103は、集音装置19で集音された音(音声)の入力を受け付ける。
【0057】
通信部104は、他の装置(例えば、管理装置20や他の電子黒板装置10等)との間で、各種データの通信を行う。すなわち、通信部104は、例えば、ユーザにより選択された機能の機能名を含むデータ(選択機能データ)を管理装置20に送信する。また、通信部104は、例えば、音声受付部103により入力を受け付けた音声を示す音声データを、管理装置20を介して、当該管理装置20により決定されたクラウドサーバ30に送信する。
【0058】
図5に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、通信部201と、サーバ決定処理部202と、ログ保存部203と、更新処理部204とを有する。これら各機能部は、管理装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU27に実行させる処理により実現される。
【0059】
また、
図5に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、優先度テーブル記憶部310と、ログデータ記憶部320とを有する。これら各記憶部は、例えばHDD28を用いて実現可能である。なお、これら各記憶部のうちの少なくとも一の記憶部が、管理装置20とネットワークN1又はネットワークN2を介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
【0060】
通信部201は、他の装置(例えば、電子黒板装置10やクラウドサーバ30等)との間で、各種データの通信を行う。すなわち、通信部201は、例えば、ユーザにより選択された機能の機能名を含む選択機能データを受信する。また、通信部201は、例えば、電子黒板装置10で集音された音声を示す音声データを受信する。
【0061】
サーバ決定処理部202は、通信部201により受信した選択機能データに含まれる機能名の機能を提供するクラウドサーバ30の中から、ユーザが利用するクラウドサーバ30を決定する処理を行う。ここで、サーバ決定処理部202は、選択部211と、判定部212と、決定部213とを有する。
【0062】
選択部211は、優先度テーブル記憶部310に記憶されている優先度テーブル400を参照して、通信部201により受信した選択機能データに含まれる機能名の機能を提供するクラウドサーバ30を、優先度順に選択する。
【0063】
判定部212は、選択部211により選択されたクラウドサーバ30が利用可能であるか否か(すなわち、選択されたクラウドサーバ30がサービスの提供を終了や中止等していないか否か等)を判定する。
【0064】
決定部213は、判定部212により利用可能であると判定されたクラウドサーバ30を、ユーザが利用するクラウドサーバ30に決定する。
【0065】
ログ保存部203は、ユーザが利用する機能が「音声テキスト変換(日本語)」又は「音声テキスト変換(英語)」である場合に、音声データと、この音声データがクラウドサーバ30で変換されたテキストデータとを関連付けたログデータを作成する。そして、ログ保存部203は、作成したログデータをログデータ記憶部320に保存する。
【0066】
更新処理部204は、優先度テーブル記憶部310に記憶されている優先度テーブル400を更新するための処理を行う。ここで、更新処理部204は、集計部221と、更新部222とを有する。
【0067】
集計部221は、ユーザが利用する機能が「音声テキスト変換(日本語)」又は「音声テキスト変換(英語)」である場合に、音声データが変換されたテキストデータの内容が妥当であるか否かの評価数を集計する。
【0068】
更新部222は、集計部221により集計された評価数に応じて、優先度テーブル400に格納されている優先度(クラウドサーバ30の優先度)を更新する。
【0069】
優先度テーブル記憶部310は、優先度テーブル400を記憶する。優先度テーブル400は、機能毎に、クラウドサーバ30の優先度が関連付けられたテーブルである。
【0070】
ここで、優先度テーブル記憶部310に記憶されている優先度テーブル400の詳細について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態に係る優先度テーブル400の一例を示す図である。
【0071】
図6に示すように、優先度テーブル400は、機能名毎に、クラウドサーバ30の名称(サーバ名)と、このクラウドサーバ30を利用する場合における優先順位を示す優先度とが関連付けられている。
【0072】
例えば、機能名「音声テキスト変換(日本語)」では、サーバ名「サーバA」と「優先度1」とが関連付けられている。同様に、機能名「音声テキスト変換(日本語)」では、サーバ名「サーバB」と「優先度2」とが関連付けられている。
【0073】
なお、機能名「言語翻訳(日本語→英語)」では、サーバ名「サーバC」には優先度が関連付けられていない。これは、サーバ名「サーバC」のクラウドサーバ30(すなわち、クラウドサーバ30C)は、「言語翻訳(日本語→英語)」の機能を提供できないことを示している。
【0074】
ログデータ記憶部320は、ログ保存部203により作成されたログデータを記憶する。なお、ログデータ記憶部320に記憶されたログデータの詳細については後述する。
【0075】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。
【0076】
まず、ユーザが電子黒板装置10を利用して会議等を行う場合における全体処理について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態に係る電子黒板システム1の全体処理の一例を示すシーケンス図である。
【0077】
まず、電子黒板装置10の操作受付部101は、ユーザによる機能の選択操作の入力を受け付ける(ステップS701)。ここで、ユーザは、例えば、表示制御部102により表示された、例えば
図8に示す機能選択画面G100において、機能一覧G110から所望の機能を選択した上で、OKボタンG120を押下することで、機能の選択操作を行うことができる。なお、機能の選択操作は、例えば、音声により行われても良い。
【0078】
以降では、一例として、「音声テキスト変換(日本語)」がユーザにより選択されたものとして説明する。なお、本実施形態では、ユーザの操作により機能が選択されるものとしたが、これに限られず、例えば、電子黒板装置10毎又はユーザ毎に利用する機能が予め決まっていても良い。
【0079】
次に、電子黒板装置10の通信部104は、上記のステップS701でユーザにより選択された機能の機能名(すなわち、「音声テキスト変換(日本語)」)を含む選択機能データを管理装置20に送信する(ステップS702)。
【0080】
管理装置20のサーバ決定処理部202は、通信部201により選択機能データを受信すると、この選択機能データに含まれる機能名の機能を提供するクラウドサーバ30の中から、ユーザが利用するクラウドサーバ30を決定する(ステップS703)。すなわち、サーバ決定処理部202は、「音声テキスト変換(日本語)」を提供するクラウドサーバ30の中から、ユーザが利用するクラウドサーバ30を決定する。
【0081】
ここで、ステップS703におけるクラウドサーバ30の決定処理について、
図8を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態に係るクラウドサーバ30の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
まず、選択部211は、優先度テーブル400を参照して、選択機能データに含まれる機能名(すなわち、「音声テキスト変換(日本語)」)を提供するクラウドサーバ30のうち、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する(ステップS901)。すなわち、選択部211は、
図6に示す優先度テーブル400を参照して、機能名「音声テキスト変換(日本語)」において、最も優先度が高いことを示す「優先度1」が関連付けられているサーバ名「サーバA」(クラウドサーバ30A)を選択する。
【0083】
次に、判定部212は、選択部211により選択されたクラウドサーバ30が利用可能であるか否かを判定する(ステップS902)。判定部212は、選択されたクラウドサーバ30に対して、例えば、疎通確認等を行うことにより、利用可能であるか否かを判定すれば良い。
【0084】
ステップS902において、判定部212によりクラウドサーバ30が利用可能でないと判定された場合、選択部211は、優先度テーブル400を参照して、次に優先度が高いクラウドサーバ30を選択する(ステップS903)。すなわち、選択部211は、優先度テーブル400を参照して、機能名「音声テキスト変換(日本語)」において、次に優先度が高いサーバ名を選択する。
【0085】
ステップS902において、判定部212によりクラウドサーバ30が利用可能であると判定された場合、決定部213は、選択部211により選択されたクラウドサーバ30を、ユーザが利用するクラウドサーバ30に決定する(ステップS904)。
【0086】
このように、本実施形態に係る管理装置20は、ユーザが利用するクラウドサーバ30(すなわち、ユーザが選択した機能名の機能を提供するクラウドサーバ30)を決定する。
【0087】
図7に戻る。以降のステップS704〜ステップS712の処理は、所定の間隔(例えば、電子黒板装置10の音声受付部103が一区切りの音声や1フレーズの音声等の入力を受け付ける時間)毎に行われる。
【0088】
電子黒板装置10の音声受付部103は、音声の入力を受け付ける(ステップS704)。すなわち、音声受付部103は、集音装置19で集音された音(音声)の入力を受け付ける。
【0089】
電子黒板装置10の通信部104は、音声受付部103により入力を受け付けた音声を示す音声データを管理装置20に送信する(ステップS705)。
【0090】
管理装置20の通信部201は、電子黒板装置10から受信した音声データを、上記のステップS703で決定されたクラウドサーバ30に送信する(ステップS706)。なお、通信部201は、例えば、ステップS703で決定されたクラウドサーバ30が公開しているWebAPI(Application Program Interface)等を用いて、このクラウドサーバ30に音声データを送信することができる。
【0091】
クラウドサーバ30は、音声データを受信すると、例えば人工知能や知的エージェント等の技術を利用した音声認識により、この音声データをテキストデータに変換する(ステップS707)。そして、クラウドサーバ30は、テキストデータを管理装置20に返信する。
【0092】
管理装置20のログ保存部203は、電子黒板装置10から受信した音声データと、クラウドサーバ30から受信したテキストデータとを関連付けたログデータを作成して、作成したログデータをログデータ記憶部320に保存する(ステップS708)。そして、ログ保存部203は、通信部201によりテキストデータを電子黒板装置10に返信する。なお、ログ保存部203は、例えば、作成したログデータのログIDと共に、当該テキストデータを電子黒板装置10に送信する。
【0093】
ここで、ログデータ記憶部320に記憶されているログデータについて、
図10を参照しながら説明する。
図10は、本実施形態に係るログデータの一例を示す図である。
【0094】
図10に示すように、ログデータ記憶部320に記憶されているログデータには、ログIDと、日時と、音声データと、サーバ名と、機能名と、テキストデータと、評価とが関連付けられている。
【0095】
ログIDは、ログデータを識別する識別情報である。日時は、ログデータが作成された年月日及び時刻である。音声データは、電子黒板装置10から受信した音声データである。サーバ名は、音声データをテキストデータに変換したクラウドサーバ30の名称である。機能名は、ユーザにより選択された機能である。テキストデータは、クラウドサーバ30から受信したテキストデータである。
【0096】
評価は、後述するユーザの評価操作による評価結果である。評価には、テキストデータが示すテキストの内容が適切であると評価された回数(合計回数)と、テキストデータが示すテキストの内容が不適切であると評価された回数(合計回数)とが含まれる。なお、ログ保存部203は、上記のステップS708において、評価に含まれる適切及び不適切の回数を共に初期値「0」としたログデータを作成すれば良い。
【0097】
電子黒板装置10の表示制御部102は、通信部104によりテキストデータを受信すると、このテキストデータが示すテキストを画面上に表示する(ステップS709)。
【0098】
ここで、管理装置20を介して、クラウドサーバ30から受信したテキストデータが示すテキスト(すなわち、「音声テキスト変換(日本語)」の変換結果)が表示された結果画面G200について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、音声テキスト変換(日本語)の結果画面G200の一例を示す図である。
【0099】
図11に示すように、音声テキスト変換(日本語)の結果画面G200には、上記のステップS709で受信したテキストデータが示すテキストが表示される音声テキスト変換結果欄G210が含まれる。音声テキスト変換結果欄G210では、テキストデータを受信する度に、このテキストデータが示すテキストが表示される。
【0100】
また、音声テキスト変換(日本語)の結果画面G200には、音声テキスト変換履歴欄G220が含まれる。音声テキスト変換履歴欄G220では、クラウドサーバ30から受信したテキストデータが示すテキストの履歴(すなわち、「音声テキスト変換(日本語)」の変換結果の履歴)が表示される。
【0101】
音声テキスト変換履歴欄G220には、クラウドサーバ30から受信したテキストデータが示すテキストが表示される履歴テキスト欄G221が含まれる。また、音声テキスト変換履歴欄G220には、履歴テキスト欄G221に表示されたテキストの内容が適切(すなわち、変換結果が正しい)であると評価するための適切評価ボタンG222が含まれる。同様に、音声テキスト変換履歴欄G220には、履歴テキスト欄G221に表示されたテキストの内容が不適切(すなわち、変換結果が正しくない)であると評価するための不適切評価ボタンG223とが含まれる。適切評価ボタンG222又は不適切評価ボタンG223を押下することで、ユーザは、履歴テキスト欄G221に表示されたテキストの評価操作を行うことができる。なお、適切評価ボタンG222及び不適切評価ボタンG223には、例えば、履歴テキスト欄G221に表示されたテキストを示すテキストデータのログIDが関連付けられている。
【0102】
ここで、
図11に示す音声テキスト変換(日本語)の結果画面G200において、ユーザが適切評価ボタンG222又は不適切評価ボタンG223を押下して、テキストの評価操作を行ったものとする。
【0103】
この場合、電子黒板装置10の操作受付部101は、ユーザによる評価操作の入力を受け付ける(ステップS710)。
【0104】
次に、電子黒板装置10の通信部201は、操作受付部101により入力が受け付けられた評価操作を示す評価データを、管理装置20に送信する(ステップS711)。すなわち、通信部201は、操作受付部101により適切評価ボタンG222の入力が受け付けられた場合、この適切評価ボタンG222に関連付けられているログIDと、評価結果が適切であることを示す評価情報とを含む評価データを管理装置20に送信する。一方、通信部201は、操作受付部101により不適切評価ボタンG223の入力が受け付けられた場合、この不適切評価ボタンG223に関連付けられているログIDと、評価結果が不適切であることを示す評価情報とを含む評価データを管理装置20に送信する。
【0105】
管理装置20のログ保存部203は、通信部201により評価データを受信すると、この評価データに含まれるログIDにより識別されるログデータの評価を更新する(ステップS712)。すなわち、ログ保存部203は、評価データに含まれるログIDにより識別されるログデータの評価における適切回数又は不適切回数を、この評価データに含まれる評価情報に応じて1加算する。このように、ユーザが評価操作を行うことにより、評価されたテキストに対応するログデータの適切回数又は不適切回数が加算される。
【0106】
次に、優先度テーブル記憶部310に記憶されている優先度テーブル400を更新して、クラウドサーバ30に関連付けられている優先度を更新する処理について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、本実施形態に係る優先度の更新処理の一例を示すフローチャートである。以降で説明する優先度の更新処理は、例えば、所定の間隔毎(1週間毎や1か月毎など)又はユーザの操作に応じて実行される。
【0107】
まず、集計部221は、ログデータ記憶部320に記憶されているログデータを参照して、機能名毎及びクラウドサーバ30毎に、評価数を集計する(ステップS1201)。すなわち、集計部221は、機能名毎及びクラウドサーバ30毎に、適切回数の合計と、不適切回数の合計とを算出する。
【0108】
次に、更新部222は、集計した評価数に基づいて、機能名毎に、クラウドサーバ30に関連付けられている優先度を更新する(ステップS1202)。更新部222は、例えば、適切回数の合計が多い順に、クラウドサーバ30の優先度が高くなるように、優先度を更新すれば良い。また、更新部222は、適切回数の合計から不適切回数の合計を減算した値が多い順に、クラウドサーバ30の優先度が高くなるように、優先度を更新しても良い。
【0109】
これにより、本実施形態に係る管理装置20は、例えば、「音声テキスト変換(日本語)」や「音声テキスト変換(英語)」について、変換の精度が高い順に、クラウドサーバ30の優先度が高くなるように、優先度を更新することができる。
【0110】
なお、上記のステップS1202で、更新部222は、所定の期間の間、機能を提供していないクラウドサーバ30(例えば、所定の期間の間の適切回数の合計及び不適切回数の合計が「0」のクラウドサーバ30)を優先度テーブル400から削除しても良い。また、優先度テーブル400に格納されている優先度は、例えば、管理装置20のユーザ等が手動で更新しても良い。
【0111】
以上のように、第一の実施形態に係る電子黒板システム1では、ユーザにより選択された機能を提供するクラウドサーバ30の中から、ユーザ利用するクラウドサーバ30を優先度に応じて決定する。そして、ユーザは、決定されたクラウドサーバ30を利用して、電子黒板装置10を用いた会議等を行うことができる。これにより、ユーザは、電子黒板装置10を用いた会議等において、自身が所望する機能を選択するだけで、この機能を提供するクラウドサーバ30を利用することができるようになる。
【0112】
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明する。クラウドサーバ30には、無料で利用できるものもある一方で、利用に応じて所定の費用(コスト)が発生するものもある。そこで、第二の実施形態では、電子黒板装置10において、所望の機能と、所望のコストとが選択された場合、選択された機能を提供し、かつ、選択されたコストのクラウドサーバ30の中から、ユーザが利用するクラウドサーバ30を優先度に応じて決定する。
【0113】
<機能構成>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図13を参照しながら説明する。
図13は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。なお、第一の実施形態と同様の機能構成については、その説明を省略する。
【0114】
図13に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、サーバ決定処理部202Aと、優先度テーブル記憶部310Aとを有する。また、サーバ決定処理部202Aは、選択部211Aを有する。
【0115】
選択部211Aは、優先度テーブル記憶部310Aに記憶されている優先度テーブル410を参照して、選択機能データに含まれる機能名の機能を提供し、かつ、この選択機能データに含まれるコストのクラウドサーバ30を、優先度順に選択する。
【0116】
優先度テーブル記憶部310Aは、コスト毎の優先度テーブル410を記憶する。コスト毎の優先度テーブル410は、機能毎に、当該コストで利用することができるクラウドサーバ30の優先度が関連付けられたテーブルである。
【0117】
ここで、優先度テーブル記憶部310Aに記憶されている優先度テーブル410の詳細について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、本実施形態に係る優先度テーブル410の一例を示す図である。
【0118】
図14に示すように、優先度テーブル記憶部310Aには、コスト毎に、優先度テーブル411、優先度テーブル412、及び優先度テーブル413等が記憶されている。
【0119】
すなわち、優先度テーブル記憶部310Aには、例えば、コスト「無料」の優先度テーブル411、コスト「10円/分」の優先度テーブル412、及びコスト「100円/分」の優先度テーブル413が記憶されている。
【0120】
そして、優先度テーブル411には、機能毎に、コスト「無料」で利用することができるクラウドサーバ30の優先度が関連付けられている。同様に、優先度テーブル412には、機能毎に、コスト「10円/分」で利用することができるクラウドサーバ30の優先度が関連付けられている。また、同様に、優先度テーブル413には、機能毎に、コスト「100円/分」で利用することができるクラウドサーバ30の優先度が関連付けられている。
【0121】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。
【0122】
以降では、ユーザが電子黒板装置10を利用して会議等を行う場合における全体処理について、
図15を参照しながら説明する。
図15は、本実施形態に係る電子黒板システム1の全体処理の一例を示すシーケンス図である。なお、ステップS704〜ステップS712の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0123】
まず、電子黒板装置10の操作受付部101は、ユーザによるコスト及び機能の選択操作の入力を受け付ける(ステップS1501)。ここで、ユーザは、表示制御部102により表示された、例えば
図16に示す機能選択画面G300において、コスト一覧G310から所望のコストを選択した後、機能一覧G320から所望の機能を選択する。そして、ユーザは、OKボタンG330を押下することで、コスト及び機能の選択操作を行うことができる。
【0124】
次に、電子黒板装置10の通信部104は、上記のステップS1501でユーザにより選択されたコスト及び機能名を含む選択機能データを管理装置20に送信する(ステップS1502)。
【0125】
管理装置20のサーバ決定処理部202Aは、通信部201により選択機能データを受信すると、この選択機能データに含まれるコスト及び機能名に基づいて、ユーザが利用するクラウドサーバ30を決定する(ステップS1503)。
【0126】
ここで、ステップS1503におけるクラウドサーバ30の決定処理について、
図17を参照しながら説明する。
図17は、本実施形態に係るクラウドサーバ30の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0127】
まず、選択部211Aは、選択機能データに含まれるコストの優先度テーブル410を参照して、選択機能データに含まれる機能名を提供するクラウドサーバ30のうち、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する(ステップS1701)。
【0128】
すなわち、例えば、選択機能データに含まれるコストが「無料」である場合、選択部211Aは、優先度テーブル411を参照して、選択機能データに含まれる機能名を提供するクラウドサーバ30のうち、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する。同様に、例えば、選択機能データに含まれるコストが「10円/分」である場合、選択部211Aは、優先度テーブル412を参照して、選択機能データに含まれる機能名を提供するクラウドサーバ30のうち、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する。同様に、例えば、選択機能データに含まれるコストが「100円/分」である場合、選択部211Aは、優先度テーブル413を参照して、選択機能データに含まれる機能名を提供するクラウドサーバ30のうち、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する。
【0129】
このように、選択部211Aは、ユーザにより選択されたコストの優先度テーブル410を参照して、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する。
【0130】
次に、判定部212は、選択部211Aにより選択されたクラウドサーバ30が利用可能であるか否かを判定する(ステップS1702)。判定部212は、
図9のステップS902と同様に、選択されたクラウドサーバ30に対して、例えば、疎通確認等を行うことにより、利用可能であるか否かを判定すれば良い。
【0131】
ステップS1702において、判定部212によりクラウドサーバ30が利用可能でないと判定された場合、選択部211Aは、選択機能データに含まれるコストの優先度テーブル410を参照して、次に優先度が高いクラウドサーバ30を選択する(ステップS1703)。
【0132】
ステップS1702において、判定部212によりクラウドサーバ30が利用可能であると判定された場合、決定部213は、選択部211Aにより選択されたクラウドサーバ30を、ユーザが利用するクラウドサーバ30に決定する(ステップS1704)。
【0133】
以上のように、第二の実施形態に係る電子黒板システム1では、ユーザにより選択されたコスト及び機能に基づいて、選択された機能を提供し、かつ、選択されたコストで利用することができるクラウドサーバ30を優先度に応じて決定する。これにより、ユーザは、電子黒板装置10を用いた会議等において、自身が所望するコスト及び機能を選択するだけで、選択されたコストで、選択された機能を提供するクラウドサーバ30を利用することができるようになる。
【0134】
[第三の実施形態]
次に、第三の実施形態について説明する。例えば「音声テキスト変換(日本語)」や「音声テキスト変換(英語)」等の機能を複数のクラウドサーバ30が提供することができる場合であっても、クラウドサーバ30によって、変換の精度や変換の速度が異なることが多い。すなわち、同様の機能を提供するクラウドサーバ30であっても、これらのクラウドサーバ30がそれぞれ提供する機能の性能(例えば、変換の精度や変換の速度等)が異なる場合がある。
【0135】
そこで、第三の実施形態では、電子黒板装置10において、所望の機能と、所望の精度及び速度とが選択された場合、選択された精度及び速度で、選択された機能を提供するクラウドサーバ30の中から、ユーザが利用するクラウドサーバ30を優先度に応じて決定する。
【0136】
<機能構成>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図18を参照しながら説明する。
図18は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。なお、第一の実施形態と同様の機能構成については、その説明を省略する。
【0137】
図18に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、サーバ決定処理部202Bと、優先度テーブル記憶部310Bとを有する。また、サーバ決定処理部202Bは、選択部211Bを有する。
【0138】
選択部211Bは、優先度テーブル記憶部310Bに記憶されている優先度テーブル420を参照して、選択機能データに含まれる精度及び速度で、この選択機能データに含まれる機能を提供するクラウドサーバ30を、優先度順に選択する。
【0139】
優先度テーブル記憶部310Bは、精度毎及び速度毎の優先度テーブル420を記憶する。精度毎及び速度毎の優先度テーブル420は、機能毎に、当該精度及び当該速度で、この機能を提供することができるクラウドサーバ30の優先度が関連付けられたテーブルである。
【0140】
ここで、優先度テーブル記憶部310Bに記憶されている優先度テーブル420の詳細について、
図19を参照しながら説明する。
図19は、本実施形態に係る優先度テーブル420の一例を示す図である。
【0141】
図19に示すように、優先度テーブル記憶部310Bには、精度毎及び速度毎に、優先度テーブル421、優先度テーブル422、優先度テーブル423、優先度テーブル424、及び優先度テーブル425等が記憶されている。
【0142】
すなわち、優先度テーブル記憶部310Bには、例えば、精度「高」、かつ、速度「高」の優先度テーブル421、精度「中」、かつ、速度「高」の優先度テーブル422、精度「低」、かつ、速度「高」の優先度テーブル423が記憶されている。同様に、優先度テーブル記憶部310Bには、例えば、精度「高」、かつ、速度「中」の優先度テーブル424、精度「中」、かつ、速度「中」の優先度テーブル425等が記憶されている。
【0143】
そして、優先度テーブル421には、機能毎に、精度「高」、かつ、速度「高」で、この機能を提供することができるクラウドサーバ30の優先度が関連付けられている。同様に、優先度テーブル422には、機能毎に、精度「中」、かつ、速度「高」で、この機能を提供することができるクラウドサーバ30の優先度が関連付けられている。優先度テーブル423〜425等も同様である。
【0144】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。
【0145】
以降では、ユーザが電子黒板装置10を利用して会議等を行う場合における全体処理について、
図20を参照しながら説明する。
図20は、本実施形態に係る電子黒板システム1の全体処理の一例を示すシーケンス図である。なお、ステップS704〜ステップS712の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0146】
まず、電子黒板装置10の操作受付部101は、ユーザによる精度、速度、及び機能の選択操作の入力を受け付ける(ステップS2001)。ここで、ユーザは、表示制御部102により表示された、例えば
図21に示す機能選択画面G400において、精度及び速度一覧G410から所望の精度及び速度を選択した後、機能一覧G420から所望の機能を選択する。そして、ユーザは、OKボタンG430を押下することで、精度、速度、機能の選択操作を行うことができる。
【0147】
次に、電子黒板装置10の通信部104は、上記のステップS2001でユーザにより選択された精度、速度、及び機能名を含む選択機能データを管理装置20に送信する(ステップS2002)。
【0148】
管理装置20のサーバ決定処理部202Bは、通信部201により選択機能データを受信すると、この選択機能データに含まれる精度、速度、及び機能名に基づいて、ユーザが利用するクラウドサーバ30を決定する(ステップS2003)。
【0149】
ここで、ステップS2003におけるクラウドサーバ30の決定処理について、
図22を参照しながら説明する。
図22は、本実施形態に係るクラウドサーバ30の決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0150】
まず、選択部211Bは、選択機能データに含まれる精度及び速度の優先度テーブル420を参照して、選択機能データに含まれる機能名を提供するクラウドサーバ30のうち、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する(ステップS2201)。
【0151】
すなわち、例えば、選択機能データに含まれる精度が「高」、速度が「高」である場合、選択部211Bは、優先度テーブル421を参照して、選択機能データに含まれる機能名を提供するクラウドサーバ30のうち、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する。同様に、例えば、選択機能データに含まれる精度が「中」、速度が「高」である場合、選択部211Bは、優先度テーブル422を参照して、選択機能データに含まれる機能名を提供するクラウドサーバ30のうち、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する。
【0152】
このように、選択部211Aは、ユーザにより選択された精度及び速度の優先度テーブル420を参照して、最も優先度が高いクラウドサーバ30を選択する。
【0153】
次に、判定部212は、選択部211Bにより選択されたクラウドサーバ30が利用可能であるか否かを判定する(ステップS2202)。判定部212は、
図9のステップS902と同様に、選択されたクラウドサーバ30に対して、例えば、疎通確認等を行うことにより、利用可能であるか否かを判定すれば良い。
【0154】
ステップS2202において、判定部212によりクラウドサーバ30が利用可能でないと判定された場合、選択部211Bは、選択機能データに含まれる精度及び速度の優先度テーブル420を参照して、次に優先度が高いクラウドサーバ30を選択する(ステップS2203)。
【0155】
ステップS2202において、判定部212によりクラウドサーバ30が利用可能であると判定された場合、決定部213は、選択部211Bにより選択されたクラウドサーバ30を、ユーザが利用するクラウドサーバ30に決定する(ステップS2204)。
【0156】
以上のように、第二の実施形態に係る電子黒板システム1では、ユーザにより選択された精度、速度、及び機能に基づいて、選択された精度及び速度で、選択された機能を提供することができるクラウドサーバ30を優先度に応じて決定する。これにより、ユーザは、電子黒板装置10を用いた会議等において、自身が所望する精度及び速度並びに機能を選択するだけで、選択された精度及び速度で、選択された機能を提供するクラウドサーバ30を利用することができるようになる。
【0157】
[第四の実施形態]
次に、第四の実施形態について説明する。例えば「音声テキスト変換(日本語)」や「音声テキスト変換(英語)」等の変換結果に専門用語等が含まれる場合や変換結果が母国語でない場合等には、ユーザは、変換結果を評価することが困難なことがある。そこで、第四の実施形態では、ユーザの選択に応じて、変換結果の妥当性のチェックを専門家に依頼する。
【0158】
<全体構成>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の全体構成について、
図23を参照しながら説明する。
図23は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の全体構成を示す図である。
【0159】
図23に示すように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、更に、専門家端末40を有し、ネットワークN1を介して、電子黒板装置10及び管理装置20と通信可能に接続されている。
【0160】
専門家端末40は、例えば「音声テキスト変換(日本語)」や「音声テキスト変換(英語)」等の変換結果をチェックする専門家が利用するPC、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器である。専門家は、専門家端末40を用いて、管理装置20から受信した変換結果(テキストデータ)の妥当性をチェックした上で、チェック後のテキストデータを管理装置20に返信する。
【0161】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図24を参照しながら説明する。
図24は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。なお、第一の実施形態と同様の機能構成については、その説明を省略する。
【0162】
図24に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、チェック要否判定処理部205を有する。チェック要否判定処理部205は、当該機能部は、管理装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU27に実行させる処理により実現される。
【0163】
チェック要否判定処理部205は、選択機能データに含まれるチェック要否に応じて、例えば「音声テキスト変換(日本語)」等の機能を提供するクラウドサーバ30から受信した変換結果(テキストデータ)のチェックを専門家端末40に要求する。
【0164】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。
【0165】
以降では、ユーザが電子黒板装置10を利用して会議等を行う場合における全体処理について、
図25を参照しながら説明する。
図25は、本実施形態に係る電子黒板システム1の全体処理の一例を示すシーケンス図である。なお、ステップS703〜ステップS706及びステップS710〜ステップS712の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0166】
まず、電子黒板装置10の操作受付部101は、ユーザによる機能及びチェック要否の選択操作の入力を受け付ける(ステップS2501)。ここで、ユーザは、表示制御部102により表示された、例えば
図26に示す機能選択画面G500において、機能一覧G510から所望の機能を選択すると共に、チェック要否選択欄G520からチェック要否を選択する。そして、ユーザは、OKボタンG530を押下することで、機能及びチェック要否の選択操作を行うことができる。
【0167】
なお、本実施形態では、ユーザがチェック要否選択欄G520からチェック要否を選択するものとしたが、これに限られない。例えば、電子黒板装置10毎又はユーザ毎に予めチェック要否が決められていても良い。
【0168】
また、例えば、第三の実施形態において、ユーザにより精度「高」が選択された場合や精度「高」かつ速度「低」が選択された場合等に、チェック要としても良い。これにより、ユーザが高い精度の変換結果を所望する場合に、専門家のチェックを受けることができる。
【0169】
次に、電子黒板装置10の通信部104は、上記のステップS2501でユーザにより選択された機能及びチェック要否を含む選択機能データを管理装置20に送信する(ステップS2502)。
【0170】
ステップS708に続いて、管理装置20のチェック要否判定処理部205は、ステップS703で決定されたクラウドサーバ30から受信したテキストデータのチェック要否を、選択機能データに含まれるチェック要否から判定する(ステップS2503)。すなわち、チェック要否判定処理部205は、選択機能データに含まれるチェック要否が、「チェック要」又は「チェック不要」のいずれであるかを判定する。
【0171】
ステップS2503において、「チェック要」であると判定された場合、管理装置20の通信部201は、電子黒板装置10から受信した音声データと、クラウドサーバ30から受信したテキストデータとを専門家端末40に送信する(ステップS2504)。すなわち、管理装置20は、音声データと、テキストデータとを専門家端末40に送信することで、変換結果のチェックを要求する。
【0172】
専門家端末40は、音声データと、テキストデータとを管理装置20から受信すると、専門家によるチェック操作を受け付ける(ステップS2505)。すなわち、専門家端末40は、例えば、音声データが示す音声をスピーカから出力させると共に、テキストデータが示すテキストをディスプレイ等に表示させて、専門家によるテキストのチェック操作を受け付ける。このとき、専門家は、ディスプレイ等に表示されたテキストと、スピーカから出力された音声とを比較して、チェック後のテキストデータを作成する。
【0173】
その後、専門家端末40は、チェック後のテキストデータを管理装置20に返信する。なお、チェック後のテキストデータとは、例えば、専門家がテキストの全部又は一部が妥当でないと判断した場合に、当該妥当でない部分を修正等したテキストデータである。
【0174】
管理装置20の通信部201は、チェック後のテキストデータを電子黒板装置10に送信する(ステップS2506)。なお、上記のステップS2505における専門家のチェックには、例えば、数日程度の時間を要する場合がある。このような場合には、管理装置20は、チェック後のテキストデータの送信に先立ち、例えば、専門家によるチェック前であることを明示した上で、クラウドサーバ30から受信したテキストデータを即座に電子黒板装置10に送信しても良い。
【0175】
一方、ステップS2503において、「チェック不要」であると判定された場合、管理装置20の通信部201は、ステップS703で決定されたクラウドサーバ30から受信したテキストデータを電子黒板装置10に送信する(ステップS2507)。
【0176】
電子黒板装置10の表示制御部102は、通信部104によりテキストデータ又はチェック後のテキストデータを受信すると、このテキストデータが示すテキストを画面上に表示する(ステップS2508)。これにより、専門家によりテキストデータがチェックされた場合には、電子黒板装置10には、チェック後のテキストデータが示すテキストが表示される。
【0177】
以上のように、第四の実施形態に係る電子黒板システム1では、ユーザによる選択に応じて、例えば「音声テキスト変換(日本語)」や「音声テキスト変換(英語)」等の変換結果のチェックを専門家に依頼することができる。これにより、ユーザは、より精度の高い変換結果(テキストデータ)を得ることができるようになる。
【0178】
[第五の実施形態]
次に、第五の実施形態について説明する。例えば「質問応答」や「意思決定支援」等の機能を提供するクラウドサーバ30が知られている。このような「質問応答」や「意思決定支援」等の機能を用いることで、ユーザは、例えば、電子黒板装置10を用いた会議等において、質問や課題、議題を電子黒板装置10に入力することで、これらの質問や課題に対する回答を得ることができる。
【0179】
一方で、例えば「質問応答」や「意思決定支援」等の機能を提供するクラウドサーバ30は、クラウドサーバ30毎に異なるアルゴリズム等に従って、質問や課題、議題に対する回答を作成する。このため、同一の質問や課題、議題に対する回答が、クラウドサーバ30に応じて異なる場合がある。
【0180】
そこで、第五の実施形態では、例えば「質問応答」や「意思決定支援」等の機能を提供する複数のクラウドサーバ30の回答を取り纏めた上で、この取り纏めた回答をユーザに提供するものとする。本実施形態では、クラウドサーバ30は、例えば「質問応答」や「意思決定支援」等の機能(すなわち、何等かの質問や課題、議題に対して回答を応答する機能)を提供するものとする。
【0181】
<処理の概略>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の概略について、
図27を参照しながら説明する。
図27は、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の概略の一例を説明する図である。
【0182】
2−1)まず、会議等の参加者であるユーザは、電子黒板装置10に対して、質問や課題、議題(以降、これらを「質問等」とも表す。)を入力する。ユーザは、例えば、手書き文字入力や音声入力等により質問等を入力することができる。
【0183】
2−2)電子黒板装置10は、ユーザにより入力された質問等の内容(質問内容)を管理装置20に送信する。
【0184】
2−3)管理装置20は、電子黒板装置10から質問内容を受信すると、例えば「質問応答」や「意思決定支援」等の機能を提供する複数のクラウドサーバ30(例えば、クラウドサーバ30A〜クラウドサーバ30C等)に対して、この質問内容を送信する。そして、管理装置20は、これら複数のクラウドサーバ30から質問内容に対する回答を受信する。
【0185】
2−4)管理装置20は、複数のクラウドサーバ30からそれぞれ受信した複数の回答を取り纏めて、回答結果を作成する。すなわち、管理装置20は、例えば、複数の回答のそれぞれが「賛成」又は「反対」のいずれかを示す回答である場合、「賛成」の回答数及び「反対」の回答数を集計した上で、最終的な回答結果(「賛成」又は「反対」)を作成する。なお、回答結果(「賛成」又は「反対」)は、例えば、「賛成」の回答数と、「反対」の回答数とを比較して、回答数が多い方とすれば良い。
【0186】
2−5)そして、管理装置20は、回答結果を電子黒板装置10に送信する。これにより、電子黒板装置10には、質問等に対する回答結果が表示される。
【0187】
このように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、電子黒板装置10に入力された質問等に対する回答を、複数のクラウドサーバ30から受信した上で、これら複数の回答を取り纏めた回答結果をユーザに提供する。これにより、電子黒板装置10のユーザは、例えば、会議等における質問や課題、議題に対して、信頼性の高い回答を得ることができるようになる。
【0188】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図28を参照しながら説明する。
図28は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。なお、第一の実施形態と同様の機能構成については、その説明を省略する。
【0189】
図28に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、回答取り纏め処理部206を有する。当該機能部は、管理装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU27に実行させる処理により実現される。
【0190】
回答取り纏め処理部206は、例えば「質問応答」や「意思決定支援」等の機能を提供する複数のクラウドサーバ30それぞれの回答を取り纏めた回答結果を示す回答結果データを作成する。回答結果データには、例えば、取り纏めた回答結果(「賛成」又は「反対」)と、回答結果の理由と、各複数のクラウドサーバ30それぞれの回答と、それらの回答の理由とが含まれる。
【0191】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。
【0192】
以降では、ユーザが電子黒板装置10を利用して、会議等における質問等の回答結果を表示する場合の全体処理について、
図29を参照しながら説明する。
図29は、本実施形態に係る電子黒板システム1の全体処理の一例を示すシーケンス図である。
【0193】
まず、電子黒板装置10の操作受付部101は、ユーザによる質問等の入力を受け付ける(ステップS2901)。ここで、ユーザは、電子黒板装置10の表示装置12に対して、例えば、電子ペン等を用いて手書き入力することにより質問等を入力することができる。
【0194】
なお、ユーザは、例えば、音声入力により質問等を入力しても良い。この場合、電子黒板装置10の音声受付部103が当該音声の入力を受け付ける。
【0195】
次に、電子黒板装置10の通信部104は、上記のステップS2901でユーザにより入力された質問等の内容(質問内容)を示す質問内容データを管理装置20に送信する(ステップS2902)。
【0196】
管理装置20の通信部201は、質問内容データを受信すると、この質問内容データを、例えば予め決められた複数のクラウドサーバ30に送信する(ステップS2903)。なお、通信部201は、例えば、WebAPI等を用いて、これらのクラウドサーバ30に質問内容データを送信することができる。
【0197】
なお、上記のステップS2901において、電子黒板装置10のユーザは、例えば、質問内容データを送信する1以上のクラウドサーバ30を選択することができても良い。この場合、上記のステップS2903において、管理装置20の通信部201は、ユーザにより選択された1以上のクラウドサーバ30に対して、質問内容データを送信する。
【0198】
複数のクラウドサーバ30は、質問内容データを受信すると、例えば人工知能や知的エージェント等の技術を利用して、この質問内データが示す質問内容に対する回答をそれぞれ作成する(ステップS2904)。そして、複数のクラウドサーバ30は、作成した回答を示す回答データを管理装置20にそれぞれ送信する。
【0199】
管理装置20の回答取り纏め処理部206は、複数のクラウドサーバ30から回答を受信すると、これらの回答を取り纏めた回答結果を作成する(ステップS2905)。そして、回答取り纏め処理部206は、作成した回答結果を示す回答結果データを電子黒板装置10に送信する。
【0200】
ここで、例えば、複数のクラウドサーバ30からそれぞれ受信した複数の回答が「賛成」又は「反対」のいずれかを示す回答である場合、回答取り纏め処理部206は、「賛成」の回答数と、「反対」の回答数とを集計する。そして、回答取り纏め処理部206は、「賛成」の回答数と、「反対」の回答数とを比較して、回答数の多い方(「賛成」又は「反対」)を回答結果とすれば良い。
【0201】
ただし、これに限られず、回答取り纏め処理部206は、例えば、電子黒板装置10又はユーザに応じて回答に重み付け等を行って、回答結果を作成しても良い。例えば、複数のクラウドサーバ30からそれぞれ受信した複数の回答に対して、電子黒板装置10又はユーザに応じて、所定の重み付けを行った上で、「賛成」の回答数と、「反対」の回答数とを集計しても良い。所定の重み付けとしては、例えば、電子黒板装置10又はユーザのクラウドサーバ30の利用頻度等に応じて、当該クラウドサーバ30からの回答に重みを付けるにようにすれば良い。これは、例えば、ユーザが良く利用するクラウドサーバ30からの回答は、信頼性が高いと考えられるためである。
【0202】
電子黒板装置10の表示制御部102は、通信部104により回答結果データを受信すると、この回答結果データが示す回答結果を画面上に表示する(ステップS2906)。
【0203】
ここで、回答結果が表示された回答結果画面G600について、
図30を参照しながら説明する。
図30は、回答結果画面G600の一例を示す図である。
【0204】
図30に示すように、回答結果画面G600には、管理装置20から受信した回答結果データに含まれる回答結果及びその理由が表示される回答結果欄G610が含まれる。また、回答結果画面G600には、当該回答結果データに含まれる各クラウドサーバ30の回答及びその理由が表示される内訳欄G620が含まれる。これにより、ユーザは、質問内容に対する回答結果及びその理由を知ることができると共に、各クラウドサーバ30からの回答及びその理由を知ることができる。
【0205】
以上のように、第五の実施形態に係る電子黒板システム1では、ユーザが電子黒板装置10に入力した質問に対して、例えば「質問応答」や「意思決定支援」等の機能を提供する複数のクラウドサーバ30からの回答を管理装置20が受信する。そして、第五の実施形態に係る電子黒板システム1は、管理装置20が受信した回答を取り纏めた回答結果をユーザに提供する。これにより、ユーザは、複数のクラウドサーバ30からの回答が取り纏められた、信頼性の高い回答結果を得ることができる。
【0206】
なお、管理装置20は、特許請求の範囲の情報処理装置の一例である。電子黒板装置10は、特許請求の範囲の機器の一例である。クラウドサーバ30は、特許請求の範囲のサーバ装置の一例である。選択部211は、特許請求の範囲の選択手段の一例である。判定部212は、特許請求の範囲の判定手段の一例である。決定部213は、特許請求の範囲の決定手段の一例である。優先度テーブル記憶部310は、特許請求の範囲の第1の記憶手段の一例である。ログデータ記憶部320は、特許請求の範囲の第2の記憶手段の一例である。通信部201は、特許請求の範囲の第1の送信手段、第2の送信手段、第3の送信手段、及び受信手段の一例である。更新処理部204は、特許請求の範囲の更新手段の一例である。専門家端末40は、特許請求の範囲の端末装置の一例である。電子黒板システム1は、特許請求の範囲の情報処理システムの一例である。
【0207】
本発明は、具体的に開示された上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更、組み合わせが可能である。