(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像形成装置において前記識別コードが入力されたときに、当該識別コードに対応付けられている、前記契約ユーザが利用可能なアプリのアイコンを、前記画像形成装置に配信して表示させるアプリ配信部
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
前記識別コード割当部によって前記契約ユーザに前記識別コードが割り当てられたときに、前記画像形成装置に表示させるべき前記アプリのアイコンを、前記識別コードに対応付けて登録するアプリ登録部
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のサービス提供システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0010】
(情報処理システム10の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10の全体構成を示す図である。
図1に示す情報処理システム10は、BPOサービスシステム11、サービス提供システム100、画像形成装置12、および外部ストレージシステム13を備えて構成されている。
【0011】
BPOサービスシステム11は、BPOクラウドサービス(本発明の「ネットワークサービス」の一例)を提供するシステムである。BPOクラウドサービスの一例として、例えば、企業から請求書の画像データを受信して、この請求書の画像データに基づいて所定の請求書処理を行う請求書処理サービス等が挙げられる。BPOサービスシステム11は、例えば、1台または複数台のクラウドサーバを備えて構成されている。
【0012】
サービス提供システム100は、BPOサービスシステム11および画像形成装置12の各々に対して、インターネット14を介して接続されている。サービス提供システム100は、BPOサービスシステム11から提供されるBPOクラウドサービスを、画像形成装置12へ提供することが可能なシステムである。本実施形態では、サービス提供システム100は、情報処理装置100Aを備えて構成されている。サービス提供システム100の各機能(
図3参照)は、この情報処理装置100Aによって実現される。
【0013】
画像形成装置12は、BPOクラウドサービスを利用する企業等に設置されている端末装置である。画像形成装置12は、スキャナ機能および通信機能を備えている。画像形成装置12としては、例えば、プリンタ、FAX装置、デジタル複合機、スキャナ装置等が挙げられる。画像形成装置12は、サービス提供システム100を介して、BPOサービスシステム11から提供されるBPOクラウドサービスを利用できるようになっている。画像形成装置12が利用可能なBPOクラウドサービスの中には、スキャン処理を要するサービス(例えば、上述の請求書処理サービス)が含まれている。
【0014】
外部ストレージシステム13は、BPOサービスシステム11が取り扱うデータ(例えば、上述のスキャンファイル)を記憶するシステムである。外部ストレージシステム13は、インターネット14を介して、BPOサービスシステム11およびサービス提供システム100の各々に接続されている。これにより、サービス提供システム100およびBPOサービスシステム11の各々が、外部ストレージシステム13にデータを記憶させたり、外部ストレージシステム13に記憶されているデータを読み出したりすることができるようになっている。
【0015】
このように構成された本実施形態の情報処理システム10では、スキャン処理を要するBPOクラウドサービスを利用する際、サービス提供システム100の制御により、契約ユーザに割り当てられた登録コード(本発明の「識別コード」の一例)に基づいて、画像形成装置12にスキャン処理を実行させてから、スキャン処理によって生成されたスキャンファイルをBPOサービスシステム11の所定の宛先に送信するまでの処理を、自動的かつ連続的に行うことができるようになっている。すなわち、BPOクラウドサービスの契約ユーザは、画像形成装置12から登録コードを入力するだけでよい。これにより、本実施形態の情報処理システム10では、スキャンファイルをBPOクラウドサービスへ効率的かつ適切に送信することができるようになっている。
【0016】
(情報処理装置100Aのハードウェア構成)
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置100Aのハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置100Aは、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、操作部205、および通信IF(Interface)206を備える。各ハードウェアは、バスを介して相互に接続されている。
【0017】
CPU201は、ROM202またはHDD204に記憶されている各種プログラムを実行することにより、情報処理装置100A全体の制御を司る。ROM202は、不揮発性メモリである。例えば、ROM202は、CPU201により実行される各種プログラム、CPU201が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM203は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。例えば、RAM203は、CPU201が各種プログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。
【0018】
HDD204は、不揮発性の補助記憶装置である。例えば、HDD204は、CPU201により実行される各種プログラム、CPU201が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。操作部205は、BPOクラウドサービスの契約ユーザによる各種操作入力を受け付けたり、契約ユーザに対する各種通知を行ったりする。例えば、操作部205は、各種操作入力を行うための入力キーと、各種情報を表示するためのディスプレイとを備えて構成されている。通信IF206は、インターネット14を経由したBPOサービスシステム11および画像形成装置12との通信を制御する。なお、情報処理装置100Aは、特に操作部205が必要ない場合には、操作部205を備えていない構成としてもよい。
【0019】
(サービス提供システム100の機能構成)
図3は、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム100の機能構成を示す図である。
図3に示すように、サービス提供システム100は、サービス制御部110、サービス処理部120、デバイスサービス部130、データ管理部140、スキャンファイル記憶部150、およびアプリ情報記憶部160を備えている。
【0020】
サービス制御部110は、BPOクラウドサービスの契約ユーザの利用開始時に、BPOサービスシステム11からの要求に応じて、その契約ユーザに割り当てる登録コードを採番する。そして、サービス制御部110は、採番された登録コードを、BPOサービスシステム11に通知する。すなわち、サービス制御部110は、本発明の「識別コード割当部」としての機能を有している。また、サービス制御部110は、登録コードが採番されたときに、BPOサービスシステム11からのフロー登録要求に応じて、契約ユーザが利用可能なBPOクラウドサービスに対応するフローの登録を、フロー制御部121へ要求する。また、サービス制御部110は、登録コードが採番されたときに、BPOサービスシステム11からのアプリアイコン登録要求に応じて、契約ユーザが利用可能なBPOクラウドサービスに対応するアプリのアプリアイコンを、アプリ情報記憶部160に登録する。すなわち、サービス制御部110は、本発明の「アプリ登録部」としての機能を有している。
【0021】
サービス処理部120は、フロー制御部121、スキャンコンポーネント123、ファイル入力コンポーネント124、および配信コンポーネント125を備える。
【0022】
フロー制御部121は、登録コードが採番されたときに、サービス制御部110からの要求に応じて、契約ユーザが利用可能なサービスに対応するフローの登録を行う。すなわち、フロー制御部121は、本発明の「処理登録部」としての機能を有している。また、フロー制御部121は、登録された各フローについて、ジョブを生成する。例えば、本実施形態では、フロー制御部121は、スキャン処理を要するサービスに対し、スキャン処理フロー、ファイル入力フロー、および配信フローを登録する。スキャン処理フローは、画像形成装置12にスキャン処理を実行させるためのフローである。また、ファイル入力フローは、スキャン処理によって生成されたスキャンファイルをその保存先から取得するフローである。また、配信フローは、ファイル入力フローによって取得されたスキャンファイルを、BPOクラウドサービスの所定の配信先に配信するフローである。そして、フロー制御部121は、これら3つのフローの各々に対し、ジョブを生成する。各フローには、そのフローに固有の設定がなされたフローパラメータが設定される。また、各ジョブには、そのジョブに固有の設定がなされたジョブパラメータが設定される。また、フロー制御部121は、登録コードが削除されたとき(BPOクラウドサービスの契約ユーザの利用停止時)に、サービス制御部110からの要求に応じて、その登録コードに対応付けられて登録されているフローを削除する。すなわち、フロー制御部121は、本発明の「処理削除部」としての機能を有している。
【0023】
スキャンコンポーネント123は、スキャン処理フローに関与するコンポーネントである。具体的には、スキャンコンポーネント123は、画像形成装置12にスキャン処理を実行させるためのスキャンコマンドを発行する処理を行う。スキャン処理フローには、スキャン処理固有のフローパラメータおよびジョブパラメータが設定される(
図5および
図6参照)。スキャンコンポーネント123は、これらのパラメータに基づいて、スキャン処理フローを実行する。
【0024】
ファイル入力コンポーネント124は、ファイル入力フローに関与するコンポーネントである。具体的には、ファイル入力コンポーネント124は、データ管理部140を介してスキャンファイル記憶部150からスキャンファイルを取得して、このスキャンファイルを、配信コンポーネント125へ渡す処理を行う。ファイル入力フローには、ファイル入力処理固有のフローパラメータおよびジョブパラメータが設定される(
図5および
図6参照)。ファイル入力コンポーネント124は、これらのパラメータに基づいて、ファイル入力フローを実行する。
【0025】
配信コンポーネント125は、配信フローに関与するコンポーネントである。具体的には、配信コンポーネント125は、ファイル入力コンポーネント124から受け取ったスキャンファイルを、BPOサービスシステム11の所定の配信先である外部ストレージシステム13に配信する処理を行う。配信フローには、配信処理固有のフローパラメータおよびジョブパラメータが設定される(
図5および
図6参照)。ファイル入力コンポーネント124は、これらのパラメータに基づいて、配信フローを実行する。
【0026】
デバイスサービス部130は、命令配信部131およびアプリ配信部132を備える。
【0027】
命令配信部131は、スキャンコンポーネント123によって発行されたスキャンコマンドを保持しておく。そして、命令配信部131は、画像形成装置12においてスキャン操作が行われて、画像形成装置12から登録コードが送信されたとき、この登録コードに対応するスキャンコマンドを、画像形成装置12へ送信する。これにより、画像形成装置12において、スキャンコマンドが実行され、スキャン処理が行われることとなる。すなわち、命令配信部131は、本発明の「スキャン実行制御部」としての機能を有している。
【0028】
アプリ配信部132は、画像形成装置12において、初期画面(
図8参照)から登録コードが入力されたときに、この識別コードに対応付けられている画面定義情報(BPOクラウドサービスの契約ユーザが利用可能なアプリのアイコンを含む)を、画像形成装置12に配信する。これにより、画像形成装置12において、契約ユーザが利用可能な複数のアプリの中から、任意のアプリを選択可能な選択画面(
図9参照)が表示されることとなる。
【0029】
スキャンファイル記憶部150は、画像形成装置12によって生成されたスキャンファイルの保存先であり、当該スキャンファイルを記憶する。データ管理部140は、スキャンファイル記憶部150に記憶されているスキャンファイルを管理する。また、データ管理部140は、画像形成装置12がスキャン処理を実行する際に使用するファイルパラメータを保持している。例えば、ファイルパラメータは、スキャンファイルのアップロード先のアドレスを含んでいる。
【0030】
アプリ情報記憶部160は、デバイスアプリ情報を記憶する。デバイスアプリ情報は、画面定義情報および処理内容情報を含んでいる。アプリ情報記憶部160には、サービス制御部110からの要求により、契約ユーザが利用可能なサービスに対応するアプリアイコンが、契約ユーザの登録コードに対応付けて登録される。このアプリアイコンは、HTML(Hyper Text Markup Language)やCSS(Cascading Style Sheets)などで記述された画面定義情報に含まれることとなる。
【0031】
なお、画像形成装置12は、ブラウザ12a、コントローラ12b、操作パネル12c、およびスキャナ12dを備えている。ブラウザ12aは、操作パネル12cのディスプレイに各種画面を表示したり、各種画面からの入力を受け付けたり、各種画面とサービス提供システム100との間でデータの送受信を行ったりする。契約ユーザは、ブラウザ12aに表示された画面(例えば、初期画面、アプリ選択画面等)から、BPOクラウドサービスを利用することができる。コントローラ12bは、画像形成装置12の各部を制御する。例えば、コントローラ12bは、ROMまたはHDDに記憶されている各種プログラムをCPUが実行することにより、実現される。操作パネル12cは、各種操作入力(例えば、登録コードの入力、アプリの選択等)を行うための入力キーと、各種情報(例えば、初期画面、アプリ選択画面等)を表示するためのディスプレイとを備えて構成されている。スキャナ12dは、原稿の表示内容を光学的に読み取り、その原稿の画像データ(スキャンファイル)を生成する。
【0032】
また、上記したサービス提供システム100の各機能は、サービス提供システム100の情報処理装置100Aが備える各種ハードウェア(
図2参照)によって実現される。例えば、スキャンファイル記憶部150およびアプリ情報記憶部160は、ROM202またはHDD204によって実現される。また、サービス制御部110、サービス処理部120、デバイスサービス部130、およびデータ管理部140は、ROM202またはHDD204に記憶されたプログラムを、CPU201が実行することにより実現される。なお、CPU201が実行するプログラムは、予め情報処理装置100Aに導入された状態で提供されてもよく、外部から提供されて情報処理装置100Aに導入されるようにしてもよい。後者の場合、このプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD−ROM等)によって提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって提供されるようにしてもよい。
【0033】
(登録処理の手順)
図4は、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム100による登録処理の手順を示すシーケンス図である。
【0034】
まず、契約ユーザ15が、BPOサービスシステム11に対して、サービスの利用申し込みを行う(ステップS401)。これに応じて、BPOサービスシステム11が、サービス提供システム100のサービス制御部110に対して、サービスの登録要求を送信する(ステップS402)。この要求は、アプリアイコン登録要求と、フロー登録要求とを含んでいる。
【0035】
サービス制御部110は、サービスの登録要求を受信すると、契約ユーザ15に対して、一意の登録コードを採番する(ステップS403)。次に、サービス制御部110は、フロー制御部121に対し、フロー登録要求を送信する(ステップS404)。このフロー登録要求は、登録すべきフローのフローパラメータと、ステップS403で採番された登録コードとを含んでいる。フロー制御部121は、フロー登録要求を受信すると、このフロー登録要求に応じて、ステップS403で採番された登録コードに対し、登録すべきフローのフローパラメータと、各フローパラメータに対応するジョブパラメータとを、対応付けて登録する(ステップS405)。
【0036】
また、フロー制御部121は、スキャンコンポーネント123に対し、スキャンコマンドの発行要求を送信する(ステップS406)。この発行要求は、登録されたジョブパラメータと、ステップS403で採番された登録コードとを含んでいる。これに応じて、スキャンコンポーネント123は、スキャンコマンドを発行する。そして、スキャンコンポーネント123は、発行されたスキャンコマンドを、命令配信部131へ送信する(ステップS407)。
【0037】
命令配信部131は、ステップS403で採番された登録コードに対し、スキャンコンポーネント123から受信したスキャンコマンドと、このスキャンコマンドに対応するコマンドパラメータとを対応付けて保存する(ステップS408)。そして、命令配信部131は、スキャンコマンドの保存結果を、スキャンコンポーネント123へ送信する(ステップS409)。スキャンコンポーネント123は、コマンドの保存結果を、フロー制御部121へ送信する(ステップS410)。フロー制御部121は、コマンドの保存結果およびフローの登録結果を、サービス制御部110へ送信する(ステップS411)。
【0038】
続いて、サービス制御部110が、アプリアイコン登録要求を、アプリ情報記憶部160へ送信する(ステップS412)。このアプリアイコン登録要求は、登録すべきアプリアイコンと、ステップS403で採番された登録コードとを含んでいる。アプリ情報記憶部160は、アプリアイコン登録要求に応じて、アプリアイコンを、ステップS403で採番された登録コードに対応付けて登録すると、その登録結果をサービス制御部110へ送信する(ステップS413)。サービス制御部110は、この登録結果を受信すると、ステップS403で採番された登録コードを、BPOサービスシステム11に通知する(ステップS414)。この通知を受けたBPOサービスシステム11は、登録コードとともに、サービスの利用申し込みが完了したことを、契約ユーザ15に通知する(ステップS415)。
【0039】
(各種登録情報の相互関連および具体例)
図5は、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム100における各種登録情報の相互関連を示す図である。
図6は、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム100における各種登録情報の具体例を示す図である。
【0040】
図5に示すように、登録コードには、アプリアイコンと、フローパラメータとが対応付けられて登録される。
図5に示す例では、フローパラメータは、3つのフローパラメータ(「フロー1パラメータ」、「フロー2パラメータ」、「フロー3パラメータ」)を含んでいる。これら3つのフローパラメータの各々には、ジョブパラメータ(「ジョブ1パラメータ」、「ジョブ2パラメータ」、「ジョブ3パラメータ」)が対応付けられて登録される。このうち、「ジョブ2パラメータ」および「ジョブ3パラメータ」は、コマンドパラメータとしても利用される。
【0041】
図6(a)に示す「フロー1パラメータ」は、スキャン処理を行う「フロー1」のフローパラメータである。
図6(a)に示す例では、「フロー1パラメータ」は、「解像度」、「原稿種類」および「ファイル形式」を含んでいる。また、
図6(b)に示す「ジョブパラメータ1」は、「フロー1」に対して生成された「ジョブ1(ID:1111)」のジョブパラメータである。
図6(b)に示す例では、「ジョブパラメータ1」は、「フロー1パラメータ」および「ジョブ2パラメータ」を含んでいる。
【0042】
また、
図6(a)に示す「フロー2パラメータ」は、ファイル入力処理を行う「フロー2」のフローパラメータである。
図6に示す例では、「フロー2パラメータ」は、「スキャンアップロード先URL」および「ファイルトークン」を含んでいる。また、
図6(b)に示す「ジョブパラメータ2」は、「フロー2」に対して生成された「ジョブ2(ID:1112)」のジョブパラメータである。
図6(b)に示す例では、「ジョブパラメータ2」は、「フロー2パラメータ」を含んでいる。
【0043】
また、
図6(a)に示す「フロー3パラメータ」は、配信処理を行う「フロー3」のフローパラメータである。
図6に示す例では、「フロー3パラメータ」は、「配信元URL」および「配信先URL」を含んでいる。また、
図6(b)に示す「ジョブパラメータ3」は、「フロー3」に対して生成された「ジョブ3(ID:1113)」のジョブパラメータである。
図6(b)に示す例では、「ジョブパラメータ3」は、「配信元URL」および「配信先URL」を含んでいる。
【0044】
また、
図6(c)に示す「コマンドパラメータ」は、画像形成装置12がスキャンコマンド(ID:2221)を実行する際に使用するパラメータである。この「コマンドパラメータ」は、スキャンコマンドとともに、命令配信部131に保存される。そして、この「コマンドパラメータ」は、画像形成装置12からのコマンド要求に応じて、スキャンコマンドとともに、画像形成装置12へ送信される。
図6(c)に示す例では、「コマンドパラメータ」は、「フロー1パラメータ」および「ジョブ2パラメータ」を含んでいる。
【0045】
また、
図6(d)に示す「ファイルパラメータ」は、画像形成装置12がスキャン処理を実行する際に使用するパラメータである。この「ファイルパラメータ」は、データ管理部140に記憶されている。そして、この「ファイルパラメータ」は、画像形成装置12においてスキャンコマンドが実行されたときに、データ管理部140から読み出されて、画像形成装置12へ送信される。
図6(d)に示す例では、「ファイルパラメータ」は、「スキャンアップロード先URL」を含んでいる。
【0046】
(画面情報配信処理の手順)
図7は、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム100による画面情報配信処理の手順を示すシーケンス図である。
【0047】
まず、契約ユーザ15が、画像形成装置12のブラウザ12aから所定の起動アプリを起動すると(ステップS701)、ブラウザ12aは、初期画面のアプリ取得要求を、サービス提供システム100のアプリ配信部132へ送信する(ステップS702)。これに応じて、アプリ配信部132が、アプリ情報記憶部160に対し、初期画面の画面定義の取得要求を送信することにより(ステップS703)、アプリ情報記憶部160から、初期画面の画面情報を取得する(ステップS704)。そして、アプリ配信部132は、取得された初期画面の画面情報を、ブラウザ12aへ送信する(ステップS705)。ブラウザ12aは、初期画面の画面情報を受信すると、当該画面情報に基づいて初期画面を表示することにより、当該初期画面を契約ユーザ15に視認させる(ステップS706)。
【0048】
そして、契約ユーザ15が、ブラウザ12aに表示された初期画面に対し、登録コードを入力すると(ステップS711)、ブラウザ12aは、登録コードを含むアプリ取得要求を、アプリ配信部132へ送信する(ステップS712)。これに応じて、アプリ配信部132が、アプリ情報記憶部160に対し、登録コードを含む画面定義の取得要求を送信することにより(ステップS713)、アプリ情報記憶部160から、登録コードに対応するアプリアイコンを含む、アプリ選択画面の画面情報を取得する(ステップS714)。そして、アプリ配信部132は、取得されたアプリ選択画面の画面情報を、ブラウザ12aへ送信する(ステップS715)。ブラウザ12aは、アプリ選択画面の画面情報を受信すると、当該画面情報に基づいてアプリ選択画面を表示することにより、登録コードに対応するアプリアイコンを含むアプリ選択画面を契約ユーザ15に視認させる(ステップS716)。契約ユーザ15は、ブラウザ12aに表示されたアプリアイコンを選択することにより、そのアプリアイコンに対応するBPOクラウドサービスを利用することができる。
【0049】
ブラウザ12aは、アプリ選択画面の画面情報を保持しておくことで、次回以降、契約ユーザ15が所定の起動アプリを起動したとき、アプリ選択画面を直ちに表示することができる。すなわち、契約ユーザ15は、登録コードを再度入力する必要がなくなる。また、ブラウザ12aは、アプリ選択画面の表示に関し、サービス提供システム100の通信を行う必要がなくなる。
【0050】
(初期画面の一例)
図8は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置12に表示される初期画面の一例を示す図である。
図8に示す画面800は、画像形成装置12のブラウザ12aが表示する初期画面の一例である。
図8に示すように、画面800は、登録コード入力欄801、およびOKボタン802を備えて構成されている。この画面800において、契約ユーザから登録コード入力欄801に登録コードが入力された状態で、OKボタン802が押下されると、この登録コードを含むアプリ取得要求が、ブラウザ12aからサービス提供システム100へ送信されることとなる。
【0051】
(アプリ選択画面の一例)
図9は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置12に表示されるアプリ選択画面の一例を示す図である。
図9に示す画面900は、画像形成装置12のブラウザ12aが表示するアプリ選択画面の一例である。
図9に示すように、画面900は、複数のアプリアイコン901〜906を備えて構成されている。アプリアイコン901〜906は、いずれも、契約ユーザが画面800(
図8参照)から入力した登録コードに対応付けられているアプリアイコンであり、契約ユーザが利用可能なサービスに対応するものである。この画面900において、契約ユーザによっていずれかのアプリアイコンが押下されると、画像形成装置12において、押下されたアプリアイコンに対応するBPOクラウドサービスのアプリが起動されることとなる。
【0052】
(画面情報配信処理の手順)
図10は、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム100によるスキャン制御処理の手順を示すシーケンス図である。なお、以下の処理の前提として、画像形成装置12において、初期画面から登録コードが既に入力されているものとする。
【0053】
まず、契約ユーザ15が、画像形成装置12に対して、スキャン操作を行う(ステップS1001)。ここでのスキャン操作は、単にスキャン処理の開始を指示するだけのものであり、スキャン処理に適用する各種パラメータ(例えば、解像度、原稿種類、ファイル形式、アップロード先等)を入力するものではない。
【0054】
画像形成装置12は、サービス提供システム100の命令配信部131へ、スキャンコマンドの取得要求を送信する(ステップS1002)。この取得要求には、契約ユーザ15の登録コードが含まれている。これに応じて、命令配信部131は、契約ユーザ15の登録コードに対応するスキャンコマンド(およびコマンドパラメータ)を、画像形成装置12へ送信する(ステップS1003)。
【0055】
画像形成装置12は、スキャンコマンドの種別を判定し(ステップS1004)、スキャンコマンドの実行を開始したことを、命令配信部131へ通知する(ステップS1005)。これに応じて、命令配信部131は、データ管理部140へファイルパラメータの取得要求を送信し(ステップS1006)、データ管理部140からファイルパラメータを取得する(ステップS1007)。そして、命令配信部131は、取得されたファイルパラメータを、画像形成装置12へ送信する(ステップS1008)。
【0056】
画像形成装置12は、ファイルパラメータ(およびコマンドパラメータ)を用いて、スキャン処理を実行する(ステップS1009)。そして、画像形成装置12は、スキャン処理によって生成されたスキャンファイルを、ファイルパラメータに設定されている保存先へ保存するように、命令配信部131へ指示する(ステップS1010)。これに応じて、命令配信部131は、スキャンファイルを上記保存先に保存すると、その完了通知を、画像形成装置12へ送信する(ステップS1011)。画像形成装置12は、この通知を受けると、スキャンコマンドの実行が終了したことを、命令配信部131へ通知する(ステップS1012)。
【0057】
命令配信部131は、この通知を受けると、後続のフローの実行を、フロー制御部121へ指示する(ステップS1013)。まず、フロー制御部121は、ファイル入力コンポーネント124に対し、ファイル入力フローの実行を指示する(ステップS1014)。このファイル入力フローの実行指示には、ファイル入力フロー用に予め設定されたジョブパラメータ(例えば、
図6(b)に示す「ジョブ2パラメータ」)が含まれる。この実行指示に応じて、ファイル入力コンポーネント124は、データ管理部140に対し、スキャンファイルの取得を要求する(ステップS1015)。これに応じて、データ管理部140は、スキャンファイルを上記保存先から取得し、このスキャンファイルをファイル入力コンポーネント124に送信する(ステップS1016)。そして、ファイル入力コンポーネント124は、このスキャンファイルのファイル情報を、フロー制御部121へ返す(ステップS1017)。
【0058】
フロー制御部121は、配信フローの実行を開始する(ステップS1018)。この配信フローの実行には、配信フロー用に予め設定されたジョブパラメータ(例えば、
図6(b)に示す「ジョブ3パラメータ」)が用いられる。フロー制御部121は、配信コンポーネント125に対し、スキャンファイルの配信処理の実行を指示する(ステップS1019)。これに応じて、配信コンポーネント125は、スキャンファイルを外部ストレージシステム13へ配信する(ステップS1020)。
【0059】
配信コンポーネント125は、外部ストレージシステム13からの配信完了通知を受けると(ステップS1021)、この完了通知を、フロー制御部121へ送信する(ステップS1022)。フロー制御部121は、この完了通知を受けたことに応じて、画像形成装置12に対し、配信結果の表示を指示する(ステップS1023)。これに応じて、画像形成装置12が、配信結果を表示することにより(ステップS1024)、この配信結果が契約ユーザ15に通知されることとなる。
【0060】
(削除処理の手順)
図11は、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム100による削除処理の手順を示すシーケンス図である。
【0061】
まず、契約ユーザ15が、BPOサービスシステム11に対して、サービスの解約の申し出を行う(ステップS1101)。これに応じて、BPOサービスシステム11が、契約ユーザ15の登録コードを削除し、その削除結果をサービス提供システム100のサービス制御部110に送信する(ステップS1102)。
【0062】
サービス制御部110は、登録コードの削除結果を受信すると、フロー制御部121に対し、フロー削除要求を送信する(ステップS1103)。このフロー削除要求は、削除すべきフローのフローパラメータと、削除された登録コードとを含んでいる。フロー制御部121は、フロー削除要求を受信すると、このフロー削除要求に応じて、削除された登録コードに対応付けられている、フローパラメータおよびジョブパラメータを削除する(ステップS1104)。
【0063】
また、フロー制御部121は、命令配信部131に対し、スキャンコマンドの削除要求を送信する(ステップS1105)。これに応じて、命令配信部131は、削除された登録コードに対応付けられているスキャンコマンドをそのコマンドパラメータとともに削除する(ステップS1106)そして、命令配信部131は、スキャンコマンドの削除結果を、フロー制御部121へ送信する(ステップS1107)。フロー制御部121は、フローおよびおスキャンコマンドの削除結果を、サービス制御部110へ送信する(ステップS1108)。
【0064】
続いて、サービス制御部110が、アプリアイコン削除要求を、アプリ情報記憶部160へ送信する(ステップS1109)。このアプリアイコン削除要求は、削除された登録コードを含んでいる。アプリ情報記憶部160は、アプリアイコン削除要求に応じて、削除された登録コードに対応付けられているアプリアイコンを削除すると、その削除結果をサービス制御部110へ送信する(ステップS1110)。サービス制御部110は、この削除結果を受信すると、削除された登録コードを、BPOサービスシステム11に通知する(ステップS1111)。この通知を受けたBPOサービスシステム11は、サービスの解約が完了したことを、契約ユーザ15に通知する(ステップS1112)。
【0065】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム100では、画像形成装置12から、BPOクラウドサービスの登録コードが入力されたことに応じて、この登録コードに対応付けられているスキャン処理を画像形成装置12に実行させるようにしている。また、サービス提供システム100では、スキャン処理に続いて、スキャン処理により生成されたスキャンファイルを、登録コードに対応付けられているBPOクラウドサービスの所定の配信先へ配信するようにしている。このため、BPOクラウドサービスの契約ユーザは、画像形成装置12から登録コードを入力するだけでよく、スキャンファイルの送信先を意識したり、スキャンファイルの送信操作を行ったりする必要はない。また、契約ユーザがスキャンファイルを送信し忘れたり、スキャンファイルの送信が遅れたり、スキャンファイルが誤った送信先に送信されたりすることもない。したがって、サービス提供システム100によれば、スキャンファイルをBPOクラウドサービスへ効率的かつ適切に送信することができる。
【0066】
また、本実施形態のサービス提供システム100は、契約ユーザ15が、BPOサービスシステム11に対して、サービスの利用申し込みを行ったタイミングで、契約ユーザ15に対して登録コードが採番される。そして、登録コードが採番されたときに、サービスの提供を行うために必要な各種登録情報(アプリアイコン、コマンド、コマンドパラメータ、フロー、フローパラメータ、ジョブ、ジョブパラメータ)が、登録コードに対応付けられて自動的に登録されるようにしている。このため、サービス提供システム100のシステム管理者は、各種登録情報を手作業で登録する必要がない。したがって、サービス提供システム100によれば、システム管理者の作業負荷を軽減することができる。また、サービス提供システム100によれば、各種登録情報の登録ミスを防止することができる。
【0067】
また、本実施形態のサービス提供システム100は、契約ユーザ15が、BPOサービスシステム11に対して、サービスの解約の申し出を行ったタイミングで、契約ユーザ15の登録コードが削除される。そして、登録コードが削除されたときに、この登録コードに対応付けられて登録されている各種登録情報(アプリアイコン、コマンド、コマンドパラメータ、フロー、フローパラメータ、ジョブ、ジョブパラメータ)が、自動的に削除されるようにしている。このため、サービス提供システム100のシステム管理者は、各種登録情報を手作業で削除する必要がない。したがって、サービス提供システム100によれば、システム管理者の作業負荷を軽減することができる。また、サービス提供システム100によれば、各種登録情報の削除ミスを防止することができる。
【0068】
さらに、本実施形態のサービス提供システム100は、スキャンファイルの配信先の設定および管理を、サービス提供システム100上のパラメータ(フローパラメータおよびジョブパラメータ)のみで行っている。このため、スキャンファイルの配信先が変更された場合であっても、画像形成装置12側では何ら変更を行う必要がなく、サービス提供システム100のみでパラメータ変更を行えばよい。
【0069】
なお、上記実施形態では、サービス提供システム100の各機能(
図3参照)を、1台の情報処理装置(情報処理装置100A)によって実現するようにしているが、複数台の情報処理装置によって実現するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、スキャン処理が実行されてからスキャンファイルが配信されるまでの一連の処理を、3つのフロー(スキャン処理フロー、ファイル入力フロー、および配信フロー)により実現されるようにしているが、これに限らない。例えば、上記一連の処理を、2つ以下のフローまたは4つ以上のフローにより実現されるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、本発明のネットワークサービスの一例として、BPOクラウドサービスにおける請求書処理サービスを用いているが、本発明は、スキャン処理を要するネットワークサービスであれば、如何なるネットワークサービスにも適用可能である。
【0072】
また、上記実施形態では、スキャンファイルの所定の配信先を、BPOサービスシステム11の外部に設けられている外部ストレージシステム13としているが、これに限らない。例えば、スキャンファイルの所定の配信先を、BPOサービスシステム11の内部に設けられている記憶装置としてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、本発明の「識別コード」の一例として、BPOクラウドサービスの登録コードを用いているが、これに限らず、例えば、登録コードに1:1で対応付けられている他の識別コードを用いてもよい。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。