特許第6807659号(P6807659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6807659レシピセットの実行を同期化するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807659
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】レシピセットの実行を同期化するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   H05H1/46 M
【請求項の数】30
【外国語出願】
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2016-109685(P2016-109685)
(22)【出願日】2016年6月1日
(65)【公開番号】特開2017-37831(P2017-37831A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2019年5月31日
(31)【優先権主張番号】62/171,941
(32)【優先日】2015年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/974,915
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/148,414
(32)【優先日】2016年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・シー.・バルコア・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】トニー・サン
(72)【発明者】
【氏名】ボストジャン・パスト
【審査官】 鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−511766(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0011088(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/24
C23C 16/455
C23C 16/50
C23C 16/52
H01L 21/31
H01L 21/302
H01L 21/3065
G05B 19/05
H04B 1/40
H04L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
コマンドコントローラによって、レシピセットをマスタコントローラに送信することと、
前記マスタコントローラによって、前記レシピセットをプラズマシステムのサブシステムコントローラによる実行のために送信することであって、前記レシピセットを前記マスタコントローラから前記サブシステムコントローラに送信することは、クロック信号の第1のクロックサイクル中に実施される、ことと、
前記コマンドコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、
前記コマンドコントローラによって、前記サブシステムコントローラによる前記レシピセットの実行の時間を示す前記レシピイベント信号を前記サブシステムコントローラに送信することであって、前記実行の時間は、前記第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じ、前記第2のクロックサイクルは、前記クロック信号のサイクルである、ことと、
前記コマンドコントローラによって、追加のレシピセットを前記マスタコントローラに送信することと、
前記マスタコントローラによって、前記追加のレシピセットを前記プラズマシステムの前記サブシステムコントローラによる実行のために前記サブシステムコントローラに送信することであって、前記追加のレシピセットを前記マスタコントローラから前記サブシステムコントローラに送信することは、前記クロック信号の前記第2のクロックサイクルに実施される、ことと、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記レシピセットを前記コマンドコントローラから前記マスタコントローラに送信することは、転送媒体を通して前記マスタコントローラにパケットを送信することを含み、前記レシピセットを前記マスタコントローラから前記サブシステムコントローラに送信することは、転送媒体を通して前記サブシステムコントローラに前記パケットを送信することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記マスタコントローラによって、前記第1のクロックサイクル中に、別のレシピセットを前記プラズマシステムの別のサブシステムコントローラによる実行のために送信することを備え、
前記実行の時間は、前記プラズマシステムの前記別のサブシステムコントローラによる前記別のレシピセットの実行のための時間である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記コマンドコントローラは、コンピューティングデバイス内に位置し、前記コンピューティングデバイスは、ラップトップコンピュータ、又はデスクトップコンピュータ、又はタブレット端末、又は携帯電話を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記レシピセットは、RF発生器によって生成される高周波数(RF)信号の電力、又は前記RF信号の周波数、又は前記プラズマシステムのプラズマチャンバ内の圧力、又は前記プラズマチャンバ内の温度、又は前記プラズマチャンバ内の電極間のギャップ、又は前記プラズマチャンバへのガスの流量、又は前記プラズマシステムのインピーダンス整合回路網のコンデンサのキャパシタンス、又は前記インピーダンス整合回路網のインダクタのインダクタンス、又はこれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記レシピセットは、前記レシピセットが前記サブシステムコントローラからサブシステムに送信されるときに前記サブシステムコントローラによって実行され、前記サブシステムコントローラは、前記マスタコントローラに接続されている、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記サブシステムは、高周波数(RF)発生器、又は圧力サブシステム、又は温度サブシステム、又はギャップサブシステム、又はガスフローサブシステム、又はインピーダンス整合回路網である、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記プラズマシステムは、1つ以上の高周波数(RF)発生器と、インピーダンス整合回路網と、プラズマチャンバとを含み、前記1つ以上のRF発生器は、対応する1本以上のRFケーブルを通して前記インピーダンス整合回路網に接続され、前記インピーダンス整合回路網は、RF伝送路を通して前記プラズマチャンバに接続される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記サブシステムコントローラによって前記コマンドコントローラから前記レシピイベント信号が受信される時間であり、前記サブシステムコントローラは、前記マスタコントローラに接続され、サブシステムを制御し、前記サブシステムコントローラによって受信される前記レシピイベント信号は、前記レシピセットの即座の実行を引き起こす、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記サブシステムコントローラからサブシステムに前記レシピセットが送信される時間であり、前記サブシステムコントローラは、前記マスタコントローラから前記レシピセットを受信するために前記マスタコントローラに接続される、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記レシピセットの実行をトリガする、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、サブシステムのための前記サブシステムコントローラによって受信されるときに、前記レシピセットの実行の即座の起動を示している、方法。
【請求項13】
方法であって、
マスタコントローラによって、クロック信号の第1のクロックサイクル中に、レシピセットをサブシステムコントローラによる実行のために送信することであって、前記サブシステムコントローラは、プラズマシステムのコンポーネントを制御するように構成される、ことと、
前記マスタコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、
前記マスタコントローラによって、前記プラズマシステムの前記サブシステムコントローラによる前記レシピセットの実行の時間を示す前記レシピイベント信号を送信することであって、前記レシピセットの前記実行の時間は、前記レシピセットが送信される前記第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じ、前記第2のクロックサイクルは、前記クロック信号のサイクルである、ことと、
前記マスタコントローラによって、追加のレシピセットを前記プラズマシステムの前記サブシステムコントローラによる実行のために前記サブシステムコントローラに送信することであって、前記追加のレシピセットを前記マスタコントローラから前記サブシステムコントローラに送信することは、前記クロック信号の前記第2のクロックサイクルに実施される、ことと、
を備える方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記レシピセットを送信することは、ケーブルを通して前記サブシステムコントローラにパケットを送信することを含む、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
前記プラズマシステムは、1つ以上の高周波数(RF)発生器と、インピーダンス整合回路網と、プラズマチャンバとを含み、前記1つ以上のRF発生器は、前記インピーダンス整合回路網に接続され、前記インピーダンス整合回路網は、前記プラズマチャンバに接続される、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、更に、
前記マスタコントローラによって、前記クロック信号の前記第1のクロックサイクル中に、別のレシピセットを別のサブシステムコントローラによる実行のために送信することであって、前記別のサブシステムコントローラは、前記プラズマシステムの別のコンポーネントを制御するように構成される、ことを備え、
前記実行の時間は、前記プラズマシステムの前記別のサブシステムコントローラによる前記別のレシピセットの実行のための時間である、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、
前記レシピセットは、前記サブシステムコントローラによって、前記レシピセットを前記コンポーネントに送信することによって実行される、方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記サブシステムコントローラによって前記マスタコントローラから前記レシピイベント信号が受信される時間であり、前記サブシステムコントローラは、前記マスタコントローラに接続され、前記コンポーネントを制御する、方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記サブシステムコントローラから前記コンポーネントに前記レシピセットが送信される時間である、方法。
【請求項20】
請求項13に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記レシピセットの実行をトリガする、方法。
【請求項21】
請求項13に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記サブシステムのための前記サブシステムコントローラによって受信されるときに、前記レシピセットの実行の即座の起動を示している、方法。
【請求項22】
方法であって、
マスタコントローラによって、プラズマ処理システムのサブシステムのプロセッサにレシピセットを送信することであって、前記マスタコントローラから送信することは、クロック信号の第1のクロックサイクル中に生じる、ことと、
前記マスタコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、
前記マスタコントローラによって、前記レシピセットの実行の時間を示す前記レシピイベント信号を、前記サブシステムの前記プロセッサに送信することであって、前記実行の時間の送信は、前記第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じる、ことと、
前記マスタコントローラによって、追加のレシピセットを前記サブシステムの前記プロセッサによる実行のために前記サブシステムの前記プロセッサに送信することであって、前記追加のレシピセットを前記マスタコントローラから前記サブシステムの前記プロセッサに送信することは、前記クロック信号の前記第2のクロックサイクルに実施される、ことと、
を備える方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記レシピセットを送信することは、ケーブルを通して前記サブシステムの前記プロセッサにパケットを送信することを含む、方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、更に、
前記マスタコントローラによって、別のレシピセットを別のサブシステムの別のプロセッサによる実行のために送信することであって、前記別のプロセッサは、前記プラズマ処理システムの前記別のサブシステムを制御するように構成され、前記別のレシピセットを送信することは、前記第1のクロックサイクル中に生じる、ことを備え、
前記実行の時間は、前記別のサブシステムの前記別のプロセッサによる前記別のレシピセットの実行のための時間である、方法。
【請求項25】
請求項22に記載の方法であって、
前記レシピセットは、前記プロセッサによって、前記サブシステムの前記プロセッサが信号を生成するためにドライバに信号を送信するときに実行される、方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記プロセッサによって前記マスタコントローラから前記レシピイベント信号が受信される時間であり、前記プロセッサは、前記マスタコントローラに接続され、前記サブシステムを制御する、方法。
【請求項27】
請求項22に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記プラズマ処理システムの一部を駆動するために前記プロセッサからドライバに前記レシピセットが送信される時間である、方法。
【請求項28】
請求項22に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記レシピセットの実行をトリガする、方法。
【請求項29】
請求項22に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記プロセッサによって受信されるときに、前記レシピセットの実行の即座の起動を示している、方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記コマンドコントローラによって、追加のレシピイベント信号を生成することと、
前記コマンドコントローラによって、前記サブシステムコントローラによる前記追加のレシピセットの実行の時間を示す前記追加のレシピイベント信号を、前記サブシステムコントローラに送信することであって、前記実行の時間は、前記第2のクロックサイクルに続く第3のクロックサイクル中に生じ、前記第3のクロックサイクルは、前記クロック信号のサイクルである、ことと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、レシピセットの実行を同期化するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多様な動作を実施するために、プラズマシステムが使用される。例えば、プラズマシステムは、ウエハを洗浄するため、ウエハ上に材料を堆積させるため、ウエハをエッチングするためなどの、複数のステーションを有する。各ステーションは、動作を実施するための1つ以上の処理機器によって制御される。
【0003】
動作を実施するために、処理機器間で情報が転送される。しかしながら、情報を転送するために、各処理機器は、過密なスケジュール下にある。例えば、各処理機器は、事前に指定された時間枠内でデータを処理してからその処理されたデータを別の処理機器に提供する必要がある。
【0004】
このような時間枠要件は、処理機器の費用をかさませる。また、処理機器の使用時は、処理機器間におけるデータ転送速度に限界がある。
【0005】
本開示で説明される実施形態が提起されるのは、このような状況においてである。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、レシピセットの実行を同期化するための装置、方法、及びコンピュータプログラムを提供する。これらの実施形態は、例えば、プロセス、又は装置、又はシステム、又はハードウェア、又は方法、又はコンピュータ読み取り可能媒体などの、数々の形態で実現可能であることがわかる。幾つかの実施形態が、以下で説明される。
【0007】
一実施形態では、実行されるべきレシピセットは、そのレシピセットの実行のための信号を送信する前に、或るコントローラから別のコントローラに送信される。例えば、マスタコントローラは、スレーブコントローラによるレシピセットの実行を示すパルスを送信する前に、スレーブコントローラにレシピセットを送信する。このような、レシピセットの事前送信は、レシピセットの実行に備えて準備する時間をスレーブコントローラに与える。スレーブコントローラによるレシピセットの実行を示すパルスが受信されるや否や、スレーブコントローラは、処理のためにレシピセットを送信することによってレシピセットを実行する。
【0008】
レシピセットの実行を示すパルスを送信する前に、複数のレシピセットを複数のスレーブコントローラに送信することによって、各スレーブコントローラは、1つの時間枠内でレシピセットを実行する必要がなくなる。例えば、EtherCAT(制御自動化技術のためのEthernet(登録商標))では、1つのスレーブコントローラが複数のレシピセットを受信し、複数のレシピセットのうちの一レシピセットを識別し、その識別されたレシピセットを、複数のレシピセットを別のスレーブコントローラに送信する前に実行する。識別及び実行は、1つの時間枠内でなされるべきであり、これは、制約になって、費用の増加を招く。また、このようなEtherCATスレーブコントローラは、費用がかさみ、ボリュームが少ないために得るのが困難である。更に、EtherCATスレーブコントローラは、速度面で限界があり、例えば、メガビット毎秒の速度に制限される。レシピセットの実行を同期化するためのシステム及び方法を使用することによって、複数のレシピセットの送信がギガビット毎秒(Gbps)又はそれよりも高速でなされ、スレーブコントローラがそれまでに識別及び実行を実施しなければならないような時間枠がない。スレーブコントローラは、スレーブコントローラによるレシピセットの実行を示すパルスを受信した後、即座にレシピセットを実行する。
【0009】
一実施形態では、レシピセットの実行を同期化するための方法が説明される。方法は、コマンドコントローラによって、マスタコントローラにレシピセットを送信することと、マスタコントローラによって、レシピセットを、プラズマシステムのサブシステムコントローラによる実行のために送信することとを含む。レシピセットをマスタコントローラからサブシステムコントローラに送信する動作は、クロック信号の第1のクロックサイクル中に実施される。方法は、コマンドコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、コマンドコントローラによって、レシピイベント信号をサブシステムコントローラに送信し、サブシステムコントローラによるレシピセットの実行の時間を示すことと、を含む。実行の時間は、第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じる。第2のクロックサイクルは、上記クロック信号のサイクルである。
【0010】
一実施形態では、レシピセットの実行を同期化するための方法が説明される。方法は、マスタコントローラによって、クロック信号の第1のクロックサイクル中に、レシピセットをサブシステムコントローラによる実行のために送信することを含む。サブシステムコントローラは、プラズマシステムのコンポーネントを制御するように構成される。方法は、更に、マスタコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、マスタコントローラによって、レシピイベント信号を送信し、プラズマシステムのサブシステムコントローラによるレシピセットの実行の時間を示すことと、を含む。実行の時間は、レシピセットが送信される第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じる。第2のクロックサイクルは、上記クロック信号のサイクルである。
【0011】
一実施形態では、レシピセットの実行を同期化するための方法が提供される。方法は、マスタコントローラによって、プラズマシステムのサブシステムのプロセッサにレシピセットを送信することを含む。マスタコントローラから送信する動作は、クロック信号の第1のクロックサイクル中に生じる。方法は、更に、マスタコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、マスタコントローラによって、レシピイベント信号を送信し、レシピセットの実行の時間をサブシステムのプロセッサに示すことと、を含む。レシピイベント信号を送信する動作は、第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じる。
【0012】
上述された実施形態の一部が有する利点として、複数のコントローラ間でレシピセットの実行を同期化することが挙げられる。例えば、1つの送信元コントローラから1つ以上の受信先コントローラに、(n+1)番目のレシピセットが同期方式で送信される。(n+1)番目のレシピセットを受信先コントローラに送信した後、送信元コントローラ又は別のコントローラは、レシピセットの実行の開始を受信先コントローラに合図するために、レシピイベント信号を提供する。(n+1)番目のレシピセットの送信と、レシピイベント信号の送信との間の時間は、受信先コントローラが(n+1)番目のレシピセットの実行に備えて準備することを可能にする。例えば、(n+1)番目のレシピセットは、ウエハがプラズマチャンバ内に装着される期間中に、受信先コントローラに送信される。レシピイベント信号が受信先コントローラに送信されるときは、ウエハは、既に装着済みである。更に、受信先コントローラは、レシピイベント信号を受信するや否や、ウエハの処理を開始させるためにレシピセットを実行する。
【0013】
その他の利点としては、例えば、Ethernetプロトコル、ユニヴァーサルデータグラムプロトコル(UDP)、インターネットプロトコル上のUDP(UDP over IP)、UDP over IP over Ethernet、カスタマイズされたプロトコルなどの、ギガビット毎秒の又はそれよりも高速のデータ転送速度を有する通信プロトコルの使用が挙げられる。(n+1)番目のレシピセットは、(n+1)番目のレシピセットを転送するために通信プロトコルを適用することによって生成されるパケットのペイロードとしてパケットに埋め込まれる。このような通信プロトコルの使用は、ギガビット毎秒の又はそれよりも高速の転送速度の実現を可能にする。通信プロトコルの使用は、時間を省略し、EtherCATプロトコルと比べて費用効果を向上させる。
【0014】
添付の図面と関連して述べられる以下の詳細な説明から、その他の態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
実施形態は、添付の図面と関連して述べられる以下の詳細な説明を参照することによって理解される。
【0016】
図1A-1】複数のサブシステムコントローラ間のけるレシピセットの実行の同期化を説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0017】
図1A-2】図1A−1のシステムと同様なシステムの一実施形態の図である。
【0018】
図1B-1】入力機器を通してユーザから入力信号を受信することを伴わないサブシステムコントローラとマスタコントローラとの間における同期化を説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0019】
図1B-2】図1B−1のシステムと同様なシステムの一実施形態の図である。
【0020】
図1C】マスタコントローラから受信されるレシピイベント信号にしたがったサブシステムの同期化を説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0021】
図1D】サブシステムコントローラとサブシステムとの間における同期化を説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0022】
図1E】マスタコントローラとRF発生器コントローラとの間における同期化を実現するためにユーザインターフェース(UI)コンピュータを使用することを説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0023】
図2A-1】コントローラへの(n+1)番目のレシピセットの送信と、コントローラによるレシピセットの実行の時間との間における同期化を説明するための、タイミング図の一実施形態である。
【0024】
図2A-2】コントローラによるパケットの実行の時間が、コントローラによってパケットが受信される時間から、それよりも後の、パケットが実行されることを示すデジタルパルスが受信される時間に変化することを説明するための、タイミング図の一実施形態である。
【0025】
図2B図1Eのシステムの機能を説明するために使用される、タイミング図の一実施形態である。
【0026】
図3A】Ethernetパケットの一実施形態の図である。
【0027】
図3B】本開示で説明される一実施形態にしたがった、パケットを説明するための図である。
【0028】
図4】プラズマ処理システムの一実施形態の図である。
【0029】
図5】サブシステムを説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0030】
図6】プラズマチャンバの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の実施形態は、レシピセットの実行を同期化するためのシステム及び方法を説明している。本実施形態は、これらの具体的詳細の一部又は全部を伴わずとも実施されることが明らかである。また、本実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作の詳細な説明は省略される。
【0032】
図1A−1は、複数のサブシステムコントローラ間におけるレシピセットの実行の同期化を説明するための、システム100の一実施形態の図である。システム100は、コンピューティングデバイス108内に位置するコマンドコントローラ102を含む。本明細書で言うコントローラは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリデバイスとを含む。本明細書で言うプロセッサは、中央演算処理装置(CPU)、殊用途向け集積回路(ASIC)、又はプログラム可能論理装置(PLD)を言い、これらの用語は、本明細書では区別なく使用される。メモリデバイスの例として、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスク、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ストレージディスクの冗長アレイ、フラッシュメモリなどが挙げられる。これらのコンピューティングデバイス108の一例として、ラップトップコンピュータ、又はデスクトップコンピュータ、又はタブレット端末、又は携帯電話が挙げられる。
【0033】
システム100は、更に、転送媒体112を通じてコマンドコントローラ102に接続されたマスタコントローラ106を含む。本明細書で言う転送媒体の例として、同軸ケーブル、導体ケーブル、有線媒体、ツイストペア、光ファイバケーブル、ケーブル、Ethernetケーブル、無線媒体、有線媒体と無線媒体との組み合わせなどが挙げられる。通信プロトコルの例としては、ユニヴァーサルデータグラムプロトコル(UDP)、インターネットプロトコル上のUDP(UDP over IP)、UDP over IP over Ethernet、カスタマイズされたプロトコル、シリアル転送プロトコル、パラレル転送プロトコル、ユニヴァーサルシリアルバス(USB)プロトコル、カスタマイズされた通信プロトコルなどが挙げられる。シリアルプロトコルの例として、例えば、RS232プロトコル、RS422プロトコル、RS423プロトコル、RS385プロトコルなどが挙げられる。様々な実施形態において、シリアルプロトコルでは、データは、シリアル方式で転送される。例えば、1つのビットが、別のビットが転送された後に順次転送される。パラレルプロトコルの一例は、データをパラレル方式で転送するものである。実例を挙げると、パラレルプロトコルでは、複数のビットが同時的になどで転送される。本明細書では、実施形態によっては転送媒体とリンクとが区別なく使用される。本明細書では、幾つかの実施形態においてシリアルプロトコル又はパラレルプロトコルが非パケット化プロトコルとして言及される。
【0034】
システム100は、サブシステムコントローラAと、サブシステムコントローラBと、サブシステムコントローラCとを含む。サブシステムコントローラAは、転送媒体110Aを通してマスタコントローラ106に接続され、サブシステムコントローラBは、転送媒体110Bを通してマスタコントローラ106に接続され、サブシステムコントローラCは、転送媒体110Cを通してマスタコントローラ106に接続される。
【0035】
更に、各サブシステムコントローラは、1つ以上の対応する物理媒体を通して対応するサブシステムに接続される。物理媒体は、米国特許出願第14/974,915号において物理的な通信媒体として説明されている。例えば、サブシステムコントローラAは、専用の物理媒体を通してサブシステムAに接続され、サブシステムコントローラBは、専用の物理媒体を通してサブシステムBに接続され、サブシステムコントローラCは、専用の物理媒体を通してサブシステムCに接続される。
【0036】
留意すべきは、本明細書では、実施形態によってはサブシステムという用語とコンポーネントという用語とが区別なく使用されることがあることである。
【0037】
サブシステムの一例としては、高周波数(RF)発生器、又は圧力サブシステム、又は温度サブシステム、又はギャップ(間隔)サブシステム、又はガスフローサブシステム、又は冷却液フローサブシステム、又はインピーダンス整合回路網が挙げられる。実例を挙げると、サブシステムAは、例えば2MHzなどのxメガヘルツ(MHz)高周波数(RF)発生器であり、サブシステムBは、yメガヘルツRF発生器であり、サブシステムCは、zメガヘルツRF発生器である。yの一例として、2又は27が挙げられ、zの一例として、27又は60が挙げられる。一実施形態では、xMHzRF発生器の代わりに、例えば400kHzなどのキロヘルツ(kHz)RF発生器が使用される。
【0038】
圧力サブシステムは、例えば圧力コントローラ、ドライバ、モータ、1本以上のロッド、閉じ込めリングなどの、複数のパーツを含む。圧力コントローラは、ドライバを通してモータに接続され、モータは、更に、1本以上のロッドを通してプラズマチャンバ内の閉じ込めリングに接続される。プラズマチャンバは、後程更に説明される。ドライバの例として、1つの又は一群のトランジスタが挙げられる。圧力コントローラのプロセッサは、モータを駆動してモータのロータを回転させるために、ドライバに信号を送信する。ロータの回転は、1本以上のロッドを通して閉じ込めリングの移動の量を制御し、そうして更に、プラズマチャンバ内の圧力を変化させる。
【0039】
一実施形態では、圧力コントローラは、圧力サブシステム内に位置する代わりに、サブシステムコントローラAの一例であり、上述された圧力サブシステムの残りのパーツが、圧力サブシステム内に位置している。
【0040】
温度サブシステムは、例えば温度コントローラ、ドライバ、ヒータなどの、複数のパーツを含む。温度コントローラは、ドライバを通してヒータに接続される。温度コントローラの温度プロセッサは、ドライバに信号を送信して或る量の電流を生成させる。ドライバは、上記の量の電流を生成し、その電流をヒータに提供する。ヒータは、プラズマチャンバを加熱するための熱を生成する。
【0041】
一実施形態では、温度コントローラは、温度サブシステム内に位置する代わりに、サブシステムコントローラBの一例であり、上述された温度サブシステムの残りのパーツが、温度サブシステム内に位置している。
【0042】
ギャップサブシステムは、例えばギャップコントローラ、ギャップドライバ、モータ、1本以上のロッドなどの、パーツを含む。ギャップコントローラは、ギャップドライバを通してモータに接続され、モータは、1本以上のロッドを通してプラズマチャンバの上部電極に接続される。ギャップコントローラのギャッププロセッサは、ドライバに信号を送信して或る量の電流を生成させ、その電流は、モータに提供されてモータのロータを回転させる。ロータの回転は、1本以上のロッドを回転させ、そうして、プラズマチャンバの上部電極と下部電極との間のギャップを変化させる。
【0043】
一実施形態では、ギャップコントローラは、ギャップサブシステム内に位置する代わりに、サブシステムコントローラCの一例であり、上述されたギャップサブシステムの残りのパーツが、ギャップサブシステム内に位置している。
【0044】
ガスフローサブシステムは、例えばガスフローコントローラ、ドライバ、モータ、弁、管、1本以上のロッド、ガス源などの、複数のパーツを含む。ガス源は、プラズマチャンバ内で例えば半導体ウエハなどの基板等に対して材料を堆積させる、材料をスパッタリングする、エッチングする、洗浄するなどの処理を行うためのプロセスガスを貯蔵する。プロセスガスの例として、酸素含有ガス又はフッ素含有ガスなどが挙げられる。ガスフローコントローラのガスフロープロセッサは、信号をドライバに送信し、ドライバは、モータを駆動するために電流を生成する。モータは、回転し、1本以上のロッドを通して管内で弁の位置を変化させ、そうして更に、ガス源から管を経てプラズマチャンバに至る或る量のガスフローを実現する。
【0045】
一実施形態では、ガスフローコントローラは、ガスフローサブシステム内に位置する代わりに、サブシステムコントローラAの一例であり、上述されたガスフローサブシステムの残りのパーツが、ガスフローサブシステム内に位置している。
【0046】
一実施形態では、ガスフローサブシステム内のモータに代わり、ガスフローサブシステムのドライバによって生成される電磁電流が、ガスフローサブシステムの弁が開く又は閉じる量を制御する。
【0047】
冷却フローサブシステムは、ガス源の代わりに、冷却液を貯蔵する液源が使用されることを除いて、ガスフローサブシステムのそれと同じパーツを有し、ガスフローサブシステムと同様に動作し、冷却フローサブシステムの出力は、例えばプラズマチャンバの上部電極、下部電極、上部電極延長部、下部電極延長部などのコンポーネントに冷却液を供給してそのコンポーネントを冷却するために、そのコンポーネントに接続される。
【0048】
インピーダンス整合回路網は、例えばインピーダンス整合コントローラ、1つ以上のドライバ、1つ以上のモータ、1つ以上のコンデンサ、1つ以上のインダクタ、1つ以上のレジスタなどの、複数のパーツを含む。インピーダンス整合コントローラのプロセッサは、ドライバの1つに信号を生成して電流を生成させる。電流は、モータの1つに提供されてそのモータのロータを回転させ、そうして更に、1つ以上のコンデンサの1つの板間の面積を変化させて、そのコンデンサのキャパシタンスを変化させる。同様に、インピーダンス整合コントローラのプロセッサは、ドライバの別の1つに信号を送信して電流を生成させる。電流は、モータの別の1つに提供されてそのモータのロータを回転させ、そうして更に、インダクタのうちの1つのコアを回転させてそのインダクタのインダクタンスを変化させる又はインダクタのうちの1つのコイル間の間隔を変化させてインダクタンスを更に変化させる。例えば、インピーダンス整合回路網のインダクタのインダクタンスは、インダクタのコアをインダクタのコイルに入る又はインダクタのコイルから出るように滑らせることによって変更される。コアは、その磁気コアを滑らせるためにインピーダンス整合回路網のモータに取り付けられる。
【0049】
コマンドコントローラ102は、例えば、マウス、キーボード、スタイラス、タッチ画面などの入力機器に、入出力(I/O)インターフェースを通して接続される。I/Oインターフェースの例として、シリアルポート、パラレルポート、USBポートなどが挙げられる。入力機器及びI/Oインターフェースを通してユーザから信号を受信すると、コマンドコントローラ102は、サブシステムAによって実行されるための(n+1)番目のレシピセット、サブシステムBによって実行されるための(n+1)番目のレシピセット、及びサブシステムCによって実行されるための(n+1)番目のレシピセットを、転送媒体112を通してマスタコントローラ106に送信する。例えば、コマンドコントローラは、通信プロトコルを適用して、サブシステムAによって実行されるべき(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成し、通信プロトコルを適用して、サブシステムBによって実行されるべき(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成し、通信プロトコルを適用して、サブシステムCによって実行されるべき(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成し、それらのパケットを、転送媒体112を通してマスタコントローラ106に送信する。別の例として、コマンドコントローラ102は、非パケット化プロトコルを適用することによって、例えばパラレル方式又はシリアル方式などで、(n+1)番目のレシピセットを送信する。一部の実施形態では、コマンドコントローラは、例えばクロック信号の同じクロックサイクル内で、クロックサイクルの立ち上がりエッジで、クロックサイクルの立ち下がりエッジでなどの同時方式で、(n+1)番目のレシピセットを、転送媒体112を通してマスタコントローラに送信する。
【0050】
留意すべきは、様々な実施形態において、(n+1)番目が、或るレシピセットが事前に送信されたn番目のレシピセットの次に実行されるべきレシピセットであることを示すために使用されることである。ここで、nは、ゼロ以上の整数である。例えば、n番目のレシピセットは、(n+1)番目のレシピセットの送信に先立って送信される。(n+1)番目のレシピセットは、n番目のレシピセットの送信に続いて送信される。一部の実施形態では、n番目のレシピセットは、(n+1)番目のレシピセットが送信される時点で実行される。
【0051】
コマンドコントローラ102からサブシステムA、B、及びCのための(n+1)番目のレシピセットを受信すると、マスタコントローラ106は、(n+1)番目のレシピセットの1つを含むパケット内の、例えばメディアアクセス制御(MAC)アドレスなどの宛先アドレスから識別を行って、(n+1)番目のレシピセットのその1つがサブシステムAのためのものであることを決定し、(n+1)番目のレシピセットの別の1つを含むパケット内の宛先アドレスから識別を行って、(n+1)番目のレシピセットのその別の1つがサブシステムBのためのものであることを決定し、(n+1)番目のレシピセットの更に別の1つを含むパケット内の宛先アドレスから識別を行って、(n+1)番目のレシピセットのその更に別の1つがサブシステムCのためのものであることを決定する。マスタコントローラ106は、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを、転送媒体110Aを通してサブシステムコントローラAに送信し、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを、転送媒体110Bを通してサブシステムコントローラBに送信し、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを、転送媒体110Cを通してサブシステムコントローラCに送信する。
【0052】
非パケット化プロトコルが適用される一部の実施形態では、コマンドコントローラ102からサブシステムA、B、及びCのための(n+1)番目のレシピセットを受信すると、マスタコントローラ106は、(n+1)番目のレシピセットの1つの中の宛先アドレスから、(n+1)番目のレシピセットのその1つがサブシステムAのためのものであると識別し、(n+1)番目のレシピセットの別の1つの中の宛先アドレスから、(n+1)番目のレシピセットのその別の1つがサブシステムBのためのものであると識別し、(n+1)番目のレシピセットの更に別の1つの中の宛先アドレスから、(n+1)番目のレシピセットのその更に別の1つがサブシステムCのためのものであると識別する。マスタコントローラ106は、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを、パラレル方式又はシリアル方式で、転送媒体110Aを通してサブシステムコントローラAに送信し、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットを、パラレル方式又はシリアル方式で、転送媒体110Bを通してサブシステムコントローラBに送信し、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットを、パラレル方式又はシリアル方式で、転送媒体110Cを通してサブシステムコントローラCに送信する。
【0053】
A、B、及びCのサブシステムのための(n+1)番目のレシピセットは、マスタコントローラ106によって、対応するサブシステムコントローラA、B、及びCに、例えばクロック信号の第1のクロックサイクル中になど、同時に送信される。第1のクロックサイクルの例として、クロックサイクルC1や時間tsなどが挙げられる。実例を挙げると、A、B、及びCサブシステムのための(n+1)番目のレシピセットは、対応するサブシステムコントローラA、B、及びCに(n+1)番目のレシピセットを同期方式で送信するために、第1のクロックサイクルの立ち上がりエッジ中又は立ち下がりエッジ中に送信される。クロック信号は、例えば発振器や、位相ロックループを伴う発振器などの、クロック源によって生成される。
【0054】
一実施形態では、クロック信号は、コンピューティングデバイス108内に位置付けられたクロック源によって生成される。この実施形態では、クロック信号は、クロック源から、コマンドコントローラ102、マスタコントローラ106、サブシステムコントローラA、サブシステムコントローラB、サブシステムコントローラC、並びに/又はサブシステムA、B、及びC内の任意のコントローラ若しくはプロセッサに送信される。
【0055】
一実施形態では、クロック信号は、コンピューティングデバイス108の外に位置付けられてマスタコントローラ106に接続されたクロック源によって生成される。この実施形態では、クロック信号は、クロック源から、コマンドコントローラ102、マスタコントローラ106、サブシステムコントローラA、サブシステムコントローラB、サブシステムコントローラC、並びに/又はサブシステムA、B、及びC内の任意のコントローラ若しくはプロセッサに送信される。
【0056】
一部の実施形態では、クロック信号は、マスタコントローラ106内に位置付けられたクロック源によって生成される。この実施形態では、クロック信号は、クロック源から、コマンドコントローラ102、マスタコントローラ106のプロセッサ、サブシステムコントローラA、サブシステムコントローラB、サブシステムコントローラC、並びに/又はサブシステムA、B、及びC内の任意のコントローラ若しくはプロセッサに送信される。
【0057】
入力機器を通してユーザからの入力が受信されると、コマンドコントローラ102は、レシピイベント信号104を生成する。レシピイベント信号104の一例として、デジタル出力信号又はアナログ出力信号が挙げられる。レシピイベント信号104は、コマンドコントローラ102から、通信媒体126及び通信媒体120を通してマスタコントローラ106に送信され、通信媒体126、通信媒体124、及び通信媒体122Aを通してサブシステムコントローラAに送信され、通信媒体126、通信媒体124、及び通信媒体122Bを通してサブシステムコントローラBに送信され、通信媒体126、通信媒体124、及び通信媒体122Cを通してサブシステムコントローラCに送信される。通信媒体の一例として、ワイヤ、又はケーブル、又は有線媒体と無線媒体との組み合わせが挙げられる。
【0058】
レシピイベント信号104は、対応するサブシステムコントローラA、B、及びCによる(n+1)番目のレシピセットの実行の時間teを示す。例えば、レシピイベント信号104の受信を受けて、サブシステムコントローラAは、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを、そのサブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットをリンク114Aを通してサブシステムAに送信することによって実行する。更に、レシピイベント信号104の受信を受けて、サブシステムコントローラBは、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットを、そのサブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットをリンク114Bを通してサブシステムBに送信することによって実行する。また、レシピイベント信号104の受信を受けて、サブシステムコントローラCは、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを、そのサブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットをリンク114Cを通してサブシステムCに送信することによって実行する。対応するサブシステムコントローラA、B、及びCによる(n+1)番目のレシピセットの実行の時間は、第1のクロックサイクルに続く、例えばC2、C3、C4、C5、C6、時間teなどの第2のクロックサイクル中に生じる。例えば、第1のクロックサイクルは、第2のクロックサイクル中に先行する。別の例として、第2のクロックサイクルは、第1のクロックサイクルに続く1つ以上のクロックサイクルの後に生じる。この1つ以上のクロックサイクルは、第2のクロックサイクルに先行する。第2のクロックサイクル、及び第1のクロックサイクルと第2のクロックサイクルとの間の任意のクロックサイクルは、上記クロック信号のサイクルである。
【0059】
レシピイベント信号104は、サブシステムコントローラから対応するサブシステムへの(n+1)番目のレシピセットの例えば送信などの実行をトリガする働きをする。例えば、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを受信した後、サブシステムコントローラAは、コマンドコントローラ102からのレシピイベント信号104の受信を待機する。待機後、レシピイベント信号104を受信すると、サブシステムコントローラAは、即座に、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムAに送信する。実例を挙げると、サブシステムコントローラAによってコマンドコントローラ102からレシピイベント信号104が受信されるのと同じクロックサイクル中に、サブシステムコントローラAは、リンク114Aを通してサブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムAに送信する。別の例として、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを受信した後、サブシステムコントローラAは、コマンドコントローラ102からのレシピイベント信号104の受信を待機する。待機時間中に、サブシステムコントローラAは、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットの中のフレームクロックシーケンス(FCS)フィールド内のビットにしたがって、エラーチェックを実施する。実例を挙げると、サブシステムコントローラAは、Ethernetパケットのペイロードフィールド内に格納された(n+1)番目のレシピセットのビットからシーケンスを算出し、算出されたシーケンスがFCSフィールド内のビットと一致するかどうかを決定する。一致しないと決定されたら、サブシステムコントローラAは、エラーフラグを生成してマスタコントローラ106及び/又はコマンドコントローラ102に送信する。反対に、一致すると決定されたら、サブシステムコントローラAは、サブシステムコントローラAの受信バッファからサブシステムコントローラAの送信バッファにEthernetパケットを転送し、レシピイベント信号104の受信を待機する。レシピイベント信号が受信されるクロックサイクル中に、サブシステムコントローラAは、EthernetパケットをサブシステムAに、例えば伝送するなどのように送信する。
【0060】
レシピイベント信号104は、(n+1)番目のレシピセットの実行を指示する。例えば、サブシステムコントローラによってコマンドコントローラ102又はマスタコントローラ106からレシピイベント信号104が受信される、例えばクロックサイクル中などの時点で、サブシステムコントローラは、(n+1)番目のレシピセットを、処理のために対応するサブシステムに送信する。
【0061】
レシピイベント信号104は、サブシステムのためのサブシステムコントローラによって受信されるときに、レシピセットの処理の即座の起動を示している。例えば、レシピイベント信号104が、例えばクロックサイクル中などの或る時点でサブシステムコントローラAによってコマンドコントローラ102又はマスタコントローラ106から受信されるとき、サブシステムコントローラAは、例えば同じクロックサイクル中、クロックサイクルの立ち上がりエッジ中、クロックサイクルの立ち下がりエッジ中など即座に、対応するサブシステムのための(n+1)番目のレシピセットをそのサブシステムによる処理のために送信する。
【0062】
サブシステムコントローラと、対応するサブシステムとの間における通信方式の例が、米国特許出願第14/974,915号で提供されている。例えば、通信プロトコルは、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットをリンク114Aを通してサブシステムAに転送するために、サブシステムコントローラAによって適用される。別の例として、通信プロトコルは、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットをリンク114Bを通してサブシステムBに転送するために、サブシステムコントローラBによって適用される。
【0063】
サブシステムのための(n+1)番目のレシピセットを受信すると、サブシステムは、基板の処理を促すために、サブシステムのための(n+1)番目のレシピセットを処理する。例えば、サブシステムAがRF発生器であるときは、RF発生器の例えばプロセッサPAなどのプロセッサは、或る電力量及び周波数のRF信号を、RF信号のドライバ及び増幅器に送信する。ドライバは、プロセッサから受信された信号から電流信号を生成し、増幅器は、その電流信号を増幅して増幅電流信号を生成する。増幅電流信号は、上記の電力量及び周波数を有するRF信号を生成するために、RF電源に提供される。上記の電力量及び周波数は、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセット内にある。別の例として、サブシステムBが圧力サブシステムであるときは、圧力コントローラのプロセッサPBなどのプロセッサは、圧力サブシステムのモータを駆動してモータのロータを回転させるために、圧力サブシステムのドライバに信号を送信する。ロータの回転は、閉じ込めリングの移動量を制御し、そうして更に、プラズマチャンバ内に或る大きさの圧力を実現する。上記の圧力の大きさは、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセット内に提供されている。更に別の例として、サブシステムCが温度サブシステムであるときは、温度コントローラの例えばプロセッサPCなどの温度プロセッサは、或る量の電流を生成するために、温度サブシステムのドライバに信号を送信する。ドライバは、上記の量の電流を生成し、その電流をヒータに提供する。電流を受け取ると、ヒータは、プラズマチャンバを加熱するための熱を生成し、プラズマチャンバ内を或る温度にする。上記の温度は、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセット内に提供されている。
【0064】
別の例として、サブシステムAがギャップサブシステムであるときは、ギャップコントローラの例えばプロセッサPAなどのギャッププロセッサは、或る量の電流を生成するために、ギャップサブシステムのドライバに信号を送信し、生成された電流は、サブシステムAのモータに提供されて、モータのロータを回転させる。ロータの回転は、サブシステムAの1本以上のロッドを回転させて、上部電極と下部電極との間に或る大きさのギャップを実現する。上記のギャップの大きさは、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセット内に提供されている。更に別の例として、サブシステムBがガスフローサブシステムであるときは、ガスフローコントローラの例えばプロセッサPBなどのガスフロープロセッサは、ドライバに信号を送信し、これは、サブシステムBのモータを駆動するための電流を生成する。モータのロータは、回転して弁の位置を変化させ、そうして更に、サブシステムBのガス源からサブシステムBの管を経てプラズマチャンバに至る或る量のガスフローを実現する。上記のガスフローの量は、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセット内に提供されている。
【0065】
別の例として、サブシステムCがインピーダンス整合回路網であるときは、インピーダンス整合回路網の例えばプロセッサPCなどのプロセッサは、電流を生成するために、インピーダンス整合回路網のドライバの1つに信号を送信する。電流は、インピーダンス整合回路網のモータの1つに提供されて、そのモータのロータを回転させ、そうして更に、インピーダンス整合回路網の1つ以上のコンデンサの1つの板間の面積を変化させて、コンデンサを或るキャパシタンスにする。同様に、インピーダンス整合回路網のプロセッサは、電流を生成するために、インピーダンス整合回路網のドライバの別の1つに信号を送信する。電流は、インピーダンス整合回路網のモータの別の1つに提供されて、そのモータのロータを回転させ、そうして更に、インピーダンス整合回路網のインダクタのコアの位置を変化させて、インダクタを或るインダクタンスにする。キャパシタンス及びインダクタンスは、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセット内に提供されている。
【0066】
留意すべきは、図1A−1には、3つのサブシステムA、B、及びCが示されているが、一実施形態では、任意の数のサブシステムが使用されることである。例えば、3つのサブシステムに代わり、2つのサブシステム及び対応する2つのサブシステムコントローラが使用される。別の例として、1つのサブシステム及び1つのサブシステムコントローラが使用される。
【0067】
一実施形態では、コマンドコントローラ102、マスタコントローラ106、サブシステムコントローラA、サブシステムコントローラB、及びサブシステムコントローラCは、1つ以上のトランシーバを含み、これは、ギガビット物理層を実装する。1つ以上のトランシーバは、パケットの送受信に使用される。
【0068】
一部の実施形態では、コントローラのトランシーバは、コントローラのプロセッサに接続される。
【0069】
幾つかの実施形態では、コントローラによって実施されるものとして本明細書で説明される機能が、コントローラのプロセッサによって実施される。
【0070】
様々な実施形態において、レシピイベント信号14は、転送媒体110Aと同様な第1の転送媒体を通してサブシステムコントローラAに送信される。第1の転送媒体は、コマンドコントローラ102をサブシステムコントローラAに接続する。更に、レシピイベント信号14は、転送媒体110Bと同様な第2の転送媒体を通してサブシステムコントローラBに送信される。第2の転送媒体は、コマンドコントローラ102をサブシステムコントローラBに接続する。また、レシピイベント信号14は、転送媒体110Cと同様な第3の転送媒体を通してサブシステムコントローラAに送信される。第3の転送媒体は、コマンドコントローラ102をサブシステムコントローラCに接続する。
【0071】
一部の実施形態では、サブシステムコントローラAは、例えば(n+1)番目のレシピセットなどの各レシピセットの受信の確認を、転送媒体110Aを通してマスタコントローラ106に送信し、マスタコントローラ106は、確認の受信を受けて、その確認を、転送媒体112を通してコマンドコントローラ102に送信する。同様に、サブシステムコントローラBは、例えば(n+1)番目のレシピセットなどの各レシピセットの受信の確認を、転送媒体110Bを通してマスタコントローラ106に送信し、マスタコントローラ106は、確認の受信を受けて、その確認を、転送媒体112を通してコマンドコントローラ102に送信する。更に、サブシステムコントローラCは、例えば(n+1)番目のレシピセットなどの各レシピセットの受信の確認を、転送媒体110Cを通してマスタコントローラ106に送信し、マスタコントローラ106は、確認の受信を受けて、その確認を、転送媒体112を通してコマンドコントローラ102に送信する。
【0072】
様々な実施形態において、確認は、サブシステムによって、レシピセットの受信後にマスタコントローラ106に送信される。例えば、或る確認が、サブシステムコントローラによって、(n+1)番目のレシピセットの受信後にマスタコントローラ106に送信され、別の確認が、サブシステムコントローラによって、(n+2)番目のレシピセットの受信後にマスタコントローラ106に送信され、以下同様である。
【0073】
一部の実施形態では、レシピセットは、パケット内のペイロードとして送信され、各レシピセットは、それぞれ異なるパケットに入れて送信される。例えば、(n+1)番目のレシピセットは、(n+1)番目のパケットに入れて送信され、(n+2)番目のレシピセットは、(n+2)番目のパケットに入れて送信される。(n+2)番目のパケットは、(n+1)番目のパケットに続く。
【0074】
図1A−2は、サブシステムA、B、及びCが図示されていないことを除いて図1A−1のシステム100と同様である、システム150の一実施形態の図である。システム150は、リンク110A、110B、及び110Cが通信プロトコルを適用するリンクであることを説明するために使用される。例えば、サブシステムA、B、及びCのための(n+1)番目のレシピセットを含むEthernetパケットは、マスタコントローラ106から、スレーブコントローラである対応するサブシステムコントローラA、B、及びCに通信される。
【0075】
図1B−1は、入力機器を通してユーザから入力信号を受信することを伴わないサブシステムコントローラA、B、及びCとマスタコントローラ106との間における同期化を説明するための、システム160の一実施形態の図である。第1のクロック中に、マスタコントローラ106は、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを、通信媒体110Aを通してサブシステムコントローラAに送信し、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットを、通信媒体110Bを通してサブシステムコントローラBに送信し、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットを、通信媒体110Cを通してサブシステムコントローラCに送信する。例えば、マスタコントローラ106は、通信プロトコルを適用し、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成し、そのパケットを、クロック信号の例えばサイクルC1などの第1のクロックサイクル中に、転送媒体110Aを通してサブシステムコントローラAに送信する。別の例として、マスタコントローラ106は、通信プロトコルを適用し、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成し、そのパケットを、クロック信号の第1のクロックサイクル中に、転送媒体110Bを通してサブシステムコントローラBに送信する。更に、尚も別の例として、マスタコントローラ106は、通信プロトコルを適用して、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成し、そのパケットを、クロック信号の第1のクロックサイクル中に、転送媒体110Cを通してサブシステムコントローラCに送信する。別の例として、マスタコントローラ106は、非パケット化通信プロトコルを適用し、(n+1)番目のレシピセットをシリアル方式又はパラレル方式で転送媒体110Aを通してサブシステムコントローラAに送信し、非パケット化通信プロトコルを適用し、(n+1)番目のレシピセットをシリアル方式又はパラレル方式で転送媒体110Bを通してサブシステムコントローラBに送信し、非パケット化通信プロトコルを適用して、(n+1)番目のレシピセットをシリアル方式又はパラレル方式で転送媒体110Cを通してサブシステムコントローラCに送信する。
【0076】
マスタコントローラ106から(n+1)番目のレシピセットを受信すると、サブシステムコントローラA、B、及びCは、(n+1)番目のレシピセットを対応するサブシステムA、B、及びCに送信する前に、レシピイベント信号104の受信を待機する。マスタコントローラ106は、レシピイベント信号104を生成し、そのレシピイベント信号104を、通信媒体162及び通信媒体164Aを通してサブシステムコントローラAに送信する。更に、マスタコントローラ106は、レシピイベント信号104を、通信媒体162及び通信媒体164Bを通してサブシステムコントローラBに送信し、レシピイベント信号104を、通信媒体162及び通信媒体164Cを通してサブシステムコントローラCに送信する。レシピイベント信号104は、サブシステムコントローラA、B、及びCによる(n+1)番目のレシピセットの実行の時間を示している。マスタコントローラ106は、クロック信号の例えばクロックサイクルC2などの第2のクロックサイクル中に、レシピイベント信号104をサブシステムコントローラA、B、及びCに送信する。
【0077】
サブシステムコントローラA、B、及びCによる(n+1)番目のレシピセットの実行の時間は、サブシステムコントローラA、B、及びCによってマスタコントローラ106からレシピイベント信号104が受信される時間である。例えば、サブシステムコントローラA、B、及びCによってレシピイベント信号104が受信される例えばクロックサイクルC2などのクロックサイクル中に、サブシステムコントローラA、B、及びCは、(n+1)番目のレシピセットを実行する。
【0078】
サブシステムコントローラA、B、及びCは、(n+1)番目のレシピセットを対応するサブシステムA、B、及びCに送信することによって、(n+1)番目のレシピセットを実行する。例えば、レシピイベント信号104の受信を受けて、サブシステムコントローラAは、即座に、リンク114Aを通してサブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムAに送信する。実例を挙げると、レシピイベント信号104が受信されるクロックサイクルC2中に、サブシステムコントローラAは、リンク114Aを通してサブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムAによる処理のためにサブシステムAに送信する。別の例として、レシピイベント信号104の受信を受けて、サブシステムコントローラBは、即座に、リンク114Bを通してサブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムBによる処理のためにサブシステムBに送信する。実例を挙げると、レシピイベント信号104が受信されるクロックサイクルC2中に、サブシステムコントローラBは、リンク114を通してサブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムBに送信する。更に別の例として、レシピイベント信号104の受信を受けて、サブシステムコントローラCは、即座に、リンク114Cを通してサブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムCによる処理のためにサブシステムCに送信する。実例を挙げると、レシピイベント信号104が受信されるクロックサイクルC2中に、サブシステムコントローラCは、リンク114Cを通してサブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムCに送信する。
【0079】
様々な実施形態において、レシピイベント信号14は、転送媒体110Aを通してマスタコントローラ106からサブシステムコントローラAに送信される。更に、レシピイベント信号14は、転送媒体110Bを通してマスタコントローラ106からサブシステムコントローラBに送信され、転送媒体110Cを通してマスタコントローラ106からサブシステムコントローラCに送信される。
【0080】
図1B−2は、サブシステムA、B、及びCが図示されていないことを除いて図1B−1のシステム160と同様である、システム180の一実施形態の図である。システム180は、リンク110A、110B、及び110Cが通信プロトコルを適用することを説明するために使用される。例えば、サブシステムA、B、及びCのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットは、マスタコントローラ106から、スレーブコントローラである対応するサブシステムコントローラA、B、及びCに通信される。更に、レシピイベント信号104は、マスタコントローラ106によって生成されて、サブシステムコントローラA、B、及びCに送信される。
【0081】
図1Cは、マスタコントローラ106から受信されるレシピイベント信号にしたがったサブシステムA、B、及びCの同期化を説明するための、システム190の一実施形態の図である。マスタコントローラ106は、転送媒体172Aを通してサブシステムAに接続され、転送媒体172Bを通してサブシステムBに接続され、転送媒体172Cを通してサブシステムCに接続される。更に、マスタコントローラ106は、通信媒体192及び通信媒体194Aを通してサブシステムAに接続され、通信媒体192及び通信媒体194Bを通してサブシステムBに接続され、通信媒体192及び通信媒体194Cを通してサブシステムCに接続される。
【0082】
マスタコントローラ106は、サブシステムAによる実行及び処理のための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムAのプロセッサPAに送信し、サブシステムBによる実行及び処理のための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムBのプロセッサPBに送信し、サブシステムCによる実行及び処理のための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムCのプロセッサPCに送信する。例えば、マスタコントローラ106は、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成するために通信プロトコルを適用しそのパケットを転送媒体172Aを通してサブシステムAに送信することによって、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを転送媒体172Aを通して送信する。別の例として、マスタコントローラ106は、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成するために通信プロトコルを適用しそのパケットを転送媒体172Bを通してサブシステムBに送信することによって、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットを転送媒体172Bを通して送信する。別の例として、マスタコントローラ106は、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを生成するために通信プロトコルを適用しそのパケットを転送媒体172Cを通してサブシステムCに送信することによって、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットを転送媒体172Cを通して送信する。更に別の例として、マスタコントローラ106は、シリアル方式又はパラレル方式で、転送媒体172Aを通してサブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムAに送信し、シリアル方式又はパラレル方式で、転送媒体172Bを通してサブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムBに送信し、シリアル方式又はパラレル方式で、転送媒体172Cを通してサブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムCに送信する。サブシステムA、B、及びCへの(n+1)番目のレシピセットの送信は、クロック信号の例えば時間tsやクロックサイクルC1などの第1のクロックサイクル中に生じる。例えば、(n+1)番目のレシピセットは、第1のクロックサイクルの立ち上がりエッジ中又は立ち下がりエッジ中に送信される。
【0083】
(n+1)番目のレシピセットを受信すると、プロセッサPA、PB、及びPCは、例えばレシピセット及び/又はレシピセットを使用して識別されるパラメータをサブシステムA、B、及びCの対応部分に送信するなどのレシピセットの実行を行う前に、レシピイベント信号104の受信を待機する。例えば、待機時間中に、プロセッサPAは、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを構文解析し、そのパケットから(n+1)番目のレシピセットを抽出することによって、そのパケットを非パケット化する。パケットを非パケット化するためには、通信プロトコルが適用される。更に、プロセッサPAは、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセット内の1つ以上の変数と、1つ以上のパラメータとのマッピングから、1つ以上のパラメータを識別する。サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセット内の1つ以上の変数と、1つ以上のパラメータとのマッピングは、サブシステムAのメモリデバイス内に格納されている。パラメータの一例として、電流の量が挙げられる。変数の例として、RF信号の周波数、及び/又はRF信号の電力、又はプラズマチャンバ内の圧力、又はプラズマチャンバ内へのガスフロー、プラズマチャンバ内の温度、又は上部電極と下部電極との間のギャップ、又はインピーダンス整合回路網のコンデンサのキャパシタンス、又はインピーダンス整合回路網のインダクタのインダクタンスなどが挙げられる。実例を挙げると、プロセッサPAは、或る電力量又は周波数を有するRF信号を生成するためにサブシステムAのドライバに提供されるべき電流を識別する。別の実例として、プロセッサPAは、上部電極と下部電極との間に或る大きさのギャップを形成するために、又はプラズマチャンバ内に或る圧力を実現するために、プラズマチャンバ内に或る温度を実現するために、又はプラズマチャンバ内への或る流量のガスフローを実現するために、インピーダンス整合回路網のコンデンサを或るキャパシタンスにするために、又はインピーダンス整合回路網のインダクタを或るインダクタンスにするために、サブシステムAのドライバに提供されるべき電流を識別する。
【0084】
同様に、待機期間中に、プロセッサPBは、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを構文解析し、そのパケットから(n+1)番目のレシピセットを抽出することによって、そのパケットを非パケット化する。更に、プロセッサPBは、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセット内の1つ以上の変数と、1つ以上のパラメータとのマッピングから、1つ以上のパラメータを識別する。サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセット内の1つ以上の変数と、1つ以上のパラメータとのマッピングは、サブシステムBのメモリデバイス内に格納されている。また、待機期間中に、プロセッサPCは、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットを含むパケットを構文解析し、そのパケットから(n+1)番目のレシピセットを抽出することによって、そのパケットを非パケット化する。更に、プロセッサPCは、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセット内の1つ以上の変数と、1つ以上のパラメータとのマッピングから、1つ以上のパラメータを識別する。サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセット内の1つ以上の変数と、1つ以上のパラメータとのマッピングは、サブシステムCのメモリデバイス内に格納されている。
【0085】
一実施形態では、サブシステムのプロセッサによるパケットの構文解析、パケットからの(n+1)番目のレシピセットの抽出、及び抽出された(n+1)番目のレシピセット内の1つ以上の変数とのマッピングからの1つ以上のパラメータの識別は、レシピイベント信号104の受信を待機する待機時間中ではなく、レシピイベント信号104の受信後に、プロセッサによって実施される。
【0086】
非パケット化プロトコルが適用される一部の実施形態では、パケットを構文解析してパケットから(n+1)番目のレシピセットを抽出するためにプロセッサPA、PB、及びPCによって非パケット化を実施する必要がない。
【0087】
マスタコントローラ106は、レシピイベント信号104を生成する。レシピイベント信号104は、通信媒体192及び194Aを通してマスタコントローラ106からプロセッサPAに送信され、通信媒体192及び194Bを通してマスタコントローラ106からプロセッサPBに送信され、通信媒体192及び194Cを通してマスタコントローラ106からプロセッサPCに送信される。
【0088】
レシピイベント信号104は、プロセッサPA、PB、及びPCによる(n+1)番目のレシピセットの実行の時間teを示す。実行の時間は、プロセッサPA、PB、及びPCによってレシピイベント信号104が受信される時間である。例えば、レシピイベント信号104を受信すると、プロセッサPA、PB、及びPCは、(n+1)番目のレシピセットを、対応するサブシステムA、B、及びCのドライバに信号を送信してサブシステムの一部を駆動することによって、即座に実行する。対応するドライバへの信号の送信は、プロセッサPA、PB、及びPCによる(n+1)番目のレシピセットの実行の一例である。実例を挙げると、レシピイベント信号104を受信すると、プロセッサPAは、或る電力量及び/又は周波数を有するRF信号をサブシステムAが生成するように、サブシステムAのドライバに即座に信号を送信する。信号は、サブシステムA内に格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。別の実例として、レシピイベント信号は、プロセッサPAがサブシステムAのドライバに信号を送信するための例えば起動信号などのトリガとして機能し、この信号は、サブシステムAに格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。1つの実例として、レシピイベント信号104がプロセッサPAによって受信される及び/又はマスタコントローラ106によってプロセッサPAに送信される例えばクロックサイクルC2などの同じクロックサイクル中に、プロセッサPAは、サブシステムAのドライバに信号を送信する。この信号は、サブシステムAに格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。
【0089】
別の実例として、レシピイベント信号104を受信すると、プロセッサPBは、プラズマチャンバ内に或る圧力又は温度を実現するために、サブシステムBのドライバに信号を送信する。信号は、サブシステムB内に格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。別の実例として、レシピイベント信号は、プロセッサPBがサブシステムBのドライバに信号を送信するための例えば起動信号などのトリガとして機能し、この信号は、サブシステムBに格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。別の実例として、レシピイベント信号104がプロセッサPBによって受信される例えばクロックサイクルC2などの同じクロックサイクル中に、プロセッサPBは、サブシステムBのドライバに信号を送信する。この信号は、サブシステムBに格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。
【0090】
尚も別の実例として、レシピイベント信号104を受信すると、プロセッサPCは、上部電極と下部電極との間に或る大きさのギャップを実現するために、サブシステムCのドライバに信号を送信する。信号は、サブシステムC内に格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。別の実例として、レシピイベント信号は、プロセッサPCがサブシステムCのドライバに信号を送信するための例えば起動信号などのトリガとして機能し、この信号は、サブシステムCに格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。別の実例として、レシピイベント信号104がプロセッサPCによって受信される例えばクロックサイクルC2などの同じクロックサイクル中に、プロセッサPCは、サブシステムCのドライバに信号を送信する。この信号は、サブシステムCに格納されているマッピングから識別されるパラメータ値を含む。
【0091】
プロセッサPA、PB、及びPCからの信号は、例えばクロックサイクルC2や時間teなどの第2のクロックサイクル中に、対応するサブシステムA、B、及びCのドライバに送信される。第2のクロックサイクルは、第1のクロックサイクルに続く。例えば、第1のクロックサイクルは、第2のクロックサイクルに先行する。別の例として、第2のクロックサイクルは、第1のクロックサイクルに続く1つ以上のクロックサイクルの後に生じる。この1つ以上のクロックサイクルは、第2のクロックサイクルに先行する。第2のクロックサイクル、及び第1のクロックサイクルと第2のクロックサイクルとの間の任意のクロックサイクルは、上記クロック信号のサイクルである。
【0092】
レシピイベント信号104は、(n+1)番目のレシピセットの実行を指示する。例えば、サブシステムのプロセッサによってマスタコントローラ106からのレシピイベント信号104が受信される例えばクロックサイクル中などの時点で、プロセッサは、(n+1)番目のレシピセットに基づいて識別されるパラメータを、処理のためにサブシステムのドライバに送信する。実例を挙げると、サブシステムのドライバは、サブシステムのプロセッサから受信された信号を、プラズマチャンバ内に或る圧力を実現する、プラズマチャンバ内への或る流量のガスフローを実現する、プラズマチャンバ内に或る温度を実現する、上部電極と下部電極との間に或る大きさのギャップを形成する、インピーダンス整合回路網のコンデンサを或るキャパシタンスにする、又はインピーダンス整合回路網のインダクタを或るインダクタンスにするようにモータを駆動することによって処理する。別の実例として、RF発生器のドライバは、RF発生器のデジタル信号プロセッサ(DSP)から受信された信号を、或る電力量及び周波数を有するRF信号の生成を促すための駆動信号を生成することによって処理する。RF信号は、RF発生器のRF電源によって生成される。RF電源は、ドライバに接続される。一部の実施形態では、RF電源は、増幅器を通してドライバに接続され、この増幅器は、ドライバによって生成された電流信号を増幅させ、その増幅電流信号をRF電源に提供する。RF電源は、増幅電流信号の受信を受けて、RF信号を生成する。
【0093】
レシピイベント信号104は、サブシステムのプロセッサによって受信されるときに、プロセッサによるレシピセットの実行の即座の起動を示している。例えば、レシピイベント信号104が、例えばクロックサイクル中などの或る時点でプロセッサPAによってマスタコントローラ106から受信されるときに、プロセッサPAは、例えば同じクロックサイクル中など即座に、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットから抽出された変数を実現するための信号をサブシステムのドライバに送信する。
【0094】
一部の実施形態では、図1A−1及び図1B−1を参照にして上述された「第1のクロックサイクル」と、図1Cを参照にして上述された「第1のクロックサイクル」との間に関連性はない。同様に、図1A−1及び図1B−1を参照にして上述された「第2のクロックサイクル」と、図1Cを参照にして上述された「第2のクロックサイクル」との間に関連性はない。図1Cを参照にして説明された「第1のクロックサイクル」は、図1A−1及び図1B−1を参照にして説明された「第1のクロックサイクル」とは無関係であり、同様に、図1Cを参照にして説明された「第2のクロックサイクル」は、図1A−1及び図1B−1を参照にして説明された「第2のクロックサイクル」とは無関係である。
【0095】
一実施形態では、プロセッサPA、PB、及びPCによって実施されるものとして上述された受信及び送信の代わりに、サブシステムA、B、及びCのそれぞれのトランシーバがそれらの受信及び送信を実施し、プロセッサPA、PB、及びPCは、(n+1)番目のレシピセットに含まれて受信された変数に基づいてサブシステムのメモリデバイスからパラメータを識別することに関連する上述された残りの動作を実施する。サブシステムのトランシーバは、サブシステムのプロセッサに接続される。トランシーバは、通信プロトコルを実行するための物理層を実装する。
【0096】
様々な実施形態において、レシピイベント信号104は、転送媒体172Aを通してマスタコントローラ106からサブシステムAに送信される。更に、レシピイベント信号104は、転送媒体172Bを通してマスタコントローラ106からサブシステムBに送信され、転送媒体172Cを通してマスタコントローラ106からサブシステムCに送信される。
【0097】
一部の実施形態では、プロセッサPAは、例えば(n+1)番目のレシピセットなどの各レシピセットの受信の確認を、転送媒体172Aを通してマスタコントローラ106に送信する。同様に、サブシステムBは、レシピセットの受信の確認を、転送媒体172Bを通してマスタコントローラ106に送信する。更に、サブシステムコントローラCは、レシピセットの受信の確認を、転送媒体172Cを通してマスタコントローラ106に送信する。
【0098】
様々な実施形態において、確認は、サブシステムによって、レシピセットの受信後にマスタコントローラ106に送信される。例えば、確認は、サブシステムによって、(n+1)番目のレシピセットの受信後にマスタコントローラ106に送信され、別の確認は、サブシステムによって、(n+2)番目のレシピセットの受信後にマスタコントローラ106に送信され、以下同様である。
【0099】
図1Dは、サブシステムコントローラA、B、及びCとサブシステムA、B、及びCとの間における同期化を説明するための、システム190の一実施形態の図である。プロセッサPA、PB、及びPCは、例えばサイクルC1や時間tsなどの第1のクロックサイクル中に、対応するサブシステムコントローラA、B、及びCから(n+1)番目のレシピセットを受信する。例えば、プロセッサPAは、サブシステムAのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムコントローラAから受信し、プロセッサPBは、サブシステムBのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムコントローラBから受信し、プロセッサPCは、サブシステムCのための(n+1)番目のレシピセットをサブシステムコントローラCから受信する。
【0100】
一部の実施形態では、サブシステムコントローラA、B、及びCは、サブシステムコントローラA、B、及びCによる、対応するサブシステムA、B、及びCへの(n+1)番目のレシピセットの送信を同期化するために、例えばマスタコントローラ10や、コマンドコントローラ102(図1A−1)などの別のコントローラ、又は例えば発振器や、位相ロックループを伴う発振器などのクロック源などから、クロック信号を提供される。様々な実施形態において、クロック源は、サブシステムコントローラA、B,及びCのうちの1つのサブシステムコントローラ内に位置付けられ、1つ以上の通信媒体を通してサブシステムコントローラA、B、及びCのうちの残りのサブシステムコントローラに接続される。
【0101】
プロセッサPA、PB、及びPCは、例えばマスタコントローラ10又はコマンドコントローラ102などの他のコントローラからレシピイベント信号104が受信されるまで、(n+1)番目のレシピセットから識別された1つ以上のパラメータを対応するサブシステムA、B、及びCのドライバに送信するのを待機する。留意すべきは、上記他のコントローラが、1つ以上の通信媒体を通してプロセッサPAに、1つ以上の通信媒体を通してプロセッサPBに、1つ以上の通信媒体を通してプロセッサPCに、レシピイベント信号104を送信することである。レシピイベント信号104の受信を受けて、プロセッサPAは、サブシステムAのメモリデバイスに格納されているマッピングを使用して識別されたパラメータを含む信号を、サブシステムAのドライバに送信する。例えば、プロセッサPAによってレシピイベント信号104が受信される例えばクロックサイクルCや時間teなどの第2のクロックサイクル中に、プロセッサPAは、サブシステムAに格納されているマッピングを使用して識別されたパラメータを含む信号を、サブシステムAのドライバに送信する。更に、レシピイベント信号104の受信を受けて、プロセッサPBは、サブシステムBのメモリデバイスに格納されているマッピングを使用して識別されたパラメータを含む信号を、サブシステムBのドライバに送信する。例えば、プロセッサPBによってレシピイベント信号104が受信される第2のクロックサイクル中に、プロセッサPBは、サブシステムBに格納されているマッピングを使用して識別されたパラメータを含む信号を、サブシステムBのドライバに送信する。また、レシピイベント信号104の受信を受けて、プロセッサPCは、サブシステムCのメモリデバイスに格納されているマッピングを使用して識別されたパラメータを含む信号を、サブシステムCのドライバに送信する。例えば、プロセッサPCによってレシピイベント信号104が受信される第2のクロックサイクル中に、プロセッサPCは、サブシステムAに格納されているマッピングを使用して識別されたパラメータを含む信号を、サブシステムCのドライバに送信する。レシピイベント信号104は、パラメータ値を含む信号をプロセッサPA、PB、及びPCのそれぞれから対応するサブシステムA、B、及びCの対応するドライバに送信するための例えば起動などのトリガとして機能する。
【0102】
留意すべきは、一部の実施形態では、図1A−1及び図1B−1又は図1Cを参照にして上述された「第1のクロックサイクル」と、図1Dを参照にして上述された「第1のクロックサイクル」との間に関連性はないことである。同様に、図1A−1及び図1B−1又は図1Cを参照にして上述された「第2のクロックサイクル」と、図1Dを参照にして上述された「第2のクロックサイクル」との間に関連性はない。図1Dを参照にして説明された「第1のクロックサイクル」は、図1A−1及び図1B−1又は図1Cを参照にして説明された「第1のクロックサイクル」とは無関係であり、同様に、図1Dを参照にして説明された「第2のクロックサイクル」は、図1A−1及び図1B−1又は図1Cを参照にして説明された「第2のクロックサイクル」とは無関係である。
【0103】
一部の実施形態では、プロセッサPAは、例えば(n+1)番目のレシピセットなどの各レシピセットの受信の確認を、転送媒体114Aを通してサブシステムコントローラAに送信する。同様に、プロセッサPBは、レシピセットの受信の確認を、転送媒体114Bを通してサブシステムコントローラBに送信する。更に、プロセッサPCは、レシピセットの受信の確認を、転送媒体114Cを通してサブシステムコントローラCに送信する。
【0104】
様々な実施形態において、確認は、サブシステムによって、そのサブシステムに接続された対応するサブシステムコントローラに送信される。確認は、各レシピセットの受信後に送信される。例えば、確認は、サブシステムAのプロセッサPAによって、(n+1)番目のレシピセットの受信後にサブシステムコントローラAに送信され、別の確認は、プロセッサPAによって、(n+2)番目のレシピセットの受信後にサブシステムコントローラAに送信され、以下同様である。
【0105】
図1Eは、ユーザインターフェース(UI)コンピュータ153とRF発生器コントローラ155A、155B、及び155Cとの間における同期化を示すための、システム151の一実施形態の図である。UIコンピュータ153は、図1A−1のコンピューティングデバイス108の一例である。更に、RF発生器コントローラ155Aは、サブシステムコントローラA(図1A−1)の一例であり、RF発生器コントローラ155Bは、サブシステムコントローラB(図1A−1)の一例であり、RF発生器コントローラ155Cは、サブシステムコントローラC(図1A−1)の一例である。システム151は、更に、RF発生器1、2、及び3を含む。RF発生器1は、RFG1として表示され、RF発生器2は、RFG2として表示され、RF発生器3は、RFG3として表示される。RF発生器1は、xMHz RF発生器の一例であり、RF発生器2は、yMHz RF発生器の一例であり、RF発生器3は、zMHz RF発生器の一例である。
【0106】
システム151の機能が、図2Bを参照にして説明される。図2Bに示されるように、UIコンピュータ153は、転送媒体を通してEthernetプロトコルと伝送制御プロトコル(TCP)/インターネットプロトコル(IP)又はユーザデータグラムプロトコル(UDP)/IPとを適用することによって、マスタ−マスタコントローラを通して(n+1)番目のレシピセットをマスタコントローラ106に送信する。一実施形態では、システム151は、マスタ−マスタコントローラを除外してある。一実施形態では、マスタコントローラ106が、マスタ−マスタコントローラによって実施される機能を実施する。
【0107】
マスタコントローラ106は、RF発生器1のための(n+1)番目のレシピセットをRF発生器コントローラ155Aに送信するために、RF発生器2のための(n+1)番目のレシピセットをRF発生器コントローラ155Bに送信するために、RF発生器3のための(n+1)番目のレシピセットをRF発生器コントローラ155Cに送信するために、TCP/IPプロトコル又はUDP/IPプロトコルと、Ethernetプロトコルとを適用する。例えば、図1Eに戻り、RF発生器1のための(n+1)番目のレシピセットは、マスタコントローラ106からスイッチ157を通してRF発生器コントローラ155Aに送信される。別の例として、図1Eに示されるように、RF発生器2のための(n+1)番目のレシピセットは、マスタコントローラ106からスイッチ157を通してRF発生器コントローラ155Bに送信される。尚も別の例として、図1Eに示されるように、RF発生器3のための(n+1)番目のレシピセットは、マスタコントローラ106からスイッチ157を通してRF発生器コントローラ155Cに送信される。スイッチ157の一例が、米国特許出願第14/974,915号で説明されている。
【0108】
図2Bを参照すると、RF発生器コントローラ155A、155B、及び155Cは、マスタコントローラ106から(n+1)番目のレシピセットを受信すると、(n+1)番目のレシピセットを対応するRF発生器1、2、及び3送信する前に、UIコンピュータ153からのレシピイベント信号104の受信を待機する。図1Eに戻り、UIコンピュータ153には、例えばデジタルパルス信号生成器、アナログパルス信号生成器、プロセッサなどの信号生成器159が、入出力インターフェース(I/O)を通して接続されている。信号生成器159は、例えばデジタル信号やアナログ信号などの汎用I/O(GPIO)信号を生成し、その信号を、マスタ−マスタコントローラと、対応するRF発生器コントローラ155A、155B、及び155Cの対応するGPIOピンとを通してRF発生器コントローラ155A、155B、及び155Cに提供する。GPIO信号は、レシピイベント信号104の一例である。一部の実施形態では、信号生成器159は、UIコンピュータ153内に位置付けられる。一部の実施形態では、GPIO信号は、ユーザからの入力機器を通して例えば選択やクリックなどの入力がUIコンピュータ153によって受信されたときに生成される。入力機器は、UIコンピュータ153に接続される周辺機器である。
【0109】
図2Bを参照すると、例えばGPIO信号の受信と同じクロックサイクル中などのように、GPIO信号の受信を受けて即座に、RF発生器コントローラ155Aは、Ethernetプロトコル及びUDP/IPプロトコルを適用して、RF発生器1のための(n+1)番目のレシピセットをRF発生器1に送信し、RF発生器コントローラ155Bは、Ethernetプロトコル及びUDP/IPプロトコルを適用して、RF発生器2のための(n+1)番目のレシピセットをRF発生器2に送信し、RF発生器コントローラ155Cは、Ethernetプロトコル及びUDP/IPプロトコルを適用して、RF発生器3のための(n+1)番目のレシピセットをRF発生器3に送信する。
【0110】
図2A−1は、コントローラへの(n+1)番目のレシピセットの送信と、コントローラによるレシピセットの実行の時間との間における同期化を説明するための、タイミング図200の一実施形態である。タイミング図200は、(n+1)番目のパケット、(n+2)番目のパケット、及び(n+3)番目のパケットがマスタコントローラ106からサブシステムコントローラA(図1A−1)に送信される一連202Aを示している。更に、タイミング図200は、(n+1)番目のパケット、(n+2)番目のパケット、及び(n+3)番目のパケットがマスタコントローラ106からサブシステムコントローラB(図1A−1)に送信される一連202Bを示している。また、タイミング図200は、(n+1)番目のパケット、(n+2)番目のパケット、及び(n+3)番目のパケットがマスタコントローラ106からサブシステムコントローラC(図1A−1)に送信される一連202Cを示している。
【0111】
図1Cを参照にして説明される一実施形態では、一連202Aのパケットは、マスタコントローラ106からサブシステムAに送信され、一連202Bのパケットは、マスタコントローラ106からサブシステムBに送信され、一連202Cのパケットは、マスタコントローラ106からサブシステムCに送信される。
【0112】
図1Dを参照にして説明される一実施形態では、一連202Aのパケットは、サブシステムコントローラAからサブシステムAに送信され、一連202Bのパケットは、サブシステムコントローラBからサブシステムBに送信され、一連202Cのパケットは、サブシステムコントローラCからサブシステムCに送信される。
【0113】
タイミング図200は、更に、レシピイベント信号104の一例であるパルス信号204Aを含む。タイミング図200は、クロック信号202を含み、このクロック信号は、マスタコントローラ106、又はコマンドコントローラ102、又はマスタコントローラ106の外に位置付けられたクロック源、又はコマンドコントローラ102の外に位置付けられたクロック源によって生成される(図1A−1)。
【0114】
一部の実施形態では、パルス信号204Aの、時間te1におけるパルスが、レシピイベント信号104の一例である。
【0115】
時間ts1では、本明細書で説明されるように、1つ以上のコントローラによって、サブシステムA、B、及びCのための(n+1)番目のパケットが送信される。実行時間te1では、本明細書で説明されるように、(n+1)番目のパケットが実行されることを示すためのデジタルパルスが、1つ以上のコントローラによって受信される。更に、時間te1と同時に起きる時間ts2では、本明細書で説明されるように、サブシステムA、B、及びCのための(n+2)番目のパケットが、1つ以上のコントローラによって送信される。実行時間te2中には、本明細書で説明されるように、本明細書で説明されるように1つ以上のコントローラによって(n+2)番目のパケットが実行されることを示すためのデジタルパルスが、1つ以上のコントローラによって受信される。更に、時間te2と同時に起きる時間ts3では、本明細書で説明されるように、サブシステムA、B、及びCのための(n+3)番目のパケットが1つ以上のコントローラによって送信される。実行時間te3中には、本明細書で説明されるように、1つ以上のコントローラによって(n+3)番目のパケットが実行されることを示すためのデジタルパルスが1つ以上のコントローラによって受信される。
【0116】
一部の実施形態では、例えばプロセッサPA、又はプロセッサPB、又はプロセッサPCなどのプロセッサが、コントローラ内に位置付けられる。
【0117】
留意すべきは、時間ts1は、クロック信号202の第1のクロックサイクルC1中に発生し、時間te1及びts2は、クロック信号202の第2のクロックサイクルC2中に発生し、時間te2及びts3は、クロック信号202の第3のクロックサイクルC3中に発生し、時間te3は、クロック信号202の第4のクロックサイクルC4中に発生することである。
【0118】
更に留意すべきは、一部の実施形態では、図1A−1、図1B−1、図1C、及び図1Dの各図を参照にして説明された第1のクロックサイクルが、図2A−1を参照にして説明された第1のクロックサイクルの一例であることである。更に、これらの実施形態では、図1A−1、図1B−1、図1C、及び図1Dの各図を参照にして説明された第21のクロックサイクルは、図2A−1を参照にして説明された第2のクロックサイクルの一例である。
【0119】
留意すべきは、様々な実施形態において、図2A−1に示されたパケットのサイズが様々であることである。例えば、サブシステムAのための一連202Aのなかの(n+1)番目のパケットは、サブシステムBのための一連202Bのなかの(n+1)番目のパケットよりも小さい又は大きいサイズのペイロードを有する。更に、サブシステムBのための一連202Bのなかの(n+1)番目のパケットは、サブシステムCのための一連202Cのなかの(n+1)番目のパケットよりも小さい又は大きいサイズのペイロードを有する。
【0120】
図2A−2は、コントローラによるパケットの実行の時間が、コントローラによってパケットが受信される時間から、それよりも後の、パケットが実行されることを示すデジタルパルスが受信される時間に変化することを説明するための、タイミング図210の一実施形態である。デジタルパルスは、デジタルパルス信号212のパルスであり、これは、レシピイベント信号104の一例である。一部の実施形態では、パルス信号212の、時間te1におけるパルスが、レシピイベント信号104の一例である。
【0121】
タイミング図に示されるように、図2A−2に示された実行時間te2は、タイミング図200図2A−1)に示された実行時間te2よりも前に起きる。例えば、図2A−2に示された実行時間te2は、時間ts3と同時には起きず、ts3が起きる前に起きる。別の例として、実行時間te2は、(n+2)番目のパケットが受信される時間と、(n+3)番目のパケットの受信が終わる時間との間に起きる。
【0122】
一部の実施形態では、図2A−2に示された実行時間te1は、タイミング図200図2A−1)に示された実行時間te1よりも前に起きる。例えば、図2A−2に示された実行時間te1は、時間ts2と同時には起きず、ts2が起きる前に起きる。別の例として、実行時間te1は、(n+1)番目のパケットが受信される時間と、(n+2)番目のパケットの受信が終わる時間との間に起きる。
【0123】
一部の実施形態では、パルス信号212のデジタルパルスは、レシピセットを受信した全てのコントローラから、それらのレシピセットの受信の確認を受信した後に、所定の時間間隔内に送信される。例えば、パルス信号212のデジタルパルスは、(n+1)番目のレシピセットの受信の確認の受信と、(n+2)番目のレシピセットの受信の確認の受信との間で送信される。実例を挙げると、コマンドコントローラ102は、マスタコントローラ106を通してサブシステムコントローラA、B、及びCから(n+1)番目のレシピセットの受信の確認を受信した後、所定の時間間隔以内の時間te1に、レシピイベント信号104の第1のデジタルパルスをマスタコントローラ106に送信する。(n+1)番目のレシピセットは、サブシステムコントローラA、B、及びCによって、マスタコントローラ106から受信される。(n+1)番目のレシピセットの受信の確認は、サブシステムコントローラA、B、及びCからマスタコントローラ106に送信され、マスタコントローラ106は、(n+1)番目のレシピセットの受信の確認をコマンドコントローラ102に送信する。実例を挙げると、レシピセットの受信の確認は、転送媒体を通してサブシステムコントローラAからマスタコントローラ106に送信され、マスタコントローラ106は、その確認を、転送媒体112を通してコマンドコントローラ102に送信する。更に、コマンドコントローラ102は、マスタコントローラ106を通してサブシステムコントローラA、B、及びCから(n+2)番目のレシピセットの受信の確認を受信した後、所定の時間間隔以内の時間te2に、レシピイベント信号104の第2のデジタルパルスをマスタコントローラ106に送信する。(n+2)番目のレシピセットは、サブシステムコントローラA、B、及びCによって、マスタコントローラ106から受信される。(n+2)番目のレシピセットの受信の確認は、サブシステムコントローラA、B、及びCからマスタコントローラ106に送信され、マスタコントローラ106は、(n+2)番目のレシピセットの受信の確認をコマンドコントローラ102に送信する。一部の実施形態では、レシピセットの受信の確認は、通信媒体122A、124、及び126を通してサブシステムコントローラAからコマンドコントローラ102に送信され、レシピセットの受信の確認は、通信媒体122B、124、及び126を通してサブシステムコントローラBからコマンドコントローラ102に送信され、レシピセットの受信の確認は、通信媒体122C、124、及び126を通してサブシステムコントローラCからコマンドコントローラ102に送信される。
【0124】
別の実例として、マスタコントローラ106は、サブシステムコントローラA、B、及びCから(n+1)番目のレシピセットの受信の確認を受信した後、所定の時間間隔以内の時間te1に、レシピイベント信号104の第1のデジタルパルスをサブシステムコントローラA、B、及びCに送信する。更に、マスタコントローラ106は、サブシステムコントローラA、B、及びCから(n+2)番目のレシピセットの受信の確認を受信した後、所定の時間間隔以内の時間te2に、レシピイベント信号104の第2のデジタルパルスをサブシステムコントローラA、B、及びCに送信する。一部の実施形態では、確認は、サブシステムコントローラをマスタコントローラ106に接続する転送媒体を通して、サブシステムコントローラからマスタコントローラ106に送信される。様々な実施形態において、確認は、サブシステムコントローラをマスタコントローラ106に接続する1つ以上の通信媒体を通して、サブシステムコントローラからマスタコントローラ106に送信される。別の実例として、マスタコントローラ106は、プロセッサPA、PB、及びPCから(n+1)番目のレシピセットの受信の確認を受信した後、所定の時間間隔以内の時間te1に、レシピイベント信号104の第1のデジタルパルスをプロセッサPA、PB、及びPCに送信する。更に、マスタコントローラ106は、プロセッサPA、PB、P及びCから(n+2)番目のレシピセットの受信の確認を受信した後、所定の時間間隔以内の時間te2に、レシピイベント信号104の第2のデジタルパルスをプロセッサPA、PB、及びPCに送信する。一部の実施形態では、確認は、サブシステムをマスタコントローラ106に接続する転送媒体を通して、サブシステムからマスタコントローラ106に送信される。様々な実施形態において、確認は、サブシステムをマスタコントローラ106に接続する1つ以上の通信媒体を通して、サブシステムからマスタコントローラ106に送信される。尚も別の実例として、サブシステムコントローラは、サブシステムのプロセッサから(n+1)番目のレシピセットの受信の確認を受信した後、所定の時間間隔以内の時間te1に、レシピイベント信号104の第1のデジタルパルスをプロセッサに送信する。更に、サブシステムコントローラは、プロセッサから(n+2)番目のレシピセットの受信の確認を受信した後、所定の時間間隔以内の時間te2に、レシピイベント信号104の第2のデジタルパルスをプロセッサに送信する。
【0125】
一部の実施形態では、所定の時間間隔は、入力機器を通してユーザから受信される。例えば、所定の時間間隔は、例えば(n+1)番目のパケット及び(n+2)番目のパケットなどの2つの連続するパケットの受信の確認が受信される間の時間間隔である。
【0126】
様々な実施形態において、パルス信号212のデジタルパルスは、送信元コントローラが、対応する1つ以上の受信先コントローラから1つ以上の確認を受信することなしに、送信元コントローラから1つ以上の受信先コントローラへのレシピセットの送信にかかった所定の長さの時間に基づいて、送信元コントローラから送信される。1つ以上の受信先コントローラは、送信元コントローラに接続されている。例えば、送信元コントローラは、送信元コントローラから1つ以上の受信先コントローラにレシピセットを通信するためにかかった所定の長さの時間が、例えばxマイクロ秒又はxミリ秒又はxナノ秒などのx単位であることを、入力機器を通してユーザによって提供される。x単位が経過するごとに、送信元コントローラは、パルス信号212のパルスを1つ以上の受信先コントローラに送信する。送信元コントローラの一例は、1つ以上の受信先コントローラがサブシステムコントローラA、B、及びCであるときのコマンドコントローラ102である。送信元コントローラの別の例は、1つ以上の受信先コントローラがサブシステムコントローラA、B、及びCであるときのマスタコントローラ106である。送信元コントローラの尚も別の例は、1つ以上の受信先コントローラがプロセッサPA、PB、及びPCであるときのマスタコントローラ106である。
【0127】
様々な実施形態において、送信元コントローラから1つ以上の受信先コントローラにレシピセットを送信するためにかかった所定の長さの時間は、送信元コントローラによって学習ルーチン中に決定される。例えば、送信元コントローラは、例えばペイロードとして異なるビット数のレシピセットを有するなど様々なサイズのパケットを、1つ以上の受信先コントローラに送信する。送信元コントローラは、様々なサイズのパケットのうちで、最も大きいサイズのパケットを送信するためにかかった最も長い時間を決定し、その最も長い時間を所定の長さの時間として決定する。
【0128】
幾つかの実施形態では、時間te2は、時間ts3と、1つ以上の受信先コントローラによって(n+2)番目のパケットが受信される時間との間である。
【0129】
図2Bは、図1Eを参照にして上述されたタイミング図230である。
【0130】
図3Aは、Ethernetパケット300の一実施形態の図である。Ethernetパケット300は、プリアンブルフィールドと、フレーム開始デリミタフィールドと、デスティネーションメディアアクセス制御(MAC)アドレスフィールドと、ソースMACアドレスフィールドと、Ethernetタイプフィールドと、ペイロードフィールドと、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールドと、パケット間ギャップとを含む。プリアンブルフィールド及びフレーム開始デリミタフィールドは、Ethernetフレームの開始を示すために満たされている。Ethernetフレームは、デスティネーションMACアドレスフィールドと、ソースMACアドレスフィールドと、Ethernetタイプフィールドと、ペイロードフィールドと、FCSフィールドとを含む。
【0131】
MACデスティネーションアドレスフィールドは、例えばマスタコントローラ106のネットワークインターフェース、又はサブシステムコントローラAのネットワークインターフェース、又はサブシステムコントローラBのネットワークインターフェース、又はサブシステムコントローラCのネットワークインターフェース、又はサブシステムAのネットワークインターフェース、又はサブシステムBのネットワークインターフェース、又はサブシステムCのネットワークインターフェースなどの、Ethernetパケット300を受信することになるネットワークインターフェースを一意に識別するアドレスを含む。
【0132】
マスタコントローラ106のネットワークインターフェースは、1つ以上の転送媒体に及びマスタコントローラ106のプロセッサに接続される。例えば、マスタコントローラ106のネットワークインターフェースは、転送媒体110A、110B、及び110C(図1A−1)に接続される。別の例として、マスタコントローラ106のネットワークインターフェースは、転送媒体164A、164B、及び164C(図1B−1)に接続される。更に別の例として、マスタコントローラ106のネットワークは、転送媒体172A、172B、及び172C(図1C)に接続される。
【0133】
同様に、サブシステムコントローラのネットワークインターフェースは、1つ以上の転送媒体に及びサブシステムコントローラのプロセッサに接続される。例えば、サブシステムコントローラAのネットワークインターフェースは、転送媒体110A及び114A(図1A−1)に接続され、サブシステムコントローラBのネットワークインターフェースは、転送媒体110B及び114B(図1A−1)に接続され、サブシステムコントローラCのネットワークインターフェースは、転送媒体110C及び114C(図1A−1)に接続される。
【0134】
更に、サブシステムのネットワークインターフェースは、1つ以上の転送媒体に及びサブシステムのプロセッサに接続される。例えば、サブシステムAのネットワークインターフェースは、転送媒体114A(図1A−1)に接続され、サブシステムBのネットワークインターフェースは、転送媒体114B(図1A−1)に接続され、サブシステムCのネットワークインターフェースは、転送媒体114C(図1A−1)に接続される。別の例として、サブシステムAのネットワークインターフェースは、転送媒体172A(図1C)に接続され、サブシステムBのネットワークインターフェースは、転送媒体172B(図1C)に接続され、サブシステムCのネットワークインターフェースは、転送媒体172C(図1C)に接続される。
【0135】
一実施形態では、ネットワークインターフェースは、例えば、本明細書で説明されたマスタコントローラ106、又はサブシステムコントローラA、又はサブシステムコントローラB、又はサブシステムコントローラC、又はプロセッサPA、又はプロセッサPB、又はプロセッサPCなどのコントローラ内に実装される。
【0136】
MACソースアドレスフィールドは、Ethernetパケット300を送信するネットワークインターフェースを一意に識別するアドレスを含む。Ethernetタイプフィールドは、ペイロードの長さ、又はペイロード内にカプセル化された例えばInternet Protocolヴァージョン4、Apple Talk(商標)などのプロトコルの、いずれかを示すデータを含む。ペイロードフィールドは、例えば(n+1)番目のレシピセット、(n+2)番目のレシピセット、(n+3)番目のレシピセットなどの1つ以上のレシピセットの、例えば42オクテットから1500オクテットまでなどの様々なビット数に適応することができる。FCSフィールドは、フレームの完全性をチェックするために使用される。パケット間ギャップは、2つの連続するパケット間におけるアイドル時間である。
【0137】
図3Bは、例えばデータグラムなどのパケット320を説明するための一実施形態の図である。パケット30は、ヘッダフィールドと、例えばレシピセットなどを含むフィールドなどのペイロードフィールドとを含む。ヘッダフィールドは、パケット320の送信元である、例えばネットワークインターフェースのアドレスなどのソースアドレスのIDのためのフィールドと、パケット320を受信するように指定される、例えばネットワークインターフェースのアドレスなどのデスティネーションアドレスのIDのためのフィールドと、ヘッダの及びヘッダに付されたペイロードの合計長さのためのフィールドと、チェックサム値のためのフィールドとを含む。
【0138】
様々な実施形態において、パケット320は、ソースアドレスを識別するためのソースアドレスフィールド及びデスティネーションアドレスを識別するためのデスティネーションアドレスフィールドを除外するために、例えばカスタマイズされた通信プロトコルを使用して生成されるなどカスタマイズされる。2地点間通信では、ソースアドレス及びデスティネーションアドレスを識別する必要がない。この除外は、マスタコントローラ106と、マスタコントローラ106に接続されたサブシステムコントローラとの間、又はサブシステムコントローラと、サブシステムコントローラに接続されたサブシステムとの間、又はマスタコントローラと、マスタコントローラに接続されたサブシステムとの間におけるデータ速度を増加させる。
【0139】
一部の実施形態では、ヘッダは、チェックサム値のためのフィールド、並びに/又はヘッダの及びペイロードの合計長さのためのフィールドを除外するために、例えばカスタマイズされた通信プロトコルを使用して生成されるなどカスタマイズされる。この除外は、マスタコントローラ106と、マスタコントローラ106に接続されたサブシステムコントローラとの間、又はサブシステムコントローラと、サブシステムコントローラに接続されたサブシステムとの間、又はマスタコントローラと、マスタコントローラに接続されたサブシステムとの間におけるデータ速度を増加させる。
【0140】
様々な実施形態において、チェックサム値は、ネットワークインターフェースがパケット320を送信することによって生成される。チェックサム値は、パケット320のペイロードから、又はパケット320のヘッダから、又はこれらの組み合わせから生成される。チェックサム値は、パケット320のペイロード及び/又はヘッダが、送信元のネットワークインターフェースから受信先のネットワークインターフェースに転送される最中に変更されたかどうかを決定するために、パケット320の、例えばデスティネーションネットワークインターフェースなどのレシーバによって計算された別のチェックサム値と比較される。
【0141】
一部の実施形態では、例えばUDPデータグラムなどのデータグラムが、IPパケットに埋め込まれ、これは、更に、Ethernetパケットに埋め込まれる。
【0142】
様々な実施形態において、パケット320は、フィールドが図3Bに示されたのと異なる位置にあるように、例えばカスタマイズされたプロトコルを使用して生成されるなどカスタマイズされる。例えば、ペイロードのためのフィールドは、長さのためのフィールドの前にある。別の例として、デスティネーションアドレスのためのフィールドは、ソースアドレスのためのフィールドの前又は長さのためのフィールドの後にある。カスタマイズされたプロトコルは、1つ以上のカスタマイズパケットを生成する物理層によって適用される。
【0143】
図4は、プラズマ処理システム400の一実施形態の図である。プラズマ処理システム400は、マスタコントローラ106と、xMHz RF発生器と、yMHz RF発生器と、zMHz RF発生器と、サブシステムコントローラAと、サブシステムコントローラBと、サブシステムコントローラCとを含む。更に、プラズマ処理システム400は、インピーダンス整合回路網402と、プラズマチャンバ404とを含む。
【0144】
一実施形態では、xMHz RF発生器の代わりに、kHz RF発生器が使用される。
【0145】
(n+1)番目のレシピセットの受信を受けて、xMHz RF発生器は、RF信号を生成する。例えば、xMHz RF発生器によって生成されるRF信号は、xMHz RF発生器によって受信された(n+1)番目のレシピセット内に規定された電力量及び/又は周波数を有する。同様に、(n+1)番目のレシピセットの受信を受けて、yMHz RF発生器は、RF信号を生成し、(n+1)番目のレシピセットの受信を受けて、zMHz RF発生器は、RF信号を生成する。例えば、yMHz RF発生器によって生成されるRF信号は、yMHz RF発生器によって受信された(n+1)番目のレシピセット内に規定された電力量及び/又は周波数を有する。別の例として、zMHz RF発生器によって生成されるRF信号は、zMHz RF発生器によって受信された(n+1)番目のレシピセット内に規定された電力量及び/又は周波数を有する。RF信号は、対応するRFケーブル406A、406B、及び406Cを通してインピーダンス整合回路網402に提供される。インピーダンス整合回路網402は、修正されたRF信号を生成するために、インピーダンス整合回路網402の出力に接続された負荷のインピーダンスを、インピーダンス整合回路網402の1つ以上の入力に接続されたソースのインピーダンスに一致させる。例えば、インピーダンス整合回路網402は、プラズマチャンバ404及びRF伝送路408のインピーダンスを、RFケーブル406A、406B、及び406C、xMHz RF発生器、yMHz RF発生器、及びzMHz RF発生器のインピーダンスに一致させる。
【0146】
修正されたRF信号は、RF伝送路408を通じてプラズマチャンバ404の下部電極410に送信される。下部電極410は、例えば静電チャック(ESC)などのチャックの一部である。下部電極410の反対側に、下部電極410に相対してプラズマチャンバ404の上部電極412が位置付けられる。上部電極412及び下部電極410は、それぞれ、例えばアルミニウムやアルミニウム合金などの金属で作成される。
【0147】
プロセスガスがプラズマチャンバ404に供給され、修正されたRF信号が下部電極に供給されると、下部電極410の上面上に座しているウエハ416を処理するために、プラズマチャンバ404内でプラズマが打ち出される又は維持される。
【0148】
図5は、例えばサブシステムA、又はサブシステムB、又はサブシステムCなどのサブシステム500を説明するための、システムの一実施形態の図である。サブシステム500は、例えばプロセッサPA、又はプロセッサPB、又はプロセッサPCなどのプロセッサ502を含む。プロセッサ502は、例えば1つ以上のトランジスタや1つ以上の電流生成器などのドライバ50に接続される。ドライバは、機械的な又は電気的なパーツ506に接続される。パーツ506の例として、モータ又は増幅器が挙げられる。
【0149】
サブシステム500がRF発生器であるときは、パーツ506は、RF電源に接続される増幅器を含む。更に、サブシステム500が圧力サブシステム、又はギャップサブシステム、又はガスフローサブシステム、又は冷却液フローサブシステムであるときは、パーツ506は、モータである。
【0150】
プロセッサ502は、ドライバ504に提供される信号を生成する。プロセッサ502から信号を受信すると、ドライバ504は、駆動信号を生成し、この駆動信号は、パーツ506を動作させるためにパーツ506に提供される。パーツ506がモータであるときは、モータは、冷却フローサブシステムの弁が開く若しくは閉じる量、又はガスフローサブシステムの弁が開く若しくは閉じる量、又は閉じ込めリングが開く若しくは閉じる量、又は上部電極412(図4)と下部電極410(図4)との間のギャップの大きさを制御する。パーツ506がヒータであるときは、ヒータは、ドライバ504が電流信号をヒータに供給するときに熱くなる。パーツ506が増幅器であるときは、増幅器は、ドライバ504から電流信号を受信すると、増幅された信号を生成し、この増幅信号は、RF信号を生成するためにRF電源に提供される。
【0151】
図6は、プラズマチャンバ404(図4)の一例であるプラズマチャンバ626を説明するための、システムの一実施形態の図である。システムは、プラズマリアクタ620と、RF伝送路408(図4)の一例であるRF伝送路624とを含む。RF伝送路624は、プラズマリアクタ620に接続される。RF伝送路624は、RFロッド661と、RFトンネル662とを含む。RFロッド661は、インピーダンス整合回路網402(図4)から受信された修正されたRF信号の転送を促すために使用される。
【0152】
プラズマリアクタ620は、プラズマチャンバ626と、RFストラップ668を通してRFロッド661に接続されたRFシリンダ610とを含む。プラズマリアクタ620は、更に、RFストラップ674及び677と、接地シールド680と、底部電極ケース676とを含む。
【0153】
プラズマチャンバ626は、上部電極660と、上部電極延長部628と、Cシュラウド670と、接地リング672と、チャックアセンブリとを含む。チャックアセンブリは、チャック658と、設備板630とを含む。上部電極660は、上部電極412(図4)の一例である。基板416は、基板416を処理するために、チャック658の上に置かれる。基板416を処理する例として、基板416を洗浄する、又は基板416をエッチングする、又は基板416の上の酸化物をエッチングする、又は例えば酸化物、二酸化物、フォトレジスト材料などの材料を基板416上に堆積させる、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0154】
Cシュラウド670は、プラズマチャンバ626内の圧力を制御するために使用されるスロットを含む。例えば、スロットは、スロットを通るガスの流れを増加させるために開かれて、プラズマチャンバ626のギャップ671内のガス圧を減少させる。スロットは、ガスの流れを減少させるために閉じられて、ギャップ671内のガス圧を増加させる。
【0155】
様々な実施形態において、底部電極ケース676は、例えば円筒状、四角形、多角形などの任意の形状である。
【0156】
様々な実施形態において、RFシリンダ610は、円筒ではなく、例えば矩形、四角形などの多角形状を有する。
【0157】
上部電極延長部628は、上部電極660を取り囲む。Cシュラウド670は、部分670A及び670Bを含む。接地リング672は、接地リング部分672Aと、別の接地リング部分672Bとを含む。底部電極ケース676は、底部電極ケース部分676Aと、別の底部電極ケース部分676Bと、更に別の底部電極ケース部分676Cとを含む。底部電極ケース部分676A及び676Bは、それぞれ、底部電極ケース676の側壁を形成する。底部電極ケース部分676Cは、底部電極ケース676の底壁を形成する。接地シールド680は、シールド部分680Aと、別のシールド部分680Bとを含む。
【0158】
チャック658の上面は、上部電極660の底面636に面している。プラズマチャンバ626は、上部電極660と、上部電極延長部628とで取り囲まれる。プラズマチャンバ626は、更に、Cシュラウド670と、チャック658とによって取り囲まれる。
【0159】
接地リング672は、Cシュラウド670の下方に位置付けられる。一部の実施形態では、接地リング672は、Cシュラウド670の下方にCシュラウド670に隣接して位置付けられる。帰還RFストラップ674は、接地リング部分672Aに接続され、帰還RFストラップ677は、接地リング部分672Bに接続される。帰還RFストラップ674は、底部電極ケース部分676Aに接続され、帰還RFストラップ677は、底部電極ケース部分676Bに接続される。底部電極ケース部分676Aは、シールド部分680Aに接続され、底部電極ケース部分676Bは、シールド部分680Bに接続される。シールド部分680Aは、底部電極ケース部分676Aを通してRFトンネル662に接続され、シールド部分680Bは、底部電極ケース部分676Cを通して接地RFトンネル662に接続される。
【0160】
一部の実施形態では、底部電極ケース部分676は、RFシリンダ610を取り囲む円筒である。RFシリンダ610は、修正されたRF信号を通すための媒体である。修正されたRF信号は、プラズマチャンバ626のギャップ671内にプラズマを発生させる又は維持するために、RFロッド661、RFストラップ668、及びRFシリンダ610を通してチャック658の下部電極に供給される。ギャップ671は、上部電極660と、チャック658の下部電極との間に形成される。
【0161】
一部の実施形態では、上部電極660は、接地される。
【0162】
様々な実施形態において、RFシリンダ610をRFロッド661に接続するために、RFストラップ668の代わりに複数のRFストラップが使用される。
【0163】
一実施形態では、プラズマチャンバ626から出ていくガスを制御し、更にプラズマチャンバ626内の圧力を制御するために、Cシュラウド670の代わりに閉じ込めリングが提供される。
【0164】
留意すべきは、上述された実施形態の幾つかでは、修正されたRF信号が下部電極410(図4)に提供され、上部電極412(図4)が接地されることである。様々な実施形態では、修正されたRF信号が上部電極412に提供され、下部電極410が接地される。
【0165】
一実施形態では、1つのプロセッサによって実施されるものとして本明細書で説明される機能が、例えば複数のプロセッサ間で分散されるなど複数のプロセッサによって実施される。
【0166】
一実施形態では、1つのコントローラによって実施されるものとして本明細書で説明される機能が、例えば複数のコントローラ間で分散されるなど複数のコントローラによって実施される。
【0167】
一実施形態では、複数のコントローラによって実施されるものとして本明細書で説明される機能が、1つのコントローラによって実施される。
【0168】
本明細書で説明される実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサをベースにした若しくはプログラム可能な家庭用電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどの、様々なコンピュータシステム構成で実施されてよい。本明細書で説明される実施形態は、また、コンピュータネットワークを通じてリンクされたリモート処理ハードウェアユニットによってタスクが実施される分散コンピューティング環境で実施することもできる。
【0169】
一部の実装形態では、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述された例の一部であってよい。システムは、1つ若しくは複数の処理ツール、1つ若しくは複数のチャンバ、処理のための1つ若しくは複数のプラットフォーム、及び/又は特定の処理コンポーネント(ウエハ台座やガスフローシステムなど)などの、半導体処理機器を含む。システムは、半導体ウエハ又は基板の処理の前、最中、及び後におけるその動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれ、システムの様々なコンポーネント又は副部品を制御してよい。コントローラは、処理要件及び/又はシステムのタイプに応じ、プロセスガスの供給、温度の設定(加熱及び/若しくは冷却)、圧力の設定、真空の設定、電力の設定、RF発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数の設定、流量の設定、流体供給の設定、位置及び動作の設定、システムに接続された若しくはインターフェース接続されたツール及びその他の移送ツール及び/若しくはロードロックに対してウエハを出入りさせるウエハ移送などの、本明細書で開示される任意のプロセスを制御するようにプログラムされる。
【0170】
概して、多岐にわたる実施形態において、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、終点測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義される。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態をとるチップ、デジタルDSP、ASICとして定められたチップ、PLD、1つ以上のマイクロプロセッサ、及びプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含む。プログラム命令は、様々な個別設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて半導体ウエハに対して又は半導体ウエハのためのプロセスを実行に移すための動作パラメータを定義する命令である。動作パラメータは、一部の実施形態では、1枚以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はウエハダイの製作における1つ以上の処理工程を実現するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部である。
【0171】
コントローラは、一部の実現形態では、システムと一体化された、システムに接続された、それ以外の形でシステムにネットワーク接続された、若しくはそれらを組み合わせたコンピュータの一部である、又はそのようなコンピュータに接続される。例えば、コントローラは、「クラウド」の中、又はファブホストコンピュータシステムの全体若しくは一部の中にあり、これは、ウエハ処理のためのリモートアクセスを可能にする。コンピュータは、製作動作の現進行状況を監視し、過去の製作動作の履歴を調査し、複数の製作動作から傾向若しくは性能基準を調査するために、又は現処理のパラメータを変更するために、又は現処理を追跡するための処理工程を設定するために、又は新しいプロセスを開始させるために、システムへのリモートアクセスを可能にする。
【0172】
一部の実施形態では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワーク又はインターネットを含むコンピュータネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供する。リモートコンピュータは、パラメータ及び/若しくは設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含み、これらのパラメータ及び/又は設定は、次いで、リモートコンピュータからシステムに伝えられる。一部の例では、コントローラは、ウエハを処理するための設定の形式で命令を受信する。なお、設定は、ウエハに対して実施されるプロセスのタイプに、及びコントローラがインターフェース接続されるように又は制御するように構成されたツールのタイプに特有であることが理解されるべきである。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワークによって結ばれて本明細書で説明されるプロセスを遂行するなどの共通の目的に向かって作業する1つ以上の個別のコントローラを含むなどによって分散される。このような目的のための分散コントローラの一例として、(プラットフォームレベルに又はリモートコンピュータの一部として)遠隔設置されてチャンバ内のプロセスを協同して制御する1つ以上の集積回路と通じているチャンバ上の1つ以上の集積回路が挙げられる。
【0173】
制限なく、様々な実施形態において、システムは、プラズマエッチングチャンバ、堆積チャンバ、スピンリンスチャンバ、金属めっきチャンバ、洗浄チャンバ、ベベルエッジエッチングチャンバ、物理蒸着(PVD)チャンバ、化学気相成長(CVD)チャンバ、原子層堆積(ALD)チャンバ、原子層エッチング(ALE)チャンバ、イオン注入チャンバ、追跡チャンバ、並びに半導体ウエハの製作及び/若しくは製造に関係付けられる若しくは使用されるその他の任意の半導体処理チャンバを含む。
【0174】
更に留意すべきは、上述された動作は、例えば容量結合プラズマチャンバなどの、平行平板型プラズマチャンバに言及して説明されているが、一部の実施形態では、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタやトランス結合プラズマ(TCP)リアクタを含むプラズマチャンバ、導体ツール、誘電体ツール、電子サイクロトロン共鳴(ECR)リアクタを含むプラズマチャンバなどの、その他のタイプのプラズマチャンバに適用することである。例えば、xMHz RF発生器、yMHz RF発生器、及びzMHz RF発生器は、インピーダンス整合回路網を通してICPプラズマチャンバ内のインダクタに結合される。
【0175】
上記のように、ツールによって実施される1つ以上のプロセス動作に応じ、コントローラは、その他のツール回路若しくはツールモジュール、その他のツールコンポーネント、クラスタツール、その他のツールインターフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場の随所にあるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場内のツール場所及び/若しくは装填ポートに対してウエハ入りの容器を出し入れする材料輸送に使用されるツールのうちの、1つ以上とやり取りする。
【0176】
上記の実施形態を念頭に置くと、実施形態によっては、コンピュータシステムに格納されたデータを伴う様々なコンピュータ実行動作を用いるものがあることが、理解されるべきである。これらのコンピュータ実行動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。
【0177】
実施形態のなかには、これらの動作を実施するためのハードウェアユニット又は装置にも関するものがある。装置は、専用コンピュータ用に特別に構築される。専用コンピュータとして定められるときは、コンピュータは、特別な目的のために動作可能でありつつも、特別な目的の一部ではないその他の処理、プログラム実行、又はルーチンを実施する。
【0178】
一部の実施形態では、本明細書で説明される動作は、選択的にアクティブにされるコンピュータによって実施される、又はコンピュータメモリに格納された1つ以上のコンピュータプログラムによって構成される、又はコンピュータネットワークを通じて得られる。データがコンピュータネットワークを通じて得られるときは、データは、例えばコンピューティングリソースのクラウドなどの、コンピュータネットワーク上のその他のコンピュータによって処理されてよい。
【0179】
本明細書で説明される1つ以上の実施形態は、非一過性のコンピュータ読み取り可能メディア上のコンピュータ読み取り可能コードとして作成することもできる。非一過性のコンピュータ読み取り可能メディアは、コンピュータシステムによって後で読み出されるデータを格納する例えばメモリデバイスなどの任意のデータストレージハードウェアユニットである。非一過性のコンピュータ読み取り可能メディアの例には、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD−ROM)、書き込み可能CD(CD−R)、書き換え可能CD(CD−RW)、磁気テープ、並びにその他の光及び非光データストレージハードウェアユニットがある。一部の実施形態では、非一過性のコンピュータ読み取り可能メディアは、コンピュータ読み取り可能コードが分散方式で格納及び実行されるように、ネットワークで結合されたコンピュータシステムに分散された有形のコンピュータ読み取り可能メディアを含む。
【0180】
上述された方法の動作の一部は、特定の順番で提示されているが、様々な実施形態では、方法の動作と動作との間にその他のハウスキーピング動作が実施されること、又は僅かに異なる時点で起きるように方法の動作が調整されること、又は様々な時間間隔で方法の動作が起きることを可能にするシステム内で分散されること、又は上述されたのと異なる順番で実施されることが、理解されるべきである。
【0181】
更に留意すべきは、一実施形態では、上述された任意の実施形態からの1つ以上の特徴が、本開示で説明された様々な実施形態で説明された範囲から逸脱することなくその他の任意の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされることである。
【0182】
以上の実施形態は、理解を明瞭にする目的で幾らか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正が可能であることが明らかである。したがって、本実施形態は、例示的であって限定的ではないと見なされ、本明細書で与えられる詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で変更される。
本発明は以下の適用例としても実現できる。
[適用例1]
方法であって、
コマンドコントローラによって、レシピセットをマスタコントローラに送信することと、
前記マスタコントローラによって、前記レシピセットをプラズマシステムのサブシステムコントローラによる実行のために送信することであって、前記レシピセットを前記マスタコントローラから前記サブシステムコントローラに送信することは、クロック信号の第1のクロックサイクル中に実施される、ことと、
前記コマンドコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、
前記コマンドコントローラによって、前記レシピイベント信号を前記サブシステムコントローラに送信し、前記サブシステムコントローラによる前記レシピセットの実行の時間を示すことであって、前記実行の時間は、前記第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じ、前記第2のサイクルは、前記クロック信号のサイクルである、ことと、
を備える方法。
[適用例2]
適用例1に記載の方法であって、
前記レシピセットを前記コマンドコントローラから前記マスタコントローラに送信することは、転送媒体を通して前記マスタコントローラにパケットを送信することを含み、前記レシピセットを前記マスタコントローラから前記サブシステムコントローラに送信することは、転送媒体を通して前記サブシステムコントローラに前記パケットを送信することを含む、方法。
[適用例3]
適用例1に記載の方法であって、更に、
前記マスタコントローラによって、前記第1のクロックサイクル中に、別のレシピセットを前記プラズマシステムの別のサブシステムコントローラによる実行のために送信することを備え、
前記時間は、前記プラズマシステムの前記別のサブシステムコントローラによる前記別のレシピセットの実行のための時間である、方法。
[適用例4]
適用例1に記載の方法であって、
前記コマンドコントローラは、コンピューティングデバイス内に位置し、前記コンピューティングデバイスは、ラップトップコンピュータ、又はデスクトップコンピュータ、又はタブレット端末、又は携帯電話を含む、方法。
[適用例5]
適用例1に記載の方法であって、
前記レシピセットは、RF発生器によって生成される高周波数(RF)信号の電力、又は前記RF信号の周波数、又は前記プラズマシステムのプラズマチャンバ内の圧力、又は前記プラズマチャンバ内の温度、又は前記プラズマチャンバ内の電極間のギャップ、又は前記プラズマチャンバへのガスの流量、又は前記プラズマ処理システムのインピーダンス整合回路網のコンデンサのキャパシタンス、又は前記インピーダンス整合回路網のインダクタのインダクタンス、又はこれらの組み合わせを含む、方法。
[適用例6]
適用例1に記載の方法であって、
前記レシピセットは、前記レシピセットが前記サブシステムコントローラからサブシステムに送信されるときに前記サブシステムコントローラによって実行され、前記サブシステムコントローラは、前記マスタコントローラに接続されている、方法。
[適用例7]
適用例6に記載の方法であって、
前記サブシステムは、高周波数(RF)発生器、又は圧力サブシステム、又は温度サブシステム、又はギャップサブシステム、又はガスフローサブシステム、又はインピーダンス整合回路網である、方法。
[適用例8]
適用例1に記載の方法であって、
前記プラズマシステムは、1つ以上の高周波数(RF)発生器と、インピーダンス整合回路網と、プラズマチャンバとを含み、前記1つ以上のRF発生器は、対応する1本以上のRFケーブルを通して前記インピーダンス整合回路網に接続され、前記インピーダンス整合回路網は、RF伝送路を通して前記プラズマチャンバに接続される、方法。
[適用例9]
適用例1に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記サブシステムコントローラによって前記コマンドコントローラから前記レシピイベント信号が受信される時間であり、前記サブシステムコントローラは、前記マスタコントローラに接続され、サブシステムを制御し、前記サブシステムコントローラによって受信される前記レシピイベント信号は、前記レシピセットの即座の実行を引き起こす、方法。
[適用例10]
適用例1に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記サブシステムコントローラからサブシステムに前記レシピセットが送信される時間であり、前記サブシステムコントローラは、前記マスタコントローラから前記レシピセットを受信するために前記マスタコントローラに接続される、方法。
[適用例11]
適用例1に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記レシピセットの実行をトリガする、方法。
[適用例12]
適用例1に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、サブシステムのための前記サブシステムコントローラによって受信されるときに、前記レシピセットの実行の即座の起動を示している、方法。
[適用例13]
方法であって、
マスタコントローラによって、クロック信号の第1のクロックサイクル中に、レシピセットをサブシステムコントローラによる実行のために送信することであって、前記サブシステムコントローラは、プラズマシステムのコンポーネントを制御するように構成される、ことと、
前記マスタコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、
前記マスタコントローラによって、前記レシピイベント信号を送信し、前記プラズマシステムの前記サブシステムコントローラによる前記レシピセットの実行の時間を示すことであって、前記レシピセットの前記実行の時間は、前記レシピセットが送信される前記第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じ、前記第2のサイクルは、前記クロック信号のサイクルである、ことと、
を備える方法。
[適用例14]
適用例13に記載の方法であって、
前記レシピセットを送信することは、ケーブルを通して前記サブシステムコントローラにパケットを送信することを含む。方法。
[適用例15]
適用例13に記載の方法であって、
前記プラズマシステムは、1つ以上の高周波数(RF)発生器と、インピーダンス整合回路網と、プラズマチャンバとを含み、前記1つ以上のRF発生器は、前記インピーダンス整合回路網に接続され、前記インピーダンス整合回路網は、前記プラズマチャンバに接続される、方法。
[適用例16]
適用例13に記載の方法であって、更に、
前記マスタコントローラによって、前記クロック信号の前記第1のクロックサイクル中に、別のレシピセットを別のサブシステムコントローラによる実行のために送信することであって、前記別のサブシステムコントローラは、前記プラズマシステムの別のコンポーネントを制御するように構成される、ことを備え、
前記時間は、前記プラズマシステムの前記別のサブシステムコントローラによる前記別のレシピセットの実行のための時間である、方法。
[適用例17]
適用例13に記載の方法であって、
前記レシピセットは、前記サブシステムコントローラによって、前記レシピセットを前記コンポーネントに送信することによって実行される、方法。
[適用例18]
適用例13に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記サブシステムコントローラによって前記マスタコントローラから前記レシピイベント信号が受信される時間であり、前記サブシステムコントローラは、前記マスタコントローラに接続され、前記コンポーネントを制御する、方法。
[適用例19]
適用例13に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記サブシステムコントローラから前記コンポーネントに前記レシピセットが送信される時間である、方法。
[適用例20]
適用例13に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記レシピセットの実行をトリガする、方法。
[適用例21]
適用例13に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記サブシステムのための前記サブシステムコントローラによって受信されるときに、前記レシピセットの実行の即座の起動を示している、方法。
[適用例22]
方法であって、
マスタコントローラによって、プラズマ処理システムのサブシステムのプロセッサにレシピセットを送信することであって、前記マスタコントローラから送信することは、クロック信号の第1のクロックサイクル中に生じる、ことと、
前記マスタコントローラによって、レシピイベント信号を生成することと、
前記マスタコントローラによって、前記レシピイベント信号を送信し、前記レシピセットの実行の時間を前記サブシステムの前記プロセッサに示すことであって、前記実行の時間を送信することは、前記第1のクロックサイクルに続く第2のクロックサイクル中に生じる、ことと、
を備える方法。
[適用例23]
適用例22に記載の方法であって、
前記レシピセットを送信することは、ケーブルを通して前記サブシステムの前記プロセッサにパケットを送信することを含む。方法。
[適用例24]
適用例22に記載の方法であって、更に、
前記マスタコントローラによって、別のレシピセットを別のサブシステムの別のプロセッサによる実行のために送信することであって、前記別のプロセッサは、前記プラズマシステムの前記別のサブシステムを制御するように構成され、前記別のレシピセットを送信することは、前記第1のクロックサイクル中に生じる、ことを備え、
前記時間は、前記別のサブシステムの前記別のプロセッサによる前記別のレシピセットの実行のための時間である、方法。
[適用例25]
適用例22に記載の方法であって、
前記レシピセットは、前記プロセッサによって、前記サブシステムの前記プロセッサが信号を生成するためにドライバに信号を送信するときに実行される、方法。
[適用例26]
適用例22に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記プロセッサによって前記マスタコントローラから前記レシピイベント信号が受信される時間であり、前記プロセッサは、前記マスタコントローラに接続され、前記サブシステムを制御する、方法。
[適用例27]
適用例22に記載の方法であって、
前記実行の時間は、前記プラズマ処理システムの一部を駆動するために前記プロセッサからドライバに前記レシピセットが送信される時間である、方法。
[適用例28]
適用例22に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記レシピセットの実行をトリガする、方法。
[適用例29]
適用例22に記載の方法であって、
前記レシピイベント信号は、前記プロセッサによって受信されるときに、前記レシピセットの実行の即座の起動を示している、方法。
図1A-1】
図1A-2】
図1B-1】
図1B-2】
図1C
図1D
図1E
図2A-1】
図2A-2】
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6