(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載のシステムであって、上記1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも一部分が、標本上における上記1個又は複数個のアライメントターゲットの上記一通り又は複数通りの位置にて出力を生成するのに使用されていないシステム。
請求項1記載のシステムであって、上記一通り又は複数通りのオフセットの特定が、標本に関し検査サブシステムにより生成された出力の各検査フレームについて実行されるシステム。
請求項1記載のシステムであって、上記一通り又は複数通りの追加オフセットの特定が、標本に関し検査サブシステムにより生成された出力の各検査フレームについて実行されるシステム。
請求項1記載のシステムであって、上記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、更に、上記他位置にて生成された出力に基づき標本上の欠陥を検出し、且つ当該他位置にて生成された出力のデザインデータ空間内位置に基づき欠陥検出のための1個又は複数個のパラメタを特定するよう、構成されているシステム。
請求項1記載のシステムであって、上記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、更に、上記他位置にて生成された出力に基づき標本上の欠陥を検出し、且つ、当該他位置にて生成された出力のデザインデータ空間内位置に基づきそれら欠陥のデザインデータ空間内位置を特定するよう、構成されているシステム。
検査サブシステムにより生成された出力のデザインデータ空間における位置を特定するためのコンピュータ利用実現方法を実行すべくコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令が格納される非一時的コンピュータ可読媒体であって、そのコンピュータ利用実現方法が、
1個又は複数個のアライメントターゲットを標本に係るデザインから選択するステップであり、当該1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも一部分が、デザインデータ空間に対する検査結果の位置揃え以外の目的で上記デザインに組み込まれたビルトインターゲットを含むと共に、当該1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも一部分が1個又は複数個の個別デバイスフィーチャを含まず、上記1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも一部分は標本における構造の隅部を含む、ステップと、
上記出力のうち、上記1個又は複数個のアライメントターゲットに係る1個又は複数個の出力画像を、上記デザインのうち、当該1個又は複数個のアライメントターゲットに対応する1個又は複数個のデザイン画像に対し位置揃えするステップと、
上記1個又は複数個の出力画像と、上記デザインのうち上記1個又は複数個のデザイン画像と、の間の一通り又は複数通りのオフセットを、当該1個又は複数個の出力画像を位置揃えした結果に基づき特定するステップと、
標本上の上記1個又は複数個のアライメントターゲットの一通り又は複数通りの位置にて検査サブシステムにより生成された別の出力画像を、当該1個又は複数個のアライメントターゲットに係る上記1個又は複数個の出力画像に対し位置揃えするステップであり、その検査サブシステムが少なくともエネルギ源及び検出器を有し、標本に向かうエネルギを生成するようそのエネルギ源が構成されており、その標本から来るエネルギを検出するよう且つ検出したエネルギに応じ出力を生成するようその検出器が構成されているステップと、
標本上の上記1個又は複数個のアライメントターゲットの上記一通り又は複数通りの位置にて生成された別の出力画像と、当該1個又は複数個のアライメントターゲットに係る上記1個又は複数個の出力画像と、の間の一通り又は複数通りの追加オフセットを、その出力を位置揃えした結果に基づき特定するステップと、
標本上の他位置にて検査サブシステムにより生成された出力のデザインデータ空間内位置を、上記一通り又は複数通りのオフセット、上記一通り又は複数通りの追加オフセット、並びに標本上のそれら他位置にて生成された出力の標本空間内位置に基づき特定するステップと、
を有する非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は様々な変形及び代替形態が可能なものであるところ、本発明の具体的実施形態を例示によって図面に示したので、それについて本願中で詳述することにする。ただ、ご理解頂くべきことに、それについてのそうした図示及び詳述は本発明を特定の被開示形態に限定する意図のものではなく、寧ろ、その意図は、添付する特許請求の範囲によって規定される本発明の神髄及び技術的範囲に属するあらゆる変形物、均等物及び代替物をカバーすることにある。
【0019】
本願で用いられている語「デザイン」及び「デザインデータ」は、大略、ICの物理的デザイン(レイアウト)や、複雑なシミュレーション又は単純な幾何演算及びブール演算を媒介にその物理的デザインから導出されたデータのことを指している。加えて、レチクル検査システムにより捕捉されたレチクル画像及び/又はその派生物を、そのデザインに代わる「プロキシ」又は「代用物」として用いることができる。そうしたレチクル画像やその派生物は、本願記載のどのデザイン使用実施形態でもデザインレイアウトの代替物として役立てることができる。このデザインは他のどのようなデザインデータ又はデザインデータプロキシを含むものでもよく、それらについては本願出願人による2009年8月4日付特許文献1(発明者:Zafar et al.)及び2010年3月9日付特許文献2(発明者:Kulkarni et al.)に記載があるので、その全容が本願に記載されているかの如く両文献をこの参照を以て組み入れることとする。加えて、そのデザインデータとしうるものには、標準的なセルライブラリデータ、集積レイアウトデータ、1個又は複数個の層に係るデザインデータ、そのデザインデータの派生物、並びに全体的又は部分的チップデザインデータがある。
【0020】
他方、一般的に、ウェハ検査システムで以てウェハをイメージングすることによりデザイン情報又はデータを生成することはできない。例えば、ウェハ上に形成されているデザインパターンがそのウェハに係るデザインを正確に体現していないことがありうるし、ウェハ上に形成されているデザインパターンの画像を、ウェハ検査システムが十分な分解能で生成できなければ、その画像を用いそのウェハに係るデザインについての情報を特定することができないであろう。従って、一般的に、物理的ウェハを用いデザイン情報又はデザインデータを生成することはできない。加えて、本願記載の「デザイン」及び「デザインデータ」は、デザインプロセスにて半導体デバイス設計者により生成された情報及びデータであり、各種物理的ウェハ上へのデザインの印刷に十分先立ち本願記載の実施形態にて用いうるもののことを、指している。
【0021】
さて、図面に目を向けたとき注意すべきことは、諸図が忠実スケールで描かれていないことである。特に、図示要素のうち幾つかのスケールが、それら要素の特性を強調すべく大きく誇張されている。同じく注記すべきことは、諸図が同一スケールで描かれていないことである。複数個の図に示されており同様に構成可能な要素については、同一の参照符号を用い示してある。本願中で注記しない限り、記述及び図示されているどの要素にも、好適であり購入可能なあらゆる要素が含まれうる。
【0022】
実施形態の一つは、検査サブシステムにより生成された出力のデザインデータ空間における位置を特定するよう構成されたシステムに関するものである。実施形態は、標本検査用のビルトインターゲットでのパターン対設計位置揃え(PDA)用に構成することができる。ある種の標本検査、例えば検査中にデザイン情報を用い一種類又は複数種類の機能例えば本願詳述のそれを実行する標本検査では、PDAの精度が肝要になる。
【0023】
ある実施形態ではウェハが標本に含まれる。他の実施形態ではレチクルが標本に含まれる。ウェハ及びレチクルには、本件技術分野で知られているどのようなウェハ及びレチクルも含まれうる。
【0024】
その種のシステムの一実施形態を
図1に示す。本システムは、少なくともエネルギ源及び検出器を有する検査サブシステムを備える。そのエネルギ源は、標本に向かうエネルギを生成するよう構成される。検出器は、標本から来るエネルギを検出するよう且つ検出したエネルギに応じ出力を生成するよう構成される。
【0025】
ある実施形態では、標本に向かうエネルギに光、標本から検出されるエネルギに光が含まれる。例えば、
図1に示す実施形態に係るシステムでは、検査サブシステム10が、標本14に光を差し向けるよう構成された照明サブシステムを有している。この照明サブシステムは少なくとも1個の光源を有する。例えば、
図1に示す照明サブシステムは光源16を有している。ある実施形態では、照明サブシステムが、一通り又は複数通りの入射角にて、例えば一通り又は複数通りの斜行角及び/又は一通り又は複数通りの直交角を含むそれにて、標本に光を差し向けるように構成される。例えば、
図1では光源16からの光が光学素子18、次いでレンズ20を介しビームスプリッタ21へと差し向けられ、そのビームスプリッタ21によって光がある直交入射角にて標本14へと差し向けられる。この入射角は、例えば標本の特性及びその標本上で検出されるべき欠陥により左右されうるけれども、好適であるどのような入射角にもすることができる。
【0026】
照明サブシステムは、様々な時点で様々な入射角にて標本に光を差し向けるよう構成することができる。例えば、照明サブシステムに備わる1個又は複数個の素子の一通り又は複数通りの特性を変化させること、ひいては
図1に示したそれとは異なる入射角にて標本へと光を差し向けることができるよう、検査サブシステムを構成するとよい。その種の一例によれば、光源16、光学素子18及びレンズ20を動かすことで、別の入射角にて標本へと光を差し向けるよう、検査サブシステムを構成することができる。
【0027】
ある種の例によれば、同時に複数通りの入射角にて標本に光を差し向けるよう検査サブシステムを構成することができる。例えば、照明サブシステムが複数個の照明チャネルを有し、それら照明チャネルのうち1個が
図1に示す光源16、光学素子18及びレンズ20を有し、且つ、照明チャネルのうち他の1個(図示せず)が、類種の構成例えば別様又は同様に構成されたそれ、或いは少なくとも1個の光源と場合によっては1個又は複数個の他部材例えば本願詳述のそれを、有するようにすることができる。その光を他の光と同時に標本に差し向けるのであれば、別々の入射角にて標本へと差し向けられる光の一通り又は複数通りの特性(例.波長、偏向等々)を異ならせることで、それら別々の入射角での標本の照明に由来する光をその又はそれらの検出器にて互いに弁別することが可能となる。
【0028】
別の例によれば、照明サブシステムに光源を1個(例.
図1に示す光源16)だけ設けること、並びにその照明サブシステムに備わる1個又は複数個の光学素子(図示せず)により(例.波長、偏向等々に基づき)別々の光路へとその光源からの光を分離させることができる。それら別々の光路それぞれの光は次いで標本へと差し向けられることができる。標本に対し同時に又は(例.別々の照明チャネルを用い標本を順次照明するときに)別時点で光を差し向けるよう、複数個の照明チャネルを構成してもよい。別の例では、別時点に別特性で以て標本へと光を差し向けるようその同じ照明チャネルが構成されよう。例えば、ある例では、光学素子18がスペクトラルフィルタとして構成されうるし、またそのスペクトラルフィルタの特性を多様な形態で変化させることで(例.そのスペクトラルフィルタをスワップアウトすることで)、別時点で標本に差し向けられる光を別波長にすることができる。照明サブシステムは、別の又は同じ特性を有する光を別の又は同じ入射角にて順次又は同時に標本へと差し向けるべく、本件技術分野で知られており好適である他のどのような構成を有していてもよい。
【0029】
ある実施形態では、光源16が、広帯域プラズマ(BBP)光源を有するものとされうる。この形態では、光源によって生成され標本へと差し向けられる光に広帯域光が含まれよう。とはいえ、光源は、レーザを初め、好適である他のどのような光源を有していてもよい。そのレーザは、本件技術分野で知られており好適であるどのようなレーザであってもよいし、また本件技術分野で知られており好適であるどのような波長又は波長群で光を生成するようにも構成することができる。加えて、単色又は近単色な光を生成するようレーザを構成してもよい。この形態によるレーザは狭帯域レーザとなろう。光源は、また、複数通りの離散的な波長又は波帯にて光を生成する多色光源を有するそれにすることができる。
【0030】
光学素子18からの光はレンズ20によりビームスプリッタ21へと集束させることができる。
図1ではレンズ20が単体の屈折性光学素子として示されているが、ご理解頂けるように、実際には、レンズ20が、その協働で光学素子からの光を標本へと集束させる多数の屈折性及び/又は反射性光学素子を有していてもよい。
図1に示されまた本願中で記述されている照明サブシステムは、好適である他のどういった光学素子(図示せず)を有していてもよい。そうした光学素子の例としては、これに限られるものではないが、偏向部材、スペクトラルフィルタ、空間フィルタ、反射性光学素子、アポダイザ、ビームスプリッタ、アパーチャ等があり、これには、本件技術分野で知られており好適なあらゆる類種光学要素が含まれうる。加えて、照明サブシステムに備わる要素のうち1個又は複数個を、検査に用いられるべき照明の種類に基づき変更するよう、システムを構成することができる。
【0031】
検査サブシステムは、また、標本上を光でスキャンさせるよう構成されたスキャニングサブシステムを有するものとすることができる。例えば、検査サブシステムがステージ22を有していて、検査中にその上に標本14が配される構成にすることができる。スキャニングサブシステムは、(ステージ22を有する)何らかの好適な機械的及び/又はロボットアセンブリであって、標本を動かしその標本上を光でスキャンさせることができるよう構成可能なものを、有していてもよい。これに加え又は代え、検査サブシステムに備わる1個又は複数個の光学素子により光での標本上のスキャンのうち幾ばくかが実行されるよう、検査サブシステムを構成してもよい。光による標本上のスキャンはあらゆる好適な様式で行うことができる。
【0032】
検査サブシステムは、更に、1個又は複数個の検出チャネルを有する。当該1個又は複数個の検出チャネルのうち少なくとも1個は、検査サブシステムによる標本の照明を受け標本から来る光を検出するよう且つ検出した光に応じ出力を生成するよう構成された、検出器を有する。例えば、
図1に示す検査サブシステムは2個の検出チャネルを有しており、そのうち1個が集光器24、素子26及び検出器28により、他の1個が集光器30、素子32及び検出器34により形成されている。
図1に示す2個の検出チャネルは、別々の集光角にて光を集め検出するよう構成されている。ある種の例では、鏡面反射光を検出するよう一方の検出チャネルが構成され、標本からの非鏡面反射光(例.散乱光、回折光等々)を検出するよう他方の検出チャネルが構成される。とはいえ、それら検出チャネルのうち2個以上を、標本からの同種の光(例.鏡面反射光)を検出するよう構成することもできる。
図1には検査サブシステムの実施形態として2個の検出チャネルを有するそれを示したが、検査サブシステムがまた別の個数の検出チャネル(例.単一の検出チャネル又は2個以上の検出チャネル)を有していてもよい。
図1では各集光器を単体の屈折性光学素子として示したが、ご理解頂くべきことに、各集光器が、1個又は複数個の屈折性光学素子及び/又は1個又は複数個の反射性光学素子を有していてもよい。
【0033】
上掲の1個又は複数個の検出チャネルは、本件技術分野で知られており好適であるどのような検出器を有していてもよい。例えば、それら検出器は、光電子増倍管(PMT)、電荷結合デバイス(CCD)及び時間遅延積分(TDI)カメラを有するものとすることができる。それら検出器は、また、本件技術分野で知られており好適である他のどのような検出器を有するものともしうる。それら検出器は、また、非イメージング型検出器かイメージング型検出器に該当することとなろう。こうした形態、特にその検出器が非イメージング型検出器である形態では、各検出器を、散乱光に備わるある種の特性例えば強度を検出するよう構成すること、しかしそうした特性を像面内位置の関数として検出しないよう構成することができる。そのため、検査サブシステムの各検出チャネルに備わる検出器それぞれにより生成される出力が、信号やデータではあるが画像信号や画像データではないこともありうる。その種の例では、コンピュータサブシステム、例えば本システムのコンピュータサブサブシステム36を、検出器の非イメージング出力から標本の画像を生成するよう構成するとよい。他方、他種の例では、検出器がイメージング型検出器、即ち画像信号又は画像データを生成するよう構成された検出器として構成されよう。このように、本システムは、様々な形態で本願記載の出力を生成するよう構成することができる。
【0034】
注記すべきことに、本願にて
図1を提示したのは、本願記載のシステム実施形態に備わりうる検査サブシステムの構成を大まかに描出するためである。自明な通り、本願記載の検査サブシステム構成は、商用の検査システムを設計する際に普通に実施されるのと同じく、本システムの性能を最適化すべく改変することができる。加えて、本願記載のシステムは、既存の検査システム例えばKLA−Tencor(社名)から購入可能な28xxシリーズ及び29xxシリーズのツールを用いて(例.既存の検査システムに本願記載の機能を付加することで)実現することができる。その種のシステムのうちあるものでは、本願記載の方法を、(例.そのシステムの他の機能に加え)そのシステムの付加機能として提供することができる。或いは、本願記載のシステムを“ゼロから”設計して全く新しいシステムを提供することもできる。
【0035】
本システムのコンピュータサブサブシステム36は、標本のスキャン中にそれら検出器により生成された出力をそのコンピュータサブシステムにより受け取ることができるよう、検査サブシステムの検出器に対しあらゆる好適な形態で(例.1個又は複数個の伝送媒体、例えば“有線”及び/又は“無線”伝送媒体を有するものとしうるそれを介し)結合させることができる。コンピュータサブサブシステム36は、本願記載の如く検出器を用い多数の機能を実行するよう且つ本願詳述の各種他機能を実行するよう構成することができる。このコンピュータサブシステムは更に本願記載の如く構成することができる。
【0036】
このコンピュータサブシステム(並びに本願記載の他のコンピュータサブシステム)は、本願中でコンピュータシステムと称されることもある。本願に記載されているその又はそれらのコンピュータサブシステム又はシステムは、それぞれ、パーソナルコンピュータシステム、イメージコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器その他のデバイスを含め、多様な形態を採りうる。一般に、語「コンピュータシステム」は広義に、即ち1個又は複数個のプロセッサを有していてメモリ媒体からの命令を実行するあらゆるデバイスを包含するよう定義されうる。その又はそれらのコンピュータサブシステム又はシステムは、また、本件技術分野で知られており好適であるどのようなプロセッサ例えばパラレルプロセッサを有していてもよい。加えて、その又はそれらのコンピュータサブシステム又はシステムには、スタンドアロンかネットワーク化ツールかを問わず高速な処理及びソフトウェアを伴うコンピュータプラットフォームが包含されうる。
【0037】
本システムが複数個のコンピュータサブシステムを有しているのであれば、本願詳述の如くそれらコンピュータサブシステム間で画像、データ、情報、命令等々を送ることができるよう、別々のコンピュータサブシステム同士を結合させるとよい。例えば、コンピュータサブサブシステム36は、本件技術分野で知られており好適である各種の有線及び/又は無線伝送媒体を含め、好適であるどのような伝送媒体でも、(
図1中に破線で示す如く)1個又は複数個のコンピュータサブシステム102に結合させることができる。また、そうしたコンピュータサブシステムのうち2個以上を、共有されるコンピュータ可読格納媒体(図示せず)により事実上結合させることもできる。
【0038】
ここまで、検査サブシステムが光学式又は光ベース検査サブシステムであるものとして記述してきたが、検査サブシステムが電子ビームベース検査サブシステムであってもよい。例えば、ある実施形態では、標本に向かうエネルギに電子、またその標本から検出されるエネルギに電子が含まれる。この形態ではエネルギ源が電子ビーム源とされうる。そうした実施形態のうち
図2に示すものでは、検査サブシステムが電子カラム122を備え、その電子カラム122がコンピュータサブシステム124に結合されている。
【0039】
同じく
図2に示すように、この電子カラムは、1個又は複数個の素子130により標本128へと集束される電子を生成するよう構成された、電子ビーム源126を有している。この電子ビーム源は例えばカソード源又はエミッタチップを有するものにすることができ、また1個又は複数個ある素子130は例えばガンレンズ、アノード、ビーム制限アパーチャ、ゲートバルブ、ビーム流選択アパーチャ、対物レンズ及びスキャニングサブシステムを有するものにしうるのであり、それらのいずれにも、本件技術分野で知られており好適である、あらゆる類種要素が包含されうる。
【0040】
標本から返ってくる電子(例.二次電子)は、1個又は複数個の素子132により検出器134へと集束させることができる。1個又は複数個ある素子132は例えばスキャニングサブシステムを有するものとすることができ、またそれを、1個又は複数個の素子130に備わるスキャニングサブシステムと同じものとすることができる。
【0041】
電子カラムは、本件技術分野で知られており好適であるどのような他要素を備えていてもよい。加えて、電子カラムは、その全容が説明されたかの如くこの参照を以て本願に組み入れられるところの、2014年4月4日付特許文献3(発明者:Jiang et al.)、2014年4月8日付特許文献4(発明者:Kojima et al.)、2014年4月15日付特許文献5(発明者:Gubbens et al.)及び2014年5月6日付特許文献6(発明者:MacDonaid et al.)に記載の如くにも、構成することができる。
【0042】
図2に示す電子カラムは、ある斜行入射角にて標本に電子を差し向け、別の斜行角にてその標本から電子が散乱されるよう構成されているが、ご理解頂くべきことに、電子ビームは、好適であるどのような角度で標本に差し向け且つ標本から散乱させてもよい。加えて、この電子ビームベースサブシステムは、複数通りのモードを用い(例.別々の照射角、収集角等々で以て)標本の画像を生成するよう構成することができる。電子ビームベースサブシステムが有する複数通りのモードは、同サブシステムのいずれかの画像生成パラメタにおいて相違しうる。
【0043】
コンピュータサブシステム124は、上述の如く検出器134に結合させることができる。標本の表面から返ってきた電子をその検出器で検出することにより、その標本の電子ビーム画像を生成することができる。それら電子ビーム画像には、好適であるどのような電子ビーム画像も包含されうる。コンピュータサブシステム124は、検出器の出力及び/又は電子ビーム画像を用い、本願記載のどういった機能を実行するよう構成してもよい。コンピュータサブシステム124は、本願記載の付加的ステップのうちいずれを実行するよう構成してもよい。
図2に示す検査サブシステムを有するシステムは、更に、本願記載の如く構成することができる。
【0044】
注記すべきことに、本願にて
図2を提示したのは、本願記載の実施形態に備わりうる電子ビームベース検査サブシステムの構成を大まかに描出するためである。上述の光学検査サブシステムと同様、本願記載の構成を採る電子ビームベース検査サブシステムも、商用の検査システムを設計する際普通に実施されるのと同じく、検査サブシステムの性能を最適化する目的で改変することができる。加えて、本願記載のシステムは、既存の検査システム例えばKLA−Tencor(社名)から購入可能なeSxxxシリーズのツールを用いること(例.既存の検査システムに本願記載の機能を付加すること)により実現することができる。その種のシステムでは、本願記載の方法を、そのシステムの付加的機能として(例.そのシステムの他の機能に加え)提供することができる。或いは、本願記載のシステムを“ゼロから”設計して全く新たなシステムを提供してもよい。
【0045】
検査サブシステムについて、光ベース又は電子ビームベース検査サブシステムであるものとして上述したが、検査サブシステムはイオンビームベース検査サブシステムとすることができる。そうした検査サブシステムは、本件技術分野で知られており好適である何らかのイオンビーム源で以て電子ビーム源が置換されうる点を除き、
図2に示す如く構成することができる。加えて、検査サブシステムは、購入可能な集束イオンビーム(FIB)システム、ヘリウムイオン顕微(HIM)システム及び二次イオン質量分析(SIMS)システムに備わるもの等、好適である他のどのようなイオンビームベースサブシステムであってもよい。
【0046】
上述した1個又は複数個のコンピュータサブシステムは、標本に係るデザインから1個又は複数個のアライメントターゲットを選択するよう構成される。そのデザインには、本願で詳述されているデザインデータ又は情報のいずれが含まれていてもよい。1個又は複数個のアライメントターゲットの選択は標本に係るデザインデータを用い実行することができ、そのデザインデータには本願記載の諸種デザインデータのいずれも包含されうる。この形態を採るある種の実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットの選択が、標本の物理バージョンを用いることなく実行される。例えば、本願記載の実施形態におけるアライメントターゲットの選択は、必ずしも、その上にデザインが印刷又は形成されている標本をスキャンし次いでそのスキャン結果に基づきその又はそれらのアライメントターゲットを選択することにより行う必要はない。この形態では、標本画像を始点にしてターゲット画像を捕捉しそれに対応するデザインクリップ即ちデザインの位置揃え用部分を把握するのに代え、本願記載のアライメントターゲット1個又は複数個を標本に係るデザインから捕捉することができるので、その又はそれらのアライメントターゲットが対応する標本画像に対し本願詳述の如く位置揃えされることとなろう。この形態によれば、デザインを用いアライメントターゲットが選択された後に、その又はそれらのコンピュータサブシステムにより各ターゲットに係るデザインを捕捉することができる。これらのステップは、その検査サブシステムで以て標本を対象に実行されるべき検査プロセスのセットアップ中に、実行することができる
【0047】
従って、これら実施形態には、他のアライメントターゲット選択方法に勝る多数の長所がある。例えば、標本に係るデザインを用いたアライメントターゲットの選択をオフライン実行することができる。そのため、オフラインデザインターゲット把握により、極めて重要な生産時検査実行に係るツール時間を解放することができる。対するに、ツール側で画像把握を実行することによりアライメントターゲットを選択するのでは、検査プロセスセットアップにセットアップ時間(例.10〜15分)が加算されかねない。
【0048】
1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも一部分には、デザインデータ空間に対する検査結果の位置揃え以外の目的でデザインに組み込まれたビルトインターゲットが含まれる。そこで、ターゲットのうち少なくとも上掲の部分に含まれる1個又は複数個のアライメントターゲットのことを、ビルトインターゲットとも呼ぶことにする。その又はそれらのビルトインターゲットによれば、標本座標系に対するデザインの位置揃えの新規手法が提供される。本願記載の実施形態によれば、有益なことに、ターゲット選択に一貫性があるためPDA結果の信頼性及び精度を高めることができる。そのため、デザインデータ空間に対する検査結果の位置揃えにおいて、検査結果に係るデザインデータ空間座標を特定することができる。そのデザインデータ空間内位置が特定される検査結果には、本願記載のあらゆる検査結果、例えば本願記載のコンピュータサブシステム又は検査サブシステムの検出器により生成された生出力(データ又は画像)及び/又はその生出力をある要領で処理したものが包含されうるほか、欠陥に対応する出力及び/又は標本上で検出された欠陥に対応していない出力が包含されうる。それら検査結果は、その標本に関し欠陥検出を実行する前及び実行した後を含め、好適であるどのような時点で、その又はそれらのビルトインターゲットを用いデザインデータ空間に対し位置揃えしてもよい。その又はそれらのビルトインターゲットの使途には、本願にて詳述されているもののうちいずれか、或いはデザインに対する検査結果の位置揃え以外の目的であり本件技術分野で知られている他のあらゆる目的が包含されうる。
【0049】
1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分には、1個又は複数個の個別デバイスフィーチャを含めない。例えば、デザインに対する検査の位置揃えにて昨今重きが置かれているのは、それらの通常はユニークである幾何形状を踏まえデバイスフィーチャを位置揃えに用いることであり、その幾何形状が故、それらデバイスフィーチャは、検査システム出力及びデザインにおける比較的正確な識別並びに比較的正確な位置揃えに適するものとなっている。しかしながら、場合によっては、対デザイン位置揃えなる目的に相応しいデバイスフィーチャが所与エリアにて利用できないことがある。例えば、標本又はデザインのあるエリア内でデバイスフィーチャに反復的性質が見られる場合、その標本上又はデザイン内の比較的小さなエリアにてユニークさが欠如する結果、相応なアライメントフィーチャを利用できないこととなりうる。アライメントターゲットのうち、それらが対デザイン位置揃えに用いられる出力から比較的遠いところにあるものは、位置揃えの目的次第及び/又は好適に整えられた状況次第では十分なもの及び/又は適切なものとなりうるが、アライメントターゲットのうち、それらが対デザイン位置揃えに用いられる検査結果に対しできるだけ近いところにあるもので以て局所位置揃えを実行し、それにより位置揃えプロセスの精度を向上させることが、望まれることもしばしばある。例えば、昨今では、検査システム出力内の欠陥を検出しそれら検出された欠陥のデザインデータ空間内所在を特定するのに用いるべき、相応な検出感度を特定すること等を目的にして、デザインに対する検査結果の所在を十分高精度で特定できるよう、サブ画素精度(例.ほんの数nmのオーダの精度)で以てデザインに対し検査結果を位置揃え可能とすることが、ひときわ有益になっている。従って、極度に局所的なスケールで対デザイン位置揃えを実行することがひときわ有益になっている。そのため、相応なデバイスフィーチャを位置揃え目的で利用できず及び/又は所望の局所スケールでの位置揃えに利用できないときに、デザインに対する検査結果の位置揃えのため、本願記載のビルトインターゲットを好適に用いることができる。
【0050】
ある実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分に計量セルの隅部が含まれる。別の実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分に計量セルの中心が含まれる。例えば、ダイ内にしばしばビルトインパターンが設けられ、そのビルトインパターンがオーバレイ、膜等々の計測用のターゲットとして役立てられる。本願記載の実施形態は、ビルトインターゲット例えばダイ内のそれらを標本検査に用いるよう構成される。特に、計量セル構造の中心や隅部を、実質的に正確な位置揃えに用いることができる。
【0051】
その種の一例によれば、
図3に示すように、計量セル300を、様々な計測の実行に相応しく設計された多種類のパターン化フィーチャを有するものとすることができる。特に、計量セルの一部分304の拡大
図302に示されている通り、その計量セルを計量構造、例えば縦線(又はスペース)306及び横線(又はスペース)308を有するものとすることができる。それら縦又は横のフィーチャは、一種類又は複数種類の計測を実行するのに用いることができる。同様のフィーチャ(又は同様のフィーチャと他種フィーチャとの組合せ)を、
図3に示す計量セルの全陰影部分に組み込んでもよい。同じく
図3に示すように、計量セル300の隅部310を一方のアライメントターゲット312、計量セル300の中心314を他方のアライメントターゲット316として用いてもよい(但しその計量ターゲットの隅部のみ又は中心のみを位置揃えに用いることも可能である)。計量セルは周知のランドマークロケーションであるので、デザインに対する検査の位置揃えを目的にして計量セルをサーチすることで、本願記載の実施形態の用いやすさが加増される。
【0052】
更なる実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分にスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)構造の隅部が含まれる。これらは周知のランドマークロケーションであるので、デザインに対する検査の位置揃えを目的にして1個又は複数個のSRAM隅部をサーチすることで、本願記載の実施形態の用いやすさが加増される。例えば、
図4に示すように、SRAM構造400が4個の隅部402、404、406及び408を有しているのであれば、同構造の各隅部をビルトインターゲットとして(即ちビルトインターゲット410、412、414及び416として)用いることができる。SRAM構造内に、いずれも同じ特性を有している反復的なデバイスフィーチャ(
図4には示さず)のみが形成されることがありうる。そのため、SRAM構造内に、デザインに対する検査の位置揃えに相応しいデバイスフィーチャが何ら存在していないこともありうる。対するに、本願記載の実施形態は、対デザイン位置揃えを目的にSRAM隅部を1個又は複数個のアライメントターゲットとして用いるよう構成することができる。従って、本願記載の対デザイン位置揃えは、SRAM構造周期に対し大まかには同等な局所的スケールにて実行することができる。この形態によれば、SRAM構造の隅部を、実質的に正確な位置揃えに用いることができる。
【0053】
別の実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分に、ある構造の隅部が含まれる。例えば、SRAM隅部に関し上述したそれに類する形態で、他の比較的見つけやすい構造(複数個の小さめな構造で形成されているかもしれない)の中心又は隅部を、本願記載の実施形態による実質的に正確な位置揃えに用いることができる。
【0054】
更に別の実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分に、リソグラフィ用露出ツールにより用いられるべく設計されたアライメントターゲットが含まれる。例えば、ダイ内にはしばしばビルトインパターンが設けられ、そのビルトインパターンが、スキャナその他のリソグラフィ用露出ツール向けのアライメントターゲットとして役立てられる。本願記載の実施形態はそれらダイ内ビルトインターゲットを標本検査に用いるよう構成される。加えて、本願記載の実施形態は、本件技術分野で知られているスキャナその他のリソグラフィ用露出ツールにより用いられるべく構成された、何らかのビルトインターゲットを本願記載の位置揃えに用いるよう構成することができる。
【0055】
ある種の実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分が、標本上の1個又は複数個のアライメントターゲットの一通り又は複数通りの位置にて出力を生成するのに用いられる、検査サブシステムの一通り又は複数通りのモードに基づいては選択されない。例えば、本願記載の実施形態と違い、現用PDA方法は、位置揃えが容易な横及び縦フィーチャを有するパターン付きアライメントターゲットを探すことにより、実行されうる。加えて、ターゲットが光学モード依存になりうる。この形態では、様々な光学モード向けに別々のアライメントターゲットを選択すること、例えば十分な分解能で以てその光学モードによりイメージング可能なターゲットを各光学モード毎に選択することで、それらターゲットが基準(例.デザイン又はそのデザインに基づきシミュレートされた画像)に対し位置揃えされることとなりうる。そのため、ときとして、その光学系モードによる標本上パターンの抑圧又はそのデザインにおけるパターンの欠如が原因で、不十分なターゲットしか見つからないことがありうる。これに対し、本願記載のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分は、検査サブシステムの出力においてそれ又はそれらを出力生成用光学モードによらず十分な分解能で分解することができ、ひいては本願記載の基準のうち1個(例.デザイン又はシミュレート画像)に対する出力の位置揃えが可能になる、という意味で、光学モードに対し実質的に不感とすることができる。この形態によれば、本願記載のアライメントターゲット1個又は複数個を光学モード独立(即ち光学モード非依存)とすることができる。そのため、本願記載のアライメントターゲットは、検査プロセスにて用いられる一通り又は複数通りの光学モードが変化する場合ですら、その又はそれらのアライメントターゲットを引き続き対デザイン位置揃えに用いうる点で、有益である。加えて、本願記載のアライメントターゲットは、検査サブシステムの出力生成性能が(例.その検査サブシステムの1個又は複数個の光又は電子ビームパラメタのドリフトが原因で)変化する場合ですら、対デザイン位置揃えに使用可能になりうる点で、有益である。
【0056】
更なる実施形態では、アライメントターゲットのいずれにも個別デバイスフィーチャを全く含めない。例えば、本願記載のアライメントターゲットにビルトインターゲットしか含まれないようにすることができる。この形態によれば、デザイン内に組み込まれている個別デバイスフィーチャ、例えば位置揃えが比較的容易な横及び縦フィーチャを有するデバイスフィーチャ及び/又はある種のデザイン内空間内にてある種のユニークな幾何形状を呈するデバイスフィーチャが、本願記載のアライメントターゲットに含まれないようにすることができる。そのため、ウェハ検査の分野で現用されている様々な他種アライメントターゲットに代え、本願記載のビルトインターゲットを用いることができる。
【0057】
ビルトインターゲット例えば本願記載のそれらを用いることは、プロセス変動を論理領域内ターゲットに関しうまく制御できないことからすれば、有益でありうる。本願記載のビルトインターゲットのなかにはときとして比較的見つけにくくなるものがあるが、そうしたビルトインターゲットには、通常、十分な(例.SRAM内)精度を持たせることが求められ、それによりそれらを本願記載のPDA向けの良好なターゲット候補にすることができる。加えて、本願記載のビルトインターゲット実施形態を、ダイの幾つかの部分にて、従来使用されていたアライメントターゲットに比べ高い位置揃え精度にすべく用いることができる。例えば、現用アライメント方法では、SRAMにおけるN型金属−酸化物−半導体(NMOS)又はP型金属−酸化物−半導体(PMOS)の厳密な位置等を正確に特定するのが難しかった。本願記載の如くSRAM隅部をビルトインターゲットとして用いた場合にだけ、オフセット算出が、局所的にPMOSからNMOSを分離するのに十分なほど正確になりうる。加えて、本願記載の如く選択されるビルトインターゲットは、その検査プロセスで検査されようとしている標本の層によって変わりうる。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムにて別の選択条件が用いられれば、別のアライメントターゲット1個又は複数個が選択されることとなりうる。加えて、ある特定の用法を可能にすべく、ビルトインターゲット例えばSRAM隅部のうちあるものが選択されることがありうる。この形態では、本願記載の実施形態により選択されるビルトインターゲットを、従来用いられていたもの等に比べ例えばそのコントラストや形状の面でより良質なターゲットにする必要はないけれども、より高精度な位置揃えがひときわ有益とされるダイ内領域に十分近接してそれらビルトインターゲットが所在することがありうる。
【0058】
別の実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも別の部分に、それら個別デバイスフィーチャのうち一部分が含まれる。例えば、本願記載のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分(即ちビルトインターゲット)は、個別デバイスフィーチャを含まないアライメントターゲットであるが、そのデザインで利用可能な他種アライメントターゲットに対する補充又は代用として用いることができる。この形態では、本願記載の実施形態で用いられる1個又は複数個のアライメントターゲットのうち一部分に本願記載のビルトイン型アライメントターゲットを含める一方、本願記載の実施形態で用いられる1個又は複数個のアライメントターゲットのうち他部分に他種アライメントターゲットを含めること、例えば位置揃えが割合に容易な横及び縦デバイスフィーチャを含むよう選択されたアライメントターゲット、光学モード依存なアライメントターゲット等を含めることができる。
【0059】
非ビルトインターゲットを含むアライメントターゲットを本願記載の実施形態により用いる場合、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、検査サブシステムに標本上のダイ全体(或いはダイのうち検査サブシステムを用い検査プロセス中に検査されるであろうかなりの部分)をスキャンさせてその標本に係る出力を生成するよう、且つその検査出力の対デザイン位置揃えに適したターゲットをその出力内で探すよう、構成することができる。その種の実施形態によれば、また、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、デザインのうち各非ビルトインターゲットに係る部分を捕捉するよう構成することができる。例えば、標本上に印刷されたデザインの一部分が非ビルトインターゲットとして選択された後に、その又はそれらのコンピュータサブシステムにより、そのデザインの対応部分についてその標本に係るデザインをサーチし、然る後そのデザインのうち非ビルトインターゲットに係る部分を捕捉することができる。これらのステップは、その標本を対象に実行されるべき検査プロセスのセットアップ中に実行することができる。その又はそれらのコンピュータサブシステムは、選択される非ビルトインターゲットがダイに亘りできるだけ均等に分散するよう、構成することができる。加えて、その又はそれらのコンピュータサブシステムは、その全容が説明されているかの如くこの参照を以て本願に繰り入れられるところの2010年3月9日付特許文献2(発明者:Kulkarni et ai.)に記載の如くに、非ビルトインターゲットを選択するよう構成することができる。本願記載の実施形態は更に本願記載の如く構成することができる。
【0060】
この形態によれば、本願記載の実施形態を、諸種アライメントターゲット(例.ビルトインターゲットと場合によっては非ビルトインターゲット)を用いPDAを実行するよう構成することができる。例えば、どの又はどの組のアライメントターゲットをダイの全領域について用いるべきかを知ることが常に可能であるとは限らない。ときとして、検査サブシステム出力の特定スワス内に特定種類のターゲットが十分にないため位置揃えを行えないことがありうる。加えて、特定種類のアライメントターゲットの密度が低すぎて、所望のPDA精度を提供できないことがありうる。従って、ある種の例では、諸種アライメントターゲットを同じアライメント方法で用いることが有益となりうる。
【0061】
その又はそれらのコンピュータサブシステムは、また、1個又は複数個のアライメントターゲットに係る1個又は複数個の画像を、デザインのうち、当該1個又は複数個のアライメントターゲットに対応する1個又は複数個の部分に対し、位置揃えするよう構成される。デザインのうち上掲の1個又は複数個の部分に対する上掲の1個又は複数個の画像の位置揃えは多様な形態で実行することができる。例えば、パターンマッチングその他、本件技術分野で知られている好適な位置揃え方法及び/又はアルゴリズムにより、上掲の1個又は複数個の画像をデザインのうち上掲の1個又は複数個の部分に対し位置揃えすることができる。デザインのうち上掲の1個又は複数個の部分に対し位置揃えされる上掲の1個又は複数個の画像には、本願記載の各種画像が含まれうる。加えて、デザインのうち上掲の1個又は複数個の部分には諸種情報、例えばデザインデータ自体又は本願記載の他種デザイン情報が含まれうる。このステップは、その検査サブシステムで以てその標本を対象に実行されるべき検査プロセスのセットアップ中に実行することができる。
【0062】
ある実施形態では、その又はそれらのコンピュータサブシステムが、検査サブシステムにより生成された画像においてデザインのうち上掲の1個又は複数個の部分がどのように現れるかを描出する1個又は複数個のシミュレート画像を生成するよう、且つ当該1個又は複数個の画像の位置揃えにおいて当該1個又は複数個の画像が当該1個又は複数個のシミュレート画像に対し位置揃えされるよう構成される。これらのステップは、その検査サブシステムで以てその標本を対象に実行されるべき検査プロセスのセットアップ中に実行することができる。
【0063】
そうした実施形態のうちあるものによれば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、例示ターゲットから画像レンダリングパラメタを学習するよう構成することができる。例えば、
図5に示すように、本願詳述の如く選択された1個又は複数個のターゲット500を用い、ステップ502に示す如く、その又はそれらのターゲットに係るデザインを捕捉することができる。次いで、その又はそれらのターゲットと、同ターゲットに関し捕捉されたデザインとを用い、ステップ504に示す如く、1個又は複数個の例示ターゲットに係る画像レンダリングパラメタを学習することができる。画像レンダリングパラメタの学習は、好適であるどのような形態でも(例.シミュレーションモデル又は方法のセットアップ及び/又は校正中に)実行することができる。例示ターゲットには、多くの場合論理領域内に所在しているサンプルサイトが含まれうる。加えて、例示ターゲットには、ダイのうち様々なパターンをカバーする何らかの部分、例えば密な幾何形状、粗な幾何形状等々をカバーする何らかの部分から選択された代表サンプルが含まれうる。このステップはビルトイン及び/又は非ビルトインターゲットについて実行することができる。
【0064】
その後は、その又はそれらのコンピュータサブシステムにより、各ターゲットにてデザインをもとに画像をレンダリングすることができる。このステップもまた、ビルトイン及び/又は非ビルトインターゲットについて実行することができる。光学画像・デザイン間位置揃えの困難性は、その上にそのデザインが印刷又は形成されている標本に関し検査サブシステムにより生成されるであろう光学画像とほぼ同様の見かけを有するシミュレート光学画像を、デザインをもとにレンダリングすることにより軽減することができ、それによって妥当な位置揃え精度を達成することができる。最高に正確なシミュレート画像を生成するには、そのシミュレーションに、チップデザイン及び素材に係る三次元的情報に基づきマクスウェル方程式を解くことによる電磁(EM)場のシミュレーションと、標本画像の形成に用いた検査サブシステムの光学パラメタについての後続するシミュレーションとを、組み込めばよい。さもなくば、過剰に簡略化されたレンダリングによって、ほとんど満足できない対実光学画像位置揃え結果がもたらされることとなろう。
【0065】
加えて、その後、その又はそれらのコンピュータサブシステムにより各ターゲットにてレンダリング画像及び光学画像を位置揃えすることができる。例えば、
図5のステップ506に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、その又はそれらのターゲットにてデザインをもとに1個又は複数個の画像をレンダリングするよう構成することができる。このステップもまた、ビルトイン及び非ビルトインターゲットについて実行することができる。更に
図5のステップ508に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、その又はそれらのターゲットにてその又はそれらのレンダリング画像とその又はそれらの光学画像とを位置揃えするよう、構成することができる。レンダリング画像及び光学画像の位置揃えは本願の記載に従い別様に実行してもよい。本願詳述の如くターゲット選択はオフラインで実行しうる。オフライン的性質のターゲット選択であれば、より良好なレンダリングアルゴリズム及び/又は方法(例.より複雑でより実行時間がかかるそれ)を、それらターゲットに関し検査サブシステムにより生成されるであろう画像のシミュレーションに用いることができるので、それらターゲットの標本上における印刷され具合及び検査サブシステムによるイメージングされ具合に対しより密にマッチングするシミュレート画像を提供し、ひいては不正確なデザインレンダリングに起因したマッチング結果変動を抑えることができる。
【0066】
その又はそれらのコンピュータサブシステムは、また、上掲の1個又は複数個の画像と、デザインのうち上掲の1個又は複数個の部分と、の間の一通り又は複数通りのオフセットを、当該1個又は複数個の画像を位置揃えした結果に基づき特定するよう構成される。この形態によれば、本願記載のコンピュータサブシステムを、デザイン対画像オフセットを特定するよう構成することができる。例えば、
図5のステップ510に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、一通り又は複数通りのデザイン対画像オフセットを特定するよう構成することができる。その又はそれらのコンピュータサブシステムは、また、その又はそれらのアライメントターゲット及びその又はそれらの特定済オフセットに係る情報を、ランタイム検査に備えコンピュータ可読格納媒体、例えばデータベース或いは本願記載の他のいずれかの格納媒体にセーブするよう構成することができる。例えば、
図5のステップ512に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、ランタイム検査に備え1個又は複数個のターゲット及び一通り又は複数通りのオフセットをセーブするよう構成することができる。これらのステップは、その検査サブシステムで以てその標本を対象に実行されるべき検査プロセスのセットアップ中に実行することができる。加えて、これらのステップは、ビルトインターゲットと、場合によっては非ビルトインターゲットとについて実行することができる。例えば、各検査フレームが幾つかのターゲットを有していること、またそれに非ビルトインターゲット及びビルトインターゲットが含まれていることがありうる。それら様々なターゲットを本願記載の様々な要領でデザインに対し位置揃えすることができる。それでいて、各フレーム内では、デザインに対する全利用可能ターゲットのオフセットを用い、特定個所での対デザインオフセットを特定することができる。例えば、あらゆる特定個所での対デザインオフセットを、各ターゲットでのオフセットから補間により求めることができる。但し、本願記載の如く位置揃え目的で用いうるのが、検査サブシステム出力の任意の所与フレーム内にあるアライメントターゲットのうち全てかそれともより少数かは、任意の所要用法で望まれる精度及び速度に依存する。
【0067】
デザイン対画像オフセットは、デザインのうち1個又は複数個の部分、特に上掲の1個又は複数個の画像にマッチする部分と、それに対応するデザインデータ空間座標及び検査空間(例.検査サブシステム又は標本)座標とに基づき、それぞれ、好適であるあらゆる要領で特定することができる。このデザイン対画像オフセットは、好適であるどのようなフォーマット(例.関数又は公式)を有していてもよい。加えて、デザイン対画像オフセットに係る情報は、本願に記載されており好適であるどのような格納媒体にも格納することができる。更に、デザイン対画像オフセットは、単一方向(例.x方向又はy方向)に沿い特定しても二方向(例.x方向及びy方向)に沿い特定してもよい。更に、デザイン対画像オフセットは、好適であるどのようなフォーマットを有するデザインデータ空間及び検査空間座標(例.極座標及びガウス座標)を用い特定することもできる。
【0068】
ある実施形態では、上掲の一通り又は複数通りのオフセットの特定が、標本に関し検査サブシステムにより生成された出力の各検査フレームについて実行される。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、各検査フレームに係るデザイン対画像オフセットをその又はそれらのターゲットをもとに特定するよう構成することができる。検査「フレーム」は、一般に、検査サブシステムにより生成される出力のうち比較的小規模な部分、特にそのシステムによりユニットとしてまとめて処理されうる部分として、定義することができる。従って、出力の「フレーム」は、検査サブシステムの構成によって変わりうるほか、その検査サブシステムにより生成される出力を取り扱い及び/又は処理するためそのシステムに組み込まれているいずれの部材の構成によっても変わりうる。
【0069】
その又はそれらのコンピュータサブシステムは、更に、標本上の1個又は複数個のアライメントターゲットの一通り又は複数通りの位置にて検査サブシステムにより生成された出力を、当該1個又は複数個のアライメントターゲットに係る上掲の1個又は複数個の画像に対し位置揃えするよう構成される。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、セットアップ中に捕捉した画像をランタイムに捕捉した画像に対し位置揃えするよう構成することができる。その種の一例によれば、
図5のステップ514に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、1個又は複数個のランタイム画像に対しその又はそれらのセットアップ画像を位置揃えするよう構成することができる。こうした位置揃えは、アライメントターゲット(即ち1個又は複数個のビルトインターゲットと場合によっては1個又は複数個の非ビルトインターゲット)それぞれについて実行することができる。加えて、そうした位置揃えは、その検査サブシステムで以てその標本を対象に実行される検査プロセスのランタイム中に実行することができる。更に、そうした位置揃えは本願記載の如く実行することができる。検査サブシステムにより生成されこのステップで用いられる出力には、本願記載のどのような出力も含まれうる。
【0070】
その又はそれらのコンピュータサブシステムは、また、標本上の1個又は複数個のアライメントターゲットの上掲の一通り又は複数通りの位置にて生成された出力と、当該1個又は複数個のアライメントターゲットに係る上掲の1個又は複数個の画像と、の間の一通り又は複数通りの追加オフセットを、その出力を位置揃えした結果に基づき特定するよう構成される。例えば、
図5のステップ516に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、セットアップ画像と1個又は複数個のランタイム画像との間の一通り又は複数通りのオフセットを特定するよう構成することができる。この形態によれば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、セットアップ中に捕捉した画像とランタイムに捕捉した画像との間の一通り又は複数通りのオフセットを特定するよう構成することができる。この形態における一通り又は複数通りの追加オフセットは、検査サブシステム出力をもとに生成される二種類の画像間の関係でありうる。そのため、その又はそれらの追加オフセットを、ある組の検査サブシステム又は標本空間座標を他の組の検査サブシステム又は標本空間座標へと移しうるよう組成することができる。その又はそれらの追加オフセットの特定は、その検査サブシステムで以てその標本を対象に実行される検査プロセスのランタイム中に実行することができる。このステップは、1個又は複数個のビルトインターゲットと、場合によっては1個又は複数個の非ビルトインターゲットとについて実行することができる。その又はそれらの追加オフセットの特定は本願詳述の如く実行することができる。加えて、その又はそれらの追加オフセットは更に本願記載の如く組成することができる。
【0071】
ある実施形態では、一通り又は複数通りの追加オフセットの特定が、標本に関し検査サブシステムにより生成された出力の各検査フレームについて実行される。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、セットアップ中に捕捉した画像とランタイム中に捕捉した画像との間の一通り又は複数通りのオフセットを各検査フレームについて特定するよう、構成することができる。
【0072】
その又はそれらのコンピュータサブシステムは、更に、標本上の他位置にて検査サブシステムにより生成された出力のデザインデータ空間内位置を、上掲の一通り又は複数通りのオフセット、上掲の一通り又は複数通りの追加オフセット、並びに標本上のそれら他位置にて生成された出力の標本空間内位置に基づき特定するよう構成される。出力のデザインデータ空間内位置の特定は、その検査サブシステムで以てその標本を対象に実行される検査プロセスのランタイム中に実行することができる。このステップは、1個又は複数個のビルトインターゲットと、場合によっては1個又は複数個の非ビルトインターゲットとについて実行することができる。この形態によれば、デザインデータ空間内位置を、その又はそれらのアライメントターゲットに対応するものを除き、検査サブシステム出力について特定することができる。その種のある例によれば、非アライメントターゲット位置にて生成された出力の標本空間内位置を、一通り又は複数通りの追加オフセットに入力することで、セットアップ画像(検査サブシステムにより捕捉されたアライメントターゲットの画像)に対する出力の座標を特定することができる。この形態によれば、検査サブシステム又は標本空間座標を、一通り又は複数通りの追加オフセットで以て他の検査サブシステム又は標本空間座標へと移すことができる。そして、それら移された検査サブシステム又は標本空間座標を上掲の一通り又は複数通りのオフセットに入力することで、新たな検査サブシステム又は標本空間座標をデザインデータ空間座標へと移すことができる。
【0073】
無論、この又はこれらのステップは、統合することや幾ばくか別様に実行することができる。例えば、上掲の一通り又は複数通りのオフセット及び上掲の一通り又は複数通りの追加オフセットを単一組のオフセットに換算し、それを用いてアライメントターゲット以外の個所での検査サブシステム又は標本空間座標を直にデザインデータ空間座標に移すことができる。その種の一例に係る諸実施形態では、デザインデータ空間内位置の特定において、他位置にて検査サブシステムにより生成された出力とデザインとの間の一通り又は複数通りの更なるオフセットが、上掲の一通り又は複数通りのオフセット及び上掲の一通り又は複数通りの追加オフセットに基づき特定され、更に、当該一通り又は複数通りの更なるオフセットと、標本上のそれら他位置にて生成された出力の標本空間内位置とに基づき、デザインデータ空間内位置が特定される。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、
図5のステップ518に示すように、デザイン・ランタイム画像間オフセットを特定するよう構成することができる。上掲の一通り又は複数通りの更なるオフセットの特定は、その検査サブシステムで以てその標本を対象に実行される検査プロセスのセットアップ又はランタイム中に実行することができる。このステップは、1個又は複数個のビルトインターゲットと、場合によっては1個又は複数個の非ビルトインターゲットとについて実行することができる。上掲の一通り又は複数通りの更なるオフセットを本願記載の如くまた別様に組成してもよい。
【0074】
そうした実施形態のうちあるものでは、上掲の一通り又は複数通りの更なるオフセットの特定が、その標本に関し検査サブシステムにより生成された出力の各検査フレームについて実行される。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、一通り又は複数通りのデザイン・ランタイム画像間オフセットを各検査フレームについて特定するよう構成することができる。
【0075】
もう一つの実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分に、同じ特性を有する2個以上のアライメントターゲットが含まれる。例えば、ビルトインターゲットのうち2個以上(又は全て)を同じものにすることができ、即ち、アライメントターゲットのうち2個以上を、形状、寸法、均整、向きその他、アライメントターゲットを記述するのに用いうる何らかの特性が同じであるものにすることができる。
【0076】
そうした実施形態のうちあるものでは、上掲の1個又は複数個の画像の位置揃えにおいて、上掲の2個以上のアライメントターゲットのうち1個に係る画像を、標本上の当該1個のアライメントターゲットを検査サブシステムで以てイメージングすることにより生成し、当該1個のアライメントターゲットに係る画像を、デザインのうち当該1個のアライメントターゲットに係る部分と位置揃えし、更に、当該1個のアライメントターゲットに係る画像を、当該2個以上のアライメントターゲットのうち他のものに係り検査サブシステムにより生成された画像と位置揃えすることにより、当該2個以上のアライメントターゲットのうち当該他のものに係るそれら画像をデザインの上掲部分に対し位置揃えする。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、同じであるビルトインターゲットのうち1個にて画像及びデザインを捕捉するよう構成することができる。そして、その画像をテンプレート画像として用いることができる。その種の一例では、
図6のステップ600に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、1個又は複数個のターゲットのうち1個に係る画像及びデザインを捕捉しその画像をテンプレート画像として用いるよう構成することができる。例えば、1個又は複数個のビルトインターゲットの座標を、1個又は複数個のビルトインターゲットのデザイン空間座標と、標本上でのデザインのレイアウトとに基づき、特定することができる。この形態によれば、1個又は複数個のビルトインターゲットのデザイン空間座標を標本空間又は検査サブシステム座標に変換すること、並びに検査サブシステムを用い画像を捕捉することができる。
【0077】
その又はそれらのコンピュータサブシステムは、また、
図5のステップ602に示す如くデザインに対しテンプレート画像を位置揃えするよう構成することができる。1個又は複数個のビルトインターゲットに係るデザインと、各ターゲットに係る光学画像との間の位置揃えは、この実施形態によれば、オフラインでマニュアル的に実行することができる。例えば、コンピュータサブシステムを、デザインのうちアライメントターゲットに係る部分及びそれらアライメントターゲットのうち1個の個所に関し検査サブシステムにより捕捉された画像をユーザ向けに表示するよう構成することができる。また、その又はそれらのコンピュータサブシステムにより、デザインのその部分に対し光又は電子ビーム画像を位置揃えする何らかの方法をユーザに提示することができる。加えて、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、マニュアル位置揃えの結果をユーザから受け取れるよう構成することができる。そして、そのマニュアル位置揃えの結果を本願詳述の如く用いることができる。オフラインでデザインと位置揃えされた光又は電子ビーム画像(即ちテンプレート画像)をリアルタイムでデザインに係るプロキシとして用い、マニュアルオフライン位置揃えが実行されたものと同じである他の1個又は複数個のターゲットに係る1個又は複数個の光又は電子ビーム画像と、位置揃えすることができる。この手法によれば、デザインをもとにシミュレート光学画像をレンダリングすることの困難さが排され、実質的に高い位置揃え精度を得ることができる。
【0078】
加えて、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、検査サブシステムにより捕捉された画像及びテンプレート画像を位置揃えすることにより各ビルトインターゲットにて画像に対しデザインを位置揃えするよう構成することができる。例えば、
図6のステップ604に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、テンプレート画像(デザインプロキシ)及び画像を位置揃えすることにより1個又は複数個のターゲットにて画像に対しデザインを位置揃えするよう、構成することができる。その又はそれらのコンピュータサブシステムは、検査サブシステムにより捕捉された画像に対しテンプレート画像を位置揃えすることによって、各ビルトインターゲットにて検査サブシステムにより捕捉された画像に対しデザインが位置揃えされた後に、本願詳述の如く一通り又は複数通りのデザイン対画像オフセットを特定するよう、構成することができる。これらのステップは、その標本に関し実行されるべき検査プロセスのセットアップ中に実行することができる。
【0079】
ある種の実施形態では、1個又は複数個のアライメントターゲットのうち少なくとも上掲の部分に、ダイ内位置を除き同じ特性を有する2個以上のアライメントターゲットが含まれる。例えば、ある種の例によれば、全てのビルトインターゲットを(どれにも同じ特性を持たせることにより本願詳述の如く)同じものとし、ダイに亘り分布させることができる。
【0080】
そうした実施形態のうちあるものでは、上掲の1個又は複数個の画像の位置揃えにおいて、上掲の2個以上のアライメントターゲットのうち1個に係る画像を、標本上の当該1個のアライメントターゲットを検査サブシステムで以てイメージングすることにより生成し、更に、当該1個のアライメントターゲットに係る画像を、デザインのうち当該1個のアライメントターゲットに係る部分と位置揃えする。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、あるビルトインターゲットにてデザインの一部及び画像を捕捉するよう構成することができ、捕捉した画像をテンプレート画像として用いることができる。その種の一例では、
図7のステップ700に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、1個又は複数個のターゲットのうち1個に関しデザイン及び画像を捕捉し、その画像をテンプレート画像として用いるよう構成することができ、またそれらステップを本願詳述の如く実行することができる。そして、その又はそれらのコンピュータサブシステムにより、
図7のステップ702に示すようにテンプレート画像及びデザインを位置揃えすることができ、またそれを本願詳述の如く実行することができる。加えて、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、本願詳述の如く特定されうるテンプレート対デザインオフセット並びにテンプレート画像及びデザインを、ランタイム中の使用に備えセーブするよう、構成することができる。これらのステップは本願詳述の如く実行することができる。例えば、
図7のステップ704に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、テンプレート画像、デザイン及びオフセットをランタイム向けにセーブするよう構成することができる。これらのステップは、その標本に係る検査プロセスのセットアップ中に実行することができる。
【0081】
そうした実施形態のうちあるものでは、出力の位置揃えにおいて、標本上の1個又は複数個のアライメントターゲットの上掲の一通り又は複数通りの位置にて検査サブシステムにより生成された出力を、上掲の1個のアライメントターゲットに係る画像に対し位置揃えする。例えば、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、各ビルトインターゲットにてランタイム画像に対しセットアップテンプレート画像を位置揃えするよう構成することができ、またその位置揃えを本願詳述の如く実行させることができる。その種の一例によれば、
図7のステップ706に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、1個又は複数個のターゲットにて1個又は複数個のランタイム画像に対し1個又は複数個のセットアップテンプレート画像を位置揃えするよう構成することができる。ランタイム画像に対するセットアップテンプレート画像の位置揃えの結果を用いることで、本願詳述の如く一通り又は複数通りのデザイン・ランタイム間オフセットを特定することができる。例えば、
図7のステップ708に示すように、その又はそれらのコンピュータサブシステムを、一通り又は複数通りのデザイン・ランタイム間オフセットを特定するよう構成することができる。これらのステップはその標本に係る検査プロセスのランタイム中に実行することができる。加えて、ビルトインターゲットで位置揃えに十分であり他のアライメントターゲット部位をPDAに用いなくてもよさそうな場合、
図7に示した諸ステップからなる実施形態に、本願記載の他の実施形態に示す1個又は複数個の他ステップを含めなくてもよい。ビルトインターゲットのみを用いるのであれば、位置揃え方式を、この図に示したそれに比べかなり単純にすることができる。
【0082】
ある種の実施形態では、その又はそれらのコンピュータサブシステムが、上掲の他位置にて生成された出力に基づき標本上の欠陥を検出し、当該他位置にて生成された出力のデザインデータ空間内位置に基づき、それら欠陥の検出に用いられる1個又は複数個のパラメタを特定するよう構成される。標本上の欠陥の検出は、本件技術分野で知られており好適であるあらゆる形態(例.出力にしきい値を適用し、そのしきい値を上回る値を有する全ての出力を、欠陥又は潜在的な欠陥に対応するものと判別する形態)にて、あらゆる好適な欠陥検出方法及び/又はアルゴリズムで以て実行することができる。特定される1個又は複数個の欠陥検出パラメタには、欠陥検出に用いられるあらゆる可調なパラメタ、とりわけ欠陥検出の感度に関連するそれ(例.しきい値)を含めるとよい。ある例によれば、出力のデザインデータ空間内位置を本願記載の如く特定することができる。それらデザインデータ空間内位置を用い、出力のデザインデータ空間内位置における、標本に係るデザインの一通り又は複数通りの特性を特定することができる。例えば、それらデザインデータ空間内位置を用い、その出力が生成された標本上部位に形成されているフィーチャの種類を特定することができる。そして、それらフィーチャの種類についての情報を用い、位置対位置ベースで上掲の1個又は複数個の欠陥検出パラメタを特定することができる。この形態によれば、出力のデザインデータ空間内位置を十分に高い精度で以て本願記載の如く特定することができるので、欠陥検出に用いられる1個又は複数個のパラメタを十分に高い精度で以て位置対位置ベースで調整することができ、ひいては標本上の諸位置にてデザインの特性の違いに基づき欠陥検出感度を変化させることができる。この形態によれば、そのデザインにおける潜在的DOI部位に標本上の上掲の諸位置が所在しているか否かにより、欠陥検出の感度を調整することができる。
【0083】
もう一つの実施形態では、その又はそれらのコンピュータサブシステムが、上掲の他位置にて生成された出力に基づき標本上の欠陥を検出し、当該他位置にて生成された出力のデザインデータ空間内位置に基づきそれら欠陥のデザインデータ空間内位置を特定するよう構成される。標本上の欠陥の検出は本願詳述の如く実行することができる。欠陥のデザインデータ空間内位置の特定においては、それら欠陥に対応する出力のデザインデータ空間内位置を特定し、それらデザインデータ空間内位置をそれら欠陥に割り当てればよい。従って、本願記載の実施形態によれば、出力のデザインデータ空間内位置を十分に高い精度で以て特定することができるので、欠陥位置精度がかなり高くなろう。この形態によれば、それら検出済欠陥の位置をデザインデータ空間にて特定することができるので、デザインのうち欠陥が所在している部分についての情報を、かなり簡単に且つより正確に特定することが可能になる。従って、本願記載の実施形態を用いることで、それらデザインデータ空間欠陥位置に係るデザインについての情報を十分に高い精度で以て特定することができる。そのため、本願記載の実施形態を用いることで、その標本に係るデザインに対する関連具合が他の現用システム及び方法に比べ強い検査結果を提供することができる。
【0084】
もう一つの実施形態は、検査サブシステムにより生成された出力のデザインデータ空間における位置を特定するためのコンピュータ利用実現方法に関する。本方法は、上述した1個又は複数個のコンピュータサブシステムの各機能に係るステップを有する。その検査サブシステムは本願記載の如く構成される。
【0085】
本方法の各ステップは本願詳述の如く実行することができる。本方法は、また、本願記載の検査サブシステム、及び/又は、本願記載の1個又は複数個のコンピュータサブシステム若しくはシステムにより実行可能な、他のどのようなステップ1個又は複数個を有していてもよい。本方法の諸ステップは1個又は複数個のコンピュータシステムにより実行されるものであり、それは本願記載の実施形態のいずれに従い構成することもできる。加えて、上述の方法は、本願記載のどのシステム実施形態でも実行することができる。
【0086】
更なる実施形態は、検査サブシステムにより生成された出力のデザインデータ空間における位置を特定するためのコンピュータ利用実現方法を実行すべくコンピュータシステム上で実行することが可能なプログラム命令が格納される非一時的コンピュータ可読媒体に関する。その種の一実施形態を
図8に示す。具体的には、
図8に示す非一時的コンピュータ可読媒体800内には、コンピュータシステム804上で実行可能なプログラム命令802が存している。そのコンピュータ利用実現方法には本願記載のどの方法のどのステップをも組み入れることができる。
【0087】
方法例えば本願記載のそれを実現するためのプログラム命令802を、コンピュータ可読媒体800上に格納することができる。このコンピュータ可読媒体は、磁気又は光ディスク、磁気テープ等の格納媒体であってもよく、また本件技術分野で知られており好適である他のどのような非一時的コンピュータ可読媒体であってもよい。
【0088】
プログラム命令は、就中、手続きベース技術、コンポーネントベース技術及び/又はオブジェクト指向技術を含め、様々な要領で作成することができる。例えば、ActiveX(登録商標)コントロール、C++オブジェクト、JavaBeans(登録商標)、Microsoft(登録商標)ファウンデーションクラス(“MFC”)、SSE(ストリーミングSIMDエクステンション)その他、望ましい技術又は方法を用い、プログラム命令を作成することができる。
【0089】
コンピュータシステム804は、本願記載の実施形態のいずれに従い構成することもできる。
【0090】
本願記載のどの方法にも、その方法実施形態を構成するステップのうち1個又は複数個の結果をコンピュータ可読格納媒体に格納するステップを組み入れることができる。その結果は、本願記載のどの結果を含むものであってもよいし、本件技術分野で知られているどの形態で格納してもよい。その格納媒体には、本願記載のどの格納媒体も、また本件技術分野で知られており好適である他のどのような格納媒体も含まれうる。結果を格納した後には、格納媒体内にあるその結果にアクセスし、本願記載の方法又はシステム実施形態のうちいずれかにより用いること、ユーザ向け表示に備えフォーマットすること、他のソフトウェアモジュール、方法又はシステムにより用いること等々ができる。
【0091】
本発明の諸態様の更なる変形及び代替実施形態については、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)にとり、本明細書から明らかであろう。例えば、検査サブシステムにより生成された出力のデザインデータ空間における位置を特定する方法及びシステムが提示されている。然るに、本明細書は専ら例示として解されるべきものであり、また本発明を実行するための一般的な要領をいわゆる当業者に教示することを目的としているものである。ご理解頂けるように、本願で図示及び記述した本発明の諸形態は現下の好適な実施形態と見なされるべきものである。要素及び素材を本願に図示及び記載のあるそれらに置換することができ、部品及びプロセスの順序を入れ替えることができ、また本発明の特定の特徴を独立して利用することができるのであり、これらはいずれも、本発明に係るこの明細書の利益を享受することで、いわゆる当業者には明らかとなろう。本願記載の諸要素に対しては、後掲の特許請求の範囲に記載のある本発明の神髄及び技術的範囲から離隔することなく変更を施すことができる。