(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1のシステムであって、上記一通り又は複数通りの定格値からの上記一通り又は複数通りの偏差と、一通り又は複数通りの選択済半導体プロセスばらつきと、の間の一通り又は複数通りの関係の上記判別が、更に、
上記計量ターゲットの幾何モデルを生成し、
上記計量ターゲットの上記幾何モデルに基づき一通り又は複数通りの計量指標をシミュレートし、
上記計量ターゲットの擾乱幾何モデルであり、上記一通り又は複数通りの選択済半導体プロセスばらつきにより引き起こされた上記計量ターゲットの一通り又は複数通りの改変を含む、擾乱幾何モデルを生成すること、
を含むシステム。
請求項1のシステムであって、上記一通り又は複数通りの計量指標が瞳像指標、精度、ツール誘起変位、感度、回折効率及びスルーフォーカススロープのうち少なくとも一種類を含むシステム。
請求項1のシステムであって、上記1個又は複数個の根本原因の判別が、ウェハ表面上の1個又は複数個の場所における上記一通り又は複数通りの計測済計量指標の一通り又は複数通りの値のマップの生成を含むシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に示されている被開示主題を詳細に参照する。
【0014】
図1A〜
図8を通じ、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係り、プロセスばらつきの根本原因を判別する計量データフィードフォワードシステム及び方法を示す。本件開示の諸実施形態は、モデル化された計量ターゲットの計量計測をシミュレートすることを目指している。本件開示の他の諸実施形態は、一通り又は複数通りのプロセスばらつきに従いその計量ターゲットを擾乱し、擾乱された計量ターゲットの計量計測をシミュレートすることを目指している。本件開示の他の諸実施形態は、現実の計量ターゲットについての計量計測を実行し、計量誤差を招く一通り又は複数通りの半導体プロセスばらつきを識別することでその計量誤差の1個又は複数個の根本原因を判別することを目指している。本件開示の更なる諸実施形態は、計量エクスカージョンに先立ち一通り又は複数通りのプロセスばらつきのドリフトを予測及び/又は解決することを目指している。
【0015】
認識し得るように、半導体プロセスツールにより実行される半導体プロセス(例.膜の堆積、リソグラフィ工程、エッチング工程等)は経時的にドリフトしうる。ドリフトのもとになりうる要因は、例えばツール摩耗、そのプロセスに係る制御アルゴリズムにおけるドリフト等を含め、数多くある。更に、そのドリフトはサンプルの1個又は複数個の特性に影響しかねず、ひいては一種類又は複数種類の計量計測(例.オーバレイ計測、表面プロファイル計測等)に影響しかねない。例えば、ウェハに亘るある特定の層の膜厚ばらつきにより、オーバレイ計量計測を実行する際に、正確性又は精度性能のばらつきが生じることがある。半導体プロセスばらつき存在時にロバストな性能を呈するよう計量ターゲットを設計しうるとはいえ、ターゲットフィーチャ(例.表面プロファイル、膜厚等)の偏差がしきい値を超えると、性能が所定の許容範囲外となり性能エクスカージョンを呈することとなりうる。更に、ある特定のプロセスばらつきに対する計量ターゲットのロバスト性は、その計量ツールの具体的な構成又はレシピ(例.計量計測を実行するため利用される光の波長又は光の偏波等)に加え、その計量ターゲットの光学特性(例.1個又は複数個の膜の厚み、回折効果等)により左右されうる。
【0016】
同じくここで認識し得るように、計量計測の許容範囲外偏差に係るエクスカージョンは半導体製造ライン内プロセス制御に負の影響を及ぼしかねない。更に、エクスカージョンの検出には、一時的な製造停止によりそのエクスカージョンの根本原因を判別すること(例.ドリフトしている1個又は複数個の半導体プロセスの判別、計量ツールのトラブルシューティング、計量ツールセットアップのリワーク等)が必要になりうる。
【0017】
本件開示の諸実施形態は、計量データを利用し計量性能(例.オーバレイ性能等)の偏差を判別することを目指している。注記すべきことに、計量ツールによりもたらされうる出力は、例えば計量データ(例.計量計測結果、ターゲットの像、瞳像等)、計量指標(例.精度、ツール誘起変位、感度、回折効率、スルーフォーカススロープ、側壁角、最小線幅等)等を含め数多くある。他の諸実施形態は計量性能の偏差に係る根本原因、例えば半導体プロセスのばらつき(例.半導体プロセスツールのドリフトに係るそれ)等を判別することを目指している。更に他の諸実施形態は、その計量ツール及び/又は更なる計量ツールにフィードフォワードデータを供給することを目指している。そうしたフィードフォワードデータであり、半導体プロセスのばらつき及び/又はその半導体プロセスのばらつきに係る計量計測におけるばらつきに係るデータを含むものを、(例.別のダイを対象にして、同じプロセスの別のロットを対象にして)同じツールにより又はその半導体製造ライン内の1個又は複数個の更なるツールにより利用し根本原因を緩和することで、計量エクスカージョンを防止又は軽減することができる。
【0018】
本件開示を通じ用いられている語「サンプル」は、概ね、半導体又は非半導体素材により形成された基板であって、1個又は複数個の「層」又は「膜」と、通常は光計量向けに周期的になるよう画定されているパターン化構造と、を有するもののことを指している。例えば、半導体又は非半導体素材の例としては、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、燐化インジウム等がある。基板上に形成される層は、例えばレジスト、誘電体素材、導電素材、半導体素材等を含有する。本件技術分野では様々な種類のサンプル層が知られており、語「サンプル」を本願で用いている意図は、基板及びその上に形成されるあらゆる種の層を包括することにある。
【0019】
本件開示の諸実施形態には本件技術分野で既知なあらゆる種類の計量システムを組み込むこと、例えば単一又は複数照明角分光エリプソメータ、ミュラー行列要素計測用分光エリプソメータ(例.回動補償装置を用いるもの)、単一波長エリプソメータ、角度分解エリプソメータ(例.ビームプロファイルエリプソメータ)、分光リフレクトメータ、単一波長リフレクトメータ、角度分解リフレクトメータ(例.ビームプロファイルリフレクトメータ)、結像システム、瞳結像システム、分光結像システム、スキャタロメータ等を組み込むことができる。更に、その計量システムに単一の計量ツールを具備させても複数個の計量ツールを具備させてもよい。複数個の計量ツールが組み込まれた計量システムについては特許文献1にて概述されている。一次反射光学系に依拠する集束ビームエリプソメトリについては、この参照を以てその全容が本願に繰り入れられるところの特許文献2にて概述されている。幾何光学により定まるサイズを超える照明スポットの広がりを引き起こす光回折の効果をアポダイザの使用により緩和することについては、この参照を以てその全容が本願に繰り入れられるところの特許文献3にて概述されている。同時複数入射角照明を伴う高数値開口ツールの使用については、この参照を以てその全容が本願に繰り入れられるところの特許文献4により概述されている。
【0020】
同じくここで認識し得るように、計量ツールでは、最小線幅(CD)、オーバレイ、側壁角、膜厚、プロセス間連パラメタ(例.焦点、線量等)等を含め、1個又は複数個のターゲットの特性を計測することができる。それらのターゲットには、その性質上周期的なある種の注目領域、例えばメモリダイ内格子を具備させることができる。それら計量ターゲットは、更に様々な空間特性を呈しうるものであって、通常は1個又は複数個のセルにより構成されるものであり、そのセルは、一通り又は複数通りのリソグラフィ的に別個な露出にて印刷されうる1個又は複数個の層内にフィーチャがあるセルとすることができる。それらターゲットやセルは、様々な対称性、例えば二回転対称性、四回転対称性、鏡映対称性等を有するものとすることができる。そうした計量構造の例については、この参照を以てその全容が本願に繰り入れられるところの特許文献5にて記述されている。相異なるセル又はセルコンビネーションが別々の層又は露出工程に属していてもよい。それら個別のセルを、分離された非周期的フィーチャを備える構成にしてもよいし、一、二又は三次元の周期的構造で、或いは非周期的構造と周期的構造の組合せで構成してもよい。それら周期的構造を非セグメント的なものにしてもよいし、その印刷に用いられるリソグラフィ的プロセスのミニマムデザインルールに一致又は近接する微細セグメント化フィーチャで、それら周期的構造を構成してもよい。また、それら計量ターゲットを、同じ層内、上の層内、下の層内又はその計量構造の層間にあるダミフィケーション構造と共存させ、或いは至近配置してもよい。ターゲットには、その厚みを計量ツールで計測できる複数個の層(例.膜)を具備させることができる。ターゲットには、使用に備え(例.アライメント、オーバレイ位置合わせ操作等で以て)半導体ウェハ上に配置されるターゲットデザインを具備させることができる。更に、ターゲットを、半導体ウェハ上の複数個所に所在させてもよい。例えば、ターゲットをスクライブライン内(例.ダイ間)に所在させてもよいし、及び/又は、ダイ自体の内部に所在させてもよい。この参照を以て本願に繰り入れられるところの特許文献1に記載の如く、複数個のターゲットを同じ計量ツール又は複数個の計量ツールにより同時又は順繰りに計測してもよい。その計量ツールからの計量データを、半導体製造プロセスにて例えばそのプロセス(例.リソグラフィ工程、エッチング工程等)に対するフィードフォワード、フィードバック及び/又はフィードサイドウェイ補正に利用することで、遺漏なきプロセス制御ソリューションを提供することができる。
【0021】
図1Aは、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係る計量システムのブロック図である。ある実施形態に係るシステム100は、照明ビーム104を生成するよう構成された照明源102を有する計量サブシステムを備える。照明ビーム104は、例えば、紫外(UV)輻射、可視輻射、赤外(IR)輻射等を含め、一通り又は複数通りの所定波長の光を含むものとすることができる。他の実施形態では、照明源102により放射される照明ビーム104の輻射波長が可調とされる。この場合、照明ビーム104の輻射波長を、どういった所定輻射波長(例.UV輻射、可視輻射、赤外輻射等)にあわせてもよい。更に、照明ビーム104が1本又は複数本の輻射ビームを含んでいてもよい。
【0022】
照明源102が、照明ビーム104を生成するのに適し本件技術分野で既知な、いずれの照明源を有していてもよい。例えば、照明源102を、単色光源(例.レーザ)、複数個の離散的な波長を含むスペクトルを呈する多色光源、広帯域光源、波長掃引光源等を有するものとすることができる。更に、照明源102を、例えば白色光源(例.可視波長を含むスペクトルを有する広帯域光源)、レーザ光源、フリーフォーム照明源、単極照明源、多極照明源、アーク灯、無電極ランプ、レーザ維持プラズマ(LSP)光源等で構成することができる。更に、照明ビーム104を自由空間伝搬や導波光(例.光ファイバ、光パイプ等)により送給してもよい。
【0023】
他の実施形態では、照明源102によりサンプル106へと差し向けられる照明ビーム104が照明路108を通る。この照明路108には1個又は複数個のレンズ110を具備させることができる。更に、この照明路108には、照明ビーム104を修正及び/又は調光するのに適した1個又は複数個の更なる光学部品112を具備させることができる。例えば、1個又は複数個の光学部品112に、1個又は複数個の偏向器、1個又は複数個のフィルタ、1個又は複数個のビームスプリッタ、1個又は複数個のディフューザ、1個又は複数個のホモジナイザ、1個又は複数個のアポダイザ、1個又は複数個のビーム整形器等を具備させるとよい。ある実施形態では照明路108がビームスプリッタ114を有する。他の実施形態では、計量サブシステムが、サンプル106上の1個又は複数個の場所へと照明ビーム104を合焦させる対物レンズ116を備える。
【0024】
照明源102が照明路108を介し照明ビーム104をサンプルへと差し向ける角度は、どのような角度でもよい。ある実施形態では、照明源102が、そのサンプル106の表面に対し直交する入射角にて、サンプル106へと照明ビーム104を差し向ける。他の実施形態では、照明源102が、ある角度(例.視射角、45°角等)にてサンプル106へと照明ビーム104を差し向ける。他の実施形態では、サンプル106上への照明ビーム104の入射角が可調とされる。例えば、ビームスプリッタ114及び対物レンズ116を通る照明ビーム104の経路を調整することで、サンプル106上への照明ビーム104の入射角を制御することができる。その際、ビームスプリッタ114及び対物レンズ116を通る照明ビーム104の基準経路を、その照明ビーム104がサンプル106上で直交入射角を呈するような経路にしてもよい。更に、ビームスプリッタ114上での照明ビーム104の位置及び/又は角度を(例.可回動ミラー、空間光変調器、フリーフォーム照明源等により)修正することにより、サンプル106上への照明ビーム104の入射角を制御してもよい。
【0025】
他の実施形態に係るシステム100は、サンプル106を保持するのに適したステージアセンブリ118を備える。そのステージアセンブリ118が、本件技術分野で知られているどのようなサンプルステージアーキテクチャを有していてもよい。例えば、ステージアセンブリ118がリニアステージ等を有していてもよい。また例えば、ステージアセンブリ118が回動ステージ等を有していてもよい。更に、サンプル106の例としてはウェハ例えば半導体ウェハがある。
【0026】
他の実施形態では、計量サブシステムが、サンプル106に発し集光路122を辿る輻射を捉えるよう構成された1個又は複数個の検出器120を備える。例えば、サンプル106から(例.鏡面反射、拡散反射等により)反射又は散乱されてくる輻射を、検出器120により受け取るようにするとよい。また例えば、サンプルにより生成された輻射(例.照明ビーム104の吸収に連携しての発光等)を検出器120により受け取るようにしてもよい。更に例えば、サンプル106からの一通り又は複数通りの回折次数の輻射(例.0次回折光、±1次回折光、±2次回折光等)を検出器120により受け取るようにしてもよい。更に、ここで注記すべきことに、その1個又は複数個の検出器120は、サンプル106から受け取った照明を計測するのに適していて本件技術分野で既知な、どのような光検出器を有するものでもよい。例えば、検出器120がCCD検出器、TDI検出器、光電子増倍管(PMT)、アヴァランシェフォトダイオード(APD)等を有していてもよい。他の実施形態では、検出器120が、サンプル106に発する輻射の波長を識別するのに適した分光検出器を有するものとされよう。更に、集光路122が、対物レンズ116により集光された照明を方向転換させ及び/又は修正する複数個の光学素子、例えば1個又は複数個のレンズ124、1個又は複数個のフィルタ、1個又は複数個の偏向器、1個又は複数個のビームブロック、1個又は複数個のビームスプリッタ等を有していてもよい。更に、計量サブシステムに複数個の検出器120(例.1個又は複数個のビームスプリッタにより生成された複数本のビーム路に係るもの)を具備させることで、その計量サブシステムが(例.複数個の計量ツールで)複数回の計量計測を行えるようにしてもよい。
【0027】
他の実施形態に係るシステム100は、検出器120に可通信結合されたコントローラ126を備える。例えば、コントローラ126を、計量データ(例.計量計測結果、ターゲットの像、瞳像等)、計量指標(例.精度、ツール誘起変位、感度、回折効率、スルーフォーカススロープ、側壁角、最小線幅等)等の計量データを受け取りうるよう構成することができる。他の実施形態ではコントローラ126が照明源102に可通信結合される。例えば、コントローラ126により照明源102に指令し、一通り又は複数通りの所定波長の照明を(例.フィードバックに応じ)発生させることができる。総じて、コントローラ126は、計量サブシステム内のどの要素と可通信結合させてもよい。他の実施形態では、照明ビーム104及びサンプル106がなす入射角の調整を指令しうるよう、コントローラ126が光学部品112及び/又は照明源102に可通信結合される。更に、コントローラ126により、検出器120から受け取ったデータを分析し、更にそのデータを計量サブシステム内又はシステム100外の更なる部材へと送ることができる。ここでご認識頂けるように、本件開示の各所に記載されている諸ステップは、単一のコントローラ126にて実行することも、或いは複数個のコントローラ126にて実行することもできる。同じくここで注記すべきことに、そうした1個又は複数個のコントローラ126は、共通のハウジング内に収容してもよいし、複数個のハウジング内に収容してもよい。このように、どのようなコントローラ又はコントローラコンビネーションも、完備したシステム100への統合に適したモジュールとして個別にパッケージングすることができる。
【0028】
他の実施形態ではコントローラ126が1個又は複数個のプロセッサ128を有する。他の実施形態では、その1個又は複数個のプロセッサ128が、記憶媒体130又はメモリ内に保持されている一組のプログラム命令を実行するよう構成される。更に、そのコントローラ126が、記憶媒体130内に格納されており1個又は複数個のプロセッサ128により実行される1個又は複数個のプログラム命令が組み込まれた、1個又は複数個のモジュール(例.計量性能分析モジュール等)を備えていてよい。コントローラ126に備わる1個又は複数個のプロセッサ128は、本件技術分野で知られているどのような処理要素を有するものでもよい。その意味では、1個又は複数個のプロセッサ128が、アルゴリズム及び/又は命令を実行するよう構成されたどのようなマイクロプロセッサ型デバイスを有していてもよい。ある実施形態では、その1個又は複数個のプロセッサ128が、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、パラレルプロセッサその他のコンピュータシステム(例.ネットワークに接続されたコンピュータ)であって、本件開示に記載の如く本システム100を動作させるよう構成されたプログラムを実行すべく構成されたものにより、構成されよう。同じくご認識頂けるように、語「プロセッサ」は、非一時的記憶媒体130に発するプログラム命令を実行する1個又は複数個の処理要素を有するあらゆるデバイスが包含されるよう、広義に定義することができる。
【0029】
記憶媒体130は、連携先の1個又は複数個のプロセッサ128により実行可能なプログラム命令を格納するのに適していて本件技術分野で既知な、どのような格納媒体を有していてもよい。例えば、記憶媒体130が非一時的記憶媒体を有していてもよい。また例えば、記憶媒体130が、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気又は光学記憶デバイス(例.ディスク)、磁気テープ、固体ドライブ等を有していてもよい。同じく注記すべきことに、記憶媒体130を、1個又は複数個のプロセッサ128と共に共通コントローラハウジング内に収容してもよい。ある実施形態では、記憶媒体130が、1個又は複数個のプロセッサ128及びコントローラ126の物理的な場所に対しリモートに所在することとなろう。例えば、コントローラ126に備わる1個又は複数個のプロセッサ128が、ネットワーク(例.インタネット、イントラネット等)を介しアクセスしうるリモートメモリ(例.サーバ)にアクセスするようにしてもよい。従って、上掲の記述は単なる例示に過ぎず、本発明に対する限定事項として解釈すべきではない。
【0030】
図1Bは、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係る計量システムのブロック図である。
図1Bに示すシステム100は
図1Aに示したシステム100の代替実施形態と見ることができる。ある実施形態では、照明路108及び集光路122が別々の要素で構成される。例えば、照明路108では第1合焦素子110を利用して照明ビーム104をサンプル106上に合焦させるようにするとよく、集光路122では第2合焦素子116を利用してサンプル106からの輻射を集めるようにするとよい。その際、第1合焦素子110の数値開口と第2合焦素子116の数値開口とが異なっていてもよい。更に、ここで注記すべきことに、
図1Bに示すシステム100では、サンプル106の複数角照明及び/又は複数個の照明源102(例.1個又は複数個の更なる検出器120に結合されたそれ)が実現可能である。従って、
図1Bに示すシステム100により複数通りの計量計測を実行することができる。他の実施形態では、サンプル106周りで枢動する可回動アーム(図示せず)上に1個又は複数個の光学部品112が実装され、そのサンプル106上への照明ビーム104の入射角がその可回動アームの位置により制御されることとなろう。
【0031】
図2は、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係るフィードバック込みシステム100を示すブロック図である。ある実施形態に係るシステム100は1個又は複数個の計量ツール202を備える。本システム100に係る計量ツール202を、複数個のスタンドアロン計量ツール202に係るものとしてもよいし、単一の計量システム内で組み合わせてもよい。他の実施形態では、それら計量ツール202の出力として計量データ(例.計量計測結果、ターゲットの像、瞳像等)又は計量指標(例.精度、ツール誘起変位、感度、回折効率、スルーフォーカススロープ、側壁角、最小線幅等)がもたらされる。他の実施形態では、計量ツール202のそうした出力がデータベース204にて受け取られ、そこに計量ツール202の出力が格納される。
【0032】
他の実施形態に係るシステム100は計量性能分析モジュール206を備える。ある実施形態では、その計量性能分析モジュール206が(例.現在の計量ターゲット及び/又は1個若しくは複数個の特徴付け済計量ターゲットに係る計量出力の)データベース204から計量出力(例.計量データ、計量指標等)を受け取る。他の実施形態では、その計量性能分析モジュール206が計量ツール202のうち1個又は複数個から直に(例.データベース204を用いることなく)計量出力を受け取る。
【0033】
他の実施形態では、計量性能分析モジュール206がそれら計量出力を監視し、定格値からの一通り又は複数通りの偏差(例.一通り又は複数通りの計量指標の偏差、一通り又は複数通りのターゲット特性の偏差等)を識別する。更に、その計量性能分析モジュール206にて、それら計量ツール202からの計量出力の計測済偏差に寄与しているかもしれない計量ターゲットに係る1個又は複数個の半導体プロセスにおける一通り又は複数通りのばらつきを、識別してもよい。ある実施形態では、その計量性能分析モジュール206により、対称的プロセスばらつき(例.計量ターゲット上の1個又は複数個の膜の厚みの変容等)及び/又は非対称的プロセスばらつき(例.非対称的エッチングプロファイル等)であって計量ターゲットの性能を劣化させかねないものが、識別される。例えば、対称的及び/又は非対称的プロセスばらつきにより、オーバレイターゲットに係るオーバレイ計測の精度が劣化することがある。
【0034】
更に、計量性能分析モジュール206では、計量ターゲットに係るどういった種類の半導体プロセスでの偏差、例えば膜厚パラメタ、波長の関数たる実屈折率値、波長の関数たる虚屈折率値(例.1個又は複数個の吸収ピークに係るもの)、局所的平坦度、応力/歪み等を識別するようにしてもよい。加えて、その計量性能分析モジュール206にて、計量ターゲットパラメタにおける偏差、例えば最小線幅、誘起トポグラフィ、ディッシング、浸食、側壁角、側壁角の非対称性等を識別してもよい。他の実施形態では、その計量性能分析モジュール206により、セル間、ダイ間、サンプル106上の場所別、ロット内サンプル横断、ロット横断等のプロセスばらつき又は計量ターゲットパラメタばらつきが識別される。
【0035】
他の実施形態では、計量分析モジュール206により、計量出力の識別済偏差に係る1個又は複数個の根本原因が判別される。例えば、その計量分析モジュール206にて、一通り又は複数通りのプロセスばらつき(例.半導体プロセスツールにより実行される1個又は複数個の半導体プロセスに係るドリフト及び/又はプロセス偏差等)であって、計量出力の計測済偏差について少なくとも部分的に原因となるものを、識別するとよい。更に、その計量分析モジュール206にて、その一通り又は複数通りの識別済プロセスばらつきを(例.識別済プロセスばらつきのサンプルマップを生成すべく)サンプル106上の場所の関数として特徴付けてもよい。計量データの偏差についてサンプルマップを生成しそれをコントローラ126により利用することで、根本原因の識別を実現し及び/又は目標付フィードバックを供給してもよい。例えば、ある種の半導体プロセスでは共通のプロセスばらつきが現れがちである(例.酸化膜層の化学気相成長では膜厚の「ソンブレロプロファイル」が現れがちである、ハードマスクの化学気相成長では「ドーム状」膜厚プロファイルが現れがちである等)。
【0036】
一通り又は複数通りの計量出力の偏差について計量性能分析モジュール206により1個又は複数個の根本原因を識別し、それを本システム100により利用することで、更なる計量工程に修正内容を(例.計量データのフィードフォワードにより)供給することができる。ある実施形態では、計量ツール202による1個又は複数個の更なる計量工程のレシピの修正のため、その計量性能分析モジュール206により、計量性能データ(例.一通り又は複数通りの識別済プロセスばらつきに係るデータ)がレシピ制御モジュール208に供給される。例えば、1個又は複数個の計量ツール202のレシピを修正することでその空間サンプリングシグネチャを変化させ、それにより計量指標(例.オーバレイ計量指標の感度又は精度)における偏差を補償してもよい。また例えば、1個又は複数個の計量ツール202のレシピを(例.照明ビーム104の波長及び/又は偏波を調整することにより)修正することで、検出済プロセスばらつきに対する計量性能の依存性を低減するようにしてもよい。他の実施形態では、その計量性能分析モジュール206により計量性能データ(例.一通り又は複数通りの識別済プロセスばらつきに係るデータ)をターゲット制御モジュール210に供給することで、計量ターゲットの修正が(例.1個又は複数個の計量ツール202及び/又は半導体プロセスツールに対し)指令される。例えば、ターゲット制御モジュール210にて、その識別済プロセスばらつきに対しあまり敏感でない計量ターゲットを識別してもよい。他の実施形態では、現計量工程に係るデータがデータベース204に供給される(例.計量性能分析モジュール206により計量性能データを供給してもよいし、計量ツール202により用いられる一通り又は複数通りのレシピをレシピ制御モジュール208により供給してもよいし、計量ツール202により特徴付けされた1個又は複数個の計量ターゲットをそのターゲット制御モジュール210により提示してもよい等)。他の実施形態では、計測プロセスに対するシミュレーションに係る計量データを利用することで、根本原因分析向けにデータが校正される。
【0037】
ここで注記すべきことに、計量性能の偏差は、計量データのフィードフォワードを媒介にして補償及び/又は緩和することができる。更に、計量データのフィードフォワードにより本システム100の性能を所定公差内に保持し、エクスカージョンを低減又は排除することができる。ある実施形態では、計量性能分析モジュール206により供給された計量性能データがシステムオペレータに送られよう。例えば、1個又は複数個の半導体プロセスのドリフト(例.製造ライン上の1個又は複数個の半導体プロセスツールに係るもの)について、エクスカージョンに先立ちシステムオペレータに警告することができる。これを受け、システムオペレータは、対応する半導体プロセスツールに対し必要な保守を施し、その製造ラインのスループットへの影響を抑えることができる。計量エクスカージョンの場合、計量性能分析モジュール206により供給される計量性能データにより更なる情報を供給することで、問題の源泉での補正動作が可能となる。
【0038】
他の実施形態では、1個又は複数個の先行計量工程に係る計量性能データ(例.データベース204によりもたらされるもの)を利用し、現計量工程に対する1個又は複数個の半導体プロセスのばらつきの影響が(例.フィードフォワード計量データを媒介にして)予測される。例えば、複数個の利用可能な計量ターゲットについて予期される計量性能を計量性能分析モジュール206により算出し、そのフィードバックに依拠し現計量工程向けに最適な計量ターゲットを識別することができる。また例えば、予期される不確定性又はバイアスであり計量サンプリング又はオーバレイモデルの関数たるものを、そのフィードバックに基づき算出してもよい。これを受け、計量性能分析モジュール206が(例.レシピ制御モジュール208及び/又はターゲット制御モジュール210を介し)計量ツール202へと更なるフィードバックを供給することで、予期されるあらゆる性能偏差を、その計量計測工程に先立ち、レシピ、計量ターゲット、計量サンプリング、制御モデル等の関数たる識別済プロセスばらつきの予測済の影響に基づき緩和することができる。
【0039】
例えば、計量データ(例.膜厚、屈折率等)を、サンプル106上での場所の関数として計量性能分析モジュール206により生成してもよい。そうした場合、計量性能分析モジュール206への計量データのフィードフォワード(例.データベース204を介してのそれ)により精度の予測を行うことができ、且つサンプル106上での場所の関数たるフィードフォワード計量データの正確性を評価することができる。従って、露出ツールコレクタブルの生成に用いられる計量モデルの値に対するプロセスばらつきの影響を、予測することができる。更に、その計量モデルのバイアス及び残差を、レシピ及び/又は計量ターゲットのどのような算出済ばらつきについても収集することができる。その際、その計量ツール202についての計量パラメタを現計量工程に先立ち供給することで、露出ツールコレクタブルを最適化し又はモデル残差を抑えることができる。加えて、計量性能分析モジュール206により検査システム、例えばエッチング後検査システムや現像後検査システムの一部として、(例.コレクタブル、サンプリングばらつき等たる)フィードバックを供給してもよい。更に、計量データばらつきの根本原因の判別により、現像後検査に係るデータをエッチング後検査バイアスに関連付ける(例.それによりサンプル106上の犠牲層に係る影響を定量する)手段を提供することができる。
【0040】
ある実施形態では、計量データのフィードフォワードに基づく現計量工程への修正内容が、後続のターゲット、ダイ、ウェハ、ロット等についてリアルタイムに(例.計量性能分析モジュール206により)自動生成される。他の実施形態では、フィードフォワード計量データに基づく現計量工程への推奨修正内容が、検証及び/又は認可のためシステムオペレータに提示される。
【0041】
他の実施形態では、計量データ(例.フィードフォワード計量データ)を利用することで、1個又は複数個の半導体プロセスに対する(例.膜厚、エッチング非対称性等に対する)計量ツール202の感度が最適化される。例えば、半導体プロセスに対する計量ツール202の感度の最適化により、幾つかある半導体プロセスのうちいずれがドリフト中でありうるかについて、正確な判別を行うことができる。また例えば、その製造ライン内での1個又は複数個の工程の、複数通りのレシピ及び/又は計量ターゲットの計測結果を、それら計量ツール202により供給することで、計量性能に対する一通り又は複数通りのプロセスばらつきの格別な影響を分離させること(例.計量データの計測済偏差とそれら偏差の1個又は複数個の根本原因との間の相関を分離及び強調すること)ができる。
【0042】
他の実施形態に係るシステム100では、計量ツール202の様々なレシピを様々な目的で利用することができる。例えば、プロセスばらつきに対しロバスト(頑丈・鈍感)な第1レシピはオーバレイ計測に利用することができる。加えて、プロセスばらつきに対しセンシティブ(脆弱・敏感)な第2レシピは根本原因分析に利用することができる。その際、同じ計量ターゲットを複数通りの機能向けに用いることができる。他の実施形態では、複数個の計量ターゲットが用いられうる(例.プロセスばらつきに対しロバストな第1計量ターゲットがオーバレイ計測向け、プロセスばらつきに対しセンシティブな第2計量ターゲットが根本原因分析向け)。更に、計量ツール202に係るレシピ及び/又は計量ターゲットは、例えば自動レシピ最適化を含め本件技術分野で知られているどのような方法を媒介にして本システムにより選定してもよい。他の実施形態では、2個の計量ターゲット及び/又は2個のレシピの組合せ計測に基づく指標を利用することで、計測済計量データばらつきの根本原因が判別されよう。例えば、プロセスロバストなターゲットを用いた計量計測とプロセスセンシティブなターゲットを用いた計量計測との間の差異により、プロセスセンシティブなターゲットの不正確性の物差しを提供することで、根本原因の判別を容易にすることができる。
【0043】
他の実施形態では、計量ターゲット(例.オーバレイ計量ターゲット等)を1個又は複数個の処理工程の後に分析することで、個別の処理工程の性能が、計量ターゲット対プロセスばらつき(例.膜層の屈折率及び厚みの組み合わせたる光路差(OPD)のばらつき等)により特徴付けされよう。例えば、計量性能分析モジュール206にて、1個又は複数個のエッチング工程の後又は1個又は複数個のリソグラフィ工程の後に計量データを監視等するとよい。更に、その計量性能分析モジュール206にて、いずれの処理工程の後に別組の計量データを監視するとよい。
【0044】
図3は、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係る計量システム性能分析方法を示すフロー図である。出願人が注記するのは、システム100の文脈に従い本願中で前述した諸実施形態及び実現技術を、方法300に敷衍されるように解釈すべきだということである。とはいえ、同じく注記すべきことに、本方法300はシステム100のアーキテクチャに限定されない。
【0045】
ある実施形態に係る方法300は、コントローラ126の記憶媒体130上に格納されており1個又は複数個のプロセッサ128により実行される、1個又は複数個のコマンド命令に係るものである。例えば、本方法300に、計量ターゲット構造に係る不確定性分析を組み入れることができる。
【0046】
ステップ302では1個又は複数個の計量データセットを受け取る。例えば、本件開示の1個又は複数個の実施形態に従い、計量性能分析モジュール206にて、1個又は複数個の計量データセットをデータベース204及び/又は計量ツール202から受け取ればよい。ある実施形態では、その1個又は複数個の計量データセットに、例えば計量データ(例.計量計測結果、ターゲットの像、瞳像等)又は計量指標(例.精度、ツール誘起変位、感度、回折効率、スルーフォーカススロープ、側壁角、最小線幅等)が含まれる。他の実施形態では、その計量性能分析モジュール206により、計量データセット内の一通り又は複数通りの値であり定格値からの偏差を表すものが識別される。例えば、その計量ツール202に係る瞳像により、計量ターゲット上での一通り又は複数通りの半導体プロセスばらつきを示すデータ(例.瞳像内の1個又は複数個のフィーチャ)をもたらすことができる。
【0047】
ステップ304では、本件開示の1個又は複数個の実施形態に従い計量ターゲットの幾何モデルを生成する。例えば、計量ターゲット(例.オーバレイターゲット、サンプル106上の1個又は複数個のフィーチャ等)の幾何モデルを、計量性能分析モジュール206により生成し又は(例.システムオペレータにより)インポートすればよい。その際にはその計量ターゲットのパラメタ化バージョンが生成される。加えて、プロセスモデリング用の幾何エンジンの使用は、KLA−TENCORにより提供されるACUSHAPE(登録商標)ソフトウェアプロダクトにて実現されている。
【0048】
ステップ306では、本件開示の1個又は複数個の実施形態に従い、その計量ターゲットの幾何モデルに基づき一通り又は複数通りの計量指標をシミュレートする。ある実施形態では、計量性能分析モジュール206により、計量ツール202により一通り又は複数通りのレシピ及び/又は1個又は複数個の計量ターゲットに関連付けられた一通り又は複数通りの計量指標の値が予測される。ある実施形態では、計量ツール202が計量ターゲットに係る物理的パラメタ(例.表面プロファイル、1個又は複数個の物体間の間隔(例.オーバレイターゲットのそれ)等)を直に計測する。他の実施形態では、ある計量データセットに係る1個又は複数個の注目パラメタが、1個又は複数個の情報処理モデルを用い生成又は確認される。例えば、サンプル106上の計量ターゲットとの照明ビーム104の光学的相互作用を、電磁(EM)ソルバを用いモデル化等してもよい。更に、そのEMソルバでは、厳密結合波分析(RCWA)、有限要素法分析、モーメント法分析、面積分技術、体積積分技術、有限差分時間領域分析等を含め、本件技術分野で既知なあらゆる方法を利用することができる。加えて、集まったデータを、例えばライブラリ、高速減次(fast-reduced-order)モデル、回帰、マシン学習アルゴリズム例えばニューラルネットワーク、サポートベクタマシン(SVM)、次元縮退アルゴリズム(例.主成分分析(PCA)、独立成分分析(ICA)、局所線形埋込(LLE)等)、データのスパース表現(例.フーリエ又はウェーブレット変換、カルマンフィルタ、同種又は別種ツールからのマッチングを促進するアルゴリズム等)等を含め、データ当てはめ及び最適化技術を用い分析してもよい。例えば、データの収集及び/又は当てはめは、KLA−TENCORにより提供される信号応答計量(SRM)ソフトウェアプロダクト等により実行するとよい。
【0049】
他の実施形態では、計量ツール202により生成された生データが、モデル化、最適化及び/又は当てはめを含まないアルゴリズム(例.相特性化等)により分析される。ここで注記すべきことに、コントローラ126により実行される情報処理アルゴリズムは、例えば、並列化、分散情報処理、負荷バランシング、マルチサービスサポート、情報処理ハードウェアの設計及び具体化、動的負荷最適化等を通じ、計量アプリケーション向けに仕立てることが、必須ではないが可能である。更に、諸実現形態のアルゴリズムを、(例.ファームウェア、ソフトウェア、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等を媒介にして)コントローラ126に実行させることや、計量サブシステムに係る1個又は複数個のプログラマブル光学素子に実行させることが、必須ではないが可能である。
【0050】
ステップ308では、本件開示の1個又は複数個の実施形態に従い、その計量ターゲットの擾乱幾何モデルを生成する。ある実施形態では、計量ターゲットの幾何モデル(例.ステップ304にて導出されたモデル)が一通り又は複数通りの選択済半導体プロセスばらつきに従い擾乱される。擾乱幾何モデルは、計量性能分析モジュール206により生成することや(例.システムオペレータにより)インポートすることができる。例えば、計量ターゲットの幾何モデルに係る1個又は複数個の膜の厚みを修正してもよい。また例えば、計量ターゲット内部材の実又は虚屈折率値(例.注目レシピに係る一通り又は複数通りの輻射波長に係るもの)を修正してもよい。更に例えば、計量ターゲット(例.格子オーバ格子計量オーバレイターゲット)に備わる1個又は複数個の部材の側壁角を修正してもよい。
【0051】
ステップ310では、本件開示の1個又は複数個の実施形態に従い、一通り又は複数通りの半導体プロセスばらつきに基づき一通り又は複数通りの計量指標の一通り又は複数通りのばらつきをシミュレートする。ある実施形態では、計量性能分析モジュール206により、ステップ306にて実行された情報処理及び/又はシミュレーションがその擾乱幾何モデル(例.ステップ308で導出された擾乱幾何モデル)を対象にして繰り返される。その場合、その計量性能分析モジュール206にて、計量ツール202によりもたらされた計量指標の一通り又は複数通りの値と、ステップ308にてモデル化された一通り又は複数通りの選択済半導体プロセスばらつき(例.計量ターゲットに係る1個又は複数個の膜の厚み、計量ターゲット内部材の実又は虚屈折率値、計量ターゲットに備わる1個又は複数個の部材の側壁角等のばらつき)と、の間の一通り又は複数通りの関係を判別することができる。他の実施形態では、計量指標の偏差と既知の半導体プロセスばらつきとの間の、求まった関係が(例.データベース204内に)記録される。
【0052】
ステップ312では、計量ツール202によりもたらされる計測済計量データ(例.定格値からの一通り又は複数通りの偏差を含むそれ)の一通り又は複数通りの根本原因を判別する。ある実施形態では、計量性能分析モジュール206が、一通り又は複数通りの計量指標の一通り又は複数通りの値と、ステップ304〜310にて生成された一通り又は複数通りの選択済半導体プロセスばらつきと、の間の一通り又は複数通りの記録済関係を利用することで、ステップ302にて計測された計量指標にて生起する一通り又は複数通りの半導体プロセスばらつきを判別する。更に、計量性能分析モジュール206にて、サンプル106上での場所の関数たる1個又は複数個の半導体プロセスのマップを生成してもよい。例えば、その計量性能分析モジュール206により、そのサンプル106の表面に亘り膜の厚みを提供することで、その膜の厚みが中央で最高でありそのサンプル106の縁に向かうにつれ減少していくことを、明らかにすることができる。その計量性能分析モジュール206により、更に、膜の不均一付着が原因で計量ターゲット(例.オーバレイターゲット)の精度がサンプル106上での計量ターゲットの径方向位置により変化しうることを、明らかにすることができる。また例えば、その計量性能分析モジュール206により計量ターゲット上のフィーチャの側壁角を提供することで、それらフィーチャの側壁角又はそれらの非対称性がそのサンプル106の表面に亘り直線的に変化していることを、明らかにすることができる。その計量性能分析モジュール206により、更に、エッチング処理工程に係る偏差が原因で計量ターゲット(例.オーバレイターゲット)の精度がそのサンプル106上での計量ターゲットの直線位置により変化しうることを、明らかにすることができる。
【0053】
ここで注記すべきことに、計量システムの性能を分析する方法300についての記述は専ら例証目的で提示されたものであり、限定事項として解釈されるべきではない。他の実施形態では、計量性能分析モジュール206により、計測済計量指標の一通り又は複数通りの偏差の1個又は複数個の根本原因が回帰分析を媒介にして判別される。例えば、その計量性能分析モジュール206にて、回帰分析技術を利用し、計量ターゲットの幾何及び光学パラメタと、計量データ例えば計量ツール202に係る実像及び/又は瞳像と、の間の関係を判別することができる。他の実施形態では、その計量性能分析モデル206により、計測済計量指標の一通り又は複数通りの偏差の1個又は複数個の根本原因が、シミュレーションステップと回帰分析ステップとの組合せを媒介にして判別される。
【0054】
他の実施形態に係るシステム100は、スキャタロメトリオーバレイ計量ツールとして動作する1個又は複数個の計量ツール202を備える。更に、本システム100内のコントローラ126に係る計量性能分析モジュール206により、計量ツール202の瞳像の分析を通じ半導体プロセスばらつきを識別及び評価することができる。計量ツール202の瞳像を、計量データ偏差(例.オーバレイ計測性能に影響を及ぼしうるプロセスばらつき)の1個又は複数個の根本原因の判別用の計量指標として用いることについて、以下、より詳細に記述することにする。例えば、その計量性能分析モジュール206にて計量サブシステムの瞳像内の1個又は複数個の瞳フィーチャを監視することで、対称的及び非対称的プロセスばらつきの双方を識別することができる。注記すべきことに、計量ツール202の瞳像を、計量データ偏差の1個又は複数個の根本原因の判別用の計量指標として用いることについての記述は、専ら例証目的で提示されたものであり、限定事項として解釈されるべきものではない。概して、計量ツール202により生成されるどのような計量データを、計量データ偏差の1個又は複数個の根本原因の判別に用いてもよい。
【0055】
ここで認識し得るように、スキャタロメトリオーバレイ計量ツールにて利用される計量ターゲット(例.オーバレイターゲット等)は、通常、格子オーバ格子構造を有する。格子オーバ格子スキャタロメトリオーバレイターゲットのセルは、例えば、その計量ターゲットの第1層内に第1群の周期的構造(例.回折格子)を備え、それが第2層内の少なくとも第2群の周期的構造の上方に積層されたものとなろう。その場合、その計量ターゲットのセルは、積層されている少なくとも2個の回折格子により形成される。加えて、オーバレイターゲットが、それら複数個の回折格子間で所定のオフセット(例.側方移動分)が異なる複数個のセルを有していてもよい。その場合、セルそれぞれに亘り一定なオフセットがオーバレイ計測により計測されるので、それを半導体プロセスでの2個の層のアライメント誤差に関連付けることができる。
【0056】
同じくここで認識し得るように、スキャタロメトリオーバレイ計量ツールでは、サンプル106上の計量ターゲットに入射する照明ビーム104により、くっきりとした回折パターンが生成され、少なくとも部分的に検出器120で検出される。例えば、像面に所在する分光器は、計量ツール202により捉えられた輻射の波長(例.その入射瞳を通り入射する輻射の波長)に係るデータをもたらすことができる。スキャトロメトリオーバレイ計量ツールの瞳面に所在する検出器120(例.CCD検出器)により、本システムに光が入射する角度に係るデータがもたらされる。その際、瞳面内の各画素により、照明ビーム104の別の回折角に係る計量ターゲットの反射率が計測される。
【0057】
従って、オーバレイターゲットのセルそれぞれの計測結果間で差分信号を生成することにより、スキャタロメトリオーバレイ計量ツールにてオーバレイ計測を実行することができる。例えば、スキャタロメトリオーバレイ計量ツールが計量ターゲットからの0次回折を計測するよう構成されている場合、ある単一の方向に沿ったオーバレイオフセットを判別するのに、別々の所定オフセットで以て計量ターゲットの4個のセルから得た計測結果が必要となろう。また例えば、スキャタロメトリオーバレイ計量ツールが計量ターゲットからの1次回折(例.+1及び−1回折次数)を計測するよう構成されている場合、ある単一の方向に沿ったオーバレイオフセットを判別するのに、別々の所定オフセットで以て計量ターゲットの2個のセルから得た計測結果が必要となろう。その場合の差分信号は、計量ターゲットに備わるそれら2個のセルそれぞれからの計測結果の画素毎減算結果となろう。
【0058】
他の実施形態では、本システム100に係る計量指標が差分信号から生成されよう。例えば、本システム100により複数の差分信号、例えばD
1=S
+1−S
−1,D
2=S
+2−S
−2,D
α=S
+1−S
−2又はD
β=S
+2−S
−1を生成してもよい;但し、S
+1及びS
−1は計量ターゲットの第1セルからの±1回折次数に係る信号であり、S
+2及びS
−2は計量ターゲットの第2セルからの±1回折次数に係る信号である。更に、本システム100により、それら差分信号に係る更なる量、例えばG=α
+β=(D
1−D
2)/2f
0又はΔ
=α−β=(D
α−D
β)/(2f
0)を生成してもよい;但し、f
0は所定のオフセット(例.格子オーバ格子計量ターゲットの第1及び第2回折格子間の横方向オフセット)である。その場合、計量ターゲットのセルの信号を、必須ではないが、S
+1=C+α(ε+f
0),S
−1=C−β(ε+f
0),S
+2=C+α(ε−f
0)又はS
−2=C−β(ε−f
0)とモデル化することができる;但しεはオーバレイ(例.計量ターゲットの層間で一定なオーバレイ)の誤差を示している。
【0059】
ここで注記すべきことに、差分信号及び/又はそれら差分信号から算出される量のいずれを(例.計量性能分析モジュール206により)利用し、計量データと一通り又は複数通りのプロセスばらつきとの間の相関を(例.根本原因分析において)判別してもよい。例えば、αがβと異なる度合いに加え、そうした差異の変動性であってサンプル106の表面上での場所の関数たるものにより、非対称的プロセスばらつきの判別を容易に行うことができる。また例えば、Cの値を非対称的プロセスばらつきの指示子として算出してもよい。更に例えば、Δによりデータを与えることで、本システム100で用いられる計量用モデル、例えば単一散乱モデル(例.単一の回折格子を有する計量ターゲットに係るもの等)や複数散乱モデル(例.複数個の回折格子を有する計量ターゲットに係るもの等)の判別を容易にすることができる。その場合、単一散乱モデルでは、信号O
1=f
0・D
α/(D
1−D
2)及びO
2=f
0・D
β/(D
1−D
2)が計測済オーバレイ値に対し同等な寄与を呈することとなろう。更に、単一散乱モデルでは計量ターゲットに係る光路差を基準とした位相を
OPD=atan((D
1+D
2)/(D
α−D
β)・tan(2πf
0/P))
により算出することができる;但しPは計量ターゲットに係る回折格子のピッチである。
【0060】
ある実施形態では、計量性能分析モジュール206にて、格子オーバ格子計量ターゲットに係る共振効果を利用することで、プロセスばらつき(例.対称的及び/又は非対称的プロセスばらつき)の様々な源泉がサンプル106上での場所の関数として識別、計測及び弁別される。この場合、それらスキャタロメトリオーバレイ計量ツールの瞳像により、方法300に係る計量データの少なくとも一部分が形成されよう。ここで注記すべきことに、格子オーバ格子計量ターゲットは、所定の輻射波長及び/又は入射角を呈する消失信号を入射瞳上でスキャタロメトリオーバレイ計量ツールにより計測しうるよう、ファブリペロー様共振子として動作させうる。その際、計量ツール(例.スキャタロメトリオーバレイ計量ツール等)の瞳面内に1個又は複数個のフィーチャ、例えば検出器120により捉えられた信号中の不連続性の弧であり所与瞳感度の場所での消失感度に係るもの等が現れうる。従って、そうした1個又は複数個の瞳フィーチャを計量指標とし(例.計量性能分析モジュール206により)利用することで、計量データの偏差の根本原因を判別することができる。
【0061】
図4A及び
図4B中の計量データは、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係り、空間的に分離されている2個の計量ターゲットに係るスキャタロメトリオーバレイ計量ツールの計量データであり、それら2個の計量ターゲットの間での対称的プロセスばらつきを表している。ある実施形態では、計量性能分析モジュール206にて、瞳面内における不連続性の弧402の場所のばらつき及び/又はその格子オーバ格子計量ターゲットに係る共振波長におけるシフトを監視することにより、空間的に分離されている計量ターゲット間の対称的プロセスばらつき(例.膜厚のばらつき、最小線幅のばらつき等)が検出されよう。
【0062】
図4Aに示すように、ある実施形態では、サンプル106上の第1の場所にある第1計量ターゲットに係る瞳像(例.計量ターゲットのセルに係る差分信号)が、瞳信号404a(例.瞳座標PX及びPYを有するもの)として現れる。更に、瞳面内消失信号領域を含む不連続性の弧402(例.本システムに所定角度で入射する光に係るもの)が、その瞳面内の第1の場所に現れる。他の実施形態では、瞳に入射する輻射のスペクトル(例.像面にて検出器120により検出されたもの)がスペクトル406a中に現れる。共振信号408aは、第1波長(例.
図4では500nm)付近での共振を表している。誤差信号410aは、その計量ターゲットに係るオーバレイ計測の、対応する不正確性を表している。オーバレイ計測の不正確性により、例えば、プロセスセンシティブなレシピを用いスキャタロメトリオーバレイ計測ツールにより計測されたオーバレイ(例.不連続性の弧402を含むそれ)と、実オーバレイ(例.プロセスロバストなレシピを用い又は別個の分析を用い計測されたそれ)と、の間の差異を表すことができる。
図4Aに示すように、誤差信号410aは、共振波長付近の波長(例.照明ビーム104の波長)で変動を呈しうる。
【0063】
図4Bに示すように、他の実施形態では、サンプル106上の第2の場所にある第2計量ターゲットに係る瞳像(例.計量ターゲットのセルに係る差分信号)が、瞳信号404b(例.瞳座標PX及びPYを有するもの)として現れる。更に、瞳面内の第2の場所に不連続性の弧402が現れる。他の実施形態では、瞳に入射する輻射のスペクトル(例.像面にて検出器120により検出されたもの)がスペクトル406b中に現れる。共振信号408bに係る共振及び対応する誤差信号410bは、第1計量ターゲットの共振に対しシフトしている(例.
図4Bでは550nmへとシフトしている)。
【0064】
図5は、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係り、瞳面における不連続性の弧402の位置のばらつきをそのサンプル106上での場所として示すサンプルマップ500である。この場合、監視された瞳フィーチャに係る値(例.不連続性の弧402の位置、共振波長等)が各信号502によりもたらされる。ある実施形態では、
図5に示すように、監視された瞳フィーチャに係る値の大きさであり、対称的プロセスばらつき(例.膜厚のばらつき、最小線幅のばらつき等)を示しているそれが、サンプル106上の場所の関数として変化し、そのサンプル106の中央付近で最大となる。
【0065】
他の実施形態では、本方法300を適用することで、既知の対称的プロセスばらつきと計量データ(例.瞳面における不連続性の弧402の場所、共振周波数等)との間の一通り又は複数通りの相関が導出される。例えば、化学気相成長プロセスを初めある種の瞳堆積プロセスでは、堆積した膜の厚みばらつき(例.ハードマスクの堆積にまつわるドーム状プロファイル、酸化物膜の堆積にまつわる波状プロファイル等)が発生する。ある実施形態に係るシステム100では、サンプル106を対象にした対称プロセスのばらつきを識別し、計量性能データを(例.計量性能分析モジュール206を介しレシピ制御モジュール208へと)供給して、1個又は複数個の計量ツール202に係るレシピを修正することで、計量性能に対する対称的性能ばらつきの影響が緩和されよう。他の実施形態では、ターゲット制御モジュール210により、ウェハ上の別々のサイトに印刷されるべき様々な計量ターゲット(例.別々の格子ピッチを有するもの)を識別することで、計量性能に対する対称的性能ばらつきの影響が緩和されよう。
【0066】
図6中の計量データ600は、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係り、空間的に分離されている2個の計量ターゲットに係るスキャタロメトリオーバレイ計量ツールの計量データであり、それら2個のターゲット間で方向性を同じくする非対称的プロセスばらつきを表している。例えば、同じ方向性の非対称的プロセスばらつきを有する2個のターゲットの例としては、左傾側壁の角度が異なるもの等があろう。ある実施形態では、瞳面内での共振の強度及び/又はサンプル106上の場所の関数として関連付けられた計測済オーバレイのトレンドを監視することによって、計量性能分析モジュール206により、空間的に分離されている計量ターゲット間で同じ方向性を呈する非対称的プロセスばらつきが検出されよう。加えて、その計量性能分析モジュール206により、共振レシピ(例.不連続性の弧等の瞳フィーチャを伴うレシピ)にて計測されたオーバレイと、ロバストレシピ(例.そのオーバレイターゲットにおける共振に係る瞳フィーチャを伴わないレシピ)にて計測されたオーバレイと、の間の差分の符号を監視することにより、非対称的プロセスばらつきを検出してもよい。
【0067】
他の実施形態では、共振信号602a,602bにより、順に、空間的に分離されている第1及,2計量ターゲットに係る共振が示される。更に、誤差信号604a,604bにより、順に、それら第1,第2計量ターゲットでのオーバレイ計測の、対応する不正確性が示される。例えば、同じ方向性を有する非対称的プロセスばらつきでは、その不正確性の符号(例.サンプル106上での場所の関数たるオーバレイデータのトレンドにより又はロバストレシピを用いる計測との比較により特徴付けられたもの)が同じものになろう。とはいえ、同じ方向性を有する非対称的プロセスばらつきの度合いを、その共振の強度(例.計量ツール202の像面内に所在する検出器120により計測されたもの)により、(例.計量性能分析モジュール206によって)特徴付けてもよい。更に、
図6に示す実施形態のように、同じ方向性を有する非対称的プロセスばらつきが瞳面における共振周波数に影響しないこともある。
【0068】
図7中の計量データ700は、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係り、空間的に分離されている2個の計量ターゲットに係るスキャタロメトリオーバレイ計量ツールの計量データであり、それら2個のターゲット間で方向性を異にする非対称的プロセスばらつきを表している。ある実施形態では、その格子オーバ格子計量ターゲットに係る計測済オーバレイの不正確性の符号を監視することによって、計量性能分析モジュール206により、空間的に分離された計量ターゲット間で異なる方向性(例.右傾側壁角・左傾側壁角間ばらつき等)を呈する非対称的プロセスばらつきが検出されよう。
【0069】
他の実施形態では、共振信号702a,702bにより、空間的に分離されている第1,第2計量ターゲットそれぞれに係る共振が示される。更に、誤差信号704a,704bにより、第1,第2計量ターゲットそれぞれでのオーバレイ計測の、対応する不正確性が示される。例えば、同じ方向性を有する非対称的プロセスばらつきでは、その不正確性の符号(例.サンプル106上での場所の関数たるオーバレイデータのトレンドにより又はロバストレシピを用いる計測との比較により特徴付けられたもの)が別のものになろう。更に、
図7に示す実施形態のように、異なる方向性を有する非対称的プロセスばらつきが瞳面における共振周波数に影響しないこともある。
【0070】
図8中のオーバレイ計測信号は、本件開示の1個又は複数個の実施形態に係り、サンプル上で空間的に分離されている3個の計量ターゲットに係るものであり、非対称的プロセスばらつきを有している。ある実施形態では、サンプル106上で空間的に分離された場所にある第1、第2及び第3計量ターゲットに係る波長の関数たるオーバレイ計測結果が、順にオーバレイ信号802、804及び806により示される。例えば、サンプル106上での場所の関数たるオーバレイ信号802、804及び806のトレンドを監視することによって、計量性能分析モジュール206により、非対称的プロセスばらつき(例.左傾から右傾に切り替わる側壁角ばらつき)の方向を検出することができる。
図8に示すように、ある実施形態では、オーバレイ信号804が、(例.瞳面内の不連続性の弧が弱いか欠如しているため)どの計測済波長についても−3nm程度のオーバレイ誤差でほぼ一定となっている。他の実施形態では、そのサンプル106上の別の場所に係るオーバレイ信号802が、405nmにて−1.8nmなる値を呈し、420nmでは−1nmへと上昇し、445nmでは−4.9へと下降し、そして490nmでは−4.1へと上昇している。他の実施形態では、そのサンプル106上の第3の場所に係るオーバレイ信号806のトレンドが、−3nmなるオーバレイ値を挟み、オーバレイ信号802のトレンドを鏡写しにしたものとなっている。この場合、計量性能分析モジュール206により、計量ツール202からのオーバレイ信号802,804,806の分析に依拠して非対称的プロセスばらつきの方向のばらつきを識別することができる。更に、その計量性能分析モジュール206により、弱い非対称的プロセスばらつきのみが第2計量ターゲットに係るもの(例.オーバレイ信号804に係るもの)でありうる一方、第1及び第3計量ターゲットに係る(例.オーバレイ信号802及び806に係る)非対称的プロセスばらつきがほぼ同じ強度だが逆の方向性を有することを、明らかにすることができる。
【0071】
本願記載の主題は、ときに、様々な部材が他の部材内にあり又は他の部材に接続・連結されていることを示している。理解し得るように、そうした図示アーキテクチャは単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する他の多くのアーキテクチャを実現することができる。概念的には、同じ機能性を達成するどういった配置の部材も、その所望の機能性が達成されるよう効果的に「関連付け」られたものである。即ち、本願に記載されており特定の機能性を達成すべく組み合わされているどの二部材も、アーキテクチャや仲介部材の如何によらず、その所望の機能性が達成されるよう互いに「関連付け」られているものと、見ることができる。同様に、そのように関連付けられているどの二部材も、その所望の機能性が達成されるよう互いに「接続され」又は「結合され」ているものと見ることができ、また、そのように関連付けうるどの二部材も、やはりその所望の機能性が達成されるよう互いに「結合可能」であるものと見ることができる。結合可能の具体例としては、例えば、物理的に相互作用可能な及び/又は物理的に相互作用する部材、及び/又は無線でやりとり可能な及び/又は無線でやりとりする部材、及び/又は論理的に相互作用可能な及び/又は論理的に相互作用する部材がある。
【0072】
本件開示及びそれに付随する長所の多くが先の記述により理解されるであろうし、また被開示主題から離隔することなく或いはその実質的長所全てを損ねることなく諸構成要素の形態、構成及び配置に様々な変形を施せることが明らかであろう。記述されている形態は専ら説明的なものであり、後掲の特許請求の範囲の意図はそうした変化を包括及び包含することにある。更に、本件開示は添付する特許請求の範囲により定義される。