特許第6807887号(P6807887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807887
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/496 20060101AFI20201221BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A61F13/496 100
   A61F13/15 393
   A61F13/15 355B
【請求項の数】10
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2018-62468(P2018-62468)
(22)【出願日】2018年3月28日
(65)【公開番号】特開2019-170698(P2019-170698A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2019年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】川端 訓功
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】向井 敬智
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−201970(JP,A)
【文献】 特開平05−015551(JP,A)
【文献】 特開2017−148111(JP,A)
【文献】 特開2017−063943(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/110203(WO,A1)
【文献】 特表2010−505499(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0289512(US,A1)
【文献】 中国実用新案第206463138(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15−13/84
A61L 15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、腹側部と、背側部と、を備え、前記腹側部及び前記背側部の前記横方向の両端部同士が、それぞれ前記縦方向に沿って前記厚さ方向に重なり合った状態で、一対の接合部で互いに接合された吸収性物品であって、
前記一対の接合部の各々は、前記縦方向に沿って位置する複数の融着部を備え、
前記複数の融着部の各々は、
前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着されたコア部と、
前記コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された周壁部と、
を含み、
前記縦方向及び前記横方向のいずれかにおいて、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部同士の幅の差が小さい方向を第1方向とし、大きい方向を第2方向としたとき、
前記第2方向において、前記コア部の前記第2方向の一方側である第2方向一方側に位置する前記周壁部の幅である第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の他方側である第2方向他方側に位置する前記周壁部の幅である第2寸法の40%以上、100%未満であり
前記第1方向において、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部の幅は、いずれも、前記第2方向一方側から、前記第2方向他方側へ向かうに連れて大きくなる、
吸収性物品。
【請求項2】
互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、腹側部と、背側部と、を備え、前記腹側部及び前記背側部の前記横方向の両端部同士が、それぞれ前記縦方向に沿って前記厚さ方向に重なり合った状態で、一対の接合部で互いに接合された吸収性物品であって、
前記一対の接合部の各々は、前記縦方向に沿って位置する複数の融着部を備え、
前記複数の融着部の各々は、
前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着されたコア部と、
前記コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された周壁部と、
を含み、
前記縦方向及び前記横方向のいずれかにおいて、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部同士の幅の差が小さい方向を第1方向とし、大きい方向を第2方向としたとき、
前記第2方向において、前記コア部の前記第2方向の一方側である第2方向一方側に位置する前記周壁部の幅である第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の他方側である第2方向他方側に位置する前記周壁部の幅である第2寸法の40%以上、100%未満であり、
前記コア部の前記第2方向の最大寸法は、前記コア部の前記第1方向の最大寸法よりも長い
収性物品。
【請求項3】
互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、腹側部と、背側部と、を備え、前記腹側部及び前記背側部の前記横方向の両端部同士が、それぞれ前記縦方向に沿って前記厚さ方向に重なり合った状態で、一対の接合部で互いに接合された吸収性物品であって、
前記一対の接合部の各々は、前記縦方向に沿って位置する複数の融着部を備え、
前記複数の融着部の各々は、
前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着されたコア部と、
前記コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された周壁部と、
を含み、
前記縦方向及び前記横方向のいずれかにおいて、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部同士の幅の差が小さい方向を第1方向とし、大きい方向を第2方向としたとき、
前記第2方向において、前記コア部の前記第2方向の一方側である第2方向一方側に位置する前記周壁部の幅である第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の他方側である第2方向他方側に位置する前記周壁部の幅である第2寸法の40%以上、100%未満であり、
前記周壁部の前記第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の最大寸法の0.5%以上である
収性物品。
【請求項4】
互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、腹側部と、背側部と、を備え、前記腹側部及び前記背側部の前記横方向の両端部同士が、それぞれ前記縦方向に沿って前記厚さ方向に重なり合った状態で、一対の接合部で互いに接合された吸収性物品であって、
前記一対の接合部の各々は、前記縦方向に沿って位置する複数の融着部を備え、
前記複数の融着部の各々は、
前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着されたコア部と、
前記コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された周壁部と、
を含み、
前記縦方向及び前記横方向のいずれかにおいて、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部同士の幅の差が小さい方向を第1方向とし、大きい方向を第2方向としたとき、
前記第2方向において、前記コア部の前記第2方向の一方側である第2方向一方側に位置する前記周壁部の幅である第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の他方側である第2方向他方側に位置する前記周壁部の幅である第2寸法の40%以上、100%未満であり、
前記第2方向は前記横方向であり、
前記一対の接合部のうちの前記第2方向他方側の接合部における前記コア部の前記第2方向一方側に位置する前記周壁部の第1寸法は、前記一対の接合部のうちの前記第2方向一方側の接合部における前記コア部の前記第2方向他方側に位置する前記周壁部の第2寸法の40%以上、100%未満である
収性物品。
【請求項5】
互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、腹側部と、背側部と、を備え、前記腹側部及び前記背側部の前記横方向の両端部同士が、それぞれ前記縦方向に沿って前記厚さ方向に重なり合った状態で、一対の接合部で互いに接合された吸収性物品であって、
前記一対の接合部の各々は、前記縦方向に沿って位置する複数の融着部を備え、
前記複数の融着部の各々は、
前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着されたコア部と、
前記コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された周壁部と、
を含み、
前記縦方向及び前記横方向のいずれかにおいて、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部同士の幅の差が小さい方向を第1方向とし、大きい方向を第2方向としたとき、
前記第2方向において、前記コア部の前記第2方向の一方側である第2方向一方側に位置する前記周壁部の幅である第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の他方側である第2方向他方側に位置する前記周壁部の幅である第2寸法の40%以上、100%未満であり、
前記第2方向は前記横方向であり、
前記一対の接合部のうちの少なくとも前記第2方向他方側の接合部は、
前記複数の融着部の前記第2方向一方側に、前記縦方向に沿って配置された複数の補助融着部、を更に含み、
前記複数の補助融着部の各々は、
前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された補助コア部と、
前記補助コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された補助周壁部と、
を含み、
平面視で、前記複数の補助融着部の各々の前記補助コア部の面積は、前記複数の融着部の各々の前記コア部の面積よりも小さい
収性物品。
【請求項6】
前記一対の接合部は、いずれも前記複数の融着部の前記第2方向一方側に、前記複数の補助融着部を更に含む、
請求項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
平面視で、前記複数の補助融着部の各々の前記コア部の形状は円形である、
請求項又はに記載の吸収性物品。
【請求項8】
互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、腹側部と、背側部と、を備え、前記腹側部及び前記背側部の前記横方向の両端部同士が、それぞれ前記縦方向に沿って前記厚さ方向に重なり合った状態で、一対の接合部で互いに接合された吸収性物品であって、
前記一対の接合部の各々は、前記縦方向に沿って位置する複数の融着部を備え、
前記複数の融着部の各々は、
前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着されたコア部と、
前記コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された周壁部と、
を含み、
前記縦方向及び前記横方向のいずれかにおいて、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部同士の幅の差が小さい方向を第1方向とし、大きい方向を第2方向としたとき、
前記第2方向において、前記コア部の前記第2方向の一方側である第2方向一方側に位置する前記周壁部の幅である第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の他方側である第2方向他方側に位置する前記周壁部の幅である第2寸法の40%以上、100%未満であり、
前記第2方向は、前記横方向であり、
前記吸収性物品は、前記吸収性物品の前記横方向の中心を通り前記縦方向に延びる縦方向中心線を有し、
前記一対の接合部における前記複数の融着部は、前記縦方向中心線に対して、前記縦方向における前記吸収性物品のウエスト側からレッグ側に向かって、又は、前記レッグ側から前記ウエスト側に向かって、徐々に前記横方向の外側に遠ざかるように、前記縦方向に対して斜め方向に並んで配置されている
収性物品。
【請求項9】
前記第1方向において、前記コア部の一方の外側に位置する前記周壁部における前記第2方向の任意位置の幅である第3寸法は、前記コア部の他方の外側に位置する前記周壁部における前記任意位置に対向する位置の幅である第4寸法の±15%の大きさである、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の吸収性物品を製造する方法であって、
前記腹側部と前記背側部とが互いに積層されているが接合されていない前記吸収性物品の前駆体が前記横方向に連続的に並んだ連続シート部材を、前記横方向を搬送方向として搬送しつつ、前記前駆体における前記一対の接合部のうちの一方に対応する位置に、前記複数の融着部の各々を時間差で順番に形成する第1形成工程と、
前記第1形成工程の後に、前記前駆体における前記一対の接合部のうちの他方に対応する位置に、前記複数の融着部の各々を時間差で順番に形成する第2形成工程と、
を備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
腹側部と、背側部と、を備え、腹側部及び背側部の横方向の両端部同士が、それぞれ縦方向に沿って厚さ方向に重なり合った状態で、一対の接合部で互いに接合されている吸収性物品(例示:パンツ型使い捨ておむつ)が知られている。その吸収性物品の一対の接合部の形成方法として、例えば特許文献1(特開2004−298413号公報;米国特許公開US2005145317(A1))に、シール装置を用いて接合部(シール部)を形成する方法が開示されている。その方法は、上記のシート部材を搬送しつつ、そのシート部材における接合部を形成すべき所定箇所が超音波ホーンとアンビルの隙間を通過する短期間に、超音波ホーンとアンビルとでその所定箇所を挟持し融着させて、その所定箇所に接合部を形成する。これらの場合、接合部には、縦方向に沿って並んだ複数の融着された箇所、すなわち融着部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−298413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用済みの上記の吸収性物品を装着者から取り外すとき、通常、一対の接合部の各々において、縦方向に沿って腹側部と背側部とを互いに引き剥す方法が採られる。すなわち、各接合部では、縦方向に沿って並んだ複数の融着部の各々において、腹側部と背側部とが互いに分離される。
【0005】
ここで、本発明者の検討によれば、上記特許文献1の方法では、種々の条件を調整することで、接合部の各融着部を、シート部材が押圧されつつ融着されたコア部と、コア部を筒状に囲むようにシート部材が融着された周壁部と、を有するように形成できる。融着部に周壁部を有することは、吸収性物品の装着中に装着者の動きで接合部の接合が外れることを安定的に防止できるので好ましい。そして、融着部が周壁部を有する場合、吸収性物品を取り外すとき、すなわち腹側部と背側部とを互いに引き剥がすとき、各融着部では、例えば腹側部に融着部が残存し、背側部には融着部が除去された穴が形成される。言い換えると、引き剥がすとき、各融着部では、例えば、背側部の融着部の周囲部分が、略融着部の形状に破断されて、背側部から融着部が分離されることで、腹側部と背側部とが互いに分離される。その分離は以下のように生じると考えられる。腹側部と背側部とを互いに引き剥がそうとする力は、各融着部では、融着部の周囲部分、すなわちシート部材と周壁部との境界部分や、周壁部それ自体に印加される。しかし、周壁部は複数のシート部材が一度溶融しその後に固化して形成されているため、境界部分と比較して破断強度が強く、破断され難い。そのため、引き剥がそうとする力により、破断され難い周壁部、すなわち融着部は破断されず、破断され易い境界部分、すなわち融着部の周囲部分が略融着部の形状に破断されることになる。このように、例えば背側部の融着部の周囲部分が、略融着部の形状に破断される現象は、周壁部の幅(縦方向又は横方向)がコア部の周囲の位置によらず略均一の場合に生じ易いと考えられる。
【0006】
しかし、特許文献1の方法は、接合部を形成すべき所定箇所が超音波ホーンとアンビルとの隙間を通過する短期間に、超音波ホーンとアンビルとでその所定箇所を挟持し融着させるので、各融着部を形成するための時間を長く取ることができない。そのため、周壁部を含む融着部を形成する場合、シート部材をアンビルの凸部で融着すると、凸部の前側部分で形成された周壁部は薄く、凸部の後側部分で形成された周壁部は厚くなる。すなわち、形成された周壁部の幅をコア部の周囲の位置によらず略均一にし難く、周壁部の幅が部分的に薄くなるおそれがある。周壁部の幅が部分的に薄い場合、すなわち周壁部に破断強度が弱い部分が存在する場合には、引き剥がそうとする力により、境界部分ではなく、周壁部のうちの幅が薄い部分に破断が生じるおそれがある。そうなると、周壁部の破断した部分から破断が進展して、接合部以外の部分のシート部材(例示:吸収体付近の表面シートや裏面シート)まで破断が到達することが考え得る。その場合、各接合部を縦方向に沿って最後まで腹側部と背側部とに引き剥すことができず、場合によっては、破断したシート部材の隙間から吸収体が露出したり破損したりして、排泄物が露出したり漏れ出したりする可能性も考え得る。
【0007】
したがって、本発明の目的は、接合部を有する吸収性物品において、吸収性物品の装着中に装着者の動きで接合部の接合が外れることを安定的に防止しつつ、吸収性物品の取り外し時に、シート部材を破らずに、腹側部と背側部とに適切に分離し易い吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の吸収性物品は(1)互いに直交する縦方向、横方向及び厚さ方向を有し、腹側部と、背側部と、を備え、前記腹側部及び前記背側部の前記横方向の両端部同士が、それぞれ前記縦方向に沿って前記厚さ方向に重なり合った状態で、一対の接合部で互いに接合された吸収性物品であって、前記一対の接合部の各々は、前記縦方向に沿って位置する複数の融着部を備え、前記複数の融着部の各々は、前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着されたコア部と、前記コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された周壁部と、を含み、前記縦方向及び前記横方向のいずれかにおいて、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部同士の幅の差が小さい方向を第1方向とし、大きい方向を第2方向としたとき、前記第2方向において、前記コア部の前記第2方向の一方側である第2方向一方側に位置する前記周壁部の幅である第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の他方側である第2方向他方側に位置する前記周壁部の幅である第2寸法の40%以上、100%未満である、吸収性物品。
【0009】
本吸収性物品は、融着部が、コア部と、コア部を筒状に囲む周壁部と、を有している。すなわち、周壁部を有することで、吸収性物品の装着中に装着者の動きで接合部の接合が外れることを安定的に防止できる。そして、その融着部は、周壁部の幅の差が大きい第2方向において、幅の小さい第2方向一方側の周壁部の幅(第1寸法)が、幅の大きい第2方向他方側の周壁部の幅(第2寸法)の40%以上、100%未満である。すなわち、第2方向一方側の周壁部の幅と、第2方向他方側の周壁部の幅との差がそれほど大きくなく、小さくなるように形成されている。したがって、その融着部は、第1方向におけるコア部の両外側における周壁部の幅の差が小さい周壁部も含めて、全体として周壁部の幅が比較的均一であり、他の部分より薄過ぎる部分を有していない。そのため、腹側部と背側部とを互いに引き剥がすとき、引き剥がそうとする力により周壁部が破断することを抑制でき、シート部材と周壁部との境界部分、すなわち融着部の周囲部分が破断するようにさせることができる。その結果、各接合部を、縦方向に沿って最後まで腹側部と背側部とに引き剥すことができ、周壁部が破断し、破断した部分から破断が進展して、接合部以外の部分のシート部材を破断することを抑制できる。このように、接合部を有する本吸収性物品は、吸収性物品の装着中に装着者の動きで接合部の接合が外れることを安定的に防止しつつ、吸収性物品の取り外し時に、シート部材を破らずに、腹側部と背側部とに適切に分離し易くすることが可能となる。
【0010】
本発明の吸収性物品は、(2)前記第1方向において、前記コア部の両外側に位置する前記周壁部の幅は、いずれも、前記第2方向一方側から、前記第2方向他方側へ向かうに連れて大きくなる、上記(1)に記載の吸収性物品、でもよい。
本吸収性物品では、第1方向におけるコア部の両外側に位置する周壁部の幅が第2方向に向かって徐々に厚くなる。それゆえ、第2方向における第2方向一方側の幅の薄い(第1寸法)の周壁部から、第1方向におけるコア部の両外側に位置する周壁部を介し、第2方向における第2方向他方側の幅の厚い(第2寸法)の周壁部まで、幅が連続的に変化している。すなわち、融着部は、周壁部の幅が徐々に変化し、全体として比較的均一であり、他の部分より薄過ぎる部分を有していない。そのため、装着中に装着者の動きで接合部の接合が外れることをより安定的に防止できる。また、腹側部と背側部とを互いに引き剥がすとき、引き剥がそうとする力により周壁部が破断することをより抑制でき、融着部の周囲部分がより破断するようにさせることができる。
【0011】
本発明の吸収性物品は、(3)前記第1方向において、前記コア部の一方の外側に位置する前記周壁部における前記第2方向の任意位置の幅である第3寸法は、前記コア部の他方の外側に位置する前記周壁部における前記任意位置に対向する位置の幅である第4寸法の±15%の大きさである、上記(1)又は(2)に記載の吸収性物品、でもよい。
本吸収性物品は、第1方向において、コア部の両外側に対向して位置する第2方向の任意位置おける周壁部同士の幅が±15%の範囲内で同じである。すなわち、その融着部は、周壁部の幅が全体としてより均一であり、他の部分より薄過ぎる部分をより有していない。そのため、引き剥がそうとする力により周壁部が破断することをより抑制でき、融着部の周囲部分がより破断するようにさせることができる。
【0012】
本発明の吸収性物品は、(4)前記コア部の前記第2方向の最大寸法は、前記コア部の前記第1方向の最大寸法よりも長い、上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の吸収性物品、でもよい。
本吸収性物品では、コア部の第2方向の最大寸法がコア部の第1方向の最大寸法よりも長く、したがって融着部が第2方向に長い横長の形状を有している。そのため、融着部が横長の形状を有していない場合と比較して、装着中に装着者の動きで接合部に加わる力をより安定的に受け止めることができ、接合部の接合が外れることをより安定的に防止できる。また、融着部が第2方向に相対的に長く、したがってコア部の両外側で幅の差が小さい周壁部が第2方向に長いため、周壁部の幅が薄過ぎる部分をより抑制できる。そのため、引き剥がそうとする力により周壁部が破断することをより抑制でき、融着部の周囲部分がより破断するようにさせることができる。
【0013】
本発明の吸収性物品は、(5)前記周壁部の前記第1寸法は、前記コア部の前記第2方向の最大寸法の0.5%以上である、上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の吸収性物品、でもよい。
本吸収性物品は、周壁部における第2方向の(幅の小さい側の)第1寸法が、コア部における第2方向の寸法(を100%としたとき)の0.5%以上であり、すなわち所定の幅(コア部の第2方向の寸法の0.5%)以上の幅を有している。そのため、融着部は、周壁部に、他の部分より薄過ぎる部分を有していない。そのため引き剥がそうとする力により周壁部が破断することをより抑制でき、融着部の周囲部分がより破断するようにさせることができる。
【0014】
本発明の吸収性物品は、(6)前記第2方向は前記横方向であり、前記一対の接合部のうちの前記第2方向他方側の接合部における前記コア部の前記第2方向一方側に位置する前記周壁部の第1寸法は、前記一対の接合部のうちの前記第2方向一方側の接合部における前記コア部の前記第2方向他方側に位置する前記周壁部の第2寸法の40%以上、100%未満である、上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の吸収性物品、でもよい。
本吸収性物品では、第2方向他方側の接合部におけるコア部の第2方向一方側(内側)に位置する周壁部の第1寸法が、第2方向一方側の接合部におけるコア部の第2方向他方側(内側)に位置する周壁部の第2寸法の40%以上、100%未満である。したがって、一つの融着部において第2方向一方側の周壁部の幅と、第2方向他方側の周壁部の幅との差が小さいことに加えて、一対の接合部において、第2方向他方側の接合部におけるコア部の第2方向一方側に位置する周壁部の幅と、第2方向一方側の接合部におけるコア部の第2方向他方側に位置する周壁部の幅との差が小さくなっている。すなわち、一対の接合部において、いずれの接合部の融着部においても全体として、周壁部の幅が比較的均一である。そのため、腹側部と背側部とを互いに引き剥がすとき、引き剥がそうとする力により周壁部が破断することをより抑制でき、融着部の周囲部分がより破断するようにさせることができる。
【0015】
本発明の吸収性物品は、(7)前記第2方向は前記横方向であり、前記一対の接合部のうちの少なくとも前記第2方向他方側の接合部は、前記複数の融着部の前記第2方向一方側に、前記縦方向に沿って配置された複数の補助融着部、を更に含み、前記複数の補助融着部の各々は、前記腹側部のシート部材と前記背側部のシート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された補助コア部と、前記補助コア部を前記厚さ方向に筒状に囲むように、前記腹側部の前記シート部材と前記背側部の前記シート部材とが互いに前記厚さ方向に融着された補助周壁部と、を含み、平面視で、前記複数の補助融着部の各々の前記補助コア部の面積は、前記複数の融着部の各々の前記コア部の面積よりも小さい、上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の吸収性物品、でもよい。
本吸収性物品は、少なくとも第2方向他方側の接合部が、複数の融着部の第2方向一方側に複数の補助融着部を更に含んでいる。よって、接合部が第2方向一方側に複数の補助融着部を有していない場合と比較して、装着中に装着者の動きで接合部に加わる力をより安定的に受け止めることができ、接合部の接合が外れることをより安定的に防止できる。
【0016】
本発明の吸収性物品は、(8)前記一対の接合部は、いずれも前記複数の融着部の前記第2方向一方側に、前記複数の補助融着部を更に含む、上記(7)に記載の吸収性物品、でもよい。
本吸収性物品は、一対の接合部の両方とも複数の融着部の第2方向一方側に複数の補助融着部を更に含んでいる。すなわち、一対の接合部のうち、第2方向一方側の接合部では、融着部に対して、吸収性物品の横方向の中心を通り縦方向に延びる縦方向中心線(仮想線)から遠ざかる側、すなわち横方向の外側に、補助融着部を有している。一方、一対の接合部のうち、第2方向他方側の接合部では、融着部に対して、縦方向中心線に近づく側、すなわち横方向の内側に補助融着部を有している。したがって、一対の接合部において、融着部及び補助融着部を縦方向中心線に対して非対称に構成することができる。そのため、第2方向一方側の接合部において、相対的に小さい補助融着部が横方向の外側にあることで、横方向の外側の部分を内側に変形し易く(丸まり易く)することができる。一方、第2方向他方側の接合部において、相対的に大きい融着部が横方向の外側にあることで、横方向の外側の部分を内側に変形し難く(丸まり難く)することができ。その結果、一対の接合部において、融着部及び補助融着部の配置だけでなく、全体的な形状(丸まり具合)も左右非対称にすることができる。したがって、それら融着部及び補助融着部の配置や、接合部の全体的な形状の非対称性を、視覚及び/又は触覚で確認することにより、吸収性物品における横方向の左右を容易に認識することができる。よって、吸収性物品における厚さ方向の前後、すなわち腹側部及び背側部を容易に認識し、区別することができる(配置や形状と左・右との関係を吸収性物品のパッケージ等で予め把握している場合)。
【0017】
本発明の吸収性物品は(9)平面視で、前記複数の補助融着部の各々の前記コア部の形状は円形である、上記(7)又は(8)のいずれか一項に記載の吸収性物品、でもよい。
本吸収性物品は、補助融着部のコア部の形状は円形であり、したがって周壁部も含めた補助融着部の形状も円形になる。そのため、装着中に装着者の動きで接合部に加わる、あらゆる方向からの力をより安定的に受け止めることができ、接合部の接合が外れることをより安定的に防止できる。
【0018】
本発明の吸収性物品は、(10)前記第2方向は、前記横方向であり、前記吸収性物品は、前記吸収性物品の前記横方向の中心を通り前記縦方向に延びる縦方向中心線を有し、前記一対の接合部における前記複数の融着部は、前記縦方向中心線に対して、前記縦方向における前記吸収性物品のウエスト側からレッグ側に向かって、又は、前記レッグ側から前記ウエスト側に向かって、徐々に前記横方向の外側に遠ざかるように、前記縦方向に対して斜め方向に並んで配置されている、上記(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の吸収性物品。
本吸収性物品では、一対の接合部における複数の融着部が、縦方向中心線(仮想線)に対して、ウエスト側からレッグ側に向かって、又は、前記レッグ側から前記ウエスト側に向かって、徐々に遠ざかるように、縦方向に対して斜め方向に並んで配置されている。すなわち、一対の接合部における複数の融着部が、ウエスト側からレッグ側に向かって、又は、前記レッグ側から前記ウエスト側に向かって、末広がり形状に配置されている。そのため、ウエスト側又はレッグ側の横方向において、接合部における複数の融着部よりも外側の部分(縦方向中心線に対して融着部よりも外側の部分)が、外側へ向かって突出する突出部(耳)を形成することになる。そのため、着用者が吸収性物品を取り外すとき、その突出部をつまんで横方向の外側に引っ張ることにより、吸収性物品のウエスト側又はレッグ側の部分と身体との間に隙間を形成して、指を入れ易くすることができる。あるいは、吸収性物品における縦方向の突出部と反対側のレッグ側又はウエスト側の部分と身体との間に指を入易くすることができる。それゆえ、その隙間に指を入れて、腹側部と背側部とを容易に引き剥がす事が可能となる。
【0019】
本発明の吸収性物品を製造する方法は、(11)上記(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の吸収性物品を製造する方法であって、前記腹側部と前記背側部とが互いに積層されているが接合されていない前記吸収性物品の前駆体が前記横方向に連続的に並んだ連続シート部材を、前記横方向を搬送方向として搬送しつつ、前記前駆体における前記一対の接合部のうちの一方に対応する位置に、前記複数の融着部の各々を時間差で順番に形成する第1形成工程と、前記第1形成工程の後に、前記前駆体における前記一対の接合部のうちの他方に対応する位置に、前記複数の融着部の各々を時間差で順番に形成する第2形成工程と、を備える、方法。
本吸収性物品を製造する方法は、接合部を形成するとき、複数の融着部を、時間差で順番に形成する。そのため、融着部を形成する超音波ホーンとアンビルとで狭持されて形成される、単位時間当たりに形成される融着部の数を少なくすることができる。その結果、一つの融着部に加わる狭持の圧力(線圧)を高くすることができる。それにより、安定的に融着部を形成でき、周壁部の幅をより均一且つ十分な幅にすることができる。そのため、引き剥がそうとする力により周壁部が破断することをより抑制でき、融着部の周囲部分がより破断するようにさせることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、接合部を有する吸収性物品において、吸収性物品の装着中に装着者の動きで接合部の接合が外れることを安定的に防止しつつ、吸収性物品の取り外し時に、シート部材を破らずに、腹側部と背側部とに適切に分離し易くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態に係る使い捨ておむつの構成例を示す斜視図である。
図2図1の使い捨ておむつの展開状態を示す平面図である。
図3図1の使い捨ておむつの接合部の構成例を示す部分拡大平面図である。
図4図3の接合部の融着部の構成例を示す模式図である。
図5図3の接合部のカバーシートの構成例を示す模式図である。
図6】実施の形態に係る使い捨ておむつの作用を説明する模式図である。
図7】実施の形態に係る融着装置の構成例を示す模式図である。
図8図7の融着装置のアンビルの凸部列の構成例を示す模式図である。
図9】実施の形態に係る使い捨ておむつの製造方法の一例を示す斜視図である。
図10図9の製造方法における接合部の形成過程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る吸収性物品について、パンツ型使い捨ておむつ(以下、単に「使い捨ておむつ」ともいう。)を例として説明する。ただし、本発明は、その例に限定されるものでは無く、本発明の主題の範囲を逸脱しない範囲で種々の吸収性物品に対して適用可能である。吸収性物品としては、例えば、いわゆる3ピースタイプや2ピースタイプの使い捨ておむつが挙げられる。
【0023】
まず、本実施の形態に係る使い捨ておむつ1について説明する。
図1及び図2は本実施の形態に係る使い捨ておむつ1の構成例を示す図である。ただし、図1は使い捨ておむつ1を使用するときの状態を示す斜視図であり、図2は使い捨ておむつ1を展開した状態を示す平面図である。使い捨ておむつ1は、図2に示す状態において、互いに直交する縦方向D1と、横方向D2と、厚さ方向D3とを有する。そして、使い捨ておむつ1は、横方向D2の中心を通り縦方向D1に延びる縦方向中心線CLと、縦方向D1の中心を通り横方向D2に延びる横方向中心線CWとを有する。また、縦方向中心線CLに向かう方向及び遠ざかる方向を、それぞれ横方向D2の内側の方向及び外側の方向とする。横方向中心線CWに向かう方向及び遠ざかる方向を、それぞれ縦方向D1の内側の方向及び外側の方向とする。縦方向D1及び横方向D2を含む平面上に置いた使い捨ておむつ1を厚さ方向D3の上方側から見ることを「平面視」といい、平面視で把握される形状を「平面形状」という。「肌側」及び「非肌側」とは使い捨ておむつ1の装着時に、使い捨ておむつ1の厚さ方向D3において相対的に装着者の肌面に近い側及び肌面から遠い側をそれぞれ意味する。これらの方向などは、図1の使い捨ておむつ1を使用する前の平坦な状態、すなわち図2の使い捨ておむつ1を横方向中心線CWに沿う折り線で折り畳んだ状態においても同様に適用される。
【0024】
使い捨ておむつ1は、腹側部11と、背側部13と、腹側部11と背側部13との間の股間部12とを備えたパンツ型のおむつである。腹側部11は、使い捨ておむつ1のうちの装着者の腹部に当てられる部分である。股間部12は、使い捨ておむつ1のうちの装着者の股間に当てられる部分である。背側部13は、使い捨ておむつ1のうちの装着者の尻部及び/又は背部に当てられる部分である。腹側部11の横方向D2の両端部11a、11bと背側部13の横方向D2の両端部13a、13bとは、それぞれ縦方向D1に沿って厚さ方向D3に重なり合った状態で、一対の接合部14a、14bで互いに接合されている。使い捨ておむつ1では、腹側部11における縦方向D1の股間部12とは反対側の端部11eと、背側部13における縦方向D1の股間部12とは反対側の端部13eとにより、ウエスト開口部WOが形成される。使い捨ておむつ1では、股間部12の横方向D2の両側部12a、12bにより一対のレッグ開口部LO、LOが形成される。
【0025】
使い捨ておむつ1は、吸収性本体10を備える。吸収性本体10は、液透過性の表面シート2と、液不透過性の裏面シート3と、表面シート2と裏面シート3との間に位置する吸収体4と、を含む。表面シート2としては、例えば液透過性の不織布や織布、液透過孔が形成された合成樹脂フィルム、これらの複合シートなどが挙げられる。裏面シート3としては、例えば液不透過性の不織布や合成樹脂フィルム、これらの複合シート、SMS不織布などが挙げられる。吸収体4としては、例えばパルプ繊維、合成繊維、吸収性ポリマなどが挙げられる。吸収体4と表面シート2及び裏面シート3とはそれぞれ接着剤により接合され、表面シート2と裏面シート3とはそれらの周縁部分にて接着剤により接合されている。接着剤は、公知の材料、例えばホットメルト接着剤を使用できる。
【0026】
使い捨ておむつ1は、更に、液不透過性のカバーシート5を備える。本実施の形態では、カバーシート5は、互いに厚さ方向D3に積層され、接着剤等で接合された、肌側に位置するカバーシート5aと非肌側に位置するカバーシート5bとを含む。本実施の形態では、カバーシート5bの縦方向D1の両端部は、カバーシート5aの縦方向D1の両端部を覆うように、肌側に折り返されている。腹側部11及び背側部13における折り返しの位置のカバーシート5b、5bが、それぞれ腹側部11の端部11e及び背側部13の端部13eを構成する。カバーシート5の肌側の表面には、吸収性本体10が、表面シート2を肌側に向けて配置される。使い捨ておむつ1では、カバーシート5bにより使い捨ておむつ1の非肌側の表面、すなわち外面が形成され、表面シート2並びに端部11e及び端部13eのカバーシート5bにより使い捨ておむつ1の肌側の表面、すなわち内面が形成される。カバーシート5としては、例えば、液不透過性の不織布や合成樹脂フィルム、これらの複合シート、SB不織布、SMS不織布など、任意の液不透過性シートが挙げられる。カバーシート5の材料としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系材料が挙げられる。カバーシート5の坪量としては、例えば5〜100g/mであり、好ましくは10〜50g/mである。カバーシート5の厚さ方向D3の寸法(厚み)としては、例えば0.2〜5mmであり、好ましくは0.2〜2mmである。ただし、カバーシート5は一枚でもよいし、折り返されていなくてもよい。
【0027】
使い捨ておむつ1は、液不透過性の一対の防漏壁6a、6bと、弾性部材8(8a、8b、8c、8d、8e)と、を更に備えてもよい。一対の防漏壁6a、6bは、表面シート2の横方向D2の中央部2’の両側に、縦方向D1に沿って配置される。弾性部材8a及び弾性部材8bは、それぞれ腹側部11及び背側部13におけるカバーシート5aとカバーシート5bとの間に、横方向D2に延び、縦方向D1に間隔を空けて配置され、狭持される。弾性部材8a、8bは、ウエスト開口部WOを伸縮させる。弾性部材8cは、股間部12における背側部13側の部分の横方向D2の両端部では概ね縦方向D1に沿うように、かつ股間部12における中央部分では横方向D2に沿うようにして連続的に配置される。弾性部材8cは、一対のレッグ開口部LO、LOをそれぞれ伸縮させる。一対の防漏壁6a、6bの横方向D2の内側の端部には、それぞれ縦方向D1に延びる弾性部材8d及び弾性部材8eが配置される。弾性部材8d、8eは、それぞれ防漏壁6a、6bを伸縮させる。弾性部材8としては例えば糸ゴムが挙げられる。
【0028】
次に、一対の接合部14a、14bの各々の構成について説明する。
図3は、使い捨ておむつ1における一対の接合部14a、14bの各々の構成例を模式的に示す部分拡大平面図である。図3は、図1の使い捨ておむつ1の接合部14a、14bを背側部13の側から見た図である。なお、図3において、使い捨ておむつ1における横方向D2の略中央の部分については記載を省略する。接合部14bは背側部13の側から見て左側(横方向D2の一方の側、すなわち横方向一方側D2I)に位置し、接合部14aは背側部13の側から見て右側(横方向D2の他方の側、すなわち横方向他方側D2II)に位置する。接合部14aは、腹側部11の横方向D2の端部11aと背側部13の横方向D2の端部13aとが、縦方向D1に沿って厚さ方向D3に重なり合い、少なくとも複数の箇所で融着され、接合されることで、形成される。同様に、接合部14bは、腹側部11の横方向D2の端部11bと背側部13の横方向D2の端部13bとが、縦方向D1に沿って厚さ方向D3に重なり合い、複数の箇所で融着され、接合されることで、形成される。接合部14a、14bの各々の縦方向D1及び横方向D2の寸法は、特に制限はないが、例えばそれぞれ50〜250mm及び3〜20mmが挙げられる。一対の接合部14a、14bは、融着に加えて、その全部又は一部が例えば接着剤(例示:ホットメルト接着剤)などで接合されていてもよい。
【0029】
接合部14a、14bは、それぞれ融着された箇所、すなわち融着部が複数個、縦方向D1に沿って間隔を空けて列状に並んで配置された接合列20D、20Uを備える。したがって、接合列20Dは端部11aと端部13aとを接合し、接合列20Uは端部11bと端部13bとを接合する。接合列20Dと接合列20Uとは全体的な配置は、縦方向中心線CLに対して対称である。ただし、それぞれの複数の融着部の配置を考慮すると、接合列20Dと接合列20Uとは縦方向中心線CLに対して非対称であり、よって一対の接合部14a、14bは縦方向中心線CLに対して非対称である。
【0030】
本実施の形態では、接合部14aは、縦方向D1にて、ウエスト開口部WO側の端部を含むウエスト側領域21Dと、レッグ開口部LO側の端部を含むレッグ側領域23Dと、両領域の間の中央領域22Dと、を有する。同様に、接合部14bは、縦方向D1にて、ウエスト開口部WO側の端部を含むウエスト側領域21Uと、レッグ開口部LO側の端部を含むレッグ側領域23Uと、両領域の間の中央領域22Uと、を有する。ウエスト側領域21D、21U及びレッグ側領域23D、23Uは、例えば、縦方向D1にて、それぞれウエスト開口部WO側及びレッグ開口部LO側の端部から接合部の1/8〜1/3の範囲の領域であり、中央領域22D、22Uは、残りの領域である。ただし、ウエスト側領域21D、21Uとレッグ側領域23D、23Uとは縦方向D1に同じ長さを有する必要はない。本実施の形態では、ウエスト側領域21D、21U、中央領域22D、22U、及び、レッグ側領域23D、23Uは、それぞれ接合部の約3/10、4/10、3/10の範囲の領域である。
【0031】
本実施の形態では、接合部14aの接合列20Dは、補助接合列20Daと、主接合列20Dbと、を備える。補助接合列20Daは、横方向D2の一方の側(図3の左方向の側;横方向一方側D2I)に位置し、縦方向D1に延出している。補助接合列20Daは、ウエスト側領域21D、中央領域22D、及びレッグ側領域23Dに、それぞれ縦方向D1に沿って並ぶ複数の補助融着部21Da、複数の補助融着部22Da、及び複数の補助融着部23Daを含む。一方、主接合列20Dbは、横方向D2の他方の側(図3の右方向の側;横方向他方側D2II)に位置し、縦方向D1に延出している。そして、主接合列20Dbは、ウエスト側領域21D、中央領域22D、及びレッグ側領域23Dに、それぞれ縦方向D1に沿って並ぶ複数の融着部21Db、複数の融着部22Db、及び複数の融着部23Dbを含む。本実施の形態では、複数の補助融着部21Daの構造は同一であるが、少なくとも一つが異なってもよい。複数の補助融着部22Da、23Daについても同様である。また、本実施の形態では、複数の融着部21Dbの構造は同一であるが、少なくとも一つが異なってもよい。複数の融着部22Db、23Dbについても同様である。なお、複数の補助融着部21Da、22Da、23Daの各々について、それらの全部又は一部がなくてもよい。
【0032】
一方、本実施の形態では、接合部14bの接合列20Uは、他の補助接合列20Uaと、他の主接合列20Ubと、を備える。他の補助接合列20Uaは、横方向D2の一方の側(図3の左方向の側;横方向一方側D2I)に位置し、縦方向D1に延出している。他の補助接合列20Uaは、ウエスト側領域21U、中央領域22U、及びレッグ側領域23Uに、それぞれ縦方向D1に沿って並ぶ複数の他の補助融着部21Ua、複数の他の補助融着部22Ua、及び複数の他の補助融着部23Uaを含む。一方、他の主接合列20Ubは、横方向D2の他方の側(図3の右方向の側;横方向他方側D2II)に位置し、縦方向D1に延出している。そして、他の主接合列20Ubは、ウエスト側領域21U、中央領域22U、及びレッグ側領域23Uに、それぞれ縦方向D1に沿って並ぶ複数の他の融着部21Ub、複数の他の融着部22Ub、及び複数の他の融着部23Ubを含む。本実施の形態では、複数の他の補助融着部21Uaの構造は同一であるが、少なくとも一つが異なってもよい。複数の他の補助融着部22Ua、23Uaについても同様である。また、本実施の形態では、複数の他の融着部21Ubの構造は同一であるが、少なくとも一つが異なってもよい。複数の他の融着部22Ub、23Ubについても同様である。なお、複数の他の補助融着部21Ua、22Ua、23Uaの各々について、それらの全部又は一部がなくてもよい。
【0033】
融着部21Db〜23Db、21Ub〜23Ub、補助融着部21Da〜23Da、21Ua〜23Uaの各々の平面形状及び互いの間隔(縦方向D1)は、接合部として所定の強度が得られれば、特に制限は無い。形状については、例えば、円、長円(角丸長方形)、楕円、多角形、星形、線形などが挙げられる。本実施の形態では、融着部21Db〜23Db、21Ub〜23Ubの平面形状は横方向D2に長い長円(角丸長方形)であり、大きさが互いに同じであり、補助融着部21Da〜23Da、21Ua〜23Uaの平面形状は円であり、大きさが互いに同じである。互いの間隔については、隣り合う融着部間では同じであり、隣り合う補助融着部間では同じである。それら融着部の少なくとも一つは他の少なくとも一つと形状・大きさ・間隔が相違してもよく、それら補助融着部の少なくとも一つは他の少なくとも一つと、形状・大きさ・間隔が相違してもよい。
【0034】
複数の補助融着部21Da〜23Daの各々は複数の融着部21Db〜23Dbの各々よりも面積が小さく、外周の長さが短い。例えば補助融着部21Daは融着部21Dbよりも面積が小さく、好ましくは補助融着部22Daは融着部22Dbよりも面積が小さく、好ましくは補助融着部23Daは融着部23Dbよりも面積が小さい。補助融着部23Daは融着部21Dbよりも面積が小さいことが好ましい。これらの関係は外周の長さにも同様に当てはめ得る。したがって、複数の補助融着部21Da〜23Daの各々は、複数の融着部21Db〜23Dbの各々よりも係止強度が小さい。補助融着部21Da〜23Daの各々の大きさとしては、形状が円の場合、例えば直径0.5〜5mmが挙げられる。補助融着部が0.5mm未満であると、製造時にアンビルに設ける、補助融着部形成用の仮留め凸部が細くなり過ぎ、摩耗しやすくなり安定して補助融着部を形成できなくなるおそれがある。補助融着部が5mmよりも大きいと、使用後に使い捨ておむつ1を取り外すとき、大きな補助融着部と融着部との両方を引き剥がす必要があり、非常に引き剥がし難くなるおそれがある。融着部21Db〜23Dbの各々の大きさとしては、形状が横方向D2に長い長円(角丸長方形)の場合、例えば短辺(短径)0.5〜5mm、長辺(長径)1〜20mmが挙げられる。隣り合う補助接合列20Daと主接合列20Dbとの間の距離としては、例えば1〜10mmが挙げられ、隣り合う補助融着部間の距離は例えば1〜30mmが挙げられ、隣り合う融着部間の距離は例えば1〜10mmが挙げられる。隣り合う融着部同士の間隔は一定でもよいし、位置により変化してもよい。補助融着部と融着部との間の間隔は例えば1〜30mmが挙げられる。間隔が1mm未満だと、補助融着部と融着部とが近すぎるため、両者の外周部分が重なって、補助融着部と融着部とが連結してしまい、使用後に使い捨ておむつ1を取り外すとき、非常に引き剥がし難くなるおそれがある。一方、間隔が30mmを超えると、係止強度が弱過ぎて、装着時に接合部が剥がれるおそれがある。
【0035】
本実施の形態では、複数の他の補助融着部21Ua〜23Uaの各々、及び、複数の他の融着部21Ub〜23Ubの各々の構成については、それぞれ、複数の他の補助融着部21Da〜23Daの各々、及び、複数の他の融着部21Db〜23Dbの各々の構成と同様である。
【0036】
本実施の形態では、各領域の接合列20D、20Uはいずれも二列である。ただし、接合列20D、20Uは、いずれも一列でも、二列より多くてもよく、また、領域ごとに列数が相違してもよい。各接合列の領域の数は、一つでも、二つでも、四つ以上でもよい。
【0037】
上記のように、複数の融着部の配置を考慮すると、接合列20Dと接合列20Uとは縦方向中心線CLに対して非対称である。したがって、補助接合列20Da及び主接合列20Dbと、他の補助接合列20Ua及び他の主接合列20Ubとは、縦方向中心線CLに対して非対称である。よって、複数の補助融着部21Da〜23Da及び複数の融着部21Db〜23Dbと、複数の他の補助融着部21Ua〜23Ua及び複数の他の融着部21Ub〜23Ubとは、縦方向中心線CLに対して非対称である。
【0038】
本実施の形態では、一対の接合部14a、14bの接合列20D、20Uは、縦方向中心線CLに対して、縦方向D1におけるウエスト開口部WOの側からレッグ開口部LOの側に向かって、徐々に横方向D2に遠ざかるようにして、縦方向D1に斜め方向に並んで配置されている。すなわち、接合部14aでは、複数の融着部21Db〜23Dbが、縦方向中心線CLに対して、縦方向D1におけるウエスト開口部WOの側からレッグ開口部LOの側に向かって、徐々に横方向D2の外側(横方向他方側D2II)に遠ざかるように、縦方向D1に対して斜め方向に並んで配置されている。それに伴い、複数の補助融着部21Da〜23Daも同様に縦方向D1に対して斜め方向に並んで配置されている。同様に、接合部14bでは、複数の融着部21Ub〜23Ubが、縦方向中心線CLに対して、縦方向D1におけるウエスト開口部WOの側からレッグ開口部LOの側に向かって、徐々に横方向D2の外側(横方向一方側D2I)に遠ざかるように、縦方向D1に対して斜め方向に並んで配置されている。それに伴い、複数の補助融着部21Ua〜23Uaも同様に縦方向D1に対して斜め方向に並んで配置されている。したがって、一対の接合部14a、14bの接合列20D、20U(の複数の融着部及び複数の補助融着部)は、平面視で、ウエスト開口部WOの側からレッグ開口部LOの側に向かって拡がる、略末広がり状(略漢数字の八の字状)に形成されている。両者の成す角は、装着者の身体への適合性の観点から、0〜20度が好ましく、2〜10度がより好ましい。
【0039】
本発明の別の実施の形態として、一対の接合部14a、14bにおける複数の融着部及び複数の補助融着部は、縦方向中心線CLに対して、縦方向D1におけるレッグ開口部LOの側からウエスト開口部WOの側に向かって、徐々に横方向D2の外側に遠ざかるようにして、縦方向D1に斜め方向に並んで配置されていてもよい。すなわち、一対の接合部14a、14bの接合列20D、20U(の複数の融着部及び複数の補助融着部)は、平面視で、レッグ開口部LOの側からウエスト開口部WOの側に向かって拡がる、略末広がり状(略漢数字の八の字状)に形成されていてもよい。
【0040】
図4は、一対の接合部14a、14bの融着部の構成例を示す模式図である。図4(a)は融着部を厚さ方向D3から見た図であり、図4(b)は図4(a)のIVb−IVb断面図であり、図4(c)は図4(a)のIVc−IVc断面図である。融着部(21Db〜23Db、21Ub〜23Ub)は、コア部BAと、周壁部BWと、を有する。コア部BAは、融着部の形成時に凸部で押圧されて腹側部11のシート部材と背側部13のシート部材とが互いに厚さ方向D3に融着された部分である(後述)。周壁部BWは、融着部の形成時にアンビルの凸部の周囲で、コア部BAを厚さ方向D3に筒状に囲むようにして、腹側部11のシート部材と背側部13のシート部材とが互いに厚さ方向D3に融着された部分である(後述)。言い換えると、周壁部BWはコア部BAを囲むように、厚さ方向Tに起立した形状を有する。ここで、コア部の底面と周壁部BWの側面との成す角は、厚さ方向Tに対して少なくとも45°以上、135°以下であり、60°以上、120°以下が好ましく、80°以上、100°以下が好ましい。コア部BAは厚さ方向D3に薄く、周壁部BWは厚さ方向D3に厚い。融着部の係止強度は、主に、厚さ方向D3から見たときの、融着部の面積の大きさに概ね依存し、したがって、コア部BA及び周壁部BWの面積に概ね依存する。係止強度は、コア部BAや周壁部BWの面積が大きいほうが強くなる。そして、周壁部BWの面積は、周壁部BWの幅やコア部BAの外周の長さが大きいほど大きい。なお、各融着部の構成は、形状の相違はあり得るが、上記のようなコア部BA及び周壁部BWを有するという基本的な構成と同じである。なお、各補助融着部(21Da〜23Da、21Ua〜23Ua)の構成は、形状の相違はあり得るが、上記のようなコア部BA及び周壁部BWを有するという融着部の基本的な構成と同じである。したがって、各補助融着部(21Da〜23Da、21Ua〜23Ua)の構成の説明については省略する。
【0041】
本実施の形態では、図4(a)に示すように、周壁部BWは、横方向D2におけるコア部BAの両外側に位置する第1周壁部BW1及び第2周壁部BW2と、縦方向D1におけるコア部BAの両外側に位置する第3周壁部BW3及び第4周壁部BW4と、を含んでいる。周壁部BWは、第1周壁部BW1と第3周壁部BW3と第2周壁部BW2と第4周壁部BW4と(第1周壁部BW1と)がこの順に互いに連結して、コア部BAの周縁から筒状(環状)に厚さ方向D3に立設した構造を有している。本実施の形態では、第1周壁部BW1及び第2周壁部BW2と第3周壁部BW3及び第4周壁部BW4との境界は縦方向D1に平行な線とする。コア部BAの直線部分に接する部分を第3周壁部BW3及び第4周壁部BW4とする。
【0042】
ここで、縦方向D1及び横方向D2のいずれかにおいて、融着部(21Db〜23Db、21Ub〜23Ub)における、コア部BAの両外側に位置する周壁部BW同士の幅の差が小さい方向を第1方向とし、大きい方向を第2方向とする。ただし、「幅」は、第1周壁部BW1及び第2周壁部BW2では、周壁部における横方向D2の厚みであり、第3周壁部BW3及び第4周壁部BW4では、周壁部における縦方向D1の厚みである。そのとき、第2方向において、コア部BAの第2方向の一方側に位置する周壁部BWの幅である第1寸法が、コア部BAの第2方向の他方側に位置する周壁部BWの幅である第2寸法の40%以上、100%未満であるように、融着部は構成されている。すなわち、第1寸法と第2寸法との相違が一定範囲に抑えられている。
ここで、本実施の形態では、横方向D2におけるコア部BAの両外側に位置する第1周壁部BW1と第2周壁部BW2同士の幅の差が、縦方向D1におけるコア部BAの両外側に位置する第3周壁部BW3と第4周壁部BW4の幅の差よりも大きい。したがって、横方向D2が第2方向、縦方向D1が第1方向といえる。したがって、本実施の形態では、図4(a)、(b)に示すように、横方向D2(第2方向)において、コア部BAの横方向D2の一方側である横方向一方側D2I(第2方向一方側)に位置する第1周壁部BW1(周壁部)の幅である第1寸法P1が、コア部BAの横方向D2の他方側である横方向他方側D2II(第2方向他方側)に位置する第2周壁部BW2(周壁部)の幅である第2寸法P2の40%以上、100%未満である。すなわち、第3周壁部BW3と第4周壁部BW4の幅の差が小さく、第1周壁部BW1と第2周壁部BW2同士の幅の差が所定範囲に抑えられて、融着部の周壁部BWの幅が全体的に比較的均一になっている。
【0043】
本実施の形態では、第1方向において、コア部BAの両外側に位置する周壁部BWの幅は、いずれも、第2方向一方側から、第2方向他方側へ向かうに連れて大きくなる。したがって、本実施の形態では、図4(a)に示すように、縦方向D1において、コア部BAの両外側に位置する第3周壁部BW3及び第4周壁部BW4の幅は、いずれも、横方向一方側D2Iから、横方向他方側D2IIへ向かうに連れて大きくなる。具体的には、第3周壁部BW3の幅である第3寸法P3は、横方向一方側D2Iの第3寸法P3aよりも、横方向他方側D2IIの第3寸法P3bの方が大きくなる。同様に、第4周壁部BW4の幅である第4寸法P4は、横方向一方側D2Iの第4寸法P4aよりも、横方向他方側D2IIの第4寸法P4bの方が大きくなる。このことは、後述されるいくつかの製造方法のいずれかを用いて製造された場合での、使い捨ておむつ1の特徴ともいえる。
【0044】
また、本実施の形態では、第1方向において、コア部BAの一方の外側に位置する周壁部BWにおける第2方向の任意位置の幅である第3寸法は、コア部BAの他方の外側に位置する周壁部BWにおけるその任意位置に対向する位置の幅である第4寸法の±15%の大きさである。したがって、本実施の形態では、図4(a)、(c)に示すように、縦方向D1において、コア部BAの一方の外側に位置する第3周壁部BW3における横方向D2の任意位置の幅である第3寸法P3a、P3bは、コア部BAの他方の外側に位置する第4周壁部BW4におけるその任意位置に対向する位置の幅である第4寸法P4a、P4bの±15%の大きさである。すなわち、0.85×P4a≦P3a≦1.15×P4aである。0.85×P4b≦P3b≦1.15×P4bである。したがって、第3寸法P3と第4寸法P4とは概ね同じ大きさである。
【0045】
また、本実施の形態では、図4(a)に示すように、コア部BAの横方向D2(第2方向)の最大寸法d2は、コア部BAの縦方向D1(第1方向)の最大寸法d1よりも長い。すなわち、融着部21Dbは、横長に形成されている。ここでは、例えば、角丸長方形の形状である。また、本実施の形態では、周壁部BWの第1寸法P1は、コア部BAの横方向D2(第2方向)の最大寸法d2の0.5%以上である。すなわち、0.5≦(P1/d2)×100(%)である。したがって、周壁部BWの最も寸法が小さい第1寸法P1は、コア部BAの最大寸法d2の0.5%以上である。したがって、周壁部BWの幅は全体的に所定幅以上の寸法である。
【0046】
本実施の形態では、一対の接合部14a、14bのうちの横方向他方側D2IIの接合部14aにおけるコア部BAの横方向一方側D2Iに位置する第1周壁部BW1の第1寸法P1は、一対の接合部14bのうちの横方向一方側D2Iの接合部14bにおけるコア部BAの横方向他方側D2IIに位置する第2周壁部BW2の第2寸法P2の40%以上、100%未満である。すなわち、0.4×(接合部14bの第2寸法P2)≦(接合部14aの第1寸法P1)<1×(接合部14bの第2寸法P2)、である。したがって、一対の接合部14a、14b全体として、融着部の周壁部BWの幅は比較的均一である。
【0047】
補助融着部21Da〜23Da、21Ua〜23Ua、融着部21Db〜23Db、21Ub〜23Ubのコア部BAの平面形状は、特に制限は無く、例えば、円、長円(角丸長方形)、楕円、多角形、星形、線形などが挙げられる。例えば、補助融着部21Da〜23Da、21Ua〜23Uaのコア部BAの平面形状は円が挙げられる。補助融着部21Da〜23Da、21Ua〜23Uaの形状は、概ねコア部BAの形状と略相似な形状である(コア部BAの方が小さい)。一方、融着部21Db〜23Db、21Ub〜23Ubのコア部BAの平面形状は横方向D2に長い長円(角丸長方形)が挙げられる。融着部21Db〜23Db、21Ub〜23Ubの形状は、概ねコア部BAの形状と略相似な形状である(コア部BAの方が小さい)。
【0048】
図5は、図3の接合部14aのカバーシートの構成例を示す模式図である。この図は、横方向D2の端部の側から見た接合部14aにおけるカバーシート5の積層状態の一例を模式的に示す。ただし、この図において、弾性部材8a、8b、8cは省略される。なお、接合部14bは、接合部14aと端面形状が同じため、その説明は省略される。本実施の形態では、腹側部11の端部11aでは、カバーシート5bにおける縦方向D1のウエスト開口部WO側の端部が、カバーシート5aの縦方向D1の端部を覆うように、肌側に折り返されている。それにより、端部11aは、カバーシート5b、カバーシート5a及び折り返されたカバーシート5bという三層のカバーシートが積層された領域Aと、カバーシート5a及びカバーシート5bという二層のカバーシートが積層された領域Bと、を有する。同様に、背側部13の端部13aでは、カバーシート5bにおける縦方向D1のウエスト開口部WO側の端部が、カバーシート5aの縦方向D1の端部を覆うように、肌側に折り返されている。それにより、端部13aは、三層のカバーシートが積層された領域Aと、二層のカバーシートが積層された領域Bと、を有する。そして、図中の白抜き矢印に示されるように、これら端部11aと端部13aとが厚さ方向D3に重なり合うように積層され、融着装置(後述)により各融着部で融着され、接合されることにより、接合部14aが構成される。本実施の形態では、端部11aと端部13aとは、互いの領域A同士及び領域B同士を接合させている。領域Aの大きさは特に制限はないが、例えば10mm〜100mmが挙げられる。なお、腹側部11及び背側部13の各々におけるカバーシート5の積層数については特に制限されることはなく、一層でもよいし、二層以上の複数層でもよい。また、カバーシート5は折り返されていなくてもよい。
【0049】
本使い捨ておむつ1(吸収性物品)は、融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)が、コア部BAと、コア部BAを筒状に囲む周壁部BW(BW1〜BW4)と、を有している。すなわち、使い捨ておむつ1が周壁部BWを有することで、使い捨ておむつ1)の装着中に装着者の動きで接合部14a、14bの接合が外れることを安定的に防止できる。その融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)は、周壁部BWの幅の差が大きい横方向D2にて、幅が小さい横方向一方側D2Iの第1周壁部BW1の幅である第1寸法P1が、幅が大きい横方向他方側D2IIの第2周壁部BW2の幅である第2寸法P2の40%以上、100%未満である。すなわち、横方向一方側D2Iの第1周壁部BW1の幅と、横方向他方側D2IIの第2周壁部BW2の幅との差がそれほど大きくなく、小さいように形成されている。したがって、その融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)は、縦方向D1におけるコア部BAの両外側における周壁部BWの幅の差が小さい第3周壁部BW3及び第4周壁部BW4も含めて、周壁部BWの幅が全体として比較的均一であり、幅が他の部分より薄過ぎる部分を有していない。
【0050】
ここで、図6は、実施の形態に係る使い捨ておむつの作用を説明する模式図である。図6(a)は上述された本実施の形態の融着部を示し、図6(b)は幅が薄過ぎる部分を有する周壁部を含む融着部を示す。図6(b)では、周壁部BWに、幅が薄過ぎる部分BWxが存在する。そのため、腹側部11と背側部13とを互いに引き剥がすとき、引き剥がそうとする力により、まず腹側部11と背側部13とが破断線Q1のように破断される。そして、周壁部BWにおける幅の薄過ぎる部分BWxに破断が達すると、幅が薄過ぎて強度が弱い部分BWxが例えば破断線QX1のように破断されるおそれがある。その場合、その破断が融着部以外の背側部13(又は腹側部11)のシート部材に進展し、背側部13のシート部材が破断線QX2のように破断される可能性がある。そうなると、腹側部11と背側部13とを互いに引き剥すことができず、破断したシート部材の隙間から吸収体が露出したり破損したりして、排泄物が露出したり漏れ出したりする可能性も考え得る。
一方、図6(a)では、すなわち本実施の形態では、周壁部BWに、幅が薄過ぎる部分が存在していない。そのため、腹側部11と背側部13とを互いに引き剥がすとき、引き剥がそうとする力により、例えば、まず腹側部11と背側部13とが破断線Q1のように破断される。そして、周壁部BWに破断が達すると、幅が厚くて強度が強い周壁部BWではなく、相対的に強度が弱い腹側部11(又は背側部13)のシート部材と周壁部BWとの境界部分BL(融着部の周囲部分)に破断が進展する。その場合、シート部材と周壁部BWとの境界部分BLが破断線Q2、Q3、Q4のように破断される。その後、腹側部11と背側部13とが破断線Q5のように破断される。
【0051】
このように、本実施の形態では、周壁部BWの幅が全体として比較的均一であり、幅が他の部分より薄過ぎる部分を有していないため、腹側部11と背側部13とを互いに引き剥がすとき、引き剥がそうとする力により周壁部BWが破断することを抑制できる。そして、シート部材と周壁部BWとの境界部分、すなわち融着部の周囲部分が破断するようにさせることができる。その結果、各接合部を、縦方向に沿って最後まで腹側部と背側部とに引き剥すことができ、周壁部が破断し、破断した部分から破断が進展して、接合部以外の部分のシート部材を破断することを抑制できる。よって、接合部を有する本吸収性物品は、吸収性物品の装着中に装着者の動きで接合部の接合が外れることを安定的に防止しつつ、吸収性物品の取り外し時に、シート部材を破らずに、腹側部と背側部とに適切に分離し易くすることが可能となる。なお、上記作用効果を奏し得る周壁部BWの幅の均一性などの観点から、第1寸法P1は、第2寸法P2の50%以上、100%未満であることが好ましく、第2寸法P2の55%以上、100%未満であることがより好ましく、60%以上、100%未満であることが更に好ましい。なお、第1寸法P1は、上記作用効果を奏し得る第2寸法P2の90%以下であってもよい。
【0052】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)では、縦方向D1(第1方向)におけるコア部BAの両外側に位置する第3周壁部BW3や第4周壁部BW4の幅が横方向D2(第2方向)に向かって徐々に厚くなる。それゆえ、横方向D2における横方向一方側D2Iの幅の薄い(第1寸法P1)の第1周壁部BW1から、縦方向D1におけるコア部BAの両外側に位置する第3周壁部BW3又は第4周壁部BW4を介し、横方向D2における横方向他方側D2IIの幅の厚い(第2寸法P2)の第2周壁部BW2まで、幅が連続的に変化している。すなわち、融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)は、コア部BAの周囲で周壁部BWの幅が徐々に変化して全体として比較的均一であるため、他の部分より薄過ぎる部分を有していない。そのため、装着中に装着者の動きで接合部14a、14bの接合が外れることをより安定的に防止できる。また、腹側部11と背側部13とを互いに引き剥がすとき、引き剥がそうとする力により周壁部BWが破断することをより抑制でき、融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)の周囲部分がより破断するようにさせることができる。周壁部BWの幅が横方向一方側D2Iから横方向他方側D2IIへ向かうに連れて大きくなる程度としては、例えば、第3周壁部BW3や第4周壁部BW4の最小寸法P3min、P4minが同最大寸法の60%以上、100%未満の範囲が挙げられる。60%以上にすることで、周壁部BWの幅の均一性を高められるので好ましい。最小寸法が最大寸法の80%以上、100%未満の範囲がより好ましい。
【0053】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)は、縦方向D1(第1方向)において、コア部BAの両外側に対向して位置する第3周壁部BW3及び第4周壁部BW4での、横方向D2(第2方向)の任意位置おける周壁部BW(BW3、BW4)同士の幅が±15%の範囲内で同じである。すなわち、その融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)は、周壁部BWの幅が全体としてより均一であるため、他の部分より薄過ぎる部分をより有していない。そのため、引き剥がそうとする力により周壁部BWが破断することをより抑制でき、融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)の周囲部分がより破断するようにさせることができる。
【0054】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)では、コア部の第2方向の最大寸法がコア部の第1方向の最大寸法よりも長く、したがって融着部が第2方向に長い横長の形状を有している。そのため、融着部が横長の形状を有していない場合と比較して、装着中に装着者の動きで接合部に加わる力をより安定的に受け止めることができ、接合部の接合が外れることをより安定的に防止できる。また、融着部が第2方向に相対的に長く、したがってコア部の両外側で幅の差が小さい周壁部が第2方向に長いため、周壁部の幅が薄過ぎる部分をより抑制できる。そのため、引き剥がそうとする力により周壁部が破断することをより抑制でき、融着部の周囲部分がより破断するようにさせることができる。横長の程度としては、例えば、最大寸法d1は、最大寸法d2の30〜80%が好ましい。30%以上とすることで、融着性能をより安定でき、80%以下とすることで、引き剥がし易さをより高められる。
【0055】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)は、周壁部BWにおける横方向D2の(幅の小さい側の)第1寸法P1が、コア部BAにおける横方向D2の最大寸法d2(を100%としたとき)の0.5%以上である。すなわち、第1寸法P1が、所定の幅(コア部BAの最大寸法d2の0.5%)以上の幅を有している。したがって、融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)は、周壁部BWに、他の部分より薄過ぎる部分を有していない。そのため引き剥がそうとする力により周壁部BWが破断することをより抑制でき、融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)の周囲部分がより破断するようにさせることができる。周壁部BWの幅の薄過ぎる部分を抑制する観点から、第1寸法P1は、最大寸法d2の1%以上がより好ましく、5%以上が更に好ましい。また、引き剥がし易さの観点から第1寸法P1は、最大寸法d2の50%以下がより好ましく、20%以下が更に好ましい。
【0056】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)では、横方向他方側D2IIの接合部14aにおけるコア部BAの横方向一方側D2I(内側)に位置する第1周壁部BW1の第1寸法P1が、横方向一方側D2Iの接合部14bにおけるコア部BAの横方向他方側D2II(内側)に位置する第2周壁部BW2の第2寸法P2の40%以上、100%未満である。よって、一つの融着部21Db(〜23Db、21Ub〜23Ub)にて、横方向一方側D2Iの第1周壁部BW1の幅と、横方向他方側D2IIの第2周壁部BW2の幅との差が小さいことに加え、一対の接合部14a、14bにて、横方向他方側D2IIの接合部14aにおける横方向一方側D2Iの第1周壁部BW1の幅と、横方向一方側D2Iの接合部14bにおける横方向他方側D2IIの第2周壁部BW2の幅との差が小さい。すなわち、一対の接合部14a、14bにて、いずれの接合部14の融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)においても全体として、周壁部BWの幅が比較的均一である。そのため、腹側部11と背側部13とを互いに引き剥がすとき、引き剥がそうとする力により周壁部BWが破断することをより抑制でき、融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)の周囲部分がより破断するようにさせることができる。この場合、一対の接合部14a、14bにおける周壁部BWの幅の均一性の観点から、接合部14aの第1寸法P1は、接合部14bの第2寸法P2の50%以上、100%未満が好ましく、60%以上、100%未満がより好ましい。
【0057】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)では、少なくとも横方向他方側D2IIの接合部14aが、複数の融着部21Db(〜23Db)の横方向一方側D2Iに、補助コア部と補助周壁部とを含み、補助コア部の面積がコア部の面積よりも小さい複数の補助融着部21Da(〜23Da)を更に含んでいる。それゆえ、接合部14aが横方向一方側D2Iに複数の補助融着部21Da(〜23Da)を有していない場合と比較して、装着中に装着者の動きで接合部に加わる力をより安定的に受け止めることができ、接合部14aの接合が外れることをより安定的に防止できる。
【0058】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)は、一対の接合部14a、14bの両方とも複数の融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)の横方向一方側D2Iに複数の補助融着部21Da(〜23Da)、21Ua(〜23Ua)を更に含んでいる。すなわち、一対の接合部14a、14bのうち、横方向一方側D2Iの接合部14bでは、融着部21Ub(〜23Ub)に対して、縦方向中心線CL(仮想線)から遠ざかる側、すなわち横方向D2の外側に補助融着部21Ua(〜23Ua)を有している。一方、一対の接合部14a、14bのうち、横方向他方側D2IIの接合部14aでは、融着部21Db(〜23Db)に対して、縦方向中心線CLに近づく側、すなわち横方向D2の内側に補助融着部21Da(〜23Da)を有している。したがって、一対の接合部14a、14bにおいて、融着部21Ub(〜23Ub)、21Db(〜23Db)及び補助融着部21Ua(〜23Ua)、21Da(〜23Da)を縦方向中心線CLに対して非対称に構成することができる。そのため、横方向一方側D2Iの接合部14bにおいて、相対的に小さい補助融着部21Ua(〜23Ua)が横方向D2の外側にあることで、横方向D2の外側の部分を内側に変形し易く(丸まり易く)できる。一方、横方向他方側D2IIの接合部14aにおいて、相対的に大きい融着部21Db(〜23Db)が横方向D2の外側にあることで、横方向D2の外側の部分を内側に変形し難く(丸まり難く)することができる。その結果、一対の接合部14a、14bにおいて、融着部21Ub(〜23Ub)、21Db(〜23Db)及び補助融着部21Ua(〜23Ua)、21Da(〜23Da)の配置だけでなく、全体的な形状(丸まり具合)も左右非対称にすることができる。したがって、それら融着部21Ub(〜23Ub)、21Db(〜23Db)及び補助融着部21Ua(〜23Ua)、21Da(〜23Da)の配置や、接合部14a、14bの全体的な形状の非対称性を、視覚及び/又は触覚で確認することにより、吸収性物品における横方向D2の左右を容易に認識することができる。その結果、吸収性物品における厚さ方向D3の前後、すなわち腹側部11及び背側部13を容易に認識し、区別することができる(ただし、配置や形状と左右との関係を吸収性物品(例示:使い捨ておむつ)のパッケージなどで予め把握している場合)。
【0059】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)は、補助融着部21Ua(〜23Ua)、21Da(〜23Da)のコア部の形状は円形である。したがって、周壁部も含めた補助融着部21Ua(〜23Ua)、21Da(〜23Da)の形状も円形になる。そのため、装着中に装着者の動きで接合部14a、14bに加わる、あらゆる方向からの力をより安定的に受け止めることができ、接合部14a、14bの接合が外れることをより安定的に防止できる。
【0060】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)では、一対の接合部14a、14bにおける複数の融着部21Ub(〜23Ub)、21Db(〜23Db)が、縦方向中心線CL(仮想線)に対して、ウエスト側からレッグ側に向かって、又は、レッグ側からウエスト側に向かって、徐々に遠ざかるように、縦方向D1に対して斜め方向に並んで配置されている。すなわち、一対の接合部14a、14bにおける複数の融着部21Ub(〜23Ub)、21Db(〜23Db)が、ウエスト側からレッグ側に向かって、又は、レッグ側からウエスト側に向かって、末広がり形状に配置されている。そのため、ウエスト側又はレッグ側の横方向において、接合部14a、14bにおける複数の融着部21Ub(〜23Ub)、21Db(〜23Db)よりも外側の部分(縦方向中心線CLに対して融着部21Ub(〜23Ub)、21Db(〜23Db)よりも外側の部分)に、外側へ向かって突出する突出部(耳)14aT1、14bT1を形成することができる。そのため、着用者が吸収性物品を取り外すとき、その突出部14aT1、14bT1をつまんで横方向D2の外側に引っ張ることにより、吸収性物品のウエスト側又はレッグ側の部分と身体との間に隙間を形成して、指を入れ易くすることができる。あるいは、吸収性物品における縦方向D1の突出部14aT1、14bT1と反対側のレッグ側又はウエスト側の部分14aT2、14bT2と身体との間の部分に指を入易くすることができる。それゆえ、それらの隙間に指を入れて、腹側部11と背側部13とを容易に引き剥がす事が可能となる。
【0061】
なお、一対の接合部14a、14bは、腹側部11と背側部13とを引き剥がすとき、図6(b)のようにシート部材に破断が進展してしまう、という影響を与えなければ、図4のような融着部とは構成が異なる別の融着部を更に含んでいてもよい。
【0062】
次に、本実施の形態に係る使い捨ておむつ1の製造方法の一例について説明する。
まず、本製造方法に使用される、接合部を形成するための融着装置の一例について説明する。図7は、実施の形態に係る融着装置の構成例を示す模式図である。融着装置90は、シール対向面92aを有するアンビル92(第1狭持部材)を備えた回転体(図示されず)と、シール対向面91aを有する超音波ホーン91(第2狭持部材)とを備える。アンビル92は、シール対向面92aが回転体の外周面に概ね一致するように回転体内に配置される。シール対向面92aは、融着部を形成するための複数の凸部が列状に配置された下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uを含む。下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uは、それぞれ製造途中の吸収性物品の前駆体の搬送方向MDにおける下流側及び上流側に位置する。下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uの複数の凸部は、搬送方向MDに対して垂直な横断方向CDに沿って延在する。シール対向面91aは、下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uの少なくとも一方に対面する面積を有する。
【0063】
アンビル92と超音波ホーン91との間に、回転体の外周面に沿って搬送方向MDに吸収性物品の前駆体が搬送される。アンビル92と超音波ホーン91とは、搬送方向MDに略垂直な高さ方向TDに沿って相対的に接近可能である。ただし、アンビル92を含む回転体の外周面に沿う方向(搬送方向MD)に対し、超音波ホーン91は所定の範囲だけ往復運動する。ここで、所定の範囲とは、外周面に沿った所定の周の長さ(弧)の範囲であり、例えば対応する回転体の回転角としては30度以下の範囲であり、あるいは例えば下流側凸部列30Dの下流側端部と上流側凸部列30Uの上流側端部との距離の5倍以内の範囲である。したがって、超音波ホーン91は所定の範囲だけ、周方向(搬送方向MD)の上流側から下流側に移動(外周面に追従)しつつ、アンビル92と共に前駆体を挟持し、その後に前駆体から離間しつつ、下流側から上流側に移動する。そして超音波ホーン91が上流側から下流側に移動するとき、アンビル92のシール対向面92aの下流側凸部列30Dと、超音波ホーン91のシール対向面91aとが、高さ方向TDに接近し、吸収性物品の前駆体の腹側部と背側部とを挟持し、超音波振動(と圧力)により融着して、接合列20Dを形成する。それと共に、シール対向面92aの上流側凸部列30Uと、シール対向面91aとが、前駆体の腹側部と背側部とを挟持し、超音波振動(と圧力)により融着して、接合列20Uを形成する。このとき、搬送方向MDを横方向D2と平行にして並んだ二つの前駆体のうちの下流側の前駆体における接合列20D(図3の右側)と、上流側の前駆体における接合列20U(図3の左側)と、が形成される。接合列20D及び接合列20Uは、同時に形成されてもよく、先に接合列20Dが形成され、後に接合列20Uが形成されてもよい。融着装置90としては、例えば特許文献1の装置が挙げられる。なお、超音波ホーン91は搬送方向MDに往復運動しなくてもよい。
【0064】
図8は、融着装置90のアンビル92の凸部列の構成例を示す模式図である。下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uは、横断方向CDにおいて、それぞれウエスト側領域31D、31Uと、レッグ側領域33D、33Uと、ウエスト側領域31D、31Uとレッグ側領域33D、33Uとの間の中央領域32D、32Uと、を有する。ウエスト側領域31D、31Uは、それぞれ接合部14a、14bのウエスト側領域21D、21Uに対応する。レッグ側領域33D、33Uは、それぞれ接合部14a、14bのレッグ側領域23D、23Uに対応する。中央領域32D、32Uは、それぞれ接合部14a、14bの中央領域22D、22Uに対応する。
【0065】
本実施の形態では、下流側凸部列30Dは、搬送方向MDの下流側(図8の左側)に位置し、横断方向CDに延びる仮留め凸部列30Daと、搬送方向MDの上流側(図8の右側)に位置し、横断方向CDに延びる本留め凸部列30Dbと、を備える。仮留め凸部列30Daは、ウエスト側領域31D、中央領域32D及びレッグ側領域33Dに、それぞれ搬送方向MDに並ぶ複数の仮留め凸部31Da、32Da、33Daを含む。一方、本留め凸部列30Dbは、ウエスト側領域31D、中央領域32D及びレッグ側領域33Dに、それぞれ搬送方向MDに並ぶ複数の本留め凸部31Db、32Db、33Dbを含む。複数の仮留め凸部31Da、32Da、33Daは、複数の補助融着部21Da、22Da、23Daの形成に用いられる。複数の本留め凸部31Db、32Db、33Dbは複数の融着部21Db、22Db、23Dbの形成に用いられる。
【0066】
一方、本実施の形態では、上流側凸部列30Uは、搬送方向MDの下流側(図7の左側)に位置し、横断方向CDに延びる仮留め凸部列30Uaと、搬送方向MDの上流側(図7の右側)に位置し、横断方向CDに延びる本留め凸部列30Ubと、を備える。仮留め凸部列30Uaは、ウエスト側領域31U、中央領域32U及びレッグ側領域33Uに、それぞれ搬送方向MDに並ぶ複数の仮留め凸部31Ua、32Ua、33Uaを含む。一方、本留め凸部列30Ubは、ウエスト側領域31U、中央領域32U及びレッグ側領域33Uに、それぞれ搬送方向MDに並ぶ複数の本留め凸部31Ub、32Ub、33Ubを含む。複数の仮留め凸部31Ua、32Ua、33Uaは、複数の補助融着部21Ua、22Ua、23Uaの形成に用いられる。複数の本留め凸部31Ub、32Ub、33Ubは、複数の融着部21Ub、22Ub、23Ubの形成に用いられる。
【0067】
複数の仮留め凸部31Da〜33Daの各々は複数の本留め凸部31Db〜33Dbの各々よりも面積が小さく、よって外周の長さが短い。具体的には、仮留め凸部31Daは本留め凸部31Dbよりも面積が小さく、好ましくは仮留め凸部32Daは本留め凸部32Dbよりも面積が小さく、好ましくは仮留め凸部33Daは本留め凸部33Dbよりも面積が小さい。仮留め凸部33Daは本留め凸部31Dbよりも面積が小さいことが好ましい。これらの関係は、外周の長さにも同様に当てはまる。仮留め凸部31Da〜33Daの各々の大きさとしては、形状が円の場合、例えば直径0.5〜5mmが挙げられる。本留め凸部31Db〜33Dbの各々の大きさとしては、形状が横方向D2に長い長円(角丸長方形)の場合、例えば短辺(短径)0.5〜5mm、長辺(長径)1〜20mmが挙げられる。隣り合う仮留め凸部列30Daと本留め凸部列30Dbとの間の距離としては、例えば1〜10mmが挙げられ、隣り合う仮留め凸部間の距離は例えば1〜30mmが挙げられ、隣り合う本留め凸部間の距離は例えば1〜10mmが挙げられる。隣り合う凸部同士の間隔は一定でもよいし、位置により変化してもよい。仮留め凸部と本留め凸部との間の間隔は例えば1〜30mmが挙げられる。
【0068】
本実施の形態では、複数の仮留め凸部31Ua〜33Uaの各々、及び、複数の本留め凸部31Ub〜33Ubの各々の構成は、それぞれ、複数の仮留め凸部31Da〜33Daの各々、及び、複数の本留め凸部31Db〜33Dbの各々の構成と同様である。
【0069】
下流側凸部列30Dと上流側凸部列30Uとは全体的な配置としては、シール対向面92aにおける搬送方向MDの中心を通り横断方向CDに延びる中心線C1に対して対称である。ただし、複数の凸部の配置を考慮すると、下流側凸部列30Dと上流側凸部列30Uとは中心線C1に対して非対称である。したがって、仮留め凸部列30Da及び本留め凸部列30Dbと、仮留め凸部列30Ua及び本留め凸部列30Ubとは、中心線C1に対して非対称である。よって、複数の仮留め凸部31Da〜33Da及び複数の本留め凸部31Db〜33Dbと、複数の仮留め凸部31Ua〜33Ua及び複数の本留め凸部31Ub〜33Ubとは、中心線C1に対して非対称である。
【0070】
本実施の形態では、下流側凸部列30Dと上流側凸部列30Uとの間の距離は、ウエスト側領域31D、31U側の端部ではW01であり、レッグ側領域33D、33U側の端部ではW02であり、両者の関係はW01≧W02である。したがって、下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uは、搬送方向MD及び横断方向CDに垂直な高さ方向から見て略Vの字状(略末広がり状)に形成されている。両者の成す角は、例えば0〜20度が好ましく、融着部の安定形成の観点から2〜10度がより好ましい。ただし、両者の成す角が20度よりも大きいと、使い捨ておむつ1における一対の接合部14a、14bの占める割合が大きくなり、資材が無駄になる。更に、両者の成す角が20度よりも大きいと、使い捨ておむつ1におけるウエスト開口部WO付近の幅とレッグ開口部LOの上側付近の幅とが大きく異なってしまい、装着者の体型に合い難くなる。
【0071】
本実施の形態では、各領域の下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uはいずれも二列ずつ存在する。ただし、下流側凸部列30Dは二列より多くてもよく、また、領域ごとに列数が相違していてもよい。一方、上流側凸部列30Uは一列でも、二列より多くてもよく、また、領域ごとに列数が相違していてもよい。
【0072】
本実施の形態では、下流側凸部列30D(、上流側凸部列30U)において、搬送方向MDの下流側の部分に仮留め凸部列30Da(、30Ua)が配置され、上流側の部分に本留め凸部列30Db(、30Ub)が配置されている。その結果、製造途中の吸収性物品の前駆体を仮留め凸部列30Daが最初に挟持され、本留め凸部列30Dbがその後に挟持されることになる。それにより、前駆体における腹側部及び背側部の端部にまず仮留めの融着を行い、その後に本留めの融着を行うことができる。なお、搬送方向MDが逆向きならば、図7の下流側凸部列30Dと上流側凸部列30Uとは中心線C1に対して左右反転した形状になる。それに伴い、図3の接合列20Dと接合列20Uとは縦方向中心線CLに対して左右反転した形状になる。
【0073】
次に、本実施の形態に係る使い捨ておむつ1の製造方法の一例を説明する。図9は、実施の形態に係る使い捨ておむつ1の製造方法を示す斜視図であり、本製造方法における重ね工程及び接合工程を示す。また、図10は、図9の製造方法における接合工程、すなわち接合部14a、14bの形成過程を示す模式図である。本製造方法は、重ね工程と、形成工程とを備える。以下、具体的に説明する。
【0074】
まず、従来知られた製造方法により、連続シート部材101aを形成する。ただし、連続シート部材101aは、複数の腹側部11が横方向D2(搬送方向MD)に連結された腹側連続部分111と、複数の背側部13が横方向D2(搬送方向MD)に連結された背側連続部分113とを、縦方向D1(横断方向CD)の両側に備える。なお、連続シート部材101aは、腹側連続部分111と背側連続部分113との間に、複数の股間部12が横方向D2(搬送方向MD)に連結された中間連続部分112を含む。ここで、連続シート部材101aにおいて、縦方向D1(横断方向CD)に並ぶ腹側部11、股間部12及び背側部13上には吸収性本体10が配置されており、これらは一体として使い捨ておむつ1(図2)の前駆体1aとみることができる。すなわち、連続シート部材101aは、展開した状態の使い捨ておむつ1(図2)の前駆体1aが横方向D2(搬送方向MD)に連結された構造を有するとみることができる。連続シート部材101aの横断方向CDの一方の端縁111e側には、連続シート部材101a内に、弾性部材8a用の弾性部材108aが含まれ、他方の端縁113e側には、弾性部材8b用の弾性部材108bが含まれる。更に、連続シート部材101a内に、弾性部材8c、8c用の弾性部材108c、108cが配置される。弾性部材108c、108cはそれぞれ波形に湾曲しつつ、搬送方向MDに延在する。弾性部材108c、108cとで囲まれた領域に、使い捨ておむつ1のレッグ開口部LOとなる端部12a、12bが形成される。
【0075】
次いで、腹側連続部分111及び背側連続部分113の一方を他方に重ねる重ね工程を実行する。すなわち、重ね工程は、連続シート部材101aを、横方向D2が搬送方向MDに沿い、縦方向D1が横断方向CDに沿うように、搬送方向MDに搬送しつつ、腹側連続部分111に背側連続部分113を重ねて、腹側部11と背側部13とを重ねる。言い換えると、腹側連続部分111上に背側連続部分113を、横断方向CDの端縁111eと端縁113eとが重なるように折り畳む。それにより、腹側部11と背側部13とが重ね合わされた吸収性物品の前駆体1bが連続的に形成される。すなわち、吸収性物品の前駆体1bが搬送方向MDに連続した連続シート部材101bが形成される。腹側連続部分111上に背側連続部分113を折り畳む(重ねる)には、公知の折り畳み装置を用いることができる。重ね工程は、腹側連続部分111を背側連続部分113に重ねてもよい。
【0076】
次いで、搬送方向MDに隣接する二つの前駆体1b、1bに跨る領域20Qに一対の接合部14a、14bを形成する接合工程を実行する。接合工程は、まず、連続シート部材101bを融着装置90に供給し、回転体の外周面に沿って搬送してする。そして、搬送方向MDに隣接する二つの前駆体1b、1bにおける下流側の前駆体1bの上流側端部にて、アンビル92(第1挟持部材)の下流側凸部列30Dと超音波ホーン91(第2挟持部材)とで、腹側部11と背側部13とを極めて短時間に挟持して融着し、接合部14aを形成する。すなわち、接合工程は、まず、仮留め凸部列30Daで、接合列20D、すなわち複数の補助融着部21Da、22Da、23Daを順番に形成しつつ、少し遅れて本留め凸部列30Dbで複数の融着部21Db、22Db、23Dbを順番に形成する。次いで、接合工程は、更に、搬送方向MDに隣接する二つの前駆体1b、1bにおける上流側の前駆体1bの下流側端部にて、アンビル92(第1挟持部材)の上流側凸部列30Uと超音波ホーン91(第2挟持部材)とで、腹側部11と背側部13とを極めて短時間に挟持して融着し、接合部14bを形成する。すなわち、接合工程は、更に仮留め凸部列30Uaで、接合列20U、すなわち複数の補助融着部21Ua、22Ua、23Uaを順番に形成しつつ、少し遅れて本留め凸部列30Ubで複数の融着部21Ub、22Ub、23Ubを順番に形成する。それらにより、隣接する二つの前駆体1b、1bに跨って一対の接合部14a、14bが形成される。そして、接合工程が連続的に行われることで、一対の接合部14a、14bを備える吸収性物品の前駆体1cが搬送方向MDに連続した連続シート部材101cが形成される。このとき、連続シート部材101bが回転体の外周面に沿って搬送方向MDに所定速度(例示:100m/min.)で搬送され、かつ、超音波ホーン91が回転体の外周面に沿って所定範囲(例示:回転体の回転角度が25度)内しか追従しかない状態において、搬送方向MDに垂直な高さ方向TDから超音波ホーン91が連続シート部材101bに押し付けられる。そのため、超音波ホーン91と連続シート部材101bとの接触は、例えば数10msから100ms程度の極めて短時間に挟持して融着して、行われる。
【0077】
ただし、図8に示される連続シート部材101a、101b、101cよりも搬送方向MDの上流側及び下流側には、例えば互いに対面配置された一対の搬送ロールなど(図示されず)がそれぞれ設けられている。そして、重ね工程及び接合工程にて、連続シート部材101a、101b、101cが、それら上流側及び下流側の一対の搬送ロールの間で、搬送方向MDに所定テンションで引っ張られつつ、連続シート部材101aが連続シート部材101bを経て連続シート部材101cに加工される。
【0078】
その後、連続シート部材101cにおいて、隣接する二つの前駆体1c、1cの境界線C10に沿って下流側の前駆体1cを切断する。境界線C10は、接合列20Dと接合列20Uとの間における搬送方向MDの中心を通り横断方向CDに延びる線に相当する。それにより、使い捨ておむつ1が製造される。
【0079】
連続シート部材を搬送方向に搬送しながら挟持部材で挟持してシールする形成工程の直前に、腹側連続部分と背側連続部分とを重ね合わせる重ね工程を行うとき、下流側凸部列及び上流側凸部列で形成される融着部において、各凸部の前側部分(搬送方向の下流側の部分)で形成された周壁部の幅は薄くなり易く、各凸部の後側部分(搬送方向の上流側の部分)で形成された周壁部の幅は厚くなり易い。その理由は、以下のとおりである。重ね工程にて背側連続部分を腹側連続部分に重ねる場合、背側連続部分は一時的に搬送方向に対し斜めに移動し、腹側連続部分よりも搬送方向に長い距離を移動する。その場合、重ね工程の直後では、背側連続部分が腹側連続部分よりも引っ張られた状態になり、よって高いテンションの状態になる。その状態で、形成工程を開始すると、例えば、下流側凸部列における各凸部の前側部分(下流側の部分)に当接した連続シート部材が融着されるとき、強く引っ張られた背側連続部分と緩んだ腹側連続部分とが融着される。そのため、融着の時間が短いと、融着部(周壁部)が十分に形成できず、各凸部の前側部分(下流側の部分)で形成された周壁部の幅は薄くなり易い。一方、各凸部の後側部分(上流側の部分)に当接した連続シート部材が融着されるとき、連続シート部材に既に各凸部の前側部分(下流側の部分)で形成された融着部(周壁部)が存在するので、背側連続部分と腹側連続部分との間でのテンションの相違は徐々に小さくなる。そのため、融着の時間が短くても、融着部(周壁部)は十分に形成でき、各凸部の後側部分(上流側の部分)で形成された周壁部の幅は厚くなり易い。その結果、形成された周壁部の幅をコア部の周囲の位置によらず略均一にし難く、周壁部の幅が部分的に薄くなるおそれがある。
【0080】
しかし、本製造方法では、そのような各(本留め)凸部の前側部分(下流側の部分)で形成される融着部の周壁部と、後側部分(上流側の部分)で形成される融着部の周壁部との間の幅の差が大きいこと、すなわち薄過ぎる部分が部分的に生じることを抑制できる。具体的には、本製造方法では、まず、搬送方向MDの下流側の前駆体1bの上流側端部では、補助融着部21Da(〜23Da)で連続シート部材101bの腹側部11と背側部13とを仮留めする。それにより、テンションの基点を、補助融着部21Da(〜23Da)にでき、すなわち腹側連続部分111と背側連続部分113との重ね工程の位置よりも下流側の位置にできる。よって、補助融着部21Da(〜23Da)よりも下流側において、連続シート部材101bの腹側部11のテンションと背側部13のテンションとの相違を抑制できる。その後に、本製造方法では、連続シート部材101bの腹側部11と背側部13とを融着部21Db(〜23Db)で本留めする。そのとき、腹側部11と背側部13のテンションの相違を抑制した状態で本留めできるので、補助融着部21Da(〜23Da)を設けない場合と比較して、融着部21Db(〜23Db)における、搬送方向MDの下流側の部分の周壁部BWの幅と、搬送方向MDの上流側の部分の周壁部BWの幅との差を抑制できる。
同様に、搬送方向MDの上流側の前駆体1bの下流側端部では、補助融着部21Ua(〜23Ua)で連続シート部材101bの腹側部11と背側部13とを仮留めする。それにより、テンションの基点を、補助融着部21Ua(〜23Ua)にでき、すなわち腹側連続部分111と背側連続部分113との重ね工程の位置よりも下流側の位置にできる。よって、補助融着部21Ua(〜23Ua)よりも下流側において、連続シート部材101bの腹側部11のテンションと背側部13のテンションとの相違を抑制できる。その後に、本製造方法では、連続シート部材101bの腹側部11と背側部13とを融着部21Ub(〜23Ub)で本留めする。そのとき、腹側部11と背側部13のテンションの相違を抑制した状態で本留めできるので、補助融着部21Ua(〜23Ua)を設けない場合と比較して、融着部21Ub(〜23Ub)における、搬送方向MDの下流側の部分の周壁部BWの幅と、搬送方向MDの上流側の部分の周壁部BWの幅との差を抑制できる。
【0081】
本実施の形態における好ましい態様として、使い捨ておむつ(吸収性物品)を製造する方法では、まず、腹側部11と背側部13とが互いに積層されているが接合されていない吸収性物品の前駆体1bが横方向D2に連結された連続シート部材101bを、横方向D2を搬送方向MDとして搬送する。そして、前駆体1bにおける一対の接合部14a、14bのうちの一方(14a)に対応する位置に、少なくとも複数の融着部21Db(〜23Db)の各々を時間差で順番に形成する(第1形成工程;接合工程の前半)。次いで、第1形成工程の後に、前駆体1bにおける一対の接合部14a、14bのうちの他方(14b)に対応する位置に、少なくとも複数の融着部21Ub(〜23Ub)の各々を時間差で順番に形成する(第2形成工程;接合工程の前半)。そのため、融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)を形成する超音波ホーン91とアンビル92とで狭持されて形成される、単位時間当たりに形成される融着部の数を少なくすることができる。その結果、一つの融着部に加わる狭持の圧力(線圧)を高くすることができる。それにより、安定的に融着部21Db(〜23Db)、21Ub(〜23Ub)を形成でき、周壁部BWの幅をより均一且つ十分な幅にすることができる。そのため、引き剥がそうとする力により周壁部が破断することをより抑制でき、融着部の周囲部分がより破断するようにさせることができる。
【0082】
上述された製造方法の一例では、接合工程は、まず、仮留め凸部列30Daで、複数の補助融着部21Da、22Da、23Daを順番に形成しつつ、少し遅れて本留め凸部列30Dbで複数の融着部21Db、22Db、23Dbを順番に形成する。次いで、仮留め凸部列30Uaで、複数の補助融着部21Ua、22Ua、23Uaを順番に形成しつつ、少し遅れて本留め凸部列30Ubで複数の融着部21Ub、22Ub、23Ubを順番に形成する。ただし、仮留め凸部列30Uaで、複数の補助融着部21Ua、22Ua、23Uaを形成しなくてもよい。その理由は、複数の融着部21Db、22Db、23Dbが先に形成されることで、それら先に形成された融着部により、連続シート部材101bの腹側部11のテンションと背側部13のテンションとの相違をある程度、抑制できるからである。
【0083】
上述された製造方法の一例では、複数の融着部21Db、22Db、23Dbの前に複数の補助融着部21Da、22Da、23Daを形成し、複数の融着部21Ub、22Ub、23Ubの前に複数の補助融着部21Ua、22Ua、23Uaを形成する。それにより、各融着部の周壁部の幅を比較的均一にしている。ただし、使い捨ておむつ1の製造方法はその方法に限定されるものではなく、他の方法、すなわち仮留め凸部(補助融着部)を用いない方法を用いてもよい。例えば、各本留め凸部の前側部分(下流側の部分)がシール部材を押圧するときに超音波ホーンに供給されるエネルギーを相対的に多くし、後側部分(上流側の部分)がシール部材を押圧するときに超音波ホーンに給されるエネルギーを相対的に少なくする方法があり得る。あるいは、各本留め凸部の前側部分(下流側の部分)に供給される超音波ホーンのエネルギーを相対的に多くし、後側部分(上流側の部分)に供給される超音波ホーンのエネルギーを相対的に少なくする方法があり得る。あるいは、各本留め凸部の前側部分(下流側の部分)におけるアンビル92の外周面からの高さを相対的に高くし、後側部分(上流側の部分)における高さを相対的に低くする方法があり得る。あるいは、各本留め凸部の前側部分(下流側の部分)における横断方向CDの幅を相対的に広くし、後側部分(上流側の部分)における幅を相対的に狭くする方法があり得る。これらの方法によっても、搬送方向MDの下流側の部分の周壁部BWの幅と、搬送方向MDの上流側の部分の周壁部BWの幅との差を抑制できる。
【0084】
本実施の形態では好ましい態様として、複数の融着部21Db(〜23Db)及び/又は21Ub(〜23Ub)の各々の形状は、搬送方向MDの長さの方が、横断方向CDの長さよりも長くなっている。すなわち、下流側凸部列30D、上流側凸部列30Uのうちの融着部21Db(〜23Db)及び/又は21Ub(〜23Ub)用の凸部(本留め凸部31Db(〜33Db)及び/又は31Ub(〜33Ub))の形状が搬送方向MDに縦長である。そのため、接合工程において、融着部21Db(〜23Db)及び/又は21Ub(〜23Ub)用の凸部が連続シート部材101bに接触する時間を長くすることができ、よって融着部21Db(〜23Db)及び/又は21Ub(〜23Ub)を形成する時間を長くできる。それにより、融着部21Db(〜23Db)及び/又は21Ub(〜23Ub)における下流側の部分の周壁部BWの幅と、上流側の部分の周壁部BWの幅との差を抑制できる。
【0085】
本実施の形態では好ましい態様として、下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uは、横断方向CDの一方側の端部同士の距離W02が、他方側の端部同士の距離W01よりも短い。すなわち、本好ましい態様では、アンビル92(第1狭持部材)の下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uが、搬送方向MD及び横断方向CDに垂直な高さ方向から見て略Vの字状(略末広がり状)に形成されている。そのため、接合工程中に、連続シート部材101bを横断方向CDに対して、アンビル92(第1挟持部材)と超音波ホーン91(第2挟持部材)とで常に押さえることができ、連続シート部材101bを横断方向CDにずれ難くすることができ、安定的に一対の接合部14a、14bを形成できる。したがって、融着部21Db(〜23Db)における下流側の部分の周壁部BWの幅及び上流側の部分の周壁部BWの幅と、他の融着部21Ub(〜23Ub)における下流側の部分の周壁部BWの幅及び上流側の部分の周壁部BWとの差を抑制できる。それにより一対の接合部14a、14bの係止強度をよりバランスさせることができ、両者をいずれも概ね同じ力で引き剥がすことができる。下流側凸部列30D及び上流側凸部列30Uの成す角は、例えば0〜20度が挙げられ、融着部の安定形成の観点から2〜10度が好ましい。両者の成す角が20度よりも大きいと、使い捨ておむつ1における一対の接合部14a、14bの占める割合が大きくなり、製造時に資材が無駄になる。更に、両者の成す角が20度よりも大きいと、使い捨ておむつ1におけるウエスト開口部WO付近の幅とレッグ開口部LOの上側付近の幅とが大きく異なってしまい、装着者の体型に合い難くなる。
【実施例】
【0086】
以下、図3図4を参照しつつ、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定されるものではない。
【0087】
(1)試料
上記の実施の形態の製造方法を用いて上記実施の形態で説明された使い捨ておむつを、実施例の使い捨ておむつとして製造した。そのとき、図8に示す仮留め凸部を有するアンビル92を用いて製造した使い捨ておむつの接合部14aを切り出して実施例1の試料とし、接合部14bを切り出して実施例3の試料とした。また、仮留め凸部を有さないアンビル92を用い、各本留め凸部の前側部分の押圧時に超音波ホーンに供給されるエネルギーを相対的に多くして製造した使い捨ておむつの接合部14aを切り出して実施例2の試料とした。一方、仮留め凸部を有さず、アンビル92の外周面からの高さが均一な本留め凸部を有するアンビル92を用い、超音波ホーンに供給されるエネルギーを本留め凸部内で均一にして製造した2個の使い捨ておむつの接合部14aをそれぞれ切り出して比較例1、2の試料とした。なお、仮留め凸部は直径1mmの円形状であり、本留め凸部は短径1mm、長径3mmの角丸長方形であった。
(2)幅の測定
上記(1)で作製された実施例1〜3、比較例の試料(接合部14a又は接合部14b)における複数の融着部21Db又は複数の融着部21Ubの各々について、図4(a)の周壁部BWの幅P1、P2に対応する位置につき周壁部BWを縦方向D1に対して垂直な平面で切断した断面の幅、及び、図4(a)の周壁部BWの幅P3a、P3b、P4a、P4bに対応する位置につき周壁部BWを横方向D2に対して垂直な平面で切断した断面の幅をそれぞれ電子顕微鏡で計測して、それぞれの位置における幅P1、P2、P3a、P3b、P4a、P4bとした。ただし、所定方向に対して垂直な平面とは、所定方向に対して90°±5°の角度で交わる平面とする。
(3)接合部14a又は接合部14bの引き剥がし試験
上記(1)で作製された実施例及び比較例の試料における融着部21Db又は融着部21Ubについて接合部14aの係止強度の測定方法で、腹側部11と背側部13とを引き剥がして、引き剥がしの具合を測定した。
(i)各試料から融着部21Db又は融着部21Ubを含む領域を25mm幅に切断して係止強度試験用サンプルとした。
(ii)係止強度試験用サンプルの腹側部11及び背側部13のそれぞれの長さ方向における端部を、引張試験機(型番AG−1kNI、株式会社島津製作所製)のチャック(チャック間距離10mm)に挟んだ。
(iii)引張試験機にて、係止強度試験用サンプルの腹側部11及び背側部13を180°方向に剥離するように一定の荷重(例示:50N)で引っ張った。
(iv)引き剥がされた腹側部11のシート部材と背側部13のシート部材における融着部21Db又は融着部21Ubに対応する部分を目視で観察し、シート部材が破断しているか否かを確認した。そして、複数の融着部のうち、シート部材が破断している融着部が存在していない場合を合格「〇」とし、シート部材が破断している融着部が存在している場合を不合格「×」とした。
【0088】
(4)測定結果
以上の測定結果を下記の表1に示した。
P1/P2(%)は、実施例1〜3の試料については、55、69、78%であり、比較例1、2の試料については、36%、26%であった。すなわち、実施例1〜3の試料については、第1寸法(P1)が第2寸法(P2)の40%以上、100%未満であったが、比較例1、2の試料については、第1寸法(P1)が40%未満であった。そして、実施例1〜3の試料はすべて合格であったが、比較例1、2の試料はいずれも不合格であった。以上の結果から、第1寸法は、第2寸法の40%以上、100%未満が好ましいことが分かった。
実施例1〜3の試料については、第3周壁部BW3及び第4周壁部BW4の幅はいずれもP3a、P3b及びP4a、P4bに示すように、横方向一方側D2Iから横方向他方側D2IIへ向かうに連れ大きくなった。比較例1、2の試料についても同様であった。
また、P3a/P4a(%)は、実施例1〜3の試料については98、106、113%であり、比較例1、2の試料については、107、106%であった。すなわち、実施例1〜3の試料については、P3aがP4aの±15%であり、概ね同じであり、比較例1、2の試料についても同様であった。
また、実施例1〜3の試料については、第1寸法P1(50、45、83μm)は、コア部BAの横方向D2の最大寸法d2(3mm)の1.6、1.5、2.8%であり、したがって、0.5%以上であった。比較例1、2の試料については、第1寸法P1(59、35μm)は、最大寸法d2(3mm)の1.9、1.1%程度であった。
また、実施例1の接合部14aの第1寸法P1(50μm)は、実施例3の接合部14bの第2寸法P2(117μm)の42%であり、40%以上、100%未満であった。
P3a、P4aがそれぞれ第3周壁部BW3や第4周壁部BW4の最小寸法と概ね等しいとし、P3b、P4bが第3周壁部BW3や第4周壁部BW4の最大寸法と概ね等しいとしたとき、第3周壁部BW3や第4周壁部BW4における最小寸法と最大寸法との比(P3a/P3b、P4a/P4b)は、実施例1〜3では、それぞれ88、90%/94、90%/94、82%であり、いずれも60%以上、100%未満であった。一方、比較例1、2では、それぞれ55、50%/55、54%であり、いずれも60%未満であった。
【0089】
【表1】
【0090】
本発明の吸収性物品の製造方法は、上述した各実施の形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。すなわち、各実施の形態に記載の各種の技術は互いに矛盾の生じない限り他の実施の形態にも適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
14a、14b 接合部
21Db、21Ub 融着部
11 腹側部
13 背側部
BA コア部
BW 周壁部
P1 第1寸法
P2 第2寸法
D2I 横方向(第2方向)一方側
D2II 横方向(第2方向)他方側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10