(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記底部電極の中央部分の上面が周辺部分の上面に対して窪むように、前記底部電極の階段部分が中央部分と周辺部分とを互いに結合していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の集積回路。
前記底部電極の階段部分は、前記エッチング停止層の内側壁に沿って下方に延伸して、前記底部電極の中央部分と結合していることを特徴とする請求項3記載の集積回路。
前記金属線は、前記底部電極と結合するビアまたはコンタクトなしに、前記底部電極と電気的に結合されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載の集積回路。
前記底部電極の中央部分の上面が周辺部分の上面に対して窪むように、前記底部電極の階段部分が中央部分と周辺部分とを互いに結合していることを特徴とする請求項7記載の集積回路。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、多くの異なる実施形態、または、例を提供して、この発明の異なる特徴を実施する。素子、および、配置の特定の例を以下で記述して、本発明を簡潔にする。これらは、もちろん、単なる例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。たとえば、第一特徴を第二特徴の上方または上に形成するという描写は、第一と第二特徴が直接接触で形成される実施形態、そして、追加特徴が第一と第二特徴間に形成される実施態様も含み、第一と第二特徴は、直接接触しなくてもよい。このほか、本発明は、各種例中で、参照番号、および/または、表示が重複する。これらの重複は、本発明を簡単、且つ、簡潔にするものであり、論じられる各種実施形態、および/または、構成間の関係を本質的に指示するものではない。
【0008】
さらに、空間的関連用語、たとえば、“下”、“下方”、“低い”、“上”、“上方”等は、図中において、一素子や特徴と別の素子や特徴の関係の記述を便利にするためのものである。空間的関連用語は、使用中や操作中の装置の異なる、および、図中で描かれる方位を含む。装置は、反対に方向付けられ(90度またはその他の方位に回転)、空間に関連する記述も同様に、それに応じて解釈される。
【0009】
磁気抵抗メモリ(MRAM)セルは、上下電極、および、上下電極間に設置される磁気トンネル接合(MTJ)を含む。従来のMRAMセルにおいて、下部電極は、コンタクト、または、ビアにより、下地金属層(たとえば、金属1、金属2、金属3等)に結合される。この結合コンタクト、または、ビアの使用は広く採用されているが、この下地のコンタクト、または、ビアに加え、その上方のMRAMセルの総高さは、隣接する金属層間の一般の垂直距離(たとえば、金属2層と金属3層の間)に比べて大きい。この高さをさらに、隣接金属層間の垂直距離に符合させるため、本発明は、コンタクト、または、ビアを使用せずに、MRAMセルの下部電極を、下地金属層に直接結合する。有利なことは、それらの間のコンタクト、または、ビアがなく(たとえば、従来のコンタクト、または、ビアを“絞り出す(squeezing out)”ことにより)、MRAMセルの下部電極を、直接、下地金属層に電気的に接触して形成することにより、改善されたMRAMセルはさらに短いプロファイルを有し、且つ、現存のバックエンド(back end of line、BEOL)金属配線技術とさらに互換性がある。さらに、従来のMRAM装置は、底部電極の上面を平坦化するために化学機械平坦化(CMP)操作の使用を必要としたが、本発明の態様は、このCMP操作の使用を回避することができる。このCMP操作の回避は、製造工程の合理化を助け、製造コストを減少させ、各種欠陥を制限し、歩留まりを向上させる。
【0010】
図1は、いくつかの実施形態によるMRAMセル100の断面図である。MRAMセル100は、磁気トンネル接合(MTJ)106により互いに分離される底部電極102と上部電極104を有する。MTJ106は、トンネルバリア層112により互いに分離される下強磁性電極108と上強磁性電極110を含む。いくつかの実施形態において、下強磁性電極108は、固定、または、“ピン(pinned)”帯磁配向を有し、上強磁性電極110は、可変、または、“自由な”帯磁配向を有し、二種以上の異なる磁性極性間で切り換えることができ、各磁性極性は、異なるデータ状態、たとえば、異なる二進状態を示す。しかし、他の実施において、MTJ106は、垂直に“反転”し、よって、下強磁性電極は“自由な”帯磁配向を有し、上強磁性電極110は“ピン”帯磁配向を有する。
【0011】
特に、コンタクト、または、ビアが、底部電極102を、下地金属層116に結合するのではなく(下地金属層116が、金属間誘電体(IMD)層118中に設置される)、底部電極102自身は、下地金属層116と直接、電気的に接触する。この結合を達成するため、底部電極102は、IMD保護層122を通して下方に延伸して、下地金属層116と接触する中央底部電極部分120を有する。階段領域124は、中央底部電極部分120から上方に延伸して、IMD保護層122の側壁に沿って、中央底部電極部分120を、周辺底部電極部分126に結合して、中央底部電極部分120の上面120aを、周辺底部電極部分126の上面126aに対し窪ませる。中央底部電極部分120、階段領域124、および、周辺底部電極部分126は、連続したシームレス材料本体である。中央底部電極部分120の上面120aは、階段領域124間で、実質的に連続した平面で、且つ、MTJ106の下面は、中央底部電極部分120の上面120a上に設置される。側壁スペーサ128は、周辺底部電極部分126、階段領域124、および、選択的な中央底部電極部分120の外側部分の上面の上方に連続して延伸し、および、MTJ106側壁と上部電極104に沿って上方に延伸する。
【0012】
底部電極102と下地金属層116間に、ビア、または、コンタクトがない、且つ、中央底部電極部分120の上面120aが窪んでいるので、先のアプローチと比べて、MRAMセルの総高さh
cell(下地金属層116の最上面116aから、上部電極104の上面104aまで測量したときの)が減少する。先のアプローチと比較して、この減少した高さh
cellは、MRAMセル100の、BEOL工程の流れとの互換性をさらに容易にする。
【0013】
図2は、集積回路200のいくつかの実施形態による断面図で、集積回路200の相互接続構造204に設置されるMRAMセル202a、202bを含む。集積回路200は基板206を含む。基板206は、たとえば、バルク基板(たとえば、バルクシリコン基板)、または、シリコン・オン・インシュレーター(SOI)基板である。説明される実施形態は、基板206中に誘電体充填トレンチを含む一つ以上のシャロートレンチアイソレーション(STI)領域208を描写する。
【0014】
二個のワードライントランジスタ210、212を、STI領域208間に設置する。ワードライントランジスタ210、212は、それぞれ、ワードラインゲート電極214、216、ワードラインゲート誘電体218、220、ワードライン側壁スペーサ222、および、ソース/ドレイン領域224を含む。ソース/ドレイン領域224は、ワードラインゲート電極214、216とSTI領域208間の基板206中に設置され、且つ、それぞれ、ゲート誘電体218、220下方のチャネル領域の第二導電性タイプと反対の第一導電性タイプを有するようにドープされる。ワードラインゲート電極214、216は、たとえば、ドープポリシリコン、または、金属、たとえば、アルミニウム、銅、あるいは、それらの組み合わせである。ワードラインゲート誘電体218、220は、たとえば、二酸化ケイ素等の酸化物、または、高誘電体(high−κ)材料である。ワードライン側壁スペーサ222は、たとえば、SiNでなる。
【0015】
相互接続構造204は、基板206上方に設置されて、装置(例えば、トランジスタ210、212)を互いに結合する。相互接続構造204は、複数のIMD層226、228、230、および、交互に互いの上方に積層される複数の金属配線層232、234、236を有する。IMD層226、228、230は、たとえば、非ドープのケイ酸塩ガラス等の低誘電率(low−κ)誘電体、または、二酸化ケイ素等の酸化物、または、極限低誘電率層で構成される。金属配線層232、234、236は、トレンチ中に形成される金属線238、240、241、242を含み、これらは、銅やアルミニウム等の金属でなる。コンタクト244は、底部金属配線層232から、ソース/ドレイン領域224、および/または、ゲート電極214、216に延伸する。ビア246、248は、金属配線層232、234、236間で延伸する。コンタクト244、および、ビア246、248は、誘電体保護層250、252(誘電体材料でなり、且つ、製造中、エッチング停止層として機能する)を通して延伸する。誘電体保護層250、252は、たとえば、SiC等の極限低誘電率層でなる。コンタクト244、および、ビア246、248は、たとえば、銅、または、タングステン等の金属でなる。
【0016】
各自データ状態を保存するように構成されるMRAMセル202a、202bは、隣接する金属層間の相互接続構造204中に設置される。MRAMセル202aは、導電材料でなる底部電極254、および、上部電極256を含む。底部電極254と上部電極256との間に、MRAMセル202aは、MTJ258を含む。MRAMセル202aは、さらに、MRAM側壁スペーサ260を含む。いくつかの実施形態において、ハードマスク263は、上部電極256を被覆し、ビア248は、下方に、ハードマスク263を通して延伸し、上部電極256とオーミック接触する。しかし、さらに一般的には、ハードマスク263、および/または、ビア248は存在せず、たとえば、金属線242は、上部電極256の頂面と共平面であるとともに、上部電極256の頂面と直接、電気的に接触(例えば、オーミック結合)する(後の
図16を参照)。
【0017】
図2、
図3に示される切断線にて示されるように、
図3は、
図2の集積回路200の上視図のいくつかの実施形態を示す。図に示されるように、いくつかの実施形態において、MRAMセル202a、202bは、正方形か長方形である。しかしながら、他の実施形態において、たとえば、多くのエッチングプロセスの実用性のため、正方形の角は丸められてもよく、MRAMセル202a、202bが、丸められた角を有する正方形や長方形、または、円形や楕円形であってもよい。MRAMセル202a、202bは、それぞれ、金属線240、241の上方に設置され、且つ、それぞれ、金属線240、241と直接電気的に接続する底部電極254を有し、それらの間に、ビア、または、コンタクトがない。
【0018】
図4は、
図2のMRAMセル202aの拡大断面図である。図に示されるように、MRAMセル202aは、底部電極254、上部電極256、および、底部電極254と上部電極256間に設置されるMTJ258を有する。底部電極の中央部分261は、下方に、誘電体保護層252の開口中を通して延伸して、下地金属線240と電気的に接触する。底部電極の中央部分261は、ビアの幅に等しい底部電極幅を有する。階段領域262は、底部電極の中央部分261から上向けに延伸し、周辺領域264は、階段領域262から外向けに延伸する。中央部分261は、周辺領域264の上面264aに対して窪んでいる上面261aを有し、MTJ258は、この上面261a上に設置される。側壁スペーサ260は、底部電極254の周辺領域264の上方に設置される。
【0019】
説明される実施形態において、MTJ258は、下強磁性電極266(ピン帯磁配向を有する)、および、上強磁性電極268(自由な帯磁配向を有する)を有する。トンネルバリア層270は、下強磁性電極266と上強磁性電極268との間に設置される。キャッピング層272は、上強磁性電極268の上方に設置される。下強磁性電極266は、上部ピン強磁性層274、底部ピン強磁性層276、および、上部ピン強磁性層274と底部ピン強磁性層276との間に挟まれる金属層278を有する合成反強磁性(Synthetic Anti−Ferromagnetic、SAF)構造である。
【0020】
いくつかの実施形態において、上強磁性電極268は、Fe,Co,Ni,FeCo,CoNi,CoFeB,FeB,FePt,FePd等を含み、且つ、約8オングストロームから約13オングストローム間の厚さを有する。いくつかの実施形態において、キャッピング層272は、WO
2,NiO,MgO,Al
2O
3,Ta
2O
5,MoO
2,TiO
2,GdO,Al,Mg,Ta,Ru,等を含む。いくつかの実施形態において、トンネルバリア層270は、上強磁性電極268と下強磁性電極266間の電気的絶縁を提供するが、条件によっては、電子が、トンネルバリア層270を通過できるようにすることもある。トンネルバリア層270は、たとえば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、NiO,GdO,Ta
2O
5,MoO
2,TiO
2,WO
2等を含む。さらに、トンネルバリア層270の厚さは、たとえば、約0.5〜2ナノメータである。
【0021】
操作において、上(たとえば、自由な)強磁性電極268の可変磁気極性は、通常、MTJ258の抵抗を測定することにより読み取られる。磁気トンネル効果のため、MTJ258の抵抗は、可変磁気極性によって変化する。さらに、操作において、可変磁気極性は、一般に、スピントランスファートルク(STT)効果を用いて、変化、または、切り替えられる。STT効果にしたがって、電流は、MTJ258を通過して、下(たとえば、ピン)強磁性電極266から上(たとえば、自由な)強磁性電極268の電子の流れを誘導する。電子が下強磁性電極266を通過するとき、電子のスピンが偏極する。スピン偏極した電子が、上強磁性電極268に到達するとき、スピン偏極した電子は、トルクを可変磁気極性に適用するとともに、上強磁性電極268の状態を切り替える。可変磁気極性を読み取る、または、変化させる代替アプローチも適用できる。たとえば、いくつかの代替アプローチにおいて、ピン、および/または、自由な強磁性電極266、268の磁化極性は、トンネルバリア層270とピン、および/または、自由な強磁性電極266、268間の界面に垂直で、MTJ258を、垂直のMTJにする。
【0022】
有利なことは、底部電極254自身が、下地金属線240に直接、電気的に接触するので、MRAMセル202a、202bの総高さは、先のアプローチに比べて減少することである。先のアプローチと比較して、この減少した高さは、MRAMセル202a、202bの、BEOLプロセスの流れとの互換性をさらに容易にする。よって、MRAMセル202a、202bの形成は、さらによいMRAM操作を提供し、製造コストを減少させる。
【0023】
図5は、本発明のいくつかの実施形態によるMRAMセルを有する半導体構造の製造方法のフローチャート500である。理解できることは、説明される方法は、制限された意義で解釈されるべきではなく、且つ、MRAMセルを形成する代替方法も、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0024】
工程502において、その上に相互接続構造が設置された半導体基板を提供する。相互接続構造は、誘電体層、および、誘電体層を通して水平に延伸する金属線を有する。
【0025】
工程504において、誘電体材料で構成されるとともに、エッチング停止として作用する誘電体保護層を、誘電体層の上面に形成する。誘電体保護層は開口を呈し、この開口は、金属線上面の少なくとも一部を露出しておく。
【0026】
工程506において、共形の底部電極層を、誘電体保護層の上方に形成する。共形の底部電極層は、下方に、開口中に延伸して、金属線と、直接、電気的に接触する。
【0027】
工程508において、磁気トンネル接合(MTJ)スタックを、共形の底部電極層の上方に形成する。MTJスタックは、トンネルバリア層により隔てられる上、および、下強磁性層を有する。下、および、上強磁性層の一方は、固定のフェロ磁気極性を有するピン層で、それらの他方は、可変フェロ磁気極性の自由層である。
【0028】
工程510において、上部電極層を、磁気トンネル接合スタックの上方に形成する。
【0029】
工程512において、マスク層を、上部電極層の上方に形成、および、パターン化する。パターン化されたマスクは、底部電極の中央部分の上方に設置される外側壁を有する。
【0030】
工程514において、パターン化マスクにより、適切にエッチングを実行して、底部電極層の周辺部分の上面を露出し、パターン化された上部電極、および、MTJスタックを、底部電極の中央部分の上方に残す。
【0031】
工程516において、側壁スペーサを、周辺部分の露出した上面の上方に形成する。
【0032】
工程518において、金属間誘電体(IMD)層を、側壁スペーサの上方に形成する。
【0033】
工程520において、IMD層がエッチバックされるとともに、上金属層を、上部電極の上方に形成する。形成される上金属層は、上部電極と電気的に接触する。
【0034】
有利なことは、底部電極上で、CMP操作を使用する必要がなく、方法500の処理ステップの数量が減少することである。上述の方法は、さらに、MRAMセル全体の厚さの減少にも貢献し、構造が、簡単で、コスト効果が高い。
【0035】
開示された方法(たとえば、フローチャート500で示される方法、
図6〜
図16で示される方法、および、示されていない方法)が、一連の動作、または、事象として説明、および/または、描写されているが、理解できることは、このような動作、または、事象の説明順序は、制限された意義で解釈されるべきではない。たとえば、いくつかの動作は、異なる順序で発生、および/または、これらの説明、および/または、記述されるその他の動作、または、事象と同時に発生する。さらに、すべての描写される動作が、一つ以上の態様、または、実施形態で実行される必要がなく、且つ、一つ以上のここで描写される動作は、一つ以上の別々の動作、および/または、段階で実行することができる。
【0036】
図6から
図16は、いくつかの実施形態によるMRAMセルを有する半導体構造の各種製造段階の断面図で、
図5の方法と一致する例を説明する。
図6から
図16の描写は、
図5の方法に関連しているが、理解できることは、
図6から
図16で開示される構造は、この方法に限定されず、単独で、本方法から独立した構造とすることができる。同様に、
図5の方法は、
図6から
図16に関して記述されているが、理解できることは、
図5の方法は、
図6から
図16で開示される構造に限定されず、
図6から
図16で開示される構造から独立した構造とすることができる、および/または、別の構造を用いることができる。
【0037】
図6は、
図5の工程502に対応するいくつかの実施形態の断面
図600である。
【0038】
図6において、その上方に相互接続構造204が設置される基板206を提供する。相互接続構造204は、IMD層228、および、IMD層228を通して水平に延伸する金属線240を有する。IMD層228は、二酸化ケイ素等の酸化物、低誘電率誘電体材料、または、極限低誘電率誘電体材料である。金属線240は、アルミニウム、銅、あるいは、それらの組み合わせ等の金属でなる。いくつかの実施形態において、基板206は、バルクシリコン基板、または、セミコンダクタオンインシュレーター(SOI)基板(たとえば、シリコン・オン・インシュレーター 基板)である。基板206は、二元半導体基板(たとえば、GaAs)、三元半導体基板(たとえば、AlGaAs)、または、さらに高元の半導体基板である。多くの場合、基板206は、方法500の間、半導体ウェハとして明らかにされ、例えば、1インチ(25mm);2インチ(51mm);3インチ(76mm);4インチ(100mm);5インチ(130mm)または125mm(4.9インチ);150mm(5.9インチ、通常は“6インチ”);200mm(7.9インチ、通常は、“8インチ”);300mm(11.8インチ、通常は“12インチ”);450mm(17.7インチ、通常は、“18インチ”)の直径を有する。処理完成後、たとえば、MRAMセル形成後、このようなウェハは、選択的に、その他のウェハやダイとスタックされ、その後、個別のICに対応する個別のダイに分割される。
【0039】
図7は、
図5の工程504に対応するいくつかの実施形態の断面
図700である。
【0040】
図7において、誘電体保護層を、IMD層228の上方と金属線240の上方に形成する。誘電体保護層形成後、フォトレジストマスク等の第一マスク702を、誘電体保護層の上方に形成する。その後、第一マスク702を利用して、第一エッチング704を適切に実行して、パターン化された誘電体保護層252を形成する。誘電体保護層252は、酸化物、または、ELK誘電体などの誘電体材料でなり、エッチング停止層として機能する。いくつかの実施形態において、誘電体保護層252は、厚さが約200オングストロームのSiCを含む。第一マスク702を利用して、ウェットエッチャント、または、プラズマエッチャントが誘電体保護層252に適切に施されるとき、第一エッチングが実行されるとともに、開口706を形成する。開口706は、相互接続構造204のビア(たとえば、
図2のビア246)の幅に対応する幅wを有する。エッチング後、第一マスク702を除去することができる。
【0041】
図8は、
図5の工程506に対応するいくつかの実施形態の断面
図800である。
【0042】
図8において、底部電極層254’を誘電体保護層252の上方に形成するとともに、下方に、開口706中に延伸して、金属線240と直接、電気的に接触する。底部電極層254’は、連続した導電体である共形層である。底部電極層254’は、たとえば、窒化チタン、窒化タンタル、チタン、タンタル、または、それら一つ以上の組み合わせなどの導電材料である。さらに、いくつかの実施形態において、底部電極層254’の厚さは、たとえば、約10〜100ナノメートルである。
【0043】
図9は、
図5の工程508、510、および、512に対応するいくつかの実施形態の断面
図900である。
【0044】
図9において、磁気トンネル接合(MTJ)スタック258’を底部電極層254’の上面の上方に形成し、キャッピング層272’を、MTJスタック258’上方に形成し、上部電極層256’をキャッピング層272’の上方に形成する。MTJスタック258’は、下強磁性層266’、トンネルバリア層270’、および、上強磁性層268’を含む。いくつかの実施形態において、下強磁性層266’は、固定の磁気極性を有し、且つ、それぞれ、下、および、上強磁性電極層276’、274’、および、両者の間に設置される金属層278’を含む。これらの実施形態において、上強磁性層268’が設置されて、少なくとも二つの磁性極性間を切り替える。いくつかの実施形態において、下強磁性層266’は、約8オングストロームから約13オングストロームにわたる厚さのFePt、または、CoFeBを有し、上強磁性層268’は、Co,Ni、または、Ruの単層、または、複合層を有する。上部電極層256’は、たとえば、窒化チタン、窒化タンタル、チタン、または、それらの一つ以上の組み合わせの導電材料である。さらに、上部電極層256’の厚さは、たとえば、約10〜100ナノメートルである。マスク902を上部電極層256’の上面の上方に形成する。いくつかの実施形態において、マスク902は、フォトレジストマスクであるが、窒化物マスクなどのハードマスクでもよい。
【0046】
図10に示されるように、適切にマスク902を利用して、第二エッチング1002を実行する。第二エッチング1002は、マスク902により被覆されない上部電極層256’、キャッピング層272’、および、MTJスタック258’の領域を通して進行する。いくつかの実施形態において、第二エッチング1002は、ウェットエッチャント、または、プラズマエッチャントを、所定時間周期施して、
図11の構造を得る。よって、第二エッチング1002は、マスク902により被覆されないMTJスタックの一部を除去し、底部電極層254’上で停止する。
【0048】
図12に示されるように、側壁スペーサ層260’を構造の上方に形成し、キャッピング層272、上部電極256、および、MTJ258の上面と側壁を覆う。いくつかの実施形態において、側壁スペーサ層260’を任意の適当な蒸着技術により形成し、且つ、一般に、共形に形成する。さらに、側壁スペーサ層260’は、たとえば、窒化ケイ素、炭化ケイ素、または、それらの一つ以上の組み合わせで形成される。さらに、側壁スペーサ層260’を、たとえば、約500オングストロームの厚さで形成する。
【0049】
図13において、第3エッチング1302を、側壁スペーサ層260’中に実行して、側壁スペーサ層260’をエッチバックし、側壁スペーサ層260’の横方向の伸長を除去し、これにより、側壁スペーサ260を形成する。第3エッチング1302も、底部電極層254’の横方向の伸長を除去して、底部電極254を形成する。いくつかの実施形態において、第3エッチング1302の実行プロセスは、側壁スペーサ層260’と底部電極層254’の厚さを通してエッチングするのに十分な所定時間の間、側壁スペーサ層260’をエッチャントにさらす工程を有する。誘電体保護層252と比べて、エッチャントは、一般に、側壁スペーサ層260’、および、底部電極層254’に優先的である。いくつかの実施形態において、
図13の説明と比較して、側壁スペーサ260の上側の外角は、いくぶん四角にされるか、丸くされる。
【0051】
図14に示されるように、IMD層230’を構造の上方に形成する。いくつかの実施形態において、IMD層230’を任意の適当な蒸着技術により形成し、且つ、一般に、共形で形成する。さらに、IMD層230’は、たとえば、低誘電率誘電層、または、ELK誘電層により、約2650オングストロームの厚さに形成する。ELK誘電層を使用する場合、硬化プロセスは、通常、ELK誘電層の蒸着後に実行されて、その多孔性を増加し、そのk値を低下させ、機械強度を改善する。
【0052】
図15において、IMD層230がエッチバックされて、実質的にIMD層230の上面を平坦化する。いくつかの実施形態において、このエッチバックは、化学機械研磨(CMP)ではなく、ウェット、または、ドライエッチングにより達成される。さらに、いくつかの実施形態において、このエッチバックは、MRAM領域上方のIMDを平坦化するのに用いられる一方エッチングと、ウェハ、または、IC上のロジック領域上方のIMDを平坦化するのに用いられる他方エッチングに分けられる。
【0054】
図16において、上金属配線層236を、上部電極256の平坦な上面の上方に形成する。上金属配線層236は、金属線、または、ビアであり、上部電極256の表面領域全体に隣接し、これにより、電気接続(たとえば、オーミック接続)をMRAMセル202aに提供する。いくつかの実施形態において、上金属配線層236は、銅、アルミニウム、タングステン、あるいは、それらの組み合わせを含む。
【0055】
理解できることは、示される明細書、および、請求項において、用語“第一”、“第二”、“第三”等は、単に、描写を簡潔にするための共通識別子で、一図面、または、一連の図の異なる素子を識別する。これらの用語は、これらの素子の任意の時間的順序、または、構造近似性を意味するのではなく、対応する素子の、異なる説明される実施形態、および/または、説明されない実施形態の記述を意味するものではない。たとえば、
図1に示される“第一誘電層”は、別の図に示される“第一誘電層”に対応する必要がなく、且つ、説明されない実施形態の“第一誘電層”に対応する必要がない。
【0056】
よって、上述のように、いくつかの実施形態は、磁気抵抗メモリ(MRAM)セルに関する。セルは、周辺底部電極部分により囲まれる中央底部電極部分を有する底部電極を含む。導電底部電極の階段領域は、中央、および、周辺底部電極部分を互いに結合し、これにより、中央部分の上面が、周辺部分の上面に対して窪む。磁気トンネル接合(MTJ)は、中央底部電極部分の上方に設置され、且つ、階段領域間に配置されるMTJ外側壁を有する。上部電極が、MTJの上面の上方に設置される。その他の装置と方法も開示される。
【0057】
他の実施形態は、磁気抵抗メモリ(MRAM)セルの製造方法に関する。本方法は、誘電層を半導体基板の上方に形成する工程と、開口を誘電層中に形成するとともに、金属層により開口を充填する工程と、誘電層の上面の上方に設置されるエッチング停止層を形成し、エッチング停止層が、金属線、または、ビアの少なくとも一部の上面を露出させておく開口を呈する工程と、共形の底部電極層を、エッチング停止層と金属層の上方に形成し、導電底部電極層が、エッチング停止層を覆う周辺部分、および、下向けに、開口を通して金属線、または、ビアの上面に延伸する中央部分を有する工程、および、磁気トンネル接合を、共形の導電底部電極層の中央部分の上方に形成する工程、を含む。
【0058】
さらに他の実施形態は集積回路に関する。集積回路は、半導体基板、および、半導体基板上に設置される相互接続構造を含む。相互接続構造は、互いの上方に交互にスタックされた複数の誘電層、および、複数の金属層を含む。金属層は、少なくとも実質的に、金属線に隣接する誘電層の上面と共平面である上面を有する金属線を含む。誘電体保護層は、誘電層の上面の上方に設置されるとともに、金属線の上面の少なくとも一部の上方に開口を呈する。導電底部電極は、下方に、誘電体保護層の開口を通して延伸して、金属線と直接電気的に接触する。
【0059】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。