(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の基板が個々に配置される複数の支持領域を有する支持面と、前記支持面に平行な軸まわりに前記支持面を水平姿勢から垂直姿勢に起立させることが可能な回転機構部とを有する基板支持台と、
前記複数の支持領域の周囲に沿って配置され前記複数の基板の周縁部を保持可能な複数のクランプ部を有し、前記複数のクランプ部は、前記複数の支持領域の間の中間領域に配置され前記複数の基板の周縁部を個々に保持可能な複数の第1クランプ部を含む、クランプ機構と
を具備し、
前記複数の支持領域は、前記基板支持台が垂直姿勢のときに上下方向に隣り合う少なくとも2つの支持領域を含む
基板保持装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、生産性向上の観点から、一度に複数の基板に対して同時に成膜処理を行うことが可能なスパッタ装置の開発が進められている。このため、複数の基板をそれぞれ適切に保持しながら、複数の基板を水平姿勢から垂直姿勢へ安定に起立させることができる技術が要求される。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、複数の基板を垂直な姿勢で安定に保持することができる基板保持装置、基板保持方法及び成膜装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る基板保持装置は、基板支持台と、クランプ機構とを具備する。
前記基板支持台は、支持面と、回転機構部とを有する。前記支持面は、複数の基板が個々に配置される複数の支持領域を有する。前記回転機構部は、前記支持面に平行な軸まわりに前記支持面を水平姿勢から垂直姿勢に起立させることが可能に構成される。
前記クランプ機構は、複数のクランプ部を有する。前記複数のクランプ部は、前記複数の支持領域の周囲に沿って配置され、前記複数の基板の周縁部を保持可能に構成される。前記複数のクランプ部は、前記複数の支持領域の間の間隙領域に配置され前記複数の基板の周縁部を個々に保持可能な複数の第1クランプ部を含む。
【0008】
上記基板保持機構においては、複数のクランプ部が、複数の支持領域の間の間隙領域に配置された複数の第1クランプ部を含むため、基板間の装置位置を適切に維持しながら複数の基板を垂直姿勢に安定に保持することができる。
【0009】
前記複数の支持領域は、前記基板支持台が垂直姿勢のときに上下方向に隣り合う少なくとも2つの支持領域を含んでもよい。
【0010】
前記複数のクランプ部は、前記間隙領域を除く前記複数の支持領域の周囲の周辺領域に配置された複数の第2クランプ部及び複数の第3クランプ部をさらに含んでもよい。
前記複数の第1及び第2クランプ部は、前記支持面に対して略平行な動きを伴って前記複数の基板の周縁部に対向するフック部を有する。
前記複数の第3クランプ部は、前記支持面の上方から前記支持面に接近する動きを伴って前記複数の基板の周縁部に対向するフック部を有する。
上記構成によれば、第1及び第2クランプ部によって基板を支持面に対して所定のアライメント精度で保持することができ、第3クランプ部によって基板の平面度を確保することができる。
【0011】
前記複数の第1及び第2クランプ部は、前記フック部をクランプ位置に向けて一定曲率の曲線軌道に沿って回転可能に支持する回転支持部をさらに有してもよい。
一方、前記複数の第3クランプ部は、前記フック部をクランプ位置に向けて、前記複数の第1及び第2クランプ部よりも大きな前記支持面からの最大高さを有する曲線軌道に沿って移動可能に支持するリンク機構部をさらに有してもよい。
【0012】
前記複数の第1〜第3クランプ部は、前記フック部を前記クランプ位置へ付勢する付勢部材をそれぞれさらに有してもよい。
【0013】
前記クランプ機構は、前記複数の第1クランプ部及び前記複数の第2クランプ部によって前記複数の基板の周縁部を保持した後、前記複数の第3クランプ部によって前記複数の基板の周縁部を保持するように構成されてもよい。
これにより、基板に反りが生じている場合においても、基板を支持面上に適切に保持することができる。
【0014】
前記複数の基板には、典型的には、平面形状が矩形のガラス基板が用いられる。この場合、前記複数の第3クランプ部は、前記複数の第1クランプ部及び前記複数の第2クランプ部よりも前記複数の基板の角部に近い位置に配置されてもよい。
反り等が比較的生じやすい基板の角部に第3クランプ部を配置することで、基板を適正に保持することができる。
【0015】
前記クランプ機構は、前記基板支持台が水平姿勢の状態にあるときに前記複数のクランプ部をクランプ位置から非クランプ位置へ移動させることが可能な駆動部をさらに有してもよい。
前記駆動部は、第1ベース部材と、第1昇降ユニットを有する。
前記第1ベース部材は、前記複数のクランプ部に対応して配置された複数の操作軸を有する。
前記第1昇降ユニットは、前記複数の操作軸で前記複数のクランプ部を押し上げることで前記複数のクランプ部を前記非クランプ位置へセットする上昇位置と、前記複数の操作軸による前記複数のクランプ部の押し上げを解除することで前記複数のクランプ部を前記クランプ位置へセットする下降位置との間にわたって、前記第1ベース部材を昇降させる。
【0016】
前記駆動部は、第2ベース部材と、第2昇降ユニットとをさらに有してもよい。
前記第2ベース部材は、前記第1ベース部材と平行に配置され、前記支持面を貫通可能な複数の支持ピンを有する。
前記第2昇降ユニットは、前記複数の支持ピンで前記複数の基板の裏面を支持する上昇位置と、前記複数の支持ピンで支持された前記複数の基板を前記支持面上に配置する下降位置との間にわたって、前記第2ベース部材を昇降させる。
【0017】
前記基板支持台は、吸着部をさらに有してもよい。前記吸着部は、前記支持面に設けられ、前記複数の基板を静電的に吸着することが可能に構成される。
【0018】
本発明の一形態に係る基板保持方法は、
水平姿勢に維持された支持面上の複数の支持領域に基板を個々に配置し、
前記複数の支持領域の間の中間領域と、前記中間領域を除く前記複数の支持領域の周辺領域とにそれぞれ配置され、前記支持面に対して略平行な動きを伴って前記基板の周縁部に対向する第1のフック部を有する複数のクランプ部によって、前記基板を保持し、
前記周辺領域に配置され、前記支持面の上方から前記支持面に接近する動きを伴って前記基板の周縁部に対向する第2のフック部を有する複数のクランプ部によって、前記基板を保持し、
前記支持面を水平姿勢から垂直姿勢に起立させる。
【0019】
本発明の一形態に係る成膜装置は、成膜室と、基板支持台と、クランプ機構とを具備する。
前記成膜室は、成膜源を有する。
前記基板支持台は、前記成膜室に配置される。前記基板支持台は、複数の基板が個々に配置される複数の支持領域を有する支持面と、前記支持面に平行な軸まわりに前記支持面を水平姿勢から垂直姿勢に起立させることが可能な回転機構部とを有する。
前記クランプ機構は、複数のクランプ部を有する。前記複数のクランプ部は、前記複数の支持領域の周囲に沿って配置され、前記複数の基板の周縁部を保持可能に構成される。前記複数のクランプ部は、前記複数の支持領域の間の間隙領域に配置され前記複数の基板の周縁部を個々に保持可能な複数の第1クランプ部を含む。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように、本発明によれば、複数の基板を垂直な姿勢で安定に保持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る基板保持装置の構成を示す概略斜視図、
図2は上記基板保持装置を備えた成膜装置の概略側面図である。
なお図においてX軸、Y軸及びZ軸は相互に直交する3軸方向を示しており、X軸及びY軸は水平方向(横方向)、Z軸は垂直方向(縦方向)にそれぞれ対応する。
【0024】
[全体構成]
本実施形態の基板保持装置100は、複数の基板を支持可能な支持面10sを有する基板支持台10を備える。基板支持台10は、筐体11と、支持面10sが上面に形成されたプラテン12と、プラテン12を筐体11に対して回動可能に支持する回転機構部13とを有する。基板保持装置100は、複数の基板として、2枚のガラス基板W1,W2を支持するとともに、後述するクランプ機構を介して各基板W1,W2を支持面10s上に保持することが可能に構成される。
【0025】
基板支持台10は、回転機構部13を介して、
図2Aに示す水平姿勢から
図2Bに示す垂直姿勢にプラテン12(支持面10s)を起立させることが可能に構成される。回転機構部13は、Y軸方向に平行な回転軸131と、プラテン12を回転軸131のまわりに水平姿勢と垂直姿勢との間で回動させる駆動源132とを有する。筐体11は、上記クランプ機構の一部を構成する駆動部50(
図2B、
図6〜
図8参照)を収容する。
【0026】
成膜装置200は、基板保持装置100と、成膜室210と、これらを統括的に制御するコントローラ90とを備える。
基板保持装置100は、
図2A,Bに示すように成膜室210の内部に設置される。成膜室210は、スパッタ室として構成され、真空チャンバ211と、真空チャンバ211の内部に設置された成膜源としてのターゲットユニット212とを有する。
【0027】
真空チャンバ211は、図示しない真空排気ラインに接続されており、内部を所定の減圧雰囲気に排気あるいは維持することが可能に構成される。ターゲットユニット212は、成膜すべき材料で構成されたターゲット材とこれを支持するバッキングプレートとを含み、マグネトロンスパッタ方式の場合はターゲット材の表面に磁場を形成する磁気回路をさらに含む。図示せずとも、成膜室210はさらに、真空チャンバ211内にスパッタガスや反応性ガスを導入するガス導入ライン、ターゲットユニット212へ所定の電力を供給する電力供給ライン、基板W1,W2の搬入及び搬出用のゲートバルブ等を有する。
【0028】
ターゲットユニット212は、ターゲット材の表面がYZ平面と平行となるように縦向きに配置され、起立位置に姿勢変換されたプラテン12の支持面10sと所定の間隔をおいてX軸方向に対向する。ターゲット材は、典型的には、支持面10sよりも大きな面積を有する。成膜装置200は、一方の基板W1が下側に、他方の基板W2が上側となるようにプラテン12を起立させた状態で、支持面10s上の各基板W1,W2に所定の成膜処理を施すことが可能に構成される。成膜室210には、基板W1,W2の成膜領域を画定するマスク部材(図示略)が設置されてもよい。
【0029】
基板W1,W2は、典型的には、矩形のガラス基板であるが、これに限られず、ガラス以外のセラミック基板や樹脂基板、金属基板であってもよい。基板W1,W2の成膜面には、金属層や絶縁層を含む各種機能層が予め形成されていてもよい。基板サイズも特に限定されず、支持面10sの大きさや処理枚数に応じて適宜設定可能であり、例えば、G6サイズ(1850mm×1500mm)の半分の大きさの基板が用いられる。
【0030】
[基板支持台]
図3は、基板支持台10の平面図である。
【0031】
支持面10sは、矩形の平面形状を有するとともに、典型的には平坦面で形成される。支持面10sは、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で構成される。支持面10sは、単一の板材で構成されてもよいし、複数の板材の配列体で構成されてもよい。支持面10sは、基板W1,W2を所定温度に冷却又は加熱することが可能に、冷媒又は温媒が循環可能な循環通路やヒータを内部に有してもよい。
【0032】
支持面10sは、複数(本例では2つ)の基板W1,W2が個々に配置される複数(本例では2つ)の支持領域S1,S2を有する。支持領域S1,S2は、プラテン12が垂直姿勢のときに各々の長辺側の一辺が上下方向に間隔をおいて隣り合うようにレイアウトされる。
【0033】
支持面10sはさらに、支持領域S1,S2の間に位置する中間領域10Mと、支持領域S1,S2の周囲に位置する周辺領域10C(中間領域10Mを除く)とを有する。各支持領域S1,S2には、支持面10sに対して基板W1,W2を昇降させるための複数の支持ピンVP1(
図6〜8参照)が挿通可能な複数の第1挿通孔V1が設けられている。中間領域10M及び周辺領域10Cには、支持面10sに対して基板W1,W2を位置決めするための複数の位置決めピンVP2(
図6〜8参照)が挿通可能な複数の第2挿通孔V2が設けられている。
【0034】
第1挿通孔V1は、一方の支持領域S1内に形成された複数(本例では3個)の挿通孔V11と、他方の支持領域S2内に形成された複数(本例では3個)の挿通孔V12とを含む。第2挿通孔V2は、一方の支持領域S1の周囲に沿って形成された複数(本例では10個)の挿通孔V21と、他方の支持領域S2の周囲に沿って形成された複数(本例では10個)の挿通孔V22とを含む。本実施形態では、挿通孔V21,V22は、基板W1,W2の両長辺側には2個ずつ、基板W1,W2の両短辺側には3個ずつ配置される(
図3参照)。
【0035】
[クランプ機構]
基板保持装置100は、支持面10sに配置された基板W1,W2を保持するためのクランプ機構を備える。クランプ機構は、各支持領域S1,S2の周囲に沿って配置された複数のクランプ部(第1クランプ部C1、第2クランプ部C2及び第3クランプ部C3)と、これらクランプ部を駆動する駆動部50とを有する。各クランプ部は支持領域S1,S2上の基板W1、W2の周縁部を保持可能に構成される。
【0036】
図3に示すように、第1クランプ部C1は、2つの支持領域S1,S2の間の中間領域10Mに配置される。第2及び第3クランプ部C2,C3は、支持領域S1,S2の周囲の周辺領域10Cにそれぞれ配置される。
【0037】
第1クランプ部C1は、支持領域S1に配置された基板W1の中間領域10M側の一辺を保持可能な複数のクランプ部C11と、支持領域S2に配置された基板W2の中間領域10M側の一方の長辺を保持可能な複数のクランプ部C12とにより構成される。これらクランプ部C11,C12の位置や数は特に限定されず、本実施形態では、基板W1,W2の上記一方の長辺の両端近傍に、計2個のクランプ部C11及び計4個のクランプ部C12がそれぞれ配置される(
図3参照)。以下、個別に説明する場合を除き、クランプ部C11,C12を第1クランプ部C1と総称する。
【0038】
第2クランプ部C2は、支持領域S1に配置された基板W1の周辺領域10C側の三辺を保持可能な複数のクランプ部C21と、支持領域S2に配置された基板W2の周辺領域10C側の三辺を保持可能な複数のクランプ部C22とにより構成される。これらクランプ部C21,C22の位置や数は特に限定されず、本実施形態では、基板W1,W2の他方の長辺側には2個ずつ、基板W1,W2の両短辺側には1個ずつ配置される(
図3参照)。以下、個別に説明する場合を除き、クランプ部C21,C22を第2クランプ部C2と総称する。
【0039】
第3クランプ部C3は、支持領域S1に配置された基板W1の周辺領域10C側の三辺を保持可能な複数のクランプ部C31と、支持領域S2に配置された基板W2の周辺領域10C側の三辺を保持可能な複数のクランプ部C32とにより構成される。これらクランプ部C31,C32の位置や数は特に限定されず、本実施形態では、基板W1,W2の角部(四隅部)の近傍にそれぞれ1個ずつ配置される(
図3参照)。以下、個別に説明する場合を除き、クランプ部C31,C32を第3クランプ部C3と総称する。
【0040】
(第1及び第2クランプ部)
第1及び第2クランプ部C1(C11,C12),C2(C21,C22)は、支持面10sに対して略平行な動きを伴って基板W1,W2の周縁部に対向するフック部21(
図4参照)を有する。これにより、支持領域S1,S2に対して基板W1,W2が位置ずれを伴って載置された場合でも、第1及び第2クランプ部C1,C2によるクランプ動作の過程で基板W1,W2を位置ずれが解消する方向に移動させることができるため、クランプ時において基板W1,W2の所定のアライメント精度が確保される。
【0041】
ここで、「支持面10sに対して略平行な動き」とは、支持面10sに対して平行な動きだけでなく、支持面10sに対して実質的に平行な動きを意味する。実質的に平行な動きとは、直線的あるいは曲線的な軌道に沿ったフック部21の動きを含む。
【0042】
第1及び第2クランプ部C1,C2の一構成例を
図4に示す。
図4は、第1及び第2クランプ部C1,C2の構成を示す基板支持台10の要部断面図である。
【0043】
第1及び第2クランプ部C1,C2は、
図4に示すように、支持面10sから突出するフック部21を先端部に有するフック部材20と、フック部21をクランプ位置に向けて一定曲率の曲線軌道に沿って回動させることが可能にフック部材20を支持する回転支持部23とをそれぞれ有する。
【0044】
フック部材20は、フック部21と基端部22とを有するZ軸方向に長手の金属製の板材で構成される。フック部21は、支持面10sに形成された開口部10gを介して支持面10sから突出するフック部材20の一端を支持領域S1,S2側に延出させることで形成される。基端部22は、フック部材20の他端をフック部21と同一の方向に延出させることで形成される。フック部材20は、回転支持部23を介してプラテン12に支持されるとともに、基端部22に対する操作軸CP1,CP2(後述)の押し上げ操作を受けてクランプ位置から非クランプ位置へ回動可能に構成される。
【0045】
フック部21の非クランプ位置は、支持領域S1,S2上の基板W1,W2の周縁部と支持面10sに平行な方向に対向する位置に設定される(
図4参照)。これにより、支持面10sに略平行な動きを伴ってフック部21を基板W1,W2の周縁部と支持面10sに垂直な方向に対向するクランプ位置へ移動させることができる。
【0046】
回転支持部23は、フック部材20を貫通する回転軸231と、回転軸231とプラテン12との間を連結する連結部材232とを有し、フック部21が
図4において実線で示すクランプ位置と、
図4において二点鎖線で示す非クランプ位置との間を回動可能に支持する。回転支持部23によるフック部材20の軸支位置は特に限定されないが、フック部21の回動軌跡が支持面10sに対してできるだけ平行となる位置に設定されるのが好ましい。これにより、フック部材20の回動角度範囲を小さく抑えつつ、フック部21のクランプ位置への移動過程における基板W1,W2の位置の微調整が可能となる。
【0047】
クランプ位置において、フック部21は、支持領域S1,S2に載置された基板W1,W2の周縁部の直上に僅かな隙間をおいて対向し、支持面10sからの離脱を阻止可能に基板W1,W2を保持する。非クランプ位置において、フック部21は、支持面10sに対する基板W1,W2の昇降動作を阻害しないように、支持領域S1、S2に載置された基板W1,W2の周縁部よりも外側に退避する。
【0048】
第1及び第2クランプ部C1,C2は、フック部21をクランプ位置へ付勢する付勢部材24をそれぞれさらに有する。本実施形態において付勢部材24は、プラテン12とフック部材20との間に取り付けられたコイルバネで構成されるが、これに限られず、例えば回転支持部23の回転軸231の周囲に取り付けられたつる巻バネ等で構成されてもよい。付勢部材24によって、フック部21は常時クランプ位置へ付勢されるため、プラテン12の姿勢によらずに基板W1,W2の保持操作を維持することができる。
【0049】
なお、支持領域S1,S2には、基板W1,W2を多点で支持するための複数の突起部10dが設置される。突起部10dの位置や数は特に限定されないが、典型的には、クランプ部C1〜C3による基板Wのクランプ位置とはオフセットした位置に配置される。突起部10dは、基板W1,W2の裏面(非成膜面)と支持面10sとの間に所定の間隙を形成するためのものであるが、必要に応じて省略されてもよい。
【0050】
(第3クランプ部)
一方、第3クランプ部C3(C31,C32)は、支持面10sの上方から支持面10sに接近する動きを伴って基板W1,W2の周縁部に対向するフック部31(
図5参照)を有する。これにより、支持領域S1,S2に載置された基板W1,W2の周縁部が反り上がっている場合においても、第3クランプ部C3によるクランプ動作の過程で当該周縁部の反りを矯正することができるため、クランプ時において当該周縁部の高い平面度が確保される。
【0051】
基板W1,W2の周縁部の反りは、角部(四隅部)においてより生じやすい傾向にある。このため、第3クランプ部C3は、第1及び第2クランプ部C1,C2よりも基板W1,W2の角部に近い位置に配置されるのが好ましい。
【0052】
第3クランプ部C3の一構成例を
図5に示す。
図5は、第3クランプ部C3の構成を示す基板支持台10の要部断面図である。
【0053】
第3クランプ部C3は、
図5に示すように、支持面10sから突出するフック部31を先端部に有するフック部材30と、フック部31をクランプ位置に向けて、第1及び第2クランプ部C1,C2よりも大きな支持面10sからの最大高さ(h)を有する曲線軌道に沿って移動させることが可能にフック部材30を支持するリンク機構部33とを有する。
【0054】
フック部材30は、フック部31と基端部32とを有するZ軸方向に長手の金属製の板材で構成される。フック部31は、支持面10sに形成された開口部10gを介して支持面10sから突出するフック部材30の一端を支持領域S1,S2側に延出させることで形成される。基端部32は、フック部材30の他端をフック部31と同一の方向に延出させることで形成される。フック部材30は、リンク機構部33を介してプラテン12に支持されるとともに、基端部32に対する操作軸CP3(後述)の押し上げ操作を受けてクランプ位置から非クランプ位置へ移動可能に構成される。
【0055】
ここで、第3クランプ部C3の非クランプ位置におけるフック部31の支持面10sからの高さは、第1及び第2クランプ部C1,C2の非クランプ位置におけるフック部21の支持面10sからの高さよりも大きく設定される(
図4,5参照)。これにより、フック部31をクランプ位置に向けて、第1及び第2クランプ部C1,C2よりも大きな支持面10sからの最大高さ(h)を有する曲線軌道に沿って移動させることができる。その結果、支持面10sの上方から支持面10sに接近する動きを伴ってフック部31を基板W1,W2の周縁部と対向するクランプ位置へ移動させることができる。
【0056】
リンク機構部33は、2本のリンク部材331,332を有し、これらリンク部材331,332の両端をプラテン12及びフック部材30に回転可能に連結した四節回転機構で構成される。リンク機構部33は、フック部31が
図5において実線で示すクランプ位置と、
図5において二点鎖線で示す非クランプ位置との間を移動可能に支持する。リンク機構部33を構成するリンク部材331,332の位置や長さは特に限定されないが、想定される基板W1,W2の周縁部の反りよりも高い位置でフック部31が当該周縁部の直上を通過することが可能な位置や長さに設定されるのが好ましい。
【0057】
クランプ位置において、フック部31は、支持領域S1,S2に載置された基板W1,W2の周縁部の直上に僅かな隙間をおいて対向し、支持面10sからの離脱を阻止可能に基板W1,W2を保持する。非クランプ位置において、フック部31は、支持面10sに対する基板W1,W2の昇降動作を阻害しないように、支持領域S1、S2に載置された基板W1,W2の周縁部よりも外側に退避する。
【0058】
第3クランプ部C3は、フック部31をクランプ位置へ付勢する付勢部材34をさらに有する。本実施形態において付勢部材24は、プラテン12とフック部材20との間に取り付けられたコイルバネで構成されるが、これに限られず、例えばリンク機構部33の任意の回転軸の周囲に取り付けられたつる巻バネ等で構成されてもよい。付勢部材34によって、フック部31は常時クランプ位置へ付勢されるため、プラテン12の姿勢によらずに基板W1,W2の保持操作を維持することができる。
【0059】
(駆動部)
続いて、駆動部50の詳細について説明する。
図6は駆動部50の斜視図、
図7はその平面図、
図8はその動作の一例を示す側面図である。
【0060】
駆動部50は、プラテン12が水平姿勢の状態にあるときに、第1〜第3クランプ部C1〜C3をクランプ位置から非クランプ位置へ移動させることが可能に構成される。本実施形態において駆動部50は、クランプ機構における駆動装置として、第1ベース部材60と、第1昇降ユニット65とを有する。
【0061】
第1ベース部材60は、筐体11(
図1参照)に収容されるとともに、水平姿勢の状態にあるプラテン12と上下方向に対向する位置に設置される。第1ベース部材60は、第1クランプ部C1、第2クランプ部C2及び第3クランプ部C3にそれぞれ対応して配置された複数の操作軸CP1、CP2及びCP3を有する。操作軸CP1〜CP3は、第1ベース部材60の一方の主面(上面)にZ軸方向に平行に立設された軸状部材であり、本実施形態において操作軸CP1〜CP3の軸長はそれぞれ同一とされる。
【0062】
第1ベース部材60は、面内に開口部60aを有する平面形状が矩形の金属製の枠体で構成される。各操作軸CP1〜CP3は、直上の各クランプ部C1〜C3を構成するフック部材20,30の基端部22,32とZ軸方向に対向する位置に配置される。例えば、第1クランプ部C1に対応する操作軸CP1は、第1ベース部材60の各長辺の中央部から内方に向かって延びる中間領域に配置され、第2及び第3クランプ部に対応する操作軸CP2,CP3は、第1ベース部材60の周辺領域62にそれぞれ配置される。
【0063】
第1昇降ユニット65は、筐体11に支持され、プラテン12に対して第1ベース部材60をZ軸方向に昇降させることが可能に構成される。第1昇降ユニット65は、第1ベース部材60の他方の主面(下面)に設置された流体圧シリンダユニット、ボールネジユニット等で構成される。第1昇降ユニット65の数は単数でもよいし複数であってもよく(本例では2つ)、第1ベース部材60の大きさ等に応じて決定可能である。
【0064】
第1昇降ユニット65は、
図8B,Cに示す上昇位置と
図8Aに示す下降位置との間にわたって、第1ベース部材60を昇降させることが可能に構成される。上昇位置では、操作軸CP1〜CP3で第1〜第3クランプ部C1〜C3を押し上げることで、第1〜第3クランプ部C1〜C3を非クランプ位置へセットする。下降位置では、操作軸CP1〜CP3による第1〜第3クランプ部C1〜C3の押し上げを解除することで、第1〜第3クランプ部C1〜C3をクランプ位置へセットする。
【0065】
ここで、例えば基板W1、W2の周縁角部に反りが生じている状態で第3クランプ部C3による保持動作が先行すると、第3クランプ部C3による反りの矯正操作の反作用として、基板W1,W2の他の部位が浮き上がり、第1及び第2クランプ部C1,C2によって基板W1,W2を適切に保持することができなくなるおそれがある。
【0066】
そこで本実施形態における駆動部50は、第1及び第2クランプ部C1,C2によって基板W1,W2の周縁部を保持した後、第3クランプ部C3によって基板W1,W2の周縁部を保持するように構成される。これにより、基板W1,W2の周縁角部に反りが生じている場合においても、すべてのクランプ部C1〜C3によって基板W1,W2の周縁部を支持面10sに対して適正に保持することが可能となる。
【0067】
このような構成を実現するための構造は特に限定されず、本実施形態では、
図4及び
図5に示すように、第1及び第2クランプ部C1,C2を構成するフック部材20の基端部22が、第3クランプ部C3を構成するフック部材30の基端部32よりも下方(駆動部50側)へ突出した形状を有する。これにより、第1ベース部材60が上昇位置から下降位置へ移動する際、第1及び第2クランプ部C1,C2のフック部21を非クランプ位置からクランプ位置へ移動させるのに必要な操作軸CP1,CP2のストローク量H1(
図4参照)よりも、第3クランプ部C3のフック部31を非クランプ位置からクランプ位置へ移動させるのに必要な操作軸CP3のストローク量H3(
図5参照)を大きくすることができる。
【0068】
[基板昇降機構]
駆動部50は、さらに、プラテン12の支持面10sに対して基板W1,W2を昇降させる基板昇降機構を有する。すなわち、駆動部50は、支持面10sを貫通可能な複数の支持ピンVP1を有する第2ベース部材70と、第2ベース部材70を昇降させる第2昇降ユニット75とを有する。
【0069】
第2ベース部材70は、第1ベース部材60と平行に配置された概略矩形のメインプレート71と、メインプレート71の四隅に配置された4つのサブプレート72とを有する。本実施形態において第2ベース部材70は、第1ベース部材60の直上に配置される(
図6,7参照)。なお理解を容易にするため、
図7においては第2ベース部材70を斜線で示す。
【0070】
各サブプレート72は、メインプレート71に対して平行に配置され、メインプレート71の四隅上面に対して適宜の高さの連結具を介して一体的に固定される。メインプレート71及びサブプレート72は、水平姿勢にあるプラテン12の支持面10sの直下に位置し、複数の支持ピンVP1は、プラテン12の支持面10sに設けられた複数の第1挿通孔V1に対応する位置に配置される。
【0071】
本実施形態において複数の支持ピンVP1は、メインプレート71及びサブプレート72の所定位置にそれぞれ立設される。この場合、各支持ピンVP1は、頂部の高さが一定となるように各々の軸長が設定される。ここでは、サブプレート72に配置される支持ピンVP1は、メインプレート71に配置される支持ピンVP1よりも、メインプレート71とサブプレート72の高さの差に相当する分だけ短く形成される。基板W1,W2の裏面(非成膜面)に接触する支持ピンVP1の先端部の形状は特に限定されず、例えば
図9に示すような曲面形状に形成される。
【0072】
第2昇降ユニット75は、筐体11に支持され、プラテン12に対して第2ベース部材70をZ軸方向に昇降させることが可能に構成される。第2昇降ユニット75は、第1昇降ユニット65による第1ベース部材60のストローク長よりも大きなストローク長で、第2ベース部材70を昇降させる。第2昇降ユニット75は、メインプレート71の下面に設置された流体圧シリンダユニット、ボールネジユニット等で構成される。第2昇降ユニット75は、第1ベース部材60の開口部60a内を介してメインプレート71の下面に設置される。
【0073】
第2昇降ユニット75は、
図8Cに示す上昇位置と
図8A,Bに示す下降位置との間にわたって、第2ベース部材70を昇降させることが可能に構成される。上昇位置では、支持ピンVP1が第1挿通孔V1を介して支持面10sを貫通し、基板W1,W2が支持面10sから所定の高さだけ上昇するように基板W1,W2の裏面を支持する。下降位置では、支持ピンVP1が第1挿通孔V1から抜き取られて、基板W1,W2を支持面10sへ載置する。
【0074】
第2ベース部材70はさらに、支持面10sへ基板W1,W2を載置するときに基板W1,W2を支持領域S1,S2に対して所定の精度で位置決めするための複数の位置決めピンVP2を有する。複数の位置決めピンVP2は、支持面10sに設けられた複数の第2挿通孔V2に対応する位置に配置される。
【0075】
本実施形態において複数の位置決めピンVP2は、メインプレート71及びサブプレート72の所定位置にそれぞれ立設される。この場合、各位置決めピンVP2は、頂部の高さが一定となるように各々の軸長が設定される。ここでは、メインプレート71に配置される位置決めピンVP2は、支持台座74を介してメインプレート71に設置される。支持台座74の高さは、メインプレート71に配置される位置決めピンVP2の頂部が、サブプレート72に配置される位置決めピンVP2と頂部が同一の高さとなるように設定される。
【0076】
位置決めピンVP2は、第2昇降ユニット75の駆動により、支持ピンVP1と同時に上昇位置と下降位置との間にわたって昇降する。位置決めピンVP2の頂部は、支持ピンVP1の頂部よりも上方に位置するように、位置決めピンVP2の軸長が設定される。さらに、各位置決めピンVP2の頂部には、
図10に示すように、基板W1,W2の周縁部を支持領域S1,S2へガイドすることが可能な斜面73aを有するブロック73が取り付けられている。
【0077】
なお、上述した基板昇降機構は、必要に応じて省略されてもよい。あるいは、支持ピンVP1及び位置決めピンVP2のうち、いずれか一方が省略されてもよい。
【0078】
[基板保持装置の動作]
次に、以上のように構成される本実施形態の基板保持装置100の動作について、成膜装置200の動作と併せて説明する。基板保持装置100及び成膜装置200の動作は、コントローラ90によって統括的に制御される。
【0079】
成膜に先立って、真空チャンバ211の内部は所定の減圧雰囲気に維持され、基板保持装置100は、プラテン12を水平姿勢に維持する。基板保持装置100の駆動部50は、第1及び第2昇降ユニット65,75によって第1ベース部材60及び第2ベース部材70を上昇位置に待機させる。これにより、第1〜第3クランプ部C1〜C3は操作軸CP1〜CP3の押し上げ操作によって非クランプ位置へ移動し、支持ピンVP1及び位置決めピンVP2は、支持面10sの上方に突出する。
【0080】
図示しないゲートバルブを介して、図示しない搬送ロボットによって2枚の基板W1,W2がプラテン12の支持面10sの支持領域S1,S2上の複数の支持ピンVP1にそれぞれ載置される。このとき、基板W1,W2に位置ずれが生じている場合、位置決めピンVP2の先端に設けられたブロック73の斜面73aによって、基板W1,W2が支持領域S1,S2に向かうガイド作用を受ける。これにより、支持領域S1,S2に対する基板W1,W2の所定のアライメント精度が確保される。
【0081】
続いて、基板保持装置100の駆動部50は、第2昇降ユニット75によって第2ベース部材70を上昇位置から下降位置へ移動させる。これにより、支持ピンVP1及び位置決めピンPV2が支持面10sから引き下げられて、基板W1,W2が支持領域S1,S2上に同時に配置される。
【0082】
続いて、基板保持装置100の駆動部50は、第1昇降ユニット65によって第1ベース部材60を上昇位置から下降位置へ移動させる。これにより、第1〜第3クランプ部C1〜C3のフック部21,31が非クランプ位置からクランプ位置へ移動するため、基板W1,W2の周縁部が支持領域S1,S2に保持される。
【0083】
このとき、第1及び第2クランプ部C1,C2のフック部21は、支持面10sに対して略平行な動きを伴ってクランプ位置へ移動するため、基板W1,W2が支持領域S1,S2に対して位置ずれを生じている場合でも、フック部21のクランプ位置への移動の過程で基板W1,W2が支持領域S1,S2に向けて押圧されるため、所期のアライメント精度が確保される。
【0084】
一方、第3クランプ部C3のフック部31は、支持面10sの上方から支持面10sに接近する動きを伴ってクランプ位置へ移動するため、基板W1,W2の周縁部(角部など)に反り等が生じている場合でも、当該反りを矯正し、高い平面度で基板W1,W2を保持することができる。しかも、第3クランプ部C3は、第1及び第2クランプ部C1,C2の動作に遅れて基板W1,W2の周縁部を保持するように構成されているため、上述のように第1及び第2クランプ部C1,C2による基板W1,W2の適切な保持動作を安定に確保することができる。
【0085】
続いて、基板保持装置100は、回転機構部13を介してプラテン12を水平姿勢から垂直姿勢に起立させる(
図2B参照)。そして、ターゲットユニット212に対向する支持面10s上の基板W1,W2に対して所定の成膜処理が実施される。
【0086】
本実施形態によれば、基板W1、W2は、第1〜第3クランプ部C1〜C3によって支持面10s上に安定に保持されているため、支持領域S1,S2からの脱落が防止される。
特に本実施形態によれば、支持面10sの中間領域10Mにも複数のクランプ部(第1クランプ部C1)が配置されているため、複数の基板W1,W2を安定に保持することができる。さらに、基板W1,W2間の相対位置を安定に維持することができ、支持領域S1,S2に対する基板W1,W2の位置精度を確保することができる。このため、マスク成膜する場合においても、高いマスク精度を維持することができる。
【0087】
成膜後、基板保持装置100は、プラテン12を垂直姿勢から水平姿勢に変換する。そして、基板保持装置100は上述とは逆の動作で(
図8A〜Cの順で)第1ベース部材60及び第2ベース部材70を順次上昇させる。これにより、第1〜第3クランプ部C1〜C3による基板W1,W2の保持動作が解除された後、支持ピンVP1により、基板W1,W2が支持面10sから同時に上昇し、図示しない基板搬送ロボットに移載される。
【0088】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
図11は、本実施形態における基板保持装置101の要部断面図である。図において、上述の第1の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0089】
図11に示すように、本実施形態の基板保持装置101における基板支持台10は、基板W1,W2を静電的に吸着することが可能な吸着部80を有する。吸着部80は、静電チャック機構であり、コントローラ90からの電力供給を受けて支持面10s上の基板W1,W2を静電的に吸着することが可能に構成される。
【0090】
吸着部80は、典型的には、支持面10sの表面全域にわたって設けられる。これに限られず、吸着部80は、支持面10s上の支持領域S1,S2に対応する領域にそれぞれ設けられてもよい。また、各支持領域S1,S2上に設けられる吸着部80は複数個所に分割して配置されてもよい。
【0091】
吸着部80は、所定以上の電圧が印加されることで基板Wに対する静電吸着力を発現させるチャック電極を有する。静電吸着力の種類は特に限定されず、典型的には、クーロン力、ジョンソン・ラーベック力等が採用される。
【0092】
吸着部80は、本実施形態では双極型静電チャックで構成され、各チャック領域には正極用のチャック電極と負極用のチャック電極がそれぞれ設けられる。これら2つのチャック電極は、支持面10sに面するように相互に隣接して配置される。各電極は絶縁膜で保護され、当該絶縁膜を介して基板W1,W2と接触する。なお、吸着部80は、単極型静電チャックで構成されてもよい。チャック電極の大きさ(面積)、配列数、配列形態等は、基板W1,W2を起立姿勢で安定に保持できれば特に限定されない。
【0093】
コントローラ90は、吸着部80の各チャック電極に対する電力供給及びその遮断を同期して行うように構成される。これに代えて、所定のチャック電極に対して個別に電力を供給するように構成されてもよい。これにより、各チャック電極による吸着開始/解除動作を個々に制御することが可能となるため、反りや撓みが発生しやすい基板でも高い平面度を確保することができる。例えば、基板W1,W2の上縁側から下縁側に向けて順次吸着動作が開始するように電力供給を制御することで、基板Wの自重をも利用しつつ、基板Wを所望とする平面度で安定に保持することが可能となる。
【0094】
吸着部80は、コントローラ90から電力の供給を受けて基板W1,W2の保持動作を開始し、電力供給が遮断されて基板W1,W2の保持動作を解除する。コントローラ90は、基板W1,W2の保持動作を速やかに行うため、デチャック操作時、各チャック電極へ逆電圧を印加するように構成されてもよい。
【0095】
以上のように構成される本実施形態の基板保持装置101においては、基板W1,W2を保持する際、上述した第1〜第3クランプ部C1〜C3による基板保持動作が実行された後、吸着部80による基板W1,W2の吸着動作が実行される。これにより、支持面10sに対する基板W1,W2の所定のアライメント精度がさらに確保される。
【0096】
続いて、基板保持装置101は、回転機構部13を介してプラテン12を水平姿勢から垂直姿勢に起立させた後、ターゲットユニット212に対向する支持面10s上の基板W1,W2に対して所定の成膜処理が実施される。このとき、基板W1、W2は、第1〜第3クランプ部C1〜C3による保持作用と吸着部80による静電吸着作用により、支持面10s上に安定に保持され、支持領域S1,S2からの脱落が防止される。
【0097】
成膜処理の終了後、基板保持装置101は、回転機構部13を介してプラテン12を起立姿勢から水平姿勢に変換する。支持面10sに対する基板W1,W2の保持解除動作は、吸着部80による静電吸着動作を解除した後、上述した手順で第1〜第3クランプ部C1〜C3による基板保持動作が解除される。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。