【実施例】
【0043】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、室温工程で行い、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
【0044】
[実施例1〜9、比較例1〜8]
下記表に示す処方の油中水型化粧料を下記方法で調製し、下記特性評価を行った。
<化粧料の調製:実施例1〜9、比較例3〜8>
A:成分(1)均一に混合した。
B:成分(2)を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、油中水型化粧料を得た。
<化粧料の調製:比較例1>
A:成分(2)を3本ロールにて均一に混合した。
B:成分(3)をAに加え均一に混合した。
C:成分(1)をBに添加して乳化し、水中油型化粧料を得た。
<化粧料の調製:比較例2>
A:成分(2)をディスパーにて均一に混合した。
B:成分(3)をAに加え均一に混合した。
C:成分(1)をBに添加して乳化し、水中油型化粧料を得た。
【0045】
(1)特性評価
下記実施例及び比較例のスティック化粧料について、化粧料の使用感(軋み感のなさ)、温感(塗布時の温感効果)、伸び(展延性)、粘性(塗布時の垂れにくさ)及び乳化状態(水相の入り易さ)の項目を10名のパネラーで評価した。表1に示される評価基準により評価し、結果を10名の平均値に基づき、下記判断基準に従って判定した。結果を表2〜4中に併記する。
【0046】
【表1】
【0047】
(2)判定基準
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が1.5点以上2.5点未満
××:平均点が1.5点未満
【0048】
【表2】
(注1)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−210〈架橋物:25%、ジメチルポリシロキサン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−16〈架橋物:25%、ジメチルポリシロキサン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(非架橋型);KF−6028(信越化学工業(株)製)
(注4)親水性無水シリカ;AEROSIL200(日本アエロジル社製)
(注5)アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体組成物(SIMULGEL EG〈架橋物37.5%>:SEPPIC社製)
表中の配合量は、記載の配合製品の配合量(以下同様)。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
(注1)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−210〈架橋物:15%、ジメチルポリシロキサン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(KSG−330〈架橋物:20%、トリエチルヘキサノイン:80%〉:信越化学工業(株)製)
(注3)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−43〈架橋物:30%、トリエチルヘキサノイン:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注4)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−15〈架橋物:7%、デカメチルシクロペンタシロキサン:93%〉(信越化学工業(株)製)
(注5)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
表中の配合量は、記載の配合製品の配合量(以下同様)。
【0051】
上記表2の結果より、実施例1の油中水型化粧料は、使用感(軋み感の無さ)、温感(塗布時の温感効果)、伸び(展延性)に優れることが分かった。連続相を水溶性高分子や微粒子粉体で増粘させた比較例1や比較例2は伸びが悪く、軋みが感じられ好ましくない。
【0052】
上記表3の結果より、実施例2〜9の油中水型化粧料は、使用感(軋み感のなさ)、温感(塗布時の温感効果)、伸び(展延性)、粘性(化粧料の垂れにくさ)及び乳化状態(水相移送時の状態)に優れることが分かった。本発明の成分(b)と成分(c)の合計の含有量に対する成分(b)の質量比が95%以下の比較例3では温感が得られず、(a)成分を単に他のシリコーン活性剤に置き換えた比較例4やシリコーンエラストマーに置き換えた比較例5や、比較例6や、化粧料組成全体中の水相が57〜90%でない比較例7や比較例8は乳化状態が悪く、粘性が低いため好ましくない。
【0053】
[実施例10]
温感クリーム
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分6〜11を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、温感クリームを得た。
組成 %
1.部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 3
2.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 1
3.シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注3) 0.5
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 8.8
5.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 2
6.ブチレングリコール 5
7.ジグリセリン 5
8.PEG−12(ポリエチレングリコール) 15
9.フェノキシエタノール 0.3
10.トウガラシエキス 適量
11.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物;KSG−710〈架橋物:25%、ジメチルポリシロキサン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−19〈架橋物:15%、デカメチルシクロペンタシロキサン:85%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーン;KF−6104(信越化学工業(株)製)
(注4)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−101(信越化学工業(株)製)
成分(b)及び成分(c)合計量:84.7
(b)/((b)+(c)):1
得られた温感クリームは、使用感、温感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。
【0054】
[実施例11]
クリアマッサージジェル
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分7〜11を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、6を加えマッサージジェルを得た。
組成 %
1.アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 3
2.アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 3
3.シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注3) 1.5
4.ミネラルオイル 12
5.アルキル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 0.5
6.高融点ポリエチレン末 2
7.ペンチレングリコール 3
8.ソルビトール(70%液) 3
9.PEG−8 15
10.バニリルブチル 適量
11.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物;KSG−840〈架橋物:30%、スクワラン:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−43〈架橋物:30%、トリエチルヘキサノイン:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン;KF−6105(信越化学工業(株)製)
(注4)アルキル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−441(信越化学工業(株)製)
成分(b)及び成分(c)合計量:75.9
(b)/((b)+(c)):0.988
得られたマッサージジェルは透明性があり、使用感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。
【0055】
[実施例12]
クリアマッサージジェル
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分6〜9を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、マッサージジェルを得た。
組成 %
1.シリコーン/アルキル共変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 3
2.アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 3
3.シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 0.5
4.ミネラルオイル 10
5.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体組成物(注4) 2
6.エタノール 10
7.PEG−6 10
8.エチルヘキシルグリセリン 適量
9.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−310〈架橋物:30%、ミネラルオイル:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−41A〈架橋物:25%、ミネラルオイル:75%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注4)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体組成物;KP−550〈固形分:40%、イソドデカン:60%〉(信越化学工業(株)製)
成分(b)及び成分(c)合計量:71
(b)/((b)+(c)):1
得られたマッサージジェルは透明性があり、冷感が感じられた後に温感が感じられ、使用感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。
【0056】
[実施例13]
温感ケーキ
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を80℃で均一に混合した。
B:成分6〜9を80℃で均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、徐冷して温感ケーキを得た。
組成 %
1.アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(注1) 3
2.アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 3
3.アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 0.5
4.ミネラルオイル 12.5
5.ステアリン酸イヌリン(注4) 5
6.プロピレングリコール 20
7.ジグリセリン 3
8.フェノキシエタノール 適量
9.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−310Z〈架橋物:30%、ミネラルオイル:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−41A〈架橋物:25%、ミネラルオイル:75%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6048(信越化学工業(株)製)
(注4)ステアリン酸イヌリン;レオパールISK2(千葉製粉粉(株)製))
成分(b)及び成分(c)合計量:76
(b)/((b)+(c)):1
得られた温感ケーキは使用感、温感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。
【0057】
[実施例14]
温感スティック
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を95℃まで加熱し、均一に混合した。
B:成分6〜10を均一に混合し、85℃まで加熱した。
C:BをAに添加して乳化し、スティック容器に充填後、徐冷し温感スティックを得た。
組成 %
1.アルキル共変性・部分架橋型
ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 3
2.フェニル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 3
3.シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 1
4.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注4) 10.5
5.ポリエチレン 6
6.プロピレングリコール 5
7.ジグリセリン 5
8.PEG−32 5
9.メチルパラベン 適量
10.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物;KSG−310〈架橋物:30%、ミネラルオイル:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)フェニル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−18A〈架橋物:15%、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン:85%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注4)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
成分(b)及び成分(c)合計量:76.5
(b)/((b)+(c)):1
得られた温感スティックは、使用感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。