特許第6809255号(P6809255)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809255
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】油中水型化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/896 20060101AFI20201221BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20201221BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A61K8/896
   A61K8/34
   A61K8/06
   A61Q19/00
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-14221(P2017-14221)
(22)【出願日】2017年1月30日
(65)【公開番号】特開2018-123071(P2018-123071A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年1月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】特許業務法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 将幸
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−032345(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/162904(WO,A1)
【文献】 特表2015−527977(JP,A)
【文献】 特表2010−518121(JP,A)
【文献】 特開2003−292419(JP,A)
【文献】 特開2003−261433(JP,A)
【文献】 特開2011−225522(JP,A)
【文献】 特開平11−180843(JP,A)
【文献】 特開2009−242375(JP,A)
【文献】 特開2004−107210(JP,A)
【文献】 特開2006−206493(JP,A)
【文献】 特開2006−232683(JP,A)
【文献】 特開2009−242294(JP,A)
【文献】 特表2012−509322(JP,A)
【文献】 特開2015−218113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー及び(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーから選ばれる1種以上、(b)グリセリン及びジグリセリンから選ばれる多価アルコール:57〜90質量%、(c)水:0〜4.5質量%を含有する油中水型化粧料であって、化粧料全体中の成分(b)と(c)の合計量が60〜90質量%であり、(b)/((b)+(c))で表される、成分(b)と成分(c)の合計含有量に対する成分(b)の含有質量比が0.95以上である油中水型化粧料。
【請求項2】
さらに、(d)部分架橋型オルガノポリシロキサン(但し、上記(a)成分を除く)を含有する請求項1記載の油中水型化粧料。
【請求項3】
成分(d)が、主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物である請求項2記載の油中水型化粧料。
【請求項4】
さらに、(e)非架橋型シリコーン活性剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の油中水型化粧料。
【請求項5】
成分(a)が、主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物である請求項1〜4のいずれか1項記載の油中水型化粧料。
【請求項6】
化粧料全体中の成分(b)の配合量が、80.75〜90質量%であり、化粧料全体中の成分(b)と(c)の合計量が85〜90質量%である請求項1〜のいずれか1項記載の油中水型化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油中水型化粧料に関する。なお、本発明では化粧料用の組成物を化粧料と記載することがある。
【背景技術】
【0002】
多価アルコールは、皮膚に塗布すると皮膚上の微量の水分との反応により水和熱を発生させることから、化粧料に用いると温感効果を付与することができる。
【0003】
温感化粧料としては様々なタイプがある。例えば、流動性のある多価アルコールを携帯するためにフォーム剤型に配合する技術が知られている(特許文献1:特開2005−350378号公報)。しかしながら、フォーム剤型は特殊な容器を使用するためにコストが高くなる。
【0004】
一方、コスト低減し、化粧料の保存安定性や塗布時に垂れるのを防ぐために、多価アルコールを連続相にし、水溶性高分子化合物や微粒子粉体を配合し粘度を付与できる技術が知られている(特許文献2:特開2013−35783号公報、特許文献3:特開2011−225522号公報)。しかしながら、水溶性高分子化合物による肌上での化粧料の展延性の低下や、微粒子粉体の軋みが感じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−350378号公報
【特許文献2】特開2013−35783号公報
【特許文献3】特開2011−225522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、多価アルコールを高配合した剤型を油中に乳化することにより、使用感、温感効果、伸びに優れた化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、(a)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種以上、(b)多価アルコール:57〜90質量%、(c)水:0〜4.5質量%を含有する油中水型化粧料であって、化粧料全体中の成分(b)と(c)から成る水相が60〜90質量%であり、(b)/((b)+(c))で表される、成分(b)と成分(c)の合計含有量に対する成分(b)の含有質量比が0.95以上とすることで、上記課題を解決できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は油中水型化粧料を提供する。
[1].(a)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種以上、(b)多価アルコール:57〜90質量%、(c)水:0〜4.5質量%を含有する油中水型化粧料であって、化粧料全体中の成分(b)と(c)の合計量が60〜90質量%であり、(b)/((b)+(c))で表される、成分(b)と成分(c)の合計含有量に対する成分(b)の含有質量比が0.95以上である油中水型化粧料。
[2].さらに、(d)部分架橋型オルガノポリシロキサン(但し、上記(a)成分を除く)を含有する[1]記載の油中水型化粧料。
[3].成分(d)が、主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物である[2]記載の油中水型化粧料。
[4].さらに、(e)非架橋型シリコーン活性剤を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の油中水型化粧料。
[5].成分(a)が、主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物である[1]〜[4]のいずれかに記載の油中水型化粧料。
[6].成分(b)の組成が、グリセリン:70質量%以上を含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の油中水型化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、塗布時に垂れず、軋み感がなく使用感が良好で、温感効果、伸びに優れた化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種以上である。
部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンとしては、オルガノポリシロキサン鎖をポリエーテルによって架橋した三次元架橋物であれば特に限定されない。この部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー等の表示名称で知られている。これらはシリコーンオイルやその他のオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KSG−210,240等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。中でも、主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物の場合、肌への付着性や本発明の内水相との屈折率調整による外観の透明性付与の点で好ましい。主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物としては、例えば、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーが挙げられる。これらはシリコーンオイルやその他のオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KSG−310,310Z,330,340,320Z等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。
【0011】
部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンとしては、オルガノポリシロキサン鎖をポリグリセリンによって架橋した三次元架橋物であれば特に限定されない。この部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの具体例としては、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー等の表示名称で知られている。これらはシリコーンオイルやその他のオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KSG−710等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。中でも、主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物の場合、肌への付着性や本発明の内水相との屈折率調整による外観の透明性付与の点で好ましい。主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物(アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン)としては、例えば、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。これらはシリコーンオイルやその他のオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KSG−810,820,820Z,830,820Z、840等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。
【0012】
(a)成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンと部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの組み合わせにおいて、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンの相対的な配合比率が高い場合には、化粧料の伸びが良くなる傾向にあり、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの相対的な配合比率が高い場合には、化粧料がしっとりとした柔らかな使用感になる傾向にある。使用感の制御において、適宜にその配合比率を決定することができ、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン:部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの含有質量比は100:0〜0:100の範囲で適宜選定できる。
【0013】
(a)成分の配合量は、油中水型化粧料全体の0.1〜4質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましい。0.1質量%以上とすることで、化粧料の乳化安定性がより向上し、4質量%以下とすることで、塗布時の使用感がより向上する。
【0014】
[(b)成分]
本発明の(b)成分は多価アルコールであり、通常化粧料に配合できる分子中に水酸基を2個以上もつ多価アルコールの内、水と混合することで水和熱を発生し、肌への温感効果を付与できるものであれば特に限定されないが、水と混合することで水和熱を発生するアルコールとしては、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、グリセリン、ジグリセリン等のグリセリンが肌への刺激性、保湿性、温感効果の点で好ましく、成分(b)の組成が、グリセリン70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
【0015】
(b)成分の配合量は、油中水型化粧料全体の57〜90質量%あり、60〜90質量%が好ましく、65〜90質量%がさらに好ましい。57質量%未満では、十分な温感効果、粘性、伸びを付与することができず、95質量%より多いと乳化が困難である場合がある。
【0016】
[(c)成分]
本発明の(c)成分は、通常化粧料に配合できる水であれば、特に限定されない。具体的には、化粧料に一般的に使用される精製水の他、果実や植物の蒸留水や、化粧品表示名称で定義される海水、温泉水、泥炭水等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0017】
(c)成分の配合量は、油中水型化粧料全体の4.5質量%以下であり、1質量%以下が好ましく、実質的に(c)成分を配合しないことがさらに好ましく、0〜4.5質量%とすることもできる。また、本発明における「実質的に(c)成分を配合しない」とは、全く配合しないか若しくは温感効果を損なわない程度の量を配合することを意味し、原料に微量に含まれる水や、製造の際に混入する水は該当しないことを意味する。
【0018】
本発明において、化粧料全体中の成分(b)と(c)の配合合計量は60〜90質量%であり、60〜85質量%が好ましく、65〜85質量%がより好ましい。
また、(b)/((b)+(c))で表される、成分(b)と成分(c)の合計含有量に対する成分(b)の含有質量比が0.95以上であり、0.985以上であることが好ましく、0.989以上がより好ましく、1でもよい。このような範囲にすることで、使用感、温感効果、伸びに優れるものとなる。
【0019】
[(d)成分]
本発明の油中水型化粧料には、特に、製剤保存安定性、使用感改善の点から、(d)部分架橋型オルガノポリシロキサン(但し、上記(a)成分を除く)を配合することが好ましい。通常化粧料に配合できる部分架橋型オルガノポリシロキサンであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(d)成分は、上記(a)成分とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物であり、油剤を膨潤することにより、構造粘性を有するエラストマーである。具体例としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等の名称で知られている。これらはシリコーンオイルやその他のオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KSG−15,1510,16,15AP,19等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。特に主鎖にアルキル分岐を持つ架橋物(アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン)や、架橋部分にフェニル基を持つ架橋物(フェニル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン)の場合、肌への付着性や本発明の内水相との屈折率調整による外観の透明性付与の点で好ましく、例えば、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。これらは室温で液状のオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KSG−41A,42A,43,44,042Z,045Z,048Z,18A等(何れも信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0020】
(d)成分を配合する場合、(d)成分の配合量は、本発明の油中水型化粧料全体の0.1〜4質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましい。0.1質量%以上とすることで、化粧料の乳化安定性がより向上し、4質量%以下で、より温感が感じられやすく、塗布時の使用感が向上する。
【0021】
[(e)成分]
本発明の油中水型化粧料には、特に、製剤保存安定性や使用感調整の点から、非架橋型シリコーン活性剤を配合することが好ましい。通常化粧料に配合できる非架橋型シリコーン活性剤であれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。それらの界面活性剤の中でも、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。具体例としては、KF−6011,6013,6043,6017等のポリエーテル変性シリコーン,KF−6028,6028P等のシリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン,KF−6100,6104,6106等のシリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーン等(何れも信越化学工業(株)製)が挙げられる。特に主鎖にアルキル分岐をもつ活性剤の場合、肌への付着性や本発明の内水相との屈折率調整による外観の透明性付与の点でさらに好ましく、例えば、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。具体例としては、KF−6038等のシリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン,KF−6048等のアルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン,KF−6105等のシリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン等(何れも信越化学工業(株)製)が挙げられる。これらの非架橋型シリコーン活性剤は1種又は2種以上を用いることができる。
【0022】
(e)成分を配合する場合、(e)成分の配合量は、本発明の油中水型化粧料全体の0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜1.5質量%がより好ましい。0.1質量%以上で化粧料の乳化安定性がより向上し、3質量%以下とすることで、よりみずみずしさや良好な塗布時の使用感が得られる。
【0023】
本発明の化粧料組成物には、通常の化粧料組成物に使用される種々の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。成分としては、例えば(1)油剤、(2)粉体、(3)ワックス、(4)皮膜剤、(5)(a)、(e)成分以外の界面活性剤、(6)その他の任意成分を含んでよい。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの成分は、化粧料の種類等に応じて適宜選択使用され、またその配合量も化粧料の種類等の応じた公知の配合量とすることができる。
【0024】
(1)油剤
油剤は、室温で固体、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、シリコーンオイル、天然動植物油脂類及び半合成油脂、スクワランやミネラルオイル等の炭化水素油、高級アルコール、脂肪酸、トリエチルヘキサノイン等のエステル油、及びフッ素系油剤を使用することができる。油剤を配合する場合、油剤の配合量は、油中水型化粧料全体の5〜65質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
【0025】
・シリコーンオイル
シリコーンオイルとしては、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、具体的には、ジメチルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。これらの中でも特に、さっぱりした使用感が得られる揮発性シリコーン〔市販品としては信越化学工業(株)製:TMF−1.5、KF−995、KF−96A−2cs等〕や、他の油剤との相溶性向上や艶出しの目的で使われるフェニルシリコーン〔市販品としては信越化学工業(株)製:KF−56A、54HV等〕や艶出しや使用感調整の目的で使われるシリコーンワックス〔市販品としては信越化学工業(株)製:KP−561P,562P,KF−7020S等〕が好ましく利用される。これらのシリコーンオイルは1種又は2種以上を用いることができる。シリコーンオイルの配合量は。油中水型化粧料全体の5〜65質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
【0026】
(2)粉体
本発明において用いられる粉体は、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。例えば、シリコーン球状粉体、シリカ等の顔料、紫外線散乱剤を使用することができる。粉体を配合する場合、粉体の配合量は、油中水型化粧料全体の0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
【0027】
・シリコーン球状粉体
架橋型シリコーン球状粉末(即ち、ジオルガノシロキサン単位の繰返し連鎖が架橋した構造を有するオルガノポリシロキサンからなる、いわゆるシリコーンゴムパウダー)、シリコーン樹脂粒子(三次元網状構造のポリオルガノシルセスキオキサン樹脂粒子)等が挙げられ、具体例としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン等の名称で知られている。これらは球状粉体として市販され、例えば、KMP−598,590,591等や、シリコーンオイル等を含む膨潤物として市販され、例えば、KSG−016F等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。これらの粉体は1種又は2種以上を用いることができる。
【0028】
本発明に用いられるシリコーン球状粉体の配合量は、化粧料組成物中0.1〜15質量%であり、好ましくは1〜10質量%である。
【0029】
特にシリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末は、べたつきの防止等の感触の向上効果や、しわ・毛穴等の形態補正効果等から、サンスクリーン、メイクアップ、コンシーラー等に応用される。シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末の具体例としては、化粧品表示名称で定義される、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン−22、ポリシリコーン−1クロスポリマー等の名称で知られている。これらは、KSP−100,101,102,105,300,411,441等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。これらの粉体は1種又は2種以上を用いることができる。
【0030】
(3)ワックス
ワックスとしては通常化粧料に配合できるワックスであれば、特に限定されない。具体的には、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、カルナウバロウ、ライスワックス、コメヌカロウ、ホホバワックス(極度に水添したホホバ油を含む)、キャンデリラロウ等の植物由来のワックス、ミツロウ等の動物由来のワックス等が挙げられる。これらのワックスは1種又は2種以上を用いることができる。
【0031】
(4)皮膜剤
皮膜剤としては、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸アルキル等のラテックス類、デキストリン、アルキルセルロースやニトロセルロース等のセルロース誘導体、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン等のシリコーン化多糖化合物、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー等のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂、シリコーン変性ポリノルボルネン、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン系樹脂、フッ素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリマーエマルジョン樹脂、テルペン系樹脂、ポリブテン、ポリイソプレン、アルキド樹脂、ポリビニルピロリドン変性ポリマー、ロジン変性樹脂、ポリウレタン等が用いられる。
【0032】
これらの中でも特に、シリコーン系の皮膜剤が好ましく、中でもトリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:TSPL−30−D5,ID〕や、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KP−543,545,549,550,545L等〕や、トリメチルシロキシケイ酸〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KF−7312J,X−21−5250等〕やシリコーン変性ポリノルボルネン〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:NBN−30−ID等〕を用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらの皮膜剤は1種又は2種以上を用いることができる。
【0033】
(5)界面活性剤
上記(a)、(e)成分以外の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
【0034】
(6)その他の任意成分
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、制汗剤、紫外線吸収剤、防腐剤・殺菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、温感剤・血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、水溶性高分子化合物、包接化合物等が挙げられる。
【0035】
・油溶性ゲル化剤
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムクトライト、ヘクトライトの有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0036】
・制汗剤
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等が挙げられる。
【0037】
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸オクチル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、ドロメトリゾールトリシロキサン、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、2,2’−メチレンビス(6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、が挙げられる。また、UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等)と、UVB吸収剤(例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等)を併用することもできる。
【0038】
・防腐剤・殺菌剤
防腐剤・殺菌剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、イミダゾリジニルウレア、安息香酸、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリリジン、感光素、銀、植物エキス等が挙げられる。
【0039】
・温感剤・血行促進剤
温感剤・血行促進剤としては、バニリルアルキルエーテル、トウガラシ抽出物、ショウガ抽出物、ゼオライト、塩化カルシウムや硫酸マグネシウム等の発熱性無水塩等が挙げられる。
【0040】
[製造方法]
本発明の油中水型化粧料は公知の方法で製造することができ、上述した各成分を含む油相組成物と、水相組成物とを混合し、パドルやディスパー、ホモジナイザーにより乳化することを含む方法により、製造することができる。
【0041】
[油中水型化粧料]
油中水型化粧料の形態としては、油中水型であれば特に限定はなく、乳化形態としては、W/O型エマルジョン、O/W/O型エマルジョンのいずれの形態でもよい。本発明の油中水型の定義としては、水を実質的に含まない油中多価アルコール型も含まれる。
【0042】
本発明における化粧料は、必須成分を含有する化粧料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、美容液、乳液、クリーム、クレンジング、マッサージクリーム、パック、ヘアケア、ファンデーション、化粧下地、バーム、アイライナー、ボディーメーキャップ、デオドラント剤、爪用化粧料等、種々の製品に応用することが可能である。本発明の化粧料の性状としては、液状、クリーム状、固形状、ゲル状、粘土状、スティック状等の種々の性状を選択することができる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、室温工程で行い、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
【0044】
[実施例1〜9、比較例1〜8]
下記表に示す処方の油中水型化粧料を下記方法で調製し、下記特性評価を行った。
<化粧料の調製:実施例1〜9、比較例3〜8>
A:成分(1)均一に混合した。
B:成分(2)を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、油中水型化粧料を得た。
<化粧料の調製:比較例1>
A:成分(2)を3本ロールにて均一に混合した。
B:成分(3)をAに加え均一に混合した。
C:成分(1)をBに添加して乳化し、水中油型化粧料を得た。
<化粧料の調製:比較例2>
A:成分(2)をディスパーにて均一に混合した。
B:成分(3)をAに加え均一に混合した。
C:成分(1)をBに添加して乳化し、水中油型化粧料を得た。
【0045】
(1)特性評価
下記実施例及び比較例のスティック化粧料について、化粧料の使用感(軋み感のなさ)、温感(塗布時の温感効果)、伸び(展延性)、粘性(塗布時の垂れにくさ)及び乳化状態(水相の入り易さ)の項目を10名のパネラーで評価した。表1に示される評価基準により評価し、結果を10名の平均値に基づき、下記判断基準に従って判定した。結果を表2〜4中に併記する。
【0046】
【表1】
【0047】
(2)判定基準
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が1.5点以上2.5点未満
××:平均点が1.5点未満
【0048】
【表2】

(注1)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−210〈架橋物:25%、ジメチルポリシロキサン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−16〈架橋物:25%、ジメチルポリシロキサン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(非架橋型);KF−6028(信越化学工業(株)製)
(注4)親水性無水シリカ;AEROSIL200(日本アエロジル社製)
(注5)アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体組成物(SIMULGEL EG〈架橋物37.5%>:SEPPIC社製)
表中の配合量は、記載の配合製品の配合量(以下同様)。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】

(注1)部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−210〈架橋物:15%、ジメチルポリシロキサン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(KSG−330〈架橋物:20%、トリエチルヘキサノイン:80%〉:信越化学工業(株)製)
(注3)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−43〈架橋物:30%、トリエチルヘキサノイン:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注4)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−15〈架橋物:7%、デカメチルシクロペンタシロキサン:93%〉(信越化学工業(株)製)
(注5)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
表中の配合量は、記載の配合製品の配合量(以下同様)。
【0051】
上記表2の結果より、実施例1の油中水型化粧料は、使用感(軋み感の無さ)、温感(塗布時の温感効果)、伸び(展延性)に優れることが分かった。連続相を水溶性高分子や微粒子粉体で増粘させた比較例1や比較例2は伸びが悪く、軋みが感じられ好ましくない。
【0052】
上記表3の結果より、実施例2〜9の油中水型化粧料は、使用感(軋み感のなさ)、温感(塗布時の温感効果)、伸び(展延性)、粘性(化粧料の垂れにくさ)及び乳化状態(水相移送時の状態)に優れることが分かった。本発明の成分(b)と成分(c)の合計の含有量に対する成分(b)の質量比が95%以下の比較例3では温感が得られず、(a)成分を単に他のシリコーン活性剤に置き換えた比較例4やシリコーンエラストマーに置き換えた比較例5や、比較例6や、化粧料組成全体中の水相が57〜90%でない比較例7や比較例8は乳化状態が悪く、粘性が低いため好ましくない。
【0053】
[実施例10]
温感クリーム
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分6〜11を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、温感クリームを得た。
組成 %
1.部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 3
2.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 1
3.シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注3) 0.5
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 8.8
5.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 2
6.ブチレングリコール 5
7.ジグリセリン 5
8.PEG−12(ポリエチレングリコール) 15
9.フェノキシエタノール 0.3
10.トウガラシエキス 適量
11.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物;KSG−710〈架橋物:25%、ジメチルポリシロキサン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−19〈架橋物:15%、デカメチルシクロペンタシロキサン:85%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーン;KF−6104(信越化学工業(株)製)
(注4)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−101(信越化学工業(株)製)
成分(b)及び成分(c)合計量:84.7
(b)/((b)+(c)):1
得られた温感クリームは、使用感、温感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。
【0054】
[実施例11]
クリアマッサージジェル
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分7〜11を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、6を加えマッサージジェルを得た。
組成 %
1.アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 3
2.アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 3
3.シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注3) 1.5
4.ミネラルオイル 12
5.アルキル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体(注4) 0.5
6.高融点ポリエチレン末 2
7.ペンチレングリコール 3
8.ソルビトール(70%液) 3
9.PEG−8 15
10.バニリルブチル 適量
11.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物;KSG−840〈架橋物:30%、スクワラン:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−43〈架橋物:30%、トリエチルヘキサノイン:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン;KF−6105(信越化学工業(株)製)
(注4)アルキル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−441(信越化学工業(株)製)
成分(b)及び成分(c)合計量:75.9
(b)/((b)+(c)):0.988
得られたマッサージジェルは透明性があり、使用感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。
【0055】
[実施例12]
クリアマッサージジェル
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分6〜9を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、マッサージジェルを得た。
組成 %
1.シリコーン/アルキル共変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 3
2.アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 3
3.シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 0.5
4.ミネラルオイル 10
5.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体組成物(注4) 2
6.エタノール 10
7.PEG−6 10
8.エチルヘキシルグリセリン 適量
9.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−310〈架橋物:30%、ミネラルオイル:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−41A〈架橋物:25%、ミネラルオイル:75%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注4)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体組成物;KP−550〈固形分:40%、イソドデカン:60%〉(信越化学工業(株)製)
成分(b)及び成分(c)合計量:71
(b)/((b)+(c)):1
得られたマッサージジェルは透明性があり、冷感が感じられた後に温感が感じられ、使用感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。
【0056】
[実施例13]
温感ケーキ
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を80℃で均一に混合した。
B:成分6〜9を80℃で均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、徐冷して温感ケーキを得た。
組成 %
1.アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物(注1) 3
2.アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 3
3.アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 0.5
4.ミネラルオイル 12.5
5.ステアリン酸イヌリン(注4) 5
6.プロピレングリコール 20
7.ジグリセリン 3
8.フェノキシエタノール 適量
9.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物;KSG−310Z〈架橋物:30%、ミネラルオイル:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−41A〈架橋物:25%、ミネラルオイル:75%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6048(信越化学工業(株)製)
(注4)ステアリン酸イヌリン;レオパールISK2(千葉製粉粉(株)製))
成分(b)及び成分(c)合計量:76
(b)/((b)+(c)):1
得られた温感ケーキは使用感、温感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。
【0057】
[実施例14]
温感スティック
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を95℃まで加熱し、均一に混合した。
B:成分6〜10を均一に混合し、85℃まで加熱した。
C:BをAに添加して乳化し、スティック容器に充填後、徐冷し温感スティックを得た。
組成 %
1.アルキル共変性・部分架橋型
ポリグリセリン変性シリコーン組成物(注1) 3
2.フェニル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注2) 3
3.シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3) 1
4.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注4) 10.5
5.ポリエチレン 6
6.プロピレングリコール 5
7.ジグリセリン 5
8.PEG−32 5
9.メチルパラベン 適量
10.グリセリン 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性・部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン組成物;KSG−310〈架橋物:30%、ミネラルオイル:70%〉(信越化学工業(株)製)
(注2)フェニル変性・部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物;KSG−18A〈架橋物:15%、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン:85%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注4)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;KF−56A(信越化学工業(株)製)
成分(b)及び成分(c)合計量:76.5
(b)/((b)+(c)):1
得られた温感スティックは、使用感、伸びが良く、保存安定性に優れていることが確認された。