(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明において、「液晶相の持続時間」(liquid-crystal-phase's lifetime)とは、80℃のホットプレートに接した基材の上に重合性液晶組成物が塗布されている該基材を室温雰囲気に移した時から、重合性液晶組成物から結晶が析出するまでの時間である。液晶相の持続時間は、重合性液晶組成物の液晶の配向を維持したまま重合によって液晶重合体を作成することができる時間の参考値になる。液晶相の持続時間が長いほど、配向欠陥のない液晶重合体を作成しやすい。
【0027】
本発明において、「化合物(X)」とは、式(X)で表わされる化合物を意味する。ここで「化合物(X)」中のXは文字列、数字、記号等である。
【0028】
本発明において、「液晶組成物」とは、液晶相を有する混合物である。
本発明において、「液晶化合物」とは、(A)純物質として液晶相を有する化合物および(B)液晶組成物の成分となる化合物の総称である。
【0029】
本発明において、「重合性官能基」とは、化合物中に有すると、光、熱、触媒などの手
段により重合しより大きな分子量を有する高分子へと変化させる官能基である。
本発明において、「単官能化合物」とは、重合性官能基を一つ有する化合物である。
本発明において、「多官能化合物」とは、重合性官能基を複数有する化合物である。
本発明において、「X官能化合物」とは、重合性官能基をX個有する化合物であり、ここで、「X官能化合物」中のXは整数である。
本発明において、「重合性化合物」とは、重合性官能基を少なくとも一つ有する化合物である。
本発明において、「重合性液晶化合物」とは、液晶化合物である重合性化合物である。
本発明において、「非液晶性重合性化合物」とは、純物質では液晶相を有さない化合物である重合性化合物である。
【0030】
本発明において、「重合性液晶組成物」とは、重合性化合物および液晶化合物を含む組成物並びに「重合性液晶化合物」を含む組成物を意味する。
本発明において、「重合性液晶組成物溶液」とは、重合性液晶組成物と溶媒を含む物を意味する。
本発明において、「液晶重合体」(liquid crystal polymer)とは、重合性液晶組成物を重合して得られた部分を意味する。
本発明において、「基材つき液晶重合体」(substrate-embedded liquid crystal polymer)とは、基材上の重合性液晶組成物を重合して得られる、基材を含む物を意味する。
本発明において、「高機能な偏光板」とは、偏光板を基材として作製した基材つき液晶重合体を意味する。
【0031】
図1において、20は、液晶重合体である。
図1において、10は、基材である。
本発明において、「液晶重合膜」(liquid crystal polymerized membrane)とは、液晶重合体および基材つき液晶重合体の総称であり、膜状だけでなく板状のものも含むものとする。
【0032】
本発明において、「位相差フィルム」とは、光学的異方性を有する素子であって、フィルムまたは板状の物である。
本発明において、「偏光板」とは、特定方向の光の透過率を制御し、直線偏光を作成する素子であって、フィルムまたは板状の物である。
【0033】
本発明において、「チルト角」とは、液晶分子の長軸の配向方向と基材の面の間の角度である。
本発明において、「ホモジニアス配向」とは、チルト角が0度から5度である配向状態を指す。
本発明において、「ホメオトロピック配向」とは、チルト角が、85度から90度である配向状態を指す。
本発明において、「ツイスト配向」とは、液晶分子の長軸方向の配向方向が基材に対して平行ではあり、かつ、液晶分子が基材から離れるにしたがって、基材表面の垂線を軸として、階段状にねじれている配向状態をいう。
【0034】
本発明において、「室温」とは、15℃から35℃を指す。
【0035】
化学式中に下記の官能基の記載があった場合には、波線部が該官能基の結合位置であることを意味するものとする。ここで下記のCは任意の原子または官能部である。
【0037】
本発明の基材つき液晶重合体は、以下の工程で作製される。
(I)重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物に溶媒を混ぜた物を、基材上に塗布し、
(II)加温そのほかの方法で、基材上の重合性液晶組成物に溶媒を混ぜた物から、溶媒を除き、基材上に重合性液晶組成物の塗膜を作り、
(III)基材上の重合性液晶組成物を配向させた状態で、光、熱、触媒などの手段で重合させて、基材つき液晶重合体を作製する。
【0038】
基材つき液晶重合体から液晶重合体を取り除いて別の基材に定着させる方法として、以下の方法が知られている。
(1)基材つき液晶重合体と、粘接着剤層を有する基板とを、該液晶重合体と該粘接着剤層とが接するように張り合わせ、
(2)該液晶重合体と該粘接着剤層とが接するように張り合わせた物を、基材つき液晶重合体の基材部分と、該液晶重合体との間で剥離させ、
(3)粘接着剤層を有する基材上の該液晶重合体を、上記(1)および(2)と同様の方法で、別の基材へ定着させる。
≪1.重合性液晶化合物≫
【0039】
化合物(1)で表される重合性液晶化合物は、60℃〜120℃の範囲で液晶相になる温度範囲が広く、液晶相になる上限温度が高い。
液晶相になる温度が60℃以上である重合性液晶化合物は、該化合物を含む重合性液晶組成物の液晶相を安定化し、基板上に塗膜した該重合性液晶組成物の配向欠陥を抑制することが出来る。
液晶相になる温度が120℃以下である重合性液晶化合物は、該化合物を含む重合性液晶組成物の結晶化を抑制でき、基板上に塗膜した該重合性液晶組成物の配向欠陥を抑制することが出来る。基板上に塗膜した該重合性液晶組成物からの結晶の発生は、液晶重合体の配向欠陥を生じる。
60℃から120℃の範囲で液晶相になる温度範囲が広いため、化合物(1)で表される重合性液晶化合物を、液晶重合体の原料である液晶組成物の成分とすると、液晶重合膜の製造が容易になる。
化合物(1)で表される重合性液晶化合物は、60℃〜120℃の範囲で液晶相になる温度範囲が概ね30K〜60Kと広い温度範囲である。
【0040】
化合物(1)で表される重合性液晶化合物は、各種溶媒に溶けやすい。
液晶組成物を液晶重合体の原料として、液晶重合膜の製造の製造する際に、重合性液晶組成物溶液を塗布する工程がある。各種溶媒に溶けやすい重合性液晶化合物は、製造上の溶媒に対する制約が少ないため製造が容易になる。
【0042】
この式(1)中、A
1は独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキセニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたはナフタレン−2,6−ジイルであり、この1,4−フェニレンまたはナフタレン−2,6−ジイルにおいて、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル、炭素数1〜10のアルキルエステル、炭素数1〜10のアルカノイル、または重合性官能基で置き換えられてもよい。光や熱によって重合が容易であるため、該重合性官能基は、式(2)で表される基が好ましい。
また、A
1が1,4−フェニレンまたは1,4−シクロへキシレンである場合は、有機溶媒への溶解性が高く、液晶相の温度範囲が広くなりやすいため、より好ましい。
【0043】
【化6】
Y
1は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−であり、
Q
1は単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも一つの−CH
2−は−O−、−COO−、−またはOCO−で置き換えられてもよく、PGは式(PG−1)〜式(PG−9)のいずれか1つで表される官能基である。
【0044】
【化7】
(式(PG−1)〜式(PG−9)中、R
3は独立して水素、ハロゲン、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルである。)
【0045】
Z
1は独立して単結合、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−OCH
2CH
2O−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH
2CH
2COO−、−OCOCH
2CH
2−、−CH
2CH
2OCO−、−COOCH
2CH
2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH
3)−、−C(CH
3)=N−、−N=N−、−C≡C−、または−CH=N−N=CH−である。Z
1が独立して単結合、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH
2CH
2COO−、または−OCOCH
2CH
2−である場合は、有機溶媒への溶解性が高く、液晶相の温度範囲が広くなりやすいため、より好ましい。
【0046】
mおよびnは独立して0〜5の整数であり、かつ1≦m+n≦8である。mおよびnが独立して1、2または3である場合は、有機溶媒への溶解性が高く、液晶相の温度範囲が広くなりやすいため、より好ましい。
【0047】
X
1は、炭素数1〜5のアルキレンまたはアルキレンの誘導体である。X
1により、重合性液晶化合物にある1,4−フェニレン基の2から3位に、α位にカルボニル基を有する架橋構造ができる。液晶相の持続時間が長くなり、かつ、60℃から120℃の範囲で液晶相になる温度範囲が広いため、1,4−フェニレン基の2から3位に、α位にカルボニル基を有する架橋構造が好ましい。
かかるアルキレンの誘導体は、たとえば、炭素数1〜5のアルキレンにおいて、少なくとも一つの−CH
2−は、−CO−、−S−、−O−、または、−NH−で置き換えられることができ、該アルキレンにおいて、少なくとも一つの−CH
2−CH
2−は、−CH=CH−で置き換えることができ、これらの−CH
2−、−NH−および−CH=の少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルカノイルで置き換えられてもよい。
合成のしやすさの観点から、X
1は、炭素数2〜4のアルキレン、並びに、該アルキレンにおいて、−CH
2−は、−CO−、−S−、−O−、または、−NH−で置き換えられ、これらの−CH
2−、−NH−および−CH=の少なくとも一つの水素は、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルキルまたは炭素数1〜5のアルカノイルで置き換えられたアルキレンが好ましい。
【0048】
R
1の一方は、重合性官能基であり、
R
1の他方は、重合性官能基、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシ、炭素数2〜12のアルケニル、炭素数1〜12のアルキルエステル、または炭素数1〜12のアルコキシカルボニルである。
光や熱で容易に重合できるため、R
1の重合性官能基は、式(2)で表される基で置き換えられることが好ましい。
【0049】
【化8】
Y
1は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−であり、Q
1は単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも一つの−CH
2−は−O−、−COO−、−またはOCO−で置き換えられてもよく、PGは式(PG−1)〜式(PG−9)のいずれか1つで表される官能基である。
【0050】
【化9】
(式(PG−1)〜式(PG−9)中、R
3は独立して水素、ハロゲン、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルである。)
【0051】
重合性液晶組成物より得られる液晶重合膜の、機械的強度が優れ、かつ、光学特性が長期で変化しないため、式(1)中の両方のR
1が式(2)で表される基であることが好ましい。
【0052】
式(2)中、Q
1が炭素数1〜20のアルキレンである場合、重合性液晶組成物の液晶相が誘導されやすく、他の液晶性化合物および有機溶媒と相分離しにくい。
【0053】
PGは独立して、式(PG−1)〜式(PG−9)のいずれか1つで表される官能基である。
式(PG−1)、式(PG−8)および式(PG−9)で表される官能基は、α、β不飽和ケトンの構造を有しているので、様々な手段により重合し、より大きな分子量を有する高分子へと変化させる重合性官能基である。
式(PG−2)は、電子供与性基に隣接したビニル基を有しているので、様々な手段により重合し、より大きな分子量を有する高分子へと変化させる重合性官能基である。
式(PG−3)〜式(PG−7)で表される官能基は、ひずみを有する環状エーテルを有しているので、様々な手段により重合し、より大きな分子量を有する高分子へと変化させる重合性官能基である。
【0054】
式(PG−1)〜式(PG−9)で表される官能基は、フィルムの製造条件により、適切なものを選ぶことが出来る。たとえば、通常用いられる光硬化でフィルムを作製する場合、高い硬化性、溶媒への溶解性、および取扱いのしやすさなどの点から、式(PG−1)で表されるアクリル基やメタクリル基が、好ましい。
【0055】
式(1)で表される重合性液晶化合物の具体例を、式(1−1−1)〜式(1−1−14)に示す。
化合物(1)は、公知の有機合成化学の手法を組み合わせることにより合成できる。
【0058】
式(1−1−1)〜式(1−1−14)において、Y
1は独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−であり、Q
1は独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも一つの−CH
2−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、PGは独立して上記式(PG−1)〜式(PG−9)で表されるいずれか1つの官能基である。
【0059】
≪2.重合性液晶組成物≫
本発明の重合性液晶組成物は、化合物(1)を1つ以上含有する。
化合物(1)を1つ以上含有する本発明の重合性液晶組成物は、60℃〜120℃の温度範囲で広い液晶相を有し、かつ、液晶相の持続時間が長い。60℃〜120℃の温度範囲で広い液晶相を有し、かつ、液晶相の持続時間が長い重合性液晶組成物は、基材つき液晶重合体の作製において、基材上の重合性液晶組成物を配向させた状態が長時間持続するため、液晶重合膜の製造が容易となる。
故に、化合物(1)を1つ以上含有する本発明の重合性液晶組成物を原料とすることで、液晶重合膜の作製が容易になる。
【0060】
60℃〜120℃の温度範囲で広い液晶相を有し、かつ、液晶相の持続時間がより長くなるため、本発明の重合性液晶組成物では、重合性液晶化合物の全量に対して、化合物(1)を10〜100重量%含有することが好ましく、30〜70重量%含有することがより好ましい。
また、本発明の重合性液晶組成物では、重合性液晶組成物の全量に対して、化合物(1)を7〜99重量%含有することが好ましく、21〜69重量%含有することがより好ましい。
【0061】
本発明の重合性液晶組成物は、化合物(1)で表される重合性液晶化合物以外の重合性液晶化合物を含んでもよい。重合性液晶組成物の液晶相の発現、ならびに、化合物(1)および有機溶媒との相溶性の観点から、下記の式(M1)、(M2)または(M3)で表
される化合物が、該重合性液晶性化合物として好ましい。
【0063】
式(M1)、(M2)および(M3)中、
A
Mはそれぞれ独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキセニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはフルオレン−2,7−ジイルから選ばれるいずれかの二価基であり、該二価基において、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、または炭素数1〜5のアルカノイルで置き換えられてもよく、
Z
Mはそれぞれ独立して単結合、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−、−OCOO−、−CONH−、−NHCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH
2CH
2COO−、−OCOCH
2CH
2−、−COOCH
2CH
2−、−CH
2CH
2OCO−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH
3)−、−C(CH
3)=N−、−N=N−、−C≡C−、−CH=N−N=CH−、または−C(CH
3)=N−N=C(CH
3)−であり、
X
Mは水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数1〜20のアルコキシカルボニルであり、
Y
Mは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−であり、
Q
Mは単結合、−O−、−COO−、または−OCO−であり、
qは1〜6の整数であり、
cおよびdはそれぞれ0〜3の整数であり、かつ1≦c+d≦6の関係であり、
aは0〜20の整数であり、
R
Mは水素またはメチルである。
【0064】
液晶重合膜の正面コントラストの増加、並びに、液晶重合膜の原料となる重合性液晶組成物の液晶相への誘導、および該組成物中の他の液晶性化合物および有機溶媒と相分離の
防止を考慮すると、重合性液晶組成物中の式(M1)で表される化合物の合計は、式(1)および式(M1)で表される化合物の合計重量に対して、10〜90重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましい。ここで、「正面コントラスト」とは、2枚の偏光板の間に基材つき液晶重合膜を配置した際の、(クロスニコル状態での輝度)/(パラレルニコル状態での輝度)の値である。
【0065】
化合物(M1)の具体例は、化合物(M1−1)〜(M1−10)である。
【0067】
式(M1−1)〜式(M1−10)において、aは1〜12の整数であり、R
Mは水素またはメチルである。
【0068】
化合物(M2)の具体例は、化合物(M2−1)〜(M2−10)である。
【0070】
式(M2−1)〜(M2−10)において、aは1〜12の整数であり、R
Mは水素またはメチルである。
【0071】
化合物(M3)の具体例は、化合物(M3−1)〜(M3−4)である。
【化15】
【0072】
式(M3−1)〜(M3−4)において、aは1〜12の整数であり、R
Mは水素またはメチルである。
【0073】
≪重合性液晶組成物への添加物≫
本発明の重合性液晶組成物は重合性液晶化合物以外の添加物を、液晶相を損なわない限り、含有してもよい。
【0074】
重合性液晶組成物への界面活性剤の添加は、液晶重合膜の平滑性を向上する。重合性液晶組成物への非イオン性界面活性剤の添加は、液晶重合膜の平滑性をより向上する。界面活性剤は、イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤に分類される。
非イオン性界面活性剤は、液晶重合膜の空気界面側のチルト配向を抑制する効果があるため好ましい。シリコーン系非イオン性界面活性剤、フッ素系非イオン性界面活性剤、ビニル系非イオン性界面活性剤、炭化水素系非イオン性界面活性剤などは、非イオン性界面活性剤である。
液晶重合膜表面の機械的強度および耐薬品性を向上させるため、重合性液晶組成物への重合性化合物である界面活性剤を添加してもよい。重合性化合物である界面活性剤としては紫外線で重合反応を開始する界面活性剤が好ましい。
【0075】
液晶重合膜が均一な配向になりやすいため、および、重合性液晶組成物の塗布性が向上するため、重合性液晶組成物中の界面活性剤は、重合性液晶組成物全量に対して0.01〜5重量%が好ましく、0.05〜1重量%がより好ましい。
【0076】
シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーであって、側鎖および/または末端にポリエーテルや長鎖アルキルなどの有機基を導入した化合物などがシリコーン系非イオン性界面活性剤である。
【0077】
炭素数2〜7のパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を有する化合物などがフッ素系非イオン界面活性剤である。
【0078】
ビニル系非イオン性界面活性剤として、重量平均分子量が1000〜1000000の(メタ)アクリル系高分子などが挙げられる。
【0079】
本発明の重合性液晶組成物は、非液晶性重合性化合物を含んでもよい。液晶相を維持するため、当該重合性液晶組成物中の非液晶性重合性化合物の合計重量は、重合性液晶組成物全量に対して30重量%以下であることが好ましい。
【0080】
重合性液晶組成物への多官能非液晶性重合性化合物の添加により、液晶重合膜の機械的強度の強化若しくは耐薬品性の向上、又はその両方が期待できる。
非液晶性重合性化合物はビニル系重合性官能基を1つまたは2つ以上有する化合物が典型的である。
重合性液晶組成物への側鎖および/または末端に極性基を有する非液晶性重合性化合物の添加により、液晶重合体と基材との密着性の向上が期待できる。
【0081】
スチレン、核置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、脂肪酸ビニル、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、アルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、アミノアルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル、エーテル酸素含有アルキルの炭素数が3〜18である(メタ)アクリル酸のエーテル酸素含有アルキルエステル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、重合度2〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル、またはジ(メタ)アクリル酸エステル若しくは末端が炭素数1〜6のアルキルによってキャップされた重合度2〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であるポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステルなどが、単官能化合物である非液晶性重合性化合物である。酢酸ビニルなどが「肪肪酸ビニル」である。アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などが、「α,β−エチレン性不飽和カルボン酸」である。メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、ブチルカルビルエステルなどが、「エーテル酸素含有アルキルの炭素数が3〜18である(メタ)アクリル酸のエーテル酸素含有アルキルエステル」である。
【0082】
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テト
ラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、これらの化合物のメタクリレート化合物などが、2官能非液晶性重合性化合物である。
ペンタエリストールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリストールトリメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、トリメチロールEO付加トリメタアクリレート、トリスメタアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスメタアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリメタアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリメタアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレートなどが、3官能以上の多官能非液晶性重合性化合物である。
【0083】
重合性液晶組成物へのビスフェノール構造又はカルド構造を有する重合性化合物の添加は、重合体の硬化度の向上および液晶重合膜のホメオトロピック配向を誘導する。
式(α−1)〜式(α−3)で表される化合物などが、カルド構造を有する重合性フルオレン誘導体である。
【0085】
式(α−1)〜式(α−3)において、Rαは独立して水素またはメチルであり、sは独立して0〜4の整数である。
【0086】
重合開始剤の添加は、重合性液晶組成物の重合速度を最適化する。硬化プロセスの容易さから、重合開始剤は光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤および光アニオン重合開始剤に分類される。
アクリル基またはメタクリル基を有する重合性液晶化合物は、光ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。エポキシ基またはオキセタニル基を有する重合性液晶化合物は、光カチオン重合開始剤または光アニオン重合開始剤を用いることが好ましい。
【0087】
光ラジカル開始剤はベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤または水素引き抜き型重合開始剤などである。
【0088】
イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベン
ジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロピルフェニル)−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリニルフェニル)−ブタン−1−オンなどが、アセトフェノン型光重合開始剤である。
【0089】
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイドなどが、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤である。
【0090】
2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン、1,2−プロパンジオン,1−[4−[[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]チオ]フェニル−,2−(オルト−ベンゾイルオキシム)などが、オキシムエステル系光重合開始剤である。
【0091】
ベンゾフェノン、オキシフェニル酢酸,2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、オキシフェニル酢酸,2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル、2−オキソ−2−フェニル酢酸メチルエステルなどが、水素引き抜き型重合開始剤である。
【0092】
光カチオン重合開始剤は、スルフォニウム塩系光重合開始剤、ヨードニウム塩光重合開始剤またはトリアジン系光重合開始剤などである。
【0093】
トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウム六フッ化リン酸塩、(ビフェニル)[4−(フェニルチオ)フェニル] スルホニウム六フッ化リン酸塩などが、スルフォニウム塩系光重合開始剤である。
【0094】
(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム六フッ化リン酸塩、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム六フッ化リン酸塩などが、ヨードニウム塩光重合開始剤である。
【0095】
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(2,4−ジメトキシ)スチリル−1,3,5−トリアジンなどが、トリアジン系光重合開始剤である。
【0096】
光アニオン重合開始剤は、イオン系光重合開始剤、非イオン系重合開始剤などである。
【0097】
1,2−ジイソプロピル−3−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]グアニジウム2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸塩、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン2−(9−オキソキサンテン−2−イル)プロピオン酸塩などが、イオン系光重合開始剤である。
【0098】
2−ニトロフェニルメチル4−メタクリロイルオキシピペリジン−1−カルボキシレート、9−アントリルメチルN,N−ジエチルカルバメート、アセトフェノン−オルト−ベンゾイルオキシム、シクロヘキシルカルバミン酸2−ニトロベンジル、シクロヘキシルカルバミン酸1,2−ビス(4−メトキシフェニル)−2−オキソエチル、1−(アントラ
キノン−2−イル)エチルイミダゾールカルボキシレート、1−ピペリジン−3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロパン−1−オンなどが、非イオン系重合開始剤である。
【0099】
液晶重合膜のコントラスト、べたつき防止、および、レターデーションの経時変化防止の観点から、重合性液晶組成物中の光重合開始剤の総含有重量は、重合性液晶組成物全量に対して、1〜30重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましく、3〜10重量%が更に好ましい。
【0100】
光重合開始剤とともに増感剤を重合性液晶組成物に添加してもよい。イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチル−4ジメチルアミノベンゾエート、および2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートなどが増感剤である。
【0101】
重合性液晶組成物への連鎖移動剤の添加により、重合性液晶化合物の反応率および液晶重合膜中の重合体の鎖の長さが調整できる。
該連鎖移動剤の量の増加により、重合性液晶化合物の反応率は低下する。該連鎖移動剤の量の増加により、該重合体の鎖の長さは減少する。
【0102】
チオール誘導体およびスチレンダイマー誘導体などが、連鎖移動剤である。
【0103】
ドデカンチオール、2−エチルへキシル−(3−メルカプト)プロピオネートなどが、単官能チオール誘導体である。
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどが、多官能チオール誘導体である。
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−1−ブテンなどが、スチレンダイマー系連鎖移動剤である。
【0104】
重合性液晶組成物への重合防止剤の添加は、重合性液晶組成物の保存時の重合開始を防止する。フェノール誘導体、フェノチアジン誘導体、ニトロソ基を有する化合物およびベンゾチアジン誘導体などが、重合防止剤である。
2,5−ジ(t−ブチル)ヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、o−ヒドロキシベンゾフェノン、メチレンブルー、ジフェニルピクリン酸ヒドラジドなどが、フェノール誘導体である重合防止剤である。
フェノチアジン、メチレンブルーなどが、フェノチアジン誘導体である重合防止剤である。
N,N−ジメチル−4−ニトロソアニリンなどが、典型的なニトロソ基を有する化合物である重合防止剤である。
【0105】
重合性液晶組成物への重合阻害剤の添加は、重合性液晶組成物中のラジカルの発生による重合性液晶組成物中の重合反応を抑制する。重合阻害剤の添加は、重合性液晶組成物の保存性を向上させる。
(a)フェノール系酸化防止剤、(b)イオウ系酸化防止剤、(c)リン酸系酸化防止剤、(d)ヒンダードアミン系酸化防止剤などが、重合阻害剤である。重合性液晶組成物との相溶性や液晶重合膜の透明性の観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。相溶性の観点から、水酸基のオルト位にt−ブチル基を有するフェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0106】
重合性液晶組成物への紫外線吸収剤の添加は、液晶重合膜類の耐候性を向上させる。
重合性液晶組成物への光安定剤の添加は、液晶重合膜類の耐候性を向上させる。
重合性液晶組成物への酸化防止剤の添加は、液晶重合膜類の耐候性を向上させる。
重合性液晶組成物へのシランカップリング剤の添加は、基材と液晶重合膜との間の密着性を改善する。
【0107】
本発明の重合性液晶組成物は光学活性を有する化合物を含有してもよい。液晶組成物への光学活性を有する化合物の添加は、液晶重合膜をツイスト配向に誘導させる。液晶重合膜は、300〜2000nmの波長領域における選択反射フィルムおよびネガティブ型Cプレートとして使用できる。
【0108】
光学活性を有する化合物として、不斉炭素を有する化合物、ビナフチル構造およびヘリセン構造などを有する軸不斉化合物並びにシクロファン構造などを有する面不斉化合物などが挙げられる。ツイスト配向の螺旋ピッチを固定化する観点から、この場合の光学活性を有する化合物は、重合性化合物であることが好ましい。
【0109】
本発明の液晶重合膜は二色性色素を含有してもよい。二色性色素と複合化した液晶重合膜は、吸収型偏光板として使用することができる。
【0110】
二色性色素は、300〜700nmの範囲に極大吸収波長を有するものが好ましい。アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素、アゾ色素、アントラキノン色素などが利用できる。アゾ色素として、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、スチルベンアゾ色素などが、二色性色素である。
【0111】
本発明の液晶重合膜は蛍光色素を含有してもよい。蛍光色素と複合化した液晶重合膜は、偏光発光型フィルムおよび波長変換フィルムとして使用できる。
【0112】
≪重合性液晶組成物溶液≫
基材への塗布を容易にするため、重合性液晶組成物に、溶媒を添加することが好ましい。
重合性液晶化合物と溶媒との相溶性の観点から、重合性液晶組成物溶液中の重合性液晶組成物の含有量は、5〜50重量%が好ましく、15〜40重量%がより好ましい。
エステル系溶媒、アミド系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、環状エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アセテート系溶媒などが、溶媒の成分となる。
【0113】
エステル系溶媒とは、エステル結合を有する化合物であって、溶媒の成分となるものを指す。
酢酸アルキル、トリフルオロ酢酸エチル、プロピオン酸アルキル、酪酸アルキル、マロン酸ジアルキル、グリコール酸アルキル、乳酸アルキル、モノアセチン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが、エステル系溶媒である。
【0114】
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチルなどが、酢酸アルキルである。
プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルなどが、プロピオン酸アルキルである。
酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸プロピルなどが、酪酸アルキルである。
マロン酸ジエチルなどが、マロン酸ジアルキルである。
グリコール酸メチル、グリコール酸エチルなどが、グリコール酸アルキルである。
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸n−プロピル、乳酸ブチル、乳酸エチルヘキシルなどが、乳酸アルキルである。
【0115】
アミド系溶媒とは、アミド結合を有する化合物であって、溶媒の成分となるものを指す。
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが、アミド系溶媒である。
【0116】
アルコール系溶媒とは、水酸基を有する化合物であって、溶媒の成分となるものを指す。
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ブタノール、3−メトキシブタノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、1−ドデカノール、エチルヘキサノール、3、5、5−トリメチルヘキサノール、n−アミルアルコール、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−3−メトキシブタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、テルピネオール、ジヒドロテルピネオールなどが、アルコールである。
【0117】
エーテル系溶媒とは、エーテル結合を有する化合物であって、溶媒の成分となるものを指す。
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ビス(2−プロピル)エーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、アニソール、シクロペンチルメチルエーテル、メチルt−ブチルエーテルなどが、エーテル系溶媒である。
【0118】
環状エーテル系溶媒とは、エーテル結合を有する環状化合物であって、溶媒の成分となるものを指す。
1,4−ジオキサン、1.3−ジオキソラン、テトラヒドロフランなどが、環状エーテル系溶媒である。
【0119】
芳香族炭化水素系溶媒とは、芳香族炭化水素を有する化合物であって、溶媒の成分となるものを指す。
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、i
−プロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、テトラリンなどが、芳香族炭化水素系溶媒である。
【0120】
ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒とは、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンなどある。
【0121】
脂肪族炭化水素系溶媒とは、ヘキサン、ヘプタン、ミルセンなどである。
ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒とは、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどである。
【0122】
脂環式炭化水素系溶媒とは、シクロヘキサン、シクロヘプタン、デカリン、α−ピネン、β−ピネン、D−リモネンなどが、脂環式炭化水素である。
【0123】
ケトン系溶媒とは、ケトン構造を有する化合物であって、溶媒の成分となるものを指す。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルプロピルケトンなどが、ケトン系溶媒である。
【0124】
アセテート系溶媒とは、アセトキシ基を有する化合物であって、溶媒の成分となるものを指す。
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテートなどが、アセテート系溶媒である。
【0125】
≪基材≫
ガラス、プラスチック、金属などが、基材の材質である。該ガラスや該金属は表面にスリット状の加工を施してもよい。該プラスチックは、延伸処理並びに親水化処理および疎水化処理などの表面処理を施してもよい。
基材上にホモジニアス配向およびチルト配向の液晶重合膜を形成する場合は、重合性液晶組成物を基材に塗布する前に、基材に対し、表面処理を行い、液晶重合膜の配向を誘導する。該表面処理としてはラビング処理や直線偏光UV照射などの方法が挙げられる。
【0126】
≪3.液晶重合膜≫
本発明の重合性液晶組成物を原料とした本発明の液晶重合膜は、配向欠陥がなく、作成が容易で、かつ、該液晶重合膜中の液晶重合体の複屈折率が高いため、第10から第12の態様の液晶重合膜は、配向欠陥がなく、製造コストを抑えつつ、薄くできる。
【0127】
重合性液晶組成物溶液の塗布には、各種コート法が用いられる。基材上の重合性液晶組成物の膜厚の均一性の観点から、塗布方法として、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、およびダイコート法が好ましい。
【0128】
溶媒を除去するために、基材つき液晶重合体を形成させる際の乾燥中に熱処理することが好ましい。ホットプレート、乾燥炉並びに温風又は熱風の吹き付けなどで、該熱処理が可能である。
【0129】
本発明の液晶重合膜を得るために、電子線、紫外線、可視光線、赤外線などの手段を利用できる。液晶重合膜を得るために照射する光の波長の範囲は150〜500nmである
。好ましい光の波長の範囲は250〜450nmであり、より好ましい範囲は300〜400nmである。
【0130】
該光の光源として、低圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、ショートアーク放電ランプが利用できる。殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、およびブラックライトなどが、低圧水銀ランプである。高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが、該高圧放電ランプである。超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、および水銀キセノンランプなどが、ショートアーク放電ランプである。
【0131】
基材上に配向膜を形成し、重合性液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物をその配向膜により配向させた後に重合性液晶化合物を重合させる場合には、配向膜に対し、表面処理を行う。該表面処理としては、ラビングや偏光UV照射などの方法が挙げられる。
【0132】
以下の手順は、基材上の配向膜の形成およびラビング処理の一例である。
(1)配向剤の溶液を基材に塗布して塗膜を形成させる。
(2)得られた塗膜を有する基材に対して、熱処理を行う。
(3)レーヨン、綿、ポリアミドなどの素材からなるラビング布を金属ロールなどに捲き付け、
(4)基材に該ロールを接し、
(5)該ロールを回転させながら基材表面と平行に該ロールを移動させる、又は該ロールを固定したまま基材を移動させる。
該配向剤はポリイミド、ポリアミック酸またはポリビニルアルコールなどを含む溶液が用いられる。
【0133】
以下の手順は、基材上の配向膜の形成および偏光UV照射の一例である。
(1)配向剤の溶液を基材に塗布して塗膜を形成させる。
(2)得られた塗膜を有する基材に対して、熱処理を行う。
(3)基材上に、基材に波長250〜400nmの直線偏光を照射し、
(4)必要な場合は、加熱処理を施す。
該配向剤は感光性基を有するポリイミド、ポリアミック酸、シクロオレフィンポリマーまたはポリアクリレートなどを含む溶液が用いられる。該感光性基は、カルコン、シンナメート、シンナモイル、スチルベン、シクロブタン、またはアゾベンゼンなどが挙げられる。
【0134】
本発明の液晶重合膜は、配向欠陥がない基材つき液晶重合体の作製が容易である。
本発明の液晶重合膜は、液晶重合膜中の液晶重合体の複屈折率が高いため、より薄い液晶重合体で、光学特性を実現することができる。このため、より薄い液晶重合膜を提供でき、製造コストを抑えることができる。
【0135】
本発明の液晶重合膜は、専ら位相差フィルムとして利用できる。
本発明の位相差フィルムは、配向欠陥がない。
本発明の位相差フィルムは、液晶重合膜の作製の工程が容易なため、製造コストを抑えることができる。
本発明の位相差フィルムは、液晶重合体の複屈折率が高いため、より薄くできる。
【0136】
偏光板を基材として液晶重合膜を形成することで、光学補償等の機能を有する、高機能な偏光板が製造できる。たとえば、1/4波長のレターデーションを有する液晶重合膜と偏光板を組合せることで、円偏光板が製造できる。
ヨウ素又は二色性色素をドープした吸収型の偏光板、ワイヤーグリッド偏光板等の反射型偏光板などが、偏光板である。
本発明の高機能な偏光板は、液晶重合膜の配向欠陥がないため、光学的機能の欠陥を低減できる。
高機能な偏光板の作製が容易なため、本発明の重合性液晶組成物を液晶重合体の原料とすると、高機能な偏光板の製造コストが下がる。
本発明の高機能な偏光板は、液晶重合体の複屈折率が高いため、より薄くできる。
【0137】
熱履歴による液晶重合膜のレターデーションの変動が少なく、かつ液晶重合膜から液晶への不純物の溶出が少ないため、液晶重合膜は、液晶セルの内部に配置できる。
本発明の表示素子は、液晶重合膜の配向欠陥がないため、光学的機能の欠陥の発生を低減できる。
内蔵する液晶重合膜の作製の工程が容易なため、液晶重合膜の製造コストが下がり、
本発明の表示素子の製造コストが下がる。
本発明の表示素子は、内蔵する液晶重合体の複屈折率が高いため、より薄くできる。スマートフォンなどの表示素子は、薄さが求められている。
【実施例】
【0138】
本発明は以下で示す実施例のみに制限されない。
特段の温度で特定していない限り、実施例は室温で行った。
【0139】
<用語の定義>
本発明の実施例において、「DCC」は1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドである。
本発明の実施例において、「DMAP」は4−ジメチルアミノピリジンである。
本発明の実施例において、「IPA」は2-プロパノールである。
本発明の実施例において、「PGMEA」はプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートである。
本発明の実施例において、「MMP」は3−メトキシプロピオン酸メチルである。
本発明の実施例において、T
CNは結晶相からネマチック相への転移温度である。
本発明の実施例において、T
NIはネマチック相から等方性液体への転移温度である。
本発明の実施例において、T
CIは結晶相から等方性液体への転移温度である。
【0140】
<試薬の入手>
本発明の実施例において、「Irg−907」は、BASFジャパン(株)製のイルガキュアー(商標)907である。
本発明の実施例において、「NCI−930」は、(株)ADEKA製のアデカクルーズ(商標)NCI−930である。
本発明の実施例において、「FTX−218」は、(株)ネオス製のフタージェント(商標)FTX−218である。
本発明の実施例において、「TF370」は、エボニック・ジャパン(株)のTEGOFlow(商標)370である。
本発明の実施例において、「分子量既知のポリスチレン」は、東ソー株式会社製の品番0006476である。
本発明の実施例において、「パラジウム炭素」は、東京化成工業株式会社製のP1528である。
本発明の実施例において、「ポリイミド基材」は、JNC社製の配向膜リクソンアライナー(登録商標)PIA−5370をスピンコートしにより塗膜し、80℃のホットプレート上で溶剤を除去後、該塗膜を230℃で30分間、オーブンで焼成したものである。
【0141】
<構造等の決定に用いた機材>
本発明の実施例において、NMRは、ブルカー製のDRX−500で計測した。
本発明の実施例において、ゲル浸透クロマトグラフは、島津製作所製のLC−9A型で計測した。
本発明の実施例において、ゲル浸透クロマトグラフのカラムは、Shodex(商標)GF−7M HQである。
<光学特性等の計測に用いた機材>
本発明の実施例において、偏光顕微鏡は(株)ニコン社製のECLIPSE E600
POLである。
本発明の実施例において、偏光解析装置は、シンテック(株)製のOPIPRO偏光解析装置である。
本発明の実施例において、ワイヤーグリッド偏光板は、ポラテクノ社製のUVT300Aである。
【0142】
<それ以外の計測に用いた機材>
本発明の実施例において、融点測定装置は、メトラー・トレド(株)製の温度コントローラーFP90およびホットステージFP82からなるシステムである。
本発明の実施例において、液晶重合膜の部分の段差は、KLA TENCOR(株)製のアルファステップIQで計測した。
<作製に用いた装置>
本発明の実施例において、超高圧水銀灯は、ウシオ電機社製のマルチライトUSH−250BYである。
本発明の実施例において、紫外線照度計は、ウシオ電機社製のUIT−150−Aである。
本発明の実施例において、313nm付近の波長の照度を計測するための受光器は、ウシオ電機社製のUVD−S313である
本発明の実施例において、365nm付近の波長の照度を計測するための受光器は、ウシオ電機社製のUVD−S365である。
【0143】
<構造等の決定>
化合物の構造は、計測対象である化合物をCDCl
3に溶解し、その溶液の500MHzの
1H−NMRを測定し、決定した。NMRの実測値は、TMSを基準としたシフトの値を、単位ppmを除いてあらわした。NMRの実測値の表記において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、mはマルチプレットを表す。
<重量平均分子量の計測>
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフで決定した。該展開時のカラムの温度は、40℃に設定した。THFを、ゲル浸透クロマトグラフの展開溶媒として使用した。このとき、分子量既知のポリスチレンを、重量平均分子量を決定するための標準物質として用いた。
【0144】
<光学特性等の計測>
<化合物の転移温度の測定>
転移温度を、融点測定装置のホットステージに試料を置いて3℃/分の速度で昇温しながら偏光顕微鏡で観察することで、計測した。
【0145】
<配向欠陥の有無の判別>
配向欠陥の有無は、基材つき液晶重合膜をクロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に挟持し判定した。該基材を水平面内で回転させ、明暗の状態を目視で確認した。暗状態にて光が抜けて見える箇所がある、または明状態および暗状態を共に確認できないとき、配向欠陥が「あり」とした。配向欠陥が「あり」でないとき、配向欠陥が「なし」とした。
【0146】
<レターデーションの測定>
液晶重合膜のレターデーションを、偏光解析装置で、光の入射角を0°にして計測した。レターデーションの計測に使用した光の波長は、550nmである。
<ホモジニアス配向の判定>
偏光解析装置を用いて、液晶重合膜の表面に対する光の入射角を−50°から50まで5°刻みで変えて、レターデーションを計測した。ここで光の入射角の傾き方向は液晶重合膜の遅相軸と同じである。以下の両方の条件を満たすときは、液晶重合膜がホモジニアス配向であるとみなした。
(a)液晶重合膜の入射角に対するレターデーションが上に凸である場合、かつ
(b)それぞれの、入射角の絶対値(absolute value)が同じときのReの計測値の差が、5%以内である場合。
【0147】
<膜厚の測定>
ガラス基材を有する液晶重合体の膜厚は、以下の手順で計測した。
(1)液晶重合体を有するガラス基材から、液晶重合体を削り出し、
(2)液晶重合体を有する部分と液晶重合体を除いた部分の段差を計測し、
(3)その計測値を膜厚とした。
【0148】
<複屈折率の算出>
液晶重合体の複屈折率は、(レターデーション)/(液晶重合体の膜厚)で算出した。
【0149】
<重合性液晶組成物のT
NIの測定>
重合性液晶組成物のT
NIは、以下の手順により計測した。
(1)重合性液晶組成物溶液を、室温で、ポリイミド基材上にスピンコートし、塗膜を作成した。
(2)80℃のホットプレート上に該塗膜を有する基材を3分間静置し、該塗膜から溶媒を除去した。
(3)室温雰囲気下で該塗膜を有する基材を3分間静置することで、重合性液晶組成物の塗膜を作成した。
(4)融点測定装置のホットステージに該重合性液晶組成物の塗膜を置いて3℃/分の速度で昇温しながら偏光顕微鏡で観察することで、重合性液晶組成物のT
NIを計測した。
【0150】
<液晶相の持続時間の測定>
液晶相の持続時間は、以下の手順で計測した。
(1)重合性液晶組成物溶液を、室温で、ポリイミド基材上にスピンコートし、塗膜を作成した。
(2)80℃のホットプレート上に該塗膜を有する基材を3分間静置し、該塗膜から溶媒を除去した。
(3)室温雰囲気下で該塗膜を有する基材を3分間静置することで、重合性液晶組成物の塗膜を作成した。
(4)該重合性液晶組成物の塗膜を室温雰囲気下で静置し、目視によって重合性液晶組成物から結晶の析出が確認できるまでの時間を計り、液晶相の持続時間とした。
ただし、液晶相の持続時間の測定において、24時間以上、重合性液晶組成物から結晶が析出しない場合は、液晶相の持続時間は「24時間以上」とした。また、液晶相の持続時間の計測において、液晶相の持続時間を測定する手順の(3)の時点で、重合性液晶組成物の塗膜が液晶相でなかった場合は「0」とした。
【0151】
<試料調製>
<光配向剤の調製>
特開2012−087286の実施例9に記載と同様の方法で、式(J)で表されるポリマーを合成した。
【0152】
【化17】
【0153】
式(J)においてxは0.1であり、重量平均分子量は53700であった。式(J)で表される5重量部のポリマーを、95重量部のシクロペンタノンに溶解させ、フィルターで濾過し、得られた物を、光配向剤(1)と名づけた。
【0154】
<光配向膜の調製>
配向膜付きのガラスの基材は次の手順で作成した。
手順(1)光配向剤(1)をガラスにスピンコートし、塗膜を作成した。
手順(2)100℃のホットプレート上に塗膜を有する基材を60秒間静置し、該塗膜から溶媒を除去した。
手順(3)該基材上の該塗膜に対し、90°の方向から、室温で、一定出力の、直線偏光紫外線を、照射し、配向膜付きのガラスの基材を作成した。
ただし、該手順(3)の直線偏光紫外線は、超高圧水銀灯からの光をワイヤーグリッド偏光板に透過し得た。また、313nmnm付近の波長の照度を計測するための受光器を用いて、該手順(3)の該基材上の該塗膜の表面に対する、直線紫外線の露光量が200mJ/cm
2になるように、手順(3)の照射時間を調整した。該照射時間は、20秒から40秒であった。
【0155】
化合物(1−1−1−1)を、以下の手順で合成した。
【0156】
【化18】
【0157】
8.0gの4,7−ジメトキシ−1−インダノンを、80mLのジクロロメタンに加え
、窒素雰囲気下でドライアイス浴を用い、−70℃で冷却撹拌した。そこへ、22.9gの三臭化ホウ素を滴下した。滴下後、−70℃で4時間撹拌した。反応液を室温に戻し、氷水に注ぎ込み、析出物をろ別した。結晶を水でよく洗浄し、減圧乾燥した。酢酸エチルとヘプタンとの混合物v/v=5/1で再結晶することにより、5.1gの化合物(ex−1)を得た。
【0158】
化合物(ex−2)は特開2002−97170号の実施例1に記載の方法と同様の手順で合成した。
【0159】
5.1gの化合物(ex−1)、16.8gの化合物(ex−2)および1.6gのDMAPを、170mLのジクロロメタンに加え、窒素雰囲気下で、氷浴で5℃に冷却しながら撹拌した。そこへ、13.8gのDCCを溶解させた27mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下後、室温で16時間撹拌した。析出した沈殿物をろ別し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下でジクロロメタンを留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチルとメタノールとの混合物v/v=5/1で再結晶することにより、17.3gの化合物(1−1−1−1)を得た。ここで、カラムクロマトグラフィーの充填材はシリカゲルである。ここで、溶離液はトルエンと酢酸エチルとの混合物v/v=9/1である。
【0160】
化合物(1−1−1−1)のT
CNは87℃であり、T
NIは126℃であった。
化合物(1−1−1−1)の
1H−NMRのシグナルは以下のとおりである。
8.19(d,2H),8.17(d,2H),7.49(d,1H),7.23(d,1H),7.00(d,2H),6.99(d,2H),6.44(d,2H),6.18−6.10(m,2H),5.85(d,2H),4.29−4.25(m,4H),4.14−4.08(m,4H),3.08−3.05(m,2H),2.70−2.65(m,2H),1.98−1.88(m,8H).
【0161】
化合物(1−1−13−1)を、以下の手順で合成した。
【0162】
【化19】
【0163】
5.5gの60重量%水素化ナトリウムを、150mLのトルエンに加え、窒素雰囲気下室温で攪拌した。そこへ、25.0gのホスホノ酢酸トリメチルを滴下し、室温で1時間攪拌した。得られた液に、19.0gの2’,5’−ジメトキシアセトフェノンを溶解
させた40mLのトルエン溶液を滴下し、加熱還流下で8時間攪拌した。次いで、得られた溶液に、飽和塩化アンモニウム溶液を加え、有機層を抽出した。該有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた物の溶媒を減圧下で留去し、減圧乾燥することにより、17.3gの化合物(ex−3)を得た。
【0164】
17.3gの化合物(ex−3)、1.2gのパラジウム炭素を、300mLのエタノールに加え、オートクレーブを用い、7MPa下の水素雰囲気下で、室温で24時間攪拌した。得られた液をセライトに通過させ、次いで、減圧下で溶媒を除いて残渣を得た。得られた残渣に、4.9gの水酸化ナトリウム、および72mLの水、および72mLのメタノールを加え、加熱還流下3時間攪拌し、次いで、3Nの塩酸水溶液を加え、反応液を酸性にし、トルエンを加え、有機層を抽出した。該有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた物の溶媒を減圧下で留去し、ヘプタンで再結晶することにより、14.8gの化合物(ex−4)を得た。
【0165】
14.8gの化合物(ex−4)、および0.1gのDMFを、100mLのトルエンに加え、窒素雰囲気下60℃で攪拌した。そこへ、塩化チオニル9.4gを滴下し、60℃で4時間攪拌した。その後、減圧下で得られた液の溶媒を除去し、残渣を得た。9.2gの塩化アルミニウムを、180mLのジクロロメタンに加え、窒素雰囲気下で、氷浴で5℃に冷却しながら攪拌した。そこへ、該残渣を溶かした50mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下後、該溶液を室温で24時間攪拌した。得られた液を氷水に注ぎ込み、有機層を抽出した。該有機層を飽和重曹水、次いで水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で得られた物の溶媒を除去し、得られた残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、減圧乾燥することにより、10.4gの化合物(ex−5)を得た。カラムクロマトグラフィーの充填材はシリカゲルであり、溶離液はトルエン−酢酸エチル混合物v/v=3/1である。
【0166】
9.2gの化合物(ex−5)を、92mLのジクロロメタンに加え、窒素雰囲気下でドライアイス浴により、−70℃で冷却撹拌した。そこへ、24.5gの三臭化ホウ素を滴下した。滴下後、−70℃で4時間撹拌した。得られた液を室温に戻し、氷水に注ぎ込み、ろ別し、析出物を得た。該析出物の結晶を水でよく洗浄し、減圧乾燥した。酢酸エチルとヘプタンとの混合物v/v=5/1で再結晶することにより、7.9gの化合物(ex−6)を得た。
【0167】
化合物(ex−7)は特開2016−047813号の実施例5に記載の方法と同様の手順で合成した。
【0168】
1.9gの化合物(ex−6)、10.0gの化合物(ex−7)および0.5gのDMAPを、100mLのジクロロメタンに加え、窒素雰囲気下で、氷浴で5℃に冷却しながら撹拌した。そこへ、4.9gのDCCを溶解させた10mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下後、室温で16時間撹拌した。析出した沈殿物をろ別し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下ジクロロメタンを留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチルとヘプタンとの混合物v/v=8/1で再結晶することにより、6.4gの化合物(1−1−13−1)を得た。ここで、カラムクロマトグラフィーの充填材はシリカゲルである。ここで、溶離液はトルエンと酢酸エチルとの混合物v/v=9/1である。
【0169】
化合物(1−1−13−1)のT
CNは68℃であり、T
NIは130℃であった。
化合物(1−1−13−1)の
1H−NMRのシグナルは以下のとおりである。
7.29(d,1H),7.11(d,4H),6.99(d,1H),6.81(d,4H),6.41(d,2H),6.16−6.08(m,2H),5.82(d,2H
),4.81−4.73(m,2H),4.17(t,4H),3.93(t,4H),3.44−3.38(m,1H),2.95−2.87(m,5H),2.68−2.55(m,6H),2.30−2.17(m,5H),2.11−2.04(m,4H),1.82−1.67(m,12H),1.54−1.39(m,12H),1.34(d,3H).
【0170】
[比較例1]
化合物(C−1)の構造を、下記に示した。化合物(C−1)は、重合性液晶化合物である。
【0171】
【化20】
【0172】
化合物(C−1)を、以下の手順で合成した。
【0173】
【化21】
【0174】
72.1gのブチルトリフェニルホスホニウムブロミドを、700mLのTHFに加え、窒素雰囲気下でドライアイス浴を用い、−30℃で冷却撹拌した。そこへ、20.3gのt−ブトキシカリウムを添加した。次いで、20gの2,5−ジメトキシベンズアルデヒドを溶解させた100mLのTHF溶液を滴下した。滴下後、−30℃で4時間撹拌した。反応液を室温に戻し、飽和塩化アンモニウム水溶液、およびトルエンを加え、有機層を抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、減圧乾燥することにより、15.9gの化合物(cex−1)を得た。ここで、カラムクロマトグラフィーの充填材はシリカゲルである。ここで、溶離液はトルエンとヘプタンとの混合物v/v=1/1である。
【0175】
15.9gの化合物(cex−1)、1.6gのパラジウム炭素を、130mLのトルエンおよび130mLのIPAの混合溶液に加え、オートクレーブを用い、7MPa下の水素雰囲気下で、室温で24時間攪拌した。反応液をセライトに通液させ、減圧下で溶媒を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、減圧乾燥することにより、15.7gの化合物(cex−2)を得た。ここで、カラムクロマトグラフィーの充填材はシリカゲルである。ここで、溶離液はトルエンとヘプタンとの混合物v/v=1/1である。
【0176】
15.7gの化合物(cex−2)、63mLの48重量%の臭化水素酸を、32mLの酢酸に加え、窒素雰囲気下還流しながら16時間撹拌した。そこへ、水および酢酸エチルを加え、有機層を抽出し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、トルエンとヘプタンとの混合物v/v=6/1で再結晶することにより、11.3gの化合物(cex−3)を得た。ここで、カラムクロマトグラフィーの充填材はシリカゲルである。ここで、溶離液はトルエンと酢酸エチルとの混合物v/v=9/1である。
【0177】
11.3gの化合物(cex−3)、34.0gの化合物(ex−2)および3.1gのDMAPを、340mLのジクロロメタンに加え、窒素雰囲気下で、氷浴で5℃に冷却しながら撹拌した。そこへ、27.8gのDCCを溶解させた56mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下後、室温で16時間撹拌した。析出した沈殿物をろ別し得られた有機層を、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下でジクロロメタンを除去して得られた残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチルとメタノールとの混合物v/v=4/1で再結晶することにより、35.3gの化合物(C−1)を得た。ここで、カラムクロマトグラフィーの充填材はシリカゲルである。ここで、溶離液はトルエンと酢酸エチルとの混合物v/v=9/1である。
【0178】
化合物(C−1)のT
CNは34℃であり、T
NIは43℃であった。
【0179】
[比較例2]
化合物(C−2)の構造を、下記に示した。化合物(C−2)は、重合性液晶化合物である。
【0180】
【化22】
【0181】
化合物(C−2)は、特開2010−241791号の実施例2と同様の方法で合成した。
【0182】
化合物(C−2)のT
CIは77℃であった。化合物(C−2)は、液晶相を有さない化合物であった。
【0183】
[比較例3]
化合物(M2−1−1)の構造を、下記に示した。化合物(M2−1−1)は、重合性液晶化合物である
【0184】
【化23】
【0185】
化合物(M2−1−1)は、Makromolekclare Chemie (1991), 192(1), 59-74に記載の方法で合成した。
【0186】
表1に、化合物(1−1−1−1)、化合物(1−1−13−1)、化合物(C−1)及び化合物(C−2)の相転移温度等をまとめた。表1中の「−」は、いかなる液晶相も出現しないことを示す。表1中の空欄は、該当するデータがないことを示す、ネマチック相は、液晶相の一形態である。化合物(1−1−1−1)および化合物(1−1−13−1)は、本願の化合物(1)である。化合物(1−1−1−1)および化合物(1−1−13−1)は、ネマチック相を発現した。化合物(C−1)、化合物(C−2)、および化合物(M2−1−1)は比較例である。
【0187】
【表1】
【0188】
表1から、化合物(1−1−1−1)および化合物(1−1−13−1)、は従来の化合物と比較し、60℃から120℃の範囲で液晶相になる温度範囲が広いことが分かった。
【0189】
30重量部の化合物(1−1−1−1)に対し、70重量部の溶媒を混ぜ、40℃湯煎で30分放置し、化合物(1−1−1−1)の溶け残りの有無を、目視で確認した。化合物(1−1−1−1)の代わりに、化合物(1−1−13−1)、化合物(C−1)及び化合物(C−2)とした場合も確認した。溶け残りの有無の結果を表2に示した。表2において、「○」は湯煎後に完全に溶解したことを意味する。表2において、「×」は湯煎後に不溶物があったことを意味する。該溶媒としてシクロヘキサノン、PGMEA、およびMMPをそれぞれ、試した。
【0190】
【表2】
化合物(1−1−1−1)および化合物(1−1−13−1)の溶媒への溶解性は、化合物(C−1)および化合物(C−2)と同等であり、化合物(M2−1−1)よりも優れていることが分かった。
【0191】
<重合性液晶組成物の作製>
化合物(M2−1−2)は、特許第4063873号の例6に記載の方法と同様の方法で合成した。
化合物(M2−6−1)は、特開2003−238491号の実施例3の手順において、2,7−ジヒドロキシフルオレンの代わりに2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレンを使用し、合成した。
【0192】
【化24】
【0193】
<重合性液晶組成物の作製>
[実施例1]
表3で記載した化合物を、表3で記載した量混ぜて、重合性液晶組成物(S−1)から(S−4)を作成した。表1中の0は、該当する化合物を混ぜなかったことを示す。
重合性液晶組成物(S−1)から(S−4)は、化合物(1)を含有しており、本願の発明に該当する。
【0194】
【表3】
【0195】
[比較例4]
表4で記載した化合物を、表4で記載した量ずつ混ぜて、重合性液晶組成物(SC−1)から(SC−4)を作成した。表4中の「0」は、該当する化合物を混ぜなかったことを示す。
重合性液晶組成物(SC−1)から(SC−4)は、化合物(1)を含有しておらず、本願の発明に該当しない。
【0196】
【表4】
【0197】
<重合性液晶組成物溶液の作製>
[実施例2]
重合性液晶組成物(S−1)から(S−4)と溶媒との混合溶液を調製し、重合性液晶組成物溶液(T−1)から(T−5)を作成した。表5中の0は、該当する溶媒を混ぜなかったことを示す。
重合性液晶組成物溶液(T−1)から(T−5)は、化合物(1)を含有しており、本
願の発明に該当する。
【0198】
【表5】
【0199】
[比較例5]
重合性液晶組成物(SC−1)から(SC−4)と溶媒との混合溶液を調製し、重合性液晶組成物溶液(TC−1)から(TC−4)を作成した。
重合性液晶組成物溶液(TC−1)から(TC−4)は、化合物(1)を含有しておらず、本願の発明に該当しない。
【0200】
【表6】
【0201】
[実施例3]
重合性液晶組成物が塗布されている基材を以下の手順で作製した。
手順(1)重合性液晶組成物溶液を、ポリイミド基材の上に、スピンコートで塗布し、
手順(2)該ポリイミド基材を、80℃のホットプレート上に、3分間静置し、
手順(3)室温雰囲気下で該ポリイミド基材を3分間静置することで、重合性液晶組成物が塗布されている基材を得た。
【0202】
表7に、重合性液晶組成物(S−1)から(S−4)および重合性液晶組成物(SC−1)から(SC−4)の物性を示した。重合性液晶組成物(S−1)から(S−4)は、化合物(1)を含む。
表7中のT
NIの「−」は、重合性液晶組成物が液晶相でなかったため、計測できなかったことを示す。実施例3の手順3の後、重合性液晶組成物(S−1)から重合性液晶組成物(S−4)、重合性液晶組成物(SC−1)、重合性液晶組成物(SC−3)および重合性液晶組成物(SC−4)の場合、室温で、ポリイミド基材上の重合性液晶組成物が液晶相を保持していることを確認した。
【0203】
【表7】
【0204】
重合性液晶組成物(S−1)〜(S−4)は、化合物(1)を含む。重合性液晶組成物(S−1)〜(S−4)は、幅広い液晶相の発現温範囲を有し、かつ液晶相の長期安定性に優れることが分かった。
【0205】
<基材つき液晶重合膜の作製>
[実施例4]
基材つき液晶重合膜を以下の手順で作製した。
手順(1)重合性液晶組成物溶液を、偏光UV処理済み配向膜付きのガラスの基材の上へ、スピンコートにより塗布し、
手順(2)該基材を、3分間、80℃のホットプレート上に静置し、
手順(3)続けて、該基材を、室温で3分間、放置し、
手順(4)該基材上の重合性液晶組成物に対し、90°の方向から、窒素雰囲気下の室温で、一定出力の、超高圧水銀灯の光を、照射し、該基材上の重合性液晶組成物を重合させた。
ただし、365nm付近の波長の照度を計測するための受光器を用いて、該手順(4)の重合性液晶組成物の表面に対する超高圧水銀灯の光の露光量が500mJ/cm
2にな
るように、手順(4)の照射時間を5秒から40秒の間で調整した。
【0206】
[実施例5]
表8に、基材つき液晶重合膜の物性を、記載した。重合性液晶組成物溶液の名称は、表8中の基材つき液晶重合膜の液晶重合体の原料を示す。表8中の「−」は、計測していないことを示す。
【0207】
【表8】
【0208】
重合性液晶組成物溶液(T−1)〜(T−5)を原料とした液晶重合体は、重合性液晶組成物からの結晶の析出が無く、配向欠陥がない液晶重合体が得られた。
重合性液晶組成物溶液(TC−1)および(TC−2)を原料とした液晶重合体は、ホモジニアス配向が得られなかった。重合性液晶組成物溶液(TC−3)を原料とした液晶重合体は、配向欠陥があった。
重合性液晶組成物溶液(TC−4)を原料とした液晶重合体は、重合性液晶組成物からの結晶が析出は無く、配向欠陥無しの液晶重合体が得られ、複屈折率の小さな液晶重合体となる。
【0209】
重合性液晶組成物(S−1)〜(S−4)から作成した基材つき液晶重合体の複屈折率は、重合性液晶組成物(SC−4)から作成した基材つき液晶重合体の複屈折率と比べて、顕著に高かった。
【0210】
以上の実験結果から、化合物(1−1−1−1)または化合物(1−1−13−1)を含有する重合性液晶組成物を原料の一部とすることで、欠陥がなく、かつ複屈折率の大きな基材つき液晶重合体が得られることが明らかになった。
以上の実験結果から、化合物(1−1−1−1)または化合物(1−1−13−1)を重合性液晶組成物の原料の一部とすることで、位相差フィルム、偏光板、表示素子に使用できる液晶重合膜の欠陥がなく、製造コストを抑えつつ、薄くできることが、見出された
。これにより、位相差フィルム、偏光板および表示素子の光学的機能の欠陥を低減し、位相差フィルム、偏光板および表示素子の材料コストを抑えつつ、位相差フィルム、偏光板および表示素子を薄くできることが明らかになった。