(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、適宜図面を参照しながら、本発明の一実施形態の情報処理装置について説明する。
【0008】
図1は、本実施形態の情報処理装置100の機能ブロックを示した概略図である。情報処理装置100は、処理部10と、記憶部21と、通信部22と、表示部23と、入力部24とを備えて構成される。処理部10は、情報算出部11と、位置関係導出部12と、スペーサー選択部13とを備えて構成される。
【0009】
情報処理装置100は、2つの部材(以下、それぞれ第1部材および第2部材と呼ぶ)が組み付けられたことを想定した場合における、第1部材と第2部材との間の間隙に関する情報(以下、間隙情報と呼ぶ)を算出する。ここで、組み付けの際、第1部材と第2部材とが当接される部位をそれぞれ第1組み付け部位および第2組み付け部位と呼ぶ。また、間隙情報の算出を行う対象となる第1部材および第2部材の部位をそれぞれ第1間隙調整対象部位および第2間隙調整対象部位と呼ぶ。
【0010】
処理部10は、本実施形態の各種情報処理の主体となる。処理部10の各機能ブロックにより示される機能は、不図示のCPUを主体として行われる。CPUは、記憶部21に記憶されたブログラムおよびデータに基づいて間隙情報の算出を含む各種解析を行う。
【0011】
記憶部21は、半導体メモリやハードディスク等の記憶装置により構成され、処理部10の各種情報処理で用いられる様々なデータを格納する。これらのデータには、間隙情報の算出を含む各種情報処理を実行するためのプログラムや、第1部材および第2部材の形状データが含まれる。上記形状データには、第1組み付け部位および第2組み付け部位の形状測定データ(以下、それぞれ第1形状測定データおよび第2形状測定データと呼ぶ)と、第1組み付け部位に対する第1間隙調整対象部位、および、第2組み付け部位に対する第2間隙調整対象部位の相対位置情報(以下、それぞれ第1相対位置情報および第2相対位置情報と呼ぶ)が含まれる。これらの形状データは、後述の通信部22や入力部24を介して取得され、記憶部21に記憶される。
以下、単に「組み付け部位」と記載した場合には、第1組み付け部位と第2組み付け部位との両方を含んで指すものとする。「部材」、「間隙測定部位」、「形状測定データ」および「相対位置情報」についても同様である。
【0012】
通信部22は、インターネット等のネットワークを介し通信可能な端末により構成され、部材の諸元データを取得する等、適宜外部のデータベース等と接続し、処理部10が行う処理に必要な情報を受信したり、処理部10による処理結果を送信する。表示部23は、不図示の液晶モニタ等の表示モニタにより構成され、ユーザに対し処理結果等を表示する。
【0013】
入力部24は、キーボードやタッチパネル等の入力装置により構成され、ユーザから形状測定データ、相対位置情報等の処理部10が行う処理に必要な情報を受け取る際のインターフェースとなる。入力部24はユーザに情報入力画面を提示する上記の表示モニタ等を含んで構成され得る。このように、情報処理装置100の各機能ブロックは、物理的主体を共有することを妨げない。
【0014】
以下に本実施形態の情報処理装置100の処理部10が行う情報処理を詳説する。
【0015】
図2は、本実施形態の情報処理装置100の解析対象となる第1部材30および第2部材40を例示した図(後述する駆動軸44−1の中心軸4を含む断面図)である。第1部材30は第1部材側ハウジング31と、台座32とを備える。第1部材側ハウジング31は、第1組み付け部位33を備える。台座32は、後述する第2部材40の駆動軸44−1に組み付けられた駆動側軸受46−11を嵌合するための嵌合穴34−1を備える。嵌合穴34−1は、段差部分35−1を備える。第2部材40は、第2部材側ハウジング41と、支持台42と、駆動軸44−1および被動軸44−2とを備える。駆動軸44−1は駆動側軸受46−12を介して支持台42に組み付けられている。第2部材側ハウジング41は、第2組み付け部位43を備える。駆動軸44−1は、駆動歯車45−1と駆動側軸受46−11および46-12とを備える。被動軸44−2は、被動歯車45−2と被動側軸受46−21および46-22とを備える。被動軸44−2は被動側軸受46−22を介して支持台42に組み付けられている。駆動歯車45−1は、被動歯車45−2と係合し、駆動軸44−1の中心軸4を中心とした回転を変速して被動軸44−2に伝える。
【0016】
図2の座標軸に示すように、説明を容易にするために、駆動軸44−1および被動軸44−2に平行な方向をZ軸とし、組み付けの際に第2部材40が相対的に移動する方向をZ軸+側とする。また、Z軸に直交する紙面に沿った方向をY軸とし、紙面の上側をY軸+側、Z軸およびY軸に直交する方向をX軸とし、紙面手前側をX軸+側とする。以降のいくつかの図においては、
図2の座標軸を基準として、それぞれの図の向きがわかるように座標軸を表示する。
【0017】
図3は、XY平面に平行なA−A’面(
図2)から第1部材30を見た図である。第1部材30の第1部材側ハウジング31は、外枠に帯状に第1組み付け部位33が構成され、第1部材30と第2部材40とをネジで締結するための複数のネジ穴36を備える。台座32は、それぞれ駆動側軸受46-11および被動側軸受46−21と勘合するための駆動軸嵌合穴34−1と被動軸嵌合穴34−2を備える。駆動軸嵌合穴34−1と被動軸嵌合穴34−2の各々の底面は、A−A’面に平行で、環状の段差が設けられており、駆動軸44−1のZ軸+側の端面が台座32と接触しないように構成されている。駆動軸嵌合穴34−1の環状の段差部分35−1は、駆動側軸受46−11の外輪と対向する。被動軸嵌合穴34−2の環状の段差部分35−2は、被動側軸受46−21の外輪と対向する。
なお、以下では、間隙情報の算出について説明するが、駆動側に関する間隙情報のみを説明する。被動側についての間隙情報の算出は、駆動側と同様であるために記載を省略するが、本発明の権利範囲には被動側の間隙情報の算出についても含まれる。
【0018】
図4は組み付け後の第1部材30と第2部材40との、駆動軸44−1の中心軸4を含む断面図である。第1部材側ハウジング31と第2部材側ハウジング41とは、第1組み付け部位33と第2組み付け部位43とを当接させて組み付けられている。上記の通り、台座32に設けられた嵌合穴34−1と、駆動軸44−1の駆動側軸受46−11とは嵌合している。
【0019】
図5は、間隙測定部位を説明するための
図4の点線部の拡大図である。台座32の嵌合穴34−1の環状の段差部分35−1は、駆動軸44−1にしまり嵌めにより組み付けられた転がり軸受である駆動側軸受46−11の外輪側面47と対向する。環状の段差部分35−1と外輪側面47との間隙(図中の矢印で示した)が適切な値とすることは、駆動軸44−1から被動軸44−2への回転伝達を安定して実現するために重要である。そのために、第1部材30と第2部材40とは、段差部分35−1と外輪側面47との隙間は比較的大きくなるように設計されており、この隙間に適切な厚さのスペーサーを配置する。これにより、外輪側面47が段差部分35−1に対して適度な力で押し付けられるようにしている。従来は、適切な厚さのスペーサーを決定するために、第1部材30と第2部材40とを一旦組み付け(仮組み付けを行い)、駆動軸44−1および被動軸44−2の動作の確認を、スペーサーの厚さを変更するごとに繰り返し、適切なスペーサーの厚さを選択していた。そこで、段差部分35−1と外輪側面47との間隙に関する情報が、実際に組み付けをする前に算出できた場合、上記のような仮組み付けの繰り返しをすることなく適当なスペーサーを選択して組み付けを終了することができる。
なお、本実施形態では、第1部材30の嵌合穴34−1の環状の段差部分35−1と駆動側軸受46−11の外輪側面47とを間隙測定部位として設定した。しかし、第1部材30と第2部材40との間で対向する別の面同士の組み合わせも設定可能である。
【0020】
(間隙情報の算出)
処理部10は、記憶部21に記憶された、第1組み付け部位33の形状測定データ(第1形状測定データ)と、第1部材30の嵌合穴34の環状の段差部分35−1の表面の形状データとを読み出す。また、処理部10は、記憶部21に記憶された、第2組み付け部位43の形状測定データ(第2形状測定データ)と、第2部材40の駆動側軸受46−11の外輪側面47の形状データとを読み出す。さらに、記憶部21に記憶されたノミナルデータ(公称基準データ)である、第1組み付け部位33と上記段差部分35−1との相対位置情報(第1相対位置情報)および第2組み付け部位43と駆動側軸受46−1の外輪側面47との相対位置情報(第2相対位置情報)を読み出す。
これらの形状に関するデータの測定方法は特に限定されないが、例えば、計測部位の三次元形状の測定が可能なセンサーにより取得される。具体的には、三角測量法を利用した光切断センサーや、X線CT装置などがある。このようなセンサーは、非接触方式の形状測定センサーなので、接触式センサーに比べ、接触が難しい箇所の形状測定にも有効である。これらの形状測定手段を本実施形態と組み合わせて、第1組み付け部位33の形状測定データ(第1形状測定データ)と、第1部材30の嵌合穴34の環状の段差部分35−1の表面の形状データとを形状測定手段から取得するようにしてもよい。
【0021】
以下では、冗長を避けるため、第1部材30の嵌合穴34の環状の段差部分35−1を第1間隙調整対象部位35−1と呼び、第2部材40の駆動側軸受46−1の外輪側面47を第2間隙調整対象部位47と呼ぶ。なお、間隙測定部位という用語の技術的意義を限定するものではない。
【0022】
処理部10内の位置関係導出部12は、形状測定データと、ノミナルデータである相対位置情報を基に、第1部材30および第2部材40とが組み付けされたのちの、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47の、それぞれの三次元位置を算出する。具体的には、処理部10により、次にする工程を行うことで算出結果を取得する。処理部10は、最初に形状測定データと相対位置情報とから、第1部材30と第2部材40との組み付け部位33,43における相対的な位置関係を算出する。
【0023】
本実施の形態における第1部材30と第2部材40とには、第1組み付け部位33と第2組み付け部位43の両方にネジで締結できるように、ネジ穴が設けられている。そこで、処理部10内の組み付け位置関係導出部12によりこのネジ穴を形状測定データや第1部材30、第2部材40の設計情報を用いて、ネジ締結位置が特定される。また、位置関係導出部12は、形状測定データおよび相対位置情報と、ネジの締結位置の情報の他に、締結順序および締結力など組み付け作業指示情報を取得し、取得されたこれらの情報から、組み付け後の組み付け部位の位置情報および形状と、組み付け後の相対位置情報を算出する。例えば、ネジの締結力と各部材の材料のヤング率とから、各部材の弾性変形量を算出し、組み付け部位33,43の位置情報および形状の算出や、相対位置情報の算出に反映させることができる。これらの情報は、例えば、有限要素法など利用した構造解析ソフトウェアなどのCAE(Computer added engineering)技術を用いることで、算出が可能である。したがって、位置関係導出部12は、形状データからボリュームモデルを形成するボリュームモデル形成機能、ボリュームモデルから有限要素モデルに置き換えかえる有限要素モデル生成機能、生成された有限要素モデルを用いて、位置関係導出部12により取得された組み付け作業指示情報を基に相対有限要素解析を行う有限要素解析機能、有限要素解析結果から組み付け後の第1部材30及び第2部材40の形状を算出する機能を有することが好ましい。
ところで、位置関係導出部12は、組み付けが、例えば、複数のネジをある順番で順次締結するように、複数の工程によりなされる場合は、各工程毎に組み付け部位33,43および/または間隙測定部位35−1,47の変形量を計算し、組み付け前後での組み付け部位の位置情報および形状や相対位置情報の変化を算出することもできる。情報算出部11は、算出した組み付け後の組み付け部位33,43の情報および相対位置情報から、間隙測定部位を三次元的に解析し、間隙測定部位35−1,47の三次元位置を算出することができる。
上記のように、本実施形態では、組み付け部位33,43および間隙測定部位35−1,47を面として扱っているが、形状測定データには、組み付け部位33,43および間隙測定部位35−1,47の変形も考慮に入れるために、ヤング率等のパラメータも含んで構成することができる。
なお、組み付け部位や間隙測定部位を平面のみではなく立体的な三次元の領域として定義してもよい。
【0024】
位置関係導出部12は、好ましくは、組み付け後の組み付け部位33,43の位置について、これらの面に垂直な方向、すなわち駆動軸44−1の軸方向の変化を算出する。組み付け部位33,43の面の角度がわずかに変化しただけでも、駆動軸44−1の先端にある第2間隙調整対象部位47の位置は大きく変化するからである。
【0025】
情報算出部11は、位置関係導出部12から得られた第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との三次元位置から、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間の距離に関する情報を解析する。
【0026】
図6は、間隙調整対象部位間に定義される複数の距離を説明するための概念図である。情報算出部11は、第1間隙調整対象部位35−1を複数の平面要素71に分割する。また、情報算出部11は、第2間隙調整対象部位47を複数の平面要素72に分割する。
図6においては、それぞれの平面要素71(71−1、71−2、71−3等)およびそれぞれの平面要素72(72−1、72−2、72−3等)は、同一平面上に転写された形に表現されている。それぞれの平面要素71に対しては、最も近い距離にある第2間隙調整対象部位47のいずれか1つの平面要素72との距離(以下、要素間距離と呼ぶ)が組み合わされる。図中の例では、平面要素71−1には平面要素72−1が組み合わされ、平面要素71−2には平面要素72−2が組み合わされ、平面要素71−3には平面要素72−2が組み合わされている。すなわち、平面要素72−2は、平面要素71−2にとっても、また、平面要素71−3にとっても、もっとも近い平面要素である。このように、上記要素間距離の定義上、第2間隙調整対象部位47の1つの平面要素72に対し、第1間隙調整対象部位35−1の複数の平面要素71が組み合わされることがある。
なお、要素間距離は、第1間隙調整対象部位35−1のそれぞれの平面要素71と、該平面要素71から組み付け方向に沿って対向する位置にある、第2間隙調整対象部位47の平面要素72との間の距離を割り当てても良い。また、第2間隙調整対象部位47の各平面要素72と、最も近い距離にある第1間隙調整対象部位35−1の平面要素71との間の距離を要素間距離として定義してもよい。
【0027】
平面要素71、72の分割の方法は特に限定されないが、1つの平面要素71、72のいずれかの方向に取った幅が要素間距離と比較して十分に小さいことが正確な距離の算出のために望ましい。
【0028】
情報算出部11は、平面要素71と各平面要素71に定義された要素間距離のデータとから、一定の幅の要素間距離の値に対応する平面要素71の面積の総計の分布をプロットする。例えば、要素間距離が3.0mm以上3.1mm未満の値をとる複数の平面要素71の面積の合計が2.0mm
2であった場合、3.0mm以上3.1mm未満の要素間距離の区間の代表値3.05mmの横軸の値に対し、該面積の合計2.0mm
2を縦軸の値としてプロットする。要素間距離の区間の代表値の選び方は、解析結果に顕著な影響を与えない範囲で特に限定されない。
【0029】
図7は、得られた要素間距離に対する面積の値の分布の一例を示す図である。横軸が要素間距離、縦軸が対応する第1間隙調整対象部位35−1の平面要素71の面積の総計である。上記で説明したとおり、要素間距離に対応する面積の総計を計算するに際して、一定の幅ごとに要素間距離の値を区切るが、
図7は、該一定の幅が十分に小さく滑らかな分布として表示された場合を示している。各要素間距離に対応する面積は、第1間隙調整対象部位35−1,第2間隙調整対象部位47における各要素間距離の頻度(度数)にも対応していることから、以下では、要素間距離に対する、各要素間距離に対応する第1間隙調整対象部位35−1の平面要素71の面積の総計の分布を間隙度数分布51と呼ぶ。
なお、面積の総計は、第2間隙調整対象部位47の平面要素72の面積から算出してもよい。
【0030】
間隙度数分布51で要素間距離の最小値を図中Dminで示した。要素間距離の最小値Dminは、要素間距離の定義から、間隙調整対象部位間の間隙の最も小さい値となる。
【0031】
情報算出部11は、得られた間隙度数分布51に対して重み付けして解析することができる。
【0032】
図8は、間隙度数分布51に重み付けをして得た重み付け度数分布52の一例である。情報算出部11は、度数分布51上の要素間距離が異なる値をとる2点を比較した場合、要素間距離が小さい方の点に対しより大きな重み付け係数を乗算するような2点が存在するように重み付けすることができる。好ましくは、要素間距離が小さければ小さい程、より大きな重み付け係数を乗算することができる。このような場合、
図8に示した通り、重み付け分布52は、重み付けする前の間隙度数分布51を要素間距離が小さい側で増加させて圧縮したような分布が得られる。
間隙度数分布において、間隙が小さい側では、第1部材30と第2部材40とを組み付けた際に、例えば、第1間隙調整対象部位35−1に対して第2間隙調整対象部位47が必要以上に強く押し付けられるという問題が発生することがある。例えば、第2間隙調整対象部位47である駆動側軸受46−11の外輪側面47が段差部分35−1に必要以上に強く押し付けられた場合、駆動軸45−1の回転が抑制されるおそれが生ずる。従って、間隙調整対象部位間の間隙が比較的小さい範囲について重み付けして解析することが好ましい。
【0033】
また、情報算出部11は、要素間距離についてある閾値を設け、その閾値以下ではその閾値を超える部分よりも重み付け係数を高くすることもできる。さらに、要素間距離の最小値Dmin、または要素間距離の最小値Dminにより定まる所定の範囲から選択される1点に最も大きい重み付け係数を乗算するようにしてもよい。上記所定の値は、要素間距離の最小値Dminに最大の重み付け係数を与えるのと実質的に同じ効果を奏する程度の大きさがあればよい。
【0034】
情報算出部11は、得られた重み付け度数分布52から、間隙調整対象部位間に最も適した間隙の代表値を算出する。情報算出部11は、重み付け度数分布52の1つの極大値または最大値Hmaxに対応する要素間距離の値を、間隙の代表値Dとして選択する。あるいは、極大値または最大値Hmaxの95%以上の重み付け度数のいずれかの値に対応する要素間距離の値を、間隙の代表値Dとして選択してもよい。また、情報算出部11は、上記極大値または最大値Hmaxの90%、85%、80%、75%以上の重み付け度数のいずれかの値に対応する要素間距離の値を、間隙の代表値Dとして選択してもよい。さらに、情報算出部11は、重み付け度数分布52の複数の極大値のうちから要素間距離が最も小さいものを上記極大値として選択してもよい。
なお、情報算出部11は、重み付け度数分布52の中央値等の任意のパーセント点を間隙の代表値Dとして選択してもよい。また、情報算出部11は、重み付けする前の間隙度数分布51に基づいて重み付け度数分布52の場合と同様に間隙の代表値Dを選択してもよい。
【0035】
選択部13は、情報算出部11が算出した間隙の代表値Dを基に、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間に配置、装備する適切な厚さのスペーサーを選択する。選択部13は、入手可能なスペーサーの中で、間隙の代表値Dに最も近い値の厚さをもつスペーサーを選択することが好ましい。ここで説明するスペーサーは、第1間隙調整対象部位35−1と当接する面と第2間隙調整対象部位47と当接する面が平行または略平行となっており、嵌合穴34内に挿入可能な形状を有するスペーサである。
なお、選択部13は、スペーサーが、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47とに接触することが好ましくなく、かつ、両者間の間隙をできるだけ小さくしたい場合には、要素間距離の最小値Dminよりも小さく、かつ、そのうちで最大の厚さのスペーサーを選択することが好ましい。
なお、第1間隙調整対象部位35−1と当接する面と第2間隙調整対象部位47と当接する面が非平行(厚さが場所によって異なるスペーサ)なものを用意できる場合は。上記のような選択方法に限らず、間隙調整対象部位間の間隙に関する厚さ分布とスペーサーの厚さ分布が類似しているものを選択するようにしてもよい。
【0036】
以上の説明では、情報算出部11はスペーサーの厚さに対応するような間隙の代表値Dを算出したが、間隙調整対象部位間に定義されるパラメータであれば、特に限定されない。情報算出部11は、スペーサーの厚さの指標ではなくても、間隙調整対象部位間の狭さを特徴づける指標として様々な量を、スカラー、ベクトル、行列等の特定の形式に限定されず、算出する構成にすることができる。
【0037】
図9は、情報処理装置100が第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間に配置するスペーサーの適切な厚さを選択する流れを示すフローチャートである。
【0038】
ステップS1001において、処理部10は、第1部材30および第2部材40の形状測定データおよび、ノミナルデータの第1部材30及び第2部材40の締結後の相対位置情報を取得し、ステップS1003に進む。ステップS1003において、処理部10内の位置関係導出部12により、取得した形状測定データから、組み付け部位間のネジ締結位置36,48を特定し、ステップS1005に進む。
【0039】
ステップS1005において、処理部10内の位置関係導出部12は、ステップS1001で取得した形状測定データと、ノミナルデータの締結後の相対位置情報、ネジの締結位置、締結順序、締結力、および第1部材30および第2部材40の形状データから、組み付け後の組み付け部位33,43の位置情報および形状をシミュレーションして算出し、ステップS1007に進む。ステップS1007において、処理部10内の位置関係導出部12は、シミュレーション結果から、組付け後の第1部材30および第2部材40の第1の間隙調整部対象部位35−1,第2の間隙調整対象部位47の三次元位置を算出し、ステップS1009に進む。
【0040】
ステップS1009において、情報算出部11は、各間隙調整対象部位35−1,47を平面要素に分割し、各平面要素間の複数の要素間距離を算出し、ステップS1011に進む。ステップS1011において、情報算出部11は、各平面要素毎に算出された要素間距離を基に、間隙度数分布51および/または重み付け度数分布52等の度数分布を求め、これらの度数分布から所定の基準を基に間隙の代表値Dを算出する。間隙の代表値Dが算出されたら、ステップS1013に進む。
【0041】
ステップS1013において、選択部13は、情報算出部11が算出した間隙の代表値Dに基づいて、間隙測定部位間に配置する適切なスペーサーを選択する。スペーサーが選択されたら、処理を終了する。
【0042】
上述の第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態の情報処理装置100は、第1間隙調整対象部位35−1と第1組み付け部位33とを備える第1部材30と、第2間隙調整対象部位47と第2組み付け部位43とを備える第2部材40とが、第1組み付け部位33と第2組み付け部位43とが当接されて組み付けられたときの、またはこのように組み付けられたことを想定した場合における、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間の間隙情報を算出する際に、第1組み付け部位33の第1形状測定データと、第2組み付け部位43の第2形状測定データと、第1組み付け部位33に対する第1間隙調整対象部位35−1の第1相対位置情報と、第2組み付け部位43に対する第2間隙調整対象部位47の第2相対位置情報とに基づいて、間隙の代表値Dを算出する算出部を備える。これにより、組み付ける前に実効的な間隙の大きさを求めることができ、さらに、該間隙に配置する適切なスペーサーを選択することができる。
【0043】
(2)本実施形態の情報処理装置100において、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47とはそれぞれ、互いに対向する面を有し、情報算出部11が算出する間隙情報は、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間の複数の要素間距離に基づいた間隙度数分布51を含む。これにより、間隙度数分布51を統計処理することで、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間の間隙の三次元情報を定量的に解析することができる。この間隙の三次元情報とは、部材間同士の最少ギャップの値や部材の各領域ごとの要素間距離の各々、またはそれらの分布情報など、部材間における様々な情報を含む。だが、本発明は、ある一つのパラメータに特定されたものであってもよい。
【0044】
(3)本実施形態の情報処理装置100において、間隙測定部位35−1,47間の複数の要素間距離は、第1間隙調整対象部位35−1の複数の平面要素71と、平面要素のそれぞれに対応する第2間隙調整対象部位47の複数の平面要素72との間の複数の値である。これにより、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間の間隙の三次元情報を定量的に解析することができる。
【0045】
(4)本実施形態の情報処理装置100において、間隙度数分布51は、平面要素71と平面要素72との要素間距離に対しての、その要素間距離に対応する平面要素71の面積の合計に基づいた値、または、その要素間距離に対応する平面要素72の面積の合計に基づいた値の分布である。これにより、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間隙において、どの程度の間隔の局所的な間隙が、どれくらいの頻度で分布しているかを定量的に解析することができる。
【0046】
(5)本実施形態の情報処理装置100において、情報算出部11が算出する間隙情報は、間隙度数分布51に基づいて算出された間隙の代表値Dを含む。これにより、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間隙に配置するスペーサーの適切な厚さを求めることができる。
【0047】
(6)本実施形態の情報処理装置100において、情報算出部11は、重み付け度数分布52の横軸の距離のうち、第1の要素間距離に対応する縦軸の度数に対しては、第1の重み付け係数を乗算し、第1の要素間距離より大きい第2の要素間距離に対応する度数に対しては、第1の重み付け係数より小さい第2の重み付け係数を乗算して、重み付け度数分布52を生成する。これにより、要素間距離が小さく重要度が高いと考えられる点に対し重み付けをし、より実効的な間隙情報を算出することができる。
【0048】
(7)本実施形態の情報処理装置100において、情報算出部11は、重み付け度数分布52の極大値に基づいて定まる所定の距離を間隙の代表値Dとして算出し、極大値が複数存在する場合には、複数の極大値に基づいて定まる複数の所定の距離のいずれかを間隙の代表値Dとして算出する。これにより、重み付け度数分布52からスペーサー選択に有用な間隙の代表値Dを抽出することができる。
【0049】
(8)本実施形態の情報処理装置100は、第1部材30と第2部材40とが組み付けられたことを想定した場合の、第1相対位置情報と第2相対位置情報とを生成する位置関係導出部12を備える。これにより、組み付け前後の第1組み付け部位33および第1間隙調整対象部位35−1の変化を反映してより正確に間隙情報を算出することができる。
【0050】
(9)本実施形態の情報処理装置100は、位置関係導出部12は、第1部材30と第2部材40とが組み付けられたことを想定した場合の、第1部材30および第2部材40の変形量に基づいて、第1相対位置情報と第2相対位置情報とを算出する。これにより、組み付け前後の変化を、各部材の変形量を反映してより正確に間隙情報を算出することができる。
【0051】
(10)本実施形態の情報処理装置100は、情報算出部11が算出した間隙情報を基にスペーサーの厚さを選択するスペーサー選択部13を備えるため、作業工程生成装置として好適に用いられることができる。これにより、組み付ける前に間隙に配置する適切なスペーサーを選択することができ、円滑な作業工程を生成することができる。
【0052】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る情報処理装置200は、第1の実施形態に係る情報処理装置200と同様の構成を有しているが、間隙情報により評価を行い最適な組み付け位置(以下に詳述)を決定する点が、第1の実施の形態とは異なっている。第1の実施形態との同一部分については第1の実施形態と同一の符号で参照し、場合に応じ説明を省略する。測定対象である部材も、特に記載がない限り第1の実施形態の第1部材30および第2部材40と同様の構成であり、第1の実施形態と同一の符号で参照し、場合に応じ説明を省略する。
【0053】
図10は、第2の実施形態の情報処理装置200の機能ブロックを示す図である。情報処理装置200の機能ブロックの構成は、第1の実施形態の情報処理装置100の機能ブロックの構成(
図1)とほぼ同じとなるが、処理部10が、最適な組み付け位置を決定する組み付け位置決定部14をさらに備える点が異なる。
【0054】
(組み付け位置の決定について)
図11は、組み付け位置を説明するための、第1組み付け部位33(破線)と第2組み付け部位43(実線)とを概略的に示した図である。第1組み付け部位33と第2組み付け部位43とは、第1部材30と第2部材40とを組み付けるためのネジと、ネジ穴36との間隙(以下、締結部材との間隙)に応じて、両者の組み付けに際してXY平面内での平行移動および/または回転により、相対的位置を変更できる自由度を有する。本明細書では、上記自由度内で組み付ける際の位置を組み付け位置と呼ぶ。
なお、以上では、組み付け位置をわずかなずれの範囲で変化するものとしたが、間隙情報等に基づいて組み付け位置を評価できる構成であれば、設計上の変更も伴うようなより大きなずれであってもよい。
【0055】
位置関係導出部12は、形状測定データと相対位置情報とに基づいて、第1部材30と第2部材40との相対位置、すなわち、ネジ締結を行う際の両者の位置を特定するとともに、両者の締結に用いられるネジに基づいて、第1部材30に対する第2部材40の組み付け位置の公称相対位置情報と公称相対位置情報を中心に任意の方向に対する許容範囲(第1部材30に対する第2部材40の組み付け位置の自由度の範囲)を算出する。情報算出部11は、第2部材40の組み付け位置の自由度の範囲から、複数の組み付け位置を想定し、それぞれの組み付け位置ごとについて間隙度数分布51を作成する。位置関係導出部12は、例えば組み付け位置の公称相対位置情報を中心に各々の方向毎に平行移動する場合や第1部材30と第2部材40の相対回転によりずれる範囲から、一定の間隔で複数の相対位置情報を選び、各相対位置情報に対応する各組み付け位置について間隙度数分布51を作成することができる。
【0056】
組み付け位置決定部14は、情報算出部11が作成した相対位置情報毎の間隙度数分布51について、それぞれの分散値を算出し、最も分散値が小さい間隙度数分布51に対応する組み付け位置を最適な組み付け位置として決定する。分散値が小さい、すなわちばらつきが小さい間隙度数分布51が得られる間隙は、1つのスペーサーで効率よく空間を埋めることができるためである。
なお、組み付け位置決定部14は、分散値以外の、間隙度数分布51のばらつきを示すパラメータを算出し、評価に用いてもよい。
【0057】
また、組み付け位置決定部14は、情報算出部11が作成した複数の間隙度数分布51のそれぞれの要素間距離の最小値Dminを取得し、要素間距離の最小値Dminが最も小さい間隙度数分布51に対応する組み付け位置を最適な組み付け位置として決定してもよい。
【0058】
情報算出部11は、組み付け位置決定部14が決定した最適な組み付け位置について、間隙の代表値Dを算出する。スペーサー選択部13は、算出された間隙の代表値Dに最も近い厚さのスペーサーを選択する。
なお、情報算出部11が、仮想した各組み付け位置についての間隙度数分布51から間隙の代表値Dをそれぞれ算出し、組み付け位置決定部14が最も間隙の代表値が小さい組み付け位置を決定する構成にしてもよい。この場合、情報算出部11は、決定された組み付け位置に対応する、すでに算出された間隙の代表値Dをスペーサー選択部13に出力し、スペーサー選択部13が間隙の代表値Dに最も近い厚さのスペーサーを選択する。
【0059】
図12は、情報処理装置200により第1部材30と第2部材40との最適組み付け位置が決定され、その最適組み付け位置におけるスペーサーの厚さが算出される流れを示すフローチャートである。
【0060】
ステップS2001において、処理部10の位置関係導出部12は、第1部材30および第2部材40の形状測定データおよび、ノミナルデータの第1部材30及び第2部材40の締結後の相対位置情報を取得し、ステップS2003に進む。ステップS2003において、位置関係導出部12は、取得した形状測定データから、組み付け部位間のネジ締結位置を特定し、組み付け部位間の組み付け位置がずれる範囲を算出し、複数の組み付け位置を仮想してステップS2005に進む。
【0061】
ステップS2005において、処理部10は、ステップS2003において仮想した複数の組み付け位置の1つについて、ステップS2001で取得した形状測定データと、ノミナルデータの締結後の相対位置情報、ネジの締結位置、締結順序および締結力から、組み付け後の組み付け部位33,43の位置情報および形状をシミュレーションして算出し、ステップS2007に進む。ステップS2007において、位置関係導出部12は、シミュレーション結果から、その仮想組み付け位置での組み付け後の第1部材30および第2部材40の第1間隙調整対象部位35−1,第2間隙調整対象部位47の三次元位置を算出し、ステップS2009に進む。
【0062】
ステップS2009において、情報算出部11は、各間隙調整対象部位35−1,47を平面要素に分割し、各平面要素間の複数の要素間距離を算出し、ステップS2011に進む。ステップS2011において、情報算出部11は、各平面要素毎に算出された要素間距離を基に、間隙度数分布51を算出する。間隙度数分布51が算出されたら、ステップS2013に進む。
【0063】
ステップS2013において、情報算出部11は、仮想した組み付け位置の全てについて、間隙度数分布51を算出したか否かを判定する。情報算出部11は、仮想した組み付け位置の全てについて、間隙度数分布51を算出し終わった場合、ステップS2013を肯定判定して、ステップS2015に進む。情報算出部11は、まだ間隙度数分布51を算出し終わっていない仮想組み付け位置がある場合は、ステップS2013を否定判定して、ステップS2005に戻る。
【0064】
ステップS2015において、組み付け位置決定部14は、それぞれの仮想組み付け位置について算出された間隙度数分布51の分散値を算出し、最も分散値が小さい間隙度数分布51に対応する仮想組み付け位置を最適な組み付け位置に決定し、ステップS2017に進む。
【0065】
ステップS2017について、情報算出部11は、最適な組み付け位置についての間隙の代表値Dを算出し、スペーサー選択部13は、算出された間隙の代表値Dに基づいて、スペーサーを選択する。スペーサーが選択されたら、処理を終了する。
【0066】
上述の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態により得られる作用効果の他に、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態の情報処理装置200は、第1組み付け部位33と第2組み付け部位43との最適な組み付け位置を決定する組み付け位置決定部14を備える。これにより、効率の良い組み付け工程の生成や精密な完成品の作成をすることができる。
【0067】
(2)本実施形態の情報処理装置200において、組み付け位置決定部14は、間隙情報に基づいて、最適な組み付け位置を決定する。これにより、第1部材30と第2部材40とを組み付けた際に所望の間隙を有する完成品を得ることができる。
【0068】
(3)本実施形態の情報処理装置200において、組み付け位置決定部14は、間隙度数分布51の分散が最小となる組み付け位置を最適な組み付け位置に決定する。これにより、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間に、スペーサーを配置するのに適した設計を実現することができる。
【0069】
(4)本実施形態の情報処理装置200において、組み付け位置決定部14は、複数の要素間距離の最小値Dminが最も小さい組み付け位置を最適組み付け位置に決定する。これにより、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間の最も狭い部分の間隔が最も小さくなる間隙を実現し、該間隙に配置されるスペーサーを薄くすることができる。
【0070】
(5)本実施形態の情報処理装置200において、間隙の代表値が最も小さくなる組み付け位置を最適な組み付け位置に決定する。これにより、第1間隙調整対象部位35−1と第2間隙調整対象部位47との間に配置される適切なスペーサーとして、最も薄いものを選択することができる。
【0071】
次のような変形も本発明の範囲内であり、上述の実施形態と組み合わせることが可能である。
(変形例1)
上述の実施形態では、組み付け部位決定部14は、間隙情報に基づいて最適な組み付け位置を決定したが、組み付け後の組み付け部位33,43の形状に基づいて最適な組み付け位置を決定してもよい。
【0072】
図13は、組み付け前の組み付け部位の断面図である。組み付け前の第1組み付け部位33と第2組み付け部位43とが対向している。組み付け部位33上には、設計上および/または製造上のばらつきから凹凸が形成されている。第1組み付け部位33は、第1凹部61−1、61−2、61−3と、第1凸部62−1、62−2、62−3とを備える。第2組み付け部位43は、第2凹部81−1、81−2と、第2凸部82−1、82−2とを備える。
【0073】
情報算出部11は、各仮想組み付け位置に対して、第1凹部と第2凸部、第1凸部と第2凹部が当接する数をカウントする。例えば、
図13では、第1凹部61−1と第2凸部82−1とが、第1凸部62−1と第2凹部81−1とが、第1凹部61−2と第2凸部82−2とが、第1凸部62−2と第2凹部81−2とが、第1凸部62−3と第2凹部81−2とが当接している。つまり
図13では5か所の凹部と凸部のペアがあることになる。組み付け位置決定部14は、この凹部と凸部のペアの数が最も多い仮想組み付け位置を、最適な組み付け位置として決定する。これにより、最も凹凸が適合している組み付け位置で組み付けることができる。
なお、情報算出部11は、組み付け部位33,43に関しても間隙部位35−1,47と同様に度数分布や代表値を算出して組み付け部位間の間隙の代表値が最も小さい組み付け位置を最適な組み付け位置として決定することもできる。これにより、組み付け部位間の間隙を定量的に解析し、組み付け部位間の間隙が小さくなるよう組み付けることができる。
【0074】
(変形例2)
情報処理装置200の情報処理機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された、上述した間隙情報の算出や組み付け位置の決定に関するプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行させてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
【0075】
また、パーソナルコンピュータなどに適用する場合、上述した制御に関するプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体やインターネット等のデータ信号を通じて提供することができる。
図14はその様子を示す図である。パーソナルコンピュータ950は、CD−ROM953を介してプログラムの提供を受ける。また、パーソナルコンピュータ950は通信回線951との接続機能を有する。コンピュータ952は上記プログラムを提供するサーバーコンピュータであり、ハードディスク等の記録媒体にプログラムを格納する。通信回線951は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などである。コンピュータ952はハードディスクを使用してプログラムを読み出し、通信回線951を介してプログラムをパーソナルコンピュータ950に送信する。すなわち、プログラムをデータ信号として搬送波により搬送して、通信回線951を介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
【0076】
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。