(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体が搬送される流路を形成する円筒状の弾性体からなる筒状の内壁部と該内壁部を囲むように配置される円筒状の外壁部とを有し、前記内壁部と前記外壁部との間の空間に加圧用媒体を供給して該内壁部を前記流路の中心軸側へ変形させることにより、該流路内の流体を搬送し、前記筒状の内壁部を搬送方向の上流と下流とで固定する固定部材を備え、当該固定部材によって前記内壁部の3箇所が変形ピーク箇所となるように規定されているとともに、前記中心軸方向から見たときの前記内壁部の変形ピーク箇所が重力方向下側に位置する流体搬送装置を複数連結させた流体搬送システムにおいて、
前記固定部材が略三角形状の開口部を備えており、当該略三角形状の辺に当たる部分が中央部に向かって突出しており、
流体搬送方向上流側の流体搬送装置から順に前記内壁部を前記流路の中心軸側へ変形させる際、駆動対象の流体搬送装置の搬送方向上流側に隣接する流体搬送装置の内壁部を中心軸側へ変形させた状態で、当該駆動対象の流体搬送装置の内壁部を中心軸側へ変形させることを特徴とする流体搬送システム。
流体流路を形成する円筒状の弾性体からなる筒状の内壁部と、該内壁部を囲むように配置される円筒状の外壁部とを有し、前記内壁部と前記外壁部との間の空間に加圧用媒体を供給して、流体搬送方向上流側のポンプ部材から順に前記内壁部を前記流体流路の中心軸側へ変形させることにより、該流体流路内の流体を搬送する流体搬送方法において、
前記筒状の内壁部を搬送方向の上流と下流とで固定する固定部材を備え、
当該固定部材によって前記内壁部の3箇所が変形ピーク箇所となるように規定され、
前記中心軸方向から見たときの前記内壁部の変形ピーク箇所が重力方向下側に位置し、
前記固定部材が略三角形状の開口部を備えており、当該略三角形状の辺に当たる部分が中央部に向かって突出しており、
流体搬送方向上流側のポンプ部材から順に前記内壁部を前記流体流路の中心軸側へ変形させる際、駆動対象のポンプ部材の搬送方向上流側に隣接するポンプ部材の内壁部を中心軸側へ変形させた状態で、当該駆動対象のポンプ部材の内壁部を中心軸側へ変形させることを特徴とする流体搬送方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、以下の実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
[搬送対象]
以下に示す実施形態の装置及び方法における搬送対象の粉体は、例えば、電子写真方式の画像形成装置の現像剤に用いられるキャリア、トナー、キャリア及びトナーの混合体、キャリア及びトナーの製造に用いられる材料などの粉体である。また、本実施形態の装置及び方法は、小麦粉等の食糧、粉状の薬、セメント等の土木・建築材料、磁性粉末、金属粉末、樹脂粉末等の様々な粉体の搬送にも適用できる。搬送対象の粉体の粒径は特に限定されないが、例えば数百nm〜数百μmである。例えば、キャリアの粒径は数μm〜数百μm(例えば10μm〜100μm)であり、トナーの粒径は数μm〜数十μm(典型的には例えば3μm〜20μm)である。また、搬送対象は、数mm以上の粒状物であってもよい。また、搬送対象の形状は特に限定されないが、例えば球状であってもよいし、不定形であってもよい。
本実施形態では、流体として主に粉体を搬送しているが、液体、固体と液体との混合物、上記粉体よりも大きい粒径を有する固体等の流体を搬送してもよい。
【0010】
[粉体搬送装置の全体構成]
図1は、本実施形態に係る粉体搬送装置10(流体搬送システム)の一例を示す概略構成図である。
本実施形態の粉体搬送装置10は、粉体搬送ポンプ本体であるコンベア100と、コンベア100を駆動する駆動手段としての圧縮空気供給部200と、圧縮空気供給部200を制御する制御手段としての制御部300とを備える。
【0011】
コンベア100は、粉体流路である粉体流路を形成する弾性体からなる内壁部を有するポンプ部材としてのポンプユニット110(流体搬送装置)が搬送方向Aに沿って複数並べて設けられている。なお、
図1の例では、4個のポンプユニット110が中心軸Cの方向に直列に連結された例を示しているが、ポンプユニット110の数は2個、3個、又は5個以上であってもよい。
【0012】
圧縮空気供給部200は、圧縮空気発生装置(エアーコンプレッサ)210と、圧力調整装置(エアーレギュレータ)220と、圧縮空気供給切換装置230と、エアーチューブ215,225,235とを備える。圧縮空気発生装置210で発生した加圧用媒体としての圧縮空気は、図中B方向に排出され、エアーチューブ215を介して圧力調整装置220に供給され、圧力調整装置220で所定の圧力が調整された後、エアーチューブ225を介して圧縮空気供給切換装置230に供給される。圧縮空気供給切換装置230は、複数のポンプユニット110それぞれに個別に対応付けて設けられた複数の電磁弁231を有する。
【0013】
複数の電磁弁231はそれぞれ、例えば、2つの接続ポート(第1接続ポート、第2接続ポート)と排気ポートとを有する通常オフの3方向電磁弁(3ポート電磁弁)を用いて構成することができる。電磁弁231の第1接続ポートは圧力調整装置220側に接続され、第2接続ポートはポンプユニット110側に接続される。例えば、電磁弁231は通常オフであり、第1接続ポートから第2接続ポートへの経路が閉じた状態になっているため、ポンプユニット110から第2接続ポートへの経路は排気ポートを介して大気に連通され大気圧になっている。電磁弁231がオン制御されると、第2接続ポートから排気ポートへの経路が閉じられ、第1接続ポートから第2接続ポートへの経路が開かれて圧力調整装置220からの所定の圧力の圧縮空気がポンプユニット110に供給される。これらの電磁弁231は、制御部300により所定の動作パターンに基づいて互いに独立にオン/オフ制御することができる。
【0014】
また、圧力調整装置220は、例えば比例電磁弁を用いて構成することができる。圧力調整装置220における圧力の調整は、制御部300で制御できるようにしてもよい。
【0015】
なお、圧縮空気供給部200において、圧力調整装置220を設けずに、電磁弁231として、出力側の圧力を制御可能な比例電磁弁を用いてもよい。更に、圧縮空気供給部200において電磁弁231がオフのとき、ポンプユニット110内の圧縮空気を強制的に吸い出して速やかに大気圧又は所定圧力に減圧する強制減圧機構を設けてもよい。この強制減圧機構は、例えば、電磁弁231の排気ポートに圧力調整装置(エアーレギュレータ)を介して接続されたエアータンクと、そのエアータンクに接続された真空ポンプとを用いて構成することができる。また、加圧用媒体としては、圧縮空気以外の媒体を用いてもよい。
【0016】
制御部300は、例えば、CPU、メモリ、外部インターフェース等を有するマイクロコンピュータなどのコンピュータ装置で構成することでき、所定の制御プログラムを実行することにより、前記電磁弁231や圧力調整装置220を制御することができる。制御部300は、所定の制御を行うように設計されたシステムLSI等の電子回路素子で構成してもよい。
【0017】
[ポンプユニットの構成]
図2は、ポンプユニット110の分解斜視図であり、
図3はポンプユニット110の斜視断面図であり、
図4(a)及び(b)はそれぞれポンプユニット110の正面図及び側面図である。
ポンプユニット110は、粉体流路Pを形成する弾性体からなる内壁部としてのチューブである内筒120と、内筒120を囲むように内筒120の粉体流路Pとは反対側(外側)に設けられた外壁部としての外筒130とを備えている。更に、ポンプユニット110は、搬送方向Aにおける外筒130の両端部が固定された一対の接続部材(固定部材)としての上流側フランジ140及び下流側フランジ145を備えている。
【0018】
本実施形態のポンプユニット110を有するコンベア100は、人体の蠕動運動を行う腸管を複数のポンプユニットでモデル化した従来のものとは異なる。すなわち、人体の腸管をモデル化した従来のコンベアは、腸管の筋層を構成する環状筋及び縦走筋をそれぞれ内筒120及び外筒130で模倣しているため、軸方向繊維強化型の人工筋肉として機能する外筒130は、内筒120と同様に弾性体で形成される。したがって、従来のコンベアでは、複数のポンプユニットを直列に連結し、搬送方向下流側に向かって、各ポンプユニットが環状の収縮・弛緩動作と軸方向の収縮動作とを順次行うことにより、腸管の蠕動運動が再現される。
【0019】
これに対し、本実施形態のコンベア100は、外筒130が粉体流路Pの中心軸から離れる方向(放射方向)に関して剛性を有するように構成されている。具体的には、後述するように圧縮空気の供給によって内筒120が粉体流路Pの中心軸に向けて変形するときでも、外筒130は、粉体流路Pの中心軸から離れる方向へ実質的に変形しない程度の剛性を有する剛体で形成されている。本実施形態のコンベア100における各ポンプユニットは、弾性体からなる内筒120によって環状の収縮・弛緩動作が行われるが、軸方向の収縮動作は剛体で構成された外筒130によって制限されて行われない。
【0020】
なお、本実施形態では、外筒130それ自体を剛体で形成して外筒130を単一部材で構成しているが、2つ以上の部材を組み合わせて構成してもよい。例えば、柔軟な内側部材と、当該内側部材が圧縮空気の供給によって粉体流路Pの中心軸から離れる方向へ変形することを規制する外側部材(変形規制部材)とから構成してもよい。この構成によれば、例えば、外側部材で粉体流路Pの中心軸から離れる方向への変形を規制しつつ、粉体流路Pの中心軸に沿った方向への変形を許容するような外筒130を実現できる。この場合、ポンプユニットの軸方向への収縮動作が可能となるので、腸管の蠕動運動を再現することも可能である。
【0021】
内筒120は、例えば、天然ラテックスゴム(例えば、低アンモニア天然ラテックスゴム)やシリコーンゴムなどのゴム部材から構成された円筒状の部材である。本実施形態の内筒120は、コンベア100の全体で1つの内筒であり、複数のポンプユニット110における内筒が単一の部材である。これにより、ポンプユニット110間で粉体流路Pの段差等が無く、ポンプユニット110間の粉体の受け渡しをスムーズに行うことができる。なお、複数のポンプユニット110ごとに個別の内筒を採用してもよい。
【0022】
上流側フランジ140及び下流側フランジ145は開口部を備えており、開口部の内周面140a,145aは、
図2、
図3、
図4に示すように、軸方向に直交する断面形状が略正三角形状となっている。この開口部に内筒部が挿入され、内周面に固定される。つまり各ポンプユニットの搬送方向上流側、下流側で内筒部を固定し支える機能を有している。そのため、各ポンプユニット110に嵌め込まれた内筒120は、上流側フランジ140及び下流側フランジ145の内周面140a,145aの形状に倣って変形し、軸方向に直交する断面形状が略正三角形状となる。上流側フランジ140及び下流側フランジ145の内周面140a,145aと内筒120との間は、空気漏れが生じないように接着される。
また、上流側フランジ140及び下流側フランジの内周面の略正三角形状の各辺に当たる部分は中心部に向かって突出(湾曲)している。これにより、後述する内筒の変形箇所を三辺の位置に規定しやすくなっている。
ここで、断面形状であるが、正三角形の各頂点が丸めてRを持たせてあり、弾性を有する内筒がそのR形状に沿って密着できるようにされている。このように、各頂点が丸めてあるもの、また上述のように各辺が湾曲しているものも略正三角形状である。当然、正三角形でもかまわないし、正三角形以外の三角形状(略三角形状)でも問題ない。
【0023】
このように、内筒120が略正三角形状であることで、内筒120の軸線方向に平行な方向に沿って、周方向に等角度(120°)の間隔をあけて3つの折り目120aが延在する。この折り目120aは、内筒120を構成する弾性体(ゴム部材)の変形を拘束し、弾性体を周方向に複数個(図示の例では3個)の膨張域に区画する。
すなわち
【0024】
外筒130は、上述したとおり、剛体で形成され、例えば、アクリル樹脂などで形成することができる。外筒130の軸方向両端部はそれぞれ、上流側及び下流側フランジ140,145の外周面140b,145bに外側固定リング142,147で固定されている。
【0025】
上流側フランジ140は、複数の貫通孔140dを備え、粉体の流入側に配置される。下流側フランジ145は、複数の貫通孔145dを備え、粉体の排出側に配置される。貫通孔140d,145dは、ポンプユニット110を軸方向に複数接続するときに位置決めして固定するための孔である。内筒120の外周側と外筒130の内周側と上流側フランジ140及び下流側フランジ145とによって、加圧用媒体である圧縮空気が供給される空気室Dが形成される。また、内筒120の内周側の表面により、粉体を搬送するための粉体流路である粉体流路Pが形成される。
【0026】
外筒130には、
図3や
図5に示すように、上述の圧縮空気供給部200から送られてくる圧縮空気を空気室Dに導入するための空気孔131が形成されている。本実施形態における空気孔131は、外筒130の軸方向中央部に形成されているが、外筒130の軸方向に流入側あるいは流出側に偏った位置に形成してもよい。また、この空気孔は、外筒130ではなく、上流側フランジ140あるいは下流側フランジ145に形成するようにしてもよい。
【0027】
図4において、記号dは、ポンプユニット110の粉体流路Pの断面形状である正三角形状の一辺の長さ(変形前の内筒120の内側表面における断面形状(正三角形状)の一辺の長さ)である。また、
図4において、記号l
Dはポンプユニット110の搬送方向における長さであり、記号l
D’は搬送方向における上流側フランジ140と下流側フランジ145との間のフランジ間距離の長さ(外筒130の露出部分の長さ)である。
【0028】
図5は、内筒120の膨張時の変形を説明するための断面図である。
空気室Dに圧縮空気を導入すると、内筒120の空気室D側の面(外周面)に垂直な方向に空気圧が作用し、内筒120は内側方向(図中矢印の方向)に膨張するように変形する。このとき、内筒120の折り目120aの近傍には、これに垂直な方向の空気圧が作用することになる。この空気圧により、折り目120aは、更に折れる方向(内壁面同士が近づく方向)に変形する。そして、空気室D内の圧力を更に上昇させると、内筒120は、この折り目120aによって複数個の膨張域に区画されて膨張するような膨張変形を起こし、
図5中一点鎖線で示すように平面部が変形する。
【0029】
一方、外筒130は、剛体で形成されているため、空気室D内の圧力を上昇させても、径方向(放射方向)外側へ膨張することはなく、また軸方向に収縮することはない。
【0030】
図6(a)及び(b)は、それぞれ、ポンプユニット110の内筒120の膨張時の変形の様子を示す正面図及び側面図である。
図6(a)に示すように、外筒130はポンプユニット110の径方向(放射方向)外側へは膨張しない。一方、内筒120は、折り目120aにより分割された複数の平面部が膨張域120(1)〜120(3)となって中心軸に向かって内側へ膨張する。このとき、
図6(b)に示すように、ポンプユニット110は軸方向へ収縮することはない。
【0031】
本実施形態のポンプユニット110では、粉体を確実に搬送するために、折り目120aが設けられた内筒120を、
図6(b)に示すように、最大変形時において変形ピーク箇所間で空隙Gが残るように変形(膨張)させている。すなわち、内筒120を変形させる際に、粉体流路P内の内筒120の変形ピーク箇所において粉体流路Pに空隙Gが残るように内筒120を変形させる。更に言い換えると、内筒120を変形させる際に、粉体流路Pを中心軸に沿った軸方向から見たとき空隙(開口部)が残るように内筒120を変形させる。
【0032】
[粉体搬送動作]
次に、本実施形態の複数のポンプユニット110を有するコンベア100の粉体搬送動作について説明する。
【0033】
図7(a)〜(f)は、6個のポンプユニット111〜116を有するコンベア100の全体における粉体搬送動作の動作パターンの一例を示す説明図である。
なお、
図7(a)〜(f)は、コンベア100の粉体搬送動作の1サイクル分を示している。また、本実施形態において、コンベア100が
図7(a)の状態で粉体搬送動作を開始した時点から次に
図7(a)の状態になる時点までの1サイクル分の時間を、粉体搬送動作の動作間隔t
sと定義する。この動作間隔t
sは、粉体搬送動作の動作周期や、粉体搬送動作の1サイクル分の動作時間ともいう。
【0034】
まず、
図7(a)に示すように、第1〜第6ポンプユニット111〜116の連結方向が略水平方向になるようにコンベア100をセットする。そして、最上流の第1ポンプユニット111を粉体収容部に連結して第1ポンプユニット111内へ粉体を導入する。次に、エアーチューブ235を介して第1ポンプユニット111に連結されている電磁弁231を開放して、第1ポンプユニット111の空気室D内に圧縮空気を所定の加圧時間t
Aだけ供給する。この圧縮空気の供給により、第1ポンプユニット111の内筒120を内側に所定の変形量だけ変形させるように膨張させ、第1ポンプユニット111内の粉体を第2ポンプユニット112内に押し出す。
【0035】
次に、第1ポンプユニット111の内筒120を膨張させたまま、エアーチューブ235を介して第2ポンプユニット112に連結されている電磁弁231を開放し、第2ポンプユニット112の空気室Dに圧縮空気を所定の加圧時間t
Aだけ供給する。この圧縮空気の供給により、第2ポンプユニット112の内筒120を内側に所定の変形量だけ変形させるように膨張させ、第2ポンプユニット112内の粉体を第3ポンプユニット113内に押し出す。以下、この
図7(a)の状態を初期状態として説明する。
【0036】
次に、
図7(b)に示すように、第2ポンプユニット112の内筒120を膨張させたまま、エアーチューブ235を介して第3ポンプユニット113に連結されている電磁弁231を所定時間だけ開放する。これにより、第3ポンプユニット113の空気室D内に圧縮空気を所定の加圧時間t
Aだけ供給する。この圧縮空気の供給により、第3ポンプユニット113の内筒120を内側に所定の変形量だけ変形させるように膨張させ、第3ポンプユニット113内の粉体を第4ポンプユニット114内に押し出す。このとき、エアーチューブ235を介して第1ポンプユニット111に連結されている電磁弁231を閉鎖する。この電磁弁231の閉鎖により、第1ポンプユニット111の空気室D内の圧縮空気は電磁弁231を介して排気されて大気圧まで減圧されるので、第1ポンプユニット111の内筒120は膨張前の元の形状に復元する。これにより、第1ポンプユニット111内の粉体経路Pの体積が元の体積まで大きくなるので、第1ポンプユニット111内に新たな粉体を導入することができる。
【0037】
なお、上述の強制減圧機構を設けた場合は、第1ポンプユニット111の空気室D内の圧縮空気を強制的に吸い出して速やかに大気圧又は所定圧力に戻すことができるので、第1ポンプユニット111内に新たな粉体をより速やかに導入することができる。
【0038】
次に、
図7(c)に示すように、第3ポンプユニット113の内筒120を膨張させたまま、第4ポンプユニット114の内筒120を膨張させて、第4ポンプユニット114内の粉体を第5ポンプユニット115内に押し出す。それとともに、第2ポンプユニット112の内筒120を収縮させる。
【0039】
次に、
図7(d)に示すように、第4ポンプユニット114の内筒120を膨張させたまま、第5ポンプユニット115の内筒120を膨張させて、第5ポンプユニット115内の粉体を第6ポンプユニット116内に押し出す。それとともに、第3ポンプユニット113の内筒120を収縮させる。
【0040】
次に、
図7(e)に示すように、第5ポンプユニット115の内筒120を膨張させたまま、第6ポンプユニット116の内筒120を膨張させて、第6ポンプユニット116内の粉体をコンベア100の外部へ押し出す。それとともに、第4ポンプユニット114の内筒120を収縮させる。
【0041】
次に、
図7(f)に示すように、第6ポンプユニット116の内筒120を膨張させたまま、第1ポンプユニット111を膨張させて、第1ポンプユニット111内の粉体を第2ポンプユニット112内に押し出す。それとともに、第5ポンプユニット115の内筒120を収縮させる。その後、第6ポンプユニット116の内筒120を収縮させるとともに、第1ポンプユニット111を膨張させたまま第2ポンプユニット112の内筒120を膨張させると、
図7(a)の状態になる。
【0042】
以下、
図7(a)〜
図7(f)の動作を繰り返すことにより、第1ポンプユニット111内へ注入された粉体を第6ポンプユニット116からコンベア100の外部へ排出することができる。
【0043】
図7(a)〜(f)に例示したようなコンベア100の粉体搬送動作には、「波長」、「送り」及び「波数」の3つの要素がある。ここで、波長l
wは互いに隣接して内筒120が膨張するポンプユニット110の数である(
図7(a)参照)。また、送りp
wは内筒120を膨張させて粉体を送るポンプユニット110の数である(
図7(b)参照)。波数n
wは、コンベア100全体で同時に伝播させる波の数である(
図7(c)参照)。前記
図7(a)〜(f)の例は、波長l
wが2、送りp
wが1、波数n
wが1の場合の粉体搬送動作の動作パターンの例である。
【0044】
[理論幾何最大搬送量]
次に、前記構成のコンベア100の蠕動運動による粉体搬送動作における理論幾何最大搬送量について説明する。
上述の
図4に示すように、ポンプユニット110の粉体流路Pの断面正三角形状の一辺をd[mm]とし、ポンプユニット110の搬送方向における長さをl
D[mm]とする。1個のポンプユニット110の内部空間理論体積(変形前の粉体流路Pの体積)V
0[mm
3]は次式(1)で表される。
【数1】
【0045】
また、ポンプユニット110の1個あたりの粉体の押出し体積率(体積排除率)F
p[%]を次式(2)で定義する。ここで、V
pはポンプユニット110の加圧時(膨張変形時)における粉体流路Pの内部体積[mm
3]である。
【数2】
【0046】
例えば、上述の
図1に示すようにコンベア100を水平に配置し、そのコンベア100の最上流側のポンプユニット110への粉体400の供給を、エルボ管からの流れ込みを用いる場合を考える。この場合、ポンプユニット110の粉体流路Pの初期内部体積V
0に対する粉体流路Pに充填される粉体400の体積V
fの割合である次式(3)の充填率R
fは、最大でも50[%]と見積もられる。
【数3】
【0047】
更に、上述の
図6(b)に示すように、本実施形態のポンプユニット110の内筒120は半円状に膨張変形するため、ポンプユニット110から軸方向に沿った任意の方向への粉体の搬送量は、押出し体積率F
pで25[%]と推定される。この押出し体積率F
pを用いて、コンベア100で搬送される粉体の単位時間当たりの理論幾何最大搬送量(体積)Q
s[mm
3/s]を求める式は、次式(4)で表される。ここで、式中のl
w、n
w及びt
s[s]は、それぞれ、上述の動作パターンの波長、波数及び動作間隔である。また、式中のN
sはコンベア100を構成するポンプユニット110の個数である。
【数4】
【0048】
更に、粉体の密度をρ[g/mm
3]とすると、コンベア100で搬送される粉体の単位時間当たりの理論幾何最大搬送量(質量)Q
p[g/s]は、次式(5)で表される。
【数5】
【0049】
[ポンプユニットの軸方向収縮の効果]
人体の蠕動運動を行う腸管を複数のポンプユニットでモデル化した従来のコンベアでは、外筒130を軸方向繊維強化型の人工筋肉として機能させ、各ポンプユニットが軸方向へ収縮する動作を伴い、腸管の蠕動運動を再現している。しかしながら、本発明者らの研究によれば、各ポンプユニットの軸方向への収縮動作は、単位時間あたりの搬送量(搬送速度)を向上させることへの寄与が少ないことが判明した。そのため、本実施形態では、外筒130を剛体で形成し、ポンプユニット110が軸方向へ収縮しない構成としている。
【0050】
ここで、各ポンプユニットが軸方向へ収縮する動作を伴う従来のコンベアと、各ポンプユニットが軸方向へ収縮する動作を伴わないコンベアとを比較した比較実験について説明する。
ただし、この比較実験で用いた従来のコンベアは、内筒120が非膨張時に円筒形状をとり、変形ピーク箇所が4つとなるように内筒120を膨張させる構成であり、外筒130が弾性体で構成されていて内筒120の膨張時には外筒130も径方向外側へ膨張する構成である。一方、各ポンプユニットが軸方向へ収縮する動作を伴わないコンベアは、この従来のコンベアに対し、各ポンプユニットが軸方向へ収縮する動作を規制する部材を設置したもので、そのほかの構成は従来のコンベアと同じである。また、この比較実験では、コンベアの一方の端部から供給された粉体が反対側の端部へ搬送されるのかを確認し、単位時間あたりの搬送量(搬送速度)を測定した。搬送対象の粉体400としては電子写真式の画像形成装置における現像剤を構成するキャリアを用いた。
【0051】
図8は、本比較実験に用いたシステムの概略構成図である。なお、
図8において上述の
図1と共通する部分については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。図中のL0はコンベア100の搬送方向における長さである。
図8において、コンベア100の搬送方向上流側の端部にアクリル製のエルボ管416を接続し、エルボ管416の上部にアクリル製の直管417を配置した。コンベア100の各ポンプユニット110(111〜114)は空の状態で設置し、直管417の上部より粉体(キャリア)400を供給し、エルボ管416及び直管417を粉体400で満たした。なお、粉体400は十分な量が常にエルボ管416及び直管417内に満たされているようにした。
【0052】
各ポンプユニット110(111〜114)を駆動するときに印加する圧縮空気の印加圧力は、ポンプユニット110内の粉体400を十分に押し出せる圧力である40[kPa]とした。コンベア100を制御する制御部300としては、H8マイコン(ルネサス エレクトロニクス株式会社製)からなるMCU(Micro Controller Unit)を用いた。ポンプユニット110の加圧時間t
Aは、100[ms]、300[ms]、500[ms]、1000[ms]、1500[ms]の5種類とした。また、粉体搬送動作例の動作パターンの波長−送り−波数は2−1−1とした。
【0053】
図9は、本比較実験におけるポンプユニット110(111〜114)の加圧オン・オフ制御(電磁弁のオン・オフ制御)の一例を示すタイムチャートである。
なお、
図9は粉体搬送動作の1サイクル分の加圧オン・オフ制御の例である。図中のt
Aが第1〜第4ポンプユニット110(111〜114)に対する加圧時間であり、t
sが粉体搬送動作の動作間隔である。
【0054】
粉体搬送量の測定方法としては、コンベア100のキャリア供給側とは反対側の端部から排出された粉体400の質量を測定することで単位時間当たりの搬送量[g/s]を求める方法を用いた。コンベア100から排出された粉体400の質量測定には、質量測定手段としての電子はかり(株式会社島津製作所製のUW6200H)420を使用した。また、粉体400の質量測定は、コンベア100の定常状態を確認した後に開始し、2秒ごとに測定した。
【0055】
図10は、本比較実験の結果を示すグラフである。
図10からわかるように、各ポンプユニットが軸方向へ収縮する動作を伴う場合と伴わない場合とを比較しても、単位時間あたりの搬送量に大きな差が見られなかった。ただし、各ポンプユニット110(111〜114)に対する加圧時間t
Aが比較的長いケースでは、各ポンプユニットが軸方向へ収縮する動作を伴う場合の方が、伴わない場合よりも、僅かながら単位時間あたりの搬送量が多い。これは、加圧時間t
Aが比較的長いケースでは、ポンプユニットの軸方向への収縮量を多く確保でき、これによりポンプユニット間の搬送量(受け渡し量)が増え、軸方向への収縮動作を伴わない場合よりも単位時間あたりの搬送量が多くなったものと考えられる。
【0056】
しかしながら、
図10に示すように、加圧時間t
Aを長くすることは、単位時間あたりの搬送量を減らすことになる。したがって、通常は、単位時間あたりの搬送量を増大させるために短い加圧時間t
Aを設定することになり、各ポンプユニットが軸方向への収縮動作を伴う場合と伴わない場合とで、単位時間あたりの搬送量に差が出ることはない。
【0057】
[外筒の径方向膨張の規制効果]
次に、本実施形態のように、空気室Dに圧縮空気が導入されても外筒130が膨張しないことによる効果について説明する。
一般に、各ポンプユニット110へ圧縮空気を送り込む加圧時間t
Aを短くするほど、コンベア100による単位時間あたりの搬送量を増大させることができる。ただし、加圧時間t
Aを短くし過ぎると、内筒120が変形するための時間が足りず、内筒120の変形量が不足して、かえって単位時間あたりの搬送量を低下させることになる。このことは、上述した比較実験の結果を示す
図10のグラフにも示されており、この比較実験では、ポンプユニット110の加圧時間t
Aを500[ms]に設定したときが単位時間あたりの搬送量を最大化でき、これよりも短い加圧時間t
Aに設定すると単位時間あたりの搬送量が低下している。
【0058】
図11は、本実施形態におけるコンベア100を用いて、単位時間あたりの搬送量を測定した結果を示すグラフである。
この測定では、上述した比較実験と同様の方法で測定を行った。ただし、各ポンプユニット110を駆動するときに印加する圧縮空気の印加圧力は20[kPa]とし、ポンプユニット110の加圧時間t
Aは、10[ms]、30[ms]、50[ms]、100[ms]、300[ms]の5種類とした。
【0059】
図11に示すように、本実施形態におけるコンベア100によれば、単位時間あたりの搬送量が最大となる加圧時間t
Aは、30[ms]であり、従来のコンベアでの500[ms]よりも短くなった。これは、空気室Dに圧縮空気を送り込んだときに剛体で形成された外筒130が径方向外側へ膨張しないため、空気室D内の圧力上昇速度が速くなり、内筒120を迅速に膨張(変形)させることができるようになったことが理由であると考えられる。
【0060】
このように、単位時間あたりの搬送量が最大となる加圧時間t
Aが短くなったことで、本実施形態のコンベア100では、
図11に示すように、単位時間あたりの搬送量を7.8[g/s]とすることができる。これは、
図10に示した従来のコンベアによる単位時間あたりの搬送量(2.1[g/s])の3倍以上である。
【0061】
[変形ピーク箇所が3つであること]
また、本実施形態におけるコンベア100は、内筒120の変形ピーク箇所の数が3つであり、内筒120の変形ピーク箇所の数が4つである従来のコンベアよりも少ないことも、単位時間あたりの搬送量が向上した要因であると考えられる。つまり同一の径を有する内筒であれば、従来の変形ピーク箇所の数が4つであるものよりも、膨張域の大きさが大きくなり搬送する能力が向上するものである。特に、本実施形態におけるコンベア100では、内筒120の3つの膨張域(内筒120の平面部)のうちの1つの膨張域だけで、粉体流路Pの底面を構成し、粉体流路Pの底面を略水平面としている。これにより、内筒120の膨張域が膨張したときに粉体流路Pの底面が盛り上げるように変形し、粉体流路P内の粉体に効率よく搬送力を付与できる。
【0062】
特に、本実施形態において、各ポンプユニット110の上流側フランジ140、下流側フランジ145は、略正三角形状をなす内周面140a,145aの一辺が水平面となるように配置されている。そのため、隣接する2つのポンプユニット110の粉体流路Pを連通させる連通路の底部(上流側フランジ140及び下流側フランジ145は、正三角形状をなす内周面140a,145aの一辺)が水平面となっている。この場合、ポンプユニット110の粉体流路P内の粉体を次のポンプユニット110へ受け渡すときの搬送抵抗を少なくでき、単位時間あたりの搬送量を向上させることができる。
【0063】
[ポンプユニットの軸方向長さ]
次に、ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dと単位時間当たりの搬送量との関係について説明する。
この関係を調べる実験で用いた2つのコンベアのうちの一方(TPC−L50)は、本実施形態のコンベア100であり、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dは50[mm]である。もう一方のコンベア(TPC−L25)は、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが25[mm]である以外は、本実施形態のコンベア100と同様の構成である。また、ポンプユニット110の加圧時間t
Aは、本実施形態のコンベア100(TPC−L50)が単位時間あたりの搬送量を最大化できる30[ms]に設定した。なお、この測定では、上述した比較実験と同様の方法で測定を行った。
【0064】
図12は、ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが異なる前記2つのコンベアについての累積搬送量の時間推移を示すグラフである。
図12より、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが短いコンベア(TPC−L25)の方が、累積搬送量が多いことがわかる。単位時間あたりの搬送量に換算すると、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが長いコンベア(TPC−L50)では7.8[g/s]であったが、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが短いコンベア(TPC−L25)では14.8[g/s]となり、約2倍となった。なお、一般的な粉体搬送で用いられる同じ直径をもったスクリューコンベアの場合の単位時間あたりの搬送量がおよそ10[g/s]であるため、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが短いコンベア(TPC−L25)によれば、単位時間あたりの搬送量をスクリューコンベアの約1.5倍とすることができる。
【0065】
また、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが短いコンベア(TPC−L25)については、各ポンプユニット110の空気室Dの体積が小さいので、内筒120を最大変形させるのに必要な圧縮空気の量が少なくて済む。したがって、単位時間あたりの搬送量を最大化できる加圧時間t
Aは、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが長いコンベア(TPC−L50)の30[ms]よりも更に短くすることが可能である。そして、実際に測定してみたところ、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが短いコンベア(TPC−L25)では、加圧時間t
Aが10[ms]である場合に単位時間あたりの搬送量を最大化でき、64.3[g/s]を達成することができた。これは、
図10に示した従来のコンベアによる単位時間あたりの搬送量(2.1[g/s])の約30倍であり、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが長いコンベア(TPC−L50)による単位時間あたりの搬送量(7.8[g/s])の約8.2倍である。また、一般的な粉体搬送で用いられる同じ直径をもったスクリューコンベアの場合の単位時間あたりの搬送量(10[g/s])の約6.4倍に相当する。
【0066】
ところで、ここでの実験では、各ポンプユニット110の搬送方向長さl
Dが100[mm]であるコンベア(TPC−L100)についても同様の測定を行ったところ、単位時間あたりの搬送量は、加圧時間t
Aを100[ms]に設定したときに最大となり、約0.2[g/s]であった。これは、上述した2つのコンベア(TPC−L25,TPC−L50)と比較して明らかに少ない。その原因について調べたところ、このコンベア(TPC−L100)では、各ポンプユニット110の内筒120内における粉体の残留量が徐々に増えておき、一定時間稼働した後には、各ポンプユニット110の内筒120が粉体の自重によって撓んでしまっていた。これが、単位時間あたりの搬送量が少ない原因であると考えられる。
【0067】
図13は、以上の実験結果をまとめたグラフである。
単位時間あたりの搬送量を向上させるうえでは、各ポンプユニットの加圧時間t
Aを短くすることが有効である。これは、単位時間あたりの動作回数を増やすことができるからである。そして、ポンプユニットの加圧時間t
Aを短くするうえでは、各ポンプユニット110の搬送方向長さを短くすることが有効である。これは、各ポンプユニット110の空気室Dの体積を小さくでき、これにより内筒120を最大変形させるのに必要な圧縮空気の量が少なくて済む結果、より短い時間で内筒120を最大変形させることができるからである。また、ポンプユニットの加圧時間t
Aを短くするうえでは、各ポンプユニット110の外筒130の径方向外側への膨張を規制することも有効である。これは、空気室Dに圧縮空気を送り込んだときの空気室D内の圧力上昇速度が速くなるため、内筒120を迅速に膨張(変形)させることができるからである。
【0068】
図14は、本実施形態に係る粉体搬送装置を適用可能な画像形成装置500の一例を示す概略構成図である。
図14の画像形成装置500は、電子写真方式の画像形成装置であり、像担持体としての回転駆動可能な感光体ドラム510を備えている。感光体ドラム510の周りには、帯電手段としての帯電ローラ520と、現像手段としての現像装置530と、転写手段としての転写チャージャ540と、像担持体クリーニング手段としてのクリーニング装置550とを備えている。更に、画像形成装置500は、露光手段としての光書き込み装置560と、定着手段としての定着装置570とを備えている。
【0069】
画像形成装置500で画像形成動作が開始されると、帯電ローラ520で所定電位に帯電された感光体ドラム510の表面に光書き込み装置560で光が走査されながら照射されることにより、感光体ドラム510の表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム510上の静電潜像は現像装置で現像されてトナー像となる。感光体ドラム510上のトナー像は、転写チャージャ540と感光体ドラム510との間に所定のタイミングで搬送されてくる記録媒体としての用紙600に転写され、定着装置570で用紙600上に定着される。トナー像が転写された感光体ドラム510の表面はクリーニング装置550でクリーニングされる。
【0070】
本実施形態における現像装置530は、トナーとキャリアとを含む二成分の現像剤を用いて潜像を現像する現像装置である。現像装置530は、感光体ドラム510に対向するように配置された現像剤担持体としての現像ローラと、装置内の現像剤は攪拌しながら搬送する現像剤攪拌搬送手段と、装置内の現像剤のトナー濃度を検知するセンサ535とを備える。現像剤攪拌搬送手段は、互いに逆向き(図中の奥側に向かう方向及び手前側に向かう方向)に現像剤を攪拌しながら搬送する1対の現像剤搬送部533、534で構成される。また、現像装置内の現像剤のトナー濃度が所定の濃度よりも低下した場合は、センサ535の検知結果に基づいて、トナー収容部580内のトナーがトナー搬送部581で搬送されて現像装置530に補給される。
【0071】
図14の画像形成装置500において、本実施形態に係る粉体搬送装置10は、現像装置530の現像剤搬送部533,534における現像剤の搬送と、トナー搬送部581におけるトナーの搬送とに適用することができる。この場合、粉体搬送装置10のコンベア100が現像剤搬送部533,534及びトナー搬送部581に配置され、従来の回転駆動されるスクリューを用いた場合に比して、トナー及び現像剤の凝集を抑制しつつトナー及び現像剤を高速搬送することができる。特に、従来の従来の回転駆動されるスクリューを用いた場合とは異なり、トナーなどの搬送部に近い位置に配置されたモータなどの発熱がないため、冷却装置を設ける必要がなく、非クーラント化による省スペースにつながる。
【0072】
なお、本実施形態に係る粉体搬送装置10は、現像装置530の現像剤搬送部533、534及びトナー搬送部581のいずれか一方に適用してもよい。また、
図14の画像形成装置の例では、二成分現像方式の現像装置を用いる場合について説明したが、上述の実施形態に係る粉体搬送装置10は、一成分現像方式の現像装置を用いる画像形成装置にも適用できる。また、上述の実施形態に係る粉体搬送装置10は、複数色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナーを用いたカラー画像形成装置におけるトナーの搬送や、トナー及びキャリアを含む現像剤の搬送にも適用できる。更に、上述の実施形態に係る粉体搬送装置10は、キャリアやトナーの製造時におけるキャリア、トナー、それらの製造に用いる材料(流体)等の搬送にも適用することができる。
【0073】
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得る。