(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a)少なくとも1つの共有結合型UV−反応性基を含むUV硬化性アクリルポリマー、ここで、前記少なくとも1つの共有結合型UV−反応性基はベンゾフェノンである、および、
b)カチオン性光開始剤
を含んでなり、
脂環式エポキシド、オキセタンおよびそれらの混合物から選択される結合型反応性官能基を含むモノマーの量が、UV硬化性アクリルポリマーの総重量に基づき、0.25重量%未満である、UV硬化性接着剤組成物。
カチオン光開始剤が、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェニルスルホニウム塩、ジアルキル(ヒドロキシジアルキルフェニル)スルホニウム塩およびフェロセニウム塩からなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
前記少なくとも1種の光増感剤が、2,4−ジエチル−9H−チオキサンテン−9−オン、2−イソプロピルチオキサントン、9,10−ジブトキシアントラセンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
前記少なくとも1つの不飽和オリゴマーが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をより詳細に説明する。ここに記載された各態様は、明確に反対の指示がない限り、任意の他の態様と組み合わせてもよい。特に、好ましいまたは有利であると示される任意の特徴は、任意の他の特徴または好ましい若しくは有利であると示される他の任意の特徴と組み合わせてもよい。
【0014】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、「少なくとも1つ」と解釈されるべきである。
本明細書中で使用される場合、用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」および「含む(comprised of)」は、「含む(including)」、「含む(includes)」または「含む(containing)」、「含む(contains)」などと同義語であり、これらは包括的でありまたは制限がなく、付加的な、列挙されていない構成、要素または他の工程を排除しない。
数値の端点の記載には、それぞれの範囲内に包含される全ての数および少数並びに記載された端点が含まれる。
【0015】
他に定義されない限り、技術的および科学的用語を含む本発明の開示に使用される全ての用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0016】
一態様において、本発明は、
a)少なくとも1つの共有結合型UV−反応性基を含むUV硬化性アクリルポリマー、および、
b)カチオン性光開始剤
を含んでなるUV硬化性接着剤組成物を提供する。
【0017】
本発明のUV硬化性接着剤組成物の第1必須成分は、少なくとも1つの共有結合型UV−反応性基を含むUV硬化性アクリルポリマーである。
【0018】
UV硬化性アクリルポリマーを構成する適当なアクリルモノマーの選択および相対量は、所望の最終特性および接着剤の意図された最終用途に依存する。所望の特性を達成するための最終組成物中のアクリルモノマーおよびそれらの相対量の選択は、当業者の専門知識の範囲内である。
【0019】
本発明に適したアクリルモノマーの例は、式CH
2=CH(R1)(COOR2)〔式中、R1はHまたはCH
3であり、R2は分枝状または非分枝状のC1〜20アルキル鎖である〕のアクリル酸またはメタクリル酸誘導体であるアクリルモノマーであり、より好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、およびn−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、および分枝状(メタ)アクリル酸異性体、例えば、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、ステアリルメタクリレート、およびイソオクチルアクリレートまたはそれらの組み合わせから選択されるモノマーである。典型的なアクリレートおよび/またはメタクリレートは、モノアクリルモノマーである。任意の二官能(ジ−)または多官能(マルチ−)アクリレートモノマーは、好ましくは包含されない。
【0020】
本発明のUV硬化性アクリルポリマーは、ポリマー鎖の架橋を促進するために結合型UV反応性基を含有する。本発明におけるそのような結合型官能基の例として、結合型ラジカル光開始剤、ベンゾフェノンまたはビニル基のような官能基が挙げられる。より好ましくは、結合型UV反応性基はベンゾフェノンである。
【0021】
本発明のUV硬化性アクリルポリマーは、脂環式エポキシド、オキセタンまたはそれらの混合物から選択される結合型反応性官能基を含むいかなるモノマーも本質的に含まないことが好ましい。ここで用いられる用語「本質的に含まない」は、脂環式エポキシド、オキセタンまたはそれらの混合物から選択される結合型反応性官能基を含むモノマーの量が、UV硬化性アクリルポリマーの総重量に基づき、0.25重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.01重量%未満、さらにより好ましくは0.001重量%未満、最も好ましくは0重量%であることを意味する。
【0022】
本発明のUV硬化性アクリルポリマーは、0℃未満、より好ましくは−40〜−20℃のTg値を有し、10,000〜2,000,000g/モル、より好ましくは50,000〜1,000,000g/mol、最も好ましくは150,000〜300,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有する。Mwはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。ポリスチレンが標準として用いられる。
【0023】
当業者に知られているように、アクリルポリマーの調製は、フリーラジカル技術のような周知の重合技術を用いて、溶液、エマルションまたは塊状重合法によって行うことができる。次いで溶媒の除去、ラテックスの凝集または純ポリマーの溶融加工によって、コポリマーをホットメルト接着剤に成形することができる。
【0024】
重合は、1種以上の有機溶媒の存在下で、および/または水の存在下で行うことができる。適当な有機溶媒または溶媒の混合物は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンおよびシクロヘキサンなどのアルカン;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルおよび酢酸ヘプチルなどのエステル類;クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、およびエチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルカノール類;ジエチルエーテルおよびジブチルエーテルなどのエーテル類;およびそれらの混合物である。
【0025】
本発明の有利な一実施形態において、重合反応は、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)によって熱的に開始され、酢酸エチル溶媒中で進行する。
【0026】
本発明のUV硬化性アクリルポリマーは、好ましくは、UV架橋反応前のその構造が実質的に直鎖である。したがって、架橋前のアクリルポリマーは、多くの有機溶剤に完全に溶解可能であり、また、ホットメルト接着剤として無溶剤の形態で基材上に容易に塗布することもできる。
【0027】
ホットメルトPSAとして使用するために、アクリルポリマーは本質的に溶媒を含むべきでない。このため、上記のように調製されたコポリマーは、2重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の溶媒含量まで濃縮される。この方法は、反応槽または真空ミキサー、当業者に既知の濃縮押出機、例えばベント押出機、リング押出機、一軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機などにおいて行うことが好ましい。
【0028】
特に好ましいUVアクリルポリマーは、ペンダントベンゾフェノン基が結合している2−エチルヘキシルアクリレートを含む。そのようなUVアクリルコポリマーは、acResin(登録商標)A203 UVおよびacResin(登録商標)A204 UV、acResin(登録商標)A260 UV、acResin(登録商標)A250 UVの商標名でBASFから市販されている。ブチルアクリレートを主成分として含むBASFのacResin(登録商標)A258UV生成物も、本発明の実施に使用することができる。さらに適当なポリマーは、US 7745505およびUS 2013197156に開示されている。
【0029】
さらに、本発明のUV硬化性接着剤組成物は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜1.5重量%、さらにより好ましくは0.01〜1重量%、最も好ましくは0.4〜0.7重量%の少なくとも1種のカチオン性光開始剤を含む。
【0030】
光開始剤の主な機能は、光開始剤が紫外線により照射された時に架橋反応を開始させることである。本発明における架橋反応には、カチオン機構により重合を開始することが知られている多くの化合物のいずれかを用いることができる。これらには、例えば、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェニルスルホニウム塩、ジアルキル(ヒドロキシジアルキルフェニル)スルホニウム塩およびフェロセニウム塩等が挙げられる。これらの塩におけるアニオンは一般に低い求核性を有し、SbF
6−、PF
6−、AsF
6−、BF
4−、B(C
6F
5)
4−またはGa(C
6F
5)
4−が挙げられる。特に有用なカチオン開始剤は、UV架橋性組成物における溶解性が高く、厚膜UV硬化を効果的に促進し、硬化前のUV架橋性組成物において高い熱安定性を示し、硬化速度が速く、暗硬化時間が短い、可溶性のレッドシフトスルホニウム塩光開始剤である。具体例として、BASF製のIrgacure 250が挙げられる。
【0031】
上記の成分に加えて、本発明のUV硬化性接着剤組成物は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜1.5重量%、最も好ましくは0.2〜0.6重量%の少なくとも1種の光増感剤をさらに含む。
【0032】
本発明において光増感剤は、開始剤を直接励起することができない光エネルギーを吸収して伝達し、光重合開始剤に効果的なエネルギー移動をもたらし、重合を促進し、硬化生成物の特性、例えば接着性または表面硬度を向上させる。
【0033】
本発明による光増感剤の例には、2,4−ジエチル−9H−チオキサンテン−9−オン、2−イソプロピルチオキサントン、9,10−ジブトキシアントラセンおよびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
その後に続く架橋を容易にする化合物をUV硬化性組成物に添加することは、さらに有利であり得る。この目的のために、場合によりコポリマーを架橋剤とブレンドしてもよい。したがって、本発明によるUV硬化性接着剤組成物は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%の少なくとも1つの不飽和オリゴマー(架橋剤)を含むことが好ましい。
【0035】
本発明による不飽和オリゴマーは5,000g/mol未満、より好ましくは3,000g/mol未満、最も好ましくは1,000g/mol未満の重量平均分子量(Mw)を有することが好ましい。Mwはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。適当な不飽和オリゴマーの例は、官能性アクリレートである。放射線の下で架橋が起こる本発明の方法に従う好ましい物質は、例えば、二官能性または三官能性または多官能性アクリレート、二官能性または多官能性ウレタンアクリレートである。本発明に従う不飽和オリゴマーは、より好ましくは、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールおよびそれらの混合物から選択される。しかしながら、アクリルポリマーを架橋することができる、当業者に既知の他の二官能性または多官能性化合物を使用することもできる。
【0036】
本発明のUV硬化性接着剤組成物は、ホットメルト組成物であることが好ましい。
【0037】
別の態様において、本発明は、本発明の前記UV硬化性接着剤組成物を硬化させる方法であって、
−前記組成物を基材上にコーティングすること;および、
−コーティングされた組成物を、200〜600nm、より好ましくは360〜410nmの範囲の波長を有する紫外線に暴露すること
を含む方法に関する。
【0038】
ホットメルト接着剤組成物を基材に塗布するために用いられる一般的な方法は、当業者に周知である。好ましくは、本発明の接着剤組成物は、2つの加熱ロールとリザーバーからなるケムサルタント(chemsultant)塗工機を用いて、2枚のシリコンペーパーライナー間の剥離フィルムとして種々の塗布重量で塗布された。UV硬化の前に一方のライナーを剥離した。一般に使用される工業用コーティング温度は、80〜180℃、好ましくは130℃の範囲である。
【0039】
コーティングされた接着フィルムは、200〜600nm、好ましくは360〜410nm、より好ましくは365〜395nmの範囲のUV光の照射により空気中で架橋することができる。照射は、接着剤組成物が未だ溶融形態である間に、または室温まで冷却した後すぐに行ってもよい。
【0040】
接着フィルムは、低凝集性組成物を高弾性率の粘弾性接着剤に変換するのに十分な時間照射される。露光の正確な時間は、放射線の性質および強度、カチオン性光開始剤の量、ポリマー組成物、接着剤処方、接着フィルムの厚み、環境因子、および放射線源と接着剤フィルム間の距離に依存する。
【0041】
本発明の組成物を硬化させるために用いられるUV線は、種々のUV光源、例えば、UV LED、炭素アーク、水銀蒸気アーク、特殊な紫外線光放射蛍光物質を備えた蛍光ランプ、電子せん光ランプなど、特定の波長のレーザー、またはそれらの組み合わせから生じさせ得る。しかしながら、実用的な波長でのUV放射を生じるのに特に望ましい光源はLED源である。水銀を含み、作動中にオゾンを発生し得る従来のUV光源と比較して、LED源は典型的には水銀を含まず、オゾンを生成せず、著しく長い寿命とより低いエネルギーコストを有しているため、より効果的でより環境に優しいLED源が使用される。一方で、LED源は従来のUV光源と比較して一般に狭い放射分布を有しているため、比較的短波長を必要とする従来技術における多くのポリマー系の硬化にLED源の使用は不適切である。驚くべきことに、本発明の接着剤系の硬化にUV LEDを適用できることが判明した。
【0042】
別の態様において、本発明は、本発明の接着剤組成物の硬化生成物を含むホットメルト感圧接着剤に関する。前記組成物は基材上にコーティングされ、次いで、200〜600nm、より好ましくは360〜410nmの範囲の波長の紫外線に暴露される。
【0043】
ホットメルトPSAは、好ましくは130℃で10,000〜100,000Pa・s、より好ましくは130℃で30,000〜50,000Pa・sの粘度を有する。粘度測定は、規定された温度でブルックフィールドDV−I粘度計を用いて行った。10gの試料をスピンドルNo.27、4rpmの速度設定で用いた。読み上げが安定した20分後に結果を記録した。
【0044】
また、ホットメルトPSAは、可塑剤、粘着付与剤、フィラー、抑制剤および酸化防止剤などの種々の他の添加剤を含んでいてもよく、これらはいずれもPSAの調製に従来使用されているものである。添加剤は硬化前に接着剤組成物と混合される。
【0045】
本発明のホットメルトPSAは、少なくとも1種の粘着付与剤を含むことが好ましい。添加される粘着付与剤または粘着付与樹脂として、対応するアクリルポリマーと適合する任意の公知の粘着付与樹脂を使用することができる。具体例としては制限されず、例えば、ピネン樹脂類、インデン樹脂類、ならびにそれらの不均化、水素化、重合化、およびエステル化誘導体および塩、脂肪族および芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂類、テルペン−フェノール樹脂類、C
5樹脂類、C
9樹脂類、および他の炭化水素樹脂が挙げられる。このような樹脂または他の樹脂をあらゆる所望の組み合わせで使用して、所望の最終特性に従って、得られる接着剤の特性を調整してもよい。
【0046】
さらに、ホットメルトPSAを、繊維、カーボンブラック、酸化亜鉛、二酸化チタン、固体または中空ガラスマイクロビーズ、他の材料のマイクロビーズ、シリカ、ケイ酸塩およびチョークなどの1種以上のフィラーと混合してもよい。
【0047】
適当な添加剤に関する明示的な参照は、Donatas Satas(van Nostrand、1989)の「感圧接着剤技術ハンドブック」の最新技術の記述に対してなされる。
【0048】
本発明の方法をホットメルトPSAの製造に特に有利なものとするさらなる一発展は、全ての添加剤を、溶融した無溶剤のアクリルポリマーに配合するか、またはより効率的に重合反応の最終でコポリマーの溶液に添加する。溶媒を除去した後、混合物を濃縮してホットメルトPSAが得られる。硬化後、最終的なホットメルトPSAが得られる。
【0049】
ホットメルトPSAは、全接着剤の0.5重量%未満、より好ましくは0.2%未満の揮発性溶剤含有量を有することが好ましく、最も好ましくは、ホットメルトPSAは完全に無溶剤である(前接着剤の0重量%)。
【0050】
本発明のホットメルトPSAは、好ましくは110より高い、より好ましくは150より高い、最も好ましくは200より高い剪断接着破壊温度(SAFT)を有する。SAFT測定は、以下のように適合するProcedure Finat TM05に従い実施された。PET基材上のホットメルトPSAの被覆試料を、25×25mm鏡面ステンレス鋼パネル(Rocholl GmbH製)上に置いた。試験片を室温で試験オーブンに入れた。オーブンの加熱プログラムを開始し、温度が40℃に達したときに1kgのせん断荷重を加えた。次いでオーブン温度を0.5℃/分で上昇させ、結合が壊れた温度(SAFT)を記録した。結合が壊れなかった場合、試験を200℃で自動的に終了し、その時点でオーブンの冷却を開始する。試料が200℃の温度で落下しなかった場合を非常に良好とみなした。110℃で落下した場合を良好とみなした。試料が40℃で落下した場合を不合格とした。
【0051】
本発明のホットメルトPSAは、好ましくは50時間を超える、より好ましくは100時間を超える剪断接着力を有する。剪断接着は、以下のように適合するProcedure Finat TM04に従い測定した。PET基材上のホットメルトPSAの被覆試料を、25×25mmの粗い鋼製パネル(Rocholl GmbH製)上に置いた。圧力を加えてパネルを15分間放置し、接着剤を確実に湿潤させた。次いで、1kgの荷重を加えることによってせん断接着力を測定した。その後、パネルを70℃の温度で試験できる状態にした。接着剤結合が壊れるまで時間を記録した。168時間後試験を終了した。168時間の場合を非常に良好とみなし、約100時間を良好とみなし、約50時間を許容可能であるとみなした。
【0052】
本発明のホットメルトPSAは、高い剥離接着力を有することが好ましい。Procedure Finat TM02に従い、標準ステンレス鋼パネルから特定の角度および速度で感圧テープを除去するのに必要な力として剥離接着力を測定した。
【0053】
さらなる態様において、本発明は、テープ、医療用テープまたは転写フィルムにおけるホットメルト感圧接着剤の使用を包含する。
【0054】
ホットメルトPSAの塗布は、ローラー、スロットオリフィス、スプレー、または押出コーティングのような任意の従来の手段を用いて達成することができる。基材の非限定的な例は、フィルム、テープ、シート、パネル、発泡体などであり、紙、布、プラスチック(ポリエステル、PE、PP、BOPP、およびPVC)、不織布、金属、箔、ガラス、天然ゴム、合成ゴム、木材、または合板などの材料から作製することができる。コーティングされた基材が自己巻回ロールの形態で使用される場合、基材の裏面は、基材の裏側に接着剤が付着するのを防止するために、通常、剥離コーティングで被覆される。基材の両面が接着剤で被覆され、圧延される場合、剥離紙または他の保護手段を一方の側の接着剤上に置いて、他方の側の接着剤に当該接着剤が付着するのを防止する。いくつかの用途においては、第2の基材に接着剤が直接適用され得る。
【0055】
本発明のホットメルトPSAは、限定されるものではないが、工業用テープおよび転写フィルムを含む接着製品の製造に有利に使用し得る。単面および両面テープ、ならびに裏付フィルムおよび裏なしフィルムが本発明に包含される。一実施形態においては、接着製品は、第1および第2の主表面を有する裏地材の少なくとも一方の主表面上に接着剤がコーティングされたものを含む。有用な裏地基材としては、発泡体、金属、紙、布、ならびにポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートおよびそれらの混合物などの様々なポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。接着剤は、裏地材の片面または両面に存在してもよい。接着剤が裏地材の両面にコーティングされる場合、当該接着剤コーティングは同じであっても異なっていてもよい。
【実施例】
【0056】
比較例C1〜C5および実施例I5a〜5f
典型的なHMPSA組成物を、以下のようにして、約100gのスケールで調製した。アクリルポリマーを溶融するまでオーブン中で130℃に加熱した。完全に混合した後、光開始剤をアクリルポリマーと混合した。次いで、増感剤を添加した。上記を完全に混合した後、不飽和オリゴマーを加えて混合した。混合工程で試料に大量の空気が混入した場合、真空デシケータに入れて封じ込められた空気を除去した。次いで、試料をシリコーン紙上に50gsm(グラム/平方メートル)の膜としてコーティングし、その後前記フィルムをポリエチレンテレフタレート(PET)の裏地紙〔Mylar(登録商標)、DuPont〕に積層した。他に定義されていない限り、試料はPhoseon UV−LED Firefly air(395nmの波長を有する8W出力により冷却され、power Puk deviceにより測定した際のUVA線量は1J/cm
2である)を用いて硬化した。試料をLED源の放射窓から3cmの距離に置き、3秒間硬化させた。
【0057】
SAFTおよびSHEARは、上述したとおり測定した。
【0058】
剥離接着力
実施例における剥離接着力は、テープの幅25mm当たりのニュートンで表した。用いた装置は、標準FINAT 2Kgゴム被覆ローラーと標準Instron引張試験機を備えていた。以下の手順を用いた:標準FINAT法に従い、ステンレス鋼パネル(Rocholl GmbH製)を洗浄した。ステンレス鋼パネルを使用する前に、水がステンレス鋼パネル上を滑らかに流れるまで、タップの下、試験パネルの長さに沿って400gritの防水性乾湿研磨紙を用いて研磨した。その後、水ですすぎ、乾燥させ、酢酸エチルで洗浄し、気候室内で少なくとも1時間調整した。
【0059】
試験するコーティングを、23℃±2℃および50%±5%相対湿度(RH)で24時間調整した。寸法25mm×175mmの試験片を切り出した。
各試験片から裏地紙を除去し、接着剤側を下にして、清浄した試験プレート上に軽い指圧で置いた後、標準2Kg FINAT試験ローラーを毎秒約10mmの速度で各方向に2回転がした。試験片を2分間に1個の割合で試験プレートに適用した後、第1試験片が20分または24時間経過するまで試験片放置した。
【0060】
Instronを、毎分300mmのクロスヘッド速度に設定した。テープの自由端を180°の角度で折り返し、Instronの上あごに固定した。パネルの端をInstronの下あごに固定した。次いで、試験片をパネルから剥がし、剥離力を25mm幅テープ当たりのニュートンで記録した。ステンレス鋼パネルを24時間湿潤した後、剥離強度を測定した。
【0061】
接着形態不良に対する結果は、以下のように分類した。
AF:接着不良またはきれいな剥離:試験片が、残留物を残すことなく試験プレートから分離される。
CF:凝集破壊:接着フィルムは凝集して分離し、試験片および試験プレート上に残留物が残る。
AT:接着剤転写:接着フィルムが試験プレート上に残り、PETフィルムからきれいに除去される。
【0062】
硬化したHMPSA組成物の特性を以下の表に示す。特に明記しない限り、量は重量%である。
【0063】
【表1】
【0064】
成分:
A−204、acResin A204、結合型PI基を有するアクリルポリマー、BASF製
A−260、acResin A260、結合型PI基を有するアクリルポリマー、BASF製
SR−355:不飽和オリゴマー、Sartomer製
SR−399:不飽和オリゴマー、Sartomer製
Irgacure 819:従来のフリーラジカル光開始剤、BASF製
Irgacure 250:ジアリールヨードニウム塩、従来のカチオン性光開始剤、BASF製
IHT 436:トリアリールスルホニウム塩、従来のカチオン性光開始剤、IHT製
Uvicure 2257:従来のカチオン光開始剤、Ney York Fine Chemicals製
SC−ITX:Speedcure ITX、増感剤、Lamsbon製
SC−DETX:Speedcure DETX、増感剤、Lamsbon製
【0065】
比較例C−1は、結合型PI基を有するアクリルポリマーの架橋が、PSA組成物に有利な特性を提供することができなかったことを示す。
比較例C−2により示されるように、結合型PI基を有するアクリルポリマーへの不飽和オリゴマーの添加は、架橋を実質的に改善しなかった。
比較例C−3により示されるように、HMPSA C−2への従来のフリーラジカル光開始剤の添加は、架橋を改善したが有意ではなかった。
比較例C−4は、従来のフリーラジカル光開始剤に増感剤を添加しても架橋が改善されないことを示している。
SAFTおよびSHEARに関する最良の接着性能は、従来のフリーラジカル光開始剤の代わりに従来のカチオン性光開始剤を増感剤と共に添加して使用した実施例I5により達成された。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
[1]a)少なくとも1つの共有結合型UV−反応性基を含むUV硬化性アクリルポリマー、ここで、前記少なくとも1つの共有結合型UV−反応性基はベンゾフェノンである、および、
b)カチオン性光開始剤
を含んでなるUV硬化性接着剤組成物。
[2]前記UV硬化性アクリルポリマーが、脂環式エポキシドおよびオキセタンから選択される共有結合型反応性官能基を本質的に含まない、[1]に記載の組成物。
[3]組成物の総重量に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.4〜0.7重量%のカチオン性光開始剤を含む、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]カチオン光開始剤が、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェニルスルホニウム塩、ジアルキル(ヒドロキシジアルキルフェニル)スルホニウム塩およびフェロセニウム塩からなる群から選択される、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜1.5重量%、最も好ましくは0.2〜0.6重量%の少なくとも1種の光増感剤をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]前記少なくとも1種の光増感剤が、2,4−ジエチル−9H−チオキサンテン−9−オン、2−イソプロピルチオキサントン、9,10−ジブトキシアントラセンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%の少なくとも1つの不飽和オリゴマーをさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]前記少なくとも1つの不飽和オリゴマーが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]組成物がホットメルト組成物である、[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載の組成物を硬化させる方法であって、
−前記組成物を基材上にコーティングすること;および、
−コーティングされた組成物を、200〜600nm、より好ましくは360〜410nmの範囲の波長を有する紫外線に暴露すること
を含む方法。
[11][1]〜[9]のいずれかに記載の組成物の硬化生成物を含むホットメルト感圧接着剤であって、前記組成物が基材上にコーティングされ、次いで200〜600nm、より好ましくは360〜410nmの範囲の波長の紫外線に暴露される、ホットメルト感圧接着剤。
[12]接着剤が、少なくとも1種の可塑剤をさらに含む、[11]に記載のホットメルト感圧接着剤。
[13]テープ、医療用テープ、ラベルまたは転写フィルムにおける、[11]または[12]に記載のホットメルト感圧接着剤の使用。