(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有機ケイ素系ポリマーは、前記金属粒子と前記セラミックス粒子の総体積に対して、0.0003倍〜1.75倍の体積範囲で含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の混合粒子。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0012】
以下において、混合粉末を成形したものを「成形体」、成形体を加熱して一体化させたものを「複合体」、被接合部材同士を接合させるための混合粉末、スラリーまたは/およびスラリー状のものを「接合材」、被接合部材同士間に接合材を挟み、加熱処理による接合前状態のものを「組立体」、組立体を加熱して接合したものを「接合体」と記す。
【0013】
(本発明による混合粒子について)
前述のように、セラミックス粒子と金属粒子とを相互に結合させる際には、予めセラミックス粒子の表面を改質して、金属粒子との結合性を高めるプロセスが必要となる。このようなセラミックス粒子の表面の改質を行うには、セラミックス粒子を、高温(1200℃超)かつ高圧(1MPa超)下で熱処理する必要がある。しかし、このような高温高圧下での熱処理を含むプロセスは、混合粒子の調製方法としてはあまり現実的ではない。
【0014】
これに対して、本発明では、セラミックス粒子、金属粒子、および有機ケイ素系ポリマーを用いることを特徴とする混合粒子が提供される。
【0015】
ここで、「有機ケイ素系ポリマー」とは、2次元もしくは3次元構造を有し、主鎖にSi−C−Si基またはSi−O−Si基を有する有機高分子の総称を意味する。すなわち、シロキサン系ポリマーやポリカルボシラン系ポリマー等が含まれる。
【0016】
このシロキサン系ポリマーは約430℃前後で、ポリカルボシラン系ポリマーは600℃以上で活性化する性質を有する。また、有機ケイ素系ポリマーは、活性化された際に、セラミックス材料と金属材料の接触界面で、ケイ素(Si)を含むガラス相を形成する性質を有する。このガラス相は、セラミックス材料および金属材料の何れの表面に対しても親和性を有するため、両者を結合する「接着材」として機能する(特許文献2、3)。
【0017】
本発明では、このセラミックス材料および金属材料をセラミックス粒子および金属粒子として、有機ケイ素系ポリマーとの混合粒子を作ることにより、加熱処理だけで、ケイ素(Si)を含むガラス相を介して、セラミックス粒子と金属粒子を適正に結合させることが可能となる。
【0018】
このように、本発明による混合粒子では、セラミックス粒子と金属粒子とを相互に結合させる際に、従来のように高温高圧下でのセラミックス粒子の表面改質処理を実施する必要がなくなり、より簡便かつ迅速に、両粒子を相互に結合させることができる。
【0019】
(本発明の一実施形態による混合粒子について)
次に、
図1および
図2を参照して、本発明の一実施形態による混合粒子について詳しく説明する。
【0020】
図1には、本発明の一実施形態による混合粒子(以下、「第1の混合粒子」と称する)の形態を概略的に示す。また、
図2には、第1の混合粒子の別の形態を示す。
【0021】
図1に示すように、この第1の混合粒子100は、セラミックス粒子110と、金属粒子120と、有機ケイ素系ポリマー130とを有する。セラミックス粒子110、金属粒子120、および有機ケイ素系ポリマー130は、第1の混合粒子100内で十分に混合され、均質に存在していることが好ましい。
【0022】
セラミックス粒子110は、アルミナ、ムライト、カルシア、ジルコニア、窒化ケイ素、および/または炭化ケイ素等で構成される。
【0023】
アルミナとしては、90wt%以上のアルミナを含む高純度アルミナを好適に用いることができる。窒化アルミニウムとしては、90wt%以上の窒化アルミニウムを含む高純度窒化アルミナを好適に用いることができる。窒化ケイ素としては、90wt%以上の窒化ケイ素を含む高純度窒化ケイ素を好適に用いることができる。
【0024】
セラミックス粒子110の結晶形態に特に制限はないが、アルミナとしては、αアルミナやγアルミナ等を好適に使用できる。
【0025】
セラミックス粒子110の平均最小寸法は、特に限られないが、0.01μm〜2000μmの範囲である。
【0026】
また、セラミックス粒子110の形状としては、球状、板状、棒状、または繊維状等が考えられる。なお、前記「平均最小寸法」は、セラミックス粒子110が球状の場合、直径の平均値を意味し、セラミックス粒子110が板状の場合、セラミックス粒子110の板厚の平均値を意味し、セラミックス粒子110が棒状または繊維状の場合、線径の平均値を意味する。
【0027】
金属粒子120は、アルミニウム、アルミニウム合金、ケイ素、および/またはケイ素合金等で構成される。
【0028】
金属粒子120の平均最小寸法は、1μm〜2000μmの範囲に絞られる。金属粒子120の平均最小寸法が2000μmを超えると、粒子同士の結合処理後に金属が過剰に残る可能性がある。
【0029】
また、金属粒子120の形状としては、球状、板状、棒状、または繊維状等が考えられる。なお、前記「平均最小寸法」は、金属粒子120が球状の場合、直径の平均値を意味し、金属粒子120が板状の場合、板厚の平均値を意味し、金属粒子120が棒状または繊維状の場合、線径の平均値を意味する。
【0030】
有機ケイ素系ポリマー130は、シロキサン系ポリマーまたはポリカルボシラン系ポリマーを好適に用いることが可能である。
【0031】
シロキサン系ポリマーは、主鎖として直鎖状のSi−O−Si基を有するポリマー、例えばポリメチルヒドロシロキサン(PMHS)およびポリメチルフェニルシロキサン(PMPhS)であれば良い。シロキサン系ポリマーには、主骨格として3次元構造のSi−O−Si基を有するシルセスキオキサン系ポリマー、例えばポリメチルシルセスキオキサン(PMSQ)およびポリフェニルシロキサン(PPSQ)等も含む。
【0032】
ポリカルボシラン系ポリマーは、主鎖として直鎖状のSi−C−Si基を有するポリマー、例えばポリカルボシラン(PCS)およびアリルヒドリドポリカルボシラン(AHPCS)等であれば良い。
【0033】
第1の混合粒子100において、有機ケイ素系ポリマー130の体積は、セラミックス粒子110と金属粒子120の総体積の0.0003倍〜1.75倍の範囲が好ましい。有機ケイ素系ポリマー130の体積がセラミックス粒子110と金属粒子120の総体積の0.0003倍を下回ると、生成されるガラス相の量が少なくなり、セラミックス粒子110と金属粒子120とを十分に結合することが難しくなる。また、有機ケイ素系ポリマー130の体積が、セラミックス粒子110と金属粒子120の総体積の1.75倍を超えると、第1の混合粒子100の使用時に排出される二酸化炭素やシラン等の分解ガスの量が増加し、接合不良(ボイド)等を起こす原因となる。
【0034】
このような第1の混合粒子100は、金属−セラミックス複合体(MMC)の製造に利用することができる。
【0035】
特に、金属−セラミックス複合体(MMC)の製造に利用する場合、第1の混合粒子100中の金属粒子120の含有量は、セラミックス粒子110と金属粒子120の総体積に対して、40vol%〜80vol%の範囲であることが好ましい。金属粒子120の量が40vol%を下回ると、セラミックス粒子110と結合される金属粒子120の量が過度に少なくなり、金属−セラミックス複合体(MMC)を製造することが難しくなる場合があるからである。また、金属粒子120の含有量が80vol%を超えると、金属粒子120と結合されるセラミックス粒子110の量が過度に少なくなり、この場合も、金属−セラミックス複合体(MMC)を得ることが難しくなる。
【0036】
また、第1の混合粒子100は、2つの部材を相互に接合する接合材として利用することも可能である。接合する形態としては、2つのセラミックス同士、金属同士または金属とセラミックスの板、棒、ワイヤー、線状のセラミックスまた金属を任意の面積同士で合わせる事を意味する。
【0037】
なお、この適用例の場合、第1の混合粒子100は、粉体としてではなく、流動性を有するスラリーの状態で、提供されることが好ましい。これにより、被接合部材の所定の箇所に、第1の混合粒子100を比較的容易に設置することが可能となる。
【0038】
ここで、
図1に示した例では、有機ケイ素系ポリマー130は、固体粉末状であり、セラミックス粒子110および金属粒子120とともに均質に混合されている。しかしながら、有機ケイ素系ポリマー130には、このような固体状のものに加えて、「液体状」のもの(流動性を有するものを含む)も使用できる。
【0039】
この場合、混合粒子は、概略的に
図2に示すような形態であれば良い。すなわち、混合粒子101において、有機ケイ素系ポリマー130は、セラミックス粒子110と金属粒子120の隙間を埋めるように配置される。換言すれば、セラミックス粒子110および金属粒子120は、液体状の有機ケイ素系ポリマー130中に分散された形態で存在しても良い。
【0040】
特に、
図2に示したような形態を有する混合粒子101は、2つの部材を相互に接合する接合材として利用する際に有意である。
【0041】
第1の混合粒子100は、セラミックス粒子110、金属粒子120、および有機ケイ素系ポリマー130の3者を、相互に十分に混合することにより、製造することができる。なお、この混合のプロセスは、通常、大気下かつ室温で実施される。
【0042】
一方、
図2に示したような形態を有する混合粒子101を製造する際の各材料の混合は、有機ケイ素系ポリマー130の粘度を下げるため、室温よりも高い温度条件(45℃〜400℃)下で実施される。
【0043】
(本発明の一実施形態による別の混合粒子について)
次に、
図3を参照して、本発明の一実施形態による別の混合粒子について説明する。
【0044】
図3には、本発明の一実施形態による別の混合粒子(以下、「第2の混合粒子」と称する)の形態を概略的に示す。この第2の混合粒子200は、セラミックス粒子210と、金属粒子220と、有機ケイ素系ポリマー230とを有する。セラミックス粒子210の全体が、有機ケイ素系ポリマー230でコーティングされている。換言すれば、第2の混合粒子200は、金属粒子220と、表面が有機ケイ素系ポリマー230でコーティングされたセラミックス粒子210とが混合された形態を有する。
【0045】
なお、第2の混合粒子200を構成する各成分のその他の仕様および特徴は、前述の第1の混合粒子100に関する記載が適用できるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0046】
このような形態の第2の混合粒子200では、前述の第1の混合粒子100に比べて、混合粒子中に含まれる有機ケイ素系ポリマー230の量を低減できる。このため、第2の混合粒子200を使用した場合、接合不良(ボイド)等を起こす原因となる二酸化炭素やシラン等の分解ガスの量を低減させ、加えて有機ケイ素系ポリマーの使用量を低減、つまりコストを抑制することができる。
【0047】
第2の混合粒子200では、有機ケイ素系ポリマー230の含有量は、2mmの平均直径を有するセラミックス粒子210を0.1μmの厚みで覆い尽くす場合のセラミックス粒子210の総体積の0.0003倍から、第1の混合粒子100の場合の最大値と同じ考え方でセラミックス粒子210の1.75倍の範囲とすることができる。
【0048】
一方、第2の混合粒子200において、金属粒子220の含有量は、前述の第1の混合粒子100の場合と同様に、セラミックス粒子210と金属粒子220の総体積に対して、40vol%〜80vol%の範囲であることが好ましい。
【0049】
なお、
図3に示した例では、有機ケイ素系ポリマー230は、それぞれのセラミックス粒子210の表面を覆うように配置される。しかしながら、これは単なる一例であって、有機ケイ素系ポリマー230は、複数のセラミックス粒子210からなる「凝集セラミックス粒子クラスター」の表面を覆うように配置されても良い。
【0050】
このような形態では、第2の混合粒子200中に含まれる有機ケイ素系ポリマー230の量を、よりいっそう低減することができる。
【0051】
図4には、第2の混合粒子200を製造する方法の一例(以下、「第1の製造方法」と称する)の概略的なフロー図を示す。第1の製造方法は、
金属粒子およびセラミックス粒子を準備するステップ(ステップS110)と、
セラミックス粒子の表面に、有機ケイ素系ポリマーをコーティングするステップ(ステップS120)と、
前記金属粒子と、前記有機ケイ素系ポリマーがコーティングされたセラミックス粒子とを混合するステップ(ステップS130)と、
を有する。
【0052】
以下、各ステップについて、詳しく説明する。なお、以下の説明では、明確化のため、各要素を表す際に、
図3に使用した参照符号を使用することにする。
【0053】
(ステップS110)
まず、セラミックス粒子210および金属粒子220が準備される。
【0054】
セラミックス粒子210としては、前述のように、アルミナ、ムライト、カルシア、ジルコニア、窒化ケイ素、および/または炭化ケイ素等が使用できる。
【0055】
また、金属粒子220としては、前述のように、アルミニウム、アルミニウム合金、ケイ素、および/またはケイ素合金等が使用できる。
【0056】
(ステップS120)
次に、セラミックス粒子210の表面に、有機ケイ素系ポリマー230がコーティングされる。
【0057】
有機ケイ素系ポリマー230のコーティング方法は、特に限られない。コーティング方法として、スプレードライ法、凍結乾燥法、および溶媒含浸法等を利用すれば良い。
【0058】
このうち、スプレードライ法では、適当な有機溶媒(トルエン、エタノール等)中に有機ケイ素系ポリマー230を添加し、処理液を調製する。この処理液を静置したセラミックス粒子210の表面に噴霧し、その後有機溶媒を加熱等により揮発させることにより、有機ケイ素系ポリマー230でコーティングされたセラミックス粒子210を得ることができる。噴霧する際、セラミックス粒子210はロータリーキルン等で動的な状態にしても良い。
【0059】
また、凍結乾燥法では、適当な有機溶媒(ベンゼン、シクロヘキサン等)中に有機ケイ素系ポリマー230を添加し、処理液を調製する。次に、この処理液中にセラミックス粒子210を浸漬させる。その後、セラミックス粒子210を浸漬した処理液を凍結させた後、液体窒素等で低温にした領域を有する真空ライン中に静置して有機溶媒を低温にした領域に凝集させることにより、有機ケイ素系ポリマー230でコーティングされたセラミックス粒子210を得ることができる。有機溶媒の揮発を高めることを目的とし、セラミックス粒子210はロータリーキルン等で動的な状態にしても良い。
【0060】
また、溶媒含浸法では、適当な有機溶媒(ベンゼン、シクロヘキサン等)中に有機ケイ素系ポリマー230を添加し、処理液を調製する。次に、この処理液中にセラミックス粒子210を浸漬させる。その後、有機溶媒を加熱等により揮発させることにより、有機ケイ素系ポリマー230でコーティングされたセラミックス粒子210を得ることができる。
【0061】
(ステップS130)
次に、金属粒子220と、有機ケイ素系ポリマー230でコーティングされたセラミックス粒子210とが十分に混合される。混合には回転ミル、エバポレーター、マグネチックスターラー等を使用すると良い。
【0062】
この混合ステップは、通常、大気下、室温で実施される。
【0063】
以上の工程により、
図3に示したような形態の第2の混合粒子200を製造することができる。
【0064】
なお、以上の製造方法の説明は、単なる一例であって、第2の混合粒子200はその他の方法で製造可能である。
図4に示した第1の製造方法では、ステップS110において、金属粒子220と、セラミックス粒子210とを準備してから、ステップS120で、セラミックス粒子210が有機ケイ素系ポリマー230によりコーティングされる。しかしながら、有機ケイ素系ポリマー230でコーティングされたセラミックス粒子210を調製してから、金属粒子220を準備する。その他にも、各種変更が可能である。
【0065】
(本発明の一実施形態によるさらに別の混合粒子について)
次に、
図5を参照して、本発明の一実施形態によるさらに別の混合粒子について説明する。
【0066】
図5には、本発明の一実施形態によるさらに別の混合粒子(以下、「第3の混合粒子」と称する)の形態を概略的に示す。
【0067】
図5に示すように、この第3の混合粒子300は、セラミックス粒子310と、金属粒子320と、有機ケイ素系ポリマー330とを有する。
【0068】
第3の混合粒子300では、金属粒子320の全体が、有機ケイ素系ポリマー330でコーティングされている。換言すれば、第3の混合粒子300は、セラミックス粒子310と、表面が有機ケイ素系ポリマー330でコーティングされた金属粒子320とが混合された形態を有する。
【0069】
なお、第3の混合粒子300を構成する各成分のその他の仕様および特徴は、前述の第1の混合粒子100に関する記載が適用できるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0070】
このような形態の第3の混合粒子300では、前述の第1の混合粒子100に比べて、混合粒子中に含まれる有機ケイ素系ポリマー330の量を低減できる。このため、第3の混合粒子300を使用した場合、接合不良(ボイド)等を起こす原因となる二酸化炭素やシラン等の分解ガスの量を低減させ、加えて有機ケイ素系ポリマーの使用量を低減、つまりコストを抑制することができる。
【0071】
第3の混合粒子300では、有機ケイ素系ポリマー330の含有量は、2mmの平均直径を有する金属粒子320を0.1ミクロンの厚みで覆い尽くす場合の金属粒子320の総体積の0.0003倍から、第1の混合粒子100の場合の最大値と同じ考え方で金属粒子320の総体積の1.75倍の範囲とすることができる。
【0072】
一方、第3の混合粒子300において、セラミックス粒子310の含有量は、前述の第1の混合粒子100の場合と同様に、セラミックス粒子310と金属粒子320の総体積に対して、40vol%〜80vol%の範囲であることが好ましい。
【0073】
なお、
図5に示した例では、有機ケイ素系ポリマー330は、それぞれの金属粒子320の表面を覆うように配置される。しかしながら、これは単なる一例であって、有機ケイ素系ポリマー330は、複数の金属粒子320からなる「凝集金属粒子クラスター」の表面を覆うように配置することもできる。
【0074】
このような形態では、第3の混合粒子300中に含まれる有機ケイ素系ポリマー330の量を、よりいっそう低減可能である。
【0075】
図6には、第3の混合粒子300を製造する方法の一例(以下、「第2の製造方法」と称する)の概略的なフロー図を示す。第2の製造方法は、
金属粒子およびセラミックス粒子を準備するステップ(ステップS210)と、
金属粒子の表面に、有機ケイ素系ポリマーをコーティングするステップ(ステップS220)と、
前記セラミックス粒子と、前記有機ケイ素系ポリマーがコーティングされた金属粒子とを混合するステップ(ステップS230)と、
を有する。
【0076】
以下、各ステップについて、詳しく説明する。なお、以下の説明では、明確化のため、各物を表す際に、
図5に使用した参照符号を使用することにする。
【0077】
(ステップS210)
まず、セラミックス粒子310および金属粒子320が準備される。
【0078】
セラミックス粒子310としては、前述のように、アルミナ、ムライト、カルシア、ジルコニア、窒化ケイ素、および/または炭化ケイ素等が使用できる。
【0079】
また、金属粒子320としては、前述のように、アルミニウム、アルミニウム合金、ケイ素、および/またはケイ素合金等が使用できる。
【0080】
(ステップS220)
次に、金属粒子320の表面に、有機ケイ素系ポリマー330がコーティングされる。
【0081】
有機ケイ素系ポリマー330のコーティング方法は、特に限られない。コーティング方法として、前述のような、スプレードライ法、凍結乾燥法、および溶媒含浸法等を利用すると良い。
【0082】
(ステップS230)
次に、セラミックス粒子310と、有機ケイ素系ポリマー330でコーティングされた金属粒子320とが十分に混合される。混合には、攪拌機等を使用すれば良い。
【0083】
この混合ステップは、通常、大気下、室温で実施される。
【0084】
以上の工程により、
図5に示したような形態の第3の混合粒子300を製造することができる。
【0085】
なお、以上の製造方法の説明は、単なる一例であって、第3の混合粒子300はその他の方法で製造されても良い。
【0086】
(本発明による混合粒子の使用例について)
次に、前述のような構成を有する本発明による混合粒子の使用例について説明する。なお、ここでは、一例として、前述の第1の混合粒子100を例に、その適用例について説明する。ただし、以下の記載が、混合粒子101、200および300等、本発明の他の混合粒子にも同様に適用できることは、当業者には明らかである。
【0087】
(金属−セラミックス複合体(MMC)の製造)
本発明による混合粒子は、金属−セラミックス複合体(MMC)の製造に利用することができる。
【0088】
図7には、本発明による混合粒子を使用して、金属−セラミックス複合体(MMC)を製造する方法(以下、「MMCの製造方法」と称する)のフローの一例を概略的に示す。
【0089】
図7に示すように、MMCの製造方法は、
第1の混合粒子を準備するステップ(ステップS710)と、
前記第1の混合粒子を成形して、成形体を形成するステップ(ステップS720)と、
前記成形体を熱処理するステップ(ステップS730)と、
を有する。
【0090】
以下、各ステップについて、詳しく説明する。
【0091】
(ステップS710)
まず、前述のような構成を有する第1の混合粒子100が準備される。
【0092】
前述のように、セラミックス粒子110の材料としては、アルミナ、ムライト、カルシア、ジルコニア、窒化ケイ素、および/または炭化ケイ素等が使用できる。金属粒子120の材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ケイ素、および/またはケイ素合金等が使用できる。また、有機ケイ素系ポリマー130としては、シロキサン系ポリマー、ポリカルボシラン系ポリマー等が使用できる。
【0093】
なお、金属−セラミックス複合体(MMC)を製造する場合、第1の混合粒子100中の金属粒子120の含有量は、セラミックス粒子110と金属粒子120の総体積に対して、40vol%〜80vol%の範囲であることが好ましい。金属粒子120の含有量が40vol%を下回ると、セラミックス粒子110と結合される金属粒子120の量が過度に少なくなり、金属−セラミックス複合体(MMC)を得ることが難しくなる。また、金属粒子120の含有量が80vol%を超えると、金属粒子120と結合されるセラミックス粒子110の量が過度に少なくなり、金属−セラミックス複合体(MMC)を得ることが難しくなる。
【0094】
また、第1の混合粒子100中の有機ケイ素系ポリマー130の体積は、セラミックス粒子110と金属粒子120の総体積に対して、0.0003倍〜1.75倍の範囲であることが好ましい。有機ケイ素系ポリマー130の含有量が0.0003倍を下回ると、次のステップS710において、セラミックス粒子110と金属粒子120との間で、結合が十分に生じないおそれがある。また、有機ケイ素系ポリマー130の体積が、セラミックス粒子110と金属粒子120の総体積の1.75倍を超えると、次のステップS710において、排出される二酸化炭素やシラン等の分解ガスの量が増加し、接合不良(ボイド)等を起こす原因となる。
【0095】
(ステップS720)
次に、ステップS710で準備した第1の混合粒子100を使用して、成形体が形成される。
【0096】
成形体の形成方法は、特に限られない。成形体は、圧粉成形法、または押出成形法等により形成することができる。また、成型後の成形体に対してさらに加圧し、形状を整えても良い。
【0097】
必要な場合、得られた成形体に対して、乾燥処理および/または予備熱処理を実施しても良い。これにより、成形体に含まれる揮発成分(有機ケイ素系ポリマー130を除く)が分解除去される。
【0098】
(ステップS730)
次に、ステップS720で得られた成形体が熱処理される。
【0099】
熱処理の実施により、第1の混合粒子100中の有機ケイ素系ポリマー130が活性化する。またこれにより、セラミックス粒子110と金属粒子120の接触界面で、ケイ素(Si)を含むガラス相が形成される。その結果、ガラス相を介して、セラミックス粒子110と金属粒子120とが相互に結合される。
【0100】
ここで、熱処理によって生成されるガラス相は、使用される金属粒子120の種類によって変化する。金属粒子120がアルミニウムを含む場合、ガラス相として、アルミノシリケートが形成される。また、金属粒子120がケイ素を含む場合、ガラス相として、シリカが形成される。
【0101】
熱処理の条件は、所望の金属−セラミックス複合体(MMC)を得ることができる限り、特に限られない。ただし、第1の混合粒子100中の有機ケイ素系ポリマー130の活性化温度(ガラス相が形成され始める温度)は、約430℃以上であるため、熱処理は、450℃以上の温度域で実施される必要がある。
【0102】
本複合体作製時の熱処理温度としては、450℃〜1500℃の範囲が望ましい。1500℃を超える場合は、ポリマーならびにポリマーから生成したガラス相が気化する恐れがある。
【0103】
シロキサン系ポリマーを130として用いる場合、シロキサン系ポリマーが最も活性になるのは約550〜650℃であり、特に600℃前後で実施されることが好ましい。ポリカルボシラン系ポリマーを130として用いる場合、ポリカルボシラン系ポリマーが最も活性になるのは600℃〜1200℃であり、特に800℃〜1000℃の範囲で実施されることが望ましい。
【0104】
熱処理の雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、および窒素などの不活性ガス雰囲気下、または真空雰囲気である。熱処理を大気または酸化性雰囲気下で実施した場合、有機ケイ素系ポリマー130が大気中の酸素によって酸化、分解されてしまい、有機ケイ素系ポリマー130をセラミックス粒子110と金属粒子120との結合に、有効に利用することが難しくなる。
【0105】
以上の工程により、金属−セラミックス複合体(MMC)を製造することができる。
【0106】
このような方法では、従来のような、高温高圧下でセラミックス粒子の表面改質処理を実施する必要がないため、より簡単なプロセスで、セラミックス粒子110と金属粒子120とを相互に結合させることができる。
【0107】
(2つの部材の接合)
本発明による混合粒子は、第1および第2の被接合部材を接合して接合体を得る際の接合材としても利用することができる。
【0108】
図8には、本発明による混合粒子を使用して、第1および第2の被接合部材を接合して接合体を得る方法(以下、「接合体の製造方法」と称する)のフローの一例を概略的に示す。
【0109】
図8に示すように、この接合体の製造方法は、
第1の混合粒子、ならびに第1および第2の被接合部材を準備するステップ(ステップS810)と、
少なくとも一方の被接合部材の接合部分に、第1の混合粒子を含む層を設置するステップ(ステップS820)と、
前記第1および第2の被接合部材を、前記層を介在させた状態で合わせて組立体を構成するステップ(ステップS830)と、
前記組立体を熱処理して、第1および第2の被接合部材を接合させるステップ(ステップS840)と、
を有する。
【0110】
以下、各ステップについて、詳しく説明する。
【0111】
(ステップS810)
まず、相互に接合される第1および第2の被接合部材が準備される。また、第1の混合粒子100が準備される。
【0112】
第1および第2の被接合部材は、各々又は双方がセラミックス部材または金属部材である。
【0113】
セラミックス部材としては、アルミナ、ムライト、カルシア、ジルコニア、窒化ケイ素、および/または炭化ケイ素等が挙げられる。また、金属部材としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ケイ素、およびケイ素合金等が挙げられる。
【0114】
第1の被接合部材の形状は、特に限られず、第1の被接合部材は、棒状、板状、ディスク状、ブロック状、またはより複雑な形状であれば良い。第2の被接合部材の形状についても同様である。なお、第1の被接合部材と第2の被接合部材は、相互に異なる形状であっても良い。
【0115】
第1の混合粒子100としては、前述のMMCの製造方法に関して説明したものと同じものが使用され得る。ただし、この接合体の製造方法において使用される第1の混合粒子100の組成は、特に限られない。すなわち、この接合体の製造方法においては、第1の混合粒子100は、2つの被接合部材を適正に接合することができる限り、いかなる組成を有しても良い。
【0116】
なお、被接合部材への設置を容易に行うため、第1の混合粒子100は、流動性を有するスラリーまたはペーストとして提供されることが好ましい。この場合、第1の混合粒子100は、水、アルコール、トルエン、シクロヘキサン、ベンゼン等の溶媒中に分散された状態で使用される。
【0117】
また、第1の混合粒子100をペーストとして提供する場合、そのようなペーストは、
エバポレーター、マグネチックスターラー等により調製することができる。
【0118】
あるいは、混合粒子として、前述のような、「液体状」の混合粒子101を使用しても良い。混合粒子101において、有機ケイ素系ポリマー130として、粘性の高い液体高分子を使用した場合、混合粒子101自身が流動性を有するようになり、被接合部材への設置が容易になる。
【0119】
(ステップS820)
次に、第1および第2の被接合部材のうちの少なくとも一方の接合面に対して、第1の混合粒子100が層状に設置される。
【0120】
設置の方法は、特に限られない。第1の混合粒子100は、塗布法、スプレー法、スピンコート、シート貼付法、ディッピング等により、被接合部材の接合面に設置されても良い。
【0121】
(ステップS830)
次に、第1の被接合部材と第2の被接合部材とが、第1の混合粒子100を含む層を介して、相互に重ね合わされる。これにより、組立体が構成される。
【0122】
なお、第1の混合粒子100がスラリー等の形態で提供されている場合、組立体を構成した後、次工程のステップS840の前に予備熱処理を実施して、溶媒を気化させても良い。
【0123】
(ステップS840)
次に、ステップS830で構成された組立体が、熱処理される。
【0124】
熱処理の実施により、第1の混合粒子100中の有機ケイ素系ポリマー130が活性化する。またこれにより、セラミックス粒子110と金属粒子120の接触界面で、ケイ素(Si)を含むガラス相が形成される。その結果、ガラス相を介して、第1の混合粒子100中のセラミックス粒子110と金属粒子120とが相互に結合され、第1の被接合部材と第2の被接合部材との界面に、接合層が形成される。
【0125】
さらに、接合層に含まれるガラス相により、第1の被接合部材と第2の被接合部材とが相互に接合される。
【0126】
ここで、熱処理によって生成されるガラス相は、使用される金属粒子120の種類によって変化する。金属粒子120がアルミニウムを含む場合、ガラス相として、アルミノシリケートが形成される。また、金属粒子120がケイ素を含む場合、ガラス相として、シリカが形成される。
【0127】
熱処理の条件は、第1および第2の被接合部材を適正に接合することができる限り、特に限られない。
【0128】
ただし、第1の混合粒子100中の有機ケイ素系ポリマー130の活性化温度は、約430℃以上であるため、熱処理は、450℃以上の温度域で実施される必要がある。
【0129】
本複合体作製時の熱処理温度としては、450℃〜1500℃の範囲が望ましい。1500℃を超える場合は、ポリマーならびにポリマーから生成したガラス相が気化する恐れがある。
【0130】
シロキサン系ポリマーを130として用いる場合、シロキサン系ポリマーが最も活性になるのは約550〜650℃であり、特に600℃前後で実施されることが好ましい。ポリカルボシラン系ポリマーを130として用いる場合、ポリカルボシラン系ポリマーが最も活性になるのは600℃〜1200℃であり、特に800℃〜1000℃の範囲で実施されることが望ましい。
【0131】
熱処理の雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、および窒素などの不活性ガス雰囲気下、または真空雰囲気である。熱処理を大気または酸化性雰囲気下で実施した場合、有機ケイ素系ポリマー130が大気中の酸素によって酸化、分解されてしまい、有機ケイ素系ポリマー130をセラミックス粒子110と金属粒子120との結合に、有効に利用することが難しくなる。
【0132】
以上の工程により、接合層を介して2つの被接合部材が接合された接合体を製造することができる。
【実施例】
【0133】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0134】
(実施例1)
平均粒径が12μmのアルミナ粉末(AS−40:昭和電工社製)3.95gと、平均粒径が3μmのアルミニウム粉末(#800F:ミナルコ社製)10.96gと、ポリメチルフェニルシロキサン(KF−54:信越化学社製)1.3gとを、トルエン溶媒中に添加して、十分に混合した。なお、この配合比では、計算上、アルミニウム粉末は、該アルミニウム粉末とアルミナ粉末の総体積に対して、80vol%含まれ、ポリメチルフェニルシロキサンは、アルミニウム粉末とアルミナ粉末の総体積の約0.01倍含まれる。
【0135】
得られた混合液を加熱して溶媒を蒸発させ、混合粒子を得た。次に、この混合粒子を直径10mmのペレット状に圧粉して成形体を調製した。さらに、この成形体を、アルゴン雰囲気下、600℃で1時間熱処理した。
【0136】
これにより、アルミニウムとアルミナの複合体(実施例1に係る複合体)が得られた。
【0137】
なお、成形体の熱処理の温度を450℃〜600℃の範囲で変化させ、同様の実験を実施した。その結果、何れの熱処理温度においても、ほぼ同様の複合体が製造できた。
【0138】
図9には、実施例1に係る複合体のX線回折分析の結果を示す。
図9から明らかなように、X線回折分析の結果、アルミニウム、アルミナ、およびアルミノシリケートの回折ピークがそれぞれ観測された。
【0139】
図10には、実施例1に係る複合体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図10から、実施例1に係る複合体において、アルミナ粒子とアルミニウム粒子は、相互に良好に結合されていることがわかる。また、アルミナ粒子とアルミニウム粒子の界面での元素分析の結果、この場所には、ケイ素が存在していることが確認された。X線回折分析の結果から、このケイ素は、アルミノシリケートであると予想される。
【0140】
さらに、複数の成形体または/および組立体を組み合わせて、更なる大型の複合体または/および接合体を作ることもできる。
【0141】
(実施例2)
平均粒径が3μmのアルミニウム粉末(#800F:ミナルコ社製)10.96gと、ポリメチルフェニルシロキサン(KF−54:信越化学社製)7.5gとを、トルエン溶媒中に添加して、十分に混合した。得られた混合液を加熱して溶媒を蒸発させ、ポリメチルフェニルシロキサンでコーティングされたアルミニウム粉末を得た。
【0142】
次に、このアルミニウム粉末と、平均粒径が12μmのアルミナ粉末(AS−40:昭和電工社製)3.95gとを混合し、混合粉末を調製した。
【0143】
なお、この実施例2では、計算上、アルミニウム粉末は、該アルミニウム粉末とアルミナ粉末の総体積に対して、80vol%含まれ、ポリメチルフェニルシロキサンは、アルミニウム粉末とアルミナ粉末の総体積の約1.75倍含まれる。
【0144】
得られた混合粉末を直径10mmのペレット状に圧粉して成形体を調製した。さらに、この成形体を、アルゴン雰囲気下、600℃で1時間熱処理した。
【0145】
これにより、アルミニウムとアルミナの複合体(実施例2に係る複合体)が得られた。
【0146】
なお、成形体の熱処理の温度を450℃〜600℃の範囲で変化させ、同様の実験を実施した。その結果、何れの熱処理温度においても、ほぼ同様の複合体が製造できた。
【0147】
図11には、実施例2に係る複合体のX線回折分析の結果を示す。
図11から明らかなように、X線回折分析の結果、アルミニウム、アルミナ、およびアルミノシリケートの回折ピークがそれぞれ観測された。
【0148】
図12には、実施例2に係る複合体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図12から、実施例2に係る複合体において、アルミナ粒子とアルミニウム粒子は、相互に良好に結合されていることがわかる。
【0149】
以下の表1には、アルミナ粒子とアルミニウム粒子の界面(
図12の丸印位置)での元素分析の結果を示す。
【0150】
【表1】
【0151】
表1から、この界面には、ケイ素が存在していることが確認された。
【0152】
さらに、複数の成形体または/および組立体を組み合わせて、更なる大型の複合体または/および接合体を作ることもできる。
【0153】
(実施例3)
平均粒径が12μmのアルミナ粉末(AS−40:昭和電工社製)11.85gと、平均粒径が3μmのアルミニウム粉末(#800F:ミナルコ社製)5.4gと、ポリメチルフェニルシロキサン(KF−54:信越化学社製)0.8gとを、トルエン溶媒中に添加して、十分に混合した。なお、この配合比では、計算上、アルミニウム粉末は、該アルミニウム粉末とアルミナ粉末の総体積に対して、40vol%含まれ、ポリメチルフェニルシロキサンは、アルミニウム粉末とアルミナ粉末の総体積の約0.03倍含まれる。
【0154】
得られた混合液を加熱して溶媒を蒸発させ、混合粒子を得た。次に、この混合粒子を直径15mmのペレット状に圧粉して成形体を調製した。さらに、この成形体を、アルゴン雰囲気下、600℃で1時間熱処理した。
【0155】
これにより、アルミニウムとアルミナの複合体(実施例3に係る複合体)が得られた。
【0156】
図13に、実施例3に係る複合体の写真を示す。
【0157】
なお、成形体の熱処理の温度を450℃〜600℃の範囲で変化させ、同様の実験を実施した。その結果、何れの熱処理温度においても、ほぼ同様の複合体が製造できた。
【0158】
実施例3に係る複合体のX線回折分析の結果、アルミニウム、アルミナ、およびアルミノシリケートの回折ピークがそれぞれ観測された。
【0159】
また、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察の結果、実施例3に係る複合体において、アルミナ粒子とアルミニウム粒子は、相互に良好に結合されていることがわかった。また、アルミナ粒子とアルミニウム粒子の界面での元素分析の結果、この場所には、ケイ素が存在していることが確認された。X線回折分析の結果から、このケイ素は、アルミノシリケートであると予想される。
【0160】
さらに、複数の成形体または/および組立体を組み合わせて、更なる大型の複合体または/および接合体を作ることもできる。
【0161】
このように、本発明の一実施形態による混合粉末を使用した場合、比較的簡単なプロセスで、金属−セラミックス複合体(MMC)を製造できることが確認された。