(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6812098
(24)【登録日】2020年12月18日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】小麦の製粉方法、小麦粉砕率測定装置及び小麦製粉装置
(51)【国際特許分類】
B02B 3/04 20060101AFI20201228BHJP
B02C 4/38 20060101ALI20201228BHJP
B02C 4/06 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
B02B3/04 104
B02C4/38
B02C4/06 Z
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-223621(P2015-223621)
(22)【出願日】2015年11月16日
(65)【公開番号】特開2017-87179(P2017-87179A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】301049777
【氏名又は名称】日清製粉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 保
(72)【発明者】
【氏名】酒井 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】保阪 亜祐実
(72)【発明者】
【氏名】▲すけ▼川 英幸
【審査官】
小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭64−067263(JP,A)
【文献】
特開平03−178348(JP,A)
【文献】
特開平05−066190(JP,A)
【文献】
特開平10−314605(JP,A)
【文献】
特表2011−526538(JP,A)
【文献】
特開昭62−213853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00− 7/02
B02C 1/00−11/08
B02C15/00−17/24
B02C19/00−25/00
B07B 1/00−15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦を製粉して小麦粉を作る小麦の製粉方法において、
一対の粉砕ロール及び前記一対の粉砕ロールの間隙を調整する間隙調整部を備える第1ロール式粉砕機の上流に設置された第1流量測定装置により前記第1ロール式粉砕機に流入するストックの流量を測定する第1流量測定工程と、
前記第1ロール式粉砕機の下流に設置されたシフタにより前記第1ロール式粉砕機で粉砕された前記ストックを前記ストックの粒度に従って複数の区画に分級する分級工程と、
前記分級工程により分級され前記シフタから流出する前記ストックのうち一番粗い区画の流量を、前記シフタの下流に配置される流路切換部により、前記流路切換部の下流に設置される第2ロール式粉砕機側の流路から第2流量測定装置の流路に切り換えた後、第2流量測定装置により測定する第2流量測定工程と、
前記第1流量測定工程と前記第2流量測定工程において測定された前記ストックの流量を制御部において取得する流量取得工程と、
前記流量取得工程において取得した前記ストックの流量の比が所定の値になるように、前記制御部が前記間隙調整部に対して制御信号を出力する制御信号出力工程と、
前記制御信号に基づいて前記間隙調整部より前記一対の粉砕ロールの間隙を調整する間隙調整工程と
を含むことを特徴とする小麦の製粉方法。
【請求項2】
前記第1ロール式粉砕機は、ブレーキロールであることを特徴とする請求項1記載の小麦の製粉方法。
【請求項3】
前記ブレーキロールは、1Bロールであることを特徴とする請求項2記載の小麦の製粉方法。
【請求項4】
ストックを投入する投入部と、
前記投入部の下流に配置され前記投入部から投入された前記ストックの流量を測定する第1流量測定装置と、
前記第1流量測定装置の下流に配置され、一対の粉砕ロール及び前記一対の粉砕ロールの間隙を調整する間隙調整部を備え、投入された前記ストックを粉砕する第1ロール式粉砕機と、
前記第1ロール式粉砕機の下流に設置され前記第1ロール式粉砕機で粉砕された前記ストックを前記ストックの粒度に従って複数の区画に分級するシフタと、
前記シフタの下流に配置される流路切換部により、前記流路切換部の下流に設置される第2ロール式粉砕機側の流路から切り換えられる流路に配置され、前記シフタで分級された複数の区画のうち一番粗い区画の流量を測定する第2流量測定装置と、
前記第1流量測定装置と前記第2流量測定装置における測定結果に基づいて前記シフタから流出する前記ストックの粉砕率を算出する算出部と、
前記算出部により算出された前記粉砕率を表示する表示部と
を備えることを特徴とする小麦粉砕率測定装置。
【請求項5】
前記第1ロール式粉砕機は、ブレーキロールであることを特徴とする請求項4記載の小麦粉砕率測定装置。
【請求項6】
前記ブレーキロールは、1Bロールであることを特徴とする請求項5記載の小麦粉砕率測定装置。
【請求項7】
ストックを投入する投入部と、
前記投入部の下流に配置され前記投入部から投入された前記ストックの流量を測定する第1流量測定装置と、
前記第1流量測定装置の下流に配置され、一対の粉砕ロール及び前記一対の粉砕ロールの間隙を調整する間隙調整部を備え、投入された前記ストックを粉砕する第1ロール式粉砕機と、
前記第1ロール式粉砕機の下流に設置され前記第1ロール式粉砕機で粉砕された前記ストックを前記ストックの粒度に従って複数の区画に分級するシフタと、
前記シフタの下流に配置される流路切換部により、前記流路切換部の下流に設置される第2ロール式粉砕機側の流路から切り換えられる流路に配置され、前記シフタで分級された複数の区画のうち一番粗い区画の流量を測定する第2流量測定装置と、
前記シフタで前記ストックを前記複数の区画に分級する際の、それぞれの区画の流量比の目標値である目標ストック流量比を入力する入力部と、
前記第1流量測定装置と前記第2流量測定装置における測定結果に基づいて、前記シフタから流出する前記ストックが前記目標ストック流量比となるように前記間隙調整部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする小麦製粉装置。
【請求項8】
前記第1ロール式粉砕機は、ブレーキロールであることを特徴とする請求項7記載の小麦製粉装置。
【請求項9】
前記ブレーキロールは、1Bロールであることを特徴とする請求項8記載の小麦製粉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦の製粉方法、小麦粉砕率測定装置及び小麦製粉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小麦を製粉して小麦粉を作る製粉工程における小麦を挽く工程である挽砕工程においては、ロール式粉砕機により小麦の粉砕が行われる。このロール式粉砕機による粉砕においては、小麦および小麦粉砕物であるストックの粉砕率を所定の一定の値に保つことが要求されている。特に小麦を最初に粉砕する1Bのロール式粉砕機による粉砕率は、製造される小麦粉の品質に大きな影響を与えることから重要な製造管理事項となっている。なお、ストックの粉砕を行うロール式粉砕機は、特許文献1などに開示されている。
【0003】
したがって、従来は作業員がロール式粉砕機により粉砕されたストックの回収を行い、篩にかけてストックを粗粉と微粉に分けて粉砕率を求め、この粉砕率に基づいて、ストックの粉砕率が所定の一定の値になるように手動によりロール式粉砕機のロール間隙を調整していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−500084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、作業員が粉砕されたストックの回収を行い、篩にかけ粉砕率を求め、この粉砕率に基づいて手動によりロール式粉砕機のロール間隙を調整する場合には、作業員の作業負荷が大きくなり、ロール間隙の調整を頻繁に行うことは困難であった。また、作業員ごとにロール間隙の調整精度にばらつきが生じるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、小麦の製粉工程で用いられるロール式粉砕機のロール間隙の調整の負荷の軽減を図り、高精度でロール間隙の調整を行うことができる小麦の製粉方法、小麦粉砕率測定装置及び小麦製粉装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の小麦の製粉方法は、小麦を製粉して小麦粉を作る小麦の製粉方法において、一対の粉砕ロール及び前記一対の粉砕ロールの間隙を調整する間隙調整部を備えるロール式粉砕機の上流に設置された第1流量測定装置により前記ロール式粉砕機に流入するストックの流量を測定する第1流量測定工程と、前記ロール式粉砕機の下流に設置されたシフタにより前記ロール式粉砕機で粉砕された前記ストックを前記ストックの粒度に従って複数の区画に分級する分級工程と、前記シフタから流出する前記ストックのうち
一番粗い区画の流量を第2流量測定装置により測定する第2流量測定工程と、前記第1流量測定工程と前記第2流量測定工程において測定された前記ストックの流量を制御部において取得する流量取得工程と、前記流量取得工程において取得した前記ストックの流量の比が所定の値になるように、前記制御部が前記間隙調整部に対して制御信号を出力する制御信号出力工程と、前記制御信号に基づいて前記間隙調整部より前記一対の粉砕ロールの間隙を調整する間隙調整工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
また本発明の小麦の製粉方法は、前記ロール機がブレーキロールであることを特徴とする。
【0009】
また本発明の小麦の製粉方法は、前記ブレーキロールが1Bロールであることを特徴とする。
【0010】
本発明の小麦粉砕率測定装置は、ストックを投入する投入部と、前記投入部の下流に配置され前記投入部から投入された前記ストックの流量を測定する第1流量測定装置と、前記第1流量測定装置の下流に配置され、一対の粉砕ロール及び前記一対の粉砕ロールの間隙を調整する間隙調整部を備え、投入された前記ストックを粉砕するロール式粉砕機と、前記ロール式粉砕機の下流に設置され前記ロール式粉砕機で粉砕された前記ストックを前記ストックの粒度に従って複数の区画に分級するシフタと、前記シフタで分級された複数の区画のうち
一番粗い区画の流量を測定する第2流量測定装置と、前記第1流量測定装置と前記第2流量測定装置における測定結果に基づいて前記シフタから流出する前記ストックの粉砕率を算出する算出部と、前記算出部により算出された前記粉砕率を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また本発明の小麦粉砕率測定装置は、前記ロール機がブレーキロールであることを特徴とする。
【0012】
また本発明の小麦粉砕率測定装置は、前記ブレーキロールが1Bロールであることを特徴とする。
【0013】
本発明の小麦製粉装置は、ストックを投入する投入部と、前記投入部の下流に配置され前記投入部から投入された前記ストックの流量を測定する第1流量測定装置と、前記第1流量測定装置の下流に配置され、一対の粉砕ロール及び前記一対の粉砕ロールの間隙を調整する間隙調整部を備え、投入された前記ストックを粉砕するロール式粉砕機と、前記ロール式粉砕機の下流に設置され前記ロール式粉砕機で粉砕された前記ストックを前記ストックの粒度に従って複数の区画に分級するシフタと、前記シフタで分級された複数の区画のうち
一番粗い区画の流量を測定する第2流量測定装置と、前記シフタで前記ストックを前記複数の区画に分級する際の、それぞれの区画の流量比の目標値である目標ストック流量比を入力する入力部と、前記第1流量測定装置と前記第2流量測定装置における測定結果に基づいて、前記シフタから流出する前記ストックが前記目標ストック流量比となるように前記間隙調整部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また本発明の小麦製粉装置は、前記ロール機がブレーキロールであることを特徴とする。
【0015】
また本発明の小麦製粉装置は、前記ブレーキロールが1Bロールであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小麦の製粉工程で用いられるロール式粉砕機のロール間隙の調整の負荷の軽減を図り、高精度でロール間隙の調整を行うことができる小麦の製粉方法、小麦粉砕率測定装置及び小麦製粉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態に係る小麦製粉装置を部分的に示す図である。
【
図2】実施の形態に係る小麦製粉装置のシステム構成を部分的に示す図である。
【
図3】実施の形態に係る1Bのロール式粉砕機の構成を示す図である。
【
図4】実施の形態に係る小麦製粉装置における製粉工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、実施の形態に係る小麦製粉装置を用いた小麦の製粉について説明する。なお小麦の製粉においては、小麦及び小麦粉砕物をストックという。
【0019】
図1は、実施の形態に係る小麦製粉装置を部分的に示す図である。小麦製粉装置2は、精選した小麦を投入する投入部4を備えている。投入部4の下流には、投入部4から投入された小麦の流路を1Bのロール式粉砕機(小麦を製粉する工程において、複数台あるロール式粉砕機のうち最上流にあるロール式粉砕機)8側の流路と、小麦の投入量を計測する第1流量測定装置10側の流路とに切換える第1流路切換部6が配置されている。
【0020】
図2は、実施の形態に係る1Bのロール式粉砕機8の構成を示す図である。1Bのロール式粉砕機8は、ロール面に所定形状の歯が形成された一対の目立てロール8a,8bを有するロール式粉砕機である。また後述の制御部30(
図3参照)からの制御信号に基づいて、一対のロール8a,8bの間隙を調整する間隙調整部9を備えている。また第1流量測定装置10には、落下する粉体を検出板に当てその力を流量に変換するインパクトライン流量計や、ホッパーに投入された粉体の重さを流量に変換するホッパー式流量計などが用いられる。
【0021】
1Bのロール式粉砕機8の下流には、1Bのロール式粉砕機8で粉砕された小麦の粉砕物であるストックの粒度に従ってストックを複数の区画に分級するシフタ12が配置されている。シフタ12は、4つの篩枠(12a〜12d)が積み重ねられ、それぞれの篩枠には、篩枠ごとに所定の番手の篩が所定枚数張られている。この篩枠(12a〜12d)を水平面内において円運動させることにより、ストックを複数の区画に分級する。
【0022】
シフタ12の下流には、篩枠12aで篩い分けられ、オーバーしたストックを2Bのロール式粉砕機(複数台あるロール式粉砕機のうち1Bのロール式粉砕機8の次にあるロール式粉砕機)20側の流路と、ストックの流入量を計測する第2流量測定装置22側の流路とに切換える第2流路切換部18が配置されている。ここで2Bのロール式粉砕機20は、1Bのロール式粉砕機8と同様にロール面に所定形状の歯が形成された一対の目立てロールを有するロール式粉砕機である。また第2流量測定装置22には、第1流量測定装置10と同様にインパクトライン流量計や、ホッパー式流量計などが用いられる。
【0023】
2Bのロール式粉砕機20の下流には、2Bのロール式粉砕機20で粉砕されたストックの粒度に従ってストックを複数の区画に分級するシフタ24が配置されている。シフタ24は、シフタ12と同様に4つの篩枠(24a〜24d)が積み重ねられ、それぞれの篩枠には、篩枠ごとに所定の番手の篩が所定枚数張られている。この篩枠(24a〜24d)を水平面内において円運動させることにより、ストックを複数の区画に分級する。
【0024】
図3は、実施の形態に係る小麦製粉装置のシステム構成の一部を示す図である。小麦製粉装置2は、装置の全体を統括的に制御する制御部30を備えている。制御部30には、シフタ4でストックを複数の区画に分級する際の、それぞれの区画の流量比の目標値である目標ストック流量比を入力する入力部31が接続されている。また、制御部30で算出されたストックの粉砕率を表示する表示部32が接続されている。更に、間隙調整部9、第1流量計測装置10、第2流量計測装置22、第1流路切換部6及び第2流路切換部18が接続されている。
【0025】
図4は、実施の形態に係る小麦製粉装置2を用いて小麦を製粉する製粉方法を示すフローチャートである。小麦の製粉を行う場合には、まず、作業員は入力部31からシフタ12でストックを複数の区画に分級する際の、それぞれの区画の流量比の目標値である目標ストック流量比を入力する。そして小麦を投入口4から投入する。投入された小麦は、第1流路切換部6を介して1Bのロール式粉砕機8側の流路に供給され、1Bのロール式粉砕機8において粉砕される。1Bのロール式粉砕機8において粉砕された小麦は、シフタ12においてストックの粒度に従って複数の区画に分級される。
【0026】
ここでシフタ12の篩枠12aで篩い分けられオーバーしたストックは、第2流路切換部18を介して2Bのロール式粉砕機20に供給され、2Bのロール式粉砕機20において粉砕される。2Bのロール式粉砕機20において粉砕されたストックは、シフタ24においてストックの粒度に従って複数の区画に分級される。なおシフタ12の篩枠12b〜12dで篩い分けられたストック、シフタ24の篩枠24a〜24dで篩い分けられたストックは、ストックの粒度に応じて、それぞれ下流側に位置する次工程の処理を実施する装置(図示せず)に供給される。
【0027】
制御部30は、所定の時間間隔で1Bのロール式粉砕機8に流入する小麦の流量と、2Bのロール式粉砕機20に流入するストックの流量を測定する。即ち制御部30は、第1流路切換部6に対して制御信号を出力し、投入部6から投入された小麦の流路を
所定時間、第1流量測定装置10側に切換えて、第1流量測定装置10により小麦の流量の測定を行う(ステップS11)。また制御部30は、第2流路切換部18に対して制御信号を出力し、シフタ12の篩枠12aで篩い分けられオーバーしたストックの流路を所定時間、第2流量測定装置22側に切換えて、第2流量測定装置22によりストックの流量の測定を行う(ステップS12)。
【0028】
制御部30は、第1流量測定装置10により測定された小麦の流量と、第2流量測定装置22により測定されたストックの流量を取得し、ストックの粉砕率を算出する(ステップS13)。即ち粉砕率は、
粉砕率=1−(第2流量測定装置22により測定されたストックの流量)/(第1流量測定装置10により測定された小麦の流量)
により算出される。そして制御部30は、算出された粉砕率を、表示部32に表示する(ステップS14)。
【0029】
制御部30は、第1流量測定装置10と第2流量測定装置22における測定結果に基づいて、シフタ12から流出するストックが、入力部31から入力された目標ストック流量比となるようにするための、1Bのロール式粉砕機8の一対の粉砕ロール8a,8bのロール間隙の調整値を算出する(ステップS15)。即ち、シフタ12でストックを複数の区画に分級する際に、それぞれの区画の流量比が目標ストック流量比となるようにするためのロール間隙の調整値を算出する。
【0030】
制御部30は、間隙調整部9に対して、ロール間隙の調整値に基づく制御信号を出力する。間隙調整部9は、ロール間隙の調整値に基づき一対の粉砕ロール8a,8bの間隙を調整する(ステップS16)。
【0031】
この実施の形態に係る小麦製粉装置によれば、作業員の負担を増大させることなく一定時間間隔で繰り返しロール式粉砕機のロール間隙の調整を行うことができることから、製造される小麦粉を高品質なものとすることができる。また作業員ごとにロール間隙の調整精度にばらつきが生じるという問題も解消することができる。
【0032】
なお上述の実施の形態においては、1Bのロール式粉砕機8の上流に第1流量測定装置10を配置し、1Bのロール式粉砕機8の下流に第2流量測定装置22を配置して、第1流量測定装置10及び第2流量測定装置22の測定結果に基づいて、シフタ12から流出するストックが、入力部31から入力された目標ストック流量比となるように1Bのロール式粉砕機8の一対のロール8a,8bの間隙の調整を行っているが、小麦製粉装置に含まれるロール式粉砕機の上流に第1流量測定装置を配置し、そのロール式粉砕機の下流に第2流量測定装置を配置して、第1流量測定装置及び第2流量測定装置の測定結果に基づいて、そのロール式粉砕機の一対のロールの間隙の調整を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
2…小麦製粉装置、4…投入部、6…第1流路切換部、8…1Bのロール式粉砕機、8a,8b…ロール、9…間隙調整部、10…第1流量測定装置、12…シフタ、18…第2流路切換部、22…第2流量測定装置、24…シフタ、30…制御部、31…入力部、32…表示部