(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記欠陥サイトが反復するセルのアレイにあると示されており、前記欠陥サイトから参照サイトへの移動が、前記参照サイトが、隣接するセル内の前記欠陥サイトに対応する位置にあるように、一次電子ビームを一方向へセル寸法だけ偏向することによって実行される、請求項2に記載の方法。
前記欠陥性ダイから前記参照ダイへの移動が、前記SEMの視野を前記欠陥性ダイ上の前記欠陥サイトから前記隣接するダイの前記参照サイトへ動かすように、前記ターゲット基板を保持しているステージの並進によって実行される、請求項4に記載の方法。
前記欠陥サイトが反復するセルのアレイにあると示されており、前記欠陥サイトから参照サイトへ移動する指示が、一次電子ビームを一方向へセル寸法だけ偏向する指示を包含する、請求項9に記載の装置。
前記欠陥性ダイから前記参照ダイへ移動する指示が、SEMの視野を前記欠陥性ダイ上の前記欠陥サイトから前記隣接するダイの前記参照サイトへ動かすように、前記ターゲット基板を保持しているステージを並進させる指示を包含する、請求項11に記載の装置。
前記自動化されたEDXレビューを実行する指示が、前記特定のタイプの各欠陥に対する前記相違スペクトルから元素情報を導出する指示をさらに包含する、請求項9に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明のある実施形態に従った自動化された判定に基づくEDX方法100の流れ図である。この方法100は、欠陥位置が自動化された検査によって特定された後に実行され得る。そのような自動化された検査は、例えば、同じ又は別個のSEM装置によって実行され得る。検査されるターゲット基板は、例えば、その上に複数のダイが形成されたシリコンウエハであり得る。あるいは、ターゲット基板はレチクルであり得る。
【0016】
ステップ101を参照すると、識別された欠陥のSEM自動化されたレビューが実行され得る。SEM自動化されたレビューは、自動化された検査からの結果ファイルに識別された欠陥の高解像度SEMイメージングを伴い得る。
【0017】
ステップ102を参照すると、SEM自動化されたレビューの後に、形態に基づく自動分類が実行され得る。ステップ102の右側の棒グラフ例に描かれるように、欠陥は欠陥タイプに分類され得る。棒グラフは欠陥頻度対欠陥タイプを示す。3つのタイプ(#1、#2、及び#3)が描かれているが、もちろんタイプ数は任意の数であり得る。例えば、第1の欠陥タイプは孔であり得て、第2の欠陥タイプは引っ掻き傷であり得て、第3の欠陥タイプは粒子であり得る。これらは、単なる幾つかの例示的な欠陥タイプにすぎない。他の且つ異なる欠陥タイプが、もちろん利用され得る。例えば、粒子欠陥タイプを持つ代わりに、粒子のサイズに応じて大きな粒子の欠陥タイプと小さな粒子の欠陥タイプとがあり得て、あるいは、粒子の形状に応じて球形粒子の欠陥タイプと非球形粒子の欠陥タイプとがあり得る。
【0018】
ステップ104を参照すると、自動化されたEDXレビューのために、一つ(又はそれ以上)のタイプの欠陥が選択される。自動化されたEDXレビューのための欠陥タイプの選択は、自動化された判定に基づくEDX方法100を実行する実行可能なプログラムコードによって自動的に実行されるように、事前にプログラムされるか又は事前に構成され得る。ステップ104の右側の棒グラフ例に描かれるように、選択されたタイプはタイプ#3であり得る。例えば、タイプ#3は粒子に関連した欠陥タイプに対応し得て、これはまた「フォールオン(fall on)」欠陥とも称され得る。ステップ104ごとの自動化されたEDXレビューのための欠陥タイプのこの自動化された選択は、ここでは自動化された(オート)サブサンプリングと称され得る。オートサブサンプリングのさらなる記述は、
図2に関連して以下に提供される。
【0019】
ステップ104のオートサブサンプリングの後に、正確な参照データを有する自動化されたEDXレビュー105が、選択されたタイプの欠陥について実行され得る。正確な参照データを得るために、自動化されたEDXレビュー105は、選択された各欠陥タイプに対してステップ106〜116を繰り返すことを伴い得る。
【0020】
ステップ106を参照すると、欠陥サイトへの移動が実行され得る。欠陥サイトへの移動は、欠陥サイトがSEMの視野の内部にあるようにステージを並進することによって達成され得る。これは、SEM自動化されたレビューの記憶された結果から得られる欠陥サイトの位置座標に基づいて実行され得る。
【0021】
ステップ108を参照して、EDXスペクトル(欠陥スペクトル)が欠陥サイトから得られる。これは、欠陥サイトがSEMの視野内にあるように基板を並進するステップと、欠陥サイト上で一次電子ビームを走査しながらそれによって生成されるエネルギースペクトルを検出するステップと、を伴い得る。各欠陥サイトからの欠陥スペクトルは、欠陥サイトの位置(座標)に関連付けられるような方法で記憶され得る。
【0022】
ステップ110を参照すると、欠陥サイトからその欠陥サイトに対応するように並べられた参照サイトへ、移動が実行され得る。
図3に関連して以下にさらに記述されるように、欠陥サイトが反復するセルのアレイ内にあると示されると、そのときには、参照サイトへの移動は、隣接するセルの対応する位置に一次電子ビームを偏向させることによって達成され得る。
図5に関連して以下のさらに記述されるように、欠陥サイトが非アレイパターンの構造(すなわちパターン化された構造が反復するセルのアレイではない)にあると示されると、そのときには、参照サイトへの移動は、ターゲット基板上の隣接するダイの対応する位置にステージを並進させることによって達成され得る。欠陥サイトがアレイ又は非アレイパターンの構造にあるか否かの提示は、結果ファイル内のデータによって提供され得る。
【0023】
ステップ112を参照すると、EDXスペクトル(欠陥スペクトル)が参照サイトから得られる。これは、参照サイト上で一次電子ビームを走査しながら、それによって生成されるX線のエネルギースペクトルを検出するステップを伴い得る。参照スペクトルは、対応する欠陥サイトに関連付けられるような方法で記憶され得る。
【0024】
ステップ114を参照すると、相違スペクトルが生成され得る。一つの具現化では、欠陥スペクトル及び対応する参照スペクトルの正規化が実行され得て、正規化された相違スペクトルが正規化された欠陥スペクトルから差し引かれ得て相違スペクトルが得られる。
【0025】
ステップ116を参照すると、欠陥に対する元素情報が相違スペクトルから得られ得る。例えば、選択された欠陥タイプが粒子タイプであると、そのときには、元素情報は粒子の元素組成を示し得る。有益なことには、ここに開示される方法を使用して得られる元素情報は、従来の自動化されたEDXレビュー手順から得られるものよりも正確である。これは、ここに開示される方法が、以前の方法に比べて、参照サイトをより正確に位置決めするためである。
【0026】
棒グラフ例がステップ106〜116の右側に与えられる。棒グラフ例に見られるように、粒子欠陥に対する元素情報は、その粒子欠陥が、主にシリコン(Si)、あるいは主に炭素(C)、又は主に鉄(Fe)のいずれかである元素組成を有することを示し得る。
【0027】
ステップ118を参照すると、ここに開示された方法を使用して得られる、より正確な元素情報は、ステップ102からの形態的情報と組み合わせられ得る。組み合わせられた情報を有する棒グラフ例が、ステップ118の右側に与えられる。この棒グラフは欠陥頻度対欠陥タイプを示す。この棒グラフ例に示されるように、4つの欠陥タイプの区分(bin)が描かれている。最初の2つのタイプ(#1及び#2)は、ステップ102に関連して上記で論じられた形態に基づくタイプ(それぞれ孔及び引っ掻き傷)に対応する。この場合、第3のタイプ(#3)及び第4のタイプ(#4)はどちらも粒子に対するものであり得て、それらの元素組成に依存する。例えば、第4のタイプ(#4)は組成が主に鉄(Fe)である粒子に対応し得て、第3のタイプ(#3)は他の組成(すなわち鉄ではない)の粒子に対応し得る。この例が描写目的のために与えられていることに留意されたい。異なる形態的及び元素的情報の組み合わせを有する他の欠陥タイプが提供され得る。
【0028】
図2は、本発明のある実施形態に従った、識別された欠陥の自動化されたサブサンプリングのためのプロセスフロー200の流れ図である。自動化されたサブサンプリングは、有益なことに、EDXレビューが適用される欠陥の数を減らし、これにより、自動化されたEDXレビューを実行するために必要とされる時間を減らす。これは、EDXレビューが、自動化された検査からの結果ファイルに識別された全ての欠陥の代わりに、選択された一つの(又は複数の)タイプの欠陥のみに適用されるからである。
【0029】
ステップ202を参照すると、識別された欠陥のSEM自動化されたレビューが実行され得る。SEM自動化されたレビューは、自動化された検査からの結果ファイルに識別された欠陥の高解像度SEMイメージングを伴い得る。
【0030】
ステップ204を参照すると、欠陥は欠陥タイプに分類され(すなわち「入れられ」)得る。この例では、ステップ204の右側の棒グラフに示されるように、欠陥は、「フォールオン」(粒子)欠陥タイプ及び「その他の」(非粒子)欠陥タイプに分類され得る。
【0031】
ステップ206を参照すると、EDXレビューの対象として「フォールオン」欠陥タイプのみが選択される。言い換えると、オートサブサンプリングは、EDXレビューの対象としてフォールオン欠陥のみを選択し、その他の欠陥についてはEDXレビューが実行されない。
【0032】
ステップ208を参照すると、選択された欠陥に対して、EDXレビューが自動化された方法で実行される。本発明のある実施形態に従うと、自動化されたEDXレビューは、
図1に関連して先に記述された、正確な参照スペクトルを有する自動化されたEDX手順105を使用して、正確な参照スペクトルを使って実行され得る。例えば、ステップ208の右側の棒グラフに示されるように、フォールオン欠陥は、シリコン(Si)粒子タイプ、酸化シリコン(Si、O)粒子タイプ、及び炭素(C)粒子タイプにカテゴリー化され(入れられ)得る。
【0033】
図3は、本発明のある実施形態に従ったアレイモードにおける自動化されたEDXレビューのためのプロセスフローの流れ図である。アレイモードは、反復されたセルのアレイでパターン化されたターゲット基板上の領域に対して、使用され得る。例えば、ターゲット基板はメモリセルのアレイを含み得て、アレイモードはメモリセルのアレイ内で、自動化されたEDXレビューのために使用され得る。
【0034】
ステップ302を参照すると、ターゲット基板の欠陥を検出するために、自動化された検査が実行され得る。自動化された検査は、例えば、SEMに基づく自動化された検査装置を使用して実行され得る。検査ツールは、SEMに基づく自動化されたレビュー装置に一体化されてもよく、又はそれとは別個にされてもよい。
【0035】
ステップ304を参照すると、自動化された検査によって検出された欠陥に関するデータは結果ファイルに記憶され得る。この情報は、欠陥の位置に関する座標データを含む。
【0036】
ステップ306を参照すると、アレイ内で検出された欠陥のSEM自動化されたレビューが実行され得る。SEM自動化されたレビューは、その他のステップの中で、自動化された検査からの結果ファイルに識別された欠陥の高解像度SEMイメージングを伴い得る。
【0037】
ステップ308を参照すると、欠陥は欠陥タイプに分類され(すなわち「入れられ」)得る。分類は、高解像度SEMイメージングから観察可能な欠陥の形態に基づいてなされ得る。例えば、欠陥タイプは、孔タイプ、引っ掻き傷タイプ、及び粒子(「フォールオン」)タイプを含み得る。これらは、単なる幾つかの欠陥タイプの例である。他の及び異なる欠陥タイプが、もちろん利用され得る。
【0038】
ステップ310を参照すると、このステップは、欠陥ファイル内の各欠陥に対して実行され得る。このステップでは、欠陥ファイル内の欠陥が対象の欠陥(DOI)として選択され得て、EDXレビューがそのDOIに適用されるか又はされないかの決定が行われ得る。この決定は、DOIの欠陥タイプに基づく自動化された方法で、なされ得る。EDXレビューがDOIに適用されないなら、そのときには現在のDOIの処理は終了し得て、方法300のループは戻り得て、DOIであると選択された次の欠陥があれば、それに対してステップ310を実行する。一方、EDXレビューがDOIに適用されるならば、そのときには、方法300は先に進んでステップ312〜316を実行する。
【0039】
ステップ312に関して、EDXがDOIに適用される。このことは、ステージを並進して、DOIのサイトを視野内になるように動かし、DOIからのEDXスペクトルを得ることを伴い得る。
【0040】
ステップ314に関して、EDXが参照セル内のタイプするサイトに適用される。このことは、一次電子ビームをある方向に、その方向におけるセル寸法に等しい距離だけ偏向させることを伴い得る。この偏向は一次電子ビームを動かして、そのセル内のDOIの位置に対応する隣接するセル(参照セル)内の位置(参照点)に当てる。EDXスペクトルがそれから、その参照点から得られ得る。
【0041】
ステップ316に関して、DOIのEDXスペクトルと参照点のEDXスペクトルとの間の相違スペクトルが生成され得る。これらのEDXスペクトルは、相違スペクトルの生成前に正規化され得る。その後に、相違スペクトルは、
図1のステップ116に関連して先に記述されたように、DOIについての元素情報を得るために使用され得る。
【0042】
図4は、本発明のある実施形態に従って、対象の欠陥(DOI)402及び隣接セル内の対応する参照点404を描いた電子マイクログラフを示す。この場合、DOI402は反復するセルのアレイ内にある。そのため、自動化されたEDXはアレイモードで実行され得て、参照スペクトルは、電子ビームをそのアレイ内のセルの幅(又は高さ)だけ偏向することによって得られる。
【0043】
図5は、本発明のある実施形態に従った非アレイモードでの自動化されたEDXレビューのためのプロセスフローの流れ図である。非アレイ(「ランダム」)モードは、反復すセルのアレイにパターン化されていないターゲット基板の領域に対して使用され得る。例えば、特定用途向け集積回路はカスタム化された論理回路の領域を含み得て、非アレイモードが、この領域内の自動化されたEDXレビューのために使用され得る。
【0044】
ステップ502を参照すると、自動化された検査がターゲット基板における欠陥を検出するために実行され得る。自動化された検査は、例えばSEMに基づく自動化された検査装置を使用して実行され得る。検査ツールは、SEMに基づく自動化されたレビュー装置に一体化されてもよく、又はそれとは別個にされてもよい。
【0045】
ステップ504を参照すると、自動化された検査によって検出された欠陥に関するデータは結果ファイルに記憶され得る。この情報は、欠陥の位置に関する座標データを含む。
【0046】
ステップ506を参照すると、検出された欠陥のSEM自動化されたレビューが実行され得る。この場合、欠陥は反復されたセルのアレイではない領域(すなわち非アレイ領域)にあり得て、自動化されたレビューは「ランダム」(非アレイ)モードで実行され得る。SEM自動化されたレビューは、その他のステップの中で、自動化された検査からの結果ファイルに識別された欠陥の高解像度SEMイメージングを伴い得る。
【0047】
ステップ508を参照すると、欠陥は欠陥タイプに分類され(すなわち「入れられ」)得る。分類は、高解像度SEMイメージングから観察可能な欠陥の形態に基づいてなされ得る。例えば、欠陥タイプは、孔タイプ、引っ掻き傷タイプ、及び粒子(「フォールオン」)タイプを含み得る。これらは、単なる幾つかの欠陥タイプの例である。他の及び異なる欠陥タイプが、もちろん利用され得る。
【0048】
ステップ510を参照すると、このステップは、結果ファイル内の各欠陥に対して実行され得る。このステップでは、結果ファイル内の欠陥が対象の欠陥(DOI)として選択され得て、EDXレビューがそのDOIに適用されるか又はされないかの決定が行われ得る。この決定は、DOIの欠陥タイプに基づく自動化された方法で、なされ得る。EDXレビューがDOIに適用されないなら、そのときには現在のDOIの処理は終了し得て、方法500のループが戻り得て、DOIであると選択された次の欠陥があれば、それに対してステップ510を実行する。一方、EDXレビューがDOIに適用されるならば、そのときには、方法500は先に進んでステップ512〜516を実行する。
【0049】
ステップ512に関して、欠陥サイトを取り囲むエリアをイメージングするように、欠陥ダイ上のDOIの欠陥位置座標にセンタリングされた視野で、電子ビームイメージングが実行され得る。好ましくは、欠陥サイトを取り囲むエリアのイメージは、高解像度イメージであり得る。
【0050】
ステップ514に関して、DOIに対するEDXスペクトル(欠陥スペクトル)を得る様に、EDXがDOIに適用される。このEDXスペクトルからの元素情報は、DOIからの元素情報だけではなく、DOIを取り囲む物質からの元素情報も含む。
【0051】
ステップ516に関して、参照サイトを取り囲むエリアをイメージングするように、(欠陥ダイの代わりに)参照ダイ上の欠陥位置座標にセンタリングされた視野で、電子ビームイメージングが実行され得る。好ましくは、参照サイトを取り囲むエリアのイメージは、高解像度イメージであり得る。
【0052】
ステップ514の後で且つステップ516の前に、ターゲット基板を保持しているステージが並進されて、欠陥ダイ上の欠陥サイトから参照ダイ(好ましくは欠陥ダイに隣接している)の上の参照サイトに動かす。さらに、参照サイトを囲んでいるイメージのパターンが欠陥サイトを囲んでいるイメージのパターンと並べられ得て、並べられたイメージは、参照サイトの位置を高精度に決定するために使用され得る。
【0053】
ステップ518に関して、参照点からのEDXスペクトル(参照スペクトル)を得る様に、EDXが参照サイトに適用される。ステップ520に示されるように、正規化の後にこの参照スペクトルは欠陥スペクトルから差し引かれ得て、相違スペクトルを得る。その後に、
図1のステップ116に関連して先に述べられたように、相違スペクトルがDOIについての元素情報を得るために利用され得る。
【0054】
図6は、本発明のある実施形態に従って、対象の欠陥(DOI)及び隣接ダイ上の対応する参照点を描いた電子マイクログラフを示す。この場合、DOIは、ダイの非アレイ部にある。そのため、自動化されたEDXは非アレイモードで実行され得て、このときには、参照スペクトルはまず参照ダイ上で参照点を位置決めすることによって得られて、DOIと参照点との間で動くためにステージの並進が使用される。
【0055】
図7は、本発明のある実施形態に従って、形態的な欠陥の結果を元素的な欠陥の結果と組み合わせて最終的なパレートを得るための自動化されたプロセスの流れ図である。
【0056】
ステップ702を参照すると、検出された欠陥のSEM自動化されたレビューが実行され得る。SEM自動化されたレビューは、その他のステップの中で、自動化された検査からの結果ファイルに識別された欠陥の高解像度SEMイメージングを伴い得る。
【0057】
ステップ704を参照すると、欠陥の自動化された分類が、欠陥の形態に基づいて実行され得る。欠陥は欠陥タイプに分類され(すなわち「入れられ」)得て、各欠陥タイプはクラスコードによって表され得る。例えば、欠陥タイプは、タイプ1としての孔タイプ、タイプ2としての引っ掻き傷タイプ、及びタイプ3としての粒子(「フォールオン」)タイプを含み得る。これらは、単なる幾つかの欠陥タイプの例である。他の及び異なる欠陥タイプが、もちろん利用され得る。
【0058】
ステップ706を参照すると、特定のクラスコードの欠陥が自動化されたEDXレビューのために選ばれ得る一方で、他のクラスコードの欠陥に対しては、自動化されたEDXレビューはスキップされ得る。言い換えると、各欠陥に対して、その欠陥が特定のクラスコードの欠陥であるかどうかの判断がなされ得る。クラスコードが特定のクラスコードでなければ、そのときには、その欠陥の自動化されたEDXレビューは実行されず、方法700のループが戻り得て、次の欠陥があれば、それに対してステップ706を実行する。一方、クラスコードが特定のクラスコードであるならば、そのときには、方法700は先に進んでステップ708〜710を実行する。
【0059】
ステップ708を参照すると、特定のクラスコードの欠陥に対して、自動化されたEDXレビューが実行される。正確な参照スペクトルを提供するために、自動化されたEDXレビューは、レビューされている欠陥が反復されるセルのアレイ内にあるならば
図3に関連して先に示されたステップ312〜316で、あるいは、レビューされている欠陥がそのようなアレイ領域内にないならばステップ512〜520で、実行され得る。ステップ708の結果として、特定のクラスコードの各欠陥に対して、相違スペクトルが得られ得る。
【0060】
ステップ710を参照すると、相違スペクトルは、特定のクラスコードの各欠陥に対して元素組成を得るために使用され得て、特定のクラスコードの欠陥は、それらの元素組成に基づいて入れられ得る。例えば、測定のクラスコードが粒子又は「フォールオン」欠陥に対応すると、そのときには、これらの欠陥は、それらの元素組成に基づいて幾つかの元素組成ビンに分けられ得る。例えば、元素組成ビンは、シリコン(Si)ビン、酸化シリコン(Si、O)ビン、及び炭素(C)ビンを含み得る。
【0061】
ステップ712を参照すると、欠陥パレート(最終パレート)が生成され得て、これは、欠陥をカテゴリー化する際に形態及び元素情報の両方を使用して且つ組み合わせる。欠陥パレートは、タイプによる欠陥頻度の棒グラフである。欠陥パレートは、欠陥性を低減するためにどのような訂正的行為が取られる必要があるかについての決定をするために、使用され得る。ある具現化では、特定のクラスコードを有する欠陥は、欠陥の元素組成に基づいて分けられ得る。
【0062】
例えば、ステップ704からの形態上の欠陥タイプが、タイプ1としての孔タイプ、タイプ2としての引っ掻き傷タイプ、及びタイプ3としての粒子(「フォールオン」)タイプを含むとする。さらに、ステップ706で、自動化されたEDXレビューのための欠陥を選択するために使用された特定のクラスコードがタイプ3(粒子又は「フォールオン」欠陥)に対するクラスコードであるとする。さらに、これらのフォールオン欠陥が粒子の元素組成に基づいて分けられ得るとする。例えば、酸化シリコンであるフォールオン欠陥はタイプ4とコードされ得て、他の組成(例えばSi又はC)であるフォールオン欠陥はタイプ3とコードされたままであり得る。ステップ712の左側の結果として得られる棒グラフは、この例の最終パレートを描いている。
【0063】
図8は、自動化されたEDXレビューのための現存しているプロセス800を、本発明のある実施形態に従った自動化されたEDXレビューのための本発明のプロセス850と比較する図である。描かれているように、本発明のプロセス850は、有益なことに、現存しているプロセス800よりも少ないステップで且つより迅速に結果を提供する。
【0064】
現存しているプロセス800は、以下のステップ、すなわち、オペレータによって要求されたレビュージョブ802、SEMによってレビューされるべきウエハのレビューツールへの転送804(これは約15分間かかり得る)、自動化されたレビューの実行806(これは約10分間かかり得る)、オペレータによる欠陥タイプへの欠陥のオフライン分類の実行808(これは約30分間かかり得る)、選択されたタイプ(例えばフォールオン欠陥)に分類された欠陥のセットに対するオペレータによるEDXジョブの要求810、EDXによってレビューされるべきウエハのEDXツールへの転送812(これは約15分間かかり得る)を含み、且つその後に、その欠陥のセットに対する自動化されたEDXレビューが実施され得る(これは約5分間かかり得る)。
【0065】
示されるように、現存するプロセス800では、オペレータの行為が3つのステップ(ステップ802、808、及び810)に対して必要とされる。現存するプロセス850は、所望のEDXデータが得られるまでに、典型的には約75分間かかり得る。
【0066】
対照的に、本発明のプロセス850は、以下のステップ、すなわち、オペレータによって要求されたレビュージョブ802、SEMによってレビューされるべきウエハのレビューツールへの転送804(これは約15分間かかり得る)、自動化されたレビューの実行806(これは約5分間かかり得る)を含み、且つそれから、リアルタイムEDXレビューが、
図1に関連して先に一般的な方法で記述された自動化された判定に基づく方法100を使用して実行852され得る(ステップ102〜118を参照)。
【0067】
示されるように、本発明のプロセス850では、オペレータの行為は(現存するプロセス800における3つのステップではなく)第1のステップ(ステップ802)に対してのみ必要とされる。さらに、本発明のプロセス850は、所望のEDXデータが得られるまでに、(現存するプロセス800が約75分間を使用する代わりに)典型的には約30分間のみかかり得る。
【0068】
図9は、本発明のある実施形態に従ったエネルギー分散型X線(EDX)検出システム920を有する走査型電子顕微鏡装置900の模式図である。
図9の断面図に示されるように、電子ビームカラムは、ソース901、ウィーンフィルタ、走査偏向器906、フォーカスレンズ907、対物レンズ908、及びターゲット基板910を保持する並進可能ステージ919を含み得る。
【0069】
ソース901は、入射電子ビーム(一次電子ビーム)902を生成する。入射電子ビーム902はウィーンフィルタ904を通過し得る。ウィーンフィルタ904は、お互いに交差する電界及び磁界を生成するように構成された電子・光学要素である。制御可能な静電偏向器906及びフォーカス電子レンズ907が使用され得る。偏向器906は、独立して制御可能な静電界をx方向及びy方向に印加し得る。偏向器906は、ターゲット基板910の表面を横切ってeビームを走査するか、又はその他の目的でeビームを偏向するように、制御され得る。ターゲット基板910は、例えば、製造されている集積回路又はリソグラフィーのためのレチクルのようなパターン化された基板であり得る。
【0070】
フォーカス電子レンズ907は、入射電子ビーム902を、ウエハ又はその他の基板サンプル910の表面上のビームスポットにフォーカスするために利用され得る。ある実施形態に従うと、フォーカス電子レンズ907は、電界及び/又は磁界を生成することによって動作し得る。
【0071】
入射電子ビーム902の走査の結果として、二次電子及びX線が、ターゲット基板910(例えば半導体ウエハ又はレチクルであり得る)の表面から発せられるか又は散乱される。ターゲット基板910は、可動ステージ911によって保持され得る。
【0072】
二次電子は、対物(最終)レンズ908の電磁界への露出によって、ターゲット基板910から引き出され得る。電磁界は、発せられた電子を入射電子ビームの光軸から比較的小さい距離内に収束させ、且つこれらの電子をカラム内で加速するように振る舞う。このようにして、二次eビーム912が二次電子から形成される。
【0073】
ウィーンフィルタ904は、二次eビーム912を、入射電子ビーム902の光軸から、装置の二次電子(SE)検出システム914に対する光軸である検出軸に、偏向する。これは、散乱されたeビーム912を入射電子ビーム902から分けるように機能する。SE検出システム914は二次eビーム912を検出し、ターゲット基板の表面のイメージを生成するために利用され得るデータ信号を生成する。
【0074】
器具制御及びデータ処理(制御/処理)システム950は、一つ又はそれ以上のプロセッサ(すなわちマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ)952、データストレジ(例えば、ハードディスクドライブストレジ及びメモリチップ)954、ユーザインターフェース957、及びディスプレーシステム958を含み得る。データストレジ954はコンピュータ読み取り可能なプログラムコード(指示)955及びデータ956を記憶又は保持し、プロセッサ952はプログラムコード955を実行してデータ956を処理し得る。ユーザインターフェース957はユーザ入力を受け付け得る。ディスプレーシステム958は、イメージデータ及びその他の情報をユーザに表示するように構成され得る。
【0075】
制御/処理システム950は、ここで開示された方法又は手順を実行するようにeビームカラムの様々な構成要素に接続され得て、且つそれらを制御するために使用され得る。例えば、ステージ911の動き及び偏向器906による走査は、制御/処理システム950によって実行されるコンピュータ読み取り可能なプログラムコード955によって制御され得る。
【0076】
加えて、制御/処理システム950はまた、SE検出システム914からの電子イメージデータ及びEDX検出システム920からのx線データも処理し得る。特に、制御/処理システム950におけるコンピュータ読み取り可能なプログラムコード955が、ここに記述されたような自動化されたEDX方法に関する手順を実行するために、使用され得る。
【0077】
結論
上述された図は必ずしも縮尺があっておらず、描写的であって且つ特定の具現化に限定するものではないことが意図されている。特定の寸法、配置、及び磁気的対物レンズのレンズ電流は可変で且つ各具現化に依存する。
【0078】
上述の技法は、例えば自動検査及び欠陥分析システムにおいて利用され得て、ウエハ、X線マスク、及び製造環境における類似の基板の検査及びレビューに適用され得る。他の使用もまた可能である。
【0079】
上記の記述では、数的な特定の詳細は、本発明の実施形態の十分な理解を提供するために与えられている。しかし、本発明の描写された実施形態の上記の記述は、排他的であったり又は開示されたまさにその形態に本発明を限定したりすることは意図されていない。当業者は、本発明が、一つ又はそれ以上の特定の詳細なしに、又はその他の方法、構成要素などと共に、実行されることができることを認識するであろう。その他の場合には、よく知られた構造又は操作が、本発明の局面をあいまいにすることを避けるために、示されていないか又は詳細に論じられていない。本発明の特定の実施形態及びその例が描写目的のためにここで述べられている一方で、当業者が認識するように、様々な等価な改変が本発明の範囲内で可能である。
【0080】
これらの改変は、上記の詳細な記述を考慮して、本発明に対してなされることができる。以下の特許請求項で使用されている用語は、本発明を本明細書及び特許請求項に開示された特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではない。むしろ本発明の範囲は、以下の特許請求項によって決定されるべきものであり、これらは、特許請求項の解釈の確立された理論にしたがって解釈されるべきである。