(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域の一方である第1ウエスト域と、前記前後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域と、前記第1ウエスト域の両側部に取り付けられ、前記第1ウエスト域と前記第2ウエスト域とを係脱可能に係止する一対のファスナ部とを含む開放型の使い捨て着用物品において、
前記第1及び第2ウエスト域と前記クロッチ域とを形成するシャーシと、前記クロッチ域から前記第1及び第2ウエスト域へ延びる吸収体とをさらに有し、
前記第1ウエスト域は、着用前の状態において、肌当接面側に位置して前記横方向へ延びるウエスト当接域と、前記横方向における中央部において前記ウエスト当接域と厚さ方向において対向し、前記肌当接面側に位置して前記クロッチ域側へ開口可能なポケットとを有し、
前記ポケットは、前記クロッチ域側からウエスト開口側へ延びるポケット外側域と、前記ポケット外側域と前記ウエスト当接域とにそれぞれ前記厚さ方向において対向し、前記横方向へ延びる折曲部を介して前記ポケット外側域と連なるとともに、前記折曲部から前記クロッチ域側へ延びて前記ウエスト当接域とつながるポケット内側域とを有し、
前記吸収体の端縁から前記折曲部までの前記縦方向の寸法は、前記ポケット内側域及び前記ウエスト当接域それぞれの前記縦方向の寸法よりも大きく、
前記ポケット外側域は前記シャーシを構成するシート部材と一体のシートで形成されていて、少なくとも前記ポケット内側域及び前記ポケット外側域の一方は、弾性的に伸縮可能であり、前記ウエスト当接域の前記横方向における収縮率が、前記ポケット内側域及び前記ポケット外側域のそれぞれの前記横方向における収縮率よりも高いことを特徴とする前記着用物品。
縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域の一方である第1ウエスト域と、前記前後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域と、前記第1ウエスト域の両側部に取り付けられ、前記第1ウエスト域と前記第2ウエスト域とを係脱可能に係止する一対のファスナ部とを含む開放型の使い捨て着用物品において、
前記第1及び第2ウエスト域と前記クロッチ域とを形成するシャーシと、前記クロッチ域から前記第1及び第2ウエスト域へ延びる吸収体とをさらに有し、
前記第1ウエスト域は、肌当接面側に位置して前記横方向へ延びるウエスト当接域と、前記横方向における中央部において前記ウエスト当接域と厚さ方向において対向し、前記肌当接面側に位置して前記クロッチ域側へ開口可能なポケットとを有し、
前記ポケットは、着用前の状態において、前記クロッチ域側からウエスト開口側へ延びるポケット外側域と、前記ポケット外側域と前記ウエスト当接域とにそれぞれ前記厚さ方向において対向し、前記横方向へ延びる折曲部を介して前記ポケット外側域と連なるとともに、前記折曲部から前記クロッチ域側へ延びて前記ウエスト当接域とつながるポケット内側域とを有し、
前記吸収体の端縁から前記折曲部までの前記縦方向の寸法は、前記ポケット内側域及び前記ウエスト当接域それぞれの前記縦方向の寸法よりも大きく、
前記ポケット外側域は前記シャーシを構成するシート部材と一体のシートで形成されていて、
着用状態において、前記ウエスト当接域と前記ポケット内側域とが前後方向に離間するとともに、前記ポケットの上端が前記ウエスト当接域の上端よりも下方に位置して、前記ウエスト当接域の背面が外部に露出されることを特徴とする前記着用物品。
前記ウエスト当接域は、前記一対のファスナ部の止着手段の間であって、前記横方向において前記止着手段と重なって位置する請求項1〜5のいずれかに記載の着用物品。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記の実施の形態は、本発明の一例である
図1〜10に示す開放型の使い捨て着用物品に関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。
図2において、後述する各弾性体は、その収縮力に抗して、各弾性体が取り付けられた部材に生じたギャザーが自然な視覚によって実質的に無くなっているように見える程度にまで伸長された状態にある。
【0012】
図1及び
図2を参照すると、本発明の使い捨て着用物品の一例として示す開放型の使い捨ておむつ10は、縦方向Yと、横方向Xと、それらに直交する厚さ方向Zとを有し、縦方向Yに沿って延び、おむつ10の横方向Xの寸法を2等分する縦軸Pと、横方向Xへ沿って延び、おむつ10の縦方向Yの寸法を2等分する横軸Qとを有し、縦軸Pに関してほぼ対称に形成されている。なお、本明細書において、「おむつ10の平面視において互いに重なる」とは、厚さ方向Zにおいて互いに重なることを意味する。おむつ10は、肌当接面及びそれに対向する非肌当接面と、前ウエスト域(第1又は第2ウエスト域)11と、後ウエスト域(第1又は第2ウエスト域)12と、前後ウエスト域11,12の間に位置するクロッチ域13とを有し、後ウエスト域12には、クロッチ域13へ向かって開口するポケット20が形成されている。おむつ10は、ベース形態をなすシャーシ14と、シャーシ14の後ウエスト域12の両側部に備えられた一対のファスナ部16と、シャーシ14に取り付けられ、ポケット20を形成するポケット形成パネル40とを含む。
【0013】
<シャーシ>
シャーシ14は、横方向Xへ延びて縦方向Yにおいて互いに離間する前端縁14a及び後端縁14bと、縦方向Yへ延びて横方向Xにおいて互いに離間する両側縁14c,14dとを有しており、クロッチ域13を画定する両側縁部が凹曲状を有している。シャーシ14は、肌当接面側に位置する透液性の内面シート51と、非肌当接面側に位置する不透液性の外面シート52と、内外面シート51,52の間に位置する吸収体53と、吸収体53と外面シート52との間に位置する難透液性又は不透液性の防漏シート54とを含む。内面シート51の肌当接面側には、横方向Xに離間し、縦方向Yへ延びる一対のバリアカフシート55が配置されている。
【0014】
内面シート51は、透液性を有する繊維不織布から形成され、吸収体53の肌当接面の全域を覆っている。内面シート51としては、例えば、質量が約15〜35g/m
2の親水性スパンボンド繊維不織布、ポイントボンド繊維不織布又はエアスルー不織布等の各種公知の繊維不織布を用いることができる。
【0015】
外面シート52は、シャーシ14の外形を形成しており、不透液性の繊維不織布、プラスチックフィルム又はそれらのラミネートシートから形成される。外面シート52が繊維不織布から形成される場合には、例えば、質量約10〜30g/m
2のスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS)繊維不織布又はスパンボンド繊維不織布を用いることができる。
【0016】
吸収体53は、横方向Xへ延びる前端縁部53a及び後端縁部53bと、縦方向Yへ延びる両側縁部53cとを有し、吸液性の芯材と、芯材を覆うティッシュペーパ等の液拡散性の被覆シートとによって形成される。芯材としては、木材フラッフパルプ、高吸収性ポリマー粒子、またはこれらの混合物を用いることができる。芯材と被覆シートとは、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段を用いて互いに接合することができる。吸収体53は、少なくともクロッチ域13に位置していればよく、本実施形態では、クロッチ域13から前後ウエスト域11,12へと延出している。後ウエスト域12へ延出する吸収体53の一部は、ポケット20と平面視において互いに重なっていることが好ましい。
【0017】
前ウエスト域11において、外面シート52の肌当接面側であって、吸収体53の縦方向Y外側には、前ウエスト弾性体59が取り付けられる。前ウエスト弾性体59は、外面シート52と内面シート51との間において、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合される。前ウエスト弾性体59は、シャーシ14の両側縁14c,14d間を横方向Xへ延びている。前ウエスト弾性体59としては、横方向Xへ伸長状態で収縮可能に取り付けられた複数本のストリング状またはストランド状の弾性体や、エラストマー繊維を含む弾性伸縮性の繊維不織布シート等を用いることができる。
【0018】
防漏シート54は、吸収体53の非肌当接面の全体を覆っており、吸収体53の被覆シートと外面シート52との間において、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合することができる。防漏シート54は、難透液性、好ましくは、不透液性かつ通気性のプラスチックフィルムを用いることができ、吸収体53で吸収された体液がおむつ10の外側に漏れるのを防止することができる。
【0019】
外面シート52の肌当接面側であって、吸収体53の横方向X外側には、レッグ弾性体57が取り付けられる。レッグ弾性体57は、外面シート52とバリアカフシート55との間において、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合される。レッグ弾性体57は、クロッチ域13から前後ウエスト域11,12まで縦方向Yへ延びている。レッグ弾性体57としては、縦方向Yへ伸長状態で収縮可能に取り付けられた複数本のストリング状またはストランド状の弾性体や、エラストマー繊維を含む弾性伸縮性の繊維不織布シート等を用いることができる。レッグ弾性体57によって、吸収体53の横方向Xの両外側域にはガスケット機能を有する弾性サイドフラップが形成される。
【0020】
バリアカフシート55は、例えば、質量が約10〜30g/m
2の疎水性のSMS繊維不織布またはスパンボンド繊維不織布を用いることができる。バリアカフシート55は、内面シート51の肌当接面に固定された、縦方向Yにおいて離間対向する前固定部81及び後固定部82と、縦方向Yへ延びる固定側部(近位部)83と、固定側部83から横方向Xの内側に位置するスリーブ状の自由側縁部(遠位縁部)84とを有する。自由側縁部84内には、ストリング状又はストランド状の弾性部材からなり、縦方向Yへ延びるカフ弾性体58が伸長状態で収縮可能に取り付けられる。着用状態において、カフ弾性体58が収縮することによって、自由側縁部84が内面シート51から着用者の身体側へ離間し、体液の横漏れを防止するための一対の防漏カフが形成される。
【0021】
既述の前ウエスト弾性体59によって、シャーシ14の前ウエスト域11には、横方向Xに弾性的に伸縮可能な前ウエスト弾性域85が形成される。また、シャーシ14の後ウエスト域12には、横方向Xに弾性的に伸縮可能なウエスト当接域31を有するポケット形成パネル40が取り付けられる。シャーシ14の前後ウエスト域11,12は、ファスナ部16に配置された止着手段63によって、連結及び分離可能に構成されている。
【0022】
<ファスナ部>
図1〜3を参照すると、ファスナ部16は、シャーシ14の側部に固定される固定部61と、固定部61から横方向Xの外側に延出する自由部62とを有し、固定部61及び自由部62を形成するタブシート64と、タブシート64の自由部62に位置する止着手段63とを含む。固定部61は、外面シート52とバリアカフシート55との間に位置し、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段を用いて各シート52,55に接合される。
【0023】
タブシート64は、例えば、質量が約40〜60g/m
2のスパンボンド繊維不織布、SMS繊維不織布又はそれらのラミネートシート等を用いることができる。止着手段63は、タブシート64に接合される基材シートと、基材シートから起立する複数のフック要素とを含み、止着手段63の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系の材料や、ポリエステル系の材料等を用いることができる。タブシート64と止着手段63との固定及びタブシート64と各シート間における接合には、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段を用いることができる。止着手段63は、前ウエスト域11の非肌当接面側に位置するループ要素を形成するシート部材(本実施形態においては、外面シート52)と係脱可能に係合する。
【0024】
<ポケット>
図1,
図4〜
図7を参照すると、おむつ10は、後ウエスト域12のウエスト開口19側において着用者の身体に当接するウエスト当接域31を有する。ウエスト当接域31は、後ウエスト域12の横方向Xのほぼ中央に位置する中央部32を有し、中央部32は、内端部32aと外端部32bとを有する。また、おむつ10は、厚さ方向Z(着用状態における前後方向)において、ウエスト当接域31と対向するように位置するポケット20を有する。ポケット20は、縦軸Pを中心として横方向Xへ広がる所定面積域にわたって形成されており、下方へ向かって(クロッチ域13側へ向かって)開口可能である。ポケット20は、後ウエスト域12のウエスト開口19に近接して位置する。
【0025】
ポケット20は、中央部32と厚さ方向Zにおいて対向し、クロッチ域13側からウエスト開口19側へ延びるポケット外側域23と、ポケット外側域23とウエスト当接域31とにそれぞれ厚さ方向Zにおいて対向し、横方向Xへ延びる折曲部25を介してポケット外側域23と連なるとともに、折曲部25から下方へ延びてウエスト当接域31の中央部32の内端部32aとつながるポケット内側域22と、ポケット内外側域22,23の両側部から形成され、横方向Xの内側へ折り込まれたポケット両側域24とによって画成される。ポケット内側域22とウエスト当接域31の中央部32とがつながることによって、下方へ向かって折り曲げられた折曲部27が形成される。ポケット内外側域22,23の両側部は、互いに重ね合されてポケット両側域24を形成するとともに、ポケット両側域24の横方向X外側の部分からなる両側固定部26がウエスト当接域31の両側部に固定される。両側固定部26は、一対のファスナ部16の固定部61から横方向Xの内側へ延びており、そのため、ポケット20はシャーシ14の両側縁14c,14d間において開口する大きさを有するものではなく、少なくとも、後ウエスト域12の中央部において開口する程度の大きさを有する。
【0026】
ウエスト当接域31は、後記のストリング状またはストランド状の後ウエスト弾性体48によって少なくとも横方向Xへ弾性が付与されている。また、ポケット内側域22には、横方向Xへ延びるストリング状又はストランド状のポケット弾性体76が配置される。本実施形態において、ポケット弾性体76は、両側固定部26間において横方向Xへ延びている。
【0027】
ポケット両側域24は、横方向Xの内側へ(縦軸Pへ向かって)折り込まれている。
図4を参照すると、おむつ10の非着用状態における、折曲部27とポケット両側域24とがそれぞれ僅かに展開された状態において、中央部32とポケット20との間には、上方へ開口した凹部34が画定される。ポケット両側域24は、伸展可能に折り込まれる限りにおいて、意図せずに折曲された部分を含めて複数折曲されて、縦方向Yへ延びる折曲ラインが複数形成されていてもよい。ポケット20は、吸収体53の縦方向Yにおける延長線上に位置しており、ポケット弾性体76の収縮作用によるポケット内側域22の横方向Xの寸法とポケット外側域23の横方向Xの寸法との相違と、ポケット両側域24の吸収体53の両側縁部53cの延長部分における内方への折れ曲がりとによって、ポケット両側域24は、横方向Xの内側へ(縦軸Pへ向かって)伸展可能に折り込まれた状態となる。
【0028】
このように、ポケット20は、下方向へ向かって折り曲げられた折曲部27と、横方向Xの内側へ向かって折り込まれたポケット両側域24と、ウエスト開口19へ(上方向へ)向かって折り曲げられた折曲部25とを有し、それらが互いに異なる方向(3方向)へ折曲されていることによって、ウエスト当接域31がウエスト周り方向へ伸長されたときに、ポケット両側域24が起立して、ポケット内側域22がウエスト当接域31の中央部32から離間するように後方へ移動する(
図5参照)。
図6及び
図7を参照すると、ポケット内側域22は、中央部32に対して傾斜して位置し、それが後方へ移動するほどに中央部32に対する傾斜角度αは大きくなる。したがって、傾斜角度αが大きくなるほどに、ポケット内側域22は倒伏した状態となってポケット20の天面としての役割を果たし、ポケット20はその内部に比較的に多くの排泄物を収容、保持することが可能なポケット空間(収容スペース)Sを有するボックス状を呈する。
【0029】
<ポケット形成パネル>
図3,
図8及び
図9(a)を参照すると、ポケット形成パネル40は、横方向Xへ延びる内端縁40a及び外端縁(後ウエスト開口縁)40bと、内外端縁40a,40b間において縦方向Yへ延びる両側縁40cとによって画定された横長矩形状であって、第1面70A(肌当接面)とその反対側に位置する第2面70B(非肌当接面)と、横方向Xへ並行して延びる第1折曲線41と第2折曲線42とを有する。ポケット形成パネル40は、外端縁40bと第1折曲線41との間に位置する外端部43と、第1折曲線41と第2折曲線42との間に位置する中間部44と、第2折曲線42と内端縁40aとの間に位置する内端部45とを有する。外端部43の第2面70B側には、横方向Xに対向して位置する一対の第1接合域71Aが位置し、それらの間には第1非接合域71Bが位置する。中間部44の第1面70A側には、横方向Xに対向して位置する一対の第2接合域72Aが位置し、それらの間には第2非接合域72Bが位置する。
【0030】
ポケット形成パネル40は、肌当接面側に位置する内面シート46と、非肌当接面側に位置する外面シート47と、外端部43に配置されて横方向Xへ延び、内外面シート46,47間において伸長状態で収縮可能に固定された複数条のストリング状又はストランド状の後ウエスト弾性体48と、中間部44に配置されて横方向Xへ延び、内外面シート46,47間において伸長状態で収縮可能に固定されたストリング状又はストランド状のポケット弾性体76とを有する。内外面シート46,47間には、さらに不透液性シート75が配置される。不透液性シート75は、好ましくは通気性を有する、繊維不織布又はプラスチックフィルムから形成されたものであって、少なくとも内端部45及び中間部44に位置する。繊維不織布からなるポケット形成パネル40のみでは、流動性の高い軟便を十分に保持することができず、その外面に滲出するおそれがあるところ、不透液性シート75を配置することによって防漏性に優れ、かかる軟便の滲出を防ぐことができる。不透液性シート75は、ポケット形成パネル40においてポケット20の形成領域に配置され、ポケット20の開口の横方向Xの寸法(すなわち第2非接合域72Bの横方向Xの寸法)よりも大きな横方向Xの寸法を有することが、体液の滲出をより効果的に防止するうえで好ましい。
【0031】
図9(b),(c)を参照すると、ポケット形成パネル40は、第1折曲線41に沿って外端部43の第2面70B側と中間部44の第2面70B側とが互いに当接されるように折曲されるとともに、第2折曲線42に沿って中間部44の第1面70A側と内端部45の第1面70A側とが互いに当接されるように折曲されることによって、縦断面において略Z字状に折曲された状態が維持される。
【0032】
外端部43と中間部44とは第1接合域71Aにおいて互いに接合され、中間部44と内端部45とは第2接合域72Aにおいて互いに接合される。第1接合域71Aと第2接合域72Aとは、それらの横方向Xの寸法がほぼ同等であって、それらの間に位置する非接合域71B,72Bの横方向Xの寸法もほぼ同等であり、第1及び第2非接合域71B,72Bは、おむつ10の平面視において互いに重なって位置する。第1及び第2接合域71A,72Aは、例えば、ホットメルト接着剤等の公知の接着剤を塗布したり、ヒートシール等の公知の熱溶着手段によって形成される。
【0033】
図9(d)を参照すると、ポケット形成パネル40は、外端部43が後ウエスト弾性体48によって収縮しており、第1及び第2折曲線41,42に沿って折り曲げられて第1及び第2接合域71A,72Aを介して接合された状態から、積層された中間部44と内端部45とを第2非接合域72Bの側縁に沿って縦方向Yへ延びる一対の第3折曲線49Aと第4折曲線(山折り折曲線)49Bとに沿ってさらに折り曲げられることによって、外端部43を除く部分が断面略Ω状を有する。
【0034】
図2,
図6,
図7及び
図9を参照すると、断面略Ω状に折曲されたポケット形成パネル40が、内端部45の第2面70B側に位置する接合域(第3接合域)73を介して、シャーシ14の肌当接面側に固定される。このようにポケット形成パネル40が複数の折曲ラインによって折り畳まれた状態で固定されることによって、外端部43によって後ウエスト域12のウエスト当接域31、中間部44によってポケット内側域22、内端部45の中間部44と対向する部分によってポケット外側域23がそれぞれ形成される。また、第2接合域72Aを介してポケット内側域22の両側部とポケット外側域23の両側部とが互いに重なり合った状態で接合され、中間部44の第2非接合域72Bと、内端部45の第2非接合域72Bとによってポケット20が形成される。
【0035】
本実施形態においては、シャーシ14に別体からなるポケット形成パネル40を固定することによってポケット20等を形成したが、本発明の技術的な効果を奏する限りにおいて、ポケット形成パネル40は、シャーシ14を構成するシート部材と一体のシートで形成してもよいし、シャーシ14を構成するシート部材と同一のシート部材でウエスト当接域31を形成し、ウエスト当接域31に別体のシート部材を固定してポケット20を形成してもよい。また、ポケット形成パネル40を弾性伸縮性の1枚の繊維不織布シートから形成してもよいし、後ウエスト弾性体48の代わりに弾性伸縮性の繊維不織布シートを内外面シート46,47間に配置してもよい。したがって、本明細書において、例えば、「ポケット内側域22がウエスト当接域31の中央部32の内端部32aとつながる」とは、中央部32とポケット内側域22とが同一のシート部材によって形成されて折曲部27において折曲されている場合と、それらが別体のシート部材から形成されて、折曲部27において両シート部材が連結されている場合とを含む。
【0036】
通常、比較的に低月齢の乳幼児は、授乳時や母親に抱きかかえられた体勢等の様々なシチュエーションで流動性のある軟便を排泄するので、後ウエスト開口から軟便が漏れたり、着用者の背面に軟便が押し付けられて汚れたりするおそれがある。特に、後ウエスト域12においては、臀部が突出した外形を有することからかかる隙間が形成され難く、排泄物を一時的に収容、保持するためには、本実施形態に係るおむつ10のように、着用状態において立体形状を呈するようなポケット空間Sを意図的に形成することが必要となる。
【0037】
本実施形態においては、ウエスト当接域31とポケット20とが後ウエスト域12のウエスト開口側に位置し、ウエスト当接域31が後ウエスト弾性体48の収縮力によって着用者の身体にフィットされるので、クロッチ域13側から後ウエスト開口側へ移動した排泄物の漏れが防止されるとともに、移動が阻止された排泄物が上方へ凸状に延びるポケット空間Sに流入して、一時的に収容、保持される。このように、移動が阻止された排泄物を後ウエスト域12の背面側に位置するポケット20に進入させることによって、排泄物が身体に接触することによる不快感や肌トラブルを抑制することができる。ポケット20は、ウエスト当接域31の伸縮と直接的に連動するものではないから、後ウエスト域12が伸長されてもポケット20の開口が閉じたりするおそれはない。また、吸収体53の後端縁部53bは、ポケット20と平面視において重なる位置にあることが好ましく、かかる構成により、吸収体53で吸収されずに後ウエスト開口側へ移動した排泄物を確実にポケット20内に収容することができる。また、不透液性シート75によって、ポケット20内に収容された排泄物を外観視において視認され難くすることができる。
【0038】
おむつ10の非着用状態においては、ポケット20のポケット両側域24が縦軸Pへ向かって断面略V字状に折り込まれた態様を有する一方、着用状態においては、ポケット両側域24が起立してポケット内側域22がウエスト当接域31の中央部32から離間してポケット空間Sが形成される。おむつ10の非着用状態においては、ポケット両側域24が折り込まれた態様を有してウエスト当接域31の中央部32とポケット内側域22とが当接した状態となることによって、後ウエスト域12全体がよりコンパクトになって、厚さ方向Zの寸法が着用状態に比べて小さくなるので、複数のおむつ10の収納性及び運搬時の利便性に優れる。
【0039】
また、着用者が仰臥状態であって、ポケット20に着用者の体圧が掛かったときにおいても、ポケット両側域24が折り込まれた態様を有してウエスト当接域31の中央部32とポケット内側域22とが互いに当接した状態となるので、ポケット形成パネル40が体圧によって歪に変形されたりして、後ウエスト域12における部分的な厚みの変化によって生じる異物感を着用者に与えるおそれはない。ポケット両側域24は、着用者の身体に接近離間する方向、すなわち、厚さ方向Zにおいて屈伸運動可能であるから、体圧から開放されたときに、ポケット両側域24が身体から離間する方向F(
図5参照)へ起立して、再び立体的なポケット空間Sが形成される。
【0040】
特に、開放型の使い捨ておむつ10では、おむつ10の装着時に着用者が仰臥状態にあり、ポケット20は着用者の体圧によって厚さ方向Zに押し潰された状態となる。本実施形態のおむつ10では、ポケット20に屈伸運動可能なポケット両側域24を形成することにより、おむつ10を装着した後、ポケット両側域24が起立して安定的にポケット空間Sを形成することができる。このように、ポケット両側域24の屈伸運動によってポケット20が安定的に繰り返して立体形状を呈することができるので、頻繁に姿勢を変化させたり、頻度が高い軟便を繰り返す低月齢の乳幼児が着用する場合であっても、軟便を確実にポケット空間Sに収容することができる。また、既述のとおり、ポケット内側域22は、所要の縦方向Yの寸法を有することから、ポケット両側域24が起立することによって中央部32に対して傾斜して後方へ移動し、ポケット20の天面としての役割を果たし得るので、天面及びポケット両側域24側の折曲構造を有しない態様に比して、より多くの排泄物を収容することができる。
【0041】
さらに、後ウエスト域12においてシャーシ14の両側部には一対のファスナ部16が取り付けられており、ファスナ部16の固定部61は、横方向Xにおいてポケット20及びウエスト当接域31と重なるようにポケット20の横方向X外側に位置している。かかるおむつ10では、ファスナ部16の止着手段63を前ウエスト域11に係合した場合に、ウエスト当接域31の伸縮にファスナ部16が連動しやすくなり、ウエスト周り方向において前後ウエスト域11,12のフィット性が向上する。フィット性をより向上するために、固定部61の少なくとも一部は、ポケット内外側域22,23の両側固定部26(すなわち、ウエスト当接域31と平面視において互いに重なる領域)と厚さ方向Zにおいて重なることが好ましい。
図2を参照すると、ウエスト当接域31は、横方向Xにおいて止着手段63と重なって位置しているため、止着手段63を係合した場合に、ウエスト当接域31と身体との間に隙間が生じるのを抑制でき、ウエスト当接域31から排泄物が漏れ出るのを防止して、ポケット20の内部に排泄物を収容されるように誘導することができる。
【0042】
また、ポケット内外側域22,23は、両側固定部26においてウエスト当接域31と固定されているため、ウエスト当接域31の収縮に連動して立体形状を形成しやすい。着用状態において、ウエスト当接域31が横方向Xへ伸長された場合でも、ポケット20が立体形状を呈するためには、中央部32を含めたウエスト当接域31の横方向Xにおける収縮量(収縮した部分の横方向Xにおける長さ寸法)が、ポケット内側域22及び/またはポケット外側域23の横方向Xにおける収縮量よりも大きいことが好ましい。かかる場合には、例えば、ウエスト当接域31が自然状態(収縮時)に比して横方向Xへ所定倍率伸長されたときであっても、ポケット両側域24が完全に倒伏されず、ポケット20は立体形状を維持することができる。
【0043】
したがって、ウエスト当接域31には、横方向Xへ伸縮可能な弾性体を配置する一方、ポケット内側域22及び/又はポケット外側域23には弾性体を配置せず、実質的に、弾性的に非伸縮とすることが好ましい。本実施形態のおむつ10では、ポケット内側域22に横方向Xへ伸縮可能なポケット弾性体76を配置しており、ポケット弾性体76は、中央部32に配置する後ウエスト弾性体48よりも収縮率が低い。このようにポケット内側域22に横方向Xへ伸長可能なポケット弾性体76を配置した場合には、中央部32が伸長されてポケット両側域24にそれを倒伏させようとする力が作用するときに、該弾性体がその力に抗してポケット両側域24の起立状態及び中央部32からポケット内側域22が離間した状態を維持するので、ポケット20がより安定的に立体形状を呈することができる。さらに、ポケット内外側域22,23がともに弾性伸縮性を有する場合には、ポケット20を安定的に形成するために、ポケット内側域22の横方向Xにおける収縮率がポケット外側域23の横方向Xにおける収縮率よりも高いことが好ましい。
【0044】
本実施形態のおむつ10では、シャーシ14とポケット形成パネル40との接合域73において、シャーシ14が弾性的に非伸縮であり、ポケット20と厚さ方向Zにおいて重なる領域において、ウエスト当接域31の収縮率が接合域73の収縮率よりも高くなっている。そのため、ポケット両側域24が倒伏されずにポケット20は立体形状を維持しやすい。さらに、接合域73を介してポケット形成パネル40の内端部45に接合されるシャーシ14の剛性により、ポケット外側域23は比較的に高い剛性を有し、歪な変形が抑制され、ポケット空間Sを安定的に形成することができる。なお、かかる効果をより向上させるために、ポケット内側域22及びポケット外側域23のうち、少なくとも一方の領域に、シート状の剛性付与部材(図示せず)を配置してもよい。剛性付与部材としては、例えば、ウレタンフォーム等の反撥性を有する部材を用いることが好ましい。
【0045】
なお、図示していないが、後ウエスト域12に位置する吸収体53に縦方向Yに延びる一以上の変形誘導部を形成してもよい。変形誘導部は、吸収体53を臀部形状にそって湾曲させるためのものであり、例えば、吸収体53における芯材の単位面積当たりの質量を変形誘導部の非配置領域に比して低くすることによって形成することができる。このような変形誘導部を形成することにより、よりポケット20の開口を拡げて、立体的で排泄物を収容し易いポケット空間Sを形成することができる。
【0046】
また、ウエスト当接域(後ウエスト弾性域)31の横方向Xにおける収縮率は、前ウエスト弾性域85の横方向Xにおける収縮率よりも高いことが好ましい。このような収縮率の設定は、例えば、前ウエスト弾性域85に配置する弾性体の収縮率をウエスト当接域31に配置する弾性体の収縮率よりも低くする等によって調整することができる。前ウエスト弾性域85は、着用状態の前後方向においてウエスト当接域31と対向し、ファスナ部16の止着手段63が係合可能であって、横方向Xに弾性的に伸縮可能なターゲット域を形成する。かかるおむつ10では、着用状態において止着手段63をターゲット域に係合した場合にフィット性が向上するとともに、ウエスト周り方向において、前ウエスト弾性域85に比してウエスト当接域31の収縮力が高くなるため、ポケット20の開口が開きやすく、ポケット空間Sを安定的に形成することができる。なお、このような伸縮性のターゲット域は、前ウエスト弾性体59に代えて、前ウエスト域11に横方向Xに弾性的に伸縮可能であってループ要素を有するシート部材を配置することによって形成してもよい。
【0047】
<各領域の収縮率の測定方法>
まず、おむつ10の展開状態において、ポケット内側域22と平面視において互いに重なるポケット外側域23とウエスト当接域31との積層領域(
図2の破線Kで囲んだポケットの配置領域)を所定幅の大きさ(例えば、縦寸法15mm×横寸法100mm)で切り出してそれぞれサンプルとして、以下の手順により、各サンプルの寸法を測定した。i)各サンプルの横方向Xにおいて対向する両端部のうちの一方端部を把持し、ii)他方端部にクリップと錘を取り付けて、各サンプルが捩じれることなく床面に対して垂直となるように吊持した。かかる状態において、弾性要素(弾性要素がない場合にはシートの所定箇所)の配置領域において横方向Xに離間対向する2カ所の部分にインク等でマークを付し、該マーク間の離間寸法を測定して、それを各サンプルの収縮時の寸法(L1)とした。なお、錘の重さは、各サンプルに配置された弾性要素が伸長されない程度のものであれば調整することが可能であって、本測定では、約5.0gの錘を用いた。iii)次に、各サンプルからクリップと錘を外して、表面に弾性要素によるギャザーがなくなるまで横方向Xへ伸長させた後、2カ所のマークの離間寸法を測定して、伸長時の寸法(L2)とした。かかる測定方法によって測定した寸法L1,L2を収縮率=((L2−L1)/L2)×100(%)の算式に当てはめて各サンプルの収縮率(%)を算出した。なお、前ウエスト弾性域85の収縮率は、着用状態における前後方向においてウエスト当接域31と重なる領域(着用状態の前後方向において
図2の破線Kで囲んだ領域と重なる領域)を所定幅の大きさで切り出してサンプルとした。
【0048】
図2を参照すると、ポケット20を形成するポケット形成パネル40は、レッグ弾性体57及びカフ弾性体58よりも縦方向Yの外側に位置して、それらとおむつ10の平面視において互いに重なっていない。したがって、レッグ弾性体57やカフ弾性体58の収縮力が間接的にポケット外側域23に作用してそれを下方へ引っ張ろうとする力が働いたとしても、ポケット外側域23が下方へ引っ張られることによって折曲部25が崩れてポケット空間Sが消滅するおそれはない。
【0049】
図6を参照すると、既述のとおり、ポケット20を形成するポケット形成パネル40は、おむつ10の外形を形成するシャーシ14とは別体のシート部材であり、シャーシ14は、平面視においてポケット20と互いに重なる部位において、弾性的に非伸縮であるポケット外側域23と互いに接合されているため、ウエスト当接域31の中央部32は、シャーシ14の剛性によってその伸縮性が低下することがなく、フィット性に優れている。また、縦断面において略Z字状に折曲されたポケット形成パネル40をシャーシ14と別部材とすることで、おむつ10の製造時にシャーシ14を構成するシート部材を縦方向Yに搬送する、いわゆる「縦流し製法」によって、おむつ10を連続的に生産することができ、生産性に優れる。縦流し製法による連続生産性を高めるために、ポケット形成パネル40は、シャーシ14の後端縁14bの縦方向Y内側に位置する、すなわち、ポケット形成パネル40の外端縁40b及びポケット20の折曲部25がシャーシ14の後端縁14bの縦方向Y内側に位置することが好ましい。かかるおむつ10では、折曲されたポケット形成パネル40が外観視においてシャーシ14に覆われているため、美観に優れている。
【0050】
図5及び
図9を参照すると、中央部32とポケット20とがポケット形成パネル40から形成され、それらを形成するシート部材の横方向Xの寸法が同一であるといえることから、中央部32が後ウエスト弾性体48の影響で収縮することによって、ポケット内側域22に弾性体が配置されていなくても、折曲部27においてその内端部32aと連なるポケット内側域22の横方向Xの寸法が縮められる。それによって、ポケット内側域22には、縦方向Yへ延びる複数のギャザー(畝)78が形成される。このように、縦方向Yへ延びる複数のギャザー78が形成されることによって、それらがリブのように機能して、ポケット内側域22の横方向X及び縦方向Yにおける剛性が向上し、ポケット20は、安定的にボックス状の立体形状を形成することができる。図示していないが、前ウエスト域11においても、尿を一時的に収容保持するために、後ウエスト域12と同様に下方へ開口可能なポケットを配置してもよい。
【0051】
本発明のおむつ10を構成する各構成材料には、特に記述がなされている場合を除き、この種の分野において通常用いられている、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。なお、本実施形態では、前ウエスト域11に前ウエスト弾性体59を配置しているが、前ウエスト域11において横方向Xに伸縮可能な弾性体を配置しない構成であってもよい。また、本明細書において使用されている「第1」、「第2」等の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いてある。
【0052】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に整理することができる。
本願の第1発明は、縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域の一方である第1ウエスト域と、前記前後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域と、前記第1ウエスト域の両側部に取り付けられ、前記第1ウエスト域と前記第2ウエスト域とを係脱可能に係止する一対のファスナ部とを含む開放型の使い捨て着用物品において、前記第1及び第2ウエスト域と前記クロッチ域とを形成するシャーシ
と、前記クロッチ域から前記第1及び第2ウエスト域へ延びる吸収体とをさらに有し、前記第1ウエスト域は、肌当接面側に位置して前記横方向へ延びるウエスト当接域と、前記横方向における中央部において前記ウエスト当接域と厚さ方向において対向し、前記肌当接面側に位置して前記クロッチ域側へ開口可能なポケットとを有し、前記ポケットは、
着用前の状態において、前記クロッチ域側からウエスト開口側へ延びるポケット外側域と、前記ポケット外側域と前記ウエスト当接域とにそれぞれ前記厚さ方向において対向し、前記横方向へ延びる折曲部を介して前記ポケット外側域と連なるとともに、前記折曲部から前記クロッチ域側へ延びて前記ウエスト当接域とつながるポケット内側域とを有し、
前記吸収体の端縁から前記折曲部までの前記縦方向の寸法は、前記ポケット内側域及び前記ウエスト当接域それぞれの前記縦方向の寸法よりも大きく、前記ポケット外側域は前記シャーシを構成するシート部材と一体のシートで形成されていて、少なくとも前記ポケット内側域及び前記ポケット外側域の一方は、弾性的に伸縮可能であり、前記ウエスト当接域の前記横方向における収縮率が、前記ポケット内側域及び前記ポケット外側域のそれぞれの前記横方向における収縮率よりも高い。
本願の第2発明は、縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域の一方である第1ウエスト域と、前記前後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域と、前記第1ウエスト域の両側部に取り付けられ、前記第1ウエスト域と前記第2ウエスト域とを係脱可能に係止する一対のファスナ部とを含む開放型の使い捨て着用物品において、前記第1及び第2ウエスト域と前記クロッチ域とを形成するシャーシ
と、前記クロッチ域から前記第1及び第2ウエスト域へ延びる吸収体とをさらに有し、前記第1ウエスト域は、肌当接面側に位置して前記横方向へ延びるウエスト当接域と、前記横方向における中央部において前記ウエスト当接域と厚さ方向において対向し、前記肌当接面側に位置して前記クロッチ域側へ開口可能なポケットとを有し、前記ポケットは、
着用前の状態において、前記クロッチ域側からウエスト開口側へ延びるポケット外側域と、前記ポケット外側域と前記ウエスト当接域とにそれぞれ前記厚さ方向において対向し、前記横方向へ延びる折曲部を介して前記ポケット外側域と連なるとともに、前記折曲部から前記クロッチ域側へ延びて前記ウエスト当接域とつながるポケット内側域とを有し、
前記吸収体の端縁から前記折曲部までの前記縦方向の寸法は、前記ポケット内側域及び前記ウエスト当接域それぞれの前記縦方向の寸法よりも大きく、前記ポケット外側域は前記シャーシを構成するシート部材と一体のシートで形成されていて、着用状態において、前記ウエスト当接域と前記ポケット内側域とが前後方向に離間するとともに、前記ポケットの上端が前記ウエスト当接域の上端よりも下方に位置して、前記ウエスト当接域の背面が外部に露出される。
【0053】
上記段落0052に開示した本発明に係る使い捨て着用物品は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
(1)前記ポケット内外側域のうちの少なくとも前記ポケット内側域には、不透液性シートが配置されている。
(2)
前記ポケットは、前記吸収体の前記縦方向における延長線上に位置する。
(3)前記ウエスト当接域は、前記横方向へ弾性的に伸縮可能である。
(4)前記ウエスト当接域は、前記一対のファスナ部の止着手段の間であって、前記横方向において、前記止着手段と重なって位置する。