(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二のプロセスガス及び前記第四のプロセスガスは、各々、窒素含有ガスを含み、前記第四のプロセスガス中の前記窒素含有ガスの流量は、前記第二のプロセスガス中の前記窒素含有ガスの流量と比べて増加される、請求項1に記載の方法。
前記第二のプロセスガス及び前記第四のプロセスガスは、各々、ケイ素含有ガスを含み、前記第四のプロセスガス中の前記ケイ素含有ガスの流量は、前記第二のプロセスガス中の前記ケイ素含有ガスの流量と比べて増加される、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016] 理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号を使用した。一つの実施形態に開示された要素は、明確な詳述がなくても、他の実施形態で有益に利用され得る、ということが意図される。
【0011】
[0017] 以下の開示は、高アスペクト比の特徴部が中に形成された薄膜、薄膜の堆積及びその中における高アスペクト比の特徴部の形成のプロセス、並びに前記プロセスを実行する装置を記載する。本開示の種々の実施形態の完全な理解を提供するために、以下の記載及び
図1〜
図5において、幾らかの細部が述べられる。薄膜の堆積としばしば関連する周知の方法及びシステムを記載する他の細部は、種々の実施形態の記載を不必要に分かり難くすることを回避するために、以下の開示において述べられていない。
【0012】
[0018] 本書に記載された細部、構成要素及び他の特徴の多くは、特定の実施形態を説明するにすぎない。従って、他の実施形態は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、他の細部、構成要素及び特徴を有することができる。加えて、本開示の別の実施形態は、以下に記載される細部のうちの幾つかなしで、実施することができる。
【0013】
[0019] 他の堆積チャンバも本開示から利益を得られ得、本書に開示されたパラメータは、本書に記載された3D NANDゲートスタックを形成するために使用される特定の堆積チャンバに応じて、変わり得る。例えば、他の堆積チャンバは、より大きい容積を有してもよいし、より小さい容積を有してもよく、アプライドマテリアルズ社(Applied Materials,Inc.)から入手可能な堆積チャンバについて記述されたものより多い又は少ないガス流量を必要とする。
【0014】
[0020] ゲートの高さが増えるにつれて、3D NANDゲートスタックは、非常に高いアスペクト比のエッチングを伴う。エッチング技術の現在の限界のため、垂直エッチング形状は、ゲートスタックの中への深さが増えるにつれて、一般に先細になる。発明者は、新規なプラズマ化学気相堆積(PECVD)膜堆積方法によって、深いトレンチにおけるエッチング性能低下を埋め合わせる優れた堆積スキームを案出した。堆積直後の状態の膜(例えば、窒化ケイ素)の様々な特性(例えば、屈折率、膜の応力、膜中のドーパント濃度)を等級分けすることによって、より均一なエッチング形状が、ドライエッチング速度及びウェットエッチング速度の両方における変動を埋め合わせることによって、達成できることを、発明者は見出した。例えば、スタックの高さが増えるにつれ、屈折率を1.90と2.1の間から等級分けすることによって、ドライエッチング速度及びウェットエッチング速度を、20%までも調節することができ、より均一なエッチング形状をもたらすことが、見出された。本書では3D NANDデバイスに関して記載されているけれども、本書に記載された実施形態は、厚さの増大におけるエッチング形状の均一性の減少を示す他の堆積エッチング統合スキームにも適用可能である。
【0015】
[0021]
図1は、本書に記載された実施形態による、膜層を形成するために利用され得る処理チャンバ100の概略側面図を示す。処理チャンバ100は、チャンバ本体102、チャンバ本体102の内部に配置された基板支持体104、及びチャンバ本体102に連結され、処理容積120で基板支持体104を囲むリッドアセンブリ106を含む。基板302が、開口部126を通って処理容積120に提供され、開口部126は、通常、処理のためにドアを用いて密閉され得る。基板支持体104は、基板支持体104のシャフト144が置かれる軸147に沿って、矢印145によって示されるように、回転可能であり得る。あるいは、基板支持体104は、堆積処理中に必要に応じて回転するように持ち上げられてもよい。
【0016】
[0022] プラズマプロファイルモジュレーター111が、処理チャンバ100の中に配置され、基板支持体104上に配置された基板302にわたるプラズマ分布を制御し得る。プラズマプロファイルモジュレーター111は、チャンバ本体102に隣接して配置され、リッドアセンブリ106の他の構成要素からチャンバ本体102を分離し得る第一の電極108を含む。第一の電極108は、リッドアセンブリ106の一部であってもよいし、又は別個の側壁電極であってもよい。第一の電極108は、環状又はリング状の部材であり得、リング電極であり得る。第一の電極108は、処理容積120を囲む処理チャンバ100の周囲を回る連続するループであってもよいし、又は必要なら選択された場所で不連続であってもよい。第一の電極108は、有孔リング又はメッシュ電極などの有孔電極であってもよい。第一の電極108は、プレート電極、例えば二次的なガス分配器であってもよい。
【0017】
[0023] セラミック又は金属酸化物、例えば酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウム、などの誘電体材料であり得る一つ以上の絶縁物110a、110b(集合的に110)が、第一の電極108と接し、第一の電極108をガス分配器112及びチャンバ本体102から電気的且つ熱的に分離する。ガス分配器112は、プロセスガスを処理容積120の中に入れるための開口118を有する。ガス分配器112は、RF発生器、RF電源、DC電力、パルスDC電力などの第一の電力の源(第一の電源)142に接続され得、パルスRF電力が用いられてもよい。一実施形態において、第一の電力の源142は、RF電源である。
【0018】
[0024] ガス分配器112は、導電性ガス分配器であってもよいし、又は非導電性ガス分配器であってもよい。ガス分配器112はまた、導電性部品及び非導電性部品で作られてもよい。例えば、ガス分配器112の本体が導電性である一方、ガス分配器112の面板が非導電性であってもよい。ガス分配器112は、
図1に示されるように第一の電力の源142などによって電力供給されてもよいし、又はガス分配器112は、グランドに接続されてもよい。
【0019】
[0025] 第一の電極108は、処理チャンバ100のグランド経路を制御する第一の調整回路128に接続され得る。第一の調整回路128は、第一の電子センサ130及び第一の電子コントローラ134を備える。第一の電子コントローラ134は、可変コンデンサ又は他の回路素子(複数可)であり得る又はそれを含み得る。第一の調整回路128は、一つ以上のインダクタ132であり得る又はそれを含み得る。第一の調整回路128は、処理中に処理容積120の中に存在するプラズマ条件下で可変又は制御可能なインピーダンスを可能にする任意の回路であってよい。
図1の実施形態において、第一の調整回路128は、グランドと第一の電子センサ130の間に並列に接続された第一の回路区間及び第二の回路区間を含む。第一の回路区間は、第一のインダクタ132Aを含む。第二の回路区間は、第一の電子コントローラ134と直列に接続された第二のインダクタ132Bを含む。第二のインダクタ132Bは、第一の電子コントローラ134と、第一の回路区間及び第二の回路区間の両方を第一の電子センサ130に接続するノードとの間に配置される。第一の電子センサ130は、電圧センサ又は電流センサであり得、第一の電子コントローラ134に接続され、処理容積120の内部のプラズマ条件のある程度の閉ループ制御を提供し得る。
【0020】
[0026] 第二の電極122が、基板支持体104に接続され得る。第二の電極122が、基板支持体104の中に埋め込まれてもよく、又は基板支持体104の表面に接続されてもよい。第二の電極122は、プレート、有孔プレート、メッシュ、ワイヤースクリーン、又は導電性要素の任意の他の分散された配列であり得る。第二の電極122は、調整電極であってよく、例えば、基板支持体104のシャフト144の中に配置された、50オーム(Ω)などの選ばれた抵抗を有するケーブルなどの、コンジット146によって第二の調整回路136に接続され得る。第二の調整回路136は、第二の電子センサ138及び第二の電子コントローラ140を有し得、第二の電子コントローラ140は、第二の可変コンデンサであり得る。第二の電子センサ138は、電圧センサ又は電流センサであり得、第二の電子コントローラ140に接続され、処理容積120内のプラズマ条件に対する更なる制御を提供し得る。
【0021】
[0027] バイアス電極及び/又は静電チャック電極であり得る第三の電極124が、基板支持体104に接続され得る。第三の電極は、インピーダンスマッチング回路であり得るフィルタ148を通って第二の電力の源(第二の電源)150に接続され得る。第二の電力の源150は、DC電力、パルスDC電力、RFバイアス電力、パルスRF源若しくはバイアス電力、又はそれらの組合せであってよい。一実施形態において、第二の電力の源150は、RFバイアス電力である。
【0022】
[0028]
図1のリッドアセンブリ106及び基板支持体104は、プラズマ又は熱処理用の任意の処理チャンバとともに使用され得る。リッドアセンブリ106及び基板支持体104がそれとともに有利に使用され得るプラズマ処理チャンバの一例は、カリフォルニア州サンタクララに所在のアプライドマテリアルズ社(Applied Materials,Inc.)から入手可能なPRODUCER(登録商標)又はPRECISION(登録商標)プラットフォーム及びチャンバである。他の製造業者からのチャンバもまた、上記部品とともに使用され得る。
【0023】
[0029] 動作中、処理チャンバ100は、処理容積120内のプラズマ条件のリアルタイム制御をすることができる。基板302が、基板支持体104上に配置され、任意の所望の流れの計画に従って、プロセスガスが、吸入口114を用いてリッドアセンブリ106を通って流される。ガスは、噴出口152を通って処理チャンバ100を出る。電力が、ガス分配器112に接続され、処理容積120内にプラズマを発生させる。必要に応じて、基板が、第三の電極124を用いて電気バイアスを受けてもよい。
【0024】
[0030] 処理容積120内でプラズマを活性化させると、プラズマと第一の電極108の間で電位差が発生する。電位差は、プラズマと第二の電極122の間でも発生する。そのとき、電子コントローラ134、140が、2つの調整回路128及び136によって表されるグランド経路の流れの特性を調整するために用いられ得る。堆積速度及び中心からエッジへのプラズマ密度の均一性の独立した制御を提供するために、設定点が、第一の調整回路128及び第二の調整回路136に送られ得る。電子コントローラが両方とも可変コンデンサである実施形態において、電子センサが、可変コンデンサを調整して、独立に、堆積速度を最大化し、厚さの不均一性を最小化し得る。
【0025】
[0031] 調整回路128、136の各々が、それぞれの電子コントローラ134、140を用いて調整され得る可変インピーダンスを有する。電子コントローラ134、140が、可変コンデンサである場合、可変コンデンサの各々のキャパシタンス範囲、並びに第一のインダクタ132A及び第二のインダクタ132Bのインダクタンスが、インピーダンス範囲を与えるように選択され、インピーダンス範囲は、プラズマの周波数及び電圧特性に応じて、各可変コンデンサのキャパシタンス範囲で最小値を有する。従って、第一の電子コントローラ134のキャパシタンスが、最小値又は最大値にある場合、第一の調整回路128のインピーダンスは高く、基板支持体上の最小の空中(横方向)カバレージを有するプラズマ形状をもたらす。第一の電子コントローラ134のキャパシタンスが、第一の調整回路128のインピーダンスを最小化する値に近づく場合、プラズマの空中カバレージは最大値に増大し、基板支持体104の全作業領域を効果的に覆う。第一の電子コントローラ134のキャパシタンスが、最小インピーダンス設定から逸脱するにつれ、プラズマ形状はチャンバ壁から縮小し、基板支持体の空中カバレージが低下する。第二の電子コントローラ140が、同様な効果を有し、第二の電子コントローラ140のキャパシタンスが変えられるにつれ、基板支持体上のプラズマの空中カバレージを増加及び減少させる。
【0026】
[0032] 電子センサ130、138が、閉ループの中でそれぞれの回路128、136を調整するために用いられ得る。用いられるセンサのタイプに応じて、電流又は電圧の設定点が、各センサにインストールされ得、センサには、設定点からの偏差を最小化するように、それぞれの電子コントローラ134、140への調整を決定する制御ソフトウェアが提供され得る。このように、プラズマ形状が、処理中に、選択され、動的に制御されることができる。前述の考察は、可変コンデンサである電子コントローラ134、140に基づいているが、調整可能な特性を有する任意の電子部品が、調整可能なインピーダンスを有する調整回路128及び136を提供するために、使用され得る。
【0027】
[0033]
図2A〜
図2Bは、本書に記載された実施形態による、薄膜中に高アスペクト比の特徴画定部を形成する方法200のフロー図を示す。高アスペクト比の特徴画定部は、幅に対する高さのアスペクト比(露出した孔の高さを孔の幅で割った比率)が大きく、少なくとも約5:1以上(例えば、アスペクト比が、6:1以上、7:1以上、8:1以上、9:1以上、10:1以上、11:1以上、12:1、16:7以上、又は約10:1〜約20:1でさえある)である特徴部を含む。本書に記載された実施形態を用いて形成され得る例示的な特徴画定部は、ビア、トレンチ、ライン、コンタクトホール、スルーホール、又は半導体、太陽光、若しくは他の電子デバイスで利用される他の特徴画定部、例えば高アスペクト比のコンタクトプラグ、を含む。
【0028】
[0034]
図3A〜
図3Cは、
図2A〜
図2Bに示された方法を利用して、基板302上に形成された、高アスペクト比の特徴部を中に有する、膜構造300の断面図を示す。一実施形態において、膜構造300は、3次元(3D)NAND半導体用途のゲート構造を形成するために利用され得る。3次元(3D)NAND半導体用途を製造するに際し、階段状の酸化物窒化物ペアの構造が、回路密度を増加させるために、高アスペクト比ゲートスタックNANDセルに対してしばしば利用される。
【0029】
[0035] 膜構造300は、基板302の任意付加の基層304上に形成されてもよい。任意付加の基層304は、第一の材料304a及び第二の材料304bを含むパターニングされた層であり得る。膜構造300は、任意付加の基層304上に連続して形成された複数の材料層スタック306
1,306
2,306
3...306
n(集合的に306)を有する。各材料層スタック306は、第一の膜層308
1,308
2,308
3...308
n(集合的に308)及びその上に形成された第二の膜層310
1,310
2,310
3...310
n(集合的に310)を含み得、その結果、膜構造300は、交互に形成された複数の第一の膜層308及び第二の膜層310を含み得る。特徴部の深さが増えるにつれて、ドライエッチング速度及びウェットエッチング速度の両方の変動を埋め合わせることによって、より均一なエッチング形状を達成するために、膜の様々な膜特性(例えば、屈折率、膜の応力、膜中のドーパント濃度)が、膜構造300全体にわたって等級分けされ得る。一実施形態において、複数の第一の膜層308は、酸化ケイ素層であり、複数の第二の膜層310は、窒化ケイ素層である。複数の材料層スタック306は、処理チャンバ100などの、一つの処理チャンバ内でPECVD堆積技術によって形成され得る。
【0030】
[0036] 別の実施形態において、第一の材料層/第二の材料層のスタックは、酸化物/ケイ素、ケイ素/ドープされたケイ素、又はケイ素/窒化物であってもよい。これらの材料の組合せの全てが、ビットコストスケーラブル(BiCS)、テラビットセルアレイトランジスタ(TCAT)、及び他の3Dメモリ構造において用いられることができる。他の実施形態において、第一の材料層/第二の材料層のスタックが、他の材料の組合せであってもよい。基板302上の第一の膜層308と第二の膜層310の堆積順序を、逆にすることもできる。
【0031】
[0037] 層の数は、製造されているメモリデバイスに依存し得る。一つの実施形態において、スタック数は、8x、又は16x、又は24x、又は更に多くすることができ、8、16、24、32、64、128又はそれより多い層の各スタックが、一つのメモリデバイスに対応する。異なる材料の2つの層が、各スタックを形成するので、8xスタック数についての対応する層数は16であり得、16xスタック数は32層を有することができ、24xスタック数は48層を有することができ、それより多いスタック数は、それぞれのそれより多い層数を有することができる。
【0032】
[0038] 方法200は、工程210から開始し、そこで、
図3Aに示された基板302などの基板が、
図1に示された処理チャンバ100又は他の適当な処理チャンバなどの処理チャンバの中に配置される。
図3Aに示された基板302は、基板302上に形成された任意付加の基層304を含む。任意付加の基層304が存在しない実施形態において、膜構造300は、基板302の表面上に直接に形成され得る。一実施形態において、基板302は、実質的に平坦な表面、平坦でない表面、又は上に構造が形成された実質的に平坦な表面を有し得る。基板302は、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープされた又はされていないポリシリコン、ドープされた又はされていないシリコンウェハ及びパターニングされた又はされていないシリコン・オン・インシュレーター(SOI)ウェハ、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイアなどの材料であり得る。基板302は、直径200mm又は300mmウェハ、並びに長方形又は正方形パネルなどの種々の寸法を有し得る。特に断りのない限り、本書に記載されている実施形態と例は、200mm直径、300mm直径、又は450mm直径を有する基板上で実施される。一実施形態において、基板302は、結晶シリコン基板であり得る。
【0033】
[0039] 工程220において、第一の材料層スタック306
1が、基板302上に形成される。第一の材料層スタック306
1は、第一の膜層308
1及び第一の膜層308
1上に形成された第二の膜層310
1を含む。第二の膜層310
1は、第一の屈折率を有する。本実施形態において、様々な膜層の屈折率が、膜構造の全体にわたって変化するけれども、本書に記載された実施形態は、膜構造300内部の変動する他の膜特性(例えば、膜応力、ドーパント濃度)にも適用可能であるということが、理解されるべきである。
【0034】
[0040] 工程222において、第一の膜層308
1が、基板302上に形成される。第一の膜層308
1は、酸化ケイ素含有層、窒化ケイ素含有層、アモルファスシリコン、多結晶シリコン又は任意の適当な結晶シリコンの層などのケイ素含有層であり得る。
図3Aに示された実施形態において、第一の材料層スタック306
1は、酸化ケイ素層などの、酸化ケイ素含有層である。
【0035】
[0041] 工程222の間、混合堆積ガスが、処理チャンバの中に供給される。混合堆積ガスは、ケイ素含有ガス及び反応ガスを含み得る。ケイ素含有ガスの適当な例には、限定されないが、シラン(SiH
4)、ジシラン(Si
2H
6)、四フッ化ケイ素(SiF
4)、四塩化ケイ素(SiCl
4)、ジクロロシラン(SiH
2Cl
2)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などが含まれる。
【0036】
[0042] 反応ガスは、酸化ケイ素含有層を形成するために、酸素含有ガスであり得、窒化ケイ素含有層を形成するために、窒素含有ガスであり得、又は炭化ケイ素含有層を形成するために、炭素含有ガスであり得る。酸素含有ガスの適当な例には、O
2,N
2O,NO
2,O
3,H
2Oなどが含まれる。窒素含有ガスの適当な例には、N
2,N
2O,NO
2,NH
3,N
2H
2などが含まれる。炭素含有ガスの適当な例には、CO
2,CO,CH
4,CF
4,他の適当な炭素系ポリマーガスなどが含まれる。
【0037】
[0043] 本書に示された一実施形態において、
図3Aに示された、酸化ケイ素含有層などの、第一の膜層308
1を形成するために、ケイ素含有ガスは、TEOSであり、反応ガスは、N
2Oなどの酸素含有ガスである。
【0038】
[0044] 一実施形態において、TEOSガスなどのケイ素含有ガスと、酸素含有ガス(O
2,N
2O,NO
2,O
3,及びH
2O)などの反応ガスのガス比が、混合ガスの反応挙動を制御するように維持され、形成されたシリコン膜中における酸素元素の所望の比率を可能にする。一実施形態において、ケイ素含有ガス(例えば、TEOSガス)が、300mm基板に対して、約500mgmから約3500mgmの間(例えば、約500mgmから約1000mgmの間、約1100mgmから約2000mgmの間、約2100mgmから約3500mgmの間)の流量で供給され得、酸素含有ガス(例えば、N
2O)が、300mm基板に対して、約500sccmから約9000sccmの間(例えば、約500sccmから約2500sccmの間、約3000sccmから約6000sccmの間、約6500sccmから約9500sccmの間)の流量で供給され得る。TEOSガスとN
2Oガスとの混合ガスが、TEOS対N
2Oの比が約1:1から約1:150の間、例えば、約1:1から約1:120の間、例えば、約1:100、で供給され得る。
【0039】
[0045] あるいは、一つ以上の不活性ガスが、処理チャンバ100に供給される混合堆積ガスの中に含まれてもよい。不活性ガスは、限定されないが、Ar、He、及びXeなどの希ガス、又はN
2などを含み得る。不活性ガスは、300mm基板に対して、約0sccmから約5000sccmの間(約100sccmから約1500sccmの間、約2000sccmから約4000sccmの間)の流量で、処理チャンバ100に供給され得る。不活性ガスは、約1:1から約1:150の間の不活性ガス対TEOSガスの流量比で、処理チャンバ100に供給され得る。幾つかの実施形態において、不活性ガスの流れは、処理チャンバの中に堆積ガスの流れを供給する前に、開始され得る。
【0040】
[0046] 本書に記載された一実施形態において、
図3Aに示された、酸化ケイ素含有層などの、第一の膜層308
1を形成するために、ケイ素含有ガスは、TEOSであり、反応ガスは、N
2Oなどの酸素含有ガスであり、不活性ガスはアルゴンである。
【0041】
[0047] 混合堆積ガスが、処理チャンバの中に供給される間、幾つかのプロセスパラメータが、管理される。一実施形態において、堆積処理チャンバ内の混合プロセスガスの圧力が、約10mTorrから約15Torrの間に管理され、基板温度が、摂氏約200度から摂氏約700度の間に維持される。
【0042】
[0048] 工程222中に、混合堆積ガスを処理チャンバの中に供給している間、RFソース電力が、(
図1に示される)第一の電力の源142によって生成され、混合ガスに接続され、混合堆積ガスをプラズマ中の反応種へ解離させるのを助け得る。幾つかの実施形態において、RFソース電力は、堆積ガスを処理チャンバの中に供給する前に、生成され得る。
【0043】
[0049] プラズマが持続されるように、RFソース及び/又はバイアス電力は、処理容積120内で混合堆積ガスを活性化させる。一実施形態において、第一の電力の源142が、0.3MHzから約14MHzの間(例えば約13.56MHz)の周波数でRF電力を供給するように動作し得る。第一の電力の源142が、約10ワットから約5000ワット(例えば、約300ワットから約1500ワットの間、約500ワットの間)でRF電力を生成し得る。幾つかの実施形態において、RFソース電力に加えて、(
図1に示される)第二の電力の源150によって提供されるRFバイアス電力もまた、混合堆積ガスを解離させ、プラズマを形成するのを助けるために、堆積処理中に利用され得る。一実施形態において、第一の電力の源142が、0.3MHzから約14MHzの間(例えば約13.56MHz)の周波数でRF電力を供給するように動作し得る。RFバイアス電力は、300kHzの周波数で約0ワットから約1000ワットの間(例えば、約10ワットから約100ワットの間)で供給され得る。一実施形態において、RFバイアス電力は、約500Hzから約10kHzの間のRF周波数で約10パーセントから約95パーセントの間のデューティサイクルでパルス生成され得る。
【0044】
[0050] 更に、電流/電圧が、基板302上のプラズマのプロファイル及び分布を制御するのを助けるために、プラズマプロファイルモジュレーター111に供給され得る。一実施形態において、(例えば、第一の電極108に供給される)側壁調整電極電流ターゲットが、約0.5アンペアから約40アンペアの間、例えば約6アンペア、に設定され、(例えば、第二の電極122に供給される)基板支持体調整電極電流ターゲットが、約0.5アンペアから約40アンペアの間、例えば約6アンペア、に設定され、処理容積120内に生成されたプラズマを制御するのを助ける。
【0045】
[0051] 幾つかの実施形態において、工程222の間、約300ワットから約1500ワットの間の高周波RFと、約0ワットから約1000ワットの間の低周波RFとの組合せが、堆積プロセス中に印加され得る。
【0046】
[0052] 所望の厚さの第一の膜層308
1が堆積された後、堆積プロセスは終了され得る。一実施形態において、第一の膜層308
1は、約10nmから約60nmの間、例えば約30nm、の厚さを有し得る。第一の膜層308
1が、酸化ケイ素層などの酸化ケイ素含有層である実施形態において、酸化ケイ素含有層は、約0MPaから約+1000MPaの間の応力範囲を有し得る。
【0047】
[0053] 第一の膜層308
1上に第二の膜層310
1 を形成する前に、残留ガス又は堆積副生成物を処理チャンバからポンピング/パージするための任意付加のポンピング/パージプロセスが、実施されてもよい。工程222の間に不活性ガスが用いられる幾つかの実施形態において、不活性ガスが、RF電力の印加とともに又は印加なしでパージガスとして用いられ得る。
【0048】
[0054] 工程224において、第二の膜層310
1が、第一の膜層308
1上に形成される。第二の膜層310
1は、酸化ケイ素含有層、窒化ケイ素含有層、アモルファスシリコン、多結晶シリコン又は任意の適当な結晶シリコンの層などのケイ素含有層であり得る。
図3Aに示された実施形態において、第二の膜層310
1は、窒化ケイ素層などの、窒化ケイ素含有層である。
【0049】
[0055] 工程224の間、混合堆積ガスが、処理チャンバの中に供給される。混合堆積ガスは、ケイ素含有ガス及び反応ガスを含み得る。ケイ素含有ガスの適当な例には、限定されないが、シラン(SiH
4)、ジシラン(Si
2H
6)、四フッ化ケイ素(SiF
4)、四塩化ケイ素(SiCl
4)、ジクロロシラン(SiH
2Cl
2)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などが含まれる。
【0050】
[0056] 反応ガスは、酸化ケイ素含有層を形成するために、酸素含有ガスであり得、窒化ケイ素含有層を形成するために、窒素含有ガスであり得、又は炭化ケイ素含有層を形成するために、炭素含有ガスであり得る。酸素含有ガスの適当な例には、O
2,N
2O,NO
2,O
3,H
2Oなどが含まれる。窒素含有ガスの適当な例には、N
2,N
2O,NO
2,NH
3,N
2H
2などが含まれる。炭素含有ガスの適当な例には、CO
2,CO,CH
4,CF
4,他の適当な炭素系ポリマーガスなどが含まれる。
【0051】
[0057] 本書に示された一実施形態において、
図3Aに示された、窒化ケイ素含有層などの、第二の膜層310
1を形成するために、ケイ素含有ガスは、SiH
4であり、反応ガスは、NH
3及びN
2などの窒素含有ガスである。
【0052】
[0058] 一実施形態において、SiH
4ガスなどのケイ素含有ガスと、窒素含有ガス(N
2,N
2O又はNH
3)などの反応ガスのガス比が、混合ガスの反応挙動を制御するように維持され、形成されたシリコン膜中における窒素元素の所望の比率を可能にする。一実施形態において、ケイ素含有ガス(例えば、SiH
4ガス)が、300mm基板に対して、約30sccmから約400sccmの間(例えば、約30sccmから約100sccmの間、約150sccmから約300sccmの間)の流量で供給され得、窒素含有ガス(例えば、NH
3)が、300mm基板に対して、約200sccmから約9000sccmの間(例えば、約200sccmから約7000sccmの間、約500sccmから約2500sccmの間、約3000sccmから約6000sccmの間、約6500sccmから約9500sccmの間)の流量で供給され得る。SiH
4ガスとNH
3ガスとの混合ガスが、SiH
4とNH
3の比が約1:1から約1:150の間、例えば、約1:1から約1:120の間、例えば、約1:100、で供給され得る。
【0053】
[0059] あるいは、一つ以上の不活性ガスが、処理チャンバ100に供給される混合堆積ガスの中に含まれてもよい。不活性ガスは、限定されないが、Ar、He、及びXeなどの希ガス、又はN
2などを含み得る。不活性ガスが、300mm基板に対して、約0sccmから約5000sccmの間(約100sccmから約1500sccmの間、約2000sccmから約4000sccmの間)の流量で、処理チャンバ100に供給され得る。不活性ガスは、約1:1から約1:150の間の不活性ガス対TEOSガスの流量比で、処理チャンバ100に供給され得る。幾つかの実施形態において、不活性ガスの流れは、処理チャンバの中に堆積ガスの流れを供給する前に、開始され得る。
【0054】
[0060] 本書に記載された一実施形態において、
図3Aに示された、酸化ケイ素含有層などの、第二の膜層310
1を形成するために、ケイ素含有ガスは、SiH
4であり、反応ガスは、NH
3及びN
2などの窒素含有ガスであり、不活性ガスはアルゴンである。
【0055】
[0061] 混合堆積ガスが、処理チャンバの中に供給される間、幾つかのプロセスパラメータが、管理される。一実施形態において、堆積処理チャンバ内の混合プロセスガスの圧力が、約10mTorrから約15Torrの間に管理され、基板温度が、摂氏約200度から摂氏約700度の間に維持される。
【0056】
[0062] 工程222の間、混合堆積ガスを処理チャンバの中に供給している間、RFソース電力が、(
図1に示される)第一の電力の源142によって生成され、混合ガスに接続され、混合堆積ガスをプラズマ中の反応種へ解離させるのを助け得る。
【0057】
[0063] プラズマが持続されるように、RFソース及び/又はバイアス電力は、処理容積120内で混合堆積ガスを活性化させる。一実施形態において、第一の電力の源142が、0.3MHzから約14MHzの間(例えば約13.56MHz)の周波数でRF電力を供給するように動作し得る。第一の電力の源142が、約10ワットから約5000ワット(例えば、約300ワットから約1500ワットの間、約500ワット)でRF電力を生成し得る。幾つかの実施形態において、RFソース電力に加えて、(
図1に示される)第二の電力の源150によって提供されるRFバイアス電力もまた、混合堆積ガスを解離させ、プラズマを形成するのを助けるために、堆積処理中に利用され得る。一実施形態において、第一の電力の源142が、0.3MHzから約14MHzの間(例えば約13.56MHz)の周波数でRF電力を供給するように動作し得る。RFバイアス電力は、300kHzの周波数で約0ワットから約1000ワットの間(例えば、約10ワットから約100ワットの間)で供給され得る。一実施形態において、RFバイアス電力は、約500Hzから約10kHzの間のRF周波数で約10パーセントから約95パーセントの間のデューティサイクルでパルス生成され得る。
【0058】
[0064] 更に、電流/電圧が、基板302上のプラズマのプロファイル及び分布を制御するのを助けるために、プラズマプロファイルモジュレーター111に供給され得る。一実施形態において、(例えば、第一の電極108に供給される)側壁調整電極電流ターゲットが、約0.5アンペアから約40アンペアの間、例えば約6アンペア、に設定され、(例えば、第二の電極122に供給される)基板支持体調整電極電流ターゲットが、約0.5アンペアから約40アンペアの間、例えば約6アンペア、に設定され、処理容積120内に生成されたプラズマを制御するのを助ける。
【0059】
[0065] 所望の厚さの第二の膜層310
1が堆積された後、堆積プロセスは終了され得る。一実施形態において、第二の膜層310
1は、約10nmから約60nmの間、例えば約30nm、の厚さを有し得る。第二の膜層310
1が、窒化ケイ素層などの窒化ケイ素含有層である実施形態において、窒化ケイ素含有層は、約0MPaから約1000MPaの間の応力範囲を有し得る。第二の膜層310
1は、約1.85から約2.1の屈折率を有する(例えば、約1.85から約1.90の屈折率、約1.90の屈折率)。
【0060】
[0066] 第二の膜層310
1を形成した後に、残留ガス又は堆積副生成物を処理チャンバからポンピング/パージするための任意付加のポンピング/パージプロセスが、実施されてもよい。工程224の間に不活性ガスが用いられる幾つかの実施形態において、不活性ガスが、RF電力の印加とともに又は印加なしでパージガスとして用いられ得る。
【0061】
[0067] 所望の厚さの第一の材料層スタック306
1が達成されるまで、第一の膜層308
1及び第二の膜層310
1を交互にして材料層スタック306
1を形成するために、
図2の工程222及び工程224が連続的に実施されてもよい。第一の膜層308
1が、酸化ケイ素層であり、第二の膜層310
1が、窒化ケイ素層である一実施形態において、
図2の方法200は、処理チャンバ100から基板302を除去することなく(例えば、真空を破壊することなく)、異なる組成物を有する膜層308
1,310
1を形成するために、異なる混合堆積ガスを取り換えることによって実施され得る。
【0062】
[0068] 例えば、膜材料層スタック306
1は、酸化ケイ素層などの第一の膜層308
1を形成するための(工程222において管理される)プロセスパラメータの第一の組で第一の混合堆積ガスを最初に供給することによって、形成され得る。第一の混合堆積ガスは、少なくともケイ素含有ガス及び酸素含有ガスを含み得る。第一の膜層308
1の厚さに達した後、第一の混合堆積ガスは、窒化ケイ素層などの、第二の膜層310
1を形成するためのプロセスパラメータの第二の組とともに第二の混合堆積ガスに取り換えられ得る。第二の混合堆積ガスは、少なくともケイ素含有ガス及び窒素含有ガスを含み得る。第一の混合堆積ガスと第二の混合堆積ガスの間の交換は、基板302上に次の膜層を形成する前に、残留ガス又は堆積副生成物を処理チャンバからポンピング/パージするためのポンピング/パージプロセスを、任意付加で、有してもよい。
【0063】
[0069] 工程230において、基板上の第一の材料層スタック306
1の堆積の後に、第二の材料層スタック306
2が、第一の材料層スタック306
1上に形成される。第二の材料層スタック306
2は、第三の膜層308
2及び第三の膜層308
2上に形成された第四の膜層310
2を含む。第四の膜層310
2は、第二の膜層310
1の第一の屈折率より大きい第二の屈折率を有する。
【0064】
[0070] 工程232において、第三の膜層308
2が、第一の材料層スタック306
1上に形成される。第三の膜層308
2は、酸化ケイ素含有層、窒化ケイ素含有層、アモルファスシリコン、多結晶シリコン又は任意の適当な結晶シリコンの層などのケイ素含有層であり得る。
図3Aに示された実施形態において、第三の膜層308
2は、酸化ケイ素層などの、酸化ケイ素含有層である。第三の膜層308
2は、第一の膜層308
1と同様であってもよく、工程222に記載されたプロセス条件を用いて形成され得る。
【0065】
[0071] 第三の膜層308
2上に第四の膜層310
2を形成する前に、残留ガス又は堆積副生成物を処理チャンバからポンピング/パージするための任意付加のポンピング/パージプロセスが、実施されてもよい。工程232の間に不活性ガスが用いられる幾つかの実施形態において、不活性ガスが、RF電力の印加とともに又は印加なしでパージガスとして用いられ得る。
【0066】
[0072] 工程234において、第四の膜層310
2が、第三の膜層308
2上に形成される。第四の膜層310
2は、酸化ケイ素含有層、窒化ケイ素含有層、アモルファスシリコン、多結晶シリコン又は任意の適当な結晶シリコンの層などのケイ素含有層であり得る。
図3Aに示された実施形態において、第四の膜層310
2は、窒化ケイ素層などの、窒化ケイ素含有層である。第四の膜層310
2は、第二の膜層310
1の屈折率より大きい屈折率を有する。第四の膜層310
2は、工程224について記載されたプロセス条件と同様なプロセス条件を用いて堆積され得る。しかしながら、第二の膜層310
1の屈折率より大きい屈折率を達成するために、種々のプロセスパラメータが、工程224に記載されたプロセスパラメータに対して変更される。
【0067】
[0073] 幾つかの実施形態において、第二の膜層310
1に対する第四の膜層310
2のより大きい屈折率を達成するために、ケイ素含有ガス(例えば、SiH
4)の流量又は窒素含有ガス(例えば、NH
3)の流量が、工程224に記載された流量に対して変更される。チャンバ圧力及び/又は基板302とガス分配器112との間の間隔などの他のプロセス条件が、増加した屈折率を達成するために、調整され得る。例えば、一実施形態において、ケイ素含有ガス(例えば、SiH
4)の流量が、工程224に記載された第二の膜層310
1を形成するために使用されたケイ素含有ガス(例えば、SiH
4)の流量に対して増加される。別の実施形態において、窒素含有ガス(例えば、SiH
3)の流量が、工程224に記載された第二の膜層310
1を形成するために使用された窒素含有ガス(例えば、SiH
3)の流量に対して増加される。
【0068】
[0074] 所望の厚さの第四の膜層310
2が堆積された後、堆積プロセスは終了され得る。一実施形態において、第四の膜層310
2は、約10nmから約60nmの間、例えば約30nm、の厚さを有し得る。第四の膜層310
2が、窒化ケイ素層などの窒化ケイ素含有層である実施形態において、窒化ケイ素含有層は、約0MPaから約1000MPaの間の応力範囲を有し得る。第四の膜層310
2は、約1.85から約2.1の屈折率を有する(例えば、約1.91から約1.95の屈折率、約1.93の屈折率)。
【0069】
[0075] 第四の膜層310
2を形成した後に、残留ガス又は堆積副生成物を処理チャンバからポンピング/パージするための任意付加のポンピング/パージプロセスが、実施されてもよい。工程234の間に不活性ガスが用いられる幾つかの実施形態において、不活性ガスが、RF電力の印加とともに又は印加なしでパージガスとして用いられ得る。
【0070】
[0076] 所望の厚さの第二の材料層スタック306
2が達成されるまで、第三の膜層308
2及び第四の膜層310
2を交互にして第二の材料層スタック306
2を形成するために、
図2の工程232及び工程234が連続的に実施されてもよい。第三の膜層308
2が、酸化ケイ素層であり、第四の膜層310
2が、窒化ケイ素層である一実施形態において、
図2の方法200は、処理チャンバ100から基板302を除去することなく(例えば、真空を破壊することなく)、異なる組成物を有する膜層308
2,310
2を形成するために、異なる混合堆積ガスを取り換えることによって実施され得る。
【0071】
[0077] 工程240において、基板上の第二の材料層スタック306
2の堆積の後に、第三の材料層スタック306
3が、第二の材料層スタック306
2上に形成される。第三の材料層スタック306
3は、第五の膜層308
3及び第五の膜層308
3上に形成された第六の膜層310
3を含む。第六の膜層310
3は、第四の膜層310
2の第二の屈折率より大きい第三の屈折率を有する。
【0072】
[0078] 工程242において、第五の膜層308
3が、第二の材料層スタック306
2上に形成される。第五の膜層308
3は、酸化ケイ素含有層、窒化ケイ素含有層、アモルファスシリコン、多結晶シリコン又は任意の適当な結晶シリコンの層などのケイ素含有層であり得る。
図3Aに示された実施形態において、第五の膜層308
3は、酸化ケイ素層などの、酸化ケイ素含有層である。第五の膜層308
3は、第一の膜層308
1及び第三の膜層308
2と同様であってもよく、工程222及び工程232に記載されたプロセス条件を用いて形成され得る。
【0073】
[0079] 第五の膜層308
3上に第六の膜層310
3を形成する前に、残留ガス又は堆積副生成物を処理チャンバからポンピング/パージするための任意付加のポンピング/パージプロセスが、実施されてもよい。工程242の間に不活性ガスが用いられる幾つかの実施形態において、不活性ガスが、RF電力の印加とともに又は印加なしでパージガスとして用いられ得る。
【0074】
[0080] 工程244において、第六の膜層310
3が、第五の膜層308
3上に形成される。第六の膜層310
3は、酸化ケイ素含有層、窒化ケイ素含有層、アモルファスシリコン、多結晶シリコン又は任意の適当な結晶シリコンの層などのケイ素含有層であり得る。
図3Aに示された実施形態において、第六の膜層310
3は、窒化ケイ素層などの、窒化ケイ素含有層である。第六の膜層310
3は、第四の膜層310
2の屈折率より大きい屈折率を有する。第六の膜層310
3は、工程224及び工程234について記載されたプロセス条件と同様なプロセス条件を用いて堆積され得る。しかしながら、第四の膜層310
2の屈折率より大きい屈折率を達成するために、種々のプロセスパラメータが、工程224及び工程234に記載されたプロセスパラメータに対して変更される。幾つかの実施形態において、第四の膜層310
2の屈折率に対する第六の膜層310
3のより大きい屈折率を達成するために、ケイ素含有ガス(例えば、SiH
4)の流量又は窒素含有ガス(例えば、NH
3)の流量が、工程234に記載された流量に対して変更される。例えば、一実施形態において、ケイ素含有ガス(例えば、SiH
4)の流量が、工程234に記載された第四の膜層310
2を形成するために使用されたケイ素含有ガス(例えば、SiH
4)の流量に対して増加される。別の実施形態において、窒素含有ガス(例えば、SiH
3)の流量が、工程234に記載された第四の膜層310
2を形成するために使用された窒素含有ガス(例えば、SiH
3)の流量に対して増加される。
【0075】
[0081] 所望の厚さの第六の膜層310
3が堆積された後、堆積プロセスは終了され得る。一実施形態において、第六の膜層310
3は、約10nmから約60nmの間、例えば約30nm、の厚さを有し得る。第六の膜層310
3が、窒化ケイ素層などの窒化ケイ素含有層である実施形態において、窒化ケイ素含有層は、約0MPaから約1000MPaの間の応力範囲を有し得る。第六の膜層310
3は、約1.85から約2.1の屈折率を有する(例えば、約1.95から約2.1の屈折率、約1.95の屈折率)。
【0076】
[0082] 第六の膜層310
3を形成した後に、残留ガス又は堆積副生成物を処理チャンバからポンピング/パージするための任意付加のポンピング/パージプロセスが、実施されてもよい。工程244の間に不活性ガスが用いられる幾つかの実施形態において、不活性ガスが、RF電力の印加とともに又は印加なしでパージガスとして用いられ得る。
【0077】
[0083] 所望の厚さの第二の材料層スタック306
2が達成されるまで、第五の膜層308
3及び第六の膜層310
3を交互にして第三の材料層スタック306
3を形成するために、
図2Bの工程242及び工程244が連続的に実施されてもよい。第五の膜層308
3が、酸化ケイ素層であり、第六の膜層310
3が、窒化ケイ素層である一実施形態において、
図2の方法200は、処理チャンバ100から基板302を除去することなく(例えば、真空を破壊することなく)、異なる組成物を有する膜層308
3,310
3を形成するために、異なる混合堆積ガスを取り換えることによって実施され得る。
【0078】
[0084] 工程250において、一つ以上のパターニング層320が、膜構造300上に形成される。一つ以上のパターニング層は、例えば、ハードマスク層322(例えば、アモルファスカーボン層)、反射防止コーティング層324、及びフォトレジスト層326を含み得る。一つ以上のパターニング層は、開口330を形成するように、本技術分野で既知の技術を用いてパターニングされ得る。例えば、パターンの像が、既知のリソグラフィ技術を用いて、フォトレジスト層326の中に導入され得る。フォトレジスト層326に導入されたパターンの像は、適当な現像液で現像され、当該層を通るパターンを画定し得る。その後、フォトレジスト層326に画定されたパターンが、反射防止コーティング層324及びハードマスク層322の両方を通って転写される。パターンは、マスクとしてフォトレジスト層326を用いて、反射防止コーティング層324及びハードマスク層322の両方を通って転写される。パターンは、例えば、水素含有フッ化炭素(C
xF
yH
z)並びに水素(H
2),窒素(N
2),酸素(O
2),アルゴン(Ar),及びヘリウム(He)からなるグループから選択された一つ以上のガスを含む混合ガスを用いて、反射防止コーティング層324を通って転写され得る。ハードマスク層322は、オゾン、酸素、若しくはアンモニアのプラズマのみを用いて、又は臭化水素(HBr),窒素(N
2),四フッ化炭素(CF
4),アルゴン(Ar),などと組合わせて、エッチングされ得る。
【0079】
[0085] 工程260において、一つ以上の高アスペクト比の特徴部340が、膜構造300中に形成される。一つ以上のパターニング層320の中に画定された開口330が、ハードマスク層322を用いて、一つ以上の高アスペクト比の特徴部340を形成するように、膜構造300を通って転写され得る。高アスペクト比の特徴部340は、反応性イオンエッチング技術又は他の異方性エッチング技術を用いて、形成され得る。一実施形態において、一つ以上の高アスペクト比の特徴部340を形成するために、エッチングガスのプラズマ又はイオンビームが、基板302に向けられ得る。エッチングガスは、SF
6,C
3F
8 CF
4,BF
3,BI
3,N
2,Ar,PH
3,AsH
3,B
2H
6,H
2,Xe,Kr,Ne,He,SiH
4,SiF
4,GeH
4,GeF
4,CH
4,AsF
5,PF
3,PF
5,又はそれらの組合せを含み得る。
【0080】
[0086] 工程270において、膜構造300中の高アスペクト比の特徴部340の形成後、ハードマスク層322は、オゾン、酸素、アンモニアのプラズマのみで、又はフッ素化化合物、窒素若しくは水素のプラズマと組合わせてエッチングすることによって、膜構造300から除去され得る。
【0081】
[0087]
図4は、窒化ケイ素材料の屈折率に関する、窒化ケイ素材料のドライエッチング速度(Å/秒)を示すグラフ400である。グラフ400に示されるように、窒化ケイ素膜の屈折率が増加するにつれて、ドライエッチング速度が減少する。
【0082】
[0088]
図5Aは、従来の方法により形成された、屈折率の勾配のない窒化ケイ素含有構造中に形成されたトレンチのエッチング形状を示す顕微鏡写真である。
図5Aに示されるように、屈折率の勾配のない窒化ケイ素膜のエッチング形状は、不均一である。
【0083】
[0089]
図5Bは、本明細書に記載された実施形態による、屈折率の勾配を有する窒化ケイ素含有構造中に形成されたトレンチのエッチング形状を示す顕微鏡写真である。
図5Bに示されるように、屈折率が1.9の複数の窒化ケイ素層及び屈折率が2.0の複数の窒化ケイ素層を有する構造中に形成されたトレンチのエッチング形状は、
図5Aに示されたエッチング形状に比べてより均一である。
【0084】
[0090]
図5Cは、本明細書に記載された実施形態による、屈折率の勾配を有する窒化ケイ素含有構造中に形成された別のトレンチのエッチング形状を示す顕微鏡写真である。
図5Cに示されるように、屈折率が1.9の複数の窒化ケイ素層、屈折率が1.95の複数の窒化ケイ素層、及び屈折率が2.0の複数の窒化ケイ素層を有する構造中に形成されたトレンチのエッチング形状は、
図5A及び
図5Bの両方に示されたエッチング形状に比べてより均一である。
【0085】
[0091] 本書で用いられるとき、以下の用語は、特に明記しない限り、又は使われている文脈から明らかでない場合、以下に述べられる意味を有する。
【0086】
[0092] 本開示の要素又はその例示的な態様若しくは実施形態(複数可)を導入するとき、冠詞「一つの(a)」、「一つの(an)」、「該(the)」及び「前記(said)」は、その要素が一つ以上存在することを意味するものとする。
【0087】
[0093] 「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包含的であり、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものとする。
【0088】
[0094] 「基板」という用語は、その上に層が形成された又は形成されていない支持基板を指す。支持基板は、絶縁体又は種々のドーピング濃度及びプロファイルの半導体であってよく、例えば、集積回路の製造に使用されるタイプの半導体基板であってよい。
【0089】
[0095] 上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考え出すこともでき、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。