【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、総務省、「次世代映像素材伝送の実現に向けた高効率周波数利用技術に関する研究開発」に係わる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
Fujitsu & Siemens,Universal rate matching method for up/downlink and Turbo/convolutional coding[online],TSG-RAN Working Group 1(Radio) meeting #6 TSGR1#6(99)910,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_06/Docs/Zips/R1-99910.zip>,1999年 7月15日
【文献】
3GPP TS 36.212 V13.2.0 (2016-06)[online],2016年 6月30日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.212/36212-d20.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
操作者による直接制御と、受信側からの送り返し情報に基づくフィードバック制御のいずれか一方、又は双方により、前記符号化率変更処理手段における符号化率を変更可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の送信装置。
【背景技術】
【0002】
無線でデジタルデータを放送又は通信する伝送システムでは、誤り訂正符号として、内符号と外符号の連接符号が用いられ、この内符号には畳込み符号、或いはターボ符号等のビット単位のパンクチャ処理(符号化率変更処理)を可能とするものが採用されているものが多い。
【0003】
このパンクチャ処理により伝送特性(ビット誤り特性)を変更することができ、送信側ではデータの伝送に先立って符号化率を変更するよう制御することができる。
【0004】
OFDM方式又はシングルキャリア方式における現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)は、それぞれ送信側及び受信側で内符号に畳込み符号を使用し外符号にリードソロモン(RS)符号を使用しており、送信側ではデータ伝送に先立って、所定のビットパンクチャパターンに基づくパンクチャ処理によって符号化率を変更することができる(例えば、非特許文献1,2,3参照)。この符号化率変更は同一構成の誤り訂正符号化器・復号器を用いて情報ビットに対する冗長ビットの割り当て量の変更のみで実現可能である。
【0005】
同じく、現行の地上デジタル放送の伝送方式においても畳込み符号を使用しており、所定のビットパンクチャパターンに基づくパンクチャ処理によって符号化率を変更することができる。しかしながら、これらの伝送システムは、実質的に、複数の符号化率を達成するための個々の符号化器(復号器も同様)を設けているのに等しく、信号伝送中に符号化率を変更可能とするよう構成されていない。
【0006】
尚、現行規格の高度BSデジタル放送の伝送方式や、欧州規格のDVB−S2/T2/C2などの伝送システムでは、LDPC符号を採用するものとなっており、予め規定された範囲内で符号化率を変更することができる。ただし、これらの伝送方式においても、符号化率ごとにLDPC符号に固有の検査行列の構成が異なるため、複数の符号化率を実現するには複数の符号化率を達成するための個々の符号化器が必要となり、信号伝送中の符号化率制御など、効率的にデータ伝送量を変えることは難しい。
【0007】
例えば、代表してOFDM方式の無線伝送装置(FPU)について説明するに、
図7に、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)にそれぞれ対応する送信装置100及び受信装置200の概略構成を示している。
【0008】
送信装置100は、誤り訂正符号化器101、変調部105、周波数変換部106、送り返し情報抽出部107、及び符号化率切替制御部108を備える。尚、インターリーブ処理などの図示は省略している。
【0009】
誤り訂正符号化器101は、RS符号を外符号とし、畳込み符号を内符号とした連接符号からなり、この連接符号の間にバイト単位で畳込みインターリーブ処理を施す外インターリーバが設けられ、データストリームを入力し誤り訂正符号化処理を施して、変調部105に出力する。
【0010】
尚、誤り訂正符号化器101は、内符号の畳込み符号の符号化処理後に、所定のビットパンクチャパターンに基づくパンクチャ処理によって符号化率を変更することができるが、実質的に、複数の符号化率を達成するための個々の符号化器を設けているのと等価である。そこで、
図7では、符号化率Ra,Rb,Rc,Rdのいずれかを選択するよう切り替え可能な符号化器が並設されている例を示している。
【0011】
変調部105は、所定の符号化率が設定された誤り訂正符号化後のビット列から伝送するシンボルを構成し、伝送するシンボルについてOFDM変調のサブキャリア(ただし、シングルキャリア方式であればそのキャリアであり、本願明細書中、総括して「キャリア」と称する。)に応じて直交平面へのマッピングを行い、本例では各キャリアが互いに直交するようOFDMフレームを構成し、各キャリアを多重したOFDM信号(ただし、シングルキャリア方式であれば、その変調方式に応じた信号)を生成し、周波数変換部106に出力する。
【0012】
周波数変換部106は、変調部105から得られる中間周波数帯の信号(本例では中間周波数帯のOFDM信号)を伝送用の高周波数帯へとシフト変換して変調信号を生成し外部に出力する。
【0013】
送り返し情報抽出部107は、受信装置200から所定フォーマットで伝送される制御情報を受信して所定の送り返し情報を抽出し、符号化率切替制御部108に出力する。送り返し情報は、受信装置200における受信品質を示すものとするか、又は符号化率を変更するよう指示する旨を示すものとすることができる。
【0014】
符号化率切替制御部108は、送り返し情報抽出部107によって抽出した送り返し情報を基に、誤り訂正符号化器101における符号化率を変更するよう制御する。
【0015】
尚、誤り訂正符号化器101における符号化率を変更するためには、操作者による直接制御により行うこともでき、このため直接制御と送り返し情報に基づくフィードバック制御のいずれか一方、又は双方が可能なように構成される。
【0016】
一方、受信装置200は、周波数変換部201、復調部202、誤り訂正復号器203、受信品質監視部207、及び送り返し情報生成部208を備える。尚、デインターリーブ処理などの図示は省略している。
【0017】
周波数変換部201は、送信装置100から伝送される変調信号を受信して中間周波数帯の信号(本例では中間周波数帯のOFDM信号)に変換し復調部202に出力する。
【0018】
復調部202は、中間周波数帯の信号(本例では中間周波数帯のOFDM信号)に対し復調処理を施し誤り訂正復号器203に出力する。
【0019】
誤り訂正復号器203は、復調処理を施して得られる誤り訂正ブロックに対し送信側の誤り訂正符号化器101による符号化処理に対応する復号処理を施し、データストリームを復元する。
【0020】
尚、誤り訂正復号器203は、送信側で設定されている符号化率に対応するよう所定のビットパンクチャパターンに基づくパンクチャ処理によって符号化率を変更することができ、実質的に、複数の符号化率を達成するための個々の復号器を設けているのと等価である。そこで、
図7では、符号化率Ra,Rb,Rc,Rdのいずれかを選択するよう切り替え可能な復号器が並設されている例を示している。
【0021】
受信品質監視部207は、変調誤差比(MER)や受信電力、或いはビット誤り量等の受信品質を監視しており、送信側の符号化率を変更させるか否かを判別し、送信側の符号化率を変更させる際には、その旨を送り返し情報生成部208に出力する。
【0022】
送り返し情報生成部208は、受信装置200における受信品質を示すものとするか、又は符号化率を変更するよう指示する旨を示す送り返し情報を生成し、所定フォーマットの制御情報を用いて送信装置100に向けて送信することにより符号化率を変更させるようフィードバック制御を行い、誤り訂正復号器203に対しても符号化率の変更を設定する。
【0023】
尚、誤り訂正復号器203は、送信装置100の誤り訂正符号化器101における符号化率の変更に応じて、操作者による直接制御により行うこともでき、このため直接制御と送り返し情報に基づくフィードバック制御のいずれか一方、又は双方が可能なように構成される。
【0024】
このように、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)は、データ伝送に先立って、伝送路に応じて誤り訂正符号化率を変えることにより、誤り耐性を変更することができる。例えば長距離や移動環境のように伝搬環境が悪い状態の伝送では符号化率を下げ、短距離・固定環境のように伝搬環境が良い状態の伝送では符号化率を上げることが例として挙げられる。符号化率を上げることで伝送する映像の品質を上げることができ、データの高速伝送を実現できる。
【0025】
ただし、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に基づく送信装置100及び受信装置200では、誤り訂正符号化器101及び誤り訂正復号器203にて符号化率毎の符号化器及び復号器を切り替えると、これらを通るビット列の伝送レートが切り替わる。このため、切れ目のない映像ストリームなどを伝送する場合、伝送中に符号化率の切り替えを行うよう構成されていない。しかしながら、映像ストリームと他のデータ(データファイル等)を多重化したデータストリーム、或いは映像ストリーム自体も可変レートのものを用いる場合、伝送中の符号化率を切り替え可能とすることが要望される。
【0026】
一方、3GPPにより規格化されたLTE(Long Term Evolution)規格(TS 36.212)以降における通信端末では、符号化率を可変化するものがある(例えば、非特許文献4参照)。
図8に、LTEに基づく通信端末300の概略構成を示している。
【0027】
通信端末300は、ターボ符号化器301、ビットパンクチャ処理部302、送受信部303、ビットデパンクチャ処理部304、及びターボ復号器305を備える。実際には、誤り訂正符号化器として連接符号で構成され、インターリーブ処理等が設けられるが、その図示を省略している。
【0028】
ターボ符号化器301は、
図9に示すように、第1要素符号化器311、第2要素符号化器312、ターボ符号内インターリーバ313、及び多重化部314を備える。
【0029】
ターボ符号化器301は、入力ビットとしてNビットを入力すると、図示しないバッファメモリに格納され、情報ビット系列(系列S)、第1パリティビット系列(P1)及び第2パリティビット系列(P2)の3つの出力系統のビット列を多重化部314により時分割で多重化して出力するようになっている。
【0030】
情報ビット系列(系列S)は、入力ビットと同じビット列であり、終端ビットが付加されて多重化部314に入力される。
【0031】
第1パリティビット系列(P1)は、入力ビットに対し第1要素符号化器311により畳込み符号化処理を施したビット列であり、終端ビットが付加されて多重化部314に入力される。
【0032】
第2パリティビット系列(P2)は、入力ビットに対しターボ符号内インターリーバ313によりインターリーブ処理が施されたビット列を、第2要素符号化器312により第1要素符号化器311と同じ畳込み符号化処理を施して得られるビット列であり、終端ビットが付加されて多重化部314に入力される。
【0033】
ターボ符号内インターリーバ313は、QPP(quadratic polynomial permutation:2次多項式置換)に基づくインターリーブ処理であり、ターボ符号化器301内の第1及び第2要素符号化器311,312における畳込み符号化処理の状態数である8の倍数単位でビット分散する。
【0034】
多重化部314は、入力ビットNに対し情報ビット系列(系列S)、第1パリティビット系列(P1)及び第2パリティビット系列(P2)の3つの出力系統にそれぞれ終端ビットとして4ビット(合計12ビット)が付加されたものをそれぞれ入力し、典型的には時分割で多重化し、合計出力ビットとして3N+12ビットのビット列を、
図8に示すビットパンクチャ処理部302に出力する。
【0035】
ビットパンクチャ処理部302は、ターボ符号化器301から入力されるビット列に対し、符号化率の変更処理を行い、送受信部303に出力する。
【0036】
送受信部303は、基地局や他の通信端末などの外部装置との双方向通信を行う。
【0037】
ビットデパンクチャ処理部304は、送受信部303を経て通信相手の外部装置により得られるビット列を入力し、当該通信相手の外部装置により設定されている符号化率の変更処理により誤り訂正符号化時の符号化率の誤り訂正ブロックを復元し、ターボ復号器305に出力する。
【0038】
ターボ復号器305は、ビットデパンクチャ処理部304から入力される誤り訂正ブロックに対し、誤り訂正ブロック内でビット尤度(0/1の確からしさ)を基に繰り返し復号処理を施すことでビット誤りを訂正する処理を行い、データを復元する。
【0039】
ここで、
図8に示すLTEに基づく通信端末300におけるビットパンクチャ処理部302の処理について、
図10に示すフローチャートを基に、
図11乃至
図14を参照しながら説明する。
【0040】
まず、
図10に示すように、ビットパンクチャ処理部302は、図示しないバッファメモリを備え、処理単位ビット数Nの情報ビット系列Sと、対応するパリティビット系列P1,P2を入力して保持し、
図11(a)に示すように、所定ビット数(32ビット)毎の列に並び替える(ステップS10)。終端ビット部分は別に保持しておく。
【0041】
続いて、ビットパンクチャ処理部302は、ステップS10で並び替えたビット系列S,P1,P2を、
図11(b)に示すような所定のパンクチャパターンにより並び替える列サブブロックインターリーブ処理を実行する(ステップS11)。この列サブブロックインターリーブ処理の実行後のビット列を、
図11(c)に示している。
【0042】
続いて、ビットパンクチャ処理部302は、
図12(a)に示すように、系列P2のみ1ビットサイクリックシフトを実行する(ステップS12)。
【0043】
続いて、ビットパンクチャ処理部302は、
図12(b)に示すように、系列P1,P2のビット系列についてビットインタレースを実行し、各系列P1,P2のビットが交互に配置されるようにする(ステップS13)。このビットインタレース処理の実行後のビット列を、
図12(c)に示している。
【0044】
続いて、ビットパンクチャ処理部302は、
図13(a)に示すように、ビット出力開始位置を2列シフトする処理を実行する(ステップS14)。このときのビット出力開始位置からのビット列を、
図13(b)に示している。
【0045】
最終的に、ビットパンクチャ処理部302は、変更する符号化率に応じた列数でビット出力開始位置から出力する(ステップS15)。例えば、
図14に例示するように、符号化後ビットは列ごとに送信され、符号化率R=1/2では64列送信する。符号化率を上げる場合は列数を少なくし、下げる場合は列数を多くする。またターボ復号器の復号に必要な終端ビット(終端ビットの送信順は問わない)も同時に送信するよう出力する。
【0046】
このように、
図8乃至
図14に示すビットパンクチャ処理を行って符号化率の変更を可能とする通信端末300は、現在のスマートフォンなど幅広い機器で使用されている。符号化率を変える場合には、同一の符号化器・復号器を用いながら、
図14において送信する列数を変更するのみで実現できるため、通信中に符号化率を変えることや、通信パケットごとに符号化率を制御することも容易である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0048】
上述したように、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)では、データ伝送に先立って、所定のビットパンクチャパターンに基づくパンクチャ処理によって符号化率を変更することができるが、符号化率が異なる場合、符号化器と復号器はそれぞれ別々のものを用意する必要がある。
【0049】
このため、
図7に示すような送信装置100及び受信装置200は、データストリームの伝送中での符号化率の変更ができない点や、変更可能な符号化率の数が増えるほどハードウェアの規模が大きくなるという問題がある。また、このような符号化器・復号器は、実際に使用されていない符号化率でも仕様上規定されているために実際に使用しない符号化器・復号器を設ける必要が生じ、ハードウェア利用効率が低下するという問題がある。
【0050】
一方で、
図7に示すような送信装置100及び受信装置200に対し、誤り訂正処理にターボ符号を採用し、単にLTEに基づくビットパンクチャ処理(
図8乃至
図14)を適用することで、同一の構成の符号化器・復号器を用いて符号化率の変更ができる。このように構成した場合には、データストリームの伝送中での符号化率を送受間で定めたタイムスケジュールに基づいて動的に変更することができるため、実用上の利便性を高めることができる。
【0051】
ただし、LTEに基づくビットパンクチャ処理では、ビット誤り(BER)カーブ特性が全体的に急峻になるように、情報ビット系列(系列S)をもパンクチャ処理する仕組みとなっている(
図13(a)参照)。しかしながら、LTEに基づくビットパンクチャ処理では、符号化率が所定値以上に高くなると、復号に必要な情報が足りずビット誤り(BER)カーブ特性で非常に高いビット誤り率のエラーフロアを引くことになるため(この現象を本願明細書中、“致命的なパンクチャ(Catastrophic Puncturing)”と称する。)、使用できる符号化率が制限されるという問題がある。
【0052】
このため、LTEに基づくビットパンクチャ処理では、当該“致命的なパンクチャ”となる符号化率を極力高くするために、
図12(a)に示す系列P2のサイクリックシフトを行っている。
図9に示すターボ符号化器301におけるターボ符号内インターリーバ313は、ターボ符号化器301内の第1及び第2要素符号化器311,312における畳込み符号化処理の状態数である8の倍数単位でビット分散する処理であるため、LTEに基づくビットパンクチャ処理で、系列P2のサイクリックシフトにより系列P1とパンクチャ位置をずらすことが可能である。
【0053】
これにより、系列P1で“致命的なパンクチャ”となる符号化率であっても、系列P2での“致命的なパンクチャ”を防ぐことで、BERカーブ特性はやや劣化するが、エラーフロアは引かなくなるようにして、使用できる符号化率の範囲を広げるようにしている。しかしながら、これでもエラーフロアが残る符号化率が無くなるわけではなく依然として使用できる符号化率の範囲は制限され、また当該サイクリックシフト処理が1回増えることによる処理増加の方が、実装上の負担となりうる。
【0054】
特に、主として映像ストリームを伝送する放送用素材の無線伝送装置(FPU)では、使用できる符号化率の範囲が制限されることは好ましくない。
【0055】
従って、使用自由度の高い符号化率の設定を可能とし、連続的に符号化率を変更可能とし、信号伝送中での符号化率の変更を可能とし、ハードウェア構成が簡素になるとともに、ハードウェアの利用効率を高めることを可能とする、デジタルデータの無線伝送装置(FPU)として構成される送信装置及び受信装置が望まれる。
【0056】
本発明の目的は、使用自由度の高い符号化率の設定を可能とし、連続的に符号化率を変更可能とし、信号伝送中での符号化率の変更を可能とし、ハードウェア構成が簡素になるとともに、ハードウェアの利用効率を高めることを可能とする、デジタルデータの無線伝送装置として構成される送信装置及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0057】
本発明の送信装置は、デジタルデータの無線伝送装置として構成される送信装置であって、伝送するデータに対し誤り訂正符号としてターボ符号による符号化処理を施し、情報ビット系列、第1パリティビット系列、及び第2パリティビット系列からなる誤り訂正ブロックを生成する誤り訂正符号化手段と、前記誤り訂正ブロックについて、前記情報ビット系列を欠損させることなくパンクチャビット量を変更することにより符号化率を変更する符号化率変更処理手段と、を備え
、前記符号化率変更処理手段は、前記誤り訂正ブロックについて所定ビット数毎の列で並ぶように第1の並び替えを行う手段と、前記第1の並び替えの後に、所定のパンクチャパターンにより第2の並び替えを行う手段と、前記第2の並び替えの後に、前記第1パリティビット系列、及び前記第2パリティビット系列の各ビットが交互に配置されるようにビットインタレースを実行する手段と、前記ビットインタレースを実行した後に、前記情報ビット系列について列数を1/2倍、且つ行数を2倍とし、前記第1パリティビット系列、及び前記第2パリティビット系列を1つのパリティビット系列となるよう行毎に合成する第3の並び替えを行う手段と、を備えることを特徴とする。
【0059】
また、本発明の送信装置において、操作者による直接制御と、受信側からの送り返し情報に基づくフィードバック制御のいずれか一方、又は双方により、前記符号化率変更処理手段における符号化率を変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0060】
更に、本発明の受信装置は、デジタルデータの無線伝送装置として構成される受信装置であって、送信側でターボ符号による符号化処理が施された情報ビット系列、第1パリティビット系列、及び第2パリティビット系列からなる誤り訂正ブロックについて、前記情報ビット系列を欠損させることなくパンクチャビット量を変更することにより符号化率を変更する符号化率変更処理が施されたビット列に対し、送信側の当該符号化率変更処理の逆処理を行って、誤り訂正ブロックを復元する符号化率変更手段と、前記符号化率変更手段により復元した誤り訂正ブロックに対し、前記ターボ符号による符号化処理に対応する所定の繰り返し復号法により誤り訂正復号処理を施すターボ復号手段と、を備え、前記符号化率変
更手段は、送信側の当該符号化率変更処理が施されたビット列に対し、該ビット列における情報ビット系列について列数を2倍、且つ行数を1/2倍とし、該ビット列における1つのパリティビット系列について行毎に合成されている前記第1パリティビット系列、及び前記第2パリティビット系列を分離するよう第1の復元用の並び替えを行う手段と、前記第1の復元用の並び替えの後に、送信側でビットインタレースが実行されて交互に配置されている前記第1パリティビット系列、及び前記第2パリティビット系列について該ビットインタレースの逆処理を行う手段と、該ビットインタレースの逆処理の後に、送信側と同一の所定のパンクチャパターンにより前記情報ビット系列、前記第1パリティビット系列、及び前記第2パリティビット系列について第2の復元用の並び替えを行う手段と、前記第2の復元用の並び替えの後に、送信側で所定ビット数毎の列で並ぶように並び替えが行われているビット列に対し、該並び替えの逆処理を行って、前記ターボ復号手段により誤り訂正復号処理を施すための誤り訂正ブロックを復元する手段と、を備えることを特徴とする。
【0062】
また、本発明の受信装置において、操作者による直接制御と、受信品質に基づいて生成した送信側への送り返し情報に基づくフィードバック制御のいずれか一方、又は双方により、前記符号化率変
更手段における符号化率を変更可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0063】
本発明によれば、符号化率の変更について、復号時の性能に大きな影響を与える情報ビット系列を欠損させることなくパンクチャビット量を変更することによって実現されるため、使用自由度の高い符号化率の設定を可能とし、連続的に符号化率を変更可能である。
【0064】
このため、誤り訂正符号化率、並びにビット誤り特性を容易に変更することができる。
【0065】
また、本発明によれば、データストリームの伝送中での符号化率を、送受間で定めたタイムスケジュールに基づいて動的に変更することができ、可変伝送レートの映像や、映像とファイル送信の多重化も容易に実施できるようになる。
【0066】
また、本発明によれば、符号化率の変更に伴う複数の符号化器・復号器を使用することがないため、ハードウェア構成が簡素になるとともに、ハードウェアの利用効率を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の送信装置10及び受信装置20について、詳細に説明する。
【0069】
図1は、本発明による一実施形態の送信装置10及び受信装置20の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の例では、主として非特許文献1,2に規定されるOFDM方式の無線伝送装置(FPU)として構成可能な送信装置10及び受信装置20について説明する。ただし、詳細に後述する本発明に係る符号化率変更処理は、非特許文献3に規定されるシングルキャリア方式の無線伝送装置(FPU)として構成可能な送信装置及び受信装置に適用することも可能である。
【0070】
(送信装置)
図1に示す送信装置10は、外符号符号化器11、外インターリーバ12、ターボ符号化器13、符号化率変更処理部14、変調部15、周波数変換部16、送り返し情報抽出部17、及び符号化率切替制御部18を備える。尚、変調部15の前段に内インターリーバ(ビット・周波数・時間インターリーバ)が設けられるが、その図示及び説明は省略する。
【0071】
外符号符号化器11は、データストリームを入力し、外符号として、リードソロモン(RS)符号、又はBCH符号の誤り訂正符号化処理を施し、外インターリーバ12に出力する。
【0072】
外インターリーバ12は、外符号の誤り訂正符号化処理を施した誤り訂正ブロックに対しバイト単位で畳込みバイトインターリーブ処理を施し、ターボ符号化器13に出力する。外インターリーバ12は、例えば現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に準じた畳込みバイトインターリーブ処理とすることができるが、これに限定する必要はない。
【0073】
ターボ符号化器13は、
図9に示すターボ符号化器301と同様に構成され、内符号として、ターボ符号の誤り訂正符号化処理を施し、情報ビット系列(系列S)、第1パリティビット系列(系列P1)、及び第2パリティビット系列(系列P2)からなる誤り訂正ブロックを生成し、符号化率変更処理部14に出力する。
【0074】
符号化率変更処理部14は、バッファメモリ141及びビット並び替え部142からなり、ターボ符号の誤り訂正符号化処理を施した誤り訂正ブロックをバッファメモリ141に格納し、バッファメモリ141に格納した誤り訂正ブロックについて、ビット並び替え部142により、情報ビット系列を欠損させることなくパンクチャビット量を変更することにより符号化率を変更して、変調部15に出力する。尚、変調部15の前段には、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)と同様に、内インターリーバ(ビット・周波数・時間インターリーバ)等が設けられるが、その図示及び説明は省略する。
【0075】
尚、符号化率変更処理部14による符号化率変更処理は、詳細に後述する。
【0076】
変調部15は、所定の符号化率が設定された誤り訂正符号化後のビット列から伝送するシンボルを構成し、伝送するシンボルについてキャリア変調(本例では、OFDM変調とするが、シングルキャリア方式であればその変調方式)に応じて直交平面へのマッピングを行い、当該キャリア変調の変調方式に応じた中間周波数帯の信号を生成し、周波数変換部16に出力する。
【0077】
周波数変換部16は、変調部15から得られる中間周波数帯の信号(本例では中間周波数帯のOFDM信号)を伝送用の高周波数帯へとシフト変換して変調信号を生成し外部に出力する。
【0078】
送り返し情報抽出部17は、受信装置20から所定フォーマットで伝送される制御情報を受信して所定の送り返し情報を抽出し、符号化率切替制御部18に出力する。送り返し情報は、受信装置20における受信品質を示すものとするか、又は符号化率を変更するよう指示する旨を示すものとすることができる。
【0079】
符号化率切替制御部18は、送り返し情報抽出部17によって抽出した送り返し情報を基に、符号化率変更処理部14における符号化率を変更するよう制御する。
【0080】
尚、符号化率変更処理部14における符号化率を変更するためには、操作者による直接制御により行うこともでき、このため直接制御と送り返し情報に基づくフィードバック制御のいずれか一方、又は双方が可能なように構成される。
【0081】
即ち、本発明に係る送信装置10は、
図7に示す現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に対応する送信装置100と比較して、ターボ符号を内符号とし、尚且つターボ符号による符号化率を変更可能に、符号化率変更処理部14を設けている点で構成要素が異なり、その他の構成要素は同様とすることができる。
【0082】
(受信装置)
一方、
図1に示す受信装置20は、周波数変換部21、復調部22、符号化率変更処理部23、ターボ復号器24、外デインターリーバ25、及び外符号復号器26を備える。尚、復調部22の後段に内デインターリーバ(ビット・周波数・時間デインターリーバ)が設けられるが、その図示及び説明は省略している。
【0083】
周波数変換部21は、送信装置10から伝送される変調信号を受信して中間周波数帯の信号(本例では中間周波数帯のOFDM信号)に変換し復調部22に出力する。
【0084】
復調部22は、中間周波数帯の信号(本例では中間周波数帯のOFDM信号)に対し復調処理を施し、図示しない内デインターリーブ処理を経て符号化率変更処理部23に出力する。
【0085】
符号化率変更処理部23は、バッファメモリ231及びビット並び替え部232からなり、復調された誤り訂正ブロックをバッファメモリ231に格納し、バッファメモリ231に格納した誤り訂正ブロックについて、ビット並び替え部232により、送信側の符号化率変更処理部14の処理に対する逆処理を施して、ターボ復号器24に出力する。
【0086】
ターボ復号器24は、送信側のターボ符号化器301に対応する誤り訂正符号の復号処理を施し、外デインターリーバ25に出力する。ターボ符号は、誤り訂正ブロック内でビット尤度(0/1の確からしさ)を基に繰り返し復号処理を施すことでビット誤りを訂正する処理である。
【0087】
外デインターリーバ25は、送信側の外インターリーバ12による外インターリーブ処理に対応する逆処理を行い、外符号復号器26に出力する。
【0088】
外符号復号器26は、外デインターリーバ25によるデインターリーブ処理が施された信号に対して送信側の外符号符号化器11による外符号の復号処理を施し、データストリームを復元する。
【0089】
即ち、本発明に係る受信装置20は、
図7に示す現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に対応する受信装置200と比較して、ターボ符号を内符号とし、ターボ符号を内符号とし、尚且つターボ符号による符号化率を変更可能に、符号化率変更処理部14を設けている点で構成要素が異なり、その他の構成要素は同様とすることができる。
【0090】
(符号化率変更処理)
ここで、
図1に示す符号化率変更処理部14による符号化率変更処理について、
図2に示すフローチャートを基に、
図3等を参照しながら説明する。
【0091】
まず、
図2に示すように、符号化率変更処理部14は、バッファメモリ141に、処理単位ビット数Nの情報ビット系列Sと、対応するパリティビット系列P1,P2を入力して保持し、前述した
図11(a)と同様に、所定ビット数(32ビット)毎の列に並び替える(ステップS1)。終端ビット部分は別に保持しておく。
【0092】
続いて、符号化率変更処理部14は、ビット並び替え部142により、ステップS1で並び替えたビット系列S,P1,P2を、前述した
図11(b)と同様に、所定のパンクチャパターンにより並び替える列サブブロックインターリーブ処理を実行する(ステップS2)。この列サブブロックインターリーブ処理の実行後のビット列は、
図11(c)に示した通りである。
【0093】
続いて、符号化率変更処理部14は、ビット並び替え部142により、“前述した
図12(a)のような系列P2のみ1ビットサイクリックシフトを実行することなく”、前述した
図12(b)と同様に、系列P1,P2のビット系列についてビットインタレースを実行し、各系列P1,P2のビットが交互に配置されるようにする(ステップS3)。
【0094】
続いて、符号化率変更処理部14は、ビット並び替え部142により、“前述した
図13(a)に示すようなビット出力開始位置を2列シフトする処理を実行することなく”、
図3(a)に示すように、系列Sについて列数を1/2倍、行数を2倍とし、系列P1,P2を1つのパリティビット系列となるよう行毎に合成する並び替えを実行する(ステップS4)。
【0095】
最終的に、符号化率変更処理部14は、ビット並び替え部142により、変更する符号化率に応じた列数でビット出力開始位置から出力する(ステップS5)。即ち、
図3(b)に例示するように、
図3(a)に示す2次元ビット列から、符号化後ビットは列ごとに送信され、符号化率R=1/2では32列送信する。符号化率を上げる場合は列数を少なくし、下げる場合は列数を多くする。またターボ復号器の復号に必要な終端ビット(終端ビットの送信順は問わない)も同時に送信するよう出力する。
【0096】
ここでは列数と表記しているが、1ビット単位で送信量を制限することが可能である。そして、符号化率変更処理部14による符号化率変更処理では、情報ビット系列である系列Sに対しパンクチャ処理を行わないため、高い符号化率でも上述したような“致命的なパンクチャ”を引き起こすことがない。また、符号化率変更処理部14による符号化率変更処理では、符号化後・復号前のサイクリックシフト処理を行わないため、より簡易に可変符号化率の実装が実現できる。
【0097】
尚、受信装置20における符号化率変更処理部23は、送信装置10の符号化率変更処理部14による符号化率変更処理の逆処理を行う。
【0098】
即ち、符号化率変更処理部23は、まず、送信側の符号化率変更処理部14による符号化率変更処理が施されたビット列に対し、該ビット列における情報ビット系列について列数を2倍、且つ行数を1/2倍とし、該ビット列における1つのパリティビット系列について行毎に合成されている第1パリティビット系列(系列P1)、及び第2パリティビット系列(系列P2)を分離するよう第1の復元用の並び替えを行う。
【0099】
続いて、符号化率変更処理部23は、送信側でビットインタレースが実行されて交互に配置されている第1パリティビット系列(系列P1)、及び第2パリティビット系列(系列P2)について該ビットインタレースの逆処理を行う。
【0100】
続いて、符号化率変更処理部23は、送信側と同一の所定のパンクチャパターンにより情報ビット系列(系列S)、第1パリティビット系列(系列P1)、及び第2パリティビット系列(系列P2)について第2の復元用の並び替えを行う。
【0101】
続いて、符号化率変更処理部23は、送信側で所定ビット数(32ビット)毎の列で並ぶように並び替えが行われているビット列に対し、該並び替えの逆処理を行って、ターボ復号器24により誤り訂正復号処理を施すための誤り訂正ブロックを復元する。
【0102】
(シミュレーション)
従来課題として上述したように、現行規格の放送用素材の無線伝送装置(FPU)に対し、情報ビット系列(系列S)を間引くビットパンクチャ処理を実行すると、所定値以上の符号化率では、復号に必要な情報が足りずビット誤り(BER)カーブ特性で非常に高いビット誤り率のエラーフロアを引く性質があるため、使用できる符号化率が制限されるおそれがある。
【0103】
特に、主として映像ストリームを伝送する放送用素材の無線伝送装置(FPU)では、使用できる符号化率の範囲が制限されることは好ましくない。
【0104】
このため、本発明に係る送信装置10及び受信装置20では、それぞれ符号化率変更処理部14及び符号化率変更処理部23を設けて、復号時の性能に大きな影響を与える情報ビット系列を欠損させることなくパンクチャビット量を変更することによって符号化率変更処理を行うよう構成している。
【0105】
そこで、符号化率変更処理部14,23による設定する符号化率の使用自由度を確認するために、
図4に示す処理系統の送信装置10a及び受信装置20aについてシミュレーションを行った。
図4は、本発明による一実施形態の送信装置10a及び受信装置20aに関するシミュレーション用の概略構成を示すブロック図である。
【0106】
送信装置10aは、ターボ符号化器13a、及び符号化率変更処理部14aを備える例とした。
【0107】
ターボ符号化器13aは、
図1に示す送信装置10における繰り返し復号用符号化器13に対応する一例として、204バイト(1632ビット)ずつビット列が入力され、符号化率1/3(拘束長4ビット)のターボ符号による誤り訂正を施すものとした。尚、ターボ符号化器13aは、
図9に示すターボ符号化器301と同様の構成とし、ターボ符号内インターリーバ313は、1632ビットのQPPインターリーブ処理を行うものとした。
【0108】
また、符号化率変更処理部14aは、符号化率RをパラメータとするR=0.99〜0.33の範囲で6種類の可変符号化率でシミュレーションを行った。
【0109】
送信装置10aは、AWGN伝送路を経て受信装置20aへOFDM変調時にQPSKで伝送する伝送システムとし、AWGN伝送路ではホワイトノイズが付加されるものとした。
【0110】
一方、受信装置20aは、符号化率変更処理部23a、及びターボ復号器24aを備える例とした。符号化率変更処理部23a、及びターボ復号器24aは、それぞれ送信装置10aの各構成要素の逆処理を行う処理部であり、
図1に示す受信装置20を簡易的に模擬している。ターボ復号器24aは、繰り返し回数8回のMax−log−MAP復号による繰り返し復号法とした。
【0111】
図5(a)乃至(f)に、それぞれ符号化率をパラメータとした本発明と従来(LTE)との性能比較を示している。また、
図5(a)乃至(f)に示すシミュレーション結果をより分かりやすく、BERカーブ特性の比較として
図6に示している。
【0112】
従来のLTEに基づくビットパンクチャ処理は、
図5を参照すると、符号化率R=0.90以上でエラーフロアが生じることが分かる。これは情報ビットをパンクチャする場合、符号化率R=0.90以上では系列P1或いは系列P1,P2で“致命的なパンクチャ”が発生することによる(
図6に図示する“A”,“B”の領域)。
【0113】
つまり、従来のLTEに基づくビットパンクチャ処理では、符号化率R>16/17で、
図6に図示する“A”の領域で示されるような系列P1,P2で“致命的なパンクチャ”が発生し、16/19<符号化率R≦16/17で、
図6に図示する“B”の領域で示されるような系列P1だけ“致命的なパンクチャ”が発生する。このため、従来のLTEに基づくビットパンクチャ処理では、使用可能な符号化率Rとして、符号化率R≦16/18に制限されることになる。
【0114】
これに対して、本発明に係る符号化率変更処理では、元の情報ビット例を系列Sとして全て送信するため、符号化率R=0.99でもエラーフロアが生じることはない。また符号化率R=0.89,0.83では、従来のLTEに基づくビットパンクチャ処理の方が若干良い特性を得られているが、例えば外符号をRS(204,188)符号とした時に擬似エラーフリーとみなすことができるBER=10
−4を基準とする場合、その差は0.1dB以下であり、大きな特性劣化とはならないことが分かる。
【0115】
このように、符号化率変更処理部14により符号化率の変更を可能とする送信装置10、並びに、符号化率変更処理部23により符号化率変更処理部14の処理に対する逆処理を行って符号化率の変更を可能とする受信装置20は、復号時の性能に大きな影響を与える情報ビット系列を欠損させることなくパンクチャビット量を変更することによって実現されるため、使用自由度の高い符号化率の設定を可能とし、連続的に符号化率を変更可能である。
【0116】
このため、送信装置10及び受信装置20は、誤り訂正符号化率、並びにビット誤り特性を容易に変更することができる。
【0117】
また、送信装置10及び受信装置20は、データストリームの伝送中での符号化率を送受間で定めたタイムスケジュールに基づいて動的に変更することができ、可変伝送レートの映像や、映像とファイル送信の多重化も容易に実施できるようになる。
【0118】
また、送信装置10及び受信装置20は、符号化率の変更に伴う複数の符号化器・復号器を使用することがないため、ハードウェア構成が簡素になるとともに、ハードウェアの利用効率を高めることができる。
【0119】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、本発明に係る一実施形態の例では、外符号をRS符号とする例を主として説明したが、BCH符号としても同様である。
【0120】
従って、本発明に係る送信装置及び受信装置は、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。